説明

表面にモザイク模様を持つ床材とその製造方法

【課題】製造が比較的容易であり、かつ一部を除去することが必要となったときに、容易にその部分を除去できるようにした、表面にモザイク模様を持つ床材を得る。
【解決手段】第1の床基材10a,10bから第1の長尺部材11a,11bを切り出し、サネ加工14,15を施す。第1の長尺部材11a,11bを交互にサネ同士を接着剤により接合して第2の床基材20とする。第2の床基材20を接着接合しているサネの方向に直交する方向に裁断して第2の長尺部材21を切り出し、長辺側にサネ加工16、17を施すことで、床材30とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にモザイク模様を持つ床材とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モザイク模様を表面模様として持つフロアは知られており、モザイクフロアあるいはパーケットフロアなどと呼ばれている。施工に当たっては、表面にモザイク模様を持つ床材を作り、その複数枚を床下地に対して接着剤を用いて貼り付ける。モザイク模様を表面に持つ床材を作る方法として、特許文献1には、異なった表面柄模様を持つ多数の単位ピースを可撓性のある材料で作った矩形状の下地材に貼着して1つの床材とする方法が記載され、特許文献2には、複数の単位材をモザイク状に貼着集成して集成物を作り、そこからスライスして得た表面化粧材を合板のような芯材に貼り付けてモザイク模様を表面模様に持つ床材とする方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−280646号公報
【特許文献2】特開平10−58406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の表面にモザイク模様を持つ床材は、特許文献1,2に記載のように、一枚の下地材の上にモザイク模様となるようにして表面層を形成するようにしており、施工現場での寸法合わせなどの理由から、長手方向の途中で裁断することが必要となったときに、適切で裁断することが容易でなかった。製造に当たっても、多数の単位ピースを別途用意し、それを下地材に一枚ずつ貼着する作業、あるいは、複数の単位材をモザイク状に貼着集成した集成物を作り、そこから表面化粧材をスライスして下地材に貼り付ける作業など、多くの作業が必要であった。
【0005】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、製造が比較的容易であり、かつ一部を除去することが必要となったときに、容易にその部分を除去できるようにした、表面にモザイク模様を持つ床材と、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による表面にモザイク模様を持つ床材は、4周にサネを有する2個以上の単位ピースが、隣接する単位ピースの側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合することによって1枚の床材とされていることを特徴とする。
【0007】
本発明による床材では、各単位ピースの表面模様が長手方向に連続することにより、表面にモザイク模様が形成される。各単位ピースは、サネ同士(例えば、一方のオスサネと他方のメスサネ同士)の接合部に塗布した接着剤により接合した状態であり、必要なときには、任意のサネ接合部から単位ピースを容易に分離することができる。従って、施工現場での床材の寸法合わせ作業はきわめて容易となる。接着剤として、硬化後にも柔軟性のあるホットメルト系接着剤を用いることにより、分離をより容易化することができる。サネ加工の形状は、容易に分離・着脱可能なサネ形状であればよく、特に制限はないが、より一層容易に分離できることから、本サネ形状が好適である。
【0008】
単位ピースは、基材としての合板あるいはMDFのような加工木質材の表面に突き板のような化粧層を貼り付けたものでもよく、無垢薄板の上面に塗装などにより化粧層を形成したものでもよく、複数枚の銘木の無垢薄板材を積層接着したものの上面に塗装などにより化粧層を形成したものでもよい。
【0009】
本発明の床材において、床材を構成する単位ピースはすべて同じ形状の単位ピースであってもよく、形状の異なる2種以上の単位ピースで構成されていてもよい。後者の場合、形状の異なる単位ピースを一定のパターンを繰り返すようにして長手方向に配列することにより、より意匠性の高い床材が得られる。
【0010】
本発明による床材の好ましい態様では、床材を構成する各単位ピースは表面に木目模様を有しており、隣接する単位ピースが木目模様の方向が異なるようにして接合されている部分を少なくとも一か所に有すことを特徴とする。木目模様はすべてが同じであってもよく、一部が異なっていてもよく、すべてが異なっていてもよい。隣接している木目模様の方向を異ならせることにより、意匠性に富んだモザイク模様を持つ床材とすることができる。
【0011】
