説明

表示装置

【課題】 視覚的演出効果のある表示装置を提供する。
【解決手段】 上位階層メニュー33と上位階層メニューの下位の階層となる下位階層メニュー34とを表示可能な表示手段30と、この表示手段30を動作させる制御手段20とを備えた表示装置において、制御手段20は、上位階層メニュー33に表示されている上位階層表示項目P2の表示切替を促す項目切替指示信号を入力手段10を介して受信すると、項目切替指示信号に基づいて上位階層表示項目P2が動き始めてから所定時間経過後、下位階層メニュー34に表示されている下位階層表示項目P3が動き始めるように、表示手段30を表示動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位階層メニューとこの上位階層メニューの下位の階層となる少なくとも1つ以上の下位階層メニューとを表示可能な表示手段と、この表示手段を動作させる制御手段とを備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の表示装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の表示装置は、上位階層メニューとこの上位階層メニューの下位の階層となる2つの下位階層メニューとを表示可能な表示手段と、この表示手段を動作させるマイクロコンピュータからなる制御手段とを備え、ユーザが表示手段に表示されている上位階層メニューの項目を所定の入力手段を利用して選択すると、この選択された上位階層メニューの項目に加えて、かかる選択項目に関連する円筒形を模した2つの下位階層メニューが表示手段に同時に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−258947号公報
【0004】
ところで、例えば上位階層メニューの項目として「ラジオ」を挙げると、上位階層メニューの下位の階層となる第1の下位階層メニューの表示項目としてはバンド名に関する項目(つまり「AM」や「FM」といった項目)が挙げられ、また第1の下位階層メニューの下位の階層となる第2の下位階層メニューの表示項目としてはラジオ局名に関する項目(つまり「NHK第1」、「NHK新潟第2」、「FM新潟」、「FM PORT」といった項目)が挙げられる。
【0005】
なお、前記上位階層メニューを除いた第1、第2の下位階層メニューのみに着目すれば、上述の第1の下位階層メニューが上位階層メニューに該当し、上述の第2の下位階層メニューが下位階層メニューに該当することになる。そこで、以下の説明では、バンド名に関する項目が上位階層メニューの表示項目であり、且つ、ラジオ局名に関する項目が下位階層メニューの表示項目であると仮定する。
【0006】
ここで、例えば上位、下位階層メニューとして、「AM」及び「NHK第1」なる表示項目が「ラジオ」なる最上位階層メニューとともに表示手段に並設され、この状態からユーザが前記入力手段を利用して上位階層メニューを「AM」なる表示項目から「FM」なる表示項目へと切り替えた場合(つまりユーザが前記入力手段を操作することに伴う上位階層メニュー項目切替のための項目切替指示信号を制御手段が受信すると)、制御手段は表示手段の表示制御を行う。
【0007】
つまり、表示手段に並設された「AM」及び「NHK第1」なる表示項目が下側に同時に動き始め、やがて「AM」及び「NHK第1」なる表示項目が非表示状態となり、「FM」及び「FM新潟」なる表示項目が表示手段に並設される状態となる。
【0008】
この際、表示手段に並設された「FM」及び「FM新潟」なる表示項目は、「AM」及び「NHK第1」なる表示項目と同様に同時に動くように表示制御され、表示手段の上方側から先程まで「AM」及び「NHK第1」なる表示項目が表示されていた初期表示位置(通常表示位置)へと移動し、やがて「FM」及び「FM新潟」なる表示項目は前記通常位置にて静止状態となる。そして、車内に搭載されているオーディオからは「FM新潟」が放送しているラジオ番組が流れ、ユーザはこれを聴取することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のように上位階層メニューの表示項目の切替え時に、上位階層メニューの表示項目とこの上位階層メニューの表示項目に並設された下位階層メニューの表示項目とが同時に動くだけでは、面白みのない単調な表示演出となってしまい、視覚的演出効果が不十分であり、この点で更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、視覚的演出効果のある表示装