説明

表示装置及び表示方法

【課題】同一画面内の複数の異なる属性の画像の表示領域の自動的な判別に加え、ユーザによる設定を介入させ、これを優先させることができる表示装置及び表示方法を提供する。
【解決手段】表示装置1は表示部14に表示される各画像の領域を検出し、画像の属性(モノクロ/カラー/テキスト)を判別し、検出した領域と判別結果とをハイライト表示により示し、更に検出した領域の選択を受け付け、選択された領域に対する画像処理を任意に設定可能とし、設定された後は、当該領域には検出結果によらず、設定された画像処理が実行されて表示される。例えば、表示装置1は、図中の領域Bをモノクロ画像の領域と判別したとしても、ユーザがカラー画像と設定した場合はカラー画像用の画像処理を実行して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノクロ画像及びカラー画像など、複数の異なる属性の画像を混在させて表示する表示装置に関し、特に、各画像に対する画像処理をユーザが選択して表示させることができる表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置が表示できる画像の解像度が向上し、且つ、コンピュータからの複数の画像を並べて表示装置上で表示させるシステム(所謂マルチウィンドウシステム)が普及していることから、表示装置の1画面にモノクロ画像、カラー画像、テキスト、及びその他異なる属性の画像を混在させて表示することが増加している。
【0003】
しかしながら、モノクロ画像を表示する場合とカラー画像を表示する場合と、更にはテキストを表示する場合とでは夫々、最適な輝度、階調特性、及びコントラストが異なる。特に、医用のモノクロ画像を表示する場合、輝度の確保、輝度ムラの防止及びガンマ補正などを考慮した画像処理が重要視される。
【0004】
特許文献1には、表示装置へ画像を出力する情報処理装置にて、表示画面上の特定領域毎に表示属性を変更することができる発明が開示されている。特許文献1に開示された表示システムにより、表示装置に表示させるウィンドウに対応するアプリケーションプログラム毎に指定された表示属性に応じて、表示装置が各ウィンドウを適切に表示することが可能である。
【0005】
特許文献2には、表示装置のパネル領域内に対し、ユーザがポインティングデバイスなどを介して選択する部分領域に対し、コントラスト及びシャープネスを増加させる映像ディスプレイシステムが提案されている。特許文献2に開示されているシステムでは、表示装置(モニター)に接続されているコンピュータがポインティングデバイスから領域の選択を受け付ける。
【0006】
特許文献1及び特許文献2に開示されたシステムではいずれも、表示装置へ映像を出力するコンピュータ側での判別処理が必要であり、表示装置単体で処理を行うことができない。
【0007】
一方で、本願出願人は、表示装置にて複数の画像を表示する際に、同一画面内のモノクロ画像の表示領域と、カラー画像の表示領域と、更にはテキストの表示領域とを自動的に判別し、夫々最適な画像処理を施し、適切な輝度及び階調で表示できる表示装置を提案している。提案されている表示装置では、カラー画像及びモノクロ画像等異なる表示領域夫々に対する適切なガンマ補正がなされる。図11は、提案されている表示装置における機能の概要を示す説明図である。図11内のハッチング部分は、カラー画像の表示領域として自動的に判別された領域を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−275074号公報
【特許文献2】特開2003−66940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、各領域を自動的に判別するのみではユーザの使い勝手としては不十分な場合がある。提案されている表示装置ではモノクロ/カラー/テキスト等の判別が自動的に行われるが、モノクロ画像と判別されたとしても、ユーザとしてはカラー画像として表示して欲しい場合や、カラー画像と判別されたとしてもモノクロ画像として表示して欲しい場合がある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、同一画面内の複数の異なる属性の画像の表示領域の自動的な判別に加え、ユーザによる設定を介入させ、これを優先させることができる表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る表示装置は、一又は複数の画像を表示する表示部と、画像が表示されている領域を各検出する検出手段と、画像の属性を判別する判別手段と、異なる画像処理を夫々実行する複数の画像処理手段とを備え、前記検出手段が検出した領域の画像に対して、判別された属性に応じた画像処理を各実行させて画像を表示する表示装置であって、前記検出手段が検出した領域を強調表示させる強調表示手段と、該強調表示手段による画像処理対象領域の選択を受け付ける選択受付手段と、選択された領域の画像に実行する画像処理の設定を受け付ける設定受付手段と、選択された領域を特定する領域特定情報を求める特定手段と、該特定手段が求めた領域特定情報に対応付けて、設定された画像処理を実行する画像処理手段を特定する画像処理特定情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶した前記領域特定情報で特定される領域の画像に、対応付けて記憶されている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させる実行手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記領域特定情報は、検出された領域の面積であり、前記実行手段は、前記検出手段が検出した領域の面積を特定する手段と、特定した面積が、