説明

表示装置

【課題】表示むらが少ない表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、複数の導光体と、複数の光源と、複数の光取り出し部と、制御部と、を含む表示装置が提供される。複数の導光体は、一端から他端に向かう第1方向に延在する側面を有する。複数の導光体は、第1方向と直交する第2方向に沿って、配設ピッチで並ぶ。光源は導光体中に光を入射させる。光取り出し部は、導光体の側面に対向し、第2方向に沿って並ぶ複数の光取り出し要素を含む。複数の光取り出し部は第1方向に沿って並ぶ。制御部は、光取り出し部に電気信号を供給し、導光体中を伝搬する光を電気信号に応じて導光体から外部に取り出させる。光取り出し要素の第2方向に沿った長さは、配設ピッチの2倍以上である。複数の光取り出し要素の間の位置は、第1方向と第2方向とを含む面内において一様に分布している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、導光構造を用いた表示装置が提案されている。この表示装置は、例えば一列に並べられた複数の光源と、各光源に1つずつ接続される複数の導光体と、各導光体表面に複数設けられた光取り出し部と、を有する。光取り出し部を物理的にあるいは化学的に変化させることにより、それぞれの導光体表面からの光取り出しと非取り出しとを制御する。これにより、表示装置は、画像を表示することができる。このような表示装置において、表示むらを低減し、均一な表示を行うことは重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−221590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、表示むらが軽減された表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、複数の導光体と、複数の光源と、複数の光取り出し部と、制御部と、を含む表示装置が提供される。前記複数の導光体のそれぞれは、一端と、前記一端とは反対側の他端と、前記一端から前記他端に向かう第1方向に沿って延在する側面と、を有する。前記複数の導光体のそれぞれは、前記第1方向に沿って延びる。前記複数の導光体は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って、配設ピッチで並ぶ。前記複数の光源のそれぞれは、前記複数の導光体のそれぞれの前記一端に並置される。前記複数の光源のそれぞれは、前記一端から前記複数の導光体中に光を入射させる。前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記複数の導光体のそれぞれの前記側面に対向する。前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記第2方向に沿って並ぶ複数の光取り出し要素を含む。前記複数の光取り出し部は、前記第1方向に沿って並ぶ。前記制御部は、前記複数の光取り出し部のそれぞれに電気信号を供給する。前記制御部は、前記複数の光取り出し部に、前記導光体中に入射され前記導光体中を伝搬する前記光を、前記電気信号に応じて前記導光体から前記導光体の外部に取り出させる。前記複数の光取り出し要素の前記第2方向に沿った長さは、前記配設ピッチの2倍以上である。前記複数の光取り出し要素の間の位置は、前記第1方向と前記第2方向とを含む面内において一様に分布している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的平面図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示装置の一部を示す模式的平面図である。
【図5】第1参考例の表示装置を示す模式的平面図である。
【図6】第2参考例の表示装置を示す模式的平面図である。
【図7】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的平面図である。
【図8】図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、表示装置における表示むらを示す模式図である。
【図9】図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、表示装置における表示むらを示す模式図である。
【図10】図10(a)、図10(b)及び図10(c)は、表示装置における表示むらを示す模式図である。
【図11】図11(a)、図11(b)及び図11(c)は、表示装置における表示むらを示す模式図である。
【図12】図12(a)、図12(b)及び図12(c)は、表示装置における表示むらを示す模式図である。
【図13】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式図である。
【図15】第2の実施形態に係る表示装置の一部を示す模式的平面図である。
【図16】第2の実施形態に係る別の表示装置の一部を示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図1に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、複数の導光体10と、複数の光源13と、複数の光取り出し部20と、制御部30と、を含む。
【0009】
