説明

表示装置及び電子機器

【課題】SRAMを用いたアクティブマトリクス型表示装置では、SRAM回路を構成するトランジスタ数が多く、画素面積が小さい場合、画素の中に入りきらない、もしくは開口率が低下するという問題があった。リフレッシュが不要で消費電力の小さな表示装置を提供する。
【解決方法】本発明は、画素をスイッチング素子と、不揮発性メモリ素子で構成する。不揮発性メモリ素子は強誘電体素子を用い、保持を行うことによって、静止画を表示する場合フレーム毎に書き込みを行う必要をなくすことができる。また、強誘電体メモリは占有面積が小さいので開口率を著しく落とすことなく、メモリを内蔵することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特にガラス、プラスチックなどの透明基板上に形成された
薄膜トランジスタ(TFT)を用いた表示装置およびその駆動方法に関する。また、表示
装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信技術の進歩に伴って、携帯電話が普及している。今後は更に動画の伝送やよ
り多くの情報伝達が予想される。一方、パーソナルコンピュータもその軽量化によって、
モバイル対応の製品が生産されている。電子手帳に始まったPDAと呼ばれる情報端末も
多数生産され、普及しつつある。また、表示装置の発展により、それらの情報携帯機器の
ほとんどにはフラットパネルディスプレイが装備されている。
【0003】
さらに、最近の技術では、それら使用される表示装置として、アクティブマトリクス型
表示装置を使用する方向に向かっている。アクティブマトリクス型表示装置は画素1つず
つに対してTFTを配置し、そのTFTによって画面を制御している。このようなアクテ
ィブマトリクス型表示装置はパッシブマトリクス型表示装置と比較して、高性能化、高画
質化、動画対応などの長所を持っている。それゆえに、液晶表示装置もパッシブマトリク
ス型からアクティブマトリクス型に主流が移ると考えられる。
【0004】
また、アクティブマトリクス型の表示装置の中でも、近年、低温で結晶化した多結晶半
導体を用いた多結晶半導体を用いた薄膜トランジスタを用いて、表示装置の製品化が進め
られている。上記の低温とは、結晶化温度が600℃以下であり、従来の結晶化温度の1
000℃以上と比較すると、低温であるという意味である。低温で成膜した多結晶半導体
を用いたTFTでは、画素だけでなく、画素部の周囲に駆動回路を一体形成することが可
能である為、表示装置の小型化や、高精細化が可能である。このため、今後はさらに普及
が見込まれる。
【0005】
以下に、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の画素部の動作について説明する。図
2に、アクティブマトリクス型液晶表示装置の構成の例を示す。一つの画素220はソー
ス信号線203とゲート信号線205と容量線219と画素TFT207と保持容量21
1と液晶215により構成される。ただし、容量線は他の配線などと兼用できれば必ずし
も必要ではない。画素TFT207のゲート電極は、ゲート信号線205に接続され、画
素TFT207のドレイン領域またはソース領域の1方は、ソース信号線203に接続さ
れ、もう一方は、保持容量211及び液晶215に接続されている。
【0006】
ゲート信号線205、206はライン周期にて順次選択されていく。画素TFT207
、209がNチャネル型(Nch)の場合はゲート信号線205がHiのときにアクティ
ブとなり、画素TFT207、209がオンとなる。画素TFT207、209がオンに
なるとソース信号線203、204の電位が保持容量211、213と液晶215、21
7に書き込まれる。次のライン期間には隣のゲート信号線206がアクティブとなり、画
素TFT208、210がHiになり、同様にして保持容量212、214と液晶216
,218にソース信号線203、204の電位を書き込んでいく。書き込まれた電位に応
じて、液晶215〜218は配向し、光の透過率を変化させる。このようにしてアクティ
ブマトリクス型液晶表示装置は液晶を光シャッターとして表示をおこなう。
【0007】
また、図14に示すように画素の内部にスタティクRAM(SRAM)を設け表示を行
うものも開発されている(たとえば特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−286170号公報
【0009】
図14では1つの画素1407の中に、SRAM1403とスイッチ1405、140
6、液晶1404が含まれている。ソース信号線駆動回路1401はソース信号線140
8、1409に映像信号を出力する。ゲート信号線駆動回路1402によってゲート信号
線1410が選択されると、SRAM1403に映像信号が、ソース信号線1408、1
409を介して、書き込みが行われる。SRAM1403に記憶されたデータに基づき、
スイッチ1405、1406のいずれかが動作しVaまたはVbのいずれかの電位が液晶
1404に印加される。この状態はSRAMに次の書き込みが行われるまで保持される。
このようにして表示が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のアクティブマトリクス型表示装置には以下のような問題があった。従来のアクテ
ィブマトリクス型表示装置の画素部は、上述したように、保持容量とスイッチ回路のよる
ダイナミックRAM(DRAM)型の構成をとっているため、定期的にリフレッシュ動作
が必要である。図3にその動作波形を示す。画素信号波形ははソース信号線波形がt1お
よびt4で変化するとその時点からソース信号線波形の方に引かれて行く。
【0011】
図3に示す従来例ではt2〜t3、t5〜t6で再書き込みを行っているため表示は問
題ないが、リフレッシュ動作を行わないまたは、リフレッシュの期間が長いと、保持容量
に蓄積した電荷が、スイッチTFTのリーク電流によって放電し、液晶駆動に必要な電圧
が保持できなくなる。したがって、静止画のように本来画像データが変化しない表示する
場合においても、定期的な書き込みを必要としていた。その結果として、その書き込み動
作のために消費電力が大きくなるという課題があった。
【0012】
また、図14に示すようなSRAMを用いたアクティブマトリクス型表示装置では、S
RAM回路を構成するトランジスタ数が多く、画素面積が小さい場合、画素の中に入りき
らない、もしくは開口率が低下するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した課題を解決する為、本発明の表示装置では次のような方策を用いる。すなわち
、画素に不揮発性のメモリ素子、たとえば強誘電体材料を用いた不揮発性メモリを設け、
その記憶内容が、リフレッシュを行わなくとも、保存されるようにする。強誘電体材料を
使うことにより、SRAMが不要となるので、必要な素子面積を減らすことができる。
【0014】
本発明は、ソース信号線とゲート信号線と画素をマトリクス状に配置した表示装置であ
