説明

表面コーティングの方法に適したガラス膜およびその方法により得られた被覆製品

本発明は、酸化物の存在に特徴付けられる金属表面、とりわけステンレス鋼板をコーティングするのに使用することができる、特に二酸化チタンを含有する、高い化学安定性および高い付着力により特徴付けられるガラス無機膜に関する。本発明の第二の対象である、その方法により得られた被覆構造物は多数の製品、例えばパイプ、反応器、交換器、容器などを製造するために使用される。上記の膜でコーティングされたステンレス鋼構造物の特有なケースに関して、これらの構造物は、製品をコーティングした膜が特殊かつ非常に高い光殺菌特性を示すことから食品工業において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
Milano,v.le E.Jenner,51に本社を持つイタリア国の会社Novara Technology S.r.l.の、以下の表題:"表面コーティングの方法に適したガラス膜およびその方法により得られた被覆製品"を有する産業発明の記載。
【0002】
本発明は、酸化物を含有する金属表面、とりわけステンレス鋼板をコーティングするのに役立つ、特に二酸化チタンを含有する、高い化学安定性および高い付着力により特徴付けられるガラス無機膜に関する。本発明の第二の対象である、その方法により得られた被覆構造物は今度は多数の製品、例えばパイプ、反応器、交換器、容器などを製造するために使用される。ステンレス鋼構造物に関する限り、上で引用された膜でコーティングされた場合、有利には該構造物は、製品をコーティングした膜が特殊かつ非常に高い光殺菌特性(photobactericide properties)を示すことから食品工業において使用することができる。
【0003】
ガラスコーティングを有する材料が公知であり、それは腐食剤に対するそれらの耐性により多数の工業部門において使用されている:そのような材料は主に、鉄の支持体とその支持体に付着しているガラス層により形成された耐食性コーティングとを有する複合構造物によって作られている。例えばガラス層は、第一の層を支持体に付着させ、次いで第二の層でそれを被覆させることにより得られる:それゆえ、US特許第3.829.326号に従って、引き続き層を施与することにより腐食および熱的な変化に耐えうる製品を製造することが可能であり、その際、そのような製品は鉄の支持体で構成され、第一のコーティングおよび第二の層は今度は多数の酸化物を含有する耐火材料で構成されている。粘度成分の存在は時にガス状の気泡の形成を引き起こし、それは結果として鉄の表面コーティングの保護を脆弱にする。
【0004】
スチール表面ガラスコーティング、例えば化学、製薬または食品工業において使用されるべき装置を製造するために使用された該コーティングの損傷は、まさにその使用中にも起こりえ、またこの損傷が存続することで、スチールキャリアーの継続的な老朽化により装置が使い物にならなくなりうる。ヨーロッパ特許出願第407.027号に従って、スチール表面ガラスコーティングの損傷部分を、化学組成物をまさにその部分に施与し、引き続きゾル−ゲル法によりそれらをリン酸塩ガラスに変化させかつ加熱によりスチール表面に最終的に付着させることにより修復することが可能である。しかしながら該方法は、それが一連の連続的な施与からなるという点で非常に複雑であり、それは関連した表面の第一のコーティングを形成しなくかつ、それゆえ、それは損傷が克服された装置からなるその性質およびその使用を変えるものではない。
【0005】
ところで、二酸化チタンを含有するリン酸塩ベースのガラス膜が、それ自体、高い化学安定性および、酸化物を含有する金属表面(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、鋳鉄)およびとりわけステンレス鋼表面に対して非常に高い付着力を有するガラスコーティングを構成することを出願人は発見した。;それらの組み合わせにより、そのようなコーティングが強靱なガラス(tenacious glass)の特徴を示し、かつ多数の工業部門、主にその自らの光殺菌効果に基づき食料分野において使用することができる構造物が生まれる;その上、該コーティングは耐性を有するので、公知の装置の欠点および限界である破壊および損傷の可能性が薄い。
【0006】