複数の導光体10のそれぞれは、第1方向に沿って延びる。複数の光源13は、第2方向に沿って並ぶ。第2方向は、第1方向と直交する。第1方向に対して平行な軸をX軸とする。X軸方向に対して垂直な1つの軸をY軸とする。X軸とY軸とに対して垂直な軸をZ軸とする。
【0010】
導光体10が延在する軸は、X軸である。複数の導光体10は、Y軸に沿って、例えば、配設ピッチpyで並ぶ。複数の導光体10のそれぞれは、一端10aと、一端とは反対側の他端10bと、側面10sと、を有する。側面は、X軸に沿って延びる。一端10aから他端10bに向かう方向はX軸方向である。
【0011】
複数の光源13のそれぞれは、複数の導光体10のそれぞれの一端10aに並置される。例えば、光源13は、一端10aに対向する。光源13は、導光体10の一端10aから導光体10中に光9を入射させる。光9は、導光体10中を一端10aから他端10bに向けて伝搬する。
【0012】
複数の光取り出し部20のそれぞれは、例えば、Y軸(第2方向)に沿って延びる。複数の光取り出し部20のそれぞれは、複数の導光体10のそれぞれの側面10sに対向する。複数の光取り出し部20のそれぞれは、複数の光取り出し要素20eを含む。複数の光取り出し要素20eのそれぞれは、Y軸に沿って並ぶ。複数の光取り出し部20は、X軸に沿って並ぶ。複数の光取り出し部20は、例えば、配設ピッチpxで並ぶ。
【0013】
制御部30は、複数の光取り出し部20のそれぞれに、例えば配線(後述する給電線31を含む)などで、電気的に接続されている。制御部30は、複数の光取り出し部20のそれぞれに電気信号を供給する。
【0014】
光取り出し部20は、その電気信号に応じて、導光体10中を伝搬する光9を、導光体10から導光体10の外部に取り出す。すなわち、制御部30は、複数の光取り出し部20に、導光体10中に入射され導光体10中を伝搬する光9を、電気信号に応じて導光体10から導光体10の外部に取り出させる。
【0015】
このように、複数の光源13は、一方向(Y軸方向)に配列される。複数の導光体10は、その方向とほぼ直交する方向(X軸方向)に延びる。導光体10は、例えば、各光源13に連結される。複数の導光体10は、例えば、X軸に沿って延びる柱状である。複数の光取り出し部20は、導光体10のそれぞれの側面10sに対向して設けられる。複数の光取り出し部20のそれぞれの中心の間の間隔d(X軸に沿ったピッチpx)は、例えば、画素間隔に相当する。
【0016】
本実施形態において、光取り出し部20と複数の導光体10との交差部のそれぞれが、1つの画素を形成する。ただし、実施形態はこれに限らず、1つの画素が、複数の交差部を含んでも良い。
【0017】
たとえば、水平方向(Y軸方向)に、M個(Mは2以上の整数)の光源13が並ぶ。そして、垂直方向(X軸方向)に、導光体10が延びる。光取り出し部20のそれぞれは、水平方向に延びる。導光体10のそれぞれに対して、N個(Nは2以上の整数)の光取り出し部20が垂直方向に沿って配設される。これにより、水平方向の数がM個で、垂直方向の数がN個の画素が並ぶ。光取り出し部20を1つのラインとする。例えば、垂直方向上部の第1ラインから最下部の第Nラインまで、ライン単位で順次切り替えて走査すると、画像を表示することができる。
【0018】
第i(i=1〜N)ラインの表示においては、第iラインの画像データが光源13に供給される。これにより、各光源13は、第iラインの画像データに対応する強さおよび色の光9を発光する。この光9は、対応する導光体10内を垂直方向に伝播する。
【0019】
この光9に同期して、制御部30から、第i番目の光取り出し部20に駆動信号(電気信号)が供給される。駆動信号が供給された光取り出し部20は、光取り出し状態となる。すなわち、垂直方向において第i番目の光取り出し部20が光取り出し状態となる。第i番目を除く他の光取り出し部20には、駆動信号が与えられず、他の光取り出し部20は非取り出し状態である。
【0020】
このような駆動信号を供給することで、導光体10を伝播した光9(第iラインの画像データに対応)は、第i番目の光取り出し部20から取り出される。所定時間の後、第(i+1)ラインの画像データを光源13に供給しつつ、制御部30が第(i+1)番目の光取り出し部20を選択して駆動信号を供給する。これにより、第(i+1)番目の画像データに対応する光9が、第(i+1)番目の光取り出し部20から取り出される。
【0021】
光取り出し部20により導光体10から導光体10の外に取り出された光は、例えばZ軸の成分を含む方向に沿って出射する。すなわち、複数の導光体10と、複数の光取り出し部20と、が交差するX−Y平面が、表示面となる。
【0022】
光取り出し部20に駆動信号が供給されて光9が取り出される仕組みの例について説明する。
【0023】
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、図1のA1−A2線断面図である。
図2に示すように、光取り出し部20は、例えば、透明な第1基板81と、透明な第2基板82と、第1電極51と、第2電極52と、液晶分散層27と、を含む。例えば、第2基板82は、Z軸に沿って第1基板81と対向する。第1基板81と第2基板82との間に第1電極51が配置される。第1電極51と第2基板82との間の第2電極52が配置される。第1電極51と第2電極52との間に液晶分散層27が配置される。
【0024】
例えば、第1基板81は、導光体10の側面10sに対向する。この例では、第1基板81は、導光体10の上に設けられる。第1電極51は、第1基板81の上に設けられる。液晶分散層27は、第1電極51の上に設けられる。第2電極52は、液晶分散層27の上に設けられる。第2基板82は、第1電極51の上に設けられる。本具体例では、シール材24がさらに設けられる。シール材24は、第1電極51と第2電極52との間(第1基板81と第2基板82との間でも良い)において、液晶分散層27を囲む。