って、画素にスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と画素電極とを有するものである。
スイッチング素子は入力端子がソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メ
モリ素子と画素電極に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続されて
いる。
【0015】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素は複数のサブ画素からなり、サブ画
素はスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と画素電極を有し、スイッチング素子は入力
端子が前記ソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と画素電極
に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続されている。
【0016】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素は複数のサブ画素からなり、サブ画
素はそれぞれスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と画素電極を有し、スイッチング素
子は入力端子がソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と画素
電極に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、1つの画素中の
スイッチング素子はそれぞれ異なるソース信号線に接続されている。
【0017】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素列に対して、n本のソース信号線を
配置し、1つの画素はn個のサブ画素からなり、サブ画素はそれぞれスイッチング素子と
不揮発性メモリ素子と画素電極を有し、スイッチング素子は入力端子がソース信号線に電
気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と画素電極に電気的に接続され、制御端
子がゲート信号線に電気的に接続され、1つの画素中のスイッチング素子はそれぞれ異な
るn本のソース信号線のいずれか1つに接続されている。
【0018】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素は複数のサブ画素からなり、サブ画
素はそれぞれスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と画素電極を有し、スイッチング素
子は入力端子がソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と画素
電極に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、1つの画素中の
スイッチング素子はそれぞれ異なるゲート信号線に接続されている。
【0019】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素列に対してn本のゲート信号線を配
置し、1つの画素はn個のサブ画素からなり、前記サブ画素はそれぞれスイッチング素子
と不揮発性メモリ素子と画素電極を有し、スイッチング素子は入力端子がソース信号線に
電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と画素電極に電気的に接続され、制御
端子がゲート信号線に電気的に接続され、1つの画素中のスイッチング素子はそれぞれ異
なるn本のゲート信号線のいずれか1つに接続されている。
【0020】
本発明に係わる表示装置は、ソース信号線とゲート信号線と画素をマトリクス状に配置
した表示装置であって、画素にスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と駆動素子と画素
電極とを有するものである。スイッチング素子は入力端子がソース信号線に電気的に接続
され、出力端子が不揮発性メモリ素子と駆動素子に電気的に接続され、制御端子がゲート
信号線に電気的に接続され、駆動素子は前記画素電極に電気的に接続されている。
【0021】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素は複数のサブ画素からなり、サブ画
素はスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と駆動素子と画素電極を有し、スイッチング
素子は入力端子がソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と駆
動素子に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、駆動素子は画
素電極に電気的に接続されている。
【0022】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素は複数のサブ画素からなり、サブ画
素はそれぞれスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と駆動素子と画素電極を有し、スイ
ッチング素子は入力端子がソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ
素子と駆動素子に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、駆動
素子は画素電極に電気的に接続され、1つの画素中のスイッチング素子はそれぞれ異なる
ソース信号線に接続されている。
【0023】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素列に対して、n本のソース信号線を
配置し、1つの画素はn個のサブ画素からなり、サブ画素はそれぞれスイッチング素子と
不揮発性メモリ素子と駆動素子と画素電極を有し、スイッチング素子は入力端子がソース
信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と駆動素子に電気的に接続さ
れ、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、駆動素子は画素電極に電気的に接続さ
れ、1つの画素中のスイッチング素子はそれぞれ異なるn本のソース信号線のいずれか1
つに接続されている。
【0024】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素は複数のサブ画素からなり、サブ画
素はそれぞれスイッチング素子と不揮発性メモリ素子と駆動素子と画素電極を有し、スイ
ッチング素子は入力端子がソース信号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ