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報が示す面積と符合するか否かを判断する手段とを備え、該手段が符号すると判断した場合、前記領域の画像に前記領域特定情報に対応付けられている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る表示装置は、前記領域特定情報は、検出された領域で表示される画像内での色の割合を示す色分布情報であり、前記実行手段は、前記検出手段が検出した領域で表示される画像内の色分布情報を特定する手段と、特定した色分布情報が、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報が示す色分布情報と符合するか否かを判断する手段とを備え、該手段が符号すると判断した場合、前記領域の画像に前記領域特定情報に対応付けられている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させるようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前記領域特定情報は、特定された領域の前記表示部の画面内における位置情報であり、前記実行手段は、前記検出手段が検出した領域の位置情報を特定する手段と特定した位置情報が、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報が示す位置情報と符合するか否かを判断する手段とを備え、該手段が符号すると判断した場合、前記領域の画像に領域特定情報に対応付けられている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る表示装置は、前記検出手段が検出した領域の領域特定情報が変更される都度、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報を更新する手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る表示方法は、一又は複数の画像を並べて表示する表示部と、異なる画像処理を夫々実行する複数の画像処理手段とを備える表示装置が、画像が表示されている領域を各検出し、各画像の属性を判別し、検出した領域の画像に対して、判別された属性に応じた画像処理を各実行させて画像を表示する方法であって、検出した領域を強調表示させ、強調表示させる領域の選択を受け付け、選択された領域の画像に実行する画像処理の設定を受け付け、選択された領域を特定する領域特定情報を求め、求められた領域特定情報に対応付けて、設定された画像処理を特定する画像処理特定情報を記憶し、記憶された前記領域特定情報で特定される領域の画像に、対応付けて記憶されている画像処理特定情報で特定される画像処理を実行させることを特徴とする。
【0017】
本発明では、表示部に一又は複数の画像が並べて表示されるに際し、各画像の表示部における領域が検出される。そして、各画像の属性が判別され、判別結果に応じた画像処理が実行され、画像処理後の画像が表示部に表示される。画像は1つであってもよいし、画像処理が実行されない領域が有ってもよい。本発明では更に、領域検出及び自動的な画像の属性の判別の結果に対応して検出された領域が強調表示され、しかも領域の選択が受け付けられる。選択された領域の画像に対する画像処理の設定が受け付けられ、領域を特定する領域特定情報と、設定された画像処理を特定する画像処理特定情報とが対応付けられて記憶手段に記憶される。以後、表示部に画像が表示されるに際し、記憶手段に記憶されている領域特定情報で特定される領域の画像には、対応付けて記憶されてある画像処理が実行される。
これにより、ユーザは、領域の検出結果及び各々の判別結果を、領域の強調表示によって認識することができ、変更すべきと考える領域の画像処理内容を変更することが可能である。そして変更する設定を行った以後は、自動的に各領域の画像に対して判別される属性に応じた画像処理よりも、ユーザが設定した画像処理が優先して実行される。
【0018】
本発明では、選択された領域を特定する情報は、領域の面積である。記憶手段に領域特定情報及びこれに対応付けられた画像処理特定情報が記憶された以後は、次のタイミングで領域検出がされた結果、記憶してある領域特定情報が示す面積と符合する面積の領域が検出された場合、当該領域の画像には、前記領域特定情報に対応付けられている画像処理が行われる。これにより、ユーザが表示する画像の位置を変更するなどした場合であっても、以後、画像の面積が変更されない限り、同一の画像処理をすべき画像であるとして、設定されてある画像処理が実行される。
【0019】
本発明では、選択された領域を特定する情報は、領域に表示される画像内の色の割合を示す色分布情報であり、例えば、特定の色同士の割合、又は色別の画素数の分布等である。記憶手段に領域特定情報及びこれに対応付けられた画像処理特定情報が記憶された後は、次のタイミングで領域検出がされた結果、記憶してある領域特定情報が示す色分布と符合する色分布の画像が表示される領域が検出された場合、当該領域の画像には前記領域特定情報に対応付けられている画像処理が行われる。これにより、ユーザが表示する画像の位置を変更するなどした場合であっても、以後、表示画像の内容が変更されない限り、同一の画像処理をすべき画像であるとして、設定されてある画像処理が実行される。
【0020】
本発明では、選択された領域を特定する情報は、領域の表示部内での位置の情報である。記憶手段に領域特定情報及びこれに対応付けられた画像処理特定情報が記憶された後は、次のタイミングで領域検出がされた結果、記憶してある領域特定情報が示す位置情報と符合する位置にある領域の画像には、前記領域特定情報に対応付けられている画像処理が行われる。これにより、画像の内容が変更されたり面積が変更されたりした場合であっても、表示画像の位置が変更されない限り、同一の画像処理をすべき画像であるとして、設定されてある画像処理が実行される。