本発明による床材の好ましい態様では、床材の長手方向側縁の表面側縁部と単位ピース同士の接合部分における表面側縁部には面取り加工が施されていることを特徴とする。このように面取り加工を施すことにより、表面意匠のアクセント感が出現する。R形状の面取り加工部を形成する場合には、床材に触れたときの感触がソフトなものとなり、一層の高級感が醸し出される。
【0012】
本発明は、上記の床材を製造する方法として、第1の床基材から第1の長尺部材を切り出す工程、前記第1の長尺部材の少なくとも長辺側にサネ加工を施す工程、前記サネ加工が施された2枚以上の第1の長尺部材を長手方向の側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合して第2の床基材を形成する工程、前記第2の床基材を接着接合しているサネの方向に直交する方向に裁断して第2の長尺部材を切り出す工程、前記第2の長尺部材の長辺側にサネ加工を施す工程、とを少なくとも有することを特徴とする表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法、をも開示する。
【0013】
本発明の方法において、出発材としての第1の床基材は、上記した床材を構成する単位ピースの素材となるものであり、前記したように、基材としての合板あるいはMDFのような加工木質材の表面に突き板のような化粧層を貼り付けたものでもよく、銘木の無垢薄板の上面に塗装などにより化粧層を形成したものでもよく、複数枚の銘木無垢薄板材を積層接着したものの上面に塗装などにより化粧層を形成したものでもよい。その大きさと形状は、製造しようとする床材の短手方向幅よりも大きな縦横寸法を持つ矩形状板材であればよいが、生産性の観点から、縦横共に製造しようとする床材の短手方向幅の数倍以上であることが望ましい。
【0014】
第1の床基材から切り出す第1の長尺部材の短手方向幅は、製造しようとする床材のモザイク模様の横幅に合わせて決められる。もし、縦横長さが等しい正方形状のモザイク模様の繰り返しを表面柄に持つ床材を製造する場合には、製造しようとする床材の短手方向幅(サネ加工部を含む幅)と等しい幅で、第1の床基材を裁断する。裁断(切り出し)はランニングソーなどを用いて行うことができる。
【0015】
切り出した第1の長尺部材の少なくとも長辺側に、従来の床材の場合と同様にして、テノーナーなどの加工機械を用いて、サネ加工を行う。また、好ましくは、長手方向の側縁の表面側縁部に面取り加工も施す。この面取り加工を施すことにより、表面意匠のアクセント感が出現する。特に面取り加工部がR形状の場合には、触れたときの感触がソフトな床材が最終的に製造される。
【0016】
加工後の2枚以上の第1の長尺部材を長手方向の側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合して第2の床基材を形成する。何枚の第1の長尺部材を接合するかは、製造しようとする床材の長手方向の幅を考慮して決められる。接着剤は任意であるが、好ましくは、硬化後も柔軟性のあるホットメルト系接着剤を用いる。それにより、製造された床材から所要の単位ピースを分離する作業を容易化することができる。
【0017】
製造した第2の床基材を、第1の長尺部材同士を接着接合しているサネの方向に直交する方向に裁断して第2の長尺部材を切り出す。切り出す第2の長尺部材の幅(短手方向幅)が、製造しようとする床材のサネ加工部を含めた短手方向幅となる。この裁断(切り出し)はランニングソーなどを用いて行うことができる。切り出した第2の長尺部材の長辺側にテノーナーなどの加工機械を用いてサネ加工を施し、好ましくは、サネ加工面の表面側縁部に面取り加工も施す。それにより、本発明による表面にモザイク模様を持つ床材は完成する。
【0018】
上記の製造方法において、表面に連続した化粧模様(例えば、連続する木目模様)を持つ1種類の第1の床基材を用いて、すべての工程を行うこともできる。その場合でも、単位ピース同士の接合部には、好ましくは面取り加工が施された衝接面が存在するので、床材を見る者は、表面に矩形状に分離したモザイク模様を視認することができる。しかし、模様の方向性が実質的に同じであり、意匠として不十分であることが多い。
【0019】
それを回避するために、本発明による製造方法の他の態様では、前記第1の床基材として表面の木目模様の異なる2枚以上の第1の床基材を用い、それらを用いて前記第1の長尺部材を切り出す工程を行い、切り出された第1の長尺部材の少なくとも長辺側にサネ加工を施す工程を行った後、同一の第1の床基材から切り出された第1の長尺部材との間に他の第1の床基材から切り出された第1の長尺部材が位置している状態を少なくとも一か所に有するようにして前記第2の床基材を形成する工程を行うようにする。
【0020】
この態様では、隣接する単位ピースの模様を大きく異ならせることが可能であり、モザイク模様の意匠性、すなわち床材としての商品価値は高くなる。木目模様と共に模様の方向性も異なる2種以上の第1の床基材を用いることにより、さらに意匠性の高いモザイク模様が得られる。基材の表面に化粧突き板を貼り付けた板材を第1の床基材として用いる場合には、同じものを90度方向を変えた状態で第1の長尺部材の切り出しを行うことにより、表面の木目模様の異なる2枚以上の第1の床基材を用いたものと同じ結果を作り出すことができる。
