説明

表示装置

【課題】低コストで照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることの可能な表示装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、サイドエッジ型の照明装置であり、導光板と光源の他に、電位差に応じて、光源からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層と、光変調層を挟み込む第1電極および第2電極とを有している。第1電極および第2電極は、ともに、複数の帯状電極からなる。第1電極の帯状電極と、第2電極の帯状電極とは、互いに交差する方向に延在している。駆動回路は、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネルに表示させる際に、第1電極の帯状電極と、第2電極の帯状電極との電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各帯状電極を駆動するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、二次元表示(平面表示)と三次元表示(立体表示)を行うことの可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元表示の可能な表示装置には、専用の眼鏡をかけることが必要なものと、専用の眼鏡が不要なものがある。後者の表示装置では、裸眼で立体映像を視認することができるようにするために、レンチキュラーレンズや、視差バリア(パララックスバリア)が用いられている。これらによって、映像情報が左右の目に振り分けられることにより、左右の目で異なる映像が観察され、その結果、三次元表示が可能となる。
【0003】
三次元表示の可能な表示装置では、二次元表示だけを行う従来型の表示装置と同様、高画質化や薄型化が求められている。そのため、例えば、特許文献1では、エッジライト方式で、バックライトの光強度を部分的に変調する方策が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載のバックライトは、導光板と、導光板の側面に配置された光源と、導光板に接着された光変調素子と、光変調素子を駆動する駆動回路とにより構成されている。光変調素子は、高分子分散液晶(PDLC;Polymer Dispersed Liquid Crystal)と、PDLCを挟み込む一対の電極とにより構成されている。各電極は、例えば、複数の帯状電極で構成されており、PDLCの上側の帯状電極と、PDLCの下側の帯状電極とは、互いに直交している。駆動回路は、例えば、各帯状電極を単純マトリクス駆動することにより、PDLCを部分的に散乱状態にしたり、透過状態にしたりし、PDLCの散乱領域から照明光を出射させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−142065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載のバックライトにおいて、照明光の面内における部分的な出射をより細かくしようとすると、帯状電極の数を増やすことが必要となる。しかし、帯状電極の数が多くなるにつれて、短時間の間に全ての帯状電極を単純マトリクス駆動することが徐々に難しくなる。そこで、例えば、一方の電極を面状電極(ベタ膜)とし、他方の電極を、2次元配置された複数の微小電極で構成し、各微小電極にTFTを接続し、各微小電極をアクティブマトリクス駆動することが考えられる。しかし、そのようにした場合には、バックライトの製造コストが増大してしまう。
【0007】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、低コストで照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることの可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の表示装置は、映像を表示する表示パネルと、表示パネルを照明する照明装置と、表示パネルおよび照明装置を駆動する駆動回路とを備えている。照明装置は、離間して互いに対向配置された第1透明基板および第2透明基板と、第1透明基板また第2透明基板の端面に光を照射する光源とを有している。照明装置は、さらに、第1透明基板および第2透明基板の間隙に設けられ、かつ電位差に応じて、光源からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層と、光変調層を挟み込む第1電極および第2電極とを有している。第1電極および第2電極は、ともに、複数の帯状電極からなる。第1電極の帯状電極と、第2電極の帯状電極とは、互いに交差する方向に延在している。駆動回路は、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネルに表示させる際に、第1電極の帯状電極と、第2電極の帯状電極との電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各帯状電極を駆動するようになっている。
【0009】
本技術の表示装置では、帯状電極によって生成される電位差に応じて、光源からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層が照明装置内に設けられている。これにより、光源から発せられ、第1透明基板等を伝播する光は、光変調層のうち、電位差制御によって透明性を示す領域を透過し、照明装置の上面において全反射されるか、または高反射率で反射される。一方、第1透明基板等を伝播する光は、光変調層のうち、電位差制御によって散乱性を示す領域で散乱され、照明装置の上面を透過する。そのため、照明装置の光射出領域のうち透明性を示す領域と対応する領域(以下、単に「光射出領域における透明領域」とする)からは、照明光がほとんど出射されない。また、照明装置の光射出領域のうち散乱性を示す領域と対応する領域(以下、単に「光射出領域における散乱領域」とする)から、照明光が出射される。このように、本技術の表示装置では、帯状電極のレイアウトおよび印加電圧に応じて、光変調層の一部から照明光を出射させたり、光変調層全体から照明光を出射させたりすることができるので、三次元表示と二次元表示を切り替えることができる。さらに、本技術では、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネルに表示させる際に、第1電極の帯状電極と、第2電極の帯状電極との電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各帯状電極が駆動される。そのため、駆動方法に依って帯状電極の数が制限されない。
【発明の効果】
【0010】
本技術による表示装置によれば、光変調層に対する電位差制御により三次元表示と二次元表示を切り替えることができ、かつ駆動方法に依って帯状電極の数が制限されないようにしたので、必要に応じて、帯状電極の数を増やし、照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。従って、低コストで照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本技術の一実施の形態に係るテレビ放送信号の受送信システムの一例を表す図である。
【図2】図1の受信側装置の機能ブロックの一例を表す図である。
【図3】図1の受信側装置における表示部の構成の一例を表す断面図である。
【図4】図3の光源の配置の一例を表す斜視図である。
【図5】図3の光変調素子の構成の一例を表す断面図である。
【図6】図5の下側電極の構成の一例を表す平面図である。
【図7】図3の光変調素子の構成の他の例を表す断面図である。
【図8】図7の下側電極の構成の一例を表す平面図である。
【図9】図5、図7の上側電極の構成の一例を表す平面図である。
【図10】図5、図7の光変調層がノーマリーブラック型であって、かつ水平配向型となっている場合の、光変調層の作用の一例を説明するための模式図である。
【図11】図5、図7の光変調層がノーマリーブラック型であって、かつ水平配向型となっている場合の、光変調層の作用の他の例を説明するための模式図である。
【図12】図3のバックライトの作用の一例を説明するための模式図である。
【図13】照明光の偏向方向と表示パネルの下側の偏光板の偏光軸との関係の一例を表す斜視図である。
【図14】照明光の偏向方向と表示パネルの下側の偏光板の偏光軸との関係の他の例を表す斜視図である。
【図15】バックライトの照明光の分布の一例を表す平面図である。
【図16】バックライトの光出射面をエリアごとに区分した様子を表す図である。
【図17】バックライトに印加される駆動信号の一例を表す波形図である。
【図18】図17に示した駆動信号でバックライトが駆動されたときに光変調セルに印加される電位差の一例を表す波形図である。
【図19】光変調セルに印加される電圧(印加電圧)と、光変調セルから出射される照明光の白色度との関係の一例を表す関係図である。
【図20】二次元表示の中に三次元表示が混在している様子の一例を、受信側装置の断面から見たときの模式図である。
【図21】図6の下側電極の構成の第1変形例を表す平面図である。
【図22】図8の下側電極の構成の第1変形例を表す平面図である。
【図23】バックライトの照明光の分布の第1変形例を表す平面図である。
【図24】図6の下側電極の構成の第2変形例を表す平面図である。
【図25】図8の下側電極の構成の第2変形例を表す平面図である。
【図26】バックライトの照明光の分布の第2変形例を表す平面図である。
【図27】図5、図7の光変調層がノーマリーブラック型であって、かつ垂直配向型となっている場合の、光変調層の作用の一例を説明するための模式図である。
【図28】図5、図7の光変調層がノーマリーブラック型であって、かつ垂直配向型となっている場合の、光変調層の作用の他の例を説明するための模式図である。
【図29】図5、図7の光変調層がノーマリーホワイト型となっている場合の、光変調層の作用の一例を説明するための模式図である。
【図30】図5、図7の光変調層がノーマリーホワイト型となっている場合の、光変調層の作用の他の例を説明するための模式図である。
【図31】図5、図7の光変調層がノーマリーホワイト型となっている場合にバックライトに印加される駆動信号の一例を表す波形図である。
【図32】図31に示した駆動信号でバックライトが駆動されたときに光変調セルに印加される電位差の一例を表す波形図である。
【図33】光変調セルに印加される電圧(印加電圧)と、光変調セルから出射される照明光の白色度との関係の他の例を表す関係図である。
【図34】三次元表示における時分割駆動の一例を表す模式図である。
【図35】図34に続く時分割駆動の一例を表す模式図である。
【図36】図1の受信側装置における表示部の構成の第1変形例を表す断面図である。
【図37】図1の受信側装置における表示部の構成の第2変形例を表す断面図である。
【図38】図1の受信側装置における表示部の構成の第3変形例を表す断面図である。
【図39】図6、図21、図24の下側電極の構成の第3変形例を表す平面図である。
【図40】図5、図7の上側電極の構成の第1変形例を表す平面図である。
【図41】図5、図7の上側電極の構成の第2変形例を表す平面図である。
【図42】図5、図7の上側電極の構成の第3変形例を表す平面図である。
【図43】図5、図7の上側電極の構成の第4変形例を表す平面図である。
【図44】図5、図7の上側電極の構成の第5変形例を表す平面図である。
【図45】図5、図7の上側電極の構成の第6変形例を表す平面図である。
【図46】図5、図7の上側電極の構成の第7変形例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態
バックライト内の光変調層がノーマリーブラック型であって、
かつ水平配向型となっている例
2.第2の実施の形態
バックライト内の光変調層がノーマリーブラック型であって、
かつ垂直配向型となっている例
3.第3の実施の形態
バックライト内の光変調層がノーマリーホワイト型となっている例
4.変形例
3次元表示において時分割駆動が用いられている例
光変調素子のバックライト内での位置のバリエーション
【0013】
<1.第1の実施の形態>
[テレビ放送信号の受送信システムの構成]
図1は、本技術による第1の実施の形態に係る受信側装置200を含むテレビ放送信号100Aの受送信システムの構成例を示すブロック図である。この受送信システムは、例えば、有線(ケーブルTVなど)や無線(地上デジタル波、衛星波など)を介してテレビ放送信号を送信する送信側装置100と、上記の有線や無線を介して送信側装置100からのテレビ放送信号を受信する受信側装置200とを備えている。なお、受信側装置200が本技術の「表示装置」の一具体例に相当する。
【0014】
