説明

表示装置及び表示方法、表示システム及び表示装置用プログラム

【課題】ユーザの移動態様に応じてその利便性を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】ユーザの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部16と、ユーザと共に移動する同行者の有無に関する同行者有無情報を取得する同行者有無情報取得部18と、取得した同行者有無情報に基づいて、同行者の有無を判定するシステム制御部15と、同行者がいると判定されるとき、ユーザと同行者とが移動を共にしていることを表現するための同一シンボルマークを取得するシンボルマーク取得部19と、取得された同一シンボルマークを位置情報に基づいて表示部12に表示すると共に、ユーザの移動に伴って更新される位置情報に基づき、同一シンボルマークの表示部12上における表示位置を移動させる表示制御部20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示装置及び表示方法、表示システム及び表示装置用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯型無線電話機(以下、単に携帯電話機と称する)等の携帯端末装置にGPS(Global Positioning System)受信機を搭載し、当該携帯端末装置のユーザの現在位置を含む周辺の地図を画面に表示させて目的地までの誘導を行うナビゲーションシステムが知られている。
【0003】
このようなナビゲーションシステムにおける現在位置表示の一例としては、ユーザの現在位置に対応する地点に、例えば三角形のシンボルマークを表示し、そのシンボルマークの先鋭な頂点がユーザの進行方向に向けて表示されるものがある。
【0004】
一方、こうしたナビゲーションシステムでは、長期間の使用に際しても飽きが来ないようにすべく、上述した本来のナビゲーション機能の他に、そのユーザが興味を持つような種々の工夫がなされている。このような工夫の一例としては、例えば下記特許文献1又は2に例示されるものがある。
【0005】
このとき、当該特許文献1に記載の技術では、例えば走る動物を模した複数種類のシンボルマークを予め用意し、ユーザが当該シンボルマークの中から好みのシンボルマークを選択することで、当該選択されたシンボルマークを車両の移動態様等に応じて変化しつつ表示することが開示されている。また特許文献2に記載の技術では、車両の前後の傾斜角度に応じて当該車両の現在位置を示すシンボルマークを視覚的に前傾又は後傾させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−194166公報
【特許文献2】特開2003−90729公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された技術では、複数種類のシンボルマークをユーザが選択可能とされてはいるものの、結局のところ自車の位置のみを示すシンボルマークとそれが案内されるべき案内経路とがその進行具合に応じて位置及び角度を変えて表示されることが示されているに過ぎない。
【0008】
よって、例えば、そのような表示を適用した携帯型電話機を携帯するユーザが、他の人と移動を共にするような場合でも当該ユーザの携帯電話機では当該ユーザの移動のみしか表現することができず、利便性に欠けると言う問題点があった。
【0009】
そこで本願は、このような問題点の解消を一つの課題とし、その目的の一例は、ユーザの移動態様に応じてその利便性を向上させることが可能な表示装置及び表示方法、表示システム並びに当該表示装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部等の位置情報取得手段と、前記ユーザと共に移動する同行者の有無に関する同行者有無情報を取得する同行者有無情報取得部等の同行者有無情報取得手段と、前記取得された同行者有無情報に基づいて、前記同行者の有無を判定するシステム制御部等の判定手段と、前記判定手段により前記同行者がいると判定されるとき、前記ユーザと当該同行者とが移動を共にしていることを表現するための同一シンボルマークを取得するシンボルマーク取得部等の同一シンボルマーク取得手段と、前記取得された前記同一シンボルマークを前記位置情報取得手段により取得された位置情報に基づいて表示手段に表示すると共に、前記ユーザの移動に伴って更新される前記位置情報に基づき、前記同一シンボルマークの前記表示手段上における表示位置を移動させる表示制御部等の表示制御手段と、を備える。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の表示装置と、当該表示装置と通信手段を介して接続されるサーバ装置と、を備える表示システムであって、当該表示装置が携帯型の表示装置であり、更に当該表示装置の前記表示制御手段は、前記案内経路を示す経路情報を、前記サーバ装置から前記通信手段を介して取得するように構成される。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、コンピュータを、前記表示手段を備えた請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置として機能させる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、ユーザの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得工程と、前記ユーザと共に移動する同行者の有無に関する同行者有無情報を取得する同行者有無情報取得工程と、前記取得された同行者有無情報に基づいて、前記同行者の有無を判定する判定工程と、前記判定工程において前記同行者がいると判定されるとき、前記ユーザと当該同行者とが移動を共にしていることを表現するための同一シンボルマークを取得する同一シンボルマーク取得工程と、前記取得された同一シンボルマークを前記取得された位置情報に基づいて表示部等の表示手段に表示すると共に、前記ユーザの移動に伴って更新される前記位置情報に基づき、前記同一シンボルマークの前記表示手段上における表示位置を移動させる表示制御工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る表示装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】実施形態に係る同一シンボルマークの表示例を示す図である。
【図4】同一シンボルマークの表示例を示す図であり、(a)は第一例を示す図であり、(b)は第二例を示す図であり、(c)は第三例を示す図であり、(d)は第四例を示す図であり、(e)は第五例を示す図である。
【図5】第1実施例に係る案内経路表示システムの概要構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施例に係る案内経路表示システムの動作を示すフローチャートであり、(a)は第1実施例に係る表示モードの設定動作を示すフローチャートであり、(b)は第1実施例に係る案内経路の表示動作を示すフローチャートである。
【図7】第1実施例に係る操作画面を例示する図であり、(a)は第一段階の操作画面を例示する図であり、(b)は第二段階の操作画面を例示する図であり、(c)は第三段階の操作画面を例示する図である。
【図8】画面上に表示される第1実施例に係る案内経路の一例を示す図であり、(a)は地図による案内経路の表示例を示す図であり、(b)はテキストによる案内経路の表示例を示す図である。
【図9】第2実施例に係る表示モードの設定動作を示すフローチャートである。
【図10】第3実施例に係る表示モードの設定動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の実施形態について図1乃至図4を用いて説明する。なお、図1は実施形態に係る表示装置の概要構成を示すブロック図であり、図2は当該表示装置の動作を示すフローチャートである。また図3は当該動作において表示部に表示される実施形態に係る同一シンボルマークの表示例を示す図であり、図4は当該同一シンボルマークの表示例を示す図である。
【0016】
実施形態に係る表示装置Sは、ユーザによって携帯可能な表示装置Sであって、図1に示すように、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、例えば地図を表示する表示画面を有する表示手段の一例としての表示部12と、判定手段の一例及び表示制御手段の一例としてのシステム制御部15と、を含んで構成される。
【0017】
また当該表示装置Sは、ハードディスクドライブ等の不揮発性の記録媒体を備える記憶装置11と、データの授受が可能に接続されている。この記憶装置11の上記記録媒体は、図1に示すように、例えば表示装置Sを携帯するユーザと移動を共にする人(以下、同行者と称する)がいる場合、当該移動を共にすることを表す実施形態に係る同一シンボルマークとなる複数のマーク素材としてのシンボルマークデータM2を記憶する。
【0018】
一方、システム制御部15は、CPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)などに記憶されたプログラムを読み出し実行することにより、位置情報取得手段の一例としての位置情報取得部16、同行者有無情報取得手段の一例としての同行者有無情報取得部18、同一シンボルマーク取得手段の一例としてのシンボルマーク取得部19及び表示制御手段の一例としての表示制御部20として機能する。
【0019】
位置情報取得部16は、例えばGPS(Global Positioning System)等を用いて表示装置Sの現在位置情報を取得する。なお、ユーザが位置情報を入力することで位置情報取得部16として現在位置情報を取得しても構わない。
