説明

表示装置

【課題】駆動開口と固定開口がどれだけずれているかを検出することができる構造を提供する。
【解決手段】遮光膜12は、表示領域に複数の固定開口を有する。遮光膜12は、周辺領域では、周辺領域のシャッタ40の一部との重複を避けるように形成されたダミー開口24を有する。ダミー開口24の縁は、固定開口の規則性を以て周辺領域に配置すると仮想した固定開口の縁の一部からなるエッジを含む。表示領域のシャッタ40は、第1位置P1で駆動開口42と固定開口が連通して光を通過させ、第2位置P2で駆動開口42と固定開口がずれるように配置されて光を遮断する。複数のシャッタ40が第2位置P2にあるとき、周辺領域の駆動開口42とエッジとの距離dと、表示領域の駆動開口42と固定開口の縁の一部との距離Dとが相間関係を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSディスプレイ(Micro Electro Mechanical System Display)は、液晶ディスプレイに取って代わると期待されているディスプレイである(特許文献1参照)。このディスプレイは、偏光を利用した液晶シャッタ方式とは異なり、機械シャッタ方式によって光の透過窓を開閉することで画像を表示する。
【0003】
シャッタは駆動開口を有しており、基板に取り付けられて駆動されるようになっている。この基板に対向するように、遮光膜が形成された別の基板が配置されており、遮光膜には固定開口が形成されている。シャッタの駆動で、駆動開口と固定開口が一致すれば光が透過し、両者がずれていれば光が遮断され、1画素のオンオフ動作が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のMEMSディスプレイでは、シャッタが光を遮断しているときに駆動開口と固定開口がどれだけずれているかを検査することができなかった。垂直方向に駆動開口と固定開口がずれていれば、垂直方向に光を遮断することはできるが、斜めに光が漏れないようにするには、予め設定されたずれ量を確保する必要がある。ずれ量はコントラストの視野角依存性に影響し、また両基板の貼り合わせによる位置ずれが大きいと最悪の場合は光漏れも引き起こす可能性があるため、検査により選別できるようにすることが重要である。
【0006】
本発明は、駆動開口と固定開口のずれ量を検出することができる構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る表示装置は、光透過性の第1基板と、前記第1基板に形成された遮光膜と、前記第1基板に間隔をあけて対向するように配置された光透過性の第2基板と、前記第2基板に設けられた複数のシャッタと、前記第2基板に設けられ、それぞれの前記シャッタを第1位置と第2位置の間で移動させる駆動部と、を有し、前記第1基板と前記第2基板とが重畳する領域は、表示領域と、前記表示領域の外側の周辺領域と、を含み、前記複数のシャッタは、前記表示領域及び前記周辺領域に配置され、それぞれの前記シャッタは、前記シャッタの移動と共に移動する、少なくとも1つの駆動開口を有し、前記複数のシャッタ全体で複数の前記駆動開口を有し、前記遮光膜は、前記表示領域及び前記周辺領域に形成され、前記遮光膜は、前記表示領域の前記駆動開口に対応するように、前記表示領域に複数の固定開口を有し、前記表示領域の前記シャッタは、前記第1位置で前記駆動開口と前記固定開口が連通して光を通過させ、前記第2位置で前記駆動開口と前記前記固定開口がずれるように配置されて前記光を遮断し、前記遮光膜は、前記周辺領域では、前記周辺領域の少なくとも1つの前記シャッタの一部を露出するダミー開口を有することを特徴とする。本発明によれば、シャッタが第2位置にあると光が遮断されるので、表示領域の駆動開口と固定開口のずれ量を測定することができない。しかし、周辺領域で、ダミー開口のエッジと駆動開口の距離を測定することができれば、その距離に対応して、駆動開口と固定開口のずれ量を検出することができる。
【0008】
