説明

表示装置

【課題】電気自動車が、走行中に充電を要する事態や充電切れになることを防止するために、走行開始初期段階での、適切な表示を行い得る表示装置を提供する。
【解決手段】走行可能距離を算出し表示する表示装置における表示器1の負荷状態表示部2に、予め定めた標準状態での電装品の使用状態が表示されている。この標準状態を基礎として、標準走行可能距離を算出する標準状況算出手段と、標準状態での電力消費よりも大きい電力消費で、予め定められた電装品が使用されると想定された全負荷状態の基に、全負荷走行可能距離を算出する全負荷状況算出手段とが制御装置内に設けられている。算出された標準走行可能距離と、算出された全負荷走行可能距離とを並べて、標準走行可能距離表示部20と全負荷走行可能距離表示部21としてバーグラフ5、6にて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を動力源とする電気自動車において、走行開始前、あるいは走行初期の時点において、そのまま走行を開始しても良いか、充電が必要かを運転者に判断させるために、少なくともその時点での電池の残電池量(残存エネルギ量または残存電力量ともいう)と、車載された電気負荷の使用状況とから求めた走行可能距離を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のカーナビゲーション装置に適用できる情報処理装置が知られている。この情報処理装置は、より適切に充電スタンドの案内を行うという課題解決のために次の構成を有する。
【0003】
地図情報に基づいて、車両の走行可能範囲内にある充電スタンドが検索される。検索された各充電スタンドへの到着予想時刻が演算される。充電完了予想時刻に基づいて、充電スタンドの位置が区別して表示される。また、電気自動車の電池の残電池量と、電池がフル充電された時点よりの実走行距離(過去のデータ)とから、残存走行距離を求めて、求めた残存走行距離を表示している。
【0004】
走行可能範囲内において、充電スタンドが検索されなかった場合は、走行可能距離演算手段に、車両の消費電力を抑制した場合の走行可能距離をさらに演算させる。そして、充電スタンド検索手段に、車両の消費電力を抑制した場合の走行可能距離で、走行可能な範囲内にある充電スタンドを更に検索させることができる。
【0005】
具体的には、電力モード制御部は、電力抑制モードに設定することができる。このモードのときは、車両の走行以外で消費する電力を、できる限り抑制するようにする。例えば、空調機器、カーオーディオ装置等、車両の走行に寄与しない電子部品の電源をオフにし、電力の供給をストップする。
【0006】
走行可能距離演算部は、現在の電池の残量で、電力抑制モード設定時に、車両が走行可能な距離を演算する。この走行可能距離は、電池残量×平均電費×電費向上係数で求められる。なお、電費向上係数とは、電力抑制モードを設定することにより、車両の平均電費が向上する割合を示す係数であり、例えば、事前に車両メーカまたは運転者などにより設定される。
【0007】
次に、従来、特許文献2として、走行上必須の第一の電装設備、および走行上必須ではない第二の電装設備を備えた電気自動車の電力供給制御装置が知られている。これは、自動車が如何なる状態にて走行しても、最終的には、必ず電池のフル充電により定まる目標総走行距離の走行を可能にするものである。そのために、次の構成を備える。
【0008】
電力残量検出装置により電池の残電池量を検出し、走行距離検出装置により電池がフル充電された時点よりの実総走行距離を検出している。そして、残存走行距離演算装置により、残存走行距離(=目標総走行距離−実総走行距離)を演算している。
【0009】
次に、消費電力推定装置により、残存走行距離走行する間において走行用モータ、第一及び第二の電装設備により消費される電力量を推定する。推定された推定消費電力量が残電池量よりも多いときには、電力供給禁止装置により、第二の電装設備への電力供給を禁止している。また、残存走行可能距離が、車室内に設けられた表示手段に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−175492号公報
【特許文献2】特開平7−31008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の電気自動車では、計器内または計器外の表示器に、電池の残電池量や、残電池量に基づく走行可能距離を表示するものはあるが、一般的には、残電池量と想定走行速度との関係のみで演算された距離を、走行可能距離として表示している。
【0012】
そのため、走行開始後の走行状況の変化や、車両内装置、例えば、空調装置の使用やヘッドランプ点灯等による電力消費により、走行中に突然走行可能距離が短く表示されて、運転者を慌てさせたり、不安に陥れたりすることがある。
【0013】
最悪の場合、目的地に到着する前に、充電切れを発生して走行不能になってしまう等、計器としては正常な表示をしているのではあるが、運転者にとって最大の関心ごとである「目的地にたどり着く」という目的を達成できなくなる状態を引き起こす欠点があった。
【0014】
