説明

表面から汚れや化粧を除去するための方法

本発明は、家庭内にある表面、公共機関にある表面、或は体の表面のような表面から汚れや化粧を除去するための、典型的にはクリーニングを行う時に実施される方法に関する。本発明においては、表面からの汚れや化粧の移動を可能にする両性又は双極性ポリマーが用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内にある表面、公共施設にある表面、或は体の表面(皮膚若しくは髪の毛のようなケラチン質表面又は歯の表面)のような表面から汚れや化粧を除去するための方法{典型的にはクリーニング(掃除/洗浄)を行う時に実施される方法}に関する。
【背景技術】
【0002】
表面(例えば硬い表面や体の表面)のクリーニングは、衛生及び/若しくは快適さを目的に並びに/又は衛生及び/若しくは快適さの知覚のために、定期的に又は不定期に行われる作業である。クリーニングにおいて、表面からの汚れの除去は1つの実施形態である。汚れの存在は、汚れを除去する必要性を感じることができる人々には容易に知覚される。汚れの除去は、クリーニングを行う人が容易に知覚できることである。
【0003】
産業界では、クリーニング及び汚れの除去を行うための各種の手段及び組成物が提供されている。これらの手段及び組成物は、消費者が私的な場所で私的な家事的作業を行う時に、又は公共の場所で公共的な家事的作業を行う人々(例えば管理人や女中)によって、用いられている。
【0004】
汚れの除去や汚れ除去の知覚に関する改善、並びに/又は衛生、快適さ及び/若しくはそれらの知覚に関する改善に対する要望が存在する。また、汚れ除去効率(より多くの汚れの除去及び/又は同じ量でもより素早く若しくはより少ない労力での汚れの除去)或はそれらの知覚に関する改善に対する要望が存在する。
【0005】
また、体の表面(ケラチン質表面、例えば皮膚若しくは髪の毛、又は歯の表面)から汚れや化粧のような化粧品を除去することについての要望も存在する。汚染された領域では、髪の毛及び/又は皮膚上に粒子が付着する。これらは除去又は洗浄しなければならない。また、化粧も除去すべき時には汚れとみなすことができる。また、髪の毛及び/又は皮膚から皮脂分泌物や脂性(greasy)物質を除去することについての要望もある。
【0006】
また、植物から汚れを除去することについての要望もある。
【特許文献1】英国特許第1082179号明細書
【特許文献2】米国特許第3929678号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上に挙げた要望の内の少なくともいくつかに取り組む方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かくして、本発明は、表面から汚れや化粧を除去するための方法であって、
(a)汚れ又は化粧を有する表面上に両性又は双極性(ツビッターイオン性)ポリマーを含む流体組成物を注ぎ若しくは吹き付けることによって又は塗布手段を用いることによって前記組成物を前記表面に塗布する工程;
(b)同時に又は次いで、繊維質又は多孔質のすり延ばし(wiping)又は塗り拡げ(spreading)手段によって前記組成物を前記表面上に塗り拡げ且つ/又はすり延ばす工程;及び
(c)随意に繊維質又は多孔質乾燥手段によって前記表面から前記液体又はその一部を除去する工程:
を含み、前記表面から前記塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段及び/又は乾燥手段に汚れ又は化粧のいくらかを移動させる、前記方法に関する。
【0009】
本発明はまた、汚れ若しくは化粧を除去するため又は汚れ若しくは化粧の除去を改善するための両性又は双極性ポリマーの使用にも関する。特別な実施形態において、本発明は、家庭内にある表面や公共施設にある表面から汚れを除去するための液体組成物において汚れ除去を改善するために両性又は双極性ポリマーを使用することに関する。本発明はまた、表面から汚れや化粧を除去するための方法において前記ポリマーを含む液体組成物を使用することにも関する。
【0010】
処理される表面は、例えば:
・家庭内若しくは公共施設にある硬い表面、
・歯、
・皮膚若しくは髪の毛のようなケラチン質表面、又は
・植物:
であることができる。
【発明の効果】
【0011】
何らかの理論に縛られることは意図しないが、前記両性又は双極性ポリマーは、汚れと前記の塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段及び/又は乾燥手段との間の何らかの相互作用を(特にこれらの手段がセルロース系材料を含む場合に)もたらして、この相互作用が表面からこれらの手段へと汚れが移動するのに助力するものと思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
定義
本明細書において「ポリマーを含む組成物」とは、そのままで用いることができる組成物、又は使用前若しくは間に希釈することが予定される組成物(「濃厚組成物」と称することができる)、又は希釈された形の組成物(「希釈組成物」と称することができる)を指す。
【0013】
本明細書において「硬い表面」とは、家庭若しくは公共施設の建物又は産業用建物又は家具に見出される任意の表面を指すが、但しこの表面は布(cloth)、家具布地(fabric)、カーテン、シーツ等の布地ではないものとする。
【0014】
汚れ又は化粧移動指数は、
【数1】

である。ここで、
DL=(プロセスの前のL)−(プロセスの後のL)であり、
Da=(プロセスの前のa)−(プロセスの後のa)であり、
Db=(プロセスの前のb)−(プロセスの後のb)であり、
L、a及びbは、汚れ若しくは化粧の除去の前後の表面の、又は汚れ若しくは化粧の除去の前後の塗布手段及び/若しくはすり延ばし手段及び/若しくは塗り拡げ手段及び/若しくは乾燥手段の、例えばLU600バージョン010892タイプの装置を用いて測定した比色CIE−L***座標である。
【0015】
家庭内にある表面とは、私的な建物又は家屋若しくはアパートのような建物の一部に見出される表面であって定期的に又は不定期にクリーニングされるべき表面と理解される。
【0016】
公共施設にある表面とは、公共の建物、例えば職場、ホテル、学校、行政機関、娯楽施設に見出される表面であって定期的に又は不定期にクリーニングされるべき表面と理解される。
【0017】
本明細書において、「モノマーから誘導される単位」という表現は、重合によってそのモノマーから直接得ることができる単位を意味する。従って、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のエステルから誘導される単位には、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル又は酢酸ビニルをそれぞれ重合させ、次いで加水分解することによってそれぞれ得られる式−CH2−CH(COOH)−、−CH2−C(CH3)(COOH)−、−CH2−CH(OH)−の単位は含まれない。アクリル酸又はメタクリル酸から誘導される単位には、例えばモノマー(例えばアクリル酸又はメタクリル酸のエステル)を重合させ、次いで得られたポリマーを(例えば加水分解によって)式−CH2−CH(COOH)−又は−CH2−C(CH3)(COOH)−の単位が得られるように反応させることによって得られる単位が含まれる。ビニルアルコールから誘導される単位には、例えばモノマー(例えばビニルエステル)を重合させ、次いで得られたポリマーを(例えば加水分解によって)式−CH2−CH(OH)−の単位が得られるように反応させることよって得られる単位が含まれる。
【0018】
本明細書においては、別途記載がない限り、平均モル質量は、好適な溶剤を用いた立体排除クロマトグラフィーを多角度光散乱検出器と組み合わせたもの(GPC−MALLS)によって測定される数平均モル質量である。本明細書においては、ポリマーを調製するために用いられる成分の質量から決定される理論平均モル質量を参照することもできる。
【0019】
本明細書において、用語「疎水性」とは、その通常の「水に対して親和性を持たないもの」という意味で用いられる;これは、有機ポリマーが単独で(同じ組成及び同じモル質量のもの)、25℃において蒸留水中で1重量%超の濃度で2相巨視的溶液を形成することを意味する。
【0020】
本明細書において、用語「親水性」とは、これもまたその通常の「水に対して親和性を持つもの」という意味で用いられ、即ち25℃において蒸留水中で1重量%超の濃度で2相巨視的溶液を形成することがないものを意味する。
【0021】
ポリマー
両性ポリマーは、いくつかの単位を含む。従って、これはコポリマーである。コポリマーは、ホモポリマーとは対照的に、いくつかの異なる単位を有するポリマーと理解される。コポリマーには、ターポリマーが包含される。双極性ポリマーは、ホモポリマーであることもコポリマーであることもできる。このコポリマーは、ランダムコポリマーであるのが好ましい。有利な実施形態に従えば、このコポリマーは水溶性又は水分散性である。これは、このコポリマーが使用条件下で少なくとも所定のpH及び濃度範囲にわたって水中で2相組成物を形成しないことを意味する。
【0022】
両性ポリマーは典型的には次のもの:
・カチオン性又は潜在的にカチオン性の単位C、
・アニオン性又は潜在的にアニオン性の単位A、及び
・随意としての非イオン性親水性又は疎水性単位N:
を含む。
【0023】
双極性ポリマーは典型的には次のもの:
・カチオン電荷及びアニオン電荷を同じ単位上に有する双極性単位Z、