(2)(1)に記載された表示装置において、前記複数の駆動開口は、前記表示領域及び前記周辺領域の全体で規則性を以て配置され、前記複数の固定開口は、前記複数の駆動開口の前記規則性に対応した規則性を以て配置され、前記複数のシャッタが前記第2位置にあるとき、前記周辺領域の前記駆動開口と前記エッジとの距離と、前記表示領域の前記駆動開口と前記固定開口の前記縁の前記一部との距離とが相間関係を有することを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(2)に記載された表示装置において、前記ダミー開口の縁は、前記複数の固定開口の前記規則性を以て前記周辺領域に配置すると仮想した前記固定開口の縁の一部からなるエッジを含むことを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記複数のシャッタが前記第2位置にあるとき、前記周辺領域の前記駆動開口と前記エッジとの前記距離と、前記表示領域の前記駆動開口と前記固定開口の前記縁の前記一部との前記距離とが等しいことを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記ダミー開口の前記エッジは、前記固定開口の一部であることを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記複数の駆動開口は、それぞれ、前記第1位置と前記第2位置との間の方向に交差して延びるように形成され、前記表示領域の前記固定開口は、前記表示領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口から、前記第1位置と前記第2位置との間の方向にずれて位置することを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(6)に記載された表示装置において、前記ダミー開口の前記エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記第1位置と前記第2位置との間の方向にずれて位置することを特徴としてもよい。
【0014】
(8)(6)に記載された表示装置において、前記ダミー開口の前記エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記駆動開口が延びる方向にずれて位置することを特徴としてもよい。
【0015】
(9)(6)に記載された表示装置において、前記ダミー開口の前記エッジは、第1エッジ及び第2エッジを含み、前記第1エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記第1位置と前記第2位置との間の方向にずれて位置し、前記第2エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記駆動開口が延びる方向にずれて位置することを特徴としてもよい。
【0016】
(10)(1)から(6)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記周辺領域の前記シャッタは、第1シャッタと第2シャッタを含み、前記遮光膜は、前記第1シャッタの前記駆動開口の全体を前記第1シャッタの位置にかかわらず常に覆い、前記第2シャッタが前記第2位置にあるときに前記第2シャッタの前記駆動開口の縁の一部を前記ダミー開口から露出するように形成されていることを特徴としてもよい。
【0017】
(11)(10)に記載された表示装置において、前記周辺領域で、前記第2シャッタが前記第2位置にあるとき、前記遮光膜の前記エッジは、前記第2シャッタの基材に重なることを特徴としてもよい。
【0018】
(12)(10)に記載された表示装置において、前記周辺領域で、前記第2シャッタが前記第2位置にあるとき、前記遮光膜の前記エッジは、前記第2シャッタの前記駆動開口に重なることを特徴としてもよい。
【0019】
(13)(10)に記載された表示装置において、前記周辺領域で、前記第2シャッタが前記第2位置にあるとき、前記遮光膜の前記エッジは、前記第2シャッタの基材に重なる第1エッジと、前記第2シャッタの前記駆動開口に重なる第2エッジと、を含むことを特徴としてもよい。
【0020】
(14)(1)から(3)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記表示領域と前記周辺領域とは、矩形状に形成され、前記ダミー開口は、前記周辺領域の四隅に形成されていることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図2】第1基板の平面図である。
【図3】第2基板の平面図である。
【図4】シャッタ及びその駆動部の斜視図である。
【図5】表示領域における固定開口と駆動開口の位置を示す図である。
【図6】周辺領域におけるダミー開口と駆動開口の位置を示す図である。
【図7】ダミー開口と駆動開口の位置を示す拡大図である。
【図8】本実施形態に係る表示装置が組み込まれた電子機器を説明する図である。
【図9】電子機器の変形例を説明する図である。