それゆえ、本発明の第一の対象は、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物、元素周期系の第3族に属する元素の少なくとも1種の酸化物、少なくとも1種の三酸化二リンおよび二酸化チタン、0.1質量%を下回らない量の該二酸化チタンを有する組成物により形成された、高い化学安定性、酸化物を含有する金属表面に対して非常に高い付着力を有する無機ガラス膜である。
【0007】
本発明の目的およびコートステンレス鋼表面に関連する使用に関して、とりわけ有利には組成物は、酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、三酸化二リンおよび二酸化チタンを、有利には以下の質量割合:
5%≦NaO≦65%
20%≦Al≦70%
25%≦P≦90%
0.1%≦TiO≦15%
に従って有している。
【0008】
概して、その使用は、組成物が有利には6%〜12%の二酸化チタン割合を有する膜についてとりわけ効果的である。他の特殊かつ有利な実施態様は、微晶質、主に単結晶の状態にある、十分に分散した形の二酸化チタンの使用である:アナターゼ型結晶形は最も有利な形である。本発明の膜は、当業者に公知の方法に従って、他の成分を含有するあらかじめ得られた膜に二酸化チタンをドープしかつ、それ自体、なお通常の製造法に従って、コーティングされるべき表面にすでに付着することにより製造することができ、代替的には、関連した表面をアルカリ金属の酸化物および他の酸化物で構成された膜でコーティングしてよく、次いで、その方法により得られた層を二酸化チタン高含量膜でコーティングしてもよい。
【0009】
後に続く方法とは無関係に、被覆構造物は本発明の第二の対象および完全な部分でありかつ、全体として金属キャリアー、主にステンレス鋼キャリアー、およびガラスからなり、該ガラスは、付着および熱処理工程の最後に、当業者に公知の技術的な定義に従って強靱なガラスの特徴および特性を示し、現在まで公知かつ工業的に使用された被覆構造物に関してそれを極めて有利なものとする耐性および非破壊性に恵まれるその被覆構造物を保証する。
【0010】
上記のように、本発明に従う膜の製造、すなわち多数の構成成分の計量供給ならびに関連した支持体への混合物の付着を、その分野で使用されかつ当業者に公知の任意の技術に従って実施してもよい:例えば、US特許第4.193.808号で開示された方法を使用することができ、そこでは、関連する化合物の混合物が所望された量で製造され、それらは溶融され、かつ結果として生じる組成物は冷却されかつ乾燥され最終的に最後のか焼まで表面上の型に流される。
【0011】
そのような製造体系は例で言及されており、該体系はスチール表面にエナメル加工する方法の典型的ではない教示である。しかしながら、いわゆるゾル−ゲル法を用いることによる本発明に従って被覆構造物を製造することでより大きい利点が得られ、それにより高精度かつ際立った被覆均質性が保証される。
【0012】
ゾル−ゲル法が、適切な前駆体の混合物(いわゆる"ゾル")から出発して、単純酸化物または混合酸化物を三次元の固体の形状下でまたはキャリアー薄層として製造する化学的方法であることは公知である。ゾル−ゲル法は多数の特許文献中で開示されており、例えばUS特許第4.574.063号、第4.680.048号、第4.810.674号、第4.961.767号、第5.207.814号で開示されている。一般的に固定溶液(standing solutions)は、溶剤として、水、アルコールまたは水性アルコール混合物が使用される。前駆体は半金属の可溶塩であってよいが、ただしそれらのアルコキシ誘導体がより一般的には使用される。
【0013】
本発明に従う膜の組成物に関して、適切なリン酸ゾルを製造してよく(例えば、反応物のNaHPO、Al(i−pr.)、HPOおよびHOを使用することでNaO Alのベース組成物を有するリン酸ガラスが得られる)、ゾルを微晶質の二酸化チタンでドープしてよく、膜を関連した表面上に担持してよくかつその方法により得られた構造物を熱処理に供与してよい。
【0014】
代替的に、リン酸ゾルを関連した表面上に直接担持してもよく、かつ得られた構造物を熱処理に供与してよい;引き続き、二酸化チタンを含有する膜を担持しかつさらに熱処理を行う。
【0015】
