説明

表示装置

【課題】 より多くのディスプレイを接続してより大きな表示画面を構成し、しかも持ち運びや取り扱いが簡易にできる表示装置を提供する。
【解決手段】 ディスプレイ画面100上に配列された複数の画素を、ソース電極1、ゲート電極5によって駆動する構成において、ゲート電極5から分岐し、ソース電極1同方向に延びる補助電極3を設ける。そして、補助電極3に接続され、補助電極3を介してソース電極1に電気信号を加えるソース電極駆動回路101aと、ディスプレイ画面100をはさんでソース電極駆動回路101aと対向する位置に設けられ、かつ、ゲート電極5と接続してゲート電極5に電気信号を加えるゲート電極駆動回路101bとを備えた表示ユニット7を構成する。表示ユニットを複数配置して大画面の表示装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子状に電極を配列した表示ユニットを備えた表示装置に係わり、詳しくは、複数の表示ユニットを組み合わせた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ画面には、近年、ますます大型化が要求されている。しかし、一枚のディスプレイ画面を無制限に大型化することは、製造時の歩留まりや強度の観点から困難である。このため、従来では、複数のディスプレイ画面を組み合わせてより大きいサイズのディスプレイ画面を形成するものがある。
複数のディスプレイを組み合わせてより大きいサイズのディスプレイ画面を形成する従来技術として、例えば、特許文献1に記載された構成がある。特許文献1に記載されたディスプレイ画面を、図12に示す。図示した構成は、4つのディスプレイa、b、c、dを組み合わせて4倍の大型ディスプレイ画面120を構成するものである。このような構成によれば、1つのディスプレイ画面において4倍の大きさのディスプレイ画面を形成することができる。
【特許文献1】特開平8−160877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来技術のディスプレイa、b、c、dは、表示画面上の画素を駆動するためのゲート電極とソース電極とが格子状に配置されている。ゲート電極とソース電極とが格子状に設けられるため、ソース電極を駆動する回路121、ゲート電極を駆動する回路122は、ディスプレイのうち互いに直交する辺に設けられている。
このようなディスプレイでは、回路121、回路122が設けられた辺を他のディスプレイの辺と接続した場合、回路121、回路122がディスプレイ画面上に位置する。ディスプレイ画面上に回路が位置することは、表示される画像の品質を損なうことから望ましくない。したがって、従来技術では、各ディスプレイのうちの隣り合う二辺のみが他のディスプレイと接続可能な辺となる。したがって、組み合わせ可能なディスプレイの数が最大4つに制限される。つまり、一辺に対しては最大2つのディスプレイしか組み合わせることができない。
【0004】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、より多くのディスプレイを接続してより大きな表示画面を構成できる表示装置を提供することを目的とする。また、大きな表示画面を有しながら、この持ち運びや取り扱いが簡易にできる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明の表示装置は、矩形の表示画面上に配列された複数の画素を、第1電極と、該第1電極と前記表示画面上で直交する第2電極とを用いて駆動する表示装置であって、前記第1電極から分岐し、前記第2の電極と同方向に延びる補助電極と、前記表示画面の外周部のうちの一つの周辺に沿って設けられると共に、前記補助電極に接続され、前記補助電極を介して前記第1電極に電気信号を加える第1駆動回路と、前記表示画面をはさんで前記第1駆動回路と対向する位置または前記表示画面の外周部のうち前記第1駆動回路と同じ側に設けられ、前記第2電極と接続して前記第2電極に電気信号を加える第2駆動回路と、を備えた表示ユニットを含むことを特徴とする。
【0006】
このような発明によれば、補助電極を設けて第1電極から分岐した補助電極と第2電極とを同方向に延ばすことができる。このため、第1電極に電気信号を加える第1駆動回路と、第2電極に電気信号を加える第2駆動回路とを、表示画面をはさんで対向する位置に設けることや表示画面の外周部のうちの同じ側に設けることができる。
したがって、本発明によれば、駆動回路が設けられない対向する2辺もしくは3辺を確保することができ、この駆動回路が設けられない辺に他の表示画面を接続してより大きな表示画面を構成できる。したがって、本発明は、より多くの表示画面を接続してより大きな表示画面を構成できる表示装置を提供することができる。
【0007】