素子と駆動素子に電気的に接続され、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、駆動
素子は画素電極に電気的に接続され、1つの画素中のスイッチング素子はそれぞれ異なる
ゲート信号線に接続されている。
【0025】
本発明に係る表示装置は、複数のソース信号線と複数のゲート信号線と複数の画素をマ
トリクス状に配置した表示装置であって、1つの画素列に対してn本のゲート信号線を配
置し、1つの画素はn個のサブ画素からなり、サブ画素はそれぞれスイッチング素子と不
揮発性メモリ素子と駆動素子と画素電極を有し、スイッチング素子は入力端子がソース信
号線に電気的に接続され、出力端子が不揮発性メモリ素子と駆動素子に電気的に接続され
、制御端子がゲート信号線に電気的に接続され、駆動素子は画素電極に電気的に接続され
、1つの画素中のスイッチング素子はそれぞれ異なるn本のゲート信号線のいずれか1つ
に接続されている。
【0026】
上記した本発明において、不揮発性メモリ素子は強誘電体メモリを用いることが好まし
い。また、スイッチング素子は薄膜トランジスタを用いることができる。
【0027】
上記した本発明において、画素と同一基板上にソース信号線駆動回路、および/または
、ゲート信号線駆動回路を形成することができる。ソース信号線駆動回路および/または
ゲート信号線駆動回路は単極性のトランジスタで構成することができる。
【発明の効果】
【0028】
従来の表示装置では、画素に対して一定の周期でリフレッシュが必要であり、静止画を
出力するときでも、書き込みが必要であり、消費電力が大きいという問題があった。また
、SRAMを用いた表示装置では、画素内にTFTが多く必要なため、開口率の低下や、
画素内に必要な素子が入らないという問題があった。
【0029】
本発明は、画素内に不揮発性メモリ素子を内蔵することによって、静止画表示時のリフ
レッシュ動作を不用にし、且つ、少ない素子数で保持ができるため、開口率を著しく低下
させることなく表示を可能にすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の表示装置の構成を示す図。
【図2】従来の表示装置の構成を示す図。
【図3】従来の表示装置の画素部の動作波形を示す図。
【図4】本発明の表示装置の実施例を示す図。
【図5】本発明の表示装置の実施例を示す図。
【図6】本発明の表示装置のソース信号線駆動回路のブロック図。
【図7】本発明の表示装置のソース信号線駆動回路のブロック図。
【図8】単極性TFTを用いた信号線駆動回路を示す図。
【図9】本発明の画素の平面図。
【図10】本発明の構造断面を示す図。
【図11】本発明の構造断面を示す図。
【図12】本発明の構造断面を示す図。
【図13】本発明の構造断面を示す図。
【図14】従来のSRAMを用いた表示装置の画素を示した図。
【図15】本発明の表示装置を用いた電子機器の図。
【図16】本発明とDRAM型画素を組み合わせた実施例の図。
【図17】本発明をEL表示装置に応用した実施例
【図18】図16を詳細に示した例を示す図。
【図19】本発明の断面図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に本発明の構成を示す。図1は3ビットの階調を示す例である。ここでは3ビット
で説明を行うが、本発明は3ビットには限定されない。1つの画素152は3つのスイッ
チング素子、3つの不揮発性メモリ素子によって構成されている。スイッチング素子はゲ
ート信号線によってオンオフが制御される。不揮発性メモリ素子は一端が各スイッチング
素子、他端が共通電極151に接続されている。スイッチング素子は入力端子、出力端子
、制御端子を有し、入力端子はソース信号線に電気的に接続され、出力端子は不揮発性メ
モリ素子および画素電極(図示せず)を介して液晶素子に電気的に接続され、制御端子は
ゲート信号線に電気的に接続されている。
【0032】
ソース信号線駆動回路101よりソース信号線103〜108にデジタル映像信号が出
力される。ゲート信号線駆動回路102がゲート信号線109〜111を選択すると、ス
イッチング素子115〜117、121〜123がオンし、ソース信号線103〜108
のデジタル映像信号を不揮発性メモリ素子127〜129、133〜135に書き込む。
ゲート信号線駆動回路102がゲート信号線109〜111の選択を解除するとスイッチ
ング素子115〜117、121〜123はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子12
7〜129、133〜135には状態が記憶されているので、液晶139〜141、14
5〜147は書き込みが行われた状態で表示を行うことができる。
【0033】
次に、ゲート信号線駆動回路102がゲート信号線112〜114を選択すると、スイ
ッチング素子118〜120、124〜126がオンし、ソース信号線103〜108の
デジタル映像信号を不揮発性メモリ素子130〜132、136〜138に書き込む。ゲ
ート信号線駆動回路102がゲート信号線112〜114の選択を解除するとスイッチン
グ素子118〜120、124〜126はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子130
〜132、136〜138には状態が記憶されているので、液晶142〜144、148
〜150は書き込みが行われた状態で表示を行うことができる。
【0034】
本発明において、保持はデジタル的に行うため、階調は面積階調を用いて表示を行う。
すなわち、3ビットの表示を行う場合には画素電極の面積を4:2:1に設定し、必要な
階調に応じて、必要な状態を記憶することによって階調を表現することができる。
【0035】
不揮発性メモリ素子に強誘電体材料たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛、Pb[Zrx,T
i1-x]O3)を使用すると、電源がオフになってもその状態は保持されるので、静止画を表
示するときには、表示装置の電源をオフにでき、電力の削減を図ることが可能である。こ
のようにして、本発明では従来の問題点であった、リフレッシュ動作を不要にすることが
可能であり、低消費電力化が可能になった。また、強誘電体材料はPZTに限定されず他
の材料でも良い。
【0036】
また、本発明ではSRAMを用いた表示装置のように、画素内に多くのトランジスタを
必要とせず、画素が小さい場合や、開口率の著しい低下をまねくことなく、使用が可能で
ある。また、以上は液晶を例にとり説明をおこなったが液晶以外たとえば電気泳動素子な
どを用いてもよい。
【0037】
本発明で使用するソース信号線駆動回路、ゲート信号線駆動回路、またはそれ以外の回
路は画素と同一基板上に一体形成しても良いし、別基板上に形成しCOG(Chip On Glas
s)またはTAB(Tape Automated Bonding)などの技術を用いて実装しても良い。
【実施例1】
【0038】
図4に本発明の実施例を示す。本実施例では、スイッチング素子をTFTで構成してい