一方、上記特許文献1の技術によると、走行中において、充電スタンドの案内を行うために、車両の消費電力を抑制した場合の走行可能距離を算出することができる。また、電力抑制モードに設定することができる。
【0015】
この電力抑制モードのときは、空調機器、カーオーディオ装置等、車両の走行に寄与しない電子部品の電源をオフにし、電力の供給をストップしている。そして、電力抑制モードに設定したときの走行可能距離を演算している。しかし、この特許文献1は、あくまで走行中の充電スタンドの検索を目的としており、目的地に向けて出発する比較的初期の段階で的確な表示が得られるものではない。
【0016】
また、特許文献2は、走行距離検出装置により、電池がフル充電された時点よりの実総走行距離を検出し、残存走行距離演算装置により残存走行距離を演算している。そして、残存走行距離走行する間に、走行用モータ、および第一及び第二の電装設備により消費される電力を推定し、推定消費電力量が残電池量よりも多いときには、電力供給禁止装置により、第二の電装設備への電力供給を禁止するものである。
【0017】
この特許文献2においても、目的地に出発する初期の段階で、的確な表示が得られるものではない。また、走行中に強制的に電装設備への電力供給を禁止されると、例えば、空調装置の停止等により、病人等に悪影響を引き起こすことも考えられる。
【0018】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、電気自動車が、走行中に充電を要する事態や充電切れになることを防止するために、走行開始初期段階での適切な表示を行い得る表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両内の電池を使用して車両が走行可能な距離を算出して表示する表示装置であって、電池の残電池量を求める手段と、車両の走行データを記憶する手段と、特定の状況で作動すると想定される車両内の予め定めた複数の電装品についての特定の状況と関連付けられた消費電力情報と、残電池量と、走行データとに基づいて、全負荷走行可能距離を算出する全負荷状況算出手段と、ある共通の状況で作動すると想定される車両内の予め定めた複数の電装品についての共通の状況と関連付けられた消費電力情報と、残電池量と、走行データと、に基づいて標準走行可能距離を算出する標準状況算出手段と、算出された標準走行可能距離と、算出された全負荷走行可能距離とを表示する表示器とを備えたことを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、各電装品にとって、特定の状況(例えば最悪の走行状況)で作動すると想定される車両内の予め定めた複数の電装品についての特定の状況と関連付けられた消費電力情報と、残電池量と、走行データとに基づいて算出された全負荷走行可能距離と、各電装品が、ある共通の状況(例えば、夏場の昼間、平坦路を雨中に走行するという状況)で作動すると想定される車両内の予め定めた複数の電装品についての共通の状況と関連付けられた消費電力情報と、残電池量と、走行データとに基づいて標準走行可能距離を算出する標準状況算出手段と、算出された標準走行可能距離と、算出された全負荷走行可能距離とを表示する表示器とを備えるから、運転者が目的地に向けて出発する場合において、電池の残電池量と電装品の作動状態とにより、どの程度の走行ができるのかを、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを比較しながら、知ることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明では、走行データとして、過去所定期間内において車両が実際に走行した記録となる走行データを用いることを特徴としている。
【0023】
この発明によれば、走行データとして、過去所定期間内において車両が実際に走行した記録となる走行データを用いるから、運転者の過去の運転実績を考慮して、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを算出することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明では、表示器内に、標準走行可能距離を算出するときの基礎となる電装品の、ある共通の状況での想定された作動の状態を示す負荷状態表示部と、
負荷状態表示部の周辺に設けられ、標準走行可能距離を表示する標準走行可能距離表示部と、標準走行可能距離表示部に隣接して設けられ全負荷走行可能距離を表示する全負荷走行可能距離表示部とを備えることを特徴としている。
【0025】
この発明によれば、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを隣接させて配置したから、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを対比し易い。また、負荷状態表示部の周辺に標準走行可能距離表示部を設けたから、標準走行可能距離表示部で表示される標準走行可能距離を算出する基礎となった電装品の作動状態を確認しながら、標準走行可能距離を読み取ることができる。
【0026】
