説明

表面処理装置における板状被処理物の搬送装置、この搬送装置の挟持チャック

【課題】 板状被処理物の両側縁を挟持して水平搬送する挟持チャックの自動開閉を確実かつ円滑に行なえるようにする。
【解決手段】 板状被処理物の両側縁を挟持して水平搬送する挟持チャックの自動開閉を、エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段に取付けられて回転駆動される挟持チャック9の上部に付設したチャック開閉ガイド係合部材35がチャック開閉ガイド部材20の高位ガイド上面部20aに係合されて行なわれるようにした。このチャック開閉ガイド係合部材35をガイド上面部に転動係合される回転ローラ40をもつ反転レバー37とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動される挟持チャックで板状被処理物の両側縁を挟持して被処理物を水平状態で搬送しながら表面処理する装置に関し、特に板状被処理物の両側縁を挟持して水平搬送する挟持チャックの自動開閉制御機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の処理装置としては、特許文献1の板状物体の電解処理装置が公知である。この電解処理装置は、板状物体が水平状態で電解室に供給され、一定滞留時間該電解室を連続的に通過し、電解処理後に電解室から再び搬出される、板状物体上に金属を電着する装置であり、板状物体を電解室を通して運搬するための搬送装置が、搬送域中で板状物体の側縁を挟持して搬送方向に移動する、エンドレスに回転して駆動される個々のクランプの列として構成され、電解室内にある板状物体の搬送路の始端と終端には、クランプによる板状物体の挟持および開放を惹起する装置が設けられたものである。
【0003】
この特許文献1では、クランプの開閉制御を、クランプとして、ばね圧下に締付ける2つの屈曲部材17、18が使用され、かつクランプの非搬送域にわたって延びる傾斜レール32の傾斜面33に一方又は双方の屈曲部材が係合することにより板状物体を開放する、構成にしてある。そして、第2図の実施形態では、前記クランプは、屈曲部材17、18ごとに、双方の屈曲部材のリンク継手20の上方に存在しかつ屈曲部材の上部アーム34,39の間で突張る圧縮ばね19が設けられていて、屈曲部材17の上部の折曲端34が傾斜面33に係合すると、連結点20を中心にして屈曲部材17の下端部21が開く方向に旋回し、屈曲部材17,18の下端部21、22が相互に離れる、開放状態となるようにしてある。
【0004】
しかし、この文献のクランプ開閉制御は、連結点20を中心にして屈曲部材17の下端部21が開く方向に旋回し、屈曲部材17,18の下端部21、22が相互に離れる、開放状態となるようにしてあるため、開放状態において、屈曲部材17,18の下端部21、22の上下方向の離間幅を広くとれない。このことは、クランプで掴んでいた板状物体を開放する動作を困難にしていると共に、特にクランプで板状物体を掴む動作を困難にしている。すなわち、上下方向の離間幅が狭い開状態のクランプに水平状態の板状物体を的確に供給することが困難である。
【0005】
しかも、この文献のクランプ開閉制御は、傾斜レール32の傾斜面33に屈曲部材の折曲端34を面接触させて係合させる構成であるため、傾斜面を移動通過する屈曲部材への抵抗が大きく、クランプの円滑な開閉動作を困難にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−31476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような実情に鑑み、本発明は、エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段に取付けられて、回転駆動される挟持チャックで板状被処理物の両側縁を挟持して被処理物を水平状態で搬送しながら表面処理する装置において、被処理物の搬送通路の始端部と終端部で挟持チャックによる板状被処理物の挟持及び開放を確実かつ円滑に行なえる、チャック自動開閉制御機構を含む搬送装置を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、挟持チャックの開放状態(搬送始端部での被処理物を挟持するための受け入れ開放動作、搬送終端部での被処理物の開放動作)において、チャックの上下挟持部を、被処理物の水平搬送高さレベル面に対して、上下に間隔を空け離間させるようにし、被処理物を挟持する搬送始端部では、上下挟持部間の空け間隔へ被処理物を確実且つ円滑に安定供給できるようにし、挟持していた被処理物を開放する搬送終端部では、被処理物にキズがつかないようにする、チャック自動開閉制御機構を含む搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明(請求項1の発明)は、平行な両側縁をもつ板状の被処理物が水平供給手段によって板面を上下にした水平搬送面高さレベルによる水平状態で表面処理槽に供給され、該表面処理槽を該水平搬送面高さレベルによる水平状態で連続的に搬送させて通過し、表面処理後に被処理物が水平搬出手段によって表面処理槽から搬出される、被処理物に表面処理を施す装置において、被処理物を表面処理槽の通過区間に亘って水平搬送面高さレベルによる水平状態で搬送するための搬送装置が、表面処理槽における被処理物の搬送通路を間にした両側にそれぞれ設けた水平搬送手段によって構成され、各水平搬送手段は、エンドレスに回転駆動される、前記搬送通路に沿う直線搬送駆動部をもつ搬送駆動手段に等間隔を置いて多数の挟持チャックを取付けてそれぞれ構成され、前記挟持チャックは水平搬送面高さレベルによる水平状態の被処理物の側縁部を上下方向において挟持及び開放する下挟持部と上挟持部を備え、各水平搬送手段の挟持チャック群は、同期した速度で回転駆動され、搬送通路側の各直線駆動経路部を互いに平行で且つ前記搬送通路を間にして離間させた横幅間隔を有しており、搬送通路側の各直線駆動経路部にある挟持チャック群で被処理物の両側縁部を同期的に挟持して、表面処理槽の通過区間に亘って被処理物を水平搬送面高さレベルによる水平状態で搬送方向に移動するように構成し、前記水平搬送手段は、被処理物の搬送通路の始端部を通過する挟持チャックを開状態から被処理物の側縁部を挟持可能な閉状態に制御し、被処理物の搬送通路の終端部を通過する挟持チャックを閉状態から被処理物の側縁部を開放可能な開状態に制御する、チャック自動開閉制御機構をそれぞれ備え、このチャック自動開閉制御機構が、前記挟持チャック群の回転駆動経路に沿う、始端部側のコーナー回転駆動経路部から回転駆動方向における搬送通路の始端部の直前位置に至る位置及び搬送通路の終端部から回転駆動方向におけるコーナー回転駆動経路部へ至る位置にそれぞれ配設した、高位ガイド上面部を有するチャック開閉ガイド部材を備え、前記挟持チャックは、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に取付けられた固定チャック杆の下端部に前記下挟持部を形成し、この固定チャック杆に上下動自在に保持される可動チャック杆の下端部に前記上挟持部を形成し、可動挟持杆を圧縮ばねのバネ圧によって下動させ、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を常態において上下方向に閉じた閉状態に制御してあり、且つ、前記挟持チャックの上部にはチャック開閉ガイド係合部材を付設してあり、このチャック開閉ガイド係合部材は、前記チャック開閉ガイド部材の高位ガイド上面部に係合可能な係合部をもち、この挟持チャックが前記チャック開閉ガイド部材の位置を通過する際に、この係合部が高位ガイド上面部に係合されることによって、前記可動チャック杆が圧縮ばねのバネ圧に抗して上動され、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部が上下方向に離間された開状態に制御されるように構成した、ことを特徴とする表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0010】