【0020】
同行者有無情報取得部18は、同行者の有無に関する同行者有無情報を取得する。より具体的に同行者有無情報取得部18は、例えば、ユーザが入力した同行者の人数を取得する。
【0021】
例えば、本願に係る表示装置Sを携帯するユーザの一例としての父親を含む家族五人が移動を共にする場合、この父親には同行者が四人いることになる。そこで当該父親が自己が携帯する表示装置Sに対し自分を除いた人数「4」を入力することで、当該表示装置Sにおける同行者有無情報取得部18は、当該ユーザたる父親と同行する同行者の人数「4」を取得する。
【0022】
なお、実施形態での「移動を共にする」とは、ユーザが移動する予定の案内経路や、ショッピングセンタ又は娯楽施設等のエリア内を、ユーザがその同行者と一緒に移動することをいい、例えば上記の例で言う家族の一部の人が一時的に離れ離れになったとしても、その離れ離れになった後に合流して移動を再開する行為も、当該「移動を共にする」ことに含まれる。
【0023】
そして、システム制御部15は、同行者有無情報取得部18によって取得された同行者の有無に関する同行者有無情報、例えば上記した人数に基づいて同行者の有無を判定する。因みに、同行者有無情報取得部18によって上記した人数「4」が取得された場合には、「同行者有り」と判定する。
【0024】
次にシンボルマーク取得部19は、ユーザに同行者がいる場合において当該ユーザと同行者とが移動を共にしていることを表現する同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータを、後述する方法により記憶装置11から取得する。
【0025】
なお、実施形態に係るシンボルマーク又は同一シンボルマークとしては、例えば動物(より具体的には、例えば亀)のキャラクタが用いられる。換言すれば、当該動物のキャラクタを用いた複数のシンボルマークデータM2が記憶装置11に記憶されており、シンボルマーク又は同一シンボルマークとして当該シンボルマークM2が表示装置Sに取得されて用いられる。当該シンボルマークデータM2は、動物の種類毎に大きさの異なる複数のデータが存在している。そしてシンボルマーク取得部19は、ユーザとその同行者の人数を合わせた数に応じて、例えば、大きさの異なるシンボルマークデータM2を重ね合わせたり、連ならせたりして生成された実施形態に係る同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータを取得する。当該取得されたシンボルマークデータを構成するシンボルマークデータM2の夫々は、上記同一種類の動物のキャラクタを用いたシンボルマークデータM2とされている。また、ユーザと同行者とを容易に識別可能とすべく、大きさの異なるシンボルマークデータM2を用いて生成された同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータを取得する。更に、同行者がなくユーザが一人で移動する場合には、ユーザが一人で移動することを表現するシンボルマークとして、例えば、一番大きい一つのシンボルマークデータM2を取得する。
【0026】
なお、本実施形態及び後述する実施例において、当該「シンボルマークデータM2」を用いて取得されたものが表示部12において視覚化されたときに、それが「シンボルマーク」又は「同一シンボルマーク」となる。
【0027】
更に、実施形態での同一シンボルマークを「取得する」とは、上述したように元々データとしては異なる複数のシンボルマークデータM2を重ね合わせたり或いは連ならせたりすることで、一つの「同一シンボルマーク」に相当するシンボルマークデータとして「生成」されたものをシンボルマーク取得部19が取得する場合に加えて、上記シンボルマークデータM2を重ね合わせたり連ならせたりした形態をそれ自体で有する「同一シンボルマーク」に相当するシンボルマークデータM2を一つのデータとして、同行者の人数や表示態様のバリエーションに応じた数だけ例えば記憶装置11等に「予め」記憶しておき、これを同行者の有無やその人数に応じてシンボルマーク取得部19が「読み出す」ことを含む。なお以下の説明では、上述した同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータとして複数のシンボルマークデータM2を用いて生成されたものをシンボルマーク取得部19が取得する場合についての実施形態を説明する。
【0028】
一方、表示制御部20は、同行者有無情報取得部18が取得した同行者有無情報に基づいて、シンボルマーク又は同一シンボルマークのいずれを表示するかを決定する。更に同一シンボルマークを表示すると決定した場合には、その人数に応じた同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータとして生成されたものをシンボルマーク取得部19に取得させる。そして、当該シンボルマーク又は当該同一シンボルマークのいずれか一方を、位置情報取得部16によって取得された現在位置情報に基づいて表示部12に表示させる。更に、位置情報取得部16によって取得される現在位置情報によりユーザの移動、即ち当該ユーザが携帯する表示装置Sの移動が確認された場合、換言すれば、位置情報取得部16によって取得される現在位置情報が更新された場合、その移動に応じて当該シンボルマーク又は同一シンボルマークの表示部12の表示画面上における表示位置を移動させる。
【0029】
なお表示制御部20は、上述した如くユーザが入力した同行者の人数により当該同行者の有無を判定した場合には、当該入力された人数が「0」と更新されるまで同一シンボルマークを表示させる。即ち、例えば当該同行者の人数が「4」から「0」と変更された場合、表示制御部20は、同一シンボルマークの表示からシンボルマークの表示に変更させる。
【0030】
次に、実施形態に係る表示装置Sの動作について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0031】
図2に示すように、実施形態に係る表示装置Sの動作としては、先ずユーザの操作に基づき、徒歩による移動を案内する実施形態に係る案内経路表示用アプリケーション(以下、単に徒歩ナビアプリと称する)をシステム制御部15が起動させる(ステップS101)。
【0032】
次にシステム制御部15は、ユーザにより携帯されている表示装置Sの現在位置を示す現在位置情報を取得済みであるか否かを判断し(ステップS102)、位置情報取得部16にて当該現在位置情報を取得済みである場合は(ステップS102;YES)後述するステップS104の動作に移行する。これに対して現在位置情報が未取得である場合(ステップS102;NO)、システム制御部15は位置情報取得部16に当該現在位置情報を取得させ(ステップS103)上記ステップS102の動作に移行する。
【0033】
次に、システム制御部15は、実施形態に係るシンボルマーク又は同一シンボルマークを表示部12の表示画面上に表示するために必要な情報(具体的には、例えば同行者の人数を示す人数情報やユーザの現在位置を示す現在位置情報等)が全て入力済みであるか否かを確認する(ステップS104)。そして当該必要な情報が全て入力済みである場合は(ステップS104;YES)、後述するステップS106の動作に移行し、一方、未入力の情報がある場合には(ステップS104;NO)、当該未入力の情報が入力される(ステップS105)まで待機する。
【0034】
次に、システム制御部15の同行者有無情報取得部18は、上記ステップS104及びS105において取得された人数情報に基づき、ユーザに同行する同行者の有無を判定し(ステップS106)、同行者がいれば(ステップS106;YES)後述するステップS107の動作に移行し、一方同行者がいなければ(ステップS106;NO)後述するステップS108の動作に移行する。
【0035】
次に上記ステップS107の動作としてシステム制御部15の表示制御部20は、当該ステップS107の動作としては同行者がいることになるため(ステップS106;YES参照)、この場合では上記した「移動を共にする」ことを表す同一シンボルマークを表示部12の表示画面上に表示させる。このとき上記したように、システム制御部15は、その同行者の人数に応じた同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータをシンボルマーク取得部19に取得させる。即ちシステム制御部15は、同行者がいると判断した場合は、同一シンボルマークを表示すべきマークとして決定し、同行者の人数に合わせた数の大きさの異なるシンボルマークデータM2を用いて生成された同一シンボルマークをシンボルマーク取得部19に取得させる。
【0036】