請求項4に記載の発明では、車両の始動時に操作される始動スイッチの操作信号が、全負荷状況算出手段と標準状況算出手段とに導かれ、標準状況算出手段は、操作信号に基づいて標準走行可能距離を算出し、全負荷状況算出手段は、操作信号に基づいて全負荷走行可能距離を算出することを特徴としている。
【0027】
この発明によれば、車両を運転するときに始動スイッチが操作されると、標準走行可能距離表示部と、全負荷走行可能距離表示部との表示が行われるから、運転者が車両により目的地に向けて走行する初期段階において、より確実に、標準走行可能距離と、全負荷走行可能距離と知ることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明では、特定の状況で作動すると想定される車両内の予め定めた複数の電装品が、少なくとも、空調装置と、ヘッドライトと、ヒータ装置と、車両を駆動する走行用モータからなり、特定の状況と関連付けられた消費電力情報は、空調装置がON状態であり、ヘッドライトがON状態であり、ヒータ装置がON状態であり、車両が走行用モータで登坂路を走行する状態での各々の消費電力情報からなり、また、共通の状況と関連付けられた消費電力情報は、空調装置がON状態であり、ヘッドライトがOFF状態であり、ヒータ装置がOFF状態であり、車両が平坦路を走行する状態での各々の消費電力情報からなることを特徴としている。
【0029】
この発明によれば、空調装置がON状態であり、ヘッドライトがON状態であり、ヒータ装置がON状態であり、車両が登坂路を走行する状態であるという、各電装品に対して想定された特定の走行状況での、全負荷走行可能距離を知ることができる。一方、空調装置がON状態であり、ヘッドライトがOFF状態であり、ヒータ装置がOFF状態であり、車両が平坦路を走行する状況であるという、各電装品に対して想定された共通の標準的な走行状況での標準走行可能距離を知ることができる。
【0030】
請求項6に記載の発明では、ヒータ装置は、車両の窓の結露を除去するデフォッガ用ヒータ装置、および車両室内を暖房する暖房用補助ヒータ装置のうち、少なくともいずれか一方からなることを特徴としている。
【0031】
この発明によれば、デフォッガ用ヒータ装置または暖房用補助ヒータ装置が装備された車両においても、より正確に全負荷走行可能距離と標準走行可能距離とを算出することができる。
【0032】
請求項7に記載の発明では、標準走行可能距離を算出するときの基礎となる電装品の、ある共通の状況での想定された作動の状態を変更するスイッチ手段が設けられていることを特徴としている。
【0033】
この発明によれば、標準走行可能距離を算出するときの基礎となる電装品の作動状態を変更できるから、電装品の作動の想定を変更する前と、電装品の作動の想定を変更した後の算出された標準走行可能距離の変化を参考にさせることができる。
【0034】
請求項8に記載の発明では、標準走行可能距離表示部と全負荷走行可能距離表示部とは、標準走行可能距離と、全負荷走行可能距離とをバーグラフで表示することを特徴としている。
【0035】
この発明によれば、標準走行可能距離と、全負荷走行可能距離とをバーグラフとして表示するから、標準走行可能距離と、全負荷走行可能距離とを一見して比較し易い状態で表示することができる。
【0036】
請求項9に記載の発明では、車両の累積走行距離を表示する累積走行距離計の累積走行距離を数字表示する8字状の表示セグメントを使用して、バーグラフで表示することを特徴としている。
【0037】
この発明によれば、標準走行可能距離表示部と、全負荷走行可能距離表示部との表示が、累積走行距離計(オドメータ)の表示セグメントを兼用して構成されるから、新たな表示器を追加することなく、安価に構成でき、設置スペースを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態を示す表示装置における表示器の正面図である。
【図2】図1の表示装置におけるシステムのブロック構成図である。
【図3】図2に示したシステム内の制御装置における作動を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態を示す表示装置における表示器の正面図である。
【図5】本発明の第4実施形態を示す表示装置における表示器の正面図である。
【図6】図5の表示器の全表示セグメントを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0040】
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0041】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図3を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示す表示装置における表示器の正面図である。図2は、図1の表示装置におけるシステムのブロック構成図である。図3は、図2に示したシステム内の制御装置における作動を示すフローチャートである。
【0042】
電池を動力源とする電気自動車において、車両内の電池を使用して走行可能な距離を算出して表示する表示装置が、車両の計器板内に設けられている。この表示装置は、液晶表示装置のマルチディスプレイからなる図1に示した表示器1を有している。