また、本発明(請求項2の発明)は、前記挟持チャックが、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に上下方向に長い長穴をもつ取付け部材を介して上下に移動自在に取付けられ、該チャックの開状態においては、該チャックの自重によって、該チャックの下挟持部が被処理物の前記水平搬送面高さレベルより隙間間隔を置いた下方の下限位置に移動されるようにし、該挟持チャックが搬送通路の始端部から終端部を通過する閉状態においては、該挟持チャックを搬送通路側の前記直線駆動経路部に沿って配設したチャック案内レールに係合させて上限位置にて搬送方向に移動させ、該チャックの下挟持部が被処理物の水平搬送面高さレベルの下面に位置する上限位置を保持した状態で搬送方向に移動するように構成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0011】
また、本発明(請求項3の発明)は、前記挟持チャックが、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に上下方向に長い長穴をもつ取付け部材を介して上下に移動自在に取付けられ、該チャックの開状態においては、該チャックの自重によって、該チャックの下挟持部が被処理物の前記水平搬送面高さレベルより隙間間隔を置いた下方の下限位置に移動されるようにし、始端部側のコーナー回転駆動経路部から回転駆動方向における搬送通路の始端部に移動される挟持チャックの取付け基部を回転駆動方向に徐々に高位となる傾斜上面を有するチャック上げガイド部材に係合させ、該挟持チャックの下挟持部を前記下限位置から被処理物の水平搬送面高さレベルの下面に位置する上限位置へと徐々に上動するように案内し、且つ、該挟持チャックが搬送通路の始端部から終端部を通過する閉状態においては、該挟持チャックを搬送通路側の前記直線駆動経路部に沿って配設したチャック案内レールに係合させ、該チャックの下挟持部が被処理物の水平搬送面高さレベルの下面に位置する上限位置を保持した状態で搬送方向に移動するように構成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0012】
本発明(請求項2,3の発明)によれば、前記挟持チャックの開放状態では、上挟持部は被処理物を開放できる位置に上動されると共に、下挟持部は被処理物の水平搬送面高さレベルより隙間間隔を置いた下方に位置され、よって、チャックの上挟持部と下挟持部は、被処理物の水平搬送面高さレベルに対して、共に間隔を置いた離れた位置に置かれる。
【0013】
また、本発明(請求項4の発明)は、前記チャック開閉ガイド部材が、挟持チャックの回転駆動方向における、中間部を高位ガイド上面部とし、この高位ガイド上面部の両側を該高位ガイド上面部から徐々に低位となる傾斜ガイド上面部とした、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0014】
また、本発明(請求項5の発明)は、前記チャック開閉ガイド係合部材が、略L字型の反転レバーの屈曲部を支点部として固定チャック杆側に支点軸によって反転自在に軸着され、この反転レバーの下方アーム部の先端を可動チャック杆の上部に回動自在に連結し、反転レバーの上方アーム部の先端に前記チャック開閉ガイド部材のガイド上面部に沿って転動自在な回転ローラを取付けて構成し、この回転ローラが前記高位ガイド上面部に沿って転動する係合状態において、上方アーム部が前記支点軸を軸心として上方向に反転され、下方アーム部に連結された可動チャック杆を上動させ、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を上下方向に離間させた開状態に制御されるように構成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0015】
本発明(請求項5の発明)によれば、ガイド上面部に沿って転動自在な回転ローラと反転レバーの梃子作用で円滑に可動チャック杆を上下動させることができ、挟持チャックの開閉を円滑にできる。
【0016】
また、本発明(請求項6の発明)は、前記水平供給手段によって水平搬送面高さレベルで表面処理槽に供給された板状被処理物を該水平搬送面高さレベルにて搬送通路の始端部位置まで案内する上下ガイド部を有する被処理物供給ガイド部材を設けた、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0017】
また、本発明(請求項7の発明)は、前記各水平搬送手段に、搬送通路側の前記直線駆動経路部を移動する挟持チャック群を案内するチャック案内レールをそれぞれ備えた、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0018】
また、本発明(請求項8の発明)は、前記チャック案内レールを、前記挟持チャックを介して搬送される被処理物に陰極の電流を給電する給電レールとして機能させた、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0019】
また、本発明(請求項9の発明)は、前記水平搬送手段によって前記表面処理槽の通過区間を水平搬送面高さレベルによる水平状態で搬送される板状被処理物の両側縁部をこの通過区間に亘って上下方向の位置から遮蔽空間となる隙間空間を空けて連続して案内する側縁部用上部案内ガイド部と側縁部用下部案内ガイド部から成るプラスチック等の絶縁材製の側縁部用案内ガイドを搬送通路の両側にそれぞれ設け、前記挟持チャックの可動チャック杆の下部に該可動チャック杆が前記通過区間を水平方向に移動する場合における前記側縁部用上部案内ガイド部との接触干渉を回避できる略C字形状の回避部を形成し、この回避部の開口内に前記側縁部用上部案内ガイド部が配される構成とし、この回避部の下端部に前記上挟持部を下方向に向けた突起状態に形成し、前記固定チャック杆の下部に略C字形状又は略L字形状の支持部を形成し、この支持部内において前記回避部が上下方向に移動可能に保持される構成とし、この支持部の下端部に前記下挟持部を上方向に向けた突起状態に形成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【0020】
本発明(請求項9の発明)によれば、側縁部用案内ガイドを設けると共に、挟持チャックを側縁部用案内ガイドの配設に適した構造にしたことによって、表面処理槽の通過区間を水平状態で搬送される板状被処理物の両側縁部が側縁部用案内ガイドによって水平搬送面高さレベルで案内され、しかも電流が集中される板状被処理物の両側縁部が絶縁材製の側縁部用案内ガイドによって上下方向の位置から遮蔽(シールド)されることによって、板状被処理物の両側縁部に電流が集中するのを防止でき、板状被処理物のメッキ厚を均一化できる。よって、この発明を、電気メッキ処理装置などの電解処理装置として用いた場合に効果が大である。
