説明

表面冷却用の装置及び方法

本開示の実施態様は、組織のターゲット領域上の空間を取囲むように構成されたハウジングと、取囲まれた空間から気体を引抜く、少なくとも1つのアウトレット構造(例えば、ダクト)と、気体が取囲まれた空間に入込むようにする、少なくとも1つのインレット構造(例えば、ダクト)とを含む、組織表面を冷却する方法と装置を提供する。このようにして、ターゲット領域上に気体流が供給されて、ターゲット領域が対流によって冷却される。ターゲット領域上に流体流を供給して、さらに気化によって冷却することができる。ハウジングの1つを通して電磁エネルギーをターゲット領域上に向けることができ、組織と相互作用して生成された破片を取囲まれた空間内に安全に収容して、アウトレット・ダクトを通して取除くことができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に関する相互参照】
【0001】
本出願は、2008年3月27日に提出された米国仮特許出願第61/040,053号に関する優先権を主張し、その全内容をここに引用補充するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、生体組織表面などの表面領域の冷却に関し、特に、このような冷却をし易くする方法と装置に関する。
【背景技術】
【0003】
加齢によって、日光を浴びることで、皮膚病、遺伝、外傷等によって誘発されることがある皮膚欠陥回復の需要が増加している。例えば、いくつかの処理技術は電磁輻射を使用して皮膚に熱、及び/又は、損傷を発生する。これらは、結果的には、損傷した皮膚の回復又はその他望ましい効果に導く外傷回復反応を起こす。例えば、レーザー、強力なパルス光源(IPL)、フラッシュ・ランプ、又は、その他これらに類するもので供給される電磁輻射はまた、脱毛にも使用することができる。
【0004】
皮膚組織処置に電磁輻射を適用することによって、処置を受けている患者が感じるひどい苦痛を含む、所望しない副作用を度々起こすことがある。ひどい苦痛は、処置中及び/又は処置前の皮膚組織の領域を冷却するによって低減することができる。皮膚組織の冷却によって、レーザー切除中における熱の影響を受ける領域に対する切除の深さの比率を増加させることもできる。例えば、組織を冷却することによって、その面に沿った隣接領域の熱損傷を低減しながら、切除レーザーを使用してより深い組織に照準を合わせ易くすることができる。
【0005】
皮膚組織冷却技術は、様々な物理的機構に用いて実装できる。例えば、伝導性冷却は、冷たい物体を皮膚組織の表面に接触させることで実現できる。しかしながら、伝導性冷却は、組織時照射中の電磁輻射を妨害してしまう。この課題を回避するため、照射中の特定の電磁輻射を十分に吸収も反射もしてしまうことがない材料から、冷たい物体を形成することができる。この要件によって皮膚組織を冷却する材料の選択が制限されてしまい、このような材料は、効果的に冷却するために十分な熱容量を持っていないことがあることに留意すべきである。したがって、伝導性冷却は、皮膚組織への電磁輻射に先だって、皮膚組織のターゲット領域に施すことができるものであって、このような処置中に皮膚を冷却するのに適したものではない。
【0006】
対流性冷却もまた、流体(例えば、気体)をターゲット領域上に向けることによって、皮膚組織のターゲット領域を冷却することができる。組織表面に対する流体の移動によって、組織と流体との間の熱伝道効果係数を増大させて、組織冷却速度を加速することができる。オプションで、流体を冷却して冷却を促進することもできる。このような流れる流体によって、電磁輻射が比較的抵抗無く通過し易くなるようにして、皮膚組織処置中に対流性冷却を効果的に使用することができる。対流性冷却をするように構成された装置は、連続的に流れる気体を冷却するために大きな冷却構造を必要とするので、非常に嵩張り、及び/又は、操作しにくいものとなる。
【0007】
対流性冷却は、気化冷却と共に使用することができ、冷却された表面からの気体の気化は、流体(例えば、気体)を移動させることによって加速される。表面液体が蒸発してさらに表面を冷却するとき、蒸発のエンタルピーを解放する。このような液体は、汗など、自然界に存在しているが、これと共に又はこれに替えて、冷却された皮膚に適用することができる。冷却速度を向上させるために、速乾性のアルコール等のその他の液体を冷却中の皮膚に塗布することもできる。冷却中の表面上の液体の蒸発を起こし、及び/又は、維持することによって、気化冷却の使用を制限することができる。
【0008】
皮膚組織を冷却するために使用できる他の従来技術は、冷却されるべき表面に向けられた冷たい蒸気である低温スプレーを使用したものである。従来の低温スプレーは、コンテナ中で高圧下に維持された液相の低温物質を含んでいる。低温物質は常圧下(例えば、大気圧下)では気相である。低温物質がコンテナから、バルブあるいはノズルなどから制御されて解放されるとき、コンテナ内よりも低い圧力下において膨張して気化して、ジュール−トンプソン効果によって効果的に冷却することができるが。このような低温スプレーは、冷却されるべき表面に向かって冷たい蒸気の流れを提供することができる。膨張した気体は非常に冷たくなることができるので、低温スプレー技術は、冷たい蒸気の短期バーストを連続して生成して目的物を冷却するために使用することができる。しかしながら、低温スプレーを使用して、適度にかつ連続的に冷却し続けることは困難である。例えば、非常に長い時間、冷たい低温スプレーに晒されていると、皮膚組織の複数の部分が冷凍されてしまう。
【0009】
例えば、あるタイプのレーザーを使用して、組織を切除するために、電磁輻射を皮膚組織に向けることができる。切除は、一般に、組織の構成部分を蒸発させることによって、電磁輻射に晒されている組織の一部を取除くものである。レーザー切除処置過程は、取除かれた組織からの破片を含む羽毛状のものを形成することができる。例えば、伝導性冷却物質などの切除中の組織のターゲット領域上に置かれた物体は、すべてのあるいは一部の羽毛状のものが処置中の組織から解放されることを邪魔する。これにより、ターゲット領域に、破片の危険な堆積と熱の危険な蓄積を起こしてしまう。
