説明

表示装置

【課題】現在表示している時刻の信頼性を判定して信頼性に応じて時刻の表示態様を変更することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】外部から時刻情報を受信する受信部22と、表示部32と、前記時刻情報に基づいて時刻補正される計時部24と、計時部24の時刻を表示部32に表示する制御部12と、を備え、制御部12は、計時部24が時刻補正されてからの時間に基づき計時部24の時刻の信頼性を判定し、前記信頼性に応じて、表示部32の表示態様を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS信号や電波信号に含まれている時刻情報を用いて時刻補正を行ない、現在時刻を表示する表示装置に関するものであり、特に、現在表示している時刻の信頼性を判定して信頼性に応じた現在時刻の表示が可能な表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置などの電子機器には内部時計(電子時計)が備えられており、現在時刻の表示やスケジュール管理などに幅広く利用されている。特に、ナビゲーション装置においては、この電子時計を用いることによって測位時刻に基づく移動経路や経過時間の把握(走行中のGPS測位を所定時間毎に行なった履歴(移動経路)を、途中の測位(通過)位置での時刻とともに表示)といった付加的情報を取得することが可能となる。
【0003】
ところで、一般的に電子時計に使用されている水晶発振器の発振周波数は、時刻の計数単位と正確に合致したものではないため、時刻に誤差が生じることが知られている。このため、近年では、外部から正確な時刻情報(タイムコード)を含む電波信号、例えば、GPS信号を受信し、この信号を用いて装置内の電子時計を修正することができる機能を備えた電子機器が提案されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1(特開平8?15463号公報)に開示された時計の時刻修正装置では、GPS衛星が内蔵する原子時計に合致するように自動的に時刻修正を行い、例えば車両に搭載されている時計の信頼性を確実に確保することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8?15463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された時計の時刻修正装置は、外部からの電波を用いて時刻を補正するので、長期間当該電波を受信できなければ、時刻補正が行なえないため、一般的な時計と同様に時刻に誤差が生じてしまう。
【0007】
また、上記特許文献1に開示された時計の時刻修正装置のような外部から電波を用いて時刻が補正される装置を使用しているユーザは、表示時刻を外部からの電波によって常に補正された正確なものと考えるため、時刻補正が行なわれずに誤差が生じたままの時刻を正しい時刻と認識してしまう恐れがある。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、外部からの電波を用いて補正された時刻を表示する表示装置において、現在表示している時刻の信頼性を判定して信頼性に応じて時刻の表示様態を変更することができる表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、外部から時刻情報を受信する受信部と、表示部と、前記時刻情報に基づいて時刻補正される計時部と、前記計時部の時刻を前記表示部に表示する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計時部が時刻補正されてからの時間に基づき前記計時部の時刻の信頼性を判定し、前記信頼性に応じて、前記表示部の表示態様を変更することを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が前記時刻情報の受信を検出してからの時間であることを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が前記時刻補正を検出してからの時間であることを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記外部とは、GPS衛星であり、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が4つ以上の前記GPS衛星から時刻情報を含む電波信号の受信を検出してからの時間であることを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1〜4の何れかにかかる発明において、前記表示部の表示形態を変更するとは、当該表示部に表示される時刻とともに付加情報を表示する、当該表示部に表示される時刻とともに囲い線を表示する、当該表示部に表示される時刻のフォントを変更する、当該表示部に表示される時刻の文字の大きさを変更する、当該表示部に表示される時刻の文字の色を変更する、当該表示部に表示される時刻とともに下線を表示する、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1にかかる発明においては、外部から受信した時刻情報を用いて補正された時刻を表示する表示装置において、最後に時刻補正を行なってから所定時間以上経過すると、時刻の表示態様を変更する。ここで、最後に時刻補正を行なってから所定時間以上経過したか否かを判定するには、例えば、最後に時刻補正を行なった時刻を記憶したり、或いは時刻補正からタイマーをスタートさせたりすればよい。
