表面に適用するための組成物
表面を恒久的または一時的に再デザイン、装飾、および/または再着色するための、組成物、方法、装置、キットおよび組合せが記載されている。本発明の開示において有用な組成物には、表面に適用し、貼付されるように配合された装飾材製品が含まれる。所望により、その装飾材製品は、表面に貼付される前に表面から実質的に除去することができる。装飾材製品を除去させたい場合には、その装飾材製品は、たとえば、真空掃除機による吸引、湿潤抽出、化学薬品適用など、各種の方法によって除去できるように配合される。表面にその装飾材製品を恒久的または半恒久的に貼付させたい場合は、たとえば、熱、圧力、放出波動、放出電場、磁場、および/または化学物質の形態で装飾材製品にエネルギーを適用することによって、表面に貼付してもよい。装飾材製品はさらに、キットの形態や、装飾材製品の適用を制御して表面上にたとえばパターンを形成するためのステンシル等のデザイン用具との組合せで使用してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願番号第60/687,953号(2005年6月7日出願)の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府資金援助研究開発に関する参照
該当なし
【0003】
配列表
該当なし
【0004】
本明細書には、恒久的または一時的な再デザイン、装飾および/または再着色でありうる表面の美的処理(enhancement)が開示される。
【背景技術】
【0005】
家庭における美的向上は、多くの消費者によって永年なされてきた。軟質表面たとえばカーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などの表面領域をクリーニングするための家庭用品および方法は極めて数多く存在している。しかしながら、ひどく汚れたりおよび/またはすり切れたりした表面の場合、減算的方法(たとえば、クリーニングやシェービング等カーペットから化学的もしくは物理的に何かを除去する方法)では当該表面を元の状態に完全に戻すことができず、そのことに消費者が不満を抱えることが多い。多くの場合、処理をした後に斑点や染みは再び出現する。
【0006】
加算的方法(たとえば、望ましくないもの上に重ねたり、覆ったり、隠したりする方法)や、表面の美観を向上させる手法として、たとえば、ペイント法、模造ペイント法、ステンシル、縁取り、壁紙、タイル、羽目板、パネル、装飾漆くい、アップリケ(たとえば写真、切り抜き、ステッカーなど)、積層、およびモールディング(たとえば、クラウン、シュー、チェア)などもまた知られている。しかしながら、軟質表面たとえば、カーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などには、それらの製品や方法は適用されてこなかった。
【0007】
ある場合においては、水溶性および/または水分散性ポリマーおよび二層構造を形成可能な界面活性剤を含む組成物を用いて、すり切れて退色した布の色を元に戻したり再現させたりして、少なくとも1回の洗濯、好ましくは少なくとも2回以上の洗濯の後にも長持ちする、より耐久性のある色の復旧および/または色の再現という利点がもたらされる。この組成物は、スプレー容器によって布地に適用してもよい。
【0008】
また別の場合においては、部分的に漂白された布または衣類を再染色する方法として、布または衣類を地色で染色し、次いである領域を集めてこれ以上反応剤と接触しないようにする。次いでその集めた領域を漂白して、その外の領域からの地色を除去し、第二の色を用いてその漂白された領域を再染色するものが挙げられる。
【0009】
さらに別の場合においては、デジタル捺染装置が、回転ホイールと、液状塗料、インクまたは染料をそのホイールの外縁部に沿って付着させる液体ディスペンサと、ホイールの外縁部に隣接して位置するエアジェットであって、ホイールがエアジェットを通過して回転したときにホイール外縁部から液体を除去し、その液体を染色対象に向かわせるエアジェットとを備える。フルカラーのデジタル画像を作製するには複数の装置が使用される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示の一つの態様においては、表面へ着色剤を適用するための組成物が液体および着色剤を含む。この組成物は、有効量でナイロン試験カーペットに適用され実質的に乾燥すると、カーペットに付着した約1ミクロンより大きいサイズの粒子を形成し、そのナイロン試験カーペットを真空掃除機で吸引した(vacuuming)際に約20以下のΔEが得られるように、配合される。
【0011】
本発明の開示のさらなる態様においては、装飾材製品には、第一の添加剤、着色剤、ならびに(a)エポキシ樹脂と硬化剤、(b)エポキシ樹脂と酸末端ポリエステル樹脂と促進剤、または(c)酸末端のポリエステル樹脂と硬化剤、の少なくとも一つを含む、少なくとも1種の実質的に均質な装飾材粒子が含まれる。この装飾材製品には、第二の添加剤および液体キャリヤがさらに含まれる。この装飾材製品は、装飾材製品にエネルギーを付与することによって表面に実質的に貼付され、その装飾材製品が表面に実質的に貼付される前に表面から実質的に除去されるように、配合される。さらに、この装飾材製品は、約2000センチポワズ以下の粘度を有し、約150℃以下の温度で約15分以下の時間加熱することにより、表面に実質的に貼付することができる。
【0012】
本発明の開示のまた別な態様においては、液体の装飾材製品には、着色剤、添加剤、粘着性化合物、ならびに視覚効果(illuminating effect)または聴覚効果の少なくとも一つを有する相互的知覚要素(interactive sensory element)が含まれる。さらに、この装飾材製品は、装飾材製品にエネルギーを与えることによって表面に実質的に貼付され、その装飾材製品が表面に貼付される前に表面から実質的に除去されるように、配合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書の開示は、恒久的または一時的に表面を再デザイン、装飾および/または再着色するための、組成物、方法、装置、キットおよび組合せを目的としている。本明細書においては、いくつかの具体的な実施態様を説明するが、本発明の開示は、本発明の原理の例示としてのみ受け取られるべきであって、開示を説明された実施態様に限定することは意図されていないということを理解されたい。
【0014】
たとえば、本発明の開示において有用な組成物には、表面に適用し貼付されるように配合された装飾材製品が含まれる。以下においてさらに詳しく説明するが、所望により、その装飾材製品は、表面に貼付される前にその表面から実質的に除去してもよい。装飾材製品を除去したい場合には、その装飾材製品を、たとえば、真空掃除機による吸引、湿潤抽出、化学薬品適用など、各種の方法によって除去できるような配合とする。装飾材製品を恒久的または半恒久的に表面に貼付したい場合は、たとえば、熱、圧力、放出波動、放出電場、磁場、および/または化学物質の形で装飾材製品にエネルギーを適用することによって表面に貼付してもよい。装飾材製品はさらに、キットの形態や、装飾材製品の適用を制御して表面上にパターン等を形成するためのステンシル等のデザイン用具との組合せで使用してもよい。
【0015】
装飾材製品を適用および/または貼付できる対象としては各種の表面が考えられ、たとえばカーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などの軟質表面が挙げられる。さらに、装飾材製品は硬質表面に適用してもよく、そのようなものとしてはたとえば、木材、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、硬質床タイル、塗装表面、紙、石材、岩石、繊維/複合材料、ゴム、コンクリートなどが挙げられる。装飾材製品は、各種の加工表面、たとえば、前染色、後染色、前製造、および後製造表面に適用してもよいと考えられたい。さらにその装飾材製品は、その装飾材製品を適用してもよい表面を有する、特定の物品または対象物を製造するプロセスの間に適用してもよい。装飾材製品を適用および/または貼付してもよい表面は、具体的に使用される装飾材製品によって実質的に乾燥していても、実質的に濡れていても、水っぽくても(moist)、湿っていても(humid)よい。さらに、本発明の開示の装飾材製品は、実質的に平坦(flat)、平滑(smooth)および/または平準(level)な表面に適用してもよいし、あるいは各種その他の表面、たとえば、粗面(rough)、凹凸(bumpy)、非平滑(non−smooth)、階段状(stepped)、傾斜(sloped)、斜行(slanted)、上昇(inclined)、下降(declined)および/または乱れた(disturbed)表面などに適用してもよい。
【0016】
装飾材製品を適用および/または貼り付けることのできるカーペットの例としては、モジュール式タイルおよびパネル、たとえばミリケン(Milliken)社のレガート(LEGATO)(登録商標)、ミリケン社のテッセラ(TESSERAE)(登録商標)、インターフェースフロア(INTERFACEFLOR)(商標)、タンドス/シーアンドエー(Tandus/C&A)社のフロアカバリング、ならびに、たとえばモホーク・インダストリーズ(Mohawk Industries)やショー・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Shaw Industries,Inc.)等のメーカーによる製品が挙げられる。カーペットの他の例を挙げれば、広幅織りカーペット、カットパイル(ベルベット/プラッシュ、サクソニー、フリーズ、シャグ)、ループパイル(レベルループ、マルチレベルループ、およびベルベル)、ならびにカットアンドループパイル(ランダムシアードおよびチップシアード)カーペットなどがある。装飾材製品を適用および/または貼り付けることのできる軟質表面の他の例としては、たとえばエリアラグ(手織りまたは機械織り)、ドラペリー、カーテン、椅子張り地、およびセルロース系材料などが特に挙げられる。対象となる軟質表面の構成材料としては、たとえば天然繊維の羊毛および綿等、あるいは合成繊維のたとえばナイロン6、ナイロン6−6、ポリエステル、ポリプロピレン(オレフィン)、およびアクリル等が特に挙げられる。
【0017】
本発明の開示の装飾材製品は、所望される具体的な実施態様にとって適切な、各種の定型的、化学的、および/または物理的調製法によって、その構成成分の固有の性質によってのみ制限されるように配合され、設計され、生産され(produced)、製造され(manufactured)、適用され、除去され、および/またはパッケージングされてよい。装飾材製品の例示的な配合としては、液体の中に溶解または分散されて液体の装飾材製品を形成してもよい固形物、液体キャリヤ、エマルション、懸濁液、コロイド、ゾル、分散液、溶液、ゲル、ペースト、フォーム、粉体、スプレー、錠剤、固形物、ガス状物、希釈剤たとえば水またはその他の溶媒、エアロゾル、それらの組合せなどが含まれる。化学的調製法の例としては、ポリエステル重合、ラテックス凝集、ケミカルミリング、およびマイクロカプセル化、ならびに当業者公知のその他の方法が挙げられる。物理的な調製法は、装飾材製品の成分の物理的な摩砕や、当業者公知のその他の手段からなっていてよい。装飾材製品は、たとえば化学的に調製されるトナーに用いられる製造方法におけるように、ポリマー樹脂分子が分子スケールで着色剤、染料、および/または顔料粒子を取り込むような分子ルートで合成されてもよく、樹脂および顔料粒子を互いに物理的にブレンドし、それを当業者に公知の機械的手段により適切なサイズに圧壊してもよい。
【0018】
装飾材製品はいくつの基準に基づいて選択してもよく、そのような基準としては、装飾材製品が適用および/または貼付される表面のタイプ、条件、および/または組成などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。装飾材製品を選択する際の他の基準としては、所望の耐光性、色の範囲、強度、着色剤の均質性、および/または所望の硬化剤および/または装飾材製品の定着性なども挙げられる。さらなる選択要因としては、カーペットもしくはその他の表面の外観および/または感触の向上、(たとえば、部分的なラグタイプの装飾材製品を重ねることによる)しみのマスキング、表面に対する価値付加(たとえば、カーペットの寿命の延長)などが挙げられる。
【0019】
本発明の開示において有用な装飾材製品には、着色料、染料、インキ、トナー、塗料、パッチ、カーペット光沢剤、蛍光物質、複合熱転写シート、粒子、コーティング、顔料、発光物質、ミクロ粒子、磁気応答粒子、活性化されるまで着色しない仮想着色剤、および/またはハイブリッド顔料分子を含む着色剤、添加剤、ならびにそれらの組合せ、のいずれか一つまたは組合せからなる着色剤が含まれていてもよい。例を挙げて説明すれば、装飾材製品には、装飾材製品の全重量の約0.01%より大もしくは約95%より小、または約0.01%〜約70%の間、または約0.03%〜約15%の間、または約0.05%〜約10%、または約0.1%〜約5%の間の量の着色剤が含まれる。
【0020】
本発明の開示において、装飾材製品の色としてはあらゆるものが考えられ、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック、グリーン、オレンジ、バイオレット、ブルー、レッド、パープル、ホワイトシルバー、ゴールド、メタリック、クリア、ニュートラルもしくはノンニュートラル、およびそれらの各種組合せが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。異なった色の単色装飾材製品粒子を各種の量で組み合わせるか、あるいは、異なった色を有する多色装飾材製品粒子を各種の量で組み合わせて装飾材製品に色を付与してもよい。さらに、特定の装飾材製品の色は、異なった色の単色粒子を所定の量で組み合わせるか、あるいは、異なった色の多色装飾材製品粒子を所定の量で組み合わせることによって得ることができる。このようにすれば、すべての考えられる色を装飾材製品の中に組み入れることができる。
【0021】
装飾材製品には、活性化および/または失活させるまで明確に着色しない仮想着色剤が含まれていてもよい。ある例では、リン含有着色剤を装飾材製品の中に組み入れて、その蛍光性によって特別な効果を付与してもよい。さらに、仮想着色剤によって、装飾材製品への光の強度、光の角度、視角、および/または照明によってその装飾材の見え方を変化させることにより、特別な視覚効果を付加してもよい。このような仮想着色剤の活性化としては、たとえば、リン含有仮想着色剤を各種波長の光線に暴露させることが挙げられる。当業者に公知のように、燐光体含有化合物は、光に暴露させたときに、ルミネセンスまたは蛍光を発する。可視光線に暴露させたときには、燐光体は可視白色光を放つ。燐光体含有仮想着色剤を日光に暴露させると白色の輝度が一段と向上するが、これは太陽光線中の紫外光線が、仮想着色剤中の白色に対し「通常の」白色よりも明るく輝くような外観を与えるからである。たとえば、実質的に紫外線A波長を放出する電球からのブラックライトに暴露させた場合には、リン含有化合物は、パープルの色相を有する光を放つ。ブラックライトはたとえば、基本的に変性燐光体でコーティングされた蛍光ランプであるブラックライト管から得ることができる。この変性コーティングは、有害な短波長である紫外線Bおよび紫外線C波長を吸収し、紫外線A波長を放出する。ブラックライト管のチューブは、ほとんどの可視光線を阻止する一方でほとんどの長波長の紫外線A波長を放出するために黒色である。その他の有用なタイプのブラックライトとしては、白熱ブラックライト球から得られるブラックライトが挙げられる。ブラックライトを放つ白熱ブラックライト球は通常の家庭用電球に類似しているが、ほとんどの可視光線を吸収する一方で赤外線と紫外線A光線を放出するフィルターが組み入れられている。
【0022】
また他の実施態様においては、仮想着色剤を含む装飾材製品は、部屋間の通路、出口への通路、および/または非常の際の通路を表示するための夜間光源としても役立つ。
【0023】
表面を可逆的に着色するために、多くの製品を装飾材製品に用いることができる。そのような製品としては、たとえば、染料、トナー、粉体ペイント、インキ、およびそれらの組合せが挙げられる。使用可能な染料の例としては、水系の染料たとえば、ミリケン・ケミカル・カンパニー(Milliken Chemical Company)製のリキッドテイント(LIQUIDTAINT)(商標)およびバーサティント(VERSATINT)(登録商標)が挙げられる。使用可能なトナーの例としては、反応性トナーたとえば粉体トナーが挙げられる。有用な粉体トナーの例を挙げれば、ソウグラス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Sawgrass Technologies,Inc.)から入手可能なもの、たとえばナチュラ(NATURA)(商標)粉体トナー、さらには、以下の表1に示される米国特許および特許出願公開の中に個別に開示されている配合および/または組成物が挙げられる。
【0024】
表1 粉体トナー配合物
【表1】
【0025】
本発明の開示において有用なトナー粒子は、約90%以上の粒子が、約100ミクロン未満、または約25ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約0.1〜約50ミクロン、または約1〜約20ミクロン、または約3〜約10ミクロン、または約750nmより大〜約100ミクロン、または所望の用途によってそれらよりも大きな粒径または小さな粒径を有するという、粒径特性を有していてよい。一つの実施態様においては、そのトナー粒子の融点が、約60℃以下から約150℃以上、または約60℃〜約275℃、または約25℃〜約110℃、または約80℃〜約100℃の範囲である。
【0026】
本発明の開示において有用なその他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,850,725号明細書に開示されている。本発明の開示において有用なさらに他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,713,222号明細書に開示されている。本発明の開示において有用なさらに他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,680,153号明細書に開示されている。
【0027】
有用であると考えられる粉体塗料の例としては、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、および添加剤または装飾材粒子のいずれかとしてのハイブリッド化学物質を含むものが挙げられるが、これらについては後に説明する。使用可能と考えられるハイブリッド化学物質の一例としてエポキシ−ポリエステルハイブリッドであり、これは反応性粉体コーティング産業においては日常的に使用されている。粉体塗料としての典型的な粒径は、たとえば、約20ミクロンより大から約50ミクロンまでの範囲とすることができるが、本発明の開示の目的においては、所望される取消可能性(reversiblity)および/または貼付性に応じてより大きいおよびより小さい粒径も考えられる。典型的な粉体塗料は、約107℃から約163℃から約302℃までの融点温度を有していてよいが、より低い温度やより高い温度もまた本発明の開示の内であると考えられる。
【0028】
さらに、装飾材製品にはハイブリッド顔料粒子を有する着色剤が含まれていてもよい。ハイブリッド顔料粒子の一例としては、たとえば染料と顔料とを組み合わせたものがある。この実施態様においては、顔料分子が繊維表面をコーティングする一方で、染料分子が繊維に侵入する。
【0029】
また別な実施態様においては、その装飾材製品を、1種または複数の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、着色剤、添加剤、および/または液体キャリヤが含まれるように配合する。熱可塑性樹脂の例としては、たとえば、ポリエステル、不飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、スチレン−アクリレート、および/またはアクリル樹脂のようなポリマー材料が挙げられる。例を挙げれば、本発明の開示において有用であると考えられる熱可塑性および/または熱硬化性樹脂は、たとえば約260℃以下の融点を有している。
【0030】
また別な実施態様においては、装飾材製品には、たとえば、ナノカプセル化、マイクロカプセル化、マクロカプセル化、区画分けされた粒子などのカプセル化された装飾材製品粒子が含まれていてもよい。例を挙げれば、マイクロカプセル化装飾材製品粒子には、たとえば1以上の外側シェル、1以上の内側区画、1種以上の着色剤、および/または1種以上の添加剤が含まれていてもよい。1種以上の着色剤および/または1種以上の添加剤は、同一の区画内にあってもよいし、別の区画にあってもよい。このマイクロカプセル化装飾材製品粒子は、たとえば、装飾材製品の製品寿命を長くする、装飾材製品の送達システムに対する適合性を向上させる、表面に対する装飾材製品の付着性を向上させる、定着前および/または定着後の装飾材製品の表面からの除去性を向上させる、および/または装飾材製品の表面に対する熱定着性を向上させる、などの利点を付与することができる。化合物をカプセル化することにより得られるその他の利点としては、当業者に公知のことの内でも、たとえば化合物の持続放出、緩衝作用などが挙げられ、これらも本発明の開示に含まれると考えられる。区画分けおよび/またはマイクロカプセル化された装飾材製品粒子は、同一および/または異なった物質たとえば、1種または複数の固形物、1種または複数の液状物、1種または複数のガス状物、および/またはそれらの組合せを含む、サイズの等しいまたは異なる複数の分かれた領域を有していてもよい。一例として、本発明の開示において有用なマイクロカプセル化技術は、マイクロテック・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Microtek Laboratories,Inc.)によって提供されている。
【0031】
さらなる実施態様においては、装飾材製品には、除去可能な塗料および/または表面コーティングが含まれていてもよい。この点に関して、装飾材製品は、湿式化学物質、たとえばアンモニア系、酸系、および/または水系の化学物質によって除去可能であってもよい。例を挙げれば、装飾材製品は、1種または複数の界面活性剤、酸化亜鉛、および/または1種または複数の着色顔料を含む液状物であってもよい。本発明の実施態様の装飾材製品は、たとえば、弱酸、緩衝剤、弱アルカリ性溶液、極性もしくは非極性溶液、洗剤、セッケン、アルコール、および/または固形の化合物、および/またはそれらの組合せによって除去されてもよい。
【0032】
本発明の開示において有用なアンモニア系化学物質の例としては、ミズーリ・ターフ・ペイント(Missouri Turf Paint)(たとえば、タイタン(TITAN)(商標)リムーバブル(Removable))、パイオニア(Pioneer)、スポーツ・コーティングズ(Sports Coatings)、またはスペシャリスト・グループ(Specialist Group)により供給されているものが挙げられる。本発明に開示の装飾材製品において有用な酸系化学物質の例としては、リマーカブル・ペイント・カンパニー(Remarkable Paint Company)から供給される、たとえば、リ−マーカブル(RE−MARKABLE)(登録商標)ペイント(Paint)などが挙げられる。本発明の開示において有用なさらなるリマーカブル・フィールド・ペイント(remarkable field paint)としては、たとえば、米国特許出願公開第2004/0127376号明細書に開示されているものが挙げられる。本発明の開示におけるリマーカブル・フィールド・ペイントのその他の有用な例としては、たとえば、米国特許第6,653,265号明細書に開示されているようなものが挙げられる。本発明に開示の装飾材製品において有用なストリッピング可能なアンモニア配合物のさらなる例としては、米国特許第5,041,488号明細書に開示されているようなもの、および高感度なスチレン/アクリル化合物を含むものなどが挙げられる。その他の有用な水系染料および組成物としては、たとえば、米国特許第6,834,589号明細書に開示されているようなものが挙げられる。
【0033】
本発明の開示において有用な水系の化学物質としては、マジック・カラーズ・カンパニー(Magic Colors Company)により供給されているもの(たとえば、リムーブ・イット・パーマネント・ペイント・システム(Remove It Permanent Paint System))などが挙げられる。さらには、水性布帛ペイントおよび/またはペイントシステムも、本発明に開示の装飾材製品の実施態様において有用であると考えられる。本発明の開示において有用な水性布帛ペイントの例としては、たとえば、ジャカード・プロダクツ(Jacquard Products)のジャカード・テキスタイル・カラーズ(Jacquard Textile Colors)、ダイ−ナ−フロー(DYE−NA−FLOW)(商標)、およびネオペイグ(NEOPAGUE)(商標)、マラブウェルケ・GmbH・アンド・カンパニー・KG(Marabuwerke GmbH & Co.KG)製のマラブ−テキスティル(Marabu−Textil)、およびサンシャイン・ジョイ・ディストリビューティング(Sunshine Joy Distributing)から入手可能なシンプリー・スプレー(SIMPLY SPRAY)(商標)などが挙げられる。多様な表面で使用することができ、短時間または長時間後でも溶媒によって除去することが可能な湿式消去(wet−erase)インキもまた、本発明の開示において有用である。そのような湿式消去インキには、水溶性バインダー、セルロース誘導体、および/またはポリビニルピロリドンが組み入れられていてもよい。
【0034】
さらなる実施態様においては、乾式消去インキ、剥離可能および/またはストリッピング可能なコーティング、アルカリ可溶性樹脂、および本明細書に開示された各種の価値付加化学物質が含まれていてもよい。乾式消去インキ、組成物、およびそれらのアプリケータの例としては、アイティーダブリュー・ダイモン(ITW Dymon)、パイロット・ペン・コーポレーション(Pilot Pen Corp.)、サンフォード・コーポレーション(Sanford Corp.)、アベリー・デニソン・コーポレーション(Avery Dennison Corp.)、ビニー・アンド・スミス・インコーポレーテッド(Binney & Smith Inc.)、および大日本インキ化学工業(株)(Dainippon Ink and Chemicals, Inc.)によって提供されるものが挙げられる。本発明の開示において有用となりうるその他の乾式消去インキ、組成物、およびアプリケータとしては、たとえば、米国特許第6,031,023号明細書に開示されているようなものが挙げられる。
【0035】
本発明の開示の他の有用な配合物としては、スプレーラート・インターナショナル・リミテッド(Spraylat International,LTD.)により製造されている、剥離可能および/またはストリッピング可能なコーティングが含まれる。さらに、装飾材製品には、貼り付けられた装飾材製品の除去を容易とするための、熱的に剥離可能なコーティングおよび/または吹き付け剤が含まれてもよいと考えられる。本発明の開示において有用な、熱的に剥離可能なコーティングおよび吹き付け剤の例としては、たとえば、米国特許第5,010,131号明細書に開示されているようなものが挙げられる。本発明の開示において有用なその他のコーティングとしては、たとえば、米国特許第6,872,444号明細書に開示されているような、ナノ粒子コーティング組成物が挙げられる。
【0036】
また別な実施態様においては、装飾材製品には、アルカリ可溶性樹脂系が組み入れられる。アルカリ樹脂系の例としては、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリル酸およびメタクリル酸、イソブチレン/無水マレイン酸のコポリマー、プロピオン酸変性ウレタンなどが挙げられる。本発明の開示において有用なアルカリ樹脂系は、特に、ビーエーエスエフ・コーポレーション(BASF Corp.)、(株)クラレ(Kuraray Co.LTD.)、ジョンソン・ポリマー(Johnson Polymer)、ローム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm and Haas Co.)、インターポリマー・コーポレーション(Interpolymer Corp.)、スコット・ベーダー・カンパニー・リミテッド(Scott Bader Co.,LTD.)、サルトマー・カンパニー(Sartomer Co.)、およびディーエスエム・ネオレジンズ(DSM NeoResins)などの会社から入手可能である。アルカリ可溶性樹脂系のための有用な添加剤の例としては、2価の亜鉛塩が挙げられる。その他有用なアルカリ可溶性樹脂系が、さらに米国特許第6,147,041号明細書に開示されている。さらなるアルカリ可溶性樹脂系としては、たとえば米国特許第5,453,459号明細書に開示されたものが挙げられる。
【0037】
本発明の開示のさらなる実施態様には、価値付加化学物質が含まれていてもよく、そのようなものとしては、粉体コーティング、トナーおよび/またはインキ化学物質、カーペット染み抜き剤および/またはマスキング剤、悪臭除去剤および/または吸収剤、漂白剤などが挙げられる。本発明の開示において有用なカーペットの染み除去および/またはマスキングのための組成物および方法には、本出願と同日に出願された代理人書類番号第J−4377A、J−4377B、J−4377CおよびJ−4550号(米国特許出願番号未付与)の中に開示されているものが挙げられる(それらの開示のすべてを、ここに引用することにより本明細書に取り入れたものとする)。さらに、自動車産業において購入後のカーペット染色に使用される方法が、本発明の開示において有用であってもよく、そのような方法にはたとえば、トップ・オブ・ザ・ライン(Top of the Line)から入手可能な「プロ・ダイ・システム(Pro Dye System)」が挙げられる。さらに考慮すべき化学物質としては、装飾材製品を表面に貼り付けたり表面から除去したりするために調製物中の装飾材製品粒子を架橋する紫外線照射架橋剤が挙げられる。
【0038】
その他の実施態様においては、本発明の開示で考えられる装飾材製品には、たとえば配合時に組み入れたり、配合後かつその装飾材製品を表面に適用する前に加えたり、および/または装飾材製品を表面に適用した後で加えたりする、1種または複数の添加剤が含まれていてよい。本発明の開示において有用な添加剤を例示すると、以下のようなものが挙げられる:たとえば、充填剤、金属粒子、粘着剤、バインダー、トナー、樹脂たとえばアクリル、アクリルラテックス、ポリエステル、ウレタン、および/またはエポキシ樹脂、キャリヤ、ワックス、電荷添加剤(charge additive)、タンパク質、オーバーコーティングラッカーたとえば紫外線開始剤、紫外光吸収剤、紫外線安定剤、紫外線遮断剤、安定剤、増粘剤、抗ウィッキング添加剤、乾燥粉体、界面活性剤、湿潤剤、乳化剤、コーティング、分散剤、香料、芳香剤、顔料、染料、保存剤、溶媒、潤滑剤、流動性改良剤、流動添加剤、保湿剤、噴射剤(たとえば、加圧ガスまたはブタンおよびプロパン等の炭化水素系噴射剤)、無機粒子添加剤、磁気応答ミクロ粒子、一時的放出剤(temporal emission agent)、安全面で効果のある添加剤、表面保護の面で効果のある添加剤、電気的添加剤、相互的知覚添加剤(interactive sensory additive)、ガス抜き剤、抗酸化剤、熱安定剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、質感剤、電荷調節剤、導電剤、加工助剤、金属塩の乾燥粉体、脂肪酸の金属塩、コロイダルシリカ、誘導成分、および/または金属酸化物、ならびにそれらの組合せ。例を挙げれば、装飾材製品組成物には、装飾材製品の全重量の、約0.1%より大または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で添加剤を含む。
【0039】
粘着剤またはバインダーは、カラートナーにおいて使用される樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を示すように選択して、樹脂粒子に加える。ガラス転移温度がより低い粘着剤および/またはバインダーは、貼付後の装飾材の美感(aesthetic feel)にプラスの影響を与える可能性がある。さらに、そのような粘着剤および/またはバインダーは、エマルションとして調製された組成物の安定性を向上させ、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン、およびイソブチレン等のエラストマー性材料からなるカーペット繊維に対する装飾材製品の機械的接着性をより大きくする可能性がある。粘着剤およびバインダーはさらに、硬化工程の前および/または後における、ナイロンおよびポリエステルカーペット等の軟質表面上における取消可能性(reversibility)をベースに選択してもよく、たとえば、アルコプリント・PTU(Alcoprint PTU)(チバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba Geigy Corp.)製)が挙げられる。ある種の用途においては、硬化させた後の保持力が高レベルであることも望ましい。本発明の開示において有用な粘着剤の例としては高分子樹脂が挙げられ、これによって高分子量樹脂粒子間、および/または軟質表面と高分子量樹脂粒子との間の積層粘着性が付与される。一つの実施態様においては、その高分子量樹脂、たとえばクリアトナー等のトナーは、粘着剤としての機能も果たすことができる。本発明の開示において有用な粘着剤およびバインダーの例としては、ビーエーエスエフ・コーポレーション(BASF Corp.)製のスチレンブタジエンコポリマーラテックスである、スタイロナール(STYRONAL)(登録商標)ND656、および英国のインダストリアル・コポリマーズ・アンリミテッド(Industrial Copolymers Unlimited)製のウレタン/アクリルエマルションである、インコレツ(INCOREZ)(登録商標)W2450が挙げられる。本発明の開示において有用なその他の樹脂を挙げれば、たとえば、ゼオン・ケミカル・エル・ピー(Zeon Chemical L.P.)から入手可能なスチレン、アクリレートエステル、およびアクリロニトリルの架橋ターポリマー(トナー樹脂S−103CおよびS−111を含む)、ならびに積水化学工業(株)(Sekisui Chemicals Co.LTD.)から入手可能なスチレン−アクリル樹脂(スチレンとアクリルのコポリマーをベースとするS−LEC樹脂を含む)などがある。本発明の開示において有用なその他の樹脂としては、たとえば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリル酸ブチル、スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル、および、エリケム(Elikem)から入手可能なスチレン/アクリル酸ブチル樹脂で、プライオトーン(PLIOTONE)(商標)の商品名で市販されているものなどが挙げられる。ポリエステル樹脂は、スチレン/アクリレートまたはスチレン/ブタジエン樹脂よりも低温で溶融が可能であるので、装飾材製品および/または軟質表面に付与する熱が少なくてすむ。ポリエステル樹脂の例としては、熱硬化性ポリエステル、オルソフタル酸、イソフタル酸、ジシクロペンタジエン等の不飽和ポリエステル樹脂、およびビスフェノールAフマレート樹脂、およびたとえば、カオウ・スペシャルティーズ・アメリカズ・エルエルシー(Kao Specialties Americas,LLC)から入手可能なものなどが挙げられる。有機ポリイソシアネートとポリオールとの発熱反応をベースにしたものを含め、ポリウレタン樹脂もまた本発明の開示においては有用である。例としては、装飾材製品組成物は、装飾材製品の全重量の、約0.1%より大または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で粘着剤を含む。
【0040】
安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、サリチレート、有機ニッケル(nickel organic)、モノベンゾエート、ホルムアミデン(formamidene)、オキサルアニリド(oxalanilide)および/またはフェノールが挙げられる。紫外光線に対する保護性能を向上させる紫外線安定剤の例としては、たとえば米国特許第6,152,038号明細書に開示されているものが挙げられる。本発明の開示において有用な増粘剤の例としては、たとえば米国特許第6,752,841号明細書に開示されているものが挙げられる。本発明の開示において有用な抗ウィッキング添加剤の例は、米国特許第5,116,682号明細書に見出すことができる。
【0041】
本発明の開示で考えられるまた別な実施態様では、1種または複数の表面活性剤(界面活性剤)、たとえば乳化剤が含まれていてもよい。装飾材製品に界面活性剤を使用することによって、着色剤および/または充填剤の濡れを促進するとともに粉体仕上剤の流動性およびレベリング性を改良することができる。さらに、界面活性剤は、硬化反応の間の基材の湿潤化を促進し、それによって装飾材製品の粘着性や腐食抵抗性が改良される。界面活性剤を添加することによって、硬化された装飾材製品の光沢や画像鮮明性もまた向上させることができる。1種または複数の界面活性剤を添加することは、装飾材製品配合物を安定化させ、さらには装飾材製品配合物の粒子の懸濁の向上、装飾材製品の表面への付着も促進する。本発明の開示において有用な界面活性剤としては、イオン性、ノニオン性、および/またはカチオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書で有用な乳化剤としては、チバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba Geigy Corp.)からのアルコプリント(ALCOPRINT)(商標)PTU、ジョンソン・ポリマー(Johnson Polymer)から入手可能なジョンクリル(JONCRYL)(商標)シリーズの乳化剤、および、たとえば粘着剤配合物およびラテックス配合物を含め当業者に公知のその他のものが挙げられる。好適な乳化剤のその他の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、またはラウリル硫酸アンモニウムなどが挙げられ、これにはたとえば、トリトン(TRITON)(商標)100(オクチルフェノキシポリエトキシ−エタノール−ポリエチレングリコール)が含まれる。カチオン性界面活性剤としてはたとえば、ドデシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリド、ドデシルピリジニウムブロミド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としてはたとえば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族セッケンなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としてはたとえば、ポリ−オキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、およびモノデカノイルスクロースなどが挙げられる。一例としては、装飾材製品組成物は、装飾材製品の全重量の約0.001%より大、または約75%より小、または約0.001%〜約50%の間、または約0.1%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で界面活性剤を含む。
【0042】
本明細書で有用な流動性改良剤としては、たとえば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、微粉化疎水性シリカ粉体、微粉化酸化チタン粉体、および微粉化酸化アルミニウム粉体などが挙げられる。さらなる添加剤を、繊維濡れ促進剤、繊維乾燥促進剤、繊維クリーナー(fiber cleaner)および繊維クリーニング促進剤として機能させてもよい。本発明の開示の配合にはさらに、無機微粒子物質たとえば、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウムおよび/または導電性チタニアなどが含まれていてもよい。
【0043】
装飾材製品は、着色剤とともにまたは着色剤なしで、磁気応答ミクロ粒子を含んでもよい。この実施態様においては、その装飾材製品は、静電荷および/または磁気的に方向づけられた力を用いて適用することができる。一例として、酸化鉄および/または当業者公知のその他の磁粉を配合の一部に用いることにより、装飾材製品に磁気応答性が付与される。磁気応答性は、繊維上へのさらなる配置、および/または繊維からの除去の向上、および/またはデザインおよび/またはパターン形成等の美的観点からの補助に利用することができる。
【0044】
さらに、本発明の開示に示される装飾材製品には、芳香付与やアロマテラピーのような非視覚的な利点をさらに付与することを目的とした添加剤が含まれていてもよい。さらなる添加剤としては、たとえばスポットクリーナー、悪臭除去剤など短期または長期の一時的放出剤、および/または殺菌剤、殺ダニ剤、殺虫剤(insectcide)、農薬(pesticide)および/または防カビ剤などの生体活性物質添加物などが挙げられ、これらは、秒〜分〜時間〜日〜週〜月〜年の期間で放出される。
【0045】
さらに、装飾材製品には、難燃剤およびスリップ防止剤のような添加剤が組み入れられていてもよい。さらに、適用された装飾材製品は、それが貼り付けられた表面領域を、染み、欠け、へこみ、割れ、きず、焼けこげ、裂け、摩耗、切り傷、さび、酸化、水による損傷、かび、および/または汚れから防止するのに役立つ可能性がある。さらに、適用された装飾材製品は、絶縁物として、たとえば静電荷を抑制するのにも役立つ可能性がある。
【0046】
また別な実施態様においては、本発明の開示の装飾材製品には、使用者の1種または複数の感覚と相互作用を有する相互的知覚要素が含まれていてもよい。相互的要素の例としては、ムード照明、音響(たとえば、音楽、表示音(indicative sound)、または指示音(instructive sound)、および香り(たとえば、芳香剤発生器、脱臭器、および/または動物だけが感知できる悪臭ペットバリヤー)などが挙げられる。
【0047】
例を挙げれば、装飾材製品の製剤、たとえばエマルションには、重量/重量基準で、以下のものの少なくとも一つが含まれる:1)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%、または約0.1%〜約5%の間の量の表面活性剤;2)約0.1%より大または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の粘着剤;3)約0.01%より大もしくは約95%より小、または約0.01%〜約70%の間、または約0.03%〜約15%の間、または約0.05%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の着色剤;4)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の、添加物;および5)残部の水。
【0048】
本発明の開示の装飾材製品組成物の中には、たとえば着色剤の量に等しい量で、クリアトナーが含まれていてもよい。たとえば、10重量%の着色剤を含むトナー配合物においては、さらにトナー配合物の10重量%のクリアトナーを含む。例を挙げれば、約0.5%(w/w)のイエロー着色剤、約0.4%(w/w)のマゼンタ着色剤、および約0.2%のブルー着色剤を含むトナー配合物中には、さらにトナー配合物の約1.1%のクリアトナーが含まれる。また別な例においては、乳化剤に、約100グラムの水、約1グラムのイエローのナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約0.4グラムのブルーのナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約0.8グラムのマゼンタのナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約2.2グラムの透明のナチュラ(NATURA)(商標)トナー、および約0.33グラムのアルコプリント(ALCOPRINT)(商標)PTUを含む。本発明に開示のエマルションは、エマルションの粒子が1種または複数の乳化剤によってコーティングされるまでの時間、エマルションの各種成分を混合することにより作製することができる。粒子をコーティングすることによって、その配合物の安定性を向上させることができる。混合時間は、配合物の中で使用される具体的な成分によって、たとえば約1分以下から約48時間までの範囲、またはそれ以上の長さとすることができる。
【0049】
また別な実施態様においては、装飾材製品を、ホワイトおよび/またはニュートラルカラー、および/または所望の色がその上に重ねられてもよいその他の色の下地色を含む、染み除去剤およびマスキング剤として配合してもよい。例を挙げれば、その装飾材製品には、pHを中性化および/または調節する前処理化合物、たとえば、過酸化物および/または漂白剤、および/または二酸化チタンタイプのニュートラルカラー適用が含まれてもよい。その装飾材製品には、本明細書に開示されている染みマスキング剤および/または着色剤がさらに含まれていてもよい。また別な実施態様では、表面上の色差(たとえば、染み)をマスキングおよび/または隠す、ホワイトおよび/またはニュートラルカラーを有する高顔料化コーティングを適用することも考えられる。さらに、染みをマスキングした後で、表面のバルク繊維(たとえば、カーペットまたは織物)に適合する色とマッチする他の組成物を適用してもよい。
【0050】
さらにまた別な実施態様においては、装飾材製品組成物は、約25℃未満から、最高はそれを適用した表面基材の溶融温度(Tm)までの、ガラス転移温度(Tg)を有していてよい。さらなる実施態様においては、Tgは、約45℃〜約75℃、または約45℃〜約60℃、または約45℃〜約70℃、もしくは約55℃の範囲である。組成物または表面基材のTgおよびTmは当業者に公知の方法によって測定すればよいが、そのような方法としては、たとえば、動的機械分析、熱機械分析、および示差走査熱量測定が挙げられる。例を挙げれば、装飾材製品および表面基材のTgおよびTmは、モデルQ100示差走査熱量計(ティーエー・インストラメンツ・インコーポレーテッド(TA Instruments Inc.)製)を用い、加熱速度20℃/分で測定すればよい。
【0051】