テレビ放送信号100Aは、二次元表示(平面表示)用の映像データ、または三次元表示(立体表示)用の映像データを含んでいる。ここで、二次元表示用の映像データとは、視点情報を持たない二次元映像データを指している。また、三次元表示用の映像データとは、視点情報を持った二次元映像データを指しており、三次元表示用の映像データは、視点が互いに異なる複数の二次元映像データを含んで構成されている。送信側装置100は、例えば、放送局に設置されたテレビ放送信号送信装置、またはインターネット上のサーバなどである。
【0015】
[受信側装置200の機能ブロック]
図2は、受信側装置200の構成例を示すブロック図である。受信側装置200は、例えば、上記の有線や無線に接続可能なテレビジョンである。受信側装置200は、例えば、アンテナ端子201、デジタルチューナ202、デマルチプレクサ203、演算回路204、およびメモリ205を有している。受信側装置200は、また、例えば、デコーダ206、映像信号処理回路207、グラフィック生成回路208、パネル駆動回路209、表示パネル210、バックライト211、音声信号処理回路212、音声増幅回路213、およびスピーカ214を有している。受信側装置200は、さらに、例えば、リモートコントローラ(以下「リモコン」と称する。)受信回路215、およびリモコン送信機216を有している。
【0016】
アンテナ端子201は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ202は、例えば、アンテナ端子201に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームを出力するようになっている。デマルチプレクサ203は、例えば、デジタルチューナ202で得られたトランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応したパーシャルTS(Transport Stream)を抽出するようになっている。
【0017】
演算回路204は、受信側装置200の各部の動作を制御するものである。演算回路204は、例えば、デマルチプレクサ203で得られたパーシャルTSをメモリ205内に格納したり、メモリ205から読み出したパーシャルTSをデコーダ206に送信したりするようになっている。また、演算回路204は、例えば、二次元表示または三次元表示を指定する制御信号204Aを映像信号処理回路207およびバックライト211に送信するようになっている。演算回路204は、上記の制御信号204Aを、例えば、メモリ205内に格納された設定情報、パーシャルTSに含まれる所定の情報、またはリモコン受信回路215から入力された設定情報に基づいて設定するようになっている。
【0018】
メモリ205は、例えば、受信側装置200の設定情報の格納およびデータ管理を行うものである。メモリ205は、例えば、デマルチプレクサ203で得られたパーシャルTSや、表示方法などの設定情報を格納することが可能となっている。
【0019】
デコーダ206は、例えば、デマルチプレクサ203で得られたパーシャルTSに含まれる映像PES(Packetized Elementary Stream)パケットに対してデコード処理を行うことにより映像データを得るようになっている。デコーダ206は、また、例えば、デマルチプレクサ203で得られたパーシャルTSに含まれる音声PESパケットに対してデコード処理を行うことにより音声データを得るようになっている。ここで、映像データとは、二次元表示用の映像データ、または三次元表示用の映像データを指している。
【0020】
映像信号処理回路207およびグラフィック生成回路208は、例えば、デコーダ206で得られた映像データに対して、必要に応じてマルチ画像処理、グラフィックスデータの重畳処理等を行うようになっている。
【0021】
映像信号処理回路207は、演算回路204から制御信号204Aとして三次元表示を指定する信号が入力された場合であって、かつ、デコーダ206から入力された映像データが三次元表示用の映像データであったときには、例えば、デコーダ206から入力された三次元表示用の映像データに含まれる、視点の互いに異なる複数の二次元映像データを用いて1つの二次元映像データを作成し、作成した二次元映像データを、グラフィック生成回路208に出力する映像データとして選択するようになっている。例えば、三次元表示用の映像データに、視点の互いに異なる2つの二次元映像データが含まれている場合には、映像信号処理回路207は、2つの二次元映像データを、水平方向に1つずつ交互に並べる処理を各行で行っていき、2つの二次元映像データが水平方向に交互に並んだ1つの映像データを作成するようになっている。同様に、例えば、三次元表示用の映像データに、視点の互いに異なる4つの二次元映像データが含まれている場合には、映像信号処理回路207は、4つの二次元映像データを、水平方向に1つずつ周期的に並べる処理を各行で行っていき、4つの二次元映像データが水平方向に1つずつ周期的に並んだ1つの映像データを作成するようになっている。
【0022】
映像信号処理回路207は、演算回路204から制御信号204Aとして二次元表示を指定する信号が入力された場合であって、かつ、デコーダ206から入力された映像データが三次元表示用の映像データであったときには、例えば、デコーダ206から入力された三次元表示用の映像データに含まれる、視点の互いに異なる複数の二次元映像データのいずれか1つの映像データを、グラフィック生成回路208に出力する映像データとして選択するようになっている。映像信号処理回路207は、演算回路204から制御信号204Aとして二次元表示を指定する信号が入力された場合であって、かつ、デコーダ206から入力された映像データが二次元表示用の映像データであったときには、例えば、デコーダ206から入力された二次元表示用の映像データを、グラフィック生成回路208に出力する映像データとして選択するようになっている。
【0023】
映像信号処理回路207は、演算回路204から制御信号204Aとして、部分的な三次元表示を指定する信号が、三次元表示領域のエリア情報と共に入力された場合であって、かつ、デコーダ206から入力された映像データが三次元表示用の映像データであったときには、例えば、デコーダ206から入力された三次元表示用の映像データに含まれる、視点の互いに異なる複数の二次元映像データのうち、上記のエリア情報に対応する複数のデータを用いて1つの二次元映像データを作成する。さらに、映像信号処理回路207は、例えば、デコーダ206から入力された三次元表示用の映像データに含まれる、視点の互いに異なる複数の二次元映像データのうち、上記のエリア情報に対応しない複数のデータのいずれか1つの映像データを選択する。そして、映像信号処理回路207は、作成した二次元映像データと、選択した映像データとを互いに合成して、1つの映像データを作成し、その映像データをグラフィック生成回路208に出力する映像データとして選択するようになっている。
【0024】
グラフィック生成回路208は、例えば、画面表示の際に使用するUI(User Interface)画面を生成するようになっている。パネル駆動回路209は、例えば、グラフィック生成回路208から出力された映像データに基づいて表示パネル210を駆動するようになっている。
【0025】
表示パネル210およびバックライト211の構成は、後に詳述する。音声信号処理回路212は、例えば、デコーダ206で得られた音声データに対してD/A変換等の処理を行うようになっている。音声増幅回路213は、例えば、音声信号処理回路212から出力された音声信号を増幅してスピーカ214に供給するようになっている。
【0026】
リモコン受信回路215は、例えば、リモコン送信機216から送信されたリモートコントロール信号を受信し、演算回路204に供給するようになっている。演算回路204は、例えば、リモートコントロール信号に従って受信側装置200の各部を制御するようになっている。
【0027】
[受信側装置200の断面構成]
図3は、受信側装置200における表示部の断面構成の一例を表したものである。なお、図3は、模式的に表したものであり、実際の寸法や形状と同一であるとは限らない。受信側装置200は、表示パネル210と、表示パネル210の背後に配置されたバックライト211とを備えている。
【0028】
表示パネル210は、2次元配置された複数の画素を有しており、各画素または特定の画素が駆動されることにより映像を表示するものである。表示パネル210は、例えば、映像信号に応じて各画素または特定の画素が駆動される透過型の液晶表示パネル(LCD(Liquid Crystal Display))であり、液晶層を一対の透明基板で挟み込んだ構造を有している。表示パネル210は、例えば、図示しないが、バックライト211側から順に、偏光板、透明基板、画素電極、配向膜、液晶層、配向膜、共通電極、カラーフィルタ、透明基板および偏光板を有している。
【0029】
なお、バックライト211側の偏光板が後述の偏光板210B(図13参照)に相当しており、映像表示面側の偏光板が後述の偏光板210C(図13参照)に相当している。また、表示パネル210のうち一対の偏光板で挟まれた部分(具体的には、透明基板、画素電極、配向膜、液晶層、配向膜、共通電極、カラーフィルタおよび透明基板からなる積層部分)が後述の液晶パネル210A(図13参照)に相当する。
【0030】
透明基板は、可視光に対して透明な基板、例えば板ガラスからなる。なお、バックライト211側の透明基板には、図示しないが、画素電極に電気的に接続されたTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)および配線などを含むアクティブ型の駆動回路が形成されている。画素電極および共通電極は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide)からなる。画素電極は、透明基板上に2次元配列されたものであり、画素ごとの電極として機能する。他方、共通電極は、カラーフィルタ上に一面に形成されたものであり、各画素電極に対して対向する共通電極として機能する。配向膜は、例えばポリイミドなどの高分子材料からなり、液晶に対して配向処理を行う。
【0031】
液晶層は、例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モードまたはSTN(Super Twisted Nematic)モードの液晶からなり、駆動回路(図示せず)からの印加電圧により、バックライト211からの出射光の偏光軸の向きを画素ごとに変える機能を有する。なお、液晶の配列を多段階で変えることにより画素ごとの透過軸の向きが多段階で調整される。カラーフィルタは、液晶層を透過してきた光を、例えば、赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色にそれぞれ色分離したり、または、R、G、Bおよび白(W)などの四色にそれぞれ色分離したりするカラーフィルタを、画素電極の配列と対応させて配列したものである。
【0032】
偏光板は、光学シャッタの一種であり、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させる。なお、偏光板は、透過軸以外の振動方向の光(偏光)を吸収する吸収型の偏光素子であってもよいが、バックライト211側に反射する反射型の偏光素子であることが輝度向上の観点から好ましい。2枚の偏光板はそれぞれ、偏光軸が互いに90°異なるように配置されており、これによりバックライト211からの出射光が液晶層を介して透過し、あるいは遮断されるようになっている。
【0033】
バックライト211は、例えば、表示パネル210を背後から照明するものであり、導光板10と、導光板10の側面に配置した光源20と、導光板10の内部に配置した光変調素子30および反射板40と、光変調素子30を駆動する駆動回路50とを備えている。なお、導光板10は、本技術の「第1透明基板」または「第2透明基板」の一具体例に相当する。
【0034】
導光板10は、導光板10の側面に配置した光源20からの光を導光板10の上面に導くものである。この導光板10は、導光板10の上面に配置された表示パネル210に対応した形状、例えば、上面、下面および側面で囲まれた直方体状となっている。なお、以下では、導光板10の側面のうち光源20からの光が入射する側面を光入射面10Aと称するものとする。なお、バックライト211に印加する電圧を変調することによって輝度の均一化を行う場合には、パターン化されていない平坦な導光板を導光板10として用いることも可能である。導光板10は、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)やアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明熱可塑性樹脂を主に含んで構成されている。
【0035】