また、本発明の表示装置は、前記補助電極が、前記第2電極に積層して設けられることを特徴とする。
このような発明によれば、補助電極を設けたことによって表示画面上の光が透過できない領域が増加することを防ぐことができる。このような本発明は、画素の開口率を維持しながら補助電極を設けることを可能にする。
【0008】
また、本発明の表示装置は、前記表示ユニットは、可撓性を有し、かつ、表示ユニットにおける前記第1電極に沿う方向の軸が屈曲しないように規制する規制部材を備えることを特徴とする。
このような発明によれば、表示ユニットが可撓性を有するため、コンパクトに折り曲げが可能となり表示装置の取り扱いが簡易になる。また、このとき、表示ユニットは、規制部材によって第1電極に沿う方向の軸が屈曲しないように規制されているため、結果として、全体の画質に影響する第1電極駆動回路及び第2電極駆動回路の折り曲げの負荷が回避される構成となる。よって、折り曲げ可能の表示装置でありながら、表示装置の折り曲げ時に画質の劣化や駆動電極回路の損傷を防ぐことが可能である。
【0009】
また、本発明の表示装置は、複数の前記表示ユニットを有し、かつ、複数の前記表示ユニットは、前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路が設けられていない辺同士を対向させて配置されていること特徴とする。
このような発明によれば、一方向に組み合わせる場合には組み合わせ可能な表示画面数を無制限にし、より大きな表示画面を構成できる。
【0010】
また、本発明の表示装置は、隣り合う前記表示ユニットの境界の少なくとも一つが、ヒンジによって折り曲げ可能になっていることを特徴とする。
このような発明によれば、大型化された表示画面を折り曲げることができ、大型の表示画面を備えた表示装置を簡易に持ち運び、保管にかかるスペースを省スペース化することができる。このような本発明は、持ち運びや取り扱いが簡易にできる表示装置を提供することができるものといえる。
【0011】
また、本発明の表示装置は、前記表示ユニットが照明手段によって照明された光を変調することで画像を表示する機能を有し、前記表示ユニットと各表示ユニットに対応した照明手段とは一体に構成され、該表示ユニットと該照明手段とが前記ヒンジによって同時に動くことを特徴とする。
このような発明によれば、一般的に照明手段によって照明された光を変調する表示ユニットと照明装置とを有するため照明装置は厚み方向の大きさが増してしまうが、表示ユニットと照明手段とが前記ヒンジによって同時に同じ方向に折り曲げることができる。このため、表示装置の厚みが比較的大きいにもかかわらず表示装置を非常に簡単に折り曲げることができて、表示装置の使い勝手を高めることができる。
【0012】
また、本発明の表示装置は、前記表示ユニットが照明手段によって照明された光を変調することで画像を表示する機能を有し、前記表示ユニットと各表示ユニットに対応した照明手段とは分離可能に構成され、該表示ユニットと該照明手段とが互いに独立して動くことを特徴とする。
このような発明によれば、一般的に照明手段によって照明された光を変調する表示ユニットと照明装置とを有するため照明装置は厚み方向の大きさが増してしまうが、表示画面と照明手段とを互いに独立に折り曲げることができる。このため、表示装置の厚みが比較的大きいにもかかわらず表示装置全体を非常にコンパクトに折り曲げることができ、表示装置の使い勝手を高めることができる。
【0013】
また、本発明の表示装置は、隣り合う前記表示ユニットの境界の少なくとも一つが、合体分離可能に構成されていることを特徴とする
このような発明によれば、合体時には大きな表示画面の表示装置として使用することができ、分離時には小型の表示装置として使用することができるため、表示装置の使い勝手を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照して本発明に係る表示装置の実施形態1、実施形態2を説明する。
(実施形態1)
図1(a)、(b)、(c)は、実施形態1の表示装置を説明するための図であって、表示装置に含まれる表示ユニットを示している。図1(a)に示した実施形態1の表示ユニット7は、ガラス基板からなる基板103上に複数の画素(後に図示)を設けて矩形の表示画面を形成している。また、表示画面上にあって、画素に電気信号を加える線状の第1電極と、第1電極と表示画面上で直交し、第1電極と協働して前記画素を駆動する線状の第2電極とを備える。実施形態1では、表示画面をディスプレイ画面100と記す。なお、図1では、基板103に対向した不図示の対向基板と基板103と対向基板に挟まれた不図示の液晶の層が存在し、さらに不図示の一組の偏光板と表示ユニットを照明する照明装置とが存在し、ディスプレイ画面100に画像が表示される。
【0015】
