説明

表面を修飾したナノ粒子、その製造及びその使用

【課題】表面を修飾したナノ粒子、その製造方法及びそれを使用した充填材を提供する。
【解決手段】表面を修飾したナノ粒子に関するものであり、該ナノ粒子は金属酸化物、半金属酸化物、金属水酸化物又は半金属水酸化物からなり、これらの表面を修飾剤と反応させ生成した共有結合を有する。該修飾剤がポリシロキサンである。また、該表面を修飾したナノ粒子を使用した分散物はコーティング材料、プラスチック、発泡体及びマニキュア液の充填材として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面を修飾したナノ粒子に関するものであり、該ナノ粒子は金属酸化物、半金属酸化物、金属水酸化物又は半金属水酸化物からなり、これらの表面を修飾剤と反応させて生成した共有結合を有するものに関する。さらに、本発明はキャリヤ媒体中の該表面を修飾したナノ粒子の新規分散物に関する。また、本発明は該表面を修飾したナノ粒子を製造する方法に関する。同様に、本発明はコーティング材料、プラスチック、発泡体及びマニキュア液の充填材としての該表面を修飾したナノ粒子の使用に関する。
【0002】
ナノ粒子は粒子サイズが2〜200nmの細かく分離された固体物である。本発明の目的ために、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて決定した。本発明のナノ粒子の粒子サイズを決定するためにTEM分析を行った。該当するナノ粒子の分散物を希釈し、カーボングリッド(600メッシュのカーボンフィルム)を使用し、乾燥した。透過型電子顕微鏡LEO 912を使用して、ケース毎の分析を行った。analySIS Soft Imaging System GmbH社のソフトウエアを使用して、TEM画像をデジタル評価した。
同じ大きさの円面積のナノ粒子測定領域と相関させて、ケース毎に少なくとも1000個の粒子について粒子径を計算した。ついで、結果を集計して平均値とした。
【0003】
ナノ粒子をコーティングシステム用の充填材として使用すると、例えば、高い耐引っかき性のような望ましい性質を有するコーティング材料とすることができ、一方では透明性が不適切であるというような負の効果を無くすことができる。ナノ粒子をコーティング材料に入れると、コーティングシステム、特にUV硬化型コーティングシステムの機械的性質を改良できることが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ナノスケールのシリカ粒子をアルコキシシラン類で修飾し、これを対応するUV硬化型コーティングシステムに組み込むことにより機械的性質が改良される方法が記載されていている。エポキシ樹脂のような他の高度に架橋したシステムにおいても、同じような効果が見出されている。この機械的性質の改良は、ナノ粒子と周囲のマトリックスとが化学結合で結合されることに起因する、と実質的に説明できる。該粒子が該有機マトリックスに化学的に結び付くことにより、脆化の増加が観察される。これはかかるコーティング材料に対するナノ粒子の充填量によるものであり、いくつかのコーティングの応用分野においてはこのような脆化は許容できない。
既知のシリカ型ナノ粒子の充填剤は有機マトリックスと付着しないならば、UV硬化型やエポキシ型のコーティングシステムにおいて、機械的性質の向上効果がほとんど無い。
【0005】
同様に、シリカナノ粒子以外の他の種類のナノ粒子もコーティングシステムの機械的性質を改良するために加えることができる。
例えば、NANNOBYK−3600 又はNANOBYK−3601(ドイツ国ヴェーゼルのBYK−Chemie GmbH製)のようなナノスケールアルミナをUV硬化型コーティングシステムに加えることにより、このシステムの柔軟性を損なうことなく耐摩耗性を実質的に改良ことができる。この場合には、該アルミナはコーティングシステムの有機マトリックスに付着していない。該ナノ粒子は工業的に良く使用される湿潤・分散剤を用いて該コーティングマトリックス中に安定化される。
【0006】
また、放射線架橋ではなく、エポキシシステムに基づかないコーティングシステムにナノ粒子を加えることにより、これらの耐引っかき性を最適化することができる。
