表示装置
【課題】有機EL表示装置において、電源配線に電流が流れることにより電圧降下が起こり、輝度ムラが生じる。
【解決手段】第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、列方向に配置された表示素子の第1の電極に共通して接続される第1の電源配線と、第1の電源配線に接続される第1の接続配線と、第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子とを備える表示装置であって、第1の接続配線は、少なくとも行方向に沿って配置され、かつ第1の電源配線との接続箇所を行方向に沿って3以上備えており、第1の接続配線における接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2以上かつ接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、第1の接続配線と第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置。
【解決手段】第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、列方向に配置された表示素子の第1の電極に共通して接続される第1の電源配線と、第1の電源配線に接続される第1の接続配線と、第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子とを備える表示装置であって、第1の接続配線は、少なくとも行方向に沿って配置され、かつ第1の電源配線との接続箇所を行方向に沿って3以上備えており、第1の接続配線における接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2以上かつ接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、第1の接続配線と第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、特に輝度ムラ低減に好適な画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の表示装置としてエレクトロルミネッセンス(以下、ELと記す)素子を用いたEL表示装置が知られている。EL素子は電流制御素子であり、例えばEL素子に接続された電源配線に電流を流すことによりEL素子を発光させる。
【0003】
EL素子に電流を供給する構成としては、次の2つが知られている。その構成とは、表示領域内に配置された電源配線と電源供給端子を接続する接続配線を有する構成において、接続配線の中央部に1つの電源供給端子を配置する構成(特許文献1参照)、接続配線の両端に2つの電源供給端子を配置する構成(特許文献2参照)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−102169号公報
【特許文献2】米国特許第7227312号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
EL素子に接続された電源配線に電流が流れると、電源配線の抵抗による電圧降下が起こり、電源供給端子に近い位置と遠い位置においてEL素子に流れる電流が変化し、輝度ムラが生じてしまうという問題がある。
【0006】
特許文献1に記載の構成では、電源供給端子が複数の構成と比べて電源配線抵抗による電圧降下が最も大きい位置と最も小さい位置との距離が大きくなる。このため、電源供給端子に近い位置と遠い位置でのEL素子の輝度差が大きくなり、輝度ムラが大きくなる。一方、特許文献2に記載の構成では、特許文献1に記載の構成よりも輝度ムラの改善効果が期待できるものの、依然として輝度ムラは大きい。
【0007】
そこで、本発明は、輝度ムラを低減するため、適切な位置に複数の電源供給端子を配置した表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記列方向に配置された前記表示素子の前記第1の電極に共通して接続される第1の電源配線と、
前記第1の電源配線に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の電源配線との接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記表示素子の前記第1の電極に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
全ての前記表示素子の前記第1の電極は共通の電極であり、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の接続配線の上に設けられたコンタクトホールを介して前記第1の電極に接続される接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源供給端子を複数配置することにより、電源供給端子が1箇所の場合に比べて、電源供給端子からの電圧降下が最も大きい位置と最も小さい位置との距離が縮まる。このため、電源供給端子に近い位置と遠い位置でのEL素子の輝度差を低減することができ、輝度ムラを低減することができる。また、接続配線と、電源配線又は電極との接続箇所を3以上備えており、その接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向にN(2≦N≦接続箇所の数−1)等分した各領域の中点で、接続配線と電源供給端子とが接続されている。こうすることにより、電源供給端子からの電圧降下が最も大きい位置と最も小さい位置との距離を更に縮めることができ、輝度ムラを更に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図2】図1の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【図3】本発明の表示装置に好適に用いられる画素回路図である。
