説明

表面処理装置、及び、画像記録装置

【課題】被処理物の品質低下を抑制すること。
【解決手段】相対向する放電電極と対向電極との間に電圧を印加して放電を発生させることにより、前記放電電極と前記対向電極との間に位置する被処理物の表面を改質する表面処理装置であって、前記放電電極と前記被処理物との間に、前記被処理物の表面のうち表面改質しない非処理領域を形成するための、遮蔽物が設けられること、を特徴とする表面処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理装置、及び、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面処理装置の1つとして、コロナ放電を発生している電極間に処理基材を通し、処理基材の表面を改質する装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。例えば、プラスチックフィルムなどの被処理物の表面をコロナ放電で改質することにより、被処理物の表面の濡れ性、即ち、インクの密着性を向上させることができ、被処理物への画像記録を良好に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−540075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コロナ放電等の表面処理により、インクの密着性を向上させることができる一方で、ブロッキング(フィルム同士の密着)が発生し易くなってしまう。表面処理された領域であっても、その上からインクが塗布されればブロッキングの問題は生じないが、上記の特許文献のように、電極間を通過する被処理物の全面に表面処理を施してしまうと、表面処理されたがインクが塗布されない領域にてブロッキングの問題が発生し易くなり、被処理物の品質が低下してしまう。
【0005】
そこで、本発明では、被処理物の品質低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する為の主たる発明は、相対向する放電電極と対向電極との間に電圧を印加して放電を発生させることにより、前記放電電極と前記対向電極との間に位置する被処理物の表面を改質する表面処理装置であって、前記放電電極と前記被処理物との間に、前記被処理物の表面のうち表面改質しない非処理領域を形成するための、遮蔽物が設けられること、を特徴とする表面処理装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】プリンターの概略断面図である。
【図2】実施例1における表面処理方法を説明する図である。
【図3】図3Aから図3Dは図2とは異なる領域に対してコロナ放電処理を施す場合を説明する図である。
【図4】図4Aから図4Cは実施例2における表面処理方法を説明する図である。
【図5】図5A及び図5Bは実施例3における表面処理方法を説明する図である。
【図6】図6A及び図6Bは実施例4における表面処理方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
【0009】
即ち、相対向する放電電極と対向電極との間に電圧を印加して放電を発生させることにより、前記放電電極と前記対向電極との間に位置する被処理物の表面を改質する表面処理装置であって、前記放電電極と前記被処理物との間に、前記被処理物の表面のうち表面改質しない非処理領域を形成するための、遮蔽物が設けられること、を特徴とする表面処理装置である。
このような表面処理装置によれば、被処理物の任意の領域だけ表面改質することができ、被処理物の品質低下を抑制することができる。
【0010】
かかる表面処理装置であって、前記放電電極と前記被処理物は所定方向に相対移動し、前記遮蔽物は、前記所定方向と交差する方向に移動可能であること。
このような表面処理装置によれば、表面改質しない非処理領域の交差する方向の位置を可変にすることができる。
【0011】
かかる表面処理装置であって、前記交差する方向に独立して移動可能な複数の前記遮蔽物を備えること。
このような表面処理装置によれば、表面改質しない非処理領域の交差する方向の長さを可変にすることができ、また、被処理物の交差する方向における中央部だけ表面改質することができる。
【0012】
かかる表面処理装置であって、前記遮蔽物に孔が設けられ、前記被処理物の表面のうち表面改質する処理領域に対して、前記孔から前記放電を照射すること。
このような表面処理装置によれば、被処理物における種々の形状の領域に対して表面改質することができる。
【0013】
かかる表面処理装置であって、ドラム形状を成す前記対向電極が回転することによって、前記被処理物は前記放電電極に対して所定方向の一方側から他方側へ搬送され、前記遮蔽物は、前記放電電極よりも前記所定方向の前記一方側へ延びていること。
このような表面処理装置によれば、被処理物と放電電極との衝突を防止することができ、放電電極と対向電極との間に被処理物を通すことができる。