【0015】
このような構成によれば、最後に時刻補正を行なってから所定時間以上経過すると、すなわち、時刻補正が所定時間以上行なわれていなければ、表示時刻に誤差が含まれている可能性があるため、表示様態を変更することで、ユーザに誤差が含まれている可能性があることを認識させることができるようになる。
【0016】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が前記時刻情報の受信を検出してからの時間とする。これにより、最後に時刻情報の受信を検出してから所定時間以上経過すると、表示時刻に誤差が含まれている可能性があるため、表示様態を変更することで、ユーザに誤差が含まれている可能性があることを認識させることができるようになる。
【0017】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が前記時刻補正を検出してからの時間とする。これにより、最後に時刻補正を検出してから所定時間以上経過すると、表示時刻に誤差が含まれている可能性があるため、表示様態を変更することで、ユーザに誤差が含まれている可能性があることを認識させることができるようになる。
【0018】
請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記外部とは、GPS衛星であり、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が4つ以上の前記GPS衛星から時刻情報を含む電波信号の受信を検出してからの時間とする。これにより、最後に4つ以上のGPS衛星から時刻情報を含む電波信号の受信を検出してから所定時間以上経過すると、表示時刻に誤差が含まれている可能性があるため、表示様態を変更することで、ユーザに誤差が含まれている可能性があることを認識させることができるようになる。
【0019】
請求項5にかかる発明においては、請求項1〜4のいずれか1項にかかる発明において、前記表示部の表示形態を変更するとは、当該表示部に表示される時刻情報とともに付加情報を表示する、当該表示部に表示される時刻情報とともに囲い線を表示する、当該表示部に表示される時刻情報のフォントを変更する、当該表示部に表示される時刻情報の文字の大きさを変更する、当該表示部に表示される時刻情報の文字の色を変更する、当該表示部に表示される時刻情報とともに下線を表示する、のうちの少なくとも一つを含む構成とする。これにより、ユーザに対して表示時刻に誤差が含まれている可能性があることを認識させる際に視認性を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1にかかるナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例装置の表示形態を示す図である。
【図4】本発明の実施例2にかかるGPS受信機の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置10の要部構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、車両の現在位置を示すマークを地図画像とともに表示部32(ディスプレイ)に表示するとともに、現在位置または所望の出発地から目的地までの経路を探索して表示部32(ディスプレイ)に表示することにより、ユーザが目的地まで走行するための支援を行うものである。
【0023】
ナビゲーション装置10は、制御部12、GPS受信機20、時刻記憶部30、表示部32、画像データ記憶部34、現在位置検出部36、経路探索部38、操作部40、地図記憶部42を備えて構成される。
【0024】
制御部12は、CPU14、ROM16およびRAM18を備えて構成されており、ROM16および/またはRAM18に記憶された制御プログラムをCPU14が実行することにより、下記に説明する各部の動作を制御・統括する。また、制御部12は、計時部24が時刻補正されてからの時間に基づき計時部24の時刻の信頼性を判定し、当該信頼性に応じて、表示部32の表示態様を変更する表示制御手段として機能する。
【0025】