【図4】第2の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図5】図4の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【図6】第3の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図7】第4の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図8】電源供給端子を接続配線の中央部に設けた表示装置の構成を示す図である。
【図9】図8の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【図10】電源供給端子を接続配線の両端に設けた表示装置の構成を示す図である。
【図11】図10の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は有機EL素子等の自発光型の表示素子を有する表示装置であれば適用可能である。以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の表示装置であり、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子を有機EL素子とする有機EL表示装置である。本実施形態では第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。
【0014】
図1の表示装置1は有機EL素子が行方向及び列方向に配置された表示領域2を有する。また、列方向に配置された有機EL素子の第1の電極(図1に不図示)に共通して接続された第1の電源配線8(表示領域内電源配線)と、第1の電源配線8に接続された第1の接続配線3と、第1の接続配線3に接続された第1の電源供給端子6とを有する。第1の接続配線3は少なくとも行方向に沿って配置され、第1の電源配線8との接続箇所を行方向に沿って13箇所備えている。第1の接続配線3における13箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。
【0015】
更に、図1の表示装置1は表示領域2の外側に配置された第2の接続配線4と、第2の接続配線4に接続された第2の電源供給端子7と、第2の接続配線4と第2の電源供給端子7の間に接続された第2の電極(図1の破線で示す電極)とを有する。第2の電極は全画素(全ての有機EL素子)に共通に接続された共通電極5となっており、第2の接続配線4は共通電極5にコンタクトホールを介して接続されている。
【0016】
図3は、図1の表示装置に好適に用いられる画素回路の一例である。図3中、10はデータ線、11は走査線、12は有機EL素子である。M1は有機EL素子12の発光タイミングを制御するスイッチングトランジスタ、M2は有機EL素子12の発光強度を制御する駆動トランジスタ、C1は有機EL素子12の発光を保持するための保持容量である。これらのトランジスタと保持容量が素子制御回路を構成する。また、VCCは電源電位、CGNDは接地電位であり、A、Kはそれぞれ有機EL素子12のアノード電極、カソード電極を表している。有機EL素子12のアノード電極Aは駆動トランジスタM2を介して電源電位VCCと接続され、カソード電極Kは接地電位CGNDと接続されている。有機EL素子12の発光は、駆動トランジスタM2のゲート電圧に応じて、駆動電流が、電源電位VCCから駆動トランジスタM2及び有機EL素子12を通過し、接地電位CGNDに流れることによって起こる。
【0017】
本発明の表示装置に用いられる画素回路は、図3の画素回路に限られるものではなく、他の画素回路であっても良い。例えば有機EL素子のアノード電極Aが共通電極となっている画素回路であっても良い。また、図3の画素回路はいわゆる電圧プログラミング方式の回路であるが、電圧プログラミング方式の回路でなくても良く、いわゆる電流プログラミング方式の回路であっても良い。
【0018】
次に、図1の表示装置のレイアウトの簡易図である図2を用いて本発明の効果について説明する。説明を簡単にするために、図2では第1の電源配線8の本数を5本とし、第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を5箇所としている。接続箇所を5箇所にした場合にも、接続箇所を13箇所にした場合と同様に本発明の効果が得られる。また、第1の接続配線3における5箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。各々の第1の電源供給端子6(アノード端子)には、同一の電源から等しく電力が供給される。
【0019】
図2において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値をR、各々の第1の電源配線8に流れる電流値をI、接続部bの電位をV0とすると、接続部aの電位はV0+RI、接続部cの電位はV0+(RI/2)となる。よって、図2のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値はRIである。
【0020】
ここで、第1の電源供給端子6が第1の接続配線3の中央部に1つある場合(図8)と、第1の電源供給端子6が第1の接続配線3の両端に2つある場合(図10)の各々について、第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値を算出して図2の場合と比較する。この比較は図8の表示装置のレイアウトの簡易図である図9、及び図10の表示装置のレイアウトの簡易図である図11を用いて行う。図9及び図11では図2と同様に第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を5箇所としている。
【0021】
図9において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値をR、各々の第1の電源配線8に流れる電流値をI、接続部iの電位をV0とすると、接続部gの電位はV0+3RI、接続部hの電位はV0+2RIとなる。よって、図9のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値は3RIである。
【0022】
一方、図11において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値をR、各々の第1の電源配線8に流れる電流値をI、接続部jの電位をV0とすると、接続部kの電位はV0+(3RI/2)、接続部lの電位はV0+2RIとなる。よって、図11のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値は2RIである。