【0025】
液晶分散層27は、例えば、多孔質体27aと、高分子分散液晶部27bと、を含む。多孔質体27aは、例えば、孔部27cを有する。孔部27cの径の平均は、例えば500ナノメートル(nm)である。多孔質体27aは、光透過性である。高分子分散液晶部27bは、多孔質体27aの孔部27c内に設けられる。液晶分散層27においては、例えば、高分子分散型液晶(PDLC)と呼ばれる液晶方式が採用される。
【0026】
多孔質体27aとしては、例えば、フィルム状多孔質体などが用いられる。高分子分散液晶部27bには、液晶材料と、熱や紫外線により硬化する透明材料と、が混合された材料が用いられる。これにより、液晶滴27dが形成される。熱や紫外線により硬化する透明材料としては、例えば紫外線硬化型樹脂などが用いられる。紫外線硬化型樹脂は未硬化の状態で配置され、その後硬化される。液晶材料としては、電界内で液晶分子の配向が揃う材料が用いられ、例えばネマチック液晶が用いられる。液晶材料と透明材料との混合比は、それぞれの材料によって決められ、液晶材料が液晶滴27dを形成しやすい範囲内とされる。
【0027】
第1電極51と第2電極52とは、導光体10の側面10sに対して垂直な方向(Z軸方向)に沿って対向する。第1電極51と第2電極52とは、液晶分散層27を保持する。第1電極51及び第2電極52には、例えば透明電極が用いられる。第1基板81及び第2基板82は、それぞれ第1電極51及び第2電極52を保持する。第1電極51は、例えば制御部30に接続され、第2電極52は、接地される。制御部30により、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加される。
【0028】
多孔質体27aに設けられる孔部27cは、多孔質体27a内に分散して形成されている。孔部27cの径の平均は、例えば平均500nmである。液晶滴27dの平均は、例えば50nmである。電界Eが生じていない状態において、多孔質体27aの屈折率と、多孔質体27aの孔部27cに存在する高分子分散液晶部27bの平均的な屈折率と、が同等に設定される。この結果、高分子分散液晶部27bは光散乱を生じず、液晶分散層27は透明状態となる。
【0029】
第1電極51及び第2電極52には、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)などの透明な導電材料が用いられる。第1基板81及び第2基板82には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート及びアクリル樹脂などの透明な絶縁材料が用いられる。シール材24には、例えば、エポキシ樹脂などの材料が用いられる。導光体10には、例えばアクリル樹脂などが用いられる。
【0030】
制御部30によって光取り出し部20が選択されると、光取り出し部20の第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加され、液晶分散層27に電界Eが生じる。
【0031】
図2に示す右側の光取り出し部20(第1状態ST1)においては、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加されていない。この第1状態ST1においては、液晶分散層27は透明である。このとき、導光体10内を全反射しながら進行する光9bが、導光体10の側面10s上で光取り出し部20が設けられた部分に到達すると、液晶分散層27を通って第2基板82で全反射される。全反射された光9dは、再び液晶分散層27を通って導光体10へ戻される。
【0032】
一方、図2に示す左側の光取り出し部20(第2状態ST2)においては、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加される。この第2状態ST2においては、液晶分散層27に電界Eが生じ、液晶分子(の例えば長軸)はZ軸に沿って配向する。このとき高分子分散液晶部27bの屈折率は電界Eが生じないときの屈折率から変化する。これにより、高分子分散液晶部27bの屈折率と、多孔質体27aの屈折率と、の間に差が生じ、液晶分散層27は散乱状態となる。
【0033】
この散乱状態において、導光体10内を進行する光9aは、導光体10の側面10sのうちで光取り出し部20が設けられた部分に到達し、その光9aは液晶分散層27を通過する。このとき、液晶分散層27で光散乱が生じる。液晶分散層27で散乱された光のうちで、第2基板82と外部との界面への入射角が臨界角よりも小さい光9cは、屈折して光取り出し部20の外へ出射する。
【0034】
このように、第1電極51と第2電極52との間の電圧を制御することで、液晶分散層27の液晶材料の配向を制御し、導光体10内を伝搬する光の取り出しと非取り出しとを切り替えることができる。
【0035】
液晶材料の電界Eに対する応答速度は、高分子分散液晶部27b内の液晶滴27dの径(サイズ)に依存する。液晶滴27dの径の平均が100nm以下の場合は、100μsec(マイクロ秒)以下の高速の応答が得られる。
【0036】
制御部30は、複数の光取り出し部20に対して順次走査することで、複数の光取り出し部20の光取り出しと非取り出しとを制御する。これにより、表示装置110において、画像が表示される。
【0037】