GPS受信機20は、受信部22、計時部24、演算部26およびアンテナ28を備えて構成されている。受信部22は、アンテナ28を介して時刻情報を含む電波信号を受信し、復調・増幅するための増幅器やA/Dコンバータなどを備えており、本実施例におけるナビゲーション装置10において受信部22は、地球上空を周回している複数(例えば4つ)のGPS衛星からの時刻情報を含む電波信号を所定の時間間隔で受信するためのものである。
【0026】
計時部24は、時刻を計時するものであり、一般的な水晶発振器を用いた時計(クオーツ時計)で構成されている。計時部24によって計時される時刻は経時とともに誤差を生じる可能性があるため、演算部26により補正される。
【0027】
演算部26は、受信部22により受信された電波信号に含まれている時刻情報に基づき、GPS衛星の原子時計と内蔵時計(計時部24)との時刻差(時刻誤差)を算出し、この時刻差に基づき計時部24を補正する。なお、計時部24が電子時計であれば、受信した時刻情報の時刻に計時部24を補正する。
【0028】
GPS衛星の電波信号に基づいて時刻補正を行なう方法には、次の二つが考えられる。一つの方法は、4つ以上のGPS衛星から受信した電波信号に含まれる時刻情報に基づいて計時部24を補正する。この場合、4つ以上のGPS衛星から電波信号を受信できなければ時刻補正が行えないが、正確な時刻に補正することができる(上記特許文献1参照)。もう一つの方法は、少なくとも1つのGPS衛星から受信した電波信号に含まれる時刻情報に基づいて計時部24を補正する。すなわち、受信した時刻情報が示す時刻に計時部24を補正する。この場合、1つのGPS衛星のみで時刻補正が行なえるので、計時部24の時刻が大きくずれているときは有効だが、GPS衛星から受信した時刻には送信時間分のずれが生じているため、誤った時刻に補正される可能性がある。
【0029】
このため、GPS衛星からの電波信号を用いた時刻補正は、基本的に4つ以上のGPS衛星からの電波信号を用いて行なわれているので、以下の説明においては、4つのGPS衛星からの電波信号を用いて計時部24の補正を行なう場合について説明する。
【0030】
なお、GPS衛星からの電波信号に限らず、電波時計の電波信号に基づいて時刻補正を行なってもよい。この場合には、独立行政法人情報通信研究機構の日本標準時グループが管理運営を行なっている標準電波信号に含まれる時刻情報の時刻に計時部24を合わせればよい。
【0031】
さらに、GPS衛星、又は、おおたかどや山標準電波送信所、はがね山標準電波送信所(日本の標準時刻送信所)から送信された電波信号は、鉄筋等の建物内や、ノイズの発生源が近くにある場合、受信することが困難となり、正確な時刻補正を行なうことができない。このため、外部からの時刻情報の受信は、有線あるいは無線を介してインターネットから行なってもよい。
【0032】
計時部24における時刻は、定期的に、例えば1秒毎に制御部12へ出力される。ここで、受信部22により4つのGPS衛星からの電波信号が受信できれば、演算部26により補正された直後の時刻が正確な時刻として制御部12へ出力され、長期間4つのGPS衛星からの電波信号が受信できないときは、かなり前に補正された計時部24の正確ではない時刻が制御部12へ出力されることになる。ここで、制御部12へ時刻が出力される際に、当該時刻が補正した直後の時刻か否かを示す識別情報も含めてもよい。
【0033】
また、GPS受信機20は、時刻を制御部12へ出力する際に、受信部22が現在何個のGPS衛星から電波信号を受信しているかを示す情報(受信レベル情報)も制御部12へ出力する。制御部12は、GPS受信機20から定期的に出力された計時部24の時刻とともに受信した受信レベル情報に基づいて、4つのGPS衛星から電波信号を受信しているときの時刻をGPS受信機20から受信すると、その時刻を時刻記憶部30に記憶させる。
【0034】
時刻記憶部30は、時間計測のためのものであり、例えば、4つのGPS衛星から電波信号を受信したときの時刻(計時部24の時刻)を記憶しておく。制御部12は、GPS受信機20から定期的に出力される計時部24の時刻(すなわち、現在時刻)と、時刻記憶部30に記憶されている時刻を比較することで、最後に4つのGPS衛星から電波信号を受信したときからの時間を算出する。
【0035】
この算出された時間は、計時部24の時刻補正を行ってから経過した時間に相当するため、制御部12は、この経過時間Xが所定時間に達していないと、計時部24の時刻の信頼性が低下したとは判定せずにGPS受信機20から定期的に出力された計時部24の時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していないことをユーザが視認できる表示態様で表示させる。一方、この経過時間Xが所定時間以上になると、計時部24の時刻の信頼性が低くなったと判定してGPS受信機20から定期的に出力された計時部24の時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していることをユーザが視認できる表示態様に変更して表示させる。
