説明

表示装置

【課題】ガラスセルのようなパネルセルを確実に保持することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、パネルセル(ガラスセル)11と、前記ガラスセル11とは構造的に独立した部材と、前記ガラスセルと前記部材とを固定した固定部21と、を備える。表示エリアDが露出する開口部14cが設けられたベゼル14をさらに備え、前記部材は、ガラスセルに対して前記開口部とは反対側に位置し、前記部材は、バックライトユニット12であり、前記ガラスセル11は、前記表示エリアを含む第1面と、該第1面とは反対側に位置し、前記バックライトユニットに向かい合う第2面とを有し、前記固定部21は、前記ガラスセルの第2面と前記バックライトユニットとを固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
緩衝部材を備えたディスプレイ装置が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−177786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、ガラスセルのようなパネルセルは、バックライトユニットとともに、ベゼルとバックカバーとの間に挟まれて保持されている。
【0005】
しかしながら、将来的に、表示装置の額縁がさらに狭くなる可能性がある。表示装置の額縁がさらに狭くなると、ベゼルによってパネルセルの前面を十分に保持することが難しくなることが考えられる。
【0006】
本発明の目的は、パネルセルを確実に保持することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、表示装置は、パネルセルと、前記パネルセルとは構造的に独立した部材と、前記パネルセルと前記部材とを固定した固定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図2】図1中に示されたパネルユニットを示す断面図。
【図3】第2実施形態にパネルユニットを示す断面図。
【図4】第3実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図5】第4実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図6】第5実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図7】第6実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図8】第7実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図9】第8実施形態に係る表示装置を示す断面図。
【図10】図9中に示された表示装置の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1及び図2は、第1実施形態に係る表示装置1を開示している。表示装置1は、「電子機器」の一例であり、例えばテレビジョン受像機である。なお、表示装置1は、放送電波を受信するものに限らず、例えばモニターなどでもよい。
【0011】
図1に示すように、表示装置1の一例は、壁2に取り付けられて使用される。壁2は、「表示装置が設置される設置場所(設置部)」の一例である。なお、「表示装置が設置される設置場所」は、壁に限定されず、天井や床、テレビ台などが適宜該当する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示ユニット3(表示装置本体)と、この表示ユニット3を壁2に取り付ける壁掛け金具4とを含む。壁掛け金具4は、「設置ユニット」及び「支持部」の其々一例である。壁掛け金具4は、表示ユニット3と壁2との間に位置し、表示ユニット3を支持する。
【0013】
表示ユニット3は、筐体5と、この筐体5に収容されたパネルユニット6とを有する。筐体5は、前壁7、背壁8、及び周壁9を有し、扁平な箱状に形成されている。前壁7は、パネルユニット6の表示画面(表示エリアD)が露出する開口部7aが設けられている。背壁8は、パネルユニット6に対して前壁7とは反対側に位置し、前壁7と略平行に広がる。周壁9は、前壁7の周縁部と背壁8の周縁部との間を繋いでいる。
【0014】
図2は、パネルユニット6の詳細を示す。本実施形態に係るパネルユニット6は、例えば液晶ディスプレイである。なお、「パネルユニット」は、これに限定されず、プラズマディスプレイやその他のディスプレイが適宜該当する。
【0015】