本発明に従う被覆構造物が得られ、そのなかでコーティング膜は今度は本発明の組成物を有する。
【0016】
ゾル−ゲル法を行うための条件および処理手順は公知技術に属しており、当業者は例えば少なくとも本明細書の枠内にある公知技術を参照してよい。熱処理に関して、構造物は製造工程の最終段階に供与し、該処理は50℃〜550℃の範囲で、有利には100℃〜450℃の範囲で行う。
【0017】
他の解説的な詳細部分は以下の実施例で開示されており、そこで基本的な道筋が、最終生成物の技術機械的な特性、ならびにその光殺菌効果の必要な検査を行うために記録されている。
【0018】
関連する捜索経路にわたってなされた金属組織的、形態学的かつ機械的な分析の結果により、本発明に従う膜の意想外の特性が明らかになる。
【0019】
第一の検討は基本的な形態学的要素に関する:膜厚。当業者は、ゾル−ゲルを介して製造されたガラス膜がマイクロメートル以上の厚さにはほとんど達しないことを知っている。時々それは起こるが、しかしながらフォトタイプ(phototypes)は極端な作業条件下において、例えばイタリア国特許第1.306.214号に従って得られ、そこでは熱処理により1400℃に近い温度で担持されかつ安定化されたゾル−ゲルの場合の厚い膜が開示されている。
【0020】
他の例は、M.Manning等.、SPIE vol.1758、Sol−gel opticsII、(1992)、第125頁〜第134頁で報告されており、その際、数マイクロメートルの厚さを有する組成物の膜が開示されている。それは工業的実現性を持たない10年昔の技術である。関連する統計値に単純に従って、ゾル−ゲル法により担持されたガラス膜は厚みを得ながら不可逆的に腐食していき、このことはガラス組成物特性(the glass mass characteristics)によるものだと推測される。この点で、その硬度およびその剛性は、不十分な引張抵抗を伴い、ゾル−ゲルにより製造された任意の膜に関連する膜ゲルの高緻密化、すなわちゼラチン前駆体の高緻密化の間に得られる主に引張強度に対してそれを残存させない。それゆえ、本発明に従う膜が100マイクロメートルを超える厚さを示しかつ腐食、はく離または破壊傾向を示さないことは非常に意想外である。
【0021】
本発明のガラス膜の際立った特性状態は、完全な付着力により特徴付けられるガラス/金属インターフェースを明らかにする金属組織分析結果により確定される。微小硬度測定がそれに付け加えられ、その際、典型的な硬質かつ脆性な材料であるガラスではなく、公知のように強靱かつ延性の材料である、一般的に金属に属する可撓性の特性を示す。
【0022】
その分野における公知の特殊かつ技術的な文献の分析により、ガラス耐食性および金属引張強さ(metal tenacity)を備えた材料を得るための長い捜索経路が明らかになる:例えば、H.Scholtze in "Glass:nature、structure and Properties"、1991、Springer−Verlag、New York、Inc.を参照のこと。
【0023】
第152頁の"Metallic Glasses(金属ガラス)"の部において、金属延性およびガラス耐食性を有する"非晶質金属"の製造について開示があり、それは実質的に溶融金属、または金属合金の高速冷却(〜10k/s)により得られる。フィラメントおよび膜は、金属からの迅速な熱除去に基づく処理限界ゆえに唯一可能な形態である。幅広く関連する参考文献一覧は冒頭部で与えられる。その処理は、極端な条件下で、主に金属、なかでも金で構成された材料を使用することにより行われる。
【0024】
この枠組みに関して、本発明に従う対象に関する革新性を明らかにすることが可能である:処理は室温、またはそれより僅かに高い温度で、通常かつ単純に配合された前駆体から出発することにより行う;一度膜として担持された得られた材料はまさに形成工程において、被覆するのに適した、目的とされた付着力および耐久性の特徴を示し、粒子としての活性化合物およびまさに材料の機能的性質を付与することができる単純な形状を示す。工業的な応用、例えば適切な工業パネル、主にステンレス鋼板に対して表面の機能的性質を保証する強靱なガラス膜の使用のために非常に役立つこれらの特徴により、ガラス膜の分野における実質的な本発明の工程が支持される。
【0025】
例1および2.
