表面埋め込み添加物を伴う構造および関連する製造方法
導電性または半導体添加物が、種々の用途およびデバイスで使用するための母材の表面に埋め込まれる。結果として生じる表面埋め込み構造は、向上した性能、ならびにそれらの組成および製造過程から生じる費用便益を示す。一実施形態において、表面埋め込み構造は、埋め込み表面を有する母材と、母材に少なくとも部分的に埋め込まれた添加物とを備え、添加物は、埋め込み表面に隣接する埋め込み領域内に限局され、埋め込み領域の厚さは、母材の全体厚さよりも小さく、添加物は、導電性および半導体のうちの少なくとも1つであり、添加物は、ナノサイズの添加物およびミクロンサイズの添加物のうちの少なくとも1つを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第61/308,894号(2010年2月27日出願)、米国仮出願第61/311,395号(2010年3月8日出願)、米国仮出願第61/311,396号(2010年3月8日出願)、米国仮出願第61/408,773号(2010年11月1日出願)、米国仮出願第61/409,116号(2010年11月2日出願)の利益を主張する。該出願は、それらの全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、埋め込み添加物を伴う構造に関する。より具体的には、本発明は、電気伝導度等の機能性を付与するように表面埋め込み添加物を伴う構造に関する。
【背景技術】
【0003】
透明伝導性電極(「TCE」)は、電流がTCEを含むデバイスを通って流れるための伝導性経路を提供しながら、光の透過を可能にする。従来、TCEは、ガラス基板の上に配置される、インジウムスズ酸化物(「ITO」)等のドープした金属酸化物の被覆で形成される。ITOは、太陽束加重透過率Tsolarおよびシート抵抗Rの特性の間の均衡を取り、Tsolar≧85%の太陽束加重透過率でR≦10Ω/sqの性能レベルに達するため、従来のTCEにおける最も広く使用されている材料である。
【0004】
しかしながら、ITO被覆は、いくつかの不利点を抱えている。具体的には、ITO被覆は、典型的には、エネルギー集約型の高温および真空環境でのスパッタリングおよび焼鈍を介して製造され、製造中に使用されるエッチャントは、腐食性で環境的に有害であり得る。加えて、結果として生じるITO被覆は、脆性であり得るか、または亀裂の影響を受けやすく、また、酸および塩基に敏感であり得る。また、インジウムは、極めて希少な材料であり、その価格は、過去10年くらいで100倍以上に上昇している。高い透明性および高い伝導度という従来の要件に加えて、将来、TCEを含むデバイスおよびそれらの構成要素が、頑丈、軽量、および可撓性であることが求められ、従来のITO被覆を使用して達成することが困難な特性である。同様に、商業目的で、製造費用を引き下げることが重要であるため、TCEは、高度に拡張可能で効率的な製造過程を使用して、低い硬化時間を伴って、周囲温度および圧力またはその付近で生産可能となるべきである。
【0005】
こうした背景の下、本明細書で説明される、表面埋め込み構造および関連製造方法を開発する必要性が生じた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、頑丈な不透明伝導性電極、TCE(例えば、太陽電池、ディスプレイ、および照明デバイスで使用される)、タッチパネル、スマートウィンドウ、電子ペーパー、電磁干渉/無線周波数遮蔽体、電磁パルス保護デバイス、静電気防止遮蔽体、防塵遮蔽体、メタマテリアル、光デバイス、プラズモンデバイス、アンテナ、トランジスタ、(例えば、p−n型接合デバイス、薄膜トランジスタ、および電界効果トランジスタ)、ダイオード、発光ダイオード、有機発光ダイオード(「OLED」)、センサ、アクチュエータ、建設材料、建築材料、電子機器ケーシング、消費者デバイス、メモリ記憶デバイス、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ、コンデンサ、およびウルトラキャパシタ)、太陽エネルギー生成デバイス、圧電エネルギー生成デバイス、無線周波数識別デバイス、熱導体/冷却/加熱デバイス、相互接続、ハイブリッドデバイス、周波数選択性表面およびデバイス等を含む、種々の用途およびデバイスで使用するための母材の埋め込み表面に埋め込まれる、導電性または半導体添加物に関する。
【0007】
表面埋め込み構造の実施形態は、向上した性能(例えば、より高い電気および熱伝導度、より高い光透過率、およびより高い電磁場遮蔽または吸収)、ならびにそれらの組成および製造過程から生じる費用便益を示す。構造は、例えば、母材の所望の特性(例えば、透明性)を保ち、付加的な所望の特性(例えば、電気伝導度)を結果として生じる表面埋め込み構造に付与しながら、添加物が母材に物理的に埋め込まれる、表面埋め込み過程によって製造することができる。
【0008】
本発明の他の側面および実施形態も検討される。先述の要約および以下の詳細な説明は、本発明を任意の特定の実施形態に制限するように意図されていないが、本発明のいくつかの実施形態を説明するように意図されているにすぎない。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の性質および目的をより良く理解するために、添付図面と併せて解釈される、以下の詳細な説明を参照するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1−1】図1Aは、添加物が基板の大部分の全体を通して混合される、構造を図示する。図1Bは、添加物が基板の上にある被覆の全体を通して混合される、構造を図示する。図1Cは、添加物が基板の上で表面的に、または表面堆積させられる、構造を図示する。
【図1−2】図1Dから1Hは、本発明の実施形態に従って実装される、種々の表面埋め込み構造を図示する。
【図1−3】図1Dから1Hは、本発明の実施形態に従って実装される、種々の表面埋め込み構造を図示する。
【図1−4】図1Dから1Hは、本発明の実施形態に従って実装される、種々の表面埋め込み構造を図示する。
【図2】図2Aから2Gは、本発明の実施形態に従って実装される、付加的な表面埋め込み構造を図示する。
【図3】図3は、本発明の実施形態による、抵抗対添加物の装填レベルの対数プロットである。
【図4A】図4Aから4Cは、本発明の実施形態による、表面埋め込み構造を形成する製造方法を図示する。
【図4B】図4Aから4Cは、本発明の実施形態による、表面埋め込み構造を形成する製造方法を図示する。
【図4C】図4Aから4Cは、本発明の実施形態による、表面埋め込み構造を形成する製造方法を図示する。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態による、LCDを図示する。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態による、LCDで使用するための色フィルタを図示する。
【図6】図6は、本発明の実施形態による、薄膜太陽電池を図示する。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、投影容量性タッチスクリーンを図示する。
【図8】図8は、本発明の実施形態による、OLED照明デバイスを図示する。
【図9】図9は、本発明の実施形態による、eペーパーを図示する。
【図10】図10は、本発明の実施形態による、スマートウィンドウを図示する。
【図11】図11は、本発明の実施形態による、ポリカーボネート膜およびアクリルに表面埋め込みされた銀ナノワイヤ網の(一定のDC対光学伝導度比における)透過率および対応するシート抵抗のトレードオフ曲線を図示する。
【図12】図12は、本発明の実施形態による、堆積直後および表面埋め込み後のデータを比較する、2ステップ堆積および埋め込み方法を介して製造されたサンプルについて収集された、透明性およびシート抵抗データの表である。
【図13】図13は、本発明の実施形態による、表面埋め込み添加物を伴うTCEの異なる製造方法に対する典型的な平均シート抵抗および透明性データを要約する表である。
【図14−1】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−2】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−3】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−4】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−5】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−6】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−7】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(定義)
以下の定義は、本発明のいくつかに関して説明される要素のうちのいくつかに該当する。これらの定義は、同様に、本明細書において拡張させられてもよい。
【0012】
本明細書で使用されるように、「1つの」および「その」といった単数形の用語は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、物体への参照は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数の物体を含むことができる。
【0013】
本明細書で使用されるように、「一式」という用語は、1つ以上の物体の集合を指す。したがって、例えば、一式の物体は、単一の物体または複数の物体を含むことができる。一式の物体はまた、一式のうちの構成要素と呼ぶこともできる。一式のうちの物体は、同じ、または異なり得る。場合によっては、一式のうちの物体は、1つ以上の共通特性を共有することができる。
【0014】
本明細書で使用されるように、「隣接する」という用語は、付近にある、または接していることを指す。隣接する物体は、相互から離間することができ、または相互と実際に、または直接接触することができる。場合によっては、隣接する物体は、相互に接続することができるか、または相互に一体的に形成されることができる。
【0015】
本明細書で使用されるように、「接続する」、「接続された」、および「接続」という用語は、動作上の連結または連鎖を指す。接続された物体は、相互に直接連結することができ、または別の一式の物体を介する等して相互に間接的に連結することができる。
【0016】
本明細書で使用されるように、「実質的に」および「実質的な」という用語は、相当の度合いまたは程度を指す。事象または状況と併せて使用される時に、用語は、事象または状況が正確に生じる場合、ならびに事象または状況が本明細書で説明される製造方法の典型的な許容レベルを計上すること等の近似概算に生じる場合を指すことができる。
【0017】
本明細書で使用されるように、「随意的な」および「随意で」という用語は、後に説明された事象または状況が生じても生じなくてもよいことと、説明が事象または状況が生じる場合、および生じない場合を含むこととを意味する。
【0018】
本明細書で使用されるように、「内側」、「内部」、「外側」、「外部」、「最上部」、「底部」、「上部」、「上向きに」、「下部」、「下向きに」、「垂直」、「垂直に」、「横の」、「横方向に」、「上側」、および「下側」等の相対的用語は、図面によるように、相互に対する一式の物体の配向を指すが、製造または使用中に、これらの物体の特定の配向を必要としない。
【0019】
本明細書で使用されるように、「サブナノメートルの範囲」または「サブnmの範囲」とは、約0.1nmから約1nm等の約1nm未満の寸法の範囲を指す。
【0020】
本明細書で使用されるように、「ナノメートル範囲」または「nm範囲」とは、約1nmから約1マイクロメートル(「μm」)の寸法の範囲を指す。nm範囲は、約1nmから約10nmの寸法の範囲を指す「下方nm範囲」、約10nmから約100nmの寸法の範囲を指す「中間nm範囲」、および約100nmから約1μmの寸法の範囲を指す「上方nm範囲」を含む。
【0021】
本明細書で使用されるように、「マイクロメートル範囲」または「μm範囲」という用語は、約1μmから約1mmの寸法の範囲を指す。μm範囲は、約1μmから約10μmの寸法の範囲を指す「下方μm範囲」、約10μmから約100μmの寸法の範囲を指す「中間μm範囲」、および約100μmから約1mmの寸法の範囲を指す「上方μm範囲」を含む。
【0022】
本明細書で使用されるように、「アスペクト比」とは、物体の最大寸法または範囲と物体の残りの寸法または範囲との平均の比を指し、残りの寸法は、相互に対して、または最大寸法に対して直交する。場合によっては、物体の残りの寸法は、実質的に同じとなり得て、残りの寸法の平均は、残りの寸法のうちのいずれか一方に実質的に対応することができる。例えば、円柱のアスペクト比は、円柱の長さおよび円柱の断面直径の比を指す。別の実施例として、回転楕円体のアスペクト比は、回転楕円体の主軸および回転楕円体の短軸の比を指す。
【0023】
本明細書で使用されるように、「ナノサイズの添加物」という用語は、nm範囲内に少なくとも1つの寸法を有する添加物を指す。ナノサイズの添加物は、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の材料で形成することができる。ナノサイズの添加物の実施例は、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノ粒子を含む。
【0024】
本明細書で使用されるように、「ナノワイヤ」とは、実質的に中実である、細長いナノサイズの添加物を指す。典型的には、ナノワイヤは、nm範囲内の横寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)、μm範囲内の縦寸法(例えば、長さ)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0025】
本明細書で使用されるように、「ナノチューブ」という用語は、細長い中空でナノサイズの添加物を指す。典型的には、ナノチューブは、nm範囲内の横寸法(例えば、幅、外径、または直交方向にわたる平均を表す幅または外径の形態である断面寸法)、μm範囲内の縦寸法(例えば、長さ)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0026】
本明細書で使用されるように、「ナノ粒子」という用語は、回転楕円体でナノサイズの添加物を指す。典型的には、ナノ粒子の各寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)は、nm範囲内であり、ナノ粒子は、約1等の約3未満であるアスペクト比を有する。
【0027】
本明細書で使用されるように、「ミクロンサイズの添加物」という用語は、μm範囲内の少なくとも1つの寸法を有する添加物を指す。典型的には、ミクロンサイズの添加物の各寸法は、μm範囲内であるか、またはμm範囲を越える。ミクロンサイズの添加物は、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の材料で形成することができる。ミクロンサイズの添加物の実施例は、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、およびマイクロ粒子を含む。
【0028】
本明細書で使用されるように、「マイクロワイヤ」という用語は、実質的に中実である細長いミクロンサイズの添加物を指す。典型的には、マイクロワイヤは、μm範囲内の横寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0029】
本明細書で使用されるように、「マイクロチューブ」という用語は、細長い中空でミクロンサイズの添加物を指す。典型的には、マイクロチューブは、μm範囲内の横寸法(例えば、幅、外径、または直交方向にわたる平均を表す幅または外径の形態である断面寸法)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0030】
本明細書で使用されるように、「マイクロ粒子」という用語は、回転楕円体でミクロンサイズの添加物を指す。典型的には、マイクロ粒子の各寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)は、μm範囲内であり、マイクロ粒子は、約1等の約3未満であるアスペクト比を有する。
【0031】
(表面埋め込み添加物を有する構造)
本明細書で説明される表面埋め込み構造は、導電性添加物の組み込みを介して電気伝導度を獲得しようとする他の考えられるアプローチとは異なる。3つの他のアプローチが図1Aから図1Cに図示され、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gを参照して図示および説明される改良型表面埋め込み構造と対比される。
【0032】
図1Aは、添加物102が基板104の大部分の全体を通して混合される構造100を描写する。図1Bは、添加物108が、基板112の上に配置される(添加物108とともに)被覆110の全体を通して混合される構造106を描写する。図1Cは、添加物116が基板118の上に表面的に、または表面堆積させられる構造114を描写し、そのような構成は、表面堆積された添加物116の基板118への不良な付着を有する。
【0033】
対照的に、図1Dから図1Hは、本発明の実施形態に従って実装される種々の表面埋め込み構造120、122、124、126、および128を描写する。図1Dは、部分的に露出され、基板に対応する母材132の最上部の埋め込み表面134に部分的に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物130の概略図である。図1Dに図示されるように、添加物130網は、埋め込み表面134に隣接し、母材132の埋め込み領域138内に局所化され、残りの母材132は、大部分が添加物130を欠いている。図示した実施形態では、埋め込み領域138は、比較的薄く(例えば、母材132の全体的な厚さよりも小さいか、またははるかに小さい厚さを有するか、あるいは添加物130の特徴的な寸法に匹敵する厚さを有する)、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。あるポリマーまたはポリマー含有複合材料等の母材132の適正な選択を介して、基板は、透明および可撓性、ならびに軽量であり得る。しかしながら、基板が標識されるように透明または可撓性である必要がない他の実施形態を実装することができる。表面埋め込み構造120(ならびに本明細書で説明される他の表面埋め込み構造)は、従来の構造よりもはるかに平滑であり得る。粗度が隣接するデバイス層への侵入および他の望ましくない効果につながり得るので、高い平滑度(例えば、低い粗度)が、例えば、太陽電池およびディスプレイで使用されるTCEにとって望ましくなり得る。
【0034】
図1Eは、基板に対応する母材142の最上部の埋め込み表面140に完全に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物136の概略図である。図1Eに図示されるように、添加物136の網は、埋め込み表面140に隣接し、母材142の埋め込み領域144内に局所化され、残りの母材142は、大部分が添加物136を欠いている。図示した実施形態では、埋め込み領域144は、比較的薄く(例えば、母材142の全体的な厚さよりも小さいか、またははるかに小さい厚さを有するか、あるいは添加物136の特徴的な寸法に匹敵する厚さを有する)、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。そのようにして、添加物136の網は、ある比較的に均一な距離で埋め込み表面140の下に完全に埋め込まれるにもかかわらず、実質的に平面的な構成にとどまることができる。あるポリマーまたはポリマー含有複合材料等の母材142の適正な選択を介して、基板は、透明および可撓性、ならびに軽量であり得る。しかしながら、基板が標識されるように透明または可撓性である必要がない他の実施形態を実装することができる。
【0035】
図1Fは、基板に対応する母材150の最上部の埋め込み表面148に完全に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物146の概略図である。図1Fに図示されるように、添加物146の網は、埋め込み表面148に隣接し、母材150の埋め込み領域152内に限局され、残りの母材150は、大部分が添加物146を欠いている。図示した実施形態では、埋め込み領域152の厚さは、添加物146の特徴的な寸法(例えば、添加物146のうちの個々の1つの断面直径、または添加物146にわたる平均断面直径)よりも大きいが、依然として母材150の全体的な厚さよりも小さい(または、はるかに小さい)。添加物146は、複数の層として埋め込み領域152内に分配または配設することができ、特定の層の添加物146は、埋め込み表面148の下に完全に埋め込まれるにもかかわらず、依然として実質的に平面的な構成のままである。図1Fに図示されていないものの、別の実装が図1Fと同様となるが、添加物146の網が母材150の埋め込み表面148において部分的に露出されることに留意されたい。
【0036】
図1Gは、部分的に露出され、基板160の上に配置される被覆あるいはスラリーまたはペースト等の他の二次材料に対応する、母材158の最上部の埋め込み表面156に完全に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物154の概略図である。図1Gに図示されるように、添加物154の網は、埋め込み表面156に隣接し、母材158の埋め込み領域162内に限局され、残りの母材158は、大部分が添加物154を欠いている。また、添加物154の特徴的な寸法に匹敵する比較的薄い被覆の場合等において、添加物154は、母材158内のより大きい体積分率の全体を通して分配できることが検討される。図示した実施形態では、埋め込み領域162は、比較的薄く、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。図1Gに図示されていないものの、別の実装が図1Gと同様となるが、添加物154の網が母材158の埋め込み表面156より下側に完全に埋め込まれることに留意されたい。
【0037】
図1Hは、秩序あるパターンを形成するように、母材166を横断して限局される網を形成する表面埋め込み添加物164の概略図である。添加物164の網は、最上部の埋め込み表面168に部分的に埋め込み、母材166の埋め込み領域162内に限局することができ(例えば、図1Dおよび図1Gと同様である)、埋め込み表面168より下側に完全に埋め込むことができ(例えば、図1Eおよび図1Fと同様である)、またはそれらの組み合わせであるが、網は、母材166を横断する方向には均一に位置しないが、むしろパターン化される。格子パターンが図1Hに図示されているが、パターンは一般に、非周期的(または周期的ではない、ランダムな)パターン、ならびにダイヤモンドパターン、正方形パターン、長方形パターン、三角形パターン、種々の多角形パターン、波形パターン、角度パターン、相互接続パターン(例えば、電子デバイス、ディスプレイ、太陽電池パネル、バッテリまたはウルトラキャパシタ等のエネルギー貯蔵デバイスの形態である)、またはそれらの任意の組み合わせ等の周期的パターンを含むことができることに留意されたい。図1Iは、パターンの形成が生じるが、個々の「直線」状区分の構成が、図1Dから図1Gおよび以下の図2で図示される構成のうちのいずれか、または構成の組み合わせと同様である表面埋め込み添加物を含むことをパターンの「直線」状区分の拡大図が明らかにすることを図示する。添加物164(ならびに図1Dから図1Gおよび以下の図2で図示される添加物)は、望ましくは、平均でパターンの特徴的な長さ(例えば、個々の「直線」状区分の長さ)よりも短い縦寸法、平均でパターンの特徴的な幅(例えば、個々の「直線」状区分の幅)よりも長い縦寸法、または両方を有する、銀(またはAg)ナノワイヤ、銅(またはCu)ナノワイヤ、あるいはそれらの組み合わせ等の金属ナノワイヤを含む。他の種類の添加物および添加物の他の組み合わせもまた、銀ナノ粒子のような金属ナノ粒子を含む、ナノ粒子等の金属ナノワイヤの代わりに、またはそれと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、添加物164は、タッチスクリーンデバイスおよびスマートウィンドウ等のデバイスで使用するための相互接続または相互接続格子としての機能を果たすことができる、実線を形成するように焼結するか、または別様に融合することができる。そのような実施形態は、増進した耐久性を含み、層間剥離しやすくなり得る、かつ伝導度を阻害し得る、または抵抗を増加させ得る被覆または他の結合材料の省略を可能にする、従来のアプローチに優るいくつかの利点を提供する。
【0038】
表面埋め込み構造の他の構成が、図2Aから図2Gに図示されている。図2Aから図2Gに図示される表面埋め込み構造のある側面は、図1Dから図1Hにおいて上記で図示および説明されるものと同様に実装することができ、これらの側面は、以下で繰り返されない。
【0039】
図2Aは、網が、異なる種類のナノワイヤ、異なる種類のナノチューブ、またはそれらの組み合わせの形態で、少なくとも2つの異なる種類の添加物200および202を含む網を形成する表面埋め込み添加物の概略図である。一般に、添加物200および202は、例えば、それらの寸法、形状、材料組成、またはそれらの組み合わせに関して異なり得る。図2Aに図示されるように、添加物200および202は、層状配設等の特定の配設において埋め込み領域204内に限局される。各層は主に、それぞれの異なる種類の添加物を含むことができるが、異なる種類の添加物が層の間を横断することもできる。添加物200および202のそのような層状配設はまた、異なる埋め込み領域について説明することもでき、それは、それぞれの異なる種類の添加物が、それぞれの埋め込み領域内に限局されている。添加物200および202は、完全に埋め込まれたものとして図示されているが、添加物200および202のうちの少なくともいくらかを部分的に埋め込むか、または表面を露出させることができることが企図される。図2Bは、図2Aと同様の概略図であるが、異なる種類のナノ粒子の形態である少なくとも2つの異なる種類の添加物206および208を有する。また、ナノワイヤおよびナノチューブのいずれか一方または両方と組み合わせて、ナノ粒子を含むことができることも企図される。さらに、特定の種類の添加物に関して本明細書で説明される他の実施形態を、異なる種類の添加物を用いて実装できることが企図される。添加物206および208は、完全に埋め込まれたものとして図示されているが、添加物206および208のうちの少なくともいくらかを部分的に埋め込むか、または表面を露出させることができることが企図される。
【0040】
図2Cは、基板に対応する母材212に部分的に埋め込まれる表面埋め込み添加物210の概略図であり、被覆214は、添加物210を完全に覆うか、または図2Cに図示されるように部分的に露出されたままにして、添加物210の周囲の少なくとも1つの層を埋める。被覆214は、母材212(または本明細書で説明される他の母材)と同一または同様の組成を有することができ、または、太陽電池用のTCEとの関連で仕事関数を調整する緩衝層としての機能を果たすように、あるいは表面埋め込み添加物210によって提供される伝導性経路の代わりに、またはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供するように、導電性材料または半導体(例えば、ITO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、その他のドープした金属酸化物、導電性または半導体ポリマー、カーボンナノチューブベースの被覆等のフラーレンベースの被覆、または透明である別の導電性材料)を使用して実装される場合等に、付加的または修正の機能性を提供するように異なる組成を有することができる。ITOの場合、例えば、表面埋め込み添加物210の存在は、低減した量のITOが使用されることを可能にすることによって、コスト節減を提供し、したがって、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、約10nm以下、および約5nm以下まで等の、約100nm以下の厚さ等の(添加物210がない場合に対して)被覆214の低減した厚さを提供することができる。加えて、表面埋め込み添加物210の存在は、低温硬化を伴うITOの溶液堆積を(スパッタリングの代わりに)可能にすることができる。結果として生じる比較的低い伝導度のITO層が、依然として仕事関数適合を満たすことができる一方で、添加物210は、高温硬化を伴わない溶液堆積されたITOによって示される、伝導度の低減を軽減することができる。添加物210は、パターン(例えば、格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他のパターン)で配設することができ、被覆214は、添加物210を完全に覆うよう、または部分的に露出されたままにして、実質的に合致するパターン(例えば、合致する格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他の合致するパターン)で形成できることが検討される。
【0041】
図2Dは、図1Dと同様の概略図であるが、ナノワイヤ218(または他の高アスペクト比添加物)と組み合わせて表面に埋め込まれ、「平面的」または「平面状」埋め込み領域222内に限局される、ナノ粒子216を伴う。示されていないが、ナノ粒子216およびナノワイヤ218のいずれか一方または両方は、(例えば、図1Eまたは図1Fに図示される構成と同様に)最上部の埋め込み表面220より完全に下側にあり得る。
【0042】
図2Eは、図1Dと同様の概略図であるが、異なる種類のナノワイヤ、異なる種類のナノチューブ、またはナノワイヤおよびナノチューブの組み合わせの形態である少なくとも2つの異なる種類の添加物224および226を有する。示されていないが、添加物224および226のいずれか一方または両方は、(例えば、図1Eまたは図1Fに図示される構成と同様に)最上部の埋め込み表面228より完全に下側にあり得る。
【0043】
図2Fは、膜の形態であるもの等の母材230の概略図であり、母材230は、母材230の両側に添加物が埋め込まれている。具体的には、添加物232が、母材230の最上部の埋め込み表面236に少なくとも部分的に埋め込まれ、最上部の埋め込み表面236に隣接し、母材230の埋め込み領域240内に限局される一方で、添加物234は、母材230の底部の埋め込み表面238に少なくとも部分的に埋め込まれ、底部の埋め込み表面238に隣接し、母材230の埋め込み領域242内に限局される。母材230の任意の特定の側面について、母材230の中の添加物の埋め込み、または異なる種類の添加物の包含の程度は、上記で、後に以下で説明されるのと同様に実装できることが検討される。さらに、添加物は、母材230の外側面のうちのいずれか1つ以上等の母材230の付加的な表面に埋め込むことができることが検討される。
【0044】
図2Fに図示される表面埋め込み構造は、例えば、エネルギー貯蔵デバイスに対して有用となり得て、母材230は、固体ポリマー電解質材料を含み、添加物232および234は、一対の電極または電流コレクタとしての機能を果たし、ナノ粒子、マイクロ粒子、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、ナノチューブ、マイクロチューブ、または他の形態、あるいはそのような形態の組み合わせの形態である、炭素、金属、金属酸化物、カーボンブラック、グラフェン、またはそれらの組み合わせ等の導電性材料を含む。図2Fに図示される表面埋め込み構造はまた、例えば、タッチスクリーンデバイスに対して有用となり得て、添加物232および234は、一対の電極としての機能を果たし、添加物232および234の間の母材230の領域は、薄膜セパレータとしての機能を果たす。
【0045】
図2Gは、図2Cと同様の概略図であるが、基板248の上に配置された被覆に対応する、母材246に部分的に埋め込まれる表面埋め込み添加物244を伴い、別の被覆250が、添加物244の周囲の少なくとも1つの層を埋め、添加物244を完全に覆うか、または図2Gに図示されるように部分的に露出されたままにして、添加物244に電気的に連結される。添加物244を完全に覆うことによって、被覆250の結果として生じる表面は、極めて平滑である(例えば、添加物244がない場合の被覆250の固有の平滑度または粗度に実質的に匹敵する、平滑度または粗度を有する)。被覆250は、母材246(または本明細書で説明される他の母材)と同じまたは同様の組成を有することができ、または、太陽電池用のTCEとの関連で仕事関数を調整する緩衝層としての機能を果たすように、あるいは表面埋め込み添加物244によって提供される伝導性経路の代わりに、またはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供するように、導電性材料または半導体(例えば、ITO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、他のドープした金属酸化物、導電性または半導体ポリマー、カーボンナノチューブベースの被覆等のフラーレンベースの被覆、または透明である別の導電性材料)を使用して実装される時等に、付加的または修正機能性を提供するように異なる組成を有することができる。ITOの場合、例えば、表面埋め込み添加物244の存在は、低減した量のITOが使用されることを可能にすることによって、コスト節減を提供し、したがって、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、約10nm以下、および約5nm以下まで等の、約100nm以下の厚さ等の(添加物244の欠如に対する)被覆250の低減した厚さを提供することができる。加えて、表面埋め込み添加物244の存在は、低温硬化を伴うITOの溶液堆積を(スパッタリングの代わりに)可能にすることができる。結果として生じる比較的低い伝導度ITO層が、依然として仕事関数合致を満たすことができる一方で、添加物244は、高温硬化を伴わない溶液堆積されたITOによって示される、伝導度の低減を軽減することができる。添加物244は、パターン(例えば、格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他のパターン)で配設することができ、被覆250は、添加物244を完全に覆うよう、または部分的に露出されたままにして、実質的に合致するパターン(例えば、合致する格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他の合致するパターン)で形成できることが検討される。
【0046】
本明細書で説明される、ある表面埋め込み構造の一側面は、母材の中の垂直添加物濃度勾配の提供、すなわち、母材の厚さの方向に沿った、そのような勾配である。(例えば、図1Aに図示されるような)バルク組み込みは、母材の全体を通して均一な垂直添加物濃度勾配を提供することを目標とするが、凝集および他の効果が、そのような均一な勾配が実践で達成されるのを妨げる場合がある。(例えば、図1Bに図示されるような)従来の被覆実装について、垂直添加物濃度勾配は、被覆と基礎的な基板との間に存在することができるが、バルク組み込みと同様に、従来の被覆実装は、被覆の全体を通して均一な垂直添加物濃度勾配を提供することを目標とする。対照的に、表面埋め込み構造は、母材の埋め込み領域内の添加物の局在性に従って、可変で制御可能な垂直添加物濃度勾配を可能にする。ある実装について、埋め込み領域内の添加物の局在性の程度は、添加物の少なくとも大部分(重量、容量、数密度で)が埋め込み領域内に埋め込まれ、添加物の少なくとも60%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、添加物の少なくとも70%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、添加物の少なくとも80%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、または添加物の少なくとも90%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、または添加物の少なくとも95%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれるようなものである。例えば、添加物の実質的に全ては、残りの母材が添加物を実質的に欠いているように、埋め込み領域内に限局することができる。
【0047】
一般に、添加物は、ナノサイズの添加物、ミクロンサイズの添加物、ならびにnm以下の範囲内でサイズ決定される添加物の形態であり得る、導電性材料、半導体、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、少なくとも1つの添加物は、約0.1nmから約1mmの範囲内の断面寸法を有することができる(または添加物の集団が平均断面寸法を有することができる)。いくつかの実施形態では、断面寸法(または平均断面寸法)は、約1nmから約100nm、約1nmから約20nm、約20nmから約100nm、約1nmから約50ミクロン、約100nmから約1ミクロン、約1nmから約100ミクロン、または約500nmから約50ミクロンの範囲内である。いくつかの実施形態では、実質的に全ての添加物は、約0.1nmから約1mm、または約0.1nmから約100ミクロンの範囲内の断面寸法を有する。