また、本実施形態では、第1電極をゲート電極5とし、第2電極をソース電極1とする。ゲート電極5は、マトリックス状に配置された画素を行ごとに選択する走査線であり、ソース電極1は、ゲート電極5によって選択された行のうちの画素を画像にしたがって選択する信号線である。このようなソース電極1とゲート電極5とはディスプレイ画面100上で直交することから、格子状電極ともいわれている。
【0016】
また、実施形態1の表示ユニット7は、ゲート電極5から分岐し、ソース電極1と同方向に延びる補助電極3を備えている。なお、補助電極3は、ゲート電極5から分岐することに限定されるものではなく、ソース電極1から分岐するものであってもよい。この場合、補助電極3は、ゲート電極5と同方向に延びる。
さらに、実施形態1の表示ユニット7は、ディスプレイ画面100の外周部において、ディスプレイ画面100の一つの周辺に沿って設けられると共に、補助電極3に接続され、補助電極3を介してゲート電極5に電気信号を加えるゲート電極駆動回路101bと、ディスプレイ画面100をはさんでゲート電極駆動回路101bと対向する位置に設けられ、かつ、ソース電極1と接続してソース電極1に電気信号を加えるソース電極駆動回路101aを備えている。
【0017】
本実施形態の表示ユニット7では、ディスプレイ画面100が矩形であって、ディスプレイ画面100は、4つの周辺E1〜E4を有している。ソース電極駆動回路101aは、ディスプレイ画面100の外周部にあって、周辺E1に沿う位置に設けられる。また、ゲート電極駆動回路101bは、周辺E1と対向するディスプレイ画面100の周辺E2に沿って設けられる。
【0018】
また、図1(a)に示した表示ユニット7は、ソース電極回路101a、ゲート電極駆動回路101bを基板103の外部に設ける例である。しかし、実施形態1の表示装置は、このような構成に限定されるものでなく、図1(b)に示す表示ユニット17のように、基板103の領域を図1(a)の構成よりも大きくし、ソース電極回路101a、ゲート電極駆動回路101bをディスプレイ画面100と共に搭載する構成であってもよい。この場合、例えば、薄膜シリコンによって、ソース電極回路101a、ゲート電極駆動回路101bをガラス基板からなる基板103上に形成する構成となる。
【0019】
さらに、図1(a)に示した表示ユニット7は、ソース電極回路101a、ゲート電極駆動回路101bを表示画面の対向する辺である周辺E1、E2にそれぞれ設ける例である。
しかし、実施形態1の表示装置は、このような構成に限定されるものではなく、図1(c)のように、ソース電極駆動回路101aとゲート電極駆動回路101bとが、ディスプレイ画面100の外周部のうち前記第1駆動回路と同じ側に設けられるものであってもよい。
【0020】
すなわち、矩形のディスプレイ画面100の外周には、4つの周辺E1〜E4のいずれか1つに沿う4つの領域(図示せず)が存在する。図1(c)に示した表示ユニット27の例では、ゲート電極駆動回路101bを周辺E1に沿う領域に形成し、ソース電極回路101aを外周主のうちのゲート電極駆動回路101bと同じ側である周辺E1に沿う領域に形成している。
【0021】
なお、図1(c)に示した表示ユニット27では、ソース電極駆動回路101aとゲート電極駆動回路101bとを細密な構造として一体化して、ゲート電極駆動回路101bがソース電極駆動回路101a同側の周辺E1に沿って設けるようにしている。
ここで、図2を用い、ソース電極1とゲート電極5とによる画像の形成について簡単に述べる。実施形態1は、液晶を用いた表示装置(液晶ディスプレイ)であって、特にアクティブマトリクス型液晶表示装置として表示装置を構成した。アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイは、画素pの一つ一つにTFTトランジスタ(Thin Film Transistor)で構成される素子200を設けている。また、基板103に対向した不図示の対向基板には、画素電極303に対向した対向電極が形成されている。そして、ゲート電極5は、素子200を行単位でオン、オフさせ、ソース電極1は、オン状態の素子200のうち選択された素子200に接続されている画素電極303に電圧を印加して、画素電極303と対向電極との間の液晶を動作させることで目的の画素pを駆動させる。なお、ソース電極1とゲート電極5は、それぞれソース電極駆動回路101aとゲート電極駆動回路101bからの電気信号を伝え、ソース電極駆動回路101aとゲート電極駆動回路101bは、不図示のLCD(Liquid Crystal Display)コントローラによって制御されている。
【0022】
また、以上述べたディスプレイ画面100をカラー画像の表示が可能なカラーディスプレイとして構成する場合の画素について図3を用いて説明する。1画素を3つの画素(サブピクセル)で構成するものとする。3つのサブピクセルは、各々がR,G,Bのうちの1色に割り当てられ、割り当てられた色の可視光のみを透過するカラーフィルタからなる。