構造物のいくつかをAISI 316L種の市販のステンレス鋼により、10mm×50mmの大きさおよび3mmの厚さを有する平面のキャリアーの形状下で製造した。構造物はn−ヘプタンで処理し、油性痕で構成された可能性のある作業残余物を表面から除去した。ゾルを、以下の反応物
NaHPOO 8.371g
Al(CH CH CH 7.076g
PO(85%) 15.314g
O 25.304g
を攪拌しながら実験ガラス容器中に注入することにより製造した。
【0026】
混合物を2時間にわたって攪拌し続けた:透明な溶液が得られた。適切な撹拌下で、その方法により得られた溶液に、Degussa社よりコマーシャルコードP−25の名称で販売されている微晶質の二酸化チタンを4.5gの量で添加した。
【0027】
得られた生成物は非常に澄んだ無彩色の、僅かに不透明の懸濁液であって、それは明らかに出発透明溶液より粘性があった。
【0028】
前もって製造された構造物を、前もって製造されたゾル中へ浸漬しかつ段階的に抽出し("浸漬コーティング")、かつ10分以上の有効時間にわたり350℃でオーブン中で引き続き熱処理することによりガラス膜でコーティングした。
【0029】
ゾルからの試料の抽出速度は、第一の抽出における10cm/秒、試料1、から第二の抽出における5cm/秒、試料2、に修正し異なる厚みを有する試料を得た。
【0030】
その方法により得られた試料を適切に分析し、ガラス膜とその下にある金属表面のインターフェース特性を測定した。結果は以下のようにまとめられた。
【0031】
巨視的分析:膜表面ははっきりとコンパクト面、わずかに淡く色付いた灰色を示し、かつ耐摩擦性であった。
【0032】
50倍の顕微鏡写真から、いくつもの丸みおよび明らかな多孔性を有する非常に粗い表面が明らかになる。膜2の表面は膜1の表面より薄く、これは今度はさらに粗い。
【0033】
厚さ測定:キャリアー平面の軸直角断面から、試料1における100マイクロメートルの膜平均厚さ、および試料2における55マイクロメートルの膜平均厚さが明らかになる。
【0034】
金属組織分析:金属キャリアーに対する膜の非常に高い付着力は、500倍までに拡大した上で両方の試料の????部???顕微鏡写真により示されるように(図1/2)、金属支持体の全表面の欠陥と膜の底面との、対称的に逆さにした完全な対応により明らかになった。
【0035】
微小硬度測定
微小硬度HV0.05
試料 測定1 測定2
1 327 328
2 350 345
例3.
直前の例の配合および処理に従って、直前の例において使用されたものと非常に似たAISI 316Lのステンレス鋼構造物上の"透明溶液"のみから得られたゾルで、微晶質チタンに任意に依存しないで製造した。
【0036】
コンパクトな外観、灰色、良好な耐摩擦性を有する、得られた膜は10分以上の有効時間にわたり350℃でオーブン中で熱処理に供与した。
【0037】
Si/Tiモル比が50:50である膜ゾルの製造のために以下の処理に従って二酸化チタンを含有するゾルを別に製造した。
【0038】
ケイ素アルコキシドとチタンアルコキシドとの異なる加水分解速度ならびに関連する最適条件に基づき、上記の2種のアルコキシドを別々に加水分解することは都合がよかった。それゆえ2種のゾルを、一方はチタンテトライソプロピレートTi[OCH(CHによりかつ他方はメチルトリエトキシシリケート[MTEOS]により製造した;引き続きそれらを一緒に混合した。
【0039】
チタンゾルを有する部分の組成物
化合物 質量(g)
Ti[OCH(CH 12.78
アセチルアセトン 9.54
アセトン 20.82
5.17NHCl 2.7
チタンゾルを有する部分の製造
製造において段階的にTi[OCH(CHを、錯化剤として作用するアセチルアセトン中に注入した。突然発熱しかつ赤に色付いた溶液を、電磁攪拌機で数分間混合し次いで冷却した。室温でアセトンを添加し、全体を数分間混合し、次いでHClも添加し、かつ全体を再び数分間混合した。次いでゾルを静止させたままにし、一方でケイ素部分を製造した。
【0040】
ケイ素を有する部分の組成物
化合物 質量(g)
SiCH(OCH)(MTEOS) 8.02
アセトン 2.61
1NHCl 1.46
ケイ素を有する部分の製造
製造においてMTEOSをまずアセトンに添加しかつ電磁攪拌機で数分間混合した;次いでHClを段階的に攪拌しながら添加した。溶液を約1分間攪拌し続け、その際、光を伴う発熱(light heating)は生じた加水分解を示していた。その段階でゾルを直接、前もって製造されたチタンゾルに添加した;全体をなお数分間攪拌し続けた。
【0041】
