説明

表示装置及び表示装置の制御方法

【課題】表示装置において、ページめくりを好適に行う。
【解決手段】表示装置(1)は、第1表示部(110)及び第2表示部(120)と、画像の表示を制御する制御手段(300)と、ユーザによる画像書き換え操作を入力可能な入力手段(200)とを備えている。制御手段は、第1表示部及び第2表示部のいずれか一方を書き換え対象として認識する認識手段(310)と、書き換え対象として認識されているのが、第1表示部及び第2表示部のいずれであるかをユーザに通知する通知手段(330)と、入力手段によって画像書き換え操作が入力された場合に、書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、画像書き換え操作に応じて書き換える書換手段(340)と、所定の条件を満たした場合に、書き換え対象を他方へと変更するように認識手段を制御する変更手段(320)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気泳動表示装置等の表示装置、及び該表示装置の制御方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置の一例として、例えば楽器を演奏する際に用いる楽譜を電子的に表示する楽譜表示装置が知られている。楽譜表示装置では、例えば楽器で両手がふさがっている状態でもページをめくることができるように、手を用いずに済むフットペダル等が入力装置として用いられる(例えば、特許文献1参照)。入力装置には、例えばページ送りスイッチやページ戻しスイッチが設けられ、演奏者は演奏の進行に応じて楽譜のページを切替えつつ演奏を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−145220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単純に楽譜を1ページずつ進めていくような方法では、ページめくりの際に楽譜の演奏中の部分までもが書き換え対象となり、演奏者の演奏が阻害されてしまうおそれがある。また、反復記号(例えば、ダ・カーポ、ダル・セーニョ、トゥ・コーダ等)を含んでおり、複数のページを複数回前後して演奏するような楽譜を用いる場合には、楽譜をめくる操作が比較的複雑になってしまい、演奏者にとって参照したい楽譜を表示させることが困難となってしまうおそれがある。即ち、特許文献1に記載されているような楽譜表示装置では、演奏に合わせて適切に楽譜をめくることが困難な状況が生じ得るという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば前述した問題点に鑑みなされたものであり、ページめくりを好適に行うことが可能な表示装置、及び該表示装置の制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は上記課題を解決するために、画像を表示する第1表示部及び第2表示部と、前記第1表示部及び前記第2表示部における画像の表示を制御する制御手段と、ユーザによる画像書き換え操作を前記制御手段へ入力可能な入力手段とを備え、前記制御手段は、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれか一方を書き換え対象として認識する認識手段と、前記書き換え対象として認識されているのが、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれであるかを前記ユーザに通知する通知手段と、前記入力手段によって前記画像書き換え操作が入力された場合に、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、前記画像書き換え操作に応じて書き換える書換手段と、所定の条件を満たした場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更するように前記認識手段を制御する変更手段とを備える。
【0007】
本発明に係る表示装置は、例えば楽譜等の画像を表示する第1表示部及び第2表示部を備えている。第1表示部及び第2表示部は、例えばマイクロカプセル中に電気泳動素子を含んでなる電気泳動表示装置や、基板中に液晶を挟持してなる液晶表示装置等として構成される。なお、第1表示部及び第2表示部は、互いに物理的に分離された相異なる表示部でなくともよい。具体的には、例えば一の表示部における画面の左半分の領域が第1表示部とされ、画面の右半分の領域が第2表示部とされることで、互いに異なる画像を表示するような構成であってもよい。
【0008】
第1表示部及び第2表示部は、例えばコントローラー等として構成される制御手段によって画像の表示が制御される。例えば、第1表示部及び第2表示部は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して例えばマトリクス状に配列された複数の画素を有するように構成され、制御手段は、第1表示部及び第2表示部の各画素の画素電極に画像データに応じたデータ電位を供給する。より具体的には、制御手段が所定のフレーム期間中に、複数の画素の各々における画素電極に画像データに応じたデータ電位を供給する(具体的には、所定のフレーム期間中に、複数の走査線を所定の順番で1回ずつ選択するとともに、該選択した走査線に対応する画素における画素電極にデータ電位を複数のデータ線を介して供給する)電位供給(言い換えれば、所定のフレーム期間中に画像データに応じたデータ電位を複数の画素の各々の画素電極に書き込む書き込み動作)を複数回行うことにより、第1表示部及び第2表示部の各々に画像データに応じた画像が表示される。
【0009】
本発明に係る表示装置は更に、ユーザによる画像書き換え操作を制御手段へ入力可能な入力手段を備えている。入力手段は、例えばフットスイッチ、表示装置の筐体のボタン、付属するペンのボタン、リモコン、視線読み取り装置、タッチパネル等として構成される。なお、ここでの「画像書き換え操作」とは、現在表示されている画像を他の画像へと書き換える指示として入力されるものであり、例えばページ送り操作やページ戻し操作、或いはページジャンプ操作等が挙げられる。
【0010】
本発明に係る表示装置の動作時には、認識手段によって、第1表示部及び第2表示部のいずれか一方が書き換え対象として認識されている。なお、ここでの「書き換え対象」とは、入力手段によって入力される画像書き換え操作に応じて画像が書き換えられる表示部を選択的に定義するものであり、第1表示部及び第2表示部のいずれか一方に設定される。
【0011】
また、第1表示部及び第2表示部のいずれが書き換え対象であるかは、通知手段によってユーザに通知されている。このため、ユーザはいずれの表示部が書き換え対象となっているかを知ることができる。通知手段の通知方法としては、例えば第1表示部及び第2表示部へのマーク表示(即ち、書き換え対象であることを示すマークの表示)やLED(Light Emitting Diode)ランプによる表示の他、音による通知等、ユーザに書き換え対象を知らせることができるものであれば様々な方法を用いることができる。
【0012】
ここで、書き換え対象とされた表示部の画像を書き換えるために、ユーザが入力手段によって画像書き換え操作を入力すると、書換手段によって、書き換え対象として認識された一方の表示部の画像が、入力された画像書き換え操作に応じて書き換えられる。例えば、第1表示部に1ページ目の画像、第2表示部に2ページ目の画像が表示されており、第1表示部が書き換え対象として認識されている場合に、ユーザがページ送りの画像書き換え操作を入力したとする。この場合、第1表示部に表示されていた1ページ目の画像が、第2表示部に表示されている2ページ目の画像の次のページである3ページ目の画像へと書き換えられる。
【0013】
また、書き換え対象は、所定の条件を満たした場合に、変更手段によって変更される。なお、ここでの「所定の条件」は、装置の用途に応じて適宜設定することが可能である。例えば変更手段は、入力手段による入力から所定の時間が経過した場合に書き換え対象を変更するようにする。或いは変更手段は、ユーザの操作に応じて書き換え対象を変更するようにする。
【0014】
このように書き換え対象が変更されることにより、ユーザは第1表示部及び第2表示部の画像を適宜書き換えることが可能となる。例えば、上述した例を用いて説明すると、第1表示部に表示されていた1ページ目の画像が、第2表示部に表示されている2ページ目の画像の次のページである3ページ目の画像へと書き換えられた後には、所定の時間が経過することで画像書き換え対象が第1表示部から第2表示部へと変更される。よって、所定の時間が経過した後に、再びユーザがページ送りの画像書き換え操作を入力したとすると、今度は第2表示部に表示されていた2ページ目の画像が、第1表示部に表示されている3ページ目の画像の次のページである4ページ目の画像へと書き換えられる。