【0023】
以上より、図2の場合には、図9の場合と比べて電圧降下の最大値は1/3、図11の場合と比べて電圧降下の最大値は1/2となる。尚、実際の表示装置では前記接続箇所が5箇所以外の場合もあるため、電圧降下の最大値の減少量は図2の場合と比べて若干異なっていることがある。
【0024】
このように、図2の場合には、第1の電極側の第1の接続配線における電圧降下を抑制することができるので、輝度ムラを低減することができる。
【0025】
本実施形態では、第1の接続配線3における接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。この構成にしたのは、上述のように電源供給端子からの電圧降下を抑制できるからである。なお、行方向に接続箇所の数より小さい数に等分すれば、2より大きい数に等分しても電源供給端子からの電圧降下を抑制できる。
【0026】
ここで、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に接続箇所の数と同じ数で等分した各領域の中点に電源供給端子を配置した場合と、第1の接続配線3における各接続箇所に電源供給端子を配置した場合を考える。前者と後者を比べると、両者共に同じ数の電源供給端子が配置されているが、前者の方が後者よりも電源供給端子からの電圧降下の最大値が大きい。
【0027】
また、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向にN等分する場合、Nの値が大きいほど配置する電源供給端子の数が増えるため、電源供給端子を形成するための製造プロセスが増加する。
【0028】
よって、電源供給端子からの電圧降下を抑制すること、及び製造プロセスを増加させないことを考慮すると、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を行方向にN等分する場合、Nは2以上かつ接続箇所の数より小さい数(2≦N≦接続箇所の数−1)とするのが良い。また、前記Nの条件を満たすためには、第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を3以上備える必要がある。
【0029】
[第2の実施形態]
図4は、本実施形態の表示装置である。本実施形態の表示装置は第1の接続配線3における13箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に3等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されていること以外は図1と同じ構成である。本実施形態では第1の実施形態と同様に第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。図4の表示装置には例えば図3の画素回路が好適に用いられる。
【0030】
次に、図4の表示装置のレイアウトの簡易図である図5を用いて本発明の効果について説明する。説明を簡単にするために、図5では第1の電源配線8の本数を7本とし、第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を7箇所としている。接続箇所を7箇所にした場合にも、接続箇所を13箇所にした場合と同様に本発明の効果が得られる。また、第1の接続配線3における7箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に3等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。各々の第1の電源供給端子6には、同一の電源から等しく電力が供給される。
【0031】
図5において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値を2R/3、各々の第1の電源配線8に流れる電流値を5I/7、接続部eの電位をV0とすると、接続部dの電位はV0+(10RI/21)、接続部fの電位はV0+(5RI/21)となる。よって、図4のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値は10RI/21である。
【0032】
以上より、図5の場合には、図9の場合と比べて電圧降下の最大値は約1/6、図11の場合と比べて電圧降下の最大値は約1/4となる。尚、実際の表示装置では前記接続箇所が7箇所以外の場合もあるため、電圧降下の最大値の減少量は若干異なっていることがある。
【0033】
このように、図5の場合には、第1の電極側の第1の接続配線における電圧降下を抑制することができるので、輝度ムラを低減することができる。
【0034】
本実施形態では、前記接続箇所を13箇所、等分する数Nを3としたが、前記接続箇所を3以上備え、2≦N≦接続箇所の数−1であれば本発明の効果が得られる。
【0035】
[第3の実施形態]
図6は、本実施形態に係る表示装置であり、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子を有機EL素子とする有機EL表示装置である。本実施形態では第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。図6の表示装置には例えば図3の画素回路が好適に用いられる。
【0036】
図6の表示装置は有機EL素子が行方向及び列方向に配置された表示領域を有する。また、有機EL素子の第2の電極に接続される第2の接続配線4と、第2の接続配線4に接続される第2の電源供給端子7とを有する。第2の電極は透明導電材料からなり、全画素に共通に接続された共通電極5となっている。第2の接続配線4は少なくとも行方向に沿って配置され、第2の接続配線4上に設けられたコンタクトホール13を介して第2の電極と接続される接続箇所を行方向に沿って11箇所備えている。第2の接続配線4における11箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第2の接続配線4と第2の電源供給端子7とが接続されている。
【0037】
