説明

表示装置

【課題】 ラフピッチが適用されたパネル側電極と基板側電極とを異方性導電フィルムを介して接続するにあたって、異方性導電フィルムの樹脂の流動性を良好として接続の高い安定性と信頼性とが得られるようにする。
【解決手段】 電気光学的表示パネル10の端子部12aに形成されているパネル側電極13と、フレキシブル基板20に形成されている基板側電極21とを異方性導電フィルムを介して接続してなる表示装置において、パネル側電極13と基板側電極21の少なくとも一方の電極、例えば基板側電極21をその接続部分において複数の枝電極21a,21bに分岐し擬似的に狭ピッチ化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気光学的表示パネルに異方性導電接着フィルムを介してパネル駆動用のフレキシブル基板を接続してなる表示装置に関し、さらに詳しく言えば、異方性導電接着フィルムによる接続の安定性と信頼性を高める技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学的表示パネルには液晶表示パネルのほかに有機ELパネル(Organic Electro−Luminescence Panel)などが含まれるが、そのいずれもパネル駆動用の外部基板を接続するための端子部を備えている。
【0003】
端子部に外部基板を接続する場合、特許文献1に記載されているように、生産性の観点から多数の電極同士を一括して電気的・機械的に接続することができる異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)が好ましく採用されている。異方性導電フィルムは熱可塑性もしくは熱硬化性の樹脂フィルム内に導電粒子を分散させて含ませたもので、熱圧着することにより単一方向の導電性を発揮する。
【0004】
図4および図5により、液晶表示パネルに異方性導電フィルムを介して外部基板を接続する例を示すが、多くの場合、外部基板には例えばポリイミド樹脂のベースフィルムを有するフレキシブル基板が用いられる。図4は接続部分を示す分解斜視図であり、図5は接続作業時の状態を示す側面図である。
【0005】
液晶表示パネル10には図示しない周辺シール材を介して張り合わされた2枚のパネル基板(透明電極基板)11,12が含まれ、端子部の配置形態で言うと各パネル基板に端子部が設けられる2方向取り出し型と、一方のパネル基板のみに端子部が設けられる1方向取り出し型とがある。図4の例は、パネル基板12側のみに端子部12aが設けられている1方向取り出し型である。
【0006】
端子部12aには図示しない表示部内の透明電極から引き出された多数の接続電極(パネル側電極)13が形成されており、フレキシブル基板20にはパネル側電極13に対応する多数の接続電極(基板側電極)21が形成されている。
【0007】
パネル側電極13と基板側電極21とを接続するには、図5に示すように、液晶表示パネル10を作業テーブル40上に載置して例えば負圧吸着により固定したのち、端子部12a上に異方性導電フィルム30を介してフレキシブル基板20の基板側電極21を含む電極形成面を配置し、その上から加熱圧着手段であるヒーターバー50を押圧する。
【0008】
これにより、異方性導電フィルム30の樹脂が溶融して流動し、樹脂に含まれている導電粒子によりパネル側電極13と基板側電極21とが電気的に接続され、同時に樹脂の接着作用により端子部12aとフレキシブル基板20とが機械的に接続される。
【0009】
【特許文献1】特開平6−45024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
異方性導電フィルム30による電気的・機械的な接続の安定性および信頼性は、加熱圧着時における樹脂の流動性に依存する。すなわち、樹脂の流動性が悪いと樹脂内での導電粒子の移動が妨げられるばかりでなく導電粒子がつぶれにくくなる。また、泡噛み現象と言って樹脂内に気泡が発生することもある。このように、樹脂の流動性が悪いと接続の安定性および信頼性が損なわれる。
【0011】
異方性導電フィルム30の樹脂の流動性は、主として加熱温度および加圧力によって左右されるが、このほかに電極幅も樹脂の流動性を左右する要因として挙げられる。通常の異方性導電フィルムは0.05mm(20本/mm)程度の電極ピッチまで対応することができるが、他方において電極にラフピッチが適用されてパネル側電極13と基板側電極21の幅が広くされると樹脂の流動性が悪くなり上記したような問題が生ずる。特に、電極ピッチが0.5mm(2本/mm)以上のラフピッチになるとその傾向が強くなる。
【0012】