図2に示すように、パネルユニット6は、ガラスセル11、バックライトユニット12、スペーサ13、ベゼル14(フロントベゼル)、及びバックカバー15を有する。ガラスセル11(ガラス液晶セル)は、2枚のガラス板(ガラス基板)と、それらの間に封止された液晶とを含む。ガラスセル11は、「パネルセル」の一例である。なお、パネルセルの素材は、ガラスに限定されるものではなく、他の素材でもよい。
【0016】
ガラスセル11は、前面11a、背面11b(裏面)、及び周面11cを有する。前面11aは、「第1面」の一例である。前面11aは、表示エリアD(表示面)を含み、筐体5の開口部7aから外部に露出される。背面11bは、「第2面」の一例である。背面11bは、前面11aとは反対側に位置し、前面11aと略平行に広がる。周面11cは、前面11a及び背面11bとは交差する方向(例えば略直交する方向)に延び、前面11aの周縁と背面11bの周縁とを繋ぐ。「背面11b」及び「周面11c」は、「ガラスセル(パネルセル)の表示エリア以外の部分」の其々一例である。
【0017】
バックライトユニット12は、ガラスセル11の背後に位置し、ガラスセル11の背面11bに向かい合う。バックライトユニット12は、例えば光源としてのLED17(light-emitting diode)と、この光源からの光をガラスセル11に向けて通す導光板18とを含む。
【0018】
バックライトユニット12は、ガラスセル11とは別体である。バックライトユニット12は、「ガラスセル(パネルセル)とは構造的に独立した部材」の一例である。なお、「ガラスセル(パネルセル)とは構造的に独立した部材」は、バックライトユニットに限らず、例えばスペーサ13やバックカバー15、またはその他の部材が適宜該当する。
【0019】
バックライトユニット12は、前面12a、背面12b(裏面)、及び周面12cを有する。前面12aは、ガラスセル11に向かい合う。背面12bは、前面12aとは反対側に位置し、前面12aと略平行に広がる。周面12cは、前面12a及び背面12bとは交差する方向(例えば略直交する方向)に延び、前面12aの周縁と背面12bの周縁とを繋ぐ。
【0020】
図2に示すように、スペーサ13は、バックライトユニット12の側方(図中では上方)に設けられている。スペーサ13は、例えばバックカバー15に固定されている。スペーサ13は、「支持部材」の一例である。
【0021】
スペーサ13は、第1部分13aと、第2部分13bとを有する。第1部分13aは、バックライトユニット12の周面12cに向かい合う。第2部分13bは、ガラスセル11とバックライトユニット12との間に位置し、ガラスセル11とバックライトユニット12との間に適度な隙間を設けている。
【0022】
図2に示すように、バックカバー15は、バックライトユニット12の背後を覆う。バックカバー15は、バックライトユニット12の背面12bに向かい合う第1部分15aと、バックライトユニット12の周面12cに向かい合う第2部分15bとを有する。第2部分15bには、スペーサ13が固定されている。
【0023】
図1に示すように、バックカバー15は、筐体5とともに、壁掛け金具4に固定され、壁掛け金具4に支持されている。バックカバー15は、壁掛け金具4に例えばねじ19で固定されている。バックライトユニット12は、バックカバー15とスペーサ13の第2部分13bとの間に挟まれて保持されている。すなわち、バックライトユニット12は、バックカバー15及びスペーサ13を介して壁掛け金具4に支持されている。
【0024】
図2に示すように、本実施形態では、ガラスセル11とバックライトユニット12との間には、ガラスセル11とバックライトユニット12とを固定した固定部21が設けられている。固定部21の一例は、接着剤または両面テープによる接着部である。固定部21は、例えばガラスセル11の背面11bとバックライトユニット12の前面12aとを固定している。これにより、ガラスセル11は、バックライトユニット12に支持されている。
【0025】
固定部21は、例えばガラスセル11の背面11b及びバックライトユニット12の前面12aに部分的に設けられている。固定部21は、少なくともガラスセル11の中央部11dとバックライトユニット12の中央部12dとを固定している。なお、固定部21は、例えばガラスセル11の背面12bの略全面とバックライトユニット12の前面12aの略全面とに設けられてもよい。
【0026】
固定部21の一例は、光を透過させる部材である。固定部21は、バックライトユニット12からガラスセル11に向かう光を通す。このため、バックライトユニット12とガラスセル11との間に固定部21が存在しても、バックライトユニット12からの光はガラスセル11に届く。なお、固定部21は、透明でもよく、透明でなくてもよい。