【図10】変形例に係るダミー開口を示す図である。
【図11】変形例に係るダミー開口と駆動開口の位置を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置の断面図である。表示装置は、光透過性の第1基板10(例えばガラス基板)を有する。第1基板10には、遮光膜12が形成されている。遮光膜12は、少なくとも1層の金属膜(例えばAl系金属膜14及びMo系金属膜16)からなり、光の透過を遮断するために必要な厚みを有する。
【0024】
図2は、第1基板10の平面図である。第1基板10は、画像を表示するための表示領域18と、表示領域18の外側の周辺領域20と、を有する。周辺領域20は表示領域18を囲む領域である。矩形の表示領域18を囲む周辺領域20は、矩形の外形を有する。遮光膜12は、表示領域18及び周辺領域20に形成されている。詳しくは、遮光膜12は、表示領域18の全体にわたって形成されているが、周辺領域20では、第1基板10の周縁部を避けて形成されている。図2の例では、遮光膜12は、第1基板10の四隅に対応する位置に切り欠きが形成されている。
【0025】
遮光膜12は、表示領域18に複数の固定開口22を有する。固定開口22は、一方向に長いスリットである。複数の固定開口22は、平行に延びるようになっている。複数の固定開口22は、規則性を以て配置されている。例えば、所定の本数(図2では3本)の固定開口22が1グループになり、複数のグループの固定開口22が、複数行複数列でマトリクス状に配列されている。横方向(行方向)に隣同士のグループの間隔は等しく、縦方向)(列方向)に隣同士のグループの間隔は等しい。
【0026】
遮光膜12は、周辺領域20ではダミー開口24を有する。図2に示すダミー開口24は、切り欠きであるが、穴(開口)であってもよい。ダミー開口24のエッジ26(図7参照)は、固定開口22の一部である。つまり、ダミー開口24は、固定開口22を切断した形状になっている。複数のダミー開口24のそれぞれは、スリットを切断した形状の細長い切れ込みであり、複数の切れ込みが平行に延びるようになっている。所定の本数(図2では3本)のダミー開口24が1グループになって形成されている。矩形の第1基板10の四隅のそれぞれに1グループのダミー開口24が形成されている。
【0027】
ダミー開口24の配置は、固定開口22の配列の規則性に従っている。つまり、複数の固定開口22の規則性を以て周辺領域20にも固定開口22を配置したと仮想したときに、その固定開口22と一致する位置にダミー開口24が形成されている。ダミー開口24の縁は、その仮想の固定開口22の縁の一部からなるエッジ26(図7参照)を含む。
【0028】
図1に示すように、表示装置は、光透過性の第2基板28(例えばガラス基板)を有する。第2基板28は、第1基板10から間隔をあけて対向するように配置されている。第2基板28は、図示しない薄膜トランジスタや配線などが形成された回路基板又はTFT(Thin Film Transistor)基板である。第2基板28には、それぞれ光透過性の下地SiN膜30、下地SiO膜31、ゲート絶縁膜32及び第1層間絶縁膜33が積層され、その上に光を遮断する内蔵遮光板34が形成され、その上に光透過性の第2層間絶縁膜35が積層され、その上に光透過性のパッシベーション膜37が積層されている。内蔵遮光板34には、光を透過させる開口36が形成されている。
【0029】
第1基板10及び第2基板28は、図示しないシール材によって間隔をあけて固定されている。第1基板10及び第2基板28の間(図示しないシール材によって封止された空間)にはオイル38(例えばシリコーンオイル)が満たされている。
【0030】
図3は、第2基板28の平面図である。第2基板28には、複数のシャッタ40が設けられている。第2基板28も、第1基板10との重複領域において、画像を表示するための表示領域18と、表示領域18の外側の周辺領域20と、を含む。複数のシャッタ40は、表示領域18及び周辺領域20に配置されている。
【0031】
図4は、シャッタ40及びその駆動部の斜視図である。シャッタ40は、無機材料からなる。シャッタ40は、駆動開口42を有するプレートである。また、シャッタ40には、強度を高めるために凹部44が形成されているが、この凹部44は貫通していない。駆動開口42を光が通過し、駆動開口42以外の部分で光を遮断する。
【0032】
シャッタ40は、第1バネ46に支持されて、図1に示すように第2基板28から浮くようになっている。複数(図4では4つ)の第1バネ46によってシャッタ40が支持されている。第1バネ46は、第1アンカー部48で第2基板28に固定されている。