【0014】
かかる表面処理装置であって、前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加してコロナ放電を発生させること。
このような表面処理装置によれば、被処理物のインク密着性を向上させることができる。
【0015】
かかる表面処理装置と、前記被処理物の表面に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置であって、前記被処理物の表面のうち画像を記録する領域を表面改質し、前記被処理物の表面のうち画像を記録しない領域は表面改質しないこと。
このような画像記録装置によれば、被処理物のインク密着性が向上した領域に画像を良好に記録することができ、表面改質された被処理物の領域にインクが塗布されるため、ブロッキングや透明性低下の問題を抑制することができる。
【0016】
かかる表面処理装置と、前記被処理物の表面に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置であって、前記被処理物の表面のうち画像を記録する領域及び画像を記録しない領域を含む領域を表面改質し、前記記録部は、前記領域のうち、画像を記録しない領域に対して補助インクを吐出すること。
このような画像記録装置によれば、表面改質された被処理物の領域であって画像が記録されない領域でのブロッキングを抑制することができる。
【0017】
===プリンター===
図1は、プリンター1(画像記録装置に相当)の概略断面図である。プリンター1は、表面処理ユニット10(表面処理装置に相当)と、印刷ユニット20(記録部に相当)と、を有する。プリンター1では、基材Sが、表面処理ユニット10を通過した後に、印刷ユニット20を通過する。本実施形態では、基材Sを、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明なプラスチックフィルムとするが、これに限らず、例えば、基材Sを薄い板金等にしてもよい。また、図1では、カットされた基材Sを示すが、これに限らず、ロール状に巻かれた連続した基材Sを使用してもよい。
【0018】
表面処理ユニット10は、画像の印刷前に、コロナ放電処理で基材Sの表面を改質し、基材Sへのインク密着性を向上するためのものであり、表面処理制御部11と、給紙ローラー12と、搬送ローラー13と、回転ガイド14と、放電電極15と、対極ローラー16と、交流電源17と、遮蔽物18と、を有する。
【0019】
給紙ローラー12は、基材Sを対極ローラー16の表面に給紙するためのものであり、基材Sは、回転する対極ローラー16及び搬送ローラー13に挟持されつつ、対極ローラー16の表面上を反時計回り方向に搬送される。即ち、対極ローラー16により、基材Sは放電電極15に対して搬送方向(水平方向、所定方向に相当)の上流側(一方側)から下流側(他方側)に搬送される(厳密に言えば、基材Sは対極ローラー16の表面に沿って湾曲して搬送される)。対極ローラー16の上方で放電電極15と対向した基材Sは、その後、長手方向が水平方向に沿う回転ガイド14に導かれ、表面処理ユニット10から印刷ユニット20に搬送される。なお、回転ガイド14は回転可能であり、基材Sと放電電極15を複数回対向させる場合には、長手方向が上下方向に沿うように回転ガイド14を回転させる。そうすることで、基材Sは、印刷ユニット20に搬送されることなく、対極ローラー16の表面上を1回転し、再び、放電電極15と対向する。
【0020】
放電電極15は、基材Sの最大幅以上に幅方向(搬送方向と交差する方向)に長く延び、導電性部材(例えば、アルミニウムやステンレスなどの金属)から成る棒状の電極に、誘電体(絶縁体、例えば、シリコンゴムやセラミックなど)が被覆されたものである。一方、対極ローラー16は、放電電極15と所定の距離を隔てて対向配置され、導電性部材から成る回転可能なドラム形状の電極に誘電体が被覆されたものである。放電電極15は交流電源17と電気的に接続され、対極ローラー16は接地されている。
【0021】
表面処理制御部11が、交流電源17によって、放電電極15と対極ローラー16との間に高周波・高電圧を印加すると、その間にコロナ放電が発生する。その間を基材Sが通過することにより、基材Sはコロナ放電に曝されて表面改質される。即ち、コロナ放電により、疎水性のプラスチックフィルム表面に親水性の官能基が導入され、基材S表面の濡れ性が増し、インクの密着性が向上する。
【0022】
この時、放電電極15と対極ローラー16との間(一部)に遮蔽物18が設けられ、基材Sの一部がコロナ放電に曝されることを防止し、基材Sの一部に対して表面改質が行われないようにする(詳細は後述)。なお、本実施形態では、遮蔽物18を、耐熱性のあるポリイミド(PI)のフィルムとする(例えば、耐熱温度が約240℃までのものとする)が、これに限らない。
【0023】