さらにまた別の実施態様においては、装飾材製品組成物は、約150℃〜約200℃で、約2,000センチポワズ以下、または約5センチポワズ〜約100センチポワズ、または約15センチポワズ〜約50センチポワズ、または約25センチポワズ、または約35センチポワズのインペリアル・ケミカル・インダストリーズ(Imperical Chemical Industries)(ICI)コーン・アンド・プレート粘度を有している。組成物の粘度は、当業者に公知の方法により測定することができるが、それには、たとえば、キャン−アム・インストラメンツ・リミテッド(Can−Am Instruments LTD)により販売されているウェルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート粘度計(Wells−Brookfield Cone/Plate viscometer)を使用し、D4287−00(2005)「スタンダード・テスト・メソッド・フォア・ハイ−シア・ビスコシティ・ユージング・ア・コーン/プレート・ビスコメーター(Standard Test Method for High−Shear Viscosity Using a Cone/Plate Viscometer)」(エーエスティーエム・インターナショナル(ASTM International)に記載の方法に従う。さらに、ブルックフィールド・シーエーピー・2000H・コーン・アンド・プレート・ビスコメーター(Brookfield CAP 2000H Cone and Plate Viscometer)(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.)から入手可能)でサイズ6のスピンドルを使用し、750rpmで25秒間かけて、装飾材製品組成物のアイシーアイ・コーン・アンド・プレート粘度(ICI Cone and Plate viscosity)を測定してもよい。
【0052】
本発明の開示で意図される装飾材製品の適用は、使用されている装飾材製品配合物と両立しうる各種の適切な方法で実施してよい。表面に装飾材製品を適用する方法の例としては、インクジェットプリンタ、ジェット染色プロセス、シルクスクリーン、および/またはロータリー捺染などの使用が挙げられる。さらに、その装飾材製品は、スプレーガン、シート、フィルム、マトリックス、ローラー、ブラシ、マーカー、ペン、スタンプたとえばインキ自給式スタンプ、ポンプスプレーヤ、トリガースプレーヤ、加圧スプレー装置、スポンジ、スクイージ、エアブラシ、繊維セパレータ、染料アプリケータ、ローラー、圧電または加熱駆動送出器、手動または電動シフター、パウダー「パフ」、フェルト/フロックブラシ、および/または粉体ペイントディスペンサによって、適用および/または放出させてもよい。装飾材製品は、湿潤形態、たとえば液体ベースの溶媒、フォーム、スプレー、ウェットエアロゾルのような懸濁液またはエマルションとして、あるいは乾燥形態たとえば、粉体、ドライエアロゾル、および/またはやや湿分を含む粉体として適用することができる。
【0053】
例を挙げて説明するために、装飾材製品を選択された表面に適用する一つの可能な方法を、図1に概略的に示す。ここでは、装飾材製品を収納するリザーバ14およびフィンガーポンプ16を備えたフィンガーポンプスプレーヤ12を使用して、一般的には円錐状の装飾材製品の分散体18をカーペット等の表面20に適用する。この実施態様においては、フィンガーポンプスプレーヤ12の表面20からの距離および、フィンガーポンプスプレーヤの表面に対する角度を変化させることによって、表面に付与されるパターン22の大きさと形状を変化させることができる。この方法によって、予め選択したパターンをデザイン用具を使用しない「フリーハンド」法によって表面に付与できる。
【0054】
本発明の開示の装飾材製品のアプリケータおよび/またはディスペンサのさらなる例としては、たとえば、間欠加圧スプレーヤ(たとえば、ザ・スコッツ・アンド・ミラクル−グロ・カンパニー(The Scotts and Miracle−Gro Company)から市販されているプル・‘N・スプレー(PULL‘N SPRAY)(登録商標)リキッドアプリケータ)、アクチュエータスプレーボトル、トリガースプレーヤ、メカニカルスプレーボトル、ポンプおよび/またはポンプシステム、加圧空気チャンバのための装飾材製品を含むリキッドリフィル、駆動チャンバ(噴射剤、たとえば、二酸化炭素または炭化水素)を有する装飾材製品を含むエアロゾルバリヤーパック、および使用者によって装飾が施される空間または場所への噴射剤放出が少ない加圧スプレーの使用を可能とする装飾材製品を含む液体またはゲルチャンバなどが挙げられる。その他の有用なスプレーヤとしては、たとえば、米国特許第6,872,444号明細書に開示されているようなものが挙げられる。
【0055】
装飾材製品を分配させるさらに他の方法としては、たとえば、乾燥または湿潤状態の装飾材製品粒子を封じ込めた状態で含み、それを濡らすかその他の方法で活性化させると、その表面上にその装飾材製品が放出されるような、装飾材製品を含浸させたシートが挙げられる。また別な例を挙げれば、液体が封じ込められており、圧力を加えたり適切に破壊させたりすると表面上に装飾材製品を放出する、装飾材製品を含浸させたシートもある。さらなる例としては、装飾材製品を均質に分配させる、液体がその上にロール掛けされたりスタンプされたりした装飾材製品含浸シートが挙げられる。さらにまた別な例としては、表面上に装飾材製品を放出するフィルムに適用されると放出物質を捕集および/または方向づけする、開口や穿孔を有する(apertured or perforated)装飾材製品含浸フィルムが挙げられる。さらにまた別な例としては、装飾材製品配合物をその中および/またはその上に封じ込めて含む装飾材製品含浸マトリックスが挙げられ、これは、圧力、振動、液の移動、加熱、および/または化学的手段、および/または、表面に塗布される装飾材製品の量を計測して、装飾材製品を表面上に正確に堆積させる静電塗装器によって、装飾材製品を表面に放出する。
【0056】
装飾材製品を適用するさらなる方法としては、放出時に装飾材製品を混合して所望の装飾材製品の色またはその他の特性を得る、マルチチャンバシステムが挙げられるが、そのようなものの例の一部を挙げれば、トリガーリリースシステム(たとえば、カリフォルニア州アナハイム(Anaheim,California)のテイク・ファイブ(Take 5)(www.take5net.com)により製造された、DLS100、DLS200、またはベルシテック(Versitech)システム)、ポンプシステム(たとえば、シー・チェンジ・グループ(Sea Change Group))の傘下会社であるニューヨーク州ニューヨーク(New York,New York)のバーサダイアル(Versadial)(www.versadialworld.com)により製造された、バーサダイアル(VERSADIAL)(登録商標))、または装飾材製品アプリケータ(たとえば、ブラシ、スプレーボトル、またはその他のアプリケータ)と組み合わされたマルチチャンバミキサー/ディスペンサがある。さらに、予め混合してあって直ぐに使用できるボトルおよび/またはスプレーも、装飾材製品を分配および塗布するために使用することができる。
【0057】
装飾材製品を適用および/または分散させるために意図されるさらなる技術としては、多重機能の装置、たとえば、パッケージング、デザインの位置決め、装飾材製品の適用、および/または表面からのデザイン用具の除去を組み合わせた装置が挙げられる。たとえば、一つの実施態様においては、デザイン用具たとえばステンシルに装飾材製品が含まれ、そのステンシルに放出剤たとえば水を適用することによって、その組成物を表面上に放出させることができる。一例として、水溶性粘着材を用いて乾燥装飾材製品をステンシルに可逆的に付着、または装飾材製品を水溶性透明フィルムの粘着面に付着させてもよい。考えられるさらなる技術としては、着色剤の液滴に電荷を付与するスプレーヤ、および/またはステンシル(粉体塗装に類似)、スポンジング、ならびにフェルトチップペンおよびライナーなどが挙げられる。
【0058】
一つの実施態様における装飾材製品は、例えばゼロックス(Xerox)ドキュカラー(DOCUCOLOR)(商標)12等のカラーコピー機を用いた熱転写技術により、ゼロックス(Xerox)3R5811もしくは他の同様の転写紙、および/またはヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)、キャノン(Canon)、ジオ・ナイト・アンド・カンパニー(Geo Knight & Co.)、アベリー・デニソン(Avery Dennison)、およびスリー・エム(3M)から得られる材料の同様の組合せへの印刷によって適用されてもよい。
【0059】
カプセル化装飾材製品粒子のための適用因子としては、調節放出法、温度放出法、濃度放出法、その他当業者に公知の各種の放出メカニズム等、各種のものが挙げられる。たとえば、マイクロカプセル化された装飾材製品粒子の内容物の放出は、たとえばアンモニア含有溶液等の一般的な溶媒を適用することによるpHの変化によって引き起こさせることも可能である。温度放出メカニズムの例としては、それを越えた場合にのみマイクロカプセル化された装飾材製品粒子の内容物が放出される放出限界値よりも高い温度にマイクロカプセル化された装飾材製品粒子を暴露させることが挙げられる。濃度放出適用法では、長時間にわたり表面に着色剤の一部を適用して、着色剤が表面に対してより均一に分散および/またはより完全に分散された外観を示すようになる。例を挙げれば、ポリマー樹脂粒子シェルと、その中に閉じこめられた着色剤粒子および/または本明細書に開示されたその他の化合物とを含むマイクロカプセル化された装飾材製品粒子を、加熱活性化および/または特定の化学物質に関連する活性化(たとえば、アンモニアを使用したpH変化)によって活性化させてもよい。そのような場合、外側のポリマーシェルが溶融および/または溶解し、その着色剤粒子および/またはその他のミクロ粒子からなる内容物が流れ出すことが可能となって表面に適用される。本発明の開示において有用な放出メカニズムの例を、非限定的に挙げれば、米国特許第6,893,662号明細書に見出されるものがある。マイクロカプセル化された装飾材粒子を処理するために考えられるさらなる放出メカニズムとしては、装飾材粒子の1種または複数のシェルを、破壊するか、加熱するか、弱体化させるか、および/または溶解させるかの少なくとも一つが挙げられる。
【0060】
表面に対して一旦適用および/または貼付された装飾材製品は、一時的、恒久的、および/または半恒久的なものであってよい。半恒久的な装飾材製品の例としては、装飾材粒子を表面に粘着および/または付着させる一時的粘着剤を有する装飾材製品が挙げられる。そのような配合物は、装飾材製品を実質的に粘着および/または付着させることによって、表面上の装飾材製品に、短期間たとえば数時間から数週間の耐久性を与えることができる。一つの実施態様においては、短期間の耐久性を有することによって、装飾材製品を出来事、特別な行事および/または休日用に、表面に貼付する必要なく、同時にそれから容易に除去することが可能であるように、装飾材製品を適用することができる。図2は表面に付着させた装飾材製品の一例であり、個々のナイロンカーペット繊維34に付着した乾燥装飾材粒子32が示されている走査型電子顕微鏡写真である。
【0061】
装飾材製品の表面からの除去は、乾式除去方法か湿式除去方法かのいずれで実施してもよく、たとえば、真空引き、真空引きと機械的操作たとえば撹拌との組合せ、湿潤抽出、スチームクリーニング、化学薬品の適用(たとえば、有機もしくは無機溶媒の適用)、超音波プロセスの使用、洗剤の使用、希アンモニア溶液の使用、および/または研磨イレーザーの使用など、各種の装置および方法を用いたものが挙げられる。上述のプロセスの一部または全部を用いて、表面の上または表面に向けての装飾材製品のセッティング、貼付の前および/または後、および/または硬化の前および/または後に、装飾材製品の除去をしてもよい。
【0062】
本発明の開示において有用な溶媒の例としては、極性および/または非極性溶媒、たとえば、スモールウッド・I.M.(Smallwood,I.M.)「ザ・ハンドブック・オブ・オーガニック・ソルベント・プロパティーズ(the Handbook of Organic Solvent Properties)」(1996、エルセビア(Elsevier))に開示されているものが挙げられる。そのような溶媒としては、たとえば、水、炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素溶媒類たとえば脂肪族アルコール類、その他のアルコール類、グリコールエーテル類、ニトロ化およびクロロ化溶媒類たとえばクロロ化炭化水素類、ケトン類、エーテル類、および/またはエステル類などが挙げられる。その他の有用な溶媒としては、アセトン類、アミン類、酢酸ベンジル類、フェノール類、ポリビニルアルコール類、および/または有機スルホンもしくはスルホキシドファミリーたとえばジメチルスルホキシドなどが挙げられる。表面から装飾材製品を除去するのに洗剤およびセッケンを使用してもよい。上述のものの組合せを使用してもよい。
【0063】
例を挙げて説明すると、表面に適用された装飾材製品の取消可能性は、以下の方法によって調べることができる。最初に、試験表面、たとえばナイロンおよび/またはポリエステルカーペットの2フィート×2フィート正方の試験片を、縦型真空掃除機(たとえば、ビッセル・ホームケア・インコーポレーテッド(Bissell Homecare,Inc.)製のビッセル(Bissell)クリーンビュー(CLEANVIEW)(登録商標)II真空掃除機)を使用し、完全に掃除して、わた状繊維および/または汚れを除く。その上にそれぞれの装飾材製品を適用した3カ所のスポットのそれぞれのベースラインカラーを、ΔE(変色)を測定するために「L−a−b」セッティングに設定されたミノルタ・モデルCR−310(Minolta Model CR−310)彩度計(chroma meter)と組み合わせたミノルタ・データ・プロセッサ・モデル・DP−301(Minolta data processor Model DP−301)(いずれも、コニカ・ミノルタ・センシング・アメリカズ・インコーポレーテッド(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.)製)のような色彩計(colorimeter)を使用して測定し、取扱説明書に従って較正する。
【0064】
3カ所のスポットの表面上に、装飾材製品を、たとえばフィンガーポンプ(finger pump)(吐出粒径60ミクロン)を用いて試験領域が完全に飽和するまで適用する。装飾材製品を放置して実質的に指触乾燥状態とする。完全に乾燥させるまでには典型的には一夜かかるが、たとえば周囲環境の相対湿度および/または温度によってはそれより短くても長くてもよい。装飾材製品の乾燥後、3カ所のスポットのそれぞれの色を上述の色彩計を用いて測定する。次いで、その3カ所のスポットを、ホースアタッチメントおよびブラシレストライアングルツール(brushless triangular tool)を備えたウェット/ドライ真空掃除機、たとえば、ショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1ポータブル・ウェット/ドライ真空掃除機(12V、60Hz、5.5A、モデルNo.2101A(Model No.2101A)、(ショップ−バック・インコーポレーテッド(Shop−Vac,Inc.)製)を使用して吸引する。その3カ所のスポットを、真空掃除機を用いて一方向に数回、そして他の方向でも繰り返し吸引し、十分に除去する。吸引後、色の変化を測定するために、色彩計で測定を行う。変色(ΔE)は下記の数式を用いて求めた:
【数1】
式中、「L」は「明度」を表し、その数値は0=ブラックから100=ホワイトまでであり;「a」の値の増加はよりレッド色となることを表し、「a」の値の減少はよりグリーン色となることを表し;「b」の値の増加はよりイエロー色となることを表し、「b」の値の減少はよりブルー色となることを表している。
【0065】
例を挙げれば、実質的に除去可能な装飾材製品は、未処理のカーペットの最初の読み取り値に比較して、約20未満、または約10未満、または約7.5未満、または約0〜約15の範囲のΔE値を有する。
【0066】
装飾材製品の取消可能性に表面から影響する因子としては、たとえば、装飾材製品依存性の因子、適用依存性の因子、および/または表面依存性の因子が挙げられる。装飾材製品依存性の因子の例としては、その装飾材製品配合の中に含まれる乳化剤のタイプおよび/または濃度を挙げることができ、それらは、装飾材製品とその装飾材製品が適用される表面との間の粘着相互作用に影響を与える可能性がある。さらに、装飾材製品組成物が微粒子成分、たとえば装飾材粒子を含んでいる場合には、その装飾材製品の取消可能性は粒子のサイズの影響を受ける可能性もある。理論により拘束されることを望むものではないが、粒径が小さい程、カーペットのような非平滑表面の窪みおよび隙間の中にそれらの粒子が侵入しやすく、そのためにそれらの粒子がその後の除去プロセスで除去される数が減るために、取消可能性が悪影響を受けるのであろうと考えられる。
【0067】
取消可能性に影響を及ぼす可能性がある適用依存性の因子としては、装飾材製品を表面に適用した際の表面飽和度(surface saturation)の程度、装飾材製品を表面に適用する方法および/または器具などが挙げられる。表面飽和度には、たとえば表面上に適用された装飾材製品の密度が含まれる。表面飽和度が高いと、表面に適用された装飾材製品の大部分を除去した後に装飾材製品が残存する可能性が高くなったり、および/または装飾材製品の表面の窪みおよび隙間の中への侵入が増加したりして、装飾材製品の除去プロセスに対するアクセシビリティが低下を招く可能性がある。さらに、装飾材製品を適用するために使用する方法および/または適用器具も、取消可能性に影響する可能性がある。例を挙げれば、表面への侵入がほとんどあるいはまったくないように表面をコーティングする方法で、装飾材製品を表面に適用してもよい。たとえば、60ミクロン以下のスプレーノズルを用いたフィンガーポンプ等の装飾材製品をミストの形態で適用するアプリケータを使用することで、表面の隙間への侵入がほとんどあるいはまったくないように表面をコーティングすることができる。この例においては、装飾材製品の表面侵入が最小化されるために、装飾材製品の取消可能性を改良することができる。しかしながら、たとえばハンドポンプよりも高速で装飾材製品を容器から吐出できる、エアロゾルスプレー容器またはその他類似のアプリケータを用いて装飾材製品を適用することが所望される場合、表面のより深部への侵入が生じ、そのために、たとえば装飾材製品の除去プロセスへのアクセスが限定または阻止されることによって、表面からの装飾材製品の除去が悪影響を受ける可能性がある。
【0068】
装飾材製品の取消可能性に影響を与える可能性がある表面依存性の因子としては、たとえば、表面の構造および/または質感、表面によって保持される静電荷、および/または、表面張力等に影響する表面に対して行われる前処理などが挙げられる。カーペットなどの場合は、繊維密度のような表面構造因子が装飾材製品の取消可能性に影響を及ぼす可能性もある。たとえば、ナイロンシャグカーペットや編組みが損傷されている使い古しのカーペットなどの開いた構造とは対照的に、密度の高いカーペット構造は粒子の侵入を最小限に抑える傾向が強い。したがって、低密度の表面は、高密度の表面に比較して、たとえば装飾材製品の除去プロセスに対するアクセスが低下するなど装飾材製品の取消可能性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0069】
さらに、表面の静電荷および/または表面張力もまた取消可能性に影響しうる。例を挙げれば、静電荷および/または表面張力を低下させて装飾材製品の可逆特性を改良するための表面処理を施してもよい。使用可能な表面処理の例としては、スリー・エム(3M)のスコッチガード(SCOTCHGUARD)(商標)カーペット・アンド・アップホルステリー・プロテクター(Carpet and Upholstery Protector)(スリー・エム(3M)製)および/またはアドバンスト・テフロン(Advanced TEFLON)(登録商標)カーペット・プロテクター(Carpet protector))(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company)製)などが挙げられる。さらに、このような前処理を施すことによって、より少量の装飾材製品を用いて表面上に装飾材製品を被覆および/または分散することができ、その結果、過飽和のリスクを最小化することによって、装飾材製品の取消可能性を間接的に促進することができる。
【0070】
場合によっては、より大きな粒径を有するように装飾材製品を処方して、表面の狭い隙間に侵入可能なサイズの粒子の量を減少させることにより、取消可能性を改良もしくは促進してもよい。さらに、理論により拘束されることを望むものではないが、サイズがより小さい粒子たとえばそのサイズが約5〜約10ミクロンよりも小さい粒子の方が、より大きな粒子たとえばそのサイズが約20ミクロンよりも大きな粒子に比較すると、静電荷および/または表面張力によって相対的により密接に表面に保持され得るために、サイズがより大きい粒子に比較して、サイズがより小さい粒子の方が表面から相対的に除去されにくいと考えられる。したがって、いくつかの実施態様においては、より大きな粒子を用いて配合された装飾材製品と比較して同等の取消可能性をより小さな粒子を用いて配合された装飾材製品でも得ようとすると、表面の前処理、追加的な作業および/または追加的な方法が必要となるかもしれない。
【0071】
本発明の開示の装飾材製品を表面に適用し、その装飾材製品をその表面の上に保持させる場合は、装飾材製品を化学的に硬化させるかおよび/または機械的に接着させることにより、その装飾材製品の配合に応じて、一時的、恒久的、および/または半恒久的に表面に対して硬化および/または貼付することができる。本明細書に開示される方法において意図される、装飾材製品および表面と適合し得る各種の硬化または貼付技術としては、たとえば装飾材製品に対してエネルギーおよび/または化学物質を適用する方法が挙げられる。硬化または貼付技術の例としては、たとえば、加熱硬化、スチーム硬化、加圧硬化、たとえば紫外線照射、高周波硬化、磁場などの電磁場への暴露、超音波硬化、誘導加熱硬化、太陽熱硬化、発熱反応熱硬化、対流加熱硬化、および/または放射線加熱硬化などが挙げられる。さらに、装飾材製品を周囲環境に暴露させることによって、装飾材製品の硬化または貼付を実施してもよい。
【0072】
ある実施態様においては、約−7℃〜約650℃もしくは約4℃〜約400℃の範囲、または約260℃未満、もしくは約20℃〜約180℃、もしくは約65℃〜約120℃の温度、あるいは装飾材製品が適用される表面に応じてより高い温度やより低い温度での加熱を用いて装飾材製品を表面に貼り付けてもよい。さらに、その硬化または貼付工程にようする時間は一般に装飾材製品および/または表面に依存し、例を挙げれば、装飾材製品の硬化に要する時間は、1秒未満〜約15分、もしくは約15分〜約1時間、もしくは約1時間〜約4時間、もしくは約5時間〜約8時間、もしくは約8〜約12時間、またはそれよりも長い。
【0073】
装飾材製品を表面に硬化および/または貼付するために使用できるツールとしては以下のようなものが挙げられる:たとえば、加熱した鉄(hot iron)、カルロッド(CALROD)(商標)加熱素子を含み加熱される表面の上部に吊り下げて用いる筐体(enclosure)または枠、1個または複数の白熱電球を有する筐体または枠、ヒートガン、基材上に加熱空気を吹き付けるためのヒーターおよび送風装置を有する筐体または枠、赤外線加熱要素を有する筐体または枠、紫外光源を有する筐体または枠、スチーム発生装置、加熱ツール(たとえば、家庭用アイロン、電熱板(electric griddle)、またはヘアドライヤーもしくは機能が類似するが特定の用途のために設計されたもの)、またはマイクロ波放出装置もしくは高周波放出装置。装飾材製品の貼付に使用される、本明細書で意図される装置には、貼付工程を容易にし、さらに装飾材製品を適用する表面を過度の加熱による損傷から守るためのヒートセンサーおよびタイマーが組み入れられていてもよい。
【0074】
装飾材製品を表面に対して貼り付けるための他の方法としては、金属のナノ粒子またはミクロ粒子を含む装飾材製品の誘導加熱、湿分硬化システム、付着した装飾材製品に対する磁気増強(magnetic enhancement)付与、および装飾材製品内部の添加剤を処理して貼付を促すこと、などが挙げられる。装飾材製品を表面に貼付するためのさらなる方法としては、上述の表1に示した米国特許および公開特許出願に開示されているものが挙げられる。
【0075】
貼付の例示を図3に示す。ここでは、本明細書に記載したナイロンカーペットのような表面44に装飾材製品を適用し、表面に対して実質的に乾燥させて、それに付着した実質的に乾燥した装飾材粒子42を形成している。電磁場等のエネルギー48を発生する貼付装置46を、適用された装飾材粒子42の上部をAの方向に移動させる。発生したエネルギー48と接触すると、装飾材粒子は溶融および流動を開始し、発生したエネルギーが除去されると冷却を開始して表面44に結合し、実質的に表面に貼付される。他の定着の例が図4に示されているが、これは、カーペットの個々の繊維の上に形成された装飾材粒子からなる膜を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【0076】
装飾材製品の貼付および/または装飾材製品の摩耗に対する回復力(resiliency)を増強させるために、付着した装飾材製品に保護被覆を適用してもよい。有用な保護被覆としては、たとえば、米国特許第6,872,444号明細書に開示されているナノ粒子コーティング組成物が挙げられる。さらに、本発明の開示において有用な固着剤としては、芸術分野で固着および/またはシールのために使用されている、たとえばパステル、鉛筆、木炭、クレヨン、インキ、グワッシュ、または水彩絵具などが挙げられる。そのような固着剤の例としては、ブルー・ラベル・リワーカブル・フィクサティフ(Blue Label Reworkable FIXATIF)(登録商標)(マーチン・F・ウェッバー・カンパニー(Martin F.Webber Co.)製)、ゴールデン(GOLDEN)(登録商標)アーカイバル・スプレー・ワニス(Archival Spray Varnish)(ゴールデン・アーティスト・カラーズ・インコーポレーテッド(Golden Artist Colors Inc.)製)、クリロン(KRYLON)(登録商標)ワーカブル・フィクサティブ(Workable Fixative(クリロン・プロダクツ・グループ(Krylon Products Group)製、ザ・シャーウィン−ウィリアムス・カンパニー(The Sherwin−Williams Company)製)、およびラスコー(LASCAUX)(登録商標)ファイン・アート・フィクサティブ(Fine Art Fixative)(スイス国(Switzerland)、ラスコー・カラーズ・アンド・レスタウロ(Lascaux Colours & Restauro)製)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
【0077】
装飾材製品を適用および/または貼付する表面を、装飾材製品の適用前にコンディショニングしておいてもよい、ということも考えられる。そのようなコンディショニングとしては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:クリーニング、真空引き、スチームクリーニング、漂白、pH均衡、pH低下、pH上昇、掃除、塗装、こすり洗い、濡らし、質感加工、平滑化(leveling)、傾斜(tilting)、乾燥、加熱、冷却、紙やすり掛け(sanding)、磨き(buffing)、被膜(coating)、コーティング除去、表面の静電荷低下、および/またはたとえば椅子張り地およびカーペット保護剤、たとえば、スリー・エム(3M)スコッチガード(SCOTCHGAURD)(商標)カーペット・アンド・アップホルステリー・プロテクター(Carpet and Upholstery Protector)(スリー・エム(3M)製)および/またはアドバンスト・テフロン(Advanced TEFLON)(登録商標)カーペット・プロテクター(Carpet protector))(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company)製)を用いた表面処理の適用。
【0078】
例を挙げれば、実質的に貼り付けられた装飾材製品の耐久性は、未処理の表面と表面の上に貼付された装飾材製品との間で測定されたΔEと、未処理の表面と、貼付後に本明細書に記載されているように真空掃除機で吸引した装飾材製品との間で測定されたΔEとの比を求め、その比率を100から差し引くことによって、ΔE値として表すことができる。例を挙げれば、実質的に貼り付けられた装飾材製品におけるΔEの百分率変化は、約0%〜約20%のΔE変化である。
【0079】
本発明の開示のさらなる実施態様には、表面上にたとえばパターンを形成して装飾材製品の美的効果を向上させるために表面への装飾材製品の適用を制御するデザイン用具の使用が含まれる。本発明の開示において意図される表面上の装飾材製品のパターンには、画像、パターン、形状および/またはデザインのいずれかまたはすべてが含まれる。装飾材製品を適用する際に、選択された表面の上でアプリケータを移動させるか、あるいは移動させることなく、装飾材製品アプリケータに固有の分散パターンを利用して、予め選定されたまたはランダムなパターンを表面に付与してもよい。たとえば、円錐形状の分散パターンを有するスプレーアプリケータを使用することによって、装飾材製品を適用する際の
アプリケータの位置の表面からの距離を変化させることによって変化する、個々のスポットおよび/または直径を有する円の形を選択して適用することができる。さらに、表面の上部で装飾材製品を適用する際にアプリケータを、所定またはランダムなパターンで動かすことによって、表面上に所定またはランダムなパターンを得ることができる。そのようにして、デザイン用具を使用または使用せずに予め選定されたパターンおよび/またはランダムなパターンを表面に付与することができる。
【0080】
本発明の開示において意図されるデザイン用具は、選択された表面のある所定の領域に適用されるある量の装飾材製品を、制限、指向、集中、濃縮、誘導、希釈、および/または分散させてもよい。そのようなデザイン用具としては、たとえば、ステンシル、テンプレート、アレイ、ガイド、フレーム、パターン付与用具、図形をランダムに付与する用具、手動式用具、自動式用具、コンピュータ誘導用具、プログラム付き用具、および/またはそれらの各種組合せが挙げられる。本明細書で使用するために意図されるデザイン用具、たとえばステンシルは、その全体もしくはその一部が、たとえば、紙、木材、石材、プラスチック、厚紙、金属、および/またはそれらの各種組合せのような材料で構成されていてよい。
【0081】
本発明の開示での使用が意図されるステンシルまたはその他のデザイン用具は、レーザー、ナイフ、ダイカッティング、および/またはステンシル物質の特性(たとえばステンシル物質の硬度または軟度)によって決まってくるその他各種の適切な手段によって所定の、規則的な、不規則な、および/またはランダムな方法でデザイン、構成、成形および/または再成形されて、表面上に装飾材製品を導入して少なくとも視覚的なデザインの、所定の、規則的な、不規則な、および/またはランダムな付着を得るための、所定の、規則的な、不規則な、および/またはランダムな形状を付与する。ステンシルをさらに積層させて、後構成(post−construction)および/または後デザイン(post−designing)を適用された追加の層を有するようにしてもよい。
【0082】
本発明の開示において有用な、例示のためのステンシル60を図5に示すが、これには(たとえば、液状物を吸収させたり、および/または、乾燥物質および/または固形物を閉じこめたりするための)紙ティッシュ、吸収性親水性物質でコーティングされていてもされていなくてもよい合成の織布もしくは不織布材料、および/または固体状および/または液体状のトラッピング物質を含む物質封じ込め層62が含まれている。この物質封じ込め層は、約0.01ミル〜約1000ミル、もしくは約0.1ミル〜約500ミル、もしくは約0.5ミル〜約150ミル、もしくは約1.25ミル〜約50ミル、もしくは約2ミル〜約15ミルの厚み、またはその用途に応じてそれらよりも薄いもしくは厚い厚みを有していてよい。このステンシルにはさらに、意図されない着色剤への暴露から選択された表面を保護するための、ポリエチレン等のポリオレフィンを含む各種の疎水性物質からなる液体バリヤを含んでもよい液体バリヤ層64が組み入れられていてもよい。この液体バリヤ層64はさらに、吸収剤物質を通過して液体が移動するのを防止するための吸収剤物質の一面に適用されたコーティングを含んでもよい。このコーティングの組成は、アクリルポリマーのようなポリマーであってよい。液体バリヤは、約0.01〜約1000ミル、もしくは約0.1ミル〜約500ミル、もしくは約0.5ミル〜約150ミル、もしくは約1.25ミル〜約50ミル、もしくは約2ミル〜約15ミルの範囲の厚み、またはその用途に応じてそれらよりも薄いもしくは厚い厚みを有していてよい。本発明の開示において有用な物質封じ込め層およびバリヤ層の組合わせの一例としては、キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)から市販されている、ゴッチャ・カバード(GOTCHA COVERED)(登録商標)ドロップクロスが挙げられる。ステンシル60にはさらに、第一の支持層66が含まれ、この層は、ステンシル60の少なくとも物質封じ込め層62および液体バリヤ層64を通る通路を付与する1個または複数の切り抜き部分68のエッジを固定させるのに役立つ。この実施態様においては、第一の支持層66は糸を含むが、以下に示すように他の材料を糸に加えて、または糸に代えて使用してもよい。さらに、ステンシル60には第二の支持層70が含まれ、この層はたとえばカーペットのような表面(図示せず)にステンシル60を固定させるのに役立つ。第二の支持層70は、粘着性物質、たとえば以下に示すような粘着性のメッシュ状物質からなっていてよい。
【0083】
ステンシル60の断面図を図6に示す。ここでは、その切り抜き部分68が、物質封じ込め層62、液体バリヤ層64、および第二の支持層70を貫通するように示されている。しかしながら、第二の支持層70は、そのメッシュ状の構造のために、表面上に付着される装飾材製品を通過させる切り抜き部分68を必ずしも必要としない。
【0084】
また別な実施態様においては、物質封じ込め層とバリヤ層とが同じ材料からなってもよい。たとえば、層によって密度が異なる二重目的材料(たとえば、紙材料)である。この例においては、二重目的材料の上部層は物質封じ込め層に相当し、液状物を吸収したり、および/または乾燥物質および/もしくは固形物をトラッピングしたりする密度を有し、下部層はバリヤ層に相当し、その中を液状物が通過するのを妨げる密度を有している。さらに、材料の密度が異なるのに加えて、または材料の密度が異なる代わりに厚みが異なることによって、先に述べた二重目的材料の機能性に寄与してもよい。このような二重目的材料を用いることでステンシルの製造が容易になり、本開示において想定されているステンシルを作製するのに複数の材料を使用する上で有利である。
【0085】
本発明の開示において使用可能な別のステンシルには、チュール、スクリム、アベリー・デニソン(Avery Dennison)からのベルクロ(VELCRO)(登録商標)、バーサ・フック(VERSA HOOK)などのような、固定性および/または付着性を有する繊維質の支持層が含まれていてもよい。例を挙げれば、この支持層は表面上に重ねたときに、ステンシルが表面に対して充分に固定され、表面上へ装飾材製品を付着させ、所望の結果が得られるように、剥離可能に固定されて表面と接触する。この支持層にはさらに、その他の粘着性のメカニズム、性質および/またはデバイス、たとえば、粘着性ストリップ、感圧性粘着剤のようなデバイス、および/または当業者に公知の各種の標準的な接着メカニズムが含まれていてもよい。ルーズ・グリッド(loose grid)、ウェブ、またはメッシュ状の材料、たとえば糸を含むさらなる支持層が、ステンシルのバリヤ層に隣接して設けられてもよい。この実施態様においては、その切り抜き部分が、物質封じ込め層、バリヤ層、および支持層にまで延長されていてよい。本発明の開示において有用な、支持層が感圧接着剤であるステンシルの例としては、たとえば、米国特許第6,779,443号明細書に開示されているものが挙げられる。その支持層は意図されない表面の曝露を最小化し、ステンシルの構造的一体性を保持する機能を果たすのに充分な面積を有するようにしてもよい。
【0086】
この適用において使用可能なステンシルは、装飾材製品の除去手段および/または貼付手段に対し、実質的に回復力を有していてよい。ステンシルを使用して、その下にある表面を本明細書に開示される装飾材製品除去手段から保護することも可能である。さらに、本発明の開示の文脈において意図されるステンシルは、表面の上に配したときに、物質封じ込め層またはバリヤ層の少なくとも一つの手段による装飾材製品の適用、除去、または貼付の少なくとも一つから、選択された表面の部分を保護することができる。さらに、デザイン用具は、予め選定されたパターンに近接する領域を装飾材製品が付着することから防護することもできる。
【0087】
本発明の開示において意図されるステンシルは、実質的に所望のパターン、形状、および/またはデザインの形とされた切り抜き部分および/または周辺端(peripheral edge)を有していてもよい。例を挙げれば、図7に示すように、ステンシル80は星形の周辺端82と、周辺端と同様の形を有する内部切り抜き84とを有している。この例示したステンシルは、たとえば、装飾材製品が大面積の表面に適用されたときに、周辺端82と内部切り抜き84との間のステンシルベース86が、表面への装飾材製品の適用をブロックして、装飾材製品の存在しないパターンを表面上に残すために使用することができる。
【0088】
ステンシルには、一つまたは複数の切り抜き部分および/または使用者が選択的に除去することが可能な予め切断された型抜き部分が含まれていてもよい。一つの実施態様において意図される反転像のステンシルを、装飾材製品を適用しようとする表面上にまず配置することによって、その表面の上に反転画像を付与してもよい。この実施態様において、そのステンシルの周辺端は、装飾材製品をステンシルとその下の表面に適用したときに、その表面にパターン、形状、および/またはデザインを付与するように、切断および/または構成されている。この反転画像ステンシルには、それを貫通する切り抜き部分が有っても無くてもよいと考えられる。1個または複数のステンシルを配置した後、装飾材製品を表面とステンシルの両方に適用する。その1個または複数のステンシルは、その下にある表面を所望の像の形態で保護して、所望の形状の輪郭を有する、装飾材製品で被覆された領域によって囲まれた所望の像の形状の中に、装飾材製品の存在しない領域を形成させるように機能する。さらに、本発明の開示において意図される通常のステンシルを使用して、まず、装飾材製品を適用しようとする表面上にステンシルを配置することにより、視覚的な像を付与することができるが、1個または複数のステンシルを配置した後に装飾材製品を表面とステンシルの両方に適用し、その1個または複数のステンシルが取り囲んでいるその表面を保護して、所望の形状の輪郭を有する装飾材製品不在の領域によって囲まれた、所望の像の形状の装飾材製品で被覆された領域を形成させるように機能させることもできる。
【0089】
また別の例示的なステンシルは、装飾材製品を表面に適用した後に、装飾材製品除去手段、たとえば真空掃除機と組み合わせて使用することによって表面に像を付与する。この例においては、その装飾材製品をまずその表面に適用し、装飾材製品を適用した表面の上にステンシルを配置する。ステンシルをその処理領域に適用した後で、使用者は、その処理された領域およびステンシルに第二の装飾材製品を適用して、表面に異なった装飾材製品の多重パターンを付与する。所望の効果が達成されるまで、このプロセスを繰り返してもよい。別な方法として、その処理された領域にステンシルを適用してから、ステンシルの切り抜き部分の内部および/またはステンシルの周辺端を囲んでいる領域に露出されたまま残っている装飾材製品を、本明細書に開示された装飾材製品除去手段によって除去してもよい。その装飾材製品の除去によって、反転画像ステンシルおよび/または先に開示された通常のステンシルを用いた場合と類似の像が得られる。
【0090】
1個または複数のステンシルを同時に使用して、表面に視覚的デザインを適用してもよい。所望により、1個または複数のステンシルを、任意の数の本発明の開示において意図される他のステンシル、および/またはデザイン形成を補助する補助具、および/またはステンシル連結手段(stencil communication)と組み合わせて使用してもよい。選択された表面の上にデザインまたはその他のグラフィック表示を付与するために、組み合わせて使用することが意図されている複数のステンシルを、互いの間の関係、および選択された部屋または容積物(room or volume)の関係で、ステンシルを互いに結合させるか、互いに分離させるか、あるいは部屋もしくはその他の容積物の内部の所定のまたはランダムな位置から離すかして、その上に装飾材を適用しようとしている表面の上、または部屋もしくはその他の容積物における各種その他のポイントの上のいずれかに固定する、コーディネート(coordinating)、配列(aligning)、接合(interfacing)、連結(connecting)、および/または誘導(guiding)システムによって、コーディネートさせてもよい。本明細書で有用な、コーディネート、配列、接合、連結、および/または誘導手段の例としては、ペグを固定する位置を介して、ステンシルおよび/またはデザイン形成を補助する追加的補助具および/またはステンシル連結手段を固定する再使用可能または使い捨てのペグ、ステンシルの表面に配されたカラーストリップ、文字、記号、ノッチ、および/またはその他の表示などが挙げられる。ステンシルをコーディネートさせるメカニズムの例を、図8〜11に示している。
【0091】
図8に示したのは、使い捨ておよび/または再使用可能なペグ90であって、これを表面に固定して、表面上におけるステンシルの位置決めをコーディネートするためのアンカーポイントを表面上に形成することができる。この例においては、ペグ90は、ペグを表面に粘着させるための複数層の粘着性ストリップ92を有しているが、単一のストリップが含まれていてもよく、その他の付着メカニズム、たとえばベルクロ(VELCRO)(登録商標)からなるドットおよび/または当業者に公知のその他の粘着剤であってもよい。
【0092】
図9に示したのは、透明なレイアウトツール102であって、このものは、装飾対象の表面104の上に配置することができる。このレイアウトツール102には、1個または複数のスペーシング部分106、たとえばアレイが含まれ、それは、1個または複数のペグ90をそのスペーシング部分に(矢印Bで示したように)挿入して、表面104に取り付けることが可能となるようなサイズになっている。このレイアウトツールには、対応する一連のステンシルを使用して得られる選択された装飾材デザインのためのプレビューとして役立つ、着色パターンがさらに含まれていてもよい。表面104の上でレイアウトツール102の位置決めをする、たとえば表面の中央にレイアウトツールを配置するためには、使用者は、表面上の特殊物たとえば床のベントからの距離を測定したり、壁またはその他の部屋の特殊物からの距離を測定したりして、レイアウトツールの所望の配置を決めればよい。
【0093】
図10に見られるように、複数のペグ90をレイアウトツール102に沿って使用することによって、使用者は、表面104に取り付けられたペグのアレイ112を構成することができる。本明細書の実施態様のコーディネーティングメカニズムを使用して、表面104の上に1個または複数のステンシルをコーディネートするために、使用者は、表面104に接着されたペグ90の一つの上に、ステンシルの穴(図示せず)の上に中心を置いた中空のペグ124を有するステンシル122もしくはレイアウトツールを(矢印Cで示したようにして)置いて、表面上にステンシルを固定させてもよい。別な方法として、ステンシル122の中の穴を利用して、ペグ90を受け、表面上でのステンシルの向きを決めてもよい。ステンシル122が2個以上の穴および/または中空ペグ124を有する、たとえば正方形のステンシルの四隅に中空ペグを有するようにして、表面の上にステンシルをしっかりと固定させるようにすることも考えられる。さらに、同様の方法で、穴および/または中空ペグ124を有する追加のレイアウトツール102を、第一のレイアウトツールの位置についての測定が最小数となるように開始して、予測可能かつ対称的な方法によって表面104の上に位置決めしてもよい。この方法により、一連のペグ90を一つのレイアウトツール102を使用して大面積の表面に配置することができ、それによって表面104の上に多数のステンシルを配置し、表面の全体を一度に装飾することができる。
【0094】
コーディネート手段、接合手段、および/または誘導手段を使用することによって、視覚的に統一がとれていると受け取られたり、視覚的に統一がとれていないおよび/またはランダムであると受け取られたりするように、所定のもしくはランダムなパターン、デザイン、像、線、幾何学的形状、ばらばらな像、および/または反復像などの形態で装飾材製品を付与することができる。
【0095】
本発明に開示のデザイン用具を使用して、像、パターン、形状、および/またはデザインのいずれかまたはすべてを表面上に付与することができる。たとえば、本発明の開示において意図される像、パターン、形状、および/またはデザインは、規則的もしくは不規則的、直線状もしくは非直線状、および繰り返し有りもしくは繰り返し無しのパターンであってよく、そのようなものとしては、たとえば、装飾的、トレーサリーもしくは幾何学的形状、単純化された素朴で表象的な像およびパターン、多数のオブジェクトを合成した風景(compositional multi−object landscapes)、現実または架空のストーリーやプロットを表す像、テキスト付きの像、美術像、標準的および/または複製可能な像、現実または架空の文字、現実または架空の数、漫画、現実または架空の印刷記号、イラストレーション、パターン、デザイン、表示、および/または形状、ならびにそれらの組合せなどが挙げられる。
【0096】
さらに、本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインは、色彩、標準もしくはランダム像の組合せ、サイズ、表面上の位置によって変化させてもよく、および/または、複数のパラメーター、特にたとえば画像、パターン、色彩、サイズ、位置などを組み合わせることによってカスタマイズしてもよい。本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインはさらに、反射性および/または屈折性要素を用いた着色、オーバーコートによって得られる光学的効果、静的もしくは動的平面像の光学的性質の使用、および/または、添加物によるかおよび/または装飾材製品を貼り付けるかすることにより、表面に付与される触覚的性質の使用、などによって変化させてもよい。
【0097】
さらに考えられることは、本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインは、消費者の好み、像、色、および/またはテンプレートの標準的な組合せによる画像との比較による視覚的評価などをベースとして選択してもよい。本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインはさらに、具体的な部屋またはその他の容積環境に適合させるために、パラメーターを変化させることが可能である、対話型のデジタルライブラリーをベースとして選択したり、具体的な部屋またはその他の容積物のためのコンピューターモデリングをベースにしたりしてもよい。
【0098】
