説明

表示装置

【課題】 本発明の目的は、表示装置にレンズを簡便に形成することである。
【解決手段】 基板10の上に凸部を有する下地層11を形成し、レンズ部15の材料を下地層11の形状にならって成膜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一対の電極間に有機化合物層を備える有機EL素子を用いた表示装置が盛んに開発されている。この有機EL素子の課題として光取り出し効率の向上が挙げられる。この課題に対して特許文献1には、有機EL素子上の保護膜の上に樹脂から成るマイクロレンズアレイが配置された構成について開示されている。
【0003】
特許文献1では、樹脂を塗布し、マイクロレンズアレイの型を樹脂と密着させてから樹脂を硬化させてマイクロレンズアレイを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−039500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
つまり、特許文献1では、有機EL素子を形成する工程に加えて、マイクロレンズアレイを形成するために上述した複雑な工程が必要となってしまう。
【0006】
本発明の目的は、表示装置にレンズを簡便に形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様は、有機EL素子と、レンズ部と、を有する表示装置の製造方法であって、基板の上に凸部を有する下地層を形成する工程と、前記下地層の凸部の上に有機EL素子を形成する工程と、前記有機EL素子の上に前記有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部を形成する工程と、を有し、前記レンズ部を形成する工程は、前記レンズ部の材料を前記下地層の形状にならって成膜する工程であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様は、基板の上に形成された凸部を有する下地層と、前記下地層の凸部の上に形成された有機EL素子と、前記有機EL素子の上に形成された、前記有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部と、を有し、前記レンズ部は、前記下地層の形状にならった形状を有することを特徴とする表示装置である。
【0009】
また、本発明の別の態様は、基板の上に形成された凸部を有する下地層と、前記下地層の凸部の上に形成された有機EL素子と、前記有機EL素子の上に形成された、前記有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部と、を有し、前記レンズ部の表面は、前記下地層の凸部に対応する位置に凸面を有することを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示装置にレンズを簡便に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る表示装置の一例を示す模式図。
【図2】本発明の実施形態1に係る表示装置の製造方法を説明する模式図。
【図3】本発明の実施形態1に係る表示装置の別の例を示す模式図。
【図4】本発明の実施形態2に係る表示装置の別の例を示す模式図。
【図5】本発明の実施形態3に係る表示装置の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る表示装置の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書で特に図示または記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知または公知技術を適用する。また以下に説明する実施形態は、発明の一つの実施形態であって、これらに限定されるものではない。
【0013】
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の実施形態1に係る表示装置を示す斜視模式図である。本実施形態の表示装置は、有機EL素子を備える画素(不図示)を複数有している。そして、複数の画素はマトリックス状に配置され、表示領域1を形成している。なお、画素とは、1つの発光素子の発光領域に対応した領域を意味している。本実施形態の表示装置では、発光素子は、有機EL素子であり、画素のそれぞれに1つの色の有機EL素子が配置された表示装置である。有機EL素子の発光色としては、赤色、緑色、青色が考えられ、そのほかに黄色、シアン、白色でもよく、少なくとも2色以上であれば特に制限はない。また、本実施形態の表示装置には、発光色の異なる複数の画素(例えば赤色を発する画素、緑色を発する画素、及び青色を発する画素)からなる画素ユニットが複数配列されている。画素ユニットとは、各画素の混色によって所望の色の発光を可能とする最小の単位を示す。