る構成している。図4は3ビットの階調を示す例である。ここでは3ビットで説明を行う
が本発明は3ビットには限定されない。1つの画素452は3つのTFT、3つの不揮発
性メモリ素子によって構成されている。TFTはゲート信号線によってオンオフが制御さ
れる。不揮発性メモリ素子は一端が各TFTおよび画素電極(図示せず)を介して液晶素
子、他端が共通電極451に接続されている。
【0039】
ソース信号線駆動回路401よりソース信号線403〜408にデジタル映像信号が出
力される。ゲート信号線駆動回路402がゲート信号線409〜411を選択すると、T
FT415〜417、421〜423がオンし、ソース信号線403〜408のデジタル
映像信号を不揮発性メモリ素子427〜429、433〜435に書き込む。ゲート信号
線駆動回路402がゲート信号線409〜411の選択を解除するとTFT415〜41
7、421〜423はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子427〜429、433〜
435には状態が記憶されているので、液晶439〜441、445〜447は書き込み
が行われた状態で表示を行うことができる。
【0040】
次に、ゲート信号線駆動回路402がゲート信号線412〜414を選択すると、TF
T418〜420、424〜426がオンし、ソース信号線403〜408のデジタル映
像信号を不揮発性メモリ素子430〜432、436〜438に書き込む。ゲート信号線
駆動回路402がゲート信号線412〜414の選択を解除するとTFT418〜420
、424〜426はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子430〜432、436〜4
38には状態が記憶されているので、液晶442〜444、448〜450は書き込みが
行われた状態で表示を行うことができる。
【0041】
本発明において、保持はデジタル的に行うため、階調は面積階調を用いて表示を行う。
すなわち、3ビットの表示を行う場合には画素電極の面積を4:2:1に設定し、必要な
階調に応じて、必要な状態を記憶することによって階調を表現することができる。
【0042】
不揮発性メモリ素子に強誘電体たとえばPZTを使用すると、電源がオフになってもそ
の状態は保持されるので、静止画を表示するときには、表示装置の電源をオフにでき、電
力の削減を図ることが可能である。このようにして、本発明では従来の問題点であった、
リフレッシュ動作を不要にすることが可能であり、低消費電力化が可能になった。
【0043】
また、本発明ではSRAMを用いた表示装置のように、画素内に多くのトランジスタを
必要とせず、画素が小さい場合や、開口率の著しい低下をまねくことなく、使用が可能で
ある。
【実施例2】
【0044】
図5に本発明の実施例を示す。本実施例では、ソース信号線を画素1列に対して1本と
したことが、実施例1と異なっている。図4は3ビットの階調を示す例である。ここでは
3ビットで説明を行うが本発明は3ビットには限定されない。1つの画素548は3つの
TFT、3つの不揮発性メモリ素子によって構成されている。TFTはゲート信号線によ
ってオンオフが制御される。不揮発性メモリ素子は一端が各TFTおよび画素電極(図示
せず)を介して液晶素子、他端が共通電極547に接続されている。以下にその動作を説
明する。
【0045】
ソース信号線駆動回路501よりソース信号線503、504にデジタル映像信号が出
力される。ゲート信号線駆動回路502がゲート信号線505を選択すると、TFT51
1、517がオンし、ソース信号線503、504のデジタル映像信号を不揮発性メモリ
素子523、529に書き込む。ゲート信号線駆動回路502がゲート信号線505の選
択を解除するとTFT511、517はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子523、
529には状態が記憶されているので、液晶535、541は書き込みが行われた状態で
表示を行うことができる。
【0046】
次に、ゲート信号線駆動回路502がゲート信号線506を選択すると、TFT512
、518がオンし、ソース信号線503、504のデジタル映像信号を不揮発性メモリ素
子524、530に書き込む。ゲート信号線駆動回路502がゲート信号線506の選択
を解除するとTFT512、518はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子524、5
30には状態が記憶されているので、液晶536、542は書き込みが行われた状態で表
示を行うことができる。
【0047】
次に、ゲート信号線駆動回路502がゲート信号線507を選択すると、TFT513
、519がオンし、ソース信号線503、504のデジタル映像信号を不揮発性メモリ素
子525、531に書き込む。ゲート信号線駆動回路502がゲート信号線507の選択
を解除するとTFT513、519はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子525、5
31には状態が記憶されているので、液晶537、543は書き込みが行われた状態で表
示を行うことができる。このようにして1つの画素548のデータ書き込みが終了する。
これらの書き込みは1水平ライン期間に行われる。
【0048】
続いて次の行の画素についても同様の書き込みが行われる。ゲート信号線508、50
9、510が順に選択され、それに応じて、TFT514、520、515、521、5
16、522が順次オンし、ソース信号線503、504のデータを不揮発性メモリ素子
538、544、539、545、540、546に書き込んでいく。このようにして、
表示を行っていく。本実施例ではソース信号線の数を削減することが可能であるため、開
口率の向上に貢献することが可能となる。
【実施例3】
【0049】
図6に実施例1で示した画素構成に対応したソース信号線駆動回路の実施例を示す。図
6のソース信号線駆動回路はシフトレジスタ601と1stラッチ回路614と2ndラ
ッチ回路615によって構成されている。以下に動作を説明する。
【0050】
シフトレジスタ601の出力パルスがラッチ回路602〜604に入力されると、映像
信号線614のデジタル映像信号がラッチ回路602〜604に記憶される。次にシフト
レジスタ601の出力パルスがラッチ回路608〜610に入力されると、映像信号線6
14のデジタル映像信号がラッチ回路608〜610に記憶される。同様にして、シフト
レジスタの出力パルスを順次走査していき、1ライン分の映像信号を1stラッチ回路6
14に蓄える。次のラインの映像が始まる前に、ラッチ信号線615によりラッチパルス
をラッチ回路605〜607、611〜613に入力し、1stラッチ回路614のデー
タを2ndラッチ回路615に記憶する。そして、ソース信号線にデータを出力する。こ
のようにして、ソース信号線駆動回路は動作する。
【実施例4】
【0051】
図7は実施例1と異なる構成のソース信号線駆動回路の実施例である。このソース信号