さらに、意図される像、パターン、形状、および/またはデザインは、フリースタイルデザイン、種々の形態のステンシルを使用した単一色像の形成、複数のステンシルを使用した多色像の形成、複合ステンシルを使用した多色像の形成(この場合、順次または可能であれば繰り返しの方法で一つの色を表面およびステンシルに適用し、次いでステンシルの層を除去し、第一の色および/または第二の色を保護するために追加される保護層を直ちに適用して、二重暴露領域では混合色を、単一暴露領域では単一色の領域を形成する)、予め形成された像のキャリヤからの転写、および/または標準要素たとえば線、点、および/またはピクセルからの連続像作成、などの結果得られるものであってもよい。
【0099】
意図されるさらなる像、パターン、形状、および/またはデザインは、ユニークな芸術作品、単一の独立した像、周辺の環境に合わせて(部屋または、部屋の内部にあるもしくは部屋の特徴となっている物体に合わせて)コーディネートされた、結合され、潜在的に相互関連を有する像の一つまたは複数のシステム、および/または一つまたは複数の表面と周辺の環境における装飾像のツーウェーコーディネーションなどであってもよい。意図されるさらなる像、パターン、形状、および/またはデザインは、視覚的な装飾を超えた目的、たとえば教示(teaching)、指示(directing)および/または命令(instructing)、たとえば、プロンプト、注意書き、メッセージ、アルファベット、地図、方程式、フレーズ、詩、警告、言語ツール、または指標手段(たとえば、バーコード)などであってもよい。
【0100】
一つまたは複数の装飾材製品を少なくとも一つのステンシルと組み合わせることによって、強度が一定または変化し、陰影効果有りまたは無しの、単色であってもよい像を使用者が創り出すことが可能となるようにすることも考えられる。さらに、本発明の開示を使用することにより可能となる像としては、強度が一定または変化し、陰影効果有りまたは無しの多色であったり、あるいは、色と形状を複数貼り合わせることによって達成される2種以上の色のコントラストを有する像であったりしてもよい。多色像は、混合色や中間色を有していてもよく、完全かつ自然な色彩(complete and natural palette)を有しても、有していなくてもよい。本発明の開示で示される装飾材製品の組成物を一つまたは複数のデザイン用具と共に使用して、処理された表面の外観に各種の変化を与えることができる。
【0101】
装飾材製品をデザイン用具と共に使用する例を、以下に述べる。図12に示すように、軟質表面たとえばカーペットにデザインを適用するための方法が一般的に200に示されている。一つの実施態様においては、そのカーペットは部屋の中にすでに設置されていて、実質的に乾燥されているが、この方法は、濡れたり湿ったりしている表面でも同様に実施することができる。カーペットにデザインを適用するためには、本発明の開示の一つの方法においては、使用者はまず、ステップ212において、1種または複数のデザイン用具を選択する。
【0102】
1種または複数のデザイン用具を選択することに加えて、使用者は、そのデザインに組み込むための1種または複数の装飾材製品を選択してもよく、それらはたとえば色の面で異なっていてもよい。使用者がそれらの選択をすることを助ける目的で、1種または複数の消費者補助具を使用してもよい。そのデザインメカニズムには、たとえば、高性能なコンピュータデザイン支援、たとえば色の適用を教え創造的な助言を与えるCD−ROMトレーニングプログラムに対して、使用者が、たとえばデザイン用具の配置や色を決めるような簡単な装飾の意志決定を与えることが含まれる。さらなる消費者用補助具デザインメカニズムには、色の解析、マッチング、およびブレンディングが含まれ、また、色彩計、カラースキャナ、および/またはソフトウェアアルゴリズムの使用が含まれていてもよい。消費者補助具のさらなる例については、本明細書において開示される。
【0103】
1種または複数のデザイン用具を選択すると、使用者は次いでカーペットにそのデザイン用具を配置する(ステップ214)。その1種または複数のデザイン用具は、カーペットの上にいかなる並べ方で配置してもよく、表面のごく一部たとえば中央、縁またはコーナー、あるいは実質的にカーペット全体、あるいはそれらの中間のいかなる大きさをカバーしてもよい。
【0104】
1種または複数のデザイン用具をカーペットの上に所望の並べ方で配置した後、ステップ216において使用者はデザイン用具の切り抜き部分に装飾材製品を適用する。別な方法として、あるいはそれに加えて、デザイン用具の軟質表面に直接接触する部分(たとえば、デザイン用具の非切り抜き部分)に装飾材製品を置いてもよい。表面に接触させたら、ステップ218において使用者は装飾材製品を表面上で実質的に乾燥するまで放置する。装飾材製品を適用した後、デザイン用具は装飾材製品が乾燥する間その場所に残しておいてもよいし、あるいは、ステップ220において、適用後直ちに表面から除去してもよい。デザインを表面上に残さないことにする場合、使用者は、本明細書のステップ222に記載されているようにして、その表面から装飾材製品を実質的に除去してもよい。あるいは、デザインを残すことにする場合は、使用者は、本明細書のステップ224に記載されているようにして、その表面に装飾材製品を実質的に貼り付けてもよい。さらに、装飾材製品をその表面から除去したり貼り付けたりするより前または後に、その表面からデザイン用具を除去してもよい。
【0105】
本発明の開示において有用なステンシル230の一例を図13に示す。ステンシル230は、ステンシルベース232と切り抜き部分234とからなっている。ステンシルベース232には、物質封じ込め層(図示せず)、バリヤ層(図示せず)、および支持層236が含まれており、各種の適切な材料、たとえば、紙、プラスチック、厚紙、布、合成布、天然布、セルロース、および/または金属、またはその他各種の所望の材料でできている。切り抜き部分234は、所望の各種のパターン、形状、またはデザインからなっている。支持層236は、切り抜き部分234を通して見ることのできるように、ステンシルベース232の底表面に隣接して設けられている。ステンシル230を使用して、ステンシルの切り抜き部分234に装飾材製品を適用することによって表面の上に像を形成するが、ここでステンシルを除去すると、デザインはカーペットの表面上に残される。次いでその装飾材製品を除去したり、貼り付けたりすることができる。
【0106】
ステンシル230の底面図を図13Aに示して、支持層236についてさらに説明する。支持層236は、ステンシルベース232の底表面の少しの部分を横切って延在しているが、そのステンシルベースの縁にまで、および/または縁を越えて延在していてもよい。支持層236は、ステンシル230の軟質表面へ固定したり、ステンシルの縁を固定したり、ステンシルを平坦に保ったり、装飾材製品の転写を確実および/または容易に行うのに役立っている。
【0107】
本発明の開示において有用であり、図13および13Aのステンシル230に類似のステンシルの断面を、図14の240に示す。ステンシル240には、吸収性トップ層242、液体バリヤ層244、およびデザインの切り抜き部分たとえば切り抜き部分234(図13および13A)を表す切り抜き部分246が含まれている。さらに、ステンシル240は、カーペット248に近接して配置されてもよい。吸収性トップ層242は、カーペット248の上にある間やステンシル240をカーペットから除去する際に、装飾材製品がドリップおよび/またはブリードすることを抑制または防止するものであって、たとえば、紙ティッシュおよび/または吸収性、親水性材料を用いてコーティングされた合成不織布材料からなっていてよい。液体バリヤ層244が吸収性トップ層242に近接して配置されていて、装飾材製品がカーペット248にしみ出すことを抑制または防止しているが、このものは各種の疎水性材料、たとえばポリエチレンのようなポリオレフィンからなっていてよい。
【0108】
ステンシル230の断面図を図15に示す。このステンシル230には、吸収性トップ層252、液体バリヤ層254、および切り抜き部分234が含まれていて、カーペット259に近接して配置することができる。ステンシル250にはさらに支持層236が含まれ、これは織布および/または不織布のメッシュ材料、たとえば、チュール、スクリム、および/またはチーズクロスからなり、切り抜き部分に広がって装飾材製品がその中を実質的に通過できるようになっている。
【0109】
図16は、たとえば一般的には270に示したようなキットとして提供することが可能な、追加のステンシルを示す。このステンシル270は、カーペットの境界部分で使用してもよく、ステンシルベース272と切り抜き部分274とが含まれている。ステンシル270にはさらに、その上に特定の色を有するカラーストリップ276および278が含まれているが、これはステンシル270を対応するおよび/または補足的なカラーストリップを有する1個または複数のさらに追加するステンシルと配列させるためのものである。
【0110】
カーペットのコーナーで使用することができるステンシル280を図17に示す。このステンシル280には、ステンシルベース282と切り抜き部分284とが含まれている。ステンシル280にはさらに、カラーストリップ286および288、ならびにステンシル280をカーペットのコーナーの内部表面に配列させるために用いる矢印290が含まれている。
【0111】
さらなる追加のステンシル2つを、図18および図19に示す。図18のステンシル1000は、カーペットの第一の末端で使用することができ、ステンシルベース1020、切り抜き部分1040、およびカラーストリップ1060が含まれている。図19のステンシル1100は、カーペットの第二の末端で使用することができ、ステンシルベース1120、切り抜き部分1140、およびカラーストリップ1160が含まれている。
【0112】
図20〜22に、図16〜19のそれぞれのステンシル270、280、1000、1100を、ステンシルと共にキットの中に用意されている取扱説明書のサンプルセットに従ってカーペット1260に適用した例を示す。図20に示したように、説明のための部屋1200を準備する。部屋1200には、第一の壁1220、第二の壁1240、およびカーペット1260が含まれている。使用者は提供された取扱説明書の指示に従い、図17のコーナーステンシル280を壁1220および1240により形成されたコーナーに、矢印290がそのコーナーに向かうように配する。
【0113】
使用者はさらに、図21に示されるように、図17のコーナーステンシル280の隣りに図16の第一および第二のボーダーステンシル270を置くように指示される。第一のボーダーステンシル270のカラーストリップ276を、同じ色を有するコーナーステンシル280のカラーストリップ(図示せず)の上または隣に置く。同様にして、第二のボーダーステンシル270のカラーストリップ278を、同じ色を有するコーナーステンシル280のカラーストリップ(図示せず)の上または隣に置く。
【0114】
さらに、図22に示すように、使用者は図18および19の第一および第二の末端ステンシル1000および1100を、それぞれ第一および第二のボーダーステンシル270の隣に配置するよう指示される。第一の末端ステンシル1000のカラーストリップ1060を、同じ色を有する第一のボーダーステンシル270カラーストリップ(図示せず)の上に配置する。同様にして、第二の末端ステンシル1100のカラーストリップ1160を、同じ色を有する第二のボーダーステンシル270カラーストリップ(図示せず)の上に配置する。
【0115】
次いで、使用者は、ステンシル270、280、1000、1100の切り抜き部分の上に装飾材製品を(たとえば、スプレー法によって)適用することができる。装飾材製品を適用した後で、使用者は、ステンシルを取り除いて、残された装飾材製品1520によりカーペット上に形成されたデザインを見ることができる。残された装飾材製品1520によって形成されたサンプルデザインは、図23における1500として一般的に示されている。
【0116】
さらにまた別な実施態様においては、部屋1600が図24に示されている。四つの壁1620、1640、1660、および1680が、カーペット1700の外側部分を画定している。たとえば格子パターン1720のようなデザイン用具を、ステンシル1740のような1種または複数のデザイン用具と組み合わせて使用することができる。格子パターン1720は、カーペット1700の全部をカバーするようにしても一部をカバーするようにしてもよい。格子パターン1720をカーペット1700に近接させて配置してから、1個または複数のステンシル、たとえばその中に切り抜き部分1760を有するステンシル1740を使用して、デザインを形成することができる。ステンシル1740および格子パターン1720には、使用者がデザイン用具を配列する際に役立つように、カラーストリップ、たとえば図16〜19に示したようなカラーストリップが含まれていてもよい。あるいは、ステンシル1740を格子パターン1720を用いて配列するのに役立つよう文字、記号、ノッチ、表示、および/またはその他独自の識別符号を用いてもよい。
【0117】
先に開示されたような個別の像を形成することに加えて、本発明の開示を、商業的および/または非商業的環境における大面積のインテリアデザインのための手段として使用してもよい。このキャパシティにあっては、本発明の開示を使用して、たとえば、単色(一様、個別のデザイン、またはランダムなデザイン)や多色(一様、個別のデザイン、またはランダムなデザイン)の縁を表面上に形成したり、単色の一様であるかもしくは一様でない、または多色の一様であるかもしくは一様でない装飾材製品(完全被覆)を適用して、壁から壁まで、または、たとえば暖炉の柱、出入り口、壁の窪み、カーペット部分とカーペットでない部分との境目、部屋の中の低くなっている部分または高くなっている部分、床の穴、コンセント、その他一般に表面の秩序を乱す作りつけの部品などの、複雑な部屋の周縁部となりうるものに合わせて、個別の形状、像、デザイン、ランダムな形状などの部屋全体の変化をもたらしたりすることができる。
【0118】
さらには、本発明の開示を用いて、使用者が決めた対象の選択された領域、たとえば、壁、天井、戸口、通路、玄関、階段、もしくは階段の段部、もしくは階段の段上、あるいは炉床もしくは暖炉の前や上に個別の像を形成することもできる。
【0119】
本発明の開示はさらに、本明細書に記載のデザイン用具および/または貼り付け前に表面から実質的に除去することが可能な装飾材製品などの1種または複数の構成要素が含まれるキットも提供する。キットの中には、カーペットのような軟質表面にデザインを適用する方法を使用者に指示する取扱説明書のセットが含まれてもよい。キットには、装飾材製品をカーペットに転写するための1種または複数の適用用具、および/または表面に装飾材製品を貼り付けるための1種または複数の固定用具がさらに含まれていてもよい。さらに、キットには、装飾材製品をカーペットに適用後、特にそれが乾燥する間にそれを保護するための保護被覆が含まれていてもよい。キットにはさらに、使用者に、装飾材製品のどの領域がすでにアイロンがけされたか、または貼付されたかを示すのに用いられる、アイロンスクリーン(iron screen)が含まれていてもよい。
【0120】
一例として、1個または複数のステンシル、たとえば5個のステンシル、装飾材製品、適用用具たとえばスプレーヤ、貼付用具たとえば加熱装置(たとえば、アイロンまたは高周波放出装置)、および/または取扱説明書のセットを含むキットが提供される。キットにはさらに、装飾材製品を適用すべき表面を確認(identify)、選択(choose)、作成(make)、修正(modify)、および/または調製(prepare)するためのシステムが含まれていてもよい。
【0121】
1種または複数の消費者用補助具を援用することによって、本発明の開示をカスタマイズするため数々のオプションを用いてもよい。個別におよび/または各種適切な方法でキットに含まれていてもよい、本発明の開示において意図される消費者用補助具には、消費者が本発明の開示を使用できるようにするためのデザインメカニズムおよび/または補助具および用具のいずれかまたはすべてが含まれるが、そのようなものとしては以下のものが挙げられる:取扱説明書、カラー予測用具、可能であれば、装飾材製品を用いて処理された後の様子を示すためのソフトウェアを用いた装飾の前および/または後の外観を示すデザインテンプレート、取扱説明用ビデオ、CD−ROM、デザイン、色および総合的な外観を選択し予想するためのインターネットウェブページ、対話型コンピューター端末、店内陳列物、顧客サービス、広告、トレーニングコース、録音メッセージ、テキストメッセージ、郵送書類、本、文献、講座、トレーニングコース、通信コース、およびそれらの各種組合せ、さらにはその他の情報伝達手段。上述の情報伝達手段を通じて、使用者は、たとえば本発明の開示も含めたキットの使用方法を学習することができる。さらに、その開示を商業的な適用たとえば、インテリアデザインへ適用する方法を使用者に教示することもできる。
【0122】
さらなる消費者用補助具としては、使用者が本発明の開示を利用できるようにするために用いられる、たとえば使用者、使用者の代理人、トレーナー、ディスプレーヤー、営業マン、教師、または技術者が使用するカラーカーペットチップ、たとえばカーペットのタイプおよび/または色が異なることによって装飾材製品配合物がどのように異なって見えるかを示すための異なる装飾材製品配合物を用いた異なる被覆が貼付されたカーペット片、などが挙げられる。さらに、消費者用補助具としては、たとえば、その上に貼付された装飾材製品の異なる色にあわせて色の異なる不透明または透明な材料からなるシートであって、それぞれの装飾材製品の色を作るために使用するベース着色剤の見本比率とともに、使用者が個別のベース着色剤と他の添加物とからそれぞれの装飾材製品の色を作ることができる、カラーテンプレートが挙げられる。
【0123】
例として、表面の上に置くことによって、ある色(あるいは、色調(shade)もしくは色合い(tint)もしくは質感(texture)、およびその他各種の変化)のパターンが表面上でどのように見えるかを使用者が予測することができる消費者用補助具の一例2000を図25に示す。この消費者用補助具2000は、使用者が装飾材製品を作成または混合することを可能としたり、および/または、使用者が表面の下地色と比較して適切および/または美的観点から快適な色および/またはコントラストとなるような装飾材製品の色を選択する際に役立ったりする。この場合、消費者用補助具2000は、異なった色、たとえばダークグレーとホワイトの2種の装飾材製品を含むキットに含まれている。さらに、消費者用補助具2000には、消費者用補助具に表示されているパターンの各バリエーション、ここではグレーの色調の変化、をどのようにして得るかについての説明が含まれている。この実施態様の消費者用補助具2000には、その上に数回、たとえば6回繰り返されたパターン2004を配した透明シート2002含まれている。各パターンは、たとえばパターン2004とパターン2006との比較から判るように、左上から右下の方向に向けて次第に白っぽくなる異なったグレーの色調を有している。それぞれのパターン繰り返しの下には透明シート2002の上に印刷された混合パーセントを示す比率が、たとえば、2008では100パーセントのダークグレーと0パーセントのホワイトの混合物であることが、2010では20パーセントのダークグレーと80パーセントのホワイトの混合物であることが示されている。このようにして、キットに含まれているダークグレー色とホワイト色の装飾材製品を表示されたパーセントで混合することによって、各パターン繰り返しに相当するグレー色の色調の各々を得ることができる。さらに、この方法によれば、異なる色の着色装飾材製品を適切な量で混合することによって、いかなる色をも創り出すことが可能である。さらに、使用者が所定の色および/またはパターンの外観が得られるように指示を与えるいかなる種類の説明書をも意図される。さらに、キットは(1種または複数の)装飾材製品を含み消費者用補助具に対応する混合および適用用具の組み合わせを含み、上述の例で与えられたダークグレー色とホワイト色の装飾材製品を混合するためのパーセントから消費者用補助具2000の上に表示された色もしくは色調もしくは質感を得るために混合および適用用具の設定をどのように調節するかがわかるようになっていてもよい。
【0124】
さらなる追加の消費者用補助具としては、以下のようなものが挙げられる:カーペットテンプレート、使用者によって使用可能もしくは望ましい各種の像および像の特徴、および異なったステンシルを一緒に使用する方法を示すテンプレート等のステンシルテンプレート、装飾材製品の像を所定のスペースの表面上にどのように組み入れることができるかを示すテンプレート等の位置決めテンプレート、試験用サンプル(ベンジャミン・ムーア(Benjamin Moore)試験用サンプルに類似のもの)、トライアルピリオズ(trial periods)、皮膚の色調に対してメーキャップマッチングで使用されるカラーマッチングシートのような、色をマッチングしたり色の見え方やコントラストを予見したりするのに用いられるカラーマッチングシート、カラーマッチングシートに類似するがさらに表面上で組み合わせた色を予見できるようにしたカラーブレンディングシート、カラーチャート、カラーグラフ、カラー分析器、色彩計、カラースキャナ、色評価および色配合のためのソフトウェアアルゴリズム、および、室内、ホール、家屋、ビルディング、あるいはその他の領域における特定または不特定の表面に使用される、装飾材製品の割合とタイプを決定するためのその他の手段。
【0125】
さらに、異なった色の着色装飾材製品を混合することによって、任意の数の追加的な色を作製することができる。一例として、使用者は、着色トナーおよび/またはその他の装飾材粒子を含む1種以上の予め配合された装飾材製品を購入してもよいし、あるいは、各種の着色トナーを混合することによって任意の所望の色を得てもよい。特定の色を得るための着色トナー比率とタイプを決定するデザインメカニズム、たとえばカラーチャート、カラー分析器具、またはその他の方法が、使用者に提供されていてもよい。さらに、使用者はトナーを表面に直接適用してもよいし、あるいはトナーを水またはその他の溶媒、または1部以上の所定の配合物と混合し、たとえば液状懸濁液またはエマルションを作ることによって装飾材製品の中に組み入れ、次いで表面に適用してもよい。
【0126】
さらなる消費者用補助具としては、使用者がそれを使用することによって、使用者が装飾材製品を適用および/または貼り付ける表面を確認(たとえば、カーペット繊維のタイプまたは組成を確認し、使用者を特定の装飾材製品配合に導く助けとなるツールおよび/またはキット)、選択、作成、改質(たとえば、エンボス化化合物等の表面の物理的外観を変化させるキットまたはキットに含まれてもよい化合物)、組み合わせ、および調製するのに役立つ用具が挙げられる。それらの消費者用補助具によって、所定の表面が所定の意図される効果、たとえば軟質表面の上に模様付きの外観(textured look)、または硬質表面の上に平滑な外観、あるいはそれらの各種組合せを付与する装飾材製品配合を使用者が正しく選択することが可能となる。
【0127】
さらに、消費者用補助具は、使用者がデザイン用具たとえばステンシルを選択、作成、修正、組み合わせ、および/または調製して、そのステンシルおよび/または装飾材製品が目的とする表面に適用されたときに、画像、パターン、形状および/またはデザインがその表面に付与されるようにするのに役立つであろう。さらに、使用者が装飾材製品配合を選択、作成、修正、および/または調製するのに役立つ意図される消費者用補助具は、使用者が直ぐに使用できてもよいし、あるいは表面に適用する前に調製することを必要としてもよい。
【0128】
1種または複数のデザイン用具を選択することに加えて、使用者は、デザインの中に組み入れる一つまたは複数の色を選択することもできる。使用者がそれらの選択をすることを助ける目的で、1種または複数のデザインメカニズムを使用してもよい。このデザインメカニズムは、たとえば、高性能なコンピュータデザイン支援、たとえば色の適用を教え創造的な助言を与えるCD−ROMトレーニングプログラムに対して、使用者がデザイン用具の配置や色を決めるなどのような簡単な装飾に関する意志決定を与えることを含んでもよい。さらなるデザインメカニズムには、色の解析、マッチング、およびブレンディングが含まれ、また、色彩計、カラースキャナ、および/またはソフトウェアアルゴリズムの使用が含まれていてもよい。
【0129】
さらなる消費者用補助具は、店頭ディスプレイおよび/または本開示の提示する形態をとっていてもよく、そのようなものとしては、たとえば、液体の形態もしくは使用直前に液体の中に懸濁させる粉体の形態でパッケージされた装飾材製品、および/または、使用前に混合するべき、1種または複数の装飾材製品カラーおよび装飾材製品添加剤、および/または、複数または単一の色、1種または複数のデザイン、取扱説明書、適用用具、固着用具、保護被覆等の本発明の開示の要素を含むキット、および/または、適用した装飾材製品の固着領域と未固着領域とを区別するためのアイロンスクリーンもしくはその他のインジケーター、たとえば変色添加剤、などが挙げられる。
【0130】
装飾材製品組成物において有用な化学物質の例としては、低温硬化エポキシ装飾材粒子、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子、および/または低温硬化ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)装飾材粒子などが挙げられる。本発明の開示において意図される上述の装飾材粒子の構成成分の典型的な範囲には、重量パーセントを基準にして装飾材粒子の全重量の約50%以上の、少なくとも1種のポリマーまたは樹脂を含むある量のバインダーと1種または複数の硬化剤とが含まれる。さらに、たとえば、添加剤、充填剤、顔料、ガス抜き剤、流動添加剤などの装飾材粒子の他の成分は、装飾材粒子の全重量の約50%以下の範囲の量で含まれていてよい。そのような範囲は、当業者に公知の範囲でできるだけ適切になるよう調節して、所望の装飾材粒子性能が得られるようにする。さらに、ポリマーおよび/または樹脂と硬化剤との間で完全に化学量論的な反応が起きるようにするために、使用されるポリマーおよび/または樹脂と硬化剤の量は、それらの化合物の相対的な当量を基準にして約50%〜約150%の範囲とするか、および/または製造業者の推奨に従ってよい。
【0131】
低温硬化エポキシ装飾材粒子には、エポキシ樹脂と硬化剤とを含むバインダーシステムが含まれていてよい。エポキシ樹脂の一例として、以下の式Iの一般的な各構造を有するビスフェノールA樹脂が挙げられる:
式I:
【化1】
ここでnは、2〜20の整数である。
【0132】
装飾材粒子において有用なビスフェノールAエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が約650〜約900、もしくは約700〜約750;Tgが約45℃〜約75℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が150℃で約5ポワズ〜約100ポワズ、もしくは約35ポワズである樹脂が挙げられる。
【0133】
装飾材製品配合において有用なエポキシ樹脂のまた別な例はノボラックエポキシ樹脂である。ノボラックエポキシ樹脂の例としては、以下の式IIおよび式IIIの一般的な化学構造が挙げられる:
式II:
【化2】
式III:
【化3】
ここでnは、1〜4の整数である。
【0134】
ノボラックエポキシ樹脂のガラス転移温度および粘度は、先にビスフェノールAエポキシ樹脂について説明したものと同程度である。エポキシ樹脂を有するバインダーシステムにおいて有用な硬化剤としては、たとえばフェノール系硬化剤が挙げられる。フェノール系硬化剤の一例は、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)(スイス国)GmbHによって供給されるハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086があるが、このものは、ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂およびノボラックエポキシベースの樹脂と相溶性がある。ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086には、フェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−、ポリマーと2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン](一般に、エポキシ樹脂およびビスフェノールAのポリマーと記述される)、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)の社外秘の促進剤、およびフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−(一般的にはビスフェノールAと呼ばれる)が含まれている。ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086は以下の性質を有している:アミン価;0.83〜0.93eq/kg、推奨化合量;約135、軟化点;84℃〜94℃。
【0135】
エポキシ樹脂と硬化剤との化学量論比は、樹脂および硬化剤の化合量、または当量値を基準にして計算する。化合量の値は、化学構造(たとえば、平均分子量を反応性基の数、アミン価、酸価、またはヒドロキシル価などで割り算をする)から、または実験室の実験に基づいた実験値として求めることができる。たとえば、エポキシ当量(EEW)700の低分子量のタイプ3のビスフェノールAエポキシ樹脂を、製造業者推奨の当量が135であるハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086とともに使用する場合、その完全な(100%)化学量論量を表2に示す。
【0136】
表2 エポキシ樹脂および硬化剤装飾材粒子の完全化学量論量
【表2】
別の実施態様においては、エポキシ樹脂と硬化剤の比率が、たとえば、約84%〜約85%のエポキシ樹脂に対して約16%〜約15%の硬化剤の範囲となる。エポキシ装飾材粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒、たとえばフェノール系硬化剤を、組成物の中に組み入れてもよい。約100〜約500の化合量を有するフェノール系硬化剤が例として挙げられる。当業者に公知の、エポキシ樹脂と相溶性のあるその他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子のための硬化条件の例を挙げれば、約150℃で約15分またはそれ以下のベーク時間である。
【0137】
低温硬化エポキシ装飾材粒子組成物には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温硬化エポキシ装飾材粒子組成物には、以下の表3に示す成分が含まれていてよい。
【0138】
表3 低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表3】
【0139】
装飾材製品において有用な、また別の化学物質の例は、低温硬化エポキシおよびポリエステル樹脂を含むバインダーシステムを有する、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子である。エポキシ樹脂の例を挙げれば、先に挙げたビスフェノールAエポキシ樹脂またはノボラックエポキシ樹脂である。ポリエステル樹脂の例を挙げれば、酸末端の飽和ポリエステル樹脂である。このポリエステル樹脂は、約75〜約85の間の酸価を有していてよい。その例としては、エポキシ−ポリエステルハイブリッドコーティング粉体配合物における共反応剤として使用される酸末端の飽和ポリエステルが挙げられる。このポリエステルは、ネオペンチルグリコール、テレフタル酸、無水トリメリット酸、およびその他のタイプのグリコールおよび二塩基有機酸から合成することができる。この分岐状のポリエステルは、約2〜約4、または約2.5〜約3.5の樹脂官能性を有していてよい(すなわち、ポリエステル1分子あたり約2.5〜約3.5個のカルボキシル基を有することを示している)。樹脂酸価は、約35〜約90の範囲であり、ヒドロキシル価は約5〜約10(残存ヒドロキシル)であってよい。エポキシ樹脂と組み合わせるのに適した酸末端の、飽和ポリエステル樹脂は、酸価が約70〜約90、もしくは約80;計算上での化合量(化合量は56,100/酸価に等しい)が約625〜約800、もしくは約700;ガラス転移温度が約45℃〜約60℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が約200℃で約15ポワズ〜約50ポワズ、もしくは約25ポワズであってよい。
【0140】
エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえば、スズ系有機化合物および/またはイミダゾール系化合物をその組成物の中に組み入れてもよい。当業者に公知の、その他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子のための硬化条件の例を挙げれば、約150℃でベーク時間が約15分であるか、それ以下である。
【0141】
エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子のための化学量論比は、樹脂および硬化剤の化合量を基準として計算することができる。しかしながら、当業者には公知のように、有機ポリマー製品の場合には、分子構造や化学的官能性が異なっていたり、変動したりする可能性があるので、無機化学反応の場合に比較すると、化学反応の描写や計算がより困難かつ不確かとなる。例を挙げれば、化学量論比は、エポキシおよび酸末端のポリエステル樹脂の化合量(当量値とも呼ばれる)を基準にして計算することができる。その化合量の値は、化学構造から求めることができる(たとえば、平均分子量を反応性基、アミン価、酸価などの数で割り算する)。たとえば、エポキシ当量が700の低分子量のタイプ3のビスフェノールAエポキシ樹脂と、80の平均数を有する酸末端の飽和ポリエステル樹脂(ポリエステルの化合量は、56,100を80で割ったものに等しく、それは約700に等しい)とからは、以下の表4に示すような完全(100%)化学量論量の計算が得られる。
【0142】
表4 エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子組成物の完全化学量論量
【表4】
【0143】
低温エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子組成物には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子組成物には、以下の表5に示す成分が含まれていてよい。
【0144】
表5 低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表5】
【0145】
装飾材製品において有用なまた別な化学物質の例としては、低温硬化ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)装飾材粒子がある。例を挙げれば、ポリエステルには、トリメチロールプロパン、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、アジピン酸、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキシルジメタノール、およびイソフタル酸、およびペンタンジオールのようなモノマーを用いて合成した酸末端の飽和ポリエステルがある。一つの実施態様においては、そのポリエステルは約2.05〜約2.2の樹脂官能性(すなわち、ポリエステル1分子あたり約2.05〜約2.2個のカルボキシル基)を有する。この樹脂の酸価は、約20〜約60の範囲、または平均して約28〜約38の範囲であってよい。ヒドロキシル価は、約5〜約10の範囲であってよい(残存ヒドロキシル)。TGICは3官能のエポキシド樹脂であって、ポリエステルベースの粉体配合物の中の硬化剤として使用される。TGICの化合量は106である。例を挙げれば、低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子中でTGICと組み合わせるのに適した酸末端の飽和ポリエステル樹脂は、たとえば、酸価が約30〜約40、もしくは約35;計算上の化合量(化合量は、56,100を酸価で割ったものに等しい)が約1,400〜約1,870、もしくは約1,600;ガラス転移温度が約45℃〜約70℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が200℃で約15ポワズ〜約50ポワズ、もしくは約25ポワズである。
【0146】
ポリエステル−TGIC装飾材粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえば、トリフェニルエチルホスホニウムブロミドおよび/またはイミダゾール系化合物をその組成物の中に組み入れてもよい。当業者に公知の、その他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。たとえば、当量が約50〜約1,000で溶融温度が約125℃未満のグリシジル硬化剤化学物質、たとえば脂肪族、脂環族、芳香族、およびメタクリレート系のグリシジル化合物を、低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の中で使用してもよい。ポリエステル−TGIC装飾材粒子の硬化条件の一例としては、約135℃でベーク時間約15分である。
【0147】
上述のように、有機ポリマー製品の場合には、分子構造および化学的官能性が異なったり変動したりする。例を挙げれば、化学量論比は、エポキシと酸末端のポリエステル樹脂の化合量を基準にして計算する。化合量の値は、各反応性化合物の化学構造から求めることができる。たとえば、平均酸価が35の酸末端の飽和ポリエステル(ポリエステルの化合量は、56,100を35で割り算したものに等しく、それはほぼ1,600に等しい)をTGICと組み合わせると、以下の表6に示すよう完全(100%)化学量論量の計算が得られる。
【0148】
表6 ポリエステル−TGIC装飾材粒子の完全化学量論量
【表6】
【0149】
ポリエステル樹脂の分子サイズが大きく、TGICの分子サイズが小さく球状の形であるために、化学量論量を約10%〜約15%超えるだけのTGICを使用し、たとえばポリエステル樹脂/TGICの比を93/7としてもよい。
【0150】
低温ポリエステル−TGIC装飾材粒子組成物には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温ポリエステル−TGIC装飾材粒子組成物には、以下の表7に示す成分が含まれていてよい。
【0151】
表7 低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表7】
【0152】
TGICの代替となるカルボキシルポリエステル樹脂硬化剤としては、たとえば、プリミド(PRIMID)(登録商標)(イーエムエス−プリミド(EMS−Primid)、イーエムエス−ヘミー・アーゲー(EMS−Chemie AG)の一部門)がある。プリミド(PRIMID)(登録商標)は、ベータ−ヒドロキシルアルキルアミド硬化剤である。しかしながら、プリミド(PRIMID)(登録商標)は、TGIC系の化学物質よりは長い硬化時間を必要とし、さらにはプリミド(PRIMID)(登録商標)系のコーティングは、TGIC系のコーティングよりもやや強いオレンジ色を示す可能性がある。プリミド(PRIMID)(登録商標)系の装飾材粒子を使用して、コーティングの厚みが4.0ミルを超えるような場合には、ピンホールおよびブリスターの問題が生じる可能性もある。
【0153】
先に述べたように、装飾材粒子を含む装飾材製品には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてもよい。例を挙げれば、装飾材粒子組成物には、たとえば流動添加剤、ガス抜き剤、界面活性剤もしくは湿潤剤、抗酸化剤、熱安定剤、紫外光吸収剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、質感剤、電荷調節剤、導電剤、加工助剤、充填剤、およびそれらの組合せが含まれていてもよい。
【0154】
装飾材粒子組成物を配合する際に流動添加剤を使用して、たとえば、仕上げ硬化させた製品のクレータリング(cratering)を抑制または防止、および/または流動性およびレベリング性を改良してもよい。例を挙げれば、流動添加剤は低分子量のアクリルポリマーであってよく、それらは液体の形態(たとえば、約100%の活性物質を含む液体)であっても固体の形態(たとえば、約65%の活性物質を含む固体)のいずれであってもよい。流動添加剤の例としては、以下のものが挙げられる:アクロナール・4F(Acronal 4F)(約100%活性成分、ビーエーエスエフ(BASF)製)、ビーワイケー・363P(Byk 363P)(約65%活性成分、ビーワイケー−ヘミー(BYK−Chemie)製)、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)P−67(エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)PF−67(約65%活性成分、エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)、モダフロー(MODAFLOW)(商標)3(約65%活性成分、モンサント(Monsanto)製)、およびパウダーメイト(POWDERMATE)(商標)486CFL(約65%活性成分、トロイ・コーポレーション(Troy Corp.)製)。例を挙げれば、流動添加剤は装飾材粒子組成物に、装飾材粒子の全式量当たり約0.3%〜約1%の100%活性流動添加剤の範囲で添加するのがよい。
【0155】
ガス抜き剤を装飾材粒子組成物に添加することによって、たとえば、加熱および/または硬化サイクルの際に組成物中の揮発性物質の揮発を助け、ピンホールの発生(仕上剤と空気との間の表面境界にトラップされた揮発性物質の気泡)を抑制および/または防止することができる。いくつかのガス抜き剤、たとえばベンゾイン(Benzoin)(ベルシコール・ケミカル・コーポレーション(Velsicol Chemical Corp.)製)は、硬化プロセスの液相の間に樹脂/硬化剤混合物を溶媒和させることができる。その他のガス抜き剤は界面活性剤状であり、また他のものはワックス状であって、膜の表面の表面張力に影響を及ぼしガス抜きを促進する。例を挙げれば、装飾材粒子組成物には、装飾材粒子の全式量あたり、約0.2%〜約2%の活性ガス抜き剤を含んでいてよい。たとえば、約135℃〜約149℃の間で硬化可能である装飾材粒子(たとえば、ポリエステル−プリミド(PRIMID)(登録商標)化学物質)には、装飾材粒子の全式量あたり、約1%〜約1.8%のオキシメルト(OXYMELT)(登録商標)A−2またはA−4(エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)と約0.2%のベンゾイン(Benzoin)との組合せが含まれていてよい。
【0156】
装飾材製品または装飾材粒子組成物中で使用可能な界面活性剤または湿潤剤は、たとえば、着色剤および/または充填剤の濡れを促進し、および/または仕上げ硬化させた製品の流動性および/またはレベリング性を改良することができる。さらに、界面活性剤または湿潤剤は、硬化反応の際に基材の湿潤化を促進することができ、それによって、接着性および/または耐腐食性を向上させることができる。界面活性剤を添加することによってさらに、硬化した膜の光沢や画像鮮明性も向上させることができる。例を挙げれば、界面活性剤のレベルは、装飾材粒子の全式量あたりの活性物質の0.1%〜約0.5%の範囲とすることができる。界面活性剤または湿潤剤例としては以下のようなものが挙げられる:カチオン性、アニオン性の機能性有機化合物、シラン、およびポリシロキサン、たとえば、ヌオスパース(NUOSPERSE)(商標)657(エレメンティス・スペシャルティーズ(Elementis Specialties)製)およびサーフィノール(SURFYNOL)(商標)104S(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ・インコーポレーテッド(Air Products and Chemicals,Inc.)製)。
【0157】
抗酸化剤または熱安定剤を装飾材粒子組成物中で使用して、たとえば、硬化および/または加熱サイクルの際に熱による黄変を禁止または防止してもよい。例を挙げれば、抗酸化剤または熱安定剤は、ホワイト色または比較的薄い色の装飾材粒子組成物の中では、装飾材粒子の全式量あたり活性物質の約0.2%〜約0.5%の量で使用するのがよい。他の着色装飾材粒子において、より多量またはより少量の抗酸化剤または熱安定剤を使用してもよい。抗酸化剤の例としては、イルガノックス(Irganox)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製)およびイルガノックス(Irganox)B−225(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製)が挙げられる。熱安定剤の一例は、サンドスタブ・P−EPQ(Sandostab P−EPQ)(クラリアント(Clariant)製)である。
【0158】
紫外光吸収剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた仕上げ製品の紫外線抵抗性(たとえば、耐候性)を向上させてもよい。抗酸化剤および/または熱安定剤と組み合わせて使用することで、紫外線吸収剤の性能をさらに向上させることができる。
【0159】
ワックスを装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた装飾材製品の光沢および/または流動性を調節してもよい。ワックスは、硬化させた装飾材製品に質感を付与するために使用してもよい。さらに、いくつかのワックス添加剤は、硬化させた装飾材製品の損傷および引掻き抵抗性を改良することができる。例を挙げれば、天然産物からのワックスたとえばカルナウバワックス、蜜ろう、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素、およびPTFEは、高いパーセントでワックスを含んでいて、装飾材製品および/または装飾材粒子組成物の中で使用することができる。ワックス添加剤の例としては以下のものが挙げられる:DT3329−1(チバ・ガイギー(Ciba Geigy)製)、カスター・ワックス(Castor Wax)、パウダー・テックス・61(Powder Tex 61)(シャムロック・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Shamrock Technologies,Inc.))、ランコ(Lanco)(登録商標)TF−1778(ノベオン・インコーポレーテッド(Noveon Inc.)から入手可能)、およびランコ(Lanco)(登録商標)PP−1362D(ノベオン・インコーポレーテッド(Noveon Inc.)から入手可能)。
【0160】
シリコーン添加剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた装飾材製品の損傷および引掻き抵抗性を改良してもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、シリコーン添加剤は摩擦係数を低下させ、それが2層コートシステムのコーティング間の接着性に影響しているのであろうと考えられる。シリコーン添加剤の例としては、ポリシロキサンおよびシリコーンオイルが挙げられる。
【0161】