【0010】
組織切除中に形成される羽毛状のものは、所望しない効果を引起してしまうことがある。例えば、羽毛状のものは、レーザーによって放射される電磁輻射ビームと干渉して、そのビームの部分的な反射、吸収、及び/又は、拡散を引起してしまう。また、破片それ自身は健康ハザードを誘発してしまう。例えば、切除された破片は、汚染物質(例えば、ウィルス、あるいはバクテリア)を含むことがあって、そのような破片が入り込んでしまう可能性があり、このような状況は有害なものである。
【0011】
したがって、蒸気の少なくともいくつかの欠点に着目して解決すべき必要性が依然として存在している。
【発明の概要】
【0012】
本開示の例示的な実施態様は、例えば、皮膚組織のターゲット領域等の表面を、表面上を気体が流れ易くすることによって、冷却する装置を提供する。レーザーあるいはIPLからの光エネルギーなどの電磁輻射に晒して組織を処置中にこのように冷却することができる。このような冷却によって、皮膚組織処置中に感じる苦痛を低減することができる。本装置の例示的な実施態様は、さらに、処置中に生成されることがある、組織を切除レーザーに晒すことによって形成される羽毛のようなもの等の破片群の封込み及び除去を提供することができる。
【0013】
本開示の1つの例示的な実施態様は、開口部を下部に有して、組織のターゲット領域上の空間を取囲むように構成されるハウジングを含む冷却装置をすることができる。ある例示的実施態様では、ハウジングは、電磁輻射が実質的に相互作用することなく通過し易くするような、かつ、ハウジングの外側からターゲット領域を視認できるような、1つあるいはそれ以上のウィンドウを備えることができる。別の例示的実施態様では、ハウジングは、ターゲット領域を視認できる、及び/又は、電磁輻射が透過できる材料から部分的あるいは完全に形成することができる。例示的な装置は、ハウジングに接続されて、ハウジングに取囲まれた空間に気体が入り易いように構成された、1つあるいはそれ以上のインレット構造(例えば、ダクト)、及びハウジングに取囲まれた空間から気体が出易いように構成された、1つあるいはそれ以上のアウトレット構造(例えば、ダクト)を含むことができる。
【0014】
本開示の別の例示的な実施態様では、ハウジングは、レーザー輻射のようなエネルギーを透過し易くするあるいは透過できるように、その上面に孔あるいは開口を含むことができる。例えば、開口ハウジングの部分、すなわち、レーザーの光学ガイドあるいはアウトレット・アパーチャが取付けられるように、又は取付け易いように構成された部分に設けることができる。この例示的な構成によって、ハウジングを構成する材料を通過せずに、エネルギーをその表面に向けることができる、又は向け易くなる。ある例示的実施態様では、例えば、レーザー・アパーチャ又は光学的ガイド等の、このエネルギー源は、直接、ハウジングに接続することができ、ハウジングのある部分を通過するように構成することができる。例えば、実質的な気密封止を保ってハウジングに形成するなどである。このエネルギー源は、動けるようにハウジングに取付けることができて、ハウジングを動かさずに、エネルギーをその表面上の様々な位置に向けることができる。
【0015】
例示的なハウジングの部分は、処置中に、ターゲット領域、及びエネルギーと組織との相互作用を観察することを可能にする、又は容易にする材料から製造することができる。例示的なハウジングはまた、ハウジング下方からの有害な輻射(例えば、COレーザーの後方反射輻射)をさらに低減又は削除することができる材料を使用して製造することもできる。
【0016】
さらに別の例示的な実施態様において、装置は、気体を、1つあるいはそれ以上のインレットから引き込み、アウトレット・ダクトを介してハウジングに取囲まれた空間から出すように構成されて、例えば、ターゲット領域である表面上の気体の流れを作り出す、低圧源あるいは真空源を含むことができる。低圧源は、真空引きされた容器、又はコンテナなどのポンプ構造を含むことができる。このような流れによって、対流性冷却及び/又は気化性冷却により表面組織を冷却することができる。アウトレット・ダクトにフィルターを備えて、切除レーザーによってターゲット領域内の組織と相互作用することにより生成された羽毛のようなものの中にある物質等の、取囲まれた空間か取除かれた気体内に含まれた破片を取除くこともできる。
【0017】
さらに別の例示的な実施態様において、インレット・ダクトを介してハウジングに取囲まれた空間に入り込んだ気体を冷却するための冷却構造を備えることができる。インレット・ダクトにフィルターを備えて、ハウジングに取囲まれた空間に入り込んでターゲット領域の上方を通過する前に気体中の汚染物あるいは粉塵を取除くこともできる。本開示のある別の例示的な実施態様においては、低圧源により取囲まれた空間から取除かれた気体を、冷却効率を増加させるために冷却構造の方へ流すことができる。
【0018】
さらなる例示的な実施態様において、インレット・ダクトにバルブを備えて、インレット・ダクトからハウジングに取囲まれた空間へ入る気体の流れを制御することができ、また、オプションで、ターゲット領域上を気体のパルス流を流すことができる。このようなパルス流によって、より効果的に冷却でき、より効果的に苦痛を低減することができる。また、アウトレット・ダクトにバルブ構造を備えて、取囲まれた領域から出て来る気体の流れを制御することができる。
【0019】
例示的な冷却装置は、さらに、液体のスプレー、又は流れを冷却されているターゲット領域上に向けるように構成されて、ハウジングに接続された、スプレー・ノズルを備えることができる。このようなターゲット領域上を流れる液体の気化によって、冷却効果を増大させることができる。液体は、水、アルコール、リドカインなどの鎮痛剤、殺菌剤、若しくは、生物学的に活性な物質、又は、これらの組合せを含むことができる。スプレー・ノズル、バルブ構造、及び/又は、低圧源は、スプレーされた液体のパルス流と気体流を交互に提供して気化性冷却の効果を向上させるように制御されることができる。ある例示的な実施態様では、取囲まれた空間内の気体流と液体スプレーは、例えば、エネルギーが組織に与えられている間、連続的であることができる。