【0015】
上述した書き換え動作によれば、第1表示部及び第2表示部において表示されている画像のうち、書き換えるべき一方の画像を適切に書き換えることができる。よって、例えば複数ページの画像を含んでなる表示データを用いる場合に、好適にページめくりを行うことが可能となる。より具体的には、例えば楽器の演奏に用いる楽譜を表示する場合には、演奏中のページではなく、既に演奏を終えたページを、演奏中のページの次のページへと書き換えることができる。よって、演奏中のページが書き換えられることによる演奏者への不都合を回避することができる。
【0016】
また、本発明では特に、所定の条件を満たした場合に、書き換え対象が変更されるため、比較的簡単な操作でページめくりを行うことができる。例えば、反復記号を多く含んだ楽譜等を用いて演奏を行う場合には、複数のページ間を何度も前後して演奏することが求められるが、上述した本発明に係る書き換え動作によれば、簡単な操作で適切なページめくりを行うことができる。特に、両手を使うような楽器を演奏する場合には、フットペダル等、比較的簡単な操作しか行えない入力手段を用いることになるため、上述した効果は顕著に発揮される。
【0017】
以上説明したように、本発明に係る表示装置によれば、表示画像のページめくりを好適に行うことが可能である。
【0018】
本発明に係る表示装置の一態様では、前記変更手段は、前記入力手段における入力から所定の時間が経過した場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更するように前記認識手段を制御する。
【0019】
この態様によれば、入力手段における入力から所定の時間が経過すると、書き換え対象が自動的に他方の表示部へと変更される。このようにすれば、書き換え対象を変更するために、ユーザが特別な操作を行う必要がないため、より好適に画像の書き換えを行なうことができる。
【0020】
また、所定の時間が経過するまでは書き換え対象が変更されないため、例えば所定の時間内に入力手段による書き換え操作の入力を連続して行う(例えば、入力手段のスイッチを連打する操作を行う)ことによって、一方の表示部の画像のみを連続して変更することも可能となる。
【0021】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記入力手段は、前記書き換え対象を変更するための書き換え対象変更操作を前記制御手段へ入力可能であり、前記変更手段は、前記入力手段において前記書き換え対象変更操作が入力された場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更するように前記認識手段を制御する。
【0022】
この態様によれば、ユーザは、入力手段を用いることで、上述した画像書き換え操作に加えて、書き換え対象を変更するための書き換え対象変更操作を入力可能とされている。例えば入力手段には、画像書き換え操作を行うスイッチとは別に、書き換え対象変更操作を行うためのスイッチが設けられている。
【0023】
入力手段によって書き換え対象変更操作が入力されると、変更手段によって、書き換え対象が他方の表示部へと変更される。即ち、それまで第1表示部が書き換え対象として認識されている場合には、書き換え対象変更操作によって、第2表示部が書き換え対象として認識される。逆に、それまで第2表示部が書き換え対象として認識されている場合には、書き換え対象変更操作によって、第1表示部が書き換え対象として認識される。
【0024】
上述した書き換え対象変更操作によれば、ユーザが書き換え対象を任意に変更することができるため、より好適にページめくりを行うことが可能となる。
【0025】
上述した書き換え対象変更操作を入力可能な態様では、前記入力手段は、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、次ページの画像へと書き換える前記画像書き換え操作を入力するための第1スイッチと、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、前ページの画像へと書き換える前記画像書き換え操作を入力するための第2スイッチと、前記書き換え対象変更操作を入力するための第3スイッチとを有するようにしてもよい。
【0026】
この場合、ユーザは、入力手段の第1スイッチ及び第2スイッチ操作することで、ページ送り及びページ戻しといった基本的なページめくり動作を行うことができる。また、ユーザは、第3スイッチを操作することで、書き換え対象となる表示部を適宜変更することができる。従って、ユーザは、比較的簡単な構成を有する入力手段によって、好適にページめくり動作を行うことができる。入力手段の構成を簡単なものにできれば、例えばフットスイッチ等の手を用いずに操作を行う装置で、操作性のよい入力手段を実現することが容易となる。
【0027】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記入力手段は、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、所定ページの画像へと書き換える前記画像書き換え操作を入力するための第4スイッチを有する。
【0028】
この態様によれば、ユーザは、第4スイッチを操作することで、所定ページの画像を速やかに参照することが可能である。なお、所定ページとしては、例えば先頭ページや、最後のページ、或いはユーザが設定したページ(例えば、楽譜データにおけるセーニョやコーダ等の反復記号を含むページ)が例として挙げられる。本態様によれば、複数回の操作を行わずとも、極めて簡単な操作で目的のページを参照することが可能となる。
【0029】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記入力手段は、前記画像書き換え操作及び前記書き換え対象変更操作の少なくとも一方について、操作が入力される直前の状態へと戻す取り消し操作を入力可能である。
【0030】
この態様によれば、ユーザは、入力手段を用いることで、上述した画像書き換え操作(及び書き換え対象変更操作)に加えて、装置の状態を前回の操作が入力される直前の状態へと戻す取り消し操作を入力可能とされている。例えば入力手段には、画像書き換え操作を行うスイッチとは別に、取り消し操作を行うためのスイッチが設けられている。
【0031】
例えば、画像書き換え操作によって表示部の画像書き換えが行われた後に、入力手段によって取り消し操作が入力されると、表示部の画像が書き換え前の画像へと戻される。或いは、画像書き換え操作による表示部の画像書き換え、及び書き換え対象変更操作による書き換え対象の変更が行われた後に、入力手段によって取り消し操作が入力されると、表示部の画像が書き換え前の画像へと戻されると共に、書き換え対象が元の表示部へと変更される。なお、画像書き換え操作及び書き換え対象変更操作の両方が行われた後の取り消し操作は、画像書き換え操作及び書き換え対象変更操作のいずれか一方のみを取り消すような操作であってもよい。
【0032】
本態様では、取り消し操作を行なうことによって、装置を前回の操作直前の状態へと戻すことが可能となるため、操作ミスや予期せぬ動作等に起因する不具合を取り消すことができる。
【0033】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記制御手段は、前記書き換え対象が一方の表示部から他方の表示部へと変更された際に、前記一方の表示部における表示を更新する更新手段を備える。
【0034】
この態様によれば、書き換え対象が変更されたタイミングで、書き換え対象の変更元(即ち、書き換え対象が変更される前に書き換え対象であった表示部)の表示が更新される。なお、ここでの「更新」とは、画像を表示する動作を再び実行するという意味であり、典型的には電気泳動表示装置等において行われるリフレッシュ動作(例えば、全白画像や全黒画像を表示した後に表示すべき画像を表示させる動作)が相当する。
【0035】
上述した更新動作によれば、書き換え対象ではなくなった表示部(言い換えれば、書き換えを終了し画像を確定すべき表示部)における画像のノイズや残像を消去し、確定画像としてより高品質な画像を表示させることが可能となる。言い換えれば、書き換え対象であるうちには、更新動作が行われない分、比較的速く画像の書き換えが行える。