【0014】
図1(b)は、図1(a)の破線で囲まれた領域を上面から見た拡大模式図である。また、図1(c)は、図1(b)のA−B線における部分断面模式図である。10は基板、11は凸状の下地層である。12,13,14は、それぞれ第1電極、有機化合物層、第2電極であり、有機EL素子100を構成している。また、15はレンズ部であり、有機EL素子100の発光領域Sから発せられた光を集光して外部に取り出すレンズ16を有している。発光領域Sは、基板10に垂直な方向で、有機化合物層13が第1電極12と第2電極14とに接して挟まれる領域であり、図1では絶縁層20の開口部分に当たる。また、有機EL素子100は、基板10上に設けられるトランジスタ(不図示)によって駆動される。そのために、トランジスタと第1電極12とは配線30を介して接続されている。40は、トランジスタの上に配置されるパッシベーション層であり、配線30上の一部にトランジスタと第1電極12とを接続するための開口を有している。
【0015】
次に、本実施形態の表示装置の製造方法について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の表示装置の各製造工程を示す断面模式図であり、図1(c)に対応する断面模式図である。
【0016】
まず、図2(a)に示すように、基板10上に、トランジスタなどの駆動回路(不図示)を形成する。そして、駆動回路と後述する第1電極12とを接続するための配線30を形成する。さらに、トランジスタの上に、配線30の上に開口部を有するパッシベーション層40を形成する。
【0017】
基板10は、ガラスや石英などを使用することができる。配線30は、AlやAgなどを含む金属層を使用することができる。パッシベーション層40は、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂材料や窒化ケイ素などの無機材料を使用することもできる。
【0018】
次に、図2(b)で示すように、パッシベーション層40の上に凸部を有する下地層11を形成する。下地層11としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂材料を使用することができる。下地層11の形成方法は、次のとおりである。まず、下地層11の材料となる樹脂材料を基板10上に塗布する。次に、その樹脂材料をプリベークする。続いて、多諧調マスクなどを用いて階調露光し、現像して、後に有機EL素子が配置される領域に凸部が形成されるようにパターニングする。その後、基板10上に残った樹脂材料をポストベークして、凸部を有する下地層11を形成する。露光時の諧調を制御することにより、下地層11の凸部の形状を、半球状にしたり、実施形態2で説明するような四角錐台にしたりすることができる。また、下地層11の凸部が半球状である場合には、その曲率半径も露光時の諧調を制御することにより大きくしたり小さくしたりできる。また、1画素内に下地層11の凸部が1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合には、凸部の各々に有機EL素子の発光領域が設けられるのが好ましい。
【0019】
下地層11の幅は、図1(b)のWで示される長さであり、5.0μm以上30μm以下が好ましく、さらに画素ピッチよりも小さいことがより好ましい。図2(b)では、隣り合う下地層11どうしは切れているが、表面に凸部を有していれば連続的に形成されていてもよい。下地層11の高さは、基板10から下地層11の表面のうち最も離れた位置までの距離で規定され、具体的には1.0μm以上15μm以下が好ましく、より好ましくは2.0μm以上10μm以下である。また、下地層11のピッチは、隣り合う2つの下地層11の中心軸の間の距離で規定され、画素ピッチと同じである。なお、上述したように、1つの画素内に下地層11の凸部が複数ある場合には、下地層11のピッチは画素ピッチ以下となる。また、下地層が図2(b)のように半球状の場合、曲率半径は3.0μm以上100μm以下であることが好ましく、さらに5.0μm以上50μm以下がより好ましい。
【0020】