また、別の問題として加熱圧着時に生ずるフレキシブル基板20の伸びによる接続不良の問題がある。すなわち、端子部12aはガラス材からなるのに対して、フレキシブル基板20のベースフィルムはポリイミドなどの合成樹脂材からなり、その熱膨張率が大きく異なるため加熱圧着時にパネル側電極13と基板側電極21との間で位置ずれが生ずる。
【0013】
フレキシブル基板20のうちの熱によって伸びやすい部分は基板側電極21が形成されていない電極間である。ラフピッチの場合、異方性導電フィルム30の樹脂の流動性を考慮して基板側電極の幅を狭くすると電極間が広くなるので熱伸びにより、パネル側電極13と基板側電極21とのずれ量が大きくなり接続不良の発生率が高くなる。上記した各問題は電気的・機械的接続手段として異方性導電フィルムを用いるかぎり、液晶表示パネル以外の他の電気光学的表示パネルについても同様に生ずる。
【0014】
したがって、本発明の課題は、パネル側電極と基板側電極とを異方性導電フィルムを介して接続するにあたって、パネル側電極と基板側電極とにラフピッチが適用された場合においても、接続の高い安定性と信頼性とが得られるようにすることにある。また、本発明の別の課題は、フレキシブル基板の熱伸びを押さえるとともに、位置ずれによるリークを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電気光学的表示パネルの端子部に形成されているパネル側電極と、フレキシブル基板に形成されている基板側電極とを異方性導電フィルムを介して接続してなる表示装置において、上記パネル側電極と上記基板側電極の少なくとも一方の電極が接続部分において複数の枝電極に分岐されていることを特徴としている。
【0016】
この場合、請求項2に記載のように、上記パネル側電極と上記基板側電極のいずれもが接続部分において複数の枝電極に分岐されていることが好ましい。
【0017】
請求項3に記載の発明は、上記別の課題を解決するため、上記フレキシブル基板には、電気的作用に関与しないダミー電極が上記基板側電極の間に形成され、上記基板側電極と上記ダミー電極は等ピッチとされていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、パネル側電極と基板側電極とにラフピッチが適用されたとしても、少なくとも一方のラフピッチ電極が擬似的に狭ピッチ化されるため、加熱圧着時において異方性導電フィルムの樹脂が流動しやすくなり、接続の高い安定性と信頼性とが得られる。請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果がさらによくなる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、ダミー電極が熱によって伸びやすいとされる基板側電極の間に形成され、しかも基板側電極とダミー電極が等ピッチとされているため、その電極間部分での伸びが押さえられ、ラフピッチが適用されたとしても、フレキシブル基板全体の伸びを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、図1ないし図3を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1には請求項1に含まれる態様が示されており、図2には請求項2に含まれる態様と請求項3に含まれる態様とが併せて示されている。
【0021】
図1および図2は、ともに先の図4で説明した液晶表示パネル10側の端子部12aとフレキシブル基板20の接続端側の一部分とを並べて模式的に示す平面図であり、作図の都合上、両者を接続する異方性導電フィルムは省略している。
【0022】
図1を参照して、液晶表示パネル10側の端子部12aにはパネル側電極13が所定のピッチで形成されている。また、フレキシブル基板20にも基板側電極21が上記パネル側電極13と対応するようにそれと同じピッチで形成されている。
【0023】
なお、基板側電極21はフレキシブル基板20の一端側の接続部分20aのみが露出されており、他の部分は保護膜(ソルダレジスト)によって被覆されている。また、パネル側電極13は透明電極材よりなり、基板側電極21は銅箔材よりなる。
【0024】
パネル側電極13と基板側電極21にラフピッチが適用され、その電極ピッチが例えば0.5mm以上になると、先に説明したように加熱圧着時における異方性導電フィルムの樹脂の流動性が悪くなるため、本発明ではパネル側電極13と基板側電極21のうちの少なくとも一方の電極を接続部分において複数の枝電極に分岐させ疑似的に狭ピッチ化する。
【0025】