特許文献2には、2成分系ポリウレタンコーティング材料にシリカ粒子とポリシロキサンとを組み合わせて用いる方法が記載されている。
該ポリシロキサンは共有結合を介してコーティングマトリックスと付着し得る反応性基を有している。該ポリシロキサンのナノ粒子への付着は配位相互作用に過ぎない。ナノ粒子とポリシロキサンの特定の組合せにより、ナノ粒子がコーティング/空気の境界面に配向するので、これにより、耐引っかき性の明らかな向上という機械的補強効果が得られる。デメリットは該コーティング/空気の境界面へのナノ粒子の配向である、すなわち、天候と磨耗の影響によりコーティングにストレスがかかり、結局最外層が取除かれて、時間の経過と共に活性が低下する。
【0007】
特許文献3には、修飾したナノ粒子を加えることにより、自動車のトップコートに使用するようなコーティングシステムの耐引っかき性を改良する可能性を教示している。例えば、機能性ポリウレタンでナノ粒子を修飾すると、該ポリマーは該ナノ粒子の表面と共有結合する。さらに、このように修飾されたナノ粒子のポリマー殻(shell)は該コーティング材料のバインダシステムと共有結合することができる。特にナノ粒子の量が多い場合の該コーティングシステムの脆化については何ら記載がない。
【0008】
修飾したナノ粒子を使用したコーティング材料の耐引っかき性が向上されることが知られているが、特に非放射線架橋システムの場合において、修飾を介してナノ粒子をコーティングマトリックスに付着させることは好ましくない。該コーティングマトリックスにナノ粒子を付着させることに因り、硬化したコーティングフィルムの網状組織の密度を上げ、フィルムの脆化に繋がる。
【0009】
特許文献4には、ポリマーマトリックスに分散させたナノスケールの充填剤粒子が開示されている。記載されている表面修飾剤としてはシラン、特に有機アルコキシシランが挙げられる。この表面修飾剤は分子量が500未満の低分子量化合物である。かかる化合物が必要とする官能基はナノスケール粒子の表面の基によるものであり、かつマトリックスとの必要な相互作用によるものである。
すなわち、該修飾された粒子はマトリックスとの親和性がある。
【0010】
【特許文献1】EP 1236765 A1
【特許文献2】米国特許6593417号
【特許文献3】米国特許5853809号
【特許文献4】ドイツ特許出願195 40 623 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的はナノ粒子の新規な表面修飾を提供し、かつ、コーティング産業において使用される種類の溶剤又は他のキャリヤ媒体に安定に分散するナノ粒子を提供するものであった。粒子を高レベルで含む場合においても、新規分散物は貯蔵安定性が高い。
ナノ粒子を分散するには沈降及び/又はゲル化の傾向を無くすことが必要である。さらに、コーティング材料の製造に使用される場合には、該分散物は硬化したコーティングの耐引っかき性を向上させることが必要である。
使用するコーティングシステムのバインダー成分に対する該新規な表面を修飾したナノ粒子の反応性を最小化する必要がある。これにより、硬化したコーティングフィルムの脆化傾向を防ぐことができる。本発明のもう一つの目的は実施が容易で、注文通りに、新規な表面を修飾したナノ粒子及びその分散物を異なる用途に幅広く対応できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、粒子の表面と比較的高分子量の修飾剤とが共有結合しており、好ましくは線状構造であり、周囲のマトリックスに対して不活性であるナノ粒子により、上記の目的を達成できることを見出した。
従って、本発明は表面を修飾した最初に特定の型のナノ粒子であり、その修飾剤は下記の一般経験式で示されるポリシロキサンであることを特徴とする。
(R1x23-xSiR3y5
