説明

表面エネルギー増加処理に対する応答性が増加したポリプロピレン製物品の製造方法

【課題】表面エネルギー増加処理に対するレスポンスが改良されたポリプロピレン製物品の製造方法。
【解決手段】使用するポリプロピレンが1〜20重量%のメタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンを含む。メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの、表面エネルギー増加処理に対するポリプロピレンのレスポンスを改善するための添加剤としての使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面エネルギー処理に対する応答性(response)が増加したポリプロピレン製物品の製造方法に関するものであり、このポリプロピレンはメタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンを含む。
本発明はさらに、表面エネルギー処理に対する応答性を増加させるための添加剤としてメタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンの使用にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレンは、最も広く使用されている商業的なポリマーの一つである。その機械的、化学的および加工性によってポリプロピレンは広範囲の用途の材料として選択されているが、化学的に不活性で表面エネルギーが低いため、印刷、コーテング、他の基材との結合または接着で問題が生じる。従って、これらの用途ではポリプロピレンの表面処理をして表面エネルギーを増加させる必要がある。
【0003】
印刷する場合、溶剤ベースのインキでは表面エネルギーを約30mN/mから約38mN/ mに増加させる必要があり、水ベースのインキの場合には約45mN/mに増加させる必要がある。ポリプロピレンは表面エネルギーを増加させるのに必要なエネルギーが他のポリマーよりはるかに高いため、ポリプロピレンの表面エネルギーを増加させることは特に難しい。
【0004】
ポリプロピレンの表面エネルギーを増加させる方法には化学的処理、火炎(フレーム)処理、コロナ処理がある。クロム酸処理のような化学的処理は強い酸化剤を使用するため、安全性および環境上の理由で使用が減っている。火炎処理では酸化性気体の火炎でポリプロピレン表面を処理する。コロナ処理では電気的にイオン化した空気でポリプロピレン表面を処理する。これら全ての処理に共通することは酸化されたセンターを作ってインキ等に対する接着を容易にすることである。
【0005】
火炎処理およびコロナ-処理の主たる欠点は処理効果が急速に低下することにある。すなわち、ポリプロピレンを処理してから1週間以内に3mN/mの低下が起こる。従って、大抵の場合、成形加工する前に処理済みのポリプロピレンを「リフレッシュ」処理する必要がある。
【0006】
特許文献1(国際特許第WO00/54968号公報)にはシンジオタクチックポリプロピレンから成るコア層と、エチレンまたはプロピレンのホモポリマー、エチレンのコポリマー、コモノマーとしてプロピレン、エチレンおよびブテン-1を含むターポリマーまたはその混合物から成る、上記コア層に隣接する少なくとも一つの追加の層とを有する多層フィルムが開示されている。追加の層はチーグラー−ナッタ触媒またはメタロセン触媒を用いて作ったポリマーにすることができる。配向した多層フィルムを例えばコロナ−処理して表面エネルギーを増加させることができる。しかし、この特許文献1にはコロナ処理に対するのポリプロピレンの応答を改善させる方法は器がない。
【0007】
特許文献2(国際特許第WO 2004/098868)には、ポリプロピレンと、充填材と、メタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンとを含むスキン層を有する多層フィルムが記載されており、メタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンは0.850g/cm3〜0.925g/cm3の範囲の密度を有するポリエチレンすなわち低密度ポリエチレンである。この多層フィルムに表面エネルギー増加処理、例えばコロナ処理をして、その印刷適性を改良することができる。しかし、この特許文献2にはコロナ処理に対するポリプロピレンの感受性を増加させる方法は記載がない。
【0008】
特許文献3(国際特許第WO00/58090)には下記(a)〜(c)から成る多層フィルムが開示されている:
(a) プロピレンポリマーから成るコア層、
(b) コア層の片側上の外側エンボス層、
(c) コア層の上記外側エンボス層とは反対側の追加の外側層。
