表示装置
【課題】 奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく表示内容の理解が容易となる表示の種類をより多く得ることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】
表示装置は、ユーザーが実像を視認可能な第1表示装置1、2と、第1表示装置の実像1、2と異なる表示内容を表示可能な表第2示器3と、第1表示装置1、2と第2表示器3との間に配置されて第1表示装置1、2の実像を透過し、かつ第2表示器3に表示された表示内容を反射してこの反射方向とは逆方向の位置に像Vを形成し、実像と像をユーザーに見せるハーフ・ミラー6と、第2表示器3の奥側端部分および手前側端部分の各位置をハーフ・ミラー6に対し独立して変位させることが可能な表示器変位機構4と、備える。
【解決手段】
表示装置は、ユーザーが実像を視認可能な第1表示装置1、2と、第1表示装置の実像1、2と異なる表示内容を表示可能な表第2示器3と、第1表示装置1、2と第2表示器3との間に配置されて第1表示装置1、2の実像を透過し、かつ第2表示器3に表示された表示内容を反射してこの反射方向とは逆方向の位置に像Vを形成し、実像と像をユーザーに見せるハーフ・ミラー6と、第2表示器3の奥側端部分および手前側端部分の各位置をハーフ・ミラー6に対し独立して変位させることが可能な表示器変位機構4と、備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、奥行き感を持たせた表示が可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
奥行き感のある表示を行う従来の表示装置の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。この表示装置では、第1表示器にて表示する情報をハーフ・ミラーで反射してその虚像をユーザーに見せるとともに、実像にて情報を表示する第2表示器を第1表示器の後ろ位置で後方に向けて傾斜させ、この中途位置が虚像の中途位置で横から見てX字状に交差するようにすることにより、虚像の中途位置より上方の部分が実像の中途位置より上方の部分に対し奥側に見え、虚像の中途位置より下方の部分が実像の中途位置より下方の部分に対し手前側に見えるようにしている。
【0003】
また、別の従来のこの種の表示装置として、特許文献2に記載のものが知られている。この表示装置では、スピード・メータ等の基本機能をアナログ表示する2個のアナログメータ部の中間位置の手前で、これらのアナログメータ部に重なる形で表示内容が視認可能となるように有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等からなる表示器が配置されるとともに、この表示器自身をこの表示面と平行に配置した回転軸周りに回転移動させる表示器進退機構が設けられ、表示画像に応じて表示器を視認方向の前側または後側に傾斜させた状態にすることで、表示面の上下に遠近感を持たせるようにしている。また、表示器で警告表示することもでき、その場合、表示器は直立動作させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−234442号公報
【特許文献2】特開2008−30638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の表示装置には、それぞれ以下に説明するような問題がある。
まず、前者の従来装置にあっては、虚像が常に前後に傾いた状態、すなわち上方側は下側より遠方で小さく見える状態で表示されるため、前方を走行している車両の像を表示するような場合には自然に見えるものの、走行距離の表示等にあっては表示部分が上になるほど像が小さくなることから、このような表示は自然ではなく、また必然性もないので、ドライバ等のユーザーによっては違和感が生じることがある。このように、前者の従来装置では、表示内容に合わせて違和感がなく表示できる表示の種類がかなり限られてしまうといった問題がある。
【0006】
一方、後者の従来装置にあっては、表示器の表示面が平面であり表示器を傾斜させるだけなので、その表示はたとえば地図上の地表の一部を俯瞰的に切り出すような表示内容だけに限られてしまう。また、警告時のときの表示のように、表示器の回転動作をつけて強調するが、そのため表示に傾斜を付け過ぎた状態では表示内容が視認しづらく、またそのような警告のための回転動作といった挙動ではユーザーになじみが薄く、その意図が伝わりにくい。このように、後者の従来装置でも、表示内容に合わせて違和感がなく表示できる表示の種類がかなり限られてしまうといった問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく、かつ表示内容の理解が容易となる表示の種類をより多く得ることが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、請求項1に記載の本発明による表示装置は、
ユーザーが実像を視認可能な第1表示装置と、
この第1表示装置の実像とは異なる表示内容を表示可能な第2表示器と、
第1表示装置と第2表示器との間に配置されて、第1表示装置の実像を透過し、かつ表示器に表示された表示内容を反射してこの反射方向とは逆方向の位置に像を形成し、実像と像をユーザーに見せるハーフ・ミラーと、
第2表示器の奥側端部分および手前側端部分のそれぞれの位置をハーフ・ミラーに対し独立して変位させることが可能な表示器変位機構と、
備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明による表示装置は、
請求項1に記載の表示装置において、
表示器変位機構が、
第2表示器の奥側端部分に取り付けられた第1アーム付きリンクと、
第2表示器の手前端側位置に取り付けられた第2アーム付きリンクと、
第1アーム付きリンクを回転駆動可能な第1アクチュエータと、
第2アーム付きリンクを回転駆動可能な第2アクチュエータと、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明による表示装置は、
請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
表示器変位機構が、像を第1表示装置による実像の手前、奥側へ変位可能である、
ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明による表示装置は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置において、
表示器変位機構が、像を第1表示装置による実像に対し手前、奥側へ傾斜可能である、
ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の本発明による表示装置は、
表示器変位機構が、像を手前、奥側へ凸となる曲面上に表示可能である、
であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明の表示装置にあっては、像の位置を実像に対し手前側、奥側に移動可能となり、また像の表示を傾斜、変形させることができるようになる結果、奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく、かつ表示内容の理解が容易となる表示の種類を多く得ることが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載の本発明の表示装置にあっては、種々の表示を可能とするように、また表示の形状を変えることができるようにするための第2表示器の変位を、簡単な機構で容易に実行することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の本発明の表示装置にあっては、像を実像の手前、奥側の位置に見せること、また手前〜奥側間で像を移動させながら表示することが可能となり、表示内容に合った表示の形態の選択肢を増やすことが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の本発明の表示装置にあっては、像を第1表示装置による実像に対し手前、奥側へ傾斜させて奥行きある表示を可能となり、表示内容に合った表示の形態の選択肢を増やすことが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の本発明の表示装置にあっては、像を手前あるいは奥側へ凸となる曲面上に表示することで、より奥行きのある表示が可能となり、また狭い表示エリア内に多くの情報をそれらの位置関係が分かりやすくした状態で表示することが可能となり、表示内容に合った表示の形態の選択肢を増やすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る実施例1の表示装置の斜視図である。
【図2】実施例1の表示装置の側面図である。
【図3】実施例1の表示装置において、表示器を平行移動させることで像を車両前後方向(奥側、手前側)の位置に移動させる仕組みを説明するための図であって、(a)は像を手前側に移動させた場合の図、(b)は像を奥側に移動させた場合の図である。
【図4】実施例1の表示装置において、像を前後方向に傾斜させる仕組みを説明するための図である。
【図5】実施例1の表示装置において、像を中央部が手前に、またその上下両側部分が奥側に見えるようにする仕組みを説明するための図である。
【図6】実施例1の表示装置において、像を中央部が奥側に、またその上下両側部分が手前に見えるようにする仕組みを説明するための図である。
【図7】本発明に係る実施例2の表示装置の側面図である。
【図8】各実施例の表示装置において、像を前後に傾斜させて見せるようにした表示例で、(a)はナビゲーションの表示例、(b)は後方接近警報の表示例、(c)はオート・クルーズの表示例をそれぞれ示す図である。
【図9】各実施例の表示装置において、表示器を車両前後方向に傾斜(図8の表示とは逆方向)させて像の上下部分で幅が異なって見えるようにした表示例で、(a)は天気や気温の表示例、(b)はバック・ミラーに相当する後方接近の表示例、(c)は室内モニタによる画像の表示例をそれぞれ示す図である。