ここで、x=0〜2、特に0、y=1〜10、好ましくは2〜5、R1は炭素数1から18、特に炭素数1〜3の一価有機ラジカル、R2は水酸基又は;炭素数1〜6、特に炭素数1〜2の線状、分岐もしくは環状のアルコキシ基;ハロゲン原子、特に塩素;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基、R3は酸素又は;好ましくは炭素数1〜8の線状もしくは分岐のアルキレンラジカル;アルキレンエーテル;アルキレンチオエーテル;好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシド又はこれらの混合物に基づくアルキレンポリエーテル;アルキレンポリエーテル;アルキレンポリエステル;又は;エステル基及び/もしくはエーテル基に加えてウレタン基及び/もしくは尿素基を有する有機脂肪族、芳香族もしくはアラリファチック基(araliphatic group);からなる二価の有機ラジカル、及びR5は数平均分子量300〜5000ダルトンの数平均分子量を有し、シリコン原子のアルキル置換基が炭素数1〜8を有するポリジアルキルシロキサンからなる多価の有機ラジカルである。
【0013】
本発明の有利な態様は独立及び共独立の請求項から明らかである。
従って、特許請求したナノ粒子は金属又は半金属の酸化物又は水酸化物からなるものであり、及び混合した金属及び/又は半金属の酸化物及び/又は水酸化物からなる粒子である。例えば、アルミニウム、シリコン、亜鉛、チタンなどの酸化物が修飾したナノ粒子の製造に使用される。さらに、例えば、示した方法によるアルミニウム酸化−水酸化物(Alumiium oxide hydroxide)のような酸化−水酸化物を修飾することができる。酸化物的, 水酸化物的又は酸化−水酸化物的ナノ粒子の製造方法は、イオン交換操作、プラズマ操作、ゾル−ゲル方法、沈殿、粉砕(例えば、すりつぶし)又は火炎加水分解などの種々の多くの方法を使用して行うことができる。該ナノ粒子のサイズは2〜200nm、好ましくは100nm未満、より好ましくは50nm未満である。該酸化物的又は水酸化物的粒子を製造した方法は重要ではない。見出された本発明の革新的なナノ粒子を以下、“本発明のナノ粒子”と称する。本発明のナノ粒子の新規な分散物を以下、“本発明の分散物”と称する。
【発明の効果】
【0014】
本発明による解決策の利点は下記の通りである。
従来、本発明の目的が本発明のナノ粒子、本発明の分散物及び本発明の製造により達成されることは、当業者には驚くべきことであり、かつ予見できないものであった。
コストがかかり、かつ不便な方法やプロセスを使用しないで、本発明のナノ粒子及び本発明の分散物の製造を行うことができる。本発明のナノ粒子は熱硬化性、放射線硬化性及び2成分系のコーティングシステム、熱可塑性プラスチック、発泡体などに適している。
本発明の分散物ができたことにより、計量が簡単で取り扱い容易なナノ粒子の濃縮物(concentrate)を提供することに成功し、例えば、耐引っかき性などの機械的安定性が向上するといった所望の効果を得るために幅広いコーティングシステムに適用することができる。
本発明の分散物の計量が容易であると同様に、特に高固体物分濃度において、沈降やゲル化に対して該分散物が効果的に安定化することが分かった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のナノ粒子は修飾する基で被覆されるので、該粒子の表面に残存する官能性反応基が立体障害により他の官能性基と反応しないようになる。本発明のナノ粒子の表面を少なくとも一種類の修飾基で被覆する。この修飾基構造を下記に例示する。
該修飾基は該粒子の表面に共有的に結合する。
該修飾基は1〜10の構造要素を有しており、これらの構造要素はそれぞれの場合に該粒子の表面と少なくとも一つの共有結合を形成することができる。
さらに、該修飾基が、該粒子の表面と反応できず、かつ他のコーティング成分、プラスチック構成成分などのマトリックスに対しても不活性であるスペーサ成分を含む。
該修飾基の該スペーサ成分は数平均分子量が300〜5000ダルトンのポリマーから形成される。スペーサラジカルの構造は線状が好ましい。
従って、該修飾剤は該粒子の表面及びポリジシロキサンに対して反応するアンカー基を少なくとも一つ、又は二つ以上を有するものである。
結合性構造を有す該アンカー基は該ポリジアルキルシロキサンの末端に組み込まれ、かつ該ポリジアルキルシロキサンの一つの側鎖に存在しても良い。下記説明は該修飾剤の可能な構造を例示するものである。
【0016】
【化1】

