説明

表示装置

【課題】充填された液体16に生じた気泡48を確認しやすくすることを目的とする。
【解決手段】表示装置は、間隔を有して対向配置された一対の光透過性基板10,12と、一対の光透過性基板10,12を貼り合わせて、一対の光透過性基板10,12の間に封止空間を区画するシール材14と、画像を光学的に表示するために封止空間に配置された複数のシャッタ22と、封止空間に充填された光学等方性を有する液体16と、一対の光透過性基板10,12の少なくとも一方と液体16との間に配置された光学膜46と、を有し、光学膜46の屈折率は、一対の光透過性基板10,12の屈折率とは異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、表示装置に関し、特に画素に微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems:MEMS)を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSディスプレイ(Micro Electro Mechanical System Display)は、液晶ディスプレイに取って代わると期待されているディスプレイである(特許文献1参照)。このディスプレイは、偏光を利用した液晶シャッタ方式とは異なり、機械シャッタ方式によって光の透過窓を開閉することにより明暗を表示する。機械式のシャッタ(以下、単にシャッタとも呼ぶ。)は、アモルファスシリコンの膜からなり、1画素を構成する1シャッタの縦横サイズは数100μmオーダで厚みが数μmオーダである。1シャッタの開閉により、1画素分のオンオフ動作が可能となる。シャッタは、静電引力によって動作するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−197668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャッタが動作するパネル内はオイルで満たしてあり、オイルによってパネル内の誘電率を上げることでシャッタを駆動するために必要な電圧を低下させている。オイルはシールによって封止されているが、シールの剥離や傷によってオイルが抜けることがある。オイルが抜けると、パネルの内部(オイルで満たされている領域)に気泡が発生することがあった。しかし、オイルで満たされた領域の色と、気泡が発生している領域の色の違いはわずかであって、これを目視で確認すること、即ち気泡の存在を視認することは難しかった。
【0005】
本発明は、充填された液体に生じた気泡を確認しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る表示装置は、間隔を有して対向配置された一対の光透過性基板と、前記一対の光透過性基板を貼り合わせて、前記一対の光透過性基板の間に封止空間を区画するシール材と、画像を光学的に表示するために前記封止空間に配置された複数のシャッタと、前記封止空間に充填された光学等方性を有する液体と、前記一対の光透過性基板の少なくとも一方と前記液体との間に配置された光学膜と、を有し、前記光学膜の一方の面は、前記液体に接触し、前記光学膜の他方の面は、前記一対の光透過性基板の一方に接触し、前記光学膜の屈折率は、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の屈折率とは異なることを特徴とする。シミュレーションによって、光透過性基板とは屈折率が異なる光学膜を配置したところ、液体に気泡が生じたときに、液体を通る光と気泡を通る光の反射率の差が大きくなることが分かった。本発明によれば、反射率の差により気泡を確認しやすくなる。
【0007】
(2)(1)に記載された表示装置において、前記光学膜は、単層からなることを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(1)に記載された表示装置において、前記光学膜は、複数層からなることを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光学膜の前記屈折率は、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の前記屈折率よりも大きく、空気及び前記液体の屈折率よりも大きいことを特徴としてもよい。
【0010】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光学膜は、下面に前記一方の光透過性基板が隣接するように配置され、上面に自然光を投射したときに、前記上面で反射して進行する反射光と、前記光学膜に入射して下面で反射して前記上面から出射する反射光とが干渉することを特徴としてもよい。
【0011】
(6)(1)から(4)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光学膜は、上面に前記一方の光透過性基板が隣接するように配置され、前記上面に自然光を投射したときに、前記上面で反射して進行する反射光と、前記光学膜に入射して下面で反射して前記上面から出射する反射光とが干渉することを特徴としてもよい。
【0012】
(7)(1)から(4)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光学膜は、第1光学膜と第2光学膜を含み、前記第1光学膜及び前記第2光学膜のそれぞれは、上面及び下面を有し、前記第1光学膜の前記下面に一方の前記光透過性基板が隣接し、前記第2光学膜の前記上面に他方の前記光透過性基板が隣接し、前記第1光学膜及び前記第2光学膜のそれぞれの前記上面に自然光を投射したときに、前記第1光学膜の前記上面で反射して進行する反射光と、前記第1光学膜に入射して前記第1光学膜の下面で反射して前記第1光学膜の前記上面から出射する反射光とが干渉し、前記第2光学膜の前記上面で反射して進行する反射光と、前記第2光学膜に入射して前記第2光学膜の下面で反射して前記第2光学膜の前記上面から出射する反射光とが干渉することを特徴としてもよい。
【0013】
(8)(5)に記載された表示装置において、前記光学膜の前記上面に隣接する物質の屈折率をn、前記光学膜の屈折率をn、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の前記屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