【図10】各実施例の表示装置において、像がメータ装置のダイアル表示面より奥側に平行移動させた位置で見えるようにした表示例で、(a)は車両の状態情報の表示例、(b)は空調装置の作動状態の表示例をそれぞれ示す図である。
【図11】各実施例の表示装置において、像がメータ装置のダイアル表示面より手前側に平行移動させた位置で見えるようにした表示例で、(a)は瞬間燃費の表示例、(b)は空調装置の現在の操作状況の表示例をそれぞれ示す図である。
【図12】各実施例の表示装置において、像の中央部分が手前に飛び出して見えるように表示器を下に凸となるように湾曲させた場合の表示例で、(a)はマップの地域選択メニュー項目の表示例を示す図、(b)はその表示斜の視図である。
【図13】図12での表示において像の表示イメージを側方からみた図で、(a)は選択項目数が比較的多い場合の表示を示す図、(b)は選択項目数が比較的少ない場合の表示を示す図である。
【図14】各実施例の表示装置において、像の中央部分が奥に引っ込むように表示器を上に凸となるように湾曲させた場合の表示例で、(a)はマップの使用頻度が小さい地域選択メニュー項目の表示例をそれぞれ正面、側方からみた図、(b)は現在、過去の車両情報の表示例を示す図である。
【図15】各実施例の表示装置において、像の中央部分が奥に引っ込むように表示器を上に凸となるように湾曲させた場合の別の表示例で、(a)は自車前方の視界を表示した場合の斜視図、(b)はその像の正面図である。
【図16】各実施例の表示装置において、緊急時での警報等を表示する場合の表示例を示す図である。
【図17】各実施例の表示装置において、装飾的な表示を行う場合の表示例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例において同じ構成のものについては同じ番号を付し、それらの説明を省略する。
【実施例1】
【0020】
まず、本発明に係る実施例1の表示装置の構成を説明する。
この実施例1の表示装置は、自動車のインストメント・パネルに設けられ、図1および図2に示すように、第1メータ装置1と、第2メータ装置2と、表示器3と、表示器変位機構4と、プロジェクタ5と、ハーフ・ミラー6と、を備え、ドライバに車両情報等の種々の情報を与えるものである。なお、同図中、ドライバの目の位置をEで示してある。
【0021】
第1メータ装置(本発明の第1表示装置に相当)1は、エンジンの回転速度を表示するタコ・メータであって、エンジンの回転速度の数字や目盛等を記載した文字盤上を指針が動き、エンジン回転速度に対応する目盛位置を指す。第2メータ装置(本発明の第1表示装置に相当)2は、第1メータ装置1の横方向(車両幅方向)へ所定距離離した位置に配置されたスピード・メータであって、車速の数字や目盛等を記載した文字盤上を指針が動き、車速に対応する目盛を指す。なお、これら第1メータ装置1および第2メータ装置2にあっては、図を見やすくするため、文字盤の数字、文字、目盛等は省略してある。
【0022】
表示器(本発明の第2表示装置に相当)3は、この下面に表示画像を表示可能で、かつ弾性変形可能なスクリーンで構成され、第1メータ装置1と第2メータ装置2との間の上方位置に配置されている。スクリーンは、後で詳しく説明するが、平面を保ったり、あるいは上に凸あるいは下に凸となる半弧状の曲面になったりして形状変化することが可能であり、さらにその傾斜角が可変であり、その姿勢を変化することも可能である。
【0023】
表示器変位機構4は、表示器3を変形、変位させるための機構であって、それぞれ電気モータで構成された前方配置の第1アクチュエータ41および後方配置された第2アクチュエータ42と、第1アクチュエータ41により回転駆動される第1アーム付きリンク43と、第2アクチュエータ42により回転駆動される第2アーム付きリンク44と、フレーム7(図1では内側が見えて理解しやすいようにするため省略してあり、図2を参照)と、を有する。
【0024】
第1アクチュエータ1と第2アクチュエータ2とは、図示しない制御器に接続され、表示内容に応じて、後述するように、それぞれ独立して回転させられる。これらのアクチュエータ1、2は、インストルメント・パネル側にフレーム7を介して固定され、それら出力軸がそれぞれ第1軸線R1、第2軸線周りに回転可能にされている。第1軸線R1および第2軸線R2は、いずれも第1、第2メータ装置1、2およびハーフ・ミラー6の上方で、それぞれ車両前後に離間した位置で、車両幅方向に沿う。
第1軸線R1上には、第1アーム付きリンク43の一端側の開口先端部分に固定された第1アクチュエータ41の出力軸と、第1アーム付きリンク43の他端側の開口先端部分に固定された第1軸41aと、が配置される。
同様に、第2軸線R2上には、第2アーム付きリンク44の一端側の開口先端部分に固定された第2アクチュエータ42の出力軸と、第2アーム付きリンク44の他端側の開口先端部分に固定された第2軸42aと、が配置される。
【0025】
第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44は、コ字状に形成されて、それぞれ第1軸線R1周りおよび第2軸線R2周りに回転可能とされている。すなわち、第1アーム付きリンク43の幅方向に離れた両方の開口基部側部分には、表示器3の奥側端部分に設けた軸(第3軸線R3を通る)が回動可能に取り付けられる。
同様に、第2アーム付きリンク44の両方の開口基部側部分には、表示器3の手前側端部分に設けられた軸(第4軸線R4を通る)が回動可能に取り付けられている。
この構成により、第3軸線R3は第1軸線R1周りに第1アクチュエータ41にて回動させることができ、また第4軸線R4は第2軸線R2周りに第2アクチュエータ42にて回動させることが可能である。
【0026】
プロジェクタ5は、本実施例ではレーザ・プロジェクタであって、制御器からの信号に応じて表示内容の画像を作り出し、この画像を表示器3の下面に設けた表示面に投影する。プロジェクタ5で作成される画像は、表示器3の姿勢状態、変形状態に応じて、また表示内容のどこを強調するか、どのような形状でどの位置に表示するか(これらの例は後で詳しく説明する)、といったことに合わせて造り出される。すなわち、表示器3が傾斜していたり曲面になっていたりして表示器3の投影映像が歪む場合には、この表示のひずみは表示面3の状態に応じて制御器であらかじめ演算しその結果に応じてプロジェクタ5から投影することで補正することが可能である。
【0027】
この場合、プロジェクタ5の映像は、画素数相当のレーザ光がそれぞれ直進して表示器3およびハーフ・ミラー6での反射で表示をみることになるので、投影像の焦点合わせは不要となり、投影面が斜めに傾いていてもそれぞれの画素をぼやけることなく表示することができ、その結果、像Vがぼやけることもない。
また、
【0028】
ハーフ・ミラー6は、反射光と透過光の強さがほぼ1:1となる平面状の周知のもので、第1メータ装置1および第2メータ装置2の上方位置から手前側へ第1メータ装置1および第2メータ装置2の下端位置の高さ付近まで下方傾斜され、その幅がドライバからみて第1メータ装置1および第2メータ装置2の全範囲をカバーする大きさとする。
【0029】
このハーフ・ミラー6を用いることで、ドライバは、ハーフ・ミラー6を通して第1メート装置1と第2メータ装置2の実像を同時に見ることができる。
一方、プロジェクタ5から第1線L1に沿って表示器3に向けて表示内容を表すレーザ光が投射されると、表示器3上の表示光は、第2線L2に沿って下方に向かい、ハーフ・ミラー6の表面に当たって反射されドライバに第4線L4上の虚像Vとして見えるようになる。
【0030】
この反射はハーフ・ミラー6がミラーとして作用するためで、表示器3からハーフ・ミラー6へ入射位置まで第2線L2に沿って光が進む距離は、ハーフ・ミラー6への表示光の入射位置からハーフ・ミラー6の裏面(車両前方側)に見える像Vの位置までの第3線L3に沿った距離に等しくなる。なお、表示光は、第3線L3に沿って実際に進むわけではなく、ドライバにとって第3線L3に重なる第4線L4(図1では説明上ずらして描いてある)上にミラー効果による虚像として見えることになる。
【0031】
したがって、図1では、第1線L1から第4線L4のうち、実際の光が通る第1線L1、第2線L2、第4線L4のハーフ・ミラー6より手前側の部分をそれぞれ実線で、また実際には光が通らない第3線L3を点線で、また第1、第2メータ装置1、2からの光だけが通る第4線L4のハーフ・ミラー6より奥側の部分を2点鎖線で描いてある。なお、図2以降の図では、第1線L1〜第4線L4はすべて1点鎖線で描いてある。
【0032】
表示器3がドライバからみて、車両幅方向で第1メータ装置1と第2メータ装置2との間に配置されているため、ドライバには、像Vが第1メータ装置1と第2メータ装置2との間で車両前方側すなわち、ハーフ・ミラー6の奥側に見える。このとき、上述したように、第1メータ装置1および第2メータ装置2でのダイアル表示が像Vの左右に同時に一部重なった状態で見えることになる。
【0033】
また、表示器3の位置を移動させて、ここから表示器3の表示光がハーフ・ミラー6に当たる入射位置まで第2線L2に沿って進む距離を変化させると、これに応じてハーフ・ミラー6への入射位置から像Vまでの第3線に沿った距離が変化する。これらの距離は、ミラー効果により常に等しくなる。
すなわち、表示器3をハーフ・ミラー6に対し変位させることでそれら間の距離を変化させると、この変化に応じて像Vが第1メータ装置1と第2メータ装置2のダイアル表示位置(本発明の実像位置に相当)に対し前後した位置に見えることとなる。なお、図1では、像Vが第1メータ装置1、第2メータ装置2とほぼ同じ前後位置にある状態を示している。
【0034】
次に、上記実施例1の表示装置の作用について添付の図とともに説明する。
表示装置により第1、第2のメータ装置ハーフ・ミラー6による実像と、表示器3およびハーフ・ミラー6による虚像とが同時に見えるようになる仕組みは上記で説明したので、以下は、虚像の表示位置を変位させる作用、表示形状の変化させる作用を中心に説明する。
【0035】