【0036】
なお、所定時間は、時刻補正しない場合において計時部24の時刻が誤差を生ずる時間であることが好ましく、計時部24の精度に応じて所定時間は変更されてもよい。
【0037】
また、経過時間Xが所定時間以上になる場合としては、ナビゲーション装置10を長期間家庭内(建物内)のみで使用したため、GPS電波信号が建物で遮断されGPS衛星からの電波信号を受信できない場合や、長期間ナビゲーション装置10の電源をOFFしていたため(GPS受信機20に電源供給がなされないため)、GPS衛星からの電波信号を受信できない場合がある。(但し、電源OFF時もバックアップ電源により計時部24による時刻の計測は行なわれている)
表示部32は、GPS受信機20から定期的に出力された計時部24の時刻を表示し、ナビゲーション動作時には、現在位置検出部36により検出した車両の現在位置、経路探索部38により探索された案内経路、地図記憶部42に記憶された地図情報に基づく地図画像等を表示する液晶表示パネルから構成される。
【0038】
制御部12は、最後に4つのGPS衛星から電波信号を受信したときの時刻と現在時刻とから算出された経過時間Xが所定時間に達していない場合には、GPS受信機20から定期的に出力された計時部24の現在時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していないことをユーザが視認できる表示態様として、例えば、現在時刻に『GPS』という文字を付加情報として合わせて表示させる。一方、算出された経過時間Xが所定時間以上の場合には、GPS受信機20から定期的に出力された計時部24の現在時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していることをユーザが視認できる表示態様として、例えば、現在時刻を通常の黒文字から赤文字に変更して表示させる。
【0039】
画像データ記憶部34は、表示部32に表示される現在時刻の表示態様を変更する際に用いられる付加情報、例えば、『GPS』、『非時刻補正』といった文字データ、囲い線や下線といった図形データを記憶するためのものである。また、ゴシック文字といった文字の種類ごとのフォントデータを記憶してもよい。
【0040】
現在位置検出部36は、車両の現在位置を検出する。説明の簡略化のため、GPS受信機20と、現在位置検出部36を別の構成として記載するが、現在位置検出部36は、GPS受信機20を含んでおり、GPS衛星からの電波信号に含まれている時刻情報および衛星位置情報に基づいて車両の現在位置を検出する。なお、現在位置検出部36は、車両に搭載されているジャイロスコープ、加速度センサ等の自律航法手段を用いて車両の現在位置を検出するものであってもよい。
【0041】
経路探索部38は、ユーザが設定した出発地、目的地、経由地等の経路探索条件に従い、地図情報を参照して最適な経路を探索するものである。経路探索部38は、出発地または現在位置に対応する道路のノードから、所望の経由地を経由して、目的地に対応するノードに至る間のリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間が最短となる経路を探索する。
【0042】
操作部40は、経路探索を行うため、ユーザが出発地、目的地、経由地等の経路探索条件を入力するものである。
【0043】
地図記憶部42は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、地形図データとを含む地図情報を記憶する地図データベースである。地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、ガソリンスタンド、駐車場、ショッピングセンタ、美術館、その他のランドマークを含む施設名称、施設位置、施設形状、施設種別を含む情報が含まれる。
【0044】
次に、以上のように構成されるナビゲーション装置10の時刻表示処理について、図2のフローチャートおよび図3の説明図を用いて説明する。
【0045】
まず、GPS受信機20の演算部26は、受信部22によりGPS衛星からの電波信号を受信できたか否かを判定する(ステップS01)。受信部22により4つのGPS衛星からの電波信号を受信できたと判定された場合(ステップS01、YES)、演算部26は、4つのGPS衛星から受信した電波信号に含まれる時刻情報に基づいて計時部24の時刻を補正する(ステップS02)。一方、ステップS01において、受信部22により4つ以上のGPS衛星からの電波信号を受信できていないと判定された場合(ステップS01、NO)、ステップS05へ進む。
【0046】