であり、前記自然光は、波長及び前記光学膜への入射角度が異なる光線群からなり、前記自然光に含まれる波長λの光線群は、前記上面で反射する第1光線と、前記下面で反射して前記上面から出射する第2光線と、を含み、前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる最大値を示し、前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる最小値を示し、
前記自然光が前記液体を通過したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに前記液体の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲であり、前記液体が前記光学膜上に気泡を含有し、前記自然光が前記気泡を通過したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲であり、前記最小反射率RAirminと前記最大反射率RAirmaxの平均値及び前記最小反射率RLIQUIDminと前記最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の一方は、他方の2倍よりも大きいことを特徴としてもよい。
【0014】
(9)(6)に記載された表示装置において、前記光学膜の前記下面に隣接する物質の屈折率をn、前記光学膜の屈折率をn、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の前記屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
であり、前記自然光は、波長及び前記光学膜への入射角度が異なる光線群からなり、前記自然光に含まれる波長λの光線群は、前記上面で反射する第1光線と、前記下面で反射して前記上面から出射する第2光線と、を含み、前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる最大値を示し、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる最小値を示し、前記自然光が前記液体の上方で前記上面及び前記下面に反射したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに前記液体の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲であり、前記液体が前記光学膜上に気泡を含有し、前記自然光が前記気泡の上方で前記上面及び前記下面に反射したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲であり、前記最小反射率RAirminと前記最大反射率RAirmaxの平均値及び前記最小反射率RLIQUIDminと前記最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の一方は、他方の2倍よりも大きいことを特徴としてもよい。
【0015】
(10)(7)に記載された表示装置において、前記第1光学膜の前記上面及び前記第2光学膜の前記下面に隣接する物質の屈折率をn、前記第1光学膜の屈折率をn、前記第1光学膜と接触する一方の前記光透過性基板の前記屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
であり、前記第2光学膜の屈折率をn12、前記第2光学膜と接触する他方の前記光透過性基板の前記屈折率をn22とすると、
<n12、且つn22<n12
であり、前記自然光は、波長並びに前記第1光学膜及び前記第2光学膜への入射角度が異なる光線群からなり、前記自然光に含まれる波長λの光線群は、前記第1光学膜の前記上面で反射する第1光線と、前記第1光学膜の前記下面で反射して前記第1光学膜の前記上面から出射する第2光線と、前記第2光学膜の前記上面で反射する第3光線と、前記第2光学膜の前記下面で反射して前記上面から出射する第4光線と、を含み、前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる第1最大値を示し、前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる第1最小値を示し、前記自然光が前記液体を通過したときの前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第1最小値及び前記第1最大値を求める前記式のnに前記液体の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲であり、前記液体が前記第1光学膜上に気泡を含有し、前記自然光が前記気泡を通過したときの前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第1最小値及び前記第1最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲であり、最小反射率RAirminと最大反射率RAirmaxの平均値は、最小反射率RLIQUIDminと最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の2倍よりも大きく、前記第3光線と前記第4光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記第3光線及び前記第4光線の反射率は、
Rmax2=((n22−n12)/(n22+n12))
で求められる第2最大値を示し、前記第3光線と前記第4光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記第3光線及び前記第4光線の反射率は、
Rmin2=((n22−n)/(n22+n))
