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表面に凸部を有する樹脂粒子及びその製造方法、それを用いた塗布用組成物、塗布物及び外用剤
説明

表面に凸部を有する樹脂粒子及びその製造方法、それを用いた塗布用組成物、塗布物及び外用剤

【課題】光拡散性等に優れた表面に凸部を有する樹脂粒子を提供する。
【解決手段】粒子径が10〜500μmで、表面全面にわたって光が照射された際に乱反射し得る複数の凸部を有する略球状の樹脂粒子であり、樹脂粒子1個につき1枚撮影した写真からの投影図から計測される、樹脂粒子の外周に存在する複数の凸部の数が、8個以上であり、外周に存在する複数の凸部の高さの平均値が、粒子径の2〜10%であることを特徴とする表面に凸部を有する樹脂粒子により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に凸部を有する樹脂粒子及びその製造方法、それを用いた塗布用組成物、塗布物及び外用剤に関する。更に詳しくは、本発明は、光拡散性、つや消し効果、触感に優れた特性を有し、つや消し剤、化粧品、光拡散フィルム、光拡散板、防眩フィルム、LED照明カバー等への添加剤として有用な表面に凸部を有する樹脂粒子及びその製造方法、それを用いた塗布用組成物、塗布物及び外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な球状の粒子とは異なり、特殊な形状を有する粒子は、光拡散性や触感等において特異な性質を有するため、塗料のつや消し剤、化粧品等の分野において、特殊な形状に起因する特異な性質を有する粒子の可能性が期待されている。更に、近年では、画像表示装置の分野において、光拡散板や光拡散フィルム、防眩フィルムといった用途でも多く使用されている。
【0003】
特殊な形状を有する粒子としては、ラジカル重合可能な不飽和モノマーと重合体化合物からなる混合物をラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合させて得られる多孔質で表面が凹凸形状をした粒子が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−7704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1で開示される粒子は、凸部の割合(凸部の高さや数)が充分なものとは言えず、球形に近い形状をしているため、球状の粒子とは大きく異なると言えるほどの光拡散性等の光学特性を有していないことが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者は、粒子表面に所定の高さを有する凸部を所定個数有する樹脂粒子が、光拡散性等の光学特性に非常に優れていることを見出して本発明に至った。
【0007】
かくして本発明によれば、粒子径が10〜500μmで、表面全面にわたって光が照射された際に乱反射し得る複数の凸部を有する略球状の樹脂粒子であり、樹脂粒子1個につき1枚撮影した写真からの投影図から計測される、樹脂粒子の外周に存在する複数の凸部の数が、8個以上であり、外周に存在する複数の凸部の高さの平均値が、粒子径の2〜10%であることを特徴とする表面に凸部を有する樹脂粒子が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、上記の表面に凸部を有する樹脂粒子の製造方法であって、ビニル系モノマー100重量部及び非架橋アクリル系ポリマー1〜30重量部を界面活性剤の存在下で懸濁重合して樹脂粒子を得る工程を含み、前記界面活性剤が、炭素数4〜40の直鎖状でエステル基を含んでいてもよい非反応性のリン酸化合物であることを特徴とする表面に凸部を有する樹脂粒子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明による表面に凸部を有する樹脂粒子は、粒子径の2〜10%と粒子径に対して大きな割合を占める高さの凸部を粒子表面に8個以上有するので、球状の粒子とは大きく異なる光拡散性等の光学特性を備えている。このような光拡散性を備える樹脂粒子は、塗料のつや消し剤、化粧品として、また、画像表示装置の光拡散板や光拡散フィルム、防眩フィルム、LED照明カバー等への添加剤として好適に用いることができる。
【0010】
また、表面に凸部を有する樹脂粒子が、ビニル系モノマー100重量部及び非架橋アクリル系ポリマー1〜30重量部に由来する重合体成分を含む場合、光拡散性とともに透明性にも優れた樹脂粒子を実現することができる。
【0011】
また、上記のビニル系モノマーが、アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーである場合、更に光拡散性や透明性に優れた樹脂粒子が得られる。
【0012】
また、非架橋アクリル系ポリマーが、イソブチルメタクリレート重合体又はイソブチルメタクリレートとメタクリル酸メチルの共重合体である場合、更に光拡散性や透明性に優れた樹脂粒子が得られる。
【0013】
また、本発明による表面に凸部を有する樹脂粒子を用いた塗布用組成物は優れた光拡散性を有するため、この塗布用組成物による塗布物は、つや消し剤として好適に用いられる。
【0014】
また、本発明による表面に凸部を有する樹脂粒子を用いた外用剤は、球状の樹脂粒子を用いた外用剤と比べて、多くの化粧料や外用医薬品を含有できるので、化粧料や外用医薬品の皮膚への浸透量及び浸透持続時間の改善が期待される。