更に、図6の表示装置は列方向に配置された有機EL素子の第1の電極(図6に不図示)に共通して接続された第1の電源配線8と、第1の電源配線8に接続された第1の接続配線3と、第1の接続配線3に接続された第1の電源供給端子6とを有する。
【0038】
第1の電極側において、第1の電源配線を設けず、第1の電極、第1の接続配線及び第1の電源供給端子を、図6の第2の電極、第2の接続配線及び第2の電源供給端子と同じ構成にしても良い。第1の電極側で前記構成にした場合、第2の電極側では、第2の電源配線を設け、第2の電極、第2の電源配線、第2の接続配線及び第2の電源供給端子を、図6の第1の電極、第1の電源配線、第1の接続配線及び第1の電源供給端子と同じ構成にする。
【0039】
このように、図6の場合には、前記中点から引き出し線を分岐して第2の電源供給端子7に接続している。こうすることにより、第2の接続配線4と引き出し線との接続箇所の電位、即ち接地電位CGNDからコンタクトホール13までの電圧上昇を抑制でき、輝度ムラを低減することができる。
【0040】
本実施形態では、前記接続箇所を11箇所、等分する数Nを2としたが、前記接続箇所を3以上備え、2≦N≦接続箇所の数−1であれば本発明の効果が得られる。
【0041】
[第4の実施形態]
図7は、本実施形態に係る表示装置であり、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子を有機EL素子とする有機EL表示装置である。本実施形態では第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。図7の表示装置には例えば図3の画素回路が好適に用いられる。
【0042】
図7の表示装置は有機EL素子が行方向及び列方向に配置された表示領域を有する。また、列方向に配置された有機EL素子の第1の電極(図7に不図示)に共通して接続された第1の電源配線8と、第1の電源配線8に接続された第1の接続配線3と、第1の接続配線3に接続された第1の電源供給端子6とを有する。第1の接続配線3は少なくとも行方向に沿って配置され、第1の電源配線8との接続箇所を行方向に沿って9箇所備えている。第1の接続配線3における9箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。
【0043】
更に、図7の表示装置は有機EL素子の第2の電極に接続される第2の接続配線4と、第2の接続配線に接続される第2の電源供給端子7とを有する。第2の電極は全画素に共通に接続された共通電極5となっている。第2の接続配線4は少なくとも行方向に沿って配置され、第2の接続配線4上に設けられたコンタクトホール13を介して第2の電極と接続される接続箇所を行方向に沿って4箇所備えている。第2の接続配線における4箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第2の接続配線と第2の電源供給端子とが接続されている。
【0044】
第2の電極側において、第2の電源配線を設け、第2の電極、第2の電源配線、第2の接続配線及び第2の電源供給端子を、図7の第1の電極、第1の電源配線、第1の接続配線及び第1の電源供給端子と同じ構成にしても良い。第2の電極側で前記構成にした場合、第1の電極側では、第1の電源配線を設けず、第1の電極、第1の接続配線及び第1の電源供給端子を、図7の第2の電極、第2の接続配線及び第2の電源供給端子と同じ構成にしても良い。また、第2の電極側で前記構成にした場合、第1の電極側では、第1の電極、第1の電源配線、第1の接続配線及び第1の電源供給端子を、図7と同じ構成にしても良い。
【0045】
このように、図7の場合には、第1の電極側の第1の接続配線における電圧降下を抑制するとともに、第2の電極側の第2の接続配線における電圧上昇を抑制することができるので、より輝度ムラを低減することができる。
【0046】
本実施形態では、第1の電極側において前記接続箇所を9箇所、等分する数Nを2、第2の電極側において前記接続箇所を4箇所、等分する数Nを2としたが、前記接続箇所を3以上備え、2≦N≦接続箇所の数−1であれば本発明の効果が得られる。
【符号の説明】
【0047】
1:表示装置、2:表示領域、3:第1の接続配線、4:第2の接続配線、5:共通電極、6:第1の電源供給端子、7:第2の電源供給端子、8:第1の電源配線、12:有機EL素子、13:コンタクトホール
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、特に輝度ムラ低減に好適な画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の表示装置としてエレクトロルミネッセンス(以下、ELと記す)素子を用いたEL表示装置が知られている。EL素子は電流制御素子であり、例えばEL素子に接続された電源配線に電流を流すことによりEL素子を発光させる。
【0003】
EL素子に電流を供給する構成としては、次の2つが知られている。その構成とは、表示領域内に配置された電源配線と電源供給端子を接続する接続配線を有する構成において、接続配線の中央部に1つの電源供給端子を配置する構成(特許文献1参照)、接続配線の両端に2つの電源供給端子を配置する構成(特許文献2参照)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−102169号公報
【特許文献2】米国特許第7227312号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
EL素子に接続された電源配線に電流が流れると、電源配線の抵抗による電圧降下が起こり、電源供給端子に近い位置と遠い位置においてEL素子に流れる電流が変化し、輝度ムラが生じてしまうという問題がある。
【0006】
特許文献1に記載の構成では、電源供給端子が複数の構成と比べて電源配線抵抗による電圧降下が最も大きい位置と最も小さい位置との距離が大きくなる。このため、電源供給端子に近い位置と遠い位置でのEL素子の輝度差が大きくなり、輝度ムラが大きくなる。一方、特許文献2に記載の構成では、特許文献1に記載の構成よりも輝度ムラの改善効果が期待できるものの、依然として輝度ムラは大きい。
【0007】
そこで、本発明は、輝度ムラを低減するため、適切な位置に複数の電源供給端子を配置した表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記列方向に配置された前記表示素子の前記第1の電極に共通して接続される第1の電源配線と、