なお、シール材24は、液晶分散層27が空気と触れて信頼性が低下することを抑制する。シール材24は、必要に応じて設けられ、場合によっては省略できる。シール材24として光吸収性材料を用いることで、光非取り出し状態において液晶分散層27からシール材24を通して漏れ出る光を抑制することができ、表示装置110の画質が向上する。
【0038】
本願発明者は、上記のような構成を有する表示装置において、表示むらが発生することがあることを見出した。
【0039】
例えば、光取り出し部20の長さ(Y軸方向に沿った長さ)が過度に長いと、光取り出し部20の一方の端の側と他方の端の側とで表示状態が異なる場合があることが判明した。これを解析した結果、光取り出し部20の一方の端から駆動電圧を供給すると、主に第1電極51及び第2電極52の電気抵抗と、液晶分散層27の電気容量と、に起因する信号遅延が生じることが原因であることが分かった。すなわち、駆動電圧を印加している端部から離れるにつれて駆動電圧波形が鈍り、その結果、光取り出し部20の光取り出しタイミングがずれる現象が発生する。この現象は、特に、電極として使用されるITOの電気抵抗が高いと、配線時定数が大きくなり、顕著に観察される。
【0040】
実施形態に係る表示装置110においては、この信号遅延に起因した表示むらを抑制するために、液晶分散層27に電圧を印加する電極(第1電極51及び第2電極52)に、電流を供給するための導電層(電極及び配線)が付与される。
【0041】
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図3は、図1のB1−B2線断面を模式的に例示している。
図3に表したように、本実施形態に係る表示装置110においては、リード電極25(第1リード電極25a及び第2リード電極25b)が設けられる。第1リード電極25aは、第1電極51の側面に接する。第2リード電極25bは、第2電極52の側面に接する。このような第1リード電極25a及び第2リード電極25bは、Y軸方向に沿って複数設けられる。すなわち、光取り出し部20の延在方向に沿って、光取り出し部20の途中の複数の位置から、第1電極51及び第2電極52に電流を供給できるように、複数の第1リード電極25a及び複数の第2リード電極25bが設けられる。
【0042】
第1リード電極25aのY軸に沿った位置は、複数の導光体10どうしの間隙に位置する。複数の第1リード電極25aどうしの間隔は、複数の導光体10のY軸方向に沿った配設ピッチpyよりも長い。複数の第1リード電極25aどうしの間隔は、複数の導光体10のY軸方向に沿った配設ピッチpyの2以上の整数倍である。
【0043】
同様に、第2リード電極25bのY軸に沿った位置は、複数の導光体10どうしの間隙に位置する。複数の第2リード電極25bどうしの間隔は、複数の導光体10のY軸方向に沿った配設ピッチpyよりも長い。複数の第2リード電極25bどうしの間隔は、複数の導光体10のY軸方向に沿った配設ピッチpyの2以上の整数倍である。
【0044】
リード電極25には、光取り出し部20に併設される給電線31が接続される。具体的には、第1リード電極25aには、光取り出し部20に併設される第1給電線31aが接続される。第2リード電極25bには、光取り出し部20に併設される第2給電線31bが接続される。給電線31(第1給電線31a及び第2給電線31b)は、複数の光取り出し要素20eのそれぞれに電気信号を供給する。給電線31には、例えば、低抵抗なアルミニウム及び銅などの金属配線を使うことができる。また光沢を抑制するために、これらの金属配線を樹脂等で被覆しても良い。
【0045】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の一部の構成を例示する模式的平面図である。 図4は、図1の一部分PA1を拡大して例示している。
図4に表したように、この例では、第1給電線31aと第2給電線31bとの間に光取り出し部20が配置される。そして、第1リード電極25aと第2リード電極25bとの間に、液晶分散層27が配置される。
【0046】
このようなリード電極25及び給電線31を設けることで、光取り出し部20の電極の抵抗を低減することができ、配線時定数が小さくなり、光取り出しタイミングの遅れを抑えることができる。
【0047】
例えば、液晶分散層27は、第1電極51と第2電極52との間に浸透させて充填される。このとき、光取り出し部20のY軸に沿った長さが過度に長いと、光取り出し部20の端部から液晶を充填することは膨大な時間を要する。そこで、リード電極25の位置のシール材24にわずかな隙間を作り、その隙間から液晶を注入・充填した後、樹脂で隙間を封止することで、液晶充填に要する時間を削減することができる。
【0048】
以上述べた、光取り出し部20へリード電極25を付与することにより、光取り出し部20に、微小ではあるが光学的に異質なものが付与されたことになる。また、上記のように、液晶注入箇所を付与した場合も同様である。
【0049】
つまり、図3及び図4に表したように、光取り出し部20は、光学的に異質なものによって区切られた複数の光取り出し要素20e(例えば第1光取り出し要素20ea及び第2光取り出し要素20ebなど)を有することになる。複数の光取り出し要素20eは、電気的に、リード電極25等で互いに接続される。このように、光取り出し部20は、Y軸方向に沿って並ぶ複数の光取り出し要素20eが接続された構造を有すると見ることができる。
【0050】
