説明

表面保護フィルム

【課題】被着体に対する適度の仮着接着力を有し、かつ接着昂進の少ない表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物からなる共重合体に水素を添加してなる特定された水添共重合体(1)及びビニル芳香族化合物からなるブロックXと共役ジエン化合物からなるブロックYからなり,少なくとも一つの末端がブロックYであるブロック共重合体で、共役ジエンの二重結合の70%以上が水素添加された水添ブロック共重合体(2)を含有する粘着剤用組成物が、熱可塑性樹脂からなる基材に積層されてなることを特徴とする表面保護フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面保護フィルムに関し、更に詳しくは、合成樹脂板、金属板、化粧合板、被覆塗装鋼板、各種銘板等の被着体に仮着されて、これらの板表面の塵埃の付着や傷付きを防止するために用いられる表面保護フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂板、金属板、化粧合板、被覆塗装鋼板、各種銘板等の表面に仮着し、これら被着体の加工時や搬送、保管時の傷防止や汚れ防止のために、可塑化塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂からなる基材フィルムの一面に粘着層が設けられてなる表面保護フィルムが汎用されるようになってきている。上記表面保護フィルムは、上記被着体の加工時や搬送、保管時には上記被着体に密着しており、不要となったならば、上記被着体の表面に粘着層の一部を残すことなく容易に剥離することのできる適度の粘着性が要求される。
このような表面保護フィルムとして、スチレン1〜50重量%とジエン系炭化水素99〜50重量%からなるランダム共重合体の水素添加物60重量%以上及びポリオレフィン40重量%以下の組成からなる(A)層(粘着層)と、スチレン1〜50重量%とジエン系炭化水素99〜50重量%からなるランダム共重合体の水素添加物60重量%未満及びポリオレフィン40重量%を超える組成からなる(B)層(支持層)とを積層してなる表面保護フィルムが開示されている。
【0003】
しかしながら表面保護フィルムの粘着層は、被着体に仮着した後の接着昂進によって、剥離除去する際に、毟り取られて該被着体表面に一部粘着層が残る所謂糊残りを起こし易く、又、糊残りという程でもないが、スリップスティックと呼称される強い剥離抵抗と弱い剥離抵抗が繰り返す剥離抵抗のムラが生じ、表面保護フィルムの剥離が断続的になって、強い剥離抵抗と弱い剥離抵抗の境界線に対応する極めて薄い粘着層の縞模様を被着体表面に残すために被着体の商品価値を低下ないしは無くしてしまう等の問題点を有するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−241960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、被着体に対する適度の仮着接着力を有し、且つ、接着昂進の少ない表面保護フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明者らは検討を重ねてきた。その結果、熱可塑性樹脂からなる基材に、
1)下記(a)〜(b)を満たす共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物からなる共重合体に水素を添加してなる水添共重合体(1)及びビニル芳香族化合物からなるブロックXと共役ジエン化合物からなるブロックYからなり,少なくとも一つの末端がブロックYであるブロック共重合体で、共役ジエンの二重結合の70%以上が水素添加された水添ブロック共重合体(2)を含有する粘着剤用組成物が、熱可塑性樹脂からなる基材に積層されてなることを特徴とする表面保護フィルム、
(a)成分(1)のビニル芳香族化合物の含有量が50重量%を越え、90重量%以下。
(b)成分(1)のビニル芳香族化合物重合体ブロックの割合が40重量%以下。
(c)成分(1)の重量平均分子量が1万〜30万。
(d)成分(1)の共役ジエン化合物に基づく二重結合の70%以上が水添されている。
(e)成分(1)に関して得られた粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが−20〜80℃に少なくとも1つ存在する。
2)成分(1)と成分(2)が、(1):(2)=80:20〜20:80の質量比で含有される粘着剤用組成物が積層されてなることを特徴とする上記1に記載の表面保護フィルム、
である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の表面保護フィルムは、以上のように構成されているので、被着体に対して適度の初期粘着性を有すると共に、厳しい加熱環境下に置かれた場合でも、接着昂進が抑制され、被着体から表面保護フィルムを容易に剥離することができ、且つ、被着体表面を糊残りや曇り等によって汚染することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の粘着剤層に用いられる粘着剤は水添共重合体(1)およびブロック共重合体(2)からなる。
本発明の水添共重合体(1)は、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物からなる共重合体の水素添加物である。
本発明において、水添共重合体(1)中のビニル芳香族化合物の含有量は50重量%を越え、90重量%以下、好ましくは60重量%を越え、88重量%以下、更に好ましくは62〜86重量%である。ビニル芳香族化合物の含有量が本発明で規定する範囲のものを使用することは、被着体に対する適度な仮着接着力の制御と接着昂進の抑制のために必要である。なお本発明において、水添共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量は、水素添加前の共重合体中のビニル芳香族化合物含有量で把握しても良い。
【0008】