【0033】
第1バネ46は、弾性変形可能な材料からなる。第1バネ46は、厚みの薄い板状をなしており、厚み方向を横方向(第2基板28の板面に平行な方向)に向けて、幅方向を上下方向(第2基板28の板面に垂直な方向)に向けて配置されている。これにより、第1バネ46は、その厚み方向である横方向に変形できるようになっている。
【0034】
第1バネ46は、シャッタ40から離れる方向(駆動開口42の長さ方向に交差(例えば直交)する方向)に延びる第1部50と、駆動開口42の長さ方向に沿った方向であって駆動開口42の長さ方向の中央から外方向に向かって延びる第2部52と、さらにシャッタ40から離れる方向(駆動開口42の長さ方向に交差(例えば直交)する方向)に延びる第3部54と、を有する。そして、シャッタ40は、図4に矢印で示すように、駆動開口42の長さ方向に交差(例えば直交)する方向に移動できるように第1バネ46に支持されている。
【0035】
第2基板28には、第2アンカー部56に支持された第2バネ58が設けられている。第2バネ58も、弾性変形可能な材料からなる。第2バネ58は、厚みの薄い板状をなしており、厚み方向を横方向(第2基板28の板面に平行な方向)に向けて、幅方向を上下方向(第2基板28の板面に垂直な方向)に向けて配置されている。これにより、第2バネ58は、その厚み方向である横方向に変形できるようになっている。また、第2バネ58は、ループ状になっており、第2アンカー部56から延びた帯状部が、屈曲して折り返されて、同じ第2アンカー部56に戻るようになっている。
【0036】
第2バネ58は、第1バネ46の第2部52よりもシャッタ40から離れた側で、この第2部52に対向するようになっている。第2アンカー部56に電圧を印加し、第1バネ46の第2部52との電位差によって生じる静電引力によって、第2部52が第2バネ58に引き寄せられるようになっている。第2部52が引き寄せられると、第2部52と一体的な第1部50を介して、シャッタ40も引き寄せられる。つまり、第1バネ46及び第2バネ58は、シャッタ40を機械的に駆動するための駆動部60を構成するためのものである。駆動部60は、シャッタ40の少なくとも一部と同じ材料から形成されている。
【0037】
なお、図1に示すように、シャッタ40及び駆動部60は、オイル38内に配置されている。オイル38によってシャッタ40及び駆動部60の動きによる振動を抑えることができ、第1バネ46と第2バネ58の固着も防止することができる。
【0038】
シャッタ40は、少なくとも1つの駆動開口42を有する。駆動開口42は、一方向に長い形状になっているが、シャッタや開口形状の変形を防止するためのブリッジ62や凹部44が形成されているため、複数に分離されている。この場合、1つのシャッタ40には、2つ以上の駆動開口42が長さ方向に直交して配列されている。隣同士の駆動開口42は平行になるように配列されている。
【0039】
図3に示すように、複数のシャッタ40が、全体で、複数の駆動開口42を有する。複数の駆動開口42は、表示領域18及び周辺領域20の全体で規則性を以て配置されている。例えば、複数のシャッタ40が、複数行複数列でマトリクス状に配列されている。表示領域18に配置されたシャッタ40と、周辺領域20に配置されたシャッタ40の配列規則は同じである。また、それぞれのシャッタ40に形成された2つ以上の駆動開口42の形状及び配列も同じになるように設計されている。
【0040】
図5は、表示領域18における固定開口22と駆動開口42の位置を示す図である。複数の固定開口22の配列の規則性は、複数の駆動開口42の配列の規則性に対応している。つまり、表示領域18では、駆動開口42と固定開口22とが対応するようになっている。
【0041】
シャッタ40は、駆動部60によって、第1位置P1と第2位置P2の間を移動する。複数の駆動開口42は、それぞれ、第1位置P1と第2位置P2との間の方向に交差して延びるように形成されている。
【0042】
シャッタ40の駆動開口42と遮光膜12の固定開口22は、両者が連通すれば光が通過する。表示領域18のシャッタ40は、第1位置P1で駆動開口42と固定開口22が連通して光を通過させる。シャッタ40の移動によって遮光膜12の固定開口22が遮蔽されると光が遮断される。表示領域18のシャッタ40は、第2位置P2で駆動開口42と固定開口22がずれるように配置されて光を遮断する。このとき、固定開口22は、駆動開口42から、第1位置P1と第2位置P2との間の方向(シャッタ40の移動方向)にずれて位置する。このずれ量は、光の遮蔽のために重要である。