・随意としての、アニオン性若しくは潜在的にアニオン性の単位又は非イオン性親水性若しくは疎水性単位であるその他の単位:
を含む。
【0024】
「カチオン性又は潜在的にカチオン性の単位C」という表現は、カチオン性又は潜在的にカチオン性の基を含む単位を意味するものとする。カチオン性の単位又は基は、コポリマーを存在させる媒体のpHがどのようなものであっても、少なくとも1の正電荷を(一般的にクロリドイオン、ブロミドイオン、サルフェート基、メチルサルフェート基のような1つ以上のアニオンとの組合せとして)有する単位又は基である。潜在的にカチオン性の単位又は基は、コポリマーを存在させる媒体のpHに応じて中性であることも少なくとも1の正電荷を有することもできる単位又は基である。この場合、中性の形又はカチオン性の形で潜在的にカチオン性の単位Cと言及される。さらには、カチオン性又は潜在的にカチオン性のモノマーにも言及できる。
【0025】
「アニオン性又は潜在的にアニオン性の単位A」という表現は、アニオン性又は潜在的にアニオン性の基を含む単位を意味するものとする。アニオン性の単位又は基は、コポリマーを存在させる媒体のpHがどのようなものであっても、少なくとも1の負電荷を{一般的にアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属(例えばナトリウム)化合物のカチオン、又はアンモニウムのようなカチオン性の基のような1つ以上のカチオンとの組合せとして}有する単位又は基である。潜在的にアニオン性の単位又は基は、コポリマーを存在させる媒体のpHに応じて中性であることも少なくとも1の負電荷を有することもできる単位又は基である。この場合、中性の形又はアニオン性の形で潜在的にアニオン性の単位Aと言及される。さらには、アニオン性又は潜在的にアニオン性のモノマーにも言及できる。
【0026】
用語「中性(非イオン性)の単位N」とは、コポリマーを存在させる媒体のpHがどのようなものであっても電荷を持たない単位を意味するものとする。
【0027】
潜在的にカチオン性のモノマー(潜在的にカチオン性の単位を誘導することができるもの)の例には、次のものが包含される:
・α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のN,N−(ジアルキルアミノ−ω−アルキル)アミド、例えばN,N−ジメチルアミノメチル−アクリルアミド又は−メタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−アクリルアミド又は−メタクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル−アクリルアミド又は−メタクリルアミド、及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル−アクリルアミド又は−メタクリルアミド、
・α,β−モノエチレン性不飽和アミノエステル、例えばアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAA)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(DMAM)、メタクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジペンチルアミノ)エチル及びメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、
・ビニルピリジン類、
・ビニルアミン、
・ビニルイミダゾリン類、
・単純な酸又は塩基加水分解によって第1アミン官能基を生じる、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のようなアミン官能基の先駆体であるモノマー。
【0028】
カチオン性のモノマー(カチオン性の単位を誘導することができるもの)の例には、次のものが包含される:
・アクリロイル−又はアクリロイルオキシアンモニウムモノマー、例えばトリメチルアンモニウムプロピルメタクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル−アクリルアミド又は−メタクリルアミドクロリド又はブロミド、トリメチルアンモニウムブチル−アクリルアミド又は−メタクリルアミドメチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルサルフェート(MAPTA−MES)、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド又はメチルサルフェート、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド;
・1−エチル−2−ビニルピリジニウム又は1−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド、クロリド又はメチルサルフェート;
・N,N−ジアルキルジアリルアミンモノマー、例えばN,N−ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC);
・ポリ第四級モノマー、例えばジメチルアミノプロピルメタクリルアミドクロリド及びN−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム(DIQUAT)等。
【0029】
アニオン性又は潜在的にアニオン性のモノマー(アニオン性又は潜在的にアニオン性の単位を誘導することができるもの)の例には、次のものが包含される:
・少なくとも1個のカルボン酸官能基を有するモノマー、例えばα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又は対応する酸無水物、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はマレイン酸又は酸無水物、フマル酸、イタコン酸、N−メタクリロイルアラニン、N−アクリロイルグリシン及びそれらの水溶性塩、
・カルボキシレート官能基の前駆体であるモノマー、例えば重合後に加水分解によってカルボン酸官能基を生じるアクリル酸t−ブチル、
・少なくとも1個のサルフェート又はスルホネート官能基を有するモノマー、例えばメタクリル酸2−スルホキシエチル、ビニルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート又はメタクリレート、スルホプロピルアクリレート又はメタクリレート、及びそれらの水溶性塩、
・少なくとも1個のホスホネート又はホスフェート官能基を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸等、エチレン性不飽和ホスフェートのエステル、例えばメタクリル酸ヒドロキシエチルから誘導されるホスフェート(Rhodia社からのEmpicryl 6835)及びポリオキシアルキレンメタクリレートから誘導されるもの、並びにそれらの水溶性の塩。
【0030】
疎水性非イオン性モノマー(疎水性非イオン性単位を誘導することができるもの)の例には、次のものが包含される:
・ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等、
・ハロゲン化ビニル又はハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、
・α,β−モノエチレン性不飽和酸のC1〜C12アルキルエステル、例えばアクリル酸又はメタクリル酸メチル、エチル又はブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等、
・飽和カルボン酸のビニルエステル又はアリルエステル、例えばビニル又はアリルアセテート、プロピオネート、ベルサテート、ステアレート等、
・3〜12個の炭素原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等、
・α−オレフィン、例えばエチレン等、
・共役ジエン、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン。
【0031】
非イオン性親水性モノマー(親水性非イオン性単位を誘導することができるもの)の例には、次のものが包含される:
・α,β−エチレン性不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル、例えばアクリル酸及びメタクリル酸ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル、グリセリルモノメタクリレート等、
・α,β−エチレン性不飽和アミド、例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等、
・ポリ(エチレンオキシド)タイプの水溶性ポリオキシアルキレンセグメントを有するα,β−エチレン性不飽和モノマー、例えばポリ(エチレンオキシド)α−メタクリレート(Laporte社からのBisomer S20W、S10W等)又はα,ω−ジメタクリレート、Rhodia社からのSipomer BEM(ω−ベヘニルポリオキシエチレンメタクリレート)、Rhodia社からのSipomer SEM-25(ω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレート)等、
・親水性単位又はセグメントの前駆体であり、重合したら加水分解することによってビニルアルコール単位又はポリビニルアルコールセグメントを生じることができるα,β−エチレン性不飽和モノマー、例えば酢酸ビニル、