外側エンボス層(b)のポリマーはエチレン−プロピレン−ブチレン(EPB)ターポリマー、エチレン−プロピレン(EP)コポリマー、メタロセン触媒ポリエチレン、シンジオタクチックポリプロピレン、プロピレン-ブチレンランダム共重合体および上記の混合物から成る群の中から選択され、アイソタクチックポリプロピレンのホモポリマーを含んでも踏まなくてもよい。外側エンボス層(b)は火炎処理またはコロナ処理される。しかし、この特許文献3にもコロナ処理に対するポリプロピレンの性能を改善する方法は開示がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際特許第WO00/54968号公報
【特許文献2】国際特許第WO 2004/098868号公報
【特許文献3】国際特許第WO00/58090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、ポリプロピレンの表面改質を容易にする工業的方法が強く望まれている。
本発明者は、表面エネルギー増加処理に対する応答性(レスポンス)が改良したポリプロピレン製物品の製造方法を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記(a)〜(c):
(a) メタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンを含むポリプロピレンを用意し、
(b) それで物品を形成し、
(c) 上記物品を表面エネルギー増加処理する
階段を有する表面エネルギー増加処理に対するレスポンスが改良されたポリプロピレン製物品の製造方法を提供する。
本発明はさらに、表面エネルギー増加用添加剤としてのメタロセン触媒を使用したポリエチレンの使用にも関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で使用するポリプロピレンはホモポリマー、ランダム共重合体またはヘテロ相(heterophasic)のコポリマーにすることができる。ホモポリマーおよびランダム共重合体はポリプロピレンであるのが好ましい。ランダム共重合体はポリプロピレンであるのが最も好ましい。ランダム共重合体およびヘテロ相コポリマーはプロピレンと少なくとも一種のコモノマーとのコポリマーであり、コモノマーはエチレンおよびC4〜C10アルファオレフィン、例えば1−ブテン、1- ペンテン、1- ヘキセン、1- オクテンから成る群の中から選択される。
【0013】
ランダム共重合体は最大て6重量%、好ましくは最大で5重量%、最も好ましくは4重量%までの少なくとも一種のコモノマーを含み、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、最も好ましくは少なくとも2重量%の少なくとも一種のコモノマを含む。ランダム共重合体はプロピレンとエチレンとのコポリマーであるのが好ましい。
【0014】
ヘテロ相(heterophasic)コポリマーは上記定義のプロピレンのホモポリマーまたはランダム共重合体から成るマトリックスと、ゴム相とから成る。このヘテロ相コポリマーは5〜35重量%のゴム相を含むことができる。ヘテロ相コポリマーはプロピレンとエチレンのコポリマーであるのが好ましく、エチレン含有量は4〜15重量%である。ゴム相はエチレンプロピレンゴムであるのが好ましい。
【0015】
本発明で使用するポリプロピレンは当業者に公知の方法でプロピレンと任意成分の一種以上のコモノマーとを重合させて作ることができる。本発明で使用するポリプロピレンのISO 1133(条件L)に従って2.16kg荷重下、230℃の温度で測定したメルトフローインデックスは0.1dg/分〜100dg/分である。当業者は物品の成形方法に応じたポリプロピレンの正しい溶融流動範囲を選択できる。例えば、射出延伸ブロー成形(ISBM)用の好ましいメルトフローインデックス範囲は1.5dg/分〜30dg/分である。キャストフィルム押出成形の場合の好ましいメルトフローインデックス範囲は3.0dg/分〜15dg/分であり、インフレーション成形に好適なメルトフローインデックス範囲は0.3dg/分〜3.0dg/分であり、ブロー成形に好適なメルトフローインデックス範囲は0.3dg/分〜3.0dg/分であり、シート押出成形に好適な範囲は2.0dg/分〜10dg/分であり、射出成形に好適な範囲は10dg/分〜100dg/分である。
【0016】
本発明のポリプロピレンは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%のメタロセンポリエチレン、すなわちメタロセンベースの触媒系を使用して作ったポリエチレンを含む。このポリプロピレンは最大で20重量%、好ましくは最大で15重量%、最も好ましくは最大で10重量%のメタロセンポリエチレンを含む。
【0017】