また、表面処理制御部11は、基材Sのインク密着性が向上するように、通常用いられている条件にてコロナ放電処理が行われるように、各部を制御する。例えば、表面処理制御部11は、交流電源17の周波数や電極への印加電圧、基材Sの搬送速度、放電電極15と基材Sとの間隔などを制御する。本実施形態では、基材Sへの放電量が数百Wmin/mとなるようにし、また、対極ローラー16が任意の温度範囲内(例えば、40℃以上80℃以下)に保たれるようにする。
【0024】
印刷ユニット20は、表面改質された基材Sに画像を印刷(記録)するためのものであり、印刷制御部21と、ヘッド22と、キャリッジ23と、搬送ローラー24と、を有する。
【0025】
印刷制御部21は、印刷データに基づき、各部を制御する。ヘッド22は、基材Sに向けてインクを吐出し、基材Sに画像を印刷するためのものである。ヘッド22の下面では、インクを吐出する複数のノズルが搬送方向に所定の間隔おきに並んでいる。キャリッジ23は、キャリッジ23に搭載されたヘッド22を、基材Sの幅方向に移動するためのものである。搬送ローラー24は、表面処理ユニット10から基材Sを受け取り、基材Sがヘッド22の下面を通過するように、基材Sを搬送方向の下流側へ搬送するためのものである。
【0026】
このような構成の印刷ユニット20において、印刷制御部21は、キャリッジ23によりヘッド22を幅方向に移動させながら、ヘッド22(ノズル)からインクを吐出させる動作と、搬送ローラー24により基材Sを搬送方向の下流側へ搬送させる動作と、を交互に繰り返す。その結果、基材S上には、2次元の画像が印刷される。ただし、印刷ユニット20の構成は、これに限らない。例えば、基材Sの最大幅以上に多数のノズルが幅方向に並んだ固定されたヘッドの下を、基材Sを停めることなく一定の速度で搬送し、下を通過する基材Sに向けてヘッドがインクを吐出するようにしてもよい。この場合にも、基材Sに2次元の画像が印刷される。
【0027】
===表面処理(コロナ放電処理)による課題===
本実施形態のプリンター1は、基材Sに対してコロナ放電処理を施し、基材Sのインク密着性(濡れ性)を向上させた後に、基材Sに画像を印刷する。そうすることで、プラスチックフィルムのようなインクをはじき易い基材Sの上にも画像を良好に印刷することができる。
【0028】
しかし、インク密着性を向上させる程の強い強度で(高い放電量Wmin/mで)、基材Sにコロナ放電処理を施すと、基材Sがべたついて、ブロッキング(基材S同士の密着)が発生し易くなったり、また、基材Sの透明性が低下したりして、基材Sの品質が低下してしまう。逆に、ブロッキングの発生や透明性低下が抑えられる程の弱い強度で(低い放電量Wmin/mで)、基材Sにコロナ放電処理を施すと、インク密着性が不十分となり、良好な印刷を行うことができない。
【0029】
ただし、強い強度で基材Sにコロナ放電処理を施したとしても、その上にインクが塗布されれば、コロナ放電処理された部分(べたつき部分)が露出せず、ブロッキングの発生を抑制することができる。また、コロナ放電処理された部分に不透明インク(例えば、イエロー,マゼンタ,シアンなどの有彩色インクや白黒インク)が塗布されれば、透明性が低下した部分が露出しなくなる。つまり、インク密着性を向上させる程の強い強度で基材Sにコロナ放電処理を施したとしても、その上にインク(不透明インク)が塗布されれば、ブロッキングや透明性低下の問題が生じず、基材Sの品質低下を抑制することができる。逆に言えば、画像を印刷する基材Sの領域に関係なく、基材Sの全面にコロナ放電処理を施してしまうと、画像が印刷されない領域(インクが塗布されない領域)において、ブロッキングや透明性低下の問題が生じてしまう。
【0030】
そこで、本実施形態のプリンター1では、基材Sのうち、画像が印刷される領域に基づく任意の領域に対してだけ、コロナ放電処理が施されるようにする。そのために、プリンター1は、コロナ放電処理を施したくない領域には、基材Sと放電電極15との間に遮蔽物18を設ける。以下、具体的な表面処理方法について説明する。
【0031】
===実施例1:表面処理方法===
図2は、実施例1における表面処理方法を説明する図であり、放電電極15や対極ロール16等を上から見た図である。実施例1の表面処理ユニット10は、幅方向の奥側に位置する第1遮蔽物18aと、幅方向の手前側に位置する第2遮蔽物18bと、第1遮蔽物18aを幅方向に移動させるための第1移動レール19aと、第2遮蔽物18bを幅方向に移動させるための第2移動レール19bと、を有する。各遮蔽物18a,18bは、図1に示すように、放電電極15と基材S(対極ローラー16)との間に設けられ、湾曲する対極ローラー16に対して水平方向(搬送方向)に沿っている。また、各遮蔽物18a,18bの搬送方向の長さは対極ローラー16の搬送方向の長さ(直径)以上であり、各遮蔽物18a,18bの搬送方向における中央部に放電電極15が位置する。
【0032】