で求められる第2最小値を示し、前記自然光が前記液体の上方で反射したときの前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第2最小値及び前記第2最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDmin2から最大反射率RLIQUIDmax2の範囲であり、前記自然光が前記気泡の上方で反射したときの前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第2最小値及び前記第2最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirmin2から最大反射率RAirmax2の範囲であり、前記最小反射率RAirmin2と前記最大反射率RAirmax2の平均値及び前記最小反射率RLIQUIDmin2と前記最大反射率RLIQUIDmax2の平均値の一方は、他方の2倍よりも大きいことを特徴としてもよい。
【0016】
(11)(1)から(10)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記シール材は、前記一対の光透過性基板の周縁部を避けて配置され、前記一対の光透過性基板の前記周縁部は、前記シール材から外側に突出することを特徴としてもよい。
【0017】
(12)(11)に記載された表示装置において、前記シール材は、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の全体を避けて配置され、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の全体が、前記シール材から外側に突出することを特徴としてもよい。
【0018】
(13)(11)に記載された表示装置において、前記シール材は、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の第1部分を避けて、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の第2部分を通るように配置され、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の前記1部分が、前記シール材から外側に突出することを特徴としてもよい。
【0019】
(14)(1)から(10)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記一対の光透過性基板はそれぞれ矩形の平面形状を有し、前記シール材は、前記一対の光透過性基板の角部を避けて配置され、前記一対の光透過性基板の前記角部が、前記シール材から外側に突出することを特徴としてもよい。
【0020】
(15)(1)から(14)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光学膜は、前記シール材に囲まれた領域の内側の少なくとも前記シール材に隣接する部分に配置されていることを特徴としてもよい。
【0021】
(16)(15)に記載された表示装置において、前記光学膜は、前記シール材に囲まれた領域の全体にわたって配置されていることを特徴としてもよい。
【0022】
(17)(15)又は(16)に記載された表示装置において、前記光学膜は、前記シール材に囲まれた領域の外側に至るように配置されていることを特徴としてもよい。
【0023】
(18)(1)から(17)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光学膜は、ZnO、ZnCrO及びALからなる群より選択される一つの材料から形成されていることを特徴としてもよい。
【0024】
(19)(1)から(18)のいずれか1項に記載された表示装置において、バックライトをさらに有し、前記複数のシャッタは少なくとも一つの開口を有し、前記複数のシャッタは機械的に可動であると共に、前記バックライトからの光の透過及び遮断を制御することを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の概略を示す断面図である。
【図3】シャッタ及びその駆動部を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の作用効果を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の作用効果を説明するための図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の作用効果を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例1を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る表示装置の概略を示す断面図である。
【0028】
表示装置は、一対の光透過性基板10,12(例えばガラス基板などの絶縁基板)を有する。一対の光透過性基板10,12は、間隔をあけて対向するように配置されている。一方の光透過性基板10には、電気的な接続を図るためのフレキシブル配線基板11が取り付けられている。
【0029】
表示装置は、一対の光透過性基板10,12を貼り合わせて、一対の光透過性基板10,12の間に封止空間を区画するシール材14を有する。シール材14は、図1に示すように、一対の光透過性基板10,12の周縁部(図1ではその全体)を避けて配置されている。一対の光透過性基板10,12の周縁部(例えばその全体)は、シール材14から外側に突出する。封止空間には光学等方性を有する液体16が満たされている。液体16は、例えばシリコーンオイルが好適である。光学異方性を有する液晶は、液体16に含まれない。
【0030】
表示装置は、バックライト20と、画像を光学的に表示するために封止空間に配置された複数のシャッタ22とを有する。シャッタ22は、バックライト20からの光の透過及び遮断を機械的に制御する。
【0031】
図3は、シャッタ22及びシャッタ22を駆動する駆動部24を示す図である。シャッタ22及び駆動部24は、液体16内に配置されている。液体16によってシャッタ22及び駆動部24の可動による望まない振動及び振動音を抑えることができる。
【0032】
一方(例えば図2の下側)の光透過性基板10に、図3に示すシャッタ22が設けられている。シャッタ22は、駆動開口26を有するプレートである。駆動開口26で光が通過し、駆動開口26以外の部分で光を遮断する。駆動開口26は一方向に長い形状になっている。なお、光は、図2に示すように、光透過性基板10に重ねられたバックライト20から供給される。図2ではバックライト20は、シャッタ22が設けられている方の光透過性基板10に対向して配置されているが、他方の光透過性基板12に対向して配置されてもよい。
