説明

表示装置

【課題】ユーザの快適性を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、映像表示を行う表示部と、音声出力部と、視聴環境情報および視聴者情報をそれぞれ検知する情報検知部と、この情報検知部により検知された視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声出力部による音声出力を制御する音声制御との双方の制御を行う制御部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像表示および音声出力を行う表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー映像表示が可能な表示装置として、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)等の種々のタイプのものが開発されている。また、このような表示装置の制御方法(映像や音声の制御方法)としても、様々な手法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−323169号公報
【特許文献2】特開2008−244917号公報
【特許文献3】特開2011−82673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のような各種の表示装置では、ユーザ(視聴者)の快適性の更なる向上が求められているため、そのような快適性向上を実現可能な制御手法の提案が望まれる。
【0005】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザの快適性を向上させることが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、映像表示を行う表示部と、音声出力部と、視聴環境情報および視聴者情報をそれぞれ検知する情報検知部と、この情報検知部により検知された視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声出力部による音声出力を制御する音声制御との双方の制御を行う制御部とを備えたものである。
【0007】
本開示の表示装置では、視聴環境情報および視聴者情報がそれぞれ検知され、これらの視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声出力部による音声出力を制御する音声制御との双方の制御が行われる。すなわち、視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、ユーザ(視聴者)にとってより好ましい表示制御および音声制御がそれぞれ実現される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の表示装置によれば、検知された視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声出力部による音声出力を制御する音声制御との双方の制御を行うようにしたので、ユーザにとってより好ましい表示制御および音声制御をそれぞれ実現することができる。よって、ユーザの快適性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の一実施の形態に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示装置において検知される情報と検知する主体との対応関係の一例を表す図である。
【図3】図2に示した検知される情報とそれに基づく制御内容との対応関係の一例を表す図である。
【図4】環境照度、視聴位置および映像平均輝度と好ましい表示輝度との対応関係の一例を、若年者および高齢者の各々について表す特性図である。
【図5】肌色画像の場合における表示輝度および環境照度と好ましい明度および好ましい彩度との対応関係の一例を、若年者および高齢者の各々について表す特性図である。
【図6】草色画像の場合における表示輝度および環境照度と好ましい明度および好ましい彩度との対応関係の一例を、若年者および高齢者の各々について表す特性図である。
【図7】青空色画像の場合における表示輝度および環境照度と好ましい明度および好ましい彩度との対応関係の一例を、若年者および高齢者の各々について表す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(視聴環境情報,視聴者情報を検知して各種の制御を行う表示装置の例)
2.変形例
【0011】
<実施の形態>
[表示装置1の構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の概略構成をブロック図で表したものである。この表示装置1は、カラー映像の表示と音声(ここではステレオ音声)の出力とが可能な表示装置(例えばTV装置)であり、表示部11(映像表示部)、左右のスピーカー12L,12R(音声出力部)、センサ部13(情報検知部)および制御部14を備えている。
【0012】
表示部11は、後述する制御部14による映像制御に従って映像表示を行うものであり、例えばCRTやLCD、PDP、有機ELディスプレイなどの各種の方式によるディスプレイを用いて構成されている。
【0013】