【0027】
なお、固定部21が設けられる場所は、ガラスセル11とバックライトユニット12との間に限定されない。固定部21は、ガラスセル11の表示エリアD以外の部分と、ガラスセル11とは構造的に独立した部材とを固定してもよい。固定部21は、例えばガラスセル11の背面11bとバックカバー15とを固定してもよく、または、ガラスセル11の背面11bまたは周面11cとスペーサ13とを固定してもよい。なお、固定部21が固定する場所は、これらに限られない。
【0028】
図2に示すように、ベゼル14は、ガラスセル11の周縁に設けられ、枠状に形成されている。ベゼル14は、ガラスセル11の前面12aに向かい合う第1部分14aと、ガラスセル11の周面11c及びバックカバー15の一部に向かい合う第2部分14bとを有する。第1部分14aは、ガラスセル11の表示エリアDを外部に露出させる開口部14cが設けられている。ベゼル14は、バックカバー15に固定されている。バックライトユニット12、スペーサ13、及びバックカバー15は、ガラスセル11に対してベゼル14の開口部14cとは反対側に位置する。
【0029】
このような構成によれば、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。
【0030】
一般的に、ガラスセルのようなパネルセルは、特定の部材に固定されず、バックライトユニットとともにベゼルとバックカバーとの間に挟まれて保持されることが多い。しかしながら、将来的には、表示装置の額縁がさらに狭くなる可能性がある。表示装置の額縁がさらに狭くなると、ガラスセルの前面を押さえるベゼルの部分が小さくなることが予想される。一例としては、ベゼルの前面部分(第1部分14a)の幅が4.8mmになる場合、ガラスセルの前面とベゼルとの重なり(オーバーラップ代)は、例えば0.8mmになる。このため、例えば地震のような大きな衝撃が加わる特殊な場合には、ガラスセルがベゼルから脱落する可能性がゼロではなくなることが考えられる。
【0031】
一方で、本実施形態に係る表示装置1は、ガラスセル11の表示エリアD以外の部分と、ガラスセル11とは構造的に独立した部材(例えばバックライトユニット12)とを固定した固定部21を有する。この構成によれば、ガラスセル11は、固定部21によって、ガラスセル11とは構造的に独立した部材(例えばバックライトユニット12)に支持されている。これにより、狭額縁の表示装置1においても、ガラスセル11を確実に保持することができ、ガラスセル11の脱落を防止することができる。
【0032】
本実施形態では、固定部21は、ガラスセル11の背面11bとバックライトユニット12とを固定している。ガラスセル11の背面11bは、表示エリアDを除いて表示装置1のなかで最も大きな面積が確保可能な領域である。このガラスセル11の背面11b及びバックライトユニット12の前面12aを活用することで、ガラスセル11を固定する接着面積を大きく確保することができる。これにより、ガラスセル11をさらに強固に保持することができる。
【0033】
本実施形態では、固定部21は、バックライトユニット12からガラスセル11に向かう光が通過可能な部材である。このような構成によれば、バックライトユニット12とガラスセル11との間に固定部21を設けることの不具合を回避することができる。
【0034】
本実施形態では、固定部21は、少なくともガラスセル11の中央部11dとバックライトユニット12の中央部12dとを固定している。ガラスセル11は、振動や衝撃が加わった時に該ガラスセル11の中央部11dが撓み、ベゼル14から脱落しやすくなる。本実施形態では、固定部21によって、ガラスセル11の中央部11dが変形しにくい(撓みにくい)。このような構成によれば、ガラスセル11をさらに確実に保持することができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、第2実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0036】
図3に示すように、本実施形態では、固定部21は、ガラスセル11の背面11bとスペーサ13との間に設けられ、ガラスセル11とスペーサ13とを固定している。スペーサ13は、バックカバー15に固定されている。
【0037】
図3に示すように、本実施形態に係る固定部21は、バックライトユニット12とガラスセル11との間に位置しない。固定部21は、透明に限られず、有色の素材や半透明の素材など光を透過させない素材でもよい。
【0038】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。