触媒たとえば2−プロピルイミダゾールを装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化速度を加速したり、硬化温度を低下させたり、および/または硬化された製品の物理的および/または化学的性質を改良したりしてもよい。
【0162】
質感剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、組成物の粘度を改変および/または調節してもよい。
【0163】
電荷調節添加剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、転写効率を調節してもよい。例を挙げれば、チヌビン(TINUVIN)(登録商標)144(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、チタン酸バリウム、および四級アンモニウム塩がある。
【0164】
導電添加剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、組成物および/または仕上げ製品中の電荷を消散させてもよい。導電添加剤は、その性質がたとえば、充填剤様、顔料様、あるいはワックス様であってよい。
【0165】
加工助剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、組成物が容易に加工できるようにしてもよい。加工助剤は、当業者には周知である。
【0166】
着色剤を装飾材粒子組成物に、たとえば所望の色を得るために添加してもよい。顔料の例としては、有機および無機顔料たとえば、二酸化チタン、酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、酸化鉄ブラック、加熱安定化酸化鉄、焼成混合金属酸化物、ジアリーリド、縮合ジスアゾ、およびフタロブルーなどが挙げられる。個別に、または装飾材製品および/または装飾材粒子組成物と組み合わせて使用することができる着色剤およびその量の例を、以下の表8に示す。
【0167】
表8 顔料
【表8】
当業者に公知の多くのその他の有機および無機着色剤を、本明細書に記載の組成物において使用することができる。
【0168】
充填剤を装飾材粒子組成物に添加してもよい。充填剤の二つの例を挙げれば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム(それぞれCaCO3およびBaSO4、いずれもフィッシャー・ケミカルズ(Fisher Chemicals)製)である。装飾材製品および/または装飾材粒子組成物に添加された炭酸カルシウム充填剤は、たとえば、光沢や、さらには高濃度で適用された仕上剤の流動性を抑制することができる。ウォラストナイトタイプ(Wollastonite−type)の充填剤もまた、装飾材製品および/または装飾材粒子組成物における充填剤として使用することができる。通常1〜10ミクロンの平均粒径またはミクロンサイズのガラスビーズ大に摩砕された、粉体形態のタルカム、クレー、ドロマイト、およびマグネシウム−アルミニウム−シリケートもまた充填剤として使用し、腐食抵抗性、光沢調節、および/または膜の質感等の特異的な性質を得ることができる。
【0169】
例を挙げれば、装飾材製品を表面に適用することで、装飾材製品を硬化させたときに約0.004ミル〜約2.2ミル(約0.01ミクロン〜約56ミクロン)の膜の厚みが得られる。
【0170】
低温硬化エポキシ化学物質、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド化学物質、低温硬化ポリエステル−TGIC化学物質を包含しているそれ等の装飾材粒子配合物は、以下に示す一般的な加工手順に従って調製することができる。
【0171】
配合成分は、ローインテンシティ・タンブルミキシングによるか、あるいは50〜1,000rpmで回転するブレードを有する、垂直または水平の混合シャフトを有するミキサー中によるハイインテンシティ・ドライブレンディングによるかのいずれかで、ドライブレンドする。配合物は、たとえば約5〜約20分間でローインテンシティ・タンブリングミキシングするか、あるいはたとえば約1〜約5分間でハイインテンシティ・ドライミキシングする。ミキシングによって活性化学成分が均質化され、不活性成分が分散されることで、色の一致性が向上し、適用された膜に突起が形成されることを避けることができる。バッチサイズは、クォートサイズからキロリットルサイズまで変えられる。ドライブレンディングの後、混合物の温度を約40℃以下に維持して、塊状化や溶融を防止する。
【0172】
ドライミキシングの後、混合物を分単位から時間単位で押出し加工する。往復動のスクリューシャフトを有する単軸スクリュー押出機(コニーダーとも呼ばれる)、および共回転スクリューシャフトを有する2軸スクリュー押出機が好適な押出機であるが、プラネタリー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、あるいは単軸スクリュー押出機などもある。押出機のサイズの例を挙げれば、10〜30mmのスクリュー直径と1〜5kg/時間の理論吐出量を有する卓上実験室モデルから、30から300mm超のスクリュー直径と、100kg〜2,000kg/時間超の理論吐出量を有する生産モデルまである。
【0173】
加工のための押出機は、押出機のバレルの外側に位置するジャケットで、水、オイルまたは伝熱を用いて加熱することができる。押出機のバレルの加工温度は、約70℃〜約125℃の範囲でよいが、用途によっては所望の性質を得るためにこの範囲から外れた温度を使用してもよい。粉体加工に用いられるある種の押出機のバレルヒーターは分割されていてもよく、その場合、押出機のプレミックス取り入れゾーンは、低温または約40℃〜約50℃の最低限に加熱のもとで運転してよい。押出機およびスクリューの設計に依存するが、反応性の高い、低温硬化粉体コーティング配合物を加工するには、バレルを約100℃±15℃に加熱すれば充分である。スクリューは、プレミックス取り入れ領域ではらせん状部分を有し、押出し物を分散、溶融混合するところでは、「へら(paddle)」部分を有するのがよい。押出機内部における押出物の滞留時間は、典型的には、約60秒を超えないようにする。粉体コーティングを加工するために使用される生産用の押出機は、約50〜約750rpmの間のスクリュー速度で運転する。スクリュー速度と押出機のバレル温度は、約50%〜約90%の間のトルクが得られるように選択する。押出物の温度は、押出機のバレルの加熱と回転しているスクリューからの摩擦熱とによって、約100℃〜約125℃の範囲となる。押出機から押出された押出物はすぐに冷却され、さらなる加工のためにその材料を固化させると同時に、化学反応を停止させる。押出物を、約1.5〜約3mmの間隔に設定した異方向回転冷却ロールの中に重力フィードする。得られた押出物のシートを冷却ベルトに載せてフレーカーまたはクラッシャーユニットへ送り、そこでシートを破砕して約1インチ正方より小さいサイズのフレークとする。冷却ベルトの温度は、加工の間約5℃〜約35℃に維持する。得られたフレークを、空気分級ミル(ACM)、サイクロン、および篩を用いて粉砕および特性測定を行い、粒径分布および平均粒径を求める。例を挙げれば、ある装飾材粒子の粒径の分布では、90容積%以上の粒子が、約100ミクロン未満、または約25ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約0.1〜約50ミクロン、または約1〜約20ミクロン、または約3〜約10ミクロン、または約750nmより大〜約100ミクロンの範囲であるか、または所望の適用に依存してそれらよりも大きな粒径または小さな粒径を有する。異なった配合または色を加工した後は、すべての装置を清浄にし、化合物または色の相互汚染を防ぐ。
【0174】
乳化された装飾材製品は、以下の一般的な加工手順に従って調製することができる。1ガロンのガラス容器の中で、まず乳化剤を粉体たとえばナチュラ(NATURA)(商標)トナーおよび/または装飾材粒子に添加し、混合して、粉体が完全に乳化剤でコーティングされるようにする。次いで水をその粉体と乳化剤の混合物に加え、アイカ−ベルケ・オイロスター(IKA−Werke Eurostar)パワーベーシックミキサーを使用し、約750rpmの速度で約4時間かけてブレンドする。必要に応じ、装飾材製品を調製している間のいずれの時点かにおいて追加の添加剤を加えてもよい。4時間のブレンド時間の後、その混合物を室温で、マグネチックスターラー/加熱プレート(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)から入手可能なアイソテンプ(Isotemp)#409N0063)の上でさらに24時間、2インチのマグネチックスターラーバーを100rpmで用いて連続的に混合する。例を挙げれば、乳化された装飾材製品組成物には、以下の表9に示す成分が含まれていてよい。
【0175】
表9 乳化された装飾材製品の組成
【表9】
【0176】
以下の実施例によって本発明の開示をさらに詳しく説明するが、それらの実施例はいかなる点においても限定を示すものと受け取ってはならない。特に断らない限り、それらの実施例において表されるパーセントは、所定の組成物の全重量を基準にした重量パーセントである。
【実施例】
【0177】
実施例1〜24の装飾材粒子組成物は、上述の一般的な加工手順を用い、構成成分を19mmのエーピーブイ(APV)実験室用2軸スクリュー押出機(型番MP19TC−25、ベーカー・パーキンス(Baker Perkins)製)を用いてブレンド(混合)および加工して調製した。この押出機は同方向回転スクリューを有し、バレル温度が100℃、スクリュー速度が400rpm、そしてトルクが50%〜90%であった。押出し物を冷却ロール上で冷却すると、厚みが3/32インチ(約3mm)の固形の押出し物シートが得られた。そのシートを破砕して、大きさが1平方インチ(6.45cm2)より小さいフレークとした。そのフレークを空冷ジェットミルで摩砕し、分級して粒径範囲約0ミクロン〜約20ミクロンとした。実施例25〜28の装飾材製品は、上述の一般的な加工手順を用い、装飾材粒子またはトナーと乳化剤とを、その装飾材粒子またはトナーが1種または複数の乳化剤によってコーティングされるまでの間混合して調製した。次いで水を加え、上述のようにして完全に混合した。
【0178】
表10〜25の組成物において、商標ククド(KUKDO)(登録商標)KD−242G(ククド・ケミカル・カンパニー・リミテッド(Kukdo Chemical Co.,LTD)製)は、エポキシ当量が約700g/eqのタイプ3ビスフェノール−Aエポキシ樹脂である。表10〜17の組成物において、ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)製)は、特許権で保護されているフェノール系硬化剤であって、フェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−、2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン]とのポリマー(一般に、エポキシ樹脂とビスフェノールAとのポリマーと表現される)、社外秘の促進剤、およびフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−(一般的にはビスフェノールAと呼ばれる)を含んでいる。表18〜25の組成物において、アクチロン(Actiron)NXJ−60(アドバンスト・テクノロジー・アンド・インダストリアル・カンパニー(Advanced Technology & Industrial Co.)製)は、2−プロピルイミダゾール触媒である。表10〜13、18〜21、および26〜29の組成物において、商標タイ−ピュア(TI−PURE)(登録商標)TiO2R−960(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company)製)は、酸化チタンホワイト顔料である。表11〜12、14〜15、19〜20、22〜23、27、および30〜31の組成物において、Y10M(CAS番号51274−00−1、エービーシーアール(ABCR)製)は、酸化鉄イエロー顔料である。表11、19、および27〜29の組成物において、274−0033(CAS番号5468−75−7、エービーシーアール(ABCR)製)は、2,2’−((3,3’−ジクロロ(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル)ビス(アゾ))ビス(N−(2−M−エヒルフェニル)−3−オキソブチルアミド)の化学式を有するイエロー顔料である。表11、19、および27の組成物において、HR−70イエロー(クラリアント(Clariant)製)は、イエロー有機顔料である。表26〜33の組成物において、商標ルコート(RUCOTE)(登録商標)921ポリエステル(バイエル・マテリアル・サイエンス,エルエルシー(Bayer Material Science,LLC)製)は、酸価が38mgKOH/g、ヒドロキシル価が6mgKOH/g、ICI・コーン・アンド・プレート粘度(200℃)が1800cPs、Tgが60℃の、低粘度カルボキシル官能性ポリエステルである。
【0179】
実施例1:ホワイト色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0180】
下記の表10に示す組成を有するホワイト色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0181】
表10 ホワイト色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表10】
【0182】
実施例2:イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0183】
下記の表11に示す組成を有するイエロー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0184】
表11 イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表11】
【0185】
実施例3:レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0186】
下記の表12に示す組成を有するレッド色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0187】
表12 レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表12】
【0188】
実施例4:ブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0189】
下記の表13に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0190】
表13 ブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表13】
【0191】
実施例5:ブラウン色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0192】
下記の表14に示す組成を有するブラウン色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0193】
表14 ブラウン色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表14】
【0194】
実施例6:酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0195】
下記の表15に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0196】
表15 酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表15】
【0197】
実施例7:酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0198】
下記の表16に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0199】
表16 酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表16】
【0200】
実施例8:ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0201】
下記の表17に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0202】
表17 ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表17】
【0203】
実施例9:ホワイト色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0204】
下記の表18に示す組成を有するホワイト色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0205】
表18 ホワイト色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表18】
【0206】
実施例10:イエロー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0207】
下記の表19に示す組成を有するイエロー色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0208】
表19 イエロー色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表19】
【0209】
実施例11:レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0210】
下記の表20に示す組成を有するレッド色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0211】
表20 レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表20】
【0212】
実施例12:ブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0213】
下記の表21に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0214】
表21 ブルー色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表21】
【0215】
実施例13:ブラウン色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0216】
下記の表22に示す組成を有するブラウン色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0217】
表22 ブラウン色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表22】
【0218】
実施例14:酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0219】
下記の表23に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0220】
表23 酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表23】
【0221】
実施例15:酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0222】
下記の表24に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0223】
表24 酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表24】
【0224】
実施例16:ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0225】
下記の表25に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0226】
表25 ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表25】
【0227】
実施例17:ホワイト色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0228】
下記の表26に示す組成を有するホワイト色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0229】
表26 ホワイト色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表26】
【0230】
実施例18:イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0231】
下記の表27に示す組成を有するイエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0232】
表27 イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表27】
【0233】
実施例19:レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0234】
下記の表28に示す組成を有するレッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0235】
表28 レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表28】
【0236】
実施例20:ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0237】
下記の表29に示す組成を有するブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0238】
表29 ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表29】
【0239】
実施例21:ブラウン色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0240】
下記の表30に示す組成を有するブラウン色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0241】
表30 ブラウン色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表30】
【0242】
実施例22:酸化鉄イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0243】
下記の表31に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0244】
表31 酸化鉄イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表31】
【0245】
実施例23:酸化鉄レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0246】
下記の表32に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0247】
表32 酸化鉄レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表32】
【0248】
実施例24:ウルトラマリンブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0249】
下記の表33に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0250】
表33 ウルトラマリンブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表33】
【0251】
実施例25:ブルー色低温硬化エポキシ装飾材製品の調製
【0252】
下記の表34に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシベース装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0253】
表34 ブルー色低温硬化エポキシベース装飾材製品の組成
【表34】
【0254】
実施例26:ブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品の調製
【0255】
下記の表35に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0256】
表35 ブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品の組成
【表35】
【0257】
実施例27:ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品の調製
【0258】
下記の表36に示す組成を有するブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0259】
表36 ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品の組成
【表36】
【0260】
実施例28:ブルー色低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベースの装飾材製品の調製
【0261】
下記の表37に示す組成を有するブルー色の低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベースの装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。ソウグラス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Sawgrass Technologies,Inc.)からのブルー色の(シアン)ナチュラ(NATURA)(登録商標)トナーおよび透明なナチュラ(NATURA)(登録商標)トナーは、エーシーピー・テクノロジーズ(ACP Technologies)から購入した(それぞれ識別番号127および131)。
【0262】
表37 ブルー色低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベース装飾材製品の組成
【表37】
【0263】
実施例29:軟質表面の上への実施例25〜28の装飾材製品の適用、貼付、取消可能性、および耐久性
【0264】
本発明に開示の装飾材製品について、ナイロン試験カーペットへの適用、貼付工程の前のナイロン試験カーペットからの除去(取消可能性)、エネルギー源として熱を使用したナイロン試験カーペットへの貼付、およびナイロン試験カーペットに貼付後の耐久性についての性能を試験した。
【0265】
実施例25〜28の4種の個々の装飾材製品を、完全に混合し、個々に60ミクロン粒径吐出のフィンガーポンプファインミストスプレーヤを取り付けた8オンスのPETボトル(N2862524410WHT3、ボトルネック24/410;イーボトルズ.コム・インコーポレーテッド(ebottles.com Inc.)から入手可能)の中に入れた。4枚の2フィート×2フィートのナイロン試験カーペットの試験片を、ビッセル・ホームケア・インコーポレーテッド(Bissell Homecare,Inc.)製のビッセル(Bissell)クリーンビュー(CLEANVIEW)(登録商標)II真空掃除機を用いて掃除し、わた状繊維および汚れを取り除いた。使用したナイロン試験カーペットの仕様を表38に示す。
【0266】
表38 ナイロン試験カーペットおよびポリエステル試験カーペットの仕様
【表38】
【0267】
ナイロン試験カーペットの4つの試験片のそれぞれについて、それぞれの装飾材製品を適用した3カ所のスポットのそれぞれのベースラインカラーを、ΔE(変色)を記録するためにその設定を「L−a−b」セッティングとした、ミノルタ・モデルNo.CR−310(Minolta Model No.CR−310)彩度計(chroma meter)と組み合わせたミノルタ・データ・プロセッサ・モデル・No.DP−301(Minolta data processor Model No.DP−301)のような色彩計(colorimeter)(いずれも、コニカ・ミノルタ・センシング・アメリカズ・インコーポレーテッド(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.)製)を使用して測定し、製造業者の取扱説明書に従って較正した。
【0268】
実施例25〜28の4種の装飾材製品のそれぞれについて、別個に以下の試験を実施した。装飾材製品の適用前に、ナイロンメッシュバッキングを有する、キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)から入手可能の使い捨ての吸収剤物質から製造されたステンシルを、そのナイロン試験カーペットサンプルの表面の中央に置いた。次いで、そのナイロン試験カーペットから8〜10インチの距離をおき、そのナイロン試験カーペットの上表面を飽和させるような割合で、フィンガースプレーヤからの穏やかなミストとして、そのナイロン試験カーペットに装飾材製品を適用した。適用された装飾材製品はナイロン試験カーペットの上で、周囲温度および湿度のもとで一夜放置して乾燥させた。乾燥後、適用された装飾材製品パターンの半分を、ホースアタッチメント(直径1−1/4インチ×4フィート)付きのショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1(登録商標)ウェット/ドライ真空掃除機を使用して、そのナイロン試験カーペットから除去した。ここでの真空特性は、1ピーク馬力、空気流量115立方フィート/分、密閉圧力52インチであり、電気的な定格は、120V、60Hz、5.5Aであった。パターンは一つの方向に20回吸引され、次いで同一の領域について、逆の方向に20回吸引された。その後、ミノルタ(Minolta)データプロセッサおよびミノルタ(Minolta)彩度計を使用して、ナイロン試験カーペットの吸引された領域について、L−a−bの測定を行った。
【0269】
次いで、吸引されなかった装飾材製品パターンを、吸収性紙タオル(キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)製のワイプ・オール(WYPALL)(登録商標)X60強化ワイプ)をその上に置き、設定を最高設定値(綿)とした家庭用アイロン(ハミルトン−ビーチ(Hamilton−Beach)モデル#14340)を用いて加熱することによりナイロン試験カーペットに貼付した。吸収性紙タオルを通して、装飾材製品の1平方フィートあたり2.5分かけて円運動の形で熱を付与した。次いで、紙タオルをナイロン試験カーペットから剥がし、上述のミノルタ(Minolta)データプロセッサおよびミノルタ(Minolta)彩度計を使用して、貼付された装飾材製品パターン上でL−a−b値を測定した。
【0270】
ナイロン試験カーペットの上に貼り付けられた装飾材製品の回復性を調べるために、貼り付けられた装飾材製品の半分に、ホースアタッチメント付きのショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1(登録商標)ウェット/ドライ真空掃除機を用い、(前後運動を用いて)20回吸引した。吸引および貼付された領域と、貼付されただけの(吸引されなかった)領域とを対比させたL−a−b値を、上述のようなミノルタ(Minolta)彩度計と組み合わせたミノルタ(Minolta)データプロセッサを使用して測定した。
【0271】
実施例25〜28の装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性を以下の表39〜42に示す。
【0272】
表39 実施例25のブルー色低温硬化エポキシ装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表39】
【0273】
表40 実施例26のブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表40】
【0274】
表41 実施例27のブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表41】
【0275】
表42 実施例28のブルー色低温硬化NATURA(登録商標)ベース装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表42】
【0276】
実施例30:表面基材のガラス転移温度(Tg)および溶融温度(Tm)の測定
【0277】
表面基材のTgおよびTmは、モデルQ100示差走査熱量計(ティーエー・インストラメンツ・インコーポレーテッド(TA Instruments Inc.))を用い、加熱速度20℃/分で測定した。具体的には、この方法で、表38のナイロンカーペットは40〜45℃のTgおよび257℃のTmを有すると測定された。さらに、表38のポリエステルカーペットは140〜l50℃のTgおよび247℃のTmを有すると測定された。
【産業上の利用可能性】
【0278】
本明細書に開示された方法によって、表面、さらに詳しくは軟質表面たとえば、カーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などに適用されるべき装飾材製品を適用することが可能となる。軟質表面に対してその装飾材製品を適用することによって、その軟質表面から受ける美観が向上し、交換が必要となるまでの軟質表面の使用寿命を延長することができる。
【0279】
本明細書の開示は、当業者が本開示を作成、使用できるようにするために説明の形で提供されており、使用されている用語も、限定のためというよりは、説明という性質となるよう意図したものである。本開示は、具体的に開示されたものとは異なった方法で実施することが可能であり、上述の教示から可能であり、当業者にとって把握することが可能な、本発明の開示のすべての修正、等価物、および変更は、特許請求項の範囲内に明らかに含まれるということは理解されたい。本明細書の中に引用された、すべての特許、特許出願公開、およびその他の参考文献は、そのすべてを、参考として引用し本明細書に組み入れたものとする。
【図面の簡単な説明】
【0280】
【図1】表面に装飾材製品を適用する一つの可能な方法の説明図である。
【図2】表面上に適用された装飾材粒子の顕微鏡写真である。
【図3】表面に装飾材製品を貼り付ける一つの可能な方法の説明図である。
【図4】表面に貼付された装飾材製品の顕微鏡写真である。
【図5】一つの実施態様による、支持層を含む複数の層を組み込んだデザイン用具の斜方投影図である。
【図6】デザイン用具を示した図5の線6−6に沿った切断面の概観図である。
【図7】一つの実施態様による、周縁デザイン(peripheral design)と切り抜き部分とを有するデザイン用具の平面図である。
【図8】一つの実施態様による、表面上のデザイン用具の位置決めをさせるための方法において使用することが可能なペグ(peg)の斜視図である。
【図9】一つの実施態様による、表面上にペグを正しい位置に置くのに使用される配置ツールの斜視図である。
【図10】一つの実施態様による、表面上に配列されたペグの斜視図である。
【図11】一つの実施態様による、表面上に配列された第二のペグと接合するステンシル搭載ペグの部分破断図である。
【図12】カーペットにデザインを適用する方法を説明する流れ図である。
【図13】図12の方法と共に使用するためのデザイン用具の平面図である。
【図13A】図13のデザイン用具の下側平面図である。
【図14】デザイン用具の別な実施態様を示す断面図である。
【図15】デザイン用具の別な実施態様を示す図13の線15−15に沿った切断面の概観図である。
【図16】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーディングストリップ(color−coding strip)を有する、縁部デザイン用具の斜視図である。
【図17】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーティングストリップを有する、角部デザイン用具の斜視図である。
【図18】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーディングストリップを有する、第一端部デザイン用具の斜視図である。
【図19】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーディングストリップを有する、第二端部デザイン用具の斜視図である。
【図20】説明書セットに従った、図17の角部デザイン用具の配置の平面図である。
【図21】説明書セットに従った、図16の第一および第二の縁部デザイン用具の配置の平面図である。
【図22】説明書セットに従った、図18および19の第一および第二の末端デザイン用具の各々の配置の平面図である。
【図23】図20〜22に開示されたデザイン用具の配置に従って、カーペットに貼付された装飾材製品の平面図である。
【図24】図12の方法に従った、1種または複数のデザイン用具とともに使用するための格子パターンである。
【図25】一つの実施態様に従った、消費者補助具の例示である。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願番号第60/687,953号(2005年6月7日出願)の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府資金援助研究開発に関する参照
該当なし
【0003】
配列表
該当なし
【0004】
本明細書には、恒久的または一時的な再デザイン、装飾および/または再着色でありうる表面の美的処理(enhancement)が開示される。
【背景技術】
【0005】
家庭における美的向上は、多くの消費者によって永年なされてきた。軟質表面たとえばカーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などの表面領域をクリーニングするための家庭用品および方法は極めて数多く存在している。しかしながら、ひどく汚れたりおよび/またはすり切れたりした表面の場合、減算的方法(たとえば、クリーニングやシェービング等カーペットから化学的もしくは物理的に何かを除去する方法)では当該表面を元の状態に完全に戻すことができず、そのことに消費者が不満を抱えることが多い。多くの場合、処理をした後に斑点や染みは再び出現する。
【0006】
加算的方法(たとえば、望ましくないもの上に重ねたり、覆ったり、隠したりする方法)や、表面の美観を向上させる手法として、たとえば、ペイント法、模造ペイント法、ステンシル、縁取り、壁紙、タイル、羽目板、パネル、装飾漆くい、アップリケ(たとえば写真、切り抜き、ステッカーなど)、積層、およびモールディング(たとえば、クラウン、シュー、チェア)などもまた知られている。しかしながら、軟質表面たとえば、カーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などには、それらの製品や方法は適用されてこなかった。
【0007】
ある場合においては、水溶性および/または水分散性ポリマーおよび二層構造を形成可能な界面活性剤を含む組成物を用いて、すり切れて退色した布の色を元に戻したり再現させたりして、少なくとも1回の洗濯、好ましくは少なくとも2回以上の洗濯の後にも長持ちする、より耐久性のある色の復旧および/または色の再現という利点がもたらされる。この組成物は、スプレー容器によって布地に適用してもよい。
【0008】
また別の場合においては、部分的に漂白された布または衣類を再染色する方法として、布または衣類を地色で染色し、次いである領域を集めてこれ以上反応剤と接触しないようにする。次いでその集めた領域を漂白して、その外の領域からの地色を除去し、第二の色を用いてその漂白された領域を再染色するものが挙げられる。
【0009】
さらに別の場合においては、デジタル捺染装置が、回転ホイールと、液状塗料、インクまたは染料をそのホイールの外縁部に沿って付着させる液体ディスペンサと、ホイールの外縁部に隣接して位置するエアジェットであって、ホイールがエアジェットを通過して回転したときにホイール外縁部から液体を除去し、その液体を染色対象に向かわせるエアジェットとを備える。フルカラーのデジタル画像を作製するには複数の装置が使用される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示の一つの態様においては、表面へ着色剤を適用するための組成物が液体および着色剤を含む。この組成物は、有効量でナイロン試験カーペットに適用され実質的に乾燥すると、カーペットに付着した約1ミクロンより大きいサイズの粒子を形成し、そのナイロン試験カーペットを真空掃除機で吸引した(vacuuming)際に約20以下のΔEが得られるように、配合される。
【0011】
本発明の開示のさらなる態様においては、装飾材製品には、第一の添加剤、着色剤、ならびに(a)エポキシ樹脂と硬化剤、(b)エポキシ樹脂と酸末端ポリエステル樹脂と促進剤、または(c)酸末端のポリエステル樹脂と硬化剤、の少なくとも一つを含む、少なくとも1種の実質的に均質な装飾材粒子が含まれる。この装飾材製品には、第二の添加剤および液体キャリヤがさらに含まれる。この装飾材製品は、装飾材製品にエネルギーを付与することによって表面に実質的に貼付され、その装飾材製品が表面に実質的に貼付される前に表面から実質的に除去されるように、配合される。さらに、この装飾材製品は、約2000センチポワズ以下の粘度を有し、約150℃以下の温度で約15分以下の時間加熱することにより、表面に実質的に貼付することができる。
【0012】
本発明の開示のまた別な態様においては、液体の装飾材製品には、着色剤、添加剤、粘着性化合物、ならびに視覚効果(illuminating effect)または聴覚効果の少なくとも一つを有する相互的知覚要素(interactive sensory element)が含まれる。さらに、この装飾材製品は、装飾材製品にエネルギーを与えることによって表面に実質的に貼付され、その装飾材製品が表面に貼付される前に表面から実質的に除去されるように、配合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書の開示は、恒久的または一時的に表面を再デザイン、装飾および/または再着色するための、組成物、方法、装置、キットおよび組合せを目的としている。本明細書においては、いくつかの具体的な実施態様を説明するが、本発明の開示は、本発明の原理の例示としてのみ受け取られるべきであって、開示を説明された実施態様に限定することは意図されていないということを理解されたい。
【0014】
たとえば、本発明の開示において有用な組成物には、表面に適用し貼付されるように配合された装飾材製品が含まれる。以下においてさらに詳しく説明するが、所望により、その装飾材製品は、表面に貼付される前にその表面から実質的に除去してもよい。装飾材製品を除去したい場合には、その装飾材製品を、たとえば、真空掃除機による吸引、湿潤抽出、化学薬品適用など、各種の方法によって除去できるような配合とする。装飾材製品を恒久的または半恒久的に表面に貼付したい場合は、たとえば、熱、圧力、放出波動、放出電場、磁場、および/または化学物質の形で装飾材製品にエネルギーを適用することによって表面に貼付してもよい。装飾材製品はさらに、キットの形態や、装飾材製品の適用を制御して表面上にパターン等を形成するためのステンシル等のデザイン用具との組合せで使用してもよい。
【0015】
装飾材製品を適用および/または貼付できる対象としては各種の表面が考えられ、たとえばカーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などの軟質表面が挙げられる。さらに、装飾材製品は硬質表面に適用してもよく、そのようなものとしてはたとえば、木材、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、硬質床タイル、塗装表面、紙、石材、岩石、繊維/複合材料、ゴム、コンクリートなどが挙げられる。装飾材製品は、各種の加工表面、たとえば、前染色、後染色、前製造、および後製造表面に適用してもよいと考えられたい。さらにその装飾材製品は、その装飾材製品を適用してもよい表面を有する、特定の物品または対象物を製造するプロセスの間に適用してもよい。装飾材製品を適用および/または貼付してもよい表面は、具体的に使用される装飾材製品によって実質的に乾燥していても、実質的に濡れていても、水っぽくても(moist)、湿っていても(humid)よい。さらに、本発明の開示の装飾材製品は、実質的に平坦(flat)、平滑(smooth)および/または平準(level)な表面に適用してもよいし、あるいは各種その他の表面、たとえば、粗面(rough)、凹凸(bumpy)、非平滑(non−smooth)、階段状(stepped)、傾斜(sloped)、斜行(slanted)、上昇(inclined)、下降(declined)および/または乱れた(disturbed)表面などに適用してもよい。
【0016】
装飾材製品を適用および/または貼り付けることのできるカーペットの例としては、モジュール式タイルおよびパネル、たとえばミリケン(Milliken)社のレガート(LEGATO)(登録商標)、ミリケン社のテッセラ(TESSERAE)(登録商標)、インターフェースフロア(INTERFACEFLOR)(商標)、タンドス/シーアンドエー(Tandus/C&A)社のフロアカバリング、ならびに、たとえばモホーク・インダストリーズ(Mohawk Industries)やショー・インダストリーズ・インコーポレーテッド(Shaw Industries,Inc.)等のメーカーによる製品が挙げられる。カーペットの他の例を挙げれば、広幅織りカーペット、カットパイル(ベルベット/プラッシュ、サクソニー、フリーズ、シャグ)、ループパイル(レベルループ、マルチレベルループ、およびベルベル)、ならびにカットアンドループパイル(ランダムシアードおよびチップシアード)カーペットなどがある。装飾材製品を適用および/または貼り付けることのできる軟質表面の他の例としては、たとえばエリアラグ(手織りまたは機械織り)、ドラペリー、カーテン、椅子張り地、およびセルロース系材料などが特に挙げられる。対象となる軟質表面の構成材料としては、たとえば天然繊維の羊毛および綿等、あるいは合成繊維のたとえばナイロン6、ナイロン6−6、ポリエステル、ポリプロピレン(オレフィン)、およびアクリル等が特に挙げられる。
【0017】
本発明の開示の装飾材製品は、所望される具体的な実施態様にとって適切な、各種の定型的、化学的、および/または物理的調製法によって、その構成成分の固有の性質によってのみ制限されるように配合され、設計され、生産され(produced)、製造され(manufactured)、適用され、除去され、および/またはパッケージングされてよい。装飾材製品の例示的な配合としては、液体の中に溶解または分散されて液体の装飾材製品を形成してもよい固形物、液体キャリヤ、エマルション、懸濁液、コロイド、ゾル、分散液、溶液、ゲル、ペースト、フォーム、粉体、スプレー、錠剤、固形物、ガス状物、希釈剤たとえば水またはその他の溶媒、エアロゾル、それらの組合せなどが含まれる。化学的調製法の例としては、ポリエステル重合、ラテックス凝集、ケミカルミリング、およびマイクロカプセル化、ならびに当業者公知のその他の方法が挙げられる。物理的な調製法は、装飾材製品の成分の物理的な摩砕や、当業者公知のその他の手段からなっていてよい。装飾材製品は、たとえば化学的に調製されるトナーに用いられる製造方法におけるように、ポリマー樹脂分子が分子スケールで着色剤、染料、および/または顔料粒子を取り込むような分子ルートで合成されてもよく、樹脂および顔料粒子を互いに物理的にブレンドし、それを当業者に公知の機械的手段により適切なサイズに圧壊してもよい。
