説明

表面処理された樹脂およびその製造方法、並びにその利用

【課題】表面にアミンの薄膜が成膜された樹脂およびその製造方法、並びにその利用を提供する。
【解決手段】本発明に係る樹脂は、エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理された樹脂およびその製造方法、並びにその利用に関し、特に、エステル結合を有する樹脂の表面に、アミンの薄膜を成膜した樹脂およびその製造方法、並びにその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴い、高速大容量のデータ通信が要求されるようになってきている。これを実現する手法としては、光通信の方式が最も有望視され、光通信網も拡大し続けている。
【0003】
光通信は、都市間を結ぶ長距離通信、地域内を結ぶ中距離通信、機器間や機器内を結ぶ近距離通信に分類することができる。
【0004】
近距離通信の例としては、携帯電話等の小型機器による通信が挙げられる。現在の携帯電話は、電気配線が主流であり、主にポリイミドのようなフレキシブル基板が用いられている。しかし、今後は、通信量の増大が予想され、光信号の伝送による高速大容量化に伴い、フィルム型の光導波路を用いた通信方式が主流になるものと予想されている。
【0005】
光導波路とは、コア部と、コア部を覆い、且つコア部に対して屈折率が小さくなるように調整されたクラッド部からなる光学部品の一つであり、コア部に光を閉じ込め、光を所定の位置に導くものである。
【0006】
携帯電話等の小型機器においては、各種部品が密に配置されているので、省スペース化のために、部品表面を這わせるようにして光導波路を配線することが必要な場合も多い。そのため、これらに用いるフィルム型の光導波路には、小さな曲率半径で屈曲可能であることが求められている。
【0007】
小さな曲率半径で屈曲可能なフィルム型の光導波路としては、例えばクラッド層の表面に、コアの長手方向と直行する方向に延びた凹条が形成されたフィルム光導波路が開示されている(特許文献1)。係るフィルム光導波路は、スタンパによって基板に形成した犠牲層上にコア樹脂やクラッド樹脂を形成し、当該樹脂を紫外線照射によって硬化した後、犠牲層を溶解することによって製造される。
【特許文献1】特開2006−23661号公報(2006年1月26日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたフィルム光導波路は、製造工程において、樹脂を硬化させるために紫外線照射が行われるが、紫外線照射だけでは樹脂の表面の硬化を十分に行うことができず、未硬化の樹脂に起因するべたつき感(以下、当該べたつき感を「タック性」という)が残ってしまうという問題がある。
【0009】
樹脂の表面にタック性が残れば、フィルムの搬送時や回路への組み込み時にフィルムが筐体に密着してしまうため、取り扱いが非常に困難になり、製造効率を悪化させる原因となってしまう。
【0010】
また、タック性が残るということはフィルムが十分に固まっていないということであるため、フィルムの耐摩耗性が不十分となる。すなわち、繰り返し屈曲すると、フィルム表面に傷がつき、フィルムに亀裂が入るという問題や、圧痕が残ることにより光学特性が低下するという問題がある。
【0011】
これらのタック性や耐磨耗性の問題の解決策としては、樹脂の表面に膜を形成することが考えられる。ただし、膜が分厚いと屈曲性が低下するため、薄膜でなければならないという制約がある。
【0012】
薄膜の形成方法は、物理的手法と化学的手法に大別される。前者の例としては、熱蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、これらの手法は共通して装置自体が大掛かりであり、生産性が良好ではないという問題がある。
【0013】
一方、後者の例としては、気相法、液相法等がある。気相法の代表例としてはCVD(chemical vapor deposition)法があるが、焼成温度が数百℃以上であり、有機系材料への膜の形成は困難である。液相法の代表例としては、ゾル−ゲル法があり、さらにその例として、シランカップリング剤を用いた方法が特開2005‐17431号公報、特開2003‐176460号公報に提案されている。
【0014】
しかし、これらのシランカップリング剤を用いた方法は、被着対象がガラス等のOH結合を含む基材であり、樹脂の表面に薄膜を形成することはできない。また、これらの方法は液相法であることから、溶媒成分が揮発する時に発生する体積縮小に伴い、膜厚の均一性が損なわれてしまうという問題がある。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表面にアミンの薄膜が成膜された樹脂およびその製造方法、並びにその利用を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、上記課題に鑑み、エステル結合を有するモノマーを重合して得られる樹脂にアミンの蒸気を接触させることによって、上記樹脂の表面にアミンの薄膜を低温条件下でごく簡単に形成することができ、当該アミンの薄膜が形成された樹脂は、小さな曲率半径を有するとともに、タック性がなく、しかも耐摩耗性に優れ、光導波路等の光学部品の材料として非常に好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明に係る樹脂は、エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備えることを特徴としている。
【0018】
アミンは、樹脂が有するエステル結合と反応してアミド結合を形成するため、樹脂の表面に薄膜を形成することができる。したがって、上記構成によれば、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れる樹脂を提供することができる。それゆえ、本発明に係る樹脂は、例えば光導波路や光拡散板等の光学部品の材料として好適に用いることができる。
【0019】
また、本発明に係る樹脂は、フィルム状であることが好ましい。フィルム状の樹脂には、例えば携帯電話等の小型機器に用いられる光導波路のように、屈曲性が求められるため、表面に膜を形成した後も屈曲性が損なわれないことが必要である。本発明に係る樹脂の表面に備えられるアミンの膜は薄膜であるため、フィルムの屈曲性を損なうことがない。したがって、本発明に係るフィルム状の樹脂は、携帯電話等の光導波路等のように、狭い部分に配線する必要がある光学部品の材料として好適に用いることができる。
【0020】
また、本発明に係る樹脂では、上記アミンの薄膜は、アミンを含有する蒸気を上記樹脂の表面に接触させることによって成膜されることが好ましい。
【0021】
樹脂のような有機系材料の表面に薄膜を簡易に形成する方法はこれまでに得られていないが、上記構成によれば、気体状態のアミンが樹脂のエステル結合と反応するため、樹脂の表面にアミンの薄膜が簡単に形成される。したがって、より容易に樹脂のタック性減少および耐摩耗性の向上を図ることができるとともに、樹脂の屈曲性を保つことができる。
【0022】
また、アミンは比較的低温で揮発させることができ、樹脂のガラス転移温度または熱変形温度未満の温度で蒸気とすることができる。したがって、耐熱性の低い基材を用いて製造することができ、当該基材の利用性を高めることができる。
【0023】