スピーカー12L,12Rはそれぞれ、後述する制御部14による音声制御に従って音声出力を行うものである。具体的には、スピーカー12Rは右用の音声出力を行い、スピーカー12Lは左用の音声出力を行う。すなわち、ここでは一例として、左右のステレオ音声が出力されるようになっている。
【0014】
(センサ部13)
センサ部13は、表示装置1の視聴者(ユーザ)9の視聴環境を示す視聴環境情報I1と、この視聴者9自身の情報に対応する視聴者情報I2とをそれぞれ検知し、これらの視聴環境情報I1および視聴者情報I2を制御部14へと出力するものである。このセンサ部13は、ここでは一例として、画像センサ(カメラ)131、照度センサ132および音場センサ(マイク)133を有している。
【0015】
画像センサ131は、視聴者(ここではユーザ9)の位置や距離、顔等を検出するセンサであり、これにより例えば図2に示したような各種の情報を検知することが可能となっている。具体的には、視聴環境情報I1として、視聴者位置(距離や角度を含む)を示す情報を検知する。また、視聴者情報I2として、視聴者の人数や年齢、疲労度等を示す情報を検知する。この際、視聴者の疲労度は、例えばその視聴者の瞬きの頻度(回数や時間など)によって規定されるようになっている。
【0016】
照度センサ132は、視聴環境の明るさ(環境照度)を検出するセンサであり、これにより例えば図2に示したように、視聴環境情報I1として、環境照度を示す情報を検知することが可能となっている。
【0017】
音場センサ133は、視聴環境における音場の検出(測定)を行うセンサであり、これにより例えば図2に示したように、視聴環境情報I1として、音場(環境音場)を示す情報を検知することが可能となっている。なお、このような音場センサ133を構成するマイクは、表示装置1自身に内蔵させる代わりに、例えば視聴者の傍に置いておくことが想定されるリモコン(表示装置1のリモートコントロール装置)等に付属させておくようにしてもよい。
【0018】
(制御部14)
制御部14は、外部から供給される入力映像信号Vinおよび入力音声信号Sinに基づいて、表示部11における映像表示の制御(映像制御)と、スピーカー12L,12Rにおける音声出力の制御(音声制御)とをそれぞれ行うものである。制御部14は、詳細は後述するが、このような映像制御および音声制御の際に、センサ部13から供給される視聴環境情報I1および視聴者情報I2を用いて制御を行うようになっている。この制御部14は、ここでは図1に示したように、映像制御部141および音声制御部142を有している。
【0019】
映像制御部141は、入力された視聴環境情報I1および視聴者情報I2を用いて、入力映像信号Vinに対して所定の映像信号処理を行うことにより、上記した映像制御を行うものである。具体的には、例えば図3に示したように、映像表示の際の輝度制御や色度制御(彩度制御等)、色温度制御などの映像制御を行う。なお、このような映像制御の詳細については後述する。
【0020】
音声制御部142は、入力された視聴環境情報I1および視聴者情報I2を用いて、入力音声信号Sinに対して所定の音声信号処理を行うことにより、上記した音声制御を行うものである。具体的には、例えば図3に示したように、音声出力の際の音量制御や音質制御、音声バランス制御(例えば、スピーカー12L,12R間での左右の音声バランスの制御)などの音声制御を行う。なお、このような音声制御の詳細についても後述する。
【0021】
このような制御部14ではまた、例えば図2に示したように、入力映像信号Vinおよび入力音声信号Sinから所定の情報(映像の明るさ情報(映像平均輝度等)やコンテンツ情報など)を取得(検知)する機能も有している。そして、詳細は後述するが、制御部14はこのようにして取得した情報を用いて、例えば図3に示したように、上記した映像制御や音声制御、視聴環境の明るさの制御(照明制御)等を行うことが可能となっている。
【0022】
[表示装置1の作用・効果]
(基本動作)
この表示装置1では、図1に示したように、外部から供給される入力映像信号Vinおよび入力音声信号Sinに基づいて、制御部14内の映像制御部141および音声制御部142が、映像制御および音声制御を行う。具体的には、映像制御部141は、入力映像信号Vinに基づいて表示部11における映像表示の制御(映像制御)を行う。また、音声制御部142は、入力音声信号Sinに基づいて、スピーカー12L,12Rにおける音声出力の制御(音声制御)を行う。このようにして、表示装置1においてカラー映像の表示と音声(ステレオ音声)の出力とがなされる。
【0023】
(検知情報を用いた映像制御および音声制御等)
この際、センサ部13内の各センサ(画像センサ131,照度センサ132,音場センサ133)および制御部14では、例えば図2および図3で示したような各種の情報(視聴環境情報I1および視聴者情報I2等)が検知(取得)される。
【0024】
具体的には、画像センサ131では、例えば視聴環境情報I1として視聴者位置を示す情報を検知すると共に、視聴者情報I2として、視聴者の人数や年齢、疲労度等を示す情報を検知する。照度センサ132では、例えば視聴環境情報I1として、環境照度を示す情報を検知する。音場センサ133では、例えば視聴環境情報I1として、音場(環境音場)を示す情報を検知する。
【0025】