【0021】
また、本発明(請求項10の発明)は、エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段に取付けられて回転駆動され、この回転駆動経路における直線駆動経路部で板状被処理物の一側縁又は両側縁を挟持して該被処理物を水平状態で一方向に搬送する搬送装置の挟持チャックであり、この挟持チャックは、板面を上下にした被処理物の側縁部を上下方向において挟持及び開放する下挟持部と上挟持部を備え、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に取付けられる固定チャック杆の下端部に前記下挟持部を形成し、この固定チャック杆に上下動自在に保持される可動チャック杆の下端部に前記上挟持部を形成し、可動挟持杆を圧縮ばねのバネ圧によって下動させ、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を常態において上下方向に閉じた閉状態に制御してあり、且つ、前記挟持チャックの上部にはチャック開閉ガイド係合部材を付設してあり、このチャック開閉ガイド係合部材が、略L字型の反転レバーの屈曲部を支点部として固定チャック杆側に支点軸によって反転自在に軸着し、この反転レバーの下方アーム部の先端を可動チャック杆の上部に回動自在に連結し、反転レバーの上方アーム部の先端に回転ローラを取付けて構成し、この回転ローラが前記回転駆動経路に沿って設けられるチャック開閉ガイド部材の高位ガイド上面部に沿って転動する係合状態において、上方アーム部が前記支点軸を軸心として上方向に反転し、下方アーム部に連結された可動チャック杆を上動させるようにし、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を上下方向に離間させた開状態に制御されるように構成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置の挟持チャックを提供する。
【0022】
また、本発明(請求項11の発明)は、前記挟持チャックで挟持されて水平状態で搬送される板状被処理物の両側縁部を上下方向の位置から遮蔽空間となる隙間空間を空けて連続して案内する側縁部用上部案内ガイド部と側縁部用下部案内ガイド部から成るプラスチック等の絶縁材製の側縁部用案内ガイドをそれぞれ設けた表面処理装置における板状被処理物の搬送装置の挟持チャックにおいて、前記可動チャック杆の下部に該可動チャック杆が水平方向に移動する場合における前記側縁部用上部案内ガイド部との接触干渉を回避できる略C字形状の回避部を形成し、この回避部の開口内に前記側縁部用上部案内ガイド部が配される構成とし、この回避部の下端部に前記上挟持部を下方向に向けた突起状態に形成し、前記固定チャック杆の下部に略C字形状又は略L字形状の支持部を形成し、この支持部内において前記回避部が上下方向に移動可能に保持される構成とし、この支持部の下端部に前記下挟持部を上方向に向けた突起状態に形成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置の挟持チャックを提供する。
【0023】
また、本発明(請求項12の発明)は、平行な両側縁をもつフレキシブルな板状被処理物を略水平状態で連続的に搬送させ、この搬送過程で被処理物を処理液中に通過させて被処理物に表面処理を施す装置において、板状被処理物の搬送通路を間にした両側に水平搬送手段をそれぞれ設け、各水平搬送手段は、エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段に間隔を置いて多数の挟持チャックを取付けてあり、前記搬送通路を間にして互いに平行な内側の駆動経路にある挟持チャック群で板状被処理物の両側縁部を挟持して該被処理物を板面を上下にした略水平状態で一方向に搬送する搬送装置であり、前記挟持チャックは、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に上下に長い長穴をもつ取付け部材を介して上下に移動自在に取付けられると共に、前記駆動経路に沿って配置した上下高さ変動レールに該挟持チャックに設けた転動ローラを介して案内されて、該挟持チャックで側縁部を挟持された被処理物が表面処理槽と表面処理槽の間の上方を跨いで通過可能な上限位置と、該挟持チャックで側縁部を挟持された被処理物が各表面処理槽内の処理液中に浸漬可能な下限位置を搬送されるように構成し、前記上下高さ変動レールは上限高さ部と下限高さ部との間を両部に連続する傾斜部とした、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、回転駆動される挟持チャックで板状被処理物の両側縁を挟持して被処理物を水平状態で搬送しながら表面処理する装置において、被処理物の搬送通路の始端部と終端部で挟持チャックによる板状被処理物の挟持及び開放を確実かつ円滑に行なうことができる。本発明は、特に、表面処理される板状被処理物が薄物板やフレキシブル板の場合に、有用である。
【0025】
さらに、チャックの開放状態では、上挟持部は被処理物を開放できる位置に上動されると共に、下挟持部は被処理物の水平搬送面高さレベルより隙間間隔を置いた下方に位置され、よって、チャックの上挟持部と下挟持部は、被処理物の水平搬送面高さレベルに対して、共に間隔を置いた離れた位置に置かれるようにした、本発明によれば、挟持チャックの開放状態(搬送始端部での被処理物を挟持するための受け入れ開放動作、搬送終端部での被処理物の開放動作)において、チャックの上下挟持部を、被処理物の水平搬送面高さレベルに対して、上下に間隔を空け離間させているため、被処理物を挟持する搬送始端部では、上下挟持部間の空け間隔へ被処理物をより確実且つ円滑に安定供給でき、挟持していた被処理物を開放する搬送終端部でも、被処理物にキズが付かないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の概略を示す平面図である。
【図2】本発明の搬入部の概略を示す正面図である。
【図3】本発明の概略を示す側面図である。
【図4】本発明のチャック自動開閉制御機構の概略を示す正面図である。
【図5】本発明のチャック自動開閉制御機構の概略を示す側面図である。
【図6】本発明の搬入部の概略を示す平面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す概略正面図である。
【図8】図7の搬入部の概略を示す平面図である。
【図9】本発明の概略を示す他の実施形態の平面図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示す側面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す正面図である。
【図12】本発明の他の実施形態の概略を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は第一の実施形態を、図7及び図8は第二の実施形態を、図9〜図11は第三の実施形態を示している。なお、特に限定のない説明は、図1〜図6、図7及び図8、図9〜図11の各実施形態に共通するものである。