また、本発明に係る樹脂では、上記アミンが一級アミンであることが好ましい。一級アミンは、アミンの中でも、特に反応性が高いため、樹脂のエステル結合との反応しやすく、薄膜を形成しやすい。したがって、上記構成によれば、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れる樹脂を、より容易に製造することができる。また、一級アミンは、分子内にN−H結合を2つ有するため、シランカップリング剤を作製することも容易である。
【0024】
また、本発明に係る樹脂では、上記アミンがシランカップリング剤であることが好ましい。上記構成によれば、アミンの薄膜がシラノール基を有することになるため、本発明に係る樹脂を無機材料となじみやすくすることができ、形成した薄膜の上にさらに積層膜を形成することが可能となる。したがって、樹脂と無機材料との複合材料を容易に作製することができる。
【0025】
また、本発明に係る樹脂では、上記樹脂がアクリル樹脂であることが好ましい。
【0026】
アクリル樹脂は、光導波路等の光学部品用の樹脂として広く用いられており、エステル結合を有しているが、紫外線を照射するだけでは硬化不十分となる可能性が高い。上記構成によれば、アクリル樹脂の表面にアミンの薄膜が形成され、タック性の減少、耐摩耗性の向上、屈曲性の維持を図ることができるため、光学部品用樹脂としてのアクリル樹脂の有用性をさらに高めることができる。
【0027】
また、本発明に係る樹脂では、上記アクリル樹脂が架橋性アクリル樹脂であることが好ましい。上記構成によれば、アクリル樹脂が架橋によって網目状高分子となるので、耐摩耗性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性、耐油性等をさらに高めることができ、本発明の樹脂の有用性をさらに高めることができる。
【0028】
また、本発明に係る樹脂では、上記樹脂が熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂は加熱によって成形できる程度の熱可塑性が得られ、塑性を可逆的に維持できるため、成形性に優れる樹脂とすることができる。
【0029】
本発明に係る光導波路は、本発明に係る樹脂を備えることを特徴としている。本発明に係る樹脂は、上述のように、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れる。したがって、上記光導波路は、取り扱い性、強度が良好で、かつ、屈曲性に優れた光導波路とすることができる。そのため、例えば携帯電話やPDA、ノートPC等のヒンジ部分のように、狭い部分に配線する必要があり、かつ屈曲性が要求される光導波路として非常に優れている。
【0030】
本発明に係る表面処理された樹脂の製造方法は、アミンを揮発させることによって、アミンを含有する蒸気を発生させる工程Aと、上記アミンを含有する蒸気を、エステル結合を必須成分とする樹脂と接触させることによって、上記樹脂の表面に上記アミンの薄膜を成膜する工程Bと、を含むことを特徴としている。
【0031】
例えば液体のアミンを樹脂に塗布することによって樹脂の表面に膜を形成する場合は、膜に厚みが出てしまうので、薄膜を形成することは非常に困難であり、樹脂の屈曲性を保つためには余分な膜の除去等の手間が必要となる。一方、上記構成によれば、アミンが液体ではなく蒸気として樹脂に接触するので、アミンを薄膜として樹脂の表面に固定することができる。また、上記工程は、恒温槽等の簡単な設備があれば実施することができ、大掛かりな装置は全く必要としない。したがって、非常に簡便に樹脂に薄膜を形成することができ、その結果、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れた樹脂を簡単に提供することができる。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明に係る樹脂は、エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備えるという構成である。
【0033】
それゆえ、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れた樹脂を提供することができるという効果を奏する。
【0034】
また、本発明に係る表面処理された樹脂の製造方法は、アミンを揮発させることによって、アミンを含有する蒸気を発生させる工程Aと、上記アミンを含有する蒸気を、エステル結合を必須成分とする樹脂と接触させることによって、上記樹脂の表面に上記アミンの薄膜を成膜する工程Bと、を含む構成である。
【0035】
それゆえ、非常に簡便に樹脂の表面に薄膜を形成することができるとともに、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れた樹脂を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施の形態について説明すれば以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
(1.樹脂)
本発明に係る樹脂は、エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備えている。上記樹脂とは、モノマーを重合させたものであり、分子中に少なくとも1つのエステル結合を有する。上記エステル結合は、アミンと反応してアミド結合を生成し、アミンの薄膜を成膜する。
【0038】
エステル結合を有するモノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(1)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する脂環族系化合物、(2)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する脂肪族系化合物、(3)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する芳香族系化合物、(4)(メタ)アクリロイル基を2個以上有する複素環系化合物、(5)(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物等を挙げることができる。なお、上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を表す。
【0039】
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する脂環族系化合物としては、例えば、シクロペンタンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリメチルシクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルメタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロヘキシルメタンジ(メタ)アクリレート、シクロヘプタンジ(メタ)アクリレート、シクロオクタンジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔2.1.1〕ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔4.1.0〕ヘプタンジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン(ノルボルナン)ジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔3.2.1〕オクタン、ビシクロ〔4.2.0〕オクタンジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔4.3.0〕ノナンジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔4.4.0〕デカン(デカホドロナフタレン)ジ(メタ)アクリレート、ビシクロ〔4.2.2〕デカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロ〔3.3.1.13,7〕デカンジ(メタ)アクリレート、メチルアダマンタン、トリシクロ〔6.2.1.02,7〕ウンデカンジ(メタ)アクリレート、テトラシクロ〔6.2.1.13,6.02,7〕ドデカンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0040】
