説明

表示装置

【課題】 少ない数の光源にてカラーチェンジ照明ができる表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、照明光L1,L2,L3,L4を発する光源50と、照明光L1,L2,L3,L4にて光輝する導光部材60と、を備える。第一の発光素子51は、第一の色を有する第一の照明光L1を発する。第二の発光素子52は、第二の色を有する第二の照明光L2を発する。第三の発光素子53は、第一の色を有する第三の照明光L3を発する。第四の発光素子54は、第二の色を有する第四の照明光L4を発する。導光部材60は、第一の照明光L1及び第二の照明光L2を受光する第一の受光部61と、第三の照明光L3及び第四の照明光L4を受光する第二の受光部62とを有する。第一の発光素子51と第三の発光素子53とを結ぶ第一の仮想線Q1が、第二の発光素子52と第四の発光素子54とを結ぶ第二の仮想線Q2に交差するように、第一の発光素子51及び第二の発光素子52と、第三の発光素子53及び第四の発光素子54と、を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光色が異なる複数の光源を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、装飾用のリング部材を備えた表示装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる表示装置は、表示板上にリング部材を配設して、デザイン性を向上させたものである。一方、リング部材を表示板の背後に配置した光源によって透過照明する照明構造が提案されており、例えば特許文献2に開示されている。この照明構造にあっては、表示板の背後に配置された回路基板上に実装された光源が発した照明光を、リング部材の受光部によって受光し、その光によってリング部材を発光表示させるものである。また、近年は、光源として発光ダイオードが用いられ、消費電力が少なく、様々な色を発することができるため、リング部材の色変え照明(カラーチェンジ)の要求も高くなりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264087号公報
【特許文献2】特開平10−332439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リング部材を均一な輝度で発光させるため、リング部材の背後に、等間隔に複数の光源を配置させるものであるが、光源の個数が多く必要となり、コストがかかってしまうという問題を有していた。また、リング部材のカラーチェンジがある場合は、各色の発光ダイオードを等間隔に配置させるため、さらに多くの光源の個数が必要となり、コストの更なる上昇を招き、また、回路基板の実装レイアウトも広く確保しなければならない。また、光源の個数が多くなることから、消費電力も大きくなるという問題を有していた。
本発明は、これらの問題に鑑みなされたものであり、少ない数の光源にてカラーチェンジ照明ができる表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載のように、照明光L1,L2,L3,L4を発する光源50と、前記照明光L1,L2,L3,L4にて光輝する導光部材60と、を備えた表示装置であって、前記光源50は、第一の色を有する第一の照明光L1を発する第一の発光素子51と、第二の色を有する第二の照明光L2を発する第二の発光素子52と、前記第一の色を有する第三の照明光L3を発する第三の発光素子53と、前記第二の色を有する第四の照明光L4を発する第四の発光素子54と、を有し、前記導光部材60は、前記第一の照明光L1及び前記第二の照明光L2を受光する第一の受光部61と、前記第三の照明光L3及び前記第四の照明光L4を受光する第二の受光部62と、を有し、前記第一の発光素子51と前記第三の発光素子53とを結ぶ第一の仮想線Q1が、前記第二の発光素子52と前記第四の発光素子54とを結ぶ第二の仮想線Q2に交差するように、前記第一の発光素子51及び前記第二の発光素子52と、前記第三の発光素子53及び前記第四の発光素子54と、を配置したものである。
【0006】
また、本発明は、請求項2に記載のように、環状透過部13を有する表示板10と、前記環状透過部13を照明する照明光L1,L2,L3,L4を発する光源50と、前記環状透過部13に前記照明光L1,L2,L3,L4を導く導光部材60と、を備えた表示装置であって、前記光源50は、第一の色を有する第一の照明光L1を発する第一の発光素子51と、第二の色を有する第二の照明光L2を発する第二の発光素子52と、前記第一の色を有する第三の照明光L3を発する第三の発光素子53と、前記第二の色を有する第四の照明光L4を発する第四の発光素子54と、を有し、前記導光部材60は、前記第一の照明光L1及び前記第二の照明光L2を受光する第一の受光部61と、前記第三の照明光L3及び前記第四の照明光L4を受光する第二の受光部62と、を有し、前記第一の発光素子51と前記第三の発光素子53とを結ぶ第一の仮想線Q1が、前記第二の発光素子52と前記第四の発光素子54とを結ぶ第二の仮想線Q2に交差するように、前記第一の発光素子51及び前記第二の発光素子52と、前記第三の発光素子53及び前記第四の発光素子54と、を配置したものである。