図1の例では、フレキシブル基板20の各基板側電極21を二股状として2つの枝電極21a,21bに分岐させている。これによれば、パネル側電極13の電極幅が広いままであっても基板側電極21が疑似的に狭ピッチ化されているため、加熱圧着時における異方性導電フィルムの樹脂の流動性がよくなり、接続の高い安定性と信頼性とが得られる。
【0026】
なお、この例では2つの枝電極21a,21bを互いに平行となるように形成しているが、パネル側電極13の電極幅が広いままのベタパターン状である場合には、例えばV字状の切り込みを入れて基板側電極21を2つの枝電極21a,21bに分岐させることもできる。また、基板側電極21を3つ以上に分岐させてもよいが、各枝電極は等幅であることが好ましい。
【0027】
本発明において、分岐させるのは少なくとも一方の電極でよいことから、基板側電極21に代えてパネル側電極13を分岐させてもよいが、好ましくは図2に示すように、パネル側電極13も基板側電極21と同じく接続部分において2つの枝電極13a,13bを含む二股状に分岐させて疑似的に狭ピッチ化することにより、加熱圧着時における異方性導電フィルムの樹脂の流動性をより高めることができる。
【0028】
また、加熱圧着時のフレキシブル基板20の熱伸びを押さえるため、本発明では、図2に示すように基板側電極21の間にダミー電極22が形成される。ダミー電極22は電気的に作用しない独立した銅箔パターンで、基板側電極21とともにエッチング処理により同時に形成することができる。銅箔の熱膨張率はフレキシブル基板20のベースフィルムよりも小さいため、銅箔が密着している部分の伸びが押さえられる。
【0029】
上記したように、基板側電極21が複数の枝電極に分岐される場合、ダミー電極22はそれら枝電極と同じピッチで配置されることが好ましい。
【0030】
端子部12aは熱膨張率が小さいガラス材よりなるためパネル側電極13の間にダミー電極を設ける必要はない。このように、本発明ではフレキシブル基板20側にのみダミー電極22が設けられるため、図3に示すように端子部12aとフレキシブル基板20とが相対的に狭小化された疑似ピッチの1/2ピッチずれたとしても隣接する電極間でリークが発生することはない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上、電気光学的表示パネルとして液晶表示パネルを例にして本発明を説明したが、本発明は、外部基板が異方性導電フィルムを介して電気的・機械的に接続される端子部を有する電気光学的表示パネルのすべてに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態の一例として端子部とフレキシブル基板との接続部分を模式的に示す平面図。
【図2】本発明の別の実施形態を示す図1と同様の模式的な平面図。
【図3】本発明の利点を説明するための模式的な平面図。
【図4】液晶表示パネルとフレキシブル基板との接続部分を示す分解斜視図。
【図5】液晶表示パネルとフレキシブル基板の接続作業時の状態を示す側面図。
【符号の説明】
【0033】
10 液晶表示パネル
11,12 パネル基板
12a 端子部
13 パネル側電極
13a,13b 枝電極
20 フレキシブル基板
21 基板側電極
21a,21b 枝電極
22 ダミー電極
30 異方性導電フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学的表示パネルの端子部に形成されているパネル側電極と、フレキシブル基板に形成されている基板側電極とを異方性導電フィルムを介して接続してなる表示装置において、
上記パネル側電極と上記基板側電極の少なくとも一方の電極が接続部分において複数の枝電極に分岐されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記パネル側電極と上記基板側電極のいずれもが接続部分において複数の枝電極に分岐されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記フレキシブル基板には、電気的作用に関与しないダミー電極が上記基板側電極の間に形成され、上記基板側電極と上記ダミー電極は等ピッチとされていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−30630(P2006−30630A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209856(P2004−209856)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【出願人】(000167783)広島オプト株式会社 (95)
【Fターム(参考)】