メタロセン触媒を使用して作るポリエチレンを含むポリプロピレンはドライブレンディングまたはコンパウンディングによって製造できる。また、ポリプロピレン生産設備のペレット化階段でコンパウンディングすることもできる。
【0018】
ポリプロピレンとメタロセンポリエチレンとのブレンドはコンテナの衝撃性能を改善するためのものとして例えば特許文献4で公知である。
【特許文献4】国際特許第WO 2005/005143号公報
【0019】
しかし、この特許文献4には表面エネルギー増加処理に対するレスポンスを改善するためのこの組成物を使用することは器がない。
【0020】
上記特許文献1(国際特許第WO00/54968号公報)にはポリプロピレンとメタロセンポリエチレンとのブレンドをコロナ処理で使用することは記載がない。開示しない。特許文献1および特許文献2(国際特許第WO 2004/098868号公報)にはメタロセン触媒を用いて製造したポリエチレンを添加したポリプロピレンがコロナ処理に対してレスポンスが改善されるということは記載がない。特許文献3(国際特許第WO00/58090号公報)にもポリプロピレンに一定量のメタロセン触媒を用いて製造したポリエチレンを加えたときにポリプロピレンのコロナ処理が改善できるということは記載がない。
【0021】
メタロセン触媒を用いて製造したポリエチレンはエチレンのホモポリマーか、それと少なくとも一種のコモノマーとのコポリマーにすることができる。コモノマーはC3〜C10アルファオレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1-メチルペンテンであり、1−ブテンと1−ヘキセンが好ましく、1−ヘキセンが最も好ましいコモノマーである。
【0022】
メタロセン触媒を用いて製造したポリエチレンを製造するのに使用するメタロセンベースの触媒系はメタロセンと、担体と、活性化剤とから成る。この種のメタロセンベースの触媒系は当業者に公知であり、詳細な説明は不用であろう。
【0023】
本発明用には公知の任意のメタロセン、例えばビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二塩化物が使用できるが、下記一般式のメタロセンを使用するのが好ましい:
R''(lnd)2MQq
(ここで、lndは置換または未置換のインデニルまたはテトラヒドロインデニル基であり、R''は2つのインデニル間に剛性を与える構造ブリッジで、C1〜C4アルキレン基、ジアルキルゲルマニウムまたはシリコンまたはシロキサンまたはアルキルフォスフィンまたはアミン基、好ましくはMe2C、エチレン、Ph2CまたはMe2Siであり、Mは第4、5または6族遷移金属であり、Qはアリール、アルキル、アルケニル、アルキルアリールのようなヒドロカルビル基または1〜20の炭素原子を有するアリールアルキル基、1〜20の炭素原子を有するヒドロカルボキシル基またはハロゲンで、互いに同じでも異なっていてもよく、qはMの結合価−2である)
【0024】
インデニルまたはテトラヒドロインデニルが置換される場合には2位および/または4位が対称に置換されるのが好ましく、未置換であるのがより好ましい。この種のメタロセン成分は下記特許文献5に記載されている。
【特許文献5】欧州特許第WO 96/35729号公報
【0025】
最も好ましいメタロセンはエチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウム二塩化物である。
【0026】
メタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンの分子量分布は分散指数Dとして公知のパラメータで定義でき、これは重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との間の比である。この分散指数Dを用いることで分子量分布の幅を測定できる。本発明でのメタロセン触媒を用いて製造したポリエチレンの分散指数Dは2〜7、好ましくは2〜5である。
【0027】
本発明で使用されるメタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンのメルトフローインデックス(ISO 1133(条件D)に従って190℃の温度、2.16kgの荷重下で測定)は0.1dg/分〜100dg/分の範囲である。当業者はポリエチレン製物品の成形方法に応じた適切な溶融流動製範囲を選択できる。例えば射出延伸ブロー成形(ISBM)に好適なメルトフローインデックス範囲は1.5dg/分〜30dg/分であり、キャストフィルム押出成形に好適なメルトフローインデックス範囲は3.0dg/分〜15dg/分であり、インフレーション成形に好適なメルトフローインデックス範囲は0.3dg/分〜3.0dg/分であり、ブロー成形に好適なメルトフローインデックス範囲は0.3dg/分〜3.0dg/分であり、シート押出成形に好適な範囲は2.0dg/分〜10dg/分であり、射出成形に好適な範囲は10dg/分〜100dg/分である。