このように、さらに、複数の光取り出し要素20eを設けた場合において、表示むらが発生することがあることが判明した。この現象を解析すると、この表示むらは、複数の光取り出し要素20eどうしの接続箇所の表示面内(X−Y面内)の配置に依存することが分かった。この接続箇所は、例えば、上記のリード電極25が設けられる場所である。すなわち、接続箇所に起因する表示上のむらが生じることが、新たな課題として発見された。
【0051】
以下、光取り出し要素20eの構成(接続位置の配置に対応する)と表示むらとの関係の例について説明する。
図5は、第1参考例の表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図5に表したように、第1参考例の表示装置119aにおいては、光取り出し部20に含まれる光取り出し要素20eは、3画素分の長さを有する。光取り出し要素20eどうしの接続箇所は、列方向(Y軸方向)において共通の箇所である。その結果、表示面において、接続箇所に起因する縦方向(X軸方向)の強いストライプが視認されてしまう。
【0052】
図6は、第2参考例の表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図6に表したように、第2参考例の表示装置119bにおいては、光取り出し要素20eどうしの接続箇所は、一列ずつずらして配置されている。この場合は、斜め方向に強いストライプが発生する。
【0053】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図7に表したように、本実施形態にかかる表示装置110においては、光取り出し要素20eの間の接続箇所は列方向において一様に配置されている。例えば、光取り出し要素20e間の接続箇所は、不規則に配置されている。これにより、光取り出し要素20eの間の接続箇所に起因するストライプ等の表示むらが抑制される。
【0054】
ここで一様とは、表示面内に周期性などの規則性がなく、さらに局所的に存在密度に偏りがない状態を意味している。
【0055】
図8(a)、図8(b)、図8(c)、図9(a)、図9(b)、図9(c)、図10(a)、図10(b)、図10(c)、図11(a)、図11(b)、図11(c)、図12(a)、図12(b)及び図8(c)は、表示装置における表示むらを例示する模式図である。
これらの図においては、光取り出し要素20eの間の接続箇所の位置を変えて、その時に観察される表示むらの空間周波数特性をシミュレーションした結果を示している。
【0056】
図8(a)に表したように、表示装置の表示面(x−y平面)において、画素のそれぞれは、縦線Lvと横線Lhとで区切られた領域に相当する。図8(a)では、接続箇所が設けられた画素がドットのハッチングで示される。後述するように、接続箇所が設けられていない画素はドットのハッチングが設けられない。図8(b)は、x軸方向における表示むらの空間周波数fxと、y軸方向における表示むらの空間周波数fyと、を示している。図8(b)において、濃度が高い部分は、空間周波数成分が大きいことに相当する。図8(c)の縦軸は、空間周波数の強度を示す。
【0057】
図8(a)〜図8(c)に例示した第1計算例118aは、全ての画素ごとに接続箇所が設けられた構成に相当する。この場合、図8(b)及び図8(c)に示したように、空間周波数fx及びfyは、直流成分だけ(fx=fy=0)となる。
【0058】
図9(a)に表したように、第2計算例118bは、x軸方向に沿って、3つの画素ごとに接続箇所が設けられた構成に相当する。図9(a)において、ドットのハッチングで示された画素は接続箇所が設けられた画素に相当し、ドットのハッチングが設けられていない画素は、接続箇所が設けられていない画素に相当する。この場合には、x軸方向に沿って規則性がある。この場合、図9(b)及び図9(c)に示したように、空間周波数fx及びfyにおいては、直流成分(fx=fy=0)と、fx成分にピークが発生する。このときには、縦方向の縞状の表示むらが視認される。
【0059】
図10(a)に表したように、第3計算例118cは、斜め方向に沿って接続箇所が設けられた構成に相当する。この場合には、x軸方向とy軸方向とに沿って規則性がある。この場合、図10(b)及び図10(c)に示したように、空間周波数fx及びfyにおいて、強いピークが発生する。このときは、斜め方向の縞状の表示むらが視認される。
【0060】
図11(a)に表したように、第4計算例118dは、y軸方向に沿って接続箇所が設けられている。この場合、図11(b)及び図11(c)に示したように、直流成分(fx=fy=0)と同等の強いfx成分が発生する。このfx成分は、広い周波数範囲で分布する。このときには、縦方向のすじ状の表示むらが視認されることになる。
【0061】
図12(a)に表したように、第5計算例118eは、接続箇所が不規則に配置されてた構成に相当する。この場合には、直流成分(fx=fy=0)が強く、他の複数の周波数成分の強度は、直流成分に比べて相対的に低い。
【0062】
第5計算例118eのように、表示むらの分布(例えば輝度の分布)の空間周波数において、直流成分と、直流成分よりも相対的に強度が低い他の複数の周波数成分と、が発現する場合に、複数の周波数成分に起因する表示むらは視認されにくくなる。第5計算例118eの接続箇所の配置は、本実施形態のうちの1つである。
【0063】
なお、第1計算例118aのように、全ての画素ごとに接続箇所を設ける構成においては、接続が複雑になり、例えばコストの上昇に繋がる。
【0064】