また、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する脂肪族系化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−および1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンおよびプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルのトリ(メタ)アクリル酸付加物、グリセリントリグリシジルエーテルのトリ(メタ)アクリル酸付加物、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルのテトラ(メタ)アクリル酸付加物、ジトリメチロールプロパンテトラグリシジルエーテルのテトラ(メタ)アクリル酸付加物、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルのヘキサ(メタ)アクリル酸付加物等を挙げることができる。
【0041】
また、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する芳香族系化合物としては、例えば、ビスフェノールAおよびFのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物、ジ(メタ)アクリレート、ビフェニル−4,4−ジ(メタ)アクリレート、フェニレンオキサイド−1,4−ジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(メタ)アクリロイルエトキシフェニル]フルオレン、ビスフェノールAおよびFジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAおよびFビス(グリシジルオキシエチルエーテルおよびグリシジルプロピルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、ビフェニルおよび3,5,3’,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、ナフタレン−1,6−ジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリグリシジルエーテルのトリ(メタ)アクリル酸付加物、1,2−テトラキス(p−グリシジルフェニルエーテル)エタンのテトラ(メタ)アクリル酸付加物、9,9−ビス(p−グリシジルフェニルエーテル)フルオレンのジ(メタ)アクリル酸付加物等を挙げることができる。
【0042】
また、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する複素環系化合物としては、例えば、N,N−ジ(メタ)アクリロイルピペラジン、N,N−ジ(メタ)アクリロイル−1,1−ジメチルヒダントイン、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、3,5−ジグリシジル−1,1−ジメチルヒダントインのジ(メタ)アクリル酸付加物、トリグリシジルイソシアヌレートのトリ(メタ)アクリル酸付加物、2,4,6−トリス(ジヒドロキシメチルアミノ)−1,3,5−トリアジンヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0043】
また、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物としては、n−、i−およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、o−、m−およびp−フェニル(メタ)アクリレート、o−、m−およびp−フェニルベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルおよびジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。
【0044】
上記樹脂は、分子中にエステル結合を少なくとも一つ有していなければならない。また、上記樹脂は、エステル結合を有する熱可塑性樹脂(熱可塑性ポリマー)であってもよい。上記熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等を挙げることができる。
【0045】
重合方法は、特に限定されるものではなく、連鎖反応であってもよいし、逐次反応であってもよいが、ラジカル反応を利用して連鎖的に効率よく重合体を作ることができるため、光ラジカル重合法および/または熱ラジカル重合法が好ましく用いられる。なお、アニオン重合開始剤としてはアルカリ金属、金属水酸化物、グリニャール試薬等の求核試薬、カチオン重合開始剤としてはプロトン酸、ルイス酸、ハロゲン化金属、安定カルボニウムイオンなどの求電子試薬を用いることができる。
【0046】
光ラジカル重合法において用いられる光重合開始剤としては特に限定されるものではなく、一般的に使用されている光重合開始剤、すなわち、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ジアセチル類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタノール類、ベンゾイルベンゾエート類、ヒドロキシフェニルケトン類、アミノフェニルケトン類等のカルボニル化合物系光重合開始剤、チウラムサルファイド類、チオキサントン類等の有機硫黄化合物系光重合開始剤、アシルホスフィン酸エステル類等の有機リン化合物系光重合開始剤等を使用することができる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
光重合開始剤の配合比率は、モノマーを含む樹脂組成物の総量に対して0.5重量%以上10重量%以下、好ましくは1重量%以上7重量%以下である。配合比率が0.5重量%未満では光硬化性が不十分となり、10重量%を超えると、硬化反応が急激となりすぎて、硬化物の物性に悪影響を与えるので好ましくない。なお、上記樹脂組成物とは、上記モノマーを必須成分とし、ラジカル重合することが可能な組成物をいう。「モノマーを必須成分とする」とは、構成単位としてモノマーを含んでいればよいとの意味である。したがって、上記樹脂組成物は、モノマーが重合したオリゴマーやポリマーを含んでいてもよい。
【0048】