前記第1の電源配線に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の電源配線との接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記表示素子の前記第1の電極に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
全ての前記表示素子の前記第1の電極は共通の電極であり、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の接続配線の上に設けられたコンタクトホールを介して前記第1の電極に接続される接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源供給端子を複数配置することにより、電源供給端子が1箇所の場合に比べて、電源供給端子からの電圧降下が最も大きい位置と最も小さい位置との距離が縮まる。このため、電源供給端子に近い位置と遠い位置でのEL素子の輝度差を低減することができ、輝度ムラを低減することができる。また、接続配線と、電源配線又は電極との接続箇所を3以上備えており、その接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向にN(2≦N≦接続箇所の数−1)等分した各領域の中点で、接続配線と電源供給端子とが接続されている。こうすることにより、電源供給端子からの電圧降下が最も大きい位置と最も小さい位置との距離を更に縮めることができ、輝度ムラを更に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図2】図1の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【図3】本発明の表示装置に好適に用いられる画素回路図である。
【図4】第2の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図5】図4の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【図6】第3の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図7】第4の実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図8】電源供給端子を接続配線の中央部に設けた表示装置の構成を示す図である。
【図9】図8の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【図10】電源供給端子を接続配線の両端に設けた表示装置の構成を示す図である。
【図11】図10の表示装置の電圧降下量を説明する簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は有機EL素子等の自発光型の表示素子を有する表示装置であれば適用可能である。以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の表示装置であり、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子を有機EL素子とする有機EL表示装置である。本実施形態では第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。
【0014】
図1の表示装置1は有機EL素子が行方向及び列方向に配置された表示領域2を有する。また、列方向に配置された有機EL素子の第1の電極(図1に不図示)に共通して接続された第1の電源配線8(表示領域内電源配線)と、第1の電源配線8に接続された第1の接続配線3と、第1の接続配線3に接続された第1の電源供給端子6とを有する。第1の接続配線3は少なくとも行方向に沿って配置され、第1の電源配線8との接続箇所を行方向に沿って13箇所備えている。第1の接続配線3における13箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。
【0015】
更に、図1の表示装置1は表示領域2の外側に配置された第2の接続配線4と、第2の接続配線4に接続された第2の電源供給端子7と、第2の接続配線4と第2の電源供給端子7の間に接続された第2の電極(図1の破線で示す電極)とを有する。第2の電極は全画素(全ての有機EL素子)に共通に接続された共通電極5となっており、第2の接続配線4は共通電極5にコンタクトホールを介して接続されている。
【0016】
図3は、図1の表示装置に好適に用いられる画素回路の一例である。図3中、10はデータ線、11は走査線、12は有機EL素子である。M1は有機EL素子12の発光タイミングを制御するスイッチングトランジスタ、M2は有機EL素子12の発光強度を制御する駆動トランジスタ、C1は有機EL素子12の発光を保持するための保持容量である。これらのトランジスタと保持容量が素子制御回路を構成する。また、VCCは電源電位、CGNDは接地電位であり、A、Kはそれぞれ有機EL素子12のアノード電極、カソード電極を表している。有機EL素子12のアノード電極Aは駆動トランジスタM2を介して電源電位VCCと接続され、カソード電極Kは接地電位CGNDと接続されている。有機EL素子12の発光は、駆動トランジスタM2のゲート電圧に応じて、駆動電流が、電源電位VCCから駆動トランジスタM2及び有機EL素子12を通過し、接地電位CGNDに流れることによって起こる。
【0017】
本発明の表示装置に用いられる画素回路は、図3の画素回路に限られるものではなく、他の画素回路であっても良い。例えば有機EL素子のアノード電極Aが共通電極となっている画素回路であっても良い。また、図3の画素回路はいわゆる電圧プログラミング方式の回路であるが、電圧プログラミング方式の回路でなくても良く、いわゆる電流プログラミング方式の回路であっても良い。
【0018】