【0033】
シャッタ22は、第1バネ28に支持されて光透過性基板10から浮くように、すなわち光透過性基板10の主面から所定の間隙を有して配置されるようになっている。複数(図3では4つ)の第1バネ28によってシャッタ22が支持されている。第1バネ28は、第1アンカー部30で光透過性基板10に固定されている。
【0034】
第1バネ28は、弾性変形可能な材料からなり、シャッタ22の板面(プレートの主面)に平行な方向に変形できるように配置されている。詳しくは、第1バネ28は、シャッタ22から離れる方向(駆動開口26の長手方向に交差(例えば直交)する方向)に延びる第1部32と、駆動開口26の長さ方向に沿った方向であって駆動開口26の長さ方向の中央から外方向に向かって延びる第2部34と、さらにシャッタ22から離れる方向(駆動開口26の長手方向に交差(例えば直交)する方向)に延びる第3部36と、を有する。そして、シャッタ22は、図3に矢印で示すように、駆動開口26の長手方向に交差(例えば直交)する方向に移動できるようになっている。
【0035】
光透過性基板10には、第2アンカー部38に支持された第2バネ40が設けられている。第2バネ40は、第1バネ28の第2部34よりもシャッタ22から離れた側で、この第2部34に対向するようになっている。第2アンカー部38に電圧を印加し、第1バネ28の第2部34との電位差による静電引力によって、第2部34が第2バネ40に引き寄せられるようになっている。第2部34が引き寄せられると、第2部34と一体的な第1部32を介して、シャッタ22も引き寄せられる。つまり、第1バネ28及び第2バネ40は、シャッタ22を機械的に駆動するための駆動部24を構成するためのものである。
【0036】
他方の光透過性基板12には、図2に示すように遮光膜42が形成されている。遮光膜42には、固定開口44が形成されている。シャッタ22の上述した駆動開口26と遮光膜42の固定開口44が連通すれば光が通過し、シャッタ22の移動によって遮光膜42の固定開口44が遮蔽されると光が遮断される。言い換えると、遮光膜42の固定開口44への光の通過及び遮断を制御するように、シャッタ22は機械的に駆動される。対応するシャッタ22の駆動開口26と遮光膜42の固定開口44とによって1画素が構成され、多数の画素によって画像が表示されるようになっている。そのため、光透過性基板10には複数(多数)のシャッタ22が設けられている。
【0037】
表示装置は、図2に示すように、光学膜46を有する。光学膜46は、一対の光透過性基板10,12の少なくとも一方と液体16との間に配置されている。光学膜46は、単層からなる。光学膜46の一方の面は、液体16に接触している。光学膜46の他方の面は、一対の光透過性基板10,12の一方に接触している。具体的には、光学膜46は、下面46bに一方の光透過性基板10が隣接するように配置されている。
【0038】
光学膜46は、例えばZnO、ZnCrO及びALからなる群より選択される一つの材料から形成されている。光学膜46の屈折率は、光学膜46と接触する一方の光透過性基板10の屈折率とは異なる。光学膜46の屈折率は、光学膜46と接触する一方の光透過性基板10の屈折率、空気の屈折率及び液体16の屈折率のいずれよりも大きい。
【0039】
光学膜46は、図2に示すように。シール材14に囲まれた領域の内側の少なくともシール材14に隣接する部分に配置されている。光学膜46は、シール材14に囲まれた領域の全体にわたって配置されている。さらに、光学膜46は、シール材14に囲まれた領域の外側に至るように配置されている。
【0040】
図4は、表示装置の作用効果を説明するための図である。図4には、図2に示す連通する駆動開口26及び固定開口44の内側での断面が示されている。この例では、液体16が気泡48を含有している。本実施形態によれば、気泡48を確認しやすくなっており、以下その作用を説明する。
【0041】
光学膜46の上面に自然光を投射したときに、上面46aで反射して進行する反射光と、光学膜46に入射して下面46bで反射して上面46aから出射する反射光とが干渉する。
【0042】
光学膜46の上面46aに隣接する物質(液体16又は気泡48の空気)の屈折率をn、光学膜46の屈折率をn、光学膜46と接触する一方の光透過性基板の屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
である。
【0043】
自然光は、波長及び光学膜46への入射角度が異なる光線群からなる。自然光に含まれる波長λの光線群は、光学膜46の上面46aで反射する第1光線Lと、光学膜46の下面46bで反射して上面46aから出射する第2光線Lと、を含む。なお、第1光線L及び第2光線Lは、垂直入射光であるものとするが、図4では、見やすくするために斜めに入射するように示してある。液体16を通過する第1光線Lと第2光線Lが一対となって干渉し、気泡48(空気)を通過する第1光線Lと第2光線Lが一対となって干渉する。
【0044】
液体16及び気泡48(空気)のそれぞれを通過する一対の第1光線L及び第2光線Lの光路差(実際の距離の差×屈折率)が、波長λの1/2の奇数倍であるときに、第1光線L及び第2光線Lの反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる最大値を示す。
【0045】
液体16及び気泡48(空気)のそれぞれを通過する一対の第1光線L及び第2光線Lの光路差が、波長λの整数倍であるときに、第1光線L及び第2光線Lの反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる最小値を示す。
【0046】
自然光が液体16を通過したときの自然光の反射率は、最小値及び最大値を求める上記式のnに液体16の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲である。
【0047】
液体16が光学膜46上に気泡48を含有し、自然光が気泡48を通過したときの自然光の反射率は、最小値及び最大値を求める上記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲である。
【0048】