本発明で使用する水添共重合体(1)において、該共重合体中のビニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量は、得られる保護フィルムの仮接着力の点で、40重量%以下、好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは5〜35重量%である。本発明の保護フィルムを得る上で、水添共重合体として耐ブロッキング性に優れた物が好ましい場合、ビニル芳香族化合物のブロック率(共重合体中の全ビニル芳香族化合物量に対するビニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量の割合をビニル芳香族化合物のブロック率という)は10〜60%、好ましくは13〜50%、更に好ましくは15〜40%であることが推奨される。
【0009】
本発明で使用する水添共重合体(1)の重量平均分子量は1〜30万、好ましくは3〜20万、更に好ましくは7〜15万である。重量平均分子量が1万未満の場合は機械的強度や耐熱性に劣り、また30万を超える場合は成形加工性に劣るため好ましくない。
本発明において、水添共重合体の分子量分布は、分子量分布は10以下、一般に1.05〜8、好ましくは1.1〜5であるが、成形加工性を重視する場合1.3〜5、好ましくは1.5〜5、より好ましくは1.6〜4.5、更に好ましくは1.8〜4であることが推奨される。
本発明で使用する水添共重合体(1)は共役ジエンとビニル芳香族化合物からなる共重合体の水素添加物であり、耐候性や熱安定性の点で、共重合体中の共役ジエンに基づく二重結合の70%以上、好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上が水添されている。なお、水添共重合体におけるビニル芳香族炭化水素に基づく芳香族二重結合の水添率については特に制限はないが、水添率を50%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。
【0010】
本発明の水添共重合体(1)は、該水添共重合体に関して得られた粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが−20〜80℃、好ましくは−10〜80℃、更に好ましくは0〜70℃、とりわけ好ましくは5〜50℃に少なくとも1つ存在する。本発明で規定する−20〜80℃の温度範囲に存在するtanδのピークは、水添共重合体の重合体鎖中における共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体の水添重合体ブロックに起因するピークである。この水添重合体ブロックに起因するピークの存在が−20℃〜80℃の範囲に少なくとも1つ存在することは、接着昂進の抑制のために必要である。
本発明において、水添共重合体(1)の構造は特に制限はなく、いかなる構造のものでも使用できるが、特に推奨されるものは、下記の一般式から選ばれる少なくとも一つの構造を有する共重合体の水素添加物である。本発明で使用する水添共重合体は、下記一般式で表される構造を有する共重合体の水素添加物からなる任意の混合物でもよい。また、水添共重合体にビニル芳香族化合物重合体が混合されていても良い。
【0011】
S、(H−S)、H−(S−H)、S−(H−S)、[(S−H)]−X、
[(H−S)]−X、[(S−H)−S]−X、[(H−S)−H]−X、
(S−H)−X−(H)p、(E−S)、E−(S−E)、S−(E−S)
[(E−S)]−X、[(S−E)−S]−X、[(E−S)−E]−X、
E−(S−H)、E−(H−S)、E−(H−S−H)
E−(S−H−S)、H−E−(S−H)、H−E−(H−S)
H−E−(S−H)−S、 [(H−S−E)]−X、
[H−(S−E)]−X、[(H−S)−E]−X、
[(H−S−H)−E]−X、[(S−H−S)−E]−X、
[(E−S−H)]−X、[E−(S−H)−X、
[E−(H−S−H)]−X、[E−(S−H−S)−X、
(ここで、Hはビニル芳香族化合物重合体ブロックであり、Sは共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又は共役ジエンとビニル芳香族化合物とのランダム共重合体ブロック、Eは共役ジエン重合体ブロックである。各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。mは2以上の整数、好ましくは2〜10の整数であり、n及びpは1以上の整数、好ましくは1〜10の整数である。Xはカップリング剤の残基又は多官能開始剤残基、或いは後述する変性剤の残基を示す。一般式において、ランダム共重合体又はランダム共重合体ブロックS中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。また該共重合体又は該共重合体ブロックSには、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。またランダム共重合体又はランダム共重合体ブロックSには、ビニル芳香族炭化水素含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックH、ブロックSがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は同一でも、異なっていても良い。また、Xに結合しているポリマー鎖の構造は同一でも、異なっていても良い。)
【0012】
本発明において、ビニル芳香族化合物の含有量は、紫外分光光度計,赤外分光光度計や核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。また,ビニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量の測定は、例えば四酸化オスミウムを触媒として水素添加前の共重合体をターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分の重量(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を用いて、次の式から求めることができる。