まず、図3(a)に示すように、像Vが第1、第2のメータ装置のダイアル表示位置よりさらに奥に見えるように表示するには、第1アクチュエータ41および第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに同時回転駆動して、第3軸線R3と第4軸線R4とが両方とも最上位置にくるようにする。
【0036】
これにより、表示器3も最上位置に平行移動する結果、第2線L2に沿う方向の表示器3の表示面とハーフ・ミラー6との距離が最大となるまで大きくなる。したがって、像Vは、この最大距離に等しい距離分、ハーフ・ミラー6の入射位置から車両前方、すなわち第1、第2のメータ装置1、2のダイアル表示面より奥側に離れた位置に見えるようになる。
【0037】
これに対し、図3(b)に示すように、像Vが第1、第2のメータ装置のダイアル表示位置より手前に見えるように表示するには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに同時回転駆動して、第3軸線R3と第4軸線R4が両方とも最下位置にくるようにする。
【0038】
これにより、表示器3も最下位置に平行する結果、第2線L2に沿う方向の表示器3の表示面とハーフ・ミラー6との距離が最小まで小さくなる。したがって、像Vは、この最小距離に等しい距離分、ハーフ・ミラー6の入射位置から車両前方、すなわち第1、第2のメータ装置のダイアル表示面より手前側に離れた位置に見えるようになる。
【0039】
また、図4に示すように、ドライバにとって、像Vをこの上方部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より奥側に、またその後方部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に傾斜したように見えるようにするには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに回転駆動して、第3軸線R3が最上位置に、また第4軸線R4が最下位置にくるようにして表示器3を傾斜させる。
【0040】
これにより、第2線L2に沿う方向の表示器3の上方部分とハーフ・ミラー6との距離は、上方部分が上側になるほど大きくなるので、この距離に応じて前後移動する像Vはこの上方部分が上側になるほど第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より奥側になる。一方、第2線L2に沿う方向の表示器3の下方部分とハーフ・ミラー6との距離は、下方部分が下側になるほど小さくなるので、この距離に応じて前後移動する像Vはこの下方部分が下側になるほど第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側になる。すなわち、像Vは、第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面に対し、上方側ほど奥側に、また下方側ほど手前側に傾斜した形に見えるようになる。
【0041】
なお、図4の場合とは、逆に第3軸線R3が最下位置に、また第4軸線R4が最上位置にくるようにして表示器3を傾斜させると、像Vは、第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面に対し、上方側ほど手前側に、また下方側ほど奥側に傾斜した形に見えるようになる。
【0042】
また、図5に示すように、像Vをこの中央部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に来、かつその上下両側部分がダイアル表示面より奥側に来るようにして中央部分が膨らむことでこの部分が強調されたように見せるには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに回転駆動して、第3軸線R3が第1軸線R1より手前側上方位置に、また第4軸線R4が第2軸線R2の奥側上方位置に来るようにする。
【0043】
これにより、第3軸線R3と第4軸線R4間の距離が狭くなり、表示器3は下に凸の半弧状の曲線形状となる。すると、第2線L2に沿う方向の表示器3の中央部分とハーフ・ミラー6間の距離が短くなるのに対し、同方向の表示器3の上下両側部分とハーフ・ミラー6間の距離は長くなる。したがって、像Vは、ドライバにとって、中央部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に、かつその上下両側部分がダイアル表示面より奥側に見えこととなり、中央部分が強調されて見えることになる。
【0044】
また、図6に示すように、像Vをこの中央部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より奥側に来、その上下両側部分がダイアル表示面より手前側に来るようにして中央側部分を大きく見せるには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに回転駆動して、第3軸線R3が第1軸線R1より手前側下方位置に、また第4軸線R4が第2軸線R2の奥側下方位置にくるようにする。
【0045】
これにより、第3軸線R3と第4軸線R4間の距離が狭くなり、表示器3は上に凸の半弧状の曲線となる。すると、第2線L2に沿う方向の表示器3の中央部分とハーフ・ミラー6間の距離が大きくなるのに対し、同線に沿う表示器3の上下両側部分とハーフ・ミラー6間の距離は短くなる。したがって、像Vは、ドライバにとって、上下両側部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に、かつその中央部分がダイアル表示面より奥側に見えることとなる。そして、中央部分の表示が大きく、また上下両側部分の表示が小さく見えるようにできる。
【0046】
以上、説明してきたように、実施例1の表示装置にあっては、以下の効果を有する。
実施例1の表示装置にあっては、表示器3を表示器変位機構4によりハーフ・ミラー6に対する距離を変えることで、第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示に対し像Vがその手前、奥側へ移動させた位置で、ダイアル表示の実像と一部が重なるように表示することが可能となる。
この場合、表示器変位機構4により表示器3の傾斜を変えることで、像Vの上下部分が奥側と手前側との反対方向となるように傾斜した像Vを得ることが可能となる。
【0047】
また、表示器3を表示器変位機構4により上に凸、あるいは下に凸の弧状の曲面とすることで、ダイアル表示に対し像の中央部分とその上下両側部分との奥行きを異ならせて表示することが可能となる。
これにより、実施例1の表示装置では、狭い範囲にもかかわらず、より多くの情報を素早く見ることが可能となる。またこの表示にあっては、奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく表示内容の理解が容易となる表示の種類をより増加させることが可能となる。
【0048】
このように実施例1の表示装置にあっては、比較的簡でコンパクトな構成の表示器変位機構4を用いて簡単な制御にて表示器3位置、姿勢、形状を変化させ、表示内容の理解が容易となる表示の種類を多く得ることが可能となる。
【実施例2】
【0049】
次に、本発明に係る実施例2の表示装置について、添付の図に基づいて説明する。
実施例2の表示装置は、図7に示すように、実施例1のプロジェクタ5を無くすとともに、表示器3を実施例1のスクリーンに代えてフレキシブルな有機エレクトロルミネッセンス(EL)を用いる。この有機ELは、図示しない制御器および有機EL駆動回路に接続されて、これらから出力された表示信号により車両情報等の表示を下面側に設けた表示面に直に表示する。その他の構成は、実施例1と同じである。
【0050】
実施例2の表示例にあっても、表示器3の位置、姿勢・形状が実施例1と同様に、表示器変位機構4により変化させられて、ハーフ・ミラー6との距離を変えられることで、実施例1と同様な種々の像Vの位置、表示形状を変化させることが可能となる。
したがって、実施例2の表示装置にあっても、実施例1の同じ効果を得ることができる。また、実施例1のようにプロジェクタ5の設置場所を考慮する必要がなくなり、表示装置の小スペース化することができる。
【0051】
次に、上記実施例1、2の表示装置にて表示される像Vと第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示の実像がドライバにどのように見えるかを示す具体的な表示例について以下に説明する。
【0052】
なお、以下の表示例にあっては、ドライバには、第1、第2メータ装置1、2(文字盤上の表記は図では省略してある)の実像と表示装置による虚像表示による像Vとが一部重なって見えることがある。
像Vはこの表示範囲を示す外枠が図中太線で描いてあるが、この太線部は実際に表示されるものではなく像Vの大きさおよび奥行きの前後関係が分かるようにするためのものであって、実際にはその中の表示部分のみが表示される。また、第1、第2メータ装置1、2と像Vの外枠とが重なる部分、すなわち図中、第1、第2メータ装置1、2の丸いメータ枠内に入っている像Vの外枠の部分は、太線で描いてある部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面の手前側に、細線で描いてある部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面の奥側にあることを示している。
【0053】
まず、図8は、表示装置の表示器3を図4の位置にして像V1〜V3を車両前後方向に傾斜させ、像V1〜V3の上側部分が上側になるほど上記ダイアル表示面より奥側でかつ小さくなり、またその下側部分が下側になるほどダイアル表示面より手前側でかつ大きく表示されるようにした表示例である。
【0054】
同図(a)は、ナビゲーションの表示例で、ナビゲーション・システムから得た情報に基づき、下に自車(自車の後部の意匠で表示)を、上(走行前方を示す)に左折指示マーク(目立つ色の矢印で示される)を、それら間に「200m先」といった案内情報(この場合は文字情報)を、それぞれ表示した例である。