【0021】
本発明による製造方法の他の態様では、同一または異なる第1の床基材から第1の長尺部材とは異なる横幅である第3の長尺部材を切り出す工程をさらに有し、第1の長尺部材の間に第3の長尺部材が位置している状態を少なくとも一か所に有するようにして前記第2の床基材を形成する工程を行うことを特徴とする。
【0022】
この方法により製造される床材では、横幅の異なる単位ピースが不規則的にあるいは規則的に一枚の床材中に存在することとなり、モザイク模様はさらに高い意匠性を持つようになる。横幅の異なる単位ピースの表面模様は、それぞれ異なっていてもよく、同じものが含まれていてもよい。すべて同じであってもよい。上記の製造方法において、前記第3の長尺部材の長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す工程をさらに有することは望ましく、このように面取り加工(例えばR形状の面取り加工)を施すことにより、触れたときの感触がソフトな床材を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、製造が比較的容易であり、かつ一部を除去することが必要となったときに、容易にその部分を除去できるようにした、表面にモザイク模様を持つ床材が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法の第1の実施の態様を工程順に説明する図であり、図2は製造された床材を床下地面に敷き詰める状態を説明するための模式図である。図3は第2の実施の形態を、図4は第3の実施の形態を、工程順に説明する図である。
【0025】
図1に示す態様では、出発材料である第1の床基材として、図1aに示すように、2種類の床基材10a,10bを用いている。この例において、2つの床基材10a,10bは、いずれも、1525mm×1525mmであるバーチ薄板を木目方向を交互に直交させながら9層積層して12mm厚としたものである。それを、床基材10aでは木目方向を縦方向にして使用し、床基材10bでは木目方向を横方向にして使用している。第1の床基材の構成や寸法がこれに限らないことはもちろんであり、例えば、合板基材に化粧単板を貼着したものでもよい。
【0026】
上記2つの第1の床基材10a,10bをランニングソーにセットして、図1bに示すように、適宜の寸法の第1の長尺部材11a、11bを切り出す。この例では、一方の第1の床基材10aからは、313mm×1284mmである4枚の長尺部材11aを切り出し、他方の第1の床基材10bからも、同じ寸法313mm×1284mmである4枚の長尺部材11bを切り出している。切り出し方向を同じにしているので、一方の長尺部材11aの木目方向は長辺方向であり、他方の長尺部材11bの木目方向は短辺方向である。切り出した長尺部材11a,11bの寸法との関係で、この例では、261mm×1284mmである第1の余剰材12a,12b(木目方向は長辺方向)と、1521mm×238mmである第2の余剰材13a,13b(木目方向は短辺方向)が同時に切り出される。このような余剰材は、後記する第2の実施形態では床材構成材料として有効利用される。このような余剰材が出ないように、第1の床基材10a,10bの寸法を予め設定することも、当然に可能である。
【0027】
切り出した長尺部材11a,11bに対して、テノーナーを用いて、その対向する2つの長辺側にサネ加工を行う。このサネ加工は従来の床材において行われているものと同じであってよく、それにより、図1cに示すように、一方の長辺側にオスサネ14が、他方の長辺側にメスサネ15が形成された、実寸法が303mm×1284mmの長尺部材11a,11bが得られる。好ましくは、さらに、第1の長尺部材11a,11bの長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す。
【0028】
次ぎに、2つの第1の長尺部材11a,11bの組み付けを行って、第2の床基材20とする。その際に、同一の第1の床基材(例えば、第1の床基材10a)から切り出した第1の長尺部材11a、11aの間に他の第1の床基材(この例では、第1の床基材10b)から切り出した第1の長尺部材11bが位置している状態が、少なくとも一か所に形成されるようにして、組み付けを行う。
【0029】
ここでは、図1dに示すように、2枚の第1の長尺部材11aと2枚の第1の長尺部材11bとを交互に配置して、計4枚の第1の長尺部材で第2の床基材20としている。それにより、組み付け後の第2の床基材20は、組み付けた第1の長尺部材の木目方向が一枚ごとに異なったものとなる。なお、何枚の第1の長尺部材を組み付けるかは、製造しようとする床材の長さによって決められるが、この例で、第2の床基材20の寸法は1212mm×1284mmであり、実寸法1212mmの長さの床材30が最後に製造されることとなる。
【0030】
なお、各第1の長尺部材に当たっては、長手方向の側辺に形成したオスサネ14とメスサネ15をサネ結合をなすようにして組み付ける。サネ接合部には容易には分離しない程度に接着剤を塗布する。接着剤には、好ましくは、ホットメルト系接着剤を用いる。