より具体的に例えば、シンボルマーク取得部19は、同行者が例えば一人である場合には、二つの大きさの異なるシンボルマークデータM2を用いてそれらを互いに重ね合わせて生成されたシンボルマークデータを、当該同行者が一人であることを表現するための同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータとして取得する。また、同行者が例えば二人である場合には、三つの大きさの異なるシンボルマークデータM2を用いてそれらを互いに連ならせて生成されたシンボルマークデータを、当該同行者が二人であることを表現するための同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータとして取得する。なお、同行者が例えば三人以上である場合には、例えば、三つの大きさの異なるシンボルマークデータM2を用いてそれらを互いに連ならせると共に、それ以上の数の同行者が存在している旨を示す記号(例えば、「.....」)を付加して生成されたシンボルマークデータを、当該同行者が三人以上であることを表現するための同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータとして取得する。更に、上記いずれかの方法により取得された同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータは、システム制御部15による表示制御(即ち、当該同一シンボルマークを表示部12の表示画面上に表示させること及び後述するように当該表示させた同一シンボルマークをユーザの移動に伴って移動させることを含む表示制御)においては、一つのデータとして扱われ、同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータを構成する各シンボルマークM2は一体不可分に当該同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータを構成するものとして扱われる。即ち、例えばユーザを示すシンボルマークデータM2と同行者を示すシンボルマークデータM2により構成されるシンボルマークデータは、それに相当する同一シンボルマークが一旦表示部12の表示画面上に表示された以降は、たとえ当該ユーザとその同行者とがある程度離れたり近付いたりしたとしても、それらに依存して各シンボルマークデータM2間の表示上の距離が変化したりすることなく(換言すれば、同行者の移動や位置の変化に依存することなく)、当該同一シンボルマークとしての表示態様は不変とされる。
【0037】
そして、表示制御部20は、このように生成されて取得されたシンボルマークデータによって示される同一シンボルマークを表示部12の表示画面上に表示させる。このとき表示制御部20は、位置情報取得部16により取得されている(ステップS102及びS103参照)現在位置情報により示される現在位置に相当する表示画面上の位置に、当該同一シンボルマークを表示する。
【0038】
なお上述した方法により同一シンボルマークに相当するシンボルマークデータを新たに生成する場合に加えて、上述したように、上記同一シンボルマークとしての形態を元々有するシンボルマークデータM2を一つのデータとして、同行者の人数や表示態様のバリエーションに応じた数だけ例えば記憶装置11等に「予め」記憶しておき、これを同行者の有無やその人数の判断結果に応じてシンボルマーク取得部19により「読み出して」表示に供させるように構成することもできる。
【0039】
より具体的に表示制御部20は、図3に例示するように、位置情報取得部16により取得された現在位置情報により示される現在位置周辺の地図6と、上記同一シンボルマーク26(後述するように、ユーザ自身を表示するためのシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2及び同行者を表示するためのシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2からなるシンボルマークデータに相当する同一シンボルマーク26)と、を、表示部12の表示画面上に表示させる。そして、ユーザの移動に応じて当該ユーザの現在位置情報が更新された場合、当該ユーザの移動に応じて上記表示画面上に表示された同一シンボルマーク26の表示位置を移動させる。
【0040】
また同一シンボルマーク26としては、上述したように亀等の動物のキャラクタからなる同一シンボルマーク26が用いられる。即ち図4に例示するように、ユーザ自身を示し且つ当該動物のキャラクタであるシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2と、その同行者を示し且つ当該動物のキャラクタであるシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2と、により一つの(一体不可分な)同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータが生成される。
【0041】
なお、上記では同行者の人数に合わせた数の大きさの異なるシンボルマークデータM2(即ち、相互に大きさの異なる亀のシンボルマークデータM2)を用いて同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成することについて説明したが、例えば、同行者とユーザとの関係を示す情報をユーザに入力させ、当該入力された関係を示す情報に基づき、同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成する際に用いるシンボルマークデータM2を決定するようにしてもよい。
【0042】
具体的に例えば、ユーザと同行者との関係が親子関係である場合、相互に異なる大きさのシンボルマークデータM2を用いて同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成すると決定する。より具体的には、親子関係であれば、図4(a)に例示するように「親亀」を示す大きな亀のシンボルマークをユーザを示すシンボルマーク25とし、当該シンボルマーク25の上に「子亀」を示す小さな亀のシンボルマーク25aを重ね合わせて同一シンボルマーク26とすべく、それらシンボルマーク25及び25aに夫々相当するシンボルマークデータM2を決定して同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータが生成される。
【0043】
また、同行者との関係が友達関係(即ち通常相互の関係が同等)である場合、大きさの等しいシンボルマークデータM2を用いて同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成すると決定する。即ち図4(b)に例示するように、夫々「亀」を示す大きさの等しいシンボルマーク25及び25aを前後に連なるように並べた同一シンボルマーク26とすべく、それらシンボルマーク25及び25aに夫々相当するシンボルマークデータM2を決定して同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータが生成される。
【0044】
更にまた、同行者との関係が恋人関係又は夫婦関係である場合は、相互に異なる大きさのシンボルマークデータM2を用いて同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成すると決定し、それらシンボルマークM2に夫々相当するシンボルマーク25及び25aを左右に並べた同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータが生成されるようにしてもよい。
【0045】
また、更にその他の同一シンボルマーク26の形態として、ユーザ以外に同行者が複数いる場合、例えば図4(c)乃至図4(e)に示すように、当該複数の同行者を示すシンボルマーク25aを含む同一シンボルマーク26を表示することが好ましい。
【0046】
より具体的には、例えば父親たるユーザにその子供たる兄弟(又は姉妹)の同行者が二人存在する旨が入力された場合に対応する同一シンボルマーク26としては、図4(c)に例示するように、同行者たる子供二人を示すシンボルマーク25aとしてシンボルマーク25よりは小さい亀とそれに付随する更に小さい亀(図4(c)中横向きの亀)の二つの亀を含むシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2と、ユーザに対応するシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2と、を連ならせて生成されたシンボルマークデータを同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータとしてシンボルマーク取得部19に取得させるのが好ましい。
【0047】
また、父親たるユーザにその子供たる同行者が例えば三人以上複数存在する旨が入力された場合に対応する同一シンボルマーク26としては、図4(d)に例示するように、同行者たる複数の子供を示すシンボルマーク25aとしてシンボルマーク25よりは小さい横向きの亀を枠で囲んだシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2と、ユーザに対応するシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2と、を重ね合わせて生成されたシンボルマークデータを、同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータとしてシンボルマーク取得部19に取得させるのが好ましい。この図4(d)に例示する場合では、同一シンボルマーク26としての表示部12上の占有面積を最小化しつつ、同行者が複数存在していることを表示することができる。
【0048】
なお図4(d)に例示する場合において、同行者を表示するシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2として、図4(e)に例示するように実際の同行者の数に相当する数(図4(e)に例示する場合は二人)の小さな亀を枠内に含むシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2を用いてもよい。
【0049】
そして、上記図4(a)乃至同(e)のいずれの場合においても、生成された同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータは、上述したようにシステム制御部15による表示制御においては、一つのデータとして扱われ、同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを構成する各シンボルマークデータM2は、一体不可分に当該同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを構成するものとされる。