実施形態においては、複数の光取り出し要素20eのY軸方向に沿った長さは、導光体10の配設ピッチpyの2倍以上である。すなわち、複数の画素に対して1つの光取り出し要素20e(及び接続箇所)が設けられる。これにより、接合は簡単化され、製造が容易になる。そして、複数の光取り出し要素20eの間の位置(すなわち接続箇所の位置)は、表示面内(X軸方向とY軸方向とを含む面内)において一様に分布している。一様に分布しているとき、例えば、表示むらの分布(例えば輝度の分布)の空間周波数において、直流成分と、直流成分よりも相対的に低い、他の複数の成分と、が発現する。
【0065】
実施形態に係る表示装置110によれば、信号遅延に起因した表示むらを軽減し、さらに、リード電極25の空間的な配置に起因した表示むらも軽減することができる。すなわち、表示むらや妨害感の少ない表示装置を提供できる。
【0066】
以下、本実施形態に係る表示装置110の製造方法の1つの例について説明する。
図3及び図4に示すように、第1基板81及び第2基板82のそれぞれの主面上に、第1電極51及び第2電極52を設ける。第1電極51を第2電極52と対向させる。さらに、第1電極51及び第2電極52が光取り出し部20の側面10sから電気的に接続できるように、第1電極51及び第2電極52の側面部に、例えば、導電ペーストを塗布する。導電ペーストには、例えば銀ペーストが用いられる。導電ペーストの形状は例えばドット状であり、その径は、例えば約200マイクロメートル(μm)である。この導電ペーストがリード電極25となる。
【0067】
第1電極51と第2電極52との距離の平均は、例えば10μm以上50μmである。具体的には、例えば、30μmである。
【0068】
第1電極51及び第2電極52の間に、枠状にシール材24を形成する。枠状のシール材24には、後述する多孔質体27aを充填するための入り口を設けておく。この入り口から、第1電極51と第2電極52とシール材24とに囲まれた内部に、多孔質体27aを充填する。多孔質体27aには、例えばメンブレンフィルタのようなフィルム状多孔質体が用いられる。多孔質体27aの孔部27cの平均径は、500nm以上である。
【0069】
さらに、シール材24には、光取り出し部20の延在方向に沿って所定の間隔で、液晶材料を注入するための間隙を開けておく。
【0070】
次に、多孔質体27a内に、高分子分散液晶部27bとなる液晶材料を複数の注入用間隙から浸透させる。この後、液晶材料に紫外光を照射して、多孔質体27a内部に高分子分散液晶部27bが形成される。
【0071】
これによる、多孔質体27aの孔部27c内において、平均径が50nm以下の液晶滴27dが形成される。これにより、液晶分散層27が形成される。液晶分散層27の厚さは、第1電極51と第2電極52との距離と実質的に同等である。すなわち、液晶分散層27の厚さの平均は、例えば、10〜50μmの範囲であり、具体的には例えば、30μmである。
【0072】
この後、光取り出し部20側面に形成されたリード電極25(導電ペースト)を、金属配線(給電線31)で接続する。
【0073】
以下、さらに具体的な例を示す。
ネマチック液晶としてE7(Merck社製、no=1.522、ne=1.746)を用いる。紫外線硬化型樹脂として、NOA81(Norland社製、屈折率1.56)を用いる。多孔質体27aとして、ポリカーボネート(屈折率1.59〜1.60)を用いる。液晶:樹脂の混合比は、30:70である。両者をよく混合し、ポリカーボネート製メンブレンフィルタ(平均孔径500nm、厚さ20μm)に浸透させる。その後、紫外光(300mW/cm)を照射して樹脂を硬化させ、樹脂内に微小な液晶滴27dを形成した液晶分散層27を得る。液晶滴27dの平均径は50nmで、平均径が500nmの凝集体が形成される。液晶分散層27は透明である。
【0074】
得られた液晶分散層27を、ITO(酸化インジウムスズ)の透明電極が形成された一対の透明基板で挟み、光取り出し部20が得られる。予め透明電極の側面部にはリード電極25が、所定の間隔で形成されている。光取り出し部20の形成後に、電極に、給電線31となる0.3mm径のアルミニウム配線が接続される。この透明電極間に、200Vの電圧を印加すると、液晶分散層27は散乱状態になる。また、その応答速度は、約20μsecである。
【0075】
さらに、光取り出し部20を、並置した複数のアクリル製の導光体10に直交するように接触させる。導光体10の接触部には、光取り出し部20が導光体10と光学的に接触するよう、屈折率1.50のカップリングオイルが塗布される。導光体10の一端には光源13として発光ダイオードが配置される。発光ダイオードから導光体10に光9が入射される。光取り出し部20が透明な状態(電圧無印加状態)では、光は取り出されない。電極に電圧を印加して散乱状態にすると、導光体10から光が取り出される。透明状態においては、光漏れは観察されず、光損失が殆どない。
【0076】
一端に光源13を有する複数の導光体10を、図1に示すように並べる。さらに、導光体10と直交するように、複数の給電線31を並べる。光取り出し部20と導光体10との間にはカップリングオイルが配置される。カップリングオイルの代わりに紫外線硬化樹脂を用いて、組み立て後に光取り出し部20と導光体10とを固定しても良い。光取り出し部20に形成したリード電極25の位置を、面内で一様になるようにY軸方向にシフトして配置する。これにより、リード電極25に起因するストライプ状のむらは観察されない。
【0077】