なお、本発明における領域特定情報は、上述の面積、色分布情報及び位置情報を複数組み合わせたものであってもよい。
【0021】
本発明では、次のタイミングで領域検出がされ、記憶手段に記憶されてある領域特定情報の領域と符合する領域であると判断された場合は、領域特定情報が逐次更新されて記憶される。つまり、画像の位置が変更されたとき、領域の大きさ(面積)が変更されたとき、又は表示画像の内容が変更された場合に、これらの情報が変更に追従して記憶される。これにより、画像を表示させるGUI(Graphical User Interface)に対応付けて、ユーザが選択した画像処理を設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、同一画面内に混在して表示されるモノクロ/カラーなど、複数の異なる属性の画像を表示させる領域の自動的な判別に加え、ユーザによる各画像の表示設定が可能となる。勿論、表示される画像が1つであっても、当該画像をどのような画像として表示させるかの表示設定が可能である。そして、本発明の表示装置は、自動的な判別よりもユーザによる設定を優先して各画像に対する画像処理を行い、ユーザが満足する表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態1の表示装置の外観を模式的に示す図である。
【図2】実施の形態1の表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1の表示装置にて実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図4】実施の形態1の表示装置で実行されるカラー/モノクロ設定受付の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1の表示装置で画像が表示される際に実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1における表示装置で設定が受け付けられる過程を模式的に示す説明図である。
【図7】実施の形態1における表示装置で設定が受け付けられる過程を模式的に示す説明図である。
【図8】実施の形態1における表示装置で設定が受け付けられる過程を模式的に示す説明図である。
【図9】実施の形態1における表示装置で設定が受け付けられる過程を模式的に示す説明図である。
【図10】実施の形態2の表示装置で画像が表示される際に実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】従前の表示装置における機能を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の表示装置1の外観を模式的に示す図であり、図2は表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、液晶パネル又はPDP(Plasma Display Panel)などから構成される表示部14を備え、PC(PersonalComputer )である画像出力装置2と接続されて、モニタとして使用される。以下、画像出力装置2はPC2という。なお、画像出力装置2はPCとは限らない。
【0026】
表示装置1は、各構成部を制御する制御部10と、種々の情報を記憶する記憶部11と、PC2から画像を入力する画像入力部12と、入力した画像に適宜処理を行って出力する画像処理部13と、画像を表示する表示部14と、画像処理部13からの出力画像に基づき表示部14を駆動する駆動部15と、ユーザからの操作を受け付ける操作部16とを備える。
【0027】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(MicroProcessing Unit )を用いる。制御部10は、記憶部11に予め記憶されている制御プログラム1Pを読み出して実行することにより、各構成部を制御する機能を実現して各構成部を制御し、演算処理を実行する。
【0028】
記憶部11は、フラッシュメモリ(フラッシュSSD(Solid State Drive ))又はEEPROM(登録商標、ElectricallyErasable Programmable Read Only Memory )等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11は、制御プログラム1Pのほか、制御部10が演算処理を実行するために参照する各種情報が記憶されている。また記憶部11は、制御部10の処理により発生する種々の情報を記憶する。
【0029】
画像入力部12は、PC2からの画像をデジタル信号で入力するインタフェースであり、例えばDVI(Digital Visual Interface)又はDisplayPort インタフェースである。USB(Universal Serial Bus)インタフェースであってもよい。
【0030】
画像処理部13は、PC2から入力した画像に対し、色変換、及び表示部14に適したガンマ補正処理等を含む画像処理を実行する集積回路である。後述するように実施の形態1における画像処理部13は、sRGB、又はDICOM等の異なる種類のガンマ補正を行う画像処理の集積回路を複数有し、いずれかの画像処理を行うように切り替えることが可能である。
【0031】
表示部14は、例えば液晶パネルである。この場合、駆動部15は、画像処理部13からの出力画像に基づき液晶素子を駆動させる液晶駆動部である。表示部14は液晶パネルに限らず、PDPであってもよい。この場合、駆動部15はPDP駆動部である。又表示部14は、タッチパネル式であってもよい。
【0032】