一方、制御部14では、入力映像信号Vinおよび入力音声信号Sinから、所定の情報(例えば、映像の明るさ情報(映像平均輝度等)やコンテンツ情報など)を取得する。なお、コンテンツ情報を取得する手法としては、例えば信号処理段階で取得する手法や、番組情報やメタデータから取得する手法などが挙げられる。
【0026】
そして、制御部14内の映像制御部141および音声制御部142はそれぞれ、センサ部13から供給される視聴環境情報I1および視聴者情報I2と、制御部14自身内で検知された上記の情報とを用いて、以下説明するようにして映像制御および音声制御等を行う。
【0027】
具体的には、本実施の形態では、制御部14は、これらの視聴環境情報I1および視聴者情報I2の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声制御との双方の制御を行う。すなわち、映像表示の際の輝度制御や色度制御(彩度制御等)、色温度制御などの映像制御と、音声出力の際の音量制御や音質制御、音声バランス制御(左右の音声バランスの制御等)などの音声制御とをそれぞれ行う。
【0028】
より具体的には、例えば図3に示したように、制御部14は、視聴位置の情報(視聴環境情報I1)や、視聴者の年齢,疲労度,人数などの情報(視聴者情報I2)に基づいて、映像制御や音声制御を行う。例えば、視聴者の瞬きの頻度(回数や時間など)が増えてきたことが検知された場合には、制御部14は、映像表示の際の輝度を低下させる(明るさを低くする)制御を行う。また、例えば検知された視聴位置が基準位置よりも前後にずれている場合は、上記した音声バランス制御を行う。
【0029】
また、制御部14は、環境照度の情報(視聴環境情報I1)に基づいて例えば映像制御を行い、音場の情報(視聴環境情報I1)に基づいて例えば音声制御を行う。
【0030】
更に、制御部14は、自身で取得した映像の明るさ情報(映像平均輝度等)やコンテンツ情報などに基づいて、映像制御や音声制御、視聴環境の明るさの制御(照明制御)等を行う。例えば、映像平均輝度に基づいて映像制御を行い、コンテンツ情報に基づいて、映像制御や音声制御、照明制御を行う。
【0031】
ここで、このような映像制御および音声制御等の際に、例えば映像表示の際の輝度が低下するように制御を行った場合には、制御部14は続いて以下の色度制御を行うようにするのが望ましい。すなわち、彩度(ΔC*)が相対的に低い色については、映像表示の際の彩度を高める色度制御を行う一方、彩度が相対的に高い色については、映像表示の際の彩度を低める色度制御を行う。これにより、視聴環境と映像の明るさとに応じて、視聴者にとって最適な色度制御が実現できるからである。
【0032】
また、視聴者の人数が複数であることが検知された場合には、制御部14は、視聴環境が最も悪い条件下にある視聴者についての視聴環境情報I1を選択的に用いて、その視聴者に適合した表示制御や音声制御、照明制御等を行うのが望ましい。これにより、視聴環境の異なる複数の視聴者に対して、出来る限り最適に近い表示条件での視聴を可能とするという効果が得られるからである。
【0033】
更に、視聴者の位置が検知できなかった場合には、制御部14は、表示部11による映像表示が停止して、スピーカー12L,12Rによる音声出力のみが行われるように、表示制御および音声制御を行うのが望ましい。これにより、映像を観視する視聴者がいない条件において表示部11の消費電力を削減することができると共に、視聴位置の検知範囲外において音声だけを聴取する視聴者の利便性を確保できるという効果が得られるからである。
【0034】
加えて、例えば図4〜図7に示した実験例からも分かるように、制御部14は、検知された視聴者の年齢に応じて、異なる表示制御および音声制御を行うようにするのが望ましい。これは、ユーザ(視聴者)にとって好ましい表示輝度や表示色度(彩度や明度等)は、例えば環境照度や視聴位置(画角など)、映像平均輝度といったパラメータと線形関係(比例関係)にあり、また高齢者と若年者とでそのときの係数(比例係数等)の値が異なっていることから、年齢別に設定の最適化を行うことが望ましいためである。
【0035】
ここで図4(A)〜(F)は、環境照度、視聴位置および映像平均輝度と、ユーザにとって好ましい表示輝度との対応関係の一例を、若年者(本実験例では、19〜22歳程度)および高齢者(本実験例では、62〜79歳程度)の各々について特性図で表わしたものである。また、図5〜図7はそれぞれ、表示輝度および環境照度と、ユーザにとって好ましい明度(ΔL*)および好ましい彩度(ΔC*)との対応関係の一例を、若年者および高齢者の各々について特性図で表わしたものである。具体的には、図5(A)〜(D)は、肌色画像(例えばマクベスチャート(色票画像)における#2の画像)の場合の特性を示している。また、図6(A)〜(D)は、草色画像(例えばマクベスチャートにおける#4の画像)の場合の特性を示している。図7(A)〜(D)は、青空色画像(例えばマクベスチャートにおける#3の画像)の場合の特性を示している。なお、これらの実験結果では、図4については、被験者24名による主観評価実験により得られた幾何平均値および幾何標準偏差を示しており、図5〜図7については、被験者20名による主観評価実験により得られた平均値および標準誤差を示している。
【0036】
なお、環境照度をE、画角をSA、映像平均輝度をAL、好ましい表示輝度をPLとすると、これらの実験結果により、若年者および高齢者の各々の場合について、例えば以下の(1)式および(2)式(重回帰式)が成り立つことが分かった。
・若者の場合