【0050】
一方、上記ステップS108の動作としてシステム制御部15の表示制御部20は、当該ステップS108としては同行者がいないことが判っているので(ステップS106;NO参照)、この場合ではユーザ自身のみの現在位置を示すシンボルマーク25のみを表示部12の表示画面上に表示させる。より具体的に表示制御部20は、上記現在位置情報により示される現在位置周辺の地図6と、ユーザの移動状態に応じて移動する上記シンボルマーク25と、を、表示部12の表示画面上に表示する。
【0051】
以上説明したように、実施形態に係る表示装置Sの動作によれば、ユーザと移動を共にする同行者がいる場合に、当該移動を共にすることを表す同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを取得し、当該ユーザの現在位置に基づいてその同一シンボルマーク26を表示部12の表示画面上に表示し、更に当該ユーザの行動(移動)に応じてその同一シンボルマーク26の表示位置を変えるようにしているので、ユーザ自身の行動と同じ行動をしている人が他にいることを表現でき、その利便性が向上される。
【実施例】
【0052】
次に、本実施形態に係る表示装置Sのより具体的な実施例について説明する。なお、以下に説明する各実施例は、ユーザが携帯する携帯電話機を用いて当該ユーザが移動すべき案内経路を表示する案内経路表示システムに対して実施形態に係る表示装置Sを適用した場合の各実施例である。
【0053】
(I)第1実施例
(A)案内経路表示システムの構成
先ず、第1実施例に係る携帯電話機を含む案内経路表示システムの概要構成について、図5を用いて説明する。なお図5は、第1実施例に係る案内経路表示システムの概要構成の一例を示すブロック図である。また、図1を用いて説明した実施形態に係る表示装置Sと同様の機能を発揮する部材については、同一の部材番号を付して細部の説明を省略する。
【0054】
図5に示すように、第1実施例に係る案内経路表示システムSSは、サーバ装置の一例としてのサーバSVと、表示装置の一例としての携帯電話機MPと、を含んで構成されている。
【0055】
この構成においてサーバSVと携帯電話機MPとは、通信手段の一例としてのネットワークNWを介して相互にデータの送受信が可能とされている。具体的には、例えば、通信プロトコルにTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて、相互にデータの送受信が可能とされている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna TeleVision)回線)、移動体通信網(無線基地局等を含む)及びゲートウェイ等を含んで構築されていてもよい。
【0056】
一方、第1実施例に係るサーバSVは、各種プログラム及び上記地図データM1等を記憶するハードディスクドライブ等からなり且つ実施形態に係る記憶装置11に対応する記憶部11と、ネットワークNWに接続して携帯電話機MPとの通信状態を制御するネットワークアダプタ等の通信部35と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM等を備えるシステム制御部36と、により構成されている。
【0057】
この構成において、記憶部11には、第1実施例に係るシンボルマークデータM2と、表示装置Sの表示部12に地図等を表示するために用いられる上記地図データM1と、が記憶されている。
【0058】
この地図データM1は、上記地図6等を表示部12の表示画面上に描画するための描画データにより構成されている。この描画データは、例えば、地図中の地形を表示部12の表示画面上に描画するための地形描画データ、当該地図中の道路を当該表示画面上に描画するための道路描画データ、例えばホテル、レストラン、空港、駅、ショッピングセンタ、コンビニエンスストア、公園、スポーツ施設、病院又はゴルフ場等のカテゴリ別に当該地図中の施設を当該表示画面に描画するための施設描画データ、及び当該地図中の道路に関する詳細情報(例えば、交差点情報や信号情報等)を含んで構成されている。
【0059】
一方システム制御部36は、CPUが、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより経路情報生成部37及びシンボルマーク生成部34として機能する。この経路情報生成部37は、携帯電話機MPから、それを携帯するユーザの移動に係る出発地及び目的地を示す情報がネットワークNW及び通信部35を介して送信されて来ると、これらに基づき、案内経路表示に用いられる上記案内経路を示す経路情報を、記憶部11内の地図データM1を用いて生成し、通信部35を介して携帯電話機MPに送信する。
【0060】
一方シンボルマーク生成部34は、携帯電話機MPから、当該ユーザと移動を共にする同行者の有無及び当該同行者がある場合のその人数及びシンボルマーク25又は同一シンボルマーク26の生成に必要な情報がネットワークNW及び通信部35を介して送信されて来ると、これらに基づき、第1実施例に係るシンボルマーク25又は同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを、記憶部11内のシンボルマークデータM2を用いて生成し(上記実施形態に係る図4参照)、通信部35を介して携帯電話機MPに送信する。
【0061】
他方、第1実施例に係る携帯電話機MPは、基地局との電波送受信により図示しない移動体通信網を介してネットワークNWに接続されたサーバ等との通信状態を制御する通信部31と、上記案内経路やシンボルマーク25及び同一シンボルマーク26等を表示する表示部12と、操作ボタン又はカーソルボタン等により構成されユーザの操作を受け付ける操作部13と、GPS測位部14と、CPU、RAM及びROM等を備えるシステム制御部33と、を含んで構成される。
【0062】
この構成においてシステム制御部33は、CPUが、ROMなどに記憶されたプログラムを読み出し実行することにより、上記位置情報取得部16、経路情報取得部17、上記同行者有無情報取得部18、上記シンボルマーク取得部19及び上記表示制御部20並びに地図表示制御手段の一例としての地図表示制御部32として機能する。
【0063】
第1実施例に係る上記表示制御部20は、実施形態に係る表示制御部20の動作に加えて、例えば、ユーザの指示に基づいて上記案内経路を表示部12の表示画面上に表示させる。具体的には、当該案内経路を示す経路情報に基づいて案内経路を当該表示画面上に表示させる。そして、当該案内経路を表示させる場合には、当該案内経路と共に上記シンボルマーク25又は同一シンボルマーク26も表示させる。なお表示制御部20の当該動作に係る経路情報及びシンボルマークデータM2は、夫々ネットワークNWを介してサーバSVから送信されて来るものである。そして表示制御部20は、地図表示制御部32と協働して、当該経路情報等を用いて生成された上記案内経路を、必要に応じて地図6(図3参照)上に重畳して当該表示画面上に表示する。
【0064】
(B)案内経路表示システムの動作
次に、第1実施例に係る案内経路表示システムSSの動作について、図5乃至図8を用いて説明する。なお、図6は第1実施例に係る案内経路表示システムの動作を示すフローチャートであり、図7は第1実施例に係る操作画面を例示する図であり、図8は表示画面上に表示される第1実施例に係る案内経路の一例を示す図である。
【0065】
第1実施例に係る案内経路表示システムSSの携帯電話機MPでは、シンボルマーク25又は同一シンボルマーク26等の表示態様の設定動作(図6(a)参照)を例えば初期設定動作の一環として行った後に、案内経路の表示動作(図6(b)参照)を行う。
【0066】
初めに、第1実施例に係るシンボルマークの表示態様の設定動作について、図6(a)を用いて説明する。なお図6(a)はシンボルマークの表示モードの設定例を示すフローチャートである。
【0067】
ここで、第1実施例では、第1実施例に係るシンボルマークの表示態様(表示モード)として、例えば、「ノーマル表示モード」、「重なり表示モード」及び「連なり表示モード」の三つの表示モードが定義されている。
【0068】
このとき、ノーマル表示モードは、ユーザを示すシンボルマーク25のみを地図上に表示する(従来と同様の)表示モードである。また重なり表示モードは、例えば同行者が一人存在する場合において、ユーザを示すシンボルマーク25と同行者を示すシンボルマーク25aとを地図上に重ねるようにして含む(図4(a)、同(c)又は同(d)参照)同一シンボルマーク26を表示する表示モードである。更に連なり表示モードは、例えば同行者が一人又は二人以上存在する場合において、ユーザを示すシンボルマーク25と一人又は複数人の同行者を示すシンボルマーク25aとを地図上に隣接させるようにして含む(図4(b)参照)同一シンボルマーク26を表示する表示モードである。
【0069】
図6(a)に示すように、第1実施例に係る案内経路表示動作において、先ずユーザは、操作部13を操作して上記徒歩ナビアプリを起動させる(ステップS201)。より具体的には、例えば図7(a)に示すように、ユーザが選択可能な複数のメニュー項目2aを含むトップ画面2を表示部12の表示画面上に表示し、その中から「徒歩ナビ」をユーザが選択することにより、当該徒歩ナビアプリが起動される。
【0070】