【0039】
(第3施形態)
次に、図4を参照して、第3実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0040】
図4に示すように、本実施形態では、壁掛け金具4に衝撃吸収部31(緩衝部)が設けられている。衝撃吸収部31は、例えばゴムやバネのような弾性部材、または油圧ダンパーや空気ダンパーのような緩衝部材を含む。
【0041】
図4に示すように、壁掛け金具4は、壁2と表示ユニット3との間に設けられている。壁掛け金具4は、壁2に固定される第1部材32、表示ユニット3に固定される第2部材33、及び第1部材32と第2部材33との間に設けられた第3部材34とを有する。第2部材33の下端部は、第1部材32の下端部に連結されている。第3部材34は、第1部材32の上端部と第2部材33の上端部との間に亘り、第1部材32と第2部材33とを連結している。
【0042】
図4に示すように、本実施形態では、第1部材32の下端部と第2部材33の下端部との間、及び第3部材34の途中に、衝撃吸収部31が其々設けられている。これにより、壁2から第1部材32に伝わる衝撃及び振動の一部は、表示ユニット3に伝わる前に衝撃吸収部31によって吸収される。これにより、表示ユニット3には、大きな衝撃及び振動が伝わり難い。
【0043】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。また、本実施形態では、壁掛け金具4に衝撃吸収部31(緩衝部)が設けられている。これにより、大きな衝撃及び振動が表示ユニット3に伝わり難く、ガラスセル11の保持をさらに確実にすることができる。
【0044】
(第4施形態)
次に、図5を参照して、第4実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1及び第3の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0045】
図5に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示ユニット3と、この表示ユニット3を天井36に取り付ける取付部材37とを含む。天井36は、「表示装置が設置される設置場所(設置部)」の一例である。取付部材37は、「設置ユニット」及び「支持部」の其々一例であり、天井36と表示ユニット3との間に設けられている。
【0046】
図5に示すように、本実施形態では、取付部材37の途中に衝撃吸収部31が設けられている。これにより、天井36から取付部材37に伝わる衝撃及び振動の一部は、表示ユニット3に伝わる前に衝撃吸収部31によって吸収される。これにより、表示ユニット3には、大きな衝撃及び振動が伝わり難い。
【0047】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。また、上記第3実施形態と同様に、天井36からの衝撃及び振動は衝撃吸収部31によって緩和され、ガラスセル11の保持をさらに確実にすることができる。
【0048】
(第5施形態)
次に、図6を参照して、第5実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1及び第3の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0049】
図6に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示ユニット3と、この表示ユニット3を床41(またはテレビ台)の上で支えるスタンド42とを含む。床41(またはテレビ台)は、「表示装置が設置される設置場所(設置部)」の一例である。スタンド42は、「設置ユニット」及び「支持部」の其々一例であり、床41と表示ユニット3との間に設けられている。
【0050】
図6に示すように、本実施形態では、スタンド42の途中に衝撃吸収部31が設けられている。これにより、床41からスタンド42に伝わる衝撃及び振動の一部は、表示ユニット3に伝わる前に衝撃吸収部31によって吸収される。これにより、表示ユニット3には、大きな衝撃及び振動が伝わり難い。
【0051】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。また、上記第3実施形態と同様に、床41からの衝撃及び振動は衝撃吸収部31によって緩和され、ガラスセル11の保持をさらに確実にすることができる。
【0052】
(第6施形態)
次に、図7を参照して、第6実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1、第3、及び第5の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0053】