例えば、気泡48(空気)の屈折率が1.00、液体16の屈折率が1.37、光学膜46の屈折率が1.80、光透過性基板(ガラス基板)の屈折率が1.52であるときの反射率の範囲を次の表に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
自然光が気泡48(空気)を通過したときの平均値である9%は、自然光が液体16を通過したときの平均値である2.75%の2倍よりも大きくなっている。したがって、本実施形態によれば、反射率の差により気泡48を確認しやすくなっている。
【0051】
これに対して、光学膜46を有しない従来の構造では、自然光が気泡48(空気)を通過したときの反射率の平均値である4%と、自然光が液体16を通過したときの反射率の平均値である6.25%とは差が小さい。そのため反射率の差によっては気泡48を確認しにくいことが分かる。
【0052】
なお、光学膜46は、図2に示すように、光透過性基板のシール材14から外側に突出した部分にも形成されている。この部分は、シール材14に囲まれた領域の外側であるため、元々、液体16が存在せず、気泡48と同様に空気が光学膜46に隣接している。したがって、シール材14の外側の領域の反射率は、気泡48が生じた領域の反射率と同じであるため、気泡48の存在を確認するときの基準にすることができる。
【0053】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る表示装置の作用効果を説明するための図である。この例では、光学膜46は、その上面46aに一方の光透過性基板12が隣接するように配置されている。そして、光学膜46の上面46aに自然光を投射したときに、光学膜46の上面46aで反射して進行する反射光と、光学膜46に入射して下面46bで反射して上面46aから出射する反射光とが干渉する。
【0054】
この例では、光学膜46の下面46bに隣接する物質の屈折率をn、光学膜46の屈折率をn、光学膜46と接触する一方の光透過性基板の屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
である。
【0055】
自然光は、波長及び光学膜46への入射角度が異なる光線群からなる。自然光に含まれる波長λの光線群は、上面46aで反射する第1光線Lと、下面46bで反射して上面46aから出射する第2光線Lと、を含む。
【0056】
第1光線Lと第2光線Lとの光路差が、波長λの1/2の奇数倍であるときに、第1光線L及び第2光線Lの反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる最大値を示す。
【0057】
第1光線Lと第2光線Lとの光路差が、波長λの整数倍であるときに、第1光線L及び第2光線Lの反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる最小値を示す。
【0058】
自然光が液体16の上方で上面46a及び下面46bに反射したときの自然光の反射率は、最小値及び最大値を求める式のnに液体16の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲である。
【0059】
液体16が光学膜46上に気泡48を含有し、自然光が気泡48の上方で上面46a及び下面46bに反射したときの自然光の反射率は、最小値及び最大値を求める式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲である。
【0060】
最小反射率RAirminと最大反射率RAirmaxの平均値は、最小反射率RLIQUIDminと最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の2倍よりも大きい。
【0061】
したがって、本実施形態でも第1の実施形態で説明した効果を達成することができる。
【0062】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態に係る表示装置の作用効果を説明するための図である。この例では、光学膜は、第1光学膜50と第2光学膜52を含む。第1光学膜50及び第2光学膜52のそれぞれは、上面50a,52a及び下面50b,52bを有する。第1光学膜50の下面50bに一方の光透過性基板10が隣接している。第2光学膜52の上面52aに他方の光透過性基板12が隣接している。
【0063】
第1光学膜50及び第2光学膜52のそれぞれの上面50a,52aに自然光を投射したときに、第1光学膜50の上面50aで反射して進行する反射光と、第1光学膜50に入射して第1光学膜50の下面50bで反射して第1光学膜50の上面50aから出射する反射光とが干渉し、第2光学膜52の上面52aで反射して進行する反射光と、第2光学膜52に入射して第2光学膜52の下面52bで反射して第2光学膜52の上面52aから出射する反射光とが干渉する。
【0064】
第1光学膜50の上面50a及び第2光学膜52の下面52bに隣接する物質の屈折率をn、第1光学膜50の屈折率をn、第1光学膜50と接触する一方の光透過性基板10の屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
である。
【0065】
第2光学膜52の屈折率をn12、第2光学膜52と接触する他方の光透過性基板12の屈折率をn22とすると、
<n12、且つn22<n12
である。
【0066】
自然光は、波長並びに第1光学膜50及び第2光学膜52への入射角度が異なる光線群からなる。自然光に含まれる波長λの光線群は、第1光学膜50の上面50aで反射する第1光線Lと、第1光学膜50の下面50bで反射して第1光学膜50の上面50aから出射する第2光線Lと、第2光学膜52の上面52aで反射する第3光線Lと、第2光学膜52の下面52bで反射して上面52aから出射する第4光線Lと、を含む。
【0067】
液体16を通過する第1光線L及び第2光線Lが一対となって干渉し、気泡48(空気)を通過する第1光線L及び第2光線Lが一対となって干渉する。また、液体16の上方の第3光線L及び第4光線Lが一対となって干渉し、気泡48(空気)の上方の第3光線L及び第4光線Lが一対となって干渉する。
【0068】
液体16及び気泡48(空気)のそれぞれを通過する一対の第1光線L及び第2光線Lの光路差が、波長λの1/2の奇数倍であるときに、第1光学膜50の上面50a及び下面50bでの第1光線L及び第2光線Lの反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる第1最大値を示す。