【0015】
また、本発明による表面に凸部を有する樹脂粒子の製造方法により、球状の粒子とは大きく異なる光拡散性等を有する、表面に凸部を有する樹脂粒子を製造することが可能となる。この製造方法により得られる表面に凸部を有する樹脂粒子は、塗料のつや消し剤、化粧品として、また、画像表示装置の光拡散板や光拡散フィルム、防眩フィルム、LED照明カバー等への添加剤として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1による樹脂粒子のSEM像である。
【図2】本発明の実施例2による樹脂粒子のSEM像である。
【図3】本発明の実施例3による樹脂粒子のSEM像である。
【図4】本発明の実施例4による樹脂粒子のSEM像である。
【図5】本発明の比較例1による樹脂粒子のSEM像である。
【図6】本発明の比較例2による樹脂粒子のSEM像である。
【図7】本発明の比較例3による樹脂粒子のSEM像である。
【図8】本発明の比較例4による樹脂粒子のSEM像である。
【図9】本発明の比較例5による樹脂粒子のSEM像である。
【図10】本発明による樹脂粒子表面の凸部の数及び高さを測定する方法を説明する概略図である(概略図は、樹脂粒子の投影図を基にスケッチしたものである)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による表面に凸部を有する樹脂粒子(以下、単に樹脂粒子ともいう)は、粒子径が10〜500μmで、表面全面にわたって光が照射された際に乱反射し得る複数の凸部を有する略球状の樹脂粒子である。樹脂粒子1個につき1枚撮影した写真からの投影図から計測される、樹脂粒子の外周に存在する複数の凸部の数が、8個以上であり、外周に存在する複数の凸部の高さの平均値が、粒子径の2〜10%である。上記の高さ及び個数の凸部を有しないと、公知の表面に凹凸を有する球状の樹脂粒子と大きく異なる光学特性を期待できないからである。なお、樹脂粒子の外周に存在する複数の凸部の数及び高さの具体的な測定方法については、実施例で説明する。
【0018】
本発明による表面に凸部を有する樹脂粒子は、従来の粒子、例えば、表面は凹凸状ではあるが全体的な形状は球状の粒子と比べて、優れた光拡散性を有している。このような光拡散性については、バインダー樹脂に本発明の樹脂粒子を分散させて得られた光学フィルムのヘイズ及び全光線透過率を測定することにより評価される。詳細については実施例で説明する。
【0019】
樹脂粒子は、ビニル系モノマー及び非架橋アクリル系ポリマーに由来する重合体成分を含んでいてもよい。
ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、メタクリル酸2ーエチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
ビニル系モノマーとしては、非架橋アクリル系ポリマーに用いられているモノマー以外のモノマーを用いることが好ましい。
【0020】
ビニル系モノマーには、架橋性ビニル系モノマーが使用されてもよい。架橋性ビニル系モノマーとしては、重合性の二重結合を2個以上有するものを使用することができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のジエチレン性カルボン酸エステル、N , N ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルファイト等のジビニル化合物ならびにビニル基を3 個以上有する化合物等を単独で又は複数を混合して用いることができる。
【0021】
架橋性ビニル系モノマーの使用量は、モノマー混合物100重量部に対して、3〜20重量部が好ましい。より好ましくは、5〜10重量部である。架橋性ビニル系モノマーの使用量が3重量部未満だと、溶剤に溶解してしまい、塗料物としての役割を果たせない場合がある。一方、20重量部を超えると、樹脂粒子の表面に凸部が形成されない場合がある。
【0022】
非架橋アクリル系ポリマーとしては、イソブチルメタクリレート重合体もしくはイソブチルメタクリレートとメタクリル酸メチルの共重合体が好ましい。
非架橋アクリル系ポリマーの使用量は、ビニル系モノマー100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましい。より好ましくは、5〜20重量部である。1重量部未満だと、相分離が起こらず、凸部が形成されない場合がある。一方、30重量部を超えると、非架橋アクリル系ポリマーがモノマーに溶解しない場合がある。
【0023】
樹脂粒子を得るための重合性組成物を重合する方法としては、公知の重合方法、例えば懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等を用いることができる。以下懸濁重合法による樹脂粒子の製造方法の一例について説明するが、本発明は、この製造方法のみに限定されるものではない。
【0024】
モノマー相用混和物と水相とをそれぞれ別容器にて所定配合に調整する。ビニル系モノマーに非架橋アクリルポリマーを溶解し、任意の非反応性の界面活性剤を加え、ミキサー、ホモジナイザーを用いて混合・分散する。その後、任意の架橋性ビニル系モノマー及び重合開始剤を加え、モノマー相用混和物とする。