【0036】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記第1表示部及び前記第2表示部において表示可能な複数ページの画像データを記憶する記憶手段を備える。
【0037】
この態様によれば、画像書き換えの際には、書換手段によって、記憶手段に記憶された画像データから表示すべきページに対応するデータが抽出され書き換えが行われる。よって、ページめくり動作をより確実に実行することが可能となる。
【0038】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記入力手段は、フットスイッチである。
【0039】
この態様によれば、ユーザは手を用いずに各種操作を実行できる。従って、例えば楽器の演奏中等、両手がふさがっている状況においても、好適にページめくりを行うことができる。
【0040】
本発明に係る表示装置の他の態様では、前記第1表示部及び第2表示部は、それぞれ楽譜を表示する。
【0041】
この態様によれば、第1表示部及び第2表示部の2画面において楽譜を表示し、上述したような画像書き換えによって楽譜のページめくりを行うことができる。従って、例えば楽器を演奏中の演奏者でも、比較的簡単な操作で好適にページめくりを行うことができる。
【0042】
本発明に係る表示装置の制御方法は上記課題を解決するために、画像を表示する第1表示部及び第2表示部と、前記第1表示部及び前記第2表示部における画像の表示を制御する制御手段と、ユーザによる画像書き換え操作を前記制御手段へ入力可能な入力手段とを備える表示装置の制御方法であって、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれか一方を書き換え対象として認識する認識工程と、前記書き換え対象として認識されているのが、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれであるかを前記ユーザに通知する通知工程と、前記入力手段によって前記画像書き換え操作が入力された場合に、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、前記画像書き換え操作に応じて書き換える書換工程と、所定の条件を満たした場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更する変更工程とを含む。
【0043】
本発明に係る表示装置の制御方法によれば、前述した本発明に係る表示装置と同様に、第1表示部及び第2表示部のいずれか一方を書き換え対象として、適宜画像の書き換え操作を実行することができる。この結果、表示画像のページめくりを好適に行うことが可能となる。
【0044】
なお、本発明に係る表示装置の制御方法においても、前述した本発明に係る表示装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0045】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施形態に係る表示装置の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に係る表示部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【図4】実施形態に係る表示部の部分断面図である。
【図5】実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】楽譜の一例を示す概念図(その1)である。
【図7】実施形態に係る表示装置によるページめくり動作を示す概念図(その1)である。
【図8】実施形態に係る表示装置によるページめくり動作を示す概念図(その2)である。
【図9】実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図10】実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図11】実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャート(その3)である。
【図12】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その1)である。
【図13】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その2)である。
【図14】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その3)である。
【図15】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その4)である。
【図16】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その5)である。
【図17】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その6)である。
【図18】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その7)である。
【図19】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その8)である。
【図20】実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図(その9)である。
【図21】楽譜の一例を示す概念図(その2)である。
【図22】書き換え対象変更スイッチを使用すべき状況について説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る表示装置の一例として楽譜表示装置を挙げて説明する。
【0048】
<装置構成>
先ず、本実施形態に係る表示装置の全体構成ついて、図1を参照して説明する。
【0049】
図1は、本実施形態に係る表示装置の全体構成を示す概略構成図である。
【0050】
図1において、本実施形態に係る表示装置1は、主に表示部100と、入力部200とを備えて構成されている。
【0051】
表示部100は、電気泳動素子を制御して画像を表示する電気泳動表示装置として構成されており、左画面110と、右画面120とを有している。なお、左画面110及び右画面120は、互いに独立した別個の表示装置であってもよいし、1つの表示面の領域を分割して2画面として駆動するような表示装置であってもよい。左画面110及び右画面120は、それぞれ本発明の「第1表示部」及び「第2表示部」の一例である。
【0052】
入力部200は、本発明の「入力手段」の一例であり、表示装置1のユーザが装置を操作するための入力デバイスである。入力部200は、例えば図に示すようにフットスイッチとして構成される。ただし、入力部200の形態はフットスイッチに限定されるものではない。入力部200は、戻るスイッチ210、進むスイッチ220及び書き換え対象変更スイッチ230の3つのスイッチを有している。なお、戻るスイッチ210、進むスイッチ220及び書き換え対象変更スイッチ230は、それぞれ本発明の「第1スイッチ」、「第2スイッチ」、「第3スイッチ」の一例である。各スイッチに割り当てられた機能については後に詳述する。
【0053】
次に、本実施形態に係る表示装置の表示部の具体的な構成について、図2から図4を参照して説明する。
【0054】
図2は、本実施形態に係る表示部の構成を示すブロック図である。
【0055】
図2において、本実施形態に係る表示部100は、アクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置であり、右画面110及び左画面120と、コントローラー10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路250とを備えている。
【0056】
右画面110及び左画面120には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、右画面110及び左画面120には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
【0057】
コントローラー10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路250の動作を制御する。コントローラー10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
【0058】