【0069】
液体16及び気泡48(空気)のそれぞれを通過する一対の第1光線L及び第2光線Lの光路差が、波長λの整数倍であるときに、第1光学膜50の上面50a及び下面50bでの第1光線L及び第2光線Lの反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる第1最小値を示す。
【0070】
自然光が液体16を通過したときの第1光学膜50の上面50a及び下面50bでの自然光の反射率は、第1最小値及び第1最大値を求める式のnに液体16の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲である。
【0071】
液体16が第1光学膜50上に気泡48を含有し、自然光が気泡48を通過したときの第1光学膜50の上面50a及び下面50bでの自然光の反射率は、第1最小値及び第1最大値を求める式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲である。
【0072】
最小反射率RAirminと最大反射率RAirmaxの平均値は、最小反射率RLIQUIDminと最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の2倍よりも大きい。
【0073】
液体16及び気泡48(空気)のそれぞれの上方で上面52a及び下面52bに反射する一対の第3光線L及び第4光線Lの光路差が、波長λの1/2の奇数倍であるときに、第2光学膜52の上面52a及び下面52bでの第3光線L及び第4光線Lの反射率は、
Rmax2=((n22−n12)/(n22+n12))
で求められる第2最大値を示す。
【0074】
液体16及び気泡48(空気)のそれぞれの上方で上面52a及び下面52bに反射する一対の第3光線L及び第4光線Lの光路差が、波長λの整数倍であるときに、第2光学膜52の上面52a及び下面52bでの第3光線L及び第4光線Lの反射率は、
Rmin2=((n22−n)/(n22+n))
で求められる第2最小値を示す。
【0075】
自然光が液体16の上方で反射したときの第2光学膜52の上面52a及び下面52bでの自然光の反射率は、第2最小値及び第2最大値を求める式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDmin2から最大反射率RLIQUIDmax2の範囲である。
【0076】
自然光が気泡48の上方で反射したときの第2光学膜52の上面52a及び下面52bでの自然光の反射率は、第2最小値及び第2最大値を求める式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirmin2から最大反射率RAirmax2の範囲である。
【0077】
最小反射率RAirmin2と最大反射率RAirmax2の平均値は、最小反射率RLIQUIDmin2と最大反射率RLIQUIDmax2の平均値の2倍よりも大きい。
【0078】
したがって、本実施形態でも第1の実施形態で説明した効果を達成することができる。
【0079】
[変形例]
図7は、本発明の実施形態の変形例1を示す図である。この例では、光学膜146は、複数層からなる。このような複数層からなる光学膜146は、上記第1〜第3のいずれの実施形態にも適用可能である。
【0080】
図8は、本発明の実施形態の変形例2を示す図である。この例では、シール材214は、一対の光透過性基板210,212の周縁部の第1部分254を避けるように配置されている。一対の光透過性基板210,212はそれぞれ矩形の平面形状を有しており、シール材214は、一対の光透過性基板210,212の少なくとも1つの角部256(あるいは全ての角部256)を避けて配置されている。一対の光透過性基板210,212の周縁部の第1部分254(角部256)が、シール材214から外側に突出する。一対の光透過性基板210,212の周縁部の第2部分258を通るように配置されている。第2部分258は、周縁部から第1部分254を除いた残りの部分全体であってもよいし、周縁部から第1部分254を除いた残りの部分のさらに一部であってもよい。この構造によれば、光透過性基板の広い領域を表示領域として利用しながら、シール材214の外側に、気泡が存在するときの基準となる領域(液体の存在しない領域)を形成することができる。
【0081】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 光透過性基板、12 他方の光透過性基板、14 シール材、16 液体、20 バックライト、22 シャッタ、24 駆動部、26 駆動開口、28 第1バネ、30 第1アンカー部、32 第1部、34 第2部、36 第3部、38 第2アンカー部、40 第2バネ、42 遮光膜、44 固定開口、46 光学膜、46a 上面、46b 下面、48 気泡、50 第1光学膜、50a 上面、50b 下面、52 第2光学膜、52a 上面、52b 下面、146 光学膜、210 光透過性基板、212 光透過性基板、214 シール材、254 第1部分、256 角部、258 第2部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を有して対向配置された一対の光透過性基板と、
前記一対の光透過性基板を貼り合わせて、前記一対の光透過性基板の間に封止空間を区画するシール材と、
画像を光学的に表示するために前記封止空間に配置された複数のシャッタと、
前記封止空間に充填された光学等方性を有する液体と、
前記一対の光透過性基板の少なくとも一方と前記液体との間に配置された光学膜と、
を有し、
前記光学膜の一方の面は、前記液体に接触し、
前記光学膜の他方の面は、前記一対の光透過性基板の一方に接触し、
前記光学膜の屈折率は、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の屈折率とは異なることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
前記光学膜は、単層からなることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された表示装置において、