線駆動回路は実施例2の画素構成に対応したものである。シフトレジスタ701の出力パ
ルスにて、順次、映像信号線714のデータをラッチ回路702〜704、708〜71
0に記憶し、1ライン分のデータが記憶されたのちラッチ信号線715のラッチパルスに
よってラッチ回路705〜707、711〜713にデータを転送する。
【0052】
ここまでは実施例3と同じであるが、その後ラッチ回路705〜707の出力をスイッ
チ716で切り換え、それぞれ1ライン期間の3分の1ずつソース線に出力する。このよ
うにすることによって、ソース信号線の本数を削減することができる。すなわちソース信
号線の信号を時分割で活用することが可能である。ここでは3分割したが、3分割には限
定されない。同様に、ラッチ回路711〜713の出力もスイッチ717によって切り換
え、ソース信号線に出力することが可能である。
【実施例5】
【0053】
図8は単極性のTFTを用いて、シフトレジスタを構成した例である。このように信号
線駆動回路またはその他の回路を単極性の回路にすることによって、表示装置のコスト低
減を図ることができる。図8はNchの例であるが、単極性はNchのみまたはPチャネ
ル型(Pch)のみのいずれを用いても良い。単極性のプロセスを用いることによって、
マスク枚数の低減が可能となる。
【0054】
図8において、スタートパルスは走査方向切り換えスイッチ802に入力され、スイッ
チ用TFT811を経て、シフトレジスタ801に入力される。シフトレジスタはブート
ストラップを用いたセットリセット型のシフトレジスタである。以下にシフトレジスタ8
01の動作を説明する。
【0055】
スタートパルスはTFT803のゲートとTFT806のゲートに入力される。TFT
806がオンになるとTFT804のゲートはロウになりTFT804はオフになる。ま
た、TFT810のゲートもロウになるためTFT810もオフとなる。TFT803の
ゲートは電源電位まで上がるため、まずTFT809のゲートは電源−Vgsまで上昇す
る。出力1は初期電位がロウであるため、TFT809は出力1と容量808を充電しな
がらソース電位を上げていく、TFT809のゲートが電源−Vgsまで上昇したときに
、TFT809はまだオンしているので、出力1はさらに上昇を続ける。TFT809の
ゲートは放電経路がないので、ソースに合わせて上昇し、電源をこえてもさらに上昇を続
ける。
【0056】
TFT809のドレイン、及びソースが等電位になったときに、電流が出力に流れるの
が停止し、そこでTFT809の電位上昇が止まる。このようにして、出力1は電源電位
に等しいハイ電位を出力できる。この時はCLbの電位はハイとする。CLbがロウに落
ちると、容量808電荷はTFT809を介してCLbにぬけて、出力1はロウに落ちる
。出力1のパルスは次の段のシフトレジスタに伝わっていく。以上が本実施例の回路の動
作である。本実施例は本発明の他の実施例と組み合わせて使用することができる。
【実施例6】
【0057】
図9は実施例1に示した画素の平面図である。ソース信号線901〜903、ゲート信
号線904〜906、TFT907〜909、不揮発性メモリ素子910〜912、共通
電極913〜915、画素電極916〜918によって構成されている。この実施例は3
ビットの例であるが、3ビットには限定されない。図9に示すように、不揮発性メモリ素
子910〜912は占有面積が狭いので、開口率を落とさずにメモリ回路を内蔵すること
が可能になる。
【0058】
また、画素電極916、917、918の面積を1:2:4とすることで3ビットの面積
階調が実現できる。同様にnビットの場合は、サブ画素をn個設け、それぞれの面積比を
1から2のn−1乗とすることによって、3ビット以外においても実現ができる。
【実施例7】
【0059】
本発明の表示装置の作製工程について説明する。ここでは、同一基板上に画素部を構成
するスイッチング用TFTと、駆動回路や他の論理回路を構成するTFT及び不揮発性の
ラッチ回路を構成する強誘電体材料を用いた容量を同時に作製する方法について詳細に説
明する。図10〜図13はその作製工程を説明する断面図である。
【0060】
まず図10(A)において基板1000は、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アル
ミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、SUS基板等を用いることができる
。また、プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と
比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば
用いることが可能である。
【0061】
基板1000上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶
縁膜から成る下地膜1001及び1002を形成する。例えば、プラズマCVD法でSi
4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜1001を10〜200nm(好
ましくは50〜100nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素
化シリコン膜1002を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積
層形成する。本実施例では下地膜を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または
2層以上積層させた構造として形成しても良い。また、石英基板など不純物の拡散がさし
て問題とならない場合は、必ずしも設ける必要はない。
【0062】
島状半導体層1003〜1005は、非晶質構造を有する半導体膜をレーザ結晶化法や
公知の熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する(図10(B))。この島
状半導体層1003〜1005の厚さは25〜100nm(好ましくは30〜60nm)
の厚さで形成する。なお島状半導体層1003〜1005は、非晶質半導体であっても良
いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウ
ムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0
.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
【0063】
レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を作製するには、パルス発振型または連続発光型のエ
キシマレーザやYAGレーザ、YVO4レーザを用いる。これらのレーザを用いる場合に
は、レーザ発振器から放射されたレーザ光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方