また、他方で、水性媒体に分散安定剤、水系媒体用界面活性剤を所定の割合で加え混合攪拌することにより水相を得る。なお、水性媒体としては、水、又は水と水溶性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール)との混合物が挙げられる。廃液処理の観点からは、水が好ましい。ここで、モノマー相用混和物100重量部に対して、水相を100〜1000重量部とするのが好ましい。このときに用いる混合攪拌手段として、一般的なミキサー、ホモジナイザーを用いることができる。全体的に均一となるように混合攪拌する。
【0025】
上記の手順で調整された水相に、モノマー相用混和物を注入し、ホモジナイザー等で混合攪拌し懸濁液(水相/モノマー相/水相エマルジョン)を得る。このとき、攪拌手段としてホモジナイザーを用いることにより、攪拌時間、回転数等の攪拌条件を変化させてモノマー相の粒子サイズを決定することができる。
【0026】
上記により得られた懸濁液をオートクレーブ等の加温装置に導入し、攪拌しつつ、加温してモノマー相の重合を行う。このようにして得られた重合物をろ過し、ろ過物を水洗した後乾燥し、樹脂粒子を得ることができる。また、水洗前に分散安定剤を除去することも可能である。
【0027】
重合開始剤には油溶性重合開始剤を用いることが好ましい。油溶性重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルベレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。
【0028】
分散安定剤としては、ポリマーの懸濁重合に一般的に用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、第三リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ等の難水溶性無機塩を用いることができる。分散安定剤は、モノマー相用混和物100重量部に対し0.1〜20.0重量部の割合で水性媒体に配合されることが好ましい。
【0029】
界面活性剤としては、炭素数4〜40の直鎖状で非反応性のリン酸化合物を用いる。このリン酸化合物は、エステル基を含んでいてもよい。界面活性剤は、ラウリルリン酸のような炭素数が6以上のものが好ましい。界面活性剤の使用量は、ビニル系モノマー100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましい。
【0030】
懸濁重合の際、目的とする樹脂粒子以外の新たな微粒子の発生を抑制する目的で、水溶性の重合禁止剤が用いられてもよい。水溶性重合禁止剤としては、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、水性媒体100重量部に対して0.01〜0.1重量部が好ましい。
【0031】
重合温度は30〜100℃にするのが好ましい。より好ましくは、40〜80℃である。そして、この重合温度を保持する時間としては、0.1〜20時間が好ましい。
この重合体粒子を水性媒体から吸引ろ過、遠心脱水、遠心分離、加圧脱水等の方法により含水ケーキを水洗し、乾燥する工程を経て、目的とする樹脂粒子が得られる。
【0032】
本発明の樹脂粒子は、バインダー樹脂に分散して、透明な基材樹脂上に成形すること等により、バックライト式液晶ディスプレイパネルの光拡散フィルムや導光板等の光拡散性樹脂成形体として用いることができる。透明な基材樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、メチルメタクリレート− スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体等が好適に用いられる。
【0033】
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、光拡散性樹脂成形体の成形加工や使用の態様に応じて、通常用いられるような各種配合剤を用いてもよい。例えば、光の透過性や拡散性等を必要としない用途に用いる場合には、顔料等を加えてもよい。
【0034】
本発明の樹脂粒子を用いて光拡散フィルムを形成する場合には、光拡散性能と光の透過性能との関係から、バインダー樹脂に対する樹脂粒子の含有量は10〜500重量%が好ましい。樹脂粒子の含有量が10重量%未満の場合だと、充分な光拡散性能を有しないことがある。一方、500重量%を超えると、それ以上光拡散性を向上できず、逆に光透過性能を低下させることや、フィルムへ均一に塗装することが困難となることや、フィルムから樹脂粒子が脱落し易くなることがある。
【0035】
また、本発明の樹脂粒子を用いて導光板を形成する場合には、バインダー樹脂に対する樹脂粒子の含有量は0.05〜0.5重量%が好ましい。樹脂粒子の含有量が0.05重量%未満の場合だと、光透過性が高くなりすぎて導光板に求められる光拡散性を備えられない場合がある。一方、0.5重量%を超えると、光拡散性が高くなりすぎて導光距離が短くなる場合がある。
【0036】
光拡散板や導光板は、コータ等による塗布法の他に、基材樹脂と樹脂粒子とを、一軸押し出し機、二軸押し出し機等の一般的な樹脂混練手段を用いて混練して、該混練後の樹脂組成物をTダイやロールユニットを介して板状に成形することにより、または、射出成形機やプレス成形機等を用いて成形することにより得ることもできる。
【0037】
本発明による樹脂粒子を用いて得られた光拡散フィルムのヘイズ値は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。なお、ヘイズ値は、日本電色工業社製 NDH−2000を使用してJISK7136に準拠した測定法、又は日本電色工業社製 NDH−1001DPを使用してJISK7105に準拠した測定法等により測定できる。