前記光学膜は、複数層からなることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光学膜の前記屈折率は、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の前記屈折率よりも大きく、空気及び前記液体の屈折率よりも大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光学膜は、下面に前記一方の光透過性基板が隣接するように配置され、上面に自然光を投射したときに、前記上面で反射して進行する反射光と、前記光学膜に入射して下面で反射して前記上面から出射する反射光とが干渉することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光学膜は、上面に前記一方の光透過性基板が隣接するように配置され、前記上面に自然光を投射したときに、前記上面で反射して進行する反射光と、前記光学膜に入射して下面で反射して前記上面から出射する反射光とが干渉することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光学膜は、第1光学膜と第2光学膜を含み、
前記第1光学膜及び前記第2光学膜のそれぞれは、上面及び下面を有し、
前記第1光学膜の前記下面に一方の前記光透過性基板が隣接し、
前記第2光学膜の前記上面に他方の前記光透過性基板が隣接し、
前記第1光学膜及び前記第2光学膜のそれぞれの前記上面に自然光を投射したときに、前記第1光学膜の前記上面で反射して進行する反射光と、前記第1光学膜に入射して前記第1光学膜の下面で反射して前記第1光学膜の前記上面から出射する反射光とが干渉し、前記第2光学膜の前記上面で反射して進行する反射光と、前記第2光学膜に入射して前記第2光学膜の下面で反射して前記第2光学膜の前記上面から出射する反射光とが干渉することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項5に記載された表示装置において、
前記光学膜の前記上面に隣接する物質の屈折率をn、前記光学膜の屈折率をn、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の前記屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
であり、
前記自然光は、波長及び前記光学膜への入射角度が異なる光線群からなり、
前記自然光に含まれる波長λの光線群は、前記上面で反射する第1光線と、前記下面で反射して前記上面から出射する第2光線と、を含み、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる最大値を示し、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる最小値を示し、
前記自然光が前記液体を通過したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに前記液体の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲であり、
前記液体が前記光学膜上に気泡を含有し、前記自然光が前記気泡を通過したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲であり、
前記最小反射率RAirminと前記最大反射率RAirmaxの平均値及び前記最小反射率RLIQUIDminと前記最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の一方は、他方の2倍よりも大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項6に記載された表示装置において、
前記光学膜の前記下面に隣接する物質の屈折率をn、前記光学膜の屈折率をn、前記光学膜と接触する前記一方の光透過性基板の前記屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
であり、
前記自然光は、波長及び前記光学膜への入射角度が異なる光線群からなり、
前記自然光に含まれる波長λの光線群は、前記上面で反射する第1光線と、前記下面で反射して前記上面から出射する第2光線と、を含み、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる最大値を示し、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる最小値を示し、
前記自然光が前記液体の上方で前記上面及び前記下面に反射したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに前記液体の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲であり、
前記液体が前記光学膜上に気泡を含有し、前記自然光が前記気泡の上方で前記上面及び前記下面に反射したときの前記自然光の反射率は、前記最小値及び前記最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲であり、
前記最小反射率RAirminと前記最大反射率RAirmaxの平均値及び前記最小反射率RLIQUIDminと前記最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の一方は、他方の2倍よりも大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項7に記載された表示装置において、
前記第1光学膜の前記上面及び前記第2光学膜の前記下面に隣接する物質の屈折率をn、前記第1光学膜の屈折率をn、前記第1光学膜と接触する一方の前記光透過性基板の前記屈折率をnとすると、
<n、且つn<n
であり、
前記第2光学膜の屈折率をn12、前記第2光学膜と接触する他方の前記光透過性基板の前記屈折率をn22とすると、
<n12、且つn22<n12
であり、
前記自然光は、波長並びに前記第1光学膜及び前記第2光学膜への入射角度が異なる光線群からなり、