光源20は、線状光源であり、例えば、熱陰極管(HCFL;Hot Cathode Fluorescent Lamp)、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)、または複数のLED(Light Emitting Diode)を一列に配置したものなどからなる。光源20が複数のLEDからなる場合には、効率、薄型化、均一性の観点から、全てのLEDがホワイトLEDであることが好ましい。なお、光源20が、例えば、赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDを含んで構成されていてもよい。光源20は、導光板10の一の側面にだけ設けられていてもよいし(図3、図4(A)参照)、導光板10の2つの側面(図4(B)参照))、3つの側面または全ての側面に設けられていてもよい。また、光源20が3つの側面または全ての側面に設けられている場合には、部分点灯を行うときにだけ、互いに対向する2つの側面に設けられた光源20だけを点灯させ、全面点灯を行うときに全ての光源20を点灯させるようにしてもよい。
【0036】
反射板40は、導光板10の背後から光変調素子30を介して漏れ出てきた光を導光板10側に戻すものであり、例えば、反射、拡散、散乱などの機能を有している。これにより、光源20からの出射光を効率的に利用することができ、また、正面輝度の向上にも役立っている。この反射板40は、例えば、発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)や銀蒸着フィルム、多層膜反射フィルム、白色PETなどからなる。なお、反射板40は、例えば、後述するように、必要に応じて省略することも可能である。
【0037】
光変調素子30は、本実施の形態においては、導光板10の内部に設けられている。光変調素子30は、空気層を介さず導光板10に密着しており、例えば接着剤(図示せず)を介して導光板10に接着されている。光変調素子30は、例えば、図5に示したように、透明基板31、下側電極32、配向膜33、光変調層34、配向膜35、上側電極36および透明基板37を反射板40側から順に配置されたものである。
【0038】
透明基板31,37は、光変調層34を支持するものであり、一般に、可視光に対して透明な基板、例えば、ガラス板や、プラスチックフィルムによって構成されている。下側電極32および上側電極36は、電圧が印加されたときに光変調層34内に電場を発生させるものである。下側電極32は、光変調層34との関係で透明基板31側に設けられた電極であり、上側電極36は、光変調層34との関係で透明基板37側に設けられた電極である。なお、透明基板31または透明基板37が「第1透明基板」または「第2透明基板」の一具体例に相当する。下側電極32が「第1電極」の一具体例に相当し、上側電極36が「第2電極」の一具体例に相当する。
【0039】
下側電極32は、例えば、図6に示したように、複数の部分電極32Aによって構成されている。複数の部分電極32Aは、面内の一の方向(光入射面10Aに平行な方向)に延在する帯状の形状となっている。複数の部分電極32Aのうち特定の複数の部分電極32A(以下、「部分電極32B」と称する。)は、受信側装置200において三次元表示を行うときに、線状照明光の生成に用いられるものである。なお、部分電極32Bが「第2帯状電極」の一具体例に相当する。複数の部分電極32Aのうち部分電極32Bを除く複数の部分電極32A(以下、「部分電極32C」と称する。)は、受信側装置200において二次元表示を行うときに、部分電極32Aと共に、面状照明光の生成に用いられるものである。つまり、受信側装置200において二次元表示を行うときには、面状照明光を生成するために、全ての部分電極32Aが用いられる。なお、部分電極32Cが「第1帯状電極」の一具体例に相当する。
【0040】
1つの部分電極32Bおよび複数の部分電極32Cを一組として、複数組の部分電極群が、配列方向(光入射面10Aと直交する方向)に配列されている。図6には、1つの部分電極32Bおよび2つの部分電極32Cを一組として、複数組の部分電極群が、配列方向に配列されている場合が例示されているが、部分電極群の内訳は、図6の記載に限られるものではない。部分電極群は、例えば、1つの部分電極32Bおよび1つの部分電極32Cで構成されていてもよいし、1つの部分電極32Bおよび3つ以上の部分電極32Cで構成されていてもよい。部分電極32B,32Cの幅は、モアレ低減の観点からは、表示パネル210のR,G,Bなどのサブピクセルの幅と同一または、その整数倍となっていることが好ましい。
【0041】
上記の部分電極群は、受信側装置200において三次元表示を行うときの画素ピッチに対応するピッチP1(三次元表示を行うときの画素ピッチと同一ピッチまたはそれに近いピッチ)で配列されている。また、複数の部分電極32Bについても同様に、受信側装置200において三次元表示を行うときの画素ピッチに対応するピッチP1(三次元表示を行うときの画素ピッチと同一ピッチまたはそれに近いピッチ)で配列されている。
【0042】
なお、部分電極群が、1つの部分電極32Bおよび複数の部分電極32Cで構成されている場合には、部分電極32Cの幅は、部分電極32Bの幅と等しくなっていることが好ましい。また、部分電極群が、1つの部分電極32Bおよび1つの部分電極32Cで構成されている場合には、例えば、図7、図8に示したように、部分電極32Cの幅は、部分電極32Bの幅よりも太くなっていてもよいし、図示しないが、部分電極32Bの幅と等しくなっていてもよい。
【0043】
上側電極36は、例えば、図9に示したように、複数の部分電極36Aによって構成されている。複数の部分電極36Aは、部分電極32Aと交差(もしくは直交)する方向に延在する帯状の形状となっている。
【0044】
下側電極32および上側電極36は透明導電膜(例えば、ITO膜)によって構成されている。なお、下側電極32および上側電極36は、酸化インジウム亜鉛(IZO;Indium Zinc Oxide)、メタルナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどによって構成されていてもよい。
【0045】
下側電極32および上側電極36を光変調素子30の法線方向から見たときに、光変調素子30のうち下側電極32および上側電極36が互いに対向している箇所に対応する部分が光変調セル30a,30bを構成している(図5参照)。光変調セル30aは、光変調素子30のうち部分電極32Bおよび部分電極36Aが互いに対向している箇所に対応する部分であり、光変調セル30bは、光変調素子30のうち部分電極32Cおよび部分電極36Aが互いに対向している箇所に対応する部分である。光変調セル30aと光変調セル30bとは互いに隣接している。
【0046】
各光変調セル30a,30bは、部分電極32Aおよび部分電極36Aに所定の電圧を印加することにより別個独立に駆動することの可能なものであり、部分電極32Aおよび部分電極36Aに印加される電位差の大きさに応じて、光源20からの光に対して透明性(光透過性)を示したり、散乱性を示したりする。なお、透明性、散乱性については、光変調層34を説明する際に詳細に説明する。
【0047】
配向膜33,35は、例えば、光変調層34に用いられる液晶やモノマーを配向させるものである。配向膜の種類としては、例えば、垂直配向膜および水平配向膜があるが、本実施の形態では、配向膜33,35には水平配向膜が用いられる。水平配向膜としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルアルコールなどをラビング処理することにより形成された配向膜、転写やエッチングなどにより溝形状が付与された配向膜が挙げられる。また、水平配向膜としては、例えば、酸化ケイ素などの無機材料を斜方蒸着することにより形成された配向膜、イオンビーム照射により形成されたダイヤモンドライクカーボン配向膜、電極パターンスリットの形成された配向膜が挙げられる。
【0048】
また、垂直、水平いずれの配向膜においても、液晶とモノマーを配向させる機能があれば十分であり、通常の液晶ディスプレイに要求される電圧の繰り返し印加による信頼性などは必要ない。デバイス作成後の電圧印加による信頼性は、モノマーを重合したものと液晶との界面で決まるためである。また、配向膜を用いなくても、例えば、下側電極32および上側電極36間に電場や磁場を印加することによっても、光変調層34に用いられる液晶やモノマーを配向させることが可能である。つまり、下側電極32および上側電極36間に電場や磁場を印加しながら、紫外線照射して電圧印加状態での液晶やモノマーの配向状態を固定させることができる。配向膜の形成に電圧を用いる場合には、配向用と駆動用とで別々の電極を形成するか、液晶材料に周波数によって誘電率異方性の符号が反転する二周波液晶などを用いることができる。また、配向膜の形成に磁場を用いる場合、配向膜として磁化率異方性の大きい材料を用いることが好ましく、例えば、ベンゼン環の多い材料を用いることが好ましい。
【0049】
光変調層34は、電場の大きさに応じて、光源20からの光に対して散乱性もしくは透明性を示すものである。光変調層34は、電場が相対的に小さいときに、光源20からの光に対して透明性を示し、電場が相対的に大きいときに、光源20からの光に対して散乱性を示すものである。光変調層34は、例えば、図5に示したように、バルク34Aと、バルク34A内に分散された微粒子状の複数の微粒子34Bとを含んだ複合層となっている。バルク34Aおよび微粒子34Bは光学異方性を有している。
【0050】
図10(A)は、下側電極32および上側電極36間に電位差が印加されていない時(以下、単に「電位差無印加時」と称する。)の、微粒子34B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。なお、図10(A)において、バルク34A内の配向状態についての記載を省略した。本明細書において、「電位差無印加時」とは、光変調層34が散乱性を示す電位差よりも小さな電位差であって、かつ光変調層34が透明性を示す電位差が印加されている時も含む概念である。
【0051】
図10(B)は、電位差無印加時の、バルク34Aおよび微粒子34Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。この屈折率楕円体は、様々な方向から入射した直線偏光の屈折率をテンソル楕円体で表したものであり、光が入射する方向からの楕円体の断面を見ることによって、幾何的に屈折率を知ることができるものである。図10(C)は、電位差無印加時の、正面方向に向かう光L1と、斜め方向に向かう光L2とが光変調層34を透過する様子の一例を模式的表したものである。
【0052】
図11(A)は、下側電極32および上側電極36間に電位差が印加されている時(以下、単に「電位差印加時」と称する。)の、微粒子34B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。なお、図11(A)において、バルク34A内の配向状態についての記載を省略した。本明細書において、「電位差印加時」は、光変調層34が散乱性を示す電位差が印加されている時を意味するものとする。
【0053】
図11(B)は、電位差印加時の、バルク34Aおよび微粒子34Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図11(C)は、電位差印加時の、正面方向に向かう光L1と、斜め方向に向かう光L2とが光変調層34において散乱される様子の一例を模式的表したものである。
【0054】
バルク34Aおよび微粒子34Bは、例えば、図10(A),(B)に示したように、電位差無印加時に、バルク34Aの光軸AX1および微粒子34Bの光軸AX2の向きが互いに一致する(平行となる)構成となっている。なお、光軸AX1,AX2とは、偏光方向によらず屈折率が一つの値になるような光線の進行方向と平行な線を指している。また、光軸AX1および光軸AX2の向きは常に互いに一致している必要はなく、光軸AX1の向きと光軸AX2の向きとが、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよい。
【0055】
また、微粒子34Bは、例えば、電位差無印加時に、光軸AX2が導光板10の光入射面10Aと平行となる構成となっている。微粒子34Bは、さらに、例えば、電位差無印加時に、光軸AX2が透明基板31,37の表面と僅かな角度θ1で交差する構成となっている(図10(B)参照)。なお、角度θ1については、微粒子34Bを構成する材料を説明する際に詳述する。
【0056】
一方、バルク34Aは、例えば、下側電極32および上側電極36間への電位差印加の有無に拘らず、バルク34Aの光軸AX1が一定となる構成となっている。具体的には、バルク34Aは、例えば、図10(A),(B)、図11(A),(B)に示したように、バルク34Aの光軸AX1が導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と所定の角度θ1で交差する構成となっている。つまり、バルク34Aの光軸AX1は、電位差無印加時に、微粒子34Bの光軸AX2と平行となっている。
【0057】