同図(b)は、周辺状況監視システムから得た情報に基づき、自車後方から車両やバイク等が接近していることをドライバへ注意を促すための表示であって、上に自車を、下(自車後方を意味する)に矢印(目立つ色の警告表示)を、それぞれ表示した例である。ここでは、矢印の方向、すなわち同図の例では自車の左後から接近する車両等があることを警告する。
なお、この場合、矢印または像V全体を点滅表示させたり異なる色(赤色など)で表示させたりして、警告表示を強調してドライバに注意を喚起するようにしてもよい。
図(c)は、オート・クルーズ装置から得た情報に基づき、下に自車を、上(前方を意味する)に先行車(自車より小さい車両後部の意匠で表示)を、それぞれ表示した例である。
【0055】
図9は、表示装置の表示器3を図4の場合とは逆方向に傾斜させた場合の例で、自車を周りの天気、外気温などの自車周りの状況、ドライバの肩越しに見える情報などといった周辺情報を表示するものである。この場合、像V4〜V6の上側部分は、上側になるほどダイアル表示面より手前側で、かつ大きくなり、また下側部分は、下側になるほどダイアル表示面より奥側で、かつ小さく表示される。
【0056】
同図(a)は、下に自車を、上に「くもり」「6℃」という天気・気温の文字情報および曇りの意匠を、それぞれ表示した例である。
同図(b)は、上に自車を、下にバック・ミラーに映っている人の意匠を、それら間に「後方接近」の注意を与える文字情報を、それぞれ表示した例である。この場合も警告表示としてドライバに注意を喚起する上記表示方法を用いてもよい。
同図(c)は、下に自車を、上に室内モニタで映した後部座席の様子の画像と、それら間の「室内モニタ」の文字情報を、それぞれ表示した例である。
【0057】
図10は、表示装置の表示器3を図3(a)の状態位置にした場合で、像V7、V8がダイアル表示面より奥まった位置に平行移動した状態で、車両の状態等が表示示される。
【0058】
同図(a)は、車両の状態表示であって、上に「航続距離X00Km」の文字情報を、この下に「OD・TRIP 計XXKm」(積算走行距離)の文字情報を、それぞれ表示した例である。なお、Xは任意の数を示す。
同図(b)は、空調装置の現在の作動状況表示であって、上に空気吹き出し口の状態を示すマークを、真中にファンが作動中であることを示すファンのマークを、下に「TEMP 24℃」の文字情報を、それぞれ表示した例である。なお、空調装置に関する情報に代えてたとえばオーディオ装置に関する情報など車載機器に関する情報を表示するようにしても良い。
【0059】
図11は、表示装置の表示器3を図3(b)の状態位置にした場合で、像V9、V10がダイアル表示面より手前の位置に平行移動した状態で、車両の状態等が表示示される。
【0060】
同図(a)は、上に「eco」の文字情報を、下に「燃費 17.5Km/l」といった瞬間燃費に関する文字情報を、それぞれ表示した例である。
同図(b)は、空調装置の現在の操作状況表示であって、上に空気吹き出し口の状態を示すマークを、真中にファンが作動中であることを示すファンのマークを、下に「TEMP 24℃」の文字情報を、それぞれ表示した例である。この表示は、現在行っている操作情報に関するものなので、操作が所定時間行われなくなったら、表示が奥に引っ込んで消えるようにしてある。
【0061】
図12は、表示装置の表示器3を図5の位置にして表示器3が下に凸となる曲面に湾曲させた場合で、ナビゲーション・システムでマップの地域選択メニューを表示するようにした例である。
【0062】
同図(a)は、選択可能な各地域のうちの一部であって、像V11の上下方向中央部分(図では「関東」の文字情報)が一番大きく、しかも最も手前に見えるように、また上下方向へ離れるにしたがって表示が小さく、かつ奥側に見えるように表示される。
すなわち、この像V11は斜めからみると、図(b)のような円弧曲面上に表示されたように見える。なお、矢印で示すようにこの像V11を回転させることで、ドライバは上下方向にスクロールされる像を見ることができる。
【0063】
図12での表示方法は、メニュー項目が比較的多いものに向いており、選択項目数が比較的多いときは、図13(a)に示すように、側面からみて大きな円筒体の表面のダイアル面より手前側の部分上に像V12を表示するようにし、選択項目数が比較的少ないときは、同図(b)に示すように、小さな円筒体の表面のダイアル面より手前側の部分上に像V13を表示するようにする
【0064】
図14、15は、表示装置の表示器3を図6の位置にして表示器3が上に凸となる曲面に湾曲させたした場合で、ナビゲーション・システムでマップの地域選択メニューのうち使用頻度が低い項目を表示するようにした像V14〜V16の例である。
【0065】
図14(a)は、選択頻度の少ない選択可能な各地域のうちの一部であって、像V14の上下方向中央部分(図では「関東」の文字情報)が一番大きく、しかも最も奥に見えるように、また上下方向へ離れるにしたがって表示が小さく、かつ手前に見えるように表示される。すなわち、円筒体の内周面側に表示されるようなイメージであり、これも表示を上下にスクロール可能である。
同図(b)は、ナビゲーションにおいて、走行履歴など、現在、過去の状態を示す情報を上下両側部分に示すもので、上には「10:13 ○○通過」との現在の時刻と現在通過の情報を、下には「走行開始より□□Km」と今回の走行距離を、その中間には自車の後部のイメージ図を、それぞれ表示した例である。ここで、上下の文字情報は比較的小さく表示される。なお、この場合、表示の奥側が自車の進行方向を表し、手前側は過去の情報を表示するようにされている。
【0066】
一方、図15は、車両前方を撮像するカメラの映像を第1、第2メータ装置1、2の間に表示させるものであるが、狭い像でできるだけ広い範囲を自然にみせるため、図14の場合と同様に、表示装置の表示器3を図6の位置にして表示器3が上に凸となる曲面に湾曲させる。この状態を示したのが図15(a)である。像V16には自車前方の視界映像とともに、ナビゲーション・システムから得た情報であるすぐ先に信号機のマークと、その交差点の地名、また右折の矢印など案内マークが同時に表示される。同図(b)はその像V16である。
【0067】
この像V16の表示にあっては、表示面の凹部、すなわちその中央部分に地平線が来るように表示する。表示面を傾斜させた場合には地平線より上の表現が難しくなるが、このように凹面表示とすることで、ドライバは下側が道路の走行面で手前から前方へ延びて地平線がある中央が最も遠く、それより上側が高層ビルや空で覆われているように表示される。言い換えると、この場合の像V16にあっては、中央部分が遠くに、またその上下両側部分では近くに見えるようになる。これにより、像V16が自然な感じで表示されるので、周囲の状況を感覚的に視認しやすくなる。
また、表示の大きさは実視界に対し、非常に小さいものの、表示を凹ませることにより、より広い視野範囲のものを、位置関係をよりわかりやすく表示することが可能となる。
【0068】
図16は、緊急の対応が必要な時などに、ドライバに注意を喚起するための表示の一つを示す図である。
同図左側に示すように、像V17を当初ダイアル表示位置より奥に表示し、かつ注意マークを小さく表示していたものを、同図右側に示すように、像V18をダイアル表示位置の手前に移動させ、かつ注意マークを拡大して強調表示するようにする。また、これら間を繰り返し表示したり、あるいは点滅表示させたりするようにしても良い。
【0069】
図17は、表示装置の起動時、終了時における表示を示す。起動時には、同図右側の像V19に示すように、ダイアル表示面より奥にたとえば「Welcome」の文字情報を小さく表示を行い、次第に同図右側に示す像V20のように、手前側に近づいて来、最終的にダイアル表示面の手前に上記以文字情報を移動とともに次第に拡大していくように表示するようにする。
終了時には、上記起動時とは逆に像をダイアル表示面の手前から奥へと移動させ、この移動とともに上記以文字情報が次第に小さくなってように表示するようにし、最後に表示が消えるようにする。
【0070】
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
【0071】
たとえば、表示器3は、上記実施例のものに限られず、他の種類のものであっても良い。また、第1メータ装置1、第2メータ装置2の代わりに他の実像をドライバに見せるものであっても良い。
【0072】
表示内容、またこれに合わせた像の表示形態は上記実施例のものに限られず、その他種々の内容、組み合わせが可能である。
【0073】
本発明の情報表示装置は、自動車用の表示装置に限られず、その他の車両用表示装置、車両以外の表示装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 第1メータ装置(第1表示装置)
2 第2メータ装置(第1表示装置)
3 表示器(第2表示装置)
4 表示器変位機構
5 プロジェクタ
6 ハーフ・ミラー
7 フレーム
41 第1アクチュエータ
41a 第1軸
42 第2アクチュエータ
42a 第2軸
43 第1アーム付きリンク
44 第2アーム付きリンク
L1 第1線
L2 第2線
L3 第3線
L4 第4線
R1 第1軸線
R2 第2軸線
R3 第3軸線
R4 第4軸線
V、V1〜V20 像
【技術分野】
【0001】
本発明は、奥行き感を持たせた表示が可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
奥行き感のある表示を行う従来の表示装置の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。この表示装置では、第1表示器にて表示する情報をハーフ・ミラーで反射してその虚像をユーザーに見せるとともに、実像にて情報を表示する第2表示器を第1表示器の後ろ位置で後方に向けて傾斜させ、この中途位置が虚像の中途位置で横から見てX字状に交差するようにすることにより、虚像の中途位置より上方の部分が実像の中途位置より上方の部分に対し奥側に見え、虚像の中途位置より下方の部分が実像の中途位置より下方の部分に対し手前側に見えるようにしている。
【0003】