光ラジカル重合は、モノマーを含む樹脂組成物に紫外線を照射して行うことが一般的である。紫外線の光源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド灯、カーボンアーク灯、キセノン灯などがあるが、高圧水銀灯あるいはメタルハライド灯の使用が好適である。紫外線照射量は、特に限定されるものではないが、1000mJ/cm以上5000mJ/cm以下であることが好ましい。
【0049】
熱ラジカル重合法において用いられる熱重合開始剤は、熱により分解してラジカルを発生する熱重合開始剤のうち、熱分解温度が約30℃以上、好ましくは約60℃以上の熱重合開始剤が使用される。熱重合開始剤としては特に限定されるものではないが、気体や水のような副生成物を精製しない有機過酸化物の使用が特に好適である。熱分解温度が約30℃未満の熱重合開始剤では、樹脂が不安定になるので好ましくない。
【0050】
上記有機過酸化物としては、特に限定されるものではなく、アルキルまたはアリール・ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルまたはジアリール・パーオキサイド類、アルキル・パーオキサイド酸およびそのエステル類、ジアシル・パーオキサイド類、ケトン・パーオキサイド類等の従来公知の有機過酸化物を用いることができる。これらの熱重合開始剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
熱重合開始剤の配合比率は、モノマーを含む樹脂組成物の総量に対して0.5重量%以上5重量%以下、好ましくは1重量%以上3重量%以下である。配合比率が0.5重量%未満では熱硬化性が不十分となり、5重量%を超えると、硬化反応が急激となりすぎて、樹脂の物性に悪影響を与えるので好ましくない。
【0052】
熱ラジカル重合では、熱重合開始剤として有機過酸化物を用いる場合、上記有機過酸化物の熱分解温度以上に加熱して硬化を行う。したがって、加熱温度は配合する有機過酸化物の種類に依存するが、加熱時間は通常10分以上60分以下である。
【0053】
光重合開始剤と熱重合開始剤とは、単独で用いてもよいし、両者を組み合わせて用いてもよい。組み合わせて使用する場合も、それぞれの配合比率は上述のとおりである。
【0054】
光重合開始剤と有機過酸化物とをともに配合し、光硬化と熱硬化とを行う場合は、まず、紫外線照射により、光硬化した後、加熱により熱硬化して硬化を完了させるのが一般的である。熱硬化に比べて光硬化は取り扱い性、硬化速度などに優れているため、本発明においては光硬化を採用することが好ましい。
【0055】
なお、重合反応に供される上記「モノマーを含む樹脂組成物」には、モノマー、重合開始剤の他、必要に応じて、重合禁止剤、重合促進剤、消泡剤、光安定剤、熱安定剤、レベリング剤、カップリング剤、帯電防止剤等の添加剤を少量含んでいてもよい。
【0056】
上記樹脂は、アクリル樹脂であることが好ましく、架橋性アクリル樹脂であることがさらに好ましい。架橋性アクリル樹脂である場合は、ポリマーの2つの主鎖の架橋に用いられる(メタ)アクリロイル基が2つ必要であるため、上記化合物のうち、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物を少なくとも1種類以上を含んでいなければならない。
【0057】
架橋性ではないアクリル樹脂は、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物の重合体であっても、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物2種類以上の共重合体であってもよい。
【0058】
アクリル樹脂末端の(メタ)アクリレート基は、樹脂の屈曲性を増すことができるため、ウレタン(メタ)アクリレート基である方が好ましい。ウレタン結合を構成するジオールとしては特に限定されるものではなく、例えばポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系のジオールを用いることができる。また、ウレタン結合を構成するジイソシアナートも特に限定されるものではなく、例えば、脂肪族(ヘキサメチレンジイソシアナート等)、脂環族(シクロヘキサンジシアナート等)、芳香族(トルエンジイソシアナート等)を用いることができる。
【0059】
また、本発明に係る樹脂は熱可塑性であっても硬化性であってもよいが、成形性を向上させることができ、光導波路等の光学部品の作製に好適であるため、硬化性樹脂であることが好ましい。
【0060】
本発明に係る樹脂の形状は特に限定されるものではなく、例えばペレット状、粉末状、フィルム状、板状等いずれの形状であってもよいが、本発明に係る樹脂はタック性がなく、耐摩耗性に優れ、良好な屈曲性を有するため、フィルム状にした場合により有用性を発揮する。したがって、特にフィルム状であることが好ましい。
【0061】
上記「フィルム」には、フィルム状のものもシート状のものも含まれるものとする。上記フィルムの膜厚は、特に限定されるものではない。
【0062】
上記フィルムは、延伸することによって延伸フィルムとしてもよい。延伸する方法には特に制限はなく、従来公知の延伸方法、例えば、ロール間の周速差を利用してフィルムの長手方向に延伸する縦延伸、フィルムの両端をテンタークリップなどで把持してフィルムの幅方向に延伸する横延伸、これらを組み合わせる逐次二軸延伸などの方法を用いることができる。その場合、縦延伸および横延伸は一段のみであってもよいし、二段以上の多段延伸を行ってもよい。また、縦、横を同時に延伸する同時二軸延伸を用いることもできる。
【0063】
上述のように、本発明に係る樹脂は、エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備えている。すなわち、アミンは本発明に係る樹脂において必須成分であり、上記アミンがエステル結合と反応してアミド結合を生成することにより、樹脂の表面にアミンの薄膜が形成され、タック性がなく、耐磨耗性および屈曲性が良好な樹脂が得られる。
【0064】
上記アミンは、エステル結合と反応させる必要があるため、N−H結合を有していなければならない。したがって、上記アミンは一級アミンおよび/または二級アミンである。中でも、二級アミンよりも反応性が高いため、一級アミンであることが好ましい。また、上記アミンは、薄膜の上にさらに積層膜を形成することを可能にするため、シランカップリング剤であることがより好ましい。さらに、シランカップリング剤とすることにより、アミン特有の臭気を軽減することができるので、本発明に係る樹脂の製造をより容易にすることができるという効果も得られる。
【0065】
一級アミンとしては、特に限定されるものではないが、シランカップリング剤としては3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン等を用いることができる。
【0066】