【0020】
本開示の別の例示的な実施態様においては、冷却されることができる表面の少なくとも一部を取囲むハウジングを提供して、ハウジングと表面との間の取囲まれた空間から出て来た気体は、1つあるいはそれ以上のアウトレット・ダクトから引出されて取除かれてその表面上に気体の流れを生成可能にして、ハウジング内に1つあるいはそれ以上のインレット・ダクトを備えて、気体がハウジングに取囲まれたスペース内に入ることを可能にする又は容易にすることができ、所望する期間、流れを維持することを可能にする又は容易にすることができる、方法を提供することができる。
【0021】
本開示のさらなる例示的な実施態様においては、流れをパルス流にして、冷却されている振動を作り出すことができる。これにより、表面が皮膚のような生物学的組織である場合、ひどい苦痛・痛みを低減することができる。パルス流は、気体を取囲まれた空間から引くために使用されているポンプを制御することによって、及び/又は、インレット・ダクト及び/又はアウトレット・ダクトに備えられた1つあるいはそれ以上のバルブを制御することによって提供することができる。
【0022】
本開示のさらなる別の例示的な実施態様においては、気体の少なくとも一部は、取囲まれた空間に入る前に冷却されて、表面をさらに冷却することができる。
【0023】
本開示のさらにさらなる例示的な実施態様においては、冷却中の表面に液体をスプレーすることができ、また、表面から液体が蒸発するあるいは気化することでさらに冷却することができる。このような蒸発は、表面に気体を流すことによって、加速されることができる。スプレーされた液体は、水、アルコール、その他、気体の流れを使用して蒸発できる如何なる液体、又は、これらの混合物を含むことができる。
【0024】
添付の請求項と関連付ければ、以下の本願発明の実施態様の詳細な記載から、さらなる本開示の目的、特徴、及び有利な効果が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の本願発明の実施態様の詳細な記載を、例示としての実施態様、結果、及び/又は、特徴を示す添付の図面と関連付ければ、例示として本開示の実施態様のさらなる目的、特徴、及び有利な効果が明らかになるであろう。
【0026】
【図1】本開示の例示的な実施態様による冷却装置の概略図である。
【図2】本開示の別の例示的な実施態様による冷却装置の概略図である。
【図3】本開示の例示的な実施態様による装置のハウジングとして使用することができる、複数の例示的な形状の平面図である。
【図4】本開示のさらに別の例示的な実施態様による冷却装置の概略図である。
【0027】
特に言及した場合を除き、図全体を通して、図示された実施態様の類似の特徴、要素、部品、及び部分には、同一の参照番号及び文字を付してある。さらに、以下に図を参照しながら本開示が記載されるが、これは、例示的な実施態様との関連でなされるものであって、図に示された特定の実施態様に限定するものではない。添付の請求項で定義される本開示の真の範囲及び思想を逸脱せずに、記載された実施態様に変更を施すことは可能であることは理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示的な実施態様である、皮膚の組織を冷却するために使用することができる装置100が図1に示されている。例示としての装置100は、少なくとも1つのインレット・ダクト107と少なくとも1つのアウトレット・ダクト108とを備えるハウジング105を含むことができる。ハウジング105は、処置される皮膚組織120のターゲット領域115の観察を可能にする又は容易にする、ウィンドウ110を含むことができる。ウィンドウ110は、エネルギー源130から供給される電磁輻射125が通過してターゲット領域115と相互作用することを可能にする又は容易にする低圧原135は、アウトレット・ダクト108と連通するように備えられることができる。例えば、エンクロージャー140と冷却装置145とを備えることができるオプションの冷却構造は、インレット・ダクト107に接続されることができる。オプションのアウトレット・フィルター155を、インレット・ダクト107内に備えることができる。
【0029】
例示としての装置100のハウジング105は、処置される皮膚組織120(あるいはその他組織)のターゲット領域115上を覆うように配置するように構成することができる。これにより、ターゲット領域115上の空間を取囲むことができる。ハウジング105の下部は、ターゲット領域115を取囲んで皮膚組織120の表面に接触して、ハウジング105と皮膚組織120の表面との間が封止されるように構成することができる。弾性物質あるいはゲルをハウジング105の下部に供給して、ハウジング105と皮膚組織120の表面との間の接触を改善することができる。このような弾性物質あるいはゲル、及び/又は、1つあるいはそれ以上のローラあるいは低摩擦構造もまたハウジング105の下部に供給することによって、皮膚組織120の表面上でハウジング105は容易に変位することができる。更なる実施態様においては、インクあるいは視認できる物質をハウジング105の下部の少なくとも一部に沿って供給することができる。このようなインクは、ターゲット領域115に対してハウジング105を配置することをアシストすることができ、また、ハウジング105が皮膚組織120上を動いているとき、組織120のどの領域が処置されているかを指示することもできる。
【0030】
ハウジング105は、様々な形状をなすことができる。例えば、上面から見るとき、ハウジング105は、ほぼ正方形、長方形、楕円形、又は卵形であることができる。ハウジング105は、ハウジング105の上方の面から下方に向かって皮膚組織120の表面まで延びる側壁を含むことができる。代替的には、上面から見るとき、ハウジング105は、狭いドームの、丸いあるいは楕円形の輪郭、あるいは、ターゲット領域115を覆うように選択されたその他如何なる構成をも持つことができる。ハウジング105は、エネルギーあるいは電磁輻射で処置される皮膚組織120の全領域を取囲むように十分に大きく寸法決めして形造ることができる。代替的に、ハウジング105は、相対的に寸法を小さくして、皮膚組織120の表面上を移動して複数の皮膚組織120の領域を処置するように構成することができる。図3に、いくつかの例示的なハウジングの形状の上面図が示されている。