各遮蔽物18a,18bの搬送方向における両端部は、それぞれ移動レール19a,19bに接続され、各遮蔽物18a,18bは各移動レール19a,19bに沿って幅方向に独立して移動可能である。本実施形態では、表面処理制御部11が各移動レール19a,19bに接続されたモーター(不図示)の動作を制御することにより、各照射部18a,18bを幅方向に自動的に移動させる。
【0033】
第1遮蔽部18aは基材Sの通過領域よりも幅方向の奥側に移動可能であり、第2遮蔽部18bは基材Sの通過領域よりも幅方向の手前側に移動可能である。従って、基材Sの全面を放電電極15と対向させることができ、基材Sの全面に対してコロナ放電処理を施すことができる。
また、各遮蔽物18a,18bの幅方向の長さは、基材Sの最大幅の1/2以上の長さである。従って、基材Sの幅の狭い領域に対してだけコロナ放電処理を施すことができる。
また、基材Sの通過領域の幅方向における中央部よりも、第1遮蔽物18aは幅方向手前側に移動可能であり、第2遮蔽物18bは幅方向奥側に移動可能である。従って、基材Sの幅方向手前側に寄った領域や基材Sの幅方向奥側に寄った領域に対してだけコロナ放電処理を施すことができる。
【0034】
以下、基材Sに対する処理の流れについて説明する。まず、表面処理制御部11は、給紙ローラー12によって基材Sを対極ローラー16に給紙させると共に、印刷制御部21から印刷データを取得し、コロナ放電処理を施す処理領域を決定する。表面処理制御部11は、基材Sの表面のうちで画像が印刷される「印刷領域」を、コロナ放電処理を施す「処理領域」(表面改質する処理領域)とし、基材Sの表面のうちで画像が印刷されない「非印刷領域」を、コロナ放電処理を施さない「非処理領域」(表面改質しない非処理領域)とする。以下の説明のため、図2に示すように、基材Sの中央部(斜線部分)にだけ画像を印刷する場合、即ち、基材Sの中央部にだけコロナ放電処理を施す場合を例に挙げる。
【0035】
表面処理制御部11は、コロナ放電する処理領域を決定すると、対極ローラー16と搬送ローラー13によって基材Sを放電電極15に向けて搬送させると共に、コロナ放電する処理領域に応じて、第1遮蔽物18aと第2遮蔽物18bの幅方向の位置を調整する。
【0036】
具体的に説明するために、基材Sの幅方向奥側の位置y2から手前側の位置y3までの領域であって、搬送方向下流側の位置x2から上流側の位置x3までの領域を、コロナ放電する処理領域とする。この場合、表面処理制御部11は、第1遮蔽部18aの幅方向手前側の端部が幅方向の位置y2に揃い、第2遮蔽部18bの幅方向奥側の端部が幅方向の位置y3に揃うように、第1遮蔽物18a及び第2遮蔽物18bをそれぞれ幅方向に移動させる。そうすると、基材Sの幅方向の位置y2からy3までの領域は、放電電極15と対向するが、その他の領域は、放電電極15とは対向せずに遮蔽物18a,18bと対向する。
【0037】
そして、基材Sが放電電極15まで到達すると、表面処理制御部11は、コロナ放電する処理領域に応じて、コロナ放電を発生させる時間を調整する。ここでは、基材Sの搬送方向の位置x1(下流側端部)からx2までの領域と、位置x3からx4(上流側端部)までの領域を、コロナ放電しない非処理領域とする。そのため、基材Sの搬送方向の位置x1からx2までの領域が放電電極15と対向する期間、及び、基材Sの搬送方向の位置x3からx4までの領域が放電電極15と対向する期間では、表面処理制御部11は、放電電極15と対極ローラー16との間にコロナ放電を発生させない(放電offとする)。そうすることで、基材Sの搬送方向の位置x1からx2までの領域、及び、搬送方向の位置x3からx4までの領域では、幅方向の全域に亘って、コロナ放電処理されないようにすることができる。
【0038】
一方、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域であって幅方向の位置y2からy3までの領域は、コロナ放電する処理領域である。そのため、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域が放電電極15と対向する期間では、表面処理制御部11は、放電電極15と対極ローラー16との間に高周波・高電圧を印加させ、コロナ放電を発生させる(放電onとする)。そうすることで、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域であって、幅方向の位置y2からy3までの領域、即ち、遮蔽物18a,18bが介在せずに放電電極15と対向する領域に対して、コロナ放電処理を施すことができる。一方、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域であっても、幅方向の位置y1(奥側端部)からy2までの領域と、幅方向の位置y3からy4(手前側端部)までの領域、即ち、遮蔽物18a,18bが介在し放電電極15と対向しない領域は、コロナ放電処理されない。
【0039】