【0028】
図1及び図2(図2では搬入部のみ示してある。)は、図の左側の供給位置から板状被処理物Pが板面を上下にした水平搬送面高さレベルHによる水平状態で水平供給手段2(回転駆動ローラ)によって表面処理槽1に供給され、該表面処理槽1を該水平搬送面高さレベルHによる水平状態で連続的に矢印Aの方向に搬送させて通過し、表面処理後に被処理物が該水平搬送面高さレベルによる水平状態で水平搬出手段3(回転駆動ローラ)によって表面処理槽1から右方向へ搬出される、被処理物に表面処理を施す装置の概略を示している。なお、図1及び図2(図2では搬入部のみ示してある。)に示すように、水平状態の板状被処理物Pを搬入・搬出する搬入口1a・搬出口1bには、対応する処理槽内側にシールローラ4(4a,4b)を配設し、槽内処理液の流出を防いでいる。このシールローラ4(4a,4b)の下段のシールローラ4aは、水平供給手段2及び水平搬出手段3の回転駆動ローラと同様な回転駆動ローラとしても機能させている。板状被処理物Pとしては平行な両側縁をもつことが条件であるが、図示した矩形(プリント基板など)の物の他、平行な両側縁をもつ長尺帯状の物であっても良い。この表面処理槽では板状被処理物にメッキ処理や薬品処理の表面処理が施される。本発明は、電気メッキ処理などの電解処理、無電解処理など、板状被処理物の表面処理装置の搬送装置として広く適用できる。
【0029】
板状被処理物Pを表面処理槽1の通過区間5(図1に矢印5で示した区間)に亘って水平搬送面高さレベルHによる水平状態で搬送するための搬送装置が、表面処理槽1における被処理物Pの搬送通路6を間にした両側に設けた水平搬送手段7,7によって構成されている。各水平搬送手段7,7は、エンドレスに回転駆動される互いに平行な内側の直線駆動部8aと外側の直線駆動部8bをもつ搬送駆動手段8に、等間隔を置いて多数の挟持チャック9・・・を取付けて、構成されている。この挟持チャック9は水平搬送面高さレベルHによる水平状態の被処理物の側縁部を上下方向において挟持及び開放する下挟持部25aと上挟持部26aを備えたものであり、その詳細については後述する。被処理物の搬送通路6に沿う内側の直線駆動部8aは直線搬送駆動部(8a)として構成される。各搬送駆動手段8における前記直線搬送駆動部8a(内側の直線駆動部8a)の搬送方向の長さは前記通過区間5より少し長く構成してある。エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段8は、ローラ10,10に巻架されてエンドレスに回転駆動される歯付ベルト11(チェーン伝動でも良い。)であり、各水平搬送手段7,7に設けた搬送用モータ(図示せず。)によって一方のローラ10(図1に示す右側のローラ10)を回転駆動させている。前記ローラ10には歯付ベルト11に合う歯が設けられている。
【0030】
各搬送駆動手段8,8は、同速度で同期回転駆動され、各搬送駆動手段における前記直線搬送駆動部8a(内側の直線駆動部)にある挟持チャック群9・・・の各挟持部における各直線駆動経路部12a,12aは、互いに平行で且つ互いの挟持チャック群9・・・は搬送通路6を間にした対称位置において回転駆動されるように成っている。各直線駆動経路部12a,12aにある挟持チャック群9・・・は、前記搬送通路6を間にして離間させた横幅間隔を有しており、この横幅間隔を表面処理槽1における被処理物Pの搬送通路6の横幅間隔として構成している。各水平搬送手段7,7における搬送通路6側の各直線駆動経路部12a,12aにある挟持チャック群9・・・で被処理物Pの両側縁部を同時に挟持して、表面処理槽1の通過区間5に亘って被処理物を水平搬送面高さレベルHによる水平状態で搬送方向に移動するように構成してある。水平搬送手段7,7による被処理物の搬送速度は、1分当たり0.5m〜2mとしてあり、被処理物Pの表面処理条件によって可変としてある。この水平搬送手段7,7による被処理物の搬送速度と、前記水平供給手段2による供給速度及び前記水平搬出手段3による搬出速度は、同速に設定してある。
【0031】
エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段8(歯付ベルト11)に等しい間隔を置いて取付けた挟持チャック群9・・・は、矩形の板状被処理物Pの場合は、少なくとも側縁の複数箇所を挟持できる間隔に取付けてある。なお、図1では、挟持チャック群9・・・を一点鎖線で示した回転駆動経路12における一部の範囲のみで表示したが、搬送駆動手段8(歯付ベルト11)の全範囲に亘り等間隔に取付けてある。
【0032】
各水平搬送手段7,7には、内側(搬送通路6側)の直線駆動経路部12a,12aを移動する挟持チャック群9・・・を案内する断面矩形状のチャック案内レール15と、外側の直線駆動経路部12b,12bを移動する挟持チャック群9・・・を案内する断面矩形状のチャック案内レール16をそれぞれ固定状態に備えている。内側のチャック案内レール15の搬送方向における長さは表面処理槽1の前記通過区間5より少し長く構成してある。この内側のチャック案内レール15,15によって、前記通過区間5の直線駆動経路12aを移動する挟持チャック9で挟持された被処理物を水平搬送面高さレベルHに保持できるようにしている。そして、本発明を、電気メッキ処理装置などの電解処理装置として用いる場合、内側(搬送通路6側)の直線駆動経路部12a,12aを移動する挟持チャック群9・・・を案内するチャック案内レール15,15を、前記挟持チャック9を介して搬送される被処理物に陰極の電流を給電する給電レールとして機能させている。
【0033】
前記各水平搬送手段7,7は、被処理物Pの搬送通路6(表面処理槽の通過区間5)の始端部5aを通過する挟持チャック9・・・を開状態から被処理物の側縁部を挟持可能な閉状態に制御し、被処理物Pの搬送通路6(表面処理槽の通過区間5)の終端部5bを通過する挟持チャック9・・・を閉状態から被処理物の側縁部を開放可能な開状態に制御する、チャック自動開閉制御機構をそれぞれ備えている。
【0034】
このチャック自動開閉制御機構は、高位ガイド上面部20aを有するチャック開閉ガイド部材20を備えている。このチャック開閉ガイド部材20の高位ガイド上面部20aは、図1及び図6(図6では搬入部のみ示してある。)に示したように、前記挟持チャック群9・・・の回転駆動経路12に沿う、始端部側のコーナー回転駆動経路部12cから回転駆動方向における搬送通路6の始端部5aの直前位置に至る位置及び搬送通路6の終端部5bから回転駆動方向における終端部側のコーナー回転駆動経路部12cへ至る位置にそれぞれ配設されている。図4に示したように、チャック開閉ガイド部材20は、挟持チャック9の回転駆動方向における、中間部を高位ガイド上面部20aとし、この高位ガイド上面部20aの両側を該高位ガイド上面部から徐々に低位となる傾斜ガイド上面部20bとしてある。なお、図6において、符号Cで示した一点鎖線は、前記挟持チャック9の係合部36(回転ローラ40)の回転駆動経路を示している。
【0035】