【0048】
導電性材料の実施例は、金属(例えば、銀、銅、および金)、金属合金、炭素ベースの導体(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン、およびバッキーボール)、随意でドープされる金属酸化物(例えば、ITO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、および他のドープした金属酸化物)、導電性ポリマー、およびそれらの任意の組み合わせを含む。半導体材料の実施例は、半導体ポリマー、IVB族元素(例えば、炭素(またはC)、シリコン(またはSi)、およびゲルマニウム(またはGe))、IVB−IVB族二元合金(例えば、炭化ケイ素(またはSiC)およびシリコンゲルマニウム(またはSiGe))、IIB−VIB族二元合金(例えば、セレン化カドミウム(またはCdSe)、硫化カドミウム(またはCdS)、テルル化カドミウム(またはCdTe)、酸化亜鉛(またはZnO)、セレン化亜鉛(またはZnSe)、テルル化亜鉛(またはZnTe)、および硫化亜鉛(またはZnS))、IIB−VIB族三元合金(例えば、テルル化カドミウム亜鉛(またはCdZnTe)、テルル化カドミウム水銀(またはHgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(またはHgZnTe)、およびセレン化水銀亜鉛(またはHgZnSe))、IIIB−VB族二元合金(例えば、アンチモン化アルミニウム(またはAlSb)、ヒ化アルミニウム(またはAlAs)、窒化アルミニウム(またはAlN)、リン化アルミニウム(またはAlP)、窒化ホウ素(またはBN)、リン化ホウ素(またはBP)、ヒ化ホウ素(またはBAs)、アンチモン化ガリウム(またはGaSb)、ヒ化ガリウム(またはGaAs)、窒化ガリウム(またはGaN)、リン化ガリウム(またはGaP)、アンチモン化インジウム(またはInSb)、ヒ化インジウム(またはInAs)、窒化インジウム(またはInN)、リン化インジウム(またはInP))、IIIB−VB族三元合金(例えば、ヒ化アルミニウムガリウム(またはAlGaAsあるいはAlxGa1−xAs)、ヒ化インジウムガリウム(またはInGaAsあるいはInxGa1−xAs)、リン化インジウムガリウム(またはInGaP)、ヒ化アルミニウムインジウム(またはAlInAs)、アンチモン化アルミニウムインジウム(またはAlInSb)、窒化ガリウムヒ素(またはGaAsN)、リン化ガリウムヒ素(またはGaAsP)、窒化アルミニウムガリウム(またはAlGaN)、リン化アルミニウムガリウム(またはAlGaP)、窒化インジウムガリウム(またはInGaN)、アンチモン化インジウムヒ素(またはInAsSb)、およびアンチモン化インジウムガリウム(またはInGaSb))、IIIB−VB族四元合金(例えば、リン化アルミニウムガリウムインジウム(またはAlGaInP)、リン化アルミニウムガリウムヒ素(またはAlGaAsP)、リン化インジウムガリウムヒ素(またはInGaAsP)、リン化アルミニウムインジウムヒ素(またはAlInAsP)、窒化アルミニウムガリウムヒ素(またはAlGaAsN)、窒化インジウムガリウムヒ素(またはInGaAsN)、窒化インジウムアルミニウムヒ素(またはInAlAsN)、および窒化ガリウムヒ素アンチモニド(またはGaAsSbN))、およびIIIB−VB族五元合金(例えば、アンチモン化ガリウムインジウム窒化物ヒ素(またはGaInNAsSb)およびリン化ガリウムインジウムヒ素アンチモニド(またはGaInAsSbP))、IB−VIIB族二元合金(例えば、塩化第一銅(またはCuCl))、IVB−VIB族二元合金(例えば、セレン化亜鉛(またはPbSe)、硫化鉛(またはPbS)、テルル化鉛(またはPbTe)、硫化スズ(またはSnS)、およびテルル化スズ(またはSnTe))、IVB−VIB族三元合金(例えば、テルル化鉛スズ(またはPbSnTe)、テルル化タリウムスズ(またはTl2SnTe5)、テルル化タリウムゲルマニウム(またはTl2GeTe5))、VB−VIB族二元合金(例えば、テルル化ビスマス(またはBi2Te3))、IIB−VB族二元合金(例えば、リン化カドミウム(またはCd3P2)、ヒ化カドミウム(またはCd3As2)、アンチモン化カドミウム(またはCd3Sb2)、リン化亜鉛(またはZn3P2)、ヒ化亜鉛(またはZn3As2)、およびアンチモン化亜鉛(またはZn3Sb2))、およびIB族(または11族)元素、IIB族(または12族)元素、IIIB族(または13族)元素、IVB族(または14族)元素、VB族(または15族)元素、VIB族(または16族)元素、およびセレン化銅インジウムガリウム(またはCIGS)等のVIIB族(または17族)元素の他の二元、三元、四元、または高次の合金、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。
【0049】
添加物は、例えば、ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ(例えば、多重壁のナノチューブ(「MWNT」)、単一壁のナノチューブ(「SWNT」)、二重壁のナノチューブ(「DWNT」)、黒鉛化または修正ナノチューブ)、フラーレン、バッキーボール、グラフェン、マイクロ粒子、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、コアシェルナノ粒子またはマイクロ粒子、コアマルチシェルナノ粒子またはマイクロ粒子、コアシェルナノワイヤ、および実質的に管状、立方体、または錐体であり、非結晶質、結晶質、正方晶、六方晶、三方晶、斜方晶、単斜晶、または三斜晶、あるいはそれらの任意の組み合わせとして特徴付けられる形状を有する、他の添加物を含むことができる。
【0050】
コアシェル粒子およびコアシェルナノワイヤの実施例は、金属、金属合金、金属酸化物、炭素、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、銀、銅、金、白金、ZnO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、TiO2、ITO、グラフェン、および本明細書で好適な添加物として記載される他の材料)で形成されるシェルとともに、強磁性コア(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ならびにこれらの元素のうちの1つ以上で形成された酸化物および合金)を有するものを含む。コアシェルナノワイヤの特定の実施例は、Agコア、および銀コアの酸化を低減または防止するように銀コアを方位するAuシェル(または白金シェルあるいは別の種類のシェル)を有するものである。
【0051】
添加物はまた、導電性材料および半導体の代わりに、またはそれと組み合わせて、例えば、メタマテリアル等の機能的作用物質を含むこともできる。メタマテリアル、および独特の電磁特性を有する関連人工複合構造は、例えば、分割リング共振器、リング共振器、遮蔽デバイス、ナノ構造化反射防止層、高吸収層、完璧なレンズ、集光器、マイクロ集光器、電磁エネルギーの集束器、連結器、および同等物を含むことができる。添加物はまた、例えば、赤外線放射、紫外線放射、X線放射のうちのいずれか1つ以上等の電磁放射を反射、吸収、または散乱する材料を含むことができる。そのような材料は、例えば、Au、Ge、TiO2、Si、Al2O3、CaF2、ZnS、GaAs、ZnSe、KCl、ITO、酸化スズ、ZnO、MgO、CaCO3、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン系光安定剤、シアノアクリレート、サリチル型化合物、Ni、Pb、Pd、Bi、Ba、BaSO4、鋼鉄、U、Hg、金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。添加物に対する材料の付加的な実施例は、PbSO4、SnO2、Ru、As、Te、In、Pt、Se、Cd、S、Sn、Zn、二セレン化銅インジウム(「CIS」)、Cr、Ir、Nd、Y、セラミック(例えば、ガラス)、シリカ、有機蛍光染料、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0052】
添加物はまた、例えば、ポリマー含有ナノチューブ、ポリマー含有ナノ粒子、ポリマー含有ナノワイヤ、半導体ナノチューブ、絶縁ナノチューブ、ナノアンテナ、強磁性材料で形成された添加物、強磁性コアおよび高度に伝導性のシェルで形成された添加物、有機金属ナノチューブ、金属ナノ粒子またはマイクロ粒子、圧電材料で形成された添加物、量子ドットで形成された添加物、ドーパントを有する添加物、光学集中および捕獲構造、光学レクテナ、ナノサイズの薄片、ナノ同軸構造、導波路構造、金属ナノ結晶、半導体ナノ結晶、ならびに多色染色剤で形成された添加物、酸化物、ケモクロミック剤、合金、ピエゾクロミック剤、サーモクロミック剤、フォトクロミック剤、エレクトロクロミック剤、メタマテリアル、硝酸銀、マグネトクロミック剤、毒素中和剤、芳香剤、触媒、湿潤剤、塩、ガス、液体、コロイド、懸濁液、乳液、耐紫外線剤、発光剤、抗菌剤、静電気防止剤、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸エステル、フェニルエチレングリコールエステル、ポリオール、ジノニルナフチルスルホン酸、ルテニウム金属有機染料、酸化チタン、傷防止剤、グラフェン、銅フタロシアニン、指紋防止剤、防曇剤、耐紫外線剤、着色剤、反射防止剤、耐赤外線剤、高反射率剤、光学濾過剤、香料、脱臭剤、樹脂、潤滑剤、可溶化剤、安定剤、界面活性剤、蛍光剤、活性炭、トナー剤、回路要素、絶縁体、導体、伝導性流体、磁気添加物、電子添加物、プラズモン添加物、誘電添加物、共振添加物、発光性分子、蛍光性分子、空洞共振器、冷陰極、電極、ナノピラミッド、共振器、センサ、アクチュエータ、トランスデューサ、トランジスタ、レーザ、発振器、光検出器、フォトニッック結晶、共役ポリマー、非線形要素、複合材料、多層、科学的不活性剤、位相偏移構造、増幅器、変調器、スイッチ、太陽電池、発光ダイオード、連結器、粘着防止およびスリップ防止剤(例えば、珪藻土、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、およびケイ酸塩)、スリップ剤および潤滑剤(例えば、脂肪酸アミド、エルカミド、オレアミド、脂肪酸エステル、ステアリン酸金属塩、ワックス、およびアミド混合物)、酸化防止剤(例えば、アミン、フェノール成分、有機リン酸塩、チオエステル、および不活性化剤)、静電気防止剤(例えば、陽イオン性静電気防止剤、第四アンモニウム塩および化合物、ホスホニウム、スルホニウム、陰イオン性静電気防止剤、導電性ポリマー、アミン、および脂肪酸エステル)、殺生物剤(例えば、10,10’−オキシビスフェノキサルシン(またはOBPA)、アミンで中和したリン酸塩、亜鉛2−ピリジンチアノール−1−オキシド(または亜鉛OMADINE)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、DCOIT、TRICLOSAN、CAPTAN、およびFOLPET)、光安定剤(例えば、紫外線吸収剤、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、安息香酸塩、ニッケル有機錯体、ヒンダードアミン系光安定剤(またはHALS)、およびニッケル含有化合物)、導電性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(またはPPV)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フルオレン)、ポリナフタレン、メラニン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(またはPEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸塩)(またはPSS)、PEDOT−PSS、PEDOTポリメタクリル酸(またはPEDOT−PMA)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(またはP3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(またはP3OT)、ポリ(C−61−酪酸メチルエステル)(またはPCBM)、およびポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](またはMEH−PPV))、本明細書で好適な母材として記載される任意の材料、またはそれらの任意の組み合わせを含むこともできる。
【0053】
ある実装について、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびそれらの組み合わせの形態等である高アスペクト比添加物が望ましい。例えば、望ましい添加物は、炭素または他の材料で形成されたナノチューブ(例えば、MWNT、SWNT、黒鉛化MWNT、黒鉛化SWNT、修正MWNT、修正SWNT、およびポリマー含有ナノチューブ)、金属、金属酸化物、金属合金、または他の材料で形成されたナノワイヤ(例えば、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ(ドープされていないか、または、例えば、アルミニウム、ホウ素、フッ素、およびその他によってドープされた)、酸化スズナノワイヤ(ドープされていないか、または、例えば、フッ素によってドープされた)、酸化カドミウムスズナノワイヤ、ITOナノワイヤ、ポリマー含有ナノワイヤ、およびAuナノワイヤ)、ならびに導電性または半導体であり、球状、錐体、または他の形状であろうと、種々の形状を有する他の材料を含む。添加物の付加的な実施例は、活性炭、グラフェン、カーボンブラック、Ketjen black、および金属、金属酸化物、金属合金、または他の材料(例えば、Agナノ粒子、Cuナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、ITOナノ粒子、およびAuナノ粒子)で形成されたナノ粒子で形成されたものを含む。
【0054】
一般に、母材は、種々の形状およびサイズを有することができ、透明、半透明、または不透明となり得て、可撓性、屈曲可能、折り畳み可能、または剛性となり得て、電磁的に不透明または電磁的に透明となり得て、導電性、半導体、または絶縁性であり得る。母材は、基板の形態であり得るか、または基板もしくは別の材料の上に配置された被覆あるいは複数の被覆の形態であり得る。好適な母材の実施例は、有機材料、無機材料、およびハイブリッド有機・無機材料を含む。例えば、母材は、ポリオレフィン、ポリエチレン(またはPE)、ポリプロピレン(またはPP)、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニル、フッ素重合体、ポリマー、ポリカーボネート(またはPC)、ポリスルホン、ポリ乳酸、アリルジグリコールカーボネートに基づくポリマー、ニトリルベースのポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(またはABS)、フェノキシベースのポリマー、フェニレンエーテル/オキシド、プラスチゾル、オルガノゾル、プラスターチ材料、ポリアセタール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、スチレン無水マレイン酸に基づくポリマー、ポリアリルジグリコールカーボネートモノマーに基づくポリマー、ビスマレイミドベースのポリマー、ポリフタル酸アリル、熱可塑性ポリウレタン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、コポリエステル(例えば、TritanTMという商標の下で入手可能である)、ポリ塩化ビニル(またはPVC)、アクリルベースのポリマー、ポリエチレンテレフタレートグリコール(またはPETG)、ポリエチレンテレフタレート(またはPET)、エポキシ、エポキシ含有樹脂、メラミンベースのポリマー、シリコーンおよびシリコン含有ポリマー(例えば、ポリシランおよびポリシルセスキオキサン)、酢酸塩に基づくポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン−三フッ化エチレン)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸ポリエステル、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸(またはPGA)、ポリグリコリド、ポリ乳酸(またはPLA)、ポリ乳酸プラスチック、ポリフェニレンビニレン、導電性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(またはPPV)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フルオレン)、ポリナフタレン、メラニン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(またはPEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸塩)(またはPSS)、PEDOT−PSS、PEDOT−ポリメタクリル酸(またはPEDOT−PMA)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(またはP3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(またはP3OT)、ポリ(C−61−酪酸メチルエステル)(またはPCBM)、およびポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](またはMEH−PPV))、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、コポリエステル、ポリ(メタクリル酸メチル)共重合体、テトラフルオロエチレンベースのポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン共重合体、イオノマー、フッ素化イオノマー、ポリマー電解質膜に対応する、または含まれるポリマー、エタンスルホニルフルオリドベースのポリマー、2−[1−[ジフルオロ−[(トリフルオロエチル)オキシ]メチル]−1,2,2,2−トリフルオロエトキシ]−1,1,2,2,−テトラフルオロ−(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクタンスルホン酸共重合体を有する)に基づくポリマー、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、フッ化ビニリデンに基づくポリマー、トリフルオロエチレンに基づくポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン)、ポリフェニレンビニレン、銅フタロシアニンに基づくポリマー、グラフェン、ポリ(フマル酸プロピレン)、セロファン、銅アンモニアベースのポリマー、レーヨン、およびバイオポリマー(例えば、酢酸セルロース(またはCA)、酢酸酪酸セルロース(またはCAB)、酢酸プロピオン酸セルロース(またはCAP)、プロピオン酸セルロース(またはCP)、尿素、木、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、ニトロセルロース、プラスターチ、セルロイド、竹、生物由来のポリエチレン、カルボジイミド、軟骨、称賛セルロース、セルロース、キチン、キトサン、結合組織、銅フタロシアニン、綿セルロース、エラスチン、グリコサミノグリカン、リネン、ヒアルロン酸、ニトロセルロース、紙、羊皮紙、プラスターチ、澱粉、澱粉ベースのプラスチック、フッ化ビニリデン、およびビスコースに基づくポリマー、または任意のモノマー、共重合体、混合物、またはそれらの他の組み合わせから選択されるような、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、またはそれらの共重合体あるいは他の組み合わせを含むことができる。好適な母材の付加的な実施例は、セラミック(例えば、SiO2ベースのガラス、SiOxベースのガラス、TiOxベースのガラス、SiOxベースのガラスの他のチタン、セリウム、マンガン類似体、スピンオンガラス、ゾル・ゲル処理から形成されたガラス、シラン前駆体、シロキサン前駆体、ケイ酸前駆体、オルトケイ酸テトラエチル、シラン、シロキサン、リンケイ酸塩、スピンオンガラス、ケイ酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ガラス前駆体、セラミック前駆体、シルセスキオキサン、金属シルセスキオキサン、かご型シルセスキオキサン、ハロシラン、ポリイミド、PMMAフォトレジスト、ゾル・ゲル、シリコン酸素水素化物、シリコーン、スタノキサン、シラチアン、シラザン、メタロセン、二塩化チタノセン、二塩化バナドセン、および他の種類のガラス)、セラミック前駆体、ポリマー・セラミック複合材料、ポリマー・木複合材料、ポリマー・炭素複合材料(例えば、Ketjen black、活性炭、カーボンブラック、グラフェン、および他の形態の炭素で形成された)、ポリマー・金属複合材料、ポリマー・酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0055】
母材は、例えば、n型にドープするか、p型にドープするか、または非ドープにすることができる。埋め込み添加物は、例えば、n型にドープするか、p型にドープするか、または非ドープにすることができる。母材が導電性または半導体である場合、p−n型接合デバイス、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、センサ、メモリデバイス、太陽エネルギー・電気変換デバイス等を形成するために、n型にドープされるか、p型にドープされるか、または両方である添加物を使用することができる。
【0056】
図1Aの構成と、(例えば、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gに図示されるような)本明細書で説明される表面埋め込み構造との間の少なくとも1つの違いは、バルク組み込みの特性を示して、図1Aの基板104が基板104の全体を通してランダムおよび比較的均一に分布した添加物102を有することである。対照的に、本明細書で説明される表面埋め込み構造では、添加物は、大部分が母材の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込められ、添加物の位相的不規則の減少、向上した電気伝導度のための添加物の間の接合形成の発生の増加につながる。埋め込み領域は「平面的」と呼ばれることもあるが、添加物自体が典型的には3次元であるので、そのような埋め込み領域は、典型的には厳密に2次元ではないことが理解されるであろう。むしろ、「平面的」とは、相対的な意味で使用することができ、母材のある領域内に添加物の比較的薄いスラブ状の(または層状の)局所集中を伴い、および添加物が大部分は残りの母材に欠けている。また、埋め込み領域が、図1F、図2A、および図2B等の添加物の特徴的な寸法よりも大きい(例えば、数倍大きい)厚さを有することができるにもかかわらず、そのような埋め込み領域を「平面的」と呼ぶことができることが理解されるであろう。埋め込み領域は、母材の一方の面に隣接して、母材の中央に隣接して、または母材の厚さの方向に沿った任意の恣意的な場所に隣接して位置することができ、複数の埋め込み領域は、相互に隣接して位置することができるか、または母材内で相互から離間することができる。各埋め込み領域は、1つ以上の種類の添加物を含むことができ、埋め込み領域(同じ母材に位置する)は、異なる種類の添加物を含むことができる。(母材の全体を通してランダムとは対照的に)添加物を母材の一式の「平面的」埋め込み領域に閉じ込めることによって、単位面積当たりの所与の量の添加物に対して、より高い電伝導度を達成することができる。埋め込み領域に閉じ込められない任意の添加物は、省略することができる過剰量の添加物を表す。
【0057】
図1Bの構成と、(例えば、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gに図示されるような)本明細書で説明される表面埋め込み構造との間の少なくとも1つの違いは、従来の被覆の特性を示して、図1Bの被覆110が、基板112の上部に配置される被覆110の全体を通して混合された添加物108を有することである。被覆110自体を参照すると、被覆110は、被覆110の全体を通してランダムおよび比較的均一に分布した添加物108を有する、バルク組み込みの場合について図1Aで示されるものと同様の構成を特色とする。対照的に、本明細書で説明される表面埋め込み構造では、添加物は、被覆の全体を通して均一に位置しないが、むしろ、添加物を基板に結合するために必要とされる被覆または他の二次材料を伴わずに、大部分を基板の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることができる一方で、(例えば、図1Gおよび図2Gに図示されるような)他の表面埋め込み構造では、添加物は、被覆の全体を通して均一に位置するよりもむしろ、大部分を被覆の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることができる。添加物を「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることは、添加物の位相的不規則の減少、向上した電気伝導度のための添加物の間の接合形成の発生の増加につながる。また、被覆110の上部の露出材料は、スコッチテープ、粘着または研磨力、または他の力で容易に除去することができ、表面から移動する傾向があり得るので、図1Bの被覆110は、損傷を受けやすくなり得る。添加物108を含有する被覆110はまた、層間剥離、ひび割れ、剥離、気泡形成、または他の変形を受け得るが、それは、結合する目的で必要とされる被覆または二次材料を伴わずに添加物が基板に直接埋め込まれる、本明細書で説明される表面埋め込み構造によって克服することができる。また、被覆110の表面は、極めて粗くなり得て(例えば、添加物108のうちのいくらかが被覆110の表面から外に延在する添加物108の位相的不規則から生じる)、それは、電気的短絡を引き起こし、隣接するデバイス層との密接な接触を妨げ得る。これは、耐久性のある平滑表面を特色とすることができる、本明細書で説明される表面埋め込み構造と対照的である。(例えば、図1Eおよび図1Fに図示されるように)添加物が母材に実質的または完全に埋め込まれる場合において、結果として生じる表面埋め込み構造の埋め込み表面は、極めて平滑であり(例えば、埋め込み添加物がない場合の母材と実質的に匹敵する平滑度または粗度を有する)、埋め込み表面の表面積の0%、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約25%以下、または約50%以下が、露出添加物によって占有される(例えば、埋め込み表面の上面図または埋め込み表面の他の2次元表現を得て、露出添加物から生じる表面積被覆率を判定することによって測定されるように)。
【0058】
図1Cの構成と、(例えば、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gに図示されるような)本明細書で説明される表面埋め込み構造との間の少なくとも1つの違いは、表面堆積の特性を示して、添加物116を基板118に埋め込むことなく、添加物116が基板118の上部に配置されることである。基板118の上の堆積材料は、スコッチテープ、粘着または研磨力、または他の力で容易に除去することができ、表面から移動する傾向があり得るので、図1Cの表面堆積構造114は、損傷を受けやすくなり得る。また、表面堆積構造114の表面は、極めて多孔性であり(例えば、表面堆積添加物116の間の間隙から、相互の上への添加物116の積み重ねから、または両方から生じる)、表面堆積添加物116の上に被覆されるか、または別様に塗布された別の材料の十分な浸透を達成するのに困難を生じ、それにより、空隙または他の界面欠陥をもたらし得る。また、表面堆積構造114の表面は、極めて粗くなり得て、それは、電気的短絡を引き起こし、隣接するデバイス層との密接な接触を妨げ得る。これは、耐久性があり、比較的無孔性の平滑表面を特色とすることができる、本明細書で説明される表面埋め込み構造と対照的である。(例えば、図1Eおよび図1Fに図示されるように)添加物が母材に実質的または完全に埋め込まれる場合において、結果として生じる表面埋め込み構造の埋め込み表面は、極めて平滑であり(例えば、埋め込み添加物がない場合の母材と実質的に匹敵する平滑度または粗度を有する)、埋め込み表面の表面積の0%、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約25%以下、または約50%以下が、露出添加物によって占有される(例えば、埋め込み表面の上面図または埋め込み表面の他の2次元表現を得て、露出添加物から生じる表面積被覆率を判定することによって測定されるように)。また、表面堆積構造114は、本明細書で説明される表面埋め込み構造よりも高いシート抵抗、または低い伝導度を有することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、埋め込み表面に容量で約10%(または、約0.1%等のそれ以下)、および埋め込み表面に容量で最大約100%、母材に埋め込まれた添加物を有することができ、約0.1%(またはそれ以下)の表面積被覆から最大約99.9%(またはそれ以上)の表面積被覆等の、様々な表面積被覆で露出された添加物を有することができる。例えば、添加物の全容量に対する、埋め込み表面より下側に埋め込まれた添加物の容量に関して、少なくとも1つの添加物は、10%から約50%、または約50%から約100%等の約10%から約100%の範囲内の埋め込み容量パーセントを有することができる(または添加物の集団が平均埋め込み容量パーセントを有することができる)。
【0060】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、使用される添加物の特徴的な寸法よりも大きい(例えば、ナノワイヤについては、個々のナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径よりも大きい)厚さを有する埋め込み領域を有することができ、添加物は、大部分が母材の全体的な厚さよりも小さい厚さを有する埋め込み領域に閉じ込められる。例えば、埋め込み領域の厚さは、全体的な厚さの約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、または約5%等の、母材の全体的な厚さの約80%以下であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、添加物は、使用される添加物の特徴的な寸法に対して(例えば、ナノワイヤについては、個々のナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径に対して)程度を変化させることによって、母材に埋め込むことができる。例えば、埋め込み表面より下側の添加物上の最も遠い埋め込み点の距離に関して、少なくとも1つの添加物は、特徴的な寸法の約100%を上回る程度まで埋め込むことができ、または特徴的な寸法の少なくとも約5%または約10%、および最大約80%、最大約50%、または最大約25%等の、特徴的な寸法の多くても約100%の程度まで埋め込むことができる。別の実施例として、添加物の集団を、平均で、特徴的な寸法の約100%を上回る程度まで埋め込むことができ、または特徴的な寸法の少なくとも約5%または約10%、および最大約80%、最大約50%、または最大約25%等の、特徴的な寸法の多くても約100%の程度まで埋め込むことができる。理解されるように、添加物が母材に埋め込まれる程度は、埋め込み表面にわたる高さの変動の程度(例えば、平均高さに対する標準偏差)として測定される場合等に、埋め込み表面の粗度に影響を及ぼし得る。例えば、図Cと対比して図1Dを比較すると、図1Dの表面埋め込み構造120の粗度が、部分的に埋め込まれた添加物130の特徴的な寸法より小さい一方で、図1Cの構造114の粗度は、少なくとも、表面的に堆積された添加物116の特徴的な寸法であり、(例えば、相互の上の添加物116の積み重ねの結果として)特徴的な寸法の約2倍(またはそれ以上)であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加物は、約1nmから約50nm、約50nmから100nm、または約100nmから約100ミクロン等の約0.1nmから約1cmで、母材の埋め込み表面から外へ延在することができる。他の実施形態では、添加物の集団は、平均で、約1nmから約50nm、約50nmから100nm、または約100nmから約100ミクロン等の約0.1nmから約1cmで、母材の埋め込み表面から外へ延在することができる。他の実施形態では、母材の表面積(例えば、埋め込み表面の面積)の実質的に全体が添加物によって占有される。他の実施形態では、表面積の最大約50%、表面積の最大約25%、表面積の最大約10%、最大約5%、最大約3%、または表面積の最大約1%が添加物によって占有される等、表面積の最大約100%または最大約75%が添加物によって占有される。添加物は、母材の埋め込み表面から外に延在する必要はなく、埋め込み表面より完全に下側に限局することができる。表面埋め込み構造に対する添加物の埋め込みおよび表面被覆の程度は、特定のデバイスまたは用途に従って選択することができる。例えば、表面埋め込み構造における静電容量に基づいて動作するデバイスが、添加物のより深い程度の埋め込みおよびより低い表面被覆を特定することができる一方で、表面埋め込み構造を通る、または横断する電流の流れに基づいて動作するデバイスは、添加物のより少ない程度の埋め込みおよびより高い表面被覆を特定することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ナノワイヤが添加物として使用される場合、電気伝導度に影響を及ぼすことができる特性は、例えば、ナノワイヤ密度または装填レベル、表面積被覆、ナノワイヤ長さ、ナノワイヤ直径、ナノワイヤの均一性、材料の種類、および純度を含む。いくつかの実施形態では、低い接合抵抗および低い体抵抗を有するナノワイヤが好ましくあり得る。高い透明性を維持しながら、より高い電気伝導度を獲得するために、より細い直径でより長い長さのナノワイヤを使用することができ(例えば、ナノワイヤ接合形成を促進し、および約50から約1,000、または約100から約800等の約50から約2,000の範囲内の比較的大きいアスペクト比を有する)、Ag、Cu、およびAuナノワイヤ等の金属ナノワイヤを使用することができる。Agナノワイヤ網等のナノワイヤ網を形成するために、ナノワイヤを添加物として使用することは、いくつかの実施形態に望ましくなり得る。他の金属ナノワイヤ、ZnO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、TiO2、ITO等の非金属ナノワイヤ、および他の酸化物ナノワイヤも使用することができる。可視光学スペクトルエネルギーの外側(例えば、<1.8eVおよび>3.1eV)、またはこの範囲のほぼ付近あるいは外側にあるバンドギャップを有する半導体から成る添加物は、可視光が、典型的には、バンドエネルギーによって、またはその中の界面トラップによって吸収されないという点で、高い光学透明性を有するTCEを作成するために使用することができる。種々のドーパントは、モス・バースタイン効果を介して偏移したフェルミレベルおよびバンド端を考慮して、これらの前述の半導体の伝導度を調整するために使用することができる。ナノワイヤは、約5%以内(例えば、平均直径または長さに対する標準偏差)、約10%以内、約15%以内、または約20%以内等の寸法(例えば、直径および長さ)に関して大部分が均一または単分散であり得る。純度は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%であり得る。ナノワイヤの表面積被覆は、例えば、最大約100%、約100%未満、最大約75%、最大約50%、最大約25%、最大約10%、最大約5%、最大約3%、または最大約1%であり得る。酸化の結果としてAgナノワイヤの表面上に形を成すことができる(または形成することができる)酸化銀が導電性であるので、Agナノワイヤは、ある実施形態に特に望ましくなり得る。また、コアシェルナノワイヤ(例えば、Auまたは白金シェルを有する銀コア)もまた、接合抵抗を減少させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ナノチューブが添加物として使用される場合に(炭素、金属、金属合金、金属酸化物、または別の材料で形成されるかどうかにかかわらず)、電気伝導度に影響を及ぼすことができる特性は、例えば、ナノチューブ密度または装填レベル、表面積被覆、ナノチューブ長さ、ナノチューブ内径、ナノチューブ外径、単一壁または多重壁のナノチューブが使用されるかどうか、ナノワイヤの均一性、材料の種類、および純度を含む。いくつかの実施形態では、低い接合抵抗を有するナノワイヤの選好があり得る。ディスプレイ等のあるデバイスとの関連で低減した散乱のために、カーボンナノチューブ等のナノチューブを、ナノチューブ網を形成するために使用することができる。代替として、または組み合わせて、ナノチューブの使用に対する散乱の同様の低減を達成するために、より小さい直径のナノワイヤを使用することができる。ナノチューブは、約5%以内(例えば、平均外/内径または長さに対する標準偏差)、約10%以内、約15%以内、または約20%以内等の、寸法(例えば、外径、内径、および長さ)に関して大部分が均一または単分散であり得る。純度は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%であり得る。ナノチューブの表面積被覆は、例えば、最大約100%、約100%未満、最大約75%、最大約50%、最大約25%、最大約10%、最大約5%、最大約3%、または最大約1%であり得る。