操作部16は、表示部14の下部に設けられたOSD(On Screen Display )を操作するためのボタンである。操作部16は、電源キー、選択(SELECT)キー、「→/←」キー161,162、決定(ENT.)キー163などを含む(図6参照)。「→/←」キー161,162は、「+/−」キーであってもよい。ユーザは操作部16を介し、表示部14に表示されるOSD上の各種設定情報の選択、決定などが可能である。なお、操作部16は図示したような液晶パネルの枠に設けられたキーではなく、表示部14に設けられるタッチパネルによって実現されてもよい。
【0033】
上述のように構成される表示装置1にて、各構成部にて実現される機能について詳細を説明する。図3は、実施の形態1の表示装置1にて実現される機能を示す機能ブロック図である。表示装置1は、複数の集積回路から構成される画像処理部13と、各種情報を記憶する記憶部11と、操作部16とが、制御プログラム1Pに基づきソフトウェア的処理を実行する制御部10と協働して以下に示す各機能を実現する。
【0034】
制御部10は、領域検出部101、画質切替実行部102及び操作受付部103として機能する。
【0035】
領域検出部101は、入力画像の画像データに基づき、混在されたモノクロ画像の領域とカラー画像の領域とを各別に検出する処理を行う。具体的には、PC2がマルチウィンドウシステムを採用して各アプリケーションに対応して各々矩形のGUIをウィンドウとして表示させるので、領域検出部101は各々のウィンドウの領域を検出し、各領域がモノクロ領域であるのかカラー領域であるのかを判別する。領域検出部101は更に、各領域がテキスト(カラー/モノクロ)の表示領域であるかを判別してもよい。更に詳細には、領域検出部101は、マルチウィンドウシステムに係るウィンドウ領域を、エッジ検出、枠(水平方向線分ペア及び垂直方向線分ペア)検出により検出する。ウィンドウ領域の検出方法は如何なるアルゴリズムに基づくものであってもよい。領域検出部101は、各ウィンドウ以外の領域、例えば背景部分を背景として領域検出してもよいし、検出対象から除外してもよい。そして領域検出部101は、ウィンドウ内の各画素のモノクロ/カラー判定を行い、モノクロ画素数とカラー画素数とを比較してモノクロ画像領域なのか、カラー画像領域なのかを判別する。領域検出部101は、テキスト表示領域であると判別した領域については、モノクロ/カラーの判別対象から除外してもよい。領域検出部101は、各ウィンドウ内の色分布に対する画素数のヒストグラムを算出し、ヒストグラムに基づきモノクロ画像領域なのか、カラー画像領域なのかを判別してもよい。領域検出部101は、検出した領域の座標情報とモノクロ/カラーの判別結果とを、検出結果として記憶部11に記憶する。具体的には、検出結果は、領域を識別する情報、例えば「A」と、領域「A」の座標情報、及び領域「A」に対する判別結果(モノクロ:0/カラー:1)である。座標情報は、検出領域の表示部14内における位置を示す情報である。座標情報は例えば、表示部14の左上端を原点として水平方向をX軸、垂直方向をY軸とし、左上端から右側をX軸の正、下側をY軸の正として画素の大きさを1単位とした座標情報である。また領域検出部101は、検出結果に対応付けて、検出された領域の面積、判別に用いた情報(例えばモノクロ画素数とカラー画素数の割合、若しくは算出したヒストグラム)の内の1つ又は複数を記憶部11に記憶する。検出結果である領域の識別情報、座標情報、判別結果、面積、及び判別に用いた情報は、後述の画質切替実行部102による処理がされた後は、後述の領域特定情報111として記憶される以外は記憶部11から消去されてよい。
【0036】
領域検出部101は、上述の処理を所定のタイミングで実行する。実施の形態1では、領域検出部101は、一定期間が経過する都度、例えば500ミリ秒が経過する都度に上述の処理を実行する。領域検出部101は、PC2から画像のリフレッシュ指示がされる都度に上述の処理を行うようにしてもよい。リフレッシュ指示は、30ミリ秒などの一定期間毎でもよいし、画像内容の変更がされる都度為される構成でもよい。
【0037】
なお、領域検出部101の機能は、出願人によりHybridGamma 機能として提案されている。実施の形態1における表示装置1の領域検出部101による検出対象は、上述したようにマルチウィンドウシステムの各ウィンドウである。しかしながら、本発明に係る表示装置はこれに限らず、モノクロ/カラーなどの判別がつく一定の面積を有する単位で領域を区分して検出すればよい。
【0038】
画質切替実行部102は、記憶部11に記憶された検出結果、並びに、以下に説明する領域特定情報111及び画像処理対応情報112に基づき、領域検出部101によって検出された各ウィンドウ領域を認識し、モノクロ/カラーの判別結果、又は設定に応じて、後述の第1〜第3画像処理部131〜133を切り替えて各ウィンドウ領域の画像に対する画像処理を実行させる。また、画質切替実行部102は、後述するハイライト表示をさせる場合、対象の領域の画像に対し第4画像処理部134による画像処理を実行させるように切り替える。なお、入力画像に対し、第1〜第4画像処理部131〜134のいずれの画像処理もされない場合があってもよい。
【0039】
操作受付部103は、操作部16から通知される操作の内容に応じて、領域特定情報111とこれに対応する画像処理対応情報112とを記憶する。例えば操作受付部103は、操作部16によって検出された領域の内のいずれかが選択され、画像処理の内容が変更された場合、選択された領域の面積、モノクロ画素数とカラー画素数の割合、及び算出したヒストグラムの内の1つ又は複数を領域特定情報111として記憶する。領域特定情報111は、画質切替実行部102による処理がされた後も記憶部11から消去されずに残される。このとき操作受付部103は、領域特定情報111に検出結果である座標情報及び判別結果を含めて記憶してもよい。更に操作受付部103は、当該領域特定情報111に対応付けて、変更後の画像処理の内容を特定する情報を画像処理対応情報112として記憶する。画像処理対応情報112は具体的には、対応する領域の識別情報、例えば領域「A」と、後述の第1〜第3画像処理部131〜133のいずれかを特定する識別情報、例えば「001(DICOM)」とである。