このように、遮蔽物18a,18bの幅方向の位置調整とコロナ放電を発生させる時間の調整によって、基材Sの表面のうち、画像が印刷される領域に対してだけ、コロナ放電処理を施すことができる。こうして、任意の範囲だけコロナ放電処理された基材Sは、その後、図1に示すように、回転ガイド14に沿って、表面処理ユニット10から印刷ユニット20に搬送される。そして、印刷制御部21は、印刷データに基づき、基材Sの表面のうち、コロナ放電された処理領域に対して、画像を印刷させる。そのため、インク密着性が向上した基材Sの領域に画像を印刷することができ、また、コロナ放電された基材Sの領域にはインクが塗布されるため、ブロッキングや透明性低下の問題を抑えることができる。
【0040】
図3Aから図3Dは、図2とは異なる領域に対してコロナ放電処理を施す場合を説明する図である。図3Aに示すように、基材Sの中央部以外の周辺領域(斜線部分)に対してコロナ放電処理を施す場合、基材Sと放電電極15を2回対向させるとよい。即ち、基材Sが対極ローラー16の表面上を2回転するようにする。
【0041】
まず、1回転目において、基材Sの搬送方向の位置x1からx2までの領域、及び、搬送方向の位置x3からx4までの領域が、放電電極15と対向する期間では、表面処理制御部11は、図3Bに示すように、第1遮蔽物18aを基材Sよりも幅方向の奥側にずらし、第2遮蔽物18bを基材Sよりも幅方向の手前側にずらし、放電電極15と対極ローラー16との間にコロナ放電を発生させる。そうすることで、基材Sの搬送方向の位置x1からx2までの領域、及び、搬送方向の位置x3からx4までの領域では、幅方向の全域に対して、コロナ放電処理を施すことができる。
【0042】
また、1回転目において、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域が放電電極15と対向する期間では、表面処理制御部11は、図3Cに示すように、基材Sの幅方向の位置y2よりも第1遮蔽物18aと第2遮蔽物18bを幅方向の手前側にずらし、放電電極15と対極ローラー16との間にコロナ放電を発生させる。そうすることで、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域であって、幅方向の奥側端部y1からy2までの領域に対して、コロナ放電処理を施すことができる。
【0043】
その後、表面処理制御部11は、図1に示す回転ガイド14の長手方向を上下方向に沿わせ、基材Sを印刷ユニット20に移行させずに対極ローラー16の表面上を回転させ、基材Sと放電電極15を再び対向させる。そして、2回転目において、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域が放電電極15と対向する期間では、表面処理制御部11は、図3Dに示すように、基材Sの幅方向の位置y3よりも第1遮蔽物18aと第2遮蔽物18bを幅方向の奥側にずらし、放電電極15と対極ローラー16との間にコロナ放電を発生させる。そうすることで、基材Sの搬送方向の位置x2からx3までの領域であって、幅方向の位置y3から手前側端部y4までの領域に対して、コロナ放電処理を施すことができる。こうして、基材Sと放電電極15を2回対向させることで、基材Sの中央部以外の周辺領域に対してだけコロナ放電処理を施すことができる。
【0044】
なお、基材Sの中央部をコロナ放電しない非処理領域とする場合であっても、非処理領域の幅と遮蔽物18a,18bの幅が等しければ、基材Sと放電電極15を1回対向させるだけでよい。逆に言えば、図3に示すように、複数回に分けて放電電極15と基材Sを対向させることで、遮蔽物18a,18bの幅に囚われることなく、自由な幅で基材Sの中央部を非処理領域にすることができる。
【0045】
以上のように、本実施形態のプリンター1は、相対向する放電電極15と対極ローラー16(対向電極に相当)との間に電圧を印加してコロナ放電を発生させることにより、放電電極15と対極ローラー16との間に位置する基材S(被処理物に相当)の表面を改質する際に、放電電極15と基材Sとの間に、基材Sの表面のうち表面改質しない非処理領域を形成するための遮蔽物18a,18bを設ける。そうすることで、基材Sの幅方向における任意の領域に対してだけ、コロナ放電処理を施すことができる。
【0046】
また、本実施形態のプリンター1は、表面改質する基材Sの処理領域が放電電極15と対向する時には、放電電極15と対極ローラー16との間にコロナ放電を発生させ、表面改質しない基材Sの非処理領域が放電電極15と対向する時には、放電電極15と対極ローラー16との間にコロナ放電を発生させない。そうすることで、基材Sの搬送方向における任意の領域に対してだけ、コロナ放電処理を施すことができる。つまり、本実施形態のプリンター1によれば、基材Sの表面のうちの任意の領域に対してだけコロナ放電処理を施し、表面改質し、インク密着性(濡れ性)を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態のプリンター1は、基材Sの表面のうち画像が印刷されない領域を、コロナ放電処理を施さず表面改質しない「非処理領域」とし、基材Sの表面のうち画像が印刷される領域を、コロナ放電処理を施し表面改質する「処理領域」とする。即ち、基材Sの表面のうちの画像が印刷されない領域と放電電極15との間に遮蔽物18a,18bが設けられる。