【0043】
図1の上側の負荷状態表示部2には、車両の電気負荷(電装品ともいう)の予め想定された標準的な作動状態が図示されている。この作動状態は、予め定めた、各電装品に対して共通する標準的な走行状況(単に状況ともいう)での電気負荷の使用状態を示している。そして、この表示された標準的な使用状態の基に、図2の計器内MPUからなる制御装置3内で、標準走行可能距離を算出する。
【0044】
また、制御装置3は、標準的な走行状況での各電装品の合計消費電力よりも大きい、合計消費電力が消費される予め定められた状態に、各電装品の使用状態を想定して、全負荷走行可能距離を算出する。そして、算出された標準走行可能距離と、算出された全負荷走行可能距離とを並べて図1のバーグラフ5、6として表示している。
【0045】
図1において、標準とあるのは、標準走行可能距離を表すバーグラフ5であり、全負荷とあるのは全負荷走行可能距離を表すバーグラフ6である。また、負荷状態表示部2内のエアコンONは、空調装置が作動している作動状況で標準走行可能距離が算出されることを示している。
【0046】
また、ヘッドライトOFFは、前照灯を点灯しない状況で標準走行可能距離が算出されることを示している。次に、RrDEF OFFは、リヤウインドのデフォッガ(後部窓ガラス結露除去用のヒータ、デフォッガ用ヒータ装置ともいう)に通電しない非作動状態で標準走行可能距離が算出されることを示している。
【0047】
更に、ワイパONは、フロントの窓ガラスを払拭するワイパ装置が作動しない非作動状況で標準走行可能距離が算出されることを示している。また、平坦路は、登坂路を登らない平坦路を走行する標準的な走行状況での標準走行可能距離が算出されることを示している。
【0048】
図2のブロック構成図において、計器板の裏側に搭載された計器用マイクロプロセッサユニット(MPU)は、本発明の制御装置3を構成している。この制御装置3には、電気自動車の始動スイッチ7を構成するイグニッションスイッチ(IGSW)からの信号が入力されている。
【0049】
また、上述の液晶表示装置のマルチディスプレイプレイからなる表示器1が、制御装置3に接続されている。更に、制御装置3には、コントロールユニット8を介して、電池の残電池量を求めるための電池残量センサ9と電池の温度センサ10とが接続されている。
【0050】
これにより、制御装置3は、逐次、電池の残電池量を把握して、その残電池量データを更新している。また制御装置3には、空調装置の作動を制御する制御信号が、図示しないエアコン制御パネル内のエアコンスイッチ(A/CSWとも言う)11から直接、あるいは、図示しない空調制御装置から入力されている。
【0051】
また、制御装置3には、前照灯の作動を制御するヘッドライトスイッチ(SW)12からの制御信号が、ヘッドライトスイッチ12から直接、あるいは、図示しないヘッドライト制御装置から入力されている。
【0052】
更に、制御装置3には、リヤウインドのデフォッガの作動を制御する、RrDEFスイッチ(SW)13からの制御信号が、RrDEFスイッチ13から直接、あるいは、図示しないリヤウインドのデフォッガ制御装置から入力されている。
【0053】
また、制御装置3には、ワイパ装置の作動を制御する、ワイパスイッチ(SW)14からの制御信号が、ワイパスイッチ14から直接、あるいは、図示しないワイパ装置の制御装置から入力されている。
【0054】
また更に、制御装置3には、周知のように、車速センサ15からの車速信号が、速度計を作動させるために入力されている。この車速信号は、走行距離を測定し、後述する走行データを記憶するためにも、車両の停止を検出するためにも使用される。
【0055】
次に、上記構成からなる第1実施形態の作動について説明する。図3は、図2に示した制御装置3内の作動の一部を示すフローチャートである。車両の始動スイッチがON操作される(IGONになる)と制御がスタートする。
【0056】
ステップS21において、制御装置3は、図2の電池残量センサ9と電池の温度センサ10との情報から、電池の残電池量(電池残量ともいう)を演算する。演算した値は、制御装置3内の図示しないメモリであるRAM内に記憶される。
【0057】
次に、ステップS22において、過去1年間の走行データAが制御装置3内のメモリに蓄積されているか否かを判定する。蓄積されていれば、それを走行データAと定義して読み取る。
【0058】
走行データAが蓄積されている場合は、ステップS23に進み、走行データAと、図1の負荷状態表示部2に表示された電装品の使用状態とに基づいて、標準走行可能距離を演算する。
【0059】
この第1実施形態では、図1の負荷状態表示部2に示したように、空調装置が作動、前照灯が消灯、リヤウインドのデフォッガが非作動、ワイパ装置が作動、平坦路を走行する走行用モータの作動を伴う標準状況(標準的な走行状況)を想定して、走行可能距離の演算がなされる。
【0060】
具体的には、過去1年間の単位残電池量あたりの平均的走行距離が、走行データAとして、メモリに蓄積されているため、その常にアップデートされているデータの値に、現時点での残電池量を乗算して基本走行可能距離を算出する。また、想定走行速度は時速30kmとして、走行にかかる時間が計算される。この時間を表示するようにしても良い。