【0031】
ハウジング105は、面に沿ったハウジングの寸法が面に垂直なハウジングの寸法のよりも大きい、高くて低い薄型の形状をなすことができる。この例示としての薄型の形状によって、ターゲット領域115の表面にほぼ平行である(矢印160で示される)気体の流れのメンテナンスを容易に行うことができるようになる。このような例示としての薄型の形状によって、組織表面120上の気体の速度、すなわち、インレット・ダクト107、及び/又は、アウトレット・ダクト108を通過する気体の特定の体積流レートを容易に増加させることができるようになる。気体の流れが速くなることにより、冷却速度を速くする、及び/又は、組織表面120からの蒸発させることができるようになる。
【0032】
ウィンドウ110は、ハウジング105の上面に設けて、エネルギー源130からの電磁輻射125が通過してターゲット領域115内にある少なくとも組織表面120の一部と相互作用できるようにすることができる。ウィンドウ110は、電磁輻射125と大きく相互作用又は干渉することがない材料から製造する又はこのような材料を含むことができて、ほとんど吸収又は反射せずに、このような電磁輻射125の透過させる又は透過し易くすることができる。ウィンドウ110は、代替的にあるいは付加的に、ハウジング115の上からターゲット領域115を視覚的に観察することを容易にするように構成することができる。このようなウィンドウ110を、複数、ハウジング115に設けることもできる。ある例示的実施態様では、ハウジング105全体をあるいはハウジング105の上面の実質的部分を、ターゲット領域115を視覚的に観察することを可能にするあるいは容易にする、及び/又は、電磁輻射125の通過を実質的に妨害しない材料から製造することができる。
【0033】
インレット・ダクト107とアウトレット・ダクト108は、例えば、ハウジング105の反対側部分に、互いに離れて配置されることが望ましい。インレット・ダクト107とアウトレット・ダクト108がこのように空間的に分離されて配置されることによって、インレット・ダクト107とアウトレット・ダクト108の間でターゲット領域115上を通過する気体が流れ易くなる。ある例示的実施態様では、ハウジング105は、複数のインレット・ダクト107、及び/又は、複数のアウトレット・ダクト108を備えることができる。
【0034】
例えば、真空源などの低圧源135は、アウトレット・ダクト108に接続することができる。低圧源135は、例えば、正変位ポンプ、真空ポンプ、又はハウジング105で取囲まれた空間から気体を引くことができる低圧源を提供できるその他装置のようなポンプ構成を含むことができる。低圧源135のフロー容量又は真空容量は、ハウジング135のサイズ及び構成、インレット・ダクト107のサイズ及び構成、アウトレット・ダクト108のサイズ及び構成、所望の組織120のターゲット領域115上の流速などに基づいて選択できる。
【0035】
低圧源135は、気体と(例えば、羽毛様のものの破片などの)すべての同伴物質を、アウトレット・ダクト108を通ってハウジング105で取囲まれた空間から取除くように構成することができる。例えば、低圧源135によって気体が取囲まれた空間から取除かれたとき、インレット・ダクト107から付加的な気体を引き込むことができる。このように、ターゲット領域115上の(図1の矢印160で示される)気体の流れを生成するあるいは誘発することができる。この気体の流れ160によって、ターゲット領域115を対流冷却、及び/又は、気化冷却することができる。このような冷却は、エネルギー源130から供給される電磁輻射125にターゲット領域115が晒されている間、維持できる。
【0036】
ここに記載した本開示の例示的な実施態様は、処置される組織上に、直接、空気又はその他の気体を吹き付ける、従来の冷却装置と比較してある有利な効果を提供することができる。例えば、低圧源135を使用してハウジング105で取囲まれた空間から気体を引き抜くことによって、ハウジング105と皮膚組織表面120と間の接触を維持するように助けることができる。このように構成することによって、また、組織120が電磁輻射125に晒されたとき形成された、破片、及び/又は、その他副産物を構成内に含むことができ、これらを処置部の周囲に飛散させることなく、アウトレット・ダクト108を通して取除くことができる。
【0037】
本開示の例示的な実施態様は、また、ハウジング105の形状、インレット・ダクトとアウトレット・ダクトの配置、低圧源135の制御などを適切に選択することにより、ターゲット領域115上の気体の速度とジオメトリーのより正確な制御を可能するあるいは容易にする。
【0038】
インレット・ダクト107の開口は、インレット・ダクト107を通って流れる気体が、ハウジング105で取囲まれた空間に入ったとき、膨張するように相対的に小さくすることができる。このような膨張によって、取囲まれた空間に入ったときに気体を冷却でき、気体がターゲット領域115上を通過するとターゲット領域115をさらに冷却することができる。
【0039】
低圧源135は、低圧源135をオン・オフできる制御回路を備えたポンプ構成であることができる。制御回路は、また、(例えば、ポンプの速度を変化させることによって)ハウジング105で取囲まれた空間から気体を引くレートを制御することができる。低圧源135は、また、ハウジング105とターゲット領域115との間の空間にわずかに陰圧を生成できる。この低圧力によって、ターゲット領域115の表面をハウジング105で取囲まれた空間の中へ入るように上方に引っ張ることができ、組織120をわずかに引き伸ばすことができる。このように引っ張ることは、例えば、その組織を硬くして、及び/又は、組織120が弛緩可能になった後に引き伸ばされた組織に形成されたすべての孔又は切開口を閉じるようにして、ターゲット領域115が電磁輻射125に晒される場合には有利である。