走査線駆動回路60は、コントローラー10による制御下で、所定のフレーム期間中に、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
【0059】
データ線駆動回路70は、コントローラー10による制御下で、データ線X1、X2、…、Xnにデータ電位を供給する。データ電位は、基準電位GND(例えば0ボルト)、高電位VH(例えば+15ボルト)又は低電位VL(例えば−15ボルト)のいずれかの電位をとる。なお、後述するように、本実施形態では、前述した部分書き換え駆動が採用されている。
【0060】
共通電位供給回路250は、共通電位線93に共通電位Vcom(本実施形態では、基準電位GNDと同一の電位)を供給する。なお、共通電位Vcomは、共通電位Vcomが供給された対向電極22と基準電位GNDが供給された画素電極21との間に電圧が実質的に生じない範囲内で、基準電位GNDとは異なる電位であってもよい。例えば、共通電位Vcomが、フィードスルーによる画素電極21の電位の変動を考慮して、画素電極21に供給される基準電位GNDとは異なる値とされていてもよく、この場合であっても、本明細書では、共通電位Vcomと基準電位GNDとが同一であるとみなす。ここで、フィードスルーとは、走査線40に走査信号が供給され、データ線50を介して画素電極21に電位が供給された後に、走査線40への走査信号の供給が終了した際(例えば走査線40の電位が低下した際)、画素電極21の電位が、走査線40との間の寄生容量に起因して変動する(例えば走査線40の電位低下とともに低下する)現象をいう。共通電位Vcomは、フィードスルーにより画素電極21の電位が低下することを予め想定して、画素電極21に供給される基準電位GNDより僅かに低い値とされることがあるが、この場合も共通電位Vcomと基準電位GNDとが同電位であるとみなす。
【0061】
なお、コントローラー10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路250には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
【0062】
図3は、本実施形態に係る画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0063】
図3において、画素20は、画素スイッチング用トランジスター24と、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えている。
【0064】
画素スイッチング用トランジスター24は、例えばN型トランジスターで構成されている。画素スイッチング用トランジスター24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。画素スイッチング用トランジスター24は、データ線駆動回路70(図2参照)からデータ線50を介して供給されるデータ電位を、走査線駆動回路60(図2参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極21及び保持容量27に出力する。
【0065】
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50及び画素スイッチング用トランジスター24を介して、データ電位が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して対向電極22と互いに対向するように配置されている。
【0066】
対向電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
【0067】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセルから構成されている。
【0068】
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、画素電極21及び画素スイッチング用トランジスター24に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によってデータ電位を一定期間だけ維持することができる。
【0069】
図4は、本実施形態に係る表示部の部分断面図である。
【0070】
図4において、表示部100は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。なお、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
【0071】
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図3を参照して前述した画素スイッチング用トランジスター24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
【0072】
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、対向電極22が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。対向電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
【0073】
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のマイクロカプセル80から構成されており、例えば樹脂等からなるバインダー30及び接着層31によって素子基板28及び対向基板29間で固定されている。なお、本実施形態に係る表示部100は、製造プロセスにおいて、電気泳動素子23が予め対向基板29側にバインダー30によって固定されてなる電気泳動シートが、別途製造された、画素電極21等が形成された素子基板28側に接着層31によって接着されて構成されている。
【0074】
マイクロカプセル80は、画素電極21及び対向電極22間に挟持され、1つの画素20内に(言い換えれば、1つの画素電極21に対して)1つ又は複数配置されている。
【0075】
マイクロカプセル80は、被膜85の内部に分散媒81と、複数の白色粒子82と、複数の黒色粒子83とが封入されてなる。マイクロカプセル80は、例えば、50um程度の粒径を有する球状に形成されている。
【0076】
被膜85は、マイクロカプセル80の外殻として機能し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
【0077】
分散媒81は、白色粒子82及び黒色粒子83をマイクロカプセル80内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
【0078】
白色粒子82は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
【0079】
黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
【0080】
このため、白色粒子82及び黒色粒子83は、画素電極21と対向電極22との間の電位差によって発生する電場によって、分散媒81中を移動することができる。
【0081】
これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
【0082】
図4において、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に対向電極22の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によってマイクロカプセル80内で画素電極21側に引き寄せられるとともに、負に帯電された白色粒子82はクーロン力によってマイクロカプセル80内で対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80内の表示面側(即ち、対向電極22側)には白色粒子82が集まることになり、表示部100の表示面にはこの白色粒子82の色(即ち、白色)が表示されることとなる。逆に、画素電極21と対向電極22との間に、相対的に画素電極21の電位が高くなるように電圧が印加された場合には、負に帯電された白色粒子82がクーロン力によって画素電極21側に引き寄せられるとともに、正に帯電された黒色粒子83はクーロン力によって対向電極22側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル80の表示面側には黒色粒子83が集まることになり、表示部100の表示面にはこの黒色粒子83の色(即ち、黒色)が表示されることとなる。
【0083】