次に、携帯電話機MPの同行者有無情報取得部18は、その時点で携帯電話機MPのユーザと移動を共にしている人数(即ち、同行者の存在の有無及びその人数)を確認する動作を行う(ステップS202)。より具体的にシステム制御部33は、当該ユーザが操作部13を操作して入力又は選択した、当該同行者の総数を確認する(ステップS202)。より具体的にシステム制御部33は、例えば図7(b)に例示するように、表示部12の表示画面上に徒歩ナビアプリとしての設定画面3が表示されている場合において同行者の人数が入力されているか否かを確認する。そして同行者有無情報取得部18は、図7(b)に示す設定画面3において、「同行者」の欄に1以上の数字が入力されている場合には、当該入力された数の同行者が存在していると確認する。
【0071】
即ち同行者有無情報取得部18は、入力された人数が一人以上か否かを先ず判断し(ステップS203)、一人未満、即ち同行者の人数の入力がないか又は入力された数が「0」であるときは、ユーザのみが一人で移動する場合である(換言すれば、同一シンボルマーク26により示されるべき移動を共にする同行者がいない)として(ステップS203;NO)、シンボルマークの表示モードを上記ノーマル表示モードに設定し(ステップS204)、第1実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0072】
一方、ステップS203の判定において入力された人数が一人以上である場合(ステップS203;YES)、同行者有無情報取得部18は次に、その入力された人数が一人(即ち同行者が一人)であるか否かを判断する(ステップS205)。これにより、当該人数が一人であるとき(ステップS206;YES)、同行者有無情報取得部18はシンボルマークの表示モードを上記重なり表示モードに設定し(ステップS206)、第1実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0073】
他方、ステップS205の判定において入力された人数が一人でないとき(ステップS206;NO)、同行者有無情報取得部18は、同行者が二人以上で上記ステップS202において確認された人数だけ存在しているとして、シンボルマークの表示モードを上記連なり表示モードに設定し(ステップS207)、第1実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0074】
次に、図6(a)を用いて説明したシンボルマークの表示モードの設定動作により設定された表示モードを用いて爾後に経路案内を実際に行う場合の当該案内経路の表示動作について、図6(b)を用いて具体的に説明する。なお図6(b)は当該表示動作を示すフローチャートである。
【0075】
図6(b)に示すように、第1実施例に係る案内経路の表示動作においては、先ずユーザは、操作部13を操作して経路案内に係るアプリケーションを起動させる(ステップS301)。
【0076】
次にシステム制御部33は、案内経路及びシンボルマーク等を表示するために必要な情報(具体的には、ユーザの移動に係る出発地及び目的地を示す情報(図7(b)参照)や図7(c)に例示する選択項目4bを用いて選択された内容等)が入力済みか否かを判断し(ステップS302)、当該必要な情報が全て入力されていれば(ステップS302;YES)、後述するステップS304の動作に移行し、一方、未だ未入力の情報がある場合には(ステップS302;NO)、ユーザにより必要な情報が全て入力(ステップS303)されるまで待機する。
【0077】
なお上記案内経路を表示するために必要な情報としては、少なくとも出発地と目的地とが入力される必要があるが、当該出発地については、例えばGPS測位部14を用いて位置情報取得部16により取得した現在位置に係る位置情報を用いてもよい。この場合、当該位置情報取得部16により上記現在位置を示す現在位置情報が取得できていれば、例えば図7(b)に例示するように、設定画面3が表示部12の表示画面上に表示されている状態において、「出発地」の欄に当該現在位置が取得済みである旨が表示されることとなる。
【0078】
次に、上記ステップS304の動作としてシステム制御部33は、上記設定画面3において必要な情報が全て入力され、当該設定画面3内の経路探索ボタン3aがユーザにより操作されると、サーバSVに当該必要な情報と共にシンボルマークの表示モードの設定動作(図6(a)参照)にて設定された表示モードを示す情報(同行者の有無及び同行者がいる場合のその人数を示す人数情報等を含む)をサーバSVに送信する(ステップS304)。
【0079】
これによりサーバSVのシステム制御部36内の経路情報生成部37は次に、記憶部11内の地図データM1において案内経路に相当する経路情報を探索する。
【0080】
これに加えてシステム制御部36のシンボルマーク生成部34は、シンボルマーク25を携帯電話機MPの表示部12において表示する場合(即ち、携帯電話機MPにおいて設定された表示モードがノーマル表示モードである場合)はそれに相当するシンボルマークデータM2を記憶部11において探索する。また同一シンボルマーク26を携帯電話機MPの表示部12において表示する場合(即ち、携帯電話機MPにおいて設定された表示モードが重なり表示モード又は連なり表示モードのいずれかである場合)はそれに相当するシンボルマークデータを生成するために必要なシンボルマークデータM2を記憶部11において検索して当該同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成する。その後システム制御部36は、上記シンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2又は同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータのいずれかと、上記経路情報の探索結果と、を、通信部35を介して携帯電話機MPに送信する。
【0081】
これにより携帯電話機MPの経路情報取得部17は、サーバSVのシステム制御部36において探索された経路情報(即ちユーザが移動する予定の案内経路を示す経路情報)をネットワークNW及び通信部31を介して取得する(ステップS305)。そして表示制御部20は、当該取得した経路情報を、図7(c)に例示する経路探索結果画面4として表示部12の表示画面上に表示する。ここで、当該経路探索結果画面4には、一又は複数の経路探索結果4aが表示される。このとき経路探索結果4aとしては通常複数の探索結果が表示される場合が多いので、その場合にユーザは操作部13を操作して一の経路探索結果としての経路情報を選択する。
【0082】
なお、経路探索結果画面4には、図7(c)に例示するように、地図を用いた案内経路の表示と、テキスト(文字)による案内経路の表示と、を選択するための経路表示選択ボタン4cが含まれている。これにより、ユーザが当該経路表示選択ボタン4cのどちらか一方を選択すると、システム制御部15は当該選択された表示の態様(地図を用いる表示又はテキストによる表示のいずれか)を用いて上記シンボルマーク25又は同一シンボルマーク26のいずれか及び上記案内経路を表示部12に表示する(後述するステップS306参照)。
【0083】
これらと並行して携帯電話機MPのシンボルマーク取得部19は、上記シンボルマークの表示モードの設定動作により設定された表示モード(即ち、ノーマル表示モード、重なり表示モード又は連なり表示モードのいずれか)に対応してサーバSVから送信されて来たシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2又は同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータのいずれかを取得する(ステップS305)。
【0084】
そして、第1実施例に係るシンボルマークの表示形態としては、上述したようにユーザのみで移動する場合の当該ユーザの現在位置(即ち同行者がいない場合)を示すシンボルマーク25を表示する形態と、同行者がいる場合では上記した「移動を共にする」ことを表す同一シンボルマーク26をユーザの現在位置に基づいて表示する形態と、が可能であるので、表示制御部20及び地図表示制御部32は、取得したシンボルマークデータを用いて、当該シンボルマーク25又は同一シンボルマーク26を、取得した経路情報に対応した案内経路及びそれを含む地図と共に表示部12に表示して(ステップS306)、第1実施例に係る案内経路の表示動作を終了する。
【0085】
その後表示制御部20及び地図表示制御部32は、ユーザの移動に応じて、シンボルマーク25又は同一シンボルマーク26の表示部12における表示位置を移動させる。
【0086】
より具体的に表示制御部20は、地図を用いた案内経路の表示を選択するための経路表示選択ボタン4c(図7(c)参照)が選択され、更に上記表示モードが重なりモード又は連なりモードのいずれかとされている場合には、図8(a)に例示するように、出発地点(S)から目的地(G)周辺の地図6と、ユーザを案内すべき案内経路5と、上記同一シンボルマーク26(ユーザ自身を表示するためのシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2及び同行者を表示するためのシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2からなるシンボルマークデータに相当する同一シンボルマーク26)と、を、表示部12の表示画面上に表示させる。そして、ユーザの移動に応じて当該ユーザの現在位置情報が更新された場合、当該ユーザの移動に応じて上記表示画面上に表示された同一シンボルマーク26の表示位置を移動させる。このとき、案内経路5は他の道路等に対して区別して視認可能に表示される。
【0087】