また、シランカップリング剤以外の一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、メルアミン、アリルアミン、シクロプロピルアミン、2−プロピニルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、2−メトキシエチルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、イソブチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、シクロペンチルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、1−エチルプロピルアミン、アミルアミン、t−アミルアミン、イソアミルアミン、2−メチルブチルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−プロピルエチレンジアミン、N−プロピレンジアミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、4−フルオロ−1,3−フェニレンジアミン、5−メチルフルフリルアミン、シクロヘキシルアミン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタンアミン、1,3―ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、N−ブチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N−プロピル−1,3−プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、n−ヘキシルアミン、2,4−ジフルオロベンジルアミン、2,5−ジフルオロベンジルアミン、2,6−ジフルオロベンジルアミン、3,4−ジフルオロベンジルアミン、3,5−ジフルオロベンジルアミン、2−フルオロベンジルアミン、3−フルオロベンジルアミン、4−フルオロベンジルアミン、N−メチル−1,2−フェニレンジアミン、1,1−ジエチル−2−プロピニルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロヘキサンメチルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、フェネチルアミン、2−フェノキシエチルアミン、1−エチニルシクロヘキシルアミン、1−シクロヘキシルエチルアミン、シクロオクチルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,5−ジメチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−メチルヘプチルアミン、N−ヘキシレンジアミン、3−(ジエトキシメチルシリル)プロピルアミン、N,N−ジエチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルジプロピレントリアミン、テトラエチレンペンタアミン、α―エチルベンジルアミン、β−メチルフェネチルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、4−メチルフェネチルアミン、2−エトキシベンジルアミン、2−メトキシフェネチルアミン、3−メトキシフェネチルアミン、4−メトキシフェネチルアミン、n−オクチルアミン、t−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−メチルヘプチルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、n−ノニルアミン、4−エチルフェネチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、4−フェニルブチルアミン、2,3−ジメトキシフェネチルアミン、2,5−ジメトキシフェネチルアミン、3,4−ジメトキシフェネチルアミン、5−アミノ−1,3,3―トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、シクロドデシルアミン、ドデシルアミン、2−フルオロ−5−メチルアニリン、2−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、3−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、2−フルオロフェニルエチルアミン、3−フルオロフェニルエチルアミン、4−フルオロフェニルエチルアミン、2,2−ジエトキシエチルアミン、2,2−ジメトキシエチルアミン、4,4−ジエトキシブチルアミン、アニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、4−メトキシ−2−メチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、2−イソプロピルアニリン、2−アミノ−1−ブタノール、4−アミノ−1−ブタノール、アミノジフェニルメタン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリジン、4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(1−アミノエチル)フェノールプロポキシレート、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジエン、2−(2−アミノエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、1−メチルヘキシルアミン、2−アミノヘプタン、1−アミノホモピペリジン、1−アミノインダン、3−アミノイソキサゾール、2−メトキシイソプロピルアミン、5−アミノ―2−メトキシピリジン、4−(アミノメチル)ピペリジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(アミノメチル)ピリジン、3−(アミノメチル)ピリジン、4−(アミノメチル)ピリジン、4−アミノモルホリン、N−(4−アミノフェニル)ピペリジン、2−アミノ−3−ピコリン、1−アミノピペリジン、4−アミノピペリジン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピペコリン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジノン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノピロリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン等を用いることができる。
【0067】
また、二級アミンとしては、特に限定されるものではないが、シランカップリング剤としては、例えばN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いることができる。