図7に示すように、本実施形態では、スタンド42は、床41に設置されるスタンド本体45(設置ユニット本体)と、表示ユニット3に取り付けられる取付板46とを含む。取付板46は、スタンド本体45(設置ユニット本体)に支持される。
【0054】
本実施形態では、スタンド本体45と取付板46との間に衝撃吸収部31が設けられている。これにより、床41からスタンド42に伝わる衝撃及び振動の一部は、表示ユニット3に伝わる前に衝撃吸収部31によって吸収される。これにより、表示ユニット3には、大きな衝撃及び振動が伝わり難い。
【0055】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。また、上記第5実施形態と同様に、床41からの衝撃及び振動は衝撃吸収部31によって緩和され、ガラスセル11の保持をさらに確実にすることができる。
【0056】
以上、上記第2乃至第6の実施形態によれば、表示ユニット3を支持する設置ユニット(設置部材)に衝撃吸収部31が設けられるため、表示ユニット3の汎用化を図ることができる。
【0057】
(第7施形態)
次に、図8を参照して、第7実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1、第3、及び第4の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0058】
図8に示すように、本実施形態では、取付部材37に衝撃吸収部31が設けられるのに代えて、表示ユニット3に衝撃吸収部31が設けられている。衝撃吸収部31は、ガラスセル11(パネルセル)とは構造的に独立した部材と、設置ユニットとの間に設けられている。
【0059】
詳しく述べると、本実施形態では、表示ユニット3は、取付部材37が固定される部分を有し、この部分に衝撃吸収部31が設けられている。衝撃吸収部31は、例えばバックカバー15と取付部材37との間に設けられている。
【0060】
パネルユニット6及び筐体5は、衝撃吸収部31を介して取付部材37に支持されており、取付部材37に直接に固定されていない。これにより、天井36から取付部材37に伝わる衝撃及び振動の一部は、ガラスセル11に伝わる前に衝撃吸収部31によって吸収される。これにより、ガラスセル11には、大きな衝撃及び振動が伝わり難い。
【0061】
このような構成によれば、上記第1実施形態と同様に、ガラスセル11を確実に保持することが可能な表示装置1を提供することができる。また、上記第4実施形態と同様に、天井36からの衝撃及び振動は衝撃吸収部31によって緩和され、ガラスセル11の保持をさらに確実にすることができる。
【0062】
なお、本実施形態は、第3、第5、及び第6実施形態に係る設置ユニット(すなわち、壁掛け金具4またはスタンド42で表示ユニット3が支持される構造)にも其々適用することができる。すなわち、これらの実施形態においても、衝撃吸収部31は、設置ユニットに代えて、表示ユニット3に設けられてもよい。これらの構成によれば、表示ユニット3に衝撃吸収部31が設けられるため、設置ユニット(壁掛け金具4、取付部材37、スタンド42)の汎用化を図ることができる。
【0063】
(第8施形態)
次に、図9及び図10を参照して、第8実施形態に係る表示装置1を説明する。なお、第1、第3、及び第4の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0064】
図9に模式的に示すように、本実施形態では、ガラスセル11の表示エリアDを押さえる細線51(ワイヤ部材)が設けられている。なお図9では、細線51は、説明の便宜上、表示エリアDから離れて描かれているが、実際は表示エリアDに接しているか、または表示エリアDの近傍に位置する。
【0065】
細線51は、「押さえ部材」の一例である。細線51は、ガラスセル11の表示エリアDに向かい合うとともに、取付部材37に固定されている。取付部材37は、「ガラスセル(パネルセル)とは構造的に独立した部材」の一例である。なお、細線51は、取付部材37に代えて、筐体5やバックカバー15、またはバックライトユニット12などに固定されてもよい。
【0066】
図10に示すように、細線51は、例えば2本設けられている。第1の細線51は、ガラスセル11の横幅方向の中央部に設けられ、ガラスセル11を鉛直方向に横断している。第2の細線は、ガラスセル11の縦幅方向の中央部に設けられ、ガラスセル11を水平方向に横断している。第1及び第2の細線51は、ガラスセル11の中央部に其々向かい合い、ガラスセル11の中央部11dを押さえる。