これに対して、テキストによる案内経路の表示を選択するための経路表示選択ボタン4c(図7(c)参照)が選択され、更に上記表示モードが重なりモード又は連なりモードのいずれかとされている場合には、図8(b)に例示するように、地図6を用いずにテキストのみを用いた案内経路7と、上記同一シンボルマーク26と、を、表示画面上に表示させる。そして、ユーザの移動に応じて当該ユーザの現在位置情報が更新された場合、当該ユーザの移動に応じて上記表示画面上に表示された同一シンボルマーク26の表示位置を、当該更新された現在位置情報に相当するテキストの表示位置の近傍に移動させる。
【0088】
一方、上記表示モードがノーマルモードとされている場合、ユーザには同行者がいないことが判っているので(図6(a)ステップS203;NO参照)、表示制御部20は、ユーザが経路表示選択ボタン4cを用いて選択した表示の態様により、ユーザ自身のみの現在位置を示すシンボルマーク25のみを表示部12の表示画面上に表示させる。
【0089】
より具体的に表示制御部20は、経路表示選択ボタン4cを用いて地図を用いた案内経路の表示が選択されている場合には、出発地点(S)から目的地(G)周辺の地図6と、ユーザを案内すべき案内経路5と、ユーザの移動状態に応じて移動するシンボルマーク25と、を、表示部12の表示画面上に表示し(図8(a)参照)、その後第1実施例に案内経路の表示動作を終了する。また、経路表示選択ボタン4cを用いてテキストによる案内経路の表示が選択されている場合には、地図6に代えて、テキストのみを用いた案内経路7とユーザの移動状態に応じて移動するシンボルマーク25と、を、表示部12の表示画面上に表示し(図8(b)参照)、その後第1実施例に案内経路の表示動作を終了する。
【0090】
なお第1実施例の場合において、シンボルマーク25又は同一シンボルマーク26を構成する亀については、その態様を、あたかも亀が歩いている如きものにするのが好ましい(上記特許文献1参照)。更に、ユーザが停止した場合に例えば亀が両手足及び頭を甲羅の中に引き込むようなアニメーションを表示すれば、ユーザになお興味を抱かせることができる。
【0091】
(II)第2実施例
次に、第2実施例に係る案内経路表示システムの動作について、図9を用いて説明する。なお図9は、第2実施例に係る案内経路表示システムの動作のうち、シンボルマークの表示モードの設定動作を示すフローチャートである。また、第2実施例に係る携帯電話機を含む案内経路表示システムのハードウエア的な構成は、基本的には第1実施例に係る案内経路表示システムSSのハードウエア構成に準じるものであるので、以下の説明では、共通する部材については同一の部材番号を用いて説明する。
【0092】
上述した第1実施例では、案内経路表示システムSSに含まれる携帯電話機MPは、ユーザが携帯しているもののみであった。これに対し、以下に説明する第2実施例では、当該ユーザが携帯する携帯電話機MPに加えて、当該ユーザと移動を共にする同行者もまた、図示しない携帯電話機を携帯している。そして、ユーザが携帯する携帯電話機MPと同行者の携帯電話機とは、通信部31を介して相互にデータの送受信が可能とされており、このデータの送受信は、例えば所定の短距離無線通信方式を用いて実行される。
【0093】
また、第2実施例に係る以下の説明においては、ユーザが携帯する携帯電話機を携帯電話機MPと称し、他の者(同行者)が携帯する他の携帯電話機を、同行者が二人以上いる場合を含めて、纏めて「同行者の携帯電話機」と称する。このとき、当該同行者の携帯電話機は、ユーザと所定の関係(例えば、上述した家族関係又は友達関係等、移動に際して実施形態に係る同行者となる関係)にある者に携帯される携帯電話機であって、例えば同行者の携帯電話機夫々を他の携帯電話機から相互に識別する端末ID情報等を用いて携帯電話機MPにおいて登録可能とされている。
【0094】
更に、第2実施例では、当該第2実施例に係るシンボルマークの表示モードとして、第1実施例に係る表示モードと同様の、ノーマル表示モード、重なり表示モード及び連なり表示モードの三つが定義されている。そして、第2実施例に係る案内経路表示動作においては、ユーザと移動を共にする同行者の携帯電話機を予めユーザの携帯電話機MPに登録しておき、その登録された同行者の携帯電話機との上記短距離通信方式による接続台数によって、上記三つの表示モードの中から一つの表示モードが選択されて実行される。なお、携帯電話機MPに同行者の携帯電話機が一台も登録されていない場合、ユーザが操作部13を操作してユーザと移動を共にする同行者の人数を入力すること(図3(b)及び(c)参照)で、その人数に応じた表示モードが設定される。
【0095】
図9に示すように、第2実施例に係る表示モードの設定動作においては、先ずユーザは、第1実施例の場合と同様に携帯電話機MPの操作部13を操作して上記徒歩ナビアプリを起動させる(ステップS401)。
【0096】
次に、携帯電話機MPの同行者有無情報取得部18は、上記同行者の携帯電話機の端末ID情報が登録済みであるか否かを判断する(ステップS402)。これにより、いずれかの端末ID情報が登録済みである場合は(ステップS402;YES)後述するステップS404の動作に移行し、一方、いずれの端末ID情報も登録されていないときは(ステップS402;NO)、図6(a)ステップS202乃至S207を用いて説明した第1実施例に係る表示モード設定動作と同様の表示モード設定動作を実行して同行者の存在の有無及びその人数の確認動作と同様の確認動作並びに表示モードの設定動作を行い(ステップS403)、第2実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0097】
上記ステップS402の確認においていずれかの端末ID情報が登録済みである場合、同行者有無情報取得部18は次に、当該登録されている端末ID情報に係る同行者の携帯電話機と間の短距離通信方式による通信を試み、当該同行者の携帯電話機と接続可能であるか否かを判断する(ステップS404)。これにより、同行者の携帯電話機のいずれとも接続が不可能であった場合(ステップS404;NO)、同行者有無情報取得部18は当該接続不能であった端末ID情報に係る同行者の携帯電話機との間の接続を再度を試み、その後上記ステップS402に移行する(ステップS405、S405;NO)。一方、ステップS405の動作において二回試みても接続可能とならない場合(ステップS405;YES)、同行者有無情報取得部18は周囲には同行者の携帯電話機は存在していない(換言すれば、同一シンボルマーク26により示されるべき同行者が存在していない)ものと見なし、携帯電話機MPにおける表示モードを上記ノーマル表示モードに設定して(ステップS406)、第2実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0098】
一方、ステップS404の確認において、同行者の携帯電話機のいずれかとの接続が可能であった場合(ステップS404;YES)、同行者有無情報取得部18は次に、当該接続可能であった同行者の携帯電話機の数を確認し(ステップS407)、接続可能数が一台であるか否かを判断する(ステップS408)。これにより同行者有無情報取得部18は、一台の同行者の携帯電話機との間の接続が可能であった場合(ステップS408;YES)、同行者が一人のみであると見なし、携帯電話機MPにおける表示モードを上記重なり表示モード(図4(a)、同(c)又は同(d)参照)に設定して(ステップS409)、第2実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0099】
他方、ステップS408の確認において、二台以上の同行者の携帯電話機との間の接続が可能であった場合(ステップS408;NO)、同行者有無情報取得部18は次に、携帯電話機MPにおける表示モードを上記連なり表示モード(図4(b)参照)に設定し(ステップS410)、第2実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0100】
なお、図9を用いて説明した設定動作において、上記ステップS404にて当該設定動作中に新たな同行者の携帯電話機と接続された場合には、その数に応じた表示モードに、その後適宜変更するように構成するのが望ましい。
【0101】
以上図9を用いて説明した表示モードの設定動作以降は、第1実施例と同様の案内経路の表示動作が実行されることとなる(図6(b)参照)。
【0102】
以上説明した第2実施例に係る案内経路表示システムの動作によれば、同行者の携帯電話機との間の接続が切断されない限りはその同行者については同一シンボルマーク26が表示されることとなる。換言すれば、当該接続が切断されると、同一シンボルマーク26は通常のシンボルマーク25に変わることとなる。
【0103】
(III)第3実施例
最後に、第3実施例に係る案内経路表示システムの動作について、図10を用いて説明する。なお図10は、第3実施例に係る案内経路表示システムの動作のうち、シンボルマークの表示モードの設定動作を示すフローチャートである。また、第3実施例に係る携帯電話機を含む案内経路表示システムのハードウエア的な構成は、基本的には第2実施例に係る案内経路表示システムのハードウエア構成に準じるものであるので、以下の説明では、共通する部材については同一の部材番号を用いて説明する。
【0104】
上述した第2実施例では、接続可能な同行者の携帯電話機の数に応じてユーザが携帯する携帯電話機MPにおける表示モードを切り換える構成について説明したが、以下に説明する第3実施例では、他の者の携帯電話機とユーザの携帯電話機MPとの間の距離を勘案し、当該距離が予め設定されている閾値以下であった場合に同行者が存在していると判断して同一シンボルマーク26を表示部12に表示する。従って、当該距離が当該閾値以下である時には常に同行者が存在していると判断されるのであり、当該閾値以下の範囲内で当該距離が変化したとしても、同一シンボルマーク26自体の表示態様は変化しない。そして当該距離が閾値より遠くなった場合には、同一シンボルマーク26自体が、ユーザに同行者が存在しないことを意味するシンボルマーク25(ユーザを示すシンボルマーク25)に取って代わられることとなる。