【0031】
第2の床基材20をランニングソーに掛け、図1eに示すように、その接着接合しているサネの方向に直交する方向に、所定幅で裁断する。どの程度の幅で裁断するかは、製造しようとする床材の短辺側の幅によって決められるが、この例では、313mmの幅で裁断して、4枚の第2の長尺部材21を得るようにしている。
【0032】
次ぎに、図1fに示すように、テノーナーを用いて、得られた各第2の長尺部材21の対向する2つの長辺側にサネ加工を行う。このサネ加工も従来の床材において行われているものと同じであってよく、それにより、上方の長辺側にオスサネ16が、下方の長辺側にメスサネ17が形成される。好ましくは、さらに、長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す。左右の側辺側(短辺側)には、既に、オスサネ14、メスサネ15が形成されているので、長辺側にサネ加工を行うことにより、4つの単位ピースPが接着接合して形成された、実寸法が303mm×1212mmであり4周にサネを有する床材30が形成される。その表面は、実質的に正方形である木目模様(単位ピースP表面の木目模様)が、その方向を交互に直交するようにして長手方向に配列したモザイク模様となっている。
【0033】
図2は、図1fに示した床材30を床下地の上に敷き詰めるときに一例を示している。フロア面に同じパターンのモザイク模様を形成しようとすると、床材30を構成する単位ピースPの1つ分だけずらした姿勢で、多数枚の床材30を順次敷き詰めることが必要であり、そのために、フロアの壁面では、どうしても1つあるいは2つ以上の単位ピースP1を床材30から除去した後に、床下地上に敷き詰めることが必要となる。本発明による床材30では、複数個の単位ピースPがサネ接合と接着剤とにより相互に連接しているので、この単位ピースPaの分離作業はきわめて容易となり、現場での作業性は大きく向上する。
【0034】
また、床材30の製造に当たっては、適宜の方法で予め製造した第1の床基材を用いるのみであり、途中の構成は、切り出しとサネ加工のみであるので、製造工程も簡素化されかた容易となる。
【0035】
図3に基づき、本発明による製造方法の第2の形態を説明する。この例では、図3aに示すように、1種類の第1の床基材10aのみを用いている。第1の形態と同様にして第1の床基材10aから第1の長尺部材11aを切り出す。それにより、図3bに示すように、4枚の第1の長尺部材11aと共に、261mm×1284mmである第1の余剰材12a(木目方向は長辺方向)と、1521mm×238mmである第2の余剰材13a(木目方向は短辺方向)が同時に切り出される。この態様では、第2の余剰材13a(木目方向は短辺方向)を有効利用する。
【0036】
図3bに示すように、第2の余剰材13aから、長さは第1の長尺部材11aと同じ長さ(1284mm)であり、幅は任意である第3の長尺部材11cを切り出す。図3cに示すように、切り出した第3の長尺部材11cをその長辺方向が第1の長尺部材11aの長辺方向と同じ方向になるように並べると、第3の長尺部材11cの木目方向は第1の長尺部材11aの木目方向に対して直交した方向となる。
【0037】
その状態で、図3dに示すように、第1の長尺部材11aと第3の長尺部材11cとを交互に配置して、図1に示したと同様にして、第2の床基材20aとする。以下、図1に示した第1の形態と同じ工程を経て、第2の長尺部材21aを作り(図3e)、さらに床材30a(図3f)とする。製造される床材30aは、2種類の単位ピースP,Paの組み合わせとなっており、単位ピースPは、図1に示した床材30を構成する単位ピースPと同じものであり、単位ピースPaは、第2の余剰材13aから第3の長尺部材11cを切り出すときの横幅に従って規定される。この場合、余剰材13aを使用しており、広い幅のものは確保できないので、通常の場合、図示のもののように、単位ピースPaの横幅は単位ピースPよりも幅の狭いものとなる。
【0038】
図4に示す第3の形態は、実質的に図1に示した第1の形態のものと同じである。ただ、第1の長尺部材11a、11bの寸法は162mm×1525mmと横幅が狭いものであり、正方形のモザイク模様を得るために、第2の床基材20bから第2の長尺部材21bを切り出すときの幅も162mmと狭い幅としている。そして、最終的に、実寸法が151.5mm×1212mmであり4周にサネを有する床材30bが形成される。このように、同じ第1の床基材10を用いても、第1の長尺部材11を切り出すときの幅を変えることにより、異なったモザイク模様を持つ床材30bを製造することができる。
【0039】
なお、以上の説明では、第1の長尺部材として2種類のものを用いる例を説明したが、横幅あるいは模様の絵柄や方向の異なる3種以上の第1の長尺部材を用い、それらを適宜配列して第2の床基材を作ることもできる。それにより、より変化に富んだモザイク模様を表面に持つ床材が得られる。また、寸法を示すすべての数値はあくまでも例示であって、所望に応じて任意の寸法のものを用いかつ製造できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法の第1の実施の態様を工程順に説明する図。