【0028】
本発明で使用するメタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの密度は少なくとも0.920g/cm3、好ましくは少なくとも0.925g/cm3、さらに好ましくは少なくとも0.927g/cm3、より好ましくは少なくとも0.930g/cm3、最も好ましくは少なくとも0.932g/cm3である。この密度は最大でも0.965g/cm3であり、好ましくは最大でも0.955g/cm3、好ましくは最大でも0.950g/cm3、より好ましくは最大でも0.945g/cm3、さらに好ましくは最大でも0.940g/cm3である。密度はASTM D 1505に記載の方法で23℃で測定する。
【0029】
特定の理論に拘束されるものではないが、高温または等価短鎖分岐(Short Chain Branches、SCB)含有量が低い場合に測定した結晶化量が、ポリプロピレンとメタロセン触媒を使用したポリエチレンとの間の相溶性に何らかの役目をしているものと思われる。短鎖分岐を関数とした結晶化量はStepwise Isothermal Segregation Technique(SIST)で決定される。この測定方法ではサンプルを室温(25℃)から220℃まで200℃/分の速度で加熱し、220℃に5分間保つ。それから20℃/分の速度で140℃の温度まで下げ、その温度に40分間維持する。次いで、温度を90℃の温度に達するまで20℃/分の速度で下げ、5℃のステップの各階段で40分間維持する。次いで、最高冷却速度で25℃まで冷却し、25℃に3分間維持する。次に、25℃から180℃まで5℃/分の速度で再加熱する。結晶化の百分比は下記文献に記載の方法に従って融解温度を関数としたSCB曲線から求める。
【非特許文献1】Satoru Hosada in Polymer Journal, vol. 20, p. 383, 1988
【0030】
1000の炭素原子当りの10以下のSCBを有する鎖に対応する本発明で使用するメタロセン触媒を使用したポリエチレンの結晶化の百分比は少なくとも4%、好ましくは少なくとも7%である。
【0031】
ポリプロピレンとメタロセン−触媒を用いたポリエチレンの両方は添加剤をさらに含むことができる。添加剤の例は抗酸化剤、光安定剤、酸スカベンジャ、潤滑剤、帯電防止剤、核剤/精澄化剤、着色剤、滑剤である。この種の添加剤の概要は下記文献に記載されている。
【非特許文献2】Plastics Additives Handbook、ed. H. Zweifel、第5版、2001、Hanser Publishers
【0032】
メタロセン触媒を使用したポリエチレンを含むポリプロピレンを使用して得られる本発明の物品は公知の任意の成形方法、例えば射出成形、ブロー成形、射出延伸ブロー成形(ISBM)、キャーストまたはブローフィルム押出成形、繊維または不織布押出成形、シート押出成形ト等で成形できる。
【0033】
成形後、ポリプロピレン製物品に表面エネルギー増加処理、例えば化学的処理、火炎処理、コロナ処理をする。好ましい処理は火炎処理およびコロナ処理であり、最も好ましい処理はコロナ−処理である。
【0034】
コロナ処理の場合にはポリプロピレン物品を一般に約10kV〜約20kVの電圧を有する2つの電極間を通過させる。この電圧下のスプレーではコロナ放電が起こり、物品上の空気がイオン化し、ポリプロピレン物品の表面分子と反応して極性センターが形成される。
【0035】
極性火炎を用いた火炎処理の場合には、陰極の役目をするバーナーと他の沃素、例えばフィルム/シート押出成形機の冷却ローラーとの間に電圧を加える。印加電圧は約0.5kV〜約3kVの範囲である。それによってイオン化原子が加速されてポリプロピレン表面に大きな速度で衝突し、それによってポリプロピレン物品の表面に破壊結合する。その結果、極性センターが作られる。
【0036】
メタロセン触媒を使用したポリエチレンを含むポリプロピレンが表面エネルギー増加処理に対して最も高い応答性を示すということが分かっている。極めて驚くことに、本発明のポリプロピレンは表面改質処理の効果の低下が遅いということも分かっている。純粋なポリプロピレンから作った物品の表面エネルギーを増加させたものと比較して、メタロセン触媒を用いてポリエチレンを含むポリプロピレン物品は次ぎの加工、例えば印刷までに保存できる期間を、「リフレッシュング」処理をしなくても、より長くすることができる。