法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザ
を用いる場合はパルス発振周波数30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜40
0mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザを
用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜10kHzとし、レーザーエ
ネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)と
すると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザ
光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザ光の重ね合わせ率(オーバーラップ率
)を80〜98%として行う。
【0064】
次いで、島状半導体層1003〜1005を覆うゲート絶縁膜1006を形成する(図
10(C))。ゲート絶縁膜1006はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さ
を40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120nm
の厚さの酸化窒化シリコン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜1006はこのような酸化
窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構
造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で
TEOS(Tetraethyl Ortho Silicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度
300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)、電力密度0.5〜0.8W/cm
2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化シリコン膜は、そ
の後400〜500℃の熱アニールにより絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0065】
次に、図11(A)に示すように、ゲート絶縁膜1006上にゲート電極1100〜1
102を形成する。ゲート電極1100〜1102はタンタル(Ta)、チタン(Ti)
、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、前記元素を主成分とする合金、あるいは多
結晶シリコンなどで形成すれば良い。まず表面上に導電層を形成し、レジストマスク(図
示せず)を用いて、導電層をエッチングすることで、ゲート電極1100〜1102が形
成される。
【0066】
その後、N型を付与する不純物元素をドーピングする。こうして、半導体活性層内にN
型の低濃度不純物領域1103〜1108が形成される。
【0067】
次いで、ゲート電極1102を覆うようにレジストマスク(図示せず)を形成し、ゲー
ト電極1101と該レジストマスクをマスクとして自己整合的にn型不純物元素を添加し
、また、ゲート電極1101をマスクとして自己整合的にp型不純物元素を添加する。
【0068】
こうしてnチャネル型TFTのソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度n
型不純物領域1111、1112、1113、1114及びpチャネル型TFTのソース
領域またはドレイン領域として機能する高濃度p型不純物領域1109、1110を形成
する。n型を付与する不純物元素にはリン(P)あるいは砒素(As)を、p型を付与す
る不純物元素にはボロン(B)を、それぞれ用いる。
【0069】
その後、n型及びp型不純物元素の活性化を行う。活性化手段としては、ファーネスア
ニール、レーザーアニール、ランプアニール、またはこれらを組み合わせた方法を用いる
とよい。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素
雰囲気中で400〜700℃で行う。
【0070】
そして図11(C)に示すように、ゲート電極1100〜1112上に、窒化珪素膜又
は酸窒化珪素膜による第1の層間絶縁膜1115を形成する。
【0071】
以上のようにして同一基板上に画素部を構成するスイッチングTFTと、駆動回路や他
の論理回路を構成するTFTが形成される。次に第1の層間絶縁膜1112の上に強誘電
体材料を用いた容量の形成を行う。
【0072】
まず、下部電極層1201の形成を行う(図12(A))。形成方法はCVD法、スパ
ッタ法、イオンビームスパッタ法、レーザアブレーション法などから選べば良い。下部電
極層1201の材料にはPt/IrO2、Pt/Ta/SiO2などを用いる事ができる。
強誘電体薄膜の電気的特性は結晶の配向に強く依存するため、下部電極の表面には配向制
御が容易なPtを用いるのが特に好ましい。金属膜形成後不要な部分をプラズマエッチン
グなどで処理して下部電極層1201を形成する。
【0073】
次に、下部電極層1201の上に強誘電体層1202を形成する(図12(B))。強
誘電体はPZT、PbTiO3などの鉛含有ペロブスカイト、Bi4Ti3O12などのビス
マス層状化合物、LiNbO3、LiTaO3などのイルメナイト系化合物を用いる事がで
きる。このうち鉛含有ペロブスカイトを用いた強誘電体、とりわけPZTは広いの組成範
囲で強誘電体の性質を示すため好ましい。
【0074】
強誘電体層1202の形成方法はCVD法、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、レ
ーザアブレーション法などから選べば良い。特にCVD法は膜組成や結晶性の制御性が高
く、大面積化や量産化に優れて好ましい。CVD法で形成する場合、材料の条件として比
較的低温で大きな蒸気圧を持ち、長時間にわたって安定であること、また堆積温度範囲内
において析出速度が原料の供給量によって決まること、気相での核生成反応が起こらない
ことなどが挙げられるが、PZTはこれらの点でも優れている。
【0075】
CVD法による強誘電体層形成のプロセスは公知の手順に従えば良い。例えば圧力66
0Pa、基板温度500〜650度でPZTによる強誘電体層を形成させることができる

【0076】
次に、強誘電体層1202の上に上部電極層1203を形成する(図12(C))。形
成方法は下部電極1201と同様にCVD法、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、レ
ーザアブレーション法などから選ぶ事ができる。上部電極層1203の材料には下部電極
層1201で用いた材料のほかIr/IrO2などを用いる事ができる。
【0077】