【0038】
また、本発明の樹脂粒子を用いて得られる塗料(塗布用組成物)は、光拡散性塗料やつや消し塗料として好適に用いることができる。光拡散性塗料やつや消し塗料には、所望の効果を得るために、平均粒子径10〜50μmの樹脂粒子を用いることが好ましい。樹脂粒子の使用量は、バインダー樹脂及び樹脂粒子の合計に対して、光拡散性塗料の場合は5〜70重量%が、つや消し塗料の場合は10〜30重量%が好ましい。
【0039】
また、塗料には、所望の粘度を付与するための溶媒(例えば、水やトルエン、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール等の有機溶媒)が含まれている。溶媒は、通常、樹脂粒子100重量部に対して100〜1000重量部含まれている。更に、塗布用組成物を基材上に塗布・乾燥させることにより、塗布物が得られる。基材は特に限定されない。塗布物の厚さは、所望の性質に応じて適宜設定できる。厚膜の塗布物を得たい場合には、重ね塗りも可能である。
【0040】
更に、本発明の樹脂粒子は、外用剤の原料としても使用できる。外用剤における樹脂粒子の含有量は、外用剤の種類に応じて適宜設定できるが、0.1〜50重量%が好ましく、0.2〜30重量%が更に好ましい。
外用剤全量に対する樹脂粒子の含有量が0.1重量%を下回ると、樹脂粒子の含有による明確な効果が認められないことがある。また、樹脂粒子の含有量が50重量%を上回ると、含有量の増加に見合った顕著な効果が認められないことがあるため、生産コスト上好ましくない。
【0041】
外用剤としては、例えば化粧料、外用医薬品等が挙げられる。
化粧料としては、上記樹脂粒子の含有により、上記効果を奏するものであれば特に限定されず、例えばプレシェーブローション、ボディローション、化粧水、クリーム、乳液、ボディシャンプー、制汗剤等の液系のものや、石鹸、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、パック類、ひげ剃り用クリーム、おしろい類、ファンデーション、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、歯磨き、浴用剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用のものが挙げられる。
外用医薬品としては、皮膚に適用するものであれば特に制限されず、例えば、医薬用クリーム、軟膏、医薬用乳剤、医薬用ローション等が挙げられる。
【0042】
また、これらの外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般に用いられている添加物を目的に応じて配合できる。そのような添加剤としては、例えば水、低級アルコール、油脂及びロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シリコン系粒子、ポリスチレン粒子等のその他の樹脂粒子、特殊配合添加物等が挙げられる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
まず、平均粒子径の測定方法、平均分子量の測定方法、樹脂粒子表面の観察方法、樹脂粒子の凸部の個数、高さ及び長さの測定方法、光拡散フィルムの評価方法について説明する。
【0045】
(平均粒子径の測定方法)
樹脂粒子0.1gとノニオン系界面活性剤(花王社製:レオドールTW−L120)0.3%水溶液10mlを試験管に投入する。これをタッチミキサー(ヤマト科学社製:TOUCHMIXER MT−31)及び超音波洗浄器(ULTRASONIC CLEANER VS−150)を用いて予備分散させる。これを本体備え付けのISOTONII(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く撹拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次に、コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製:測定装置)本体にアパチャーをセットし、Current、Gain、Polarityをアパチャーサイズに合わせた所定の条件で測定を行う。測定中は気泡が入らない程度にビーカー内を緩く撹拌しておき、樹脂粒子を10万個測定した点で測定を終了する。体積加重の平均径(体積%モードの算術平均径:体積メヂアン径)を樹脂粒子の平均粒子径として算出する。使用するアパチャーの細孔径サイズは、280μmのものを用いる。
【0046】
(平均分子量の測定方法)
平均分子量(Mw)の測定方法は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて行われる。なお、平均分子量はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。具体的には以下のようにして測定する。
試料50mgをテトラヒドロフラン(THF)10ミリリットルに溶解させ、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した上でクロマトグラフを用いて測定する。クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