【0023】
なお、実施形態1では液晶とカラーフィルタを用いてカラー表示される表示装置であるが、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等の発光体を周期的に並べた構造によりカラー表示される表示装置であってもよい。
また、画素pは一般的に略正方形である。このため、1画素を3つのサブピクセルで構成する場合、各サブピクセルは長方形形状になる。
【0024】
次に、図4(a)、(b)は、ソース電極1、ゲート電極5、補助電極3の関係を詳しく説明するための図である。図4(a)は補助電極3及びゲート電極5、ゲート電極駆動回路101bのみを示し、図4(b)はソース電極1及びこれを駆動するソース電極駆動回路101aのみを示している。つまり、図4(a)、(b)は同一基板上での各電極の配置を示していることになる。
【0025】
図4(a)によれば、補助電極3がゲート電極5から分岐している状態が判る。また、図4(a)、(b)に示したソース電極1及びゲート電極5、補助電極3は同一基板上にあるので、ソース電極1及びゲート電極5が直交し、ゲート電極5から分岐した補助電極3がソース電極1と平行に延びている状態が判る。
このような表示ユニットは、補助電極3を使ってゲート電極5を駆動することができる。また、補助電極3がソース電極1に沿って延びることから、図1(a)のように、補助電極3を介してソース電極1を駆動するソース電極駆動回路1aをゲート電極駆動回路1bと対向する位置に設けることができる。また、同様な考え方で、基板103の大きさを変えるだけで図1(b)のように構成することもできる。さらに、補助電極3が延びている方向を逆にすれば、図1(c)のように、ゲート電極駆動回路101bがソース電極駆動回路101a同側の位置に設けることもできる。
【0026】
次に、図5は、ソース電極1と補助電極3とが設けられた状態を拡大して示した図である。図5に示すように、補助電極3を設けると、画素pのうちの光が透過できない面積が、ソース電極1とゲート電極5とだけを設けた場合よりも大きくなる。光が透過できない面積が小さくなることは、画素の開口率を低下させることになる。
開口率の低下を解消するため、実施形態1は、補助電極3をソース電極1と積層して設けることもできる。補助電極3とソース電極1とを積層した構成を図6に示す。図6に示した構成によれば、補助電極3を設けたことによって画素pのうち光が透過できない面積が増すことがなく、画素の開口率低下を防ぐことができる。なお、ここでいう積層とは、ディスプレイ画面100上で補助電極3とソース電極1とを垂直な方向Aに重ねて設けることをいう。尚、実施形態1では、積層される補助電極が一層だけであるが、複数層重ねても構わない。
【0027】
ここで、実施形態1の変形例について図7を使って説明する。今までに述べた実施の形態では、表示ユニットを構成する基板103がガラス基板のような可撓性がない材料を用いていたが、ここでは、基板103にプラスチックフイルム板を用いているため、表示ユニット707は可撓性を有している。そして、表示ユニット707は、規制部材701を備えている。規制部材701は、複数の剛体703からなり、複数の剛体703は、ソース電極駆動回路101aからゲート電極駆動回路101bにわたって配列される。図中にソース電極1および補助電極に沿う方向を矢線Bで示す。したがって、ゲート電極5は、矢線Bに直交することになる。よって、規制部材701は、矢線Bに直交するように配置されているゲート電極5に沿う方向の軸が屈曲しないように規制する。
【0028】
図8は、規制部材701を説明するための図である。規制部材701は、複数の剛体703を一方向に配列し、剛体703間の境界に沿って折り曲げることが可能な構成となっている。このように、剛体703をすだれ状に配置して接続した規制部材701は、表示ユニットを支持しながら表示ユニットに生じたたわみに追従してたわむ。このため、曲面上で表示ユニット支持し、曲面に画像を表示できる表示装置を構成することができる。
【0029】
よって、表示ユニット707は、剛体703がソース電極駆動回路101aからゲート電極駆動回路101bにわたって並べられているため、表示ユニット全体が矢線Bに直交するように配置されているゲート電極5に沿う方向の軸は屈曲しない。このため、ソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bは、表示ユニットに加わった応力によって変形することがない。このような実施形態1は、駆動回路の損傷を防ぎ、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0030】