【0048】
そうすることで、画像が印刷される基材Sの領域にはコロナ放電処理が施されてインク密着性が向上しているため、画像の印刷を良好に行うことができる。即ち、基材Sにインクを定着させ、インクの剥がれを防止することができる。また、コロナ放電処理が施された基材Sの領域には、画像を印刷するための有彩色インク等が塗布されるため、ブロッキングを防止することができ、また、コロナ放電処理により透明性が低下した部分を露出させないようにすることができる。逆に、画像が印刷されない基材Sの領域にはコロナ放電処理が施されないため、ブロッキングや透明性低下の問題が生じない。従って、基材Sの品質低下を抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態のプリンター1には、搬送方向と交差する幅方向に移動可能な遮蔽物18a,18bが設けられ、また、幅方向に独立して移動可能な複数の遮蔽物(第1遮蔽物18aと第2遮蔽物18b)が設けられている。
そのため、コロナ放電しない基材Sの非処理領域の幅方向の位置を可変にすることができ、非処理領域の幅方向の長さを可変にすることができる。また、図2に示すように、基材Sの幅方向における中央部に対してだけコロナ放電処理を施すことができる。
【0050】
また、本実施形態のプリンター1では、基材Sは、対極ローラー16の表面に沿って、対極ローラー16と搬送ローラー13に挟持されつつ搬送される。ただし、対極ローラー16の全面に搬送ローラー13は配置されないため、カットされた基材Sは、搬送ローラー13を放れると対極ローラー16の表面に沿わずに接線方向に進み易い。しかし、本実施形態のプリンター1では、遮蔽物18a,18bが放電電極15よりも搬送方向の上流側へ延びている。そのため、接線方向に進む基材Sを、遮蔽物18a,18bに沿わせて、放電電極15と対極ローラー16との間を通過させることができる。即ち、遮蔽物18a,18bは、対極ローラー16からの基材Sの浮き上がりを抑え、基材Sと放電電極15の衝突を防止することができる。つまり、遮蔽物18a,18bを、基材Sの搬送ガイドとしても機能させることができる。
【0051】
===実施例2:表面処理方法===
図4Aから図4Cは、実施例2における表面処理方法を説明する図である。前述の実施例1(図2)では、搬送方向及び幅方向の長さが一定である領域に対してコロナ放電処理を施し、搬送方向及び幅方向の長さが一定である画像を印刷する場合を例に挙げているが、これに限らず、図4Aに示すように、複雑な形状の画像Pを印刷する場合がある。この場合、画像Pと一致する領域に対してだけコロナ放電処理を施すことは難しい。そこで、実施例2では、画像Pが印刷される領域を含む基材Sの領域に対してコロナ放電処理を施す。即ち、基材Sの表面のうち、画像を印刷する領域、及び、画像を印刷しない領域を含む領域を表面改質する。
【0052】
例えば、図4Aに示す画像Pを印刷する場合、表面処理制御部11は、画像Pが印刷される領域が含まれるように、図4Bに示すように、基材Sの搬送方向の位置x1からx2までの領域であって、幅方向の位置y1からy2までの領域に対して、コロナ放電処理を施す。このように、搬送方向及び幅方向の長さが一定である四角形の領域に対してコロナ放電処理を施すのであれば、前述の実施例1にて説明したように、第1遮蔽物18aの手前側端部を幅方向の位置y1に揃え、第2遮蔽物18bの奥側端部を幅方向の位置y2に揃え、基材Sの搬送方向の位置x1からx2までの領域が放電電極15と対向する期間にコロナ放電を発生させればよい。
【0053】
そうすることで、画像Pが印刷される基材Sの領域ではインク密着性が向上しているため、画像Pを良好に印刷することができる。ただし、コロナ放電処理が施された領域のうち、画像Pが印刷されない領域では、ブロッキングが生じ易くなっている。
【0054】
そこで、印刷ユニット20は、表面処理ユニット10からコロナ放電処理が施された処理領域データを取得し、基材Sにおける表面改質された処理領域の中で、有彩色インク等による画像Pが印刷されない領域に対して、無色透明インク(補助インクに相当)を吐出する。そうすることで、コロナ放電処理が施された領域であって画像が印刷されない領域のブロッキングの問題を解消することができる。また、補助インクを、基材Sと同色のインク、又は、無色透明インクにすることが好ましく、ここでは補助インクを無色透明インクとする。そうすることで、画像Pを印刷するためのインク以外の補助インクを基材Sに吐出しても、消費者に視認されることがなく、基材Sの品質低下を抑制することができる。なお、補助インクを基材Sと同色のインクにするに限らず、例えば、無色透明のフィルムに対して、印刷画像に影響しない程に若干の有彩色を有する透明インクを補助インクとして吐出してもよい。