・ビニルピロリドン、
・ウレイドタイプのα,β−エチレン性不飽和モノマー、特に2−イミダゾリジノン−エチルメタクリルアミド(Rhodia社からのSipomer WAM II)。
【0032】
双極性モノマー(双極性単位を誘導することができるもの)の例には、次のものが包含される:
・スルホベタインモノマー、例えばスルホプロピルジメチルアンモニウムエチルメタクリレート(Raschig社からのSPE)、スルホプロピルジメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミド(Raschig社からのSPP)、及びスルホプロピル−2−ビニルピリジニウム(Raschig社からのSPV)、
・ホスホベタインモノマー、例えばホスファトエチルトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート、
・カルボキシベタインモノマー。
【0033】
前記コポリマーは、慣用のラジカル重合によって、又は任意のその他の重合法によって、調製することができる。
【0034】
上に挙げたもの又はそれ以外のものからの特に好ましい単位Cには、次のものから誘導される単位が包含される:
・MAPTAC(これは、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドである)
・MAPTA−MES(これは、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェートである)
・DADMAC(これは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドである)
・DIQUAT(これは、メタクリルアミドプロピル−ペタメチル−1,3−プロピレン−2−オールアンモニウムジクロリド
・ADAMQUAT(これは、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム(クロリド、メチルサルフェート若しくはその他のバージョン)である)
・MADAMQUAT(これは、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム(クロリド、メチルサルフェート若しくはその他のバージョン)である)
・DMAEMA(これはN−[3−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミドである)、又は
・DMAPMA(これは、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドである)。
【0035】
上に挙げたもの又はそれ以外のものからの特に好ましい単位Aには、次のものから誘導される単位が包含される:
・アクリル酸(AA)、メタクリル酸、
・スルホン酸ビニル、
・スチレンスルホネート、又は
・AMPS(これは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸である)。
【0036】
上に挙げたもの又はそれ以外のものからの特に好ましい親水性単位Nには、次のものから誘導される単位が包含される:
・アクリルアミド(AM)、又は
・メタクリルアミド。
【0037】
上に挙げたもの又はそれ以外のものからの特に好ましい疎水性単位Nには、次のものから誘導される単位が包含される:
・スチレン、
・アルキル基が例えばC1〜C30アルキル基であるアクリル酸又はメタクリル酸アルキル。
【0038】
上に挙げたもの又はそれ以外のものからの特に好ましい単位Zには、次のものが包含される:
・カルボキシベタイン単位、カルボキシピロリジニウム単位、
・スルホベタイン単位、スルホピロリジニウム単位、
・ホスホノベタイン単位、又はホスホノピロリジニウム単位。
【0039】
特に好ましいポリマーは、次のものである:
・MAPTAC、AA及び随意としてのAMから誘導されるポリマー、
・DADMAC、AA及び随意としてのAMから誘導されるポリマー{DADMACとAAとの間のモル比は50/50より大きいのが好ましく、60/40以上であるのがより一層好ましく、(DADMAC及びAA)と(存在させる場合の)AMとの間のモル比は67/33より大きいのが好ましい}、
・DIQUAT、AA及び随意としてのAMから誘導されるポリマー{DIQUATとAAとの間のモル比は20/80〜80/20の範囲であるのが好ましく、(DIQUAT及びAA)と(存在させる場合の)AMとの間のモル比は67/33より大きいのが好ましい}。
【0040】
有用な両性又は双極性ポリマーは、例えばRhodia社よりMirapol Surf S 100、110、200、210、400、410、411、500、510としてポリマー及び酸性又は塩基性充填剤を含む溶液の形で販売されているものである。その他の有用なポリマーには、Cognis社より販売されているPolyquart 149が包含される。
【0041】
組成物
前記ポリマーを含む組成物は、様々な形にあることができる。この形は通常、組成物の用途に依存する。従って、この組成物は流体、例えば液体、ゲル、泡立ち液体であることができる。この組成物はまた、その場で湿った表面及び/又は湿った塗布手段との接触の際に液体にすることができる固体の形にあることもできる。
【0042】
液体組成物は、例えばローラー又はポンプのような液体分配装置(適量供給装置、ディスペンサー)を用いた吹付け、注入又は塗布によって分配(適量供給)することができる。かかる装置は塗布手段である。
【0043】
この組成物は、使用の前又は使用の際に希釈することができる。希釈は、水を用いて行うのが好ましい。希釈割合は通常、組成物の用途に依存する。さらに、希釈アプローチは組成物を使用する消費者に依存することもできる。希釈することが予定される組成物については、希釈割合は5〜2000倍、例えば5〜500倍であることができる。
【0044】
組成物が液体組成物、例えば液体濃厚組成物である場合、この組成物は液状媒体、好ましくは水性媒体、アルコール性媒体又はヒドロキシアルコール性媒体を含むことができる。この媒体は、組成物の一部、濃厚組成物の一部又は希釈組成物の一部、例えば希釈用媒体であることができる。
【0045】
さらなる成分
前記組成物は通常、ホームケア、公共施設クリーニング又は体クリーニング用組成物のさらなる成分を含む。さらなる成分は通常、組成物の用途、目的及び/又は形に依存する。これらのさらなる成分は、用途及び市場で役立ついくつかの成分(又は配合物)を含む組成物の調製の分野の当業者に知られているものである。
【0046】
かくして、この組成物は、次のものを含むことができる:
・キャリヤー媒体(これは、水性、アルコール性又はヒドロキシアルコール性媒体である)、
・前記ポリマー、
・随意としての界面活性剤(これは、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又はそれらの混合物である)、
・随意としてのさらなる成分。
【0047】
かくして、この組成物は1種以上の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を含む組成物は、例えばクリーニング又は脂除去をもたらす組成物、例えば硬い表面クリーニング用組成物、又は身体クレンジング(personal cleansing)製品において、有用である。その例には、液状クリーニング組成物、窓拭き用組成物、台所、浴室又はトイレクリーニング組成物、シャワーリンス組成物、化粧除去用組成物、クレンジング用組成物、脂性皮膚ケア組成物が包含される。
【0048】
有用な界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性(双極性を含む)界面活性剤及びそれらの混合物が包含される。
【0049】
アニオン性界面活性剤
本発明において有用なアニオン性界面活性剤は、好ましくは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、メチルエステルスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアルコキシカルボキシレート、アルキルアルコキシル化サルフェート、サルコシネート、タウリネート及びそれらの混合物より成る群から選択される。
【0050】
用いることができる1つのタイプのアニオン性界面活性剤には、アルキルエステルスルホネートが包含される。これらは再生可能な非石油資源を用いて作ることができるので、望ましい。アルキルエステルスルホネート界面活性剤成分の調製は、技術文献に開示された既知の方法に従って行うことができる。例えば、「The Journal of the American Oil Chemists Society」、52(1975)、323〜329頁に従って、C8〜C20カルボン酸の直鎖状エステルを気体状SO3でスルホン化することができる。好適な出発原料には、獣脂、パーム油及びココナツ油等から誘導される天然脂肪物質が包含される。
【0051】
好ましいアルキルエステルスルホネート界面活性剤(特に洗濯用途のもの)には、次の構造式:
【化1】

(ここで、
3はC8〜C20ヒドロカルビル、好ましくはアルキル又はその組合せ物であり、
4はC1〜C6ヒドロカルビル、好ましくはアルキル又はその組合せ物であり、
Mは可溶性塩形成性カチオンである)