なお、表示ユニット707が光を透過する光を変調して画像を表示する透過型の液晶のディスプレイであれば、剛体703と表示ユニットの間に、同じくプラスチック材料のように可撓性を有する導光板と小型ランプとを組み合わせた照明装置を配置したり、個々の剛体703に蛍光管等の発光体を取り付けて照明装置としたりする構成等であるとよい。
次に、表示ユニットを複数組み合わせ、より大きなディスプレイ画面を持った表示装置を構成することについて説明する。
【0031】
図9(a)は、以上述べた実施形態1の表示ユニット7を複数組み合わせて形成された表示装置を説明するための図である。図示した表示装置は、図1(a)で示した表示ユニット7を、ソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bが設けられていない同士を対向させて複数配置して構成されている。図示した構成では、各表示ユニット7の辺E3及び辺E4がソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bが設けられていない辺である。各表示ユニット7は、自身の辺E3と隣り合う表示ユニット7の辺E4とが対向し、自身の辺E4と隣り合う表示ユニット7の辺E3とが当接対向するように接続される。
【0032】
このような実施形態1によれば、表示ユニット7のディスプレイ画面100よりも大きいディスプレイ画面(以降大画面と記す)を備えた表示装置9を構成することができる。
また、実施形態1は、表示ユニット7同士の対向する辺を接着するとき、ディスプレイ画面と屈折率が等しい光学接着剤を使ってもよい。光学接着剤の使用によれば、大画面のディスプレイ画面の境界を見え難くし、高品質かつ大画面のディスプレイを備えた表示装置9を構成することができる。
【0033】
また、辺E3と辺E4とを接続する実施形態1の大画面は、接続される表示ユニット7の数に制約がない。このため、4つのディスプレイを接続するものに限定される従来技術よりもディスプレイ画面の大きい表示装置を構成することができる。
以上述べた実施形態1の表示装置は、複数の表示ユニット7のディスプレイ画面100を接続して構成された大画面を1つのディスプレイ画面として動作し、1つの画像を表示する。このため、実施形態1に示した表示装置は、例えば図示しない少なくとも1つのLCD(Liquid Crystal Display)コントローラを備えている。そして、このLCDコントローラを使ってソース電極やゲート電極を駆動する各駆動回路を統括的に制御することにより、複数のディスプレイ画面100を1つの大画面として機能させることができる。
【0034】
同様に、図9(b)の表示装置19は、図1(b)で示した表示ユニット17を、ソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bが設けられていない同士を対向させて複数配置して構成されている。そして、図9(c)の表示装置29は、図1(c)で示した表示ユニット27を、ソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bが設けられていない同士を対向させて複数配置して構成されている。
(実施形態2)
次に、ディスプレイ画面100を複数組み合わせて大画面を構成し、折り曲げ可能な大画面の表示装置を実現する実施形態2について述べる。
【0035】
図10(a)、(b)、(c)は、実施形態2の大画面の表示装置10を説明するための図である。図10(a)は実施形態2の表示体の側面図であり、図10(b)は図10(a)に示した表示装置を図中の矢線Gの方向から見た図である。また、図10(c)は、図10(a)、(b)に示した表示装置を折り曲げた状態を説明するための図である。
実施形態2の大画面を有する表示装置10は、表示ユニット7を複数組み合わせて構成されている。表示ユニット7は、一方向(図中矢線Dで示す。)に配列され、互いに隣り合う表示ユニット7は、ソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bが設けられていない同士を対向させて配置されている。この構成により、表示ユニット7上のディスプレイ画面100が組み合わされて大画面を構成する。また、実施形態2では、接続された表示ユニット7と照明装置903とが一体となって基体90に取り付けられている。そして、基体90は、剛性を有したフレーム構造で、表示ユニット7の上端部と下端部から表示ユニット7を挟み込む状態で配置される。さらに、基体90は、可動部となるヒンジ905を備え、配列された表示ユニット間の境界(破線Fで示す)に沿って折り曲げ可能な構成となっている。つまり、隣り合う表示ユニットの境界の少なくとも一つが、ヒンジによって折り曲げ可能になる。
【0036】