なお、白色粒子82、黒色粒子83に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色等を表示することができる。
【0084】
次に、上述した表示部100の動作を制御する制御部の構成について、図5を参照して説明する。
【0085】
図5は、本実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。
【0086】
図5において、制御部300は、本発明の「制御手段」の一例であり、書き換え対象認識部310と、書き換え対象変更部320と、書き換え対象通知部330と、書き換え部340とを備えている。なお、制御部300は、表示部100におけるコントローラー10(図2参照)の一部として構成されてもよいし、他の回路として構成されてもよい。
【0087】
書き換え対象認識部310は、本発明の「認識手段」の一例であり、表示部100の左画面110及び右画面120のうち、いずれか一方の表示面を書き換え対象として認識する。言い換えれば、画像を書き換えるべき表示面を決定する。
【0088】
書き換え対象変更部320は、本発明の「変更手段」の一例であり、所定条件を満たした場合に、書き換え対象認識部310によって認識される書き換え対象を変更する。所定条件としては、例えば所定時間の経過やユーザによる操作等が挙げられる。
【0089】
書き換え対象通知部330は、本発明の「通知手段」の一例であり、書き換え対象と認識されているのが、表示部100の左画面110及び右画面120のいずれであるかをユーザに通知する。書き換え対象通知部330の通知方法は特に限定されないが、本実施形態では、左画面110及び右画面120のいずれか一方に書き換え対象アイコンを表示することで通知を行なうものとする。
【0090】
書き換え部340は、本発明の「書換手段」の一例であり、ユーザによる画像書き換え操作に応じて、書き換え対象となっている表示面の画像を書き換える。
【0091】
<制御方法>
次に、本実施形態に係る表示装置の制御方法について、図6から図22を参照して説明する。
【0092】
図6は、楽譜の一例を示す概念図(その1)である。
【0093】
図6において、本実施形態に係る表示装置1で表示する楽譜データは、図に示すように9ページの楽譜を含んでいる。なお、各ページの中央に大きく示されている数字は、ページの順番を示すものである。また、各ページの左下部分に記載されている記号は、それぞれのページに含まれている演奏記号を示すものである。具体的には、1ページ目には反復記号(開始位置)が含まれている。2ページ目にはダル・セーニョが含まれている。3ページ目にはトゥ・コーダが含まれている。4ページ目には1カッコが含まれている。7ページ目には反復記号(終了位置)及び2カッコが含まれている。8ページ目にはダル・セーニョが含まれている。9ページ目にはコーダが含まれている。
【0094】
図7及び図8は、それぞれ本実施形態に係る表示装置によるページめくり動作を示す概念図である。
【0095】
図7において、本実施形態に係る表示装置1の動作時には、まず初期表示として、最初の1ページ目が左画面110に表示され、続く2ページ目が右画面120に表示される。また、初期表示状態での書き換え対象は、左画面110に設定される。このため、左画面110には、書き換え対象アイコン500が表示されている。初期表示状態で、ユーザが入力部200の進むスイッチ220を押すと、左画面110の表示が、1ページ目から右画面120に表示されている2ページ目の次のページである3ページ目へと書き換えられる。
【0096】
図8に示すように、初期表示状態で書き換え対象となっていない右画面120の画像を書き換えることも可能である。この場合、ユーザは、まず入力部200の書き換え対象変更スイッチ230を押す。これにより、書き換え対象が左画面110から右画面120へと変更される。よって、書き換え対象アイコン500は右画面に表示される。続いて、ユーザは入力部200の進むスイッチ220を押す。このように操作すれば、右画面120の表示が2ページ目から3ページ目へと書き換えられる。
【0097】
上述したように、入力部200の進むスイッチ220を押すと、書き換え対象とされている表示面に表示されている画像の次のページの画像が表示される。また、ここでは説明を省略しているが、入力部200の戻るスイッチ210を押すと、進むスイッチ220の場合とは逆に、書き換え対象とされている表示面に表示されている画像の前のページの画像が表示される。更に、入力部200の書き換え対象変更スイッチ230を押すと、書き換え対象とされている表示面が他の表示面へと変更される。なお、進むスイッチ210及び戻るスイッチ220は、それぞれ長押しすることで連続してページめくりが行えるように構成されていてもよい。
【0098】
なお、入力部200には、上述した戻るスイッチ210、進むスイッチ220及び書き換え対象変更スイッチ230以外のスイッチが設けられていてもよい。例えば、入力部200には、所定のページへとジャンプするページジャンプスイッチや、直前の操作を取り消して表示状態を元に戻す取り消しスイッチ等が設けられていてもよい。
【0099】
次に、本実施形態に係る表示装置における画像書き換え時の処理について、図9から図11を参照して説明する。
【0100】
図9は、本実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【0101】
図9において、本実施形態に係る表示装置の動作時に、ユーザによって入力部200の進むスイッチ220が押されると、まず書き換え対象として認識されているのが右画面120であるか否かが判定される(ステップS101)。ここで、書き換え対象が右画面120である場合には(ステップS101:YES)、ステップS102以降の処理へと進む。一方で、書き換え対象が左画面110である場合には(ステップS101:NO)、後述するステップS102以降の処理が左右を逆にした形で実行される。
【0102】
書き換え対象が右画面120である場合、まず“Page Timer Right”がアクティブであるか否かが判定される(ステップS102)。なお、ここでの“Page Timer Right”とは、右画面に対応するタイマーであり、右画面120が書き換え対象となった状態での前回の操作入力からの経過時間を計測するために用いられる。具体的には、前回の操作から“Page Timer Right”に対応する時間が経過している場合は、“Page Timer Right”は非アクティブとなり、前回の操作から“Page Timer Right”に対応する時間が経過していない場合は、“Page Timer Right”はアクティブとなる。なお、左画面110に対応する操作については、同様に“Page Timer Left”が設定される。
【0103】
ここで、“Page Timer Right”がアクティブと判定されると(ステップS102:YES)、“Page Index Right”がインクリメントされる(ステップS103)。なお、ここでの“Page Index Right”は、右画面120に表示すべき画像のページ番号を示す値であり、左画面110に表示すべき画像のページ番号を示す値としても、同様に“Page Index Left”が定義されている。“Page Index Right”がインクリメントされることにより、右画面120は、現在表示しているページの次のページを表示すべき状態となる。
【0104】
一方で、“Page Timer Right”がアクティブでないと判定されると(ステップS102:NO)、“Page Index Right”の値が“Page Index Left”の値+1に等しいか否かが判定される(ステップS104)。ここで、“Page Index Right”の値が“Page Index Left”の値+1に等しい場合には(ステップS104:YES)、“Page Timer Right”がアクティブである場合と同様に、“Page Index Right”がインクリメントされる(ステップS105)。即ち、右画面120は、現在表示しているページの次のページを表示すべき状態となる。他方で、“Page Index Right”の値が“Page Index Left”の値+1と等しくない場合には(ステップS104:NO)、“Page Index Right”の値が“Page Index Left”の値+1と等しくされる(ステップS106)。これにより、右画面120は、左画面110で現在表示しているページの次のページを表示すべき状態となる。
【0105】