【0055】
===実施例3:表面処理方法===
図5A及び図5Bは、実施例3における表面処理方法を説明する図である。実施例3では、比較的に幅の狭い多数(図5では8個)の遮蔽物18を用いて、基材Sの任意の領域に対してだけコロナ放電処理が施されるようにする。なお、8個の遮蔽物18は幅方向に独立して移動可能とする。
【0056】
図5Aに示すように、基材Sの中央部の非処理領域に対してだけコロナ放電処理を施さない場合、前述の実施例1(図3)のように比較的に幅の広い2つの遮蔽物18a,18bを使用するときには、放電電極15と基材Sを2回対向させなければならない。これに対して、実施例3では、非処理領域の幅方向の長さに相当する数(図では3個)の遮蔽物18を、非処理領域の幅方向の位置(y1〜y2)に配置すればよい。そうすることで、放電電極15と基材Sを1回対向させるだけで、基材Sの中央部の非処理領域にコロナ放電処理を施さないようにすることができる。
【0057】
また、図5Bに示すように、コロナ放電処理を施さない複数の非処理領域が幅方向に離れて位置する場合、各非処理領域の幅方向の長さに相当する数(図では2個)の遮蔽物18を、各非処理領域の幅方向の位置(y1〜y2とy3〜y4)に配置すればよい。そうすることで、放電電極15と基材Sを1回対向させるだけで、複数の非処理領域にコロナ放電処理を施さないようにすることができる。
【0058】
つまり、幅の狭い遮蔽部18を多数使用することで、コロナ放電処理を施さない非処理領域の数や幅方向の位置、幅長さの自由度を高めることができる。そのため、放電電極15と基材Sの対向回数を減らしつつ、基材Sの任意の領域に対してだけコロナ放電処理を施すことができ、表面処理時間を短縮することができる。
【0059】
===実施例4:表面処理方法===
図6A及び図6Bは、実施例4における表面処理方法を説明する図である。図6Aに示すように、実施例4の遮蔽物18には、幅方向及び搬送方向の中央部、即ち、放電電極15と対向する位置に「孔30」が設けられている。なお、図6Aでは、遮蔽物18の孔30の位置を示すために、放電電極15の位置を点線にて仮想的に示す。そして、実施例4では、基材Sの表面のうちコロナ放電処理を施す処理領域(表面改質する処理領域)に対して、遮蔽物18の孔30からコロナ放電を照射する。即ち、遮蔽物18の孔30を介して放電電極15と対向する基材Sの部位にだけ、コロナ放電処理を施す。
【0060】
そのために、遮蔽物18は移動レール19に添って幅方向に移動可能とする。また、例えば、基材Sの幅方向手前側の領域に対してコロナ放電処理を施す場合、基材Sの幅方向奥側の領域が遮蔽物18で覆われるように、遮蔽物18の幅方向の長さを基材Sの最大幅の2倍以上とする。
【0061】
図6Bは、基材Sに楕円形状の画像を印刷する場合、即ち、基材Sの楕円形状の領域に対してコロナ放電処理を施す場合における、孔30(遮蔽物18)の移動の軌跡を示す図である。楕円形状の処理領域にコロナ放電処理を施す場合、まず、図6Bに示すように、楕円処理領域の手前側の外形線L1に沿って基材Sが放電電極15(孔30)と対向するように、搬送方向下流側に搬送される基材Sに対して、表面処理制御部11は遮蔽物18を幅方向の手前側や奥側に移動させる。そうすることで、図6Bの右図に示すように、楕円処理領域の手前側の部分(斜線部分)だけがコロナ放電処理される。そして、基材Sが2回目に放電電極15と対向する時には(図6Bの右図)、1回目にコロナ放電処理された部分(斜線部分)の奥側の外形線L2に沿って基材Sが放電電極15(孔30)と対向するように、表面処理制御部11は遮蔽物18を幅方向に移動させる。そうすることで、楕円処理領域の中央部分がコロナ放電処理される。
【0062】
このように、コロナ放電処理を施す処理領域の形状に応じて、基材Sが孔30を介して放電電極15と対向するように、搬送方向下流側に搬送される基材Sに対して、表面処理制御部11は遮蔽物15を幅方向に移動させる。そうすることで、搬送方向及び幅方向の長さが一定の四角形の領域に対してだけでなく、種々の形状の領域(例えば楕円形状の領域)に対して、コロナ放電処理を施すことができる。従って、四角形以外の形状の画像を印刷する場合にも、画像が印刷される基材Sの領域に対してだけコロナ放電処理を施すことができる。逆に言えば、印刷画像の形状の自由度を高めることができる。
【0063】
===変形例===
前述の実施形態では、幅方向に自動で移動可能な複数の遮蔽物18を備えたプリンター1を例に挙げているが、これに限らず、例えば、幅方向の位置が固定された遮蔽物18や、遮蔽物18を1つだけ備えるプリンターであってもよいし、遮蔽物18をユーザーが手動で動かすようにしてもよい。また、前述の実施形態では、放電電極15に対して基材Sを移動させているが、これに限らず、例えば、基材Sに対して放電電極15を移動させるようにしてもよいし、基材Sと同等の大きさの電極を用いるようにしてもよい。