液体クロマトグラフ:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8020」
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel GMH−XL−L」φ7.8mm×30cm×2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:テトラヒドロフラン(THF)
キャリアーガス流量:1ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:35℃
検出:RI
注入量:100マイクロリットル
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000と東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、870
【0047】
(粒子表面の凸部の観察方法)
走査型電子顕微鏡(日本電子社製:JSM−6360LV)を用いて、倍率500〜5000倍で任意の樹脂粒子を観察して、樹脂粒子表面の凹凸の有無を観察する。
【0048】
(粒子表面の凸部の数、凸部の高さ及び長さの測定方法)
まず、1個の樹脂粒子につき1枚撮影したSEM像を基に投影図を作成する。
次に、投影図から樹脂粒子外周の凸部を認定する。具体的には、隣り合う凸部(と認められる箇所)の間の窪んだ箇所を凸部の基点と認定する。次に、隣り合う基点と基点の間を直線で結んでいく。基点間を直線で結ぶ作業が終了すると、図10のスケッチに示すようなイメージになる。
図10の数字を付した部分(基点間を結ぶ直線の上方にある曲線部分)を凸部と認定する。上記により認定した凸部の個数(図10では、(1)〜(9)の9個)を「凸部の個数」とする。「凸部の長さ」は、基点間を結ぶ直線の長さの(各直線の)平均値とする。「凸部の高さ」は、各凸部(曲線上)から、基点間を結ぶ直線上へ至る垂線の長さの最大値の(各凸部の)平均値とする。これを任意の10個の樹脂粒子について測定し、それぞれの平均値の平均値を、凸部の数、凸部の高さ及び凸部の長さとする。
【0049】
(光拡散フィルムの評価方法)
光拡散フィルムは、全光線透過率及びヘイズにより評価する。全光線透過率は、JISK7361により測定される。また、ヘイズは、JISK7136により測定される。なお、測定には日本電色工業社製NHD−2000を使用する。
【0050】
実施例及び比較例で用いる非架橋アクリル系ポリマー1〜3を製造する。
(非架橋アクリル系ポリマー1の製造)
内容積5Lのオートクレーブに、水1000g、懸濁安定剤としての第3リン酸カルシウム40g、界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.1gを仕込み水相とした。メタクリル酸イソブチル500g、重合開始剤としてのアゾビスバレロニトリル1.0g、分子量調整剤としてのノルマルドデシルメルカプタン1.0gをモノマー相として、先程の水相に添加して混合液とした。混合液を高速攪拌機(特殊機化工業社製:TKホモミキサー)により高速で攪拌を行うことにより、混合液中に微小液滴が形成された。微小液滴を含む混合液を50℃で5時間加熱攪拌を行ったところ、混合液中に粒子が形成された。上記混合液に塩酸を加え懸濁安定剤を分解した後、水により洗浄を行った。洗浄後、遠心脱水を行うことにより粒子が得られた。得られた固体粒子を60℃で10時間真空乾燥を行った。平均粒子径50μm、平均分子量30万の粒子を得た。これを非架橋アクリル系ポリマー1とする。
【0051】
(非架橋アクリル系ポリマー2の製造)
内容積5Lのオートクレーブに、水1000g、懸濁安定剤としての第3リン酸カルシウム40g、界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.1gを仕込み水相とした。メタクリル酸イソブチル500g、重合開始剤としてのアゾビスバレロニトリル1.0g、分子量調整剤としてのノルマルドデシルメルカプタン0.5gをモノマー相として、先程の水相に添加して混合液とした。混合液を高速攪拌機(特殊機化工業社製:TKホモミキサー)により高速で攪拌を行うことにより、混合液中に微小液滴が形成された。微小液滴を含む混合液を50℃で5時間加熱攪拌を行ったところ、混合液中に粒子が形成された。上記混合液に塩酸を加え懸濁安定剤を分解した後、水により洗浄を行った。洗浄後、遠心脱水を行うことにより粒子が得られた。得られた固体粒子を60℃で10時間真空乾燥を行った。平均粒子径50μm、平均分子量60万の粒子を得た。これを非架橋アクリル系ポリマー2とする。
【0052】
(非架橋アクリル系ポリマー3の製造)
内容積5Lのオートクレーブに、水1000g、懸濁安定剤としての第3リン酸カルシウム40g、界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.1gを仕込み水相とした。メタクリル酸イソブチル425g、メタクリル酸メチル75g、重合開始剤としてのアゾビスバレロニトリル1.0g、分子量調整剤としてのノルマルドデシルメルカプタン0.5gをモノマー相として、先程の水相に添加して混合液とした。混合液を高速攪拌機(特殊機化工業社製:TKホモミキサー)により高速で攪拌を行うことにより、混合液中に微小液滴が形成された。微小液滴を含む混合液を50℃で5時間加熱攪拌を行ったところ、混合液中に粒子が形成された。上記混合液に塩酸を加え懸濁安定剤を分解した後、水により洗浄を行った。洗浄後、遠心脱水を行うことにより粒子が得られた。得られた固体粒子を60℃で10時間真空乾燥を行った。平均粒子径50μm、平均分子量60万の粒子を得た。これを非架橋アクリル系ポリマー3とする。