なお、光軸AX2が常に、光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と角度θ1で交差している必要はなく、例えば製造誤差などによって透明基板31,37の表面と、角度θ1とは若干異なる角度で交差していてもよい。また、光軸AX1,AX2が常に光入射面10Aと平行となっている必要はなく、例えば製造誤差などによって光入射面10Aと、小さな角度で交差していてもよい。
【0058】
ここで、バルク34Aおよび微粒子34Bの常光屈折率が互いに等しく、かつバルク34Aおよび微粒子34Bの異常光屈折率が互いに等しいことが好ましい。この場合に、例えば、電位差無印加時には、図10(A)に示したように、正面方向および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差がほとんどなく、高い透明性(光透過性)が得られる。これにより、例えば、図10(C)に示したように、正面方向に向かう光L1および斜め方向に向かう光L2は、光変調層34内で散乱されることなく、光変調層34を透過する。その結果、例えば、図12(A),(B)に示したように、光源20からの光L(斜め方向からの光)は、例えば、導光板10のうち、光変調層34において透明な領域(透過領域30A)の上側および下側の界面において全反射され、透過領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、全面を均一に発光させている場合(図12(B)中の一点鎖線)と比べて下がる。なお、図12(B)の正面輝度のプロファイルは、導光板10上に拡散シート60を設置し、その拡散シート60を介して測定することにより得られたものである。
【0059】
なお、透過領域30Aの界面の1つである導光板10の上面は、表示パネル210と導光板10との間に存在する間隙と接しているが、その間隙は、導光板10の上面の屈折率よりも低い屈折率の材料で満たされていることが好ましい。そのような低屈折率材料からなる層は、典型的には空気であるが、低屈折率材料からなる粘着剤もしくは接着剤であってもよい。
【0060】
バルク34Aおよび微粒子34Bは、例えば、電位差印加時には、図11(A),(B)に示したように、光軸AX1および光軸AX2の向きが互いに異なる(交差またはほぼ直交する)構成となっている。また、微粒子34Bは、例えば、電位差印加時に、微粒子34Bの光軸AX2が導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と角度θ1よりも大きな角度θ2(例えば90°)で交差する構成となっている。なお、角度θ2については、微粒子34Bを構成する材料を説明する際に詳述する。
【0061】
したがって、電位差印加時には、光変調層34において、正面方向および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差が大きくなり、高い散乱性が得られる。これにより、例えば、図11(C)に示したように、正面方向に向かう光L1および斜め方向に向かう光L2は、光変調層34内で散乱される。その結果、例えば、図12(A)に示したように、光源20からの光L(斜め方向からの光)は、導光板10のうち、光変調層34において散乱性を示す領域(散乱領域30B)の上側および下側の界面を透過すると共に、反射板40側に透過した光は反射板40で反射され、光変調素子30を透過する。従って、散乱領域30Bの輝度は、全面を均一に発光させている場合(図12(B)中の一点鎖線)と比べて極めて高くなり、しかも、透過領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。
【0062】
なお、バルク34Aおよび微粒子34Bの常光屈折率は、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。また、バルク34Aおよび微粒子34Bの異常光屈折率についても、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。
【0063】
また、バルク34Aの屈折率差(ΔnP=異常光屈折率neP−常光屈折率noP)や、微粒子34Bの屈折率差(ΔnL=異常光屈折率neL−常光屈折率noL)は、できるだけ大きいことが好ましく、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。バルク34Aおよび微粒子34Bの屈折率差が大きい場合には、光変調層34の散乱能が高くなり、導光条件を容易に破壊することができ、導光板10からの光を取り出しやすいからである。
【0064】
また、バルク34Aおよび微粒子34Bは、電場に対する応答速度が互いに異なっている。バルク34Aは、例えば、微粒子34Bの応答速度よりも遅い応答速度を有する筋状構造、多孔質構造、または棒状構造となっている。バルク34Aは、例えば、低分子モノマーを重合化することにより得られた高分子材料によって形成されている。バルク34Aは、例えば、微粒子34Bの配向方向または配向膜33,35の配向方向に沿って配向した、配向性および重合性を有する材料(例えばモノマー)を熱および光の少なくとも一方によって重合させることにより形成されている。
【0065】
バルク34Aの筋状構造、多孔質構造もしくは棒状構造は、例えば、導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と僅かな角度θ1で交差する方向に長軸を有している。バルク34Aが筋状構造となっている場合に、短軸方向の平均的な筋状組織サイズは、導光光の散乱性を高くするという観点からは、0.1μm以上10μm以下となっていることが好ましく、0.2μm以上2.0μm以下の範囲であることがより好ましい。短軸方向の平均的な筋状組織サイズが0.1μm以上10μm以下となっている場合には、光変調素子30内での散乱能が、380〜780nmの可視領域において略等しくなる。そのため、面内で、ある特定の波長成分の光のみが増加したり、減少したりすることがないので、可視領域でのバランスを面内で取ることができる。短軸方向の平均的な筋状組織サイズが0.1μm未満である場合や、10μmを超える場合には、波長に関係なく、光変調素子30の散乱能が低く、光変調素子30が光変調素子として機能しにくい。
【0066】
また、散乱の波長依存性を少なくするという観点からは、短軸方向の平均的な筋状組織サイズは、0.5μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、1〜3μmの範囲であることがより好ましい。このようにした場合には、光源20から出射された光が導光板10内を伝播していく過程で光変調素子30内のバルク34Aを繰り返し通過したときに、バルク34Aにおける、散乱の波長依存性が抑制される。筋状組織のサイズは、偏光顕微鏡、共焦点顕微鏡、電子顕微鏡などで観察することができる。
【0067】
一方、微粒子34Bは、例えば、液晶材料を主に含んで構成されており、バルク34Aの応答速度よりも十分に早い応答速度を有している。微粒子34B内に含まれる液晶材料(液晶分子)は、例えば棒状分子である。微粒子34B内に含まれる液晶分子として、正の誘電率異方性を有するもの(いわゆるポジ型液晶)を用いることが好ましい。
【0068】
ここで、電位差無印加時には、微粒子34B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX1と平行となっている。このとき、微粒子34B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と僅かな角度θ1で交差している。つまり、微粒子34B内の液晶分子は、電位差無印加時には、導光板10の光入射面10Aと平行な面内において角度θ1だけ傾斜した状態で配向している。この角度θ1は、プレチルト角と呼ばれるもので、例えば0.1°以上30°以下の範囲であることが好ましい。この角度θ1は、0.5°以上10°以下の範囲であることがより好ましく、0.7°以上2°以下の範囲であることがさらにより好ましい。角度θ1を大きくすると、後述するような理由から散乱の効率が低下する傾向にある。また、角度θ1を小さくし過ぎると、電位差印加時に液晶の立ち上がる方位角がばらつく。例えば、180°反対側の方位(リバースチルト)に液晶が立ち上がることもある。これにより、微粒子34Bとバルク34Aとの屈折率差を有効に利用できないので、散乱効率が低くなり、輝度が小さくなる傾向にある。
【0069】
また、電位差印加時には、微粒子34B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX1と交差または直交(もしくはほぼ直交)している。このとき、微粒子34B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と角度θ1よりも大きな角度θ2(例えば90°)で交差している。つまり、微粒子34B内の液晶分子は、電位差印加時には、導光板10の光入射面10Aと平行な面内において角度θ2だけ傾斜した状態もしくは角度θ2(=90°)で真っ直ぐ立った状態で配向している。
【0070】
上記した、配向性および重合性を有するモノマーとしては、光学的に異方性を有しており、かつ液晶と複合する材料であればよいが、本実施の形態では紫外線で硬化する低分子モノマーであることが好ましい。電位差無印加の状態で、液晶と、低分子モノマーを重合化することにより形成されたもの(高分子材料)との光学的異方性の方向が一致していることが好ましいので、紫外線硬化前において、液晶と低分子モノマーが同一方向に配向していることが好ましい。微粒子34Bとして液晶が用いられる場合に、その液晶が棒状分子であるときには、使用するモノマー材料の形状も棒状であることが好ましい。以上のことから、モノマー材料としては重合性と液晶性を併せ持つ材料を用いることが好ましく、例えば、重合性官能基として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルエーテル基およびエポキシ基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有することが好ましい。これらの官能基は、紫外線、赤外線または電子線を照射したり、加熱したりすることによって重合させることができる。紫外線照射時の配向度低下を抑制するために、多官能基をもつ液晶性材料を添加することもできる。バルク34Aを上述した筋状構造とする場合には、バルク34Aの原料として、2官能液晶性モノマーを用いることが好ましい。また、バルク34Aの原料に対して、液晶性を示す温度の調整を目的に単官能モノマーを添加したり、架橋密度向上を目的に3官能以上のモノマーを添加したりすることもできる。
【0071】
ところで、上述したように、電位差無印加時には、バルク34Aの光軸AX1および微粒子34Bの光軸AX2はともに、同一の方向に光軸の成分を主に有している。電位差無印加時には、光軸AX1,AX2はともに、図13に示したように、同一の方向を向いており、例えば、配向膜33,35のラビング方向を向いている。また、電位差無印加時には、光軸AX1,AX2はともに、図13に示したように、光入射面10Aと平行またはほぼ平行となっている。さらに、電位差無印加時には、光軸AX1,AX2は、図5、図13に示したように、透明基板31と平行またはほぼ平行となっている。つまり、電位差無印加時には、光軸AX1,AX2は、概ね図13中のY軸方向を向いている。
【0072】
さらに、電位差無印加時には、光軸AX1,AX2は、バックライト211側の偏光板210Bの透過軸AX10と平行な方向に光軸の成分を主に有している。電位差無印加時には、光軸AX1,AX2は、例えば、図13に示したように、透過軸AX10と平行な方向を向いている。透過軸AX10は、例えば、図13に示したように、配向膜33,35のラビング方向を向いている。なお、映像表示面側の偏光板210Cの透過軸AX11は、バックライト211側の偏光板210Bの透過軸AX10と直交している。
【0073】
また、上述したように、電位差印加時には、光軸AX1は、電位差無印加時と同一またはほぼ同一の方向を向いている。電位差印加時には、光軸AX1は、偏光板210Bの透過軸AX10と平行な方向に光軸の成分を主に有しており、例えば、図14に示したように、透過軸AX10と平行な方向を向いている。電位差印加時には、光軸AX1は、例えば、光入射面10Aと平行またはほぼ平行となっており、さらに、透明基板31と平行またはほぼ平行となっている。
【0074】
一方、光軸AX2は、電位差印加時には、下側電極32および上側電極36に印加された電位差によって生成される電場の影響を受けて所定の方向に変位している。例えば、電位差印加時には、光軸AX2は、図5、図14に示したように、透明基板31と交差または直交(もしくはほぼ直交)している。つまり、光軸AX2は、下側電極32および上側電極36への電位差印加により、光軸AX2と透明基板31の法線とのなす角度が小さくなる方向に変位している(すなわち立ち上がっている)。このとき、光軸AX2は、光軸AX1と直交またはほぼ直交しており、透明基板31と直交またはほぼ直交している。
【0075】