【0040】
画像処理部13は、第1〜第4画像処理部131〜134を有する。これらの複数の画像処理部は夫々、異なるガンマ補正を行うためのLUT(Look Up Table )を備えて補正処理を行う。勿論、第1〜第4画像処理部131〜134は、夫々のガンマ補正以外の補正処理、及びフィルタ処理等を行うようにしてもよい。実施の形態1では、第1画像処理部131は、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine )即ち医用画像用の基準に準拠した階調表現での表示効果を得るための処理を行う。第2画像処理部132は、sRGB(standard RGB)即ちカラー画像用の階調表現での表示効果を得るための処理を行う。第3画像処理部133は、ユーザにより設定されるコントラスト、輝度の明暗、及び色温度等の設定に基づく階調表現での表示効果を得るための処理を行う。第4画像処理部134は、PC2から入力した画像の一部の画像領域にハイライト表示するための処理を行う。ハイライト表示には種々の方法が考え得るが、例えば、特定の領域に半透明画像を合成する。
【0041】
なお、画像処理部13が有する複数の集積回路は、4つと限らずに種類が重複するものも含めて4つよりも多くてもよいことは勿論である。例えば、テキスト表示用に適した補正処理、動画像の再生表示に適した補正処理、静止画像の表示に適した補正処理、又はCAD(computer aided design )データの表示に適した補正処理、又は3D画像の表示に適した補正処理など、種々の画像表示に適した補正処理を行う集積回路を複数用いてもよい。補正処理の種類の違いは、ガンマ補正の違いに限らず、色空間など他の表示効果の違いであってよい。この場合、領域検出部101は夫々対応する領域を検出する機能を有し、適切な画像処理を自動的に選択することが可能であってもよい。
【0042】
次に、表示装置1の各機能によって実現される処理を、フローチャートを参照して説明する。図4は、実施の形態1の表示装置1で実行されるモノクロ/カラー設定受付の処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、操作部16のいずれかのキー、例えば決定(ENT.)キー163が押下されたときに、以下の処理を実行する。
【0043】
制御部10は、操作受付部103の機能により、操作部16のキーの押下を検知し、領域検出部101の機能による500ミリ秒毎の処理を一時停止させる(ステップS11)。
【0044】
制御部10は、直近の領域検出部101による検出結果を記憶部11から読み出し、検出された複数の領域の内の1つを選択する(ステップS12)。制御部10は、選択した検出領域の座標情報に基づき、選択された検出領域が強調されるように、当該領域の画像に第4画像処理部134によって画像処理を行い、特定の画像を重畳させてハイライト表示させる(ステップS13)。
【0045】
制御部10は、ハイライト表示されている検出領域に対し、ユーザが選択操作をし、且つ画質変更操作をしたか否かを判断する(ステップS14)。具体的には制御部10は操作受付部103の機能により、ハイライト表示されている領域に対し決定(ENT.)キー163が押下された場合、これを選択したとして検知する。そして制御部10は、「→/←」キー161,162が押下される都度に、自動的に判別されている画像処理の内容から順(又は逆順)に、第1〜第3画像処理部131〜133を巡回的に選択し、再度決定(ENT.)キー163が押下されたときに選択されている第1〜第3画像処理部131〜133のいずれかに変更されたと認識する。制御部10は、操作の途中にEXITキー等が押下された場合は処理をキャンセルすればよい。
【0046】
制御部10は、ユーザが選択操作且つ画質変更操作をしたと判断した場合(S14:YES)、選択されている画像処理へ、画像処理の内容を変更する(ステップS15)。制御部10は、操作受付部103の機能により、選択されている領域即ちハイライト表示されている検出領域の領域特定情報111と、変更後の第1〜第3画像処理部131〜133のいずれかを特定する画像処理対応情報112とを記憶する(ステップS16)。
【0047】
制御部10は操作受付部103の機能により、EXITキーが押下されるなどして設定が終了したか否かを判断する(ステップS17)。制御部10は、設定が終了していないと判断したとき(S17:NO)、例えばユーザがハイライト表示されている領域に対し、単に「→/←」キー161,162を押下したなどと検知したときには、処理をステップS12に戻して押下されたキーに応じた次の検出領域を選択し(S12)、以後の処理を実行する。
【0048】
制御部10は、設定が終了したと判断した場合(S17:YES)、領域検出部101の機能による処理を再開させ(ステップS18)、設定受付の処理を終了する。
【0049】
次に、図4のフローチャートに示したような処理手順でユーザの操作により設定された画像処理が実行される過程を説明する。図5は、実施の形態1の表示装置で画像が表示される際に実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。実施の形態1における表示装置1の制御部10は、500ミリ秒が経過する都度、以下に示す処理を繰り返し実行する。
【0050】
制御部10は領域検出部101の機能により、領域検出処理を実行する(ステップS21)。
【0051】