【0018】
装飾材製品はいくつの基準に基づいて選択してもよく、そのような基準としては、装飾材製品が適用および/または貼付される表面のタイプ、条件、および/または組成などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。装飾材製品を選択する際の他の基準としては、所望の耐光性、色の範囲、強度、着色剤の均質性、および/または所望の硬化剤および/または装飾材製品の定着性なども挙げられる。さらなる選択要因としては、カーペットもしくはその他の表面の外観および/または感触の向上、(たとえば、部分的なラグタイプの装飾材製品を重ねることによる)しみのマスキング、表面に対する価値付加(たとえば、カーペットの寿命の延長)などが挙げられる。
【0019】
本発明の開示において有用な装飾材製品には、着色料、染料、インキ、トナー、塗料、パッチ、カーペット光沢剤、蛍光物質、複合熱転写シート、粒子、コーティング、顔料、発光物質、ミクロ粒子、磁気応答粒子、活性化されるまで着色しない仮想着色剤、および/またはハイブリッド顔料分子を含む着色剤、添加剤、ならびにそれらの組合せ、のいずれか一つまたは組合せからなる着色剤が含まれていてもよい。例を挙げて説明すれば、装飾材製品には、装飾材製品の全重量の約0.01%より大もしくは約95%より小、または約0.01%〜約70%の間、または約0.03%〜約15%の間、または約0.05%〜約10%、または約0.1%〜約5%の間の量の着色剤が含まれる。
【0020】
本発明の開示において、装飾材製品の色としてはあらゆるものが考えられ、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック、グリーン、オレンジ、バイオレット、ブルー、レッド、パープル、ホワイトシルバー、ゴールド、メタリック、クリア、ニュートラルもしくはノンニュートラル、およびそれらの各種組合せが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。異なった色の単色装飾材製品粒子を各種の量で組み合わせるか、あるいは、異なった色を有する多色装飾材製品粒子を各種の量で組み合わせて装飾材製品に色を付与してもよい。さらに、特定の装飾材製品の色は、異なった色の単色粒子を所定の量で組み合わせるか、あるいは、異なった色の多色装飾材製品粒子を所定の量で組み合わせることによって得ることができる。このようにすれば、すべての考えられる色を装飾材製品の中に組み入れることができる。
【0021】
装飾材製品には、活性化および/または失活させるまで明確に着色しない仮想着色剤が含まれていてもよい。ある例では、リン含有着色剤を装飾材製品の中に組み入れて、その蛍光性によって特別な効果を付与してもよい。さらに、仮想着色剤によって、装飾材製品への光の強度、光の角度、視角、および/または照明によってその装飾材の見え方を変化させることにより、特別な視覚効果を付加してもよい。このような仮想着色剤の活性化としては、たとえば、リン含有仮想着色剤を各種波長の光線に暴露させることが挙げられる。当業者に公知のように、燐光体含有化合物は、光に暴露させたときに、ルミネセンスまたは蛍光を発する。可視光線に暴露させたときには、燐光体は可視白色光を放つ。燐光体含有仮想着色剤を日光に暴露させると白色の輝度が一段と向上するが、これは太陽光線中の紫外光線が、仮想着色剤中の白色に対し「通常の」白色よりも明るく輝くような外観を与えるからである。たとえば、実質的に紫外線A波長を放出する電球からのブラックライトに暴露させた場合には、リン含有化合物は、パープルの色相を有する光を放つ。ブラックライトはたとえば、基本的に変性燐光体でコーティングされた蛍光ランプであるブラックライト管から得ることができる。この変性コーティングは、有害な短波長である紫外線Bおよび紫外線C波長を吸収し、紫外線A波長を放出する。ブラックライト管のチューブは、ほとんどの可視光線を阻止する一方でほとんどの長波長の紫外線A波長を放出するために黒色である。その他の有用なタイプのブラックライトとしては、白熱ブラックライト球から得られるブラックライトが挙げられる。ブラックライトを放つ白熱ブラックライト球は通常の家庭用電球に類似しているが、ほとんどの可視光線を吸収する一方で赤外線と紫外線A光線を放出するフィルターが組み入れられている。
【0022】
また他の実施態様においては、仮想着色剤を含む装飾材製品は、部屋間の通路、出口への通路、および/または非常の際の通路を表示するための夜間光源としても役立つ。
【0023】
表面を可逆的に着色するために、多くの製品を装飾材製品に用いることができる。そのような製品としては、たとえば、染料、トナー、粉体ペイント、インキ、およびそれらの組合せが挙げられる。使用可能な染料の例としては、水系の染料たとえば、ミリケン・ケミカル・カンパニー(Milliken Chemical Company)製のリキッドテイント(LIQUIDTAINT)(商標)およびバーサティント(VERSATINT)(登録商標)が挙げられる。使用可能なトナーの例としては、反応性トナーたとえば粉体トナーが挙げられる。有用な粉体トナーの例を挙げれば、ソウグラス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Sawgrass Technologies,Inc.)から入手可能なもの、たとえばナチュラ(NATURA)(商標)粉体トナー、さらには、以下の表1に示される米国特許および特許出願公開の中に個別に開示されている配合および/または組成物が挙げられる。
【0024】
表1 粉体トナー配合物
【表1】
【0025】
本発明の開示において有用なトナー粒子は、約90%以上の粒子が、約100ミクロン未満、または約25ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約0.1〜約50ミクロン、または約1〜約20ミクロン、または約3〜約10ミクロン、または約750nmより大〜約100ミクロン、または所望の用途によってそれらよりも大きな粒径または小さな粒径を有するという、粒径特性を有していてよい。一つの実施態様においては、そのトナー粒子の融点が、約60℃以下から約150℃以上、または約60℃〜約275℃、または約25℃〜約110℃、または約80℃〜約100℃の範囲である。
【0026】
本発明の開示において有用なその他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,850,725号明細書に開示されている。本発明の開示において有用なさらに他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,713,222号明細書に開示されている。本発明の開示において有用なさらに他のトナー、組成物、添加剤、および硬化プロセスは、たとえば、米国特許第6,680,153号明細書に開示されている。
【0027】
有用であると考えられる粉体塗料の例としては、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、および添加剤または装飾材粒子のいずれかとしてのハイブリッド化学物質を含むものが挙げられるが、これらについては後に説明する。使用可能と考えられるハイブリッド化学物質の一例としてエポキシ−ポリエステルハイブリッドであり、これは反応性粉体コーティング産業においては日常的に使用されている。粉体塗料としての典型的な粒径は、たとえば、約20ミクロンより大から約50ミクロンまでの範囲とすることができるが、本発明の開示の目的においては、所望される取消可能性(reversiblity)および/または貼付性に応じてより大きいおよびより小さい粒径も考えられる。典型的な粉体塗料は、約107℃から約163℃から約302℃までの融点温度を有していてよいが、より低い温度やより高い温度もまた本発明の開示の内であると考えられる。
【0028】
さらに、装飾材製品にはハイブリッド顔料粒子を有する着色剤が含まれていてもよい。ハイブリッド顔料粒子の一例としては、たとえば染料と顔料とを組み合わせたものがある。この実施態様においては、顔料分子が繊維表面をコーティングする一方で、染料分子が繊維に侵入する。
【0029】
また別な実施態様においては、その装飾材製品を、1種または複数の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、着色剤、添加剤、および/または液体キャリヤが含まれるように配合する。熱可塑性樹脂の例としては、たとえば、ポリエステル、不飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、スチレン−アクリレート、および/またはアクリル樹脂のようなポリマー材料が挙げられる。例を挙げれば、本発明の開示において有用であると考えられる熱可塑性および/または熱硬化性樹脂は、たとえば約260℃以下の融点を有している。
【0030】
また別な実施態様においては、装飾材製品には、たとえば、ナノカプセル化、マイクロカプセル化、マクロカプセル化、区画分けされた粒子などのカプセル化された装飾材製品粒子が含まれていてもよい。例を挙げれば、マイクロカプセル化装飾材製品粒子には、たとえば1以上の外側シェル、1以上の内側区画、1種以上の着色剤、および/または1種以上の添加剤が含まれていてもよい。1種以上の着色剤および/または1種以上の添加剤は、同一の区画内にあってもよいし、別の区画にあってもよい。このマイクロカプセル化装飾材製品粒子は、たとえば、装飾材製品の製品寿命を長くする、装飾材製品の送達システムに対する適合性を向上させる、表面に対する装飾材製品の付着性を向上させる、定着前および/または定着後の装飾材製品の表面からの除去性を向上させる、および/または装飾材製品の表面に対する熱定着性を向上させる、などの利点を付与することができる。化合物をカプセル化することにより得られるその他の利点としては、当業者に公知のことの内でも、たとえば化合物の持続放出、緩衝作用などが挙げられ、これらも本発明の開示に含まれると考えられる。区画分けおよび/またはマイクロカプセル化された装飾材製品粒子は、同一および/または異なった物質たとえば、1種または複数の固形物、1種または複数の液状物、1種または複数のガス状物、および/またはそれらの組合せを含む、サイズの等しいまたは異なる複数の分かれた領域を有していてもよい。一例として、本発明の開示において有用なマイクロカプセル化技術は、マイクロテック・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Microtek Laboratories,Inc.)によって提供されている。
【0031】
さらなる実施態様においては、装飾材製品には、除去可能な塗料および/または表面コーティングが含まれていてもよい。この点に関して、装飾材製品は、湿式化学物質、たとえばアンモニア系、酸系、および/または水系の化学物質によって除去可能であってもよい。例を挙げれば、装飾材製品は、1種または複数の界面活性剤、酸化亜鉛、および/または1種または複数の着色顔料を含む液状物であってもよい。本発明の実施態様の装飾材製品は、たとえば、弱酸、緩衝剤、弱アルカリ性溶液、極性もしくは非極性溶液、洗剤、セッケン、アルコール、および/または固形の化合物、および/またはそれらの組合せによって除去されてもよい。
【0032】
本発明の開示において有用なアンモニア系化学物質の例としては、ミズーリ・ターフ・ペイント(Missouri Turf Paint)(たとえば、タイタン(TITAN)(商標)リムーバブル(Removable))、パイオニア(Pioneer)、スポーツ・コーティングズ(Sports Coatings)、またはスペシャリスト・グループ(Specialist Group)により供給されているものが挙げられる。本発明に開示の装飾材製品において有用な酸系化学物質の例としては、リマーカブル・ペイント・カンパニー(Remarkable Paint Company)から供給される、たとえば、リ−マーカブル(RE−MARKABLE)(登録商標)ペイント(Paint)などが挙げられる。本発明の開示において有用なさらなるリマーカブル・フィールド・ペイント(remarkable field paint)としては、たとえば、米国特許出願公開第2004/0127376号明細書に開示されているものが挙げられる。本発明の開示におけるリマーカブル・フィールド・ペイントのその他の有用な例としては、たとえば、米国特許第6,653,265号明細書に開示されているようなものが挙げられる。本発明に開示の装飾材製品において有用なストリッピング可能なアンモニア配合物のさらなる例としては、米国特許第5,041,488号明細書に開示されているようなもの、および高感度なスチレン/アクリル化合物を含むものなどが挙げられる。その他の有用な水系染料および組成物としては、たとえば、米国特許第6,834,589号明細書に開示されているようなものが挙げられる。
【0033】
本発明の開示において有用な水系の化学物質としては、マジック・カラーズ・カンパニー(Magic Colors Company)により供給されているもの(たとえば、リムーブ・イット・パーマネント・ペイント・システム(Remove It Permanent Paint System))などが挙げられる。さらには、水性布帛ペイントおよび/またはペイントシステムも、本発明に開示の装飾材製品の実施態様において有用であると考えられる。本発明の開示において有用な水性布帛ペイントの例としては、たとえば、ジャカード・プロダクツ(Jacquard Products)のジャカード・テキスタイル・カラーズ(Jacquard Textile Colors)、ダイ−ナ−フロー(DYE−NA−FLOW)(商標)、およびネオペイグ(NEOPAGUE)(商標)、マラブウェルケ・GmbH・アンド・カンパニー・KG(Marabuwerke GmbH & Co.KG)製のマラブ−テキスティル(Marabu−Textil)、およびサンシャイン・ジョイ・ディストリビューティング(Sunshine Joy Distributing)から入手可能なシンプリー・スプレー(SIMPLY SPRAY)(商標)などが挙げられる。多様な表面で使用することができ、短時間または長時間後でも溶媒によって除去することが可能な湿式消去(wet−erase)インキもまた、本発明の開示において有用である。そのような湿式消去インキには、水溶性バインダー、セルロース誘導体、および/またはポリビニルピロリドンが組み入れられていてもよい。
【0034】
さらなる実施態様においては、乾式消去インキ、剥離可能および/またはストリッピング可能なコーティング、アルカリ可溶性樹脂、および本明細書に開示された各種の価値付加化学物質が含まれていてもよい。乾式消去インキ、組成物、およびそれらのアプリケータの例としては、アイティーダブリュー・ダイモン(ITW Dymon)、パイロット・ペン・コーポレーション(Pilot Pen Corp.)、サンフォード・コーポレーション(Sanford Corp.)、アベリー・デニソン・コーポレーション(Avery Dennison Corp.)、ビニー・アンド・スミス・インコーポレーテッド(Binney & Smith Inc.)、および大日本インキ化学工業(株)(Dainippon Ink and Chemicals, Inc.)によって提供されるものが挙げられる。本発明の開示において有用となりうるその他の乾式消去インキ、組成物、およびアプリケータとしては、たとえば、米国特許第6,031,023号明細書に開示されているようなものが挙げられる。
【0035】
本発明の開示の他の有用な配合物としては、スプレーラート・インターナショナル・リミテッド(Spraylat International,LTD.)により製造されている、剥離可能および/またはストリッピング可能なコーティングが含まれる。さらに、装飾材製品には、貼り付けられた装飾材製品の除去を容易とするための、熱的に剥離可能なコーティングおよび/または吹き付け剤が含まれてもよいと考えられる。本発明の開示において有用な、熱的に剥離可能なコーティングおよび吹き付け剤の例としては、たとえば、米国特許第5,010,131号明細書に開示されているようなものが挙げられる。本発明の開示において有用なその他のコーティングとしては、たとえば、米国特許第6,872,444号明細書に開示されているような、ナノ粒子コーティング組成物が挙げられる。
【0036】
また別な実施態様においては、装飾材製品には、アルカリ可溶性樹脂系が組み入れられる。アルカリ樹脂系の例としては、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリル酸およびメタクリル酸、イソブチレン/無水マレイン酸のコポリマー、プロピオン酸変性ウレタンなどが挙げられる。本発明の開示において有用なアルカリ樹脂系は、特に、ビーエーエスエフ・コーポレーション(BASF Corp.)、(株)クラレ(Kuraray Co.LTD.)、ジョンソン・ポリマー(Johnson Polymer)、ローム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm and Haas Co.)、インターポリマー・コーポレーション(Interpolymer Corp.)、スコット・ベーダー・カンパニー・リミテッド(Scott Bader Co.,LTD.)、サルトマー・カンパニー(Sartomer Co.)、およびディーエスエム・ネオレジンズ(DSM NeoResins)などの会社から入手可能である。アルカリ可溶性樹脂系のための有用な添加剤の例としては、2価の亜鉛塩が挙げられる。その他有用なアルカリ可溶性樹脂系が、さらに米国特許第6,147,041号明細書に開示されている。さらなるアルカリ可溶性樹脂系としては、たとえば米国特許第5,453,459号明細書に開示されたものが挙げられる。
【0037】
本発明の開示のさらなる実施態様には、価値付加化学物質が含まれていてもよく、そのようなものとしては、粉体コーティング、トナーおよび/またはインキ化学物質、カーペット染み抜き剤および/またはマスキング剤、悪臭除去剤および/または吸収剤、漂白剤などが挙げられる。本発明の開示において有用なカーペットの染み除去および/またはマスキングのための組成物および方法には、本出願と同日に出願された代理人書類番号第J−4377A、J−4377B、J−4377CおよびJ−4550号(米国特許出願番号未付与)の中に開示されているものが挙げられる(それらの開示のすべてを、ここに引用することにより本明細書に取り入れたものとする)。さらに、自動車産業において購入後のカーペット染色に使用される方法が、本発明の開示において有用であってもよく、そのような方法にはたとえば、トップ・オブ・ザ・ライン(Top of the Line)から入手可能な「プロ・ダイ・システム(Pro Dye System)」が挙げられる。さらに考慮すべき化学物質としては、装飾材製品を表面に貼り付けたり表面から除去したりするために調製物中の装飾材製品粒子を架橋する紫外線照射架橋剤が挙げられる。
【0038】
その他の実施態様においては、本発明の開示で考えられる装飾材製品には、たとえば配合時に組み入れたり、配合後かつその装飾材製品を表面に適用する前に加えたり、および/または装飾材製品を表面に適用した後で加えたりする、1種または複数の添加剤が含まれていてよい。本発明の開示において有用な添加剤を例示すると、以下のようなものが挙げられる:たとえば、充填剤、金属粒子、粘着剤、バインダー、トナー、樹脂たとえばアクリル、アクリルラテックス、ポリエステル、ウレタン、および/またはエポキシ樹脂、キャリヤ、ワックス、電荷添加剤(charge additive)、タンパク質、オーバーコーティングラッカーたとえば紫外線開始剤、紫外光吸収剤、紫外線安定剤、紫外線遮断剤、安定剤、増粘剤、抗ウィッキング添加剤、乾燥粉体、界面活性剤、湿潤剤、乳化剤、コーティング、分散剤、香料、芳香剤、顔料、染料、保存剤、溶媒、潤滑剤、流動性改良剤、流動添加剤、保湿剤、噴射剤(たとえば、加圧ガスまたはブタンおよびプロパン等の炭化水素系噴射剤)、無機粒子添加剤、磁気応答ミクロ粒子、一時的放出剤(temporal emission agent)、安全面で効果のある添加剤、表面保護の面で効果のある添加剤、電気的添加剤、相互的知覚添加剤(interactive sensory additive)、ガス抜き剤、抗酸化剤、熱安定剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、質感剤、電荷調節剤、導電剤、加工助剤、金属塩の乾燥粉体、脂肪酸の金属塩、コロイダルシリカ、誘導成分、および/または金属酸化物、ならびにそれらの組合せ。例を挙げれば、装飾材製品組成物には、装飾材製品の全重量の、約0.1%より大または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で添加剤を含む。
【0039】
粘着剤またはバインダーは、カラートナーにおいて使用される樹脂のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を示すように選択して、樹脂粒子に加える。ガラス転移温度がより低い粘着剤および/またはバインダーは、貼付後の装飾材の美感(aesthetic feel)にプラスの影響を与える可能性がある。さらに、そのような粘着剤および/またはバインダーは、エマルションとして調製された組成物の安定性を向上させ、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン、およびイソブチレン等のエラストマー性材料からなるカーペット繊維に対する装飾材製品の機械的接着性をより大きくする可能性がある。粘着剤およびバインダーはさらに、硬化工程の前および/または後における、ナイロンおよびポリエステルカーペット等の軟質表面上における取消可能性(reversibility)をベースに選択してもよく、たとえば、アルコプリント・PTU(Alcoprint PTU)(チバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba Geigy Corp.)製)が挙げられる。ある種の用途においては、硬化させた後の保持力が高レベルであることも望ましい。本発明の開示において有用な粘着剤の例としては高分子樹脂が挙げられ、これによって高分子量樹脂粒子間、および/または軟質表面と高分子量樹脂粒子との間の積層粘着性が付与される。一つの実施態様においては、その高分子量樹脂、たとえばクリアトナー等のトナーは、粘着剤としての機能も果たすことができる。本発明の開示において有用な粘着剤およびバインダーの例としては、ビーエーエスエフ・コーポレーション(BASF Corp.)製のスチレンブタジエンコポリマーラテックスである、スタイロナール(STYRONAL)(登録商標)ND656、および英国のインダストリアル・コポリマーズ・アンリミテッド(Industrial Copolymers Unlimited)製のウレタン/アクリルエマルションである、インコレツ(INCOREZ)(登録商標)W2450が挙げられる。本発明の開示において有用なその他の樹脂を挙げれば、たとえば、ゼオン・ケミカル・エル・ピー(Zeon Chemical L.P.)から入手可能なスチレン、アクリレートエステル、およびアクリロニトリルの架橋ターポリマー(トナー樹脂S−103CおよびS−111を含む)、ならびに積水化学工業(株)(Sekisui Chemicals Co.LTD.)から入手可能なスチレン−アクリル樹脂(スチレンとアクリルのコポリマーをベースとするS−LEC樹脂を含む)などがある。本発明の開示において有用なその他の樹脂としては、たとえば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリル酸ブチル、スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル、および、エリケム(Elikem)から入手可能なスチレン/アクリル酸ブチル樹脂で、プライオトーン(PLIOTONE)(商標)の商品名で市販されているものなどが挙げられる。ポリエステル樹脂は、スチレン/アクリレートまたはスチレン/ブタジエン樹脂よりも低温で溶融が可能であるので、装飾材製品および/または軟質表面に付与する熱が少なくてすむ。ポリエステル樹脂の例としては、熱硬化性ポリエステル、オルソフタル酸、イソフタル酸、ジシクロペンタジエン等の不飽和ポリエステル樹脂、およびビスフェノールAフマレート樹脂、およびたとえば、カオウ・スペシャルティーズ・アメリカズ・エルエルシー(Kao Specialties Americas,LLC)から入手可能なものなどが挙げられる。有機ポリイソシアネートとポリオールとの発熱反応をベースにしたものを含め、ポリウレタン樹脂もまた本発明の開示においては有用である。例としては、装飾材製品組成物は、装飾材製品の全重量の、約0.1%より大または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で粘着剤を含む。
【0040】
安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、サリチレート、有機ニッケル(nickel organic)、モノベンゾエート、ホルムアミデン(formamidene)、オキサルアニリド(oxalanilide)および/またはフェノールが挙げられる。紫外光線に対する保護性能を向上させる紫外線安定剤の例としては、たとえば米国特許第6,152,038号明細書に開示されているものが挙げられる。本発明の開示において有用な増粘剤の例としては、たとえば米国特許第6,752,841号明細書に開示されているものが挙げられる。本発明の開示において有用な抗ウィッキング添加剤の例は、米国特許第5,116,682号明細書に見出すことができる。
【0041】
本発明の開示で考えられるまた別な実施態様では、1種または複数の表面活性剤(界面活性剤)、たとえば乳化剤が含まれていてもよい。装飾材製品に界面活性剤を使用することによって、着色剤および/または充填剤の濡れを促進するとともに粉体仕上剤の流動性およびレベリング性を改良することができる。さらに、界面活性剤は、硬化反応の間の基材の湿潤化を促進し、それによって装飾材製品の粘着性や腐食抵抗性が改良される。界面活性剤を添加することによって、硬化された装飾材製品の光沢や画像鮮明性もまた向上させることができる。1種または複数の界面活性剤を添加することは、装飾材製品配合物を安定化させ、さらには装飾材製品配合物の粒子の懸濁の向上、装飾材製品の表面への付着も促進する。本発明の開示において有用な界面活性剤としては、イオン性、ノニオン性、および/またはカチオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書で有用な乳化剤としては、チバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba Geigy Corp.)からのアルコプリント(ALCOPRINT)(商標)PTU、ジョンソン・ポリマー(Johnson Polymer)から入手可能なジョンクリル(JONCRYL)(商標)シリーズの乳化剤、および、たとえば粘着剤配合物およびラテックス配合物を含め当業者に公知のその他のものが挙げられる。好適な乳化剤のその他の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、またはラウリル硫酸アンモニウムなどが挙げられ、これにはたとえば、トリトン(TRITON)(商標)100(オクチルフェノキシポリエトキシ−エタノール−ポリエチレングリコール)が含まれる。カチオン性界面活性剤としてはたとえば、ドデシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリド、ドデシルピリジニウムブロミド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としてはたとえば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族セッケンなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としてはたとえば、ポリ−オキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、およびモノデカノイルスクロースなどが挙げられる。一例としては、装飾材製品組成物は、装飾材製品の全重量の約0.001%より大、または約75%より小、または約0.001%〜約50%の間、または約0.1%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%の間、または約0.1%〜約5%の間の量で界面活性剤を含む。
【0042】
本明細書で有用な流動性改良剤としては、たとえば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、微粉化疎水性シリカ粉体、微粉化酸化チタン粉体、および微粉化酸化アルミニウム粉体などが挙げられる。さらなる添加剤を、繊維濡れ促進剤、繊維乾燥促進剤、繊維クリーナー(fiber cleaner)および繊維クリーニング促進剤として機能させてもよい。本発明の開示の配合にはさらに、無機微粒子物質たとえば、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウムおよび/または導電性チタニアなどが含まれていてもよい。
【0043】
装飾材製品は、着色剤とともにまたは着色剤なしで、磁気応答ミクロ粒子を含んでもよい。この実施態様においては、その装飾材製品は、静電荷および/または磁気的に方向づけられた力を用いて適用することができる。一例として、酸化鉄および/または当業者公知のその他の磁粉を配合の一部に用いることにより、装飾材製品に磁気応答性が付与される。磁気応答性は、繊維上へのさらなる配置、および/または繊維からの除去の向上、および/またはデザインおよび/またはパターン形成等の美的観点からの補助に利用することができる。
【0044】
さらに、本発明の開示に示される装飾材製品には、芳香付与やアロマテラピーのような非視覚的な利点をさらに付与することを目的とした添加剤が含まれていてもよい。さらなる添加剤としては、たとえばスポットクリーナー、悪臭除去剤など短期または長期の一時的放出剤、および/または殺菌剤、殺ダニ剤、殺虫剤(insectcide)、農薬(pesticide)および/または防カビ剤などの生体活性物質添加物などが挙げられ、これらは、秒〜分〜時間〜日〜週〜月〜年の期間で放出される。
【0045】
さらに、装飾材製品には、難燃剤およびスリップ防止剤のような添加剤が組み入れられていてもよい。さらに、適用された装飾材製品は、それが貼り付けられた表面領域を、染み、欠け、へこみ、割れ、きず、焼けこげ、裂け、摩耗、切り傷、さび、酸化、水による損傷、かび、および/または汚れから防止するのに役立つ可能性がある。さらに、適用された装飾材製品は、絶縁物として、たとえば静電荷を抑制するのにも役立つ可能性がある。
【0046】
また別な実施態様においては、本発明の開示の装飾材製品には、使用者の1種または複数の感覚と相互作用を有する相互的知覚要素が含まれていてもよい。相互的要素の例としては、ムード照明、音響(たとえば、音楽、表示音(indicative sound)、または指示音(instructive sound)、および香り(たとえば、芳香剤発生器、脱臭器、および/または動物だけが感知できる悪臭ペットバリヤー)などが挙げられる。
【0047】
例を挙げれば、装飾材製品の製剤、たとえばエマルションには、重量/重量基準で、以下のものの少なくとも一つが含まれる:1)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%、または約0.1%〜約5%の間の量の表面活性剤;2)約0.1%より大または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の粘着剤;3)約0.01%より大もしくは約95%より小、または約0.01%〜約70%の間、または約0.03%〜約15%の間、または約0.05%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の着色剤;4)約0.1%より大、または約75%より小、または約0%〜約50%の間、または約0.001%〜約30%の間、または約0.01%〜約10%;または約0.1%〜約5%の間の量の、添加物;および5)残部の水。
【0048】
本発明の開示の装飾材製品組成物の中には、たとえば着色剤の量に等しい量で、クリアトナーが含まれていてもよい。たとえば、10重量%の着色剤を含むトナー配合物においては、さらにトナー配合物の10重量%のクリアトナーを含む。例を挙げれば、約0.5%(w/w)のイエロー着色剤、約0.4%(w/w)のマゼンタ着色剤、および約0.2%のブルー着色剤を含むトナー配合物中には、さらにトナー配合物の約1.1%のクリアトナーが含まれる。また別な例においては、乳化剤に、約100グラムの水、約1グラムのイエローのナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約0.4グラムのブルーのナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約0.8グラムのマゼンタのナチュラ(NATURA)(商標)トナー、約2.2グラムの透明のナチュラ(NATURA)(商標)トナー、および約0.33グラムのアルコプリント(ALCOPRINT)(商標)PTUを含む。本発明に開示のエマルションは、エマルションの粒子が1種または複数の乳化剤によってコーティングされるまでの時間、エマルションの各種成分を混合することにより作製することができる。粒子をコーティングすることによって、その配合物の安定性を向上させることができる。混合時間は、配合物の中で使用される具体的な成分によって、たとえば約1分以下から約48時間までの範囲、またはそれ以上の長さとすることができる。
【0049】
また別な実施態様においては、装飾材製品を、ホワイトおよび/またはニュートラルカラー、および/または所望の色がその上に重ねられてもよいその他の色の下地色を含む、染み除去剤およびマスキング剤として配合してもよい。例を挙げれば、その装飾材製品には、pHを中性化および/または調節する前処理化合物、たとえば、過酸化物および/または漂白剤、および/または二酸化チタンタイプのニュートラルカラー適用が含まれてもよい。その装飾材製品には、本明細書に開示されている染みマスキング剤および/または着色剤がさらに含まれていてもよい。また別な実施態様では、表面上の色差(たとえば、染み)をマスキングおよび/または隠す、ホワイトおよび/またはニュートラルカラーを有する高顔料化コーティングを適用することも考えられる。さらに、染みをマスキングした後で、表面のバルク繊維(たとえば、カーペットまたは織物)に適合する色とマッチする他の組成物を適用してもよい。
【0050】
さらにまた別な実施態様においては、装飾材製品組成物は、約25℃未満から、最高はそれを適用した表面基材の溶融温度(Tm)までの、ガラス転移温度(Tg)を有していてよい。さらなる実施態様においては、Tgは、約45℃〜約75℃、または約45℃〜約60℃、または約45℃〜約70℃、もしくは約55℃の範囲である。組成物または表面基材のTgおよびTmは当業者に公知の方法によって測定すればよいが、そのような方法としては、たとえば、動的機械分析、熱機械分析、および示差走査熱量測定が挙げられる。例を挙げれば、装飾材製品および表面基材のTgおよびTmは、モデルQ100示差走査熱量計(ティーエー・インストラメンツ・インコーポレーテッド(TA Instruments Inc.)製)を用い、加熱速度20℃/分で測定すればよい。
【0051】
さらにまた別の実施態様においては、装飾材製品組成物は、約150℃〜約200℃で、約2,000センチポワズ以下、または約5センチポワズ〜約100センチポワズ、または約15センチポワズ〜約50センチポワズ、または約25センチポワズ、または約35センチポワズのインペリアル・ケミカル・インダストリーズ(Imperical Chemical Industries)(ICI)コーン・アンド・プレート粘度を有している。組成物の粘度は、当業者に公知の方法により測定することができるが、それには、たとえば、キャン−アム・インストラメンツ・リミテッド(Can−Am Instruments LTD)により販売されているウェルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート粘度計(Wells−Brookfield Cone/Plate viscometer)を使用し、D4287−00(2005)「スタンダード・テスト・メソッド・フォア・ハイ−シア・ビスコシティ・ユージング・ア・コーン/プレート・ビスコメーター(Standard Test Method for High−Shear Viscosity Using a Cone/Plate Viscometer)」(エーエスティーエム・インターナショナル(ASTM International)に記載の方法に従う。さらに、ブルックフィールド・シーエーピー・2000H・コーン・アンド・プレート・ビスコメーター(Brookfield CAP 2000H Cone and Plate Viscometer)(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.)から入手可能)でサイズ6のスピンドルを使用し、750rpmで25秒間かけて、装飾材製品組成物のアイシーアイ・コーン・アンド・プレート粘度(ICI Cone and Plate viscosity)を測定してもよい。
【0052】
本発明の開示で意図される装飾材製品の適用は、使用されている装飾材製品配合物と両立しうる各種の適切な方法で実施してよい。表面に装飾材製品を適用する方法の例としては、インクジェットプリンタ、ジェット染色プロセス、シルクスクリーン、および/またはロータリー捺染などの使用が挙げられる。さらに、その装飾材製品は、スプレーガン、シート、フィルム、マトリックス、ローラー、ブラシ、マーカー、ペン、スタンプたとえばインキ自給式スタンプ、ポンプスプレーヤ、トリガースプレーヤ、加圧スプレー装置、スポンジ、スクイージ、エアブラシ、繊維セパレータ、染料アプリケータ、ローラー、圧電または加熱駆動送出器、手動または電動シフター、パウダー「パフ」、フェルト/フロックブラシ、および/または粉体ペイントディスペンサによって、適用および/または放出させてもよい。装飾材製品は、湿潤形態、たとえば液体ベースの溶媒、フォーム、スプレー、ウェットエアロゾルのような懸濁液またはエマルションとして、あるいは乾燥形態たとえば、粉体、ドライエアロゾル、および/またはやや湿分を含む粉体として適用することができる。
【0053】
例を挙げて説明するために、装飾材製品を選択された表面に適用する一つの可能な方法を、図1に概略的に示す。ここでは、装飾材製品を収納するリザーバ14およびフィンガーポンプ16を備えたフィンガーポンプスプレーヤ12を使用して、一般的には円錐状の装飾材製品の分散体18をカーペット等の表面20に適用する。この実施態様においては、フィンガーポンプスプレーヤ12の表面20からの距離および、フィンガーポンプスプレーヤの表面に対する角度を変化させることによって、表面に付与されるパターン22の大きさと形状を変化させることができる。この方法によって、予め選択したパターンをデザイン用具を使用しない「フリーハンド」法によって表面に付与できる。
【0054】
本発明の開示の装飾材製品のアプリケータおよび/またはディスペンサのさらなる例としては、たとえば、間欠加圧スプレーヤ(たとえば、ザ・スコッツ・アンド・ミラクル−グロ・カンパニー(The Scotts and Miracle−Gro Company)から市販されているプル・‘N・スプレー(PULL‘N SPRAY)(登録商標)リキッドアプリケータ)、アクチュエータスプレーボトル、トリガースプレーヤ、メカニカルスプレーボトル、ポンプおよび/またはポンプシステム、加圧空気チャンバのための装飾材製品を含むリキッドリフィル、駆動チャンバ(噴射剤、たとえば、二酸化炭素または炭化水素)を有する装飾材製品を含むエアロゾルバリヤーパック、および使用者によって装飾が施される空間または場所への噴射剤放出が少ない加圧スプレーの使用を可能とする装飾材製品を含む液体またはゲルチャンバなどが挙げられる。その他の有用なスプレーヤとしては、たとえば、米国特許第6,872,444号明細書に開示されているようなものが挙げられる。
【0055】
装飾材製品を分配させるさらに他の方法としては、たとえば、乾燥または湿潤状態の装飾材製品粒子を封じ込めた状態で含み、それを濡らすかその他の方法で活性化させると、その表面上にその装飾材製品が放出されるような、装飾材製品を含浸させたシートが挙げられる。また別な例を挙げれば、液体が封じ込められており、圧力を加えたり適切に破壊させたりすると表面上に装飾材製品を放出する、装飾材製品を含浸させたシートもある。さらなる例としては、装飾材製品を均質に分配させる、液体がその上にロール掛けされたりスタンプされたりした装飾材製品含浸シートが挙げられる。さらにまた別な例としては、表面上に装飾材製品を放出するフィルムに適用されると放出物質を捕集および/または方向づけする、開口や穿孔を有する(apertured or perforated)装飾材製品含浸フィルムが挙げられる。さらにまた別な例としては、装飾材製品配合物をその中および/またはその上に封じ込めて含む装飾材製品含浸マトリックスが挙げられ、これは、圧力、振動、液の移動、加熱、および/または化学的手段、および/または、表面に塗布される装飾材製品の量を計測して、装飾材製品を表面上に正確に堆積させる静電塗装器によって、装飾材製品を表面に放出する。
【0056】
装飾材製品を適用するさらなる方法としては、放出時に装飾材製品を混合して所望の装飾材製品の色またはその他の特性を得る、マルチチャンバシステムが挙げられるが、そのようなものの例の一部を挙げれば、トリガーリリースシステム(たとえば、カリフォルニア州アナハイム(Anaheim,California)のテイク・ファイブ(Take 5)(www.take5net.com)により製造された、DLS100、DLS200、またはベルシテック(Versitech)システム)、ポンプシステム(たとえば、シー・チェンジ・グループ(Sea Change Group))の傘下会社であるニューヨーク州ニューヨーク(New York,New York)のバーサダイアル(Versadial)(www.versadialworld.com)により製造された、バーサダイアル(VERSADIAL)(登録商標))、または装飾材製品アプリケータ(たとえば、ブラシ、スプレーボトル、またはその他のアプリケータ)と組み合わされたマルチチャンバミキサー/ディスペンサがある。さらに、予め混合してあって直ぐに使用できるボトルおよび/またはスプレーも、装飾材製品を分配および塗布するために使用することができる。
【0057】
装飾材製品を適用および/または分散させるために意図されるさらなる技術としては、多重機能の装置、たとえば、パッケージング、デザインの位置決め、装飾材製品の適用、および/または表面からのデザイン用具の除去を組み合わせた装置が挙げられる。たとえば、一つの実施態様においては、デザイン用具たとえばステンシルに装飾材製品が含まれ、そのステンシルに放出剤たとえば水を適用することによって、その組成物を表面上に放出させることができる。一例として、水溶性粘着材を用いて乾燥装飾材製品をステンシルに可逆的に付着、または装飾材製品を水溶性透明フィルムの粘着面に付着させてもよい。考えられるさらなる技術としては、着色剤の液滴に電荷を付与するスプレーヤ、および/またはステンシル(粉体塗装に類似)、スポンジング、ならびにフェルトチップペンおよびライナーなどが挙げられる。
【0058】
一つの実施態様における装飾材製品は、例えばゼロックス(Xerox)ドキュカラー(DOCUCOLOR)(商標)12等のカラーコピー機を用いた熱転写技術により、ゼロックス(Xerox)3R5811もしくは他の同様の転写紙、および/またはヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)、キャノン(Canon)、ジオ・ナイト・アンド・カンパニー(Geo Knight & Co.)、アベリー・デニソン(Avery Dennison)、およびスリー・エム(3M)から得られる材料の同様の組合せへの印刷によって適用されてもよい。
【0059】
カプセル化装飾材製品粒子のための適用因子としては、調節放出法、温度放出法、濃度放出法、その他当業者に公知の各種の放出メカニズム等、各種のものが挙げられる。たとえば、マイクロカプセル化された装飾材製品粒子の内容物の放出は、たとえばアンモニア含有溶液等の一般的な溶媒を適用することによるpHの変化によって引き起こさせることも可能である。温度放出メカニズムの例としては、それを越えた場合にのみマイクロカプセル化された装飾材製品粒子の内容物が放出される放出限界値よりも高い温度にマイクロカプセル化された装飾材製品粒子を暴露させることが挙げられる。濃度放出適用法では、長時間にわたり表面に着色剤の一部を適用して、着色剤が表面に対してより均一に分散および/またはより完全に分散された外観を示すようになる。例を挙げれば、ポリマー樹脂粒子シェルと、その中に閉じこめられた着色剤粒子および/または本明細書に開示されたその他の化合物とを含むマイクロカプセル化された装飾材製品粒子を、加熱活性化および/または特定の化学物質に関連する活性化(たとえば、アンモニアを使用したpH変化)によって活性化させてもよい。そのような場合、外側のポリマーシェルが溶融および/または溶解し、その着色剤粒子および/またはその他のミクロ粒子からなる内容物が流れ出すことが可能となって表面に適用される。本発明の開示において有用な放出メカニズムの例を、非限定的に挙げれば、米国特許第6,893,662号明細書に見出されるものがある。マイクロカプセル化された装飾材粒子を処理するために考えられるさらなる放出メカニズムとしては、装飾材粒子の1種または複数のシェルを、破壊するか、加熱するか、弱体化させるか、および/または溶解させるかの少なくとも一つが挙げられる。
【0060】
表面に対して一旦適用および/または貼付された装飾材製品は、一時的、恒久的、および/または半恒久的なものであってよい。半恒久的な装飾材製品の例としては、装飾材粒子を表面に粘着および/または付着させる一時的粘着剤を有する装飾材製品が挙げられる。そのような配合物は、装飾材製品を実質的に粘着および/または付着させることによって、表面上の装飾材製品に、短期間たとえば数時間から数週間の耐久性を与えることができる。一つの実施態様においては、短期間の耐久性を有することによって、装飾材製品を出来事、特別な行事および/または休日用に、表面に貼付する必要なく、同時にそれから容易に除去することが可能であるように、装飾材製品を適用することができる。図2は表面に付着させた装飾材製品の一例であり、個々のナイロンカーペット繊維34に付着した乾燥装飾材粒子32が示されている走査型電子顕微鏡写真である。
【0061】
装飾材製品の表面からの除去は、乾式除去方法か湿式除去方法かのいずれで実施してもよく、たとえば、真空引き、真空引きと機械的操作たとえば撹拌との組合せ、湿潤抽出、スチームクリーニング、化学薬品の適用(たとえば、有機もしくは無機溶媒の適用)、超音波プロセスの使用、洗剤の使用、希アンモニア溶液の使用、および/または研磨イレーザーの使用など、各種の装置および方法を用いたものが挙げられる。上述のプロセスの一部または全部を用いて、表面の上または表面に向けての装飾材製品のセッティング、貼付の前および/または後、および/または硬化の前および/または後に、装飾材製品の除去をしてもよい。