【0067】
なお、本明細書で「表示エリアを押さえる」とは、通常時にガラスセルの表面に接しているものに加え、通常時はガラスセルの表面から離れるとともに、万が一にガラスセルが脱落しそうになった時にガラスセルの表面に接するものも含む。
【0068】
また、本実施形態では、固定部21は、無くてもよい。また、細線51は、第1乃至第7の実施形態の全てにおいて追加的に適用可能である。すなわち、細線51は、設置ユニット(壁掛け金具4、取付部材37、及びスタンド42)の種類、固定部21の有無、衝撃吸収部31の有無に関わらず、それら実施形態に適用可能である。つまり、細線51は、例えば衝撃吸収部31が設けられた種々の構造(第3、第4、第5、第6、及び第7の実施形態)と組み合わせて適用可能である。
【0069】
このような構成によれば、ガラスセル11の前面11aが細線51によって押さえられるので、狭額縁の表示装置においても、ガラスセル11が確実に保持され、ガラスセル11の脱落を防止することができる。また、衝撃吸収部31と組み合わせて適用することで、外部からの衝撃及び振動が衝撃吸収部31で緩和され、ガラスセル11の保持をさらに確実にすることができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
D…表示エリア、1…表示装置、2…壁、4…壁掛け金具、11…ガラスセル、12…バックライトユニット、13…スペーサ、14…ベゼル、14c…開口部、15…バックカバー、21…固定部、31…衝撃吸収部、36…天井、37…取付部材、41…床、42…スタンド、51…細線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示エリアを有したガラスセルと、
前記ガラスセルとは構造的に独立した部材と、
前記ガラスセルの前記表示エリア以外の部分と前記部材とを固定した固定部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記表示エリアが露出する開口部が設けられたベゼルをさらに備え、
前記部材は、前記ガラスセルに対して前記開口部とは反対側に位置した表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記部材は、バックライトユニットであり、
前記ガラスセルは、前記表示エリアを含む第1面と、該第1面とは反対側に位置し、前記バックライトユニットに向かい合う第2面とを有し、
前記固定部は、前記ガラスセルの第2面と前記バックライトユニットとを固定した表示装置。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記固定部は、前記バックライトユニットから前記ガラスセルに向かう光を通す部材である表示装置。
【請求項5】
請求項4の記載において、
前記固定部は、少なくとも前記ガラスセルの中央部と前記バックライトユニットの中央部とを固定した表示装置。
【請求項6】
請求項1または請求項5の記載において、
当該表示装置が設置される設置場所と前記部材との間に設けられた設置ユニットと、
前記設置ユニットに設けられた衝撃吸収部と、
をさらに備えた表示装置。
【請求項7】
請求項1または請求項5の記載において、
前記表示装置が設置される設置場所と前記部材との間に設けられた設置ユニットと、
前記設置ユニットと前記部材との間に設けられた衝撃吸収部と、
をさらに備えた表示装置。
【請求項8】
表示エリアを有したガラスセルと、
前記ガラスセルとは構造的に独立した部材と、
前記部材に固定され、前記ガラスセルの前記表示エリアを押さえる細線と、
を備えた表示装置。
【請求項9】
請求項8の記載において、
当該表示装置が設置される設置場所と前記部材との間に設けられた設置ユニットと、
前記設置ユニットに設けられた衝撃吸収部と、
をさらに備えた表示装置。
【請求項10】
請求項8の記載において、
当該表示装置が設置される設置場所と前記部材との間に設けられた設置ユニットと、
前記設置ユニットと前記部材との間に設けられた衝撃吸収部と、
をさらに備えた表示装置。
【請求項11】
パネルセルと、
前記パネルセルとは構造的に独立した部材と、
前記パネルセルと前記部材とを固定した固定部と、
を備えた表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−83774(P2013−83774A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223223(P2011−223223)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】