logPL=2.40+0.27×logE−0.22×logSA−0.32×logAL ……(1)
・高齢者の場合
logPL=2.87+0.13×logE−0.34×logSA−0.21×logAL ……(2)
【0037】
このようにして表示装置1では、視聴環境情報I1および視聴者情報I2がそれぞれ検知され、これらの視聴環境情報I1および視聴者情報I2の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声出力部による音声出力を制御する音声制御との双方の制御が行われる。すなわち、視聴環境情報I1および視聴者情報I2の双方に基づいて、ユーザ(視聴者)にとってより好ましい表示制御および音声制御がそれぞれ実現される。
【0038】
以上のように本実施の形態では、検知された視聴環境情報I1および視聴者情報I2の双方に基づいて、映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、音声出力部による音声出力を制御する音声制御との双方の制御を行うようにしたので、ユーザにとってより好ましい表示制御および音声制御をそれぞれ実現することができる。よって、ユーザの快適性を向上させることが可能となる。
【0039】
具体的には、例えばTV装置における画質調整は、「ダイナミック」,「スタンダード」,「シアター」などといったモードをユーザが選択するようになっているのが一般的である。その画質調整のモードは、技術者の経験によって絵づくりがなされており、実際の視聴環境に適合したモードが選択されているかどうかを判断するのが難しい。また、例えば視聴位置がずれる等により視聴環境が変化した場合であっても、一般的には画質や音質等の調整するのは困難である。これに対して上記した本実施の形態の手法を採用することにより、ユーザにとって好ましい表示制御や音声制御を実現することが可能となる。
【0040】
<変形例>
以上、実施の形態を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0041】
例えば、上記実施の形態では視聴環境情報I1および視聴者情報I2の例を具体的に挙げて説明したが、これらの情報の全てを用いる必要はなく、少なくとも1つの情報を用いるようにしてもよい。また、実施の形態で挙げた情報には限られず、例えば視聴環境情報I1として環境温度を示す情報を用いたり、視聴者情報I2として視聴者の性別を示す情報を用いるようにしてもよい。
【0042】
また、制御部14による制御(映像制御,音声制御,照明制御等)の際の具体的手法については、実施の形態で挙げた手法には限られず、他の手法を用いて制御してもよい。
【0043】
更に、上記実施の形態では、センサ部13(情報検知部)内に、画像センサ(カメラ)131、照度センサ132および音場センサ(マイク)133が設けられている場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、例えばこれらのセンサのうちの少なくとも1つが設けられているようにしてもよく、あるいは、これらのセンサに加えて(または代えて)、他のセンサが設けられているようにしてもよい。また、上記実施の形態では、音声出力部の一例として左右のスピーカー12L,12Rを挙げて説明したが、例えば、スピーカーが1つだけ設けられていたり、3つ以上設けられているようにしてもよい。
【0044】
加えて、上記実施の形態で説明した一連の処理(制御)は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。
【0045】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
映像表示を行う表示部と、
音声出力部と、
視聴環境情報および視聴者情報をそれぞれ検知する情報検知部と、
前記情報検知部により検知された視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、前記映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、前記音声出力部による音声出力を制御する音声制御と、の双方の制御を行う制御部と
を備えた表示装置。
(2)
前記視聴環境情報として、視聴位置、環境照度および音場のうちの少なくとも1つについての情報を含み、
前記視聴者情報として、視聴者の人数、年齢および疲労度のうちの少なくとも1つについての情報を含む
上記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記視聴者の疲労度は、その視聴者の瞬きの頻度によって規定される
上記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記映像制御として、前記映像表示の際の輝度制御、色度制御および色温度制御を含み、
前記音声制御として、前記音声出力の際の音量制御、音質制御および音声バランス制御のうちの少なくとも1つを含む
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)
前記制御部は、
前記映像表示の際の輝度が低下するように制御を行った場合、
彩度が相対的に低い色については、前記映像表示の際の彩度を高める色度制御を行うと共に、彩度が相対的に高い色については、前記映像表示の際の彩度を低める色度制御を行う