【0065】
添加物の種類の数は、所与のデバイスまたは用途に対して変化させることができると理解されたい。例えば、高い光学透明性および高い電気伝導度をもたらすために、ITOナノ粒子とともに、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、およびAuナノワイヤのいずれか一方または組み合わせを使用することができる。同様の組み合わせは、ITOナノワイヤ、ZnOナノワイヤ、ZnOナノ粒子、Agナノ粒子、Auナノ粒子、SWNT、MWNT、フラーレンベースの材料(例えば、カーボンナノチューブおよびバッキーボール)、およびITOナノ粒子のうちの1つ以上とともに、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、およびAuナノワイヤのいずれか一方または組み合わせを含むことができる。ITOナノ粒子またはナノワイヤの使用は、太陽電池用のTCEとの関連で仕事関数を調整するために、または添加物によって提供される伝導性経路の代わりに、あるいはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供するように、緩衝層としての機能を果たすことによって、付加的な機能性を提供することができる。事実上任意の数の異なる種類の添加物を母材に埋め込むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、添加物は最初に、離散した物体として提供される。母材に埋め込むと、母材は、添加物が「平面的」または「平面状」埋め込み領域内で整列させられるか、または別様に配設されるように、添加物を包むか、または包囲することができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤ、ナノチューブ、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、または1よりも大きいアスペクト比を有する他の添加物等の添加物の場合について、添加物は、それらの縦または長手方向軸が、水平面、または埋め込み表面の平面に対応するか、あるいはそれと平行な別の平面に対してある範囲の角度内に大部分が閉じ込められるように整列させられる。例えば、添加物は、それらの縦または長手方向軸が、平均で、約−35°から約+35°、約−25°から約+25°、約−15°から約+15°、約−5°から約+5°、または約−1°から約+1°等の、水平面に対して約−45°から約+45°の範囲に閉じ込められるように整列させることができる。この実施例では、添加物のほとんどが、または実質的にいずれもが、水平面に対して約−45°から約+45°の範囲の外側に配向された、それらの縦または長手方向軸を有することができない。埋め込み領域内において、隣接する添加物が、いくつかの実施形態では、相互に接触することができる。そのような接触は、所望の透明性のために比較的低い表面積被覆を維持しながら、より長いアスペクト比の添加物を使用して向上させることができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤ、ナノ粒子、マイクロワイヤ、およびマイクロ粒子等の添加物の間の接触は、約50℃、約125℃、約150℃、約175℃、または約200℃の、あるいは約50℃から約125℃、約100℃から約125℃、約125℃から約150℃、約150℃から約175℃、または約175℃から約200℃の範囲内の温度での低温焼結、フラッシュ焼結、添加物上の堆積物を成長させ、添加物をともに融合させるための酸化還元反応の使用を介した焼結、またはそれらの任意の組み合わせ等の、焼結または焼鈍を介して増加させることができる。例えば、AgまたはAu添加物の場合、添加物を隣接する添加物と融合させるために、AgイオンまたはAuイオンを添加物上に堆積させることができる。約200℃またはそれ以上の温度での高温焼結も検討される。また、電荷トンネリングまたはホッピングが、実際の接触がない場合に十分な電気伝導度を提供するか、または母材あるいは母材の上の被覆自体が導電性であってもよい防塵遮蔽体、静電気防止遮蔽体、電磁干渉/無線周波数遮蔽体等の、ある用途およびデバイスに対して、接触がほとんど、または全く必要とされないことも企図される。そのような用途およびデバイスは、最大約106Ω/sq以上のシート抵抗で動作することができる。個々の添加物は、電子移動に対する電気および量子障壁によって分離されることができる。
【0067】
以下は、図1Aから図1Cに図示される構成に対して、本明細書で説明される表面埋め込み構造の付加的な利点を提供する。図1Aの構成と違って、所望の特性を獲得するために、母材の大部分全体を通した添加物の均一な分布は必要とされない。実際に、少なくともいくつかの実施形態では、添加物が母材の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に大部分は閉じ込められることが好まれる。実践において、添加物の不均一な混合および凝集および集積が生じ、図1Aに描写されるような均一な分布を実際に獲得することが困難であり得る。図1Bの構成と違って、添加物は、被覆の全体を通して混合され、および母材の上に塗布されるよりもむしろ、母材に埋め込むことができる。そのようにして添加物を埋め込む際に、結果として生じる表面埋め込み構造は、より高い耐久性を有することができる。また、バルク組み込みと関連する問題と同様に、従来の被覆は、本明細書で説明される表面埋め込み構造を用いて回避または低減されることができる不均一な混合および凝集の影響を受けやすくなり得る。さらに、従来の被覆は、特にナノメートルおよびミクロンレベルで、極めて粗くなり得る。対照的に、例えば、母材内での添加物の埋め込み、および添加物の整列から生じるので、表面埋め込み構造は、従来の被覆と比較して減少した粗度を有し、それにより、デバイス故障の事例(例えば、デバイスのナノワイヤ貫通からの分路)を回避または低減する働きをすることができる。図1Cの構成と違って、添加物は、表面の上に表面的に堆積されるよりもむしろ、母材に部分的または完全に埋め込まれ、表面的に堆積された添加物と比較して減少した粗度、ならびにより高い耐久性および伝導度をもたらす。いくつかの実施形態では、ナノワイヤを埋め込むときに、母材のポリマー鎖は、ナノワイヤをともに担持し、それらを近くに引き寄せ、伝導度を増加させることができる。
【0068】
表面埋め込み構造は、極めて耐久性があり得る。いくつかの実施形態では、そのような耐久性は、剛性および頑健性と組み合わされ、他の実施形態では、そのような耐久性は、例えば、透過率の約50%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下、または実質的にゼロの減少、および抵抗の約50%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%、または実質的にゼロの増加を伴って、いくつかある物理的作用の中でも、屈曲され、丸められ、屈折され、折り畳まれる能力と組み合わせられる。いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、大部分が従来の被覆の耐久性問題に影響されず、コーティング産業において使用される標準スコッチテープ試験に耐え抜き、観察された透過率の実質的にゼロの減少、または約5%以下の減少、約10%以下の減少、約15%以下の減少、あるいは約50%以下の減少をもたらし、観察された抵抗の実質的にゼロの増加、または約5%以下の増加、約10%以下の増加、約15%以下の増加、あるいは約50%以下の増加をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造はまた、観察された透過率の実質的にゼロの減少、約50%以下の減少、約20%以下の減少、約15%以下の減少、約10%以下の減少、約5%以下の減少、または約3%以下の減少を伴って、および観察された抵抗の実質的にゼロの増加、約50%以下の増加、約20%以下の増加、約15%以下の増加、約10%以下の増加、約5%以下の増加、または約3%以下の増加を伴って、摩擦、擦過、屈曲、物理的摩耗、熱サイクリング、化学暴露、および湿度サイクリングに耐え抜くこともできる。この増進した耐久性は、添加物が母材の分子鎖または他の構成要素によって母材の内部に物理的または化学的に担持されるように、母材内の添加物の埋め込みをもたらすことができる。場合によっては、屈曲または押圧が、伝導度を増加させることを観察することができる。
【0069】
表面埋め込み構造の別の利点は、より少ない量の添加物を使用して、電気的パーコレーション閾値を獲得できることである。別の言い方をすれば、より少ない添加物材料を使用して、電気伝導度を獲得することができ、それにより、添加物材料および関連コストを節約し、透明性を増加させる。理解されるように、1つの添加物から別の添加物への電荷の浸出を可能にすることに十分な量の添加物が存在する場合に、電気的パーコレーション閾値に典型的に到達し、それにより、添加物の網の少なくとも一部分を横断する伝導性経路を提供する。いくつかの実施形態では、電気的パーコレーション閾値は、図3Aに図示されるように、添加物の装填レベルと対比した抵抗の対数プロットの傾斜の変化を介して観察することができる。添加物が大部分は「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込められるため、より少ない量の添加物材料を使用することができ、それにより、位相的不規則を多大に低減し、図1Aから図1Cの構成と比較して、添加物間(例えば、ナノワイヤ間またはナノチューブ間)接合形成のより高い確率をもたらす。言い換えれば、母材の厚さを通して分散させられるのとは対照的に、添加物が母材の中の薄い埋め込み領域に閉じ込められるので、添加物が相互接続して接合点を形成する確率を多大に増加させることができる。いくつかの実施形態では、電気的パーコレーション閾値は、銀ナノワイヤ等のある添加物について、約0.01μg/cm2から約100μg/cm2、約10μg/cm2から約100μg/cm2、0.01μg/cm2から約0.4μg/cm2、約0.5μg/cm2から約5μg/cm2、または約0.8μg/cm2から約3μg/cm2等の、約0.001μg/cm2から約100μg/cm2(またはそれ以上)の範囲内の添加物の装填レベルで獲得することができる。これらの装填レベルは、添加物の寸法、材料の種類、空間分散、および他の特性に従って変化させることができる。
【0070】
加えて、わずかな2次元伝導網の効果的な材料特性を示すものから、3次元伝導バルク材料の効果的な特性を示すものへの薄い層の遷移を表すパラメータである網からバルクへの遷移を達成するために、より少ない量の添加物を使用することができる(例えば、埋め込み領域の厚さによって証明されるように)。添加物(例えば、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、多重壁のカーボンナノチューブ(「MWCNT」)、単一壁のカーボンナノチューブ(「SWCNT」)、またはそれらの任意の組み合わせ)を「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることによって、特定のレベルの太陽束加重透過率において、より低いシート抵抗を獲得することができる。さらに、いくつかの実施形態では、添加物が混合される別個の被覆または他の二次材料と関連付けられる界面欠陥の低減または排除に起因して、表面埋め込み構造によってキャリア再結合が低減されることができる。
【0071】
これらの利点をさらに詳しく説明するために、位相的な不規則によって、または接触抵抗によって、添加物の網を特徴付けることができる。位相的に、添加物の臨界密度を上回って、および添加物・添加物(例えば、ナノワイヤ・ナノワイヤ、ナノチューブ・ナノチューブ、またはナノチューブ・ナノワイヤ)の接合点の臨界密度を上回って、電流は、ソースからドレインまで容易に流れることができる。「平面的」または「平面状」添加物の網は、添加物の特徴的な寸法(例えば、ナノワイヤについては、個々のナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径)に関して表される、低減した厚さを有する網からバルクへの遷移を達成することができる。例えば、埋め込み領域は、特徴的な寸法の最大約4倍、最大約3倍、または最大約2倍、および特徴的な寸法の約0.05または約0.1倍まで等の、特徴的な寸法の最大約5倍(またはそれ以上)の厚さを有することができ、光学透明性および電気伝導度を増加させながら、デバイスがより薄くなることを可能にする。したがって、本明細書で説明される表面埋め込み構造は、いくつかの実施形態では、(nmに関して)最大約n×dの厚さを有する埋め込み領域を提供し、埋め込み領域の中において、(nmに関して)dという特徴的な寸法を有する添加物が限局され、n=2、3、4、5、またはそれ以上である。
【0072】
表面埋め込み構造のさらに別の利点は、構造が、所与のレベルの電気伝導度に対して、より高い透明性をもたらすことができる。これは、添加物の所与の装填レベルに対して、添加物・添加物の接合点の効率的な形成を考慮すると、そのレベルの電気伝導度を獲得するためには、より少ない添加物材料を使用することができるためである。理解されるように、(例えば、膜の形態である)薄い伝導性材料の透過率は、薄膜に対する以下の近似的関係によって求められるので、そのシート抵抗Rsheetおよび光波長の関数として表すことができる。
【0073】
【数1】
式中、σOpおよびσDCは、それぞれ、材料の光学およびDC伝導度である。いくつかの実施形態では、可撓性透明基板に表面埋め込みされたAgナノワイヤの網は、約3.2Ω/sqまたは約0.2Ω/sqほど低いか、またはそれよりもさらに低いシート抵抗を有することができる。他の実施形態では、太陽電池に好適である透明な表面埋め込み構造は、太陽束加重透過率Tsolarについて最大約85%(またはそれ以上)、および約20Ω/sq(またはそれ以下)ほど低いシート抵抗に到達することができる。なおも他の実施形態では、≧85%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、および最大約97%、約98%、またはそれ以上)の太陽束加重透過率における≦10Ω/sqのシート抵抗が表面埋め込み構造によって得られることができる。550nmの所与の波長における透過率、人間の視覚または測光加重透過率(例えば、約350nmから約700nm)、太陽束加重透過率、赤外範囲内の所与の波長または一連の波長における透過率、および紫外線範囲内の所与の波長またはある範囲の波長における透過率等の透過率を光波長の他の範囲に対して測定できることが理解されるであろう。また、透過率は、(例えば、表面埋め込み添加物を有する母材よりも下側にある基礎的な基板を考慮して)基板(存在する場合)に対して測定でき、または(例えば、基礎的な基板を考慮することなく)空気に対して測定できることも理解されるであろう。本明細書で他に特定されない限り、透過率値は、基板(存在する場合)に対して示されるが、空気に対して測定されるときに、(いくぶん高い値を有するが)同様の透過率値も想定される。いくつかの実施形態について、表面埋め込み構造のDC対光学伝導度比は、少なくとも約100、少なくとも約115、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500、最大約600、最大約800、あるいはそれ以上であり得る。
【0074】
ある表面埋め込み構造は、約1nmから約100nm、約10nmから約80nm、約20nmから約80nm、または約40nmから約60nmの範囲内の平均直径、および約50nmから約1,000μm、約50nmから約500μm、約100nmから約100μm、約500nmから50μm、約5μmから約50μm、約20μmから約150μm、約5μmから約35μm、約25μmから約80μm、約25μmから約50μm、または約25μmから約40μmの範囲内の平均長さのAgナノワイヤの添加物を含むことができる。埋め込み領域の最上部は、埋め込み表面より約0.01nmから約100μm、約0.1nmまたは100μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約5μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約3μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約1μm下側、または埋め込み表面より約0.1nmから約500nm下側等の、部材の最上部の埋め込み表面より約0.0001nmから約100μm下側に位置することができる。母材に埋め込まれたナノワイヤは、容量で約0%から最大約90%、最大約95%、または容量で最大約99%、埋め込み表面から突出することができる。例えば、ナノワイヤの全容量に対して埋め込み表面より上側で露出されたナノワイヤの容量に関して、少なくとも1本のナノワイヤは、最大約1%、最大約5%、最大約20%、最大約50%、または最大約75%あるいは約95%の露出容量パーセントを有することができる(またはナノワイヤの集団が平均露出容量パーセントを有することができる)。約85%以上の透過率(例えば、太陽束加重透過率または光波長の別の範囲で測定される透過率)において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、および約1Ω/sqまたは約0.1Ω/sqまで、あるいはそれ以下であり得る。約90%以上の透過率において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、約1Ω/sqまで、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態では、母材は、表面埋め込みナノワイヤを有する基板に対応し、母材は、透明または不透明となり得て、可撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができる。他の実施形態では、基板は、透明または不透明となり得て、撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができ、基板は、導電性材料、絶縁体、または半導体(例えば、ドープした金属酸化物または上記で記載される導電性ポリマー)で被覆され、皮膚に埋め込まれたナノワイヤを有する。
【0075】
ある表面埋め込み構造は、約1nmから約100nm、約1nmから約10nm、約10nmから約50nm、約10nmから約80nm、約20nmから約80nm、または約40nmから約60nmの範囲内の平均外径、および約50nmから約100μm、約100nmから約100μm、約500nmから50μm、約5μmから約50μm、約5μmから約35μm、約25μmから約80μm、約25μmから約50μm、または約25μmから約40μmの範囲内の平均長さのMWCNTおよびSWCNTのいずれか一方または両方の添加物を含むことができる。埋め込み領域の最上部は、埋め込み表面より約0.1nmから約100μm、埋め込み表面より約0.1nmから約5μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約3μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約1μm下側、または埋め込み表面より約0.1nmから約500nm下側等の、部材の最上部の埋め込み表面より約0.01nmから約100μm下側に位置することができる。母材に埋め込まれたナノチューブは、容量で約0%から最大約90%、最大約95%、または容量で最大約99%、埋め込み表面から突出することができる。例えば、(例えば、ナノチューブの外径に対して画定されるような)ナノチューブの全容量に対して埋め込み表面より上側に露出されたナノチューブの容量に関して、少なくとも1本のナノチューブは、最大約1%、最大約5%、最大約20%、最大約50%、または最大約75%あるいは約95%の露出容量パーセントを有することができる(またはナノチューブの集団が平均露出容量パーセントを有することができる)。約85%以上の透過率(例えば、太陽束加重透過率または光波長の別の範囲で測定される透過率)において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、および約1Ω/sqまで、またはそれ以下であり得る。約90%以上の透過率において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、約1Ω/sqまで、約0.1Ω/sqまで、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態では、母材は、表面埋め込みナノチューブを有する基板に対応し、母材は、透明または不透明となり得て、可撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、PMMA、ガラス、ポリイミド、エポキシ、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができる。他の実施形態では、基板は、透明または不透明となり得て、撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができ、基板は、導電性材料、絶縁体、または半導体(例えば、ドープした金属酸化物または上記で記載される導電性ポリマー)で被覆され、皮膚に埋め込まれたナノワイヤを有する。
【0076】
表面埋め込み構造に対して取得されたデータは、予期しない所見を明らかにする。具体的には、母材(絶縁体である)が添加物の伝導能力を阻害することが推測されたため、表面の上に表面的に堆積させられた添加物は、母材に物理的に埋め込まれた添加物よりも大きい電気伝導をもたらすことができると以前に推測された。しかしながら、予想外に、向上した電気伝導度が表面埋め込み構造に対して観察され、母材内に添加物を埋め込むことによって課される、有利な接合形成および網目からバルクのへの遷移という概念を支持する。
【0077】
(表面埋め込み構造を含むデバイス)
本明細書で説明される表面埋め込み構造は、ドープした金属酸化物被覆の形態であるTCEを使用する任意のデバイスを含む、種々のデバイスで電極として使用することができる。好適なデバイスの実施例は、太陽電池(例えば、薄膜太陽電池および結晶シリコン太陽電池)、表示デバイス(例えば、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(「LCD」)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ、電子ペーパー(「eペーパー」)、量子ドットディスプレイ、およびフレキシブルディスプレイ)、固体照明デバイス(例えば、OLED照明デバイス)、タッチスクリーンデバイス(例えば、投影容量性タッチスクリーンデバイス、および抵抗性タッチスクリーンデバイス)、スマートウィンドウ(または他のウィンドウ)、フロントガラス、航空宇宙透明フィルム、電磁干渉遮蔽体、電荷消散遮蔽体、および静電気防止遮蔽体、ならびに他の電子、光学、光電子、量子、光起電、およびプラズモンデバイスを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、LCDで電極として使用することができる。図5Aは、本発明の実施形態によるLCD500を図示する。バックライトモジュール502は、薄膜トランジスタ(「TFT」)基板506、およびTFT基板506の底面に隣接して配置される底部偏光子504を通して、光を投影する。TFT508、ピクセル電極510、および蓄積キャパシタ512が、TFT基板506の頂面に隣接し、かつTFT基板506と第1の整合層514との間に配置される。シール516およびセパレータ518が、その間で液晶522を挟持する、第1の整合層514と第2の整合層520との間に提供される。共通電極524および色基質526が、色フィルタ基板528の底面に隣接し、かつ色フィルタ基板528と第2の整合層520との間に配置される。図5に図示されるように、最上部偏光子530が、色フィルタ基板528の頂面に隣接して配置される。有利なことに、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、電極510および524のいずれか一方または両方を実装することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、LCDで使用される色フィルタ板で、共通電極として使用することができる。図5Bは、本発明の実施形態による、LCDで使用するための色フィルタ540を図示する。共通電極541は、全てガラス基板545上に配置される、黒色基質544に隣接する赤、緑、および青(「RGB」)の色基質543に隣接して配置される、被膜/保護層542に隣接して配置される。被膜/保護層542は、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができ、RGB色基質543および黒色基質544のトポグラフィを平坦化するために使用することができる。他の実施形態では、被膜/保護層542は、RGB色基質543および黒色基質544のトポグラフィに一致することができる。他の実施形態では、被膜/保護層542を省略することができる。いくつかの実施形態では、黒色基質544は、導電性に作ることができ、共通電極541との電気的接触を形成することができ、そのような実施形態では、黒色基質544は、共通電極541用の母線と見なすことができる。有利なことに、共通電極541は、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して実装することができる。
【0080】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、太陽電池で電極として使用することができる。太陽電池の動作中に、電子正孔対の形態で電荷担体を産生するように、光が光活性材料によって吸収される。電子が1つの電極を通って光活性材料から退出する一方で、正孔は別の電極を通って光活性材料から退出する。正味の影響は、入射光によって駆動される太陽電池を通る電流の流れであり、その電流は、有用な仕事を行うように外部負荷に送達することができる。太陽電池(またはディスプレイ)のTCEは、ガラス、PMMA、ポリカーボネート、またはPETの母材から成ることができる。加えて、PMMAに表面埋め込みされた銀ナノワイヤを伴って、薄いPMMAベースの膜をガラス上に塗布することができる。代替として、薄いシランベースの被覆に表面埋め込みされた銀ナノワイヤを伴って、薄いシラン、シロキサン、ケイ酸塩、またはセラミック前駆体をPMMA基板上に被覆することができる。プラスチック上のこのガラスベースの被覆の組成は、銀ナノワイヤに対する純ガラス母材と比較して、増進した頑健性、引っかき抵抗、可撓性、簡易加工可能性、低重量、より高い靱性、弾性、亀裂抵抗、低費用等の便益を提供する。別の実施形態では、任意の母材から成る埋め込みTCEはまた、透明性を増進する、または材料の1つ以上の界面上の反射を低減するように、1つ以上の反射防止被覆または表面改質を特色とすることができる。
【0081】
図6は、本発明の実施形態による、薄膜太陽電池600、602、および604を図示する。具体的には、薄膜太陽電池600は、シリコンで形成された光活性層層606がTCE608と背後電極610との間に配置される、薄膜シリコン太陽電池に対応する。図6を参照すると、薄膜太陽電池602は、CdTeで形成された光活性層層612がTCE614と背後電極618との間に配置され、障壁層616が光活性層612とTCE614との間に配置される、CdTe太陽電池に対応する。そして、薄膜太陽電池604は、CIGSで形成された光活性層620がTCE626と背後電極624との間に配置され、障壁層628が光活性層620とTCE626との間に配置される、CIGS太陽電池に対応する。薄膜太陽電池604の種々の層は、剛体であり得る、基板622の上に配置される。有利なことに、図2Cおよび図2Gに示されるもの等の本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、TCE608、614、および626を実装することができ、また、表面埋め込み構造を使用して、背後電極610、618、および624を実装できることも検討される。さらに、表面埋め込み構造を使用して実装されるTCEを、結晶、多結晶、単結晶、または非晶質シリコン太陽電池で使用できることが検討される。さらに、本明細書で論議される表面埋め込み構造を使用して実装されるTCEを使用することによって、例えば、母線によって遮断される光の量を減少させることによって、太陽電池の性能を増大させることができる、より少ない、より薄い、より広く離間した母線、またはそれらの組み合わせを使用できることが検討される。別の実施形態では、例えば、太陽電池に利用可能な光の量を増加させること、太陽電池の中への光の吸収を増加させること、またはそれらの組み合わせによって、太陽電池の性能を高めるのに役立つために、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用することができる。
【0082】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、タッチスクリーンデバイスで電極として使用することができる。タッチスクリーンデバイスは、典型的には、タッチスクリーンに接触することによって、ユーザが入力を提供することを可能にする、ディスプレイと統合された双方向入力デバイスとして実装される。タッチスクリーンは、典型的には、光および画像が透過することを可能にするように透明である。
【0083】
図7は、本発明の実施形態による、投影容量性タッチスクリーンデバイス700を図示する。タッチスクリーンデバイス700は、一対のTCE702および706の間に配置される薄膜セパレータ704、ならびにTCE708の頂面に隣接して配置される剛体タッチスクリーン708を含む。ユーザがタッチスクリーン708に接触した場合に、静電容量の変化が発生し、コントローラ(図示せず)が変化を感知し、ユーザ接触の座標を解決する。有利なことに、図1Hに示されるもの等の本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、TCE702および706の一方または両方を実装することができる。また、可撓性タッチスクリーンを含み、ユーザが可撓性タッチスクリーンを押した時に一対のTCEの間の電気的接触に基づいて動作する、抵抗性タッチスクリーンデバイス(例えば、4ワイヤ、5ワイヤ、および8ワイヤ抵抗性タッチスクリーンデバイス)に、表面埋め込み構造を含むことができることが検討される。
【0084】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、固体照明デバイスで電極として使用することができる。図8は、本発明の実施形態による、OLED照明デバイス800を図示する。OLEDデバイス800は、正孔輸送層(「HTL」)808、放出層(「EML」)810、および電子輸送層(「ETL」)812を含む、有機エレクトロルミネセンス膜806を含む。2つの電極、すなわち、陽極802および陰極804が、膜806の両側に配置される。電圧が電極802および804に印加された時に、(陰極D04からの)電子および(陽極D02からの)正孔が膜806に入る(段階1)。電子および正孔がEML810内の発光分子の存在下で再結合し(段階2)、光が発せられ(段階3)、陰極804を通って退出する。有利なことに、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、電極802および804のいずれか一方または両方を実装することができる。また、図8に図示されるのと同様に実装することができる、OLEDディスプレイに、表面埋め込み構造を含むことができることも検討される。
【0085】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、eペーパーで電極として使用することができる。図9は、本発明の実施形態による、eペーパー900を図示する。eペーパー900は、TCE902と、底部電極904とを含み、その間には、担体媒体906の中で分散された正電荷を持つ白色顔料908および負電荷を持つ黒色顔料910がある。「負」の電界が印加された時に、黒色顔料910が底部電極904に向かって移動する一方で、白色顔料908は最上部透明伝導性電極902に向かって移動し、それにより、eペーパー900のその部分を白く見えるようにする。電界が逆転された時に、黒色顔料910は、最上部透明伝導性電極902に向かって移動し、それにより、eペーパー900のその部分を暗く見えるようにする。有利なことに、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、電極902および904のいずれか一方または両方を実装することができる。
【0086】
なおもさらに実施形態では、表面埋め込み構造は、スマートウィンドウで電極として使用することができる。図10は、本発明の実施形態による、スマートウィンドウ1000を図示する。スマートウィンドウ1000は、一対のTCE1002および1006を含み、その間には、スマートウィンドウ1000の光の通過を制御する活性層1004がある。図示した実施形態では、活性層1004は、液晶を含むが、活性層1004はまた、懸濁粒子またはエレクトロクロミック材料を使用して実装することもできる。電界が印加された時に、液晶は、電界に対して整合し、それにより、光の通過を可能にすることによって応答する。電界が存在しない時に、液晶は、ランダムに配向され、それにより、光の通過を阻止する。そのようにして、スマートウィンドウ1000は、透明または半透明に見えることができる。有利なことには、本明細書で説明される伝導性構造を使用して、電極1002および1006のいずれか一方または両方を実装することができる。加えて、(例えば、「平面的」埋め込み領域の中への添加物の局所化により)本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して実装されるTCEの増加した平滑度は、他の従来の構造と比較して、かすみを減少させることができることが検討される。
【0087】
(表面埋め込み構造の製造方法)
本明細書では、添加物が、多種多様の母材に耐久的に表面埋め込みされ、母材の中へ添加物をしっかりと潜り込ませる、高度に拡張可能で迅速な低費用の様式で、表面埋め込み構造を形成する製造方法が開示される。
【0088】
製造方法のいくつかの実施形態は、概して、(1)表面埋め込み添加物を伴う母材をもたらすための乾燥組成物の中への添加物の表面埋め込み、および(2)表面埋め込み添加物を伴う母材をもたらすための湿潤組成物の中への添加物の表面埋め込みといった、2つのカテゴリに分類される。そのような分類は、提示を容易にするためであり、「乾燥」および「湿潤」は、相対的な用語(例えば、様々な程度の乾燥または湿潤を伴う)と見なすことができ、製造方法は、完全な「乾燥」または完全な「湿潤」の間に及ぶ連続体に適用できることが理解されるであろう。したがって、1つのカテゴリ(例えば、乾燥組成物)に関して説明される処理条件および材料はまた、別のカテゴリ(例えば、湿潤組成物)に関して適用することもでき、その逆も同様である。また、湿潤組成物が乾燥させられる、または別様に乾燥組成物に変換され、その後に、表面埋め込み添加物を伴う母材をもたらすための乾燥組成物の中への添加物の表面埋め込みが続く場合等に、2つのカテゴリのハイブリッドまたは組み合わせが検討されることも理解されるであろう。さらに、「乾燥」および「湿潤」は時折、含水量のレベルまたは溶媒含有量のレベルを指し得るが、「乾燥」および「湿潤」はまた、架橋結合または重合の程度等の、他の場合における組成物の別の特性を指し得ることが理解されるであろう。
【0089】
本発明の実施形態による、乾燥組成物に添加物を表面埋め込みするための製造方法を図示する、図4Aおよび図4Bに、最初に注意を向ける。
【0090】