【0040】
エネルギー源130は、強力なパルス光源、レーザー、又はその他、ターゲット領域115にエネルギーを向けて皮膚組織120の一部との相互作用を促進できるエネルギー源を含むことができる。エネルギー源130は、ターゲット領域115の組織の一部を切除して破片からなる羽毛のようなものを生成できるCOレーザー又はEr:YAGレーザーのような切除レーザーであることができる。ハウジング105で取囲まれた空間内に存在する破片その他すべての物質は、上記のように、低圧源135によって、アウトレット・ダクト108を通して引出すことができる。
【0041】
別の例示的実施態様では、アウトレット・フィルター150をアウトレット・ダクト108と連通してアウトレット・ダクト108に入り込んでくる気体から破片を取除くように設けることができる。流れている気体の中の破片をトラップする、及び/又は、取除くために適した、従来のフィルター構成のすべてを使用することができる。例えば、アウトレット・フィルター150は、繊維状又はマイクロ・ポーラス状の媒体を含むカートリッジを含んで、カートリッジが破片で飽和したとき、カートリッジを周期的に取り替えることができるようにすることができる。図1に示すように、アウトレット・フィルター150は、ハウジング105と低圧源135との間にあるアウトレット・ダクト108内に設けることができ、あるいは、代替的に、低圧源135のアウトレットに設けることもできる。複数のアウトレット・フィルター150を設けることもできる。
【0042】
インレット・フィルター160は、インレット・ダクト107に設けて、気体からハウジング105内の下方空間に入り込んでターゲット領域115の上方を流れるパーティクル又は汚染物質を取除くことができる。インレット・フィルター155も、その構造においては、アウトレット・フィルター150と同様であることもでき、あるいは、異なる構成を持つこともできる。複数のインレット・フィルター155を設けることもできる。
【0043】
ターゲット領域115の対流冷却を加速するために、冷却構造は、インレット・ダクト107に接続することができる。例えば、冷却構造は、エンクロージャー140、及びエンクロージャー140内の気体、及び/又は、エンクロージャー140を通過する気体の温度を下げるように構成された冷却装置145を含むことができる。冷却装置145は、例えば、1つあるいはそれ以上のペルティエ要素、1つあるいはそれ以上のエンクロージャー140に接触するように設けられており、流れているクーラントを含んだ導管、エンクロージャー140の一部を取囲む冷却槽、相変化媒体、及びその他これらに類するものを含むことができる。例えば、相変化媒体は、氷、ドライアイス、及びその他これらに類するものを含むことができる。冷却装置145は、例えば、大きな熱容量を持つ物質からなる冷たいものを含むことができる。
【0044】
冷却エンクロージャー140は、少なくとも1つの小さい寸法の(例えば、細いチューブあるいは平坦なチャンネルであることができる)を持って、冷却装置145と冷却エンクロージャー140内の気体との間の接触を改善することができる。これにより、より効果的に気体の温度を下げることができる。冷却装置145は、さらに、制御回路及びインレット・ダクト107内に備えられたあるいはエンクロージャー105に近接して、インレット・ダクト107からターゲット領域115上を流れる気体の温度制御が容易により正確に行えるようにする温度センサを含むことができる。
【0045】
本開示による、図2に示した冷却装置200の別の実施態様では、図1に示す冷却装置100と同様に、冷却装置200は、冷却装置200に取付けられた、インレット・ダクト107及びアウトレット・ダクト108を備えたハウジング105、ウィンドウ110、低圧源135、インレット・フィルター155及びアウトレット・フィルター150を含むことができる。例示的な冷却装置200は、インナー・ダクト220、アウター・ダクト230、及び冷却構造240を含むことができる熱交換構造210も含むことができる。例示的な冷却装置200は、ハウジング105に取付けられたスプレー・ノズル250、及びインレット・ダクト107と連通するオプションのインレット・バルブ260を備えることもできる。
【0046】
例示的な冷却装置200の操作は、上述の図1に示された例示的な冷却装置100の操作と同様である。低圧源135は、アウトレット・ダクト108を通してハウジング115に取囲まれた空間から気体を引くように構成することができる。さらに、インレット・ダクト107を通してこの空間の中へ気体を引いて、ターゲット領域115を冷却する気体の流れ160を作り出すことができる。
【0047】
この例示的実施態様において、インレット・ダクト107は、熱交換構造210のインナー・ダクト220に接続することができる。インナー・ダクト220は、例えば、円形、長方形、楕円他の如何なる断面形状をも持つことができる、1つあるいはそれ以上のチューブあるいは導管の形態をとることができる。冷却構造240は、インナー・ダクト220に接触するように備えられてその中を流れる気体を冷却する。冷却構造240は、例えば、インナー・ダクト220の壁の一部に接触する、及び/又は、インナー・ダクト220の壁の一部を形成する、冷却面を持つ、1つあるいはそれ以上のペルティエ要素、あるいは、インナー・ダクト220を冷却するように構成されたその他のすべての適切な熱交換装置を含むことができる。冷却構造240によって冷却された気体は、低圧源135によって、インレット・ダクト107を通って引かれてターゲット領域115上に冷却された気体の流れ160を生成することができる。
【0048】