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上位階層メニューと前記上位階層メニューの下位の階層となる少なくとも1つ以上の下位階層メニューとを表示可能な表示手段と、前記表示手段を動作させる制御手段とを備えた表示装置において、前記制御手段は、前記上位階層メニューに表示されている上位階層表示項目の表示切替を促す項目切替指示信号を所定の入力手段を介して受信すると、前記項目切替指示信号に基づいて前記上位階層表示項目が動き始めてから所定時間経過後、単一の前記下位階層メニューに表示されている単一の下位階層表示項目が動き始めるか、もしくは複数個の前記下位階層メニューに表示されている複数個の下位階層表示項目が同時に動き始めるように、前記表示手段を表示動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、視覚的演出効果のある表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態による表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態による入力手段を示す図。
【図3】同実施形態による表示手段に表示される階層毎の表示項目を示す図。
【図4】同実施形態による上位階層表示項目、下位階層表示項目の時間的変位量を示す特性曲線図。
【図5】(a)は図3の状態から右カーソルボタンが押圧操作された後の(図4中、時刻T1における)表示手段の正面図であり、(b)は図4中、時刻T2における表示手段の正面図であり、(c)は図4中、時刻T3における表示手段の正面図であり、(d)は図4中、時刻T4における表示手段の正面図であり、(e)は図4中、時刻T5における表示手段の正面図であり、(f)は上位階層表示項目が切替表示された後の表示手段の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図5に基づいて本発明の実施形態を例えば車載用の表示装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0014】
図1において、本実施形態による車載用表示装置としての表示装置Aは、操作手段(入力手段)10と、制御手段20と、表示手段30と、制御対象ユニット40とから主に構成されている。また表示装置Aは、車両に搭載された外部接続機器としての制御対象機器50と接続されている。
【0015】
操作手段10は、例えば複数個の操作部を有する押しボタン式の操作スイッチからなり、車両の運転席に着座した運転手が把持するステアリングの所定箇所に設けられている。かかる操作手段10は、図2に示すように上カーソルボタン11と、下カーソルボタン12と、左カーソルボタン13と、右カーソルボタン14と、決定ボタン15とを備えている。
【0016】
この場合、決定ボタン15は、操作手段10の略中央部に設けられるととともに決定ボタン15の上側に三角形状に形成された上カーソルボタン11が位置し、決定ボタン15の下側に逆三角形状に形成された下カーソルボタン12が位置し、決定ボタン15の左側に三角形状に形成された左カーソルボタン13が位置し、決定ボタン15の右側に三角形状に形成された右カーソルボタン14が位置している。
【0017】
また、操作手段10は、制御対象ユニット40と制御対象機器50の動作状態や設定内容を決定するために後述する操作選択画面を操作する操作入力信号を制御手段20に入力するものである。なお、操作手段10は、押しボタン式ではなく、タッチパッドやジョイスティック型スイッチ等の操作スイッチを採用することも可能である。
【0018】
制御手段20は、ROM、CPU、RAM及び入出力インターフェイス等を有するマイクロコンピュータからなり、本実施形態の場合、詳細図示は省略するが、表示装置Aに備えられる回路基板に実装(配設)され、操作手段10(各カーソルボタン11〜14並びに決定ボタン15)の押圧操作に伴う前記操作入力信号を受信可能に設けられ、前記操作入力信号を受信すると、前記操作入力信号に基づいて表示手段30に表示される画面表示データを生成し、前記画面表示データに基づき表示手段30を動作させる。
【0019】
つまり、制御手段20は、前記操作入力信号に基づいて前記画面表示データの表示状態を変化させるべく表示手段30に指令信号を出力する制御を行うことになるが、例えば前記画面表示データの表示状態に応じて制御対象ユニット40や制御対象機器50の動作状態をも変更することが決定された場合、制御手段20は、前記指令信号に加えて、制御対象ユニット40や制御対象機器50を制御するための制御信号を出力する。