【0043】
遮光膜12の固定開口22への光の通過及び遮断を制御するように、シャッタ40は機械的に駆動される。1つのシャッタ40に対応する駆動開口42及び固定開口22によって1画素が構成され、多数の画素によって画像が表示されるようになっている。そのため、複数(多数)のシャッタ40が設けられている。シャッタ40及び駆動部60は、駆動開口42及び固定開口22を通過する光の有無及び強弱によって画像を表示する表示領域18に配置されている。
【0044】
図6は、周辺領域20におけるダミー開口24と駆動開口42の位置を示す図である。図3に示すように、周辺領域20のシャッタ40は、第1シャッタ66を含む。図6に示すように、遮光膜12は、第1シャッタ66の駆動開口42の全体を第1シャッタ66の位置にかかわらず常に覆う。言い換えると、周辺領域20で遮光膜12に常時覆われるシャッタ40が第1シャッタ66である。
【0045】
図3及び図6に示すように、周辺領域20のシャッタ40は、第2シャッタ68を含む。図6に示すように、遮光膜12は、周辺領域20において、第2シャッタ68の一部との重複を避けるように形成されている。つまり、周辺領域20で、遮光膜12から第2シャッタ68の一部が露出している。
【0046】
図7は、ダミー開口24と駆動開口42の位置を示す拡大図である。第2シャッタ68が第2位置P2にあるとき、ダミー開口24のエッジ26は第2シャッタ68の基材に重なる。なお、表示領域18では、図5に示すように、シャッタ40が第2位置P2にあるとき、駆動開口42がシャッタ40の基材に重なる。
【0047】
ダミー開口24のエッジ26は、遮光膜12と第2シャッタ68との反射率の違い又は色の違いによって、第2シャッタ68の基材上で視覚的に認識することができる。また、このとき、第2シャッタ68の駆動開口42の縁の一部は遮光膜12から露出する。
【0048】
ダミー開口24のエッジ26は、第2シャッタ68が第2位置P2にあるとき、駆動開口42の縁から、第1位置P1と第2位置P2との間の方向(シャッタ40の駆動方向)にずれて位置する。そのずれ量は、ダミー開口24と一致するように仮想の固定開口22を配置したときの、その固定開口22と駆動開口42のずれ量に相当する。なお、ダミー開口24のエッジ26は、シャッタ40の移動する方向に直交して延びている。
【0049】
図5及び図7から分かるように、複数のシャッタ40が第2位置P2にあるとき、周辺領域20の駆動開口42とエッジ26との距離d(図7)と、表示領域18の駆動開口42と固定開口22の縁の一部との距離D(図5)とが相間関係を有する。例えば両者の距離が等しい。したがって、周辺領域20の駆動開口42とエッジ26との距離dを測定すれば、表示領域18の駆動開口42と固定開口22の縁の一部との距離Dを知ることができる。すなわち、固定開口22と駆動開口42のずれ量を知ることができる。
【0050】
本実施形態によれば、シャッタ40が第2位置P2にあると光が遮断されるので、表示領域18の駆動開口42と固定開口22のずれ量を測定することができない。しかし、周辺領域20で、ダミー開口24のエッジ26と駆動開口42の距離dを測定すれば、表示領域18での駆動開口42と固定開口22のずれ量を検出することができる。
【0051】
図8は、本実施形態に係る表示装置が組み込まれた電子機器を説明する図である。電子機器は、例えばスマートフォンが想定されている。電子機器において画像の表示に使用される光は、図8に示すように、バックライト70から供給される。バックライト70は、図8に示すように第1基板10の外側に配置してもよいし、変形例として第2基板28の外側に配置してもよい。
【0052】
また、本実施形態に係る表示装置は、上述したように周辺領域20を光が透過する。したがって、図8に示すように、表示装置の表示領域18及び周辺領域20を覆うカバー基板72に、周辺領域20を覆うように遮光層64(印刷部)を形成することが好ましい。
【0053】
あるいは、変形例として、図9に示すように、カバー基板72には印刷部を形成せずに、第2基板28に形成される内蔵遮光板74を、周辺領域20においては開口を有しないように形成してもよい。この場合、周辺領域20では、バックライト70の光が透過しないので、第1基板10を透過してシャッタ40で反射して戻る光を使用して、周辺領域20で、ダミー開口24のエッジ26と駆動開口42の距離を測定する。
【0054】