ある例示的実施態様では、アウター・ダクト230は、アウトレット・ダクト108及び低圧源135に接続された熱交換構造210内に備えることができる。例えば、図2に示すように、低圧源135は、アウトレット・ダクト108とアウター・ダクト230との間に配置することができる。その他構造は使用することができる。例えば、アウター・ダクト230は、アウトレット・ダクト108と低圧源135との間に備えることができる。図2に示すように、アウター・ダクト230は、インナー・ダクト220の少なくとも一部、及び/又は、冷却構造240の少なくとも一部を取囲むことができる。例えば、アウター・ダクト230は、インナー・ダクト220と冷却要素240との双方を取囲む、チューブその他導管の態様をとることができる。
【0049】
低圧源135によって、アウトレット・ダクト108を通して引かれた気体は、アウター・ダクト230を通り、冷却構造240の外側の面あるいは一部の上を通って、冷却構造240の冷却効果を加速することができる。例えば、冷却構造がペルティエ要素を含む場合、アウター・ダクト230を通ってペルティエ要素の熱い側の上を流れた気体は、ペルティエ要素の冷たい側によって、インナー・ダクト220から奪った熱の除去を容易にすることができる。アウター・ダクト230を通った気体の流れは、ハウジング105を流れた後、依然として、わずかに冷却されていることができる。これにより、さらに、熱交換構造210の冷却効率を増加させることができる。
【0050】
例示的冷却装置200は、ハウジング105に連結されたスプレー・ノズル250も含むことができる。スプレー・ノズル250は、液体のスプレーをターゲット領域115に制御可能に向けることができるように構成することができる。気体の流れ160は、ターゲット領域115上の液体の蒸発率を向上させるので、気化による冷却を加速することができる。液体のスプレーは、連続的、周期的、又はパルス的であることができる。例えば、スプレー・ノズル250は、真空活性であって、ハウジング105によって取囲まれた空間内の気体の流れ160を低圧源135が生成する間、液体のスプレーは生成されることができる。
【0051】
スプレー・ノズル250によってあるいはスプレー・ノズル250を通って供給された液体は、水、アルコール、若しくは、その他液体、又は、気体の流れ160に晒されたときに気化して冷却を加速するこれらの液体の組合せであることができる。この液体は、電磁輻射による処置前、中、及び/又は、後、ターゲット領域に有利な効果を提供するその他物質も含むことができる。このような物質は、(例えば、リドケイン溶液などの)鎮痛剤、抗生物質、その他生物学的活性剤を含むことができる。
【0052】
例示的な冷却装置200は、インレット・ダクト107に備えられたインレット・バルブ260も含むことができる。インレット・バルブ260は、ハウジング105の下方に内包された空間内への気体の流れを制御可能にスタート、ストップ、及び/又は、レギュレートできるように構成することができる。例えば、インレット・バルブ260は、電気的に活性化できるゲート・バルブ、インレット・ダクト107を通った気体の流れを交互に解放、阻止できるカットアウトを持つ回転ホイール、又はその他バルブ機構であることができる。通過する気体の流れの解放、阻止させる異なる比率を持った領域を含んで、ホイールが回転して部分的にインレット・ダクト107を阻止して、圧力変化及びハウジング105下方の気体の流れの滑らかな変化を生成することができる、回転ホイールを備えることもできる。
【0053】
インレット・バルブ260の制御回路は、インレット・バルブ260が異なるパルス周期及びフロー・パターンを持って(例えば、ターゲット領域115の組織表面の共鳴周波数に整合するような)所望する流れのレスポンスを達成するように作動させることができる。さらに、回路は、装置に関連するその他パラメータを調整して所望の流れ特性を達成するように提供することができる。このようなパラメータの例として、バルブ直径、(例えば、ハウジング105の長さ、及び/又は、ハウジング105の下方に設けられた開口のサイズに基づいて)ターゲット領域115上を流れる距離他、を含むことができる。例えば、振動に伴う付加的な刺激が局所末端神経を占有して痛みの信号を検知して伝達する能力を抑制するという、ゲート制御理論によると、流れによって誘発される組織表面の振動によって、さらなる鎮痛作用をもたらすことができる。
【0054】
オプションで振動検出器を備えて、ターゲット領域115の皮膚表面の振動を検出することもできる。振動検出器は、例えば、皮膚表面の振動の振幅と周波数とを測定するように構成された1つあるいはそれ以上フォトダイオード検出器と共にラテラル・ダイオード・レーザー、又はその他光源を含むことができる。例示的な振動検出器は、インレット・バルブ260、低圧源135、及び/又は、例示的冷却装置200その他部品の作動制御できて、及び/又は、ターゲット領域115の組織の所望の振動を維持できる、コントローラーに、フィードバック構成で接続することができる。
【0055】
インレット・バルブ260は、気体のパルス、例えば、ターゲット領域115に照射されることができる電磁エネルギーの中間パルスがターゲット領域115上を流れることを可能にする又は容易にできるように制御することができる。インレット・バルブ260は、スプレー・ノズル250と連通して、ターゲット領域115上の液体のスプレーを、短期間、ターゲット領域115上を流れる気体に後続させて気化冷却を断続的に提供するように構成することもできる。液体スプレーと気体のパルスのタイミングと期間は、ターゲット領域115の所望する冷却を提供するように選択することができる。
【0056】
インレット・バルブ260は、また、低圧源135によってインレット・ダクト107を通って気体のパルスの連続的な流れが引かれ、ハウジング105を通って流れることを可能にする又は容易にできるように、連続パルス・モードでも作動できる。例えば、低圧源135が作動している間に、インレット・バルブ260の解放状態と阻止状態との間の速いサイクルで、このようなことは実現できる。解放状態と阻止状態との期間、解放状態と阻止状態との間のスイッチング周期は、所望のターゲット領域115上の気体の流れを達成するように選択することができる。例えば、パルス期間は、インナー・ダクト220の冷却部分の長さをバルブが解放されたときの流速で割った値として選択することができる。各々のパルスにおいて、気体が実質的にインナー・ダクト220の冷却部分から得られるような、パルスの連続を、この例示的過程は、提供することができる。特定の処理において結果的として得られた冷却及び流れの挙動に基づいて、バルブの作動パラメータを決定するために、その他クライテリアを使用することができる。