【0105】
なお、第3実施例に係るユーザの携帯電話機MPは、他の者の携帯電話機との間で通信部31を介して相互にデータの送受信が可能とされている。更に、当該他の者の携帯電話機は、ユーザと所定の関係にある者(例えば、友人、会社関係の者又は家族等)に携帯される携帯電話機である。そして当該他の者の携帯電話機の各々は、当該所定の関係にある者以外の者(第三者)の携帯電話機から相互に識別する端末ID情報等を用いて、携帯電話機MPにおいて登録可能とされている。
【0106】
更にまた、第3実施例では、当該第3実施例に係る表示モードとして、第1又は第2実施例に係る表示モードと同様の、ノーマル表示モード、重なり表示モード及び連なり表示モードの三つが定義されている。
【0107】
図10に示すように、第3実施例に係る表示モードの設定動作においては、先ずユーザは、第1実施例の場合と同様に携帯電話機MPの操作部13を操作して上記徒歩ナビアプリを起動させる(ステップS501)。
【0108】
次にシステム制御部33は、GPS測位部14を用いて自身の現在位置を測位済みであるか否かを判断し(ステップS502)、測位済みである場合は(ステップS502;YES)後述するステップS504の動作に移行する。これに対して現在位置が未測位である場合(ステップS502;NO)、システム制御部33はGPS測位部14を用いて上記現在位置を測位し、それに対応する現在位置情報を位置情報取得部16により取得して(ステップS503)上記ステップS502の動作に移行する。
【0109】
次に、同行者有無情報取得部18は、登録済みの端末ID情報に係る他の者の携帯電話機から通信部31を介して当該他の者の現在位置情報を取得したか否かを判断する(ステップS504)。これにより、他の者の携帯電話機のいずれからも現在位置情報を取得しなかった場合(例えば、上記徒歩ナビアプリを起動(上記ステップS501参照)してから所定時間経過しても現在位置情報を取得しなかった場合。ステップS504;NO)、同行者有無情報取得部18はユーザに同行者が存在していないと判断し(ステップS505)、後述するステップS507の動作に移行する。
【0110】
一方、ステップS504の確認において、他の者の携帯電話機の全て又はいずれかから現在位置情報を取得した場合(ステップS504;YES)、同行者有無情報取得部18は次に、当該取得した現在位置情報によって示される現在位置とユーザの携帯電話機MPの現在位置との距離が、当該他の者とユーザとが近い位置に存在している(換言すれば、他の者が実施形態に係るユーザの「同行者」に該当している)と見なせる距離として予め設定されている閾値以下であるか否かを確認する(ステップS506)。
【0111】
ここで、取得した他の者の携帯電話機の現在位置を示す現在位置情報は、例えば、当該他の者の携帯電話機夫々に備えられているGPS測位部14により夫々独自に測位された他の者の携帯電話機夫々の現在位置を示す現在位置情報である。携帯電話機MPは、上記ステップS502又はS503の動作の際に、例えば、通信部31を介して上記登録済み端末ID情報を用いて他の者の携帯電話機に対して現在位置情報の取得要求を発信して、当該現在位置情報を取得するように構成されるのが好ましい。
【0112】
そして、当該距離が閾値以下である他の者の携帯電話機が一台も存在しないとき(ステップS506;NO)、同行者有無情報取得部18は、周囲には同行者が存在していない(換言すれば、同一シンボルマーク26により示されるべき同行者がいない)ものと見なし、携帯電話機MPにおける表示モードを上記ノーマル表示モードに設定して(ステップS507)、第3実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0113】
なお、上記ステップS505の動作において同行者が存在していないと判断した場合も、同様に携帯電話機MPにおける表示モードを上記ノーマル表示モードに設定して(ステップS507)第3実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0114】
一方、ステップS506の確認において、当該距離が閾値以下である他の者の携帯電話機が存在するとき(ステップS506;YES)、同行者有無情報取得部18は次に、その閾値以下である他の者の携帯電話機の数を確認する(ステップS508)。これにより同行者有無情報取得部18は、当該数が一台であった場合(ステップS508;YES)、実施形態に係る「同行者」が一人のみであると見なし、携帯電話機MPにおける表示モードを上記重なり表示モード(図4(a)、同(c)又は同(d)参照)に設定して(ステップS509)、第3実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0115】
他方、ステップS508の確認において、他の者の携帯電話機の数が二台以上であった場合、同行者有無情報取得部18は、携帯電話機MPにおける表示モードを上記連なり表示モード(図4(b)参照)に設定し(ステップS510)、第3実施例に係る表示モードの設定動作を終了する。
【0116】
以上図10を用いて説明した表示モードの設定動作以降は、第1実施例と同様の案内経路の表示動作が実行されることとなる(図6(b)参照)。この場合、上記ステップS506において距離が閾値以下である他の者の携帯電話機については、携帯電話機MPのユーザを示すシンボルマーク25を含む同一シンボルマーク26としてその存在が表示され、且つユーザの移動と共に移動することとなる。即ち、この他の者はユーザと移動を共にする同行者であるとし、以降当該他の者の携帯電話機から取得される現在位置情報によって示される現在位置とユーザの携帯電話機MPで測位した現在位置との距離が上記閾値以下である限り、当該他の者の携帯電話機の現在位置情報の更新の有無に拘らず、ユーザの携帯電話機MPの現在位置情報の更新に伴って同一シンボルマーク26の表示位置を一体不可分で移動させる。
【0117】
因みに、上記閾値以下である他の者の携帯電話機の現在位置との距離が、その後のユーザの現在位置情報の更新、又は取得される他の携帯電話機の現在位置情報の更新に伴い上記閾値を超える距離となった場合には、同一シンボルマーク26の表示からシンボルマーク25の表示にその形態を変化させる。
【0118】
なお、上述した第2実施例及び第3実施例において、同行者の携帯電話機の台数(第2実施例の場合)又は他の者の携帯電話機の位置(第3実施例の場合)に基づいて同一シンボルマーク26をユーザの携帯電話機MPの表示部12上に表示する場合において、当該同行者を示すシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータを、サーバSVに記憶されているシンボルマークデータM2からではなく、対応する同行者(または他の者)の携帯電話機夫々から取得し、これを用いて携帯電話機MP内において同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成して表示部12に表示するように構成することもできる。この場合には、サーバSV内に既存のシンボルマークデータM2ではなく、同行者(または他の者)の携帯電話機内に記憶されている様々なシンボルマークデータを用いることができることから、より変化に富んだ態様の同一シンボルマーク26を表示部12上に表示させることができる。
【0119】
以上夫々説明したように、実施形態に係る表示装置S及び各実施例に係る案内経路表示システムSSの動作によれば、ユーザに同行者が存在している場合に同一シンボルマーク26を表示部12に表示すると共に、当該ユーザの移動に伴って当該同一シンボルマーク26の表示位置も移動させるので、そのユーザに同行者が存在して共に移動していることを容易に認識することができる。
【0120】
従って、当該ユーザに同行者がいるときの利便性を向上させることができる。
【0121】
また、取得した人数に対応した表示態様の同行者マーク25a(図4参照)に相当するシンボルマークデータM2を含む同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークをユーザの現在位置に対応させて生成/表示するので、同行者が多人数である場合に何名で移動するのかを、何人でも容易に把握することができる。
【0122】
更に、例えば同行者が一人の場合にユーザマーク25と同行者マーク25aとを重畳した態様のシンボルマークデータ(図4(a)又は同(d)参照)を同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータとして取得する場合には、例えば親子関係にあるユーザと同行者に係る同一シンボルマーク26を、その関係に適合した態様で表示することができる。
【0123】
更にまた、例えば同行者が一人の場合にユーザマーク25と同行者マーク25aとを相互に隣接させた態様のシンボルマークデータ(図4(b)又は同(c)参照)を同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータとして取得する場合には、例えば友達関係にあるユーザと同行者に係る同一シンボルマーク26を、その関係に適合した態様で表示することができる。
【0124】
また、ユーザを案内すべき案内経路5と、当該案内経路5を含む地図6と、を表示部12に同一シンボルマーク26と合わせて表示する場合には、ユーザが移動する案内経路を同行者の有無等と共に容易に認識することができる。
【0125】