次に、図1の表示装置のレイアウトの簡易図である図2を用いて本発明の効果について説明する。説明を簡単にするために、図2では第1の電源配線8の本数を5本とし、第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を5箇所としている。接続箇所を5箇所にした場合にも、接続箇所を13箇所にした場合と同様に本発明の効果が得られる。また、第1の接続配線3における5箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。各々の第1の電源供給端子6(アノード端子)には、同一の電源から等しく電力が供給される。
【0019】
図2において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値をR、各々の第1の電源配線8に流れる電流値をI、接続部bの電位をV0とすると、接続部aの電位はV0+RI、接続部cの電位はV0+(RI/2)となる。よって、図2のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値はRIである。
【0020】
ここで、第1の電源供給端子6が第1の接続配線3の中央部に1つある場合(図8)と、第1の電源供給端子6が第1の接続配線3の両端に2つある場合(図10)の各々について、第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値を算出して図2の場合と比較する。この比較は図8の表示装置のレイアウトの簡易図である図9、及び図10の表示装置のレイアウトの簡易図である図11を用いて行う。図9及び図11では図2と同様に第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を5箇所としている。
【0021】
図9において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値をR、各々の第1の電源配線8に流れる電流値をI、接続部iの電位をV0とすると、接続部gの電位はV0+3RI、接続部hの電位はV0+2RIとなる。よって、図9のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値は3RIである。
【0022】
一方、図11において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値をR、各々の第1の電源配線8に流れる電流値をI、接続部jの電位をV0とすると、接続部kの電位はV0+(3RI/2)、接続部lの電位はV0+2RIとなる。よって、図11のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値は2RIである。
【0023】
以上より、図2の場合には、図9の場合と比べて電圧降下の最大値は1/3、図11の場合と比べて電圧降下の最大値は1/2となる。尚、実際の表示装置では前記接続箇所が5箇所以外の場合もあるため、電圧降下の最大値の減少量は図2の場合と比べて若干異なっていることがある。
【0024】
このように、図2の場合には、第1の電極側の第1の接続配線における電圧降下を抑制することができるので、輝度ムラを低減することができる。
【0025】
本実施形態では、第1の接続配線3における接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。この構成にしたのは、上述のように電源供給端子からの電圧降下を抑制できるからである。なお、行方向に接続箇所の数より小さい数に等分すれば、2より大きい数に等分しても電源供給端子からの電圧降下を抑制できる。
【0026】
ここで、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に接続箇所の数と同じ数で等分した各領域の中点に電源供給端子を配置した場合と、第1の接続配線3における各接続箇所に電源供給端子を配置した場合を考える。前者と後者を比べると、両者共に同じ数の電源供給端子が配置されているが、前者の方が後者よりも電源供給端子からの電圧降下の最大値が大きい。
【0027】
また、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向にN等分する場合、Nの値が大きいほど配置する電源供給端子の数が増えるため、電源供給端子を形成するための製造プロセスが増加する。
【0028】
よって、電源供給端子からの電圧降下を抑制すること、及び製造プロセスを増加させないことを考慮すると、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を行方向にN等分する場合、Nは2以上かつ接続箇所の数より小さい数(2≦N≦接続箇所の数−1)とするのが良い。また、前記Nの条件を満たすためには、第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を3以上備える必要がある。
【0029】
[第2の実施形態]
図4は、本実施形態の表示装置である。本実施形態の表示装置は第1の接続配線3における13箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に3等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されていること以外は図1と同じ構成である。本実施形態では第1の実施形態と同様に第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。図4の表示装置には例えば図3の画素回路が好適に用いられる。
【0030】
次に、図4の表示装置のレイアウトの簡易図である図5を用いて本発明の効果について説明する。説明を簡単にするために、図5では第1の電源配線8の本数を7本とし、第1の接続配線3と第1の電源配線8との接続箇所を7箇所としている。接続箇所を7箇所にした場合にも、接続箇所を13箇所にした場合と同様に本発明の効果が得られる。また、第1の接続配線3における7箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に3等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。各々の第1の電源供給端子6には、同一の電源から等しく電力が供給される。
【0031】
図5において、各々の接続配線抵抗9の抵抗値を2R/3、各々の第1の電源配線8に流れる電流値を5I/7、接続部eの電位をV0とすると、接続部dの電位はV0+(10RI/21)、接続部fの電位はV0+(5RI/21)となる。よって、図4のレイアウトにおける第1の電源供給端子6からの電圧降下の最大値は10RI/21である。