次に、図13(A)に示すように、窒化珪素膜又は酸窒化珪素膜を材料とする第2の層
間絶縁膜1307を成膜した後、コンタクトホールを形成し、該コンタクトホールを介し
て配線1300〜1306を形成する。なお、配線1300〜1306とTFTとの電気
的な接続の形態は、本実施例に限定されない。
【0078】
最後に、図13(B)に示すように第2の層間絶縁膜1307上に保護層1308を形
成する。保護層1308の材料としてはポリイミドやアクリル樹脂などの光硬化型または
熱硬化型の有機樹脂材料を用いることができる。
【0079】
このような手順を経て、画素部を構成するTFTと駆動回路や他の論理回路を構成するT
FT、及び不揮発性のラッチ回路を構成する強誘電体材料を用いた容量を同一基板上に同
時に作製することができる。
【0080】
なお、本実施例では画素を構成するスイッチングTFTとして、ゲート電極とオーバラ
ップしないLDD領域を有する構造を、駆動回路及び論理回路を構成するTFTとして、
シングルドレイン構造を、それぞれ作製する場合を示したが、本実施例はこの構造に限定
されない。必要に応じ、GOLD構造や他のLDD構造などの用途に適したTFT構造を
、公知の方法に従って作製すればよい。
【実施例8】
【0081】
図16は従来の表示方法と本発明の表示方法を組み合わせた実施例である。静止画を出
す場合には、ソース信号線駆動回路1601より、デジタル映像信号をソース信号線16
04〜1606に出力する。このときスイッチ1619〜1621は不揮発性メモリを選
択しているものとする。ゲート信号線駆動回路1602がゲート信号線1625〜162
7を選択すると、スイッチング素子1610〜1612がオンし、映像信号を不揮発性メ
モリ1613〜1615と液晶1622〜1624に書き込む。
【0082】
動画を表示するときは、ソース線駆動回路1603よりアナログ映像信号をソース信号
線1604〜1606に出力する。このときスイッチ1619〜1621は保持容量16
16〜1618を選択しているものとする。ゲート信号線駆動回路1602がゲート信号
線1625〜1627を選択すると、スイッチング素子1610〜1612がオンし、ア
ナログ映像信号を保持容量1616〜1618と液晶1622〜1624に書き込む。こ
のようにして表示を行うことが可能になる。
【0083】
図18は、図16の回路を具体化したものである。ゲート線1801は、画像が表示さ
れるときに選択される。ゲート線1801が選択されることによって、トランジスタ18
03がオンになる。また、画像を表示し続けているとき、ゲート信号線1802が選択さ
れる。ゲート信号線1802が選択されることによって、トランジスタ1804がオンに
なる。また、不揮発性メモリ1613と保持容量1616を含む画素の断面図を図19に
示す。
【実施例9】
【0084】
図17に本発明の実施例を示す。図17は3ビットの階調を持ったEL表示装置を示す
例である。ここでは3ビットで説明を行うが本発明は3ビットには限定されない。本実施
例ではスイッチング素子、および駆動素子を用いるが以下の説明ではそれらをスイッチン
グTFT、駆動TFTとして説明する。しかし、スイッチング素子、駆動素子はTFTに
限定されるものではない。
【0085】
1つの画素1752は3つのスイッチングTFT1715、1716、1717、3つ
の不揮発性メモリ素子1727、1728、1729、3つの駆動TFT1753、17
54、1755、3つのEL素子1739、1740、1741によって構成されている
。スイッチングTFTはゲート信号線によってオンオフが制御される。不揮発性メモリ素
子は一端が各スイッチングTFT、他端が共通電極151に接続されている。スイッチン
グTFTのドレインまたはソースのいずれか一方はソース信号線に電気的に接続され、ド
レインまたはソースの他の一方は不揮発性メモリ素子および駆動TFTのゲートに電気的
に接続され、ゲートはゲート信号線に電気的に接続されている。駆動TFTのソースは電
源供給線1765、1766に電気的に接続され、ドレインは画素電極(図示せず)を介
してEL素子に電気的に接続される。
【0086】
ソース信号線駆動回路1701よりソース信号線1703〜1708にデジタル映像信
号が出力される。ゲート信号線駆動回路1702がゲート信号線1709〜1711を選
択すると、スイッチングTFT1715〜1717、1721〜1723がオンし、ソー
ス信号線1703〜1708のデジタル映像信号を不揮発性メモリ素子1727〜172
9、1733〜1735に書き込む。ゲート信号線駆動回路1702がゲート信号線17
09〜1711の選択を解除するとスイッチングTFT1715〜1717、1721〜
1723はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子1727〜1729、1733〜17
35には状態が記憶されているので、駆動TFT1753〜1755、1759〜176
1のゲートは書き込みが行われた状態であり、書き込み内容に応じて、EL素子1739
〜1741、1745〜1747を駆動し、表示を行うことができる。
【0087】
次に、ゲート信号線駆動回路1702がゲート信号線1712〜1714を選択すると
、スイッチングTFT1718〜1720、1724〜1726がオンし、ソース信号線
1703〜1708のデジタル映像信号を不揮発性メモリ素子1730〜1732、17
36〜1738に書き込む。ゲート信号線駆動回路1702がゲート信号線1712〜1
714の選択を解除するとスイッチングTFT1718〜1720、1724〜1726
はオフする。しかし、不揮発性メモリ素子1730〜1732、1736〜1738には
状態が記憶されているので、駆動TFT1756〜1758、1762〜1764は書き
込みが行われた状態であり、書き込み内容に応じて、EL素子1742〜1744、17
48〜1750を駆動し、表示を行うことができる。
【0088】
本実施例において、ソース信号線は1画素列に対して3本配置しているが、実施例2に
示したようにソース信号線を1画素列に対して1本とし、ゲート信号線を3本としても良
い。
【0089】
本発明において、保持はデジタル的に行うため、階調は面積階調を用いて表示を行う。
すなわち、3ビットの表示を行う場合には画素電極の面積を4:2:1に設定し、必要な
階調に応じて、必要な状態を記憶することによって階調を表現することができる。前述し
たように、本発明は3ビットに限定されるものではない。
以上において、駆動TFTを飽和領域で動作させ、EL素子を定電流駆動にしても良い
し、駆動TFTを線形領域で動作させ、EL素子を定電圧駆動にしても良い。
【0090】
不揮発性メモリ素子に強誘電体材料たとえばPZTを使用すると、電源がオフになって
もその状態は保持されるので、静止画を表示するときには、表示装置の電源をオフにでき
、電力の削減を図ることが可能である。このようにして、本発明では従来の問題点であっ
た、リフレッシュ動作を不要にすることが可能であり、低消費電力化が可能になった。ま
た、強誘電体材料はPZTに限定されず他の材料でも良い。
【0091】