前記自然光に含まれる波長λの光線群は、前記第1光学膜の前記上面で反射する第1光線と、前記第1光学膜の前記下面で反射して前記第1光学膜の前記上面から出射する第2光線と、前記第2光学膜の前記上面で反射する第3光線と、前記第2光学膜の前記下面で反射して前記上面から出射する第4光線と、を含み、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmax=((n−n)/(n+n))
で求められる第1最大値を示し、
前記第1光線と前記第2光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記第1光線及び前記第2光線の反射率は、
Rmin=((n−n)/(n+n))
で求められる第1最小値を示し、
前記自然光が前記液体を通過したときの前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第1最小値及び前記第1最大値を求める前記式のnに前記液体の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDminから最大反射率RLIQUIDmaxの範囲であり、
前記液体が前記第1光学膜上に気泡を含有し、前記自然光が前記気泡を通過したときの前記第1光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第1最小値及び前記第1最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirminから最大反射率RAirmaxの範囲であり、
最小反射率RAirminと最大反射率RAirmaxの平均値は、最小反射率RLIQUIDminと最大反射率RLIQUIDmaxの平均値の2倍よりも大きく、
前記第3光線と前記第4光線との光路差が、前記波長λの1/2の奇数倍であるときに、前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記第3光線及び前記第4光線の反射率は、
Rmax2=((n22−n12)/(n22+n12))
で求められる第2最大値を示し、
前記第3光線と前記第4光線との光路差が、前記波長λの整数倍であるときに、前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記第3光線及び前記第4光線の反射率は、
Rmin2=((n22−n)/(n22+n))
で求められる第2最小値を示し、
前記自然光が前記液体の上方で反射したときの前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第2最小値及び前記第2最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RLIQUIDmin2から最大反射率RLIQUIDmax2の範囲であり、
前記自然光が前記気泡の上方で反射したときの前記第2光学膜の前記上面及び前記下面での前記自然光の反射率は、前記第2最小値及び前記第2最大値を求める前記式のnに空気の屈折率を代入して得られる最小反射率RAirmin2から最大反射率RAirmax2の範囲であり、
前記最小反射率RAirmin2と前記最大反射率RAirmax2の平均値及び前記最小反射率RLIQUIDmin2と前記最大反射率RLIQUIDmax2の平均値の一方は、他方の2倍よりも大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記シール材は、前記一対の光透過性基板の周縁部を避けて配置され、
前記一対の光透過性基板の前記周縁部は、前記シール材から外側に突出することを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項11に記載された表示装置において、
前記シール材は、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の全体を避けて配置され、
前記一対の光透過性基板の前記周縁部の全体が、前記シール材から外側に突出することを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項11に記載された表示装置において、
前記シール材は、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の第1部分を避けて、前記一対の光透過性基板の前記周縁部の第2部分を通るように配置され、
前記一対の光透過性基板の前記周縁部の前記第1部分が、前記シール材から外側に突出することを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記一対の光透過性基板はそれぞれ矩形の平面形状を有し、
前記シール材は、前記一対の光透過性基板の角部を避けて配置され、
前記一対の光透過性基板の前記角部が、前記シール材から外側に突出することを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光学膜は、前記シール材に囲まれた領域の内側の少なくとも前記シール材に隣接する部分に配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載された表示装置において、
前記光学膜は、前記シール材に囲まれた領域の全体にわたって配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載された表示装置において、
前記光学膜は、前記シール材に囲まれた領域の外側に至るように配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光学膜は、ZnO、ZnCrO及びALからなる群より選択される一つの材料から形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載された表示装置において、
バックライトをさらに有し、
前記複数のシャッタは少なくとも一つの開口を有し、
前記複数のシャッタは機械的に可動であると共に、前記バックライトからの光の透過及び遮断を制御することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37299(P2013−37299A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175478(P2011−175478)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】