【0020】
表示手段30は、各種情報(つまり前記画面表示データ)を表示する受光型の液晶表示パネルや自発光型の有機ELパネル等からなり、例えば車両のインストルメントパネル(以下、インパネと言う)上に載置されている。そして、本実施形態の場合、表示手段30には、図3に示すように、前記画面表示データに基づく操作選択画面31が表示される。
【0021】
かかる操作選択画面31は、本実施形態の場合、3つの円筒形を模した階層メニューによって構成されており、具体的には最上位階層メニュー32と、この最上位階層メニュー32の下位の階層となる上位階層メニュー33と、この上位階層メニュー33の下位の階層となる下位階層メニュー34とを表示可能に構成されている。ここで、個々の階層メニュー32〜34は、表示手段30の長手方向に沿い、円筒面があたかもあるような画面となっている。
【0022】
例えば操作選択画面31には、初期表示状態として、「ラジオ」なる最上位階層表示項目P1が最上位階層メニュー32に表示され、「AM」なる上位階層表示項目P2がバンド名に関する項目として上位階層メニュー33に表示され、「NHK第1」なる下位階層表示項目P3がラジオ局名に関する項目として下位階層メニュー34に表示される。なお、以下の説明では、初期表示状態として図3中、操作選択画面31にて表示される画面を通常表示画面と定義する。
【0023】
なお、前記通常表示画面において、最上位階層メニュー32に表示される「ラジオ」なる最上位階層表示項目P1と上位階層メニュー33に表示される「AM」なる上位階層表示項目P2とは並設され、且つ、上位階層メニュー33に表示される「AM」なる上位階層表示項目P2と下位階層メニュー34に表示される「NHK第1」なる下位階層表示項目P3とは並設された状態となっている。
【0024】
つまり、このことは「ラジオ」なる最上位階層表示項目P1と「AM」なる上位階層表示項目P2と「NHK第1」なる下位階層表示項目P3との三者は横一列に並ぶように設けられていることを意味している。
【0025】
また、前記通常表示画面において、最上位階層メニュー32に表示される「ラジオ」なる最上位階層表示項目P1の位置は、最上位階層メニュー32の上端面の所定位置と最上位階層メニュー32の下端面の所定位置とを結ぶ垂直ラインの中間地点(つまり図3中、最上位階層メニュー32を上下に2等分する仮想ラインとなる仮想中央ラインL上)に位置しているものとする。また、前記通常表示画面において、「ラジオ」なる最上位階層表示項目P1の上下には、最上位階層表示項目P1をサンドイッチする(挟む)ように一対のカーソル35が表示されている。
【0026】
制御対象ユニット40は、本実施形態の場合、ラジオチューナーユニットからなるとともに、制御対象機器50は、本実施形態の場合、車両に搭載されたオーディオ機器ユニットからなる。これら制御対象ユニット40や制御対象機器50は、操作選択画面31の状態に応じてその動作や設定内容が制御されるようになっている。
【0027】
次に、本実施形態における表示装置Aの動作を図4、図5に基づいて説明する。例えば車両の運転席に着座したユーザ(車両利用者)がイグニッションスイッチをオン操作すると、制御手段20は、表示手段30の操作選択画面31に前記通常表示画面に対応した表示画面を表示させるべく、前記指令信号を表示手段30を駆動するために設けられた表示用駆動回路(図示省略)に出力する。
【0028】
そして、前記表示用駆動回路は前記指令信号の入力に基づいて表示手段30を駆動(動作)させる駆動信号を出力する。すると、表示手段30は前記駆動信号を受けて動作し、これにより表示手段30の操作選択画面31には前記通常表示画面に対応した表示画面(つまり図3に示すような「ラジオ」なる最上位階層表示項目P1と「AM」なる上位階層表示項目P2と「NHK第1」なる下位階層表示項目P3と最上位階層表示項目P1の上下に位置する一対のカーソル35とがユーザ側から視認可能な通常表示画面)が表示される。
【0029】
ここで、制御手段20は、ユーザが操作手段10に備えられる右カーソルボタン14を押圧操作したことを示す操作入力信号を受信すると、この操作入力信号に基づいて一対のカーソル35を上位階層表示項目P2を挟む位置へと表示移動させるべく、前記表示用駆動回路に指令信号を出力する。前記表示用駆動回路は、この指令信号を受けて、表示手段30を駆動させる駆動信号を出力し、これにより図5(a)に示すように操作選択画面31には上位階層表示項目P2の上下に一対のカーソル35が表示される。
【0030】