ステップS02に続いて、GPS受信機20は、計時部24における時刻と受信部22が現在何個のGPS衛星から電波信号を受信しているかを示す受信レベル情報を、所定時間毎(例えば、1秒毎)に制御部12へ出力するので、ステップS02において演算部26により補正された直後の時刻が制御部12へ出力される。制御部12は、受信した受信レベル情報に基づいて、計時部24の時刻が4つのGPS衛星から電波信号を受信したときの時刻であると判別し、その時刻を時刻記憶部30に記憶させることで経過時間Xの測定を開始する(ステップS03)。
【0047】
そして、制御部12は、受信した計時部24の現在時刻を表示時刻の信頼性が低下していないことをユーザが視認できる表示態様1で表示部32表示させる(ステップS04)。ここで、表示態様1は、図3(a1)に示すように、現在時刻『08:30』の下に『GPS』という文字を合わせて表示させる。また、図3(a2)に示すように、現在時刻『08:30』に囲い線を表示させたり、図3(a3)に示すように、現在時刻『08:30』の文字の種類や大きさを変更させたりしてもよい。
【0048】
次いで、制御部12は、GPS受信機20から定期的に出力される計時部24の時刻(すなわち、現在時刻)と、時刻記憶部30に記憶されている時刻を比較することで、計時部24の時刻補正を行ってからの経過時間Xが所定時間以上になったか否かを判定する(ステップS05)。
【0049】
経過時間Xが所定時間以上になったと判定された場合(ステップS05、YES)、制御部12は、計時部24の時刻の信頼性が低くなったと判定してGPS受信機20から定期的に出力された計時部24の現在時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していることをユーザが視認できる表示態様2に変更して表示させる(ステップS06)。ここで、表示態様2は、図3(b1)に示すように、現在時刻『08:30』を通常の黒文字とは異なる色の文字(図面では網目文字で表現)に変更して表示させる。また、図3(b2)に示すように、現在時刻『08:30』にした下線を表示させたり、図3(b3)に示すように、現在時刻『08:30』の下に『非時刻補正』という文字を合わせて表示させたりしてもよい。
【0050】
一方、ステップS05において、経過時間Xが所定時間以上に達していないと判定された場合(ステップS05、NO)、制御部12は、受信した計時部24の現在時刻を表示態様1のままで表示部32表示させてステップS07へ進む。
【0051】
制御部12は、ナビゲーション装置10の電源がオフされたか否かを判定する(ステップS07)。電源オフされたと判定された場合(ステップS07、YES)、制御部12は処理を終了し、電源オフされていないと判定された場合(ステップS07、NO)、ステップS01へ戻り処理を繰り返す。
【0052】
以上説明したように、実施例1にかかるナビゲーション装置によれば、最後に時刻補正を行なってから所定時間以上経過すると、表示時刻に誤差が含まれている可能性があるため、表示時刻の表示様態を通常の表示態様から変更することで、ユーザに対して表示時刻に誤差が含まれている可能性があることを認識させることができる。
【0053】
なお、上記実施例では、最後に時刻補正を行なってから所定時間以上経過したか否かを判定する一例として、時間計測のための時刻記憶部30を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、時間計測のためのタイマーを用いてもよい。この場合、時刻記憶部30は不要となり、制御部12は、4つのGPS衛星から電波信号を受信しているときの計時部24の時刻をGPS受信機20から受信したときからタイマーをスタートさせ、このタイマーにより計測される時間を経過時間Xとする。なお、タイマーは4つ以上のGPS衛星から電波信号を受信した場合リセットされる。
【0054】
また、上記実施例では、GPS受信機20から定期的に出力された計時部24の時刻が補正された時刻であると判定する一例として、GPS受信機20から計時部24の時刻とともに出力される受信レベル情報に基づき、4つのGPS衛星から電波信号を受信しているときの時刻を補正された時刻と判定する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、GPS受信機20から定期的に出力された計時部24の時刻とともに時刻補正を行なった時刻を示す識別情報を受信できる場合は、制御部12は、その識別情報を受信したときの時刻を補正された時刻と判定し、時刻記憶部30に記憶させるようにしてもよい。
【0055】
さらに、ナビゲーション装置10内(但し、GPS受信機20の外部)にもう1つ時計を設け、その時計をGPS受信機20から出力される時刻に補正するように構成してもよい。この場合、制御部12は、ナビゲーション装置内の時計とGPS受信機20から出力される時刻とが大きく異なる場合に時刻補正がなされたと判定し、そのときの時刻を時刻記憶部30に記憶すればよい。
【実施例2】
【0056】