なお、表示ユニット7は、実施形態1で述べたように液晶を用いて表示するため、照明手段によって照明された光を変調することで画像を表示する機能を有する。そして、照明装置903は、表示ユニット7を表示画面の背面から照明する照明手段となる。
以上の構成により、表示装置10は、図10(c)に示すように折り曲げられる。そして、図10(c)に示したように、表示ユニット7と対応する照明装置903とは一体に構成されている。このため、折り曲げ時にも、表示ユニット7は対応する照明装置903と同一の方向に折り曲げられる。
【0037】
このような実施形態2の構成によれば、表示ユニット7と共に対応する照明装置903も動いて大画面の表示装置を折り曲げることができる。このため、大画面の表示装置の取り扱いを簡易化し、表示装置の使い勝手を高めることができる。
なお、図10で示した表示装置10は、図13に示すように、ヒンジが着脱可能で構成され、表示ユニット7同士の境界(図では境界線を破線Fと同一直線として示す)で合体分離可能に構成されてもよい。これにより、図10(b)のように合体時には大きな表示画面の表示装置として使用することができ、図13のような分離時には小型の表示装置として使用することができるため、表示装置の使い勝手を高めることができる。なお、ここでは、ヒンジを有する折り曲げ可能な表示装置の表示ユニットの境界において着脱可能な構成としたが、折り曲げ可能な表示装置でなくても、表示ユニットの境界において着脱可能な構成であれば、これに限らない。
【0038】
図11(a)、(b)は、実施形態2の表示装置における他の構成を説明するための図であって、図11(a)は表示装置の側面図、図11(b)は図11(a)に示した表示装置を折り曲げた状態を示す図である。図11に示した表示ユニット7は、一方向(図中矢線Dで示す。)に配列され、互いに隣り合う表示ユニット7は、ソース駆動回路101a、ゲート駆動回路101bが設けられていない同士を対向させて配置されている。この構成により、各表示ユニット7のディスプレイ画面100が組み合わされて大画面が構成される。
【0039】
また、表示ユニット7は、ヒンジ913、912、914を備える基体920に取り付けられ、表示ユニット7間の境界に沿って折り曲げ可能に接続して構成されている。そして、照明装置903は、ヒンジ908、909、910を備える基体921に取り付けられ、照明装置903間の境界に沿って折り曲げ可能に接続して構成されている。このようなヒンジ903〜914は、いずれも基体920または基体921に2点で取り付けられる二軸のヒンジである。
【0040】
そして、基体920と基体921は、ヒンジ907、911によって折り曲げ可能に接続されている。さらに、表示ユニット7と対応する照明装置903とは、分離可能に構成されているため、図11(b)に示したように、表示装置は、表示ユニットと照明装置とを独立した方向に折り曲げることが可能である。つまり、各表示ユニット7と対応する各照明装置903は、自由に位置関係を変えられる。
【0041】
よって、照明装置903と表示ユニット7とを図11(b)に示したように簡易に折り曲げ可能にすることにより、大画面の表示装置の扱いが簡易になって表示装置の使い勝手を高めることができる。また、折り曲げ後の形状をよりコンパクトにし、表示装置の保管、収納場所の省スペース化も可能である。
なお、実施形態1、実施形態2は、以上述べた構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の表示装置は、格子状に電極が配置されていれば、液晶を用いた表示装置に限定されるものでなく、他の構成のディスプレイを用いた表示装置を使っても構成することが可能である。また、アクティブマトリックスの駆動方式を用いる構成に限定されるものでなく、例えば単純マトリックスの駆動方式を使ったものでもよい。
【0042】
また、本実施の形態で示したゲート電極やソース電極の構造に限定されることはなく、ゲート電極とソース電極を入れ替えて、ソース電極から補助電極が分岐する構成であっても構わない。
そして、本実施の形態では、表示ユニットが、表示画面の背面から照明された光を変調することで画像を表示する透過型の液晶のディスプレイであったが、表示画面から照明された光を反射して光を変調することで画像を表示する反射型の液晶のディスプレイであっても構わない。
【0043】
さらに、本発明の表示装置は、実施形態2で挙げた折り曲げ方によって折り曲げられる構成に限定されるものでなく、他の折り曲げ方によって折り曲げられるものでもよい。また、実施形態2では、図1(a)で示した表意ユニット7を用いたが、同様な考え方で、図1(b)で示した表示ユニット17や図1(c)で示した表示ユニット27を用いた構成でもよく、組み合わせる数や配置も本発明を逸脱しない範囲で変更しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態1の表示装置を説明するための図である。