のアルキルエステルスルホネート界面活性剤が含まれる。好適な塩には、ナトリウム、カリウム及びリチウム塩のような金属塩、並びに置換又は非置換アンモニウム塩、例えばメチル−、ジメチル−、トリメチル−及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメチルピペリジニウム、並びにアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)から誘導されるカチオンが包含される。好ましくは、R3はC10〜C16アルキルであり、R4はメチル、エチル又はイソプロピルである。R3がC14〜C16アルキルであるメチルエステルスルホネートが特に好ましい。
【0052】
本発明において用いるための別のタイプの重要なアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート界面活性剤である。ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(下記参照)と組み合わせて用いた時に、広範な温度、洗浄濃度及び洗浄時間にわたっての良好な脂/油クリーニングを含めて、優れた全体クリーニング能力を提供することに加えて、アルキルサルフェートの溶解が得られると共に、液状洗剤配合物中における改善された配合可能性も得られる。これは、式ROSO3Mの水溶性塩又は酸である。ここで、RはC10〜C24ヒドロカルビル、好ましくはC10〜C20アルキル又はC10〜C20アルキル部分を有するヒドロキシアルキル、より一層好ましくはC12〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルであり、MはH又はカチオンであり、このカチオンは、例えばアルカリ若しくはアルカリ土類(第IA族若しくは第IIA族)金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム)、置換若しくは非置換アンモニウムカチオン、例えばメチル、ジメチル及びトリメチルアンモニウム並びに第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメチルピペリジニウム、並びにアルカノールアミン(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)から誘導されるカチオン、並びにそれらの混合物等である。典型的には、低い洗浄温度(例えば約50℃以下)についてはC12〜C16アルキル鎖が好ましく、高い洗浄温度(例えば約50℃超)についてはC16〜C18アルキル鎖が好ましい。これらの界面活性剤の例には、Rhodapanの商品名でRhodia社より販売されている界面活性剤が包含される。
【0053】
別の類の有用なアニオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤である。これらの界面活性剤は、典型的には式RO(A)mSO3Mの水溶性塩又は酸である。ここで、Rは非置換C10〜C24アルキル又はC10〜C24アルキル部分を有するヒドロキシアルキル基、好ましくはC12〜C20アルキル又はヒドロキシアルキル、より一層好ましくはC12〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルであり、Aはエトキシ又はプロポキシ単位であり、mは0より大きく、典型的には約0.5〜約6の範囲、より一層好ましくは約0.5〜約3の範囲であり、そしてMはH又はカチオンであり、このカチオンは例えば金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム等)、アンモニウム又は置換アンモニウムカチオンである。本発明においてはアルキルエトキシル化サルフェート及びアルキルプロポキシル化サルフェートが考えられる。置換アンモニウムカチオンの特定的な例には、メチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウム及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチル−アンモニウム、ジメチルピペリジニウム及びアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)から誘導されるカチオン、並びにそれらの混合物が包含される。例示的な界面活性剤には、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(1.0)サルフェート、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(2.25)サルフェート、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(3.0)サルフェート及びC12〜C18アルキルポリエトキシレート(4.0)サルフェートがあり、ここで、Mは慣用的にはナトリウム及びカリウムから選択される。本発明において用いるための界面活性剤は、天然又は合成アルコール供給原料から作ることができる。鎖長は分岐を含めた平均炭化水素分布を表わす。これらの界面活性剤の例には、Rhodapexの商品名でRhodia社より販売されている界面活性剤が包含される。
【0054】
その他のアニオン性界面活性剤:
また、洗浄目的のために有用なその他のアニオン性界面活性剤を本発明の組成物中に含ませることもできる。これらには、石鹸の塩(例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、及び置換アンモニウム塩、例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン塩を含む)、C8〜C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、例えばRhodia社よりRhodacalの商品名で販売されているもの、C8〜C22第1又は第2アルカンスルホネート、C8〜C24オレフィンスルホネート、アルカリ土類金属クエン酸塩の熱分解生成物のスルホン化によって得られるスルホン化ポリカルボン酸、例えば英国特許第1082179号明細書に記載されているもの、アルキルグリセロールスルホネート、脂肪アシルグリセロールスルホネート、脂肪オレイルグリセロールサルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルサルフェート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、イソチオネート類、例えばアシルイソチオネート、N−アシルタウレート、メチルタウリドの脂肪酸アミド、アルキルスクシナメート及びスルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル、例えばRhodia社よりGeroponの商品名で販売されているもの(特に飽和及び不飽和C12〜C18モノエステル)、スルホスクシネートのジエステル(特に飽和及び不飽和C6〜C14ジエステル)、N−アシルサルコシネート、アルキル多糖類のサルフェート、例えばアルキルポリグルコシドのサルフェート(非イオン性非サルフェート化化合物は以下に記載する)、分岐鎖状第1アルキルサルフェート、アルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CH2CH2O)kCH2COO-+のもの(ここで、RはC8〜C22アルキルであり、kは0〜10の整数であり、そしてMは可溶性塩形成性カチオンである)並びにイセチオン酸でエステル化され且つ水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸が包含され得る。また、樹脂酸及び水素化樹脂酸、例えばロジン、水素化ロジン、並びにタル油中に存在し又はタル油から誘導される樹脂酸及び水素化樹脂酸も好適である。
【0055】
さらなる例は、「Surface Active Agents and Detergents」(Vol. I及びII、Schwartz、Perry及びBerch著)に与えられているものである。また、様々なこのような界面活性剤は、Laughlinらに対して1975年12月30日付けで発行された米国特許第3929678号明細書の第23欄第58行〜第29欄第23行にも開示されている。
【0056】
非イオン性界面活性剤
好適な非イオン性洗剤界面活性剤は一般的に、Laughlinらに対して1975年12月30日付けで発行された米国特許第3929678号明細書の第13欄第14行〜第16欄第6行に開示されているので、これを参照用に本明細書に取り入れる。例示的な非限定的な類の有用な非イオン性界面活性剤には、アルキルジアルキルアミンオキシド、例えばRhodia社よりRhodamoxの商品名で販売されているもの、アルキルエトキシレート、例えばRhodia社よりRhodasurfの商品名で販売されているもの、アルカノイルグルコースアミド、アルキルベタイン、例えばRhodia社よりMirataineの商品名で販売されているもの、及びそれらの混合物が包含される。
【0057】
本発明において用いるためのその他の非イオン性界面活性剤には、次のものが包含される:
【0058】
アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレンオキシド縮合物。一般的に、ポリエチレンオキシド縮合物が好ましい。これらの化合物には、直鎖状又は分岐鎖状の形態で約6〜約12個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルフェノールとアルキレンオキシドとの縮合生成物が包含される。好ましい実施形態において、エチレンオキシドは、アルキルフェノール1モル当たりエチレンオキシド約5〜約25モルの量で存在させる。このタイプの商品として入手できる非イオン性界面活性剤には、Rhodia社よりIgepalの商品名で販売されている界面活性剤が包含される。これらは通常、フェノールアルコキシレート(例えばアルキルフェノールエトキシレート)と称される。
【0059】
脂肪族アルコールと約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖状又は分岐鎖状であることができ、第1級又は第2級であることができ、そして一般的に約8〜約22個の炭素原子を有する。約10〜約20個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルコールとこのアルコール1モル当たり約2〜約18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が特に好ましい。このタイプの商品として入手できる非イオン性界面活性剤の例には、TergitolB 15-S-9(C11〜C15直鎖状第2アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Tergitol 24-L-6 NMW(C12〜C14第1アルコールと6モルのエチレンオキシドとの狭い分子量分布を有する縮合生成物)(これらは共にUnion Carbide Corporation社より販売されている);Neodol(登録商標)45-9(C14〜C15直鎖状アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)23-6.5(C12〜C13直鎖状アルコールと6.5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)45-7(C14〜C15直鎖状アルコールと7モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)45-4(C14〜C15直鎖状アルコールと4モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(これらはShell Chemical Company社より販売されている)、Rhodasurf IT、DB及びB(これらはRhodia社より販売されている)、Plurafac LF 403(これはBASF社より販売されている)、Kyro(登録商標)EOB(C13〜C15アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)(これはThe Procter and Gamble Company社より販売されている)が包含される。その他の商品として入手できる非イオン性界面活性剤には、Shell Chemical Co.社より市販されているDobanol 91-8(登録商標)及びHoechst社より市販されているGenapol UD-080(登録商標)が包含される。この類の非イオン性界面活性剤は、一般的に「アルキルエトキシレート」と称される。
【0060】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって生成する疎水性ベースとエチレンオキシドとの縮合生成物。これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは約1500〜約1800の分子量を有し、水不溶性を示す。この疎水性部分へのポリオキシエチレン部分の添加は全体としての分子の水溶性を増大させる傾向があり、生成物の液体特徴はポリオキシエチレン含有率が縮合生成物の総重量の約50%となる時点(これはエチレンオキシド約40モルまでの縮合に対応する)までは維持される。このタイプの化合物の例には、BASF社より市販されている商品として入手可能なPluronic(登録商標)界面活性剤、及びRhodia社より市販されているAntaroxが包含される。
【0061】
プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応から得られる生成物とエチレンオキシドとの縮合生成物。これらの物質の疎水性部分は、エチレンジアミンと過剰量のプロピレンオキシドとの反応生成物から成り、一般的に約2500〜約3000の分子量を有する。この疎水性部分は、縮合生成物が約40〜約80重量%のポリオキシエチレンを含有し且つ約5000〜約11000の分子量を有する程度にエチレンオキシドと縮合させる。このタイプの非イオン性界面活性剤の例には、BASF社より市販されている商品として入手できるTetronic B化合物が包含される。
【0062】
半極性非イオン性界面活性剤は、特別な類の非イオン性界面活性剤であり、これには、約10〜約18個の炭素原子を有するアルキル部分1個と約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基より成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド;約10〜約18個の炭素原子を有するアルキル部分1個と約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基より成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド;並びに約10〜約18個の炭素原子を有するアルキル部分1個と約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基より成る群から選択される部分1個とを含有する水溶性スルホキシド:が包含される。
【0063】
半極性非イオン性洗剤界面活性剤には、次式を有するアミンオキシド界面活性剤が包含される。
【化2】

ここで、R3は約8〜約22個の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアルキルフェニル基又はそれらの混合物であり、R4は約2〜約3個の炭素原子を有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり;R5は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基又は約1〜約3個のエチレンオキシド基を有するポリエチレンオキシド基である。R5基は例えば酸素又は窒素原子を介して互いに結合して環構造を形成することができる。これらのアミンオキシド界面活性剤には、特にC10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及びC8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが包含される。
【0064】
1986年1月21日付けでLlenadoに発行された米国特許第4565647号明細書に開示された、約6〜約30個の炭素原子、好ましくは約10〜約16個の炭素原子を有する疎水性基を有するアルキル多糖類、及び親水性基が約1.3〜約10個、好ましくは約1.3〜約3個、特に好ましくは約1.3〜約2.7個の糖類単位を有する多糖類、例えばポリグリコシド。5〜6個の炭素原子を有する任意の還元性糖類、例えばグルコース、ガラクトースを用いることができ、そしてガラクトシル部分はグルコシル部分の代わりをすることができる。(随意に前記疎水性基は2位、3位、4位等において結合して、グルコシド又はガラクトシドとは対照的にグルコース又はガラクトースとなる。)糖類間結合は、例えば追加の糖類単位の1つの位置と先の糖類単位上の2位、3位、4位及び/又は6位との間であることができる。
【0065】
随意に、そしてそれほど望まれるわけではないが、疎水性部分及び多糖類部分を結合するポリアルキレンオキシド鎖を存在させることができる。好ましいアルキレンオキシドはエチレンオキシドである。典型的な疎水性基には、約8〜約18個、好ましくは約10〜約16個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が包含される。好ましくは、前記アルキル基は直鎖状飽和アルキル基である。前記アルキル基は、約3個までのヒドロキシ基を有することができ、且つ/又はポリアルキレンオキシド鎖は約10個まで、好ましくは5個未満のアルキレンオキシド部分を有することができる。好適なアルキル多糖類は、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−及びヘキサグルコシド、ガラクトシド、ラクトシド、グルコース、フラクトシド、フラクトース及び/又はガラクトースである。好適な混合物には、ココナツアルキル、ジ−、トリ−、テトラ−及びペンタグルコシド及び獣脂アルキルテトラ−、ペンタ−及びヘキサグルコシドが包含される。
【0066】
好ましいアルキルポリグリコシドは、次式を有するものである。
2O(Cn2nO)t(グリコシル)x
ここで、R2はアルキル、アルキル−フェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びそれらの混合物より成る群から選択され、ここで、前記アルキル基は約10〜約18個、好ましくは約12〜約14個の炭素原子を有し;nは2又は3、好ましくは2であり;tは0〜約10、好ましくは0であり;そしてxは約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、特に好ましくは約1.3〜約2.7である。グリコシルは、グルコースから誘導されるのが好ましい。これらの化合物を調製するためには、アルコール又はアルキルポリエトキシアルコールを最初に生成させ、次いでグルコース又はグルコース源と反応させてグルコシドを生成させる(1位における結合)。追加のグリコシル単位を次いでそれらの1位と先のグリコシル単位の2位、3位、4位及び/又は6位(好ましくは主として2位)との間に結合させることができる。