前記挟持チャック9は、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段8(歯付ベルト11)に取付け部材23等を介してボルト締結手段で固定状態(なお、後述するが、図7、8の実施形態では、挟持チャック9を歯付きベルト11に上下に移動自在に取付けてある。)取付けられた略L字形状の固定チャック杆25の下端部の略水平の屈曲部に前記下挟持部25aを形成し、この固定チャック杆25に上下動自在に保持されるロッド形状の可動チャック杆26の下端部に前記上挟持部26aを形成し、可動チャック杆26を圧縮ばね(圧縮コイルばね)27のバネ圧によって下動するようにしてあり、可動チャック杆26の上挟持部26aと固定チャック杆25の下挟持部25aを常態において上下方向に閉じた閉状態(この閉状態で水平状態の板状被処理物の側縁を上下方向において掴み得る挟持状態にしている。)に制御してある。更に具体的に述べれば、図4,図5に示したように、この固定チャック杆25の外側面に上下の保持部材25b,25cを固定的に設け、この上下の保持部材25b,25cでロッド形状の可動チャック杆26を上下動自在に保持し、この上下の保持部材25b,25cの間に可動チャック杆26に固定したばね係止体26bを配設し、上の保持部材25bとばね係止体26bとの間に圧縮コイルばね27を可動チャック杆26のロッド部周りに遊嵌合して介在させ、常態においては、図5(イ)の閉状態のように、圧縮コイルばね27のばね圧によってばね係止体26bを下の保持部材25cと接する下動位置まで押し下げている。図3,図5に示すように、歯付きベルト11の外側面(内側面と同様にこの外側面にも上下方向に延びる係合歯を形成してある。)に取付け部材23を介して略L字形状の固定チャック杆25の背面側を固定状態に取り付け、前記下挟持部25aが外側に位置されるように取付けてある。
【0036】
前記固定チャック杆25の内側面には、前記チャック案内レール15,16に挟持チャック9を移動自在に係合するための案内レール用の係合部材30を固定状態に取付けある。この係合部材30は、断面矩形状の前記チャック案内レール15,16を上下部からスライド自在に保持するもので、案内レール15のレール上面に面接触してスライドされる上部の係合部材30aは移動方向に長く形成(図4参照)されている。前述したように、前記通過区間5の直線駆動経路12aを移動する挟持チャック9は、内側のチャック案内レール15によって、該挟持チャックで挟持された被処理物Pを水平搬送面高さレベルHに保持できるようにしている。
【0037】
この挟持チャック9の上部にはチャック開閉ガイド係合部材35を付設してある。このチャック開閉ガイド係合部材35は、前記チャック開閉ガイド部材20の高位ガイド上面部20aに係合可能な係合部36をもち、この挟持チャック9が前記チャック開閉ガイド部材20の位置を通過する際に、この係合部36が高位ガイド上面部20aに係合されることによって、前記可動チャック杆26を圧縮ばね27のバネ圧に抗して上動させ、可動チャック杆26の上挟持部26aと固定チャック杆25の下挟持部25aを上下方向に離間させた開状態(この開状態で、挟持する水平状態の板状被処理物の側縁の供給を受ける状態にし、また挟持していた板状被処理物の側縁を開放する状態にしている。)に制御するように構成されている。
【0038】
このチャック開閉ガイド係合部材35として、図4、図5の実施形態では、略L字型の反転レバー37の屈曲部を支点部として固定チャック杆25側に支点軸38によって反転自在に軸着し、この反転レバー37の下方アーム部37bの先端を可動チャック杆26の上部にピン軸39を介して回動自在に連結し、反転レバー37の上方アーム部37aの先端に前記チャック開閉ガイド部材20のガイド上面部(20a,20b)に沿って転動自在な回転ローラ40を取付け、この回転ローラ40を係合部36として構成し、この回転ローラ40が高位ガイド上面部20aに沿って転動する係合状態において、図4の一点鎖線で示したように、上方アーム部37aが前記支点軸38を軸心として上方向に反転し、下方アーム部37bの先端に連結された可動チャック杆26を圧縮コイルばね37のバネ圧に抗して上動させるように構成してある。図4の矢印は挟持チャック9の移動方向を示している。図4に示したように、前記反転レバー37は、支点部(支点軸38)をチャック移動方向における後位置に配設し、上方アーム部37aの先端の回転ローラ40をチャック移動方向における前位置に配設してある。そして、図4から分かるように、挟持チャックの閉状態における回転ローラ40の高さ位置は、前記チャック開閉ガイド部材20の傾斜ガイド上面部20bに乗り上げ可能な位置に設定してある。
【0039】
略L字型の反転レバー37の角度D、チャック閉状態における上方アーム部37aの水平搬送面に対する角度、反転レバー37の各長さ、すなわち支点部(支点軸38)と下方アーム部37bの連結部(ピン軸39)間の長さ、支点部(支点軸38)と上方アーム部37aの回転ローラ40間の長さは、図4に示したように、可動チャック杆26を被処理物の水平搬送面に直交する垂直方向に上下動できるように設定してある。
【0040】
この実施例のチャック開閉ガイド係合部材35によれば、前記チャック開閉ガイド部材20のガイド上面部(20a,20b)に沿って転動自在な回転ローラ40と反転レバー37の梃子作用で確実且つ円滑に可動チャック杆26を上下動させることができ、挟持チャック9の開閉を確実且つ円滑に行なうことができる。
【0041】
図1〜図3に示したように、前記水平供給手段2によって水平搬送面高さレベルHで表面処理槽1に供給される板状被処理物Pを該水平搬送面高さレベルHにて少なくとも搬送通路6の始端部5a位置まで案内する上下水平ガイド部42a,42bを有する被処理物水平供給ガイド部材42を設けてある。この被処理物水平供給ガイド部材42は被処理物の側縁部に近い部分をガイドするようにしてある。なお、この被処理物水平供給ガイド部材42は、図1に示したように、被処理物が搬送通路6を搬送される移動方向の全長さに亘って連続したものであっても良い。この被処理物水平供給ガイド部材42を配設したことによって、水平供給手段2から供給される被処理物は水平搬送面高さレベルHを保持した状態で搬送通路6の始端部5aの挟持位置へと供給されることになる。この被処理物水平供給ガイド部材42は、被処理物がフリー状態では水平搬送面高さレベルを保持し難い薄物板やフレキシブル板の場合に、特に有用である。
【0042】
次に、図7、図8の実施形態について説明する。この実施形態での特徴は、前記挟持チャック9を、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段8(歯付ベルト11)に上下に長い長穴45aをもつ取付け部材45を介して上下に移動自在に取付け、該チャック9の開状態(搬送始端部での被処理物を挟持するための受け入れの開状態、及び搬送終端部での挟持していた被処理物を開放するための開状態)においては、該チャック9の自重によって、該チャックの下挟持部25aが被処理物の前記水平搬送面高さレベルHより隙間間隔Fを置いた下方の下限位置に移動されるようにしてある。図7の符号Oは、開状態における上下挟持部25a,26aの開放間隔を示している。そして、始端部5a側のコーナー回転駆動経路部12cから回転駆動方向における搬送通路6の始端部5aに移動される挟持チャック9の取付け基部31を回転駆動方向に徐々に高位となる傾斜上面47aを有するチャック上げガイド部材47の該傾斜上面47aにスライド係合させ、該挟持チャック9の下挟持部25aを前記下限位置から被処理物Pの水平搬送面高さレベルHの下面に位置する上限位置へと徐々に上動するように案内し、且つ、該挟持チャック9が搬送通路6の始端部5aから終端部5bを通過する閉状態においては、該挟持チャック9を搬送通路6側の前記直線駆動経路部12aに沿って配設した前記チャック案内レール15に係合(スライド係合)させ、該チャックの下挟持部25aが被処理物の水平搬送面高さレベルHの下面に位置する上限位置を保持した状態で搬送方向に移動するように構成したことである。