【0053】
(実施例1)
(a−1)樹脂粒子の製造
内容積5Lのオートクレーブに、水1000g、懸濁安定剤としての第3リン酸カルシウム40gを仕込み水相とした。25gの非架橋アクリル系ポリマー2をメタクリル酸メチル450gに溶解させ、そこにエチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン社製:ライトエステルEG)50g、重合開始剤としてのアゾビスバレロニトリル1.0g、ラウリルリン酸0.4gを加え高速攪拌機にて攪拌し、これをモノマー相とした。先程の水相にモノマー相を添加して混合液とした。混合液を高速攪拌機(特殊機化工業社製:TKホモミキサー)により高速で攪拌を行うことにより、混合液中に微小液滴が形成された。微小液滴を含む混合液を50℃で5時間加熱攪拌を行ったところ、混合液中に粒子が形成された。上記混合液に塩酸を加え懸濁安定剤を分解した後、水により洗浄を行った。洗浄後、遠心脱水を行うことにより粒子が得られた。得られた固体粒子を60℃で10時間真空乾燥を行った。
【0054】
(b−1)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図1のとおり、表面に大きな瘤状の凸部を多数有する(球形とはかけ離れた形状をした)粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を行ったところ、凸部の数は9個、高さは1.5μm、長さは6.4μmであった。
【0055】
(実施例2)
(a−2)樹脂粒子の製造
ラウリルリン酸を0.25gとしたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0056】
(b−2)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図2のとおり、表面に大きな瘤状の凸部を多数有する(球形とはかけ離れた形状をした)粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を行ったところ、凸部の数は10個、高さは1.8μm、長さは6.2μmであった。
【0057】
(実施例3)
(a−3)樹脂粒子の製造
ラウリルリン酸を0.5gとしたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0058】
(b−3)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図3のとおり、表面に大きな瘤状の凸部を多数有する(球形とはかけ離れた形状をした)粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を行ったところ、凸部の数は12個、高さは1.4μm、長さは5.3μmであった。
【0059】
(実施例4)
(a−4)樹脂粒子の製造
非架橋アクリル系ポリマー2に替えて非架橋アクリル系ポリマー1を用いたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0060】
(b−4)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図4のとおり、表面に大きな瘤状の凸部を多数有する(球形とはかけ離れた形状をした)粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を行ったところ、凸部の数は9個、高さは1.9μm、長さは6.9μmであった。
【0061】
(実施例5)
(a−5)樹脂粒子の製造
メタクリル酸メチルに替えてスチレンを、エチレングリコールジメタクリレートに替えてジビニルベンゼンを用いたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0062】
(b−5)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、70μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、表面に大きな瘤状の凸部を多数有する(球形とはかけ離れた形状をした)粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を行ったところ、凸部の数は9個、高さは1.5μm、長さは6.4μmであった。
【0063】
(実施例6)
(a−6)樹脂粒子の製造
メタクリル酸メチルに替えてスチレンを、非架橋アクリル系ポリマー2に替えて非架橋アクリル系ポリマー3を、エチレングリコールジメタクリレートに替えてジビニルベンゼンを用いたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0064】
(b−6)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、70μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、表面に大きな瘤状の凸部を多数有する(球形とはかけ離れた形状をした)粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を行ったところ、凸部の数は9個、高さは1.6μm、長さは6.2μmであった。