概観として、図示した実施形態は、添加物が、ポリマー、セラミック、セラミック前駆体、またはそれらの組み合わせを含むもの等の乾燥組成物に埋め込まれることを可能にするように、埋め込み流体の塗布を伴う。一般に、埋め込み流体は、溶解、反応、軟化、溶媒和、膨張、またはそれらの任意の組み合わせによって、乾燥組成物の状態を可逆的に改変する働きをし、それにより、乾燥組成物の中への添加物の埋め込みを促進する。例えば、埋め込み流体は、ポリマー用の効果的な溶媒の役割を果たすように特別に処方することができる一方で、おそらくまた、埋め込み流体の中で添加物を懸濁させるのに役立つように、安定剤(例えば、分散剤)で修飾される。埋め込み流体はまた、かすみ、ひび割れ、および白化等の溶媒/ポリマー相互作用に関する問題を低減または排除するように特別に処方することができる。埋め込み流体は、低費用であり、揮発性有機化合物(「VOC」)を含まない、VOC免除または低VOCである、有害大気汚染物質(「HAP」)を含まない、非オゾン層破壊物質(「非ODS」)である、低または不揮発性である、および低有害性または無害であるように最適化される、溶媒または溶媒混合物を含むことができる。別の実施例として、乾燥組成物は、セラミック、あるいはゲルまたは半固体の形態であるセラミック前駆体を含むことができ、埋め込み流体の塗布は、流体で孔を充填することによって、部分的に凝集していないオリゴマーまたはポリマー鎖の伸長によって、または両方によって、ゲルを膨張させることができる。さらなる実施例として、乾燥組成物は、セラミック、あるいはケイ酸ナトリウムまたは別のアルカリ金属ケイ酸塩等のイオン性ポリマーの形態であるセラミック前駆体を含むことができ、埋め込み流体の塗布は、イオン性ポリマーの少なくとも一部分を溶解させて、添加物の埋め込みを可能にすることができる。次いで、添加物の埋め込みの後には、軟化または膨張した組成物の状態での硬化または他の変化が続き、その中に埋め込まれた添加物を有する母材をもたらす。例えば、軟化または膨張した組成物は、周囲条件への暴露によって、あるいは軟化または膨張した組成物を冷却することによって硬化させることができる。他の実施形態では、軟化または膨張した組成物は、埋め込み流体(あるいは存在する他の液体または液相)の少なくとも一部分を蒸発させる、または別様に除去すること、空気流を印加すること、真空を印加すること、またはそれらの任意の組み合わせによって硬化させられる。セラミック前駆体の場合、セラミック前駆体がガラスに変換されるように、埋め込みの後に硬化を実行することができる。特定の用途に応じて、硬化を省略することができる。特定のセラミック前駆体(例えば、シラン)に応じて、種々の程度の硬化、あるいは完全に反応した、あるいは完全に形成されたガラスへの変換を達成するように、より多く、または少ない熱を伴うことができる。
【0091】
表面埋め込みの作用の機構は、概念化への支援として、または提示を容易にするために、段階に分けることができる。しかしながら、これらの段階は、組み合わせることができ、または実質的に同時に起こることができる。これらの段階は、(a)埋め込み流体が表面(ここでは、例えば、ポリマーの表面)と相互作用すること、(b)添加物が表面を貫通すること、および(c)埋め込み流体が表面から出て行くことを含む。
【0092】
段階(a)では、埋め込み流体が表面に衝突するにつれて、乾燥組成物のポリマー鎖は、もつれを解き、表面より上側で上方へ延在し、ポリマー鎖を緩める膨張および溶媒和の組み合わせにより、より大きい容量を占有する。膨張したポリマーの帯域は、乾燥組成物の元の表面より上側および下側に延在する。この効果は、数秒以下の期間で発生し、典型的な溶媒/ポリマー溶解手順が数時間および数日に関して実行されることを考慮すると、驚異的に迅速である。ポリマーの表面は、表面における膨張または可溶化の速度を増加させることができる。バルクと比較して、より高い濃度の低分子量鎖、鎖末端、および高い表面エネルギー機能性を有し、それは、表面における膨張または可溶化の速度を増加させることができる。
【0093】
段階(b)では、いったんポリマー表面が膨張すると、埋め込み流体および添加物の運動量によって(あるいは添加物または埋め込み流体への他の速度の適用によって)、および埋め込み流体が表面に衝突する際の拡散/混合過程によって、添加物が、ポリマー鎖の間のこの帯域の中へ塗布される。いくつかの実施形態では、埋め込みは、埋め込み流体および添加物の運動量を伴わずに達成することができる。この膨張/拡散過程に影響を及ぼすことができる別の要因は、衝撃エネルギーであり、添加物が表面に衝突する場合、極めて局所的な領域中での添加物の運動量移動が、表面の中へエネルギー入力を付与することができ、それは、表面を加熱してポリマーの溶解度を増加させることができ、それにより、確実な埋め込み表面含浸、またはポリマーの中への添加物の部分的な沈降を促進する。
【0094】
段階(c)では、埋め込み流体が蒸発する、または別様に除去されるにつれて、ポリマー鎖が、相互と、かつ添加物の周囲で再び形を成す。元の表面より上側に、かつ元の表面を越えて延在したポリマー鎖は、添加物を捕捉して吸収し、それらを表面に引き込み、その中でしっかりと、かつ耐久的に埋め込ませる。埋め込まれた粒子による構造摂動は、比較的小さくなり得て、結果として生じる母材およびその包まれた添加物は、それらの元の光学透明性および表面形態を実質的に保持することができる。
【0095】
図4Aを参照すると、乾燥組成物400が基板の形態で提供される。乾燥組成物400は、母材に対応することができ、具体的には、ポリマー、セラミック、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な母材として以前に記載された任意の材料を含むことができる。また、乾燥組成物400は、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応できることも検討される。いくつかの実施形態では、乾燥組成物400は、固相ならびに液相を伴う材料を含むことができ、または少なくとも部分的に固体である、あるいは半固体、ゲル、および同等物等の固体の特性に似た特性を有する材料を含むことができる。次に、図4Aを参照すると、添加物402および埋め込み流体404が乾燥組成物400に塗布される。添加物402は、溶液中にあり得るか、または埋め込み流体404の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋め込みを介して乾燥組成物400に同時に塗布することができる。代替として、添加物402は、埋め込み流体404が乾燥組成物400を処理する前、間、または後に、乾燥組成物400に別個に塗布することができる。添加物402の別個の塗布は、2ステップ埋め込みと呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材406は、母材406の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物402のうちの少なくともいくらかを有する。随意で、軟化または膨張した組成物400を母材406に変換するように、好適な処理を実行することができる。
【0096】
図4Bは、図4Aと同様の過程の流れであるが、基板410の上に配置される被覆の形態で提供された乾燥組成物408を伴う。乾燥組成物408は、母材に対応することができ、あるいは、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応することができる。乾燥組成物408の他の特性は、図4Aを参照して上記で説明されるものと同様であり得、以下で繰り返されない。図4Bを参照すると、基板は、透明または不透明であり得、可撓性または剛体であり得、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせ、ならびに好適な母材として以前に記載された任意の材料から成ることができる。次に、添加物412および埋め込み流体414は、乾燥組成物408に塗布することができる。添加物412は、溶液中にあり得る、または埋め込み流体414の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋め込みを介して乾燥組成物408に同時に塗布することができる。代替として、添加物412は、埋め込み流体414が乾燥組成物408を処理する前、間、または後に、乾燥組成物408に別個に塗布することができる。上述のように、添加物412の別個の塗布は、2ステップ埋め込みと呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材416(基板410の上に配置される)は、母材416の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物412のうちの少なくともいくらかを有する。随意で、軟化または膨張した組成物408を母材416に変換するように、好適な処理を実行することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、添加物は、埋め込み流体の中で分散させられ、または、別個の担体流体の中で分散させられ、乾燥組成物に別々に塗布される。分散は、混合すること、超音波で分解すること、震盪すること、振動させること、流動させること、添加物の表面を化学的に修飾すること、流体を化学的に修飾すること、分散または懸濁剤を流体に添加すること、または所望の分散を達成するように添加物を別様に処理することによって、達成することができる。分散は、均一または不均一であり得る。担体流体は、埋め込み流体(例えば、付加的な埋め込み流体)としての機能を果たすことができ、または埋め込み流体と同様の特性を有することができる。他の実施形態では、担体流体は、添加物を運ぶ、または運搬する輸送媒体としての機能を果たすことができるが、そうでなければ、添加物および乾燥組成物に向かって実質的に不活性である。
【0098】
流体(例えば、埋め込み流体および担体流体)は、液体、ガス、または超臨界流体を含むことができる。異なる種類の流体の組み合わせも好適である。流体は、1つ以上の溶媒を含むことができる。例えば、流体は、水、イオン性またはイオン含有溶液、有機溶媒(例えば、極性有機溶媒、非極性有機溶媒、非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、または極性プロトン性溶媒)、無機溶媒、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。油も好適な流体と見なすことができる。塩、界面活性剤、分散剤、安定剤、または結合剤も流体に含むことができる。
【0099】
好適な有機溶媒の実施例は、2−メチルテトラヒドロフラン、塩化炭化水素、フッ化炭化水素、ケトン、パラフィン、アセトアルデヒド、酢酸、無水酢酸、アセトン、アセトニトリル、アルキン、オレフィン、アニリン、ベンゼン、ベンゾニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルアルコール、ベンジルエーテル、ブタノール、ブタノン、酢酸ブチル、ブチルエーテル、ギ酸ブチル、ブチルアルデヒド、酪酸、ブチロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロブタン、クロロホルム、脂環式炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロペンチルメチルエーテル、ジアセトンアルコール、ジクロロエタン、ジクロロメタン、炭酸ジエチル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジグリム、ジ−イソプロピルアミン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアミン、ジメチルブタン、ジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、二酸化エチレン、エチレングリコール、ホルムアミド、ギ酸、グリセリン、ヘプタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ヘキサン、ヘキサノン、過酸化水素、次亜塩素酸塩、i−酢酸ブチル、i−ブチルアルコール、i−ギ酸ブチル、i−ブチルアミン、i−オクタン、i−酢酸プロピル、i−プロピルエーテル、イソプロパノール、イソプロピルアミン、ケトンペルオキシド、メタノールおよび塩化カルシウム溶液、メタノール、メトキシエタノール、酢酸メチル、メチルエチルケトン(またはMEK)、ギ酸メチル、n−酪酸メチル、メチルn−プロピルケトン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、メチレン、メチルヘキサン、メチルペンタン、鉱油、m−キシレン、n−ブタノール、n−デカン、n−ヘキサン、ニトロベンゼン、ニトロエタン、ニトロメタン、ニトロプロパン、2−N−メチル−2−ピロリジノン、n−プロパノール、オクタフルオロ−1−ペンタノール、オクタン、ペンタン、ペンタノン、石油エーテル、フェノール、プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、プロピオニトリル、酢酸プロピル、プロピルエーテル、ギ酸プロピル、プロピルアミン、p−キシレン、ピリジン、ピロリジン、t−ブタノール、t−ブチルアルコール、t−ブチルメチルエーテル、テトラクロロエタン、テトラフルオロプロパノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロナフタレン、トルエン、トリエチルアミン、トリフルオロ酢酸、トリフルオロエタノール、トリフルオロプロパノール、トリメチルブタン、トリメチルヘキサン、トリメチルペンタン、バレロニトリル、キシレン、キシレノール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0100】
好適な無機溶媒は、例えば、水、アンモニア、水酸化ナトリウム、二酸化硫黄、塩化スルフリル、塩化フッ化スルフリル、塩化ホスホリル、三臭化リン、四酸化二窒素、三塩化アンチモン、五フッ化臭素、フッ化水素、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0101】
好適なイオン性溶液は、例えば、塩化コリン、尿素、マロン酸、フェノール、グリセロール、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウム、1−アルキルピリジニウム、N−メチル−N−アルキルピロリジニウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム六フッ化リン酸塩、アンモニウム、コリン、イミダゾリウム、ホスホニウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピリジニウム、スルホニウム、1−エチル−1−メチルピペリジニウム炭酸メチル、4−エチル−4−メチルモルホリニウム炭酸メチル、またはそれらの任意の組み合わせを含む。1−エチル−3−酢酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、他のメチルミダゾリウム溶液を好適と見なすことができる。
【0102】
他の好適な流体は、N−エチル−N,N−ビス(l−メチルエチル)−1−ヘプタンアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、エチルへプチル−ジ−(l−メチルエチル)アンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、エチルへプチル−ジ−(1−メチルエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、エチルへプチル−ジ−(1−メチルエチル)アンモニウムビス[トリフルオロメチル]スルホニル]アミド、またはそれらの任意の組み合わせ等の、ハロゲン化合物、イミド類、およびアミド類を含む。流体はまた、エチルヘプチル−ジ−(l−メチルエチル)アンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N5N5N−トリブチル−1−オクタンアミニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルオクチルアンモニウムトリフラート、トリブチルオクチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N,N−トリブチル−1−ヘキサンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルヘキシルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリブチル−1−ヘプタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルヘプチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリブチル−1−オクタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルオクチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−3−トリフルオロ酢酸メチルイミダゾリウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチルピリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−ブチルピリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペルフルオロエチルスルホニル)イミド、ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、l−エチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、N5N5N−トリメチル−1−ヘキサンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリメチル−l−ヘプタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、ヘプチルトリメチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ヘプチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヘプチルトリチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、ヘプチルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリメチル−l−オクタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリメチルオクチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、l−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸エチル、またはそれらの任意の組み合わせを含むこともできる。
【0103】
添加物の表面埋め込みに対する制御は、膨張・拡散・蒸発・塗布段階の適正な平衡を通して達成することができる。この平衡は、例えば、溶媒・母材相互作用パラメータ、添加物のサイズ、埋め込み流体の反応度および揮発度、衝突添加物の運動量または速度、温度、湿度、圧力、および他の要因によって制御することができる。より具体的には、表面埋め込みのための関連処理パラメータは、本発明のいくつかの実施形態について以下に記載される。
【0104】
埋め込み流体の選択:
・表面との埋め込み流体の適合性(例えば、ヒルデブランドおよびハンセン溶解度パラメータ、誘電率、分配係数、pKa等の合致または比較)
・蒸発速度、沸点、蒸気圧、埋め込み流体の蒸発のエンタルピー
・表面の中への埋め込み流体の拡散:熱力学および動力学的配慮
・埋め込み流体の粘度
・埋め込み流体の表面張力、吸い上げ、および毛管効果
・共沸、混和性、および他の流体との他の相互作用。
【0105】
塗布条件:
・流体表面露出の持続時間
・温度
・湿度
・塗布方法(例えば、噴霧、印刷、圧延被覆、グラビア被覆、スロットダイ、カップ被覆、ブレード被覆、エアブラッシング、浸漬、浸漬被覆等)
・表面上への添加物の衝突/運動量/速度(例えば、埋め込みの深さおよび程度に影響を及ぼし得る)
・後処理条件(例えば、加熱、蒸発、流体除去、空気乾燥等)。
【0106】
母材:
・表面エネルギー
・粗度および表面積
・前処理(例えば、紫外線オゾン処理、基礎エッチング、清掃、溶媒下塗り等)
・埋め込み前の流体中の添加物の分散/懸濁(例えば、添加物は、物理的撹拌、化学/キャッピング安定化、立体安定化を通して溶液中に分散されたままとなることができる、または本質的に可溶化される)
・望ましくない効果(例えば、かすみ、ひび割れ、白化、母材の不可逆的な破壊、不均等な湿潤、粗度等)の軽減。
【0107】
前述のパラメータのうちのいくつか、または全ては、所与の母材への添加物の埋め込みの深さを調整するように改変または選択することができる。例えば、母材と相互作用する埋め込み流体の溶解力を増加させること、埋め込み流体・基板のハンセン溶解度パラメータに密接に合致させること、母材と接触している埋め込み流体の露出持続時間を延長すること、材と接触している埋め込み流体の量を増加させること、システムの温度を上昇させること、母材の上に衝突する添加物の運動量を増加させること、母材の中への埋め込み流体および添加物のいずれか一方または両方の拡散を増加させること、またはそれらの任意の組み合わせによって、母材の表面の深くへ、より高い程度の埋め込みを達成することができる。
【0108】
以下の表1は、本発明の実施形態による、特定のポリマーから成る乾燥組成物に添加物を埋め込むために好適である、いくつかの埋め込み流体の実施例を提供する。上記で説明される処理パラメータを使用して、これらの特定のポリマー、ならびに他の種類のポリマー、セラミック、およびセラミック前駆体に、他の埋め込み流体を選択できることが理解されるであろう。
【0109】
【表1−1】
【0110】
【表1−2】
流体(例えば、埋め込み流体および担体流体)はまた、塩、表面活性剤、安定剤、および流体に特定の一式の特性を与えるのに有用な他の作用物質を含むこともできる。添加物間凝集を少なくとも部分的に阻害する能力に基づいて、安定剤を含むことができる。添加物の機能性を保つ能力に基づいて、他の安定剤を選択することができる。レオロジー特性、蒸発速度、および他の特性を調整するために、他の作用物質を使用することができる。
【0111】
乾燥組成物の表面に対して大部分が静止しているよう、流体および添加物を塗布することができる。他の実施形態では、表面上に流体を噴霧することによって、一面に落下する流体を通して乾燥組成物を運搬することによって、または流体プールまたは槽を通して乾燥組成物を運搬することによって等、相対運動で塗布が実行される。流体および添加物の塗布は、エアブラッシング、霧化、霧状化、噴霧、静電噴霧、注入、圧延、幕化、ワイピング、回転成形、滴下、浸漬、塗装、流動、ブラッシング、含漬、パターン化(例えば、スタンピング、インクジェット印刷、制御された噴霧、制御された超音波噴霧、および同等物)、流動被覆方法(例えば、スロットダイ、毛管被覆、マイヤーロッド、カップ被覆、引き下げ、および同等物)、またはそれらの任意の組み合わせによって達成することができる。いくつかの実施形態では、添加物は、噴霧器によって等、表面上に推進され、それにより、表面との接触によって埋め込みを促進する。他の実施形態では、勾配が、流体、添加物、または両方に適用される。好適な勾配は、磁界または電解を含む。勾配は、表面上に流体、添加物、または両方を塗布、分散、または推進するために使用することができる。いくつかの実施形態では、勾配は、埋め込みの程度を制御するよう、添加物を操作するために使用される。適用される勾配は、一定または可変であり得る。勾配は、乾燥組成物が軟化または膨張される前、乾燥組成物が軟化または膨張したままである間、または乾燥組成物が軟化または膨張された後に適用することができる。軟化を達成するように乾燥組成物を加熱できることと、埋め込みを推進するように流体および添加物のいずれか一方または両方を加熱できることとが検討される。
【0112】
パターンをもたらすように、流体および添加物の塗布、ならびに添加物の埋め込みを空間的に制御することができる。いくつかの実施形態では、塗布された添加物のセグメントが表面に接触することを阻止するようにアプリケータと表面との間に配置することができる、物理的なマスクを用いて、空間制御を達成することができ、それにより、添加物の埋め込みの制御されたパターン化をもたらす。他の実施形態では、フォトマスクを用いて空間制御を達成することができる。光源と表面との間に、フォトレジストに対応することができるポジ型またはネガ型フォトマスクを配置することができる。フォトマスクの非不透明部分を透過した光は、フォトレジストの露出部分の溶解度に選択的に影響を及ぼすことができ、フォトレジストの結果として生じる空間制御された可溶性領域は、添加物の制御された埋め込みを可能にすることができる。他の実施形態では、電気勾配、磁気勾配、電磁場、温度勾配、圧力または機械的勾配、表面エネルギー勾配(例えば、液体・固体・気体界面、付着・凝集力、および毛管効果)、またはそれらの任意の組み合わせの使用を通して、空間制御を達成することができる。同様に、上を覆う被覆(例えば、それぞれ、図2Cおよび図2Gに図示される被覆214および250)の塗布を実行することができる。例えば、ITOまたは別の透明金属酸化物の場合、導電性材料を、表面露出した表面埋め込み添加物を伴う組成物上にスパッタリングすることができる。導電性ポリマー、炭素ベースの被覆、および他の種類の被覆の場合、被覆、噴霧、流動被覆等によって、導電性材料を塗布することができる。
【0113】
上述のように、添加物を埋め込み流体の中で分散させ、1ステップ埋め込みを介して埋め込み流体とともに乾燥組成物に塗布することができる。添加物はまた、2ステップ埋め込みを介して、埋め込み流体とは別に乾燥組成物に塗布することもできる。後者のシナリオでは、担体流体の中で分散させることによって、または同じ埋め込み流体あるいは異なる埋め込み流体の中で分散させることによって等、湿潤形態で添加物を塗布することができる。依然として後者のシナリオでは、エアロゾル化された粉末の形態等の乾燥形態で、添加物を塗布することができる。また、メタノール、別の低沸点アルコール、または乾燥組成物との衝突前に実質的に蒸発する別の低沸点有機溶媒等の、揮発性である担体流体の中で添加物を分散させることによって等、準乾燥形態で添加物を塗布できることも検討される。
【0114】
一例として、一実施形態は、ナノワイヤの溶液、または適切な担体流体中で分散された他の導電性添加物を乾燥組成物上に噴霧すること、エアブラシで吹き付けること、または別様に霧化することを伴う。
【0115】
別の実施例として、一実施形態は、埋め込み流体を噴霧するか、または乾燥組成物と別様に接触させ、次いで、時間t1の経過後、一時的に軟化した乾燥組成物および衝突ナノワイヤの速度の組み合わせが、ナノワイヤの高速かつ耐久性のある表面埋め込みを可能にするような速度で、ナノワイヤまたは他の導電性添加物を噴霧するか、またはエアブラシで吹き付けることによって、乾燥組成物を前処理することを伴う。t1は、例えば、約1ナノ秒から約24時間、約1ナノ秒から約1時間、または約1秒から約1時間等の、約0ナノ秒から約24時間の範囲内であり得る。2つの噴霧ノズルを同時または連続的に起動することができ、一方のノズルが埋め込み流体を分注し、他方のノズルが、速度を伴って、乾燥組成物に向かって担体流体中に分散された霧化ナノワイヤを分注する。随意で、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0116】
別の実施例として、一実施形態は、ナノワイヤの溶液、または担体流体中で分散された他の導電性添加物を乾燥組成物上に噴霧すること、エアブラシで吹き付けること、または別様に霧化することを伴う。t2の経過後、ナノワイヤの効率的な表面埋め込みを可能にするよう、埋め込み流体を塗布するために、第2の噴霧、エアブラッシング、または霧化動作が使用される。t2は、例えば、約1ナノ秒から約24時間、約1ナノ秒から約1時間、または約1秒から約1時間等の、約0ナノ秒から約24時間の範囲内であり得る。2つの噴霧ノズルを同時または連続的に起動することができ、一方のノズルが埋め込み流体を分注し、他方のノズルが、速度を伴って、乾燥組成物に向かって担体流体中に分散された霧化ナノワイヤを分注する。随意で、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0117】
さらなる実施例として、一実施形態は、ケイ酸ナトリウムまたは別のアルカリ金属ケイ酸塩または他の固体ガラスから成る乾燥組成物上にナノワイヤまたは他の導電性添加物を塗布することを伴う。同時に、または別個の動作として、加熱した塩基性水から成る埋め込み流体が、室温または高温において、液体または蒸気形態でケイ酸ナトリウムに塗布され、それは、ケイ酸ナトリウムを少なくとも部分的に溶解させ、それにより、溶解したケイ酸ナトリウムの中へのナノワイヤの進入を可能にする。水は、蒸発させられ、または別様に除去され、ケイ酸ナトリウム内にナノワイヤが埋め込まれた状態でケイ酸ナトリウムを再凝固させる。随意で、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0118】
次に、本発明の実施形態による、添加物422を湿潤組成物418に表面埋め込みするための製造方法を図示する、図4Cに注意を向ける。図4Cを参照すると、湿潤組成物418は、基板420の上に配置される被覆の形態で、基板420に塗布される。湿潤組成物418は、母材の溶解形態に対応することができ、具体的には、ポリマー、セラミック、セラミック前駆体、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な母材として以前に記載された任意の材料の溶解形態を含むことができる。また、湿潤組成物418は、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応できることも検討される。例えば、湿潤被覆組成物418は、完全には硬化または固められていない被覆、好適な重合開始剤または架橋結合剤を使用して、後に硬化または架橋結合することができる、完全には架橋結合されない架橋結合可能な被覆、あるいは、好適な重合開始剤または架橋結合剤を使用して、後に重合することができる、モノマー、オリゴマー、またはモノマーおよびオリゴマーの被覆であり得る。いくつかの実施形態では、湿潤組成物418は、液相ならびに固相を伴う材料を含むことができ、または少なくとも部分的に液体である、あるいは半固体、ゲル、および同等物等の液体の特性に似た特性を有する材料を含むことができる。基板420は、透明または不透明であり得、可撓性または剛体であり得、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせ、ならびに好適な母材として以前に記載された任意の材料から成ることができる。
【0119】
次に、図4Cの左側のオプションによれば、乾燥する前に、または湿潤組成物418内の添加物422の埋め込みを可能にする状態にとどまっている間に、添加物422が湿潤組成物418に塗布される。いくつかの実施形態では、添加物422の塗布は、流動被覆方法(例えば、スロットダイ、毛管被覆、マイヤーロッド、カップ被覆、引き下げ、および同等物)を介する。左側に図示されていないが、埋め込み流体は、添加物422の埋め込みを促進するように、同時に、または別個に湿潤組成物418に塗布できることが検討される。後に、結果として生じる母材424は、母材424の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物422のうちの少なくともいくつかを有する。湿潤組成物418を母材424に変換するように、好適な処理を実行することができる。
【0120】
図4Aおよび図4Bについて上記で説明されるのと同様の処理条件および材料を使用して、図4Cの添加物422の塗布および添加物422の埋め込みに関する、ある側面を実行することができ、これらの側面は、以下で繰り返される必要がない。以下は、セラミックおよびセラミック前駆体に関する実施形態について付加的な詳細を提供する。
【0121】
いくつかの実施形態では、添加物は、溶媒および一式の反応種を含む、液体セラミック前駆体の被覆の形態である湿潤組成物に埋め込まれる。埋め込みは、溶媒が完全に乾燥する前に実行され、その後に、セラミック前駆体を硬化させる、または完全凝縮あるいは再構成ガラスに変換するオプションが続く。セラミック前駆体反応種の実施例は、スピンオンガラス、シラン類(例えば、Si(OR)(OR’)(OR”)(R’’’)、Si(OR)(OR’)(R”)(R’’’)、およびSi(OR)(OR’)(R”)(R’’’)、ここで、R、R’、R”、およびR’’’は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアリル基から独立して選択される)、シラン類のチタン類似体、シラン類のセリウム類似体、シラン類のマグネシウム類似体、シラン類のゲルマニウム類似体、シロキサン類(例えば、Si(OR)(OR’)(OR”)(OR’’’)、ここで、R、R’、R”、およびR’’’は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアリル基から独立して選択される)、シロキサン類のチタン類似体、シロキサン類のセリウム類似体、シロキサン類のマグネシウム類似体、シロキサン類のゲルマニウム類似体、アルカリ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウム)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。より具体的な実施例として、セラミック前駆体反応種は、テトラメトキシシラン(またはTMOS)、テトラエトキシシラン(またはTEOS)、テトラ(イソプロポキシ)シラン、そのチタン類似体、そのセリウム類似体、そのマグネシウム類似体、そのマグネシウム類似体、またはそれらの任意の組み合わせ等のシロキサン類であり得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、反応種は、添加物の埋め込みの前に、少なくとも部分的に反応させられる。反応は、例えば、酸および触媒の存在下の加水分解によって実行することができ、その後に凝縮が続き、それにより、オリゴマーまたはポリマー鎖をもたらす。例えば、シラン類およびシロキサン類は部分凝縮を受けて、Si−O−Si結合を伴うオリゴマーまたはポリマー鎖、および(OR)または(R)に対応する少なくともいくつかの側基をもたらすことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、液体セラミック前駆体は、少なくとも2つの異なる種類の反応種を含む。異なる種類の種は、TEOS、TMOS、テトラ(イソプロポキシ)シランによって例示されるように、相互と反応することができ、蒸発速度および硬化前の膜形態を制御するために好適に選択することができる。TMOSの場合のメトキシと対比したテトラ(イソプロポキシ)シランの場合のイソプロポキシ等の、より大型の側基を伴う反応種は、ゲルに変換されたと時に、より大きい細孔のサイズをもたらすことができ、そのより大きい細孔のサイズは、埋め込み流体の存在下で膨張を促進することができる。また、加水分解時に、TMOSの場合のメトキシと対比したテトラ(イソプロポキシ)シランの場合のイソプロポキシ等の、より大型の側基は、より低い揮発度を伴う対応するアルコールに変換することができ、それは、乾燥速度を減速させることができる。他の実施形態では、ケイ酸ナトリウムおよびテトラ(イソプロポキシ)シラン等の異なる種類の種は、反応しそうにない。これは、添加物の埋め込みを可能にするように、いくらかの量の遅延した凝縮を保持しながら、ケイ酸塩を乾燥させることによって形成される、基質の大部分の容易な硬化特性を得ることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、反応種は、反応の前または反応の後に、靱性、多孔性、または乾燥速度を減速するように溶媒の閉じ込めを可能にすること、あるいは埋め込み流体の存在下で膨張を推進すること等の他の望ましい特性を付与することができる、いくらかの量のSi−CまたはSi−C−Si結合を含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、反応種は、反応の前または反応の後に、Si−OR基を含むことができ、Rは、液体セラミック前駆体の被覆の乾燥速度を減速するように、低揮発度を伴う長鎖側基である。他の実施形態では、反応種は、Si−R’基を含むことができ、Rは、液体セラミック前駆体の被覆の乾燥速度を減速するように、低揮発度を伴う長鎖側基である。RおよびR’のいずれか一方または両方はまた、相互作用して溶媒を保持し、それにより、乾燥過程を減速する特性を有することができる。例えば、RおよびR’は、極性、非極性、脂肪族の特性、または溶媒の特性に合致する他の特性を有することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、液体セラミック前駆体に含まれる溶媒は、水、アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメトルスルホキシド、別の極性溶媒、別の非極性溶媒、上記で記載される任意の他の好適な流体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、溶媒は、非極性であり得、加水分解中に水を不均一に使用することができ、完全凝縮は、セラミック前駆体の被覆の乾燥後に発生する。別の実施例として、反応種を運ぶ、湿潤させる、または水平にするために、主要構成要素が高い揮発度を有する一方で、微量構成要素が被覆の乾燥を遅延するように低い揮発度を有するように、溶媒の組み合わせを選択することができる。また、反応種は、乾燥を減速するように、比較的わずかな全被覆容量を形成できることも検討される。