【0017】
式中の指標の定義を下記する。
a=0〜1、b=0〜1、c=0〜10、a+b+c≧1。
【0018】
好ましい態様の一つである該修飾剤の構造も上記のスキームで記述することができる。この場合の指標は下記の値である。
a=1及びb=c=0。
修飾剤のこの構造は用途において最良の活性を有しているので、好ましいものである。
この場合に、本発明のナノ粒子は、修飾剤が下記の一般経験式で表されるポリシロキサンであることを特徴とする。
1x23-xSi−R3−R4
ここで、R4は数平均分子量が300〜5000ダルトンであって、シリコン原子のアルキル置換基が1〜8の炭素数を有するポリジアルキルシロキサンからなる一価の有機ラジカルである。このことを下記に例示する。
【0019】
【化2】

【0020】
該修飾剤の線状構造に特に利点がある。換言すると、該修飾剤は該粒子の表面に対して反応性があるヘッドグループ、結合中間単位(R3)及びポリジアルキルシロキサン(R4)末端基を含むものである。
この好ましい態様は、該修飾基と同様に、少なくとも一つ、好ましくは2以上、より好ましくは三つの共有結合を介して該粒子の表面に結合するものである。さらに、該修飾基が、該粒子の表面と反応できず、かつ他のコーティング成分、プラスチック構成成分などのマトリックスに対しても不活性であるスペーサ成分を含む。該修飾基の該スペーサ成分は数平均分子量が300〜5000ダルトンのポリマーから形成される。スペーサラジカルの構造は線状が好ましい。
該粒子は上述した基での修飾に加えて、該粒子表面に少なくとも一つの共有結合を介して結合し、1以上のスペーサ成分を有する基でさらに修飾することができる。具体的には、下記一般経験式のアルキル基含有官能性シランを使用することができる。
7(4-x)SiR6x
ここで、インデックス及び変数の定義を下記する。
x=1〜3、R6は炭素数1〜18、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の一価の有機ラジカル、R7は水酸基、又は;炭素数1〜6、特に1〜2の線状、分岐又は環状アルコキシ基;ハロゲン原子、特に、塩素原子;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基である。
【0021】
さらに、該粒子の表面を付加的に又は代わりに修飾することができるものとして、エーテル基及び/又はエステル基がある。この目的には、下記の一般経験式のシランを使用することができる。
8(4-x)Si(R9−R10−R11x
ここで、インデックス及び変数を下記する。
x=1〜3、R8は水酸基、又は;炭素数1〜6、特に1〜2の線状、分岐もしくは環状アルコキシ基;ハロゲン原子、特に、塩素原子;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基であり、R9は酸素又は、例えばアルキレンラジカルのような二価の有機基、R10は分子量が130〜5000ダルトンの二価の有機ラジカルであって、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドもしくはこれらの混合物からなるポリエーテル基、又は少なくとも三つの
【化3】

基及び/又は
【化4】

基を有する脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ポリエステル、R11はアルキル、アセトキシ、−O−R12(R12は炭素数1〜18のアルキル基)、−O−CO−NH−R13(R13は炭素数1〜18のアルキル基)である。
【0022】
本発明のナノ粒子は該修飾剤とナノ粒子粉末を混合することで簡単に製造することができる。この場合に、該修飾剤が該ナノ粒子の表面に共有結合していることを確認することが必要である。この条件は該官能性基相互の反応性によるものであり、当業者が容易に決定することができる。もし、室温で反応が起こらない場合には、該ナノ粒子粉末と修飾剤との混合物を約80℃で約1時間加熱すれば、この修飾剤の共有結合が生成する。
本発明のナノ粒子はコーティングやプラスチックに直接応用できる。
しかしながら、特に、本発明のナノ粒子は、例えば、水、溶剤、可塑剤、ワックス、鉱油及び反応性希釈剤、ならびにコーティングやプラスチック工業で通常使用される他のキャリヤ媒質に分散させるのに適している。
本発明の分散物は歯型コロイドミル、溶解機、超音波分散機などの通常の分散器具を使用して、適切に修飾したナノ粒子を所望の分散媒質に加えることで製造することができる。
【0023】
該修飾剤をナノ粒子分散物に加えることにより、本発明の分散物を製造することができる。この方法においても同様に、該修飾剤が該ナノ粒子の表面に共有結合していることを確認することが必要である。本発明の分散物を一つの分散媒質から他の分散媒質への変更は、例えば蒸留方法で行うことができる。適切な添加溶剤を除去する分散媒質に加えて低い共沸物とすることにより、この種の方法を容易に最適化することができる。
本発明の分散物中の粒子の含量は強熱残分として測定するが、ゲル化や多量の沈殿を除き40%を超えて増やすことができる。
【0024】
本発明の分散物は典型的なコーティング添加剤、バインダ又は架橋剤の領域の少なくとも一つの付加的物質を含むことができる。例えば、湿潤及び分散添加剤、及び分散物のレオロジー性質をコントロールする添加剤、ならびに消泡剤、光安定剤及び触媒を挙げることができる。
【0025】
本発明のナノ粒子及び分散物の可能な応用範囲は著しく広い。既知のナノ粒子の有用性と比べて、本発明のナノ粒子及び分散物の著しく高い活性とを組み合わせることで、これらの有用性は非常に広いものである。本発明のナノ粒子及び分散物を既存のシステムに加えることで、さらに、コーティング材料、接着剤、プラスチックスなどに加工することができる。本発明のナノ粒子及び分散物を少量加えるだけで、機械的安定性を著しく大きくすることができるので、コーティングや成形の化学的抵抗性が向上し、究極の結果が得られる。驚くべきことに、該コーティング材料やプラスチックスの加工上の性質には何ら影響しないので、これらの応用においては再度最適化しなければならないような外的因子を必要としないことを意味する。本発明の該ナノ粒子及び該分散物がコーティング材料、プラスチックス、接着剤、シーラントなどへの使用にすばらしく適している。
【実施例】
【0026】
製造例1
加熱装置、内部温度計、攪拌機構、還流コンデンサ及び不活性ガス導入口を備えた250mlの四つ口フラスコに、下記の平均構造を有するSi−H−官能性ポリシロキサン100gを入れる。
【0027】
【化5】