また、本発明ではSRAMを用いた表示装置のように、画素内に多くのトランジスタを
必要とせず、画素が小さい場合や、開口率の著しい低下をまねくことなく、使用が可能で
ある。
【0092】
本発明で使用するソース信号線駆動回路、ゲート信号線駆動回路、またはそれ以外の回
路は画素と同一基板上に一体形成しても良いし、別基板上に形成しCOGまたはTABな
どの技術を用いて実装しても良い。
【実施例10】
【0093】
以上のようにして作製される表示装置は各種電子機器の表示部として用いることができ
る。以下に、本発明を用いて形成された表示装置を表示媒体として組み込んだ電子機器に
ついて説明する。
【0094】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプ
レイ(ゴーグル型ディスプレイ)、ゲーム機、カーナビゲーション、パーソナルコンピュ
ータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げら
れる。それらの一例を図15に示す。
【0095】
図15(A)はデジタルカメラであり、本体3101、表示部3102、受像部310
3、操作キー3104、外部接続ポート3105、シャッター3106等を含む。本発明
の表示装置はカメラの表示部3102に用いることができる。
【0096】
図15(B)はノートパソコンであり、本体3201、筐体3202、表示部3203
、キーボード3204、外部接続ポート3205、ポインティングマウス3206等を含
む。本発明の表示装置は表示部3203に使用することができる。
【0097】
図15(C)は携帯情報端末であり、本体3301、表示部3302、スイッチ330
3、操作キー3304、赤外線ポート3305等を含む。本発明の表示装置は表示部33
02に使用することができる。
【0098】
図15(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、
本体3401、筐体3402、記録媒体(CD、LDまたはDVD等)読込部3405、
操作スイッチ3406、表示部(a)3403、表示部(b)3404等を含む。表示部
Aは主として画像情報を表示し、表示部Bは主として文字情報を表示するが、本発明の表
示装置は記録媒体を備えた画像再生装置の表示部(a)、(b)に用いることができる。
なお、記録媒体を備えた画像再生装置としては、CD再生装置、ゲーム機器などに本発明
を用いることができる。
【0099】
図15(E)は折りたたみ式携帯表示装置であり、本体3501に本発明を用いた表示
部3502を装着することができる。
【0100】
図15(F)は腕時計型表示装置であり、ベルト3601、表示部3602、操作スイ
ッチ3603、音声出力部3604などを含む。本発明の表示装置は表示部3602に用
いることができる。
【0101】
図15(G)は携帯電話であり、本体3701は、筐体3702、表示部3703、音
声入力部3704、アンテナ3705、操作キー3706、外部接続ポート3707など
を含む。本発明の表示装置を表示部3703に用いることができる。
【0102】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用すること
が可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜9のどのような組み合わせからな
る構成を用いても実現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、第2の配線と、スイッチング素子と、スイッチと、不揮発性メモリと、保持容量と、画素電極と、共通電極と、を有し、
前記スイッチング素子は、前記第1の配線、前記第2の配線、及び前記画素電極と電気的に接続され、
前記スイッチング素子は、前記スイッチを介して前記不揮発性メモリ又は前記保持容量の一方と電気的に接続され、
前記不揮発性メモリ及び前記保持容量は、前記共通電極と電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第1乃至第4の配線と、第1乃至第3のトランジスタと、不揮発性メモリと、保持容量と、画素電極と、共通電極と、を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記画素電極と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記不揮発性メモリと電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記保持容量と電気的に接続され、
前記不揮発性メモリ及び前記保持容量は、前記共通電極と電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2のトランジスタ、前記第3のトランジスタ、及び前記保持容量上に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に設けられ、第1の電極と、前記第1の電極上に設けられた強誘電体層と、前記強誘電体層上に設けられた第2の電極と、を有する前記不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリ上に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に設けられた前記共通電極と、を有し、
前記保持容量は、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールを介して前記共通電極と電気的に接続され、
前記不揮発性メモリは、前記第2の絶縁膜に形成された第2のコンタクトホールを介して前記共通電極と電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
静止画を表示する際、前記スイッチング素子は前記スイッチを介して前記不揮発性メモリと電気的に接続され、
動画を表示する際、前記スイッチング素子は前記スイッチを介して前記保持容量と電気的に接続されることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項2又は3において、
静止画を表示する際、前記第2のトランジスタはオン、前記第3のトランジスタはオフであり、
動画を表示する際、前記第2のトランジスタはオフ、前記第3のトランジスタはオンであることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−145947(P2012−145947A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22625(P2012−22625)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【分割の表示】特願2003−431583(P2003−431583)の分割
【原出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】