【0061】
次に、基本走行可能距離に、空調装置が作動、前照灯が消灯、リヤウインドのデフォッガが非作動、ワイパ装置が作動、平坦路を走行するという、各電装品に対して共通の標準状況に相当する係数を乗算して、標準走行可能距離を算出する。この係数は、上記各電装品の消費電力情報に相当し、それぞれ空調装置係数Ka、前照灯係数Kh、デフォッガ係数Kd、ワイパ係数Kw、平坦路係数Kfと表されている。
【0062】
この場合、図1の負荷状態表示部2の表示に合わせて、空調装置係数Kaと、ワイパ係数Kwとが、1より大きな値とされており、前照灯係数Khと、デフォッガ係数Kdと平坦路係数Kfとが1より小さい値とされている。つまり、各係数は、メモリ内の係数記憶領域の中から、予め定めた各電気負荷の作動、非作動、あるいは想定された道路状況による走行用モータの負荷の軽重に応じて選択される。
【0063】
次に、図3のステップS24において、蓄積された走行データAと、全負荷状況とに基づいて、全負荷走行可能距離を演算する。この第1実施形態では、空調装置が作動、前照灯が点灯、リヤウインドのデフォッガが作動、ワイパ装置が作動、登坂路を走行するという全負荷状況での演算が実行される。
【0064】
具体的には、過去1年間の単位残電池量あたりの平均的走行距離(走行データA)がメモリに蓄積されているため、その逐次アップデートされているデータの値に、現時点での残電池量を乗算して基本走行可能距離を算出する。
【0065】
次に、基本走行可能距離に空調装置が作動、前照灯が点灯、リヤウインドのデフォッガが作動、ワイパ装置が作動、登坂路を走行するという全負荷状況に相当する係数を乗算して、全負荷走行可能距離を算出する。この場合、空調装置係数Kaと、前照灯係数Khと、ワイパ係数Kwとデフォッガ係数Kdと、登坂路係数Kuの全てが、1より大きな値とされている。
【0066】
登坂路係数Kuが、1より大きな値とされることにより、これから走行しようとする道路が登坂路である場合の、走行用モータで消費される電気負荷を考慮して、全負荷走行可能距離が算出される。
【0067】
よって、登坂路を走行して目的地に行く場合においても、より正確な全負荷走行可能距離が算出できる。次に、ステップS25において、算出された標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを、図1の表示器1におけるバーグラフ5、6で表示する。
【0068】
なお、図3のステップS22において、過去一年間の走行データが無いと判定されたときは、途中までの蓄積データで走行可能距離を算出すると誤差が大きいため、ステップS26に進む。
【0069】
ステップS26では、車両メーカが推奨している単位残電池量あたりの平均的走行距離をメモリから読み出し、この読み出した車両メーカが推奨した推奨データB(デフォルトデータ)の値に、現時点での残電池量を乗算して基本走行可能距離を算出する。
【0070】
次に、基本走行可能距離に空調装置が作動、前照灯が消灯、リヤウインドのデフォッガが非作動、ワイパ装置が作動、平坦路を走行するという標準状況に相当する係数を乗算して、標準走行可能距離を算出する。この係数は、それぞれ空調装置係数Ka、前照灯係数Kh、デフォッガ係数Kd、ワイパ係数Kw、平坦路係数Kfと表されている。
【0071】
この場合、消費電力情報をなす空調装置係数Kaと、ワイパ係数Kwとが、1より大きな値とされており、前照灯係数Khと、デフォッガ係数Kdと平坦路係数Kfとが1より小さい値とされている。つまり、各係数は、メモリ内の係数記憶領域の中から各電気負荷の作動、非作動、あるいは道路による走行用モータの負荷の軽重に応じて選択される。
【0072】
次に、図3のステップS27において、推奨データBを用いて求めた基本走行可能距離に、空調装置が作動、前照灯が点灯、リヤウインドのデフォッガが作動、ワイパ装置が作動、登坂路を走行するという全負荷状況に相当する係数を乗算して、全負荷走行可能距離を算出する。この場合、空調装置係数Kaと、前照灯係数Khと、ワイパ係数Kwとデフォッガ係数Kdと、登坂路係数Kuの全てがが、1より大きな値とされている。
【0073】
登坂路係数Kuが、1より大きな値とされることにより、これから走行しようとする道路が登坂路である場合の、走行用モータで消費される電気負荷を考慮して、全負荷走行可能距離が算出されるから、登坂路を走行して目的地に行く場合においても、より正確な全負荷走行可能距離が算出できる。次に、ステップS28において、算出された標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを、図1の表示器1にバーグラフ5、6で表示する。
【0074】
これら一連の動作は、電気自動車を作動させるときに投入される図1の始動スイッチ7(一般には点火装置がないもののイグニッションスイッチ、略してIGSWと呼ばれる)の投入操作(ON操作)に連動して行われる。従って、運転者は目的地に向かって走行し始める初期の段階で表示器1の表示内容に着目することになる。
【0075】
また、上記一連の動作に伴う表示器1の表示内容は、始動スイッチ7のON操作から所定時間継続して表示される。あるいは、車両の車速センサ15(図2)からの信号が所定の車速を超えるまで継続される。このときに運転者の注意を引くために、表示器1の表示画面の一部、例えば負荷状態表示部2の表示を点滅させても良い。