制御部10は、画質切替実行部102の機能により、記憶部11を参照し、記憶されてある設定、即ち領域特定情報111及び画像処理対応情報112の有無を判断する(ステップS22)。制御部10は、記憶されてある設定が有ると判断した場合(S22:YES)、ステップS21にて検出した結果を記憶部11から参照し、記憶部11の領域特定情報111にて特定される領域に符合する領域を検出したか否かを判断する(ステップS23)。このとき制御部10は、検出した領域の座標、面積、又は判別に用いた情報が所定の誤差の範囲を考慮して符合するか否かを判断する。
【0052】
制御部10は、ステップS23にて対応する領域を検出したと判断した場合(S23:YES)、画質切替実行部102の機能により、対応する検出領域へは、その判別結果によらずに、記憶されてある画像処理対応情報112に基づく画像処理を実行させる(ステップS24)。
【0053】
制御部10は画質切替実行部102の機能により、対応する検出領域以外へは、カラー/モノクロの判別結果に応じた画像処理を実行させ(ステップS25)、画像処理後の画像を出力し(ステップS26)、処理を終了する。
【0054】
ステップS22にて記憶された画像処理対応情報112が無いと判断した場合(S22:NO)、制御部10は、検出領域の画像夫々には、モノクロ/カラーの判別結果に応じた画像処理を実行させ(S25)、画像処理後の画像を出力し(S26)、処理を終了する。
【0055】
ステップS23にて符合する領域を検出しなかったと判断した場合(S23:NO)、制御部10は、画像処理の設定を受け付けた画像は非表示となったと判断して、記憶されてある設定、即ち領域特定情報111及び画像処理対応情報112を記憶部11から削除する(ステップS27)。そして制御部10は、検出領域夫々にモノクロ/カラーの判別結果に応じた画像処理を実行させ(S25)、画像処理後の画像を出力し(S26)、処理を終了する。
【0056】
ステップS23にて、制御部10は、符合する領域を一定時間検出しない場合に初めて、符合する領域を検出しなかったと判断してもよい。また、制御部10は、符合する領域を検出しなかったと判断した場合でも、記憶されてある設定を削除せずに記憶部11に保存しておいてもよい。制御部10は、記憶部11に一度記憶した設定は、記憶部11の記憶容量が十分である間は削除しないようにしてもよい。この場合、ユーザが一度非表示としたか、又は他の画像を前面に表示させるなどして隠れた画像が、時間が経過した後に再度表示されたときに、過去に設定した適切な画像処理を、再度設定し直すことなしに実行させることができる。
【0057】
このような処理によってユーザからの画像処理の設定を受け付ける過程を、具体例を用いて説明する。図6〜図9は、実施の形態1における表示装置で設定が受け付けられる過程を模式的に示す説明図である。特にPC2は、病院内で利用するカルテ管理システムの端末装置であり、表示装置1は端末装置のモニタとして使用される例を挙げて説明する。
【0058】
図6〜図8はいずれも、PC2にて実行されているアプリケーション夫々に対応して表示されるウィンドウ内に表示される画像の例を示している。表示部14の左側にはテキストが表示されており、中央上部には4つのX線写真画像、中央下部には体内の一部を写した写真の画像、右側には血管のイメージ画像が表示されている。図9は、画像の位置が変更された場合の例を示しており、表示部14の左側には依然としてテキストが表示されているが、中央部右よりに、血管のイメージ画像が表示されている。
【0059】
図6〜図9に示す例では、制御部10は、領域検出部101の機能により、体内の一部を写した写真を表示した領域と、右側のイメージ画像を表示した領域とを区別して検出し、夫々を「領域A」及び「領域B」と識別して記憶部11に記憶する。そして制御部10は、領域検出部101の機能により「領域A」に対してのみカラーと判別し、その他の領域をモノクロと判別する。このとき制御部10は、領域検出部101の機能によってテキストが表示されている領域をテキストの表示領域と判別し、特定の画像処理は実行させていない。
【0060】
図6は、表示部14に各画像が表示されている際に、ユーザが操作部16の決定(ENT.)キー163を押下した場合にハイライト表示がされる例である。制御部10は、検出された各領域の内、唯一カラー画像と表示された「領域A」を選択し、「領域A」の座標情報に基づき、第4画像処理部134の画像処理によって「領域A」に重畳させて他の領域と区別させるための画像を表示させる。図6に示す例では、具体的には、第4画像処理部134は、「領域A」の座標情報が示す位置及び「領域A」の面積に、特定の色でベタ塗りされた矩形をα値0.5で合成する(ハッチング領域)。
【0061】
図6に示すような表示がされることにより、ユーザは、「領域A」がカラー画像と判別されたことを認識することができる。そしてユーザは、以下に示すように、領域Bの画像をカラー画像として表示することを希望した場合に、これを設定することができる。
【0062】
図7は、図6に示すようなハイライト表示がされている場合に、ユーザが「→」キー161を押下することによって他の検出領域を選択した場合に、領域Bにハイライト表示がされる例である(ハッチング領域)。制御部10は、検出された各領域の内の次の「領域B」を選択し、「領域B」の座標情報に基づき、第4画像処理部134の画像処理によって「領域B」に重畳させて他の領域と区別させるための画像を表示させる。これにより、図7に示すように「領域B」がハイライト表示される。
【0063】
ユーザは図7に示すように所望の「領域B」がハイライト表示された場合に、決定(ENT.)キー163(又は選択(SELECT)キー)を押下することにより、「領域B」に対する画像処理の設定を行うことができる。
【0064】