次に、図2(c)で示すように、下地層11の上に第1電極12を形成する。第1電極12は、下地層11の頭頂部から配線30にわたって連続して形成される。また、隣り合う2つの有機EL素子それぞれの第1電極12どうしは分離されている。さらに、第1電極12の上に、第1電極12の一部(下地層11の頭頂部)に開口を有するように絶縁層20が形成される。この開口は、有機EL素子の発光領域Sに当たる。発光領域Sの面積は、下地層11の凸部の底面の面積に対して1/2以下が好ましく、より好ましくは1/4以下が好ましい。また、絶縁層20は、第1電極12と後述する第2電極14とが異物によって短絡することを防いでいる。
【0021】
第1電極12は、例えば、Ag等の高い反射率を持つ導電性の金属材料から形成される。また、第1電極12は、上述した金属材料から成る層と酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛などの透明導電性材料から成る層との積層体から構成しても良い。
【0022】
また、絶縁層20は、パッシベーション層40と同じ材料を使用することができる。絶縁層20は、膜厚0.5μm以上2.0μm以下で形成される。絶縁層20はフォトリソグラフィ法によって、第1電極12の開口部を露出するようにパターニングされる。
【0023】
次に、図2(d)で示すように、第1電極12の開口部、絶縁層20の上に、有機化合物層13を形成する。そして有機化合物層13の上に第2電極14を形成する。
【0024】
有機化合物層13は、少なくとも発光層を有し、それ以外に正孔輸送層や電子輸送層などを1層あるいは複数層有していてもよい。発光層や正孔輸送層、電子輸送層は公知の材料を用いることができる。また、隣り合う2つの画素が同じ色を発する場合には、この2つの画素にわたって有機化合物層13を一体で形成することができる。また、隣り合う2つの画素が異なる色を発する場合には、少なくとも発光層は個別に形成される。なお、後者の場合において、発光層の材料によっては異なる色発する画素にわたって一体で形成することもできる。
【0025】
第2電極14は、複数の画素(有機EL素子100)に対して共通に形成されており、また、有機化合物層13で発光した光を素子外部に取り出し可能な半反射性或いは光透過性の構成を有している。具体的には、素子内部での干渉効果を高めるために第2電極14を半反射性の構成とする場合、第2電極14はAg合金などの導電性の金属材料から成る層を用い、2.0nm以上50nm以下の膜厚で形成される。半反射性とは、素子内部で発光した光の一部を反射し、一部を透過する性質を意味し、可視光に対して20%以上80%以下の反射率を有するものをいう。また、第2電極14を光透過性の構成とする場合、第2電極14は酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛などの透明導電性材料から成る層を用い、膜厚50nm以上150nm以下で形成される。光透過性とは、可視光に対して80%以上の透過率を有するものをいう。なお、第1電極12と第2電極14のうちいずれか一方が陽極であり、他方が陰極であれば、どちらが陽極か陰極かは適宜選択される。
【0026】
次に、図2(e)で示すように、第2電極14上に、有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部15を形成する。レンズ部15は、凸部を有する下地層11の影響を受けて、下地層11の形状にならった形状を有する。ならった形状とは、下地層11の凸部に対応する位置のレンズ部15の表面に凸面が形成され、下地層11がない領域あるいは凹部に対応する位置のレンズ部15の表面に凹面が形成される形状である。レンズ部15の表面の凸面と凹面は、滑らかにつながっていることが望ましい。
【0027】
レンズ部15は、SiN、SiONなどの無機材料を用いることができる。また、レンズ部15の膜厚は、0.1μm以上20μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上10μm以下である。そして、レンズ部15は、CVD法やスパッタリング法、あるいは真空蒸着法などの真空成膜法で形成されることが好ましい。レンズ部15の材料を、CVD法やスパッタリング法、あるいは真空蒸着法などの真空成膜法によって有機EL素子の上に成膜することによって、下地層の形状にならって成膜される。つまり凸部を有する下地層11を設けることにより、レンズ部15の材料を成膜するだけで簡便にレンズ16が形成される。さらに、下地層11の凸部の上の有機EL素子に対応する位置にレンズ16が形成されるので、レンズ16と有機EL素子との位置ずれが少なくなる。なお、図2(e)で示されるように、レンズ部15の凸部の幅(レンズ部15のレンズ16の径)は、下地層11の幅よりも大きくなるのが好ましいが、同じであってもよい。なお、レンズとは、屈折を利用してある正面方向へ光を向ける構造のことをいう。
【0028】