【0028】
該シリコンは”Noll (Chemie und Technologie der .Silicone, Wiley/VCH, Weinheim, 1984)”の記載に従い、平衡反応で容易に製造することができる。該シリコンを窒素雰囲気下で70℃に加熱し、次いでビニルトリメトキシシロキサン(例、Geniosil XL10;Wacker Chemie GmbH製)16.3gを加える。
さらに、六塩化白金酸10ppmを加える。この発熱反応が弱まった後に、80℃で1時間攪拌する。次いで、減圧し、未反応のビニルトリメトキシシラン約2g及びポリシロキサンの揮発性成分を蒸留で分離する。得られた生成物は低粘度で、わずかに琥珀色をしている。
【0029】
製造例2
家庭用混合機〔Braun社のモデル MX32)にナノスケールのアルミナ(NanaDur; Nanophase Technology Corporation製)100gを入れて、製造例1の修飾剤4gを加える。次いで、この混合物を1分間均質化する。修飾剤で被覆した該粉末を80℃で1時間置く。この修飾したナノ粒子は塊のない自由流れ(free flowing)の粉末である。
【0030】
製造例3
製造例2の修飾したナノ粒子40gを、メトキシプロピルアセテート56.8g及び湿潤・分散助剤(BYK 9077;BYK Chemie GmbH製)3.2gの溶液に攪拌しながら加えた後、この混合物を超音波(Dr.Hielsch, UIP 1000, 500W,4min)で分散させる。得られた分散物は低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
製造例4
250mlの四つ口フラスコに、水性シリカゾル(Koestrosol 2040AS;Chemiewerk Bad Koestriz製)75gを入れて、1−メトキシー2−プロパノール75gを混合し、60℃に加熱する。この混合物に、プロピルトリメトキシシラン(Dynasylan PTMO; Degussa AG製)1.6gを滴下し、次いで60℃で2時間攪拌する。次いで、メトキシトリプロピルアセテート80gを加えてから、減圧下70℃で混合溶媒110gを分離する。続いて、製造例1の修飾剤1.25gを加え、この混合物を75℃で2時間攪拌する。湿潤・分散助剤(Disperbyk 168;BYK-Chemie GmbH製)3.75gを加えて均質化し、次いで、減圧下75℃で混合溶媒を除去して固体成分35%にする。
得られた分散物は典型的なコロイド混合物である透明性を示し、低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
【0031】
製造例5(比較例)
ナノスケールアルミナ粉末(NanoDur;Nanophase Technolory Corporation製)40gをメトキシプロピルアセテート56.8g及び湿潤・分散助剤(BYK 9077;BYK-Chemie GmbH製)3.2gの溶液に攪拌しながら加えて、得られた混合物を超音波(Dr.Hielsher UIP 1000、500W,4min)で分散させる。得られる分散物は低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
【0032】
製造例6(比較例)
250mlの四つ口フラスコに、水性シリカゾル(Kostrosol 2040AS;Chemiewerk Bad Koestriz製)75gを加え、かつ 1−メトキシー2−プロパノール75gを混合し、60℃に加熱する。この混合物に、プロピルトリメトキシシラン(Dynasylan PTMO; Degussa AG製)1.6gを滴下し、次いで60℃で2時間攪拌する。次いで、メトキシプロピルアセテート80gを加えてから、減圧下70℃で混合溶媒110gを分離する。湿潤・分散助剤(Disperbyk 168;BYK-Chemie GmbH製)3.75gを加えて均質化し、次いで、減圧下75℃で混合溶媒を除去して固体成分35%にする。得られた分散物は典型的なコロイド混合物である透明性を示し、低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
【0033】
製造例7