【0067】
非イオン性界面活性剤には、次式:
【化3】

を有する脂肪酸アミド界面活性剤が包含される。ここで、R6は約7〜約21個(好ましくは約9〜約17個)の炭素原子を有するアルキル基であり、そして各R7は水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、及び−(C24O)XH(ここで、xは約1〜約3の範囲である)より成る群から選択される。好ましいアミドには、C8〜C20アンモニウムアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドがある。
【0068】
非イオン性界面活性剤にはまた、テルペン系化合物、例えばNOPOLアルコキシレート、例えばNOPOLエトキシレート、プロポキシレート、ランダム又はブロックエトプロポリレート(Ethopropolylate)が包含される。かかる化合物は、Rhodia社よりRhodocleanシリーズとして市販されている。
【0069】
カチオン性界面活性剤
カチオン性洗剤界面活性剤もまた、本発明の洗剤組成物中に含ませることができる。カチオン性界面活性剤には、アンモニウム系界面活性剤、例えばアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、及び式[R2(OR3)y][R4(OR3)y]25+-を有する界面活性剤が包含される。ここで、R2はアルキル鎖中に約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル又はアルキルベンジル基であり、各R3は−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH2OH)−、−CH2CH2CH2−及びそれらの混合物より成る群から選択され;各R4はC1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ベンジル、2個のR4基が一緒になって形成される環構造、−CH2CHOHCHOHCOR6CHOH−CH2OH(ここで、R6はヘキソース又は約1000未満の分子量を有するヘキソースポリマーである)及び(yが0以外の場合に)水素より成る群から選択され;R5はR4と同じであるか又はアルキル鎖であるかであり、ここで、R2の炭素原子数+R5の炭素原子数の合計は約18以下であり;各yは0〜約10であり、y値の合計は0〜約15であり;そしてXは任意の適合性アニオンである。
【0070】
本発明において有用なその他のカチオン性界面活性剤は、1980年10月14日付でCambreに発行された米国特許第4228044号明細書にも記載されているので、これを参考用に本明細書に取り入れる。
【0071】
その他の界面活性剤
両性界面活性剤を本発明の洗剤組成物中に組み込むことができる。これらの界面活性剤は、第2若しくは第3アミンの脂肪族誘導体、又はヘテロ環式第2及び第3アミンの脂肪族誘導体(その脂肪族基は直鎖状又は分岐鎖状であることができる)として広く記載することができる。脂肪族置換基の内の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8〜約18個の炭素原子を有し、少なくとも1つはアニオン性水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する。両性界面活性剤の例については、Laughlinらに対して1975年12月30日付けで発行された米国特許第3929678号明細書の第19欄第18〜35行を参照されたい。好ましい両性界面活性剤には、いわゆる狭いピークのアルキルエトキシレート及びC6〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシプロポキシ)を含むC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)、C12〜C18ベタイン及びスルホベタイン(「サルテイン」)、C10〜C18アミンオキシド、並びにそれらの混合物が包含される。
【0072】
また、双極性界面活性剤を本発明の洗剤組成物中に組み込むこともできる。これらの界面活性剤は、第2及び第3アミンの誘導体、ヘテロ環式第2及び第3アミンの誘導体、又は第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム若しくは第三級スルホニウム化合物の誘導体として広く記載することができる。双極性界面活性剤の例については、Laughlinらに対して1975年12月30日付けで発行された米国特許第3929678号明細書の第19欄第38行〜第22欄第48行を参照されたい。両性及び双極性界面活性剤は一般的に、1種以上のアニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤と組み合わせて用いられる。
【0073】
有用な両性界面活性剤には、特にアンフォアセテート又はジアンフォアセテート、及びベタイン類(アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタイン)が包含される。
【0074】
組成物のその他の随意成分には、次のものが包含される:
・増粘用ポリマー、
・親水性ポリマー(親水性官能基は両性又は双極性ポリマーによっても提供され得る)、
・堆積剤又は堆積助剤、例えば堆積ポリマー、例えばシリコーン類、
・消泡剤、
・発泡剤、
・泡安定及び/又は強化剤、
・香料又は芳香剤、
・ビルダー(洗浄補助剤)(有機ビルダー及び無機ビルダーを含む)、
・緩衝剤、
・塩又は充填剤、
・キレート化剤、
・着色剤、
・防腐剤、
・酵素、
・腐蝕防止剤、
・スケール防止剤、
・染料又は顔料、
・蛍光増白剤
・汚れ沈殿防止剤、
・凍結−融解安定剤、
・溶剤、
・乳白剤、
・真珠光沢剤。
【0075】
この組成物には、0.0001重量%〜5重量%のポリマーを含ませることができる。この組成物は、(希釈された形又は生の形で)塗布する時に、0.005〜2重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%のポリマーを有するのが有利である。
【0076】
この組成物は、その成分を混合することによって慣用的に調製することができる。これは最終使用者がさらに希釈することができる。
【0077】
汚れ除去方法
この方法は、
(a)汚れ又は化粧を有する表面上に両性又は双極性ポリマーを含む流体組成物を注ぎ若しくは吹き付けることによって又は塗布手段を用いることによって前記組成物を前記表面に塗布する工程;
(b)同時に又は次いで、繊維質又は多孔質のすり延ばし又は塗り拡げ手段によって前記組成物を前記表面上に塗り拡げ且つ/又はすり延ばす工程;及び
(c)随意に繊維質又は多孔質乾燥手段によって前記表面から前記液体又はその一部を除去する工程:
を含み、前記表面から前記塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段及び/又は乾燥手段に汚れ又は化粧のいくらかを移動させる。
【0078】
除去及び移動させるべき汚れは、典型的には次のような無機粒子を含む:
・カーボンブラック、
・酸化炭素、
・クレー、
・化粧組成物の顔料、又は
・それらの混合物。
【0079】
汚れにはまた、追加的に又は代わりに、脂性汚れ、皮脂又は食品も含まれ得る。
【0080】
前記表面は、次のものであることができる:
・ガラス、例えば窓に含まれるもの、
・タイル若しくはセラミック、例えば台所、浴室、便器、シャワー、床、歯に含まれるもの、
・金属、例えば窓枠若しくは床に含まれるもの、
・プラスチック、例えば窓、家具、又は床に含まれるもの、特に台所若しくは浴室の家具若しくはパネル(壁板)に含まれるもの、例えばメラミン、フォーマイカ、リノレウム、
・木材若しくはレザー(随意にワックス掛けされたもの)、例えば家具若しくは床に含まれるもの、
・植物の葉、又は
・ケラチン質表面、例えば皮膚若しくは髪の毛。
【0081】
窓、床、家具又はその他の任意の硬い表面において、前記組成物は任意の慣用の手段、例えば直接吹付け、希釈後の吹付け、モップ、ガーゼ(pads)、雑巾(wipes)、布巾(cloths)、スポンジ、紙等のような媒体を用いた塗布によって塗布することができる。
【0082】
工程(a)塗布工程
工程(a)は組成物の塗布工程である。この組成物は流体の形にあり、随意に前もって希釈されたものである。
【0083】
1つの実施形態において、工程(a)は組成物を表面に注ぐことによって行われる。注ぎは、組成物が希釈されている場合にはバケツのような容器から又は組成物を含む分配瓶(適量供給瓶)から行うことができる。希釈容器からのルートは希釈型クリーナー及び/又はいわゆる「全目的型クリーナー」においてしばしば用いられる。分配瓶からのルートは台所又は浴室クリーナーにおいてしばしば用いられる。分配瓶は、ポンプ又は瓶に圧力を加えた際に噴射をもたらす手段のような好適な手段を備えたものであることができる。
【0084】