【0062】
本発明の開示において有用な溶媒の例としては、極性および/または非極性溶媒、たとえば、スモールウッド・I.M.(Smallwood,I.M.)「ザ・ハンドブック・オブ・オーガニック・ソルベント・プロパティーズ(the Handbook of Organic Solvent Properties)」(1996、エルセビア(Elsevier))に開示されているものが挙げられる。そのような溶媒としては、たとえば、水、炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素溶媒類たとえば脂肪族アルコール類、その他のアルコール類、グリコールエーテル類、ニトロ化およびクロロ化溶媒類たとえばクロロ化炭化水素類、ケトン類、エーテル類、および/またはエステル類などが挙げられる。その他の有用な溶媒としては、アセトン類、アミン類、酢酸ベンジル類、フェノール類、ポリビニルアルコール類、および/または有機スルホンもしくはスルホキシドファミリーたとえばジメチルスルホキシドなどが挙げられる。表面から装飾材製品を除去するのに洗剤およびセッケンを使用してもよい。上述のものの組合せを使用してもよい。
【0063】
例を挙げて説明すると、表面に適用された装飾材製品の取消可能性は、以下の方法によって調べることができる。最初に、試験表面、たとえばナイロンおよび/またはポリエステルカーペットの2フィート×2フィート正方の試験片を、縦型真空掃除機(たとえば、ビッセル・ホームケア・インコーポレーテッド(Bissell Homecare,Inc.)製のビッセル(Bissell)クリーンビュー(CLEANVIEW)(登録商標)II真空掃除機)を使用し、完全に掃除して、わた状繊維および/または汚れを除く。その上にそれぞれの装飾材製品を適用した3カ所のスポットのそれぞれのベースラインカラーを、ΔE(変色)を測定するために「L−a−b」セッティングに設定されたミノルタ・モデルCR−310(Minolta Model CR−310)彩度計(chroma meter)と組み合わせたミノルタ・データ・プロセッサ・モデル・DP−301(Minolta data processor Model DP−301)(いずれも、コニカ・ミノルタ・センシング・アメリカズ・インコーポレーテッド(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.)製)のような色彩計(colorimeter)を使用して測定し、取扱説明書に従って較正する。
【0064】
3カ所のスポットの表面上に、装飾材製品を、たとえばフィンガーポンプ(finger pump)(吐出粒径60ミクロン)を用いて試験領域が完全に飽和するまで適用する。装飾材製品を放置して実質的に指触乾燥状態とする。完全に乾燥させるまでには典型的には一夜かかるが、たとえば周囲環境の相対湿度および/または温度によってはそれより短くても長くてもよい。装飾材製品の乾燥後、3カ所のスポットのそれぞれの色を上述の色彩計を用いて測定する。次いで、その3カ所のスポットを、ホースアタッチメントおよびブラシレストライアングルツール(brushless triangular tool)を備えたウェット/ドライ真空掃除機、たとえば、ショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1ポータブル・ウェット/ドライ真空掃除機(12V、60Hz、5.5A、モデルNo.2101A(Model No.2101A)、(ショップ−バック・インコーポレーテッド(Shop−Vac,Inc.)製)を使用して吸引する。その3カ所のスポットを、真空掃除機を用いて一方向に数回、そして他の方向でも繰り返し吸引し、十分に除去する。吸引後、色の変化を測定するために、色彩計で測定を行う。変色(ΔE)は下記の数式を用いて求めた:
【数1】
式中、「L」は「明度」を表し、その数値は0=ブラックから100=ホワイトまでであり;「a」の値の増加はよりレッド色となることを表し、「a」の値の減少はよりグリーン色となることを表し;「b」の値の増加はよりイエロー色となることを表し、「b」の値の減少はよりブルー色となることを表している。
【0065】
例を挙げれば、実質的に除去可能な装飾材製品は、未処理のカーペットの最初の読み取り値に比較して、約20未満、または約10未満、または約7.5未満、または約0〜約15の範囲のΔE値を有する。
【0066】
装飾材製品の取消可能性に表面から影響する因子としては、たとえば、装飾材製品依存性の因子、適用依存性の因子、および/または表面依存性の因子が挙げられる。装飾材製品依存性の因子の例としては、その装飾材製品配合の中に含まれる乳化剤のタイプおよび/または濃度を挙げることができ、それらは、装飾材製品とその装飾材製品が適用される表面との間の粘着相互作用に影響を与える可能性がある。さらに、装飾材製品組成物が微粒子成分、たとえば装飾材粒子を含んでいる場合には、その装飾材製品の取消可能性は粒子のサイズの影響を受ける可能性もある。理論により拘束されることを望むものではないが、粒径が小さい程、カーペットのような非平滑表面の窪みおよび隙間の中にそれらの粒子が侵入しやすく、そのためにそれらの粒子がその後の除去プロセスで除去される数が減るために、取消可能性が悪影響を受けるのであろうと考えられる。
【0067】
取消可能性に影響を及ぼす可能性がある適用依存性の因子としては、装飾材製品を表面に適用した際の表面飽和度(surface saturation)の程度、装飾材製品を表面に適用する方法および/または器具などが挙げられる。表面飽和度には、たとえば表面上に適用された装飾材製品の密度が含まれる。表面飽和度が高いと、表面に適用された装飾材製品の大部分を除去した後に装飾材製品が残存する可能性が高くなったり、および/または装飾材製品の表面の窪みおよび隙間の中への侵入が増加したりして、装飾材製品の除去プロセスに対するアクセシビリティが低下を招く可能性がある。さらに、装飾材製品を適用するために使用する方法および/または適用器具も、取消可能性に影響する可能性がある。例を挙げれば、表面への侵入がほとんどあるいはまったくないように表面をコーティングする方法で、装飾材製品を表面に適用してもよい。たとえば、60ミクロン以下のスプレーノズルを用いたフィンガーポンプ等の装飾材製品をミストの形態で適用するアプリケータを使用することで、表面の隙間への侵入がほとんどあるいはまったくないように表面をコーティングすることができる。この例においては、装飾材製品の表面侵入が最小化されるために、装飾材製品の取消可能性を改良することができる。しかしながら、たとえばハンドポンプよりも高速で装飾材製品を容器から吐出できる、エアロゾルスプレー容器またはその他類似のアプリケータを用いて装飾材製品を適用することが所望される場合、表面のより深部への侵入が生じ、そのために、たとえば装飾材製品の除去プロセスへのアクセスが限定または阻止されることによって、表面からの装飾材製品の除去が悪影響を受ける可能性がある。
【0068】
装飾材製品の取消可能性に影響を与える可能性がある表面依存性の因子としては、たとえば、表面の構造および/または質感、表面によって保持される静電荷、および/または、表面張力等に影響する表面に対して行われる前処理などが挙げられる。カーペットなどの場合は、繊維密度のような表面構造因子が装飾材製品の取消可能性に影響を及ぼす可能性もある。たとえば、ナイロンシャグカーペットや編組みが損傷されている使い古しのカーペットなどの開いた構造とは対照的に、密度の高いカーペット構造は粒子の侵入を最小限に抑える傾向が強い。したがって、低密度の表面は、高密度の表面に比較して、たとえば装飾材製品の除去プロセスに対するアクセスが低下するなど装飾材製品の取消可能性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0069】
さらに、表面の静電荷および/または表面張力もまた取消可能性に影響しうる。例を挙げれば、静電荷および/または表面張力を低下させて装飾材製品の可逆特性を改良するための表面処理を施してもよい。使用可能な表面処理の例としては、スリー・エム(3M)のスコッチガード(SCOTCHGUARD)(商標)カーペット・アンド・アップホルステリー・プロテクター(Carpet and Upholstery Protector)(スリー・エム(3M)製)および/またはアドバンスト・テフロン(Advanced TEFLON)(登録商標)カーペット・プロテクター(Carpet protector))(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company)製)などが挙げられる。さらに、このような前処理を施すことによって、より少量の装飾材製品を用いて表面上に装飾材製品を被覆および/または分散することができ、その結果、過飽和のリスクを最小化することによって、装飾材製品の取消可能性を間接的に促進することができる。
【0070】
場合によっては、より大きな粒径を有するように装飾材製品を処方して、表面の狭い隙間に侵入可能なサイズの粒子の量を減少させることにより、取消可能性を改良もしくは促進してもよい。さらに、理論により拘束されることを望むものではないが、サイズがより小さい粒子たとえばそのサイズが約5〜約10ミクロンよりも小さい粒子の方が、より大きな粒子たとえばそのサイズが約20ミクロンよりも大きな粒子に比較すると、静電荷および/または表面張力によって相対的により密接に表面に保持され得るために、サイズがより大きい粒子に比較して、サイズがより小さい粒子の方が表面から相対的に除去されにくいと考えられる。したがって、いくつかの実施態様においては、より大きな粒子を用いて配合された装飾材製品と比較して同等の取消可能性をより小さな粒子を用いて配合された装飾材製品でも得ようとすると、表面の前処理、追加的な作業および/または追加的な方法が必要となるかもしれない。
【0071】
本発明の開示の装飾材製品を表面に適用し、その装飾材製品をその表面の上に保持させる場合は、装飾材製品を化学的に硬化させるかおよび/または機械的に接着させることにより、その装飾材製品の配合に応じて、一時的、恒久的、および/または半恒久的に表面に対して硬化および/または貼付することができる。本明細書に開示される方法において意図される、装飾材製品および表面と適合し得る各種の硬化または貼付技術としては、たとえば装飾材製品に対してエネルギーおよび/または化学物質を適用する方法が挙げられる。硬化または貼付技術の例としては、たとえば、加熱硬化、スチーム硬化、加圧硬化、たとえば紫外線照射、高周波硬化、磁場などの電磁場への暴露、超音波硬化、誘導加熱硬化、太陽熱硬化、発熱反応熱硬化、対流加熱硬化、および/または放射線加熱硬化などが挙げられる。さらに、装飾材製品を周囲環境に暴露させることによって、装飾材製品の硬化または貼付を実施してもよい。
【0072】
ある実施態様においては、約−7℃〜約650℃もしくは約4℃〜約400℃の範囲、または約260℃未満、もしくは約20℃〜約180℃、もしくは約65℃〜約120℃の温度、あるいは装飾材製品が適用される表面に応じてより高い温度やより低い温度での加熱を用いて装飾材製品を表面に貼り付けてもよい。さらに、その硬化または貼付工程にようする時間は一般に装飾材製品および/または表面に依存し、例を挙げれば、装飾材製品の硬化に要する時間は、1秒未満〜約15分、もしくは約15分〜約1時間、もしくは約1時間〜約4時間、もしくは約5時間〜約8時間、もしくは約8〜約12時間、またはそれよりも長い。
【0073】
装飾材製品を表面に硬化および/または貼付するために使用できるツールとしては以下のようなものが挙げられる:たとえば、加熱した鉄(hot iron)、カルロッド(CALROD)(商標)加熱素子を含み加熱される表面の上部に吊り下げて用いる筐体(enclosure)または枠、1個または複数の白熱電球を有する筐体または枠、ヒートガン、基材上に加熱空気を吹き付けるためのヒーターおよび送風装置を有する筐体または枠、赤外線加熱要素を有する筐体または枠、紫外光源を有する筐体または枠、スチーム発生装置、加熱ツール(たとえば、家庭用アイロン、電熱板(electric griddle)、またはヘアドライヤーもしくは機能が類似するが特定の用途のために設計されたもの)、またはマイクロ波放出装置もしくは高周波放出装置。装飾材製品の貼付に使用される、本明細書で意図される装置には、貼付工程を容易にし、さらに装飾材製品を適用する表面を過度の加熱による損傷から守るためのヒートセンサーおよびタイマーが組み入れられていてもよい。
【0074】
装飾材製品を表面に対して貼り付けるための他の方法としては、金属のナノ粒子またはミクロ粒子を含む装飾材製品の誘導加熱、湿分硬化システム、付着した装飾材製品に対する磁気増強(magnetic enhancement)付与、および装飾材製品内部の添加剤を処理して貼付を促すこと、などが挙げられる。装飾材製品を表面に貼付するためのさらなる方法としては、上述の表1に示した米国特許および公開特許出願に開示されているものが挙げられる。
【0075】
貼付の例示を図3に示す。ここでは、本明細書に記載したナイロンカーペットのような表面44に装飾材製品を適用し、表面に対して実質的に乾燥させて、それに付着した実質的に乾燥した装飾材粒子42を形成している。電磁場等のエネルギー48を発生する貼付装置46を、適用された装飾材粒子42の上部をAの方向に移動させる。発生したエネルギー48と接触すると、装飾材粒子は溶融および流動を開始し、発生したエネルギーが除去されると冷却を開始して表面44に結合し、実質的に表面に貼付される。他の定着の例が図4に示されているが、これは、カーペットの個々の繊維の上に形成された装飾材粒子からなる膜を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【0076】
装飾材製品の貼付および/または装飾材製品の摩耗に対する回復力(resiliency)を増強させるために、付着した装飾材製品に保護被覆を適用してもよい。有用な保護被覆としては、たとえば、米国特許第6,872,444号明細書に開示されているナノ粒子コーティング組成物が挙げられる。さらに、本発明の開示において有用な固着剤としては、芸術分野で固着および/またはシールのために使用されている、たとえばパステル、鉛筆、木炭、クレヨン、インキ、グワッシュ、または水彩絵具などが挙げられる。そのような固着剤の例としては、ブルー・ラベル・リワーカブル・フィクサティフ(Blue Label Reworkable FIXATIF)(登録商標)(マーチン・F・ウェッバー・カンパニー(Martin F.Webber Co.)製)、ゴールデン(GOLDEN)(登録商標)アーカイバル・スプレー・ワニス(Archival Spray Varnish)(ゴールデン・アーティスト・カラーズ・インコーポレーテッド(Golden Artist Colors Inc.)製)、クリロン(KRYLON)(登録商標)ワーカブル・フィクサティブ(Workable Fixative(クリロン・プロダクツ・グループ(Krylon Products Group)製、ザ・シャーウィン−ウィリアムス・カンパニー(The Sherwin−Williams Company)製)、およびラスコー(LASCAUX)(登録商標)ファイン・アート・フィクサティブ(Fine Art Fixative)(スイス国(Switzerland)、ラスコー・カラーズ・アンド・レスタウロ(Lascaux Colours & Restauro)製)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
【0077】
装飾材製品を適用および/または貼付する表面を、装飾材製品の適用前にコンディショニングしておいてもよい、ということも考えられる。そのようなコンディショニングとしては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:クリーニング、真空引き、スチームクリーニング、漂白、pH均衡、pH低下、pH上昇、掃除、塗装、こすり洗い、濡らし、質感加工、平滑化(leveling)、傾斜(tilting)、乾燥、加熱、冷却、紙やすり掛け(sanding)、磨き(buffing)、被膜(coating)、コーティング除去、表面の静電荷低下、および/またはたとえば椅子張り地およびカーペット保護剤、たとえば、スリー・エム(3M)スコッチガード(SCOTCHGAURD)(商標)カーペット・アンド・アップホルステリー・プロテクター(Carpet and Upholstery Protector)(スリー・エム(3M)製)および/またはアドバンスト・テフロン(Advanced TEFLON)(登録商標)カーペット・プロテクター(Carpet protector))(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company)製)を用いた表面処理の適用。
【0078】
例を挙げれば、実質的に貼り付けられた装飾材製品の耐久性は、未処理の表面と表面の上に貼付された装飾材製品との間で測定されたΔEと、未処理の表面と、貼付後に本明細書に記載されているように真空掃除機で吸引した装飾材製品との間で測定されたΔEとの比を求め、その比率を100から差し引くことによって、ΔE値として表すことができる。例を挙げれば、実質的に貼り付けられた装飾材製品におけるΔEの百分率変化は、約0%〜約20%のΔE変化である。
【0079】
本発明の開示のさらなる実施態様には、表面上にたとえばパターンを形成して装飾材製品の美的効果を向上させるために表面への装飾材製品の適用を制御するデザイン用具の使用が含まれる。本発明の開示において意図される表面上の装飾材製品のパターンには、画像、パターン、形状および/またはデザインのいずれかまたはすべてが含まれる。装飾材製品を適用する際に、選択された表面の上でアプリケータを移動させるか、あるいは移動させることなく、装飾材製品アプリケータに固有の分散パターンを利用して、予め選定されたまたはランダムなパターンを表面に付与してもよい。たとえば、円錐形状の分散パターンを有するスプレーアプリケータを使用することによって、装飾材製品を適用する際の
アプリケータの位置の表面からの距離を変化させることによって変化する、個々のスポットおよび/または直径を有する円の形を選択して適用することができる。さらに、表面の上部で装飾材製品を適用する際にアプリケータを、所定またはランダムなパターンで動かすことによって、表面上に所定またはランダムなパターンを得ることができる。そのようにして、デザイン用具を使用または使用せずに予め選定されたパターンおよび/またはランダムなパターンを表面に付与することができる。
【0080】
本発明の開示において意図されるデザイン用具は、選択された表面のある所定の領域に適用されるある量の装飾材製品を、制限、指向、集中、濃縮、誘導、希釈、および/または分散させてもよい。そのようなデザイン用具としては、たとえば、ステンシル、テンプレート、アレイ、ガイド、フレーム、パターン付与用具、図形をランダムに付与する用具、手動式用具、自動式用具、コンピュータ誘導用具、プログラム付き用具、および/またはそれらの各種組合せが挙げられる。本明細書で使用するために意図されるデザイン用具、たとえばステンシルは、その全体もしくはその一部が、たとえば、紙、木材、石材、プラスチック、厚紙、金属、および/またはそれらの各種組合せのような材料で構成されていてよい。
【0081】
本発明の開示での使用が意図されるステンシルまたはその他のデザイン用具は、レーザー、ナイフ、ダイカッティング、および/またはステンシル物質の特性(たとえばステンシル物質の硬度または軟度)によって決まってくるその他各種の適切な手段によって所定の、規則的な、不規則な、および/またはランダムな方法でデザイン、構成、成形および/または再成形されて、表面上に装飾材製品を導入して少なくとも視覚的なデザインの、所定の、規則的な、不規則な、および/またはランダムな付着を得るための、所定の、規則的な、不規則な、および/またはランダムな形状を付与する。ステンシルをさらに積層させて、後構成(post−construction)および/または後デザイン(post−designing)を適用された追加の層を有するようにしてもよい。
【0082】
本発明の開示において有用な、例示のためのステンシル60を図5に示すが、これには(たとえば、液状物を吸収させたり、および/または、乾燥物質および/または固形物を閉じこめたりするための)紙ティッシュ、吸収性親水性物質でコーティングされていてもされていなくてもよい合成の織布もしくは不織布材料、および/または固体状および/または液体状のトラッピング物質を含む物質封じ込め層62が含まれている。この物質封じ込め層は、約0.01ミル〜約1000ミル、もしくは約0.1ミル〜約500ミル、もしくは約0.5ミル〜約150ミル、もしくは約1.25ミル〜約50ミル、もしくは約2ミル〜約15ミルの厚み、またはその用途に応じてそれらよりも薄いもしくは厚い厚みを有していてよい。このステンシルにはさらに、意図されない着色剤への暴露から選択された表面を保護するための、ポリエチレン等のポリオレフィンを含む各種の疎水性物質からなる液体バリヤを含んでもよい液体バリヤ層64が組み入れられていてもよい。この液体バリヤ層64はさらに、吸収剤物質を通過して液体が移動するのを防止するための吸収剤物質の一面に適用されたコーティングを含んでもよい。このコーティングの組成は、アクリルポリマーのようなポリマーであってよい。液体バリヤは、約0.01〜約1000ミル、もしくは約0.1ミル〜約500ミル、もしくは約0.5ミル〜約150ミル、もしくは約1.25ミル〜約50ミル、もしくは約2ミル〜約15ミルの範囲の厚み、またはその用途に応じてそれらよりも薄いもしくは厚い厚みを有していてよい。本発明の開示において有用な物質封じ込め層およびバリヤ層の組合わせの一例としては、キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)から市販されている、ゴッチャ・カバード(GOTCHA COVERED)(登録商標)ドロップクロスが挙げられる。ステンシル60にはさらに、第一の支持層66が含まれ、この層は、ステンシル60の少なくとも物質封じ込め層62および液体バリヤ層64を通る通路を付与する1個または複数の切り抜き部分68のエッジを固定させるのに役立つ。この実施態様においては、第一の支持層66は糸を含むが、以下に示すように他の材料を糸に加えて、または糸に代えて使用してもよい。さらに、ステンシル60には第二の支持層70が含まれ、この層はたとえばカーペットのような表面(図示せず)にステンシル60を固定させるのに役立つ。第二の支持層70は、粘着性物質、たとえば以下に示すような粘着性のメッシュ状物質からなっていてよい。
【0083】
ステンシル60の断面図を図6に示す。ここでは、その切り抜き部分68が、物質封じ込め層62、液体バリヤ層64、および第二の支持層70を貫通するように示されている。しかしながら、第二の支持層70は、そのメッシュ状の構造のために、表面上に付着される装飾材製品を通過させる切り抜き部分68を必ずしも必要としない。
【0084】
また別な実施態様においては、物質封じ込め層とバリヤ層とが同じ材料からなってもよい。たとえば、層によって密度が異なる二重目的材料(たとえば、紙材料)である。この例においては、二重目的材料の上部層は物質封じ込め層に相当し、液状物を吸収したり、および/または乾燥物質および/もしくは固形物をトラッピングしたりする密度を有し、下部層はバリヤ層に相当し、その中を液状物が通過するのを妨げる密度を有している。さらに、材料の密度が異なるのに加えて、または材料の密度が異なる代わりに厚みが異なることによって、先に述べた二重目的材料の機能性に寄与してもよい。このような二重目的材料を用いることでステンシルの製造が容易になり、本開示において想定されているステンシルを作製するのに複数の材料を使用する上で有利である。
【0085】
本発明の開示において使用可能な別のステンシルには、チュール、スクリム、アベリー・デニソン(Avery Dennison)からのベルクロ(VELCRO)(登録商標)、バーサ・フック(VERSA HOOK)などのような、固定性および/または付着性を有する繊維質の支持層が含まれていてもよい。例を挙げれば、この支持層は表面上に重ねたときに、ステンシルが表面に対して充分に固定され、表面上へ装飾材製品を付着させ、所望の結果が得られるように、剥離可能に固定されて表面と接触する。この支持層にはさらに、その他の粘着性のメカニズム、性質および/またはデバイス、たとえば、粘着性ストリップ、感圧性粘着剤のようなデバイス、および/または当業者に公知の各種の標準的な接着メカニズムが含まれていてもよい。ルーズ・グリッド(loose grid)、ウェブ、またはメッシュ状の材料、たとえば糸を含むさらなる支持層が、ステンシルのバリヤ層に隣接して設けられてもよい。この実施態様においては、その切り抜き部分が、物質封じ込め層、バリヤ層、および支持層にまで延長されていてよい。本発明の開示において有用な、支持層が感圧接着剤であるステンシルの例としては、たとえば、米国特許第6,779,443号明細書に開示されているものが挙げられる。その支持層は意図されない表面の曝露を最小化し、ステンシルの構造的一体性を保持する機能を果たすのに充分な面積を有するようにしてもよい。
【0086】
この適用において使用可能なステンシルは、装飾材製品の除去手段および/または貼付手段に対し、実質的に回復力を有していてよい。ステンシルを使用して、その下にある表面を本明細書に開示される装飾材製品除去手段から保護することも可能である。さらに、本発明の開示の文脈において意図されるステンシルは、表面の上に配したときに、物質封じ込め層またはバリヤ層の少なくとも一つの手段による装飾材製品の適用、除去、または貼付の少なくとも一つから、選択された表面の部分を保護することができる。さらに、デザイン用具は、予め選定されたパターンに近接する領域を装飾材製品が付着することから防護することもできる。
【0087】
本発明の開示において意図されるステンシルは、実質的に所望のパターン、形状、および/またはデザインの形とされた切り抜き部分および/または周辺端(peripheral edge)を有していてもよい。例を挙げれば、図7に示すように、ステンシル80は星形の周辺端82と、周辺端と同様の形を有する内部切り抜き84とを有している。この例示したステンシルは、たとえば、装飾材製品が大面積の表面に適用されたときに、周辺端82と内部切り抜き84との間のステンシルベース86が、表面への装飾材製品の適用をブロックして、装飾材製品の存在しないパターンを表面上に残すために使用することができる。
【0088】
ステンシルには、一つまたは複数の切り抜き部分および/または使用者が選択的に除去することが可能な予め切断された型抜き部分が含まれていてもよい。一つの実施態様において意図される反転像のステンシルを、装飾材製品を適用しようとする表面上にまず配置することによって、その表面の上に反転画像を付与してもよい。この実施態様において、そのステンシルの周辺端は、装飾材製品をステンシルとその下の表面に適用したときに、その表面にパターン、形状、および/またはデザインを付与するように、切断および/または構成されている。この反転画像ステンシルには、それを貫通する切り抜き部分が有っても無くてもよいと考えられる。1個または複数のステンシルを配置した後、装飾材製品を表面とステンシルの両方に適用する。その1個または複数のステンシルは、その下にある表面を所望の像の形態で保護して、所望の形状の輪郭を有する、装飾材製品で被覆された領域によって囲まれた所望の像の形状の中に、装飾材製品の存在しない領域を形成させるように機能する。さらに、本発明の開示において意図される通常のステンシルを使用して、まず、装飾材製品を適用しようとする表面上にステンシルを配置することにより、視覚的な像を付与することができるが、1個または複数のステンシルを配置した後に装飾材製品を表面とステンシルの両方に適用し、その1個または複数のステンシルが取り囲んでいるその表面を保護して、所望の形状の輪郭を有する装飾材製品不在の領域によって囲まれた、所望の像の形状の装飾材製品で被覆された領域を形成させるように機能させることもできる。
【0089】
また別の例示的なステンシルは、装飾材製品を表面に適用した後に、装飾材製品除去手段、たとえば真空掃除機と組み合わせて使用することによって表面に像を付与する。この例においては、その装飾材製品をまずその表面に適用し、装飾材製品を適用した表面の上にステンシルを配置する。ステンシルをその処理領域に適用した後で、使用者は、その処理された領域およびステンシルに第二の装飾材製品を適用して、表面に異なった装飾材製品の多重パターンを付与する。所望の効果が達成されるまで、このプロセスを繰り返してもよい。別な方法として、その処理された領域にステンシルを適用してから、ステンシルの切り抜き部分の内部および/またはステンシルの周辺端を囲んでいる領域に露出されたまま残っている装飾材製品を、本明細書に開示された装飾材製品除去手段によって除去してもよい。その装飾材製品の除去によって、反転画像ステンシルおよび/または先に開示された通常のステンシルを用いた場合と類似の像が得られる。
【0090】
1個または複数のステンシルを同時に使用して、表面に視覚的デザインを適用してもよい。所望により、1個または複数のステンシルを、任意の数の本発明の開示において意図される他のステンシル、および/またはデザイン形成を補助する補助具、および/またはステンシル連結手段(stencil communication)と組み合わせて使用してもよい。選択された表面の上にデザインまたはその他のグラフィック表示を付与するために、組み合わせて使用することが意図されている複数のステンシルを、互いの間の関係、および選択された部屋または容積物(room or volume)の関係で、ステンシルを互いに結合させるか、互いに分離させるか、あるいは部屋もしくはその他の容積物の内部の所定のまたはランダムな位置から離すかして、その上に装飾材を適用しようとしている表面の上、または部屋もしくはその他の容積物における各種その他のポイントの上のいずれかに固定する、コーディネート(coordinating)、配列(aligning)、接合(interfacing)、連結(connecting)、および/または誘導(guiding)システムによって、コーディネートさせてもよい。本明細書で有用な、コーディネート、配列、接合、連結、および/または誘導手段の例としては、ペグを固定する位置を介して、ステンシルおよび/またはデザイン形成を補助する追加的補助具および/またはステンシル連結手段を固定する再使用可能または使い捨てのペグ、ステンシルの表面に配されたカラーストリップ、文字、記号、ノッチ、および/またはその他の表示などが挙げられる。ステンシルをコーディネートさせるメカニズムの例を、図8〜11に示している。
【0091】
図8に示したのは、使い捨ておよび/または再使用可能なペグ90であって、これを表面に固定して、表面上におけるステンシルの位置決めをコーディネートするためのアンカーポイントを表面上に形成することができる。この例においては、ペグ90は、ペグを表面に粘着させるための複数層の粘着性ストリップ92を有しているが、単一のストリップが含まれていてもよく、その他の付着メカニズム、たとえばベルクロ(VELCRO)(登録商標)からなるドットおよび/または当業者に公知のその他の粘着剤であってもよい。
【0092】
図9に示したのは、透明なレイアウトツール102であって、このものは、装飾対象の表面104の上に配置することができる。このレイアウトツール102には、1個または複数のスペーシング部分106、たとえばアレイが含まれ、それは、1個または複数のペグ90をそのスペーシング部分に(矢印Bで示したように)挿入して、表面104に取り付けることが可能となるようなサイズになっている。このレイアウトツールには、対応する一連のステンシルを使用して得られる選択された装飾材デザインのためのプレビューとして役立つ、着色パターンがさらに含まれていてもよい。表面104の上でレイアウトツール102の位置決めをする、たとえば表面の中央にレイアウトツールを配置するためには、使用者は、表面上の特殊物たとえば床のベントからの距離を測定したり、壁またはその他の部屋の特殊物からの距離を測定したりして、レイアウトツールの所望の配置を決めればよい。
【0093】
図10に見られるように、複数のペグ90をレイアウトツール102に沿って使用することによって、使用者は、表面104に取り付けられたペグのアレイ112を構成することができる。本明細書の実施態様のコーディネーティングメカニズムを使用して、表面104の上に1個または複数のステンシルをコーディネートするために、使用者は、表面104に接着されたペグ90の一つの上に、ステンシルの穴(図示せず)の上に中心を置いた中空のペグ124を有するステンシル122もしくはレイアウトツールを(矢印Cで示したようにして)置いて、表面上にステンシルを固定させてもよい。別な方法として、ステンシル122の中の穴を利用して、ペグ90を受け、表面上でのステンシルの向きを決めてもよい。ステンシル122が2個以上の穴および/または中空ペグ124を有する、たとえば正方形のステンシルの四隅に中空ペグを有するようにして、表面の上にステンシルをしっかりと固定させるようにすることも考えられる。さらに、同様の方法で、穴および/または中空ペグ124を有する追加のレイアウトツール102を、第一のレイアウトツールの位置についての測定が最小数となるように開始して、予測可能かつ対称的な方法によって表面104の上に位置決めしてもよい。この方法により、一連のペグ90を一つのレイアウトツール102を使用して大面積の表面に配置することができ、それによって表面104の上に多数のステンシルを配置し、表面の全体を一度に装飾することができる。
【0094】
コーディネート手段、接合手段、および/または誘導手段を使用することによって、視覚的に統一がとれていると受け取られたり、視覚的に統一がとれていないおよび/またはランダムであると受け取られたりするように、所定のもしくはランダムなパターン、デザイン、像、線、幾何学的形状、ばらばらな像、および/または反復像などの形態で装飾材製品を付与することができる。
【0095】
本発明に開示のデザイン用具を使用して、像、パターン、形状、および/またはデザインのいずれかまたはすべてを表面上に付与することができる。たとえば、本発明の開示において意図される像、パターン、形状、および/またはデザインは、規則的もしくは不規則的、直線状もしくは非直線状、および繰り返し有りもしくは繰り返し無しのパターンであってよく、そのようなものとしては、たとえば、装飾的、トレーサリーもしくは幾何学的形状、単純化された素朴で表象的な像およびパターン、多数のオブジェクトを合成した風景(compositional multi−object landscapes)、現実または架空のストーリーやプロットを表す像、テキスト付きの像、美術像、標準的および/または複製可能な像、現実または架空の文字、現実または架空の数、漫画、現実または架空の印刷記号、イラストレーション、パターン、デザイン、表示、および/または形状、ならびにそれらの組合せなどが挙げられる。
【0096】
さらに、本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインは、色彩、標準もしくはランダム像の組合せ、サイズ、表面上の位置によって変化させてもよく、および/または、複数のパラメーター、特にたとえば画像、パターン、色彩、サイズ、位置などを組み合わせることによってカスタマイズしてもよい。本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインはさらに、反射性および/または屈折性要素を用いた着色、オーバーコートによって得られる光学的効果、静的もしくは動的平面像の光学的性質の使用、および/または、添加物によるかおよび/または装飾材製品を貼り付けるかすることにより、表面に付与される触覚的性質の使用、などによって変化させてもよい。
【0097】
さらに考えられることは、本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインは、消費者の好み、像、色、および/またはテンプレートの標準的な組合せによる画像との比較による視覚的評価などをベースとして選択してもよい。本発明の開示において有用な像、パターン、形状、および/またはデザインはさらに、具体的な部屋またはその他の容積環境に適合させるために、パラメーターを変化させることが可能である、対話型のデジタルライブラリーをベースとして選択したり、具体的な部屋またはその他の容積物のためのコンピューターモデリングをベースにしたりしてもよい。
【0098】
さらに、意図される像、パターン、形状、および/またはデザインは、フリースタイルデザイン、種々の形態のステンシルを使用した単一色像の形成、複数のステンシルを使用した多色像の形成、複合ステンシルを使用した多色像の形成(この場合、順次または可能であれば繰り返しの方法で一つの色を表面およびステンシルに適用し、次いでステンシルの層を除去し、第一の色および/または第二の色を保護するために追加される保護層を直ちに適用して、二重暴露領域では混合色を、単一暴露領域では単一色の領域を形成する)、予め形成された像のキャリヤからの転写、および/または標準要素たとえば線、点、および/またはピクセルからの連続像作成、などの結果得られるものであってもよい。
【0099】
意図されるさらなる像、パターン、形状、および/またはデザインは、ユニークな芸術作品、単一の独立した像、周辺の環境に合わせて(部屋または、部屋の内部にあるもしくは部屋の特徴となっている物体に合わせて)コーディネートされた、結合され、潜在的に相互関連を有する像の一つまたは複数のシステム、および/または一つまたは複数の表面と周辺の環境における装飾像のツーウェーコーディネーションなどであってもよい。意図されるさらなる像、パターン、形状、および/またはデザインは、視覚的な装飾を超えた目的、たとえば教示(teaching)、指示(directing)および/または命令(instructing)、たとえば、プロンプト、注意書き、メッセージ、アルファベット、地図、方程式、フレーズ、詩、警告、言語ツール、または指標手段(たとえば、バーコード)などであってもよい。
【0100】
一つまたは複数の装飾材製品を少なくとも一つのステンシルと組み合わせることによって、強度が一定または変化し、陰影効果有りまたは無しの、単色であってもよい像を使用者が創り出すことが可能となるようにすることも考えられる。さらに、本発明の開示を使用することにより可能となる像としては、強度が一定または変化し、陰影効果有りまたは無しの多色であったり、あるいは、色と形状を複数貼り合わせることによって達成される2種以上の色のコントラストを有する像であったりしてもよい。多色像は、混合色や中間色を有していてもよく、完全かつ自然な色彩(complete and natural palette)を有しても、有していなくてもよい。本発明の開示で示される装飾材製品の組成物を一つまたは複数のデザイン用具と共に使用して、処理された表面の外観に各種の変化を与えることができる。
【0101】
装飾材製品をデザイン用具と共に使用する例を、以下に述べる。図12に示すように、軟質表面たとえばカーペットにデザインを適用するための方法が一般的に200に示されている。一つの実施態様においては、そのカーペットは部屋の中にすでに設置されていて、実質的に乾燥されているが、この方法は、濡れたり湿ったりしている表面でも同様に実施することができる。カーペットにデザインを適用するためには、本発明の開示の一つの方法においては、使用者はまず、ステップ212において、1種または複数のデザイン用具を選択する。
【0102】
1種または複数のデザイン用具を選択することに加えて、使用者は、そのデザインに組み込むための1種または複数の装飾材製品を選択してもよく、それらはたとえば色の面で異なっていてもよい。使用者がそれらの選択をすることを助ける目的で、1種または複数の消費者補助具を使用してもよい。そのデザインメカニズムには、たとえば、高性能なコンピュータデザイン支援、たとえば色の適用を教え創造的な助言を与えるCD−ROMトレーニングプログラムに対して、使用者が、たとえばデザイン用具の配置や色を決めるような簡単な装飾の意志決定を与えることが含まれる。さらなる消費者用補助具デザインメカニズムには、色の解析、マッチング、およびブレンディングが含まれ、また、色彩計、カラースキャナ、および/またはソフトウェアアルゴリズムの使用が含まれていてもよい。消費者補助具のさらなる例については、本明細書において開示される。
【0103】
1種または複数のデザイン用具を選択すると、使用者は次いでカーペットにそのデザイン用具を配置する(ステップ214)。その1種または複数のデザイン用具は、カーペットの上にいかなる並べ方で配置してもよく、表面のごく一部たとえば中央、縁またはコーナー、あるいは実質的にカーペット全体、あるいはそれらの中間のいかなる大きさをカバーしてもよい。
【0104】
1種または複数のデザイン用具をカーペットの上に所望の並べ方で配置した後、ステップ216において使用者はデザイン用具の切り抜き部分に装飾材製品を適用する。別な方法として、あるいはそれに加えて、デザイン用具の軟質表面に直接接触する部分(たとえば、デザイン用具の非切り抜き部分)に装飾材製品を置いてもよい。表面に接触させたら、ステップ218において使用者は装飾材製品を表面上で実質的に乾燥するまで放置する。装飾材製品を適用した後、デザイン用具は装飾材製品が乾燥する間その場所に残しておいてもよいし、あるいは、ステップ220において、適用後直ちに表面から除去してもよい。デザインを表面上に残さないことにする場合、使用者は、本明細書のステップ222に記載されているようにして、その表面から装飾材製品を実質的に除去してもよい。あるいは、デザインを残すことにする場合は、使用者は、本明細書のステップ224に記載されているようにして、その表面に装飾材製品を実質的に貼り付けてもよい。さらに、装飾材製品をその表面から除去したり貼り付けたりするより前または後に、その表面からデザイン用具を除去してもよい。
【0105】
本発明の開示において有用なステンシル230の一例を図13に示す。ステンシル230は、ステンシルベース232と切り抜き部分234とからなっている。ステンシルベース232には、物質封じ込め層(図示せず)、バリヤ層(図示せず)、および支持層236が含まれており、各種の適切な材料、たとえば、紙、プラスチック、厚紙、布、合成布、天然布、セルロース、および/または金属、またはその他各種の所望の材料でできている。切り抜き部分234は、所望の各種のパターン、形状、またはデザインからなっている。支持層236は、切り抜き部分234を通して見ることのできるように、ステンシルベース232の底表面に隣接して設けられている。ステンシル230を使用して、ステンシルの切り抜き部分234に装飾材製品を適用することによって表面の上に像を形成するが、ここでステンシルを除去すると、デザインはカーペットの表面上に残される。次いでその装飾材製品を除去したり、貼り付けたりすることができる。
【0106】
ステンシル230の底面図を図13Aに示して、支持層236についてさらに説明する。支持層236は、ステンシルベース232の底表面の少しの部分を横切って延在しているが、そのステンシルベースの縁にまで、および/または縁を越えて延在していてもよい。支持層236は、ステンシル230の軟質表面へ固定したり、ステンシルの縁を固定したり、ステンシルを平坦に保ったり、装飾材製品の転写を確実および/または容易に行うのに役立っている。
【0107】
本発明の開示において有用であり、図13および13Aのステンシル230に類似のステンシルの断面を、図14の240に示す。ステンシル240には、吸収性トップ層242、液体バリヤ層244、およびデザインの切り抜き部分たとえば切り抜き部分234(図13および13A)を表す切り抜き部分246が含まれている。さらに、ステンシル240は、カーペット248に近接して配置されてもよい。吸収性トップ層242は、カーペット248の上にある間やステンシル240をカーペットから除去する際に、装飾材製品がドリップおよび/またはブリードすることを抑制または防止するものであって、たとえば、紙ティッシュおよび/または吸収性、親水性材料を用いてコーティングされた合成不織布材料からなっていてよい。液体バリヤ層244が吸収性トップ層242に近接して配置されていて、装飾材製品がカーペット248にしみ出すことを抑制または防止しているが、このものは各種の疎水性材料、たとえばポリエチレンのようなポリオレフィンからなっていてよい。
【0108】
ステンシル230の断面図を図15に示す。このステンシル230には、吸収性トップ層252、液体バリヤ層254、および切り抜き部分234が含まれていて、カーペット259に近接して配置することができる。ステンシル250にはさらに支持層236が含まれ、これは織布および/または不織布のメッシュ材料、たとえば、チュール、スクリム、および/またはチーズクロスからなり、切り抜き部分に広がって装飾材製品がその中を実質的に通過できるようになっている。
【0109】
図16は、たとえば一般的には270に示したようなキットとして提供することが可能な、追加のステンシルを示す。このステンシル270は、カーペットの境界部分で使用してもよく、ステンシルベース272と切り抜き部分274とが含まれている。ステンシル270にはさらに、その上に特定の色を有するカラーストリップ276および278が含まれているが、これはステンシル270を対応するおよび/または補足的なカラーストリップを有する1個または複数のさらに追加するステンシルと配列させるためのものである。
【0110】
カーペットのコーナーで使用することができるステンシル280を図17に示す。このステンシル280には、ステンシルベース282と切り抜き部分284とが含まれている。ステンシル280にはさらに、カラーストリップ286および288、ならびにステンシル280をカーペットのコーナーの内部表面に配列させるために用いる矢印290が含まれている。
【0111】
さらなる追加のステンシル2つを、図18および図19に示す。図18のステンシル1000は、カーペットの第一の末端で使用することができ、ステンシルベース1020、切り抜き部分1040、およびカラーストリップ1060が含まれている。図19のステンシル1100は、カーペットの第二の末端で使用することができ、ステンシルベース1120、切り抜き部分1140、およびカラーストリップ1160が含まれている。
【0112】
図20〜22に、図16〜19のそれぞれのステンシル270、280、1000、1100を、ステンシルと共にキットの中に用意されている取扱説明書のサンプルセットに従ってカーペット1260に適用した例を示す。図20に示したように、説明のための部屋1200を準備する。部屋1200には、第一の壁1220、第二の壁1240、およびカーペット1260が含まれている。使用者は提供された取扱説明書の指示に従い、図17のコーナーステンシル280を壁1220および1240により形成されたコーナーに、矢印290がそのコーナーに向かうように配する。
【0113】
使用者はさらに、図21に示されるように、図17のコーナーステンシル280の隣りに図16の第一および第二のボーダーステンシル270を置くように指示される。第一のボーダーステンシル270のカラーストリップ276を、同じ色を有するコーナーステンシル280のカラーストリップ(図示せず)の上または隣に置く。同様にして、第二のボーダーステンシル270のカラーストリップ278を、同じ色を有するコーナーステンシル280のカラーストリップ(図示せず)の上または隣に置く。
【0114】
さらに、図22に示すように、使用者は図18および19の第一および第二の末端ステンシル1000および1100を、それぞれ第一および第二のボーダーステンシル270の隣に配置するよう指示される。第一の末端ステンシル1000のカラーストリップ1060を、同じ色を有する第一のボーダーステンシル270カラーストリップ(図示せず)の上に配置する。同様にして、第二の末端ステンシル1100のカラーストリップ1160を、同じ色を有する第二のボーダーステンシル270カラーストリップ(図示せず)の上に配置する。