さらに、シランカップリング剤以外の二級アミンとしては、例えばジメチルアミン、N−エチルメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルプロピニルアミン、ジエチルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−メチル−t−ブチルアミン、ジアリルアミン、N−エチル−2−メチルアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−メチルペンチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、N−(トリメチルシリル)アリルアミン、N,N’−ジエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−プロピルシクロプロパンメチルアミン、N−t−ブチルイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、N−プロピルブチルアミン、N,N−ジエチル−N’−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N−t−ブチルトリメチルシリルアミン、N−ベンジルメチルアミン、アリルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N−エチルベンジルアミン、N−メチルフェネチルアミン、アリルシクロヘキシルアミン、N−t−ブチル−1,1−ジメチルプロパルジルアミン、N−t−ブチル−1,1−ジメチルアリルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、t−アミル−t−ブチルアミン、N,N’−ジイソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピルベンジルアミン、N−t−アミル−1,1−ジメチルアリルアミン、N−t−ブチルシクロヘキシルアミン、ジ−t−アミルアミン、ジペンチルアミン、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N−アリル−α−メチルベンジルアミン、N−ブチルベンジルアミン、N−t−ブチルベンジルアミン、N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン、ジヘキシルアミン、t−アミル−t−オクチルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N−メチルドデシルアミン、ジオクチルアミン等を用いることができる。
【0068】
なお、上記アミンは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0069】
樹脂を光導波路のように屈曲性が要求される用途に用いる場合、光導波路部及びアミン薄膜の膜厚が分厚くなると、屈曲性が損なわれてしまう。したがって、アミン薄膜によって樹脂のタック性低減および耐摩耗性の向上を図る場合、その前提として光導波路の屈曲性を確保する必要がある。
【0070】
光導波路の屈曲性を確保するためには、光導波路とアミン薄膜との総厚を800μm以下とすることが好ましい。アミン薄膜が分厚くなる場合、光導波路の厚さを抑えることで対応しなければならない。
【0071】
光導波路において、光路となるコア部のサイズは、投光器や受光器のサイズによって決まってくるものであるが、コア部の光損失を最低限に抑えるためには、コア部の厚さとして少なくとも30μmを確保する必要があり、これに伴い、コア部を覆うクラッド部の暑さは、少なくとも50μmを確保する必要がある。
【0072】
これらのことから、光導波路部の厚さは、50μm以上800μm以下であることが好ましく、80μm以上300μm以下がより好ましい。また、アミン薄膜の厚さは、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.05μm以上2μm以下であることがより好ましい。
【0073】
アミンの薄膜は、樹脂の表面に形成されていればよい。タック性の低減、耐摩耗性の向上という観点からは表面全体に均一に形成されていることが好ましいが、タック性の低減効果および/または耐摩耗性の向上効果が得られる限り、必ずしも表面全体が完全にアミン薄膜で覆われている必要はない。なお、上記「表面」とは、樹脂と空気との界面をいう。例えば樹脂がフィルム状である場合は、表面と裏面とがあるが、少なくとも一面に薄膜が成膜されていればよく、両面に成膜されていることがさらに好ましい。
【0074】
上記アミンの薄膜を樹脂の表面に成膜する方法は、特に限定されるものではないが、アミンを含有する蒸気を上記樹脂の表面に接触させることによって成膜することが好ましい。アミンを含有する蒸気は、例えば、既に例示したアミンを加熱し、揮発させることによって発生させることができる。上記例示したアミンは、樹脂のガラス転移温度または熱変形温度未満で揮発させることができるので、比較的低温で揮発させることができ、樹脂の表面に薄膜を形成することができる。すなわち、本発明に係る樹脂は、低温で製造することが可能であるため、耐熱性の低い基材を用いることができる。したがって、CVD法のように、焼成温度が数百℃であるため有機系材料に適用できないという問題はなく、汎用性が高いということができる。
【0075】
アミンを含有する蒸気を上記樹脂の表面に接触させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、全体が密閉可能な構造を持つ容器に樹脂と上記アミンとを載置し、当該容器を恒温槽等に入れて加熱し、当該容器内をアミンの飽和蒸気で満たす方法や、アミンを含有する蒸気を樹脂の表面に噴霧する方法などを用いることができる。当該蒸気が樹脂の表面に接触すれば、アミノ基とエステル結合との間でアミド結合を形成することができ、その結果、アミンの薄膜を樹脂の表面に成膜することができる。
【0076】
「アミンを含有する蒸気」とは、アミンからなる蒸気であることが好ましいが、例えばアミンの薄膜形成を妨げない程度に、アミン以外の物質からなる蒸気、例えば少量の水蒸気等が含まれていてもよい。なお、本明細書において「蒸気」とは、液体状態と共存しうる気体状態にある物質を指す(理化学辞典第4版、603頁、岩波書店)。
【0077】
揮発させるアミンの量は、樹脂の表面に薄膜を成膜可能な量であればよい。例えば、樹脂の表面積と、既に説明したアミン薄膜の好適な厚さ(例えば0.01μm以上5μm以下、または0.05μm以上2μm以下)とから計算した容積以上のアミンを用いればよい。なお、揮発させるアミンの量の上限は、特に限定されるものではない。例えば、密閉容器内で反応させる場合は、樹脂の表面に成膜されるアミンの量は、飽和蒸気圧で決まり、原理的に反応は表面層でしか起こらないため、過剰な膜が形成される可能性はきわめて低い。
【0078】
上記アミンの薄膜を樹脂の表面に成膜するその他の方法としては、例えば、樹脂をアミンの処理液を入れた槽に浸漬させた後、10cm/minで引き上げ、その後、当該樹脂を、イソプロピルアルコールを入れた槽に浸漬して洗浄し、過剰な膜を除去した後に、当該樹脂をイソプロピルアルコールの蒸気雰囲気中で乾燥を行うという方法を挙げることができる。
【0079】
アミンとエステル結合との強固な化学結合は、樹脂の界面にのみ発生しており、厚く形成された膜は、薄膜の上部に載っている状態であることから、過剰な膜を洗浄によって除去することは可能である。
【0080】
このように、アミンを揮発させて蒸気としなくても、アミンの薄膜を樹脂の表面に成膜することは可能である。しかしながら、過剰な膜を除去する必要がなく、より簡便な方法であり、効率的であるため、蒸気を用いた成膜の方が好ましい。
【0081】
表面処理された樹脂、すなわちアミンの薄膜が表面に形成された樹脂は、例え未硬化の樹脂が残っていても、アミンの薄膜で表面がコーティングされているので、タック性がない。したがって、製造中に筐体に密着することもない。また、耐摩耗性に優れる。さらに、アミンは薄膜として形成されるので、樹脂の屈曲性を損なうこともない。本発明に係る樹脂はこのような非常に優れた特徴を有し、しかも上述のように、低温下で非常に簡単に製造することができる。
【0082】
