Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
表面処理された顔料
説明

表面処理された顔料

【課題】優れた熱安定性を有する表面処理無機酸化物顔料を提供する。
【解決手段】エチレングリコールのエステルおよびジエステルのうちの1つ以上が、ベースとなる無機酸化物顔料(例えば、二酸化チタン顔料を製造する従来の硫酸塩経路方法のか焼物から得られるアナターゼ二酸化チタン顔料、または特に、二酸化チタン顔料を製造する従来の塩化物経路方法における酸化剤から得られるルチル二酸化チタン顔料)の表面に適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、無機顔料、特に二酸化チタンのための改良された表面処理に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化チタンは、紙および紙製品、塗料、コーティング剤およびコーティング製品、ならびに熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、およびそれらから製造された物品を含む非常に多くの用途において、乳白剤および着色剤として用いられる。旧来の硫酸塩法によって製造されようと近年の塩化物法によって製造されようと、ベースとなる二酸化チタン顔料に一定の所望の特性を施すために、長年に渡って、様々な無機および有機の表面処理が開発されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
熱可塑性樹脂用途では特に、加工業者は、顔料の混合システム内で迅速かつ均一に分散し、良好な色調特性および乳白特性を示し、使用期限(run times)が長く残留物の量が最小限であるような顔料を所望する。さらに、熱可塑性樹脂組成物および熱可塑性樹脂の完成品の製造は、しばしばかなりの時間、含まれる顔料を高温に曝す工程を含むため、このような用途に利用可能な顔料は、上述の特性を有するだけでなく優れた熱安定性を有することが特に望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような非常に望ましい顔料が、本発明の表面処理された無機酸化物顔料の形態で提供され、ここで、ベースとなる無機酸化物顔料(好ましくは硫酸塩法または塩化物法のいずれかによって製造されたベースとなる二酸化チタン顔料、より好ましくは塩化物法によって製造されたルチル顔料)は、エチレングリコールエステルおよびジエステルのうちの1以上で表面処理される。本発明によって企図される表面処理された無機酸化物顔料は、このような材料が従来から用いられている任意の用途、当然のことながら、例えば紙および紙製品、塗料、コーティング剤およびコーティング製品、ならびに熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、およびそれらから製造された物品において用いられ得る。好ましい用途は、熱可塑性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物、およびこのような組成物からそれぞれ製造された物品においてであるが、より好ましい用途は、熱可塑性樹脂組成物および物品においてである。
【0005】
特に好ましい用途は例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、またはポリエチレンの組成物、およびPVC、CPVC、もしくはポリエチレンの着色されたホモポリマーまたはコポリマーからそれぞれ製造された物品においてである。この最も好ましいものに関連して、エチレングリコールエステルおよびジエステルは、以前から可塑剤として、および加工助剤として知られており用いられてきたが、本発明者らの知る限りでは、エチレングリコールエステルおよびジエステルが、二酸化チタン顔料の表面処理剤として、ならびに良好な分散性、良好な色調特性および乳白特性を有し、押出成形に際して残留物がほとんどなく、優れた熱安定性を有し、ポリエチレン、PVC、またはCPVC材料に組み込まれる表面処理された顔料として適用できるということは認識されてこなかった。図1および2は、下記の実施例においてさらに記載されるように、PVCにおける本発明の表面処理された無機酸化物顔料の動的熱安定性をグラフで説明する。
【0006】