制御部30から、複数の給電線31(走査線に対応する)に順次200Vの電圧を印加し、光取り出し部20を給電線31ごとに光取り出し状態にする。それに同期して、複数の光源13から、所定の強度と色とを有する光9を導光体10に入射させる。制御部30が選択した給電線31に接続された光取り出し部20において、光が取り出される。この動作を全ての給電線31に対して、順次走査して表示が行われる。光取り出し部20の信号遅延に起因する、画面内の明るさむら、または、動作不良は見られない。光取り出し部20は20μsec程度で高速応答する。このため、動画に対しても十分に追随できる。
【0078】
(第2の実施形態)
図13は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図13は、図1のA1−A2線断面に相当する断面図である。
本実施形態に係る表示装置120の全体の構成(平面構成)は、図1に例示した表示装置110と同等することができるので説明を省略する。
【0079】
本実施形態に係る表示装置120においては、光取り出し動作において、静電力により微小変位が生じるフィルムと、導光体10と、の接触状態の変化が用いられる。
【0080】
図13に表したように、導光体10に接するように、透明な第1基板81が配置される。第1基板81の上には第1電極51(例えばITOで、厚さが100nm)が設けられる。さらに、第1電極51の上に、絶縁膜26が設けられる。絶縁膜26には、例えばアクリル系絶縁性樹脂が用いられる。絶縁膜26の厚さは、例えば3μmである。
【0081】
絶縁膜26の上に、所定の形状を有するスペーサ20sが設けられる。スペーサ20sの高さは、例えば5μmである。スペーサ20sには、例えばレジスト材料などが用いられる。
【0082】
一方、透明な第2基板82の主面には、第2電極52(例えばITOで、厚さが100nm)が設けられている。第2基板82には、例えば、厚さが100μmのPI(ポリイミド)フィルムが用いられる。第2電極52が、第1電極51と対向するように、第2基板82を配置する。第1基板81と第2基板82との間の距離は、スペーサ20sの近傍では、スペーサ20sの高さに保持される。この状態で、第2基板82は、例えば、加熱圧着処理により、スペーサ20sと接着される。スペーサ20sは、第1電極51と第2電極52との間の間隔を規定する。スペーサ20sは、例えば画素の間に設けられる。
【0083】
一方、例えば、第2基板82のITOが形成されていない面(上面)には、微小な凹凸部22が形成されている。
【0084】
図13に示す右側の光取り出し部20(第1状態ST1)においては、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加されていない。この第1状態ST1においては、導光体10を伝播した光9bは、第1基板81の表面の絶縁膜26で全反射して、導光体10に戻る(光9d)。
【0085】
一方、図13に示す左側の光取り出し部20(第2状態ST2)においては、第1電極51と第2電極52との間に電圧が印加される。この第2状態ST2においては、電極間の静電力により、第2基板82が変位し、第2基板82は、第1基板81と(第2電極51、絶縁膜26及び第1電極51を介して)接触する。導光体10を伝播した光9aは、第1基板81を通過して第2基板82に到達し、さらに凹凸部22で光の進行方向を変えた後に、光9cとして、外部に出射する。すなわち、第1電極51及び第2電極52に供給する電気信号により、導光体10からの光取り出しの状態を切り替えることができる。
【0086】
図14は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
図14は、図1のB1−B2線断面に相当する断面を模式的に例示している。
静電力を用いた本実施形態においても、主に電極の抵抗に起因する配線遅延の影響で、光取り出し動作の遅延を招く可能性がある。そのため、給電線31が設けられ、これにより、配線時定数が低減される。
【0087】
第1電極51及び第2電極52のそれぞれの側面に、リード電極25(第1リード電極25a及び第2リード電極25b)が設けられる。そして、光取り出し部20に併設して給電線31(第1給電線31a及び第2給電線31b)が設けられる。第1リード電極25a及び第2リード電極25bのそれぞれに、第1給電線31a及び第2給電線31bのそれぞれが接続される。
【0088】
図15は、第2の実施形態に係る表示装置の一部の構成を例示する模式的平面図である。
図15は、図1の一部分PA1に相当する部分を拡大して例示している。
図15に表したように、この例では、第1給電線31aと第2給電線31bとの間に光取り出し部20が配置される。
【0089】
この結果、光取り出し部20の電極のY軸に沿った抵抗を低減することができ、配線時定数が小さくなり、光取り出しタイミングの遅れを抑えることができる。
【0090】
表示装置120において、例えば、第1電極51と第2電極52との間に電圧を印加することで、光取り出しが可能である。200Vの電圧を印加したときの応答速度は、約100μsecである。
【0091】
表示装置120においても、複数の光取り出し部20を、複数の導光体10と直交するように、例えば、カップリングオイルを介して接触させ、表示装置110と同様の動作が可能である。
【0092】
図16は、第2の実施形態に係る別の表示装置の一部の構成を例示する模式的平面図である。
図16は、本実施形態に係る別の表示装置130に関して、図1の一部分PA1に相当する部分を拡大して例示している。図16に例示したように、スペーサ20sは画素の間に配置される。図16においては、2つの画素に対して1つのスペーサ20sが設けられている部分が示されている。スペーサ20sは、複数の光取り出し要素20eの区切りとなる。スペーサ20sは、複数の光取り出し要素20eの間に設けられる。