従って、メタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンは、表面エネルギー増加処理、例えば化学的処理、火炎処理おコロナ−処理に対するレスポンスを良くするためのポリプロピレンの添加剤の役目をする。好ましい処理方法は火炎処理とコロナ処理であり、最も好ましい処理方法はコロナ処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(c):
(a) メタロセン触媒を用いて作ったポリエチレンを含むポリプロピレンを用意し、
(b) それで物品を形成し、
(c) 上記物品を表面エネルギー増加処理する
階段を有し、段階(a)で使用するポリプロピレンが1〜20重量%のメタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンを含むことを特徴とする、表面エネルギー増加処理に対するレスポンスが改良されたポリプロピレン製物品の製造方法。
【請求項2】
ポリプロピレンが2〜15重量%のメタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンのASTM D 1505に従って23℃で測定した密度が少なくとも0.920g/cm3、好ましくは少なくとも0.925g/cm3、0.927g/cm3、0.930g/cm3または0.932g/cm3である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンのASTM D 1505に従って23℃で測定した密度が最大で0.965g/cm3、好ましくは最大で0.955g/cm3、0.950g/cm3、0.945/cm3または0.940g/cm3である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの1000個の炭素原子当り10以下の短鎖分岐を有する鎖に対応する結晶化百分比が少なくとも4%、好ましくは少なくとも7%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
階段(c)の表面エネルギー増加処理がコロナ処理または火炎処理である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
階段(b)で、射出延伸ブロー成形、キャストフィルム押出成形、インフレーション成形、シート押出成形および射出成形から成る群の中から選択される方法を用いてポリプロピレン製物品を成形する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの、表面エネルギー増加処理に対するポリプロピレンのレスポンスを改善するための添加剤としての使用。
【請求項9】
メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンをポリプロピレンに対して1〜20重量%の量で加える請求項8に記載の使用。
【請求項10】
ASTM D 1505に従って23℃で測定したメタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの密度が少なくとも0.920g/cm3、好ましくは少なくとも0.925g/cm3、0.927g/cm3、0.930g/cm3または0.932g/cm3である請求項8または9に記載の使用。
【請求項11】
ASTM D 1505に従って23℃で測定したメタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの密度が最大で0.965g/cm3、好ましくは最大で0.955g/cm3、0.950g/cm3、0.945g /cm3または0.940g/cm3である請求項8〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
メタロセン触媒を使用して作ったポリエチレンの1000個の炭素原子当り10以下の短鎖分岐を有する鎖に対応する結晶化百分比が少なくとも4%、好ましくは少なくとも7%である請求項8〜111のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法で作ったポリプロピレン製物品。

【公表番号】特表2010−530460(P2010−530460A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512699(P2010−512699)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057847
【国際公開番号】WO2008/155404
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(504469606)トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ (180)
【Fターム(参考)】