【0057】
熱交換器140の冷却エンクロージャー140又はインナー・ダクト220からインレット・ダクト107に入り込む気体は、例えば、例示的な冷却装置100、200の周囲の大気から引き込んだ空気であることができる。代替的に、このような気体は、気体・キャニスターのような制御された供給源から供給することもできる。制御された供給源は、特定の環境の下でターゲット領域115を処置することを可能にする又は容易にできる。例えば、低酸素又は酸素フリーの混合気体、所定量の有効な物質が含まれた気体、又はその他すべての所望の化合物を提供することができる。
【0058】
図4に示す、本開示の別の実施態様である冷却装置400において、図1、2にそれぞれ示した冷却装置100、200と同様に、例示的実施態様である冷却装置400は、ハウジング105に取り付けられた、インレット・ダクト107とアウトレット・ダクト108を持つ、ハウジング105、及びウィンドウ110を含むことができる。
【0059】
エネルギー源130の末端部、例えば、導波管若しくは導波管を取囲む筐体、レーザー若しくはIPLのアパーチャ、又は、送達ハンドピースその他これらに類するもの末端部は、例示的実施態様である冷却装置400のハウジング105に機械的に連結することができる。連結は、硬くすることもでき、あるいは、ハウジングに対するエネルギー源130が角度的に動けるようにして電磁エネルギー125がターゲット領域115の様々な部分に向けることを可能にする又は容易にすることもできる。例えば、エネルギー源130の末端部がハウジング105に硬く連結されているとき、ターゲット領域115に対してハウジング105全体を移動することにより、電磁エネルギー125がターゲット領域115の様々な部分に向けることができる。代替的に、エネルギー源130の末端部から放射された電磁エネルギー125の向きを変更するために、エネルギー源130に伴う、従来の光学部品、又はその他これに類するものを使用することができる。
【0060】
例示的な冷却装置400と共に(あるいは、本開示のその他例示的な実施態様と共に)使用することができる低圧源410は、例えば、真空若しくは低圧下にある気体を取囲む、例えば、真空引きされたコンテナ若しくはその他これに類するもの等、コンテナ若しくはリバーザであることができる。低圧源410は、アウトレット・ダクト108に連通するように備えることができる。バルブ420は、アウトレット・ダクト108と低圧源410との間に備えることができる。ハウジング105によって取囲まれた空間からアウトレット・ダクト108を通して気体を引くこと、このようにして組織120のターゲット領域115上の気体の流すことを、バルブ420を操作することによって、制御する又は安定化することができる。例えば、ハウジング105によって取囲まれた空間内で生成された、破片又は廃液は、アウトレット・ダクト108を通して低圧源410の中へ引くことができる。使用後、低圧源410は、オプションで廃棄又はクリーニングして再利用することができる。
【0061】
さらに、本開示の例示的な実施態様は、表面の一部、又は少なくとも部分的にハウジングと冷却されるべき表面領域との間の空間を覆う、ハウジングを準備するステップを含む表面冷却方法を提供することができる。気体は、取囲まれた空間を通って引いて、表面領域上の気体の流れを生成することができる。流れは、表面領域の対流冷却を提供することができる。
【0062】
気体は、ハウジングに接続された1つあるいはそれ以上のアウトレット・ダクトを通って、取囲まれた空間から引くことができて、さらなる気体は、ハウジングに接続された1つあるいはそれ以上のインレット・ダクトを通って、取囲まれた空間に入り込むことができる。気体は、空気、1つあるいはそれ以上の(別の気体又は気化した物質のなど)付加的成分が混合した空気、及び/又は、インレット・ダクトを通して供給できる、その他如何なる気体であることができる。
【0063】
別の冷却方法の例示的な実施態様においては、インレット・ダクトに供給される気体の少なくとも一部は、取囲まれた空間に入る前に冷却することができる。このような冷却によって、表面の冷却効果、及び/又は、程度を増加することができる。
【0064】
さらに別の冷却方法の例示的な実施態様においては、冷却されている表面は、液体でスプレーされることができる。気体の流れによって加速される、表面からの気体の蒸発によって、さらに冷却することができる。例えば、水、アルコール、気体の流れを利用して蒸発できるその他液体、又はこれらの混合物を含む、様々な液体を使用することができる。液体スプレーは、連続的、断続的、又は一定の期間に供給することができる。
【0065】
以上は、単に、本発明の原理を説明したものである。記載された実施態様及び/又はその要素の様々な変形態様、及び組合せは、ここに記載した教示に従えば、当該技術分野の当業者には自明であろう。したがって、ここに明示的に開示されていなくとも本発明の原理を体現する、多くの技術は当該技術分野の当業者によって変更できることは理解されるべきであって、そのすべては本願発明の技術思想、及び技術的範囲に入ることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面領域を冷却する装置であって、
下部に開口を備えて、前記表面上の空間を少なくとも部分的に取囲むように構成された、ハウジングと、
前記ハウジングの第一の部分に連結され、及び/又は、取付けられた、少なくとも1つのインレット構造と、
前記ハウジングの第二の部分に連結され、及び/又は、取付けられた、少なくとも1つのアウトレット構造と、を備えて、