【0127】
いくつかの実施形態では、ロールツーロール過程、ロール被覆、グラビア被覆、スロットダイ被覆、ナイフ被覆、および回転被覆等の多種多様の被覆方法を使用して、液体セラミック前駆体を基板に塗布することができる。例えば、液体セラミック前駆体は、回転被覆によって塗布することができ、添加物は、回転被覆の開始時に、または回転被覆の開始後であるが、結果として生じた被覆がスピナ上で乾燥する前に、堆積させることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、添加物は、担体流体の中で分散させ、次いで、湿潤形態で液体セラミック前駆体に塗布することができる。担体流体は、衝撃時に有害な相互作用を低減または回避するために、液体セラミック前駆体の低揮発度構成要素と同じ溶媒(または同様の特性を有する別の溶媒)を含むことができる。また、担体流体は、揮発性(例えば、メタノールまたは別の低沸点アルコール)であり得、衝撃前に実質的に蒸発することも検討される。好適な担体流体の別の実施例は水である。
【0129】
いくつかの実施形態では、液体セラミック前駆体がガラスに変換されるように、埋め込み後に硬化を実行することができる。例えば、硬化は、窒素(随意で(おそらく飽和した)水蒸気を含有する)において約400℃から約500℃の範囲内の温度に加熱すること、残留溶媒を除去するのに十分な温度(例えば、約100℃から約150℃)まで加熱すること、または完全凝縮ガラスを形成するように約800℃から約900℃の範囲内の温度に加熱することを伴うことができる。周囲条件下で頑丈な「クリアコート」に乾燥することができる、ケイ酸ナトリウム(または別のアルカリケイ酸塩)の場合等では、硬化を省略することができる。いくつかの実施形態では、硬化はまた、埋め込みナノワイヤまたは他の添加物に対する焼結/焼鈍動作としての機能を果たすこともできる。
【0130】
図4Cに戻って、右側のオプションを参照すると、少なくとも部分的に乾燥させること、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせによって等、好適な処理によって、湿潤組成物418が、最初に乾燥組成物426に変換される。次に、添加物422および埋め込み流体428が、乾燥組成物426に塗布される。添加物422は、溶液中にあり得る、または埋め込み流体428の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋め込みを介して乾燥組成物426に同時に塗布することができる。代替として、添加物422は、埋め込み流体428が乾燥組成物426を処理する前、間、または後に、乾燥組成物426に別個に塗布することができる。上述のように、添加物422の別個の塗布は、2ステップ埋め込みと呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材424は、母材424の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物422のうちの少なくともいくらかを有する。随意で、付加的な乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせによって等、乾燥組成物426を母材424に変換するように好適な処理を実行することができる。図4Cに図示される製造段階のうちのいずれかまたは全ては、添加物422の埋め込みを促進するように、湿潤組成物418の乾燥を減速するように、または両方のために、好適な流体(例えば、埋め込み流体または他の好適な流体)の蒸気環境の存在下で実行することができる。
【0131】
図4Aおよび図4Bについて上記で説明されるのと同様の処理条件および材料を使用して、図4Cの添加物422および埋め込み流体428の塗布、ならびに添加物422の埋め込みに関する、ある側面を実行することができ、これらの側面は、以下で繰り返される必要がない。具体的には、少なくともある側面では、添加物422を図4Cの乾燥組成物426に埋め込むための処理条件は、添加物412を図4Bの乾燥組成物408に埋め込む時に使用されるものと大部分が同等と見なすことができる。以下は、セラミックおよびセラミック前駆体に関する実施形態について付加的な詳細を提供する。
【0132】
いくつかの実施形態では、添加物は、最初に乾燥させられているが、後に埋め込み流体によって膨張させられる未硬化(または完全には硬化していない)セラミック前駆体の被覆の形態である乾燥組成物に埋め込まれる。この後に、添加物の周囲の被覆基質を収縮させる、埋め込み流体の乾燥が続く。場合によっては、埋め込み流体は、乾燥前のセラミック前駆体と同じ溶媒(または同様の特性を有する別の溶媒)を含むことができ、その場合、処理条件は、添加物を湿潤組成物に埋め込む時に使用されるものと大部分が同等と見なすことができる。添加物の埋め込みの後に、セラミック前駆体を硬化させる、または完全凝縮あるいは再構成ガラスに変換するオプションが続く。
【0133】
いくつかの実施形態では、反応種は、加水分解および凝縮前に、最初にオリゴマーまたはポリマー(例えば、TEOSまたはTMOS等のモノマーとは対照的な)であるように選択される。反応種のそのようなおオリゴマーまたはポリマー形態は、埋め込み流体の存在下で膨張を推進することができる。実施例は、メチル51、エチル50、エチル40、および同等物という指定の下で入手可能な反応種を含む。他の実施形態では、オリゴマーまたはポリマー反応種は、所望の分子量に到達するように、加水分解凝縮を介して等、単量体反応種を反応させることによって形成することができる。オリゴマーまたはポリマー反応種は、単量体反応種と組み合わせることができ、異なる種は、混和性、部分的に混和性、または大部分が非混和性である。そのようなオリゴマーまたはポリマー反応種はまた、図4Cの左側オプションに従って、すなわち、そのようなオリゴマーまたはポリマー反応種を液体セラミック前駆体の被覆に含み、随意で、埋め込み流体の存在下で、乾燥前に添加物を被覆に埋め込むことによって、使用することもできる。
【0134】
いくつかの実施形態では、反応種は、シリコーン、シルセスキオキサン、および同等物等の最大2つの反応部位を伴うモノマーを含むことができる。反応時に、そのような反応種は、制御可能な量の架橋結合でポリマー鎖を形成することができ、それにより、埋め込み流体の存在下で膨張を推進し、添加物の埋め込みを促進する。例えば、反応種は、典型的には、約400℃以下で架橋結合せず、そのポリマー性質により埋め込み流体とともに膨張することができ、400℃以上に加熱することによって後にガラスに架橋結合することができる、Si(OCH2CH3)2(CH3)2等のSi(OR)2R’2を含むことができる。そのようなポリマー反応種はまた、図4Cの左側オプションに従って、すなわち、そのようなポリマー反応種を液体セラミック前駆体の被覆に含み、随意で、埋め込み流体の存在下で、乾燥前に添加物を被覆に埋め込むことによって、使用することもできる。
【0135】
(実施例)
以下の実施例は、当業者のための説明を例証および説明するように、本発明のいくつかの実施形態の具体的な側面を説明する。実施例は、本発明のいくつかの実施形態を理解および実践するのに有用である具体的な方法論を提供するにすぎないため、実施例は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0136】
(実施例1)
1ステップ埋め込みを介した透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(直径=90nmおよび長さ=60μm)を5秒間ボルテックスし、5mg/mlの濃度におけるイソプロパノール(50vol.%)および2,2,2−トリフルオロエタノール(50vol.%)(Alfa Aesar 99%+)の溶液中で分散させる。アクリル板から1ミル分離されたブレードを用いて、銀ナノワイヤを含有する溶液を透明アクリル(ポリメタクリル酸メチル、Sign Mart, Inc.)の平板上にカップ被覆し、20℃および23%湿度の下で3インチ/秒の速度にて引き出す。0.5mlのナノワイヤ含有溶液が、1平方メートルのアクリル板の半分を十分に覆った。この処方および手順は、ナノワイヤがアクリル板の表面で部分的に露出され、アクリル板を含む86.6%の透過率Tと、Jenway UV−vis分光光度計およびSP4−Keithley4点プローブシステムによって測定されるような29±6Ω/sq(stdev)のシート抵抗Rとを示すように、効果的に溶媒に埋め込まれた銀ナノワイヤをもたらした。ナノワイヤが埋め込まれたアクリル板は、セロハンテープ付着試験され、透過率、シート抵抗、および他の特性の観察可能な変化を示さず、埋め込まれたナノワイヤの耐久性を実証した。
【0137】
(実施例2)
2ステップ埋め込みを介した透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(直径=90nmおよび長さ=60μm)を、2.5mg/mlの濃度におけるイソプロパノール中で分散させ、次いで、20ミルのワイヤ分離距離を伴うメイヤーロッド(Gard Co.)を用いて、透明アクリル(ポリメタクリル酸メチル、Sign Mart, Inc.)の表面上に塗布し、2.5インチ/秒の速度にて引き出す。被覆後、底部に40mlのテトラヒドロフランを含有する直径100mm×20mmの円形断面コンテナ上で表を下にするようにナノワイヤ網を逆転させることによって、結果として生じたナノワイヤ網およびアクリル基板をテトラヒドロフラン(BHTで安定化されたJ.T. Baker 99.5%)に40分間暴露させる。この処方および手順は、アクリル基板を含む74.3%の透過率Tおよび31±2Ω/sq(stdev)のシート抵抗Rを示す、効果的に溶媒に埋め込まれた銀ナノワイヤをもたらした。ナノワイヤが埋め込まれたアクリル基板は、セロハンテープ付着試験され、透過率、シート抵抗、および他の特性の観察可能な変化を示さず、埋め込まれたナノワイヤの耐久性を実証した。
【0138】
(実施例3)
2ステップ埋め込みを介した透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(直径=90nmおよび長さ=60μm)を、1mg/mlの濃度におけるメタノール(Sigma Aldrich 99%+)中で分散させ、次いで、20℃および23%湿度の下で、基板から9インチ分離された、20psi入口圧力で動作するIwata LPH400 HVLPスプレーガンを介して、ポリカーボネート基板(Makrolon(登録商標))上に塗布する。メタノールの蒸発速度は、ノズルから極めて細かい霧化円錐パターンを分注する、スプレーガン設定とともに、ノズルから噴出するメタノールが9インチ離れた基板に到達する前に実質的に蒸発する、噴霧をもたらした。メタノールは、ナノワイヤを効果的に懸濁させる働きをし、メタノールおよび霧化空気圧は、基板に向かってナノワイヤを運搬する推進剤の役割を果たす。しかしながら、メタノールは、実質的に蒸発し、基板表面を湿潤せず、それにより、移動、凝集、コーヒーの染みのリング効果、ベルナールセル、および堆積ナノワイヤ網の他の空間的不均一性を引き起こし得る、基板表面の不均等な湿潤を回避または低減する。次いで、底部に40mlのアセトンを含有する直径100mm×20mmの円形断面コンテナ上で表を下にするようにナノワイヤ網を逆転させることによって、基板の中へのナノワイヤ網の溶媒で支援された埋め込みを可能にするように、基板に付着した、結果として生じる乾燥ナノワイヤ網を、アセトン(Sigma Aldrich>99.9%)の蒸気に10分間暴露させる。この処方および手順は、ポリカーボネート基板を含む74.4%の透過率Tおよび23Ω/sq(stdev)のシート抵抗Rを示す、効果的に溶媒に埋め込まれた銀ナノワイヤをもたらした。ナノワイヤが埋め込まれたポリカーボネート基板は、セロハンテープ付着試験され、透過率、シート抵抗、および他の特性の観察可能な変化を示さず、埋め込まれたナノワイヤの耐久性を実証した。
【0139】
(実施例4)
1ステップ埋め込みを介した埋め込み基板の形成
銀シリカの粉末(5μ)を、6.4mg/mlの濃度における酢酸メチル(60vol.%)/酢酸エチル(20vol.%)/シクロロヘキサノン(20vol.%)の溶液中で懸濁し、撹拌し、次いで、20℃および40%湿度の下で、20psi入口圧力で動作し、1.3mm針サイズである、基板から8インチ分離されたIwata LPH101 HVLPスプレーガンを使用して、透明ポリカーボネートの基板上に噴霧する。ナノワイヤ含有溶液が基板に数秒間暴露された後、溶媒系は、周囲室温条件下で揮発し、粒子を軟化したポリカーボネート表面に耐久的に埋め込む。
【0140】
(実施例5)
ガラス上の透明伝導性電極の形成
40mLシンチレーションバイアルに、18.5mLの乾燥200プルーフエタノール(CAS#67−17−5)、0.075mLの脱イオン(「DI」)水中の1M塩酸(18×106Ω)、および0.92mLの付加的なDI水を添加した。この混合物を均質になるまでかき混ぜた。急速にかき混ぜながら、この混合物に5.6mLのテトラエトキシシラン(TEOS、CAS#78−10−4、別名テトラオルトシリケート、Si(OC2H5)4)を添加した。結果として生じる溶液が均質になるまでかき混ぜ続け(約15分)、凝縮を介して部分的に重合するために、溶液を60℃で2日間貯蔵した。
【0141】
清潔なスポンジを使用した機械的撹拌を介して、ガラス基板を2vol.%Micro90溶液で清掃し、その後に2回のDI水の洗浄槽が続き、DI水を流した。次の段階を待つように、ガラス基板をDI水槽の中で保持した(わずか3時間)。ガラス基板を水槽から除去し、イソプロパノール(IPA、別名2−プロパノール)槽の中へ移行し、その後に流れるIPAを用いて洗浄し(噴出ボトル)、HVLPスプレーガンを使用したエアナイフ乾燥ステップで終了した。TEOS溶液の堆積の直前に、表面調製のためにガラス基板をUVOチャンバ(UVOCS Corp. T10X10)に20分間入れた。
【0142】
毎分1,250回転で60秒間、回転成形することによって、TEOS溶液をガラス基板上に堆積させた。1滴の1M塩酸を含有するチャンバの中で室温にて10分間硬化した後、1.3mm針を伴い、ソースにおいて45psi空気圧で動作するIwata LPH400 HVLPスプレーガンを使用して、3:1::メタノール:IPA中の0.3mLの2.5mg/mL銀ナノワイヤを表面上に噴霧した。
【0143】
(実施例6)
TEOSガラス上の透明伝導性電極の形成
清潔なスポンジを使用した機械的撹拌を介して、ガラス基板を2vol.%Micro90溶液で清掃し、その後に2回のDI水の洗浄槽が続き、DI水を流した。次の段階を待つように、ガラス基板をDI水槽の中で保持した(わずか3時間)。ガラス基板を水槽から除去し、イソプロパノール(IPA、別名2−プロパノール)槽の中へ移行し、その後に流れるIPAを用いて洗浄し(噴出ボトル)、HVLPスプレーガンを使用したエアナイフ乾燥ステップで終了した。TEOS溶液の堆積の直前に、表面調製のためにガラス基板をUVOチャンバ(UVOCS Corp. T10X10)に20分間入れた。
【0144】
毎分2,000回転で5秒間、回転成形し、約300nmの厚さの粘着性膜をもたらすことによって、ガラス基板上に受容され、堆積されるように、スピンオンガラス(Filmtronics Inc., SOG 20B)を使用した。スピンオンガラスの堆積後に75℃で20分間硬化した後、ソースにおける20psi空気圧、および針調整ノブを反時計方向に180°回すことによって設定される流量で動作する、Iwata HPTHエアブラシを使用して、9:1::メタノール:IPA中の5mLの1.0mg/mL銀ナノワイヤを、10インチ離して表面上に噴霧した。この処方および手順は、ガラス基板を含む79.1%の透過率Tおよび3,000Ω/sqのシート抵抗Rをもたらした。
【0145】
(実施例7)
透明伝導性電極の形成
清潔なスポンジを使用した機械的撹拌を介して、ガラス基板を2vol.%Micro90溶液で清掃し、その後に2回のDI水の洗浄槽が続き、DI水を流した。次の段階を待つように、ガラス基板をDI水槽の中で保持した(わずか3時間)。ガラス基板を水槽から除去し、イソプロパノール(IPA、別名2−プロパノール)槽の中へ移行し、その後に流れるIPAを用いて洗浄し(噴出ボトル)、HVLPスプレーガンを使用したエアナイフ乾燥ステップで終了した。TEOS溶液の堆積の直前に、表面調製のためにガラス基板をUVOチャンバ(UVOCS Corp. T10X10)に20分間入れた。
【0146】
毎分2,000回転で30秒間、回転成形することによって、ガラス基板上に受容され、堆積されるように、スピンオンガラス(Filmtronics Inc., SOG 20B)を使用した。スピンオンガラスの回転成形を開始した直後に(依然として回転させながら)、ソースにおいて40psi空気圧で動作するIwata HP−C5エアブラシを使用して、1:1::メタノール:IPA中の0.5mLの5.0mg/mL銀ナノワイヤを、10インチ離して表面上に噴霧した。スピンオンガラスおよびナノワイヤ堆積後に、被覆した基板を75℃で20分間硬化させた。この処方および手順は、ガラス基板を含む57.1%の透過率Tおよび39Ω/sqのシート抵抗Rをもたらした。
【0147】
(実施例8)
透明伝導性電極の形成および特性化
ポリカーボネートの中の銀ナノワイヤ網の埋め込まれた平面領域を特色とするように、透明伝導性電極を形成した。4点プローブ電気伝導度測定のために、4つの伝導性パッドが堆積され、測定、少なくとも1のサンプルに対して3.2Ω/sqのシート抵抗Rを示した。この抵抗値は、シリコン太陽電池で使用される透明伝導性電極の典型的なシート抵抗値(30〜100Ω/sq)と比べた、かつディスプレイで使用される透明伝導性電極の典型的なシート抵抗値(100〜350Ω/sq)と比べた改良である。UV−vis分光分析を使用して透過率値を判定し、4点プローブ方法を使用してシート抵抗値を判定し、ファンデルパウ方法および2点プローブ方法を使用して照合した。これらの値を用いて、DC対光学伝導度比を導出した。基板に表面埋め込みされたナノワイヤ網は、それらの埋め込まれていない(表面的に堆積された)対応物よりも高いDC対光学伝導度比を示した。ナノワイヤ網は、電気的パーコレーションをほとんど、または全く阻害せず、埋め込み時に損なわれないままである。同時に、ナノワイヤ網の埋め込み性質は、複数のセロハンテープ耐久性応力試験および物理的摩耗にわたって実質的に改変されていないシート抵抗値を伴って、耐久性のある透明伝導性電極をもたらした。
【0148】
(実施例9)
透明伝導性電極の特性化
図11は、ポリカーボネート膜およびアクリルに表面埋め込みされた銀ナノワイヤ網の(一定のDC対光学伝導度比における)透過率および対応するシート抵抗のトレードオフ曲線を図示し、水平線は、所与の表面にわたるシート抵抗の標準偏差を表す。
【0149】
(実施例10)
透明伝導性電極の特性化
図12は、堆積直後および表面埋め込み後のデータを比較する、2ステップ堆積および埋め込み方法を介して製造されたサンプルについて収集された、透明性およびシート抵抗データの表である。表面的に堆積されたナノワイヤを伴うアクリルと表面埋め込みナノワイヤを伴うアクリルとの間の違いを比較するように、アクリル航空機透明フィルムの切り取り試片を作製した。表面的に堆積されたナノワイヤを伴うほとんどの切り取り試片が、単純耐久性応力試験(セロハンテープ方法)の前後に使用された4点プローブツール(Keithley Digital Multimeter)の10MΩ限界を超える、検出不能に高いシート抵抗値を示した一方で、表面埋め込み切り取り試片は、応力試験によって大部分が改変されなかった低いシート抵抗を示した。
【0150】
図13は、表面埋め込み添加物を伴うTCEの異なる製造方法に対する典型的な平均シート抵抗および透明性データを要約する表である。
【0151】
図14は、有限添加物濃縮が埋め込み領域を表す、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。図14のプロットの全てについて、母材は、明るい色で表される、0および10のx軸値の間に限られている。被覆が存在する場合、それは母材の上に配置され、薄い灰色で表される、x=−2とx=0との間に位置する。x軸は、埋め込み表面からの母材の深さ/厚さを表す。第1のプロットは、基板全体の大部分の全体を通して混合された添加物でバルク組み込みされた、または化合された基板のものである。その添加物濃縮は、y=0.2濃縮で保たれた、濃い灰色の陰影を伴う均一な分布として描写される。表面埋め込み添加物は、図14(a)で描写されるように、母材の埋め込み表面の厚さまたは深さの関数として、離散ステップまたはデルタ関数において限局することができる。代替として、添加物は、大部分が埋め込み表面で限局することができるが、図14(b)のように埋め込み表面の中へ深いほど、または図14(e)のように埋め込み表面に近いほど、次第に小さくなる濃縮を有する。離散した深さに添加物の最大濃縮があり、その後に、両方向へ埋め込み表面より下側の離散した深さから添加物濃縮が次第に小さくなる、図14(c)の様式で、埋め込み表面の完全に下側で添加物を表面埋め込みすることができる。埋め込みの深さを調整するようにパラメータを調整することによって、添加物埋め込みの複数の深さを達成することができ、図14(d)および図14(f)で捕らえられるように、この多層埋め込み幾何学形状を可能にするように、複数の動作を基板上に行うことができる。前述のアプローチを介するが、図14(g)、(h)、および(i)のようにすでにバルク組み込みされている基板の上(または中)で表面埋め込みすることによって、同様の幾何学形状を達成することができる。基板材料の上だけでなく、図14(j)、(k)、および(l)で描写されるもののように、被覆された材料の被覆層の中にも表面埋め込みすることによって、同様の幾何学形状を達成することができる。
【0152】
(実施例11)
透明伝導性電極の特性化
銀ナノワイヤ(平均長さ=7μm、平均直径=70nm)を、表面より下側の深さまで透明ポリカーボネートに埋め込み、80%を上回る透過率値および100Ω/sqまたはそれを下回るシート抵抗値をもたらした。さらなる最適化により、10Ω/sqを下回る(例えば、3Ω/sqほども低い)シート抵抗値を獲得することができる。(例えば、被覆または界面がない場合)モノリシック母材および表面より下側にある埋め込まれた銀ナノワイヤの平面領域を伴う断面を明らかにするために、集束イオンビームを用いた走査型電子顕微鏡像を使用した。
【0153】
(実施例12)
透明伝導性電極の特性化
銀ナノワイヤ(平均長さ=7μm、平均直径=70nm)を、ナノワイヤの直径の100%未満の深さまで透明ポリカーボネートに埋め込み、約90%の透過率値および約100Ω/sqのシート抵抗値をもたらした。さらなる最適化により、10Ω/sqを下回る(例えば、3Ω/sqほども低い)シート抵抗値を獲得することができる。
【0154】
(実施例13)
透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(平均長さ=7μm、平均直径=70nm)およびITOナノ粒子(直径<100nm)を、ナノワイヤの直径の100%未満およびナノ粒子の直径の100%未満の深さまで透明ポリカーボネートに埋め込んだ。
【0155】
その具体的実施形態を参照して本発明を説明してきたが、添付の請求項によって定義されるような本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行ってもよく、同等物が置換されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、組成物、方法、または過程を、本発明の目的、精神、および範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。全てのそのような修正は、本明細書に添付された請求項の範囲内であることを目的としている。具体的には、本明細書で開示される方法は、特定の順番で行われる特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作は、本発明の教示から逸脱することなく、同等の方法を形成するように組み合わせられ、細分され、または順序付け直されてもよいことが理解されるであろう。したがって、本明細書で具体的に示されない限り、動作の順番およびグループ化は本発明の制限ではない。
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第61/308,894号(2010年2月27日出願)、米国仮出願第61/311,395号(2010年3月8日出願)、米国仮出願第61/311,396号(2010年3月8日出願)、米国仮出願第61/408,773号(2010年11月1日出願)、米国仮出願第61/409,116号(2010年11月2日出願)の利益を主張する。該出願は、それらの全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、埋め込み添加物を伴う構造に関する。より具体的には、本発明は、電気伝導度等の機能性を付与するように表面埋め込み添加物を伴う構造に関する。
【背景技術】
【0003】
透明伝導性電極(「TCE」)は、電流がTCEを含むデバイスを通って流れるための伝導性経路を提供しながら、光の透過を可能にする。従来、TCEは、ガラス基板の上に配置される、インジウムスズ酸化物(「ITO」)等のドープした金属酸化物の被覆で形成される。ITOは、太陽束加重透過率Tsolarおよびシート抵抗Rの特性の間の均衡を取り、Tsolar≧85%の太陽束加重透過率でR≦10Ω/sqの性能レベルに達するため、従来のTCEにおける最も広く使用されている材料である。
【0004】
しかしながら、ITO被覆は、いくつかの不利点を抱えている。具体的には、ITO被覆は、典型的には、エネルギー集約型の高温および真空環境でのスパッタリングおよび焼鈍を介して製造され、製造中に使用されるエッチャントは、腐食性で環境的に有害であり得る。加えて、結果として生じるITO被覆は、脆性であり得るか、または亀裂の影響を受けやすく、また、酸および塩基に敏感であり得る。また、インジウムは、極めて希少な材料であり、その価格は、過去10年くらいで100倍以上に上昇している。高い透明性および高い伝導度という従来の要件に加えて、将来、TCEを含むデバイスおよびそれらの構成要素が、頑丈、軽量、および可撓性であることが求められ、従来のITO被覆を使用して達成することが困難な特性である。同様に、商業目的で、製造費用を引き下げることが重要であるため、TCEは、高度に拡張可能で効率的な製造過程を使用して、低い硬化時間を伴って、周囲温度および圧力またはその付近で生産可能となるべきである。
【0005】
こうした背景の下、本明細書で説明される、表面埋め込み構造および関連製造方法を開発する必要性が生じた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、頑丈な不透明伝導性電極、TCE(例えば、太陽電池、ディスプレイ、および照明デバイスで使用される)、タッチパネル、スマートウィンドウ、電子ペーパー、電磁干渉/無線周波数遮蔽体、電磁パルス保護デバイス、静電気防止遮蔽体、防塵遮蔽体、メタマテリアル、光デバイス、プラズモンデバイス、アンテナ、トランジスタ、(例えば、p−n型接合デバイス、薄膜トランジスタ、および電界効果トランジスタ)、ダイオード、発光ダイオード、有機発光ダイオード(「OLED」)、センサ、アクチュエータ、建設材料、建築材料、電子機器ケーシング、消費者デバイス、メモリ記憶デバイス、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ、コンデンサ、およびウルトラキャパシタ)、太陽エネルギー生成デバイス、圧電エネルギー生成デバイス、無線周波数識別デバイス、熱導体/冷却/加熱デバイス、相互接続、ハイブリッドデバイス、周波数選択性表面およびデバイス等を含む、種々の用途およびデバイスで使用するための母材の埋め込み表面に埋め込まれる、導電性または半導体添加物に関する。
【0007】
表面埋め込み構造の実施形態は、向上した性能(例えば、より高い電気および熱伝導度、より高い光透過率、およびより高い電磁場遮蔽または吸収)、ならびにそれらの組成および製造過程から生じる費用便益を示す。構造は、例えば、母材の所望の特性(例えば、透明性)を保ち、付加的な所望の特性(例えば、電気伝導度)を結果として生じる表面埋め込み構造に付与しながら、添加物が母材に物理的に埋め込まれる、表面埋め込み過程によって製造することができる。
【0008】
本発明の他の側面および実施形態も検討される。先述の要約および以下の詳細な説明は、本発明を任意の特定の実施形態に制限するように意図されていないが、本発明のいくつかの実施形態を説明するように意図されているにすぎない。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の性質および目的をより良く理解するために、添付図面と併せて解釈される、以下の詳細な説明を参照するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1−1】図1Aは、添加物が基板の大部分の全体を通して混合される、構造を図示する。図1Bは、添加物が基板の上にある被覆の全体を通して混合される、構造を図示する。図1Cは、添加物が基板の上で表面的に、または表面堆積させられる、構造を図示する。
【図1−2】図1Dから1Hは、本発明の実施形態に従って実装される、種々の表面埋め込み構造を図示する。
【図1−3】図1Dから1Hは、本発明の実施形態に従って実装される、種々の表面埋め込み構造を図示する。
【図1−4】図1Dから1Hは、本発明の実施形態に従って実装される、種々の表面埋め込み構造を図示する。
【図2】図2Aから2Gは、本発明の実施形態に従って実装される、付加的な表面埋め込み構造を図示する。
【図3】図3は、本発明の実施形態による、抵抗対添加物の装填レベルの対数プロットである。
【図4A】図4Aから4Cは、本発明の実施形態による、表面埋め込み構造を形成する製造方法を図示する。
【図4B】図4Aから4Cは、本発明の実施形態による、表面埋め込み構造を形成する製造方法を図示する。
【図4C】図4Aから4Cは、本発明の実施形態による、表面埋め込み構造を形成する製造方法を図示する。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態による、LCDを図示する。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態による、LCDで使用するための色フィルタを図示する。
【図6】図6は、本発明の実施形態による、薄膜太陽電池を図示する。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、投影容量性タッチスクリーンを図示する。
【図8】図8は、本発明の実施形態による、OLED照明デバイスを図示する。
【図9】図9は、本発明の実施形態による、eペーパーを図示する。
【図10】図10は、本発明の実施形態による、スマートウィンドウを図示する。
【図11】図11は、本発明の実施形態による、ポリカーボネート膜およびアクリルに表面埋め込みされた銀ナノワイヤ網の(一定のDC対光学伝導度比における)透過率および対応するシート抵抗のトレードオフ曲線を図示する。
【図12】図12は、本発明の実施形態による、堆積直後および表面埋め込み後のデータを比較する、2ステップ堆積および埋め込み方法を介して製造されたサンプルについて収集された、透明性およびシート抵抗データの表である。
【図13】図13は、本発明の実施形態による、表面埋め込み添加物を伴うTCEの異なる製造方法に対する典型的な平均シート抵抗および透明性データを要約する表である。
【図14−1】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−2】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−3】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−4】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−5】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−6】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【図14−7】図14は、本発明の実施形態による、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(定義)
以下の定義は、本発明のいくつかに関して説明される要素のうちのいくつかに該当する。これらの定義は、同様に、本明細書において拡張させられてもよい。
【0012】
本明細書で使用されるように、「1つの」および「その」といった単数形の用語は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、物体への参照は、文脈が他に明確に指示しない限り、複数の物体を含むことができる。
【0013】
本明細書で使用されるように、「一式」という用語は、1つ以上の物体の集合を指す。したがって、例えば、一式の物体は、単一の物体または複数の物体を含むことができる。一式の物体はまた、一式のうちの構成要素と呼ぶこともできる。一式のうちの物体は、同じ、または異なり得る。場合によっては、一式のうちの物体は、1つ以上の共通特性を共有することができる。
【0014】
本明細書で使用されるように、「隣接する」という用語は、付近にある、または接していることを指す。隣接する物体は、相互から離間することができ、または相互と実際に、または直接接触することができる。場合によっては、隣接する物体は、相互に接続することができるか、または相互に一体的に形成されることができる。
【0015】
本明細書で使用されるように、「接続する」、「接続された」、および「接続」という用語は、動作上の連結または連鎖を指す。接続された物体は、相互に直接連結することができ、または別の一式の物体を介する等して相互に間接的に連結することができる。
【0016】
本明細書で使用されるように、「実質的に」および「実質的な」という用語は、相当の度合いまたは程度を指す。事象または状況と併せて使用される時に、用語は、事象または状況が正確に生じる場合、ならびに事象または状況が本明細書で説明される製造方法の典型的な許容レベルを計上すること等の近似概算に生じる場合を指すことができる。
【0017】
本明細書で使用されるように、「随意的な」および「随意で」という用語は、後に説明された事象または状況が生じても生じなくてもよいことと、説明が事象または状況が生じる場合、および生じない場合を含むこととを意味する。
【0018】
本明細書で使用されるように、「内側」、「内部」、「外側」、「外部」、「最上部」、「底部」、「上部」、「上向きに」、「下部」、「下向きに」、「垂直」、「垂直に」、「横の」、「横方向に」、「上側」、および「下側」等の相対的用語は、図面によるように、相互に対する一式の物体の配向を指すが、製造または使用中に、これらの物体の特定の配向を必要としない。
【0019】
本明細書で使用されるように、「サブナノメートルの範囲」または「サブnmの範囲」とは、約0.1nmから約1nm等の約1nm未満の寸法の範囲を指す。
【0020】
本明細書で使用されるように、「ナノメートル範囲」または「nm範囲」とは、約1nmから約1マイクロメートル(「μm」)の寸法の範囲を指す。nm範囲は、約1nmから約10nmの寸法の範囲を指す「下方nm範囲」、約10nmから約100nmの寸法の範囲を指す「中間nm範囲」、および約100nmから約1μmの寸法の範囲を指す「上方nm範囲」を含む。
【0021】
本明細書で使用されるように、「マイクロメートル範囲」または「μm範囲」という用語は、約1μmから約1mmの寸法の範囲を指す。μm範囲は、約1μmから約10μmの寸法の範囲を指す「下方μm範囲」、約10μmから約100μmの寸法の範囲を指す「中間μm範囲」、および約100μmから約1mmの寸法の範囲を指す「上方μm範囲」を含む。
【0022】
本明細書で使用されるように、「アスペクト比」とは、物体の最大寸法または範囲と物体の残りの寸法または範囲との平均の比を指し、残りの寸法は、相互に対して、または最大寸法に対して直交する。場合によっては、物体の残りの寸法は、実質的に同じとなり得て、残りの寸法の平均は、残りの寸法のうちのいずれか一方に実質的に対応することができる。例えば、円柱のアスペクト比は、円柱の長さおよび円柱の断面直径の比を指す。別の実施例として、回転楕円体のアスペクト比は、回転楕円体の主軸および回転楕円体の短軸の比を指す。
【0023】
本明細書で使用されるように、「ナノサイズの添加物」という用語は、nm範囲内に少なくとも1つの寸法を有する添加物を指す。ナノサイズの添加物は、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の材料で形成することができる。ナノサイズの添加物の実施例は、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノ粒子を含む。
【0024】
本明細書で使用されるように、「ナノワイヤ」とは、実質的に中実である、細長いナノサイズの添加物を指す。典型的には、ナノワイヤは、nm範囲内の横寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)、μm範囲内の縦寸法(例えば、長さ)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0025】