【0043】
チャックの開放状態では、前記したチャック自動開閉制御機構によって上挟持部26aは被処理物Pを開放できる位置に上動されると共に、下挟持部25aは被処理物Pの水平搬送面高さレベルHより隙間間隔Fを置いた下方に位置され、よって、チャック9の上挟持部26aと下挟持部25aは、被処理物Pの水平搬送面高さレベルHに対して、共に間隔を置いた離れた位置に置かれる。したがって、この実施形態の本発明によれば、既に述べたように、挟持チャック9の開放状態(搬送始端部での被処理物を挟持するための受け入れ開放動作、搬送終端部での被処理物の開放動作)において、チャックの上下挟持部25a,26aを、被処理物Pの水平搬送面高さレベルHに対して、上下に間隔を空け離間させているため、被処理物をチャッキングする搬送始端部では、上下挟持部間の空け間隔へ被処理物をより確実且つ円滑に安定供給でき、チャッキングしていた被処理物を開放する搬送終端部でも、被処理物にキズが付かないようにすることができる。
【0044】
次に、図9〜図11の実施形態について説明する。この実施形態では、前記水平搬送手段7,7によって表面処理槽1の通過区間5を水平搬送面高さレベルHによる水平状態で搬送される板状被処理物Pの両側縁部をこの通過区間5に亘って上下方向の位置から遮蔽空間となる隙間空間を空けて連続して案内する断面矩形状の側縁部用上部案内ガイド部43aと断面矩形状の側縁部用下部案内ガイド部43bから成るプラスチック等の絶縁材製の側縁部用案内ガイド43を搬送通路6の両側にそれぞれ固定状態に設けてある。
【0045】
そして、この側縁部用案内ガイド43を設けたことに起因して、この実施形態では、前記挟持チャック9を以下の構成にしたことを特徴としている。すなわち、挟持チャック9の可動チャック杆26の下部に該可動チャック杆26が前記通過区間5を水平方向に移動する場合における前記側縁部用上部案内ガイド部43aとの接触干渉を回避できる略C字形状あるいは略コ字形状(図10を参照)の回避部26Aを形成し、内側の直線駆動経路部12aを移動する場合においては前記回避部26Aの開口側を前記搬送通路6側に向けて配し、この回避部26Aの開口内に前記側縁部用上部案内ガイド部43aが配される構成とし、この回避部26Aの下端部に前記上挟持部26aを下方向に向けた突起状態に形成してある。また、前記固定チャック杆25の下部に略C字形状あるいは略コ字形状(図10を参照)に屈曲形成した支持部25A(この支持部は図10に示した略C字形状のほか略L字形状に屈曲形成したものでも良い。)を形成し、この支持部25A内において前記回避部26Aが上下方向に移動可能に保持される構成とし、この支持部25Aの下端部に前記下挟持部25aを上方向に向けた突起状態に形成してある。
【0046】
なお、処理液S中に入れられる挟持チャック9の固定チャック杆25と可動チャック杆26の各下部は、図10に二点鎖線で示したように、上下挟持部25a,25bの各接点部を除き絶縁性や耐薬品性がある樹脂材で被覆してある。
【0047】
図9において、前記側縁部用案内ガイド43の長手方向の両端部は表面処理槽1の通過区間5を超えて長くしてある。この超えた範囲の案内ガイド43の両端部は、図11(図11は搬出側を示したが、搬入側も同様である。)に示したように、挟持チャック9が開状態となる動作(固定チャック杆25の下挟持部25aに対して可動チャック杆26の上挟持部26aが上方向に移動する動作)の妨げにならないよう、前記側縁部用上部案内ガイド部43aの両端部の各下端部の位置を上方に凹ませた拡げ部44を形成し、この側縁部用上部案内ガイド部43aの両端部の各下端部の位置と水平搬送面高さレベルHの位置との間が拡げ部44を介して上下方向に広げられている。
【0048】
なお、図10における符号18は、内側(搬送通路6側)のチャック案内レール15と外側のチャック案内レール16の下方にそれぞれの案内レールに沿って設けたグリス受け皿であり、案内レールに塗られたグリスが表面処理槽1内の処理液中に落下するのを防いでいる。
【0049】
図9〜図11の実施形態では、絶縁材製の側縁部用案内ガイド43を設け、これに合わせて可動チャック杆26と固定チャック杆25の下部を最適な構造に改良したことを特徴としている。その他の構成は、図1〜図6に示した実施形態と実質的に同じであるため、重複する説明は省略する。
【0050】
図9〜図11の実施形態に示した発明によれば、側縁部用案内ガイド43を設けると共に、挟持チャック9を側縁部用案内ガイド43の配設に適した構造にしたことによって、表面処理槽1の通過区間5を水平状態で搬送される板状被処理物Pの両側縁部が側縁部用案内ガイド43によって水平搬送面高さレベルHで案内され、しかも電流が集中される板状被処理物Pの両側縁部が絶縁材製の側縁部用案内ガイド43によって上下方向の位置から遮蔽(シールド)されることによって、板状被処理物Pの両側縁部に電流が集中するのを防止でき、板状被処理物Pのメッキ厚を均一化できる。よって、この実施形態の発明を、電気メッキ処理装置などの電解処理装置として用いる場合に効果が大である。
【0051】
次に、図12に示した表面処理装置における板状被処理物の搬送装置について説明する。この実施形態の搬送装置は、平行な両側縁をもつフレキシブルな板状被処理物Pを略水平状態で連続的に搬送させ、この搬送過程で被処理物を処理液中に通過させて被処理物に表面処理を施す装置において、板状被処理物の搬送通路を間にした両側に水平搬送手段7(図12では一方の水平搬送手段のみ示している。)をそれぞれ設け、各水平搬送手段7は、エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段8(図示した実施例では歯付ベルト11とした。しかしチェーン駆動を除外するものではない。)に等間隔を置いて多数の挟持チャック9を取付けてあり、前記搬送通路を間にして互いに平行な内側の駆動経路12aにある挟持チャック群9・・・で板状被処理物の両側縁部を同時に挟持して該被処理物を板面を上下にした略水平状態で一方向(図12では右方向)に搬送するものである。
【0052】
図12に示した搬送装置の特徴は、前記挟持チャック9を、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段8(歯付ベルト11)に上下に長い長穴45a(この長穴の上下長さは、図7の実施例の長穴の上下長さより長く形成される。)をもつ取付け部材45を介して上下に移動自在に取付けると共に、前記駆動経路12aに沿って固定して配置した上下高さ変動レール50に案内されて移動するようにしてある。前記上下高さ変動レール50は上限高さ部50aと下限高さ部50bとの間を両部に連続する傾斜部50cとしてある。前記挟持チャック9には、前記上下高さ変動レール50の上下面に沿って転動される転動ローラ55を設けてある。前記挟持チャック9が上下高さ変動レール50の上限高さ部50aに係合され移動する際は、該挟持チャックで側縁部を挟持された被処理物Pが表面処理槽1と表面処理槽1の間の上方を跨いで通過可能な上限位置で搬送され、前記挟持チャック9が上下高さ変動レール50の下限高さ部50bに係合され移動する際は、該挟持チャックで側縁部を挟持された被処理物が各表面処理槽1内の処理液中に浸漬可能な下限位置で搬送されるように構成してある。図12に符号Rで示した二点鎖線は挟持チャック9の上下挟持部25a,26aの移動経路を示している。