【0065】
(比較例1)
(a−7)樹脂粒子の製造
ラウリルリン酸に替えて、エチレンオキサイド変性リン酸アクリレート(日本化薬社製:KAYAMER PM−21)を用いたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0066】
(b−7)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図5のとおり、表面がところどころ窪んでいるものの、滑らかで球形に近い形状をした粒子であった。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を試みたが、凸部と認められるものはなかった。
【0067】
(比較例2)
(a−8)樹脂粒子の製造
水相としてラウリル硫酸ナトリウム0.12gを更に加え、且つモノマー相としてラウリルリン酸を加えなかったことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0068】
(b−8)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図6のとおり、表面に泡状の細かい凸部が多数形成されていた。凸部の一つひとつが小さいため、粒子は球形に近い形状であった。投影図による凸部の数の測定を試みたが、凸部は多数あり、正確に数えることができなかった。また、凸部の高さが粒子径の2%を超えるものはなかった。
【0069】
(比較例3)
(a−9)樹脂粒子の製造
水相としてラウリル硫酸ナトリウム0.12gを更に加え、且つモノマー相として非架橋アクリル系ポリマー及びラウリルリン酸を加えなかったことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0070】
(b−9)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図7のとおり、表面に小さく浅い窪みが多数見られるものの、球状の粒子と言えるものであった。また、乳化物が少々付着していた。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を試みたが、凸部と認められるものはなかった。
【0071】
(比較例4)
(a−10)樹脂粒子の製造
メタクリル酸メチルの量を350gとし、非架橋アクリル系ポリマー2に替えて非架橋アクリル系ポリマー1を用い、エチレングリコールジメタクリレートの量を150gとしたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0072】
(b−10)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図8のとおり、表面にところどころ小さな窪みが見られるものの、球状の粒子と言えるものであった。また、細かい乳化物が少々付着していた。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を試みたが、凸部と認められるものはなかった。
【0073】
(比較例5)
(a−11)樹脂粒子の製造
メタクリル酸メチルに替えてメタクリル酸イソブチルを用いたことを除き、実施例1と同様の操作で樹脂粒子を得た。
【0074】
(b−11)樹脂粒子の状態
得られた樹脂粒子の平均粒子径は、40μmであった。走査型電子顕微鏡(SEM)で樹脂粒子を観察したところ、図9のとおり、ゴルフボールのように表面に多数の小さく浅い窪みが見られるものの、球状の粒子と言えるものであった。また、乳化物が少々付着していた。投影図による凸部の数、高さ及び長さの測定を試みたが、凸部と認められるものはなかった。
実施例1〜6及び比較例1〜5の結果について、表1にまとめて示す。
【0075】
【表1】

MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
IBMA:メタクリル酸イソブチル
ポリマー1:非架橋アクリル系ポリマー1
ポリマー2:非架橋アクリル系ポリマー2
ポリマー3:非架橋アクリル系ポリマー3
【0076】
比較例1〜3は、炭素数4〜40の直鎖状で非反応性のリン酸化合物を使用しなかったことが原因だと考えられる。
比較例4は、アクリル系モノマーの割合が少なかったことが原因だと考えられる。
比較例5は、メタクリル酸メチルの替わりにメタクリル酸イソブチルを使用したことが原因だと考えられる。
【0077】
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例3で得られた樹脂粒子を用いて、光学フィルムを作成した。
【0078】
(実施例7)
実施例1で得られた樹脂粒子280重量部に、アクリル系バインダー(三菱レイヨン社製:ダイヤナールLR−102)140重量部を混ぜ、溶剤としてトルエンとメチルエチルケトンを1:1で混合した溶液を260重量部添加した。これを遠心攪拌機により3分間攪拌を行い、3時間放置した。その後、硬化剤(旭化成ケミカルズ社製:デュラネートTKA−100)30重量部を添加して、再び遠心攪拌機により3分間攪拌を行った。攪拌して得られた溶液を、PETフィルム上に200μmのコーターを用いて塗布した。塗布後のフィルムを70℃に保たれた乾燥機にて1時間乾燥を行い、光学フィルムを得た。