また、別の従来のこの種の表示装置として、特許文献2に記載のものが知られている。この表示装置では、スピード・メータ等の基本機能をアナログ表示する2個のアナログメータ部の中間位置の手前で、これらのアナログメータ部に重なる形で表示内容が視認可能となるように有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等からなる表示器が配置されるとともに、この表示器自身をこの表示面と平行に配置した回転軸周りに回転移動させる表示器進退機構が設けられ、表示画像に応じて表示器を視認方向の前側または後側に傾斜させた状態にすることで、表示面の上下に遠近感を持たせるようにしている。また、表示器で警告表示することもでき、その場合、表示器は直立動作させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−234442号公報
【特許文献2】特開2008−30638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の表示装置には、それぞれ以下に説明するような問題がある。
まず、前者の従来装置にあっては、虚像が常に前後に傾いた状態、すなわち上方側は下側より遠方で小さく見える状態で表示されるため、前方を走行している車両の像を表示するような場合には自然に見えるものの、走行距離の表示等にあっては表示部分が上になるほど像が小さくなることから、このような表示は自然ではなく、また必然性もないので、ドライバ等のユーザーによっては違和感が生じることがある。このように、前者の従来装置では、表示内容に合わせて違和感がなく表示できる表示の種類がかなり限られてしまうといった問題がある。
【0006】
一方、後者の従来装置にあっては、表示器の表示面が平面であり表示器を傾斜させるだけなので、その表示はたとえば地図上の地表の一部を俯瞰的に切り出すような表示内容だけに限られてしまう。また、警告時のときの表示のように、表示器の回転動作をつけて強調するが、そのため表示に傾斜を付け過ぎた状態では表示内容が視認しづらく、またそのような警告のための回転動作といった挙動ではユーザーになじみが薄く、その意図が伝わりにくい。このように、後者の従来装置でも、表示内容に合わせて違和感がなく表示できる表示の種類がかなり限られてしまうといった問題もある。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく、かつ表示内容の理解が容易となる表示の種類をより多く得ることが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、請求項1に記載の本発明による表示装置は、
ユーザーが実像を視認可能な第1表示装置と、
この第1表示装置の実像とは異なる表示内容を表示可能な第2表示器と、
第1表示装置と第2表示器との間に配置されて、第1表示装置の実像を透過し、かつ表示器に表示された表示内容を反射してこの反射方向とは逆方向の位置に像を形成し、実像と像をユーザーに見せるハーフ・ミラーと、
第2表示器の奥側端部分および手前側端部分のそれぞれの位置をハーフ・ミラーに対し独立して変位させることが可能な表示器変位機構と、
備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明による表示装置は、
請求項1に記載の表示装置において、
表示器変位機構が、
第2表示器の奥側端部分に取り付けられた第1アーム付きリンクと、
第2表示器の手前端側位置に取り付けられた第2アーム付きリンクと、
第1アーム付きリンクを回転駆動可能な第1アクチュエータと、
第2アーム付きリンクを回転駆動可能な第2アクチュエータと、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明による表示装置は、
請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
表示器変位機構が、像を第1表示装置による実像の手前、奥側へ変位可能である、
ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明による表示装置は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置において、
表示器変位機構が、像を第1表示装置による実像に対し手前、奥側へ傾斜可能である、
ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の本発明による表示装置は、
表示器変位機構が、像を手前、奥側へ凸となる曲面上に表示可能である、
であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明の表示装置にあっては、像の位置を実像に対し手前側、奥側に移動可能となり、また像の表示を傾斜、変形させることができるようになる結果、奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく、かつ表示内容の理解が容易となる表示の種類を多く得ることが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載の本発明の表示装置にあっては、種々の表示を可能とするように、また表示の形状を変えることができるようにするための第2表示器の変位を、簡単な機構で容易に実行することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の本発明の表示装置にあっては、像を実像の手前、奥側の位置に見せること、また手前〜奥側間で像を移動させながら表示することが可能となり、表示内容に合った表示の形態の選択肢を増やすことが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の本発明の表示装置にあっては、像を第1表示装置による実像に対し手前、奥側へ傾斜させて奥行きある表示を可能となり、表示内容に合った表示の形態の選択肢を増やすことが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の本発明の表示装置にあっては、像を手前あるいは奥側へ凸となる曲面上に表示することで、より奥行きのある表示が可能となり、また狭い表示エリア内に多くの情報をそれらの位置関係が分かりやすくした状態で表示することが可能となり、表示内容に合った表示の形態の選択肢を増やすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る実施例1の表示装置の斜視図である。
【図2】実施例1の表示装置の側面図である。
【図3】実施例1の表示装置において、表示器を平行移動させることで像を車両前後方向(奥側、手前側)の位置に移動させる仕組みを説明するための図であって、(a)は像を手前側に移動させた場合の図、(b)は像を奥側に移動させた場合の図である。
【図4】実施例1の表示装置において、像を前後方向に傾斜させる仕組みを説明するための図である。
【図5】実施例1の表示装置において、像を中央部が手前に、またその上下両側部分が奥側に見えるようにする仕組みを説明するための図である。
【図6】実施例1の表示装置において、像を中央部が奥側に、またその上下両側部分が手前に見えるようにする仕組みを説明するための図である。
【図7】本発明に係る実施例2の表示装置の側面図である。
【図8】各実施例の表示装置において、像を前後に傾斜させて見せるようにした表示例で、(a)はナビゲーションの表示例、(b)は後方接近警報の表示例、(c)はオート・クルーズの表示例をそれぞれ示す図である。
【図9】各実施例の表示装置において、表示器を車両前後方向に傾斜(図8の表示とは逆方向)させて像の上下部分で幅が異なって見えるようにした表示例で、(a)は天気や気温の表示例、(b)はバック・ミラーに相当する後方接近の表示例、(c)は室内モニタによる画像の表示例をそれぞれ示す図である。
【図10】各実施例の表示装置において、像がメータ装置のダイアル表示面より奥側に平行移動させた位置で見えるようにした表示例で、(a)は車両の状態情報の表示例、(b)は空調装置の作動状態の表示例をそれぞれ示す図である。
【図11】各実施例の表示装置において、像がメータ装置のダイアル表示面より手前側に平行移動させた位置で見えるようにした表示例で、(a)は瞬間燃費の表示例、(b)は空調装置の現在の操作状況の表示例をそれぞれ示す図である。
【図12】各実施例の表示装置において、像の中央部分が手前に飛び出して見えるように表示器を下に凸となるように湾曲させた場合の表示例で、(a)はマップの地域選択メニュー項目の表示例を示す図、(b)はその表示斜の視図である。
【図13】図12での表示において像の表示イメージを側方からみた図で、(a)は選択項目数が比較的多い場合の表示を示す図、(b)は選択項目数が比較的少ない場合の表示を示す図である。
【図14】各実施例の表示装置において、像の中央部分が奥に引っ込むように表示器を上に凸となるように湾曲させた場合の表示例で、(a)はマップの使用頻度が小さい地域選択メニュー項目の表示例をそれぞれ正面、側方からみた図、(b)は現在、過去の車両情報の表示例を示す図である。
【図15】各実施例の表示装置において、像の中央部分が奥に引っ込むように表示器を上に凸となるように湾曲させた場合の別の表示例で、(a)は自車前方の視界を表示した場合の斜視図、(b)はその像の正面図である。
【図16】各実施例の表示装置において、緊急時での警報等を表示する場合の表示例を示す図である。
【図17】各実施例の表示装置において、装飾的な表示を行う場合の表示例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例において同じ構成のものについては同じ番号を付し、それらの説明を省略する。
【実施例1】
【0020】
まず、本発明に係る実施例1の表示装置の構成を説明する。
この実施例1の表示装置は、自動車のインストメント・パネルに設けられ、図1および図2に示すように、第1メータ装置1と、第2メータ装置2と、表示器3と、表示器変位機構4と、プロジェクタ5と、ハーフ・ミラー6と、を備え、ドライバに車両情報等の種々の情報を与えるものである。なお、同図中、ドライバの目の位置をEで示してある。
【0021】