なお、この状態から、ユーザが左カーソルボタン13を押圧操作すると、上位階層表示項目P2の上下に位置しているカーソル35が最上位階層表示項目P1の上下へと移動することは言うまでもない。
【0031】
次に、図5(a)に示すような各表示項目P1〜P3が操作選択画面31に表示されている状態から、「AM」なる上位階層表示項目P2を例えば「FM」なる他の上位階層表示項目P4へと変更したい場合には、ユーザは下カーソルボタン12を押圧操作することになる。
【0032】
つまり、このとき、制御手段20は、下カーソルボタン12を押圧操作したことを示す操作入力信号である項目切替指示信号を受信し(換言すれば上位階層表示項目P2の表示切替を促す項目切替指示信号を入力手段10を介して受信し)、この項目切替指示信号に基づいて上位階層表示項目P2が動き始めてから所定時間の経過後、下位階層メニュー34に表示されている単一の下位階層表示項目P3が動き始めるように、表示手段30を表示動作させる制御を行う。
【0033】
ここで、制御手段20は、表示手段30を駆動するために設けられた前記表示用駆動回路に図4に示すグラフ特性(上位/下位階層表示項目の時間的変位量特性曲線)に基づく遅延指令信号を出力する。そして、前記表示用駆動回路は、この遅延指令信号を受けて表示手段30を動作させる。
【0034】
なお、図4において、Xは上位階層表示項目P2の時間的変位量特性曲線を示すグラフであり、Yは下位階層表示項目P3の時間的変位量特性曲線を示すグラフである。以下、制御手段20からの前記遅延指令信号に基づく操作選択画面31の表示動作(別の言い方をすれば、上位階層表示項目P2が「AM」なる表示項目から「FM」なる表示項目へと切り替わるまでの操作選択画面31の表示変化)について説明する。
【0035】
まず、図4中、時刻T1において、両特性曲線X、Yともに変位量は0(零)であるので、表示手段30の操作選択画面31には、図5(a)に示すように各表示項目P1〜P3が仮想中央ラインL上に表示されている。
【0036】
そして、時刻T1から所定時間(例えば0.1秒)が経過した時刻T2において、上位階層表示項目P2に対応する時間的変位量特性曲線Xの変化量がC1であるとともに下位階層表示項目P3に対応する時間的変位量特性曲線Yの変化量が0であるので、図5(b)に示すように「AM」なる上位階層表示項目P2のみが仮想中央ラインLの下方側に若干、移動(変位)する。この際、「AM」なる上位階層表示項目P2は、あたかも円筒外表面上を回転しているような表示変化が行われる。
【0037】
また、このとき、制御手段20は、制御対象機器50(制御対象ユニット40)の動作を停止させるような制御信号を出力し、かかる制御信号を受けて例えば制御対象機器50からはラジオ音声(AM音声)が出力されない状態となっている。
【0038】
なお、図4において、時刻T2から所定時間(例えば0.1秒)が経過した時刻T3までの間は、時間的変位量特性曲線Yの変化量は依然として0のままであり、また時間的変位量特性曲線Xが時間とともに変位量が増加する一次関数直線となっていることから、「AM」なる上位階層表示項目P2のみが図5(b)の状態よりもさらに下方側に移動する(図5(c)参照)。
【0039】
次に、時刻T3から所定時間(例えば0.1秒)が経過した時刻T4においては、上位階層表示項目P2に対応する時間的変位量特性曲線Xの変化量がC2であるとともに下位階層表示項目P3に対応する時間的変位量特性曲線Yの変化量D1が前述した変化量C1と略同一であるので、図5(d)に示すように「AM」なる上位階層表示項目P2が図5(c)の状態よりもさらに下方側に移動すると同時に、「NHK第1」なる下位階層表示項目P3が仮想中央ラインLの下方側に若干、移動(変位)する。この際、「NHK第1」なる下位階層表示項目P3は、上位階層表示項目P2と同様に、あたかも円筒外表面上を回転しているような表示変化が行われる。
【0040】
次に、時刻T4から所定時間(例えば0.1秒)が経過した時刻T5においては、上位階層表示項目P2に対応する時間的変位量特性曲線Xの変化量がC3であって、且つ、下位階層表示項目P3に対応する時間的変位量特性曲線Yの変化量がD2となっている。
【0041】
この際、時間的変位量特性曲線Xにおける変位量C3は、上位階層表示項目P2が操作選択画面31から消失するような変位量に対応しており、これにより時刻T5においては、図5(e)に示すように「AM」なる上位階層表示項目P2が操作選択画面31から消失し、一方、時間的変位量特性曲線Yは時間とともに変位量が増加する一次関数直線となっていることから、「NHK第1」なる下位階層表示項目P3が図5(d)の状態よりもさらに下方側に移動する。
【0042】