【0053】
この実施形態は、化学めっきなど薬液による表面処理装置の搬送装置として有用である。
【符号の説明】
【0054】
P 板状被処理物
1 表面処理槽
2 水平供給手段
3 水平搬出手段
H 水平搬送面高さレベル
5 通過区間
5a 始端部
5b 終端部
6 搬送通路
7,7 水平搬送手段
8 搬送駆動手段(歯付ベルト11)
9 挟持チャック
12 挟持チャックの回転駆動経路
12a 内側の直線駆動経路部
12b 外側の直線駆動経路部
12c コーナー回転駆動経路部
15 内側のチャック案内レール
16 外側のチャック案内レール
20 チャック開閉ガイド部材
20a 高位ガイド上面部
20b 傾斜ガイド上面部
25 固定チャック杆
26 可動チャック杆
25a 下挟持部
26a 上挟持部
26A 回避部
25A 支持部
27 圧縮ばね
35 チャック開閉ガイド係合部材
36 係合部
37 反転レバー
38 支点軸
40 回転ローラ
42 被処理物水平供給ガイド部材
43 側縁部用案内ガイド
43a 側縁部用上部案内ガイド部
43b 側縁部用下部案内ガイド部
45 取付け部材
45a 長穴
47 チャック上げガイド部材
47a 傾斜上面
F 隙間間隔
50 上下高さ変動レール
50a 上限高さ部
50b 下限高さ部
50c 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な両側縁をもつ板状の被処理物が水平供給手段によって板面を上下にした水平搬送面高さレベルによる水平状態で表面処理槽に供給され、該表面処理槽を該水平搬送面高さレベルによる水平状態で連続的に搬送させて通過し、表面処理後に被処理物が水平搬出手段によって表面処理槽から搬出される、被処理物に表面処理を施す装置において、被処理物を表面処理槽の通過区間に亘って水平搬送面高さレベルによる水平状態で搬送するための搬送装置が、表面処理槽における被処理物の搬送通路を間にした両側にそれぞれ設けた水平搬送手段によって構成され、各水平搬送手段は、エンドレスに回転駆動される、前記搬送通路に沿う直線搬送駆動部をもつ搬送駆動手段に等間隔を置いて多数の挟持チャックを取付けてそれぞれ構成され、前記挟持チャックは水平搬送面高さレベルによる水平状態の被処理物の側縁部を上下方向において挟持及び開放する下挟持部と上挟持部を備え、各水平搬送手段の挟持チャック群は、同期した速度で回転駆動され、搬送通路側の各直線駆動経路部を互いに平行で且つ前記搬送通路を間にして離間させた横幅間隔を有しており、搬送通路側の各直線駆動経路部にある挟持チャック群で被処理物の両側縁部を同期的に挟持して、表面処理槽の通過区間に亘って被処理物を水平搬送面高さレベルによる水平状態で搬送方向に移動するように構成し、前記水平搬送手段は、被処理物の搬送通路の始端部を通過する挟持チャックを開状態から被処理物の側縁部を挟持可能な閉状態に制御し、被処理物の搬送通路の終端部を通過する挟持チャックを閉状態から被処理物の側縁部を開放可能な開状態に制御する、チャック自動開閉制御機構をそれぞれ備え、このチャック自動開閉制御機構が、前記挟持チャック群の回転駆動経路に沿う、始端部側のコーナー回転駆動経路部から回転駆動方向における搬送通路の始端部の直前位置に至る位置及び搬送通路の終端部から回転駆動方向におけるコーナー回転駆動経路部へ至る位置にそれぞれ配設した、高位ガイド上面部を有するチャック開閉ガイド部材を備え、前記挟持チャックは、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に取付けられた固定チャック杆の下端部に前記下挟持部を形成し、この固定チャック杆に上下動自在に保持される可動チャック杆の下端部に前記上挟持部を形成し、可動挟持杆を圧縮ばねのバネ圧によって下動させ、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を常態において上下方向に閉じた閉状態に制御してあり、且つ、前記挟持チャックの上部にはチャック開閉ガイド係合部材を付設してあり、このチャック開閉ガイド係合部材は、前記チャック開閉ガイド部材の高位ガイド上面部に係合可能な係合部をもち、この挟持チャックが前記チャック開閉ガイド部材の位置を通過する際に、この係合部が高位ガイド上面部に係合されることによって、前記可動チャック杆が圧縮ばねのバネ圧に抗して上動され、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部が上下方向に離間された開状態に制御されるように構成した、ことを特徴とする表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項2】
前記挟持チャックが、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に上下方向に長い長穴をもつ取付け部材を介して上下に移動自在に取付けられ、該チャックの開状態においては、該チャックの自重によって、該チャックの下挟持部が被処理物の前記水平搬送面高さレベルより隙間間隔を置いた下方の下限位置に移動されるようにし、該挟持チャックが搬送通路の始端部から終端部を通過する閉状態においては、該挟持チャックを搬送通路側の前記直線駆動経路部に沿って配設したチャック案内レールに係合させて上限位置にて搬送方向に移動させ、該チャックの下挟持部が被処理物の水平搬送面高さレベルの下面に位置する上限位置を保持した状態で搬送方向に移動するように構成した、請求項1に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項3】
前記挟持チャックが、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に上下方向に長い長穴をもつ取付け部材を介して上下に移動自在に取付けられ、該チャックの開状態においては、該チャックの自重によって、該チャックの下挟持部が被処理物の前記水平搬送面高さレベルより隙間間隔を置いた下方の下限位置に移動されるようにし、始端部側のコーナー回転駆動経路部から回転駆動方向における搬送通路の始端部に移動される挟持チャックの取付け基部を回転駆動方向に徐々に高位となる傾斜上面を有するチャック上げガイド部材に係合させ、該挟持チャックの下挟持部を前記下限位置から被処理物の水平搬送面高さレベルの下面に位置する上限位置へと徐々に上動するように案内し、且つ、該挟持チャックが搬送通路の始端部から終端部を通過する閉状態においては、該挟持チャックを搬送通路側の前記直線駆動経路部に沿って配設したチャック案内レールに係合させ、該チャックの下挟持部が被処理物の水平搬送面高さレベルの下面に位置する上限位置を保持した状態で搬送方向に移動するように構成した、請求項1に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項4】
前記チャック開閉ガイド部材が、挟持チャックの回転駆動方向における、中間部を高位ガイド上面部とし、この高位ガイド上面部の両側を該高位ガイド上面部から徐々に低位となる傾斜ガイド上面部としてある、請求項1、2又は3に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項5】