また、画素が発する色によって、レンズ部15のレンズ16の曲率半径を変えたい場合には、下地層11の曲率半径を色ごとで異ならせればよい。例えば光取り出し効率を他の色よりも大きくしたい色の画素では、レンズ16の曲率半径を大きくすればよいので、下地層11の曲率半径を大きくするように諧調露光すればよい。より具体的には、多諧調マスクがグレイトーンマスクであれば、マスク上の光を透過する開口の間隔を制御し、ハーフトーンマスクであれば、マスクの光の透過率を制御すればよい。
【0029】
レンズ部15は、空気中の酸素や水分から有機化合物層13を保護するための保護層を兼ねる構成であってもよい。また、レンズ部15の表面が下地層11の形状にならって凹凸を有するならば、異なる無機材料を積層する構成でもよいし、無機材料と有機材料との積層する構成であってもよい。この有機材料はカラーフィルターであってもよい。
【0030】
また、図3は、本実施形態1に係る表示装置の他の例の上面模式図である。図3で示すように、下地層11を基板10の上で千鳥状に配置する構成でもよい。
【0031】
(実施形態2)
図4は、本実施形態に係る表示装置に関する模式図である。本実施形態は、実施形態1に対して下地層11の形状が異なっている。具体的には、実施形態1では、下地層11の凸部の形状は半球状であったが、本実施形態の下地層11の凸部の形状は、図4(a)で示すように四角錐台である。
【0032】
図4(b)に、四角錐台の凸部を有する下地層11の上に、有機EL素子やレンズ部15を積層した構成の模式断面図である。下地層11を形成後の製造方法は実施形態1と同じであり、レンズ部15は下地層11の形状にならって形成される。このため、レンズ部15は下地層11の形状を反映した形状である四角錐台状の凸部を有している。そして、レンズ部15の凸部にある四角錐台状の傾斜面が、有機EL素子からの光を正面方向に屈折して出射するレンズ16としての機能を有している。この傾斜面の傾きは、露光時の諧調を制御することで大きくしたり小さくしたりできる。なお、図4(b)の一点破線で囲んだ部分は、滑らかに変化する曲面を有していてもよい。
【0033】
図4(а)に示す四角錐台の下地層11は、上面からみると長方形であり、基板10の横方向(長手方向)と縦方向(短手方向)で視野角特性が異なる。この場合、基板10の横方向と前記長方形の短手方向とが平行になるように、基板10の縦方向と前記長方形の長手方向とが平行になるように下地層11が配置されるのがよい。
【0034】
なお、下地層11を上面から見た形状は長方形でなくても、正方形でも他の四角形でもよく、さらに、その他の多角形や楕円であってもよい。つまり、下地層11の凸部の形状は、半球状や楕円球の一部を切り出した形状、多角錐台や円錐台、楕円錐台などであってもよい。これらの形状には、下地層11を形成する際の露光時の諧調を制御することで得られる。
【0035】
(実施形態3)
実施形態1では、絶縁層20を有する構成であったが、第1電極12と第2電極14との間で短絡を防ぐことができれば、絶縁層20を省略することもできる。図5は、本実施形態に係る表示装置の部分断面模式図である。
【0036】
本実施形態では、実施形態1とは以下の点で異なっている。すなわち、下地層11の凸部の配置される位置が、配線30の上に当たる点が異なる。さらに、下地層11の凸部には、配線30と第1電極12とが接続されるように、配線30を露出する開口が形成される。また、第1電極12は、下地層11の凸部に設けられた開口内に配置され、この凸部の表面の位置まで配置される。また、第1電極12は、この表面の位置から、有機化合物層13の膜厚よりも薄い範囲内であれば表面の位置よりも厚く形成されてもよい。
【0037】
この構成により、絶縁層20を形成する工程をなくすことができ、本実施形態は実施形態1よりも製造工程を減らすことができる。
【実施例】
【0038】
本実施例の表示装置の製造方法を図2を用いて説明する。
【0039】
まず、図2(a)で示すように、ガラス基板10上に、低温ポリシリコンからなるTFT駆動回路(不図示)を形成した。さらに、ガラス基板10上に、TFT駆動回路と後述する第1電極12を接続するAlNdからなる配線30と、配線30上に開口部を設けたポリイミド樹脂からなるパッシベーション層40を形成した。
【0040】
次に、パッシベーション層40の上にポリイミド樹脂を塗布し、プリベークを行った。そして、ハーフトーンマスクを用いて、配線30の間に、基板10に垂直な方向での断面が半球状の凸部が形成されるように、諧調露光して現像した。そして、下地層11全体をポストベークし、図2(b)に示す下地層11を形成した。下地層11の厚みは3.0μm、曲率半径が6.0μmになるよう画素毎にパターニングした。
