説明

表示装置

【課題】 表示の変化が滑らかな表示装置を提供するものである。
【構成】 第1データおよび第2データが順に入力される入力部9と、第1データを記憶する第1記憶部6と、第2データを記憶する第2記憶部7と、液晶表示部5と、制御部1とを備え、制御部1は、液晶表示部5に対し、第nフレームに第1データを出力し、第n+1フレームに第1データおよび第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに第2データを出力する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の表示装置は、例えば、特開平9−6290号公報に示されている。この公報によると、複数のデータ(各データは1画面の画像データを示す)が順に入力される入力部と、各データを保存する記憶部と、そのデータを表示する液晶表示部と、制御部とが設けられている。ところが、入力部へ出力する外部機器(例えばパーソナルコンピュータ等)は、60〜75ヘルツの周波数にて各データを切替ている。そして、液晶表示部(例えばSTN型)は高品位画像を得るために、100ヘルツ以上の周波数を要求している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、上記装置では、液晶表示部に、同一のデータを2フレームずつ供給するので、特に動画の場合、表示の変化が滑らかでない欠点がある。故に、本発明は、この様な従来の欠点を考慮して、表示の変化が滑らかな表示装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1では、第1データおよび第2データが順に入力される入力部と、前記第1データを記憶する第1記憶部と、前記第2データを記憶する第2記憶部と、液晶表示部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記液晶表示部に対し、第nフレームに前記第1データを出力し、第n+1フレームに前記第1データおよび前記第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに前記第2データを出力する。
【0005】請求項2では、第1データおよび第2データおよび第3データが順に入力される入力部と、各データを記憶する第1、第2、第3記憶部と、液晶表示部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記液晶表示部に対し、第nフレームに前記第1データを出力し、第n+1フレームに前記第1データおよび前記第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに前記第2データを出力し、第n+3フレームに第2データおよび第3データの平均値を出力し、第n+4フレームに第3データを出力する。
【0006】請求項3では、前記液晶表示部に出力される各データの垂直同期信号周波数を、前記入力部に入力される各データの垂直同期信号周波数の略2倍に設定する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態1に係る表示装置を、図1のブロック図および図2のタイミングチャートに従い説明する。これらの図において、制御部1は、CPU2とコントローラ3等から成る。CPU2は、全体の制御を司る。コントローラ3は、記憶部4と液晶表示部5を制御し、内部にカウンタの機能を有する。
【0008】記憶部4は、赤色データを記憶する第1記憶部6、第2記憶部7と、緑色データを記憶する第1記憶部6a、第2記憶部7aと、青色データを記憶する第1記憶部6b、第2記憶部7b等から成る。
【0009】入力部8は、例えばコネクタ等から成り、外部機器、例えばパーソナルコンピュータ等が順に出力する各データ(1画面分に相当する画像データであり、赤色データと緑色データと青色データからなる)と、水平同期信号と、垂直同期信号等が入力される。
【0010】ビデオアンプ9は、各データを増幅するものである。A/D変換器10は、入力されたアナログ信号(各データ)をディジタル信号に変換し、出力するものである。ディジタル信号が入力されるならば、A/D変換器は不要である。クロックジェネレータ11は、各データに対応したサンプリングクロック信号を発生するものであり、このクロック信号は、コントローラ3と、CPU2と、液晶表示部5へ供給される。以上の部品により、表示装置12が構成されている。次に、表示装置12の動作を、図1と図2に従い説明する。図2は、主要部品のタイミングチャートである。これらの図において、外部機器(図示せず)から入力部8を介して、各データ等が入力されると、表示装置12は、垂直同期信号および水平同期信号の各周波数を測定する。そして、CPU2は、コントローラ3に対し、表示モード(例えば640ドット×480ドット)を指定する。
【0011】各データは、入力部8を通り、ビデオアンプ9で増幅され、コントローラ3を介して、第1記憶部6,6a,6bおよび第2記憶部7,7a,7bに書き込まれる。図2に示す様に、コントローラ3には、画面1から画面7までの各データが入力される(図2の入力画面を参照)。図面の大きさから、画面7までしか示していないが、実際は、もっと長い画面が続く。
【0012】制御部1は、コントローラ3内の画面3の第1データ13を60ヘルツの周波数にて、メモリ1(第1記憶部6,6a,6b)に書き込む。メモリ1では、前半が書き込まれ、後半は保存状態である。制御部1は、コントローラ3内の画面2の第2データ14を60ヘルツの周波数にて、メモリ2(第2記憶部7,7a,7b)に書き込む。メモリ2では、前半が書き込まれ、後半は保存状態である。
【0013】次に、制御部1は、メモリ1から、第1データ13を読み出し、液晶表示部5に対し、第nフレーム15のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。そして、制御部1は、メモリ1から第1データ13を呼び出し、メモリ2から第2データ14を読み出し、両データ13,14の相加平均値を演算する。その平均値を液晶表示部5に対し、第n+1フレーム16のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。次に、制御部1は、メモリ2から、第2データ14を読み出し、液晶表示部5に対し、第n+2フレーム17のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。
【0014】同様にして、制御部1は、液晶表示部5に対し、120ヘルツの周波数にて、第n+3フレーム18に、第2データ14および第3データ19の平均値を出力し、第n+4フレーム20に、第3データ19を出力し、第n+5フレーム21に、第3データ19および第4データ22の平均値を出力する。この様にして、入力部8を介して、入力された各データは、制御部1および記憶部4等により、倍速化される。この様に、入力され、倍速化され、隣接するデータの中間に隣接データの平均値から成るデータは、液晶表示部5へ出力される。
【0015】次に、本発明の実施の形態2に係る表示装置23を、図1と図3のタイミングチャートに従い説明する。まず、図1において、第3記憶部24,24a,24bを追加した事が、表示装置12との相違点である。