前記チャック開閉ガイド係合部材が、略L字型の反転レバーの屈曲部を支点部として固定チャック杆側に支点軸によって反転自在に軸着され、この反転レバーの下方アーム部の先端を可動チャック杆の上部に回動自在に連結し、反転レバーの上方アーム部の先端に前記チャック開閉ガイド部材のガイド上面部に沿って転動自在な回転ローラを取付けて構成し、この回転ローラが前記高位ガイド上面部に沿って転動する係合状態において、上方アーム部が前記支点軸を軸心として上方向に反転され、下方アーム部に連結された可動チャック杆を上動させ、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を上下方向に離間させた開状態に制御されるように構成した、請求項1、2又は3に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項6】
前記水平供給手段によって水平搬送面高さレベルで表面処理槽に供給された板状被処理物を該水平搬送面高さレベルにて搬送通路の始端部位置まで案内する上下ガイド部を有する被処理物供給ガイド部材を設けた、請求項1、2又は3に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項7】
前記各水平搬送手段は、搬送通路側の前記直線駆動経路部を移動する挟持チャック群を案内するチャック案内レールをそれぞれ備えた請求項1に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項8】
前記チャック案内レールを、前記挟持チャックを介して搬送される被処理物に陰極の電流を給電する給電レールとして機能させた請求項2、3又は7に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項9】
前記水平搬送手段によって前記表面処理槽の通過区間を水平搬送面高さレベルによる水平状態で搬送される板状被処理物の両側縁部をこの通過区間に亘って上下方向の位置から遮蔽空間となる隙間空間を空けて連続して案内する側縁部用上部案内ガイド部と側縁部用下部案内ガイド部から成るプラスチック等の絶縁材製の側縁部用案内ガイドを搬送通路の両側にそれぞれ設け、前記挟持チャックの可動チャック杆の下部に該可動チャック杆が前記通過区間を水平方向に移動する場合における前記側縁部用上部案内ガイド部との接触干渉を回避できる略C字形状の回避部を形成し、この回避部の開口内に前記側縁部用上部案内ガイド部が配される構成とし、この回避部の下端部に前記上挟持部を下方向に向けた突起状態に形成し、前記固定チャック杆の下部に略C字形状又は略L字形状の支持部を形成し、この支持部内において前記回避部が上下方向に移動可能に保持される構成とし、この支持部の下端部に前記下挟持部を上方向に向けた突起状態に形成した、請求項1に記載の表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。
【請求項10】
エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段に取付けられて回転駆動され、この回転駆動経路における直線駆動経路部で板状被処理物の一側縁又は両側縁を挟持して該被処理物を水平状態で一方向に搬送する搬送装置の挟持チャックであり、この挟持チャックは、板面を上下にした被処理物の側縁部を上下方向において挟持及び開放する下挟持部と上挟持部を備え、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に取付けられる固定チャック杆の下端部に前記下挟持部を形成し、この固定チャック杆に上下動自在に保持される可動チャック杆の下端部に前記上挟持部を形成し、可動挟持杆を圧縮ばねのバネ圧によって下動させ、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を常態において上下方向に閉じた閉状態に制御してあり、且つ、前記挟持チャックの上部にはチャック開閉ガイド係合部材を付設してあり、このチャック開閉ガイド係合部材が、略L字型の反転レバーの屈曲部を支点部として固定チャック杆側に支点軸によって反転自在に軸着し、この反転レバーの下方アーム部の先端を可動チャック杆の上部に回動自在に連結し、反転レバーの上方アーム部の先端に回転ローラを取付けて構成し、この回転ローラが前記回転駆動経路に沿って設けられるチャック開閉ガイド部材の高位ガイド上面部に沿って転動する係合状態において、上方アーム部が前記支点軸を軸心として上方向に反転し、下方アーム部に連結された可動チャック杆を上動させるようにし、可動チャック杆の上挟持部と固定チャック杆の下挟持部を上下方向に離間させた開状態に制御されるように構成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置の挟持チャック。
【請求項11】
請求項10に記載の挟持チャックであり、この挟持チャックで挟持されて水平状態で搬送される板状被処理物の両側縁部を上下方向の位置から遮蔽空間となる隙間空間を空けて連続して案内する側縁部用上部案内ガイド部と側縁部用下部案内ガイド部から成るプラスチック等の絶縁材製の側縁部用案内ガイドをそれぞれ設けた表面処理装置における板状被処理物の搬送装置の挟持チャックにおいて、前記可動チャック杆の下部に該可動チャック杆が水平方向に移動する場合における前記側縁部用上部案内ガイド部との接触干渉を回避できる略C字形状の回避部を形成し、この回避部の開口内に前記側縁部用上部案内ガイド部が配される構成とし、この回避部の下端部に前記上挟持部を下方向に向けた突起状態に形成し、前記固定チャック杆の下部に略C字形状又は略L字形状の支持部を形成し、この支持部内において前記回避部が上下方向に移動可能に保持される構成とし、この支持部の下端部に前記下挟持部を上方向に向けた突起状態に形成した、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置の挟持チャック。
【請求項12】
平行な両側縁をもつフレキシブルな板状被処理物を略水平状態で連続的に搬送させ、この搬送過程で被処理物を処理液中に通過させて被処理物に表面処理を施す装置において、板状被処理物の搬送通路を間にした両側に水平搬送手段をそれぞれ設け、各水平搬送手段は、エンドレスに回転駆動される搬送駆動手段に間隔を置いて多数の挟持チャックを取付けてあり、前記搬送通路を間にして互いに平行な内側の駆動経路にある挟持チャック群で板状被処理物の両側縁部を挟持して該被処理物を板面を上下にした略水平状態で一方向に搬送する搬送装置であり、前記挟持チャックは、エンドレスに回転駆動される前記搬送駆動手段に上下に長い長穴をもつ取付け部材を介して上下に移動自在に取付けられると共に、前記駆動経路に沿って配置した上下高さ変動レールに該挟持チャックに設けた転動ローラを介して案内されて、該挟持チャックで側縁部を挟持された被処理物が表面処理槽と表面処理槽の間の上方を跨いで通過可能な上限位置と、該挟持チャックで側縁部を挟持された被処理物が各表面処理槽内の処理液中に浸漬可能な下限位置を搬送されるように構成し、前記上下高さ変動レールは上限高さ部と下限高さ部との間を両部に連続する傾斜部とした、表面処理装置における板状被処理物の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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