好ましいエチレングリコールエステルおよびジエステルは、一般式RO(OCH2CH2)nOORで表されるエチレングリコール部分であって、nが2〜14の実数であり、Rが少なくとも2個で最大15個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であるエチレングリコール部分を含む。これらの材料は、好ましくは、顔料に基づき合計で0.01〜1重量%の範囲の量で顔料に組み込まれ、また、他の適切な無機酸化物表面処理剤および有機表面処理剤と組み合わせても良い。例えば、トリメチロールプロパン(一般的にはTMP)は、好ましい実施例において、顔料に基づき最大1重量%の範囲と同等の量で、顔料の表面に付着させることができる。無機酸化物処理が行われる場合、これらの処理は好ましくは、本発明のエチレングリコールエステルおよびジエステルならびに任意の他の有機表面処理剤(例えばTMP)によるいかなる処理よりも前に行われる。
【0007】
本発明の、より好ましい表面処理材料には、トリエチレングリコール ジ-2-エチルヘキソアート(現在The CP. Hall Company, Chicago, IllinoisからTegMeR(登録商標)803 グリコールエステル (CAS No. 94-28-0)として市販で入手可能)、テトラエチレングリコール ジ-2-エチルヘキソアート(現在The CP. Hall Company, Chicago, IllinoisからTegMeR(登録商標)804 グリコールエステル (CAS No. 18268-70-7)として市販で入手可能)、およびポリエチレングリコール ジ-2-エチルヘキソアート(現在The CP. Hall Company, Chicago, IllinoisからTegMeR(登録商標)809 グリコールエステル (CAS No. 9004-93-7)として市販で入手可能)が含まれる。
【0008】
本発明のエチレングリコールエステルおよびジエステルは、二酸化チタン顔料にこのような材料を適用するのに適した任意の方法で、例えば、包装の前または最終製品であるスラリーへの形成の前において顔料を所望のサイズに砕く流体エネルギーミルの中で付着させることによって、混合または噴霧によりエステルまたはジエステルを乾燥顔料に適用することによって、あるいは、エステルまたはジエステル材料を含む顔料スラリーを乾燥させることによって、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】
【図2】
【0010】
本発明は、下記の実施例によりさらに説明される。
【実施例】
【0011】
実施例1〜4および比較例
同じ市販量の、ルチル二酸化チタンをベースとする4つのサンプルを流体エネルギーミルの中で処理し、顔料に基づき0.3重量%の量の従来の有機処理剤トリメチロールプロパン(TMP)と共に、それぞれ2つの異なる量のTegMeR(登録商標)803グリコールエステルおよびTegMeR(登録商標)804グリコールエステル材料をそれぞれ付着させた。5つ目のサンプルは、比較目的のために対照として処理され、0.3%のTMPのみを付着させた。このようにして調製されたそれぞれの顔料サンプルは、乾き色(Dry L*)および乾燥輝度(Dry b*)、LDPE 色彩強度(TS)および色調(TT)、LDPE高負荷平衡トルク(high load equilibrium torque)、LDPEスクリーンパック(PPM)、PVC融解トルク(fusion torque (FT))、ならびに動的熱安定性を含む、以下においてより詳細に記載されるような様々な特性について試験された。これらの特性のそれぞれの試験についての詳細は以下の通りであり、試験の結果は下記の表1に報告され、動的熱安定性試験については図1および2に表されている。
【0012】
乾き色試験および乾燥輝度試験:
これらの試験は、形成されたステンレス鋼ダイ(a formed stainless steel die)を用いて20.7 MPa (3000 psi)で30秒間、乾燥処理された顔料(本発明の4つのサンプルの各々および対照)をペレットにし、その後Hunter Labモデル Ultrascan XE 分光光度計(Hunter Associates Laboratory, Inc., Reston, Virginia USA)を用いて、ペレットにしたTiO2サンプルの色および輝度を測定することにより実施した。
【0013】
LDPE 色彩強度および色調:
これらの試験については、顔料サンプルは、Chroma Corporationにより製造されるカーボンブラック低密度ポリエチレンプラスチック濃縮物(0.011重量%のRaven 1020、20.00重量%のDow MN711 LDPE、および79.98重量%のDow 640 LDPEを含む)中に混合した。この黒色濃縮物は、当業界においてひとまとめにしてColor No. CP83513として知られている。試験サンプルは、CAM型ブレードを装着したBrabenderミキサーを用いて100rpmで6分間、100℃の温度で、2.50gの顔料を55.0gの黒色濃縮物および0.27gの米国薬局方等級Aのステアリン酸亜鉛粉末と混合することにより調製した。Brabenderミキサーの温度が100℃で平衡に達したとき、顔料を含む試験サンプルをミキサーの充填シュートへ注ぎ入れた。その後、製造者の指示書に従って5kgのラム(ram)を充填シュートに設置し、ミキサーのスイッチを入れた。一旦バッチが溶解したら(約2分間)、充填シュートとラムのアセンブリを取り外し、混合を継続する間、加重コンテインメントアーム(weighted containment arm)を設置した。その後、結果として得られる混合プラスチック塊を圧縮成形してASTM D5224に従うプラークにし、D65光源、観測角10°および鏡面反射を含む設定を用いてMacBeth モデル 7000A 分光光度計でCIE L*とb*の値を比較することにより、色彩強度および色調の値を決定した。
【0014】
LDPE高負荷平衡トルク:
本発明の顔料サンプルおよび対照の顔料サンプル(100重量部に対して75重量部)をそれぞれ、BrabenderミキサーでCAM型ブレードを用いて、100℃、混合速度100rpmで、4012等級の低密度ポリエチレン(The Dow Chemical Company, Midland, Michigan)(100重量部に対して25重量部)と混合し、75%のLDPE中TiO2マスターバッチ濃縮物を得た。マスターバッチ濃縮物の生成に関連するトルクプロファイルをそれぞれのサンプルについて測定し、下記の表1に報告される高負荷平衡トルクをそれぞれについて確認した。
【0015】
スクリーンパック:
スクリーンパック値および押し出し成形の背圧(下記表1においてEB(単位:MPa))は、3つのスクリーン(40メッシュのステンレス鋼スクリーンを2枚と、それらの間に500メッシュのステンレス鋼スクリーン)と、単一スクリュー押し出し装置および水平なロッドダイ(rod die)を備えたトルク レオメーター(この場合には、Brabender PL-2000 Plasti-corder)とを組み合わせて測定し、スクリーンパックアセンブリに残った残留物の量を測定し、したがってTiO2サンプルがマスターバッチ中でいかに良好に分散されたかを判定した。
【0016】
より詳細には、ASTM D6265に従うスクリーンパック値については、40メッシュ(US)、直径2.8 cm (1.125 インチ)のスクリーン2枚と500メッシュ(US)、直径2.8 cm (1.125 インチ)のスクリーンのそれぞれは、700℃で10分間マッフル炉にて前乾燥させた。マッフル炉から取り出したらすぐに、スクリーンはデシケーターに入れ、周囲温度(23℃)に到達させ、そしてその後500メッシュのスクリーンの重さを計測した(「前」重量)。
【0017】
その後、スクリーンパックを単一スクリュー押し出し装置とダイとの間に置いた。スクリーンパックは、スクリューの突出部に隣接するスペーサーリング、40メッシュのスクリーンのうちの1枚、その次に500メッシュのスクリーン、その次にもう1枚の40メッシュのスクリーン、そして最後にブレーカープレートからなる。
【0018】
低密度ポリエチレン中500ppmのIrganox B-900 抗酸化剤(Ciba Specialty Chemicals, Basel, Switzerlandにより製造)の混合物は、1000.0gのDow 4012 LDPE樹脂(The Dow Chemical Company, Midland, Michigan)と0.05gのIrganox B-900とを混合することにより作製された。試験されたサンプルはそれぞれ、36.8gのIrganox B-900/Dow 4012混合物と110.5gの顔料サンプルとを充分に混合したものからなる。サンプルは、Brabenderミキサー中で溶解された後、冷却および粒状化された。押し出し装置のスクリュー速度は、75rpmに設定された。
【0019】
100gの粒状化されたサンプルのそれぞれを押し出し装置の供給ホッパーに加え、スクリーンパックとダイとを通して完全に押し出させた。その後、押し出し装置は、200gの純粋なDow 4012 LDPE樹脂を用いて清掃した。押し出し装置が完全に空になった時、スクリーンパックアセンブリを押し出し装置から取り外し、700℃のマッフル炉に10分間入れた。スクリーンをデシケーター中で冷却し、500メッシュのスクリーンの重さを計測した。この重さは「後」重量であった。スクリーンパック残留物は、下記のようにして百万分率で算出した。
([「後」重量 - 「前」重量] / 75 g TiO2) x 1,000,000