【図2】実施形態1におけるソース電極とゲート電極とによる画像の形成について簡単に説明するための図である。
【図3】実施形態1の表示装置のカラー画素について説明するための図である。
【図4】図1に示したソース電極、ゲート電極、補助電極の関係を説明するための図である。
【図5】実施形態1のソース電極と補助電極とが平行して設けられた状態を拡大して示した図である。
【図6】実施形態1のソース電極と補助電極とが重ねて設けられた状態を拡大して示した図である。
【図7】実施形態1の変形例を説明するための図である。
【図8】実施形態1の変形例の規制部材について説明するための図である。
【図9】実施形態1の表示装置を複数組み合わせて形成された表示装置を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態2における大画面の表示装置を説明するための図である。
【図11】実施形態2の表示装置における他の構成を説明するための図である。
【図12】従来の表示装置を説明するための図である。
【図13】実施形態2の表示装置が合体分離する構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ソース電極,3 補助電極,5 ゲート電極,7,17,27,707 表示ユニット,101a ソース電極駆動回路,101b ゲート電極駆動回路,9,10 表示装置,100 ディスプレイ画面,103 基板,200 素子,303 画素電極701 規制部材90,920,921 基体,903 照明装置,905,907,908,909,910,911,912,913,914 ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の表示画面上に配列された複数の画素を、第1電極と、該第1電極と前記表示画面上で直交する第2電極とを用いて駆動する表示装置であって、
前記第1電極から分岐し、前記第2の電極と同方向に延びる補助電極と、
前記表示画面の外周部のうちの一つの周辺に沿って設けられると共に、前記補助電極に接続され、前記補助電極を介して前記第1電極に電気信号を加える第1駆動回路と、
前記表示画面をはさんで前記第1駆動回路と対向する位置または前記表示画面の外周部のうち前記第1駆動回路と同じ側に設けられ、前記第2電極と接続して前記第2電極に電気信号を加える第2駆動回路と、を備えた表示ユニットを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記補助電極は、前記第2電極に積層して設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示ユニットは、可撓性を有し、かつ、表示ユニットにおける前記第1電極に沿う方向の軸が屈曲しないように規制する規制部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の前記表示ユニットを有し、かつ、複数の前記表示ユニットは、前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路が設けられていない辺同士を対向させて配置されていること特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
隣り合う前記表示ユニットの境界の少なくとも一つが、ヒンジによって折り曲げ可能になっていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示ユニットが照明手段によって照明された光を変調することで画像を表示する機能を有し、前記表示ユニットと各表示ユニットに対応した照明手段とは一体に構成され、該表示ユニットと該照明手段とが前記ヒンジによって同時に動くことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示ユニットが照明手段によって照明された光を変調することで画像を表示する機能を有し、前記表示ユニットと各表示ユニットに対応した照明手段とは分離可能に構成され、該表示ユニットと該照明手段とが互いに独立して動くことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
隣り合う前記表示ユニットの境界の少なくとも一つが、合体分離可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−64911(P2006−64911A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246356(P2004−246356)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】