【0032】
以上より、図5の場合には、図9の場合と比べて電圧降下の最大値は約1/6、図11の場合と比べて電圧降下の最大値は約1/4となる。尚、実際の表示装置では前記接続箇所が7箇所以外の場合もあるため、電圧降下の最大値の減少量は若干異なっていることがある。
【0033】
このように、図5の場合には、第1の電極側の第1の接続配線における電圧降下を抑制することができるので、輝度ムラを低減することができる。
【0034】
本実施形態では、前記接続箇所を13箇所、等分する数Nを3としたが、前記接続箇所を3以上備え、2≦N≦接続箇所の数−1であれば本発明の効果が得られる。
【0035】
[第3の実施形態]
図6は、本実施形態に係る表示装置であり、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子を有機EL素子とする有機EL表示装置である。本実施形態では第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。図6の表示装置には例えば図3の画素回路が好適に用いられる。
【0036】
図6の表示装置は有機EL素子が行方向及び列方向に配置された表示領域を有する。また、有機EL素子の第2の電極に接続される第2の接続配線4と、第2の接続配線4に接続される第2の電源供給端子7とを有する。第2の電極は透明導電材料からなり、全画素に共通に接続された共通電極5となっている。第2の接続配線4は少なくとも行方向に沿って配置され、第2の接続配線4上に設けられたコンタクトホール13を介して第2の電極と接続される接続箇所を行方向に沿って11箇所備えている。第2の接続配線4における11箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第2の接続配線4と第2の電源供給端子7とが接続されている。
【0037】
更に、図6の表示装置は列方向に配置された有機EL素子の第1の電極(図6に不図示)に共通して接続された第1の電源配線8と、第1の電源配線8に接続された第1の接続配線3と、第1の接続配線3に接続された第1の電源供給端子6とを有する。
【0038】
第1の電極側において、第1の電源配線を設けず、第1の電極、第1の接続配線及び第1の電源供給端子を、図6の第2の電極、第2の接続配線及び第2の電源供給端子と同じ構成にしても良い。第1の電極側で前記構成にした場合、第2の電極側では、第2の電源配線を設け、第2の電極、第2の電源配線、第2の接続配線及び第2の電源供給端子を、図6の第1の電極、第1の電源配線、第1の接続配線及び第1の電源供給端子と同じ構成にする。
【0039】
このように、図6の場合には、前記中点から引き出し線を分岐して第2の電源供給端子7に接続している。こうすることにより、第2の接続配線4と引き出し線との接続箇所の電位、即ち接地電位CGNDからコンタクトホール13までの電圧上昇を抑制でき、輝度ムラを低減することができる。
【0040】
本実施形態では、前記接続箇所を11箇所、等分する数Nを2としたが、前記接続箇所を3以上備え、2≦N≦接続箇所の数−1であれば本発明の効果が得られる。
【0041】
[第4の実施形態]
図7は、本実施形態に係る表示装置であり、第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子を有機EL素子とする有機EL表示装置である。本実施形態では第1の電極をアノード電極、第2の電極をカソード電極とするが、第1の電極をカソード電極、第2の電極をアノード電極としても良い。図7の表示装置には例えば図3の画素回路が好適に用いられる。
【0042】
図7の表示装置は有機EL素子が行方向及び列方向に配置された表示領域を有する。また、列方向に配置された有機EL素子の第1の電極(図7に不図示)に共通して接続された第1の電源配線8と、第1の電源配線8に接続された第1の接続配線3と、第1の接続配線3に接続された第1の電源供給端子6とを有する。第1の接続配線3は少なくとも行方向に沿って配置され、第1の電源配線8との接続箇所を行方向に沿って9箇所備えている。第1の接続配線3における9箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第1の接続配線3と第1の電源供給端子6とが接続されている。
【0043】
更に、図7の表示装置は有機EL素子の第2の電極に接続される第2の接続配線4と、第2の接続配線に接続される第2の電源供給端子7とを有する。第2の電極は全画素に共通に接続された共通電極5となっている。第2の接続配線4は少なくとも行方向に沿って配置され、第2の接続配線4上に設けられたコンタクトホール13を介して第2の電極と接続される接続箇所を行方向に沿って4箇所備えている。第2の接続配線における4箇所の接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、行方向に2等分した各領域の中点で、第2の接続配線と第2の電源供給端子とが接続されている。
【0044】
第2の電極側において、第2の電源配線を設け、第2の電極、第2の電源配線、第2の接続配線及び第2の電源供給端子を、図7の第1の電極、第1の電源配線、第1の接続配線及び第1の電源供給端子と同じ構成にしても良い。第2の電極側で前記構成にした場合、第1の電極側では、第1の電源配線を設けず、第1の電極、第1の接続配線及び第1の電源供給端子を、図7の第2の電極、第2の接続配線及び第2の電源供給端子と同じ構成にしても良い。また、第2の電極側で前記構成にした場合、第1の電極側では、第1の電極、第1の電源配線、第1の接続配線及び第1の電源供給端子を、図7と同じ構成にしても良い。
【0045】
このように、図7の場合には、第1の電極側の第1の接続配線における電圧降下を抑制するとともに、第2の電極側の第2の接続配線における電圧上昇を抑制することができるので、より輝度ムラを低減することができる。
【0046】
本実施形態では、第1の電極側において前記接続箇所を9箇所、等分する数Nを2、第2の電極側において前記接続箇所を4箇所、等分する数Nを2としたが、前記接続箇所を3以上備え、2≦N≦接続箇所の数−1であれば本発明の効果が得られる。
【符号の説明】