第1メータ装置(本発明の第1表示装置に相当)1は、エンジンの回転速度を表示するタコ・メータであって、エンジンの回転速度の数字や目盛等を記載した文字盤上を指針が動き、エンジン回転速度に対応する目盛位置を指す。第2メータ装置(本発明の第1表示装置に相当)2は、第1メータ装置1の横方向(車両幅方向)へ所定距離離した位置に配置されたスピード・メータであって、車速の数字や目盛等を記載した文字盤上を指針が動き、車速に対応する目盛を指す。なお、これら第1メータ装置1および第2メータ装置2にあっては、図を見やすくするため、文字盤の数字、文字、目盛等は省略してある。
【0022】
表示器(本発明の第2表示装置に相当)3は、この下面に表示画像を表示可能で、かつ弾性変形可能なスクリーンで構成され、第1メータ装置1と第2メータ装置2との間の上方位置に配置されている。スクリーンは、後で詳しく説明するが、平面を保ったり、あるいは上に凸あるいは下に凸となる半弧状の曲面になったりして形状変化することが可能であり、さらにその傾斜角が可変であり、その姿勢を変化することも可能である。
【0023】
表示器変位機構4は、表示器3を変形、変位させるための機構であって、それぞれ電気モータで構成された前方配置の第1アクチュエータ41および後方配置された第2アクチュエータ42と、第1アクチュエータ41により回転駆動される第1アーム付きリンク43と、第2アクチュエータ42により回転駆動される第2アーム付きリンク44と、フレーム7(図1では内側が見えて理解しやすいようにするため省略してあり、図2を参照)と、を有する。
【0024】
第1アクチュエータ1と第2アクチュエータ2とは、図示しない制御器に接続され、表示内容に応じて、後述するように、それぞれ独立して回転させられる。これらのアクチュエータ1、2は、インストルメント・パネル側にフレーム7を介して固定され、それら出力軸がそれぞれ第1軸線R1、第2軸線周りに回転可能にされている。第1軸線R1および第2軸線R2は、いずれも第1、第2メータ装置1、2およびハーフ・ミラー6の上方で、それぞれ車両前後に離間した位置で、車両幅方向に沿う。
第1軸線R1上には、第1アーム付きリンク43の一端側の開口先端部分に固定された第1アクチュエータ41の出力軸と、第1アーム付きリンク43の他端側の開口先端部分に固定された第1軸41aと、が配置される。
同様に、第2軸線R2上には、第2アーム付きリンク44の一端側の開口先端部分に固定された第2アクチュエータ42の出力軸と、第2アーム付きリンク44の他端側の開口先端部分に固定された第2軸42aと、が配置される。
【0025】
第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44は、コ字状に形成されて、それぞれ第1軸線R1周りおよび第2軸線R2周りに回転可能とされている。すなわち、第1アーム付きリンク43の幅方向に離れた両方の開口基部側部分には、表示器3の奥側端部分に設けた軸(第3軸線R3を通る)が回動可能に取り付けられる。
同様に、第2アーム付きリンク44の両方の開口基部側部分には、表示器3の手前側端部分に設けられた軸(第4軸線R4を通る)が回動可能に取り付けられている。
この構成により、第3軸線R3は第1軸線R1周りに第1アクチュエータ41にて回動させることができ、また第4軸線R4は第2軸線R2周りに第2アクチュエータ42にて回動させることが可能である。
【0026】
プロジェクタ5は、本実施例ではレーザ・プロジェクタであって、制御器からの信号に応じて表示内容の画像を作り出し、この画像を表示器3の下面に設けた表示面に投影する。プロジェクタ5で作成される画像は、表示器3の姿勢状態、変形状態に応じて、また表示内容のどこを強調するか、どのような形状でどの位置に表示するか(これらの例は後で詳しく説明する)、といったことに合わせて造り出される。すなわち、表示器3が傾斜していたり曲面になっていたりして表示器3の投影映像が歪む場合には、この表示のひずみは表示面3の状態に応じて制御器であらかじめ演算しその結果に応じてプロジェクタ5から投影することで補正することが可能である。
【0027】
この場合、プロジェクタ5の映像は、画素数相当のレーザ光がそれぞれ直進して表示器3およびハーフ・ミラー6での反射で表示をみることになるので、投影像の焦点合わせは不要となり、投影面が斜めに傾いていてもそれぞれの画素をぼやけることなく表示することができ、その結果、像Vがぼやけることもない。
また、
【0028】
ハーフ・ミラー6は、反射光と透過光の強さがほぼ1:1となる平面状の周知のもので、第1メータ装置1および第2メータ装置2の上方位置から手前側へ第1メータ装置1および第2メータ装置2の下端位置の高さ付近まで下方傾斜され、その幅がドライバからみて第1メータ装置1および第2メータ装置2の全範囲をカバーする大きさとする。
【0029】
このハーフ・ミラー6を用いることで、ドライバは、ハーフ・ミラー6を通して第1メート装置1と第2メータ装置2の実像を同時に見ることができる。
一方、プロジェクタ5から第1線L1に沿って表示器3に向けて表示内容を表すレーザ光が投射されると、表示器3上の表示光は、第2線L2に沿って下方に向かい、ハーフ・ミラー6の表面に当たって反射されドライバに第4線L4上の虚像Vとして見えるようになる。
【0030】
この反射はハーフ・ミラー6がミラーとして作用するためで、表示器3からハーフ・ミラー6へ入射位置まで第2線L2に沿って光が進む距離は、ハーフ・ミラー6への表示光の入射位置からハーフ・ミラー6の裏面(車両前方側)に見える像Vの位置までの第3線L3に沿った距離に等しくなる。なお、表示光は、第3線L3に沿って実際に進むわけではなく、ドライバにとって第3線L3に重なる第4線L4(図1では説明上ずらして描いてある)上にミラー効果による虚像として見えることになる。
【0031】
したがって、図1では、第1線L1から第4線L4のうち、実際の光が通る第1線L1、第2線L2、第4線L4のハーフ・ミラー6より手前側の部分をそれぞれ実線で、また実際には光が通らない第3線L3を点線で、また第1、第2メータ装置1、2からの光だけが通る第4線L4のハーフ・ミラー6より奥側の部分を2点鎖線で描いてある。なお、図2以降の図では、第1線L1〜第4線L4はすべて1点鎖線で描いてある。
【0032】
表示器3がドライバからみて、車両幅方向で第1メータ装置1と第2メータ装置2との間に配置されているため、ドライバには、像Vが第1メータ装置1と第2メータ装置2との間で車両前方側すなわち、ハーフ・ミラー6の奥側に見える。このとき、上述したように、第1メータ装置1および第2メータ装置2でのダイアル表示が像Vの左右に同時に一部重なった状態で見えることになる。
【0033】
また、表示器3の位置を移動させて、ここから表示器3の表示光がハーフ・ミラー6に当たる入射位置まで第2線L2に沿って進む距離を変化させると、これに応じてハーフ・ミラー6への入射位置から像Vまでの第3線に沿った距離が変化する。これらの距離は、ミラー効果により常に等しくなる。
すなわち、表示器3をハーフ・ミラー6に対し変位させることでそれら間の距離を変化させると、この変化に応じて像Vが第1メータ装置1と第2メータ装置2のダイアル表示位置(本発明の実像位置に相当)に対し前後した位置に見えることとなる。なお、図1では、像Vが第1メータ装置1、第2メータ装置2とほぼ同じ前後位置にある状態を示している。
【0034】
次に、上記実施例1の表示装置の作用について添付の図とともに説明する。
表示装置により第1、第2のメータ装置ハーフ・ミラー6による実像と、表示器3およびハーフ・ミラー6による虚像とが同時に見えるようになる仕組みは上記で説明したので、以下は、虚像の表示位置を変位させる作用、表示形状の変化させる作用を中心に説明する。
【0035】
まず、図3(a)に示すように、像Vが第1、第2のメータ装置のダイアル表示位置よりさらに奥に見えるように表示するには、第1アクチュエータ41および第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに同時回転駆動して、第3軸線R3と第4軸線R4とが両方とも最上位置にくるようにする。
【0036】
これにより、表示器3も最上位置に平行移動する結果、第2線L2に沿う方向の表示器3の表示面とハーフ・ミラー6との距離が最大となるまで大きくなる。したがって、像Vは、この最大距離に等しい距離分、ハーフ・ミラー6の入射位置から車両前方、すなわち第1、第2のメータ装置1、2のダイアル表示面より奥側に離れた位置に見えるようになる。
【0037】
これに対し、図3(b)に示すように、像Vが第1、第2のメータ装置のダイアル表示位置より手前に見えるように表示するには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに同時回転駆動して、第3軸線R3と第4軸線R4が両方とも最下位置にくるようにする。
【0038】
これにより、表示器3も最下位置に平行する結果、第2線L2に沿う方向の表示器3の表示面とハーフ・ミラー6との距離が最小まで小さくなる。したがって、像Vは、この最小距離に等しい距離分、ハーフ・ミラー6の入射位置から車両前方、すなわち第1、第2のメータ装置のダイアル表示面より手前側に離れた位置に見えるようになる。
【0039】
また、図4に示すように、ドライバにとって、像Vをこの上方部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より奥側に、またその後方部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に傾斜したように見えるようにするには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに回転駆動して、第3軸線R3が最上位置に、また第4軸線R4が最下位置にくるようにして表示器3を傾斜させる。
【0040】
これにより、第2線L2に沿う方向の表示器3の上方部分とハーフ・ミラー6との距離は、上方部分が上側になるほど大きくなるので、この距離に応じて前後移動する像Vはこの上方部分が上側になるほど第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より奥側になる。一方、第2線L2に沿う方向の表示器3の下方部分とハーフ・ミラー6との距離は、下方部分が下側になるほど小さくなるので、この距離に応じて前後移動する像Vはこの下方部分が下側になるほど第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側になる。すなわち、像Vは、第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面に対し、上方側ほど奥側に、また下方側ほど手前側に傾斜した形に見えるようになる。