図8は、図7に示したハイライト表示された「領域B」に対し、ユーザが決定(ENT.)キー163を押下し、「→/←」キー161,162を押下することによって変更される画像処理を示す例である。「→/←」キー161,162を押下することにより、判別されたモノクロ画像用の第1画像処理部131に対応するハイライト表示から、カラー画像用の第2画像処理部132に対応するハイライト表示へ変更される。図8では、第1画像処理部131に対応するハイライト表示から、カラー画像用の第2画像処理部132に対応するハイライト表示へ変更されたことを、ハッチングの種類が変化したことで示している。なお、図8ではハッチングの種類を変えて表現しているが、具体的にはα値0.5で合成する矩形の塗りの色を変更するなどすればよい。このときユーザが再度決定(ENT.)キー163を押下した場合、「領域B」の識別情報「B」に対応付けて当該領域Bを特定する領域特定情報(例えば面積及びヒストグラム)111と、変更後の第2画像処理部132を識別する情報「002」が、「領域B」の識別情報「B」に対応付けて画像処理対応情報112として記憶される。
【0065】
図9では、変更後に位置が移動して表示される画像に対して、設定された画像処理が行われる例を示している。図9の例では、図6〜図8に示した例に対し、血管のイメージ画像の位置が移動している。このときの表示装置1の制御部10の処理について説明する。
【0066】
イメージ画像の位置が移動された場合であっても、制御部10は、図5のフローチャートに示したように、領域検出処理を実行して、例えば左側のテキストを表示する領域と、血管のイメージ画像の領域とを検出する。このとき記憶部11には、図8に示したように設定された「領域B」に対し、領域特定情報111及び画像処理対応情報112が記憶されている。そして制御部10は、領域検出部101の機能により、血管のイメージ画像を「領域X」と識別して記憶部11に一時的に記憶する。制御部10は、「領域X」に対する判別に用いた情報である面積及びヒストグラムを、記憶部11に記憶されている領域特定情報111の面積及びヒストグラムと比較し、誤差の範囲を考慮して符合するか否かを判断する(S23)。このとき制御部10は、符合すると判断し、「領域X」には「領域B」に設定されている第2画像処理部132による画像処理を実行させる。
【0067】
このように、同一画面にモノクロ画像とカラー画像などの異なる属性の画像が混在されて表示される場合に、自動的な判別結果よりもユーザによる設定を優先して各画像に対する画像処理を行い、ユーザが満足する表示を行うことができる。上述の説明では、モノクロ画像とカラー画像の領域を検出し、夫々に対するユーザによる画像処理の設定を可能とする構成とした。しかしながら本発明では、テキスト表示領域についても選択可能とし、画像処理を設定することが可能であってもよい。
【0068】
(実施の形態2)
実施の形態2では、画像処理がユーザの選択によって設定されている領域については、領域検出処理が行われる都度、表示装置1は、検出された領域を特定する領域特定情報111を更新する。これにより、PC2で実行されるアプリケーションに対応する各ウィンドウが一意的に特定され、特定されたウィンドウに対応する領域特定情報111が、そのウィンドウの変化に追従する。
【0069】
実施の形態2における表示装置1の構成は、以下図10に示す制御部10による処理の詳細以外は実施の形態1における構成と同様である。したがって、各構成について実施の形態1における符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
図10は、実施の形態2の表示装置1で画像が表示される際に実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートに示す各処理手順の内、図5に示した実施の形態1における処理手順と同一の処理については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態2における表示装置1の制御部10も、500ミリ秒が経過する都度、以下に示す処理を繰り返し実行する。
【0071】
制御部10は、領域検出部101の機能により検出した検出結果に対し、記憶部11に記憶されてある設定と符合する領域を検出していると判断した場合(S23:YES)、記憶されてある設定、即ち領域特定情報111の内容を、選択中の検出領域の検出結果で更新し(ステップS31)、検出領域へ設定してある画像処理対応情報112に基づき画像処理を行う(S24)。
【0072】
ステップS31では、具体的には、制御部10は以下のように処理を行う。制御部10は、領域検出処理によって「領域X」を検出し、ステップS23にて記憶部11に記憶されてある「領域B」と符合する「領域X」を検出したと判断した場合、「領域B」の領域特定情報111の内容を、「領域X」に対する検出結果で更新する。更に具体的には、制御部10は、例えば座標(x=X1、y=Y1)の位置にあるという領域特定情報111で記憶されてある「領域B」に対し、座標(x=X2、y=Y2)の位置にある「領域X」を、「領域B」と符合する「領域X」であると判断した場合、「領域B」の領域特定情報111を座標(x=X1、y=Y1)から座標(x=X2、y=Y2)に更新する。
【0073】
つまり、実施の形態2では、図9に示したように「領域X」が検出されたときに、「領域X」が「領域B」の領域特定情報111と符合すると判断された場合に「領域X」=「領域B」と特定される。したがって、図6〜図9に示す血管のイメージ画像を表示するアプリケーションが終了するまで、ウィンドウの位置、大きさ、表示内容が変化したとしても、表示装置1は血管のイメージ画像の領域を「領域B」と認識してその座標情報、面積、色分布情報の変化に追従してこれらを領域特定情報111として記憶する。
実施の形態1では必ずしもそうではなく、「領域X」=「領域B」とする必要はない。ユーザによって画像処理の設定がされた時点での「領域B」のウィンドウの位置、大きさ、又は表示内容に応じた色分布情報が領域特定情報111として記憶されていればよい。