二酸化チタンを含有するゾルを、前もってコーティングされた構造物上の膜に担持するために使用した。担持法はまた、含浸およびキャリアーのゾルからの段階的な抽出(浸漬コーティング)により行った。得られた生成物は、少なくとも10分の有効時間のあいだ350℃で空気中で熱的に処理した。
【0042】
その方法により得られた試料は、前記の例において製造された試料の同様の分析に供与した。
【0043】
結果は以下のようにまとめられた。
【0044】
巨視的分析:膜表面ははっきりと未完成の外観を示していたが、ただしコンパクト、前記の例のものよりはっきりとした灰色、良好な耐摩擦性を示した。50倍の顕微鏡写真から、比較的幅広い空洞および多孔性の見掛けの存在が明らかになる。
【0045】
厚さ測定:キャリアー表面の軸直角断面から、30マイクロメートルの平均厚さ(試料3)が明らかになる。
【0046】
金属組織分析:例1および2の試料におけるような金属キャリアーに対するフィルムの非常に高い付着力。
【0047】
微小硬度測定
微小硬度HV0.05
試料 測定1 測定2
3 301 315
AISI 316L鋼 330 358
例4
直径4mmおよび高さ18mmを有する円柱形状のAISI 316Lステンレス鋼構造物の試料を、例1の試料1の同じ処理手順によりガラス膜でコーティングした。1a、1b、1c、1d、1e、1fと同定される多数の6種の試料を製造した。
【0048】
上で言及した金属構造物の試料を、例3の試料3の同じ処理手順によりガラス膜でコーティングした。3a、3b、3c、3d、3e、3fと同定される多数の6種の試料を製造した。
【0049】
上で言及した金属構造物の試料を、調節しながら(TiOを任意に添加していない)"透明ゾル"のみで作ったガラス膜でコーティングした。4a、4b、4c、4d、4e、4fと同定される多数の6種の試料を製造した。
【0050】
上で言及した3つの系は、TiOを含有する試料の光殺菌活性を明らかにするために、Novara市にあるオリエンタル・ピエモンテ大学"Amedeo Avogadro" 、内科および外科局(Medicine and Surgery Department)により処理された。実験試料の光殺菌活性は大腸菌培養により測定した。最初の予備実験の間、適切に光で条件付けられたそれぞれの系の3つの試料を、相応するそれらの条件付けられなかったものに組み付けた。予備結果から、例1に従う微晶質のかつ例3に従う本来分子の両方のTiOを含有するコーティングの高い光殺菌効果が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い化学安定性および、酸化物を含有する金属表面に対して非常に高い付着力を有する無機ガラス膜であって、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物、元素周期系の第3族に属する元素の少なくとも1種の酸化物、少なくとも1種の三酸化二リンと、0.1質量%を下回らない量の二酸化チタンとを有する組成物により形成された、高い化学安定性および、酸化物を含有する金属表面に対して非常に高い付着力を有する無機ガラス膜。
【請求項2】
二酸化チタンが微晶質であり、十分に分散しており、かつアナターゼ型結晶形である、請求項1記載の無機ガラス膜。
【請求項3】
形成する組成物が、記録された質量濃度範囲で以下の構成成分
5%≦NaO≦65%
20%≦Al≦70%
25%≦P≦90%
0.1%≦TiO≦15%
を含有する、請求項1記載の無機ガラス膜。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項記載の膜でコーティングされた金属構造物。
【請求項5】
金属支持体がステンレス鋼で作られていることを特徴とする、請求項4記載の被覆金属構造物。
【請求項6】
コーティング膜が強靱な物体の外観および特性を示す、請求項5記載の被覆金属構造物。

【公表番号】特表2008−503429(P2008−503429A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516979(P2007−516979)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006869
【国際公開番号】WO2006/002648
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(501094502)デグサ ノヴァラ テクノロジー ソチエタ ペル アツィオーニ (15)
【氏名又は名称原語表記】Degussa Novara Technology S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Pisacane 7/B, I−20016 Pero (MI), Italy
【Fターム(参考)】