【0115】
次いで、使用者は、ステンシル270、280、1000、1100の切り抜き部分の上に装飾材製品を(たとえば、スプレー法によって)適用することができる。装飾材製品を適用した後で、使用者は、ステンシルを取り除いて、残された装飾材製品1520によりカーペット上に形成されたデザインを見ることができる。残された装飾材製品1520によって形成されたサンプルデザインは、図23における1500として一般的に示されている。
【0116】
さらにまた別な実施態様においては、部屋1600が図24に示されている。四つの壁1620、1640、1660、および1680が、カーペット1700の外側部分を画定している。たとえば格子パターン1720のようなデザイン用具を、ステンシル1740のような1種または複数のデザイン用具と組み合わせて使用することができる。格子パターン1720は、カーペット1700の全部をカバーするようにしても一部をカバーするようにしてもよい。格子パターン1720をカーペット1700に近接させて配置してから、1個または複数のステンシル、たとえばその中に切り抜き部分1760を有するステンシル1740を使用して、デザインを形成することができる。ステンシル1740および格子パターン1720には、使用者がデザイン用具を配列する際に役立つように、カラーストリップ、たとえば図16〜19に示したようなカラーストリップが含まれていてもよい。あるいは、ステンシル1740を格子パターン1720を用いて配列するのに役立つよう文字、記号、ノッチ、表示、および/またはその他独自の識別符号を用いてもよい。
【0117】
先に開示されたような個別の像を形成することに加えて、本発明の開示を、商業的および/または非商業的環境における大面積のインテリアデザインのための手段として使用してもよい。このキャパシティにあっては、本発明の開示を使用して、たとえば、単色(一様、個別のデザイン、またはランダムなデザイン)や多色(一様、個別のデザイン、またはランダムなデザイン)の縁を表面上に形成したり、単色の一様であるかもしくは一様でない、または多色の一様であるかもしくは一様でない装飾材製品(完全被覆)を適用して、壁から壁まで、または、たとえば暖炉の柱、出入り口、壁の窪み、カーペット部分とカーペットでない部分との境目、部屋の中の低くなっている部分または高くなっている部分、床の穴、コンセント、その他一般に表面の秩序を乱す作りつけの部品などの、複雑な部屋の周縁部となりうるものに合わせて、個別の形状、像、デザイン、ランダムな形状などの部屋全体の変化をもたらしたりすることができる。
【0118】
さらには、本発明の開示を用いて、使用者が決めた対象の選択された領域、たとえば、壁、天井、戸口、通路、玄関、階段、もしくは階段の段部、もしくは階段の段上、あるいは炉床もしくは暖炉の前や上に個別の像を形成することもできる。
【0119】
本発明の開示はさらに、本明細書に記載のデザイン用具および/または貼り付け前に表面から実質的に除去することが可能な装飾材製品などの1種または複数の構成要素が含まれるキットも提供する。キットの中には、カーペットのような軟質表面にデザインを適用する方法を使用者に指示する取扱説明書のセットが含まれてもよい。キットには、装飾材製品をカーペットに転写するための1種または複数の適用用具、および/または表面に装飾材製品を貼り付けるための1種または複数の固定用具がさらに含まれていてもよい。さらに、キットには、装飾材製品をカーペットに適用後、特にそれが乾燥する間にそれを保護するための保護被覆が含まれていてもよい。キットにはさらに、使用者に、装飾材製品のどの領域がすでにアイロンがけされたか、または貼付されたかを示すのに用いられる、アイロンスクリーン(iron screen)が含まれていてもよい。
【0120】
一例として、1個または複数のステンシル、たとえば5個のステンシル、装飾材製品、適用用具たとえばスプレーヤ、貼付用具たとえば加熱装置(たとえば、アイロンまたは高周波放出装置)、および/または取扱説明書のセットを含むキットが提供される。キットにはさらに、装飾材製品を適用すべき表面を確認(identify)、選択(choose)、作成(make)、修正(modify)、および/または調製(prepare)するためのシステムが含まれていてもよい。
【0121】
1種または複数の消費者用補助具を援用することによって、本発明の開示をカスタマイズするため数々のオプションを用いてもよい。個別におよび/または各種適切な方法でキットに含まれていてもよい、本発明の開示において意図される消費者用補助具には、消費者が本発明の開示を使用できるようにするためのデザインメカニズムおよび/または補助具および用具のいずれかまたはすべてが含まれるが、そのようなものとしては以下のものが挙げられる:取扱説明書、カラー予測用具、可能であれば、装飾材製品を用いて処理された後の様子を示すためのソフトウェアを用いた装飾の前および/または後の外観を示すデザインテンプレート、取扱説明用ビデオ、CD−ROM、デザイン、色および総合的な外観を選択し予想するためのインターネットウェブページ、対話型コンピューター端末、店内陳列物、顧客サービス、広告、トレーニングコース、録音メッセージ、テキストメッセージ、郵送書類、本、文献、講座、トレーニングコース、通信コース、およびそれらの各種組合せ、さらにはその他の情報伝達手段。上述の情報伝達手段を通じて、使用者は、たとえば本発明の開示も含めたキットの使用方法を学習することができる。さらに、その開示を商業的な適用たとえば、インテリアデザインへ適用する方法を使用者に教示することもできる。
【0122】
さらなる消費者用補助具としては、使用者が本発明の開示を利用できるようにするために用いられる、たとえば使用者、使用者の代理人、トレーナー、ディスプレーヤー、営業マン、教師、または技術者が使用するカラーカーペットチップ、たとえばカーペットのタイプおよび/または色が異なることによって装飾材製品配合物がどのように異なって見えるかを示すための異なる装飾材製品配合物を用いた異なる被覆が貼付されたカーペット片、などが挙げられる。さらに、消費者用補助具としては、たとえば、その上に貼付された装飾材製品の異なる色にあわせて色の異なる不透明または透明な材料からなるシートであって、それぞれの装飾材製品の色を作るために使用するベース着色剤の見本比率とともに、使用者が個別のベース着色剤と他の添加物とからそれぞれの装飾材製品の色を作ることができる、カラーテンプレートが挙げられる。
【0123】
例として、表面の上に置くことによって、ある色(あるいは、色調(shade)もしくは色合い(tint)もしくは質感(texture)、およびその他各種の変化)のパターンが表面上でどのように見えるかを使用者が予測することができる消費者用補助具の一例2000を図25に示す。この消費者用補助具2000は、使用者が装飾材製品を作成または混合することを可能としたり、および/または、使用者が表面の下地色と比較して適切および/または美的観点から快適な色および/またはコントラストとなるような装飾材製品の色を選択する際に役立ったりする。この場合、消費者用補助具2000は、異なった色、たとえばダークグレーとホワイトの2種の装飾材製品を含むキットに含まれている。さらに、消費者用補助具2000には、消費者用補助具に表示されているパターンの各バリエーション、ここではグレーの色調の変化、をどのようにして得るかについての説明が含まれている。この実施態様の消費者用補助具2000には、その上に数回、たとえば6回繰り返されたパターン2004を配した透明シート2002含まれている。各パターンは、たとえばパターン2004とパターン2006との比較から判るように、左上から右下の方向に向けて次第に白っぽくなる異なったグレーの色調を有している。それぞれのパターン繰り返しの下には透明シート2002の上に印刷された混合パーセントを示す比率が、たとえば、2008では100パーセントのダークグレーと0パーセントのホワイトの混合物であることが、2010では20パーセントのダークグレーと80パーセントのホワイトの混合物であることが示されている。このようにして、キットに含まれているダークグレー色とホワイト色の装飾材製品を表示されたパーセントで混合することによって、各パターン繰り返しに相当するグレー色の色調の各々を得ることができる。さらに、この方法によれば、異なる色の着色装飾材製品を適切な量で混合することによって、いかなる色をも創り出すことが可能である。さらに、使用者が所定の色および/またはパターンの外観が得られるように指示を与えるいかなる種類の説明書をも意図される。さらに、キットは(1種または複数の)装飾材製品を含み消費者用補助具に対応する混合および適用用具の組み合わせを含み、上述の例で与えられたダークグレー色とホワイト色の装飾材製品を混合するためのパーセントから消費者用補助具2000の上に表示された色もしくは色調もしくは質感を得るために混合および適用用具の設定をどのように調節するかがわかるようになっていてもよい。
【0124】
さらなる追加の消費者用補助具としては、以下のようなものが挙げられる:カーペットテンプレート、使用者によって使用可能もしくは望ましい各種の像および像の特徴、および異なったステンシルを一緒に使用する方法を示すテンプレート等のステンシルテンプレート、装飾材製品の像を所定のスペースの表面上にどのように組み入れることができるかを示すテンプレート等の位置決めテンプレート、試験用サンプル(ベンジャミン・ムーア(Benjamin Moore)試験用サンプルに類似のもの)、トライアルピリオズ(trial periods)、皮膚の色調に対してメーキャップマッチングで使用されるカラーマッチングシートのような、色をマッチングしたり色の見え方やコントラストを予見したりするのに用いられるカラーマッチングシート、カラーマッチングシートに類似するがさらに表面上で組み合わせた色を予見できるようにしたカラーブレンディングシート、カラーチャート、カラーグラフ、カラー分析器、色彩計、カラースキャナ、色評価および色配合のためのソフトウェアアルゴリズム、および、室内、ホール、家屋、ビルディング、あるいはその他の領域における特定または不特定の表面に使用される、装飾材製品の割合とタイプを決定するためのその他の手段。
【0125】
さらに、異なった色の着色装飾材製品を混合することによって、任意の数の追加的な色を作製することができる。一例として、使用者は、着色トナーおよび/またはその他の装飾材粒子を含む1種以上の予め配合された装飾材製品を購入してもよいし、あるいは、各種の着色トナーを混合することによって任意の所望の色を得てもよい。特定の色を得るための着色トナー比率とタイプを決定するデザインメカニズム、たとえばカラーチャート、カラー分析器具、またはその他の方法が、使用者に提供されていてもよい。さらに、使用者はトナーを表面に直接適用してもよいし、あるいはトナーを水またはその他の溶媒、または1部以上の所定の配合物と混合し、たとえば液状懸濁液またはエマルションを作ることによって装飾材製品の中に組み入れ、次いで表面に適用してもよい。
【0126】
さらなる消費者用補助具としては、使用者がそれを使用することによって、使用者が装飾材製品を適用および/または貼り付ける表面を確認(たとえば、カーペット繊維のタイプまたは組成を確認し、使用者を特定の装飾材製品配合に導く助けとなるツールおよび/またはキット)、選択、作成、改質(たとえば、エンボス化化合物等の表面の物理的外観を変化させるキットまたはキットに含まれてもよい化合物)、組み合わせ、および調製するのに役立つ用具が挙げられる。それらの消費者用補助具によって、所定の表面が所定の意図される効果、たとえば軟質表面の上に模様付きの外観(textured look)、または硬質表面の上に平滑な外観、あるいはそれらの各種組合せを付与する装飾材製品配合を使用者が正しく選択することが可能となる。
【0127】
さらに、消費者用補助具は、使用者がデザイン用具たとえばステンシルを選択、作成、修正、組み合わせ、および/または調製して、そのステンシルおよび/または装飾材製品が目的とする表面に適用されたときに、画像、パターン、形状および/またはデザインがその表面に付与されるようにするのに役立つであろう。さらに、使用者が装飾材製品配合を選択、作成、修正、および/または調製するのに役立つ意図される消費者用補助具は、使用者が直ぐに使用できてもよいし、あるいは表面に適用する前に調製することを必要としてもよい。
【0128】
1種または複数のデザイン用具を選択することに加えて、使用者は、デザインの中に組み入れる一つまたは複数の色を選択することもできる。使用者がそれらの選択をすることを助ける目的で、1種または複数のデザインメカニズムを使用してもよい。このデザインメカニズムは、たとえば、高性能なコンピュータデザイン支援、たとえば色の適用を教え創造的な助言を与えるCD−ROMトレーニングプログラムに対して、使用者がデザイン用具の配置や色を決めるなどのような簡単な装飾に関する意志決定を与えることを含んでもよい。さらなるデザインメカニズムには、色の解析、マッチング、およびブレンディングが含まれ、また、色彩計、カラースキャナ、および/またはソフトウェアアルゴリズムの使用が含まれていてもよい。
【0129】
さらなる消費者用補助具は、店頭ディスプレイおよび/または本開示の提示する形態をとっていてもよく、そのようなものとしては、たとえば、液体の形態もしくは使用直前に液体の中に懸濁させる粉体の形態でパッケージされた装飾材製品、および/または、使用前に混合するべき、1種または複数の装飾材製品カラーおよび装飾材製品添加剤、および/または、複数または単一の色、1種または複数のデザイン、取扱説明書、適用用具、固着用具、保護被覆等の本発明の開示の要素を含むキット、および/または、適用した装飾材製品の固着領域と未固着領域とを区別するためのアイロンスクリーンもしくはその他のインジケーター、たとえば変色添加剤、などが挙げられる。
【0130】
装飾材製品組成物において有用な化学物質の例としては、低温硬化エポキシ装飾材粒子、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子、および/または低温硬化ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)装飾材粒子などが挙げられる。本発明の開示において意図される上述の装飾材粒子の構成成分の典型的な範囲には、重量パーセントを基準にして装飾材粒子の全重量の約50%以上の、少なくとも1種のポリマーまたは樹脂を含むある量のバインダーと1種または複数の硬化剤とが含まれる。さらに、たとえば、添加剤、充填剤、顔料、ガス抜き剤、流動添加剤などの装飾材粒子の他の成分は、装飾材粒子の全重量の約50%以下の範囲の量で含まれていてよい。そのような範囲は、当業者に公知の範囲でできるだけ適切になるよう調節して、所望の装飾材粒子性能が得られるようにする。さらに、ポリマーおよび/または樹脂と硬化剤との間で完全に化学量論的な反応が起きるようにするために、使用されるポリマーおよび/または樹脂と硬化剤の量は、それらの化合物の相対的な当量を基準にして約50%〜約150%の範囲とするか、および/または製造業者の推奨に従ってよい。
【0131】
低温硬化エポキシ装飾材粒子には、エポキシ樹脂と硬化剤とを含むバインダーシステムが含まれていてよい。エポキシ樹脂の一例として、以下の式Iの一般的な各構造を有するビスフェノールA樹脂が挙げられる:
式I:
【化1】
ここでnは、2〜20の整数である。
【0132】
装飾材粒子において有用なビスフェノールAエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が約650〜約900、もしくは約700〜約750;Tgが約45℃〜約75℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が150℃で約5ポワズ〜約100ポワズ、もしくは約35ポワズである樹脂が挙げられる。
【0133】
装飾材製品配合において有用なエポキシ樹脂のまた別な例はノボラックエポキシ樹脂である。ノボラックエポキシ樹脂の例としては、以下の式IIおよび式IIIの一般的な化学構造が挙げられる:
式II:
【化2】
式III:
【化3】
ここでnは、1〜4の整数である。
【0134】
ノボラックエポキシ樹脂のガラス転移温度および粘度は、先にビスフェノールAエポキシ樹脂について説明したものと同程度である。エポキシ樹脂を有するバインダーシステムにおいて有用な硬化剤としては、たとえばフェノール系硬化剤が挙げられる。フェノール系硬化剤の一例は、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)(スイス国)GmbHによって供給されるハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086があるが、このものは、ビスフェノールAベースのエポキシ樹脂およびノボラックエポキシベースの樹脂と相溶性がある。ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086には、フェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−、ポリマーと2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン](一般に、エポキシ樹脂およびビスフェノールAのポリマーと記述される)、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)の社外秘の促進剤、およびフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−(一般的にはビスフェノールAと呼ばれる)が含まれている。ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086は以下の性質を有している:アミン価;0.83〜0.93eq/kg、推奨化合量;約135、軟化点;84℃〜94℃。
【0135】
エポキシ樹脂と硬化剤との化学量論比は、樹脂および硬化剤の化合量、または当量値を基準にして計算する。化合量の値は、化学構造(たとえば、平均分子量を反応性基の数、アミン価、酸価、またはヒドロキシル価などで割り算をする)から、または実験室の実験に基づいた実験値として求めることができる。たとえば、エポキシ当量(EEW)700の低分子量のタイプ3のビスフェノールAエポキシ樹脂を、製造業者推奨の当量が135であるハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086とともに使用する場合、その完全な(100%)化学量論量を表2に示す。
【0136】
表2 エポキシ樹脂および硬化剤装飾材粒子の完全化学量論量
【表2】
別の実施態様においては、エポキシ樹脂と硬化剤の比率が、たとえば、約84%〜約85%のエポキシ樹脂に対して約16%〜約15%の硬化剤の範囲となる。エポキシ装飾材粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒、たとえばフェノール系硬化剤を、組成物の中に組み入れてもよい。約100〜約500の化合量を有するフェノール系硬化剤が例として挙げられる。当業者に公知の、エポキシ樹脂と相溶性のあるその他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子のための硬化条件の例を挙げれば、約150℃で約15分またはそれ以下のベーク時間である。
【0137】
低温硬化エポキシ装飾材粒子組成物には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温硬化エポキシ装飾材粒子組成物には、以下の表3に示す成分が含まれていてよい。
【0138】
表3 低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表3】
【0139】
装飾材製品において有用な、また別の化学物質の例は、低温硬化エポキシおよびポリエステル樹脂を含むバインダーシステムを有する、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子である。エポキシ樹脂の例を挙げれば、先に挙げたビスフェノールAエポキシ樹脂またはノボラックエポキシ樹脂である。ポリエステル樹脂の例を挙げれば、酸末端の飽和ポリエステル樹脂である。このポリエステル樹脂は、約75〜約85の間の酸価を有していてよい。その例としては、エポキシ−ポリエステルハイブリッドコーティング粉体配合物における共反応剤として使用される酸末端の飽和ポリエステルが挙げられる。このポリエステルは、ネオペンチルグリコール、テレフタル酸、無水トリメリット酸、およびその他のタイプのグリコールおよび二塩基有機酸から合成することができる。この分岐状のポリエステルは、約2〜約4、または約2.5〜約3.5の樹脂官能性を有していてよい(すなわち、ポリエステル1分子あたり約2.5〜約3.5個のカルボキシル基を有することを示している)。樹脂酸価は、約35〜約90の範囲であり、ヒドロキシル価は約5〜約10(残存ヒドロキシル)であってよい。エポキシ樹脂と組み合わせるのに適した酸末端の、飽和ポリエステル樹脂は、酸価が約70〜約90、もしくは約80;計算上での化合量(化合量は56,100/酸価に等しい)が約625〜約800、もしくは約700;ガラス転移温度が約45℃〜約60℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が約200℃で約15ポワズ〜約50ポワズ、もしくは約25ポワズであってよい。
【0140】
エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえば、スズ系有機化合物および/またはイミダゾール系化合物をその組成物の中に組み入れてもよい。当業者に公知の、その他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子のための硬化条件の例を挙げれば、約150℃でベーク時間が約15分であるか、それ以下である。
【0141】
エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子のための化学量論比は、樹脂および硬化剤の化合量を基準として計算することができる。しかしながら、当業者には公知のように、有機ポリマー製品の場合には、分子構造や化学的官能性が異なっていたり、変動したりする可能性があるので、無機化学反応の場合に比較すると、化学反応の描写や計算がより困難かつ不確かとなる。例を挙げれば、化学量論比は、エポキシおよび酸末端のポリエステル樹脂の化合量(当量値とも呼ばれる)を基準にして計算することができる。その化合量の値は、化学構造から求めることができる(たとえば、平均分子量を反応性基、アミン価、酸価などの数で割り算する)。たとえば、エポキシ当量が700の低分子量のタイプ3のビスフェノールAエポキシ樹脂と、80の平均数を有する酸末端の飽和ポリエステル樹脂(ポリエステルの化合量は、56,100を80で割ったものに等しく、それは約700に等しい)とからは、以下の表4に示すような完全(100%)化学量論量の計算が得られる。
【0142】
表4 エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子組成物の完全化学量論量
【表4】
【0143】
低温エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子組成物には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子組成物には、以下の表5に示す成分が含まれていてよい。
【0144】
表5 低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表5】
【0145】
装飾材製品において有用なまた別な化学物質の例としては、低温硬化ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)装飾材粒子がある。例を挙げれば、ポリエステルには、トリメチロールプロパン、テレフタル酸、ネオペンチルグリコール、アジピン酸、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキシルジメタノール、およびイソフタル酸、およびペンタンジオールのようなモノマーを用いて合成した酸末端の飽和ポリエステルがある。一つの実施態様においては、そのポリエステルは約2.05〜約2.2の樹脂官能性(すなわち、ポリエステル1分子あたり約2.05〜約2.2個のカルボキシル基)を有する。この樹脂の酸価は、約20〜約60の範囲、または平均して約28〜約38の範囲であってよい。ヒドロキシル価は、約5〜約10の範囲であってよい(残存ヒドロキシル)。TGICは3官能のエポキシド樹脂であって、ポリエステルベースの粉体配合物の中の硬化剤として使用される。TGICの化合量は106である。例を挙げれば、低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子中でTGICと組み合わせるのに適した酸末端の飽和ポリエステル樹脂は、たとえば、酸価が約30〜約40、もしくは約35;計算上の化合量(化合量は、56,100を酸価で割ったものに等しい)が約1,400〜約1,870、もしくは約1,600;ガラス転移温度が約45℃〜約70℃、もしくは約55℃;および/またはICI・コーン・アンド・プレート粘度が200℃で約15ポワズ〜約50ポワズ、もしくは約25ポワズである。
【0146】
ポリエステル−TGIC装飾材粒子の硬化温度を下げるためには、促進剤および/または触媒たとえば、トリフェニルエチルホスホニウムブロミドおよび/またはイミダゾール系化合物をその組成物の中に組み入れてもよい。当業者に公知の、その他の促進剤および/または触媒を使用してもよい。たとえば、当量が約50〜約1,000で溶融温度が約125℃未満のグリシジル硬化剤化学物質、たとえば脂肪族、脂環族、芳香族、およびメタクリレート系のグリシジル化合物を、低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の中で使用してもよい。ポリエステル−TGIC装飾材粒子の硬化条件の一例としては、約135℃でベーク時間約15分である。
【0147】
上述のように、有機ポリマー製品の場合には、分子構造および化学的官能性が異なったり変動したりする。例を挙げれば、化学量論比は、エポキシと酸末端のポリエステル樹脂の化合量を基準にして計算する。化合量の値は、各反応性化合物の化学構造から求めることができる。たとえば、平均酸価が35の酸末端の飽和ポリエステル(ポリエステルの化合量は、56,100を35で割り算したものに等しく、それはほぼ1,600に等しい)をTGICと組み合わせると、以下の表6に示すよう完全(100%)化学量論量の計算が得られる。
【0148】
表6 ポリエステル−TGIC装飾材粒子の完全化学量論量
【表6】
【0149】
ポリエステル樹脂の分子サイズが大きく、TGICの分子サイズが小さく球状の形であるために、化学量論量を約10%〜約15%超えるだけのTGICを使用し、たとえばポリエステル樹脂/TGICの比を93/7としてもよい。
【0150】
低温ポリエステル−TGIC装飾材粒子組成物には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてよい。例を挙げれば、低温ポリエステル−TGIC装飾材粒子組成物には、以下の表7に示す成分が含まれていてよい。
【0151】
表7 低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表7】
【0152】
TGICの代替となるカルボキシルポリエステル樹脂硬化剤としては、たとえば、プリミド(PRIMID)(登録商標)(イーエムエス−プリミド(EMS−Primid)、イーエムエス−ヘミー・アーゲー(EMS−Chemie AG)の一部門)がある。プリミド(PRIMID)(登録商標)は、ベータ−ヒドロキシルアルキルアミド硬化剤である。しかしながら、プリミド(PRIMID)(登録商標)は、TGIC系の化学物質よりは長い硬化時間を必要とし、さらにはプリミド(PRIMID)(登録商標)系のコーティングは、TGIC系のコーティングよりもやや強いオレンジ色を示す可能性がある。プリミド(PRIMID)(登録商標)系の装飾材粒子を使用して、コーティングの厚みが4.0ミルを超えるような場合には、ピンホールおよびブリスターの問題が生じる可能性もある。
【0153】
先に述べたように、装飾材粒子を含む装飾材製品には、各種所望の着色剤および/または添加剤が含まれていてもよい。例を挙げれば、装飾材粒子組成物には、たとえば流動添加剤、ガス抜き剤、界面活性剤もしくは湿潤剤、抗酸化剤、熱安定剤、紫外光吸収剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、質感剤、電荷調節剤、導電剤、加工助剤、充填剤、およびそれらの組合せが含まれていてもよい。
【0154】
装飾材粒子組成物を配合する際に流動添加剤を使用して、たとえば、仕上げ硬化させた製品のクレータリング(cratering)を抑制または防止、および/または流動性およびレベリング性を改良してもよい。例を挙げれば、流動添加剤は低分子量のアクリルポリマーであってよく、それらは液体の形態(たとえば、約100%の活性物質を含む液体)であっても固体の形態(たとえば、約65%の活性物質を含む固体)のいずれであってもよい。流動添加剤の例としては、以下のものが挙げられる:アクロナール・4F(Acronal 4F)(約100%活性成分、ビーエーエスエフ(BASF)製)、ビーワイケー・363P(Byk 363P)(約65%活性成分、ビーワイケー−ヘミー(BYK−Chemie)製)、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)P−67(エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)、レジフロー(RESIFLOW)(登録商標)PF−67(約65%活性成分、エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)、モダフロー(MODAFLOW)(商標)3(約65%活性成分、モンサント(Monsanto)製)、およびパウダーメイト(POWDERMATE)(商標)486CFL(約65%活性成分、トロイ・コーポレーション(Troy Corp.)製)。例を挙げれば、流動添加剤は装飾材粒子組成物に、装飾材粒子の全式量当たり約0.3%〜約1%の100%活性流動添加剤の範囲で添加するのがよい。
【0155】
ガス抜き剤を装飾材粒子組成物に添加することによって、たとえば、加熱および/または硬化サイクルの際に組成物中の揮発性物質の揮発を助け、ピンホールの発生(仕上剤と空気との間の表面境界にトラップされた揮発性物質の気泡)を抑制および/または防止することができる。いくつかのガス抜き剤、たとえばベンゾイン(Benzoin)(ベルシコール・ケミカル・コーポレーション(Velsicol Chemical Corp.)製)は、硬化プロセスの液相の間に樹脂/硬化剤混合物を溶媒和させることができる。その他のガス抜き剤は界面活性剤状であり、また他のものはワックス状であって、膜の表面の表面張力に影響を及ぼしガス抜きを促進する。例を挙げれば、装飾材粒子組成物には、装飾材粒子の全式量あたり、約0.2%〜約2%の活性ガス抜き剤を含んでいてよい。たとえば、約135℃〜約149℃の間で硬化可能である装飾材粒子(たとえば、ポリエステル−プリミド(PRIMID)(登録商標)化学物質)には、装飾材粒子の全式量あたり、約1%〜約1.8%のオキシメルト(OXYMELT)(登録商標)A−2またはA−4(エストロン・ケミカル(Estron Chemical)製)と約0.2%のベンゾイン(Benzoin)との組合せが含まれていてよい。
【0156】
装飾材製品または装飾材粒子組成物中で使用可能な界面活性剤または湿潤剤は、たとえば、着色剤および/または充填剤の濡れを促進し、および/または仕上げ硬化させた製品の流動性および/またはレベリング性を改良することができる。さらに、界面活性剤または湿潤剤は、硬化反応の際に基材の湿潤化を促進することができ、それによって、接着性および/または耐腐食性を向上させることができる。界面活性剤を添加することによってさらに、硬化した膜の光沢や画像鮮明性も向上させることができる。例を挙げれば、界面活性剤のレベルは、装飾材粒子の全式量あたりの活性物質の0.1%〜約0.5%の範囲とすることができる。界面活性剤または湿潤剤例としては以下のようなものが挙げられる:カチオン性、アニオン性の機能性有機化合物、シラン、およびポリシロキサン、たとえば、ヌオスパース(NUOSPERSE)(商標)657(エレメンティス・スペシャルティーズ(Elementis Specialties)製)およびサーフィノール(SURFYNOL)(商標)104S(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ・インコーポレーテッド(Air Products and Chemicals,Inc.)製)。
【0157】
抗酸化剤または熱安定剤を装飾材粒子組成物中で使用して、たとえば、硬化および/または加熱サイクルの際に熱による黄変を禁止または防止してもよい。例を挙げれば、抗酸化剤または熱安定剤は、ホワイト色または比較的薄い色の装飾材粒子組成物の中では、装飾材粒子の全式量あたり活性物質の約0.2%〜約0.5%の量で使用するのがよい。他の着色装飾材粒子において、より多量またはより少量の抗酸化剤または熱安定剤を使用してもよい。抗酸化剤の例としては、イルガノックス(Irganox)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製)およびイルガノックス(Irganox)B−225(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corp.)製)が挙げられる。熱安定剤の一例は、サンドスタブ・P−EPQ(Sandostab P−EPQ)(クラリアント(Clariant)製)である。
【0158】
紫外光吸収剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた仕上げ製品の紫外線抵抗性(たとえば、耐候性)を向上させてもよい。抗酸化剤および/または熱安定剤と組み合わせて使用することで、紫外線吸収剤の性能をさらに向上させることができる。
【0159】
ワックスを装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた装飾材製品の光沢および/または流動性を調節してもよい。ワックスは、硬化させた装飾材製品に質感を付与するために使用してもよい。さらに、いくつかのワックス添加剤は、硬化させた装飾材製品の損傷および引掻き抵抗性を改良することができる。例を挙げれば、天然産物からのワックスたとえばカルナウバワックス、蜜ろう、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素、およびPTFEは、高いパーセントでワックスを含んでいて、装飾材製品および/または装飾材粒子組成物の中で使用することができる。ワックス添加剤の例としては以下のものが挙げられる:DT3329−1(チバ・ガイギー(Ciba Geigy)製)、カスター・ワックス(Castor Wax)、パウダー・テックス・61(Powder Tex 61)(シャムロック・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Shamrock Technologies,Inc.))、ランコ(Lanco)(登録商標)TF−1778(ノベオン・インコーポレーテッド(Noveon Inc.)から入手可能)、およびランコ(Lanco)(登録商標)PP−1362D(ノベオン・インコーポレーテッド(Noveon Inc.)から入手可能)。
【0160】
シリコーン添加剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化させた装飾材製品の損傷および引掻き抵抗性を改良してもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、シリコーン添加剤は摩擦係数を低下させ、それが2層コートシステムのコーティング間の接着性に影響しているのであろうと考えられる。シリコーン添加剤の例としては、ポリシロキサンおよびシリコーンオイルが挙げられる。
【0161】
触媒たとえば2−プロピルイミダゾールを装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、硬化速度を加速したり、硬化温度を低下させたり、および/または硬化された製品の物理的および/または化学的性質を改良したりしてもよい。
【0162】
質感剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、組成物の粘度を改変および/または調節してもよい。
【0163】
電荷調節添加剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、転写効率を調節してもよい。例を挙げれば、チヌビン(TINUVIN)(登録商標)144(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、チタン酸バリウム、および四級アンモニウム塩がある。
【0164】
導電添加剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、組成物および/または仕上げ製品中の電荷を消散させてもよい。導電添加剤は、その性質がたとえば、充填剤様、顔料様、あるいはワックス様であってよい。
【0165】
加工助剤を装飾材粒子組成物に添加して、たとえば、組成物が容易に加工できるようにしてもよい。加工助剤は、当業者には周知である。
【0166】
着色剤を装飾材粒子組成物に、たとえば所望の色を得るために添加してもよい。顔料の例としては、有機および無機顔料たとえば、二酸化チタン、酸化鉄レッド、酸化鉄イエロー、酸化鉄ブラック、加熱安定化酸化鉄、焼成混合金属酸化物、ジアリーリド、縮合ジスアゾ、およびフタロブルーなどが挙げられる。個別に、または装飾材製品および/または装飾材粒子組成物と組み合わせて使用することができる着色剤およびその量の例を、以下の表8に示す。
【0167】
表8 顔料
【表8】
当業者に公知の多くのその他の有機および無機着色剤を、本明細書に記載の組成物において使用することができる。
【0168】
充填剤を装飾材粒子組成物に添加してもよい。充填剤の二つの例を挙げれば、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウム(それぞれCaCO3およびBaSO4、いずれもフィッシャー・ケミカルズ(Fisher Chemicals)製)である。装飾材製品および/または装飾材粒子組成物に添加された炭酸カルシウム充填剤は、たとえば、光沢や、さらには高濃度で適用された仕上剤の流動性を抑制することができる。ウォラストナイトタイプ(Wollastonite−type)の充填剤もまた、装飾材製品および/または装飾材粒子組成物における充填剤として使用することができる。通常1〜10ミクロンの平均粒径またはミクロンサイズのガラスビーズ大に摩砕された、粉体形態のタルカム、クレー、ドロマイト、およびマグネシウム−アルミニウム−シリケートもまた充填剤として使用し、腐食抵抗性、光沢調節、および/または膜の質感等の特異的な性質を得ることができる。
【0169】
例を挙げれば、装飾材製品を表面に適用することで、装飾材製品を硬化させたときに約0.004ミル〜約2.2ミル(約0.01ミクロン〜約56ミクロン)の膜の厚みが得られる。
【0170】
低温硬化エポキシ化学物質、低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド化学物質、低温硬化ポリエステル−TGIC化学物質を包含しているそれ等の装飾材粒子配合物は、以下に示す一般的な加工手順に従って調製することができる。
【0171】
配合成分は、ローインテンシティ・タンブルミキシングによるか、あるいは50〜1,000rpmで回転するブレードを有する、垂直または水平の混合シャフトを有するミキサー中によるハイインテンシティ・ドライブレンディングによるかのいずれかで、ドライブレンドする。配合物は、たとえば約5〜約20分間でローインテンシティ・タンブリングミキシングするか、あるいはたとえば約1〜約5分間でハイインテンシティ・ドライミキシングする。ミキシングによって活性化学成分が均質化され、不活性成分が分散されることで、色の一致性が向上し、適用された膜に突起が形成されることを避けることができる。バッチサイズは、クォートサイズからキロリットルサイズまで変えられる。ドライブレンディングの後、混合物の温度を約40℃以下に維持して、塊状化や溶融を防止する。
【0172】
ドライミキシングの後、混合物を分単位から時間単位で押出し加工する。往復動のスクリューシャフトを有する単軸スクリュー押出機(コニーダーとも呼ばれる)、および共回転スクリューシャフトを有する2軸スクリュー押出機が好適な押出機であるが、プラネタリー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、あるいは単軸スクリュー押出機などもある。押出機のサイズの例を挙げれば、10〜30mmのスクリュー直径と1〜5kg/時間の理論吐出量を有する卓上実験室モデルから、30から300mm超のスクリュー直径と、100kg〜2,000kg/時間超の理論吐出量を有する生産モデルまである。
【0173】
加工のための押出機は、押出機のバレルの外側に位置するジャケットで、水、オイルまたは伝熱を用いて加熱することができる。押出機のバレルの加工温度は、約70℃〜約125℃の範囲でよいが、用途によっては所望の性質を得るためにこの範囲から外れた温度を使用してもよい。粉体加工に用いられるある種の押出機のバレルヒーターは分割されていてもよく、その場合、押出機のプレミックス取り入れゾーンは、低温または約40℃〜約50℃の最低限に加熱のもとで運転してよい。押出機およびスクリューの設計に依存するが、反応性の高い、低温硬化粉体コーティング配合物を加工するには、バレルを約100℃±15℃に加熱すれば充分である。スクリューは、プレミックス取り入れ領域ではらせん状部分を有し、押出し物を分散、溶融混合するところでは、「へら(paddle)」部分を有するのがよい。押出機内部における押出物の滞留時間は、典型的には、約60秒を超えないようにする。粉体コーティングを加工するために使用される生産用の押出機は、約50〜約750rpmの間のスクリュー速度で運転する。スクリュー速度と押出機のバレル温度は、約50%〜約90%の間のトルクが得られるように選択する。押出物の温度は、押出機のバレルの加熱と回転しているスクリューからの摩擦熱とによって、約100℃〜約125℃の範囲となる。押出機から押出された押出物はすぐに冷却され、さらなる加工のためにその材料を固化させると同時に、化学反応を停止させる。押出物を、約1.5〜約3mmの間隔に設定した異方向回転冷却ロールの中に重力フィードする。得られた押出物のシートを冷却ベルトに載せてフレーカーまたはクラッシャーユニットへ送り、そこでシートを破砕して約1インチ正方より小さいサイズのフレークとする。冷却ベルトの温度は、加工の間約5℃〜約35℃に維持する。得られたフレークを、空気分級ミル(ACM)、サイクロン、および篩を用いて粉砕および特性測定を行い、粒径分布および平均粒径を求める。例を挙げれば、ある装飾材粒子の粒径の分布では、90容積%以上の粒子が、約100ミクロン未満、または約25ミクロン未満、または約10ミクロン未満、または約0.1〜約50ミクロン、または約1〜約20ミクロン、または約3〜約10ミクロン、または約750nmより大〜約100ミクロンの範囲であるか、または所望の適用に依存してそれらよりも大きな粒径または小さな粒径を有する。異なった配合または色を加工した後は、すべての装置を清浄にし、化合物または色の相互汚染を防ぐ。
【0174】
乳化された装飾材製品は、以下の一般的な加工手順に従って調製することができる。1ガロンのガラス容器の中で、まず乳化剤を粉体たとえばナチュラ(NATURA)(商標)トナーおよび/または装飾材粒子に添加し、混合して、粉体が完全に乳化剤でコーティングされるようにする。次いで水をその粉体と乳化剤の混合物に加え、アイカ−ベルケ・オイロスター(IKA−Werke Eurostar)パワーベーシックミキサーを使用し、約750rpmの速度で約4時間かけてブレンドする。必要に応じ、装飾材製品を調製している間のいずれの時点かにおいて追加の添加剤を加えてもよい。4時間のブレンド時間の後、その混合物を室温で、マグネチックスターラー/加熱プレート(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)から入手可能なアイソテンプ(Isotemp)#409N0063)の上でさらに24時間、2インチのマグネチックスターラーバーを100rpmで用いて連続的に混合する。例を挙げれば、乳化された装飾材製品組成物には、以下の表9に示す成分が含まれていてよい。
【0175】
表9 乳化された装飾材製品の組成
【表9】
【0176】
以下の実施例によって本発明の開示をさらに詳しく説明するが、それらの実施例はいかなる点においても限定を示すものと受け取ってはならない。特に断らない限り、それらの実施例において表されるパーセントは、所定の組成物の全重量を基準にした重量パーセントである。
【実施例】
【0177】
実施例1〜24の装飾材粒子組成物は、上述の一般的な加工手順を用い、構成成分を19mmのエーピーブイ(APV)実験室用2軸スクリュー押出機(型番MP19TC−25、ベーカー・パーキンス(Baker Perkins)製)を用いてブレンド(混合)および加工して調製した。この押出機は同方向回転スクリューを有し、バレル温度が100℃、スクリュー速度が400rpm、そしてトルクが50%〜90%であった。押出し物を冷却ロール上で冷却すると、厚みが3/32インチ(約3mm)の固形の押出し物シートが得られた。そのシートを破砕して、大きさが1平方インチ(6.45cm2)より小さいフレークとした。そのフレークを空冷ジェットミルで摩砕し、分級して粒径範囲約0ミクロン〜約20ミクロンとした。実施例25〜28の装飾材製品は、上述の一般的な加工手順を用い、装飾材粒子またはトナーと乳化剤とを、その装飾材粒子またはトナーが1種または複数の乳化剤によってコーティングされるまでの間混合して調製した。次いで水を加え、上述のようにして完全に混合した。
【0178】
表10〜25の組成物において、商標ククド(KUKDO)(登録商標)KD−242G(ククド・ケミカル・カンパニー・リミテッド(Kukdo Chemical Co.,LTD)製)は、エポキシ当量が約700g/eqのタイプ3ビスフェノール−Aエポキシ樹脂である。表10〜17の組成物において、ハンツマン・ハードナー(Huntsman Hardener)XB3086(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)製)は、特許権で保護されているフェノール系硬化剤であって、フェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−、2,2’−[(1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビス[オキシラン]とのポリマー(一般に、エポキシ樹脂とビスフェノールAとのポリマーと表現される)、社外秘の促進剤、およびフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−(一般的にはビスフェノールAと呼ばれる)を含んでいる。表18〜25の組成物において、アクチロン(Actiron)NXJ−60(アドバンスト・テクノロジー・アンド・インダストリアル・カンパニー(Advanced Technology & Industrial Co.)製)は、2−プロピルイミダゾール触媒である。表10〜13、18〜21、および26〜29の組成物において、商標タイ−ピュア(TI−PURE)(登録商標)TiO2R−960(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. du Pont de Nemours and Company)製)は、酸化チタンホワイト顔料である。表11〜12、14〜15、19〜20、22〜23、27、および30〜31の組成物において、Y10M(CAS番号51274−00−1、エービーシーアール(ABCR)製)は、酸化鉄イエロー顔料である。表11、19、および27〜29の組成物において、274−0033(CAS番号5468−75−7、エービーシーアール(ABCR)製)は、2,2’−((3,3’−ジクロロ(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイル)ビス(アゾ))ビス(N−(2−M−エヒルフェニル)−3−オキソブチルアミド)の化学式を有するイエロー顔料である。表11、19、および27の組成物において、HR−70イエロー(クラリアント(Clariant)製)は、イエロー有機顔料である。表26〜33の組成物において、商標ルコート(RUCOTE)(登録商標)921ポリエステル(バイエル・マテリアル・サイエンス,エルエルシー(Bayer Material Science,LLC)製)は、酸価が38mgKOH/g、ヒドロキシル価が6mgKOH/g、ICI・コーン・アンド・プレート粘度(200℃)が1800cPs、Tgが60℃の、低粘度カルボキシル官能性ポリエステルである。