本明細書で使用されるように、「ナノチューブ」という用語は、細長い中空でナノサイズの添加物を指す。典型的には、ナノチューブは、nm範囲内の横寸法(例えば、幅、外径、または直交方向にわたる平均を表す幅または外径の形態である断面寸法)、μm範囲内の縦寸法(例えば、長さ)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0026】
本明細書で使用されるように、「ナノ粒子」という用語は、回転楕円体でナノサイズの添加物を指す。典型的には、ナノ粒子の各寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)は、nm範囲内であり、ナノ粒子は、約1等の約3未満であるアスペクト比を有する。
【0027】
本明細書で使用されるように、「ミクロンサイズの添加物」という用語は、μm範囲内の少なくとも1つの寸法を有する添加物を指す。典型的には、ミクロンサイズの添加物の各寸法は、μm範囲内であるか、またはμm範囲を越える。ミクロンサイズの添加物は、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の材料で形成することができる。ミクロンサイズの添加物の実施例は、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、およびマイクロ粒子を含む。
【0028】
本明細書で使用されるように、「マイクロワイヤ」という用語は、実質的に中実である細長いミクロンサイズの添加物を指す。典型的には、マイクロワイヤは、μm範囲内の横寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0029】
本明細書で使用されるように、「マイクロチューブ」という用語は、細長い中空でミクロンサイズの添加物を指す。典型的には、マイクロチューブは、μm範囲内の横寸法(例えば、幅、外径、または直交方向にわたる平均を表す幅または外径の形態である断面寸法)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0030】
本明細書で使用されるように、「マイクロ粒子」という用語は、回転楕円体でミクロンサイズの添加物を指す。典型的には、マイクロ粒子の各寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)は、μm範囲内であり、マイクロ粒子は、約1等の約3未満であるアスペクト比を有する。
【0031】
(表面埋め込み添加物を有する構造)
本明細書で説明される表面埋め込み構造は、導電性添加物の組み込みを介して電気伝導度を獲得しようとする他の考えられるアプローチとは異なる。3つの他のアプローチが図1Aから図1Cに図示され、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gを参照して図示および説明される改良型表面埋め込み構造と対比される。
【0032】
図1Aは、添加物102が基板104の大部分の全体を通して混合される構造100を描写する。図1Bは、添加物108が、基板112の上に配置される(添加物108とともに)被覆110の全体を通して混合される構造106を描写する。図1Cは、添加物116が基板118の上に表面的に、または表面堆積させられる構造114を描写し、そのような構成は、表面堆積された添加物116の基板118への不良な付着を有する。
【0033】
対照的に、図1Dから図1Hは、本発明の実施形態に従って実装される種々の表面埋め込み構造120、122、124、126、および128を描写する。図1Dは、部分的に露出され、基板に対応する母材132の最上部の埋め込み表面134に部分的に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物130の概略図である。図1Dに図示されるように、添加物130網は、埋め込み表面134に隣接し、母材132の埋め込み領域138内に局所化され、残りの母材132は、大部分が添加物130を欠いている。図示した実施形態では、埋め込み領域138は、比較的薄く(例えば、母材132の全体的な厚さよりも小さいか、またははるかに小さい厚さを有するか、あるいは添加物130の特徴的な寸法に匹敵する厚さを有する)、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。あるポリマーまたはポリマー含有複合材料等の母材132の適正な選択を介して、基板は、透明および可撓性、ならびに軽量であり得る。しかしながら、基板が標識されるように透明または可撓性である必要がない他の実施形態を実装することができる。表面埋め込み構造120(ならびに本明細書で説明される他の表面埋め込み構造)は、従来の構造よりもはるかに平滑であり得る。粗度が隣接するデバイス層への侵入および他の望ましくない効果につながり得るので、高い平滑度(例えば、低い粗度)が、例えば、太陽電池およびディスプレイで使用されるTCEにとって望ましくなり得る。
【0034】
図1Eは、基板に対応する母材142の最上部の埋め込み表面140に完全に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物136の概略図である。図1Eに図示されるように、添加物136の網は、埋め込み表面140に隣接し、母材142の埋め込み領域144内に局所化され、残りの母材142は、大部分が添加物136を欠いている。図示した実施形態では、埋め込み領域144は、比較的薄く(例えば、母材142の全体的な厚さよりも小さいか、またははるかに小さい厚さを有するか、あるいは添加物136の特徴的な寸法に匹敵する厚さを有する)、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。そのようにして、添加物136の網は、ある比較的に均一な距離で埋め込み表面140の下に完全に埋め込まれるにもかかわらず、実質的に平面的な構成にとどまることができる。あるポリマーまたはポリマー含有複合材料等の母材142の適正な選択を介して、基板は、透明および可撓性、ならびに軽量であり得る。しかしながら、基板が標識されるように透明または可撓性である必要がない他の実施形態を実装することができる。
【0035】
図1Fは、基板に対応する母材150の最上部の埋め込み表面148に完全に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物146の概略図である。図1Fに図示されるように、添加物146の網は、埋め込み表面148に隣接し、母材150の埋め込み領域152内に限局され、残りの母材150は、大部分が添加物146を欠いている。図示した実施形態では、埋め込み領域152の厚さは、添加物146の特徴的な寸法(例えば、添加物146のうちの個々の1つの断面直径、または添加物146にわたる平均断面直径)よりも大きいが、依然として母材150の全体的な厚さよりも小さい(または、はるかに小さい)。添加物146は、複数の層として埋め込み領域152内に分配または配設することができ、特定の層の添加物146は、埋め込み表面148の下に完全に埋め込まれるにもかかわらず、依然として実質的に平面的な構成のままである。図1Fに図示されていないものの、別の実装が図1Fと同様となるが、添加物146の網が母材150の埋め込み表面148において部分的に露出されることに留意されたい。
【0036】
図1Gは、部分的に露出され、基板160の上に配置される被覆あるいはスラリーまたはペースト等の他の二次材料に対応する、母材158の最上部の埋め込み表面156に完全に埋没される網を形成する表面埋め込み添加物154の概略図である。図1Gに図示されるように、添加物154の網は、埋め込み表面156に隣接し、母材158の埋め込み領域162内に限局され、残りの母材158は、大部分が添加物154を欠いている。また、添加物154の特徴的な寸法に匹敵する比較的薄い被覆の場合等において、添加物154は、母材158内のより大きい体積分率の全体を通して分配できることが検討される。図示した実施形態では、埋め込み領域162は、比較的薄く、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。図1Gに図示されていないものの、別の実装が図1Gと同様となるが、添加物154の網が母材158の埋め込み表面156より下側に完全に埋め込まれることに留意されたい。
【0037】
図1Hは、秩序あるパターンを形成するように、母材166を横断して限局される網を形成する表面埋め込み添加物164の概略図である。添加物164の網は、最上部の埋め込み表面168に部分的に埋め込み、母材166の埋め込み領域162内に限局することができ(例えば、図1Dおよび図1Gと同様である)、埋め込み表面168より下側に完全に埋め込むことができ(例えば、図1Eおよび図1Fと同様である)、またはそれらの組み合わせであるが、網は、母材166を横断する方向には均一に位置しないが、むしろパターン化される。格子パターンが図1Hに図示されているが、パターンは一般に、非周期的(または周期的ではない、ランダムな)パターン、ならびにダイヤモンドパターン、正方形パターン、長方形パターン、三角形パターン、種々の多角形パターン、波形パターン、角度パターン、相互接続パターン(例えば、電子デバイス、ディスプレイ、太陽電池パネル、バッテリまたはウルトラキャパシタ等のエネルギー貯蔵デバイスの形態である)、またはそれらの任意の組み合わせ等の周期的パターンを含むことができることに留意されたい。図1Iは、パターンの形成が生じるが、個々の「直線」状区分の構成が、図1Dから図1Gおよび以下の図2で図示される構成のうちのいずれか、または構成の組み合わせと同様である表面埋め込み添加物を含むことをパターンの「直線」状区分の拡大図が明らかにすることを図示する。添加物164(ならびに図1Dから図1Gおよび以下の図2で図示される添加物)は、望ましくは、平均でパターンの特徴的な長さ(例えば、個々の「直線」状区分の長さ)よりも短い縦寸法、平均でパターンの特徴的な幅(例えば、個々の「直線」状区分の幅)よりも長い縦寸法、または両方を有する、銀(またはAg)ナノワイヤ、銅(またはCu)ナノワイヤ、あるいはそれらの組み合わせ等の金属ナノワイヤを含む。他の種類の添加物および添加物の他の組み合わせもまた、銀ナノ粒子のような金属ナノ粒子を含む、ナノ粒子等の金属ナノワイヤの代わりに、またはそれと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、添加物164は、タッチスクリーンデバイスおよびスマートウィンドウ等のデバイスで使用するための相互接続または相互接続格子としての機能を果たすことができる、実線を形成するように焼結するか、または別様に融合することができる。そのような実施形態は、増進した耐久性を含み、層間剥離しやすくなり得る、かつ伝導度を阻害し得る、または抵抗を増加させ得る被覆または他の結合材料の省略を可能にする、従来のアプローチに優るいくつかの利点を提供する。
【0038】
表面埋め込み構造の他の構成が、図2Aから図2Gに図示されている。図2Aから図2Gに図示される表面埋め込み構造のある側面は、図1Dから図1Hにおいて上記で図示および説明されるものと同様に実装することができ、これらの側面は、以下で繰り返されない。
【0039】
図2Aは、網が、異なる種類のナノワイヤ、異なる種類のナノチューブ、またはそれらの組み合わせの形態で、少なくとも2つの異なる種類の添加物200および202を含む網を形成する表面埋め込み添加物の概略図である。一般に、添加物200および202は、例えば、それらの寸法、形状、材料組成、またはそれらの組み合わせに関して異なり得る。図2Aに図示されるように、添加物200および202は、層状配設等の特定の配設において埋め込み領域204内に限局される。各層は主に、それぞれの異なる種類の添加物を含むことができるが、異なる種類の添加物が層の間を横断することもできる。添加物200および202のそのような層状配設はまた、異なる埋め込み領域について説明することもでき、それは、それぞれの異なる種類の添加物が、それぞれの埋め込み領域内に限局されている。添加物200および202は、完全に埋め込まれたものとして図示されているが、添加物200および202のうちの少なくともいくらかを部分的に埋め込むか、または表面を露出させることができることが企図される。図2Bは、図2Aと同様の概略図であるが、異なる種類のナノ粒子の形態である少なくとも2つの異なる種類の添加物206および208を有する。また、ナノワイヤおよびナノチューブのいずれか一方または両方と組み合わせて、ナノ粒子を含むことができることも企図される。さらに、特定の種類の添加物に関して本明細書で説明される他の実施形態を、異なる種類の添加物を用いて実装できることが企図される。添加物206および208は、完全に埋め込まれたものとして図示されているが、添加物206および208のうちの少なくともいくらかを部分的に埋め込むか、または表面を露出させることができることが企図される。
【0040】
図2Cは、基板に対応する母材212に部分的に埋め込まれる表面埋め込み添加物210の概略図であり、被覆214は、添加物210を完全に覆うか、または図2Cに図示されるように部分的に露出されたままにして、添加物210の周囲の少なくとも1つの層を埋める。被覆214は、母材212(または本明細書で説明される他の母材)と同一または同様の組成を有することができ、または、太陽電池用のTCEとの関連で仕事関数を調整する緩衝層としての機能を果たすように、あるいは表面埋め込み添加物210によって提供される伝導性経路の代わりに、またはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供するように、導電性材料または半導体(例えば、ITO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、その他のドープした金属酸化物、導電性または半導体ポリマー、カーボンナノチューブベースの被覆等のフラーレンベースの被覆、または透明である別の導電性材料)を使用して実装される場合等に、付加的または修正の機能性を提供するように異なる組成を有することができる。ITOの場合、例えば、表面埋め込み添加物210の存在は、低減した量のITOが使用されることを可能にすることによって、コスト節減を提供し、したがって、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、約10nm以下、および約5nm以下まで等の、約100nm以下の厚さ等の(添加物210がない場合に対して)被覆214の低減した厚さを提供することができる。加えて、表面埋め込み添加物210の存在は、低温硬化を伴うITOの溶液堆積を(スパッタリングの代わりに)可能にすることができる。結果として生じる比較的低い伝導度のITO層が、依然として仕事関数適合を満たすことができる一方で、添加物210は、高温硬化を伴わない溶液堆積されたITOによって示される、伝導度の低減を軽減することができる。添加物210は、パターン(例えば、格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他のパターン)で配設することができ、被覆214は、添加物210を完全に覆うよう、または部分的に露出されたままにして、実質的に合致するパターン(例えば、合致する格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他の合致するパターン)で形成できることが検討される。
【0041】
図2Dは、図1Dと同様の概略図であるが、ナノワイヤ218(または他の高アスペクト比添加物)と組み合わせて表面に埋め込まれ、「平面的」または「平面状」埋め込み領域222内に限局される、ナノ粒子216を伴う。示されていないが、ナノ粒子216およびナノワイヤ218のいずれか一方または両方は、(例えば、図1Eまたは図1Fに図示される構成と同様に)最上部の埋め込み表面220より完全に下側にあり得る。
【0042】
図2Eは、図1Dと同様の概略図であるが、異なる種類のナノワイヤ、異なる種類のナノチューブ、またはナノワイヤおよびナノチューブの組み合わせの形態である少なくとも2つの異なる種類の添加物224および226を有する。示されていないが、添加物224および226のいずれか一方または両方は、(例えば、図1Eまたは図1Fに図示される構成と同様に)最上部の埋め込み表面228より完全に下側にあり得る。
【0043】
図2Fは、膜の形態であるもの等の母材230の概略図であり、母材230は、母材230の両側に添加物が埋め込まれている。具体的には、添加物232が、母材230の最上部の埋め込み表面236に少なくとも部分的に埋め込まれ、最上部の埋め込み表面236に隣接し、母材230の埋め込み領域240内に限局される一方で、添加物234は、母材230の底部の埋め込み表面238に少なくとも部分的に埋め込まれ、底部の埋め込み表面238に隣接し、母材230の埋め込み領域242内に限局される。母材230の任意の特定の側面について、母材230の中の添加物の埋め込み、または異なる種類の添加物の包含の程度は、上記で、後に以下で説明されるのと同様に実装できることが検討される。さらに、添加物は、母材230の外側面のうちのいずれか1つ以上等の母材230の付加的な表面に埋め込むことができることが検討される。
【0044】
図2Fに図示される表面埋め込み構造は、例えば、エネルギー貯蔵デバイスに対して有用となり得て、母材230は、固体ポリマー電解質材料を含み、添加物232および234は、一対の電極または電流コレクタとしての機能を果たし、ナノ粒子、マイクロ粒子、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、ナノチューブ、マイクロチューブ、または他の形態、あるいはそのような形態の組み合わせの形態である、炭素、金属、金属酸化物、カーボンブラック、グラフェン、またはそれらの組み合わせ等の導電性材料を含む。図2Fに図示される表面埋め込み構造はまた、例えば、タッチスクリーンデバイスに対して有用となり得て、添加物232および234は、一対の電極としての機能を果たし、添加物232および234の間の母材230の領域は、薄膜セパレータとしての機能を果たす。
【0045】
図2Gは、図2Cと同様の概略図であるが、基板248の上に配置された被覆に対応する、母材246に部分的に埋め込まれる表面埋め込み添加物244を伴い、別の被覆250が、添加物244の周囲の少なくとも1つの層を埋め、添加物244を完全に覆うか、または図2Gに図示されるように部分的に露出されたままにして、添加物244に電気的に連結される。添加物244を完全に覆うことによって、被覆250の結果として生じる表面は、極めて平滑である(例えば、添加物244がない場合の被覆250の固有の平滑度または粗度に実質的に匹敵する、平滑度または粗度を有する)。被覆250は、母材246(または本明細書で説明される他の母材)と同じまたは同様の組成を有することができ、または、太陽電池用のTCEとの関連で仕事関数を調整する緩衝層としての機能を果たすように、あるいは表面埋め込み添加物244によって提供される伝導性経路の代わりに、またはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供するように、導電性材料または半導体(例えば、ITO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、他のドープした金属酸化物、導電性または半導体ポリマー、カーボンナノチューブベースの被覆等のフラーレンベースの被覆、または透明である別の導電性材料)を使用して実装される時等に、付加的または修正機能性を提供するように異なる組成を有することができる。ITOの場合、例えば、表面埋め込み添加物244の存在は、低減した量のITOが使用されることを可能にすることによって、コスト節減を提供し、したがって、約75nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、約10nm以下、および約5nm以下まで等の、約100nm以下の厚さ等の(添加物244の欠如に対する)被覆250の低減した厚さを提供することができる。加えて、表面埋め込み添加物244の存在は、低温硬化を伴うITOの溶液堆積を(スパッタリングの代わりに)可能にすることができる。結果として生じる比較的低い伝導度ITO層が、依然として仕事関数合致を満たすことができる一方で、添加物244は、高温硬化を伴わない溶液堆積されたITOによって示される、伝導度の低減を軽減することができる。添加物244は、パターン(例えば、格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他のパターン)で配設することができ、被覆250は、添加物244を完全に覆うよう、または部分的に露出されたままにして、実質的に合致するパターン(例えば、合致する格子パターンまたは図1Hについて上述されるもの等の任意の他の合致するパターン)で形成できることが検討される。
【0046】
本明細書で説明される、ある表面埋め込み構造の一側面は、母材の中の垂直添加物濃度勾配の提供、すなわち、母材の厚さの方向に沿った、そのような勾配である。(例えば、図1Aに図示されるような)バルク組み込みは、母材の全体を通して均一な垂直添加物濃度勾配を提供することを目標とするが、凝集および他の効果が、そのような均一な勾配が実践で達成されるのを妨げる場合がある。(例えば、図1Bに図示されるような)従来の被覆実装について、垂直添加物濃度勾配は、被覆と基礎的な基板との間に存在することができるが、バルク組み込みと同様に、従来の被覆実装は、被覆の全体を通して均一な垂直添加物濃度勾配を提供することを目標とする。対照的に、表面埋め込み構造は、母材の埋め込み領域内の添加物の局在性に従って、可変で制御可能な垂直添加物濃度勾配を可能にする。ある実装について、埋め込み領域内の添加物の局在性の程度は、添加物の少なくとも大部分(重量、容量、数密度で)が埋め込み領域内に埋め込まれ、添加物の少なくとも60%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、添加物の少なくとも70%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、添加物の少なくとも80%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、または添加物の少なくとも90%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれ、または添加物の少なくとも95%(重量、容量、数密度で)がそのように含まれるようなものである。例えば、添加物の実質的に全ては、残りの母材が添加物を実質的に欠いているように、埋め込み領域内に限局することができる。
【0047】
一般に、添加物は、ナノサイズの添加物、ミクロンサイズの添加物、ならびにnm以下の範囲内でサイズ決定される添加物の形態であり得る、導電性材料、半導体、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、少なくとも1つの添加物は、約0.1nmから約1mmの範囲内の断面寸法を有することができる(または添加物の集団が平均断面寸法を有することができる)。いくつかの実施形態では、断面寸法(または平均断面寸法)は、約1nmから約100nm、約1nmから約20nm、約20nmから約100nm、約1nmから約50ミクロン、約100nmから約1ミクロン、約1nmから約100ミクロン、または約500nmから約50ミクロンの範囲内である。いくつかの実施形態では、実質的に全ての添加物は、約0.1nmから約1mm、または約0.1nmから約100ミクロンの範囲内の断面寸法を有する。
【0048】
導電性材料の実施例は、金属(例えば、銀、銅、および金)、金属合金、炭素ベースの導体(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン、およびバッキーボール)、随意でドープされる金属酸化物(例えば、ITO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、および他のドープした金属酸化物)、導電性ポリマー、およびそれらの任意の組み合わせを含む。半導体材料の実施例は、半導体ポリマー、IVB族元素(例えば、炭素(またはC)、シリコン(またはSi)、およびゲルマニウム(またはGe))、IVB−IVB族二元合金(例えば、炭化ケイ素(またはSiC)およびシリコンゲルマニウム(またはSiGe))、IIB−VIB族二元合金(例えば、セレン化カドミウム(またはCdSe)、硫化カドミウム(またはCdS)、テルル化カドミウム(またはCdTe)、酸化亜鉛(またはZnO)、セレン化亜鉛(またはZnSe)、テルル化亜鉛(またはZnTe)、および硫化亜鉛(またはZnS))、IIB−VIB族三元合金(例えば、テルル化カドミウム亜鉛(またはCdZnTe)、テルル化カドミウム水銀(またはHgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(またはHgZnTe)、およびセレン化水銀亜鉛(またはHgZnSe))、IIIB−VB族二元合金(例えば、アンチモン化アルミニウム(またはAlSb)、ヒ化アルミニウム(またはAlAs)、窒化アルミニウム(またはAlN)、リン化アルミニウム(またはAlP)、窒化ホウ素(またはBN)、リン化ホウ素(またはBP)、ヒ化ホウ素(またはBAs)、アンチモン化ガリウム(またはGaSb)、ヒ化ガリウム(またはGaAs)、窒化ガリウム(またはGaN)、リン化ガリウム(またはGaP)、アンチモン化インジウム(またはInSb)、ヒ化インジウム(またはInAs)、窒化インジウム(またはInN)、リン化インジウム(またはInP))、IIIB−VB族三元合金(例えば、ヒ化アルミニウムガリウム(またはAlGaAsあるいはAlxGa1−xAs)、ヒ化インジウムガリウム(またはInGaAsあるいはInxGa1−xAs)、リン化インジウムガリウム(またはInGaP)、ヒ化アルミニウムインジウム(またはAlInAs)、アンチモン化アルミニウムインジウム(またはAlInSb)、窒化ガリウムヒ素(またはGaAsN)、リン化ガリウムヒ素(またはGaAsP)、窒化アルミニウムガリウム(またはAlGaN)、リン化アルミニウムガリウム(またはAlGaP)、窒化インジウムガリウム(またはInGaN)、アンチモン化インジウムヒ素(またはInAsSb)、およびアンチモン化インジウムガリウム(またはInGaSb))、IIIB−VB族四元合金(例えば、リン化アルミニウムガリウムインジウム(またはAlGaInP)、リン化アルミニウムガリウムヒ素(またはAlGaAsP)、リン化インジウムガリウムヒ素(またはInGaAsP)、リン化アルミニウムインジウムヒ素(またはAlInAsP)、窒化アルミニウムガリウムヒ素(またはAlGaAsN)、窒化インジウムガリウムヒ素(またはInGaAsN)、窒化インジウムアルミニウムヒ素(またはInAlAsN)、および窒化ガリウムヒ素アンチモニド(またはGaAsSbN))、およびIIIB−VB族五元合金(例えば、アンチモン化ガリウムインジウム窒化物ヒ素(またはGaInNAsSb)およびリン化ガリウムインジウムヒ素アンチモニド(またはGaInAsSbP))、IB−VIIB族二元合金(例えば、塩化第一銅(またはCuCl))、IVB−VIB族二元合金(例えば、セレン化亜鉛(またはPbSe)、硫化鉛(またはPbS)、テルル化鉛(またはPbTe)、硫化スズ(またはSnS)、およびテルル化スズ(またはSnTe))、IVB−VIB族三元合金(例えば、テルル化鉛スズ(またはPbSnTe)、テルル化タリウムスズ(またはTl2SnTe5)、テルル化タリウムゲルマニウム(またはTl2GeTe5))、VB−VIB族二元合金(例えば、テルル化ビスマス(またはBi2Te3))、IIB−VB族二元合金(例えば、リン化カドミウム(またはCd3P2)、ヒ化カドミウム(またはCd3As2)、アンチモン化カドミウム(またはCd3Sb2)、リン化亜鉛(またはZn3P2)、ヒ化亜鉛(またはZn3As2)、およびアンチモン化亜鉛(またはZn3Sb2))、およびIB族(または11族)元素、IIB族(または12族)元素、IIIB族(または13族)元素、IVB族(または14族)元素、VB族(または15族)元素、VIB族(または16族)元素、およびセレン化銅インジウムガリウム(またはCIGS)等のVIIB族(または17族)元素の他の二元、三元、四元、または高次の合金、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。
【0049】
添加物は、例えば、ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノチューブ(例えば、多重壁のナノチューブ(「MWNT」)、単一壁のナノチューブ(「SWNT」)、二重壁のナノチューブ(「DWNT」)、黒鉛化または修正ナノチューブ)、フラーレン、バッキーボール、グラフェン、マイクロ粒子、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、コアシェルナノ粒子またはマイクロ粒子、コアマルチシェルナノ粒子またはマイクロ粒子、コアシェルナノワイヤ、および実質的に管状、立方体、または錐体であり、非結晶質、結晶質、正方晶、六方晶、三方晶、斜方晶、単斜晶、または三斜晶、あるいはそれらの任意の組み合わせとして特徴付けられる形状を有する、他の添加物を含むことができる。
【0050】
コアシェル粒子およびコアシェルナノワイヤの実施例は、金属、金属合金、金属酸化物、炭素、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、銀、銅、金、白金、ZnO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、TiO2、ITO、グラフェン、および本明細書で好適な添加物として記載される他の材料)で形成されるシェルとともに、強磁性コア(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ならびにこれらの元素のうちの1つ以上で形成された酸化物および合金)を有するものを含む。コアシェルナノワイヤの特定の実施例は、Agコア、および銀コアの酸化を低減または防止するように銀コアを方位するAuシェル(または白金シェルあるいは別の種類のシェル)を有するものである。
【0051】
添加物はまた、導電性材料および半導体の代わりに、またはそれと組み合わせて、例えば、メタマテリアル等の機能的作用物質を含むこともできる。メタマテリアル、および独特の電磁特性を有する関連人工複合構造は、例えば、分割リング共振器、リング共振器、遮蔽デバイス、ナノ構造化反射防止層、高吸収層、完璧なレンズ、集光器、マイクロ集光器、電磁エネルギーの集束器、連結器、および同等物を含むことができる。添加物はまた、例えば、赤外線放射、紫外線放射、X線放射のうちのいずれか1つ以上等の電磁放射を反射、吸収、または散乱する材料を含むことができる。そのような材料は、例えば、Au、Ge、TiO2、Si、Al2O3、CaF2、ZnS、GaAs、ZnSe、KCl、ITO、酸化スズ、ZnO、MgO、CaCO3、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン系光安定剤、シアノアクリレート、サリチル型化合物、Ni、Pb、Pd、Bi、Ba、BaSO4、鋼鉄、U、Hg、金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。添加物に対する材料の付加的な実施例は、PbSO4、SnO2、Ru、As、Te、In、Pt、Se、Cd、S、Sn、Zn、二セレン化銅インジウム(「CIS」)、Cr、Ir、Nd、Y、セラミック(例えば、ガラス)、シリカ、有機蛍光染料、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0052】
添加物はまた、例えば、ポリマー含有ナノチューブ、ポリマー含有ナノ粒子、ポリマー含有ナノワイヤ、半導体ナノチューブ、絶縁ナノチューブ、ナノアンテナ、強磁性材料で形成された添加物、強磁性コアおよび高度に伝導性のシェルで形成された添加物、有機金属ナノチューブ、金属ナノ粒子またはマイクロ粒子、圧電材料で形成された添加物、量子ドットで形成された添加物、ドーパントを有する添加物、光学集中および捕獲構造、光学レクテナ、ナノサイズの薄片、ナノ同軸構造、導波路構造、金属ナノ結晶、半導体ナノ結晶、ならびに多色染色剤で形成された添加物、酸化物、ケモクロミック剤、合金、ピエゾクロミック剤、サーモクロミック剤、フォトクロミック剤、エレクトロクロミック剤、メタマテリアル、硝酸銀、マグネトクロミック剤、毒素中和剤、芳香剤、触媒、湿潤剤、塩、ガス、液体、コロイド、懸濁液、乳液、耐紫外線剤、発光剤、抗菌剤、静電気防止剤、ベヘントリモニウムクロリド、コカミドプロピルベタイン、リン酸エステル、フェニルエチレングリコールエステル、ポリオール、ジノニルナフチルスルホン酸、ルテニウム金属有機染料、酸化チタン、傷防止剤、グラフェン、銅フタロシアニン、指紋防止剤、防曇剤、耐紫外線剤、着色剤、反射防止剤、耐赤外線剤、高反射率剤、光学濾過剤、香料、脱臭剤、樹脂、潤滑剤、可溶化剤、安定剤、界面活性剤、蛍光剤、活性炭、トナー剤、回路要素、絶縁体、導体、伝導性流体、磁気添加物、電子添加物、プラズモン添加物、誘電添加物、共振添加物、発光性分子、蛍光性分子、空洞共振器、冷陰極、電極、ナノピラミッド、共振器、センサ、アクチュエータ、トランスデューサ、トランジスタ、レーザ、発振器、光検出器、フォトニッック結晶、共役ポリマー、非線形要素、複合材料、多層、科学的不活性剤、位相偏移構造、増幅器、変調器、スイッチ、太陽電池、発光ダイオード、連結器、粘着防止およびスリップ防止剤(例えば、珪藻土、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、およびケイ酸塩)、スリップ剤および潤滑剤(例えば、脂肪酸アミド、エルカミド、オレアミド、脂肪酸エステル、ステアリン酸金属塩、ワックス、およびアミド混合物)、酸化防止剤(例えば、アミン、フェノール成分、有機リン酸塩、チオエステル、および不活性化剤)、静電気防止剤(例えば、陽イオン性静電気防止剤、第四アンモニウム塩および化合物、ホスホニウム、スルホニウム、陰イオン性静電気防止剤、導電性ポリマー、アミン、および脂肪酸エステル)、殺生物剤(例えば、10,10’−オキシビスフェノキサルシン(またはOBPA)、アミンで中和したリン酸塩、亜鉛2−ピリジンチアノール−1−オキシド(または亜鉛OMADINE)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、DCOIT、TRICLOSAN、CAPTAN、およびFOLPET)、光安定剤(例えば、紫外線吸収剤、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、安息香酸塩、ニッケル有機錯体、ヒンダードアミン系光安定剤(またはHALS)、およびニッケル含有化合物)、導電性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(またはPPV)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フルオレン)、ポリナフタレン、メラニン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(またはPEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸塩)(またはPSS)、PEDOT−PSS、PEDOTポリメタクリル酸(またはPEDOT−PMA)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(またはP3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(またはP3OT)、ポリ(C−61−酪酸メチルエステル)(またはPCBM)、およびポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](またはMEH−PPV))、本明細書で好適な母材として記載される任意の材料、またはそれらの任意の組み合わせを含むこともできる。
【0053】
ある実装について、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびそれらの組み合わせの形態等である高アスペクト比添加物が望ましい。例えば、望ましい添加物は、炭素または他の材料で形成されたナノチューブ(例えば、MWNT、SWNT、黒鉛化MWNT、黒鉛化SWNT、修正MWNT、修正SWNT、およびポリマー含有ナノチューブ)、金属、金属酸化物、金属合金、または他の材料で形成されたナノワイヤ(例えば、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ(ドープされていないか、または、例えば、アルミニウム、ホウ素、フッ素、およびその他によってドープされた)、酸化スズナノワイヤ(ドープされていないか、または、例えば、フッ素によってドープされた)、酸化カドミウムスズナノワイヤ、ITOナノワイヤ、ポリマー含有ナノワイヤ、およびAuナノワイヤ)、ならびに導電性または半導体であり、球状、錐体、または他の形状であろうと、種々の形状を有する他の材料を含む。添加物の付加的な実施例は、活性炭、グラフェン、カーボンブラック、Ketjen black、および金属、金属酸化物、金属合金、または他の材料(例えば、Agナノ粒子、Cuナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、ITOナノ粒子、およびAuナノ粒子)で形成されたナノ粒子で形成されたものを含む。