攪拌器、内部温度計、コンデンサ及び不活性ガス導入口を備えた250mlの四つ口フラスコに、Silaplane FM 0411(チッソ株式会社製)53.3gを入れ、次いでカプロラクトン26.6gを混合する。この混合物を窒素不活性ガス下に100℃に加熱する。この温度で、ジラウリル酸シブチル錫0.004gを加えて、180℃に加熱する。この温度で4時間経過後、反応混合物を70℃に冷却し、次いで、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(SLM Geniosil GF 40,Wacker製)9.9gを混合する。2時間反応させて、生成物を冷却する。ワックス状の淡黄色物質が得られる。
【0034】
製造例8/9
250mlの四つ口フラスコに、水性シリカゾル(Koestrosol 2040AS;Chemiewerk Bad Koestriz製)75gを加え、かつ 1−メトキシー2−プロパノール75gを混合し、60℃に加熱する。この混合物に、プロピルメトキシシラン(Dynasylan PTMO; Degussa AG製)1.6gを滴下し、次いで60℃で2時間攪拌する。次いで、メトキシプロピルアセテート80gを加えてから、減圧下70℃で混合溶媒110gを分離する。続いて、製造例7の修飾剤の1.20g(製造例8)又は2.40g(製造例9)を加え、この混合物を75℃で2時間攪拌する。湿潤・分散助剤(Disperbyk 168;BYK-Chemie GmbH製)3.75gを加えて均質化し、次いで、減圧下75℃で混合溶媒を除去して固体成分35%にする。得られた分散物は典型的なコロイド混合物である半透明性を示し、低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
【0035】
製造例10
攪拌器、内部温度計、コンデンサ及び不活性ガス導入口を備えた100mlの四つ口フラスコに、Silaplane FM 0411(チッソ株式会社製)40.0gを入れ、次いでカプロラクトン40.0gを混合する。この混合物を窒素不活性ガス下に70℃に加熱する。この温度で、ジラウリル酸シブチル錫0.004gを加えて、この混合物を180℃に加熱する。この温度で4時間の反応時間経過後、反応混合物を70℃に冷却し、次いで、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(SLM/ Geniosil GF 40,Wacker製)9.3gを滴下して加える。2時間反応させて、生成物を冷却する。ワックス状の淡黄色物質が得られる。
【0036】
製造例11/12
250mlの四つ口フラスコに、水性シリカゾル(Koestrosol 2040AS;Chemiewerk Bad Koestriz製)75gを加え、かつ 1−メトキシー2−プロパノール75gを混合し、60℃に加熱する。この混合物に、プロピルトリメトキシシラン(Dynasylan PTMO; Degussa AG製)1.6gを滴下し、次いで60℃で2時間攪拌する。ついで、メトキシプロピルアセテート80gを加えてから、減圧下70℃で混合溶媒110gを分離する。続いて、製造例10の修飾剤の1.20g(製造例11)及び2.40g(製造例12)を加え、この混合物を75℃で2時間攪拌する。湿潤・分散助剤(Disperbyk 168;BYK-Chemie GmbH製)3.75gを加えて均質化し、次いで、減圧下75℃で混合溶媒を除去して固体成分35%にする。得られた分散物は典型的なコロイド混合物である半透明性を示し、低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
【0037】
製造例13
250mlの四つ口フラスコに、水性シリカゾル(Koestrosol 2040AS;Chemiewerk Bad Koestriz製)75gを加え、これに ジアセトンアルコール100gを混合し、70℃に加熱する。この混合物に、ポリエーテル修飾アルコキシシラン(Silquest A−1230:OSi Spectalities製)2.25gを滴下し、次いで70℃で2時間攪拌する。次いで、減圧下70℃で混合溶媒の30gを分離する。続いて、製造例1の修飾剤1.25gを加えて、この混合物を70℃で2時間攪拌する。湿潤・分散助剤(Disperbyk 191;BYK-Chemie GmbH製)6.0gを加えた後、減圧下75℃で混合溶媒を除去して固体成分35%に調節する。得られた分散物は典型的なコロイド混合物である半透明性を示し、低粘度であり、28日間貯蔵後でもゲル化又は沈殿のような傾向は何ら見られない。
【0038】
本発明のナノ粒子及び分散物の有用性を示すために、本発明ではないナノ粒子と比較して応用例を挙げる。使用量はすべて重量部である。
【0039】
応用例1〜5
二成分系木材用ワニスシステム
【0040】
【表1】