なお、本実施形態では、図5(e)に示す時刻T5以降の操作選択画面31の表示動作に関する詳しい説明は省略するが、時刻T5から所定時間(例えば0.2秒)が経過した時刻T6においては、時間的変位量特性曲線Yにおける変位量D3が前述した変化量C3と略同一となっていることから、「AM」なる上位階層表示項目P2だけではなく「NHK第1」なる下位階層表示項目P3も操作選択画面31から消失した状態となる。
【0043】
そして、この状態から所定時間(例えば0.2秒)が経過した後、最終的には、例えば図5(f)に示すように「FM」なる他の上位階層表示項目P4並びに「FM新潟」なる他の下位階層表示項目P5が仮想中央ラインL上に位置するように、他の上位階層表示項目P4と他の下位階層表示項目P5とが操作選択画面31に表示される構成となっている。
【0044】
ここで、他の上位階層表示項目P4並びに他の下位階層表示項目P5の表示動作は、上述したように下位階層表示項目P3が上位階層表示項目P2の移動に追従しながら移動するのと同様な表示動作がなされる。
【0045】
具体的には、まず下位階層表示項目P3が操作選択画面31から消失すると同時に「FM」なる他の上位階層表示項目P4のみが仮想中央ラインLの上方側に現出し始め、他の上位階層表示項目P4が仮想中央ラインLに向かって下方側に移動し始める。
【0046】
すると、やがて他の下位階層表示項目P5が仮想中央ラインLの上方側に現出し始め、他の下位階層表示項目P5は他の上位階層表示項目P4の移動に追従するように仮想中央ラインLに向かって下方側に移動し、最終的に、「FM」なる他の上位階層表示項目P4が仮想中央ラインL上にて静止した後、追従するように「FM新潟」なる他の下位階層表示項目P5が仮想中央ラインL上にて静止する構成となっている。
【0047】
なお、この状態で、ユーザが決定ボタン15を押圧操作した場合、制御手段20は制御対象機器50(または制御対象ユニット)を動作させるような制御信号を出力し、これを受け取った制御対象機器50等からは「FM新潟」が放送しているラジオ番組が流れ、ユーザはこれを聴取することができる。
【0048】
以上により、ユーザによる下カーソルボタン12の押圧操作に基づき、例えば上位階層メニュー33の表示項目(上位階層表示項目P2)が「AM」から他の上位階層表示項目P4である「FM」へと円筒外表面上を回転するように切り替え表示されると同時に、上位階層表示項目P2の表示変化に追従するように下位階層メニュー34の表示項目(下位階層表示項目P3)が「NHK第1」から他の下位階層表示項目P5である「FM新潟」へと円筒外表面上を回転するように切り替え表示される構成となる。
【0049】
以上のように本実施形態では、上位階層メニュー33とこの上位階層メニュー33の下位の階層となる下位階層メニュー34とを表示可能な表示手段30と、この表示手段30を動作させる制御手段20とを備えた表示装置において、制御手段20は、上位階層メニュー33に表示されている「AM」なる上位階層表示項目P2の表示切替を促す前記項目切替指示信号を入力手段10を介して受信すると、前記項目切替指示信号に基づいて上位階層表示項目P2が動き始めてから所定時間経過後(例えば時刻T1から時刻T3までの時間に相当する0.2秒経過後)、下位階層メニュー34に表示されている「NHK第1」なる下位階層表示項目P3が動き始めるように、表示手段20を表示動作させるものである。
【0050】
従って、上位階層表示項目P2の表示切替が行われる場合にあっては、上位階層表示項目P2の表示位置の変化に追従(連鎖)するように下位階層表示項目P3の表示位置が変化するため、ユーザは上位階層表示項目P2の表示切替操作を行ったことを瞬時に把握することができ、且つ、前記表示切替操作した表示項目(上位階層の表示項目)と追従的に変化する表示項目(下位階層の表示項目)とが従来のように同時に表示変化する(動く)のではなく、時間差を有するように表示変化することから、視覚的演出効果のある表示装置を提供することができる。
【0051】
また本実施形態では、上位階層表示項目P2の表示切替操作時にあっては、カーソル35が上位階層表示項目P2の位置にあるとき、ユーザが下カーソルボタン12を押圧操作することで、上位階層表示項目P2並びに下位階層表示項目P3が仮想中央ラインLの下方側に時間差を有して同時に動くものであったが、これとは逆にユーザが上カーソルボタン11を押圧操作することで、上位階層表示項目P2並びに下位階層表示項目P3が仮想中央ラインLの上方側に時間差を有して同時に動くような構成としてもよい。
【0052】