【0041】
なお、図4の場合とは、逆に第3軸線R3が最下位置に、また第4軸線R4が最上位置にくるようにして表示器3を傾斜させると、像Vは、第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面に対し、上方側ほど手前側に、また下方側ほど奥側に傾斜した形に見えるようになる。
【0042】
また、図5に示すように、像Vをこの中央部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に来、かつその上下両側部分がダイアル表示面より奥側に来るようにして中央部分が膨らむことでこの部分が強調されたように見せるには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに回転駆動して、第3軸線R3が第1軸線R1より手前側上方位置に、また第4軸線R4が第2軸線R2の奥側上方位置に来るようにする。
【0043】
これにより、第3軸線R3と第4軸線R4間の距離が狭くなり、表示器3は下に凸の半弧状の曲線形状となる。すると、第2線L2に沿う方向の表示器3の中央部分とハーフ・ミラー6間の距離が短くなるのに対し、同方向の表示器3の上下両側部分とハーフ・ミラー6間の距離は長くなる。したがって、像Vは、ドライバにとって、中央部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に、かつその上下両側部分がダイアル表示面より奥側に見えこととなり、中央部分が強調されて見えることになる。
【0044】
また、図6に示すように、像Vをこの中央部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より奥側に来、その上下両側部分がダイアル表示面より手前側に来るようにして中央側部分を大きく見せるには、第1アクチュエータ41と第2アクチュエータ42により、第1アーム付きリンク43および第2アーム付きリンク44を第1軸線R1、第2軸線R2周りに回転駆動して、第3軸線R3が第1軸線R1より手前側下方位置に、また第4軸線R4が第2軸線R2の奥側下方位置にくるようにする。
【0045】
これにより、第3軸線R3と第4軸線R4間の距離が狭くなり、表示器3は上に凸の半弧状の曲線となる。すると、第2線L2に沿う方向の表示器3の中央部分とハーフ・ミラー6間の距離が大きくなるのに対し、同線に沿う表示器3の上下両側部分とハーフ・ミラー6間の距離は短くなる。したがって、像Vは、ドライバにとって、上下両側部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面より手前側に、かつその中央部分がダイアル表示面より奥側に見えることとなる。そして、中央部分の表示が大きく、また上下両側部分の表示が小さく見えるようにできる。
【0046】
以上、説明してきたように、実施例1の表示装置にあっては、以下の効果を有する。
実施例1の表示装置にあっては、表示器3を表示器変位機構4によりハーフ・ミラー6に対する距離を変えることで、第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示に対し像Vがその手前、奥側へ移動させた位置で、ダイアル表示の実像と一部が重なるように表示することが可能となる。
この場合、表示器変位機構4により表示器3の傾斜を変えることで、像Vの上下部分が奥側と手前側との反対方向となるように傾斜した像Vを得ることが可能となる。
【0047】
また、表示器3を表示器変位機構4により上に凸、あるいは下に凸の弧状の曲面とすることで、ダイアル表示に対し像の中央部分とその上下両側部分との奥行きを異ならせて表示することが可能となる。
これにより、実施例1の表示装置では、狭い範囲にもかかわらず、より多くの情報を素早く見ることが可能となる。またこの表示にあっては、奥行き感がより自然に出せ、かつ表示内容に合わせて違和感がなく表示内容の理解が容易となる表示の種類をより増加させることが可能となる。
【0048】
このように実施例1の表示装置にあっては、比較的簡でコンパクトな構成の表示器変位機構4を用いて簡単な制御にて表示器3位置、姿勢、形状を変化させ、表示内容の理解が容易となる表示の種類を多く得ることが可能となる。
【実施例2】
【0049】
次に、本発明に係る実施例2の表示装置について、添付の図に基づいて説明する。
実施例2の表示装置は、図7に示すように、実施例1のプロジェクタ5を無くすとともに、表示器3を実施例1のスクリーンに代えてフレキシブルな有機エレクトロルミネッセンス(EL)を用いる。この有機ELは、図示しない制御器および有機EL駆動回路に接続されて、これらから出力された表示信号により車両情報等の表示を下面側に設けた表示面に直に表示する。その他の構成は、実施例1と同じである。
【0050】
実施例2の表示例にあっても、表示器3の位置、姿勢・形状が実施例1と同様に、表示器変位機構4により変化させられて、ハーフ・ミラー6との距離を変えられることで、実施例1と同様な種々の像Vの位置、表示形状を変化させることが可能となる。
したがって、実施例2の表示装置にあっても、実施例1の同じ効果を得ることができる。また、実施例1のようにプロジェクタ5の設置場所を考慮する必要がなくなり、表示装置の小スペース化することができる。
【0051】
次に、上記実施例1、2の表示装置にて表示される像Vと第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示の実像がドライバにどのように見えるかを示す具体的な表示例について以下に説明する。
【0052】
なお、以下の表示例にあっては、ドライバには、第1、第2メータ装置1、2(文字盤上の表記は図では省略してある)の実像と表示装置による虚像表示による像Vとが一部重なって見えることがある。
像Vはこの表示範囲を示す外枠が図中太線で描いてあるが、この太線部は実際に表示されるものではなく像Vの大きさおよび奥行きの前後関係が分かるようにするためのものであって、実際にはその中の表示部分のみが表示される。また、第1、第2メータ装置1、2と像Vの外枠とが重なる部分、すなわち図中、第1、第2メータ装置1、2の丸いメータ枠内に入っている像Vの外枠の部分は、太線で描いてある部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面の手前側に、細線で描いてある部分が第1、第2メータ装置1、2のダイアル表示面の奥側にあることを示している。
【0053】
まず、図8は、表示装置の表示器3を図4の位置にして像V1〜V3を車両前後方向に傾斜させ、像V1〜V3の上側部分が上側になるほど上記ダイアル表示面より奥側でかつ小さくなり、またその下側部分が下側になるほどダイアル表示面より手前側でかつ大きく表示されるようにした表示例である。
【0054】
同図(a)は、ナビゲーションの表示例で、ナビゲーション・システムから得た情報に基づき、下に自車(自車の後部の意匠で表示)を、上(走行前方を示す)に左折指示マーク(目立つ色の矢印で示される)を、それら間に「200m先」といった案内情報(この場合は文字情報)を、それぞれ表示した例である。
同図(b)は、周辺状況監視システムから得た情報に基づき、自車後方から車両やバイク等が接近していることをドライバへ注意を促すための表示であって、上に自車を、下(自車後方を意味する)に矢印(目立つ色の警告表示)を、それぞれ表示した例である。ここでは、矢印の方向、すなわち同図の例では自車の左後から接近する車両等があることを警告する。
なお、この場合、矢印または像V全体を点滅表示させたり異なる色(赤色など)で表示させたりして、警告表示を強調してドライバに注意を喚起するようにしてもよい。
図(c)は、オート・クルーズ装置から得た情報に基づき、下に自車を、上(前方を意味する)に先行車(自車より小さい車両後部の意匠で表示)を、それぞれ表示した例である。
【0055】
図9は、表示装置の表示器3を図4の場合とは逆方向に傾斜させた場合の例で、自車を周りの天気、外気温などの自車周りの状況、ドライバの肩越しに見える情報などといった周辺情報を表示するものである。この場合、像V4〜V6の上側部分は、上側になるほどダイアル表示面より手前側で、かつ大きくなり、また下側部分は、下側になるほどダイアル表示面より奥側で、かつ小さく表示される。
【0056】
同図(a)は、下に自車を、上に「くもり」「6℃」という天気・気温の文字情報および曇りの意匠を、それぞれ表示した例である。
同図(b)は、上に自車を、下にバック・ミラーに映っている人の意匠を、それら間に「後方接近」の注意を与える文字情報を、それぞれ表示した例である。この場合も警告表示としてドライバに注意を喚起する上記表示方法を用いてもよい。
同図(c)は、下に自車を、上に室内モニタで映した後部座席の様子の画像と、それら間の「室内モニタ」の文字情報を、それぞれ表示した例である。
【0057】
図10は、表示装置の表示器3を図3(a)の状態位置にした場合で、像V7、V8がダイアル表示面より奥まった位置に平行移動した状態で、車両の状態等が表示示される。
【0058】
同図(a)は、車両の状態表示であって、上に「航続距離X00Km」の文字情報を、この下に「OD・TRIP 計XXKm」(積算走行距離)の文字情報を、それぞれ表示した例である。なお、Xは任意の数を示す。
同図(b)は、空調装置の現在の作動状況表示であって、上に空気吹き出し口の状態を示すマークを、真中にファンが作動中であることを示すファンのマークを、下に「TEMP 24℃」の文字情報を、それぞれ表示した例である。なお、空調装置に関する情報に代えてたとえばオーディオ装置に関する情報など車載機器に関する情報を表示するようにしても良い。
【0059】
図11は、表示装置の表示器3を図3(b)の状態位置にした場合で、像V9、V10がダイアル表示面より手前の位置に平行移動した状態で、車両の状態等が表示示される。
【0060】
同図(a)は、上に「eco」の文字情報を、下に「燃費 17.5Km/l」といった瞬間燃費に関する文字情報を、それぞれ表示した例である。