上述したように“Page Index Right”の値が状況に応じて変更されると、変更後の“Page Index Right”が、アンダーフロー又はオーバーフローしていないかが判定される(ステップS107)。ここで、変更後の“Page Index Right”が、アンダーフロー又はオーバーフローしていない場合(ステップS107:YES)、右画面120の画像が“Page Index Right”に対応するページの画像へと書き換えられる(ステップS109)。なお、変更後の“Page Index Right”が、アンダーフロー又はオーバーフローしている場合(ステップS107:NO)、“Page Index Right”の値が、最初のページ又は最後のページに対応する値とされた後(ステップS108)、右画面120の画像が“Page Index Right”に対応するページの画像へと書き換えられる。
【0106】
画像が書き換えられると、“Page Timer Right”が新たに設定され(ステップS110)、進むスイッチ220を押すことによって開始される一連の処理は終了する。
【0107】
なお、戻るスイッチ210が押された場合については、進むスイッチ220が押された場合とページ順が逆である同様の操作が行なわれるだけであるので、ここでは説明を省略する。
【0108】
図10は、本実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【0109】
図10において、“Page Timer Right”が満了すると、書き換え対象が右画面120から左画面110へと変更される(ステップS201)。また、書き換え対象の変更に伴い、書き換え対象アイコン500の表示位置も、右画面120から左画面110へと変更される(ステップS202)。
【0110】
また本実施形態では特に、時間の経過によって書き換え対象が変更されると、書き換え対象変更前の表示面(即ち、ここでは右画面110)の表示がクリーンアップされる(ステップS203)。具体的には、例えば全白画像又は全黒画像が表示された後に、再び表示すべき画像への書き換えが行なわれる。上述したクリーンアップ動作によれば、書き換え対象ではなくなった画面(言い換えれば、書き換えを終了し画像を確定すべき表示面)における画像のノイズや残像を消去し、確定画像としてより高品質な画像を表示させることが可能となる。言い換えれば、書き換え対象であるうちには、クリーンアップ動作が行われない分、比較的速く画像の書き換えが行える。
【0111】
以上のように、本実施形態では、所定時間の経過によって、書き換え対象の変更が行なわれる。なお、ここでは“Page Timer Right”についてのみ説明したが、“Page Index Left”が満了した場合にも、左右を逆にして同様の処理が行なわれる。
【0112】
図11は、実施形態に係る表示装置の動作を示すフローチャート(その3)である。
【0113】
図11において、本実施形態に係る表示装置の動作時に、ユーザによって入力部200の書き換え対象変更スイッチ230が押されると、まず書き換え対象として認識されているのが右画面120であるか否かが判定される(ステップS301)。ここで、書き換え対象が右画面120である場合(ステップS301:YES)、書き換え対象が右画面120から左画面110へと変更される(ステップS302)。また、書き換え対象の変更に伴い、書き換え対象アイコン500の表示位置も、右画面120から左画面110へと変更される(ステップS303)。他方で、書き換え対象が左画面110である場合(ステップS301:NO)、書き換え対象が左画面110から右画面120へと変更される(ステップS304)。また、書き換え対象の変更に伴い、書き換え対象アイコン500の表示位置も、左画面110から右画面120へと変更される(ステップS305)。
【0114】
なお、書き換え対象変更スイッチ230による書き換え対象の変更時には、既に書き換え対象変更前の表示面における表示画像は確定しているため、上述した時間経過による書き換え対象の変更の場合とは異なり、クリーンナップ動作は行なわれない。
【0115】
次に、本実施形態に係る表示装置のより具体的な動作を、図12から図20を参照して説明する。ここでは、図6で示した楽譜データを用いて、実際の演奏順に沿って説明する。
【0116】
図12から図20は、それぞれ本実施形態に係る表示装置の具体的な動作を、順を追って示す概念図である。
【0117】
図12において、本実施形態に係る表示装置1では、上述したように、初期表示状態として1ページ目の楽譜が左画面110に表示され、2ページ目の楽譜が右画面120に表示される。楽譜を参照しながら演奏を行うユーザは、1ページ目の楽譜を演奏し終わり、2ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた1ページ目の楽譜が3ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された3ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0118】
続いてユーザは、2ページ目の楽譜を演奏し終わり、3ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、右画面120に表示されていた2ページ目の楽譜が4ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された4ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0119】
図13において、ユーザは、3ページ目の楽譜を演奏し終わり、4ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた3ページ目の楽譜が5ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された5ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0120】
続いてユーザは、4ページ目の楽譜を演奏し終わり、5ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、右画面120に表示されていた4ページ目の楽譜が6ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された6ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0121】
図14において、ユーザは、5ページ目の楽譜を演奏し終わり、6ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた5ページ目の楽譜が7ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された7ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0122】
続いてユーザは、6ページ目の楽譜を演奏し終わり、7ページ目の楽譜の演奏を開始する。ここで、7ページ目の楽譜には反復記号(終了位置)が含まれているため、次に演奏する楽譜は反復記号(開始位置)が含まれる1ページ目の楽譜となる。よってユーザは、右画面120に表示されている6ページ目の楽譜を1ページ目の楽譜へ戻す操作を行う。具体的には、ユーザは、入力部200における戻るスイッチ210を、所定時間(即ち、2秒)が経過しないうちに連続して押す。このようにすれば、書き換え対象が右画面120のまま変更されないので、右画面120に表示される楽譜が、戻るスイッチ210を押す度に1ページずつ戻る。
【0123】
図15において、ユーザは、右画面120に表示される楽譜が次に演奏すべき1ページ目の楽譜となると、戻るスイッチ210を押すのを止める。ユーザが戻るスイッチ210を押すのを止めた後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された1ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0124】
続いてユーザは、7ページ目の楽譜の反復記号(終了位置)までを演奏し終わり、1ページ目の楽譜の反復記号(開始位置)から演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた7ページ目の楽譜が2ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された2ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0125】