【0013】
ビニル芳香族炭化水素のブロック重量(重量%)=(水素添加前の共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロック重量/水素添加前の共重合体の重量)×100
さらに、水素添加前の共重合体中の共役ジエンに基づくビニル結合含量は、赤外分光光度計(例えば、ハンプトン法)を用いて、また水添後の水添共重合体中の共役ジエンに基づくビニル結合含量は核磁気共鳴装置(NMR)を用いて知ることができる。また,水添共重合体の水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて知ることができる。また、本発明において、水添共重合体の分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。水添共重合体の分子量分布は、同様にGPCによる測定から求めることができ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)である。
【0014】
本発明において共役ジエンは1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3ーブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。また、ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等があげられ、これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0015】
本発明において、水素添加前の共重合体は、例えば、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の開始剤を用いてアニオンリビング重合により得られる。炭化水素溶媒としては、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭化水素類、また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素である。
【0016】
また、開始剤としては、一般的に共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物に対しアニオン重合活性があることが知られている脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等が含まれ、アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等である。好適な有機アルカリ金属化合物としては、炭素数1から20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が含まれる。具体的にはn−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンの反応生成物等があげられる。更に、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機アルカリ金属化合物も使用することができる。
【0017】
本発明において有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を共重合する際に、重合体に組み込まれる共役ジエン化合物に起因するビニル結合(1,2または3,4結合)の含有量の調整や共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合性を調整するために、調整剤として第3級アミン化合物またはエーテル化合物を添加することができる。
本発明において有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物を共重合する方法は、バッチ重合であっても連続重合であっても、或いはそれらの組み合わせであってもよい。特に分子量分布比較的広い範囲に調整する場合、連続重合方法が推奨される。重合温度は、一般に0℃乃至180℃、好ましくは30℃乃至150℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好適には0.1乃至10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないように留意する必要がある。
【0018】
本発明において、前記重合終了時に2官能以上のカップリング剤を必要量添加してカップリング反応を行うことができる。カップリング剤としては公知のものいずれでも良く、特に限定されない。例えば、カルボン酸エステル類、2価以上の多価エポキシ化合物、一般式R4−nSiXn(ただし、Rは炭素数1から20の炭化水素基、Xはハロゲン、nは2から4の整数を示す)で示されるハロゲン化珪素化合物が挙げられる。炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等も使用できる。
【0019】
本発明において、共重合体として重合体の少なくとも1つの重合体鎖末端に官能基含有原子団が結合した変性水添共重合体を使用することができる。官能基含有原子団としては、例えば水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。変性水添共重合体は、共重合体の重合終了時にこれらの官能基含有原子団を有する変性剤又はこれらの官能基含有原子団を形成する変性剤を反応させ、その後水素添加反応を行うことにより得られる。変性剤としては、具体的には、特公平4−39495号公報(米国特許第5,115,035号に対応)や特開平2002−201333号公報に記載された変性剤を使用できる。
【0020】
具体的な変性剤としては,テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ε−カプロラクトン、4−メトキシベンゾフェノン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