駆動回路50は、例えば、光変調セル30bにおいて微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と平行もしくはほぼ平行となり、さらに、光変調セル30aにおいて微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と交差もしくは直交するように、各光変調セル30a,30bの一対の電極(部分電極32A、部分電極36A)へ印加する電位差の大きさを制御するようになっている。また、駆動回路50は、例えば、各光変調セル30a,30bにおいて微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と交差もしくは直交するように、各光変調セル30a,30bの一対の電極(部分電極32A、部分電極36A)へ印加する電位差の大きさを制御するようになっている。つまり、駆動回路50は、電場制御によって、バルク34Aおよび微粒子34Bの光軸AX1,AX2の向きを互いに一致(もしくはほぼ一致)させたり、互いに異ならせたり(もしくは直交させたり)することができるようになっている。
【0076】
駆動回路50は、制御信号204Aとして三次元表示を指定する信号が入力されたときには、バックライト211から複数の線状照明光を出力させるようになっている。具体的には、駆動回路50は、部分電極32Bを含む光変調セル30aに、光変調層34が散乱性を示す電位差を印加するとともに、部分電極32Cを含む光変調セル30bに、光変調層34が透明性を示す電位差を印加するようになっている。言い換えると、駆動回路50は、バックライト211に含まれる全ての光変調セル30aにおいて微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と交差し、バックライト211に含まれる全ての光変調セル30bにおいて微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と平行となるように、各光変調セル30a,30bの一対の電極(部分電極32A、部分電極36A)へ印加する電位差の大きさを制御するようになっている。これにより、駆動回路50は、各光変調セル30aから線状照明光を出力させるとともに、各光変調セル30bから照明光を出力させない(ほとんど出力させない)ようにしている。
【0077】
駆動回路50は、制御信号204Aとして二次元表示を指定する信号が入力されたときには、バックライト211から面状照明光を出力させるようになっている。具体的には、駆動回路50は、各光変調セル30a,30bに、光変調層34が散乱性を示す電位差を印加するようになっている。言い換えると、駆動回路50は、バックライト211に含まれる全ての光変調セル30a,30bにおいて微粒子34Bの光軸AX2がバルク34Aの光軸AX1と交差または直交(もしくはほぼ直交)するように、各光変調セル30a,30bの一対の電極(部分電極32A、部分電極36A)へ印加する電位差の大きさを制御するようになっている。これにより、駆動回路50は、全ての光変調セル30a,30bから照明光を出力させ、それによって、面状照明光を出力させるようにしている。
【0078】
駆動回路50は、制御信号204Aとして、部分的な三次元表示を指定する信号が、三次元表示領域のエリア情報と共に入力されたときには、バックライト211のうちエリア情報に対応する領域(3D表示領域211−2)に含まれる光変調セル30aに、光変調層34が散乱性を示す電位差を印加すると共に、3D表示領域211−2に含まれる光変調セル30bに、光変調層34が透明性を示す電位差を印加するようになっている。さらに、駆動回路50は、バックライト211のうちエリア情報に対応しない領域(2D表示領域211−1)に含まれる全ての光変調セル30a,30bに、光変調層34が散乱性を示す電位差を印加するようになっている。これにより、駆動回路50は、例えば、図15に示したように、2D表示領域211−1から面状照明光L2を出力させるとともに、3D表示領域211−2から、複数の線状照明光L1を出力させるようにしている。このとき、各線状照明光L1は、部分電極32Bの延在方向と平行な方向に延在しており、例えば、図15に示したように、Y軸方向(つまり光入射面10Aと平行な方向)に延在している。なお、3D表示領域211−2が「第2領域」の一具体例に相当し、2D表示領域211−1が「第1領域」の一具体例に相当する。
【0079】
図16は、バックライト211の光出射面211Aをエリアごとに区分した様子を表したものである。図16において、エリアAは、3D表示領域211−2に対応した領域である。エリアBは、3D表示領域211−2の左右方向および上下方向のいずれの方向にも該当しない領域である。エリアCは、3D表示領域211−2の左右方向に該当する領域である。エリアDは、3D表示領域211−2の上下方向に該当する領域である。
【0080】
図16では、エリアAを含む、左右方向に延在する領域がrow選択域となっており、エリアAを含まない、左右方向に延在する領域がrow非選択域となっている。また、エリアAを含む、上下方向に延在する領域がcolumn選択域となっており、エリアAを含まない、上下方向に延在する領域がcolumn非選択域となっている。従って、row選択域と、column選択域とが互いに交差する領域がエリアAとなっており、row非選択域と、column非選択域とが互いに交差する領域がエリアBとなっている。また、row選択域と、column非選択域とが互いに交差する領域がエリアCとなっており、row非選択域と、column選択域とが互いに交差する領域がエリアDとなっている。
【0081】
図17は、部分電極32B,32C,36Aに印加される種々の電圧波形の一例を表したものである。図17の電圧波形は、光変調層34が、電圧印加時に散乱状態となり、電圧無印加時に透過状態となるノーマリーブラック型の構成となっていることを前提としたものである。なお、本実施の形態では、光変調層34が水平配向型となっているが、光変調層34が後述する垂直配向型となっている場合であっても、部分電極32B,32C,36Aに図17の電圧波形を印加することが可能である。
【0082】
駆動回路50は、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネル210に表示させる際に、部分電極32Bまたは部分電極32Cと、部分電極36Aとの電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各部分電極32B,32C,36Aを駆動するようになっている。具体的には、駆動回路50は、図17(A),(C)に示したように、row選択域の部分電極36Aおよびcolumn選択域の部分電極32Bに対して、固定電位(例えばグラウンド電位)を印加するようになっている。さらに、駆動回路50は、図17(B),(D)に示したように、row非選択域の部分電極36A、column選択域の部分電極32Bおよびcolumn選択域の部分電極32B,32Cに対して、位相が互いに同期した交流電位を印加するようになっている。駆動回路50は、row非選択域の部分電極36Aに対しては、振幅Vr(RMS)の交流電位を印加し、column選択域の部分電極32Bおよびcolumn選択域の部分電極32B,32Cに対しては、振幅Vc(RMS)の交流電位を印加するようになっている。振幅Vrおよび振幅Vcは、互いに等しくなっていることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。
【0083】
図18は、駆動回路50が、図17に示した電圧を部分電極32B,32C,36Aに印加したときの、光変調素子30a,30bの電位の経時変化の一例を表したものである。図18(A)〜(D)に示したように、エリアAの光変調セル30bにだけ、固定電位(例えばグラウンド電位)が印加され、エリアAの光変調セル30aおよびエリアB〜Dの光変調セル30a,30bには、振幅Vr,振幅Vcまたは振幅(Vr+Vc=Vo)(RMS)の交流電位が印加される。ここで、図19に示したように、光変調セルセル30a,30bに印加される電圧(印加電圧)と、光変調セル30a,30bから出射される照明光の白色度との関係が、図19の条件1のようになっている場合、エリアAの光変調セル30aおよびエリアB〜Dの光変調セル30a,30b内の光変調層34は、透明領域30Aとなっており、これらのセルは、消光状態となっている。このとき、エリアAの光変調セル30b内の光変調層34は、散乱領域30Bとなっており、エリアAの光変調セル30bは、発光状態となっている。
【0084】
なお、印加電圧と白色度との関係が、図19の条件2となっている場合には、光変調セル30a,30bに対して、振幅Vrまたは振幅Vcの交流電位が印加されると、白色度が1とはならず、半分程度にまで小さくなってしまう。従って、光変調セル30a,30bに対して、振幅Vrまたは振幅Vcの交流電位が印加されたときに、白色度が振幅(Vr+Vc)の交流電位が印加されたときと同等の輝度となるような条件となっていることが好ましい。具体的には、振幅Vrおよび振幅Vcは、振幅Vrまたは振幅Vcの交流電位だけが光変調層34に印加されたときに、光変調層34が散乱性から透明性に移行する閾値電位と同じか、それよりも大きな値となっていることが好ましい。
【0085】
図20は、エリアAにおいて複数の線状照明光L1が出射されるとともに、エリアCにおいて面状照明光L2が出射されている様子を表したものである。エリアAでは、例えば、パネル駆動回路209は表示パネル210の4つの画素210−1〜210−4を1つの三次元用画素210Dとして駆動するようになっている。このとき、駆動回路50は、例えば、三次元用画素210Dごとに1つずつ散乱領域30Bを形成させ、各画素210−1〜210−4に、互いに異なる入射角で線状照明光L1を入射させるようになっている。これにより、各三次元用画素210D内の共通の位置にある画素(例えば、図20では、210−1,210−2,210−3または210−4)には、各線状照明光L1が略同一の角度で入射する。その結果、各三次元用画素210D内の共通の位置にある画素からは、その画素によって変調された映像光が所定の角度で出力される。このとき、観察者は、例えば、画素210−3からの映像光を右目で観察すると同時に、画素210−2からの映像光を左目で観察することになる。つまり、観察者は、左右の目で、互いに異なる視差の映像を観察することになる。その結果、観察者は、表示パネル210のエリアAに三次元映像(立体映像)が表示されていると認識する。
【0086】
エリアCでは、例えば、パネル駆動回路209は表示パネル210の個々の画素210E(上記の画素210−1,210−2,210−3または210−4に相当する画素)を二次元用画素として駆動するようになっている。このとき、駆動回路50は、例えば、エリアC全体に散乱領域30Bを形成させ、各画素210Eに面状照明光L2を入射させるようになっている。これにより、観察者は、表示パネル210のエリアCに二次元映像(立体映像)が表示されていると認識する。
【0087】
次に、本実施の形態のバックライト211の作用および効果について説明する。
【0088】
本実施の形態のバックライト211では、部分電極32B,32C,36Aによって生成される電位差に応じて、光源20からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層34がバックライト211内に設けられている。これにより、光源20から発せられ、透明基板31等を伝播する光は、光変調層34のうち、電位差制御によって透明性を示す領域(透過領域30A)を透過し、導光板10上面において全反射されるか、または高反射率で反射される。一方、透明基板31等を伝播する光は、光変調層34のうち、電位差制御によって散乱性を示す領域(散乱領域30B)で散乱され、導光板10の上面を透過する。そのため、バックライト211の光射出領域211Aのうち透過領域30Aと対応する領域からは、照明光がほとんど出射されない。また、バックライト211の光射出領域のうち散乱領域30Bと対応する領域から、照明光が出射される。このように、本実施の形態では、部分電極32B,32C,36Aのレイアウトおよび印加電圧に応じて、光変調層34の一部から照明光を出射させたり、光変調層34全体から照明光を出射させたりすることができるので、三次元表示と二次元表示を切り替えることができる。さらに、本実施の形態では、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネル210に表示させる際に、部分電極32Bまたは部分電極32Cと、部分電極36Aとの電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各部分電極32B,32C,36Aが駆動される。そのため、駆動方法に依って部分電極32B,32C,36Aの数が制限されない。そのため、必要に応じて、部分電極32B,32C,36Aの数を増やし、照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。従って、低コストで照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。
【0089】
[変形例]