【0054】
一般に、母材は、種々の形状およびサイズを有することができ、透明、半透明、または不透明となり得て、可撓性、屈曲可能、折り畳み可能、または剛性となり得て、電磁的に不透明または電磁的に透明となり得て、導電性、半導体、または絶縁性であり得る。母材は、基板の形態であり得るか、または基板もしくは別の材料の上に配置された被覆あるいは複数の被覆の形態であり得る。好適な母材の実施例は、有機材料、無機材料、およびハイブリッド有機・無機材料を含む。例えば、母材は、ポリオレフィン、ポリエチレン(またはPE)、ポリプロピレン(またはPP)、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニル、フッ素重合体、ポリマー、ポリカーボネート(またはPC)、ポリスルホン、ポリ乳酸、アリルジグリコールカーボネートに基づくポリマー、ニトリルベースのポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(またはABS)、フェノキシベースのポリマー、フェニレンエーテル/オキシド、プラスチゾル、オルガノゾル、プラスターチ材料、ポリアセタール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、スチレン無水マレイン酸に基づくポリマー、ポリアリルジグリコールカーボネートモノマーに基づくポリマー、ビスマレイミドベースのポリマー、ポリフタル酸アリル、熱可塑性ポリウレタン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、コポリエステル(例えば、TritanTMという商標の下で入手可能である)、ポリ塩化ビニル(またはPVC)、アクリルベースのポリマー、ポリエチレンテレフタレートグリコール(またはPETG)、ポリエチレンテレフタレート(またはPET)、エポキシ、エポキシ含有樹脂、メラミンベースのポリマー、シリコーンおよびシリコン含有ポリマー(例えば、ポリシランおよびポリシルセスキオキサン)、酢酸塩に基づくポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン−三フッ化エチレン)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸ポリエステル、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸(またはPGA)、ポリグリコリド、ポリ乳酸(またはPLA)、ポリ乳酸プラスチック、ポリフェニレンビニレン、導電性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(またはPPV)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フルオレン)、ポリナフタレン、メラニン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(またはPEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸塩)(またはPSS)、PEDOT−PSS、PEDOT−ポリメタクリル酸(またはPEDOT−PMA)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(またはP3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(またはP3OT)、ポリ(C−61−酪酸メチルエステル)(またはPCBM)、およびポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](またはMEH−PPV))、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、コポリエステル、ポリ(メタクリル酸メチル)共重合体、テトラフルオロエチレンベースのポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン共重合体、イオノマー、フッ素化イオノマー、ポリマー電解質膜に対応する、または含まれるポリマー、エタンスルホニルフルオリドベースのポリマー、2−[1−[ジフルオロ−[(トリフルオロエチル)オキシ]メチル]−1,2,2,2−トリフルオロエトキシ]−1,1,2,2,−テトラフルオロ−(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクタンスルホン酸共重合体を有する)に基づくポリマー、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、フッ化ビニリデンに基づくポリマー、トリフルオロエチレンに基づくポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン)、ポリフェニレンビニレン、銅フタロシアニンに基づくポリマー、グラフェン、ポリ(フマル酸プロピレン)、セロファン、銅アンモニアベースのポリマー、レーヨン、およびバイオポリマー(例えば、酢酸セルロース(またはCA)、酢酸酪酸セルロース(またはCAB)、酢酸プロピオン酸セルロース(またはCAP)、プロピオン酸セルロース(またはCP)、尿素、木、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、ニトロセルロース、プラスターチ、セルロイド、竹、生物由来のポリエチレン、カルボジイミド、軟骨、称賛セルロース、セルロース、キチン、キトサン、結合組織、銅フタロシアニン、綿セルロース、エラスチン、グリコサミノグリカン、リネン、ヒアルロン酸、ニトロセルロース、紙、羊皮紙、プラスターチ、澱粉、澱粉ベースのプラスチック、フッ化ビニリデン、およびビスコースに基づくポリマー、または任意のモノマー、共重合体、混合物、またはそれらの他の組み合わせから選択されるような、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、またはそれらの共重合体あるいは他の組み合わせを含むことができる。好適な母材の付加的な実施例は、セラミック(例えば、SiO2ベースのガラス、SiOxベースのガラス、TiOxベースのガラス、SiOxベースのガラスの他のチタン、セリウム、マンガン類似体、スピンオンガラス、ゾル・ゲル処理から形成されたガラス、シラン前駆体、シロキサン前駆体、ケイ酸前駆体、オルトケイ酸テトラエチル、シラン、シロキサン、リンケイ酸塩、スピンオンガラス、ケイ酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ガラス前駆体、セラミック前駆体、シルセスキオキサン、金属シルセスキオキサン、かご型シルセスキオキサン、ハロシラン、ポリイミド、PMMAフォトレジスト、ゾル・ゲル、シリコン酸素水素化物、シリコーン、スタノキサン、シラチアン、シラザン、メタロセン、二塩化チタノセン、二塩化バナドセン、および他の種類のガラス)、セラミック前駆体、ポリマー・セラミック複合材料、ポリマー・木複合材料、ポリマー・炭素複合材料(例えば、Ketjen black、活性炭、カーボンブラック、グラフェン、および他の形態の炭素で形成された)、ポリマー・金属複合材料、ポリマー・酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0055】
母材は、例えば、n型にドープするか、p型にドープするか、または非ドープにすることができる。埋め込み添加物は、例えば、n型にドープするか、p型にドープするか、または非ドープにすることができる。母材が導電性または半導体である場合、p−n型接合デバイス、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、センサ、メモリデバイス、太陽エネルギー・電気変換デバイス等を形成するために、n型にドープされるか、p型にドープされるか、または両方である添加物を使用することができる。
【0056】
図1Aの構成と、(例えば、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gに図示されるような)本明細書で説明される表面埋め込み構造との間の少なくとも1つの違いは、バルク組み込みの特性を示して、図1Aの基板104が基板104の全体を通してランダムおよび比較的均一に分布した添加物102を有することである。対照的に、本明細書で説明される表面埋め込み構造では、添加物は、大部分が母材の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込められ、添加物の位相的不規則の減少、向上した電気伝導度のための添加物の間の接合形成の発生の増加につながる。埋め込み領域は「平面的」と呼ばれることもあるが、添加物自体が典型的には3次元であるので、そのような埋め込み領域は、典型的には厳密に2次元ではないことが理解されるであろう。むしろ、「平面的」とは、相対的な意味で使用することができ、母材のある領域内に添加物の比較的薄いスラブ状の(または層状の)局所集中を伴い、および添加物が大部分は残りの母材に欠けている。また、埋め込み領域が、図1F、図2A、および図2B等の添加物の特徴的な寸法よりも大きい(例えば、数倍大きい)厚さを有することができるにもかかわらず、そのような埋め込み領域を「平面的」と呼ぶことができることが理解されるであろう。埋め込み領域は、母材の一方の面に隣接して、母材の中央に隣接して、または母材の厚さの方向に沿った任意の恣意的な場所に隣接して位置することができ、複数の埋め込み領域は、相互に隣接して位置することができるか、または母材内で相互から離間することができる。各埋め込み領域は、1つ以上の種類の添加物を含むことができ、埋め込み領域(同じ母材に位置する)は、異なる種類の添加物を含むことができる。(母材の全体を通してランダムとは対照的に)添加物を母材の一式の「平面的」埋め込み領域に閉じ込めることによって、単位面積当たりの所与の量の添加物に対して、より高い電伝導度を達成することができる。埋め込み領域に閉じ込められない任意の添加物は、省略することができる過剰量の添加物を表す。
【0057】
図1Bの構成と、(例えば、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gに図示されるような)本明細書で説明される表面埋め込み構造との間の少なくとも1つの違いは、従来の被覆の特性を示して、図1Bの被覆110が、基板112の上部に配置される被覆110の全体を通して混合された添加物108を有することである。被覆110自体を参照すると、被覆110は、被覆110の全体を通してランダムおよび比較的均一に分布した添加物108を有する、バルク組み込みの場合について図1Aで示されるものと同様の構成を特色とする。対照的に、本明細書で説明される表面埋め込み構造では、添加物は、被覆の全体を通して均一に位置しないが、むしろ、添加物を基板に結合するために必要とされる被覆または他の二次材料を伴わずに、大部分を基板の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることができる一方で、(例えば、図1Gおよび図2Gに図示されるような)他の表面埋め込み構造では、添加物は、被覆の全体を通して均一に位置するよりもむしろ、大部分を被覆の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることができる。添加物を「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることは、添加物の位相的不規則の減少、向上した電気伝導度のための添加物の間の接合形成の発生の増加につながる。また、被覆110の上部の露出材料は、スコッチテープ、粘着または研磨力、または他の力で容易に除去することができ、表面から移動する傾向があり得るので、図1Bの被覆110は、損傷を受けやすくなり得る。添加物108を含有する被覆110はまた、層間剥離、ひび割れ、剥離、気泡形成、または他の変形を受け得るが、それは、結合する目的で必要とされる被覆または二次材料を伴わずに添加物が基板に直接埋め込まれる、本明細書で説明される表面埋め込み構造によって克服することができる。また、被覆110の表面は、極めて粗くなり得て(例えば、添加物108のうちのいくらかが被覆110の表面から外に延在する添加物108の位相的不規則から生じる)、それは、電気的短絡を引き起こし、隣接するデバイス層との密接な接触を妨げ得る。これは、耐久性のある平滑表面を特色とすることができる、本明細書で説明される表面埋め込み構造と対照的である。(例えば、図1Eおよび図1Fに図示されるように)添加物が母材に実質的または完全に埋め込まれる場合において、結果として生じる表面埋め込み構造の埋め込み表面は、極めて平滑であり(例えば、埋め込み添加物がない場合の母材と実質的に匹敵する平滑度または粗度を有する)、埋め込み表面の表面積の0%、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約25%以下、または約50%以下が、露出添加物によって占有される(例えば、埋め込み表面の上面図または埋め込み表面の他の2次元表現を得て、露出添加物から生じる表面積被覆率を判定することによって測定されるように)。
【0058】
図1Cの構成と、(例えば、図1Dから図1Hおよび図2Aから図2Gに図示されるような)本明細書で説明される表面埋め込み構造との間の少なくとも1つの違いは、表面堆積の特性を示して、添加物116を基板118に埋め込むことなく、添加物116が基板118の上部に配置されることである。基板118の上の堆積材料は、スコッチテープ、粘着または研磨力、または他の力で容易に除去することができ、表面から移動する傾向があり得るので、図1Cの表面堆積構造114は、損傷を受けやすくなり得る。また、表面堆積構造114の表面は、極めて多孔性であり(例えば、表面堆積添加物116の間の間隙から、相互の上への添加物116の積み重ねから、または両方から生じる)、表面堆積添加物116の上に被覆されるか、または別様に塗布された別の材料の十分な浸透を達成するのに困難を生じ、それにより、空隙または他の界面欠陥をもたらし得る。また、表面堆積構造114の表面は、極めて粗くなり得て、それは、電気的短絡を引き起こし、隣接するデバイス層との密接な接触を妨げ得る。これは、耐久性があり、比較的無孔性の平滑表面を特色とすることができる、本明細書で説明される表面埋め込み構造と対照的である。(例えば、図1Eおよび図1Fに図示されるように)添加物が母材に実質的または完全に埋め込まれる場合において、結果として生じる表面埋め込み構造の埋め込み表面は、極めて平滑であり(例えば、埋め込み添加物がない場合の母材と実質的に匹敵する平滑度または粗度を有する)、埋め込み表面の表面積の0%、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約25%以下、または約50%以下が、露出添加物によって占有される(例えば、埋め込み表面の上面図または埋め込み表面の他の2次元表現を得て、露出添加物から生じる表面積被覆率を判定することによって測定されるように)。また、表面堆積構造114は、本明細書で説明される表面埋め込み構造よりも高いシート抵抗、または低い伝導度を有することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、埋め込み表面に容量で約10%(または、約0.1%等のそれ以下)、および埋め込み表面に容量で最大約100%、母材に埋め込まれた添加物を有することができ、約0.1%(またはそれ以下)の表面積被覆から最大約99.9%(またはそれ以上)の表面積被覆等の、様々な表面積被覆で露出された添加物を有することができる。例えば、添加物の全容量に対する、埋め込み表面より下側に埋め込まれた添加物の容量に関して、少なくとも1つの添加物は、10%から約50%、または約50%から約100%等の約10%から約100%の範囲内の埋め込み容量パーセントを有することができる(または添加物の集団が平均埋め込み容量パーセントを有することができる)。
【0060】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、使用される添加物の特徴的な寸法よりも大きい(例えば、ナノワイヤについては、個々のナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径よりも大きい)厚さを有する埋め込み領域を有することができ、添加物は、大部分が母材の全体的な厚さよりも小さい厚さを有する埋め込み領域に閉じ込められる。例えば、埋め込み領域の厚さは、全体的な厚さの約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、または約5%等の、母材の全体的な厚さの約80%以下であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、添加物は、使用される添加物の特徴的な寸法に対して(例えば、ナノワイヤについては、個々のナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径に対して)程度を変化させることによって、母材に埋め込むことができる。例えば、埋め込み表面より下側の添加物上の最も遠い埋め込み点の距離に関して、少なくとも1つの添加物は、特徴的な寸法の約100%を上回る程度まで埋め込むことができ、または特徴的な寸法の少なくとも約5%または約10%、および最大約80%、最大約50%、または最大約25%等の、特徴的な寸法の多くても約100%の程度まで埋め込むことができる。別の実施例として、添加物の集団を、平均で、特徴的な寸法の約100%を上回る程度まで埋め込むことができ、または特徴的な寸法の少なくとも約5%または約10%、および最大約80%、最大約50%、または最大約25%等の、特徴的な寸法の多くても約100%の程度まで埋め込むことができる。理解されるように、添加物が母材に埋め込まれる程度は、埋め込み表面にわたる高さの変動の程度(例えば、平均高さに対する標準偏差)として測定される場合等に、埋め込み表面の粗度に影響を及ぼし得る。例えば、図Cと対比して図1Dを比較すると、図1Dの表面埋め込み構造120の粗度が、部分的に埋め込まれた添加物130の特徴的な寸法より小さい一方で、図1Cの構造114の粗度は、少なくとも、表面的に堆積された添加物116の特徴的な寸法であり、(例えば、相互の上の添加物116の積み重ねの結果として)特徴的な寸法の約2倍(またはそれ以上)であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加物は、約1nmから約50nm、約50nmから100nm、または約100nmから約100ミクロン等の約0.1nmから約1cmで、母材の埋め込み表面から外へ延在することができる。他の実施形態では、添加物の集団は、平均で、約1nmから約50nm、約50nmから100nm、または約100nmから約100ミクロン等の約0.1nmから約1cmで、母材の埋め込み表面から外へ延在することができる。他の実施形態では、母材の表面積(例えば、埋め込み表面の面積)の実質的に全体が添加物によって占有される。他の実施形態では、表面積の最大約50%、表面積の最大約25%、表面積の最大約10%、最大約5%、最大約3%、または表面積の最大約1%が添加物によって占有される等、表面積の最大約100%または最大約75%が添加物によって占有される。添加物は、母材の埋め込み表面から外に延在する必要はなく、埋め込み表面より完全に下側に限局することができる。表面埋め込み構造に対する添加物の埋め込みおよび表面被覆の程度は、特定のデバイスまたは用途に従って選択することができる。例えば、表面埋め込み構造における静電容量に基づいて動作するデバイスが、添加物のより深い程度の埋め込みおよびより低い表面被覆を特定することができる一方で、表面埋め込み構造を通る、または横断する電流の流れに基づいて動作するデバイスは、添加物のより少ない程度の埋め込みおよびより高い表面被覆を特定することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ナノワイヤが添加物として使用される場合、電気伝導度に影響を及ぼすことができる特性は、例えば、ナノワイヤ密度または装填レベル、表面積被覆、ナノワイヤ長さ、ナノワイヤ直径、ナノワイヤの均一性、材料の種類、および純度を含む。いくつかの実施形態では、低い接合抵抗および低い体抵抗を有するナノワイヤが好ましくあり得る。高い透明性を維持しながら、より高い電気伝導度を獲得するために、より細い直径でより長い長さのナノワイヤを使用することができ(例えば、ナノワイヤ接合形成を促進し、および約50から約1,000、または約100から約800等の約50から約2,000の範囲内の比較的大きいアスペクト比を有する)、Ag、Cu、およびAuナノワイヤ等の金属ナノワイヤを使用することができる。Agナノワイヤ網等のナノワイヤ網を形成するために、ナノワイヤを添加物として使用することは、いくつかの実施形態に望ましくなり得る。他の金属ナノワイヤ、ZnO、ZnO(i)、ZnO:A1、ZnO:B、SnO2:F、Cd2SnO4、CdS、ZnS、TiO2、ITO等の非金属ナノワイヤ、および他の酸化物ナノワイヤも使用することができる。可視光学スペクトルエネルギーの外側(例えば、<1.8eVおよび>3.1eV)、またはこの範囲のほぼ付近あるいは外側にあるバンドギャップを有する半導体から成る添加物は、可視光が、典型的には、バンドエネルギーによって、またはその中の界面トラップによって吸収されないという点で、高い光学透明性を有するTCEを作成するために使用することができる。種々のドーパントは、モス・バースタイン効果を介して偏移したフェルミレベルおよびバンド端を考慮して、これらの前述の半導体の伝導度を調整するために使用することができる。ナノワイヤは、約5%以内(例えば、平均直径または長さに対する標準偏差)、約10%以内、約15%以内、または約20%以内等の寸法(例えば、直径および長さ)に関して大部分が均一または単分散であり得る。純度は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%であり得る。ナノワイヤの表面積被覆は、例えば、最大約100%、約100%未満、最大約75%、最大約50%、最大約25%、最大約10%、最大約5%、最大約3%、または最大約1%であり得る。酸化の結果としてAgナノワイヤの表面上に形を成すことができる(または形成することができる)酸化銀が導電性であるので、Agナノワイヤは、ある実施形態に特に望ましくなり得る。また、コアシェルナノワイヤ(例えば、Auまたは白金シェルを有する銀コア)もまた、接合抵抗を減少させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ナノチューブが添加物として使用される場合に(炭素、金属、金属合金、金属酸化物、または別の材料で形成されるかどうかにかかわらず)、電気伝導度に影響を及ぼすことができる特性は、例えば、ナノチューブ密度または装填レベル、表面積被覆、ナノチューブ長さ、ナノチューブ内径、ナノチューブ外径、単一壁または多重壁のナノチューブが使用されるかどうか、ナノワイヤの均一性、材料の種類、および純度を含む。いくつかの実施形態では、低い接合抵抗を有するナノワイヤの選好があり得る。ディスプレイ等のあるデバイスとの関連で低減した散乱のために、カーボンナノチューブ等のナノチューブを、ナノチューブ網を形成するために使用することができる。代替として、または組み合わせて、ナノチューブの使用に対する散乱の同様の低減を達成するために、より小さい直径のナノワイヤを使用することができる。ナノチューブは、約5%以内(例えば、平均外/内径または長さに対する標準偏差)、約10%以内、約15%以内、または約20%以内等の、寸法(例えば、外径、内径、および長さ)に関して大部分が均一または単分散であり得る。純度は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%であり得る。ナノチューブの表面積被覆は、例えば、最大約100%、約100%未満、最大約75%、最大約50%、最大約25%、最大約10%、最大約5%、最大約3%、または最大約1%であり得る。
【0065】
添加物の種類の数は、所与のデバイスまたは用途に対して変化させることができると理解されたい。例えば、高い光学透明性および高い電気伝導度をもたらすために、ITOナノ粒子とともに、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、およびAuナノワイヤのいずれか一方または組み合わせを使用することができる。同様の組み合わせは、ITOナノワイヤ、ZnOナノワイヤ、ZnOナノ粒子、Agナノ粒子、Auナノ粒子、SWNT、MWNT、フラーレンベースの材料(例えば、カーボンナノチューブおよびバッキーボール)、およびITOナノ粒子のうちの1つ以上とともに、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、およびAuナノワイヤのいずれか一方または組み合わせを含むことができる。ITOナノ粒子またはナノワイヤの使用は、太陽電池用のTCEとの関連で仕事関数を調整するために、または添加物によって提供される伝導性経路の代わりに、あるいはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供するように、緩衝層としての機能を果たすことによって、付加的な機能性を提供することができる。事実上任意の数の異なる種類の添加物を母材に埋め込むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、添加物は最初に、離散した物体として提供される。母材に埋め込むと、母材は、添加物が「平面的」または「平面状」埋め込み領域内で整列させられるか、または別様に配設されるように、添加物を包むか、または包囲することができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤ、ナノチューブ、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、または1よりも大きいアスペクト比を有する他の添加物等の添加物の場合について、添加物は、それらの縦または長手方向軸が、水平面、または埋め込み表面の平面に対応するか、あるいはそれと平行な別の平面に対してある範囲の角度内に大部分が閉じ込められるように整列させられる。例えば、添加物は、それらの縦または長手方向軸が、平均で、約−35°から約+35°、約−25°から約+25°、約−15°から約+15°、約−5°から約+5°、または約−1°から約+1°等の、水平面に対して約−45°から約+45°の範囲に閉じ込められるように整列させることができる。この実施例では、添加物のほとんどが、または実質的にいずれもが、水平面に対して約−45°から約+45°の範囲の外側に配向された、それらの縦または長手方向軸を有することができない。埋め込み領域内において、隣接する添加物が、いくつかの実施形態では、相互に接触することができる。そのような接触は、所望の透明性のために比較的低い表面積被覆を維持しながら、より長いアスペクト比の添加物を使用して向上させることができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤ、ナノ粒子、マイクロワイヤ、およびマイクロ粒子等の添加物の間の接触は、約50℃、約125℃、約150℃、約175℃、または約200℃の、あるいは約50℃から約125℃、約100℃から約125℃、約125℃から約150℃、約150℃から約175℃、または約175℃から約200℃の範囲内の温度での低温焼結、フラッシュ焼結、添加物上の堆積物を成長させ、添加物をともに融合させるための酸化還元反応の使用を介した焼結、またはそれらの任意の組み合わせ等の、焼結または焼鈍を介して増加させることができる。例えば、AgまたはAu添加物の場合、添加物を隣接する添加物と融合させるために、AgイオンまたはAuイオンを添加物上に堆積させることができる。約200℃またはそれ以上の温度での高温焼結も検討される。また、電荷トンネリングまたはホッピングが、実際の接触がない場合に十分な電気伝導度を提供するか、または母材あるいは母材の上の被覆自体が導電性であってもよい防塵遮蔽体、静電気防止遮蔽体、電磁干渉/無線周波数遮蔽体等の、ある用途およびデバイスに対して、接触がほとんど、または全く必要とされないことも企図される。そのような用途およびデバイスは、最大約106Ω/sq以上のシート抵抗で動作することができる。個々の添加物は、電子移動に対する電気および量子障壁によって分離されることができる。
【0067】
以下は、図1Aから図1Cに図示される構成に対して、本明細書で説明される表面埋め込み構造の付加的な利点を提供する。図1Aの構成と違って、所望の特性を獲得するために、母材の大部分全体を通した添加物の均一な分布は必要とされない。実際に、少なくともいくつかの実施形態では、添加物が母材の「平面的」または「平面状」埋め込み領域に大部分は閉じ込められることが好まれる。実践において、添加物の不均一な混合および凝集および集積が生じ、図1Aに描写されるような均一な分布を実際に獲得することが困難であり得る。図1Bの構成と違って、添加物は、被覆の全体を通して混合され、および母材の上に塗布されるよりもむしろ、母材に埋め込むことができる。そのようにして添加物を埋め込む際に、結果として生じる表面埋め込み構造は、より高い耐久性を有することができる。また、バルク組み込みと関連する問題と同様に、従来の被覆は、本明細書で説明される表面埋め込み構造を用いて回避または低減されることができる不均一な混合および凝集の影響を受けやすくなり得る。さらに、従来の被覆は、特にナノメートルおよびミクロンレベルで、極めて粗くなり得る。対照的に、例えば、母材内での添加物の埋め込み、および添加物の整列から生じるので、表面埋め込み構造は、従来の被覆と比較して減少した粗度を有し、それにより、デバイス故障の事例(例えば、デバイスのナノワイヤ貫通からの分路)を回避または低減する働きをすることができる。図1Cの構成と違って、添加物は、表面の上に表面的に堆積されるよりもむしろ、母材に部分的または完全に埋め込まれ、表面的に堆積された添加物と比較して減少した粗度、ならびにより高い耐久性および伝導度をもたらす。いくつかの実施形態では、ナノワイヤを埋め込むときに、母材のポリマー鎖は、ナノワイヤをともに担持し、それらを近くに引き寄せ、伝導度を増加させることができる。
【0068】
表面埋め込み構造は、極めて耐久性があり得る。いくつかの実施形態では、そのような耐久性は、剛性および頑健性と組み合わされ、他の実施形態では、そのような耐久性は、例えば、透過率の約50%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下、または実質的にゼロの減少、および抵抗の約50%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%、または実質的にゼロの増加を伴って、いくつかある物理的作用の中でも、屈曲され、丸められ、屈折され、折り畳まれる能力と組み合わせられる。いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、大部分が従来の被覆の耐久性問題に影響されず、コーティング産業において使用される標準スコッチテープ試験に耐え抜き、観察された透過率の実質的にゼロの減少、または約5%以下の減少、約10%以下の減少、約15%以下の減少、あるいは約50%以下の減少をもたらし、観察された抵抗の実質的にゼロの増加、または約5%以下の増加、約10%以下の増加、約15%以下の増加、あるいは約50%以下の増加をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造はまた、観察された透過率の実質的にゼロの減少、約50%以下の減少、約20%以下の減少、約15%以下の減少、約10%以下の減少、約5%以下の減少、または約3%以下の減少を伴って、および観察された抵抗の実質的にゼロの増加、約50%以下の増加、約20%以下の増加、約15%以下の増加、約10%以下の増加、約5%以下の増加、または約3%以下の増加を伴って、摩擦、擦過、屈曲、物理的摩耗、熱サイクリング、化学暴露、および湿度サイクリングに耐え抜くこともできる。この増進した耐久性は、添加物が母材の分子鎖または他の構成要素によって母材の内部に物理的または化学的に担持されるように、母材内の添加物の埋め込みをもたらすことができる。場合によっては、屈曲または押圧が、伝導度を増加させることを観察することができる。
【0069】
表面埋め込み構造の別の利点は、より少ない量の添加物を使用して、電気的パーコレーション閾値を獲得できることである。別の言い方をすれば、より少ない添加物材料を使用して、電気伝導度を獲得することができ、それにより、添加物材料および関連コストを節約し、透明性を増加させる。理解されるように、1つの添加物から別の添加物への電荷の浸出を可能にすることに十分な量の添加物が存在する場合に、電気的パーコレーション閾値に典型的に到達し、それにより、添加物の網の少なくとも一部分を横断する伝導性経路を提供する。いくつかの実施形態では、電気的パーコレーション閾値は、図3Aに図示されるように、添加物の装填レベルと対比した抵抗の対数プロットの傾斜の変化を介して観察することができる。添加物が大部分は「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込められるため、より少ない量の添加物材料を使用することができ、それにより、位相的不規則を多大に低減し、図1Aから図1Cの構成と比較して、添加物間(例えば、ナノワイヤ間またはナノチューブ間)接合形成のより高い確率をもたらす。言い換えれば、母材の厚さを通して分散させられるのとは対照的に、添加物が母材の中の薄い埋め込み領域に閉じ込められるので、添加物が相互接続して接合点を形成する確率を多大に増加させることができる。いくつかの実施形態では、電気的パーコレーション閾値は、銀ナノワイヤ等のある添加物について、約0.01μg/cm2から約100μg/cm2、約10μg/cm2から約100μg/cm2、0.01μg/cm2から約0.4μg/cm2、約0.5μg/cm2から約5μg/cm2、または約0.8μg/cm2から約3μg/cm2等の、約0.001μg/cm2から約100μg/cm2(またはそれ以上)の範囲内の添加物の装填レベルで獲得することができる。これらの装填レベルは、添加物の寸法、材料の種類、空間分散、および他の特性に従って変化させることができる。
【0070】
加えて、わずかな2次元伝導網の効果的な材料特性を示すものから、3次元伝導バルク材料の効果的な特性を示すものへの薄い層の遷移を表すパラメータである網からバルクへの遷移を達成するために、より少ない量の添加物を使用することができる(例えば、埋め込み領域の厚さによって証明されるように)。添加物(例えば、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、多重壁のカーボンナノチューブ(「MWCNT」)、単一壁のカーボンナノチューブ(「SWCNT」)、またはそれらの任意の組み合わせ)を「平面的」または「平面状」埋め込み領域に閉じ込めることによって、特定のレベルの太陽束加重透過率において、より低いシート抵抗を獲得することができる。さらに、いくつかの実施形態では、添加物が混合される別個の被覆または他の二次材料と関連付けられる界面欠陥の低減または排除に起因して、表面埋め込み構造によってキャリア再結合が低減されることができる。
【0071】
これらの利点をさらに詳しく説明するために、位相的な不規則によって、または接触抵抗によって、添加物の網を特徴付けることができる。位相的に、添加物の臨界密度を上回って、および添加物・添加物(例えば、ナノワイヤ・ナノワイヤ、ナノチューブ・ナノチューブ、またはナノチューブ・ナノワイヤ)の接合点の臨界密度を上回って、電流は、ソースからドレインまで容易に流れることができる。「平面的」または「平面状」添加物の網は、添加物の特徴的な寸法(例えば、ナノワイヤについては、個々のナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径)に関して表される、低減した厚さを有する網からバルクへの遷移を達成することができる。例えば、埋め込み領域は、特徴的な寸法の最大約4倍、最大約3倍、または最大約2倍、および特徴的な寸法の約0.05または約0.1倍まで等の、特徴的な寸法の最大約5倍(またはそれ以上)の厚さを有することができ、光学透明性および電気伝導度を増加させながら、デバイスがより薄くなることを可能にする。したがって、本明細書で説明される表面埋め込み構造は、いくつかの実施形態では、(nmに関して)最大約n×dの厚さを有する埋め込み領域を提供し、埋め込み領域の中において、(nmに関して)dという特徴的な寸法を有する添加物が限局され、n=2、3、4、5、またはそれ以上である。
【0072】
表面埋め込み構造のさらに別の利点は、構造が、所与のレベルの電気伝導度に対して、より高い透明性をもたらすことができる。これは、添加物の所与の装填レベルに対して、添加物・添加物の接合点の効率的な形成を考慮すると、そのレベルの電気伝導度を獲得するためには、より少ない添加物材料を使用することができるためである。理解されるように、(例えば、膜の形態である)薄い伝導性材料の透過率は、薄膜に対する以下の近似的関係によって求められるので、そのシート抵抗Rsheetおよび光波長の関数として表すことができる。
【0073】
【数1】