同図(b)は、空調装置の現在の操作状況表示であって、上に空気吹き出し口の状態を示すマークを、真中にファンが作動中であることを示すファンのマークを、下に「TEMP 24℃」の文字情報を、それぞれ表示した例である。この表示は、現在行っている操作情報に関するものなので、操作が所定時間行われなくなったら、表示が奥に引っ込んで消えるようにしてある。
【0061】
図12は、表示装置の表示器3を図5の位置にして表示器3が下に凸となる曲面に湾曲させた場合で、ナビゲーション・システムでマップの地域選択メニューを表示するようにした例である。
【0062】
同図(a)は、選択可能な各地域のうちの一部であって、像V11の上下方向中央部分(図では「関東」の文字情報)が一番大きく、しかも最も手前に見えるように、また上下方向へ離れるにしたがって表示が小さく、かつ奥側に見えるように表示される。
すなわち、この像V11は斜めからみると、図(b)のような円弧曲面上に表示されたように見える。なお、矢印で示すようにこの像V11を回転させることで、ドライバは上下方向にスクロールされる像を見ることができる。
【0063】
図12での表示方法は、メニュー項目が比較的多いものに向いており、選択項目数が比較的多いときは、図13(a)に示すように、側面からみて大きな円筒体の表面のダイアル面より手前側の部分上に像V12を表示するようにし、選択項目数が比較的少ないときは、同図(b)に示すように、小さな円筒体の表面のダイアル面より手前側の部分上に像V13を表示するようにする
【0064】
図14、15は、表示装置の表示器3を図6の位置にして表示器3が上に凸となる曲面に湾曲させたした場合で、ナビゲーション・システムでマップの地域選択メニューのうち使用頻度が低い項目を表示するようにした像V14〜V16の例である。
【0065】
図14(a)は、選択頻度の少ない選択可能な各地域のうちの一部であって、像V14の上下方向中央部分(図では「関東」の文字情報)が一番大きく、しかも最も奥に見えるように、また上下方向へ離れるにしたがって表示が小さく、かつ手前に見えるように表示される。すなわち、円筒体の内周面側に表示されるようなイメージであり、これも表示を上下にスクロール可能である。
同図(b)は、ナビゲーションにおいて、走行履歴など、現在、過去の状態を示す情報を上下両側部分に示すもので、上には「10:13 ○○通過」との現在の時刻と現在通過の情報を、下には「走行開始より□□Km」と今回の走行距離を、その中間には自車の後部のイメージ図を、それぞれ表示した例である。ここで、上下の文字情報は比較的小さく表示される。なお、この場合、表示の奥側が自車の進行方向を表し、手前側は過去の情報を表示するようにされている。
【0066】
一方、図15は、車両前方を撮像するカメラの映像を第1、第2メータ装置1、2の間に表示させるものであるが、狭い像でできるだけ広い範囲を自然にみせるため、図14の場合と同様に、表示装置の表示器3を図6の位置にして表示器3が上に凸となる曲面に湾曲させる。この状態を示したのが図15(a)である。像V16には自車前方の視界映像とともに、ナビゲーション・システムから得た情報であるすぐ先に信号機のマークと、その交差点の地名、また右折の矢印など案内マークが同時に表示される。同図(b)はその像V16である。
【0067】
この像V16の表示にあっては、表示面の凹部、すなわちその中央部分に地平線が来るように表示する。表示面を傾斜させた場合には地平線より上の表現が難しくなるが、このように凹面表示とすることで、ドライバは下側が道路の走行面で手前から前方へ延びて地平線がある中央が最も遠く、それより上側が高層ビルや空で覆われているように表示される。言い換えると、この場合の像V16にあっては、中央部分が遠くに、またその上下両側部分では近くに見えるようになる。これにより、像V16が自然な感じで表示されるので、周囲の状況を感覚的に視認しやすくなる。
また、表示の大きさは実視界に対し、非常に小さいものの、表示を凹ませることにより、より広い視野範囲のものを、位置関係をよりわかりやすく表示することが可能となる。
【0068】
図16は、緊急の対応が必要な時などに、ドライバに注意を喚起するための表示の一つを示す図である。
同図左側に示すように、像V17を当初ダイアル表示位置より奥に表示し、かつ注意マークを小さく表示していたものを、同図右側に示すように、像V18をダイアル表示位置の手前に移動させ、かつ注意マークを拡大して強調表示するようにする。また、これら間を繰り返し表示したり、あるいは点滅表示させたりするようにしても良い。
【0069】
図17は、表示装置の起動時、終了時における表示を示す。起動時には、同図右側の像V19に示すように、ダイアル表示面より奥にたとえば「Welcome」の文字情報を小さく表示を行い、次第に同図右側に示す像V20のように、手前側に近づいて来、最終的にダイアル表示面の手前に上記以文字情報を移動とともに次第に拡大していくように表示するようにする。
終了時には、上記起動時とは逆に像をダイアル表示面の手前から奥へと移動させ、この移動とともに上記以文字情報が次第に小さくなってように表示するようにし、最後に表示が消えるようにする。
【0070】
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
【0071】
たとえば、表示器3は、上記実施例のものに限られず、他の種類のものであっても良い。また、第1メータ装置1、第2メータ装置2の代わりに他の実像をドライバに見せるものであっても良い。
【0072】
表示内容、またこれに合わせた像の表示形態は上記実施例のものに限られず、その他種々の内容、組み合わせが可能である。
【0073】
本発明の情報表示装置は、自動車用の表示装置に限られず、その他の車両用表示装置、車両以外の表示装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 第1メータ装置(第1表示装置)
2 第2メータ装置(第1表示装置)
3 表示器(第2表示装置)
4 表示器変位機構
5 プロジェクタ
6 ハーフ・ミラー
7 フレーム
41 第1アクチュエータ
41a 第1軸
42 第2アクチュエータ
42a 第2軸
43 第1アーム付きリンク
44 第2アーム付きリンク
L1 第1線
L2 第2線
L3 第3線
L4 第4線
R1 第1軸線
R2 第2軸線
R3 第3軸線
R4 第4軸線
V、V1〜V20 像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが実像を視認可能な第1表示装置と、
該第1表示装置の実像とは異なる表示内容を表示可能な第2表示器と、
前記第1表示装置と前記第2表示器との間に配置されて、前記第1表示装置の実像を透過し、かつ前記第2表示器に表示された表示内容を反射してこの反射方向とは逆方向の位置に像を形成し、前記実像と前記像をユーザーに見せるハーフ・ミラーと、
前記第2表示器の奥側端部分および手前側端部分のそれぞれの位置を前記ハーフ・ミラーに対し独立して変位させることが可能な表示器変位機構と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、
前記第2表示器の奥側端部分に取り付けられた第1アーム付きリンクと、
前記第2表示器の手前側端部分に取り付けられた第2アーム付きリンクと、
前記第1アーム付きリンクを回転駆動可能な第1アクチュエータと、
前記第2アーム付きリンクを回転駆動可能な第2アクチュエータと、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、前記像を前記第1表示装置による実像の手前、奥側へ変位可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、前記像を前記第1表示装置による実像に対し手前、奥側へ傾斜可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、前記像を手前、奥側へ凸となる曲面上に表示可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項1】
ユーザーが実像を視認可能な第1表示装置と、
該第1表示装置の実像とは異なる表示内容を表示可能な第2表示器と、
前記第1表示装置と前記第2表示器との間に配置されて、前記第1表示装置の実像を透過し、かつ前記第2表示器に表示された表示内容を反射してこの反射方向とは逆方向の位置に像を形成し、前記実像と前記像をユーザーに見せるハーフ・ミラーと、
前記第2表示器の奥側端部分および手前側端部分のそれぞれの位置を前記ハーフ・ミラーに対し独立して変位させることが可能な表示器変位機構と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、
前記第2表示器の奥側端部分に取り付けられた第1アーム付きリンクと、
前記第2表示器の手前側端部分に取り付けられた第2アーム付きリンクと、
前記第1アーム付きリンクを回転駆動可能な第1アクチュエータと、
前記第2アーム付きリンクを回転駆動可能な第2アクチュエータと、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、前記像を前記第1表示装置による実像の手前、奥側へ変位可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、前記像を前記第1表示装置による実像に対し手前、奥側へ傾斜可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示器変位機構は、前記像を手前、奥側へ凸となる曲面上に表示可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−242586(P2012−242586A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112282(P2011−112282)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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