【0064】
また、前述の実施形態では、表面処理装置(表面処理ユニット10)と画像を記録する記録部(印刷ユニット20)が一体となった画像記録装置(プリンター1)を例に挙げているが、これに限らず、表面処理装置と記録部を別体の装置としてもよい。また、対極ドラム16と対向する位置にインクを吐出するヘッド22を設け、基材Sが対極ドラム16上を1回転する間に表面改質処理と印刷処理の両方が施されるようにしてもよい。
【0065】
また、前述の実施形態では、通常の空気雰囲気下で基材Sにコロナ放電処理を施し、基材Sの表面改質を行っているが、これに限らない。例えば、インクの密着性を向上させつつブロッキングを抑制するために、窒素雰囲気下で基材Sにコロナ放電処理を施し、基材Sの表面に窒素原子を導入させるようにしてもよい。また、基材Sの表面を改質するために、グロー放電等のその他のプラズマ放電処理を基材Sに施してもよいし、基材Sの表面に導入させたい官能基の原料となる反応ガスを電極間に吹き付けながら放電処理を実施してもよい。また、放電で発生するオゾンを回収する機構を表面処理ユニット10に設けるとよい。
【0066】
以上、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0067】
1 プリンター、10 表面処理ユニット、11 表面処理制御部、
12 給紙ローラー、13 搬送ローラー、14 回転ガイド、
15 放電電極、16 対極ローラー、17 交流電源、18 遮蔽物、
19 移動レール、20 印刷ユニット、21 印刷制御部、22 ヘッド、
23 キャリッジ、24 搬送ローラー、S 基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対向する放電電極と対向電極との間に電圧を印加して放電を発生させることにより、前記放電電極と前記対向電極との間に位置する被処理物の表面を改質する表面処理装置であって、
前記放電電極と前記被処理物との間に、前記被処理物の表面のうち表面改質しない非処理領域を形成するための、遮蔽物が設けられること、
を特徴とする表面処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面処理装置であって、
前記放電電極と前記被処理物は所定方向に相対移動し、
前記遮蔽物は、前記所定方向と交差する方向に移動可能である、
表面処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表面処理装置であって、
前記交差する方向に独立して移動可能な複数の前記遮蔽物を備える表面処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の表面処理装置であって、
前記遮蔽物に孔が設けられ、
前記被処理物の表面のうち表面改質する処理領域に対して、前記孔から前記放電を照射する、
表面処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の表面処理装置であって、
ドラム形状を成す前記対向電極が回転することによって、前記被処理物は前記放電電極に対して所定方向の一方側から他方側へ搬送され、
前記遮蔽物は、前記放電電極よりも前記所定方向の前記一方側へ延びている、
表面処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の表面処理装置であって、
前記放電電極と前記対向電極との間に電圧を印加してコロナ放電を発生させる表面処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の表面処理装置と、前記被処理物の表面に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置であって、
前記被処理物の表面のうち画像を記録する領域を表面改質し、
前記被処理物の表面のうち画像を記録しない領域は表面改質しない、
画像記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の表面処理装置と、前記被処理物の表面に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置であって、
前記被処理物の表面のうち画像を記録する領域及び画像を記録しない領域を含む領域を表面改質し、
前記記録部は、前記領域のうち、画像を記録しない領域に対して補助インクを吐出する、
画像記録装置。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−107270(P2013−107270A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253730(P2011−253730)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】