図16において、ユーザは、1ページ目の楽譜を演奏し終わり、2ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、右画面120に表示されていた1ページ目の楽譜が3ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された3ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0126】
続いてユーザは、2ページ目の楽譜を演奏し終わり、3ページ目の楽譜の演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた2ページ目の楽譜が4ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された4ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0127】
図17において、ユーザは、3ページ目の楽譜を演奏し終わり、4ページ目の楽譜の演奏を開始する。ここで、4ページ目の楽譜には1カッコが含まれているため、次に演奏する楽譜は2カッコが含まれる7ページ目の楽譜となる。よってユーザは、右画面120に表示されている3ページ目の楽譜を7ページ目の楽譜へ進める操作を行う。具体的には、ユーザは、入力部200における進むスイッチ220を、所定時間(即ち、2秒)が経過しないうちに連続して押す。このようにすれば、書き換え対象が右画面120のまま変更されないので、右画面120に表示される楽譜が、進むスイッチ220を押す度に1ページずつ進む。
【0128】
続いてユーザは、右画面120に表示される楽譜が次に演奏すべき7ページ目の楽譜となると、進むスイッチ220を押すのを止める。ユーザが進むスイッチ220を押すのを止めた後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された7ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0129】
図18において、ユーザは、4ページ目の楽譜の1カッコの直前までを演奏し終わり、7ページ目の楽譜の2カッコから演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた4ページ目の楽譜が8ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された8ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0130】
続いてユーザは、7ページ目の楽譜を演奏し終わり、8ページ目の楽譜の演奏を開始する。ここで、8ページ目の楽譜にはダル・セーニョが含まれているため、次に演奏する楽譜はセーニョが含まれる2ページ目の楽譜となる。よってユーザは、右画面120に表示されている7ページ目の楽譜を2ページ目の楽譜へ戻す操作を行う。具体的には、ユーザは、入力部200における戻るスイッチ210を、所定時間(即ち、2秒)が経過しないうちに連続して押す。このようにすれば、書き換え対象が右画面120のまま変更されないので、右画面120に表示される楽譜が、戻るスイッチ210を押す度に1ページずつ戻る。
【0131】
図19において、ユーザは、右画面120に表示される楽譜が次に演奏すべき2ページ目の楽譜となると、戻るスイッチ210を押すのを止める。ユーザが戻るスイッチ210を押すのを止めた後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された2ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0132】
続いてユーザは、8ページ目の楽譜のダル・セーニョの直前までを演奏し終わり、2ページ目の楽譜のセーニョから演奏を開始した時点で、入力部200における進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、左画面110に表示されていた8ページ目の楽譜が3ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、右画面120へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、左画面110のクリーンアップ動作が行われる。これにより、左画面110に表示された3ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0133】
図20において、ユーザは、2ページ目の楽譜を演奏し終わり、3ページ目の楽譜の演奏を開始する。ここで、3ページ目の楽譜にはトゥ・コーダが含まれているため、次に演奏する楽譜はコーダが含まれる9ページ目の楽譜となる。よってユーザは、右画面120に表示されている2ページ目の楽譜を9ページ目の楽譜へ進める操作を行う。具体的には、ユーザは、入力部200における進むスイッチ220を、所定時間(即ち、2秒)が経過しないうちに連続して押す。このようにすれば、書き換え対象が右画面120のまま変更されないので、右画面120に表示される楽譜が、進むスイッチ220を押す度に1ページずつ進む。
【0134】
続いてユーザは、右画面120に表示される楽譜が次に演奏すべき9ページ目の楽譜となると、進むスイッチ220を押すのを止める。ユーザが進むスイッチ220を押すのを止めた後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、右画面120に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された9ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0135】
以上のように、ユーザは、1ページ目、2ページ目、3ページ目、4ページ目、5ページ目、6ページ目、7ページ目、1ページ目、1ページ目、2ページ目、3ページ目、4ページ目、7ページ目、8ページ目、2ページ目、3ページ目、9ページ目の順で楽譜を参照して演奏を行う。このように、複数のページを前後しながら演奏する場合であっても、本実施形態に係る表示装置1によれば、簡単な操作で適切なページめくりを行うことができる。従って、ユーザは好適に演奏を行うことができる。
【0136】
なお、上述した楽譜では、演奏中に書き換え対象変更スイッチ230を使用する機会がなかったが、楽譜の演奏順によっては、書き換え対象変更スイッチ230を使用しないと、適切なページめくりが行えなくなる場合が生じ得る。以下では、書き換え対象変更スイッチ230の使用例について、図21及び図22を参照して説明する。
【0137】
図21は、楽譜の一例を示す概念図(その2)である。
【0138】
図21において、以下では図中の4ページの楽譜を含む楽譜データを表示する場合について考える。なお、楽譜の1ページ目には反復記号(開始位置)が含まれている。2ページ目には1カッコ及び反復記号(終了位置)が含まれている。3ページ目には2カッコ及び反復記号(終了位置)が含まれている。4ページ目には3カッコが含まれている。このような4ページの楽譜を演奏する場合、演奏順は、1ページ目、2ページ目、1ページ目、3ページ目、1ページ目、4ページ目となる。
【0139】
図22は、書き換え対象変更スイッチを使用すべき状況について説明する概念図である。
【0140】
図22において、図21に示した4ページの楽譜を参照しながら演奏をする場合、ユーザは、左画面110に表示された1ページ目の楽譜を演奏し終わると、右画面120に表示された2ページ目の楽譜の演奏を開始する。ここで、2ページ目には反復記号(終了位置)が含まれているため、次に演奏すべき楽譜は再び1ページ目となる。よってユーザは、2ページ目の反復記号(終了位置)まで演奏を行うと、ページめくり動作を行うことなく、1ページ目の反復記号(開始位置)から演奏を開始する。
【0141】
1ページ目に戻り演奏を開始したユーザは、2ページ目には1カッコが含まれており、対応する2カッコが3ページに含まれているため、1ページ目の次に3ページ目を参照しようとする。しかしながら、書き換え対象は左画面110となっているため、仮にここで進むスイッチ220を押してしまうと、演奏中の1ページ目の楽譜が書き換えられてしまう。よってユーザは、書き換え対象変更スイッチ230を押して、書き換え対象を左画面110から右画面120へと変更する。
【0142】
書き換え対象が変更されると、ユーザは、続いて進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、右画面120に表示されていた2ページ目の楽譜が3ページ目の楽譜へと書き換えられる。ユーザが進むスイッチ220を押した後、2秒間経過すると、時間経過による書き換え対象の変更が行われる。これにより、左画面110に表示されていた書き換え対象アイコンは、左画面110へと移る。また、書き換え対象の変更に伴い、右画面120のクリーンアップ動作が行われる。これにより、右画面120に表示された3ページ目の楽譜の画像が確定する。