この光学フィルムの光学特性評価を行うためにヘイズメーター(日本電色社製)を使用し、ヘイズおよび全光線透過率を測定した。
ヘイズは、95.8%であり、全光線透過率は、78.3%であった。
【0079】
(実施例8)
実施例1で得られた樹脂粒子に替えて実施例2で得られた樹脂粒子を用いたことを除き、実施例7と同様の操作で光学フィルムを得た。得られた光学フィルムのヘイズおよび全光線透過率を測定した。
ヘイズは、96.3%であり、全光線透過率は、78.1%であった。
【0080】
(比較例6)
実施例1で得られた樹脂粒子に替えて比較例1で得られた樹脂粒子を用いたことを除き、実施例7と同様の操作で光学フィルムを得た。得られた光学フィルムのヘイズおよび全光線透過率を測定した。
ヘイズは、92.3%であり、全光線透過率は、80.1%であった。
【0081】
(比較例7)
実施例1で得られた樹脂粒子に替えて比較例3で得られた樹脂粒子を用いたことを除き、実施例7と同様の操作で光学フィルムを得た。得られた光学フィルムのヘイズおよび全光線透過率を測定した。
ヘイズは、91.1%であり、全光線透過率は、81.1%であった。
実施例7〜8及び比較例6〜7の結果について、表2にまとめて示す。
【0082】
【表2】

【0083】
実施例7、実施例8、比較例6及び比較例7の結果から、表面に所定の個数及び高さの凸部が形成された樹脂粒子を用いた光学フィルムの方が、光拡散性に優れていることが分かった。
【0084】
(外用剤の作製)
本発明の実施例1で得られた樹脂粒子を用いて外用剤(パウンダーファンデーション)を以下のとおり作製した。これを実施例9として示す。
【0085】
(実施例9)
パウダーファンデーションの製造
(成分及び配合量)
実施例1で得られた樹脂粒子 10.0重量部
赤色酸化鉄 3.0重量部
黄色酸化鉄 2.5重量部
黒色酸化鉄 0.5重量部
酸化チタン 10.0重量部
マイカ 20.0重量部
タルク 44.0重量部
流動パラフィン 5.0重量部
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5重量部
ワセリン 2.5重量部
防腐剤 適量
香料 適量
(製造方法)
樹脂粒子、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、マイカ、タルクをヘンシェルミキサーで混合し、これに流動パラフィン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ワセリン及び防腐剤を混合溶解したものを加えて均一に混合した。更に、香料を加えて混合した後、粉砕して篩いに通過させた。通過させたものを、金皿に圧縮成形することによって、パウダーファンデーションを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径が10〜500μmで、表面全面にわたって光が照射された際に乱反射し得る複数の凸部を有する略球状の樹脂粒子であり、樹脂粒子1個につき1枚撮影した写真からの投影図から計測される、樹脂粒子の外周に存在する複数の凸部の数が、8個以上であり、外周に存在する複数の凸部の高さの平均値が、粒子径の2〜10%であることを特徴とする表面に凸部を有する樹脂粒子。
【請求項2】
前記表面に凸部を有する樹脂粒子が、ビニル系モノマー100重量部及び非架橋アクリル系ポリマー1〜30重量部に由来する重合体成分を含む請求項1に記載の表面に凸部を有する樹脂粒子。
【請求項3】
前記ビニル系モノマーが、アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーである請求項2に記載の表面に凸部を有する樹脂粒子。
【請求項4】
前記非架橋アクリル系ポリマーが、イソブチルメタクリレート重合体又はイソブチルメタクリレートとメタクリル酸メチルの共重合体である請求項2又は3に記載の表面に凸部を有する樹脂粒子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の表面に凸部を有する樹脂粒子とバインダー樹脂と溶媒とを含む塗布用組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の表面に凸部を有する樹脂粒子とバインダー樹脂とを含む塗布物。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の表面に凸部を有する樹脂粒子を含む外用剤。
【請求項8】
前記外用剤が、化粧料又は外用医薬品である請求項7に記載の外用剤。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の表面に凸部を有する樹脂粒子の製造方法であって、ビニル系モノマー100重量部及び非架橋アクリル系ポリマー1〜30重量部を界面活性剤の存在下で懸濁重合して樹脂粒子を得る工程を含み、前記界面活性剤が、炭素数4〜40の直鎖状でエステル基を含んでいてもよい非反応性のリン酸化合物であることを特徴とする表面に凸部を有する樹脂粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−207974(P2011−207974A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75805(P2010−75805)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】