上記実施の形態では、部分電極32B,32CがY軸方向と平行な方向(光入射面10Aと平行な方向)に延在していたが、例えば、図21、図22に示したように、Y軸方向と交差する方向(光入射面10Aと交差する方向)に延在していてもよい。この場合、バックライト211のエリアAでは、図23に示したように、線状照明光L1が部分電極32Bの延在方向(つまり、光入射面10Aと交差する方向)に延在することになる。また、部分電極32B,32Cは、例えば、図24、図25に示したように、ステップ状(ステップバリア形状)となっていてもよい。この場合、バックライト211のエリアAでは、図26に示したように、線状照明光L1もステップ状(ステップバリア形状)になる。なお、本変形例において、部分電極32B,32Cの幅は、モアレ低減の観点からは、表示パネル210のR,G,Bなどのサブピクセルの幅と同一または、その整数倍となっていることが好ましい。
【0090】
<2.第2の実施の形態>
次に、本技術の第2の実施の形態に係る表示装置について説明する。本実施の形態の表示装置では、配向膜33,35として垂直用配向膜が用いられており、さらに、図27,図28に示したように、光変調層34に代わって光変調層64が設けられている。そこで、以下では、光変調層64について詳細に説明するものとする。
【0091】
光変調層64は、電場の大きさに応じて、光源20からの光に対して散乱性もしくは透明性を示すものである。光変調層64は、電場が相対的に小さいときに、光源20からの光に対して透明性を示し、電場が相対的に大きいときに、光源20からの光に対して散乱性を示すものである。光変調層64は、例えば、図27(A)に示したように、バルク64Aと、バルク64A内に分散された微粒子状の複数の微粒子64Bとを含んだ複合層となっている。バルク64Aおよび微粒子64Bは光学異方性を有している。
【0092】
図27(A)は、電位差無印加時の、微粒子64B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。なお、図27(A)において、バルク64A内の配向状態についての記載を省略した。図27(B)は、電位差無印加時の、バルク64Aおよび微粒子64Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図27(C)は、電位差無印加時の、正面方向に向かう光L1と、斜め方向に向かう光L2とが光変調層64を透過する様子の一例を模式的表したものである。
【0093】
図28(A)は、電位差印加時の、微粒子64B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。なお、図28(A)において、バルク64A内の配向状態についての記載を省略した。図28(B)は、電位差印加時の、バルク64Aおよび微粒子64Bの屈折率異方性を示す屈折率楕円体の一例を表したものである。図28(C)は、電位差印加時の、正面方向に向かう光L1と、斜め方向に向かう光L2とが光変調層64において散乱される様子の一例を模式的表したものである。
【0094】
バルク64Aおよび微粒子64Bは、例えば、図28(A),(B)に示したように、電位差無印加時に、バルク64Aの光軸AX3および微粒子64Bの光軸AX4の向きが互いに一致する(平行となる)構成となっている。なお、光軸AX3,AX4とは、偏光方向によらず屈折率が一つの値になるような光線の進行方向と平行な線を指している。また、光軸AX3および光軸AX4の向きは常に互いに一致している必要はなく、光軸AX3の向きと光軸AX4の向きとが、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよい。
【0095】
また、微粒子64Bは、例えば、電位差無印加時に、光軸AX4が導光板10の光入射面10Aと平行となる構成となっている。微粒子64Bは、さらに、例えば、電位差無印加時に、光軸AX4が透明基板31,37の表面と僅かな角度θ3で交差する構成となっている(図27(B)参照)。なお、角度θ3については、微粒子64Bを構成する材料を説明する際に詳述する。
【0096】
一方、バルク64Aは、例えば、下側電極32および上側電極36間への電圧印加の有無に拘らず、バルク64Aの光軸AX4が一定となる構成となっている。具体的には、バルク64Aは、例えば、図27(A),(B),図28(A),(B)に示したように、バルク64Aの光軸AX3が導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と所定の角度θ4で交差する構成となっている。つまり、バルク64Aの光軸AX3は、下側電極32および上側電極36間に電圧が印加されていない時に、微粒子64Bの光軸AX4と平行となっている。
【0097】
なお、光軸AX4が常に、導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と角度θ3で交差している必要はなく、例えば製造誤差などによって透明基板31,37の表面と、角度θ3とは若干異なる角度で交差していてもよい。また、光軸AX3,AX4が常に導光板10の光入射面10Aと平行となっている必要はなく、例えば製造誤差などによって導光板10の光入射面10Aと、小さな角度で交差していてもよい。
【0098】
ここで、バルク64Aおよび微粒子64Bの常光屈折率が互いに等しく、かつバルク64Aおよび微粒子64Bの異常光屈折率が互いに等しいことが好ましい。この場合に、例えば、下側電極32および上側電極36間に電圧が印加されていない時には、図27(B)に示したように、正面方向および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差がほとんどなく、高い透明性が得られる。これにより、例えば、図27(C)に示したように、正面方向に向かう光L1および斜め方向に向かう光L2は、光変調層64内で散乱されることなく、光変調層64を透過する。その結果、上記実施の形態と同様、光源20からの光L(斜め方向からの光)は、透明領域30Aの界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)において全反射され、透明領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、光変調素子60を設けていない場合と比べて下がる。
【0099】
また、バルク64Aおよび微粒子64Bは、例えば、電位差印加時には、図28(B)に示したように、光軸AX3および光軸AX4の向きが互いに異なる(交差する)構成となっている。また、微粒子64Bは、例えば、電位差印加時に、微粒子64Bの光軸AX4が導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の表面と角度θ3よりも大きな角度θ4で交差するか、または透明基板31,37の表面と平行となる構成となっている。なお、角度θ4については、微粒子64Bを構成する材料を説明する際に詳述する。
【0100】
したがって、電位差印加時には、光変調層64において、正面方向および斜め方向を含むあらゆる方向において屈折率差が大きくなり、高い散乱性が得られる。これにより、例えば、図28(C)に示したように、正面方向に向かう光L1および斜め方向に向かう光L2は、光変調層64内で散乱される。その結果、上記実施の形態と同様、例えば、光源20からの光L(斜め方向からの光)は、散乱領域30Bの界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)を透過すると共に、反射板40側に透過した光は反射板40で反射され、光変調素子60を透過する。従って、散乱領域30Bの輝度は、光変調素子60を設けていない場合と比べて極めて高くなり、しかも、透明領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。
【0101】
なお、バルク64Aおよび微粒子64Bの常光屈折率は、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。また、バルク64Aおよび微粒子64Bの異常光屈折率についても、例えば製造誤差などによって多少ずれていてもよく、例えば、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。
【0102】
また、バルク64Aの屈折率差(Δn0=異常光屈折率n1−常光屈折率n0)や、微粒子64Bの屈折率差(Δn1=異常光屈折率n3−常光屈折率n2)は、できるだけ大きいことが好ましく、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。バルク64Aおよび微粒子64Bの屈折率差が大きい場合には、光変調層64の散乱能が高くなり、導光条件を容易に破壊することができ、導光板10からの光を取り出しやすいからである。
【0103】
また、バルク64Aおよび微粒子64Bは、電場に対する応答速度が互いに異なっている。バルク64Aは、例えば、電場に対して応答しない筋状構造もしくは多孔質構造となっているか、または微粒子64Bの応答速度よりも遅い応答速度を有する棒状構造となっている。バルク64Aは、例えば、低分子モノマーを重合化することにより得られた高分子材料によって形成されている。バルク64Aは、例えば、微粒子64Bの配向方向または配向膜33,35の配向方向に沿って配向した、配向性および重合性を有する材料(例えばモノマー)を熱および光の少なくとも一方によって重合させることにより形成されている。
【0104】
一方、微粒子64Bは、例えば、液晶材料を主に含んで構成されており、バルク64Aの応答速度よりも十分に早い応答速度を有している。微粒子64B内に含まれる液晶材料(液晶分子)は、例えば棒状分子である。微粒子64B内に含まれる液晶分子として、負の屈折率異方性を有するもの(いわゆるネガ型液晶)が用いられている。
【0105】
ここで、電位差無印加時には、微粒子64B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX4と平行となっている。このとき、微粒子64B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の法線と僅かな角度θ3で交差している。この角度θ3は、例えば1°程度の小さな角度であり、いわゆるプレチルト角と呼ばれるものである。つまり、微粒子64B内の液晶分子は、電位差無印加時には、導光板10の光入射面10Aと平行な面内において角度θ3だけ傾斜した状態で配向している。
【0106】
また、電位差印加時には、微粒子64B内において、液晶分子の長軸方向は、光軸AX4と交差(もしくは直交)している。このとき、微粒子64B内の液晶分子の長軸は、導光板10の光入射面10Aと平行となると共に透明基板31,37の法線と角度θ3よりも大きな角度θ4で交差している。つまり、微粒子64B内の液晶分子は、電位差印加時には、導光板10の光入射面10Aと平行な面内において角度θ4だけ傾斜した状態もしくは角度θ4(=90°)で横に寝た状態で配向している。
【0107】
上記した、配向性および重合性を有するモノマーとしては、光学的に異方性を有しており、かつ液晶と複合する材料であればよいが、本実施の形態では紫外線で硬化する低分子モノマーであることが好ましい。電圧無印加の状態で、液晶と、低分子モノマーを重合化することにより形成されたもの(高分子材料)との光学的異方性の方向が一致していることが好ましいので、紫外線硬化前において、液晶と低分子モノマーが同一方向に配向していることが好ましい。微粒子64Bとして液晶が用いられる場合に、その液晶が棒状分子であるときには、使用するモノマー材料の形状も棒状であることが好ましい。以上のことから、モノマー材料としては重合性と液晶性を併せ持つ材料を用いることが好ましく、例えば、重合性官能基として、アクリレート基、メタクリレート基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルエーテル基およびエポキシ基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を有することが好ましい。これらの官能基は、紫外線、赤外線または電子線を照射したり、加熱したりすることによって重合させることができる。紫外線照射時の配向度低下を抑制するために、多官能基をもつ液晶性材料を添加することもできる。
【0108】
次に、本実施の形態のバックライト211の作用および効果について説明する。
【0109】