【0179】
実施例1:ホワイト色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0180】
下記の表10に示す組成を有するホワイト色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0181】
表10 ホワイト色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表10】
【0182】
実施例2:イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0183】
下記の表11に示す組成を有するイエロー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0184】
表11 イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表11】
【0185】
実施例3:レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0186】
下記の表12に示す組成を有するレッド色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0187】
表12 レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表12】
【0188】
実施例4:ブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0189】
下記の表13に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0190】
表13 ブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表13】
【0191】
実施例5:ブラウン色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0192】
下記の表14に示す組成を有するブラウン色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0193】
表14 ブラウン色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表14】
【0194】
実施例6:酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0195】
下記の表15に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0196】
表15 酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表15】
【0197】
実施例7:酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0198】
下記の表16に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0199】
表16 酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表16】
【0200】
実施例8:ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の調製
【0201】
下記の表17に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシベースの装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0202】
表17 ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ装飾材粒子の組成
【表17】
【0203】
実施例9:ホワイト色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0204】
下記の表18に示す組成を有するホワイト色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0205】
表18 ホワイト色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表18】
【0206】
実施例10:イエロー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0207】
下記の表19に示す組成を有するイエロー色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0208】
表19 イエロー色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表19】
【0209】
実施例11:レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0210】
下記の表20に示す組成を有するレッド色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0211】
表20 レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表20】
【0212】
実施例12:ブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0213】
下記の表21に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0214】
表21 ブルー色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表21】
【0215】
実施例13:ブラウン色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0216】
下記の表22に示す組成を有するブラウン色の低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0217】
表22 ブラウン色低温硬化エポキシポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表22】
【0218】
実施例14:酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0219】
下記の表23に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0220】
表23 酸化鉄イエロー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表23】
【0221】
実施例15:酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0222】
下記の表24に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0223】
表24 酸化鉄レッド色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表24】
【0224】
実施例16:ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の調製
【0225】
下記の表25に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0226】
表25 ウルトラマリンブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材粒子の組成
【表25】
【0227】
実施例17:ホワイト色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0228】
下記の表26に示す組成を有するホワイト色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0229】
表26 ホワイト色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表26】
【0230】
実施例18:イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0231】
下記の表27に示す組成を有するイエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0232】
表27 イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表27】
【0233】
実施例19:レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0234】
下記の表28に示す組成を有するレッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0235】
表28 レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表28】
【0236】
実施例20:ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0237】
下記の表29に示す組成を有するブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0238】
表29 ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表29】
【0239】
実施例21:ブラウン色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0240】
下記の表30に示す組成を有するブラウン色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0241】
表30 ブラウン色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表30】
【0242】
実施例22:酸化鉄イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0243】
下記の表31に示す組成を有する酸化鉄イエロー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0244】
表31 酸化鉄イエロー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表31】
【0245】
実施例23:酸化鉄レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0246】
下記の表32に示す組成を有する酸化鉄レッド色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0247】
表32 酸化鉄レッド色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表32】
【0248】
実施例24:ウルトラマリンブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の調製
【0249】
下記の表33に示す組成を有するウルトラマリンブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0250】
表33 ウルトラマリンブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材粒子の組成
【表33】
【0251】
実施例25:ブルー色低温硬化エポキシ装飾材製品の調製
【0252】
下記の表34に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシベース装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0253】
表34 ブルー色低温硬化エポキシベース装飾材製品の組成
【表34】
【0254】
実施例26:ブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品の調製
【0255】
下記の表35に示す組成を有するブルー色の低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0256】
表35 ブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品の組成
【表35】
【0257】
実施例27:ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品の調製
【0258】
下記の表36に示す組成を有するブルー色の低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。
【0259】
表36 ブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品の組成
【表36】
【0260】
実施例28:ブルー色低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベースの装飾材製品の調製
【0261】
下記の表37に示す組成を有するブルー色の低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベースの装飾材製品を、先に述べたのと同様にして調製した。ソウグラス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(Sawgrass Technologies,Inc.)からのブルー色の(シアン)ナチュラ(NATURA)(登録商標)トナーおよび透明なナチュラ(NATURA)(登録商標)トナーは、エーシーピー・テクノロジーズ(ACP Technologies)から購入した(それぞれ識別番号127および131)。
【0262】
表37 ブルー色低温硬化ナチュラ(NATURA)(登録商標)ベース装飾材製品の組成
【表37】
【0263】
実施例29:軟質表面の上への実施例25〜28の装飾材製品の適用、貼付、取消可能性、および耐久性
【0264】
本発明に開示の装飾材製品について、ナイロン試験カーペットへの適用、貼付工程の前のナイロン試験カーペットからの除去(取消可能性)、エネルギー源として熱を使用したナイロン試験カーペットへの貼付、およびナイロン試験カーペットに貼付後の耐久性についての性能を試験した。
【0265】
実施例25〜28の4種の個々の装飾材製品を、完全に混合し、個々に60ミクロン粒径吐出のフィンガーポンプファインミストスプレーヤを取り付けた8オンスのPETボトル(N2862524410WHT3、ボトルネック24/410;イーボトルズ.コム・インコーポレーテッド(ebottles.com Inc.)から入手可能)の中に入れた。4枚の2フィート×2フィートのナイロン試験カーペットの試験片を、ビッセル・ホームケア・インコーポレーテッド(Bissell Homecare,Inc.)製のビッセル(Bissell)クリーンビュー(CLEANVIEW)(登録商標)II真空掃除機を用いて掃除し、わた状繊維および汚れを取り除いた。使用したナイロン試験カーペットの仕様を表38に示す。
【0266】
表38 ナイロン試験カーペットおよびポリエステル試験カーペットの仕様
【表38】
【0267】
ナイロン試験カーペットの4つの試験片のそれぞれについて、それぞれの装飾材製品を適用した3カ所のスポットのそれぞれのベースラインカラーを、ΔE(変色)を記録するためにその設定を「L−a−b」セッティングとした、ミノルタ・モデルNo.CR−310(Minolta Model No.CR−310)彩度計(chroma meter)と組み合わせたミノルタ・データ・プロセッサ・モデル・No.DP−301(Minolta data processor Model No.DP−301)のような色彩計(colorimeter)(いずれも、コニカ・ミノルタ・センシング・アメリカズ・インコーポレーテッド(Konica Minolta Sensing Americas,Inc.)製)を使用して測定し、製造業者の取扱説明書に従って較正した。
【0268】
実施例25〜28の4種の装飾材製品のそれぞれについて、別個に以下の試験を実施した。装飾材製品の適用前に、ナイロンメッシュバッキングを有する、キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)から入手可能の使い捨ての吸収剤物質から製造されたステンシルを、そのナイロン試験カーペットサンプルの表面の中央に置いた。次いで、そのナイロン試験カーペットから8〜10インチの距離をおき、そのナイロン試験カーペットの上表面を飽和させるような割合で、フィンガースプレーヤからの穏やかなミストとして、そのナイロン試験カーペットに装飾材製品を適用した。適用された装飾材製品はナイロン試験カーペットの上で、周囲温度および湿度のもとで一夜放置して乾燥させた。乾燥後、適用された装飾材製品パターンの半分を、ホースアタッチメント(直径1−1/4インチ×4フィート)付きのショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1(登録商標)ウェット/ドライ真空掃除機を使用して、そのナイロン試験カーペットから除去した。ここでの真空特性は、1ピーク馬力、空気流量115立方フィート/分、密閉圧力52インチであり、電気的な定格は、120V、60Hz、5.5Aであった。パターンは一つの方向に20回吸引され、次いで同一の領域について、逆の方向に20回吸引された。その後、ミノルタ(Minolta)データプロセッサおよびミノルタ(Minolta)彩度計を使用して、ナイロン試験カーペットの吸引された領域について、L−a−bの測定を行った。
【0269】
次いで、吸引されなかった装飾材製品パターンを、吸収性紙タオル(キンバリー−クラーク・コーポレーション(Kimberly−Clark Corp.)製のワイプ・オール(WYPALL)(登録商標)X60強化ワイプ)をその上に置き、設定を最高設定値(綿)とした家庭用アイロン(ハミルトン−ビーチ(Hamilton−Beach)モデル#14340)を用いて加熱することによりナイロン試験カーペットに貼付した。吸収性紙タオルを通して、装飾材製品の1平方フィートあたり2.5分かけて円運動の形で熱を付与した。次いで、紙タオルをナイロン試験カーペットから剥がし、上述のミノルタ(Minolta)データプロセッサおよびミノルタ(Minolta)彩度計を使用して、貼付された装飾材製品パターン上でL−a−b値を測定した。
【0270】
ナイロン試験カーペットの上に貼り付けられた装飾材製品の回復性を調べるために、貼り付けられた装飾材製品の半分に、ホースアタッチメント付きのショップ−バック(Shop−Vac)(登録商標)1×1(登録商標)ウェット/ドライ真空掃除機を用い、(前後運動を用いて)20回吸引した。吸引および貼付された領域と、貼付されただけの(吸引されなかった)領域とを対比させたL−a−b値を、上述のようなミノルタ(Minolta)彩度計と組み合わせたミノルタ(Minolta)データプロセッサを使用して測定した。
【0271】
実施例25〜28の装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性を以下の表39〜42に示す。
【0272】
表39 実施例25のブルー色低温硬化エポキシ装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表39】
【0273】
表40 実施例26のブルー色低温硬化エポキシ−ポリエステルハイブリッド装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表40】
【0274】
表41 実施例27のブルー色低温硬化ポリエステル−TGIC装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表41】
【0275】
表42 実施例28のブルー色低温硬化NATURA(登録商標)ベース装飾材製品の取消可能性、貼付、および耐久性
【表42】
【0276】
実施例30:表面基材のガラス転移温度(Tg)および溶融温度(Tm)の測定
【0277】
表面基材のTgおよびTmは、モデルQ100示差走査熱量計(ティーエー・インストラメンツ・インコーポレーテッド(TA Instruments Inc.))を用い、加熱速度20℃/分で測定した。具体的には、この方法で、表38のナイロンカーペットは40〜45℃のTgおよび257℃のTmを有すると測定された。さらに、表38のポリエステルカーペットは140〜l50℃のTgおよび247℃のTmを有すると測定された。
【産業上の利用可能性】
【0278】
本明細書に開示された方法によって、表面、さらに詳しくは軟質表面たとえば、カーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などに適用されるべき装飾材製品を適用することが可能となる。軟質表面に対してその装飾材製品を適用することによって、その軟質表面から受ける美観が向上し、交換が必要となるまでの軟質表面の使用寿命を延長することができる。
【0279】
本明細書の開示は、当業者が本開示を作成、使用できるようにするために説明の形で提供されており、使用されている用語も、限定のためというよりは、説明という性質となるよう意図したものである。本開示は、具体的に開示されたものとは異なった方法で実施することが可能であり、上述の教示から可能であり、当業者にとって把握することが可能な、本発明の開示のすべての修正、等価物、および変更は、特許請求項の範囲内に明らかに含まれるということは理解されたい。本明細書の中に引用された、すべての特許、特許出願公開、およびその他の参考文献は、そのすべてを、参考として引用し本明細書に組み入れたものとする。
【図面の簡単な説明】
【0280】
【図1】表面に装飾材製品を適用する一つの可能な方法の説明図である。
【図2】表面上に適用された装飾材粒子の顕微鏡写真である。
【図3】表面に装飾材製品を貼り付ける一つの可能な方法の説明図である。
【図4】表面に貼付された装飾材製品の顕微鏡写真である。
【図5】一つの実施態様による、支持層を含む複数の層を組み込んだデザイン用具の斜方投影図である。
【図6】デザイン用具を示した図5の線6−6に沿った切断面の概観図である。
【図7】一つの実施態様による、周縁デザイン(peripheral design)と切り抜き部分とを有するデザイン用具の平面図である。
【図8】一つの実施態様による、表面上のデザイン用具の位置決めをさせるための方法において使用することが可能なペグ(peg)の斜視図である。
【図9】一つの実施態様による、表面上にペグを正しい位置に置くのに使用される配置ツールの斜視図である。
【図10】一つの実施態様による、表面上に配列されたペグの斜視図である。
【図11】一つの実施態様による、表面上に配列された第二のペグと接合するステンシル搭載ペグの部分破断図である。
【図12】カーペットにデザインを適用する方法を説明する流れ図である。
【図13】図12の方法と共に使用するためのデザイン用具の平面図である。
【図13A】図13のデザイン用具の下側平面図である。
【図14】デザイン用具の別な実施態様を示す断面図である。
【図15】デザイン用具の別な実施態様を示す図13の線15−15に沿った切断面の概観図である。
【図16】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーディングストリップ(color−coding strip)を有する、縁部デザイン用具の斜視図である。
【図17】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーティングストリップを有する、角部デザイン用具の斜視図である。
【図18】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーディングストリップを有する、第一端部デザイン用具の斜視図である。
【図19】図12の方法に使用するための、その上にカラーコーディングストリップを有する、第二端部デザイン用具の斜視図である。
【図20】説明書セットに従った、図17の角部デザイン用具の配置の平面図である。
【図21】説明書セットに従った、図16の第一および第二の縁部デザイン用具の配置の平面図である。
【図22】説明書セットに従った、図18および19の第一および第二の末端デザイン用具の各々の配置の平面図である。
【図23】図20〜22に開示されたデザイン用具の配置に従って、カーペットに貼付された装飾材製品の平面図である。
【図24】図12の方法に従った、1種または複数のデザイン用具とともに使用するための格子パターンである。
【図25】一つの実施態様に従った、消費者補助具の例示である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に着色剤を適用するための組成物であって、液体および着色剤を含み、有効量でナイロン試験カーペットに適用されて実質的に乾燥し、それに付着した約1ミクロンより大きいサイズの粒子を形成するように配合され、前記ナイロン試験カーペットを真空掃除機で吸引したときに約20以下のΔEが得られる、組成物。
【請求項2】
その約90容積%以上が約1ミクロン〜約100ミクロンの間のサイズを有する粒子をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
添加剤、液体キャリヤ、および熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーまたは前記熱硬化性ポリマーの少なくとも一つが、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、スチレン−アクリレート、またはアクリルの少なくとも一つを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーまたは前記熱硬化性ポリマーの少なくとも一つが、約260℃以下の融点を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーの少なくとも一つが、前記表面の融点よりも低い融点を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記添加剤が、界面活性剤、悪臭除去剤、悪臭吸収剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺虫剤、農薬、または防カビ剤の少なくとも一つを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が反応性トナーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記反応性トナーが粉体トナーを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記粉体トナーが、その約90容積%以上が約100ミクロンより小さいサイズを有する粒子を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の実質的に均質な装飾材粒子、第一の添加剤、および液体キャリヤをさらに含み、前記装飾材粒子が、第二の添加剤、着色剤、および
エポキシ樹脂と硬化剤、
エポキシ樹脂と酸末端のポリエステル樹脂と促進剤、または
酸末端のポリエステル樹脂と硬化剤
の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
液体、エマルション、分散体、溶液、またはコロイドの少なくとも一つを含む配合物の中に存在している、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
ポリエステル重合、ラテックス凝集、ケミカルミリング、マイクロカプセル化、分子合成、または物理的ブレンドの少なくとも一つを用いて合成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
表面にデザインを適用するためのキットであって、
請求項1の組成物;
バリヤ層、吸収性物質、および表面に固定するための固体支持層を含むデザイン用具;ならびに所望により説明書のセットを含む、キット。
【請求項15】
前記組成物が、化学的硬化または機械的接着の少なくとも一つによって前記表面に実質的に貼付されるように配合され、さらに、該組成物の貼付前に、前記表面から実質的に除去可能なように配合されている、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
適用用具、貼付用具、アイロンスクリーン、保護カバー、デザイン補助具、または前記組成物が適用される表面の確認、選択、作成、修正、または準備の少なくとも一つのためのシステム、の少なくとも一つをさらに含む、請求項14に記載のキット。
【請求項17】
装飾材製品組成物であって、
第一の添加剤、着色剤、および(a)エポキシ樹脂と硬化剤、(b)エポキシ樹脂と酸末端のポリエステル樹脂と促進剤、または(c)酸末端のポリエステル樹脂と硬化剤、の内の少なくとも一つ;
第二の添加剤;ならびに
液体キャリヤ、を含む少なくとも一つの実質的に均質な装飾材粒子を含み、
エネルギーを付与されることによって表面に実質的に貼付され、前記表面に実質的に貼付される前に前記表面から実質的に除去されるように配合され、約2000センチポワズ以下の粘度を有し、約150℃以下の温度で約15分以下の時間加熱することにより前記表面に実質的に貼付することが可能である、装飾材製品組成物。
【請求項18】
前記エポキシ樹脂が、
約650〜約900のエポキシ当量;
約45℃〜約75℃のガラス転移温度;および
約5〜約100ポワズの150℃におけるICI・コーン・アンド・プレート粘度、
の少なくとも一つを具備する、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項19】
前記酸末端のポリエステルが、
約30〜約90の酸価範囲;
約1400〜約1900の化合量;
約45℃〜約70℃のガラス転移温度;および
約15〜約50ポワズの200℃におけるICI・コーン・アンド・プレート粘度
を具備する、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項20】
前記装飾材粒子の約90容積%以上が、約1ミクロン〜約100ミクロンの間のサイズを有する、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項21】
前記エポキシ樹脂の硬化剤に対する比率が、約82〜84対約18〜16の範囲である、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項22】
前記エポキシ樹脂の酸末端ポリエステルに対する比率が、約45〜55対約55〜45の範囲である、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項23】
前記酸末端のポリエステル樹脂の硬化剤に対する比率が、約90〜95から約10〜5までの範囲である、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項24】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約40%〜約55%のエポキシ樹脂;
約5%〜約15%の硬化剤;
約8%〜約42%の着色剤;および
約0.5%〜約35%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項25】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約48%〜約50%のエポキシ樹脂;
約9%〜約12%の硬化剤;
約9%〜約40%の着色剤;および
約2%〜約32%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項26】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約25%〜約30%のエポキシ樹脂;
約25%〜約30%のポリエステル樹脂;
約8%〜約40%の着色剤;および
約0.5%〜約35%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項27】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約28.5%〜約30%のエポキシ樹脂;
約29%〜約30%のポリエステル樹脂;
約9%〜約40%の着色剤;および
約2%〜約33%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項28】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約50%〜約60%のポリエステル樹脂;
約3%〜約5%の硬化剤;
約8%〜約40%の着色剤;および
約0.5%〜約35%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項29】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約54%〜約56%のポリエステル樹脂;
約3.75%〜約4.5%の硬化剤;
約9%〜約40%の着色剤;および
約2%〜約33%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項30】
前記装飾材組成物が、重量パーセント基準で、
約0.1%〜約10%の乳化剤;
約1%〜約95%の装飾材粒子;および
約5%〜約99%の液体キャリヤ、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項31】
前記装飾材組成物が、重量パーセント基準で、
約0.1%〜約1%の乳化剤;
約3%〜約5%の装飾材粒子;および
約94%〜約99%の液体キャリヤ、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項32】
前記第一の添加剤または第二の添加剤の少なくとも一つが、独立に、流動添加剤、脱ガス用添加剤、界面活性剤、抗酸化剤、熱安定剤、UV吸収剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、質感剤、電荷調節添加剤、導電添加剤、加工助剤、顔料、または充填剤の少なくとも一つである、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項33】
液体装飾材製品組成物であって、
着色剤;
添加剤;
粘着性化合物;および、
視覚効果または聴覚効果の少なくとも一つを含む相互的知覚要素
を含み、エネルギーを適用して表面に貼付され、前記表面に貼付される前に前記表面から実質的に除去されるように配合されている、装飾材製品組成物。
【請求項34】
仮想着色剤をさらに含む、請求項33に記載の装飾材製品組成物。
【請求項35】
前記仮想着色剤が、リン光性化合物または蛍光性化合物の少なくとも一つを含む、請求項34に記載の装飾材製品組成物。
【請求項1】
表面に着色剤を適用するための組成物であって、液体および着色剤を含み、有効量でナイロン試験カーペットに適用されて実質的に乾燥し、それに付着した約1ミクロンより大きいサイズの粒子を形成するように配合され、前記ナイロン試験カーペットを真空掃除機で吸引したときに約20以下のΔEが得られる、組成物。
【請求項2】
その約90容積%以上が約1ミクロン〜約100ミクロンの間のサイズを有する粒子をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
添加剤、液体キャリヤ、および熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーの少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーまたは前記熱硬化性ポリマーの少なくとも一つが、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、スチレン−アクリレート、またはアクリルの少なくとも一つを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーまたは前記熱硬化性ポリマーの少なくとも一つが、約260℃以下の融点を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーの少なくとも一つが、前記表面の融点よりも低い融点を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記添加剤が、界面活性剤、悪臭除去剤、悪臭吸収剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺虫剤、農薬、または防カビ剤の少なくとも一つを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が反応性トナーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記反応性トナーが粉体トナーを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記粉体トナーが、その約90容積%以上が約100ミクロンより小さいサイズを有する粒子を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の実質的に均質な装飾材粒子、第一の添加剤、および液体キャリヤをさらに含み、前記装飾材粒子が、第二の添加剤、着色剤、および
エポキシ樹脂と硬化剤、
エポキシ樹脂と酸末端のポリエステル樹脂と促進剤、または
酸末端のポリエステル樹脂と硬化剤
の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
液体、エマルション、分散体、溶液、またはコロイドの少なくとも一つを含む配合物の中に存在している、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
ポリエステル重合、ラテックス凝集、ケミカルミリング、マイクロカプセル化、分子合成、または物理的ブレンドの少なくとも一つを用いて合成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
表面にデザインを適用するためのキットであって、
請求項1の組成物;
バリヤ層、吸収性物質、および表面に固定するための固体支持層を含むデザイン用具;ならびに所望により説明書のセットを含む、キット。
【請求項15】
前記組成物が、化学的硬化または機械的接着の少なくとも一つによって前記表面に実質的に貼付されるように配合され、さらに、該組成物の貼付前に、前記表面から実質的に除去可能なように配合されている、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
適用用具、貼付用具、アイロンスクリーン、保護カバー、デザイン補助具、または前記組成物が適用される表面の確認、選択、作成、修正、または準備の少なくとも一つのためのシステム、の少なくとも一つをさらに含む、請求項14に記載のキット。
【請求項17】
装飾材製品組成物であって、
第一の添加剤、着色剤、および(a)エポキシ樹脂と硬化剤、(b)エポキシ樹脂と酸末端のポリエステル樹脂と促進剤、または(c)酸末端のポリエステル樹脂と硬化剤、の内の少なくとも一つ;
第二の添加剤;ならびに
液体キャリヤ、を含む少なくとも一つの実質的に均質な装飾材粒子を含み、
エネルギーを付与されることによって表面に実質的に貼付され、前記表面に実質的に貼付される前に前記表面から実質的に除去されるように配合され、約2000センチポワズ以下の粘度を有し、約150℃以下の温度で約15分以下の時間加熱することにより前記表面に実質的に貼付することが可能である、装飾材製品組成物。
【請求項18】
前記エポキシ樹脂が、
約650〜約900のエポキシ当量;
約45℃〜約75℃のガラス転移温度;および
約5〜約100ポワズの150℃におけるICI・コーン・アンド・プレート粘度、
の少なくとも一つを具備する、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項19】
前記酸末端のポリエステルが、
約30〜約90の酸価範囲;
約1400〜約1900の化合量;
約45℃〜約70℃のガラス転移温度;および
約15〜約50ポワズの200℃におけるICI・コーン・アンド・プレート粘度
を具備する、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項20】
前記装飾材粒子の約90容積%以上が、約1ミクロン〜約100ミクロンの間のサイズを有する、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項21】
前記エポキシ樹脂の硬化剤に対する比率が、約82〜84対約18〜16の範囲である、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項22】
前記エポキシ樹脂の酸末端ポリエステルに対する比率が、約45〜55対約55〜45の範囲である、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項23】
前記酸末端のポリエステル樹脂の硬化剤に対する比率が、約90〜95から約10〜5までの範囲である、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項24】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約40%〜約55%のエポキシ樹脂;
約5%〜約15%の硬化剤;
約8%〜約42%の着色剤;および
約0.5%〜約35%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項25】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約48%〜約50%のエポキシ樹脂;
約9%〜約12%の硬化剤;
約9%〜約40%の着色剤;および
約2%〜約32%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項26】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約25%〜約30%のエポキシ樹脂;
約25%〜約30%のポリエステル樹脂;
約8%〜約40%の着色剤;および
約0.5%〜約35%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項27】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約28.5%〜約30%のエポキシ樹脂;
約29%〜約30%のポリエステル樹脂;
約9%〜約40%の着色剤;および
約2%〜約33%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項28】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約50%〜約60%のポリエステル樹脂;
約3%〜約5%の硬化剤;
約8%〜約40%の着色剤;および
約0.5%〜約35%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項29】
前記装飾材粒子が、重量パーセント基準で、
約54%〜約56%のポリエステル樹脂;
約3.75%〜約4.5%の硬化剤;
約9%〜約40%の着色剤;および
約2%〜約33%の添加剤、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項30】
前記装飾材組成物が、重量パーセント基準で、
約0.1%〜約10%の乳化剤;
約1%〜約95%の装飾材粒子;および
約5%〜約99%の液体キャリヤ、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項31】
前記装飾材組成物が、重量パーセント基準で、
約0.1%〜約1%の乳化剤;
約3%〜約5%の装飾材粒子;および
約94%〜約99%の液体キャリヤ、
を含む、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項32】
前記第一の添加剤または第二の添加剤の少なくとも一つが、独立に、流動添加剤、脱ガス用添加剤、界面活性剤、抗酸化剤、熱安定剤、UV吸収剤、ワックス、シリコーン添加剤、触媒、質感剤、電荷調節添加剤、導電添加剤、加工助剤、顔料、または充填剤の少なくとも一つである、請求項17に記載の装飾材製品組成物。
【請求項33】
液体装飾材製品組成物であって、
着色剤;
添加剤;
粘着性化合物;および、
視覚効果または聴覚効果の少なくとも一つを含む相互的知覚要素
を含み、エネルギーを適用して表面に貼付され、前記表面に貼付される前に前記表面から実質的に除去されるように配合されている、装飾材製品組成物。
【請求項34】
仮想着色剤をさらに含む、請求項33に記載の装飾材製品組成物。
【請求項35】
前記仮想着色剤が、リン光性化合物または蛍光性化合物の少なくとも一つを含む、請求項34に記載の装飾材製品組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2009−503125(P2009−503125A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515822(P2008−515822)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/021884
【国際公開番号】WO2006/133169
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/021884
【国際公開番号】WO2006/133169
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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