【0007】
また、本発明は、請求項3に記載のように、前記導光部材60は、前記第一の発光素子51と前記第二の発光素子52の間に向けて伸長する第一の切込み部63aと、前記第三の発光素子53と前記第四の発光素子54の間に向けて伸長する第二の切込み部63bと、を有するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項4に記載のように、前記第一の発光素子51及び前記第三の発光素子53と、前記第二の発光素子52及び前記第四の発光素子54と、を別々にオン/オフさせる制御手段90を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
第一の発光素子及び第三の発光素子と、第二の発光素子及び第四の発光素子と、をクロス配置したことにより、少ない数の光源にてカラーチェンジ照明ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を示す正面図。
【図2】同上実施形態を示す断面図。
【図3】同上実施形態を示す導光部材の正面図。
【図4】同上実施形態を示す光源の配置図。
【図5】同上実施形態を示すブロック図。
【図6】同上実施形態を示す光路説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。車両用表示装置は、表示板10,指針20,ステッピングモータ30,回路基板40,光源50,導光部材60,ケース体70,カバー80を備えている。
【0012】
表示板10は、透光性樹脂からなる基板に、目盛部11,数字部12,環状透過部13を印刷形成したものである。表示板10の目盛部11,数字部12,環状透過部13は、光源50によって透過照明される。環状透過部13は、指針20の回動中心軸Pを中心とするリング状になっている。
【0013】
指針20は、ステッピングモータ30によって回動され、表示板10を指示することにより、車両速度が表示される。ステッピングモータ30は、回路基板40に搭載されており、回動軸31の端部に取付けられた指針20を回動させる。回路基板40は、ガラスエポキシ樹脂からなる硬質基板に配線パターンを形成したものであり、ステッピングモータ30,光源50を搭載している。
【0014】
光源50は、赤色光を発する発光素子(第一の発光素子)51と、白色光を発する発光素子(第二の発光素子)52と、赤色光を発する発光素子(第三の発光素子)53と、白色光を発する発光素子(第四の発光素子)54と、白色光を発する発光素子55とを有している。発光素子51,52,53,54,55は、トップビュー型の発光ダイオードからなるものである。発光素子51,52,53,54は、表示板10の環状透過部13を透過照明するものであり、発光素子55は、表示板10の目盛部11,数字部12を透過照明するものである。
【0015】
導光部材60は、アクリル,ポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、表示板10の後面に配設されている。導光部材60は、発光素子51,52が発した照明光L1,L2を受光する受光部61と、発光素子53,54が発した照明光L3,L4を受光する受光部62と、を有しており、照明光L1,L2,L3,L4にて光輝する。導光部材60は、発光素子51,52,53,54が発した照明光L1,L2,L3,L4を表示板10の環状透過部13に導いて、環状透過部13を透過照明する。
【0016】
導光部材60にはステッピングモータ30の回動軸31が貫通する穴部63が形成されており、導光部材60は正面視で略環状になっている。導光部材60の穴部63には、発光素子51と発光素子52の間に向けて伸長する切込み部63aと、発光素子53と発光素子54の間に向けて伸長する切込み部63bと、を有している。穴部63の切込み部63a,63bは、連続する曲面形状(接線連続)になっている。
【0017】
ケース体70は、不透明な樹脂からなるものであり、表示板10,回路基板40はケース体70に固定されている。カバー80は、不透明な樹脂からなるものであり、ステッピングモータ30及び回路基板40の背面を保護している。
【0018】
次に、図4に基づいて、発光素子51,52,53,54の配置について詳述する。発光素子51,52,53,54は、発光素子51と発光素子53とを結ぶ仮想線Q1が、発光素子52と発光素子54とを結ぶ仮想線Q2に交差するように、配置されている。発光素子51,52と、発光素子53,54とは、仮想線Q3を対象軸とする線対称に配置されている。また、発光素子51,52,53,54は全て、指針20の回動中心軸Pを中心とする仮想円Q4上に位置している。
【0019】
図5は、車両用表示装置の電気的構成を示すブロック図である。91は車速センサであり、この車速センサ91は、車両速度を検出し、マイコン(制御手段)90に車速データを出力する。マイコン90は、入力した各種データに基づいて演算処理するCPUと、このCPUにおける演算処理結果等を一時的に格納する読出し及び書換え可能なRAMと、制御プログラムや制御データを格納したROMと、を有しており、車速センサ91から入力した車速データに応じて、ステッピングモータ30を駆動する。