本実施の形態のバックライト211では、上記実施の形態と同様、部分電極32B,32C,36Aによって生成される電位差に応じて、光源20からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層64がバックライト211内に設けられている。これにより、光源20から発せられ、透明基板31等を伝播する光は、光変調層64のうち、電位差制御によって透明性を示す領域(透過領域30A)を透過し、導光板10上面において全反射されるか、または高反射率で反射される。一方、透明基板31等を伝播する光は、光変調層64のうち、電位差制御によって散乱性を示す領域(散乱領域30B)で散乱され、導光板10の上面を透過する。そのため、バックライト211の光射出領域211Aのうち透過領域30Aと対応する領域からは、照明光がほとんど出射されない。また、バックライト211の光射出領域のうち散乱領域30Bと対応する領域から、照明光が出射される。このように、本実施の形態では、部分電極32B,32C,36Aのレイアウトおよび印加電圧に応じて、光変調層64の一部から照明光を出射させたり、光変調層64全体から照明光を出射させたりすることができるので、三次元表示と二次元表示を切り替えることができる。さらに、本実施の形態では、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネル210に表示させる際に、部分電極32Bまたは部分電極32Cと、部分電極36Aとの電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各部分電極32B,32C,36Aが駆動される。そのため、駆動方法に依って部分電極32B,32C,36Aの数が制限されない。そのため、必要に応じて、部分電極32B,32C,36Aの数を増やし、照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。従って、低コストで照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。
【0110】
[変形例]
上記実施の形態では、部分電極32B,32CがY軸方向と平行な方向(光入射面10Aと平行な方向)に延在していたが、例えば、図21、図22に示したように、Y軸方向と交差する方向(光入射面10Aと交差する方向)に延在していてもよい。この場合、バックライト211のエリアAでは、図23に示したように、線状照明光L1が部分電極32Bの延在方向(つまり、光入射面10Aと交差する方向)に延在することになる。また、部分電極32B,32Cは、例えば、図24、図25に示したように、ステップ状(ステップバリア形状)となっていてもよい。この場合、バックライト211のエリアAでは、図26に示したように、線状照明光L1もステップ状(ステップバリア形状)になる。なお、本変形例において、部分電極32B,32Cの幅は、モアレ低減の観点からは、表示パネル210のR,G,Bなどのサブピクセルの幅と同一または、その整数倍となっていることが好ましい。
【0111】
<3.第3の実施の形態>
上記各実施の形態では、バルク34A,64Aは光学的に異方性を有していたが、光学的に等方性を有していてもよい。この場合、バルク34A,64Aは、等方性の低分子材料を硬化させることによって形成されたものであり、光源20からの光に対して等方性を示す高分子材料によって形成されている。
【0112】
以下では、説明の便宜上、光学的に等方性を有するバルクをバルク74Aと称するものとする。また、以下では、バルク74Aがバルク34Aの代わりに用いられている。次に、バルク74Aおよび微粒子34Bを含む光変調層74を備えた光変調素子70(図示せず)の光学特性について説明する。
【0113】
図29(A)は、電位差無印加時の、微粒子34B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。なお、バルク74Aおよび微粒子34Bは等方性を示しており、配向していない。図29(B)は、電位差無印加時の、正面方向に向かう光L1および斜め方向に向かう光L2が光変調層74において散乱される様子の一例を模式的表したものである。
【0114】
図30(A)は、電位差印加時の、微粒子34B内の配向状態の一例を模式的に表したものである。なお、バルク74Aは、この場合にも等方性を示しており、配向していない。微粒子34Bは、印加電圧方向に配向する。図30(B)は、電位差印加時の、正面方向に向かう光L1および斜め方向に向かう光L2が光変調層74を透過する様子の一例を模式的表したものである。
【0115】
例えば、電位差無印加時には、微粒子34Bの光軸はランダムな方向を向いており、微粒子34B全体としては光学的に等方性を示す。また、例えば、電位差印加時には、微粒子34Bの光軸は、導光板10の光入射面10Aと平行となっており、かつ透明基板31,37の表面と直交している。一方、バルク74Aは、例えば、下側電極32および上側電極36間への電圧印加の有無に拘らず、等方性を示す。
【0116】
バルク74Aの屈折率と、微粒子34Bの常光屈折率とが互いに等しくなっているか、または、おおむね等しくなっている。バルク74Aの屈折率と、微粒子34Bの異常光屈折率とが互いに異なっている。また、バルク74Aの屈折率と、微粒子34Bが光学的に等方性を示しているときの屈折率とが互いに異なっている。
【0117】
電位差印加時には、透明基板31,37の表面と直交する方向において、バルク74Aと微粒子34Bとの屈折率差がほとんどなく、透明基板31,37の表面と平行な方向において、バルク74Aと微粒子34Bとの屈折率差が大きくなっている。これにより、図30(B)に示したように、透明基板31,37の表面と直交する方向において高い透明性が得られ、透明基板31,37の表面と平行な方向において高い散乱性が得られる。その結果、例えば、光源20からの光L(斜め方向からの光)が、透明領域30Aの界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)において全反射され、透明領域30Aの輝度(黒表示の輝度)が、光変調素子70を設けていない場合と比べて下がる。従って、視野角の大きい範囲における光の漏洩を低減またはほとんどなくすることができる。
【0118】
一方、電位差無印加時には、あらゆる方向において、バルク74Aと微粒子34Bとの屈折率差が大きくなる。これにより、図29(B)に示したように、高い散乱性が得られる。その結果、例えば、光源20からの光L(斜め方向からの光)は、散乱領域30Bの界面(透明基板31または導光板10と空気との界面)を透過すると共に、反射板40側に透過した光は反射板40で反射され、光変調素子70を透過する。従って、散乱領域30Bの輝度は、光変調素子70を設けていない場合と比べて極めて高くなり、しかも、透明領域30Aの輝度が低下した分だけ、部分的な白表示の輝度(輝度突き上げ)が大きくなる。
【0119】
図31は、本実施の形態において部分電極32B,32C,36Aに印加される種々の電圧波形の一例を表したものである。図31電圧波形は、光変調層74が、電圧印加時に透過状態となり、電圧無印加時に散乱状態となるノーマリーホワイト型の構成となっていることを前提としたものである。
【0120】
駆動回路50は、部分電極32Bまたは部分電極32Cと、部分電極36Aとの電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各部分電極32B,32C,36Aを駆動するようになっている。具体的には、駆動回路50は、図31(B),(D)に示したように、row非選択域の部分電極36A、column選択域の部分電極32Bおよびcolumn非選択域の部分電極32B,32Cに対して、固定電位(例えばグラウンド電位)を印加するようになっている。さらに、駆動回路50は、図31(A),(C)に示したように、row選択域の部分電極36Aおよびcolumn選択域の部分電極32Cに対して、位相が互いに同期した交流電位を印加するようになっている。駆動回路50は、row選択域の部分電極36Aに対しては、振幅Vrの交流電位を印加し、column選択域の部分電極32Cに対しては、振幅Vcの交流電位を印加するようになっている。振幅Vrおよび振幅Vcは、互いに等しくなっていることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。
【0121】
図32は、駆動回路50が、図31に示した電圧を部分電極32B,32C,36Aに印加したときの、光変調素子30a,30bの電位の経時変化の一例を表したものである。図32(A)〜(D)に示したように、エリアAの光変調セル30bに、振幅(Vr+Vc)の交流電位が印加され、エリアAの光変調セル30aおよびエリアB〜Dの光変調セル30a,30bには、振幅Vrもしくは振幅Vcの交流電位、または固定電位(例えばグラウンド電位)が印加される。ここで、図33に示したように、光変調セルセル30a,30bに印加される電圧(印加電圧)と、光変調セル30a,30bから出射される照明光の白色度との関係が、図33の条件1のようになっている場合、エリアAの光変調セル30aおよびエリアB〜Dの光変調セル30a,30b内の光変調層74は、透明領域30Aとなっており、これらのセルは、消光状態となっている。このとき、エリアAの光変調セル30b内の光変調層74は、散乱領域30Bとなっており、エリアAの光変調セル30bは、発光状態となっている。
【0122】
なお、印加電圧と白色度との関係が、図33の条件2となっている場合には、光変調セル30a,30bに対して、振幅Vrまたは振幅Vcの交流電位が印加されると、白色度が1とはならず、半分程度にまで小さくなってしまう。従って、光変調セル30a,30bに対して、振幅Vrまたは振幅Vcの交流電位が印加されたときに、白色度が振幅(Vr+Vc)の交流電位が印加されたときと同等の輝度となるような条件となっていることが好ましい。具体的には、振幅Vrおよび振幅Vcは、振幅Vrまたは振幅Vcの交流電位だけが光変調層34に印加されたときに、光変調層34が散乱性から透明性に移行する閾値電位と同じか、それよりも小さな値となっていることが好ましい。
【0123】
次に、本実施の形態のバックライト211の作用および効果について説明する。
【0124】
本実施の形態のバックライト211では、部分電極32B,32C,36Aによって生成される電位差に応じて、光源20からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層74がバックライト211内に設けられている。これにより、光源20から発せられ、透明基板31等を伝播する光は、光変調層74のうち、電位差制御によって透明性を示す領域(透過領域30A)を透過し、導光板10上面において全反射されるか、または高反射率で反射される。一方、透明基板31等を伝播する光は、光変調層74のうち、電位差制御によって散乱性を示す領域(散乱領域30B)で散乱され、導光板10の上面を透過する。そのため、バックライト211の光射出領域211Aのうち透過領域30Aと対応する領域からは、照明光がほとんど出射されない。また、バックライト211の光射出領域のうち散乱領域30Bと対応する領域から、照明光が出射される。このように、本実施の形態では、部分電極32B,32C,36Aのレイアウトおよび印加電圧に応じて、光変調層74の一部から照明光を出射させたり、光変調層74全体から照明光を出射させたりすることができるので、三次元表示と二次元表示を切り替えることができる。さらに、本実施の形態では、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を表示パネル210に表示させる際に、部分電極32Bまたは部分電極32Cと、部分電極36Aとの電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各部分電極32B,32C,36Aが駆動される。そのため、駆動方法に依って部分電極32B,32C,36Aの数が制限されない。そのため、必要に応じて、部分電極32B,32C,36Aの数を増やし、照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。従って、低コストで照明光の面内における部分的な出射をより細かくすることができる。
【0125】
[変形例]
上記実施の形態では、部分電極32B,32CがY軸方向と平行な方向(光入射面10Aと平行な方向)に延在していたが、例えば、図21、図22に示したように、Y軸方向と交差する方向(光入射面10Aと交差する方向)に延在していてもよい。この場合、バックライト211のエリアAでは、図23に示したように、線状照明光L1が部分電極32Bの延在方向(つまり、光入射面10Aと交差する方向)に延在することになる。また、部分電極32B,32Cは、例えば、図24、図25に示したように、ステップ状(ステップバリア形状)となっていてもよい。この場合、バックライト211のエリアAでは、図26に示したように、線状照明光L1もステップ状(ステップバリア形状)になる。なお、本変形例において、部分電極32B,32Cの幅は、モアレ低減の観点からは、表示パネル210のR,G,Bなどのサブピクセルの幅と同一または、その整数倍となっていることが好ましい。
【0126】
<4.変形例>
以上、実施の形態およびその変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0127】