【0047】
1:表示装置、2:表示領域、3:第1の接続配線、4:第2の接続配線、5:共通電極、6:第1の電源供給端子、7:第2の電源供給端子、8:第1の電源配線、12:有機EL素子、13:コンタクトホール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記列方向に配置された前記表示素子の前記第1の電極に共通して接続される第1の電源配線と、
前記第1の電源配線に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の電源配線との接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記表示素子の前記第1の電極に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
全ての前記表示素子の前記第1の電極は共通の電極であり、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の接続配線の上に設けられたコンタクトホールを介して前記第1の電極に接続される接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記列方向に配置された前記表示素子の前記第2の電極に共通して接続される第2の電源配線と、
前記第2の電源配線に接続される第2の接続配線と、
前記第2の接続配線に接続される第2の電源供給端子と、をさらに備え、
前記第2の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第2の電源配線との接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第2の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第2の接続配線と前記第2の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示素子の前記第2の電極に接続される第2の接続配線と、
前記第2の接続配線に接続される第2の電源供給端子と、をさらに備え、
全ての前記表示素子の前記第2の電極は共通の電極であり、
前記第2の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第2の接続配線の上に設けられたコンタクトホールを介して前記第2の電極に接続される接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第2の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第2の接続配線と前記第2の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項1】
第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記列方向に配置された前記表示素子の前記第1の電極に共通して接続される第1の電源配線と、
前記第1の電源配線に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の電源配線との接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第1の電極と第2の電極とに挟まれた発光層を備える表示素子が行方向及び列方向に配置された表示領域と、
前記表示素子の前記第1の電極に接続される第1の接続配線と、
前記第1の接続配線に接続される第1の電源供給端子と、
を備える表示装置であって、
全ての前記表示素子の前記第1の電極は共通の電極であり、
前記第1の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第1の接続配線の上に設けられたコンタクトホールを介して前記第1の電極に接続される接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第1の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第1の接続配線と前記第1の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記列方向に配置された前記表示素子の前記第2の電極に共通して接続される第2の電源配線と、
前記第2の電源配線に接続される第2の接続配線と、
前記第2の接続配線に接続される第2の電源供給端子と、をさらに備え、
前記第2の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第2の電源配線との接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第2の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第2の接続配線と前記第2の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示素子の前記第2の電極に接続される第2の接続配線と、
前記第2の接続配線に接続される第2の電源供給端子と、をさらに備え、
全ての前記表示素子の前記第2の電極は共通の電極であり、
前記第2の接続配線は、少なくとも前記行方向に沿って配置され、かつ前記第2の接続配線の上に設けられたコンタクトホールを介して前記第2の電極に接続される接続箇所を前記行方向に沿って3以上備えており、
前記第2の接続配線における前記接続箇所のうち、互いに最も離れた2つの接続箇所の間を、前記行方向に2以上かつ前記接続箇所の数より小さい数に等分した各領域の中点で、前記第2の接続配線と前記第2の電源供給端子とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−68379(P2012−68379A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212187(P2010−212187)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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