【0076】
以上のように、上記第1実施形態においては、基本的に電池の残電池量と過去所定期間内の走行データAとを用いて、標準走行可能距離および全負荷走行可能距離を算出するから、運転者の過去の運転実績を考慮して、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを算出することができる。
【0077】
また、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを表示しながら、標準走行可能距離を算出するときの基礎となった各電装品の作動状態を負荷状態表示部2(図1)に表示するため、これから走行するときの電気負荷(電装品)の使用想定状態と、目的地までの予定走行距離に照らして、車両の状態を的確に把握することができる。
【0078】
具体的には、予定走行距離が標準走行可能距離を越えるときは、標準走行可能距離を算出する基礎となった電気負荷(電装品)の使用想定状態を考慮しながら、走行可能距離の不足状態を認識できる。
【0079】
また、予定走行距離が標準走行可能距離と全負荷走行可能距離の間のときは、標準走行可能距離を算出する基礎となった電気負荷(電装品)の使用想定状態と、全負荷走行可能距離を算出する基礎となった電気負荷(電装品)の使用想定状態との相違を認識しながら、走行可能距離が不足ぎみの状態であることを認識できる。
【0080】
また、運転者は、これから走行する予定走行距離が、全負荷走行可能距離よりも短ければ、現状の残電池量のままで充分に走行可能と判断することができる。逆に、予定走行距離の方が、全負荷走行可能距離よりも長ければ、標準状態における電気負荷(電装品)の使用想定状態や標準走行可能距離を参考にして、走行ルートの選定(距離の変更や登坂路の迂回)や車両の電気負荷(電装品)の使い方を考えることができ、さらに、充電要否をも判断することができる。
【0081】
また上記第1実施形態では、標準状況算出手段および全負荷状況算出手段は、主として電池の残電池量と過去所定期間内の車両の走行データとを用いて、それぞれ標準走行可能距離および全負荷走行可能距離を算出している。
【0082】
これによれば、電池の残電池量と過去の予め定めた所定期間内の走行データAとを用いて、標準走行可能距離および全負荷走行可能距離を算出するから、運転者の過去の運転実績を考慮して、標準走行可能距離と全負荷走行可能距離とを算出することができる。
【0083】
更に、図1の表示器1は、標準走行可能距離を算出するときの基礎となる標準状態での電気負荷の作動状態を示す負荷状態表示部2と、この負荷状態表示部2の周辺に設けられ、標準走行可能距離を表示する標準走行可能距離表示部20と、標準走行可能距離表示部20に隣接して表示され全負荷走行可能距離を表示する全負荷走行可能距離表示部21とを備える。これらの標準走行可能距離表示部20と全負荷走行可能距離表示部21とはバーブラフによる表示以外に、数字表示等も可能である。
【0084】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。図4は、本発明の第2実施形態を示す走行可能距離算出表示装置における表示器の正面図である。
【0085】
図4のように、表示器1の近傍または内部に、それぞれの電気負荷の使用状態の想定を切替える押しボタンスイッチ25a、25b、25c、25d、25e(総称して25)を設けることにより、標準走行可能距離を算出する基礎となる負荷の使用状態を、実際にこれから走行を予定している走行状況に合わせることにより、実使用にさらに近い標準走行可能距離を表示するようにしている。
【0086】
例えば、上述のように、標準走行可能距離を算出する基礎となる電装品の、ある共通の状況(昼間、平坦路を雨中に空調しながら走行する状況)では、空調装置が作動、前照灯が消灯、リヤウインドのデフォッガが非作動、ワイパ装置が作動、平坦路を走行するという負荷状態がデフォルトとして設定されている。
【0087】
しかし、これから向かう目的地、天気予報、道路種別を考慮して、押しボタンスイッチ25を操作して、空調装置が作動、前照灯が非点灯、リヤウインドのデフォッガが非作動、ワイパ装置が非作動、登坂路のようにデフォルトの負荷状態を書換負荷状態に変更し、書換負荷状態の基で標準走行可能距離を演算させても良い。
【0088】
なお、このように負荷状態が変更されても、始動スイッチ7(図2と同様)を切って所定時間経過すれば、走行ルートの継続性が失われたとして、書換負荷状態を元のデフォルトの負荷状態に戻している。
【0089】
上述のように、この第2実施形態では、予め定められた標準負荷の種類を取捨選択するスイッチ手段をなす押しボタンスイッチ25が設けられ、このスイッチ手段で取捨選択された負荷が使用されるという書換負荷状態に基づいて、標準状況算出手段が、標準走行可能距離を算出する。
【0090】
また、この第2実施形態において、押しボタンスイッチは、押すと選択され、2度目に押すと選択が解除されるスイッチ機構を採用している。また、選択されると、押しボタンスイッチが発光するようにするか、機械的に押し込まれたりして、どの電気負荷が選択されたのかを表示しても良い。