前記インレット構造と前記アウトレット構造は、低圧源が少なくとも1つの前記アウトレット構造に接続されたとき、前記表面上を気体が流れ易くするように構成されている、表面領域を冷却する装置。
【請求項2】
前記ハウジングの少なくとも1つの第三の部分は、前記ハウジングに損傷を与えずに、電磁的輻射が容易に通過できるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電磁的輻射は、レーザー、フラッシュ・ランプ、又は強力なパルス光源のうちの少なくとも1つによって提供される、請求項1、2のいずれか1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、さらに、前記表面を視覚的に観察し易くするように構成された少なくとも1つの窓部を備える、請求項1−3のいずれか1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記表面を視覚的に観察し易くするように構成された透明な部材を備えている、請求項1−4のいずれか1に記載の装置。
【請求項6】
さらに、少なくとも1つの前記アウトレット構造と連通する、第一のフィルター構造を備える、請求項1−5のいずれか1に記載の装置。
【請求項7】
さらに、少なくとも1つの前記インレット構造と連通する、第二のフィルター構造を備える、請求項1−6のいずれか1に記載の装置。
【請求項8】
さらに、前記少なくとも1つのインレット構造と連通して、かつ、前記取囲まれた空間に入り込む前記気体流を制御するように構成された、インレット・バルブ構造を備える、請求項1−7のいずれか1に記載の装置。
【請求項9】
さらに、前記少なくとも1つのアウトレット構造と連通して、かつ、前記取囲まれた空間に入り込む前記気体流を制御するように構成された、アウトレット・バルブ構造を備える、請求項1−8のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
前記インレット構造、及び/又は、前記アウトレット構造の少なくとも1つは、前記取囲まれた空間を通過する気体のパルス流を生成するように構成されている、請求項8、9のいずれか1に記載の装置。
【請求項11】
さらに、前記少なくとも1つのインレット構造と連通して、かつ、前記気体が前記少なくとも1つのインレット構造を通って前記取囲まれた空間に入り込む前に、前記気体を冷却するように構成された、冷却構造を備える、請求項1−10のいずれか1に記載の装置。
【請求項12】
前記冷却構造は、ペルティエ装置、相変化媒体、及び/又は、冷却ダクトのうちの少なくとも1つを備えて、冷却された流体が通過し易くように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記相変化媒体は、氷、及び/又は、ドライアイスのうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記冷却構造は、前記少なくとも1つのインレット構造を通って前記取囲まれた空間に入り込んだ前記気体の少なくとも一部と熱接触を保って、前記少なくとも1つのアウトレット構造を通って前記取囲まれた空間を出た前記気体の少なくとも一部を提供するように構成されている、請求項11−13のいずれか1に記載の装置。
【請求項15】
さらに、前記ハウジングに連結されて、かつ、前記表面領域の少なくとも一部に流体をスプレーするように構成された、スプレー構造を備える、請求項1−14のいずれか1に記載の装置。
【請求項16】
前記スプレー構造は、すくなくとも1つのスプレー・ノズルを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記流体は、アルコール、及び/又は、水のうち少なくとも1つを備える、請求項15、16のいずれか1に記載の装置。
【請求項18】
前記流体は、前記取囲まれた空間内の前記気体の前記流れによって作動させられるように構成されている、請求項15−17のいずれか1に記載の装置。
【請求項19】
さらに、前記低圧源を備える、請求項1−18のいずれか1に記載の装置。
【請求項20】
前記低圧源は、真空ポンプ、正変位ポンプ、及び/又は、真空引きされたコンテナのうち少なくとも1つを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ハウジングは、さらに、前記ハウジングに接続されてエネルギー源によって送達されるエネルギーが前記ハウジングの一部を通過することなく前記表面領域に衝突するように構成された孔部を備える、請求項1−20のいずれか1に記載の装置。
【請求項22】
前記送達される領域は、波動案内部材、光ファイバー、及び/又は、ハンドピースうちの少なくとも1つを備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記孔部は、前記送達する部が前記ハウジングに移動可能に連結し易いように構成された、請求項21、22のいずれか1に記載の装置。
【請求項24】
前記表面領域は、生体組織の一部である、請求項1−23のいずれか1に記載の装置。
【請求項25】
前記インレット構造、および、前記アウトレット構造は、ダクトを含む、請求項1−24のいずれか1に記載の装置。
【請求項26】
生体表面領域を冷却する方法であって、
前記生体表面領域上の空間を少なくとも部分的に取囲むステップと、
前記取囲まれた空間に気体を引き込んで前記生体表面領域を冷却するステップと、
を含む、生体表面領域を冷却する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−515201(P2011−515201A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502062(P2011−502062)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038422
【国際公開番号】WO2009/120876
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】