【0020】
PVC融解トルク:
ベースとなる二酸化チタン顔料の加工性に対する、エチレングリコールジエステル表面処理の効果を調べるために、上述のサンプルを、60rpmでローラーブレードを用いる混合器中、180℃でポリ塩化ビニルと混合し、ASTM D2538に従って、サンプルの融解トルクおよび時間を、ゲル化時間(単位:mg/分)と共に測定した。
【0021】
PVC動的熱安定性:
着色されたPVC組成物は、(PVC融解トルク試験で用いたのと)同じ混合器中、100rpm、205℃で調製した。PVCマトリックスが分解するまで2分毎に、標本サンプルをBrabenderミキサーから抜き取った。抜き取ったサンプルについてL*およびb*の値を測定し、その結果を加工時間の関数として図1および2に示す。
【0022】
(動的熱安定性以外の)他の様々な試験の結果は下記の表1に示される。
【表1】

【0023】
上記の表に記載された値の検討ならびに図1および2から明らかになるように、本発明の表面処理された顔料は、実際に、LDPEおよびPVCにおいて、良好な加工性および良好な光学特性の両方をもたらした。
【0024】
当業者は、本明細書に記載された発明の具体的な実施例のさらに他の変更、変形、および等価物を容易に思いつくかもしれないが、それらは、特許請求の範囲に記載されているように、本発明者らによる本発明の寄与の範囲内のものであると適切にみなされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのエチレングリコールエステルまたはジエステルを表面に付着させた無機酸化物顔料。
【請求項2】
一般式RO(OCH2CH2)nOORで表されるnエチレングリコール部分を含む少なくとも1つのエチレングリコールエステルまたはジエステルを表面に付着させた、請求項1に記載の無機酸化物顔料であって、nが2〜14の実数であり、Rが少なくとも2個で最大15個の炭素原子を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である、無機酸化物顔料。
【請求項3】
エチレングリコールエステルおよび/またはジエステルが、顔料に基づき合計で0.01〜1重量%である、請求項2に記載の無機酸化物顔料。
【請求項4】
トリエチレングリコール ジ-2-エチルヘキソアート、テトラエチレングリコール ジ-2-エチルヘキソアート、およびポリエチレングリコール ジ-2-エチルヘキソアートのうちの1つ以上を表面に付着させた、請求項3に記載の無機酸化物顔料。
【請求項5】
二酸化チタン顔料である、請求項1に記載の無機酸化物顔料。
【請求項6】
10重量%以上の請求項5に記載の二酸化チタンと、10重量%以上のオレフィン系ホモポリマーまたはコポリマーとを含むマスターバッチ組成物。
【請求項7】
ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルと、100重量部のポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルに対して0.1重量部以上の請求項5に記載の二酸化チタン顔料とを含む、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルの組成物。
【請求項8】
10重量%以上の請求項1に記載の無機酸化物顔料と、10重量%以上のオレフィン系ホモポリマーまたはコポリマーとを含むマスターバッチ組成物。
【請求項9】
ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルと、100重量部のポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルに対して0.1重量部以上の請求項1に記載の無機酸化物顔料とを含む、ポリ塩化ビニルまたは塩素化ポリ塩化ビニルの組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−100521(P2013−100521A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−285124(P2012−285124)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2009−536233(P2009−536233)の分割
【原出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(500002799)トロノックス エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】