【0091】
また、本発明のスイッチ手段をなす押しボタンスイッチは、機械的なスイッチでなく、液晶画面上のタッチスイッチとして構成しても良い。また、図4の負荷状態表示部2の表示を液晶表示で変えるようにしても良い。この場合、負荷状態表示部2が、例えば、「ワイパON」から「ワイパOFF」のように表示が変わるようにしている。
【0092】
以上のように、表示器1近傍または内部に、それぞれの電気負荷の状態の想定を切替える押しボタンスイッチ25を設けることにより、負荷状態表示部2に表示された標準状態での電気負荷の作動状態を、実際にこれから使用を予定している予定使用負荷の作動状態に合わせることができる。これにより、実使用にさらに近い標準走行可能距離を表示するようにしている。
【0093】
なお、変更された内容は、負荷状態表示部2の表示を変えることにより、明確に何が変更されたかを表示してもよい。これによれば、押しボタンスイッチ25を発光させたり、機械的に押し込まれたりして作動状態が見えるようにしなくても良い。
【0094】
上述のように、この第2実施形態では、予め定めた標準状態での電気負荷の種類を取捨選択するスイッチ手段となる押しボタンスイッチ25が設けられ、標準走行可能距離を算出する基礎となる想定された標準的使用状態を一時的に書換標準状態に変更して、この書換標準状態に基づいて、標準状況算出手段が、標準負荷走行可能距離を算出する。
【0095】
これによれば、任意に選択された電気負荷の使用状態に基づいて、標準走行可能距離を算出することができるため、目的地までの走行距離が、標準走行可能距離よりも長い場合に、どの電気負荷の使用をやめれば、目的地まで、その時点の残存電気量で到達できるかを知ることができる。
【0096】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図5は、本発明の第3実施形態を示す表示装置における表示器の正面図である。図6は、図5の表示器の全表示セグメントを示す説明図である。
【0097】
図5において、車両内の計器板に設置された液晶表示器、または蛍光表示器によって、走行距離を数字表示する累積走行距離計(オドメータ)が図示されている。そして、この累積走行距離計の8字状の表示セグメント22の一部を使用して、標準走行可能距離表示部20と、全負荷走行可能距離表示部21とがバーグラフで表示される。図6は全部の表示セグメント22の配置を示している。
【0098】
この累積走行距離計は、図示しない押しボタンスイッチノブの操作により、オドメータまたはトリップメータとしての走行距離の表示が可能であり、かつ、押しボタンスイッチノブの操作により、走行可能距離を算出し表示する表示装置の表示器としても機能する。
【0099】
図5において、負荷状態表示部2には、空調装置が作動(A−CON ON)、ワイパ装置が作動(WIPER ON)、リヤウインドのデフォッガが非作動(RrDEF OFF)、前照灯が消灯(LAMP OFF)という、電装品の使用状態の標準状態が設定されている。また、AVGとあるのは標準走行可能距離表示部20であり、MINとあるのは全負荷走行可能距離表示部21であり、それぞれ1つの円が、20kmを表している。
【0100】
図5では、AVGにおいて、5個の円が並置されたバーグラフ5で標準走行可能距離が表示されている。これは、標準状況で100kmフルに走行可能であることを示している。また、MINにおいて、3個の円で全負荷走行可能距離が表示されている。これは、3個の円で、全負荷状態の基では、60km(20km×3)走行可能であることを示している。
【0101】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、全電気負荷として、RrDEF(リヤウインドのデフォッガとなるデフォッガ用ヒータ装置)を含んだが、デフォッガ用ヒータ装置の代わり、あるいは、デフォッガ用ヒータ装置に加えて、車両室内を電気ヒータで暖房する暖房用補助ヒータ装置を加えても良い。
【0102】
この場合は、少なくとも暖房用補助ヒータ装置の作動を条件として、全負荷走行可能距離を算出することになる。なお、標準走行可能距離の算出に、暖房用補助ヒータ装置の作動を入れるか入れないかは予め決定しておけばよい。暖房用補助ヒータ装置の作動を入れない場合は、負荷状態表示部2(図1)に「補助ヒータ OFF」の表示がなされる。
【0103】
次に、電気負荷の種類を取捨選択するスイッチ手段をなす押しボタンスイッチ25(図4の25a等)は、表示器1が計器板の前面ガラスの内部に設けられている場合は、トリップメータの操作スイッチノブと同様に、計器板の前面ガラスを貫通する複数の棒状のプッシュスイッチとして構成される。しかし、このスイッチ手段は、表示器1の近傍になくても良い。例えば、ナビゲーション装置の画面上の計器設定モードで表示されたタッチスイッチで構成することもできる。
【0104】
次に、標準走行可能距離表示部に隣接して全負荷走行可能距離表示部を設け、これらの走行可能距離表示部をバーグラフで表示したが、距離が対比できるものであれば良く、ディジタル表示や、指針によるアナログ表示で対比できるように表示しても良く、指針を使用する場合は、複数の指針が同軸で回転するようにしても良い。