上記実施例1においては、ナビゲーション装置10において時刻を表示する構成を説明したが、GPS受信機に時刻表示機能を備える構成であってもよい。図4は、本発明の実施例2にかかるGPS受信機20’の要部構成を示す図であり、GPS受信機が時計記憶部30や表示部32を備えたものである。
【0057】
図4に示すGPS受信機20’において、実施例1のナビゲーション装置10(図1参照)のGPS受信機20と異なる点は、図1のGPS受信機20 における演算部26に代わりに演算部26’(請求項の制御部に相当)を備え、図1のGPS受信機20の構成要素である受信部22、計時部24およびアンテナ28に加えて時刻記憶部30、表示部32、画像データ記憶部34を備えた点である。演算部26’を除いた、その他の各構成要素は、図1に示すナビゲーション装置10の構成と同様であり、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明は重複するため省略する。
【0058】
演算部26’は、図1のGPS受信機20 における演算部26と制御部12の機能を兼ね備えた構成となっている。すなわち、演算部26’は、受信部22により受信された電波信号に含まれている時刻情報に基づき、計時部24を補正し、補正した時刻を時刻記憶部30に記憶させる。
【0059】
そして、演算部26’は、計時部24の時刻と、時刻記憶部30に記憶されている時刻を比較することで、最後に4つのGPS衛星から電波信号を受信したときからの経過時間Xを算出する。
【0060】
さらに、演算部26’は、経過時間Xが所定時間に達していないと、計時部24の時刻の信頼性が低下したとは判定せずに計時部24の時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していないことをユーザが視認できる表示態様で表示させる。一方、経過時間Xが所定時間以上になると、計時部24の時刻の信頼性が低くなったと判定して計時部24の時刻を表示部32に表示する際に、表示時刻の信頼性が低下していることをユーザが視認できる表示態様に変更して表示させる。
以上説明したように、実施例2にかかるGPS受信機によれば、最後に時刻補正を行なってから所定時間以上経過すると、表示時刻に誤差が含まれている可能性があるため、表示時刻の表示様態を通常の表示態様から変更することで、ユーザに対して表示時刻に誤差が含まれている可能性があることを認識させることができる。
【符号の説明】
【0061】
10・・・ナビゲーション装置
12・・・制御部
20、20’・・・GPS受信機
22・・・受信部
24・・・計時部
26、26’・・・演算部
28・・・アンテナ
30・・・時刻記憶部
32・・・表示部
34・・・画像データ記憶部
36・・・現在位置検出部
38・・・経路探索部
40・・・操作部
42・・・地図記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から時刻情報を受信する受信部と、
表示部と、
前記時刻情報に基づいて時刻補正される計時部と、
前記計時部の時刻を前記表示部に表示する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記計時部が時刻補正されてからの時間に基づき前記計時部の時刻の信頼性を判定し、前記信頼性に応じて、前記表示部の表示態様を変更することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が前記時刻情報の受信を検出してからの時間であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が前記時刻補正を検出してからの時間であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記外部とは、GPS衛星であり、前記時刻補正されてからの時間は、前記制御部が4つ以上の前記GPS衛星から時刻情報を含む電波信号の受信を検出してからの時間であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示部の表示形態を変更するとは、当該表示部に表示される時刻とともに付加情報を表示する、当該表示部に表示される時刻とともに囲い線を表示する、当該表示部に表示される時刻のフォントを変更する、当該表示部に表示される時刻の文字の大きさを変更する、当該表示部に表示される時刻の文字の色を変更する、当該表示部に表示される時刻とともに下線を表示する、のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−112888(P2012−112888A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263902(P2010−263902)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】