【0016】次に、表示装置23の動作を図1と図3に従い、説明する。図3に示す様に、コントローラ3には、画面1から画面7までの各データが入力される。制御部1は、コントローラ3内の画面3の第1データ25を60ヘルツの周波数にて、メモリ1(第1記憶部6,6a,6b)に書き込む。メモリ1では、前半が書き込まれ、後半は保存状態である。制御部1は、コントローラ3内の画面4の第2データ26を60ヘルツの周波数にて、メモリ2(第2記憶部7,7a,7b)に書き込む。メモリ2では、前半が書き込まれ、後半は保存状態である。制御部1は、コントローラ3内の画面5の第3データ27を60ヘルツの周波数にて、メモリ3(第3記憶部24,24a,24b)に書き込む。メモリ3では、前半が書き込まれ、後半は保存状態である。
【0017】次に、制御部1は、メモリ1から、第1データ25を読み出し、液晶表示部5に対し、第nフレーム28のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。そして、制御部1は、メモリ1から第1データ25を呼び出し、メモリ2から第2データ26を読み出し、両データ25,26の相加平均値を演算する。その平均値を液晶表示部5に対し、第n+1フレーム29のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。次に、制御部1は、メモリ2から、第2データ26を読み出し、液晶表示部5に対し、第n+2フレーム30のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。
【0018】制御部1は、メモリ2から第2データ26を呼び出し、メモリ3から第3データ27を読み出し、両データ26,27の相加平均値を演算する。その平均値を液晶表示部5に対し、第n+3フレーム31のデータとして、120ヘルツの周波数にて出力する。次に、制御部1は、メモリ3から、第3データ27を読み出し、120ヘルツの周波数にて、第n+4フレーム32のデータとして、液晶表示装置5へ出力する。
【0019】この様にして、入力部8を介して、入力された各データは、制御部1および記憶部4等により、倍速化される。この様に、入力され、倍速化され、隣接するデータの中間に隣接データの平均値から成るデータは、液晶表示部5へ出力される。また、第1記憶部6と、第2記憶部7と、第3記憶部24とを設ける事により、例えば、第1記憶部6に第1データ25が書き込まれる期間と、第1記憶部6から第1データ25が読み取られる期間を離す事ができる。その結果、第1記憶部6は、書き込み動作と、読み込み動作を同時に行う必要がなく、比較的低速動作の安価な記憶部を使う事が出来る。
【0020】
【発明の効果】請求項1の本発明では、第1データおよび第2データが順に入力される入力部と、第1データを記憶する第1記憶部と、第2データを記憶する第2記憶部と、液晶表示部と、制御部とを備え、制御部は、液晶表示部に対し、第nフレームに第1データを出力し、第n+1フレームに第1データおよび第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに第2データを出力する。この様に、隣接する第1データと第2データの中間に、両データの中間値データを設ける事により、変化の滑らかな表示が得られる。
【0021】請求項2の本発明では、第1データおよび第2データおよび第3データが順に入力される入力部と、データを記憶する第1、第2、第3記憶部と、液晶表示部と、制御部とを備え、制御部は、液晶表示部に対し、第nフレームに第1データを出力し、第n+1フレームに第1データおよび第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに第2データを出力し、第n+3フレームに第2データおよび第3データの平均値を出力し、第n+4フレームに第3データを出力する。この様に、第1記憶部と、第2記憶部と、第3記憶部とを設ける事により、例えば、第1記憶部に第1データが書き込まれる期間と、第1記憶部から第1データが読み取られる期間を離す事ができる。その結果、第1記憶部は、書き込み動作と、読み込み動作を同時に行う必要がなく、比較的低速動作の安価な記憶部を使う事が出来る。
【0022】請求項3の本発明では、液晶表示部に出力される各データの垂直同期信号の周波数を、前記入力部に入力される各データの垂直同期信号の周波数の略2倍に設定する。この構成により、液晶 表示部の第nフレームに第1データを出力し、第n+1フレームに第1データおよび第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに第2データを出力する場合に、データの処理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1,2に係る表示装置12,23のブロック図である。
【図2】上記表示装置12のタイミングチャートである。
【図3】上記表示装置23のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 制御部
5 液晶表示部
6 第1記憶部
7 第2記憶部
8 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1データおよび第2データが順に入力される入力部と、前記第1データを記憶する第1記憶部と、前記第2データを記憶する第2記憶部と、液晶表示部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記液晶表示部に対し、第nフレームに前記第1データを出力し、第n+1フレームに前記第1データおよび前記第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに前記第2データを出力する事を特徴とする表示装置。
【請求項2】 第1データおよび第2データおよび第3データが順に入力される入力部と、各データを記憶する第1、第2、第3記憶部と、液晶表示部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記液晶表示部に対し、第nフレームに前記第1データを出力し、第n+1フレームに前記第1データおよび前記第2データの平均値を出力し、第n+2フレームに前記第2データを出力し、第n+3フレームに第2データおよび第3データの平均値を出力し、第n+4フレームに第3データを出力する事を特徴とする表示装置。
【請求項3】 前記液晶表示部に出力される各データの垂直同期信号周波数を、前記入力部に入力される各データの垂直同期信号周波数の略2倍に設定した事を特徴とする請求項1又は請求項2の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2000−137460(P2000−137460A)
【公開日】平成12年5月16日(2000.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−310466
【出願日】平成10年10月30日(1998.10.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】