更に、ユーザマーク25及び同行者マーク25aが夫々動物のキャラクタにより構成されており、ユーザの移動状態に応じてユーザマーク25及び同行者マーク25aの表示形態を変化させるので、ユーザに対して視覚的効果を高め、常に興味を抱かせながらスタート地点(ユーザの現在位置)から目的地までの案内を行うことが可能となる。
【0126】
更にまた、各実施例に係る案内経路表示システムの動作によれば、経路情報をサーバSVから取得するので、小型軽量化及び低消費電力化が望まれる携帯電話機MPにおける処理負担を軽減しつつ、同一シンボルマーク26と案内経路5との表示を表示部12において行うことができる。
【0127】
更に、第2実施例及び第3実施例に係る案内経路表示システムの動作によれば、同行者の携帯電話機の接続数や自己の携帯電話機までの距離が閾値以下にある他の者の携帯電話機の数(換言すれば同行者の人数)によってシンボルマーク25又は同一シンボルマーク26の表示態様が自動的に設定されるので、ユーザは特に当該表示態様を設定する必要がなくなり、その手間を省くことができる。
【0128】
なお、上述した各実施例においては、同行者が一人の場合に重なりモードと設定し、同行者が二人以上いる場合には連なりモードと設定する構成としたが、これ以外に、同行者が二人以上移動を共にする場合において、当該各同行者を夫々示すシンボルマーク25a(相互に異なるシンボルマーク25aであることが好ましい)を相互に重ね、且つこれをユーザを示すシンボルマーク25aに更に重ねた態様を有する同一シンボルマーク26とする重なりモードを設定してもよい。一方、同行者が一人のみである場合でも、ユーザを示すシンボルマーク25と一人の同行者を示すシンボルマーク25aを隣接させた態様(例えば図4(b)参照)を有する同一シンボルマーク26とする連なりモードを設定してもよい。つまり、ユーザとの関係を示す情報を入力することにより、同行者が一人であった場合でも、当該関係を考慮して重なりモード、または連なりモードのいずれかを自動で設定するようにしてもよい。
【0129】
更に、上述した各実施例においては、サーバSVにおいて生成した同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを携帯電話機MPに送信する構成としたが、これ以外に、当該同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを構成することとなる各シンボルマークデータM2(即ち、ユーザを示すシンボルマーク25に相当するシンボルマークデータM2及び同行者を示すシンボルマーク25aに相当するシンボルマークデータM2)自体をサーバSVから携帯電話機MPに送信し、これらを用いて携帯電話機MP内において同一シンボルマーク26に相当するシンボルマークデータを生成するように構成することもできる。
【0130】
なお、上記実施形態及び各実施例において、他の種類又は他の動物のシンボルマークの表示態様をユーザ側で選択可能にすれば、ユーザ側で表示画面を見易いように設定することが可能である。
【0131】
また、図8(b)を用いて説明した態様で案内経路7を表示する場合、上記地図データM1の授受は基本的に不要となるので、携帯電話機MPとサーバSVとの間の通信料が大幅に減ることとなり、通信料の削減や通信時間の短縮化に資することができる。
【0132】
また、上記実施形態及び実施例では、現在位置を地図6上に表示する表示装置S(携帯電話機MP)と適用して本願を説明したが、これ以外に、歩行者用通信ナビゲーション装置やカーナビゲーション装置に本願を適用することも可能である。更には、例えばPDA(Personal Digital Assistant)等の他の携帯端末装置における動作を適用しても構わないし、或いはこれら携帯型の端末装置に限られず一般的なパーソナルコンピュータに本願を適用することも可能である。
【0133】
更に、上記各実施例では、サーバSVが地図データM1を記憶し、携帯電話機MPの要求によって当該地図データM1を携帯電話機Pに送信する構成としたが、これ以外に、携帯電話機MP自体に地図データM1を全て記憶させて動作を行っても良い。この場合には、システムの構成上、サーバSVは必須ではない。
【0134】
更にまた、図2又は図6或いは図9及び図10に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得して記録しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータ等で読み出して実行することで、当該マイクロコンピュータを実施形態に係るシステム制御部15又は各実施例に係るシステム制御部33として活用することが可能である。
【符号の説明】
【0135】
11 記憶装置、記憶部
12 表示部
15、33 システム制御部
16 位置情報取得部
17 経路情報取得部
18 同行者有無情報取得部
19 シンボルマーク取得部
20 表示制御部
25、25a シンボルマーク
26 同一シンボルマーク
34 シンボルマーク生成部
S 表示装置
SS 案内経路表示システム
SV サーバ
MP 携帯電話機
NW ネットワーク
M1 地図データ
M2 シンボルマークデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記ユーザと共に移動する同行者の有無に関する同行者有無情報を取得する同行者有無情報取得手段と、
前記取得された同行者有無情報に基づいて、前記同行者の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により前記同行者がいると判定されるとき、前記ユーザと当該同行者とが移動を共にしていることを表現するための同一シンボルマークを取得する同一シンボルマーク取得手段と、
前記取得された同一シンボルマークを前記取得された位置情報に基づいて表示手段に表示すると共に、前記ユーザの移動に伴って更新される前記位置情報に基づき、前記同一シンボルマークの前記表示手段上における表示位置を移動させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記同一シンボルマーク取得手段は、複数のマーク素材を用いて生成された前記同一シンボルマークを取得し、
更に前記表示制御手段は、前記ユーザの移動に伴って更新される前記位置情報に基づいて前記同一シンボルマークにおける各前記マーク素材を一体不可分として前記表示手段上における表示位置を移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記同行者有無情報には前記同行者の人数に関する人数情報が更に含まれており、
更に前記同一シンボルマーク取得手段は、前記人数情報に対応した前記同一シンボルマークを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の表示装置において、
前記同一シンボルマーク取得手段は、互いに大きさのことなる複数のマーク素材を重ね合わせて生成された前記同一シンボルマークを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の表示装置において、
前記同一シンボルマーク取得手段は、複数のマーク素材を相互に隣接して生成された前記同一シンボルマークを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置において、
前記ユーザを案内すべき案内経路と、当該案内経路を含む地図と、を前記表示手段に表示する地図表示制御手段を更に備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置において、
前記同一シンボルマークが動物のキャラクタにより構成されており、
前記表示制御手段は、前記位置情報の更新状態に応じて前記同一シンボルマークの表示形態を変化させることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の表示装置と、当該表示装置と通信手段を介して接続されるサーバ装置と、を備える表示システムであって、
当該表示装置が携帯型の表示装置であり、
更に当該表示装置の前記表示制御手段は、前記案内経路を示す経路情報を、前記サーバ装置から前記通信手段を介して取得することを特徴とする表示システム。
【請求項9】
コンピュータを、前記表示手段を備えた請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置として機能させることを特徴とする表示装置用プログラム。
【請求項10】
ユーザの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記ユーザと共に移動する同行者の有無に関する同行者有無情報を取得する同行者有無情報取得工程と、
前記取得された同行者有無情報に基づいて、前記同行者の有無を判定する判定工程と、
前記判定工程において前記同行者がいると判定されるとき、前記ユーザと当該同行者とが移動を共にしていることを表現するための同一シンボルマークを取得する同一シンボルマーク取得工程と、
前記取得された同一シンボルマークを前記取得された位置情報に基づいて表示手段に表示すると共に、前記ユーザの移動に伴って更新される前記位置情報に基づき、前記同一シンボルマークの前記表示手段上における表示位置を移動させる表示制御工程と、
を含むことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−276384(P2010−276384A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127004(P2009−127004)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】