また本実施形態では、表示手段30が車両のインパネ上に載置された液晶表示パネル等からなる例について説明したが、例えば表示手段30を液晶表示パネルと少なくとも1つの反射ミラー(光学部材)と車両のフロントガラスとからなる投射型表示ユニットとし、液晶表示パネルから発せられる表示光を反射ミラーを通じてフロントガラスに照射し、この照射によって得られた虚像(つまり操作選択画面31からなる表示像)をユーザが視認するような構成としてもよいし、あるいは表示手段30をプロジェクターと少なくとも1つの反射ミラー(光学部材)とインパネの開口部に配設された透過型スクリーンとからなる投射型表示ユニットとし、プロジェクターから発せられる表示光を反射ミラーを通じて透過型スクリーンへと照射し、この照射光が透過型スクリーンを透過することにより得られる実像(つまり操作選択画面31からなる表示像)をユーザが視認するような構成としてもよい。
【0053】
また本実施形態では、最上位階層メニュー32の最上位階層表示項目P1を「ラジオ」とし、上位階層メニュー33の上位階層表示項目P2を「AM」あるいは「FM」とし、下位階層メニュー34の下位階層表示項目P3を「NHK第1」あるいは「FM新潟」とした例について説明したが、例えば最上位階層メニュー32(最上位階層表示項目P1)を携帯電話や携帯型音楽プレーヤー等からなる音源とし、上位階層メニュー33(上位階層表示項目P2)をアーティスト名とし、下位階層メニュー34(下位階層表示項目P3)を曲名としてもよい。なお、この場合、制御対象ユニット40としてはSDカード等に格納されている音楽データを再生する音楽プレーヤーまたはナビゲーションユニットが挙げられ、制御対象機器50としては携帯電話や携帯型音楽プレーヤーが挙げられる。また、操作選択項目31に、ラジオに関する階層化されたメニューと音楽に関する階層化されたメニューとを上下に表示させる構成としてもよい。
【0054】
なお本実施形態では、上位階層メニュー33の下位の階層となる下位階層メニュー34が1つ(単一)の階層メニューからなる例について説明したが、例えば上位階層メニュー33の下位の階層として2つ以上(複数個)の下位階層メニューを設け、上位階層メニュー33に表示されている上位階層表示項目P2の表示変化に追従するように複数個の下位階層メニューに表示されている複数個の下位階層表示項目が同時に動き始める(表示変化する)ような構成としてもよい。
【0055】
つまり、この場合、表示手段30は、上位階層メニュー32とこの上位階層メニュー32の下位の階層となる前記複数個の下位階層メニューとを表示可能に構成され、制御手段20は、前記項目切替指示信号を受信すると(換言すれば上位階層表示項目P2の表示切替を促す前記項目切替指示信号を入力手段10を介して受信すると)、前記項目切替指示信号に基づいて上位階層表示項目P2が動き始めてから前記所定時間経過後、前記複数個の下位階層メニューに表示されている前記複数個の下位階層表示項目が同時に動き始めるように、表示手段30を表示動作させる制御を行うことになる。
【符号の説明】
【0056】
10 操作手段(入力手段)
11 上カーソルボタン
12 下カーソルボタン
13 左カーソルボタン
14 右カーソルボタン
15 決定ボタン
20 制御手段
30 表示手段
31 操作選択画面
32 最上位階層メニュー
33 上位階層メニュー
34 下位階層メニュー
35 カーソル
40 制御対象ユニット
50 制御対象機器
L 仮想中央ライン
P1 最上位階層表示項目
P2 上位階層表示項目
P3 下位階層表示項目
P4 他の上位階層表示項目
P5 他の下位階層表示項目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位階層メニューと前記上位階層メニューの下位の階層となる少なくとも1つ以上の下位階層メニューとを表示可能な表示手段と、
前記表示手段を動作させる制御手段とを備えた表示装置において、
前記制御手段は、前記上位階層メニューに表示されている上位階層表示項目の表示切替を促す項目切替指示信号を所定の入力手段を介して受信すると、
前記項目切替指示信号に基づいて前記上位階層表示項目が動き始めてから所定時間経過後、単一の前記下位階層メニューに表示されている単一の下位階層表示項目が動き始めるか、もしくは複数個の前記下位階層メニューに表示されている複数個の下位階層表示項目が同時に動き始めるように、前記表示手段を表示動作させることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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