式中、σOpおよびσDCは、それぞれ、材料の光学およびDC伝導度である。いくつかの実施形態では、可撓性透明基板に表面埋め込みされたAgナノワイヤの網は、約3.2Ω/sqまたは約0.2Ω/sqほど低いか、またはそれよりもさらに低いシート抵抗を有することができる。他の実施形態では、太陽電池に好適である透明な表面埋め込み構造は、太陽束加重透過率Tsolarについて最大約85%(またはそれ以上)、および約20Ω/sq(またはそれ以下)ほど低いシート抵抗に到達することができる。なおも他の実施形態では、≧85%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、および最大約97%、約98%、またはそれ以上)の太陽束加重透過率における≦10Ω/sqのシート抵抗が表面埋め込み構造によって得られることができる。550nmの所与の波長における透過率、人間の視覚または測光加重透過率(例えば、約350nmから約700nm)、太陽束加重透過率、赤外範囲内の所与の波長または一連の波長における透過率、および紫外線範囲内の所与の波長またはある範囲の波長における透過率等の透過率を光波長の他の範囲に対して測定できることが理解されるであろう。また、透過率は、(例えば、表面埋め込み添加物を有する母材よりも下側にある基礎的な基板を考慮して)基板(存在する場合)に対して測定でき、または(例えば、基礎的な基板を考慮することなく)空気に対して測定できることも理解されるであろう。本明細書で他に特定されない限り、透過率値は、基板(存在する場合)に対して示されるが、空気に対して測定されるときに、(いくぶん高い値を有するが)同様の透過率値も想定される。いくつかの実施形態について、表面埋め込み構造のDC対光学伝導度比は、少なくとも約100、少なくとも約115、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500、最大約600、最大約800、あるいはそれ以上であり得る。
【0074】
ある表面埋め込み構造は、約1nmから約100nm、約10nmから約80nm、約20nmから約80nm、または約40nmから約60nmの範囲内の平均直径、および約50nmから約1,000μm、約50nmから約500μm、約100nmから約100μm、約500nmから50μm、約5μmから約50μm、約20μmから約150μm、約5μmから約35μm、約25μmから約80μm、約25μmから約50μm、または約25μmから約40μmの範囲内の平均長さのAgナノワイヤの添加物を含むことができる。埋め込み領域の最上部は、埋め込み表面より約0.01nmから約100μm、約0.1nmまたは100μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約5μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約3μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約1μm下側、または埋め込み表面より約0.1nmから約500nm下側等の、部材の最上部の埋め込み表面より約0.0001nmから約100μm下側に位置することができる。母材に埋め込まれたナノワイヤは、容量で約0%から最大約90%、最大約95%、または容量で最大約99%、埋め込み表面から突出することができる。例えば、ナノワイヤの全容量に対して埋め込み表面より上側で露出されたナノワイヤの容量に関して、少なくとも1本のナノワイヤは、最大約1%、最大約5%、最大約20%、最大約50%、または最大約75%あるいは約95%の露出容量パーセントを有することができる(またはナノワイヤの集団が平均露出容量パーセントを有することができる)。約85%以上の透過率(例えば、太陽束加重透過率または光波長の別の範囲で測定される透過率)において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、および約1Ω/sqまたは約0.1Ω/sqまで、あるいはそれ以下であり得る。約90%以上の透過率において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、約1Ω/sqまで、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態では、母材は、表面埋め込みナノワイヤを有する基板に対応し、母材は、透明または不透明となり得て、可撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができる。他の実施形態では、基板は、透明または不透明となり得て、撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができ、基板は、導電性材料、絶縁体、または半導体(例えば、ドープした金属酸化物または上記で記載される導電性ポリマー)で被覆され、皮膚に埋め込まれたナノワイヤを有する。
【0075】
ある表面埋め込み構造は、約1nmから約100nm、約1nmから約10nm、約10nmから約50nm、約10nmから約80nm、約20nmから約80nm、または約40nmから約60nmの範囲内の平均外径、および約50nmから約100μm、約100nmから約100μm、約500nmから50μm、約5μmから約50μm、約5μmから約35μm、約25μmから約80μm、約25μmから約50μm、または約25μmから約40μmの範囲内の平均長さのMWCNTおよびSWCNTのいずれか一方または両方の添加物を含むことができる。埋め込み領域の最上部は、埋め込み表面より約0.1nmから約100μm、埋め込み表面より約0.1nmから約5μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約3μm下側、埋め込み表面より約0.1nmから約1μm下側、または埋め込み表面より約0.1nmから約500nm下側等の、部材の最上部の埋め込み表面より約0.01nmから約100μm下側に位置することができる。母材に埋め込まれたナノチューブは、容量で約0%から最大約90%、最大約95%、または容量で最大約99%、埋め込み表面から突出することができる。例えば、(例えば、ナノチューブの外径に対して画定されるような)ナノチューブの全容量に対して埋め込み表面より上側に露出されたナノチューブの容量に関して、少なくとも1本のナノチューブは、最大約1%、最大約5%、最大約20%、最大約50%、または最大約75%あるいは約95%の露出容量パーセントを有することができる(またはナノチューブの集団が平均露出容量パーセントを有することができる)。約85%以上の透過率(例えば、太陽束加重透過率または光波長の別の範囲で測定される透過率)において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、および約1Ω/sqまで、またはそれ以下であり得る。約90%以上の透過率において、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、約1Ω/sqまで、約0.1Ω/sqまで、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態では、母材は、表面埋め込みナノチューブを有する基板に対応し、母材は、透明または不透明となり得て、可撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、PMMA、ガラス、ポリイミド、エポキシ、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができる。他の実施形態では、基板は、透明または不透明となり得て、撓性または剛性となり得て、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから成ることができ、基板は、導電性材料、絶縁体、または半導体(例えば、ドープした金属酸化物または上記で記載される導電性ポリマー)で被覆され、皮膚に埋め込まれたナノワイヤを有する。
【0076】
表面埋め込み構造に対して取得されたデータは、予期しない所見を明らかにする。具体的には、母材(絶縁体である)が添加物の伝導能力を阻害することが推測されたため、表面の上に表面的に堆積させられた添加物は、母材に物理的に埋め込まれた添加物よりも大きい電気伝導をもたらすことができると以前に推測された。しかしながら、予想外に、向上した電気伝導度が表面埋め込み構造に対して観察され、母材内に添加物を埋め込むことによって課される、有利な接合形成および網目からバルクのへの遷移という概念を支持する。
【0077】
(表面埋め込み構造を含むデバイス)
本明細書で説明される表面埋め込み構造は、ドープした金属酸化物被覆の形態であるTCEを使用する任意のデバイスを含む、種々のデバイスで電極として使用することができる。好適なデバイスの実施例は、太陽電池(例えば、薄膜太陽電池および結晶シリコン太陽電池)、表示デバイス(例えば、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(「LCD」)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ、電子ペーパー(「eペーパー」)、量子ドットディスプレイ、およびフレキシブルディスプレイ)、固体照明デバイス(例えば、OLED照明デバイス)、タッチスクリーンデバイス(例えば、投影容量性タッチスクリーンデバイス、および抵抗性タッチスクリーンデバイス)、スマートウィンドウ(または他のウィンドウ)、フロントガラス、航空宇宙透明フィルム、電磁干渉遮蔽体、電荷消散遮蔽体、および静電気防止遮蔽体、ならびに他の電子、光学、光電子、量子、光起電、およびプラズモンデバイスを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、LCDで電極として使用することができる。図5Aは、本発明の実施形態によるLCD500を図示する。バックライトモジュール502は、薄膜トランジスタ(「TFT」)基板506、およびTFT基板506の底面に隣接して配置される底部偏光子504を通して、光を投影する。TFT508、ピクセル電極510、および蓄積キャパシタ512が、TFT基板506の頂面に隣接し、かつTFT基板506と第1の整合層514との間に配置される。シール516およびセパレータ518が、その間で液晶522を挟持する、第1の整合層514と第2の整合層520との間に提供される。共通電極524および色基質526が、色フィルタ基板528の底面に隣接し、かつ色フィルタ基板528と第2の整合層520との間に配置される。図5に図示されるように、最上部偏光子530が、色フィルタ基板528の頂面に隣接して配置される。有利なことに、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、電極510および524のいずれか一方または両方を実装することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、表面埋め込み構造は、LCDで使用される色フィルタ板で、共通電極として使用することができる。図5Bは、本発明の実施形態による、LCDで使用するための色フィルタ540を図示する。共通電極541は、全てガラス基板545上に配置される、黒色基質544に隣接する赤、緑、および青(「RGB」)の色基質543に隣接して配置される、被膜/保護層542に隣接して配置される。被膜/保護層542は、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができ、RGB色基質543および黒色基質544のトポグラフィを平坦化するために使用することができる。他の実施形態では、被膜/保護層542は、RGB色基質543および黒色基質544のトポグラフィに一致することができる。他の実施形態では、被膜/保護層542を省略することができる。いくつかの実施形態では、黒色基質544は、導電性に作ることができ、共通電極541との電気的接触を形成することができ、そのような実施形態では、黒色基質544は、共通電極541用の母線と見なすことができる。有利なことに、共通電極541は、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して実装することができる。
【0080】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、太陽電池で電極として使用することができる。太陽電池の動作中に、電子正孔対の形態で電荷担体を産生するように、光が光活性材料によって吸収される。電子が1つの電極を通って光活性材料から退出する一方で、正孔は別の電極を通って光活性材料から退出する。正味の影響は、入射光によって駆動される太陽電池を通る電流の流れであり、その電流は、有用な仕事を行うように外部負荷に送達することができる。太陽電池(またはディスプレイ)のTCEは、ガラス、PMMA、ポリカーボネート、またはPETの母材から成ることができる。加えて、PMMAに表面埋め込みされた銀ナノワイヤを伴って、薄いPMMAベースの膜をガラス上に塗布することができる。代替として、薄いシランベースの被覆に表面埋め込みされた銀ナノワイヤを伴って、薄いシラン、シロキサン、ケイ酸塩、またはセラミック前駆体をPMMA基板上に被覆することができる。プラスチック上のこのガラスベースの被覆の組成は、銀ナノワイヤに対する純ガラス母材と比較して、増進した頑健性、引っかき抵抗、可撓性、簡易加工可能性、低重量、より高い靱性、弾性、亀裂抵抗、低費用等の便益を提供する。別の実施形態では、任意の母材から成る埋め込みTCEはまた、透明性を増進する、または材料の1つ以上の界面上の反射を低減するように、1つ以上の反射防止被覆または表面改質を特色とすることができる。
【0081】
図6は、本発明の実施形態による、薄膜太陽電池600、602、および604を図示する。具体的には、薄膜太陽電池600は、シリコンで形成された光活性層層606がTCE608と背後電極610との間に配置される、薄膜シリコン太陽電池に対応する。図6を参照すると、薄膜太陽電池602は、CdTeで形成された光活性層層612がTCE614と背後電極618との間に配置され、障壁層616が光活性層612とTCE614との間に配置される、CdTe太陽電池に対応する。そして、薄膜太陽電池604は、CIGSで形成された光活性層620がTCE626と背後電極624との間に配置され、障壁層628が光活性層620とTCE626との間に配置される、CIGS太陽電池に対応する。薄膜太陽電池604の種々の層は、剛体であり得る、基板622の上に配置される。有利なことに、図2Cおよび図2Gに示されるもの等の本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、TCE608、614、および626を実装することができ、また、表面埋め込み構造を使用して、背後電極610、618、および624を実装できることも検討される。さらに、表面埋め込み構造を使用して実装されるTCEを、結晶、多結晶、単結晶、または非晶質シリコン太陽電池で使用できることが検討される。さらに、本明細書で論議される表面埋め込み構造を使用して実装されるTCEを使用することによって、例えば、母線によって遮断される光の量を減少させることによって、太陽電池の性能を増大させることができる、より少ない、より薄い、より広く離間した母線、またはそれらの組み合わせを使用できることが検討される。別の実施形態では、例えば、太陽電池に利用可能な光の量を増加させること、太陽電池の中への光の吸収を増加させること、またはそれらの組み合わせによって、太陽電池の性能を高めるのに役立つために、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用することができる。
【0082】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、タッチスクリーンデバイスで電極として使用することができる。タッチスクリーンデバイスは、典型的には、タッチスクリーンに接触することによって、ユーザが入力を提供することを可能にする、ディスプレイと統合された双方向入力デバイスとして実装される。タッチスクリーンは、典型的には、光および画像が透過することを可能にするように透明である。
【0083】
図7は、本発明の実施形態による、投影容量性タッチスクリーンデバイス700を図示する。タッチスクリーンデバイス700は、一対のTCE702および706の間に配置される薄膜セパレータ704、ならびにTCE708の頂面に隣接して配置される剛体タッチスクリーン708を含む。ユーザがタッチスクリーン708に接触した場合に、静電容量の変化が発生し、コントローラ(図示せず)が変化を感知し、ユーザ接触の座標を解決する。有利なことに、図1Hに示されるもの等の本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、TCE702および706の一方または両方を実装することができる。また、可撓性タッチスクリーンを含み、ユーザが可撓性タッチスクリーンを押した時に一対のTCEの間の電気的接触に基づいて動作する、抵抗性タッチスクリーンデバイス(例えば、4ワイヤ、5ワイヤ、および8ワイヤ抵抗性タッチスクリーンデバイス)に、表面埋め込み構造を含むことができることが検討される。
【0084】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、固体照明デバイスで電極として使用することができる。図8は、本発明の実施形態による、OLED照明デバイス800を図示する。OLEDデバイス800は、正孔輸送層(「HTL」)808、放出層(「EML」)810、および電子輸送層(「ETL」)812を含む、有機エレクトロルミネセンス膜806を含む。2つの電極、すなわち、陽極802および陰極804が、膜806の両側に配置される。電圧が電極802および804に印加された時に、(陰極D04からの)電子および(陽極D02からの)正孔が膜806に入る(段階1)。電子および正孔がEML810内の発光分子の存在下で再結合し(段階2)、光が発せられ(段階3)、陰極804を通って退出する。有利なことに、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、電極802および804のいずれか一方または両方を実装することができる。また、図8に図示されるのと同様に実装することができる、OLEDディスプレイに、表面埋め込み構造を含むことができることも検討される。
【0085】
他の実施形態では、表面埋め込み構造は、eペーパーで電極として使用することができる。図9は、本発明の実施形態による、eペーパー900を図示する。eペーパー900は、TCE902と、底部電極904とを含み、その間には、担体媒体906の中で分散された正電荷を持つ白色顔料908および負電荷を持つ黒色顔料910がある。「負」の電界が印加された時に、黒色顔料910が底部電極904に向かって移動する一方で、白色顔料908は最上部透明伝導性電極902に向かって移動し、それにより、eペーパー900のその部分を白く見えるようにする。電界が逆転された時に、黒色顔料910は、最上部透明伝導性電極902に向かって移動し、それにより、eペーパー900のその部分を暗く見えるようにする。有利なことに、本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して、電極902および904のいずれか一方または両方を実装することができる。
【0086】
なおもさらに実施形態では、表面埋め込み構造は、スマートウィンドウで電極として使用することができる。図10は、本発明の実施形態による、スマートウィンドウ1000を図示する。スマートウィンドウ1000は、一対のTCE1002および1006を含み、その間には、スマートウィンドウ1000の光の通過を制御する活性層1004がある。図示した実施形態では、活性層1004は、液晶を含むが、活性層1004はまた、懸濁粒子またはエレクトロクロミック材料を使用して実装することもできる。電界が印加された時に、液晶は、電界に対して整合し、それにより、光の通過を可能にすることによって応答する。電界が存在しない時に、液晶は、ランダムに配向され、それにより、光の通過を阻止する。そのようにして、スマートウィンドウ1000は、透明または半透明に見えることができる。有利なことには、本明細書で説明される伝導性構造を使用して、電極1002および1006のいずれか一方または両方を実装することができる。加えて、(例えば、「平面的」埋め込み領域の中への添加物の局所化により)本明細書で説明される表面埋め込み構造を使用して実装されるTCEの増加した平滑度は、他の従来の構造と比較して、かすみを減少させることができることが検討される。
【0087】
(表面埋め込み構造の製造方法)
本明細書では、添加物が、多種多様の母材に耐久的に表面埋め込みされ、母材の中へ添加物をしっかりと潜り込ませる、高度に拡張可能で迅速な低費用の様式で、表面埋め込み構造を形成する製造方法が開示される。
【0088】
製造方法のいくつかの実施形態は、概して、(1)表面埋め込み添加物を伴う母材をもたらすための乾燥組成物の中への添加物の表面埋め込み、および(2)表面埋め込み添加物を伴う母材をもたらすための湿潤組成物の中への添加物の表面埋め込みといった、2つのカテゴリに分類される。そのような分類は、提示を容易にするためであり、「乾燥」および「湿潤」は、相対的な用語(例えば、様々な程度の乾燥または湿潤を伴う)と見なすことができ、製造方法は、完全な「乾燥」または完全な「湿潤」の間に及ぶ連続体に適用できることが理解されるであろう。したがって、1つのカテゴリ(例えば、乾燥組成物)に関して説明される処理条件および材料はまた、別のカテゴリ(例えば、湿潤組成物)に関して適用することもでき、その逆も同様である。また、湿潤組成物が乾燥させられる、または別様に乾燥組成物に変換され、その後に、表面埋め込み添加物を伴う母材をもたらすための乾燥組成物の中への添加物の表面埋め込みが続く場合等に、2つのカテゴリのハイブリッドまたは組み合わせが検討されることも理解されるであろう。さらに、「乾燥」および「湿潤」は時折、含水量のレベルまたは溶媒含有量のレベルを指し得るが、「乾燥」および「湿潤」はまた、架橋結合または重合の程度等の、他の場合における組成物の別の特性を指し得ることが理解されるであろう。
【0089】
本発明の実施形態による、乾燥組成物に添加物を表面埋め込みするための製造方法を図示する、図4Aおよび図4Bに、最初に注意を向ける。
【0090】
概観として、図示した実施形態は、添加物が、ポリマー、セラミック、セラミック前駆体、またはそれらの組み合わせを含むもの等の乾燥組成物に埋め込まれることを可能にするように、埋め込み流体の塗布を伴う。一般に、埋め込み流体は、溶解、反応、軟化、溶媒和、膨張、またはそれらの任意の組み合わせによって、乾燥組成物の状態を可逆的に改変する働きをし、それにより、乾燥組成物の中への添加物の埋め込みを促進する。例えば、埋め込み流体は、ポリマー用の効果的な溶媒の役割を果たすように特別に処方することができる一方で、おそらくまた、埋め込み流体の中で添加物を懸濁させるのに役立つように、安定剤(例えば、分散剤)で修飾される。埋め込み流体はまた、かすみ、ひび割れ、および白化等の溶媒/ポリマー相互作用に関する問題を低減または排除するように特別に処方することができる。埋め込み流体は、低費用であり、揮発性有機化合物(「VOC」)を含まない、VOC免除または低VOCである、有害大気汚染物質(「HAP」)を含まない、非オゾン層破壊物質(「非ODS」)である、低または不揮発性である、および低有害性または無害であるように最適化される、溶媒または溶媒混合物を含むことができる。別の実施例として、乾燥組成物は、セラミック、あるいはゲルまたは半固体の形態であるセラミック前駆体を含むことができ、埋め込み流体の塗布は、流体で孔を充填することによって、部分的に凝集していないオリゴマーまたはポリマー鎖の伸長によって、または両方によって、ゲルを膨張させることができる。さらなる実施例として、乾燥組成物は、セラミック、あるいはケイ酸ナトリウムまたは別のアルカリ金属ケイ酸塩等のイオン性ポリマーの形態であるセラミック前駆体を含むことができ、埋め込み流体の塗布は、イオン性ポリマーの少なくとも一部分を溶解させて、添加物の埋め込みを可能にすることができる。次いで、添加物の埋め込みの後には、軟化または膨張した組成物の状態での硬化または他の変化が続き、その中に埋め込まれた添加物を有する母材をもたらす。例えば、軟化または膨張した組成物は、周囲条件への暴露によって、あるいは軟化または膨張した組成物を冷却することによって硬化させることができる。他の実施形態では、軟化または膨張した組成物は、埋め込み流体(あるいは存在する他の液体または液相)の少なくとも一部分を蒸発させる、または別様に除去すること、空気流を印加すること、真空を印加すること、またはそれらの任意の組み合わせによって硬化させられる。セラミック前駆体の場合、セラミック前駆体がガラスに変換されるように、埋め込みの後に硬化を実行することができる。特定の用途に応じて、硬化を省略することができる。特定のセラミック前駆体(例えば、シラン)に応じて、種々の程度の硬化、あるいは完全に反応した、あるいは完全に形成されたガラスへの変換を達成するように、より多く、または少ない熱を伴うことができる。
【0091】
表面埋め込みの作用の機構は、概念化への支援として、または提示を容易にするために、段階に分けることができる。しかしながら、これらの段階は、組み合わせることができ、または実質的に同時に起こることができる。これらの段階は、(a)埋め込み流体が表面(ここでは、例えば、ポリマーの表面)と相互作用すること、(b)添加物が表面を貫通すること、および(c)埋め込み流体が表面から出て行くことを含む。
【0092】
段階(a)では、埋め込み流体が表面に衝突するにつれて、乾燥組成物のポリマー鎖は、もつれを解き、表面より上側で上方へ延在し、ポリマー鎖を緩める膨張および溶媒和の組み合わせにより、より大きい容量を占有する。膨張したポリマーの帯域は、乾燥組成物の元の表面より上側および下側に延在する。この効果は、数秒以下の期間で発生し、典型的な溶媒/ポリマー溶解手順が数時間および数日に関して実行されることを考慮すると、驚異的に迅速である。ポリマーの表面は、表面における膨張または可溶化の速度を増加させることができる。バルクと比較して、より高い濃度の低分子量鎖、鎖末端、および高い表面エネルギー機能性を有し、それは、表面における膨張または可溶化の速度を増加させることができる。
【0093】
段階(b)では、いったんポリマー表面が膨張すると、埋め込み流体および添加物の運動量によって(あるいは添加物または埋め込み流体への他の速度の適用によって)、および埋め込み流体が表面に衝突する際の拡散/混合過程によって、添加物が、ポリマー鎖の間のこの帯域の中へ塗布される。いくつかの実施形態では、埋め込みは、埋め込み流体および添加物の運動量を伴わずに達成することができる。この膨張/拡散過程に影響を及ぼすことができる別の要因は、衝撃エネルギーであり、添加物が表面に衝突する場合、極めて局所的な領域中での添加物の運動量移動が、表面の中へエネルギー入力を付与することができ、それは、表面を加熱してポリマーの溶解度を増加させることができ、それにより、確実な埋め込み表面含浸、またはポリマーの中への添加物の部分的な沈降を促進する。
【0094】
段階(c)では、埋め込み流体が蒸発する、または別様に除去されるにつれて、ポリマー鎖が、相互と、かつ添加物の周囲で再び形を成す。元の表面より上側に、かつ元の表面を越えて延在したポリマー鎖は、添加物を捕捉して吸収し、それらを表面に引き込み、その中でしっかりと、かつ耐久的に埋め込ませる。埋め込まれた粒子による構造摂動は、比較的小さくなり得て、結果として生じる母材およびその包まれた添加物は、それらの元の光学透明性および表面形態を実質的に保持することができる。
【0095】
図4Aを参照すると、乾燥組成物400が基板の形態で提供される。乾燥組成物400は、母材に対応することができ、具体的には、ポリマー、セラミック、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な母材として以前に記載された任意の材料を含むことができる。また、乾燥組成物400は、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応できることも検討される。いくつかの実施形態では、乾燥組成物400は、固相ならびに液相を伴う材料を含むことができ、または少なくとも部分的に固体である、あるいは半固体、ゲル、および同等物等の固体の特性に似た特性を有する材料を含むことができる。次に、図4Aを参照すると、添加物402および埋め込み流体404が乾燥組成物400に塗布される。添加物402は、溶液中にあり得るか、または埋め込み流体404の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋め込みを介して乾燥組成物400に同時に塗布することができる。代替として、添加物402は、埋め込み流体404が乾燥組成物400を処理する前、間、または後に、乾燥組成物400に別個に塗布することができる。添加物402の別個の塗布は、2ステップ埋め込みと呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材406は、母材406の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物402のうちの少なくともいくらかを有する。随意で、軟化または膨張した組成物400を母材406に変換するように、好適な処理を実行することができる。
【0096】
図4Bは、図4Aと同様の過程の流れであるが、基板410の上に配置される被覆の形態で提供された乾燥組成物408を伴う。乾燥組成物408は、母材に対応することができ、あるいは、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応することができる。乾燥組成物408の他の特性は、図4Aを参照して上記で説明されるものと同様であり得、以下で繰り返されない。図4Bを参照すると、基板は、透明または不透明であり得、可撓性または剛体であり得、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせ、ならびに好適な母材として以前に記載された任意の材料から成ることができる。次に、添加物412および埋め込み流体414は、乾燥組成物408に塗布することができる。添加物412は、溶液中にあり得る、または埋め込み流体414の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋め込みを介して乾燥組成物408に同時に塗布することができる。代替として、添加物412は、埋め込み流体414が乾燥組成物408を処理する前、間、または後に、乾燥組成物408に別個に塗布することができる。上述のように、添加物412の別個の塗布は、2ステップ埋め込みと呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材416(基板410の上に配置される)は、母材416の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物412のうちの少なくともいくらかを有する。随意で、軟化または膨張した組成物408を母材416に変換するように、好適な処理を実行することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、添加物は、埋め込み流体の中で分散させられ、または、別個の担体流体の中で分散させられ、乾燥組成物に別々に塗布される。分散は、混合すること、超音波で分解すること、震盪すること、振動させること、流動させること、添加物の表面を化学的に修飾すること、流体を化学的に修飾すること、分散または懸濁剤を流体に添加すること、または所望の分散を達成するように添加物を別様に処理することによって、達成することができる。分散は、均一または不均一であり得る。担体流体は、埋め込み流体(例えば、付加的な埋め込み流体)としての機能を果たすことができ、または埋め込み流体と同様の特性を有することができる。他の実施形態では、担体流体は、添加物を運ぶ、または運搬する輸送媒体としての機能を果たすことができるが、そうでなければ、添加物および乾燥組成物に向かって実質的に不活性である。
【0098】
流体(例えば、埋め込み流体および担体流体)は、液体、ガス、または超臨界流体を含むことができる。異なる種類の流体の組み合わせも好適である。流体は、1つ以上の溶媒を含むことができる。例えば、流体は、水、イオン性またはイオン含有溶液、有機溶媒(例えば、極性有機溶媒、非極性有機溶媒、非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、または極性プロトン性溶媒)、無機溶媒、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。油も好適な流体と見なすことができる。塩、界面活性剤、分散剤、安定剤、または結合剤も流体に含むことができる。
【0099】
好適な有機溶媒の実施例は、2−メチルテトラヒドロフラン、塩化炭化水素、フッ化炭化水素、ケトン、パラフィン、アセトアルデヒド、酢酸、無水酢酸、アセトン、アセトニトリル、アルキン、オレフィン、アニリン、ベンゼン、ベンゾニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルアルコール、ベンジルエーテル、ブタノール、ブタノン、酢酸ブチル、ブチルエーテル、ギ酸ブチル、ブチルアルデヒド、酪酸、ブチロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロブタン、クロロホルム、脂環式炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロペンチルメチルエーテル、ジアセトンアルコール、ジクロロエタン、ジクロロメタン、炭酸ジエチル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジグリム、ジ−イソプロピルアミン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアミン、ジメチルブタン、ジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、二酸化エチレン、エチレングリコール、ホルムアミド、ギ酸、グリセリン、ヘプタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ヘキサン、ヘキサノン、過酸化水素、次亜塩素酸塩、i−酢酸ブチル、i−ブチルアルコール、i−ギ酸ブチル、i−ブチルアミン、i−オクタン、i−酢酸プロピル、i−プロピルエーテル、イソプロパノール、イソプロピルアミン、ケトンペルオキシド、メタノールおよび塩化カルシウム溶液、メタノール、メトキシエタノール、酢酸メチル、メチルエチルケトン(またはMEK)、ギ酸メチル、n−酪酸メチル、メチルn−プロピルケトン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、メチレン、メチルヘキサン、メチルペンタン、鉱油、m−キシレン、n−ブタノール、n−デカン、n−ヘキサン、ニトロベンゼン、ニトロエタン、ニトロメタン、ニトロプロパン、2−N−メチル−2−ピロリジノン、n−プロパノール、オクタフルオロ−1−ペンタノール、オクタン、ペンタン、ペンタノン、石油エーテル、フェノール、プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、プロピオニトリル、酢酸プロピル、プロピルエーテル、ギ酸プロピル、プロピルアミン、p−キシレン、ピリジン、ピロリジン、t−ブタノール、t−ブチルアルコール、t−ブチルメチルエーテル、テトラクロロエタン、テトラフルオロプロパノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロナフタレン、トルエン、トリエチルアミン、トリフルオロ酢酸、トリフルオロエタノール、トリフルオロプロパノール、トリメチルブタン、トリメチルヘキサン、トリメチルペンタン、バレロニトリル、キシレン、キシレノール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0100】
好適な無機溶媒は、例えば、水、アンモニア、水酸化ナトリウム、二酸化硫黄、塩化スルフリル、塩化フッ化スルフリル、塩化ホスホリル、三臭化リン、四酸化二窒素、三塩化アンチモン、五フッ化臭素、フッ化水素、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0101】
好適なイオン性溶液は、例えば、塩化コリン、尿素、マロン酸、フェノール、グリセロール、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウム、1−アルキルピリジニウム、N−メチル−N−アルキルピロリジニウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム六フッ化リン酸塩、アンモニウム、コリン、イミダゾリウム、ホスホニウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピリジニウム、スルホニウム、1−エチル−1−メチルピペリジニウム炭酸メチル、4−エチル−4−メチルモルホリニウム炭酸メチル、またはそれらの任意の組み合わせを含む。1−エチル−3−酢酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、他のメチルミダゾリウム溶液を好適と見なすことができる。
【0102】
他の好適な流体