この点、実施の形態2の表示装置1では、アプリケーションに対応するGUIウィンドウの位置が変更されたとき、大きさ(面積)が変更されたとき、又は画像の内容が変更された場合に、これらの情報が変更に追従して更新される。これにより、ユーザは、画像を表示させるGUIに対応付けて、画像処理を設定することが可能となる。
【0074】
なお、開示された実施の形態1及び2は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
1 表示装置
10 制御部
101 領域検出部
102 画質切替実行部
103 操作受付部
11 記憶部
111 領域特定情報
112 画像処理対応情報
13 画像処理部
131 第1画像処理部
132 第2画像処理部
133 第3画像処理部
134 第4画像処理部
14 表示部
16 操作部
1P 制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の画像を表示する表示部と、画像が表示されている領域を各検出する検出手段と、画像の属性を判別する判別手段と、異なる画像処理を夫々実行する複数の画像処理手段とを備え、前記検出手段が検出した領域の画像に対して、判別された属性に応じた画像処理を各実行させて画像を表示する表示装置であって、
前記検出手段が検出した領域を強調表示させる強調表示手段と、
該強調表示手段による画像処理対象領域の選択を受け付ける選択受付手段と、
選択された領域の画像に実行する画像処理の設定を受け付ける設定受付手段と、
選択された領域を特定する領域特定情報を求める特定手段と、
該特定手段が求めた領域特定情報に対応付けて、設定された画像処理を実行する画像処理手段を特定する画像処理特定情報を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶した前記領域特定情報で特定される領域の画像に、対応付けて記憶されている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させる実行手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記領域特定情報は、検出された領域の面積であり、
前記実行手段は、
前記検出手段が検出した領域の面積を特定する手段と、
特定した面積が、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報が示す面積と符合するか否かを判断する手段とを備え、
該手段が符号すると判断した場合、前記領域の画像に前記領域特定情報に対応付けられている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させるようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記領域特定情報は、検出された領域で表示される画像内での色の割合を示す色分布情報であり、
前記実行手段は、
前記検出手段が検出した領域で表示される画像内の色分布情報を特定する手段と、
特定した色分布情報が、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報が示す色分布情報と符合するか否かを判断する手段とを備え、
該手段が符号すると判断した場合、前記領域の画像に前記領域特定情報に対応付けられている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させるようにしてあること
を特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記領域特定情報は、特定された領域の前記表示部の画面内における位置情報であり、
前記実行手段は、
前記検出手段が検出した領域の位置情報を特定する手段と
特定した位置情報が、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報が示す位置情報と符合するか否かを判断する手段とを備え、
該手段が符号すると判断した場合、前記領域の画像に領域特定情報に対応付けられている画像処理特定情報で特定される画像処理手段による画像処理を実行させるようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記検出手段が検出した領域の領域特定情報が変更される都度、前記記憶手段に記憶してある領域特定情報を更新する手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
一又は複数の画像を並べて表示する表示部と、異なる画像処理を夫々実行する複数の画像処理手段とを備える表示装置が、画像が表示されている領域を各検出し、各画像の属性を判別し、検出した領域の画像に対して、判別された属性に応じた画像処理を各実行させて画像を表示する方法であって、
検出した領域を強調表示させ、
強調表示させる領域の選択を受け付け、
選択された領域の画像に実行する画像処理の設定を受け付け、
選択された領域を特定する領域特定情報を求め、
求められた領域特定情報に対応付けて、設定された画像処理を特定する画像処理特定情報を記憶し、
記憶された前記領域特定情報で特定される領域の画像に、対応付けて記憶されている画像処理特定情報で特定される画像処理を実行させる
ことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−89074(P2013−89074A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229737(P2011−229737)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】