【図2】製造された床材を床下地面に敷き詰める状態を説明するための模式図。
【図3】本発明による製造方法の第2の実施の形態を工程順に説明する図。
【図4】本発明による製造方法の第3の実施の形態を工程順に説明する図。
【符号の説明】
【0041】
10a,10b…第1の床基材、11a、11b…第1の長尺部材、11c…第3の長尺部材、12a,12b…第1の余剰材、13a,13b…第2の余剰材、14,15,16,17…サネ、20、20a、20b…第2の床基材、21、21a…第2の長尺部材、P,Pa…単位ピース、30,30a,30b…床材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にモザイク模様を持つ床材であって、4周にサネを有する2個以上の単位ピースが、隣接する単位ピースの側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合することによって1枚の床材とされていることを特徴とする床材。
【請求項2】
床材を構成する単位ピースはすべて同じ形状の単位ピースであることを特徴とする請求項1に記載の床材。
【請求項3】
床材を構成する単位ピースは形状の異なる2種以上の単位ピースで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の床材。
【請求項4】
床材を構成する各単位ピースは表面に木目模様を有しており、隣接する単位ピースが木目模様の方向が異なるようにして接合されている部分を少なくとも一か所に有すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床材。
【請求項5】
床材の長手方向側縁の表面側縁部と単位ピース同士の接合部分における表面側縁部には面取り加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床材。
【請求項6】
接着剤として柔軟性のあるホットメルト系接着剤が用いられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の床材。
【請求項7】
第1の床基材から第1の長尺部材を切り出す工程、
前記第1の長尺部材の少なくとも長辺側にサネ加工を施す工程、
前記サネ加工が施された2枚以上の第1の長尺部材を長手方向の側辺に形成したサネ同士を接着剤により接合して第2の床基材を形成する工程、
前記第2の床基材を接着接合しているサネの方向に直交する方向に裁断して第2の長尺部材を切り出す工程、
前記第2の長尺部材の長辺側サネ加工を施す工程、
とを少なくとも有することを特徴とする表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法。
【請求項8】
前記第1の床基材として表面の木目模様の異なる2枚以上の第1の床基材を用い、それらを用いて前記第1の長尺部材を切り出す工程を行い、切り出された第1の長尺部材の少なくとも長辺側にサネ加工を施す工程を行った後、同一の第1の床基材から切り出された第1の長尺部材との間に他の第1の床基材から切り出された第1の長尺部材が位置している状態を少なくとも一か所に有するようにして前記第2の床基材を形成する工程を行うことを特徴とする請求項7に記載の表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法。
【請求項9】
前記第1の長尺部材および第2の長尺部材の長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す工程をさらに有することを特徴とする請求項7または8に記載の表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法。
【請求項10】
同一または異なる第1の床基材から第1の長尺部材とは異なる横幅である第3の長尺部材を切り出す工程をさらに有し、第1の長尺部材の間に第3の長尺部材が位置している状態を少なくとも一か所に有するようにして前記第2の床基材を形成する工程を行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法。
【請求項11】
前記第3の長尺部材および第2の長尺部材の長手方向側縁の表面側縁部に面取り加工を施す工程をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法。
【請求項12】
接着剤として柔軟性のあるホットメルト系接着剤を用いることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の表面にモザイク模様を持つ床材の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−9444(P2007−9444A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−188670(P2005−188670)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】