アミンの薄膜の有無は、表面分析に用いられる手法、例えばFT−IR、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、X線マイクロアナライザー、走査型プローブ顕微鏡、X線光電子分光法、μ−X線光電子分光法、カラーレーザー顕微鏡等を用いて分析することにより確認することができる。中でも、検出感度が高いため、FT−IR(ATR法)を好適に用いることができる。FT−IR(ATR法)では、本発明に係る樹脂と、未処理品との吸収スペクトルの差分を算出することによって、アミンの薄膜の有無を確認することができる。
【0083】
なお、上記各方法によってアミン薄膜の膜厚を測定することも可能であるが、上述のように、本発明に係る樹脂の表面に過剰な膜が形成される可能性は極めて低い。したがって、基本的には膜厚を測定し、管理する必要性は乏しい。
【0084】
本発明に係る樹脂は、上述のようにフィルム状であることが好ましい。フィルムの作製に際しては、樹脂を予めフィルム状に成形した後にアミン薄膜を成膜してもよい。成形法としては、従来公知の成形法を用いることができる。例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空形成、圧縮成形等の方法が適用可能である。また、アミン薄膜を成膜した樹脂からフィルムを切り出してもよい。
【0085】
本発明に係る樹脂の用途としては、特に限定されるものではないが、光導波路、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、プリズムシート、光反射板、光拡散板、回折格子等、種々の光学部品の材料として用いることが可能である。本発明に係る樹脂は、フィルム状でない場合でも、例えば板状の樹脂からフィルムを切り出す場合のように、これらの光学部品の材料となりうるため有用である。
【0086】
(2.光導波路)
本発明に係る光導波路は、本発明に係る樹脂を備えている。上述のように、光導波路は、特に携帯電話等の小型機器において、小さな曲率半径で屈曲可能であることや、タック性が少なく取り扱い性や耐摩耗性に優れることが特性として非常に重要である。本発明に係る樹脂は、表面にアミンの薄膜を備えているので、これらの特性を満足することができ、光導波路の材料として非常に有用である。
【0087】
本発明に係る樹脂を備える光導波路を製造する方法は、樹脂として本発明に係る樹脂を用いること以外は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、選択重合法、フォトリソグラフィー+RIE法、直接露光法、ブリーチ法、スタンパ法等を用いることができる。中でも、生産性がよく、低コストであるため、スタンパ法が特に好ましく用いられる。
【0088】
図1は、スタンパ法によって光導波路を形成する工程を示す工程図である。まず、図1(A)に示すように、基板10上に、下部クラッド部用樹脂12aをスピンコート法、ドクターブレード法などのような公知の方法により塗布した後、凸型スタンパ11を押圧する。
【0089】
次いで、その押圧状態のままで、光硬化および/または熱硬化させることにより、コア部の彫り込み部13を有する下部クラッド部2aを形成する(図1(B)および(C))。凸型スタンパ11を離型後、彫り込み部13に、コア部用樹脂14を充填し、平板15を押圧した状態で、光硬化および/または熱硬化させることにより、コア部3を形成する(図1(D))。
【0090】
最後に、上部クラッド部用硬化型樹脂組成物12bを塗布し、基板16を押圧した状態で、光硬化および/または熱硬化させることにより、上部クラッド部2bを形成し、(図1(E)),基板を取り去れば光導波路1が完成する(図1(F))。なお、基板10および16としては、光硬化を行う場合は、ガラス板のような透明基板を使用する。
【0091】
なお、本発明は以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0092】
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正および改変を行うことができる。
【0093】
<タック性の評価方法>
タック性は、クイックスティック法によって評価した。本法の手順を下記に示す。
タック性の残っている面同士を無荷重の条件でつける。片側を下面に、もう片側を引張り試験機にセットし、下面に対して90°の方向に、30.5cm/minの速度で引張り、その抵抗力を測定した。抵抗力が全くなかったものをタック性なしと判断し、抵抗力が計測されたものをタック性ありと判断した。
【0094】
<耐磨耗性評価方法>
サンプルを半径が2mmになるように屈曲し、その後、元に戻すというサイクルを1000回繰り返した後のサンプル表面の傷を目視で確認した。尚、サンプルは表面、裏面ともに同じ試験を実施した。
【0095】
<薄膜の有無の評価方法>
形成された薄膜の表面をFT−IR(ATR法)にて分析を行い、未処理品との差分を算出し、差異があるかどうかで薄膜の有無を判断した。
【0096】
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略す)フィルム上に、架橋性アクリル樹脂として、AH−600(共栄社化学社製)100重量部と、光重合開始剤ルシリンTPO(BASF社製)1重量部を攪拌・調合した樹脂組成物(I)を塗布した。
【0097】
次に、上記PETフィルムを平坦なスタンパで押圧しながら、紫外線を3,600mJ/cm照射し、積層フィルムを得た。
【0098】
該フィルムを5mm×50mmに切断したサンプルと、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903:信越化学工業社製)1gを入れた容器とを、全体が密閉できる構造になった容器に入れ、当該容器を70℃の恒温槽内に2h放置することにより、表面処理を行った。
【0099】
サンプルを取り出した後、表面のタック性がないことを確認することができた。
【0100】
また、該サンプルの耐磨耗性を評価した結果、AH−600の表面、及びPETフィルムの表面に傷がついていないことを確認することができた。
【0101】
〔実施例2〕
実施例1のPETフィルムの代わりに、ポリメチルメタクリレート(以下PMMAと略す。)を用いた以外は、実施例1と同じ条件とし、積層フィルムを得て、その表面処理を行った。
【0102】
サンプルを取り出した後、表面のタック性がないことを確認することができた。
【0103】
また、該サンプルの耐磨耗性を評価した結果、AH−600の表面、及びPMMAフィルムの表面に傷がついていないことを確認することができた。
【0104】
〔実施例3〕
実施例1のγ−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりにオクチルアミンを用いた以外は、実施例1と同じ条件とし、積層フィルムを得て、その表面処理を行った。
【0105】
サンプルを取り出した後、表面のタック性がないことを確認することができた。
【0106】
また、該サンプルの耐磨耗性を評価した結果、AH−600の表面、及びPETフィルムの表面に傷がついていないことを確認することができた。
【0107】
〔実施例4〕
石英ガラス上に、架橋性アクリル樹脂として、AH−600 40重量部と、041MA(共栄社化学社製)60重量部と、光重合開始剤ルシリンTPO(BASF社製)1重量部とを攪拌・調合した樹脂組成物(II)を塗布した。
【0108】