【0020】
マイコン90は、照明色データ92を入力し、この照明色データ92に応じて、発光素子51,53をオンして、発光素子52,54をオフさせる第一の照明モードと、発光素子52,54をオンして、発光素子51,53をオフさせる第二の照明モードとを切換える。第一の照明モードでは、表示板10の環状透過部13は、赤色に透過照明される。第二の照明モードでは、表示板10の環状透過部13は、白色に透過照明される。
【0021】
次に、図6に基づいて、導光部材60の切込み部63a,63bの作用について説明する。第一の照明モードでは、発光素子51が発した照明光L1は切込み部63aで反射され、発光素子53が発した照明光L3は切込み部63bで反射されるため、正面視で右周りの光路が形成される(図6(a)参照)。一方、第二の照明モードでは、発光素子52が発した照明光L2は切込み部63aで反射され、発光素子54が発した照明光L4は切込み部63bで反射されるため、正面視で左周りの光路が形成される(図6(b)参照)。
【0022】
本実施形態によれば、発光素子51,53と、発光素子52,54と、をクロス配置したことにより、輝度ムラが少ないように、第一照明モードと、第二照明モードとを切換えることができる。また、導光部材60に切込み部63a,63bを設けたことにより、更に輝度ムラが少なくなる。
【符号の説明】
【0023】
50 光源
51 発光素子(第一の発光素子)
52 発光素子(第二の発光素子)
53 発光素子(第三の発光素子)
54 発光素子(第四の発光素子)
60 導光部材
61 受光部(第一の受光部)
62 受光部(第二の受光部)
63a 切込み部(第一の切込み部)
63b 切込み部(第二の切込み部)
90 マイコン(制御手段)
L1 照明光(第一の照明光)
L2 照明光(第二の照明光)
L3 照明光(第三の照明光)
L4 照明光(第四の照明光)
Q1 仮想線(第一の仮想線)
Q2 仮想線(第二の仮想線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を発する光源と、前記照明光にて光輝する導光部材と、を備えた表示装置であって、
前記光源は、第一の色を有する第一の照明光を発する第一の発光素子と、第二の色を有する第二の照明光を発する第二の発光素子と、前記第一の色を有する第三の照明光を発する第三の発光素子と、前記第二の色を有する第四の照明光を発する第四の発光素子と、を有し、
前記導光部材は、前記第一の照明光及び前記第二の照明光を受光する第一の受光部と、前記第三の照明光及び前記第四の照明光を受光する第二の受光部と、を有し、
前記第一の発光素子と前記第三の発光素子とを結ぶ第一の仮想線が、前記第二の発光素子と前記第四の発光素子とを結ぶ第二の仮想線に交差するように、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子と、前記第三の発光素子及び前記第四の発光素子と、を配置したことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
環状透過部を有する表示板と、前記環状透過部を照明する照明光を発する光源と、前記環状透過部に前記照明光を導く導光部材と、を備えた表示装置であって、
前記光源は、第一の色を有する第一の照明光を発する第一の発光素子と、第二の色を有する第二の照明光を発する第二の発光素子と、前記第一の色を有する第三の照明光を発する第三の発光素子と、前記第二の色を有する第四の照明光を発する第四の発光素子と、を有し、
前記導光部材は、前記第一の照明光及び前記第二の照明光を受光する第一の受光部と、前記第三の照明光及び前記第四の照明光を受光する第二の受光部と、を有し、
前記第一の発光素子と前記第三の発光素子とを結ぶ第一の仮想線が、前記第二の発光素子と前記第四の発光素子とを結ぶ第二の仮想線に交差するように、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子と、前記第三の発光素子及び前記第四の発光素子と、を配置したことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記導光部材は、前記第一の発光素子と前記第二の発光素子の間に向けて伸長する第一の切込み部と、前記第三の発光素子と前記第四の発光素子の間に向けて伸長する第二の切込み部と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第一の発光素子及び前記第三の発光素子と、前記第二の発光素子及び前記第四の発光素子と、を別々にオン/オフさせる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−96767(P2013−96767A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238102(P2011−238102)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】