【0041】
次に、図2(c)で示すように、下地層11の上に、ITO/AlNdをスパッタリング法にてそれぞれ38nm/100nmの厚さで形成し、ITO/AlNdを画素毎にパターニングし、第1電極12を形成した。
【0042】
さらに、図2(c)で示されるように、第1電極12を覆うように、膜厚300nmでSiN膜を形成した。そして、第1電極12を露出されるようにSiN膜に開口を形成し、絶縁層20を形成した。この開口は直径4.0μmであった。これをイソプロピルアルコール(IPA)で超音波洗浄し、次いで、煮沸洗浄後乾燥した。
【0043】
次に、図2(d)で示されるように、UV/オゾン洗浄してから有機化合物層13を真空蒸着法により成膜した。
【0044】
始めに、ホール輸送層としてすべての画素に90nmの厚さで成膜した。次に、シャドーマスクを用いて、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層をそれぞれ厚さ30nm、40nm、25nmで成膜した。続いて、すべての画素に共通の電子輸送層を10nmの厚さで形成した。その後、共通の電子注入層を40nmの厚さで形成した。
【0045】
次に、図2(d)で示されるように、電子注入層まで成膜した基板10を、真空を破ること無しにスパッタ装置に移動し、第2電極14としてAgおよび酸化インジウム亜鉛をそれぞれ、順に10nm,50nmの厚さで成膜した。
【0046】
次に、図2(e)で示されるように、第2電極14の上にレンズ部15としてSiN膜を形成した。SiN膜は、CVD装置を用いて6.0μmの厚みで形成した。SiN膜は下地層11の形状を反映した凹凸が生じ、図2(e)に示された断面形状になった。このSiN膜は、等方的に膜が堆積しやすいので、図示したような形状(曲率半径12μm)になった。
【0047】
以上のようにして作製した表示装置は、下地層11が平坦な場合の表示装置と比較して、正面輝度が約2.5倍、取出し光量が約1.5倍向上し、SiN膜の表面にレンズ16が形成されていることが分かった。
【符号の説明】
【0048】
10 ガラス基板
11 下地層
111 TFT駆動回路とアノード電極を接続する電極
112 絶縁層
12 アノード電極
13 発光部分離層
14 有機EL層
15 カソード電極
16 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL素子と、レンズ部と、を有する表示装置の製造方法であって、
基板の上に凸部を有する下地層を形成する工程と、
前記下地層の凸部の上に有機EL素子を形成する工程と、
前記有機EL素子の上に前記有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部を形成する工程と、を有し、
前記レンズ部を形成する工程は、前記レンズ部の材料を前記下地層の形状にならって成膜する工程であることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記レンズ部を形成する工程は、前記レンズ部の材料を真空成膜法で成膜する工程であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記下地層を形成する工程は、前記下地層の材料を諧調露光して現像する工程を有する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
基板の上に形成された凸部を有する下地層と、
前記下地層の凸部の上に形成された有機EL素子と、
前記有機EL素子の上に形成された、前記有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部と、を有し、
前記レンズ部は、前記下地層の形状にならった形状を有することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
基板の上に形成された凸部を有する下地層と、
前記下地層の凸部の上に形成された有機EL素子と、
前記有機EL素子の上に形成された、前記有機EL素子で発せられた光を集光するレンズ部と、を有し、
前記レンズ部の表面は、前記下地層の凸部に対応する位置に凸面を有することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−252836(P2012−252836A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123617(P2011−123617)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】