次に、当該樹脂組成物(II)を凸型のスタンパで押圧しながら、紫外線を3,600mJ/cm照射し、下クラッド層を得た。この下クラッド層に形成されたコアとなる凹部に、AH−600 50重量部と、041MA 50重量部と、光重合開始剤ルシリンTPO1重量部とを攪拌・調合した樹脂組成物(III)を充填し、紫外線を3,600mJ/cm照射し、コア層を得た。
【0109】
さらに、その上に、樹脂組成物(II)を塗布し、紫外線を3,600mJ/cm照射し、上クラッド層を得た。これら積層膜を石英ガラスから剥がすことにより、光導波路となる積層フィルムを得た。
【0110】
該フィルム型光導波路を5mm×50mmに切断したサンプルに対して、気化させたγ−アミノプロピルトリメトキシシランを噴霧させることにより、表面処理を行った。
【0111】
サンプルを取り出した後、表面のタック性がないことを確認することができた。
【0112】
また、該サンプルの耐磨耗性を評価した結果、フィルム型光導波路の両面に傷がついていないことを確認することができた。
【0113】
〔比較例1〕
実施例1のAH−600とPETフィルムの代わりに、石英ガラスを被着材として、実施例1と同じ条件で表面処理を行った。
【0114】
その結果、表面に全く積層膜が形成されていないことが確認された。
【0115】
〔比較例2〕
実施例1のAH−600とPETフィルムの代わりに、ポリイミドを被着材として、実施例1と同じ条件で表面処理を行った。
【0116】
その結果、表面に全く積層膜が形成されていないことが確認された。
【0117】
〔比較例3〕
実施例1のγ−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103:信越化学工業社製)を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で積層フィルムを得て、その表面処理を行った。
【0118】
その結果、サンプルを取り出した後、表面のタック性が残っていることを確認することができた。
【0119】
また、該サンプルの耐磨耗を評価した結果、AH−600の表面、及びPETフィルムの表面に傷がついていることが確認できた。
【0120】
〔比較例4〕
実施例1のγ−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403:信越化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同じ条件で積層フィルムを得て、その表面処理を行った。
【0121】
その結果、サンプルを取り出した後、表面のタック性が残っていることを確認することができた。
【0122】
また、該サンプルの耐磨耗を評価した結果、AH−600の表面、及びPETフィルムの表面に傷がついていることが確認できた。
【0123】
以上の実施例1〜4の結果を表1に、比較例1〜4の結果を表2にまとめた。
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
実施例1〜3の結果から、エステル結合を必須成分とし、アミンの蒸気を接触させてアミンの薄膜を成膜した樹脂は、低温下で製造することができ、タック性がなく、耐摩耗性に優れることが分かる。また、上記耐摩耗性の評価方法より、2mmという小さな曲率半径で屈曲可能であることから、優れた屈曲性を有するということが言える。
【0127】
また、実施例4の結果から、本発明に係る樹脂を用いて作製した光導波路も、同様にタック性がなく、耐摩耗性、屈曲性に優れることが分かる。
【0128】
一方、比較例1,2の結果から、エステル結合を有さない石英ガラスやポリイミドを被着体として用いても、表面にアミンの薄膜は形成されないため、当然に本発明の効果を得ることができないことが分かる。すなわち、本発明に係る樹脂を得るためには、被着体がエステル結合を有することが必須である。
【0129】
また、比較例3、4の結果から、エステル結合を有する被着体を用いても、アミノ基を有さないシランカップリング剤で表面処理した場合は本発明の効果を得ることはできないことが分かる。すなわち、シラノール基は薄膜の形成に関与するものではなく、エステル結合を有する樹脂をアミンで処理する必要があると言うことができる。
【0130】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上のように、本発明に係る樹脂は、エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備える。それゆえ、低温下で製造することができ、タック性がなく、耐摩耗性および屈曲性に優れる。したがって、本発明に係る樹脂は、光導波路等の光学部品用の材料として好適に利用でき、情報、通信産業に広く応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】スタンパ法によって光導波路を作製する工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0133】
1 光導波路
2a 下部クラッド部
2b 上部クラッド部
3 コア部
10 基板
11 凸型スタンパ
12a 下部クラッド部用樹脂
12b 上部クラッド部用硬化型樹脂組成物
13 彫り込み部
14 コア部用樹脂
15 平板
16 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル結合を必須成分とする樹脂であって、アミンの薄膜を表面に備えることを特徴とする樹脂。
【請求項2】
上記樹脂がフィルム状であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
【請求項3】
上記アミンの薄膜は、アミンを含有する蒸気を上記樹脂の表面に接触させることによって成膜されることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
【請求項4】
上記アミンが一級アミンであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
【請求項5】
上記アミンがシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
【請求項6】
上記樹脂がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
【請求項7】
上記アクリル樹脂が架橋性アクリル樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の樹脂。
【請求項8】
上記樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
【請求項9】
請求項1に記載の樹脂を備えることを特徴とする光導波路。
【請求項10】
アミンを揮発させることによって、アミンを含有する蒸気を発生させる工程Aと、
上記アミンを含有する蒸気を、エステル結合を必須成分とする樹脂と接触させることによって、上記樹脂の表面に上記アミンの薄膜を成膜する工程Bと、を含むことを特徴とする、表面処理された樹脂の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−126426(P2008−126426A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310643(P2006−310643)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】