上記(4)に記載の表示装置。
(6)
前記視聴者情報として、視聴者の年齢についての情報を少なくとも含み、
前記制御部は、検知された視聴者の年齢に応じて、異なる前記表示制御および前記音声制御を行う
上記(4)または(5)に記載の表示装置。
(7)
前記情報検知部によって視聴者の人数が複数であることが検知された場合、
前記制御部は、視聴環境が最も悪い条件下にある視聴者についての前記視聴環境情報を選択的に用いて、その視聴者に適合した前記表示制御および前記音声制御を行う
上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の表示装置。
(8)
前記情報検知部によって視聴者の位置が検知できなかった場合、
前記制御部は、前記映像表示が停止して前記音声出力のみが行われるように、前記表示制御および前記音声制御を行う
上記(4)ないし(7)のいずれかに記載の表示装置。
(9)
前記情報検知部は、画像センサ、照度センサおよび音場センサのうちの少なくとも1つを有する
上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の表示装置。
(10)
前記制御部は、入力映像信号および入力音声信号から所定の情報を取得すると共に、この取得した情報を用いて、視聴環境の明るさを制御する
上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0046】
1…表示装置、11…表示部、12R,12L…スピーカー、13…センサ部、131…画像センサ(カメラ)、132…照度センサ、133…音場センサ(マイク)、14…制御部、141…映像制御部(表示制御部)、142…音声制御部、9…視聴者(ユーザ)、Vin…入力映像信号、Sin…入力音声信号、I1…視聴環境情報、I2…視聴者情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像表示を行う表示部と、
音声出力部と、
視聴環境情報および視聴者情報をそれぞれ検知する情報検知部と、
前記情報検知部により検知された視聴環境情報および視聴者情報の双方に基づいて、前記映像表示の際の輝度および色度をそれぞれ制御する表示制御と、前記音声出力部による音声出力を制御する音声制御と、の双方の制御を行う制御部と
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記視聴環境情報として、視聴位置、環境照度および音場のうちの少なくとも1つについての情報を含み、
前記視聴者情報として、視聴者の人数、年齢および疲労度のうちの少なくとも1つについての情報を含む
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記視聴者の疲労度は、その視聴者の瞬きの頻度によって規定される
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記映像制御として、前記映像表示の際の輝度制御、色度制御および色温度制御を含み、
前記音声制御として、前記音声出力の際の音量制御、音質制御および音声バランス制御のうちの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記映像表示の際の輝度が低下するように制御を行った場合、
彩度が相対的に低い色については、前記映像表示の際の彩度を高める色度制御を行うと共に、彩度が相対的に高い色については、前記映像表示の際の彩度を低める色度制御を行う
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記視聴者情報として、視聴者の年齢についての情報を少なくとも含み、
前記制御部は、検知された視聴者の年齢に応じて、異なる前記表示制御および前記音声制御を行う
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記情報検知部によって視聴者の人数が複数であることが検知された場合、
前記制御部は、視聴環境が最も悪い条件下にある視聴者についての前記視聴環境情報を選択的に用いて、その視聴者に適合した前記表示制御および前記音声制御を行う
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記情報検知部によって視聴者の位置が検知できなかった場合、
前記制御部は、前記映像表示が停止して前記音声出力のみが行われるように、前記表示制御および前記音声制御を行う
請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記情報検知部は、画像センサ、照度センサおよび音場センサのうちの少なくとも1つを有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、入力映像信号および入力音声信号から所定の情報を取得すると共に、この取得した情報を用いて、視聴環境の明るさを制御する
請求項1に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−97298(P2013−97298A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242176(P2011−242176)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】