【0041】
Demosphen 1300 BA及び酢酸メトキシプロピルならびに適切な対応する分散物を全体的に混合した。次いで、硬化剤のDesmodur HL 60 BAを加えて攪拌した。100μmの螺旋状巻き付けコーティングバー(spiral-wound coating bar)を用いて、得られたコーティング材料をPMMAシート(200×400mm2)又はガラスシート(100×200mm)に塗布した。このコーティングを40℃で1時間硬化させた。次に、強制乾燥し、該基板を室温で3日間貯蔵した後に、テストした。得られたフィルムの厚みは約40μmであった。このコーティングの光散乱の割合を、BYK Gadnerの機器(haze−gard plus)を用い透過で測定した。BYK−Garner社の湿式磨耗研磨試験機(wet abrasion scrub tester)を用いて、ASTM D 2486に準拠した方法で、耐引っかき性を試験した。グロスメータ(Micro−tri−gloss;BYK-Gardner製)を用いて、上述の引っかき性試験の前後の光沢を、各コーティングについて測定した。
【0042】
【表2】

【0043】
応用例6〜8
二成分系自動車用再仕上げシステム
【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
各成分系毎に、その構成成分を全体的に混合した。コーティングの直前に、成分1及び2を混合した。スプレーを用いて、このコーティングシステムをPMMAシート(200×400mm2)に塗布した。室温で1時間自然蒸発(flash-off)させた後、60℃で12時間の強制乾燥を行った。このコーティングフィルムの厚みは45μmであった。BYK−Garner社の湿式磨耗研磨試験機を用いて、ASTM D 2486に準拠した方法で、耐引っかき性を試験した。このようにして得られた引っかきを目視により、1(引っかき無し)〜6(非常に深刻な引っかき)のスケールで評価した。同様に、光沢とヘイズを目視により評価して、得られた結果を1(非常に良い)〜6(非常に不完全である)に分類した。
【0047】
【表5】

【0048】
応用例9〜11
UVコーティングシステム
【0049】
【表6】

【0050】
各コーティングシステムの成分を全体的に混合し、室温で暗所に16時間貯蔵した。
25μmの螺旋状巻き付けコーティングバー(spiral-wound coating bar)を用いて、得られたコーティング材料をPlexiglasシートに塗布し、次いで15分間自然蒸発した。これらのコーティングをUV装置で硬化させた。合計で、これらのコーティングをベルト速度5.0m/min、照射強度120W/cmで2回処理した。BYK−Garner社の湿式磨耗研磨試験機を用いて、ASTM D 2486に準拠した方法で、耐引っかき性を試験した。このようにして得られた引っかきを目視により、1(引っかき無し)〜6(非常に深刻な引っかき)のスケールで評価した。
【0051】
【表7】

【0052】
応用例12から15
二成分系自動車用再仕上げシステム
【0053】
【表8】

【0054】
【表9】

【0055】
該成分系毎に、その構成成分を全体的に混合した。コーティングの直前に、成分1及び2を混合した。スプレーを用いて、このコーティングシステムをPMMAシート(200×400mm)に塗布した。室温で1時間自然蒸発した後、60℃で12時間の強制乾燥を行った。このコーティングフィルムの厚みは45μmであった。
BYK−Garner社の湿式磨耗研磨試験機を用いて、ASTM D 2486に準拠した方法で、耐引っかき性を試験した。このようにして得られた引っかきを目視により、1(引っかき無し)〜6(非常に深刻な引っかき)のスケールで評価した。同様に、光沢とヘイズを目視により評価して、得られた結果を1(非常に良い)〜6(非常に不完全である)に分類した。
【0056】
【表10】