変性共重合体を得る他の方法として、リビング末端を有さない共重合体に有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、有機アルカリ金属が付加した共重合体に変性剤を付加反応させる方法が上げられる。後者の場合、共重合体の水添物を得た後にメタレーション反応させ、上記の変性剤を反応させて変性水添共重合体を得ることもできる。
【0021】
変性剤は、一般に共重合体の重合に使用した開始剤1当量あたり変性剤の官能基として0.3〜3当量、好ましくは0.5〜2当量となる添加量で使用するのが適当である。なお、変性剤の種類により、変性剤を反応させた段階で一般に水酸基やアミノ基等は有機金属塩となっていることもあるが、その場合には水やアルコール等活性水素を有する化合物で処理することにより、水酸基やアミノ基等にすることができる。
上記で得られた共重合体を水素添加することにより、本発明で使用する水添共重合体が得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物および/または還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。
【0022】
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等があげられる。
本発明において、水添反応は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1から15MPa、好ましくは0.2から10MPa、更に好ましくは0.3から5MPaが推奨される。また、水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
【0023】
上記のようにして得られた水添共重合体の溶液は、必要に応じて触媒残査を除去し、水添共重合体を溶液から分離することができる。溶媒の分離の方法としては、例えば水添後の反応液にアセトンまたはアルコール等の水添共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、または直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。尚、本発明の水添共重合体には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
【0024】
本発明において、変性水添共重合体として好ましいものは、水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している変性水添共重合体である。なお、カルボキシル基や酸無水物基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している変性水添共重合体は、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している変性水添共重合体に、酸無水物基を有する化合物、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、シス−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキシテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物などの二次変性剤を反応させて得る方法が推奨される。
【0025】
本発明で使用する水添共重合体は、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えばその無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物でグラフト変性されていても良い。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、アクリル酸又はそのエステル、メタアクリル酸又はそのエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加量は、水添共重合体100重量部当たり、一般に0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0026】
本発明においては、グラフト変性する場合の反応温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜280℃である。グラフト変性する方法の詳細については、例えば、特開昭62−79211号公報を参照できる。
次に、本発明の水添ブロック共重合体(2)は、ビニル芳香族化合物と共役ジエンからなる水添ブロック共重合体である。
水添ブロック共重合体のブロック共重合体(2)の重量平均分子量は、非着体への糊残りの問題から5千以上、溶融混練性の観点から10万以下であり、好ましくは1万〜8万、更に好ましくは1万〜5万である。
【0027】
本発明で使用するビニル芳香族化合物と共役ジエンからなる水添ブロック共重合体(2)の構造は、ビニル芳香族化合物を主とする重合体ブロックXを少なくとも1個、共役ジエンを主とする重合体ブロックYを少なくとも1個有し、少なくとも一方の末端が共役ジエンを主とする重合体ブロックXからなる水添ブロック共重合体である。
水添ブロック共重合体(2)のビニル芳香族化合物含有量は、凝集力と接着力のバランス点で、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは13〜35重量%である。
本発明の水添ブロック共重合体(2)は加工時の耐熱性や使用時の耐候性の観点から、共役ジエンの二重結合の70%以上が水素添加されており、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
【0028】
上記水添ブロック共重合体(2)の添加量は被着体に対する粘着力の観点から20重量%以上、剥離時に糊残りを生ずるおそれから80重量%以下、好ましくは40〜80重量%である。