図10は、変形例に係るダミー開口を示す図である。図11は、変形例に係るダミー開口と駆動開口の位置を示す拡大図である。
【0055】
図11において、周辺領域で、第2シャッタ168が第2位置P2(表示領域での遮光位置)にある。このとき、遮光膜112のエッジは、第2シャッタ168の基材に重なる第1エッジ174と、第2シャッタ168の駆動開口142に重なる第2エッジ176と、を含む。
【0056】
ダミー開口124のエッジは、第1エッジ174を含む。第1エッジ174は、周辺領域のシャッタ140が第2位置P2にあるとき、駆動開口142の縁から、第1位置P1と第2位置P2との間の方向(シャッタ140の駆動方向)にずれて位置する。これに対して、第1エッジ174の延びる方向は、シャッタ140の駆動方向に直交する。したがって、ダミー開口124の第1エッジ174と駆動開口142(詳しくは第1エッジ174に最も近い縁)の距離d(シャッタ140の駆動方向の距離)を測定すれば、相間関係を有する表示領域で、駆動開口142と固定開口のずれ量を検出することができる。ずれ量が少なければ、十分な遮光が確保できていないことが分かる。
【0057】
ダミー開口124のエッジは、第2エッジ176を含む。第2エッジ176は、周辺領域のシャッタ140が第2位置P2にあるとき、駆動開口142の縁から、駆動開口142が延びる方向にずれて位置する。つまり、第2エッジ176は、シャッタ140の駆動方向に延びる。したがって、ダミー開口124の第2エッジ176と駆動開口142(詳しくは第2エッジ176に最も近い縁)の距離d(駆動開口142の長さ方向の距離)を測定すれば、この方向でのシャッタ140の位置ずれを検出することができる。
【0058】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 第1基板、12 遮光膜、14 Al系金属膜、16 Mo系金属膜、18 表示領域、20 周辺領域、22 固定開口、24 ダミー開口、26 エッジ、28 第2基板、30 下地SiN膜、31 下地SiO膜、32 ゲート絶縁膜、33 第1層間絶縁膜、34 内蔵遮光板、35 第2層間絶縁膜、36 開口、37 パッシベーション膜、38 オイル、40 シャッタ、42 駆動開口、44 凹部、46 第1バネ、48 第1アンカー部、50 第1部、52 第2部、54 第3部、56 第2アンカー部、58 第2バネ、60 駆動部、62 ブリッジ、64 遮光層、66 第1シャッタ、68 第2シャッタ、70 バックライト、72 カバー基板、74 内蔵遮光板、112 遮光膜、124 ダミー開口、140 シャッタ、142 駆動開口、168 第2シャッタ、174 第1エッジ、176 第2エッジ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の第1基板と、
前記第1基板に形成された遮光膜と、
前記第1基板に間隔をあけて対向するように配置された光透過性の第2基板と、
前記第2基板に設けられた複数のシャッタと、
前記第2基板に設けられ、それぞれの前記シャッタを第1位置と第2位置の間で移動させる駆動部と、
を有し、
前記第1基板と前記第2基板とが重畳する領域は、表示領域と、前記表示領域の外側の周辺領域と、を含み、
前記複数のシャッタは、前記表示領域及び前記周辺領域に配置され、
それぞれの前記シャッタは、前記シャッタの移動と共に移動する、少なくとも1つの駆動開口を有し、
前記複数のシャッタ全体で複数の前記駆動開口を有し、
前記遮光膜は、前記表示領域及び前記周辺領域に形成され、
前記遮光膜は、前記表示領域の前記駆動開口に対応するように、前記表示領域に複数の固定開口を有し、
前記表示領域の前記シャッタは、前記第1位置で前記駆動開口と前記固定開口が連通して光を通過させ、前記第2位置で前記駆動開口と前記前記固定開口がずれるように配置されて前記光を遮断し、
前記遮光膜は、前記周辺領域では、前記周辺領域の少なくとも1つの前記シャッタの一部を露出するダミー開口を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
前記複数の駆動開口は、前記表示領域及び前記周辺領域の全体で規則性を以て配置され、
前記複数の固定開口は、前記複数の駆動開口の前記規則性に対応した規則性を以て配置され、
前記複数のシャッタが前記第2位置にあるとき、前記周辺領域の前記駆動開口と前記エッジとの距離と、前記表示領域の前記駆動開口と前記固定開口の前記縁の前記一部との距離とが相間関係を有することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載された表示装置において、