【0057】
応用例16/17
水溶性木材用ワニス
【0058】
【表11】

【0059】
各コーティングシステムの成分を記述の順序に従い、全体的に混合した。室温で2時間放置した後、これらのワニスを200×400mmのプラスチック基板に厚み150μmでナイフコート(knife−coated)した。これらのコーティングしたシートを自然状態で16時間貯蔵し、次いで、強制空気オーブン中、60℃で2時間貯蔵した。これらのシートを室温で48時間状態調節した後に、耐引っかき性を決定した。
BYK−Garner社の湿式磨耗研磨試験機を用いて、ASTM D 2486に準拠した方法で、耐引っかき性を試験した。100回又は500回の往復ストローク後に、生じた引っかきを目視により、1(引っかき無し)〜6(非常に深刻な引っかき)のスケールで評価した。
【0060】
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物、半金属酸化物、金属水酸化物又は半金属水酸化物からなり、粒子表面で修飾剤と反応して共有結合を生成してなる、表面を修飾したナノ粒子であって、該修飾剤が下記一般経験式で表されるポリシロキサンであることを特徴とする表面を修飾したナノ粒子。
(R1x23-xSiR3y5
(式中、x=0〜2、特に0、y=1〜10、好ましくは2〜5、R1は炭素数1から18、特に炭素数1〜3の一価有機ラジカル、R2は水酸基又は;炭素数1〜6、特に炭素数1〜2の線状、分岐もしくは環状のアルコキシ基;ハロゲン原子、特に塩素;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基、R3は酸素又は;好ましくは炭素数1〜8の線状もしくは分岐のアルキレンラジカル;アルキレンエーテル;アルキレンチオエーテル;好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシド又はこれらの混合物に基づくアルキレンポリエーテル;アルキレンポリエーテル;アルキレンポリエステル;又は;エステル基及び/もしくはエーテル基に加えてウレタン基及び/もしくは尿素基を有する有機脂肪族、芳香族もしくはアラリファチック基(araliphatic group);からなる二価の有機ラジカル、及びR5は数平均分子量300〜5000ダルトンの数平均分子量を有し、シリコン原子のアルキル置換基が炭素数1〜8を有するポリジアルキルシロキサンからなる多価の有機ラジカルである。)
【請求項2】
修飾剤が下記一般経験式で表されるポリシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子。
1x23-xSi−R3−R4
(式中、R4はが300〜5000ダルトンの数平均分子量を有し、かつシリコン原子のアルキル置換基が1〜8の炭素数を有するポリジアルキルシロキサンからなる一価の有機ラジカルである。)
【請求項3】
ポリジアルキルシロキサンがポリジメチルシロキサンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノ粒子。
【請求項4】
ナノ粒子がアルミニウム、シリコン、亜鉛又はチタンの酸化物、酸化−水酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナノ粒子。
【請求項5】
透過型電子顕微鏡で測定したナノ粒子の粒子サイズが2〜200nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノ粒子。
【請求項6】
該表面を修飾したナノ粒子の全量を基準に、修飾剤の割合が0.1〜15重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナノ粒子。
【請求項7】
金属酸化物、半金属酸化物、金属水酸化物又は半金属水酸化物からなるナノ粒子が修飾剤と反応して共有結合を生成し、かつ該修飾剤が下記の一般経験式で表されるポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のナノ粒子を製造する方法。
(R1x23-xSiR3y5
(式中、x=0〜2、特に0、y=1〜10、好ましくは2〜5、R1は炭素数1から18、特に炭素数1〜3の一価有機ラジカル、R2は水酸基又は;炭素数1〜6、特に炭素数1〜2の線状、分岐もしくは環状のアルコキシ基;ハロゲン原子、特に塩素;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基、R3は酸素又は;好ましくは炭素数1〜8の線状もしくは分岐のアルキレンラジカル;アルキレンエーテル;アルキレンチオエーテル;好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシド又はこれらの混合物に基づくアルキレンポリエーテル;アルキレンポリエーテル;アルキレンポリエステル;又は;エステル基及び/もしくはエーテル基に加えてウレタン基及び/もしくは尿素基を有する有機脂肪族、芳香族もしくはアラリファチック基(araliphatic group);からなる二価の有機ラジカル、及びR5は数平均分子量300〜5000ダルトンの数平均分子量を有し、シリコン原子のアルキル置換基が炭素数1〜8を有するポリジアルキルシロキサンからなる多価の有機ラジカルである。)
【請求項8】
ナノ粒子を下記一般経験式で表されたポリシロキサンと反応させることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
1x23-xSi−R3−R4
(式中、R4は300〜5000ダルトンの数平均分子量を有し、シリコン原子のアルキル置換基が1〜8の炭素数を有するポリジアルキルシロキサンからなる一価の有機ラジカルである。)
【請求項9】
表面を修飾したナノ粒子の全量を基準に、未修飾のナノ粒子を修飾剤の割合が0.1〜15重量%となるような量の修飾剤と反応させることを特徴とする請求項7又は8に記載の製造方法。
【請求項10】
コーティング材料、プラスチックス、発泡体及びマニキュア液の充填剤としての請求項1〜6のいずれかに記載のナノ粒子の使用。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれかに記載のナノ粒子を含む分散物
【請求項12】
ポリシロキサンによる修飾に加え、下記一般経験式で表されたシランで修飾されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のナノ粒子。
7(4-x)SiR6x
(式中、指標及び変数は下記の定義を意味し、x=1〜3、R6は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3の一価の線状、分岐又は環状ラジカル、R7は水酸基又は;炭素数1〜6、特に炭素数1〜2の線状、分岐もしくは環状アルコキシ基;ハロゲン原子、特に、塩素原子;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基である。)
【請求項13】
ポリシロキサンによる修飾に加え、下記一般経験式で表されるシランで修飾することを特徴とする請求項1乃至6又は12のいずれかに記載のナノ粒子。
8(4-x)Si(R9−R10−R11x
(式中、指標及び変数を下記すると、x=1〜3、R8は水酸基又は;炭素数1〜6、特に炭素数1〜2の線状、分岐もしくは環状アルコキシ基;ハロゲン原子、特に、塩素原子;又は;炭素数1〜4、好ましくは炭素数2のカルボン酸ラジカル;からなる加水分解性基であり、R9は酸素又は、例えばアルキレンラジカルのような二価の有機基、R10は分子量が130〜5000ダルトンの二価の有機ラジカルであり、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドもしくはこれらの混合物からなるポリエーテル基、又は少なくとも三つの
【化1】

基及び/又は
【化2】

基を有する脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ポリエステル、及びR11はアルキル、アセトキシ、−O−R12(R12は炭素数1〜18のアルキル基)、−O−CO−NH−R13(R13は炭素数1〜18のアルキル基)である。)


【公開番号】特開2006−290725(P2006−290725A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−36370(P2006−36370)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(598067245)ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング (30)
【Fターム(参考)】