本発明の粘着剤層は、水添共重合体(1)と水添ブロック共重合体(2)を含有する粘着剤組成物からなるが、その他の成分として以下の物質を使用することができる。特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。尚、上記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレンとそれぞれ共重合可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0029】
上記基材に用いられる熱可塑性樹脂には、必要に応じて、タルク、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム等の充填剤や滑剤、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機中空粒子からなる補強剤、有機高分子微小球、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定化剤等が添加されてもよい。
上記熱可塑性樹脂からなる基材と粘着剤層を積層する手段は、特に限定されるものではないが、例えば、上記熱可塑性樹脂からなる基材層及び水添共重合体と水添ブロック共重合体からなる粘着剤層を、Tダイ法もしくはインフレーション法等の多層押出機を用いて上記2層を積層一体化して押出す多層押出法、上記熱可塑性樹脂からなる基材を押出機等の成形手段を用いて成形した後、上記粘着剤層を押出ラミネート法、熱ラミネート法等の適宜ラミネート手段を用いて積層一体化するラミネート法等が挙げられる。
【0030】
上記積層される基材層及び粘着剤層の厚さは、得られる表面保護フィルムの用途に応じて適宜設定されるが、通常、基材層は10〜100μm、粘着剤層は3〜50μm程度に設定される。
本発明の表面保護フィルムは、叙上の如く構成されているので、被着体に対して適度の初期粘着性を有すると共に、加熱環境下に置かれた場合でも、接着昂進が抑制され、被着体から表面保護フィルムを容易に剥離することができ、且つ、被着体表面を糊残りや曇り等によって汚染することがない。本発明の表面保護フィルムは、叙上の構成からなるものであるので、共押出による製造が極めて容易であり、このようにして製造された表面保護フィルムは、特に、基材層と粘着剤層が、上記粘着剤組成物特有の極性による化学的な結合の他に、物理的なアンカー効果が加味して強固に一体化されているので、上記両層が厳しい使用条件にあっても剥離することがなく、糊残りや曇り等によって汚染することがない。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、重合体の特性や物性の測定は、次のようにして行った。
A.重合体の特性及び物性
1)スチレン含有量
紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
2)ポリスチレンブロック含量
水添前の重合体を用い、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法で測定した。
3)ビニル結合量及び水添率
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
4)分子量及び分子量分布
GPC〔装置は、ウォーターズ製〕で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
5)tanδ(損失正接)のピーク温度
粘弾性測定解析装置((株)レオロジ社製 型式DVE−V4を使用)を用い、粘弾性スペクトルを測定して求めた。測定周波数は,10Hzである。
【0032】
B.水添触媒の調製
水添反応に用いた水添触媒Iは、下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
【0033】
C.水添共重合体(1)の調製
内容積が10リットルの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を2基使用し、まず非水添共重合体の連続重合を以下の方法で行った。
ブタジエン濃度が24重量%のシクロヘキサン溶液を4.51リットル/hr、スチレン濃度が24重量%のシクロヘキサン溶液を5.97リットル/hr、モノマー(ブタジエンとスチレン合計)100重量部に対するn−ブチルリチウムの量が0.077重量部となるような濃度に調整したn−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液を2.0リットル/hrで1基目の反応器の底部にそれぞれ供給し、更にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの量がn−ブチルリチウム1モルに対して0.44モルとなる供給速度でN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのシクロヘキサン溶液を供給し、90℃で連続重合した。反応温度はジャケット温度で調整し、反応器の底部付近の温度は約88℃、反応器の上部付近の温度は約90℃であった。重合反応器における平均滞留時間は約45分であり、ブタジエンの転化率は、ほぼ100%、スチレンの転化率は99%であった。
【0034】
1基目から出たポリマー溶液を2基目の底部へ供給し、それと同時に、スチレン濃度が24重量%のシクロヘキサン溶液を2.38リットル/hrの供給速度で2基目の底部に供給し、90℃で連続重合して共重合体(非水添共重合体)を得た。2基目の出口におけるスチレンの転化率は98%であった。
連続重合で得られた非水添共重合体を分析したところ、スチレン含有量は67重量%、ポリスチレンブロック含有量が20重量%、ブタジエン部のビニル結合量は14重量%、重量平均分子量は20万、分子量分布は1.9であった。
次に、連続重合で得られた非水添共重合体に、上記水添触媒Iを非水添共重合体100重量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。反応終了後にメタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100重量部に対して0.3重量部添加し、水添共重合体(ポリマー1)を得た。