別の実施形態においては、前記組成物を表面に吹き付ける。これはしばしば台所、浴室又は窓クリーナーに用いられる。これはまた、吹付ノズルとすり延ばし又は塗り拡げ用の繊維質又は多孔質ガーゼ又は雑巾との両方を備えた床クリーニング装置においても用いられる。
【0085】
別の実施形態において、前記組成物は、希釈された形又は濃厚な形で、繊維質又は多孔質手段(例えばスポンジ、モップ、布巾、布地、紙、雑巾)のような塗布手段によって塗布される。従って、前記組成物は、上記のような塗布手段上に注ぎ又は吹き付けることができる。また、例えば前記組成物中に浸すことによって前記塗布手段に前記組成物を完全に含浸させることもできる。このルートは、例えば「濡れ雑巾」を用いる場合又はスポンジや布巾、モップをバケツや流し台のような容器中に浸す場合に、用いられる。雑巾はまた、組成物の支持体とも称される。前記塗布手段は次いで、表面に適用されるか又は一般的には工程(b)においてすり延ばし及び/若しくは塗り拡げ手段として用いられる。
【0086】
特定的な実施形態においては、ポリマーを含ませた繊維質又は多孔質支持体を濡れた表面上に接触させることによって、又は表面に前記手段を適用する前にポリマーを含ませた繊維質又は多孔質支持体を水と接触させることによって、前記組成物をその場で形成させる。この実施形態においては、支持体及び塗布手段は乾いた雑巾であることができる。
【0087】
工程(b)すり延ばし及び/又は塗り拡げ工程
工程(b)は、すり延ばし又は塗り拡げ工程である。すり延ばし及び/又は塗り拡げは、通常は上下及び/又は左右及び/又は前後に手段(すり延ばし及び/又は塗り拡げ手段)を動かすことによって、塗布面積や塗布手段面積より大きい面積に組成物を提供する動作である。多少の圧力を加える際には、すり延ばし及び/又は塗り拡げは擦り込み(rubbing)及び/又は掻き取り(scraping)と称することもできる。
【0088】
工程(a)を繊維質又は多孔質手段のような塗布手段を用いて実行した場合には、工程(b)は大抵は実際に同じ手段によって同時に実行される(すり延ばし及び/又は塗り広げ手段が塗布手段である)。
【0089】
工程(a)を組成物を表面に注ぎ又は吹き付けることによって実行した場合には、通常はその次に工程(b)を実行する。
【0090】
すり延ばし及び/又は塗り拡げ手段は、典型的には雑巾、布巾、ガーゼ、モップ、布地又は紙であることができる。
【0091】
工程(c)乾燥工程
工程(c)は乾燥工程である。この随意工程においては、可能性としての過剰量の液体を除去する。これは、表面を乾かす(何もしない)ことによって、加熱することによって、又は吸取り紙、布地若しくはスポンジ若しくは雑巾のような実質的に乾いた繊維質若しくは多孔質手段を適用することによって、実行できる。実際、すり延ばし及び/又は塗り拡げと同時に多少の乾燥が起こり得る。
【0092】
工程(a)〜(c)の内の1つ又はいくつかの際に、表面から塗布手段並びに/又はすり延ばし及び/若しくは塗り拡げ手段、並びに/又は乾燥手段への汚れや化粧の移動が起こり得る。
【0093】
有利には:
・前記塗布手段及び/若しくはすり延ばし手段及び/若しくは塗り拡げ手段及び/若しくは乾燥手段は、2より大きい、好ましくは5より大きい汚れ若しくは化粧移動指数ΔEを有し、且つ/又は
・前記表面は、2より大きい、好ましくは5より大きい汚れ若しくは化粧移動指数ΔEを有する。
【0094】
本発明に従えば、塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段は、工程(b)又は随意としての工程(c)の前よりその後の方が視覚的に汚れている。また、汚れ又は化粧の移動が同じ方法でしかし両性又は双極性ポリマーを含まない組成物を用いて達成される汚れ又は化粧移動より大きいことも好ましい。
【0095】
プロセス手段及び繊維質又は多孔質手段
上記の塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段は、例えば次のものであることができる:
・雑巾
・布巾
・布地
・ガーゼ、例えば木綿製ガーゼ、
・モップ、
・スポンジ、
・繊維質パフ、例えば木綿製パフ、
・綿棒、又は
・吸取り紙。
【0096】
これらの手段は当業者に周知であり、文献にはかかる手段の数多くの説明がある。
【0097】
雑巾のような繊維質手段は、例えばポリエステル、セルロース又はセルロース誘導体(共にセルロース系材料と解される)、ポリプロピレン繊維のような繊維及びかかる繊維を含む混合物から成る不織布である。
【0098】
多孔質手段には、スポンジが包含される。
【0099】
前記の塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段は、セルロース系材料を含むのが有利である。これは例えば:
・セルロース系繊維を含む雑巾、布巾、ガーゼ、モップ、吸取り紙若しくは布地、又は
・セルロース系若しくは部分的にセルロース系のスポンジ
である。
【0100】
前記塗布手段は、雑巾のような組成物を支持する支持体であることができる。前記塗布手段は、雑巾、スポンジ、モップ、ガーゼ、吸取り紙又は布巾のようなすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段であることができる。工程(a)、工程(b)及び随意としての工程(c)を同一の手段を用い且つ同一のすり延ばし運動(拭く動作)によって同時に行うことができる。
【0101】
1つの特定的な実施形態において、工程(a)は表面に組成物を吹き付けることを含み、そして工程(b)は繊維質又は多孔質手段(例えば雑巾、布巾、ガーゼ又はモップ)を用いて表面を拭くことを含む。
【0102】
1つの特定的な実施形態において、前記組成物は液状クリーニング組成物であり、生の形又は希釈された形で塗布され、随意に塗布工程(a)又は塗り拡げ若しくはすり延ばし工程(b)の際にその場で希釈され又はさらに希釈される。
【0103】
別の特定的な実施形態において、前記組成物は繊維質又は多孔質支持体上に支持された液体組成物であり、前記支持体は塗布手段及び/又は塗り拡げ若しくはすり延ばし手段であり、例えば濡れ雑巾である。
【0104】
別の特定的な実施形態において、前記液体組成物は、乾いた繊維質又は多孔質支持体にポリマーを含ませたものを濡れた表面と接触させた時にその場で形成されるものであり、前記支持体は、塗布手段及び/又は塗り拡げ若しくはすり延ばし手段であり、例えば乾いた雑巾である。
【0105】
別の特定的な実施形態において、前記液体組成物は、窓用クリーナー又は便器用クリーナーのような非希釈型クリーナーであり、生の形で表面に塗布され、随意に塗布工程(a)又は塗り拡げ若しくはすり延ばし工程(b)の際にその場で希釈され又はさらに希釈される。
【実施例】
【0106】
以下、非限定的な実施例によって本発明のさらなる詳細や利点を示す。
【0107】
Eurowipes社からの標準的な雑巾(ビスコース)に台所クリーニングタイプの配合物を含浸させる。
【0108】
台所クリーナー配合物:
・Rhodoclean EFC:1%(Rhodia社)
・Mirataine H2CHA:0.9%(ジアンフォアセテート界面活性剤、Rhodia社)
・IPA:3%
・Dowanol PNB:3%(溶剤、Dow Chemical社)
・Mirapol Surf S 200:3%又は0%(両性ポリマーを含む溶液、Rhodia社)
・NaOH、pH約8に調節
・水(純粋なもの)100%になる量
【0109】
含浸及び乾燥のプロトコル:
【0110】
含浸
雑巾にビーカー中で被検配合物を含浸させる(雑巾1g当たり溶液2g)。次いでこれらを軽くしぼり(液滴が落ちない程度)、密閉プラスチック袋中に貯蔵して乾燥を待つ。雑巾を使用直前まで密閉プラスチック袋中に貯蔵する。
【0111】
次いで性能を視覚的に評価する
表面を(湿った)雑巾で拭く。床の表面は「ナチュラルフロア」である。台所の表面は台所汚れで処理された白色セラミックタイルである。図1は、Mirapol Surf S 200を含まない比較用組成物を含浸させた雑巾で拭いた後の写真である。図2は、Mirapol Surf S 200を含む組成物を含浸させた雑巾で拭いた後の写真である。
【0112】
両性ポリマーを含有させた雑巾については、目に見える「汚れピックアップ」がある。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】Mirapol Surf S 200を含まない比較用組成物を含浸させた雑巾で拭いた後の写真である。
【図2】Mirapol Surf S 200を含む組成物を含浸させた雑巾で拭いた後の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面から汚れ又は化粧を除去するための方法であって、
(a)汚れ又は化粧を有する表面上に両性又は双極性ポリマーを含む流体組成物を注ぎ若しくは吹き付けることによって又は塗布手段を用いることによって前記組成物を前記表面に塗布する工程;
(b)同時に又は次いで、繊維質又は多孔質のすり延ばし又は塗り拡げ手段によって前記組成物を前記表面上に塗り拡げ且つ/又はすり延ばす工程;及び
(c)随意に繊維質又は多孔質乾燥手段によって前記表面から前記液体又はその一部を除去する工程:
を含み、前記表面から前記塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段及び/又は乾燥手段に汚れ又は化粧を移動させる、前記方法。
【請求項2】
前記表面が
・家庭内若しくは公共施設にある硬い表面、
・歯、
・皮膚若しくは髪の毛のようなケラチン質表面、又は
・植物:
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塗布手段及び/若しくはすり延ばし手段及び/若しくは塗り拡げ手段及び/若しくは乾燥手段が2より大きい、好ましくは5より大きい汚れ若しくは化粧移動指数ΔEを有し、且つ/又は前記表面が2より大きい、好ましくは5より大きい汚れ若しくは化粧移動指数ΔEを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段及び/又は乾燥手段が工程(b)又は随意としての工程(c)の前よりその後の方が視覚的に汚れている、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
汚れ又は化粧の移動が同じ方法でしかし両性又は双極性ポリマーを含まない組成物を用いて達成される汚れ又は化粧の移動より大きい、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
移動する汚れが
・次のもの:
・・カーボンブラック、
・・酸化炭素、
・・クレー、
・・化粧組成物の顔料、若しくは
・・それらの混合物
のような無機粒子、及び/又は
・脂性汚れ、皮脂若しくは食品
を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記表面が
・ガラス、例えば窓ガラス、
・タイル若しくはセラミック、例えば台所、浴室、便器、シャワー、歯に含まれるもの、
・金属、例えば窓枠に含まれるもの、
・プラスチック、例えばフォーマイカ、リノレウム、例えば床、窓若しくは家具、特に台所若しくは浴室の家具若しくはパネルに含まれるもの、
・木材若しくはレザー、例えば家具に含まれるもの、
・植物の葉、又は
・ケラチン質表面、例えば皮膚若しくは髪の毛
である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記塗布手段及び/又はすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段がセルロース系材料を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記塗布手段及び/又はすり延ばし及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段が、
・セルロース系繊維を含む雑巾、布、ガーゼ、モップ、吸取り紙若しくは布地、又は
・セルロース系若しくは部分的にセルロース系のスポンジ
である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記塗布手段が雑巾のような組成物を支持する支持体である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記塗布手段が雑巾、スポンジ、モップ、ガーゼ、吸取り紙又は布のようなすり延ばし手段及び/又は塗り拡げ手段、及び/又は乾燥手段である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
工程(a)、工程(b)及び随意としての工程(c)を同一の手段を用い且つ同一のすり延ばし運動によって同時に行う、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
工程(a)が表面に組成物を吹き付けることを含み、且つ工程(b)が雑巾、布、ガーゼ又はモップのような繊維質又は多孔質手段を用いて表面を拭くことを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ポリマーが
・カチオン性又は潜在的にカチオン性の単位C、
・アニオン性又は潜在的にアニオン性の単位A、及び
・随意としての非イオン性親水性又は疎水性単位N:
を含む両性ポリマーである、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記カチオン性又は潜在的にカチオン性の単位が、
・MAPTAC、MAPTA−MES、
・DADMAC、
・DIQUAT、
・ADAMQUAT、MADAMQUAT、
・DMAEMA、及び
・DMAPMA
より成る群から選択されるカチオン性又は潜在的にカチオン性のモノマーから誘導される単位である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アニオン性又は潜在的にアニオン性の単位が、
・アクリル酸(AA)、メタクリル酸、
・スルホン酸ビニル、
・スチレンスルホネート、及び
・AMPS
より成る群から選択されるアニオン性又は潜在的にアニオン性のモノマーから誘導される単位である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記非イオン性親水性単位が、
・アクリルアミド(AM)、
・メタクリルアミド
より成る群から選択される非イオン性親水性モノマーから誘導される単位である、請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記非イオン性疎水性単位が、
・スチレン、及び
・アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル
より成る群から選択される非イオン性疎水性モノマーから誘導される単位である、請求項14〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマーが、
・MAPTAC、AA及び随意としてのAMから誘導されるポリマー、
・DADMAC、AA及び随意としてのAMから誘導されるポリマー{DADMACとAAとの間のモル比は好ましくは50/50より大きく、(DADMAC及びAA)と(存在させる場合の)AMとの間のモル比は好ましくは67/33より大きい}、又は
・DIQUAT、AA及び随意としてのAMから誘導されるポリマー{DIQUATとAAとの間のモル比は好ましくは20/80〜80/20の範囲であり、(DIQUAT及びAA)と(存在させる場合の)AMとの間のモル比は好ましくは67/33より大きい}
である、請求項14〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記ポリマーが
(a')カチオン電荷及びアニオン電荷を同じ単位上に有する双極性単位;
(b')随意としての、アニオン性若しくは潜在的にアニオン性の単位又は非イオン性親水性若しくは疎水性単位であるその他の単位:
を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記双極性単位が
・カルボキシベタイン単位、カルボキシピロリジニウム単位、
・スルホベタイン単位、スルホピロリジニウム単位、
・ホスホノベタイン単位、又はホスホノピロリジニウム単位
である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が
・水性、アルコール性又はヒドロキシアルコール性媒体であるキャリヤー媒体、
・ポリマー、
・随意としての、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又はそれらの混合物である界面活性剤、
・随意としてのさらなる成分
を含む、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記組成物がクリーニング組成物であり、生の形又は希釈された形で、随意に塗布工程(a)又は塗り拡げ若しくはすり延ばし工程(b)の際にその場で希釈され又はさらに希釈されてから、表面に塗布される、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記組成物が繊維質又は多孔質支持体上に支持された液体組成物であり、前記支持体が塗布手段及び/又は塗り拡げ若しくはすり延ばし手段であり、例えば濡れ雑巾である、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記液体組成物が、前記ポリマーを含ませた乾いた繊維質又は多孔質支持体を濡れた表面と接触させた時にその場で形成され、前記支持体が塗布手段及び/又は塗り拡げ若しくはすり延ばし手段であり、例えば乾いた雑巾である、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記液体組成物が窓用クリーナー又は便器用クリーナーのような非希釈型クリーナーであり、生の形で表面に塗布され、随意に塗布工程(a)又は塗り拡げ若しくはすり延ばし工程(b)の際にその場で希釈され又はさらに希釈される、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
家庭内又は公共施設にある表面から汚れを除去するための液体組成物中における汚れ除去を改善するための両性又は双極性ポリマーの使用。
【請求項28】
前記液体組成物が請求項1〜26のいずれかに記載の方法において用いられる、請求項27に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−503161(P2009−503161A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523221(P2008−523221)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007324
【国際公開番号】WO2007/017098
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】