前記ダミー開口の縁は、前記複数の固定開口の前記規則性を以て前記周辺領域に配置すると仮想した前記固定開口の縁の一部からなるエッジを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記複数のシャッタが前記第2位置にあるとき、前記周辺領域の前記駆動開口と前記エッジとの前記距離と、前記表示領域の前記駆動開口と前記固定開口の前記縁の前記一部との前記距離とが等しいことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記ダミー開口の前記エッジは、前記固定開口の一部であることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記複数の駆動開口は、それぞれ、前記第1位置と前記第2位置との間の方向に交差して延びるように形成され、
前記表示領域の前記固定開口は、前記表示領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口から、前記第1位置と前記第2位置との間の方向にずれて位置することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載された表示装置において、
前記ダミー開口の前記エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記第1位置と前記第2位置との間の方向にずれて位置することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載された表示装置において、
前記ダミー開口の前記エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記駆動開口が延びる方向にずれて位置することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項6に記載された表示装置において、
前記ダミー開口の前記エッジは、第1エッジ及び第2エッジを含み、
前記第1エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記第1位置と前記第2位置との間の方向にずれて位置し、
前記第2エッジは、前記周辺領域の前記シャッタが前記第2位置にあるとき、前記駆動開口の縁から、前記駆動開口が延びる方向にずれて位置することを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記周辺領域の前記シャッタは、第1シャッタと第2シャッタを含み、
前記遮光膜は、前記第1シャッタの前記駆動開口の全体を前記第1シャッタの位置にかかわらず常に覆い、前記第2シャッタが前記第2位置にあるときに前記第2シャッタの前記駆動開口の縁の一部を前記ダミー開口から露出するように形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載された表示装置において、
前記周辺領域で、前記第2シャッタが前記第2位置にあるとき、前記遮光膜の前記エッジは、前記第2シャッタの基材に重なることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項10に記載された表示装置において、
前記周辺領域で、前記第2シャッタが前記第2位置にあるとき、前記遮光膜の前記エッジは、前記第2シャッタの前記駆動開口に重なることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項10に記載された表示装置において、
前記周辺領域で、前記第2シャッタが前記第2位置にあるとき、前記遮光膜の前記エッジは、前記第2シャッタの基材に重なる第1エッジと、前記第2シャッタの前記駆動開口に重なる第2エッジと、を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記表示領域と前記周辺領域とは、矩形状に形成され、
前記ダミー開口は、前記周辺領域の四隅に形成されていることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−88648(P2013−88648A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229641(P2011−229641)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】