ポリマー1の水添率は99%であった。また,粘弾性測定の結果,tanδのピ−クは10℃に存在した。
【0035】
D.水添ブロック共重合体(2)の調製
攪拌機およびジャケット付き内容量5lのオートクレーブを50℃に保ちながら,予め精製したスチレン100gとシクロヘキサン1000gを供給した。次いでブチルリチウムのヘキサン溶液をブチルリチウム換算で0.5g供給し,重合反応を開始させた。触媒を添加してから1時間後に,予め精製,乾燥したブタジエン700gとシクロヘキサン1000gを添加して50℃で重合し,1時間後,スチレン100gとシクロヘキサン1000gを添加し,1時間重合を行い、さらにブタジエン100gとシクロヘキサン500gを添加して1時間重合を行った。重合反応において,ポリブタジエンブロック部の1,2結合量の調整剤として,テトラメチルエチレンジアミンを用いた。
得られたブロック共重合体溶液をシクロヘキサンで5重量%に希釈し、このブロック共重合体溶液に触媒としてオクテン酸ニッケルのヘキサン溶液をニッケルに換算して1.175g,およびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液をトリエチルアルミニウムに換算して6.85g添加し,水素加圧下に50℃で約6時間反応した。得られた水素添加ブロック共重合体溶液を塩酸水溶液で3回洗浄した。このように水洗処理した水素添加共重合体溶液を過剰のメタノールを用いて水素添加共重合体を沈澱させ,沈殿物を減圧乾燥した。得られた水添ブロック共重合体(2)のスチレン含量は20%であり,ポリブタジエンブロックの1,2結合量は41%であり,水添率は97%であった。
【0036】
(実施例1〜3、比較例1〜2)
基材層を構成するポリエチレン(三井石油化学社製、商品名「ミラソン12」、MFR=3.0g/10分・190℃)を厚さ40μm及び粘着剤層を構成する上記水添共重合体(1)及び水添ブロック共重合体(2)を表1に示す混合量で配合し、厚さ20μmとなるように各々の押出機に供給し、インフレーション方式共押出法によって両層を一体化して共押出し、表面保護フィルムを作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた表面保護フィルムの性能を評価するため、初期粘着力、経時粘着力、被着体汚染度及び層間強度を以下に示す方法で測定した。測定結果は、表1に示す。
【0037】
1.初期粘着力:得られた表面保護フィルムを幅25mmに裁断し、これを厚さ1mmのポリカーボネート板(三菱瓦斯化学社製、商品名「ユーピロンNF2000」)表面に2kgの圧着ローラーを用いて300mm/分の速度で貼付して試験片を作成し、30分測定環境に放置した後、JIS Z0237に準拠し、23℃×65%RHにおいて、180度引きはがし粘着力を測定し、これを初期粘着力とした。
2.経時粘着力(1):前項の試験で用いたと同じ試験片を、ギアーオーブン内で70℃×30分間加熱して劣化促進し、30分測定環境に放置した後、JIS Z0237に準拠し、23℃×65%RHにおいて、180度引きはがし粘着力を測定し、これを経時粘着力(1)とした。
3.経時粘着力(2):劣化促進条件を90℃×30分間としたこと以外は経時粘着力(1)と同様にして、経時粘着力(2)を測定した。
4.被着体汚染度:第1項の初期粘着力測定時に被着体として用いたポリカーボネート板被着面の汚染の有無を目視により観察し、その結果を、○:無、×:有、で表記した。
5.層間強度:第1項の初期粘着力測定時に、被着体から引きはがされた表面保護フィルムの基材層と粘着剤層の界面における層間剥離の有無を目視により観察し、層間強度を評価した。評価は、○:無、×:有、で行った。
【0038】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の表面保護フィルムは、叙上の如く構成されているので、被着体に対して適度の初期粘着性を有すると共に、厳しい加熱環境下に置かれた場合でも、接着昂進が抑制され、被着体から表面保護フィルムを容易に剥離することができ、且つ、被着体表面を糊残りや曇り等によって汚染することがない。合成樹脂板、金属板、化粧合板、被覆塗装鋼板、各種銘板等の表面に仮着し、これら被着体の加工時や搬送、保管時の傷防止や汚れ防止のために利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(b)を満たす共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物からなる共重合体に水素を添加してなる水添共重合体(1)及びビニル芳香族化合物からなるブロックXと共役ジエン化合物からなるブロックYからなり,少なくとも一つの末端がブロックYであるブロック共重合体で、共役ジエンの二重結合の70%以上が水素添加された水添ブロック共重合体(2)を含有する粘着剤用組成物が、熱可塑性樹脂からなる基材に積層されてなることを特徴とする表面保護フィルム。
(a)成分(1)のビニル芳香族化合物の含有量が50重量%を越え、90重量%以下。
(b)成分(1)のビニル芳香族化合物重合体ブロックの割合が40重量%以下。
(c)成分(1)の重量平均分子量が1万〜30万。
(d)成分(1)の共役ジエン化合物に基づく二重結合の70%以上が水添されている。
(e)成分(1)に関して得られた粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが−20〜80℃に少なくとも1つ存在する。
【請求項2】
成分(1)と成分(2)が、(1):(2)=80:20〜20:80の質量比で含有(する)される粘着剤用組成物が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。

【公開番号】特開2006−1092(P2006−1092A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178499(P2004−178499)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】