【0093】
スペーサ20sの位置(複数の光取り出し要素20eの間の位置)を、表示面内(X軸方向とY軸方向とを含む面内)において一様に分布させる。これにより、表示むらが抑制できる。
【0094】
第1及び第2の実施形態において、複数の光取り出し要素20eの間の位置が、X−Y平面内において一様に分布していれば良く、例えば、複数の光取り出し要素20eのそれぞれのY軸方向に沿った長さは、互いに異なっても良い。
【0095】
なお、第1及び第2の実施形態において、導光体10の断面(Z−Y平面で切断したときの断面)は、例えば、四角、円、楕円などが適用できる。ただし、第1及び第2の実施形態はこれに限らず、導光体10の断面の形状は、任意である。
【0096】
実施形態によれば、表示むらが軽減された表示装置が提供される。
【0097】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0098】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる導光体、光源、光取り出し部、制御部、リード電極、給電線、基板、電極、液晶分散層、絶縁膜及びスペーサなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0099】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0100】
その他、本発明の実施形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0101】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
9、9a〜9d…光、 10…導光体、 10a…一端、 10b…他端、 10s…側面、 13…光源、 20…光取り出し部、 20e…光取り出し要素、 20ea…第1光取り出し要素、 20eb…第2光取り出し要素、 20s…スペーサ、 22…凹凸部、 24…シール材、 25…リード電極、 25a…第1リード電極、 25b…第2リード電極、 26…絶縁膜、 27…液晶分散層、 27a…多孔質体、 27b…高分子分散液晶部、 27c…孔部、 27d…液晶滴、 30…制御部、 31…給電線、 31a、31b…第1及び第2給電線、 51…第1電極、 52…第2電極、 81…第1基板、 82…第2基板、 110、119a、119b、120…表示装置、 118a〜118e…第1〜第5計算例、 PA1…一部分、 ST1、ST2…第1及び第2状態、 d…間隔、 px…ピッチ、 py…配設ピッチ、Lh…横線、Lv…縦線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、一端と、前記一端とは反対側の他端と、前記一端から前記他端に向かう第1方向に沿って延在する側面と、を有し、前記第1方向に沿って延びる複数の導光体であって、前記複数の導光体は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って、配設ピッチで並ぶ、前記複数の導光体と、
それぞれが、前記複数の導光体のそれぞれの前記一端に並置され、前記一端から前記複数の導光体中に光を入射させる複数の光源と、
それぞれが、前記複数の導光体のそれぞれの前記側面に対向する複数の光取り出し部であって、前記複数の光取り出し部のそれぞれは、前記第2方向に沿って並ぶ複数の光取り出し要素を含み、前記複数の光取り出し部は、前記第1方向に沿って並ぶ、前記複数の光取り出し部と、
前記複数の光取り出し部のそれぞれに電気信号を供給し、前記複数の光取り出し部に、前記導光体中に入射され前記導光体中を伝搬する前記光を、前記電気信号に応じて前記導光体から前記導光体の外部に取り出させる制御部と、
を備え、
前記複数の光取り出し要素の前記第2方向に沿った長さは、前記配設ピッチの2倍以上であり、前記複数の光取り出し要素の間の位置は、前記第1方向と前記第2方向とを含む面内において一様に分布している表示装置。
【請求項2】
前記複数の光取り出し要素の前記第2方向に沿った前記長さは、前記配設ピッチの2以上の整数倍である請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の光取り出し部のそれぞれに併設され、前記複数の光取り出し要素のそれぞれに電気信号を供給する給電線をさらに備えた請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記給電線は、前記複数の光取り出し要素のそれぞれに、前記複数の前記光取り出し要素の間で給電する請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の光取り出し部は、
第1電極と、
前記第1電極と対向する第2電極と、
前記光取り出し要素間に設けられ、前記第1電極と前記第2電極との間の間隔を規定する複数のスペーサと、
を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−72928(P2013−72928A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210315(P2011−210315)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】