例えば、上記実施の形態等において、例えば、図34または図35に示したように、駆動回路50が表示パネル210を時分割に駆動するようになっていてもよい。この場合に、駆動回路50は、所定の周期内において、表示パネル210の表示が、視差の数と等しい数の画素行内で1画素行ずつ順次切り換わるのと同期して、バックライト211からの帯状照明光の出力箇所を切り替える。例えば、駆動回路50は、1フレーム期間(例えば1/60秒)内において、表示パネル210の表示が、4画素行内で1画素行ずつ順次切り換わるのと同期して、バックライト211からの帯状照明光の出力箇所を切り替える。このとき、表示パネル210を駆動する駆動回路(図示せず)は、1フレーム期間内において、表示パネル210の表示が、視差の数と等しい数の画素行内で1画素行ずつ順次切り換わるように、各画素に対して映像信号に対応する電圧を印加する。このように、切り替えを高速に行うことにより、観察者は、瞬間に光っている画素数の4倍の画素を知覚するようになり、実質的な解像度をあげることができる。
【0128】
また、上記実施の形態等では、光変調素子30,60,70は、導光板10の内部に設けられていたが、例えば、図36に示したように、導光板10の上面に空気層を介さずに密着して接合されていてもよい。また、光変調素子30,60,70は、例えば、図37に示したように、導光板10の背後(下面)に空気層を介さずに密着して接合されていてもよい。さらに、この場合に、光変調素子30,60,70の下側電極32が、金属などの光反射材料で構成されていてもよい。この場合には、例えば、図38に示したように、反射板40を省略することも可能である。
【0129】
また、第3の実施の形態では、互いに隣り合う部分電極32Aの間に隙間が設けられていたが、例えば、図39に示したように、互いに隣り合う部分電極32Aの一部が、上から見たときに、重なり合っていてもよい。また、図示しないが、互いに隣り合う部分電極32A同士が、上から見たときに、隙間なく配置されていてもよい。さらに、例えば、図40に示したように、互いに隣り合う部分電極36Aの一部が、上から見たときに、重なり合っていてもよい。また、図示しないが、互いに隣り合う部分電極36A同士が、上から見たときに、隙間なく配置されていてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態等において、駆動回路50は、部分電極32Aへ印加していた電圧を部分電極36Aへ印加し、部分電極36Aへ印加していた電圧を部分電極32Aへ印加するようにしてもよい。例えば、図41、図42に示したように、部分電極36Aが、部分電極32Bとして機能する部分電極36Bと、部分電極32Cとして機能する部分電極36Cとにより構成されている場合に、駆動回路50は、部分電極32Bへ印加していた電圧を部分電極36Bへ印加し、部分電極32Cへ印加していた電圧を部分電極36Cへ印加するようにしてもよい。なお、部分電極36Aは、例えば、図43、図44に示したように、X軸方向と交差する方向(光入射面10Aと直交以外の角度で交差する方向)に延在していてもよい。また、部分電極36Aは、例えば、図45、図46に示したように、ステップ状(ステップバリア形状)となっていてもよい。なお、部分電極36Aが、図43〜図46に記載の構成となっている場合、部分電極32Aは、図6、図8に示したように、Y軸方向に延在していることが好ましい。また、本変形例において、部分電極36B,36Cの幅は、モアレ低減の観点からは、表示パネル210のR,G,Bなどのサブピクセルの幅と同一または、その整数倍となっていることが好ましい。
【0131】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルを照明する照明装置と、
前記表示パネルおよび前記照明装置を駆動する駆動回路と
を備え、
前記照明装置は、
離間して互いに対向配置された第1透明基板および第2透明基板と、
前記第1透明基板または前記第2透明基板の端面に光を照射する光源と、
前記第1透明基板および前記第2透明基板の間隙に設けられ、かつ電位差に応じて、前記光源からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層と、
前記光変調層を挟み込む第1電極および第2電極と
を有し、
前記第1電極および前記第2電極は、ともに、複数の帯状電極からなり、
前記第1電極の帯状電極と、前記第2電極の帯状電極とは、互いに交差する方向に延在しており、
前記駆動回路は、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極の帯状電極と、前記第2電極の帯状電極との電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各帯状電極を駆動するようになっている
表示装置。
(2)
前記駆動回路は、二次元映像の表示領域に対応する第1領域において面発光となるように各帯状電極を駆動し、三次元映像の表示領域に対応する第2領域において線状発光となるように各帯状電極を駆動するようになっている
(1)に記載の表示装置。
(3)
前記第2電極の複数の帯状電極は、前記面発光の生成に用いられる複数の第1帯状電極と、前記面発光および前記線状発光の生成に用いられる複数の第2帯状電極とからなる
(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
前記光変調層は、電圧印加時に散乱状態となり、電圧無印加時に透過状態となるノーマリーブラックの構成となっており、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過する帯状電極と、前記複数の第1帯状電極のうち前記第2領域を通過する帯状電極とに対して、固定電位を印加し、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極と、前記複数の第1帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極と、各第2帯状電極とに対して、位相が互いに同期した交流電位を印加するようになっている
(3)に記載の表示装置。
(5)
前記固定電位は、グラウンド電位であり、
前記交流電位の振幅(RMS)は、当該交流電位だけが前記光変調層に印加されたときに、前記光変調層が透明性から散乱性に移行する閾値電位と同じか、それよりも大きな値となっている
(4)記載の表示装置。
(6)
前記光変調層は、電圧印加時に透過状態となり、電圧無印加時に散乱状態となるノーマリーホワイトの構成となっており、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極と、各第2帯状電極と、前記複数の第1帯状電極うち前記第2領域を通過する帯状電極とに対して、固定電位を印加し、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過する帯状電極と、前記複数の第1帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極とに対して、固定電位を印加するようになっている
(3)に記載の表示装置。
(7)
前記固定電位は、グラウンド電位であり、
前記交流電位の振幅(RMS)は、当該交流電位だけが前記光変調層に印加されたときに、前記光変調層が散乱性から透明性に移行する閾値電位と同じか、それよりも小さな値となっている
(6)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0132】
10…導光板、10A…光入射面、20…光源、30,60,70…光変調素子、30−1,30a,30b…光変調セル、30A…透過領域、30B…散乱領域、31,37…透明基板、32…下側電極、32A,32B,32C,36A…部分電極、33,35…配向膜、34,64,74…光変調層、34A,64A,74A…バルク、34B,64B…微粒子、36…上側電極、40…反射板、50…駆動回路、60…拡散シート、100…送信側装置、100A…テレビ放送信号、200…受信側装置、201…アンテナ端子、202…デジタルチューナ、203…デマルチプレクサ、204…演算回路、204A…制御信号、205…メモリ、206…デコーダ、207…映像信号処理回路、208…グラフィック生成回路、209…パネル駆動回路、210…表示パネル、210A…液晶パネル、210B,210C…偏光板、210D…三次元用画素、210E,210−1〜210−4…画素、211…バックライト、211−1…2D表示領域、211−2…3D表示領域、212…音声信号処理回路、213…音声増幅回路、214…スピーカ、215…リモコン受信回路、216…リモコン送信機、220…低屈折率材料層、AX1〜AX4…光軸、AX10,AX11…透過軸、L1…線状照明光、L2…面状照明光、θ1〜θ4…角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルを照明する照明装置と、
前記表示パネルおよび前記照明装置を駆動する駆動回路と
を備え、
前記照明装置は、
離間して互いに対向配置された第1透明基板および第2透明基板と、
前記第1透明基板または前記第2透明基板の端面に光を照射する光源と、
前記第1透明基板および前記第2透明基板の間隙に設けられ、かつ電位差に応じて、前記光源からの光に対して散乱性もしくは透明性を示す光変調層と、
前記光変調層を挟み込む第1電極および第2電極と
を有し、
前記第1電極および前記第2電極は、ともに、複数の帯状電極からなり、
前記第1電極の帯状電極と、前記第2電極の帯状電極とは、互いに交差する方向に延在しており、
前記駆動回路は、二次元映像、三次元映像、または二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極の帯状電極と、前記第2電極の帯状電極との電位差の面内分布が1フレーム期間内で一定となるように、各帯状電極を駆動するようになっている
表示装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、二次元映像の表示領域に対応する第1領域において面発光となるように各帯状電極を駆動し、三次元映像の表示領域に対応する第2領域において線状発光となるように各帯状電極を駆動するようになっている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2電極の複数の帯状電極は、前記面発光の生成に用いられる複数の第1帯状電極と、前記面発光および前記線状発光の生成に用いられる複数の第2帯状電極とからなる
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光変調層は、電圧印加時に散乱状態となり、電圧無印加時に透過状態となるノーマリーブラックの構成となっており、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過する帯状電極と、前記複数の第1帯状電極のうち前記第2領域を通過する帯状電極とに対して、固定電位を印加し、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極と、前記複数の第1帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極と、各第2帯状電極とに対して、位相が互いに同期した交流電位を印加するようになっている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記固定電位は、グラウンド電位であり、
前記交流電位の振幅(RMS)は、当該交流電位だけが前記光変調層に印加されたときに、前記光変調層が透明性から散乱性に移行する閾値電位と同じか、それよりも大きな値となっている
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光変調層は、電圧印加時に透過状態となり、電圧無印加時に散乱状態となるノーマリーホワイトの構成となっており、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極と、各第2帯状電極と、前記複数の第1帯状電極うち前記第2領域を通過する帯状電極とに対して、固定電位を印加し、
前記駆動回路は、二次元映像と三次元映像とを混在させた映像を前記表示パネルに表示させる際に、前記第1電極を構成する複数の帯状電極のうち前記第2領域を通過する帯状電極と、前記複数の第1帯状電極のうち前記第2領域を通過しない帯状電極とに対して、固定電位を印加するようになっている
請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記固定電位は、グラウンド電位であり、
前記交流電位の振幅(RMS)は、当該交流電位だけが前記光変調層に印加されたときに、前記光変調層が散乱性から透明性に移行する閾値電位と同じか、それよりも小さな値となっている
請求項6に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2013−83674(P2013−83674A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221412(P2011−221412)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】