【0143】
続いてユーザは、左画面110に表示された1ページ目の楽譜を演奏し終わると、右画面120に表示された3ページ目の楽譜の演奏を開始する。ここで、3ページ目には反復記号(終了位置)が含まれているため、次に演奏すべき楽譜は再び1ページ目となる。よってユーザは、3ページ目の反復記号(終了位置)まで演奏を行うと、ページめくり動作を行うことなく、1ページ目の反復記号(開始位置)から演奏を開始する。
【0144】
1ページ目に戻り演奏を開始したユーザは、2ページ目には1カッコが、3ページには2カッコが含まれており、対応する3カッコが4ページに含まれているため、1ページ目の次に4ページ目を参照しようとする。しかしながら、書き換え対象は左画面110となっているため、仮にここで進むスイッチ220を押してしまうと、演奏中の1ページ目の楽譜が書き換えられてしまう。よってユーザは、書き換え対象変更スイッチ230を押して、書き換え対象を左画面110から右画面120へと変更する。
【0145】
書き換え対象が変更されると、ユーザは、続いて進むスイッチ220を押す。すると、図に示すように、右画面120に表示されていた3ページ目の楽譜が4ページ目の楽譜へと書き換えられる。このように、書き換え対象スイッチ230を用いれば、戻るスイッチ210及び進むスイッチ220だけでは対応できないようなページめくり動作にも対応することができる。
【0146】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1によれば、表示画像のページめくりを好適に行うことが可能である。
【0147】
なお、本実施形態では楽譜表示装置を例にとり説明したが、当然のことながら楽譜表示装置以外の表示装置、例えば文書、図表、写真等を表示する表示装置等に適用することも可能である。また、表示部100を、電気泳動表示装置ではなくコレステリック液晶表示装置、電子粉流型表示装置等の記憶性表示装置や、液晶表示装置、有機EL表示装置等の他の方式の表示装置として構成することも可能である。
【0148】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置、及び表示装置の制御方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0149】
1…表示装置、10…コントローラー、20…画素、21…画素電極、22…対向電極、24…画素スイッチング用トランジスター、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…黒色粒子、100…表示部、110…左画面、120…右画面、200…入力部、210…戻るスイッチ、220…進むスイッチ、230…書き換え対象変更スイッチ、250…共通電位供給回路、300…制御部、310…書き換え対象認識部、320…書き換え対象変更部、330…書き換え対象通知部、340…書き換え部、500…書き換え対象アイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する第1表示部及び第2表示部と、
前記第1表示部及び前記第2表示部における画像の表示を制御する制御手段と、
ユーザによる画像書き換え操作を前記制御手段へ入力可能な入力手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれか一方を書き換え対象として認識する認識手段と、
前記書き換え対象として認識されているのが、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれであるかを前記ユーザに通知する通知手段と、
前記入力手段によって前記画像書き換え操作が入力された場合に、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、前記画像書き換え操作に応じて書き換える書換手段と、
所定の条件を満たした場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更するように前記認識手段を制御する変更手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記入力手段における入力から所定の時間が経過した場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更するように前記認識手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記書き換え対象を変更するための書き換え対象変更操作を前記制御手段へ入力可能であり、
前記変更手段は、前記入力手段において前記書き換え対象変更操作が入力された場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更するように前記認識手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記入力手段は、
前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、次ページの画像へと書き換える前記画像書き換え操作を入力するための第1スイッチと、
前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、前ページの画像へと書き換える前記画像書き換え操作を入力するための第2スイッチと、
前記書き換え対象変更操作を入力するための第3スイッチと
を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記入力手段は、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、所定ページの画像へと書き換える前記画像書き換え操作を入力するための第4スイッチを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記入力手段は、前記画像書き換え操作及び前記書き換え対象変更操作の少なくとも一方について、操作が入力される直前の状態へと戻す取り消し操作を入力可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記書き換え対象が一方の表示部から他方の表示部へと変更された際に、前記一方の表示部における表示を更新する更新手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1表示部及び前記第2表示部において表示可能な複数ページの画像データを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記入力手段は、フットスイッチであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1表示部及び第2表示部は、それぞれ楽譜を表示することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
画像を表示する第1表示部及び第2表示部と、前記第1表示部及び前記第2表示部における画像の表示を制御する制御手段と、ユーザによる画像書き換え操作を前記制御手段へ入力可能な入力手段とを備える表示装置の制御方法であって、
前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれか一方を書き換え対象として認識する認識工程と、
前記書き換え対象として認識されているのが、前記第1表示部及び前記第2表示部のいずれであるかを前記ユーザに通知する通知工程と、
前記入力手段によって前記画像書き換え操作が入力された場合に、前記書き換え対象として認識された一方の表示部の画像を、前記画像書き換え操作に応じて書き換える書換工程と、
所定の条件を満たした場合に、前記書き換え対象を前記第1表示部及び前記第2表示部の他方へと変更する変更工程と
を含むことを特徴とする表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−97023(P2013−97023A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236921(P2011−236921)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】