【0105】
また、本発明の電気自動車は、電気バイクも含むものである。また、電池(正確には二次電池)の充電状態(SOC:State of Charge)、つまり電池の残電池量を知るための方法は、種々の公知の方法によることができ、例えば、特開2007−17357号公報に開示された構成を用いることができる。なお、電池の温度を検出する温度センサは、必須のものではない。更に、走行可能距離の算出は、種々の公知の方法を利用できる。
【符号の説明】
【0106】
1 表示器
2 負荷状態表示部
3 制御装置
5 標準走行可能距離を表すバーグラフ
6 全負荷走行可能距離を表すバーグラフ
7 始動スイッチ(イグニッションスイッチIGSW)
15 車速センサ
20 標準走行可能距離表示部(AVG)
21 全負荷走行可能距離表示部(MIN)
22 累積走行距離計の表示セグメント
25 押しボタンスイッチ(電気負荷の仮想の使用状態を取捨選択するスイッチ手段)
S23、S26 標準状況算出手段
S24、S27 全負荷状況算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の電池を使用して車両が走行可能な距離を算出して表示する表示装置であって、
前記電池の残電池量を求める手段と、
前記車両の走行データを記憶する手段と、
特定の状況で作動すると想定される前記車両内の予め定めた複数の電装品についての前記特定の状況と関連付けられた消費電力情報と、前記残電池量と、前記走行データとに基づいて、全負荷走行可能距離を算出する全負荷状況算出手段と、
ある共通の状況で作動すると想定される前記車両内の予め定めた複数の電装品についての前記共通の状況と関連付けられた消費電力情報と、前記残電池量と、前記走行データとに基づいて標準走行可能距離を算出する標準状況算出手段と、
算出された前記標準走行可能距離と、算出された前記全負荷走行可能距離とを表示する表示器とを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記走行データとして、過去所定期間内において前記車両が実際に走行した記録となる走行データを用いることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示器内に、
前記標準走行可能距離を算出するときの基礎となる前記電装品の、前記ある共通の状況での想定された前記作動の状態を示す負荷状態表示部と、
前記負荷状態表示部の周辺に設けられ、前記標準走行可能距離を表示する標準走行可能距離表示部と、
前記標準走行可能距離表示部に隣接して設けられ前記全負荷走行可能距離を表示する全負荷走行可能距離表示部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記車両の始動時に操作される始動スイッチの操作信号が、前記全負荷状況算出手段と前記標準状況算出手段とに導かれ、前記標準状況算出手段は、前記操作信号に基づいて前記標準走行可能距離を算出し、前記全負荷状況算出手段は、前記操作信号に基づいて前記全負荷走行可能距離を算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記特定の状況で作動すると想定される前記車両内の予め定めた複数の前記電装品は、少なくとも、空調装置と、ヘッドライトと、ヒータ装置と、前記車両を駆動する走行用モータからなり、
前記特定の状況と関連付けられた前記消費電力情報は、前記空調装置がON状態であり、前記ヘッドライトがON状態であり、前記ヒータ装置がON状態であり、前記車両が前記走行用モータで登坂路を走行する状態での各々の消費電力情報からなり、
前記共通の状況と関連付けられた前記消費電力情報は、前記空調装置がON状態であり、前記ヘッドライトがOFF状態であり、前記ヒータ装置がOFF状態であり、前記車両が平坦路を走行する状態での各々の消費電力情報からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ヒータ装置は、前記車両の窓の結露を除去するデフォッガ用ヒータ装置、および前記車両室内を暖房する暖房用補助ヒータ装置のうち、少なくともいずれか一方からなることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記標準走行可能距離を算出するときの基礎となる前記電装品の前記ある共通の状況での想定された前記作動の状態を変更するスイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記標準走行可能距離表示部と全負荷走行可能距離表示部とは、前記標準走行可能距離と、前記全負荷走行可能距離とをバーグラフで表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項9】
前記車両の累積走行距離を表示する累積走行距離計の累積走行距離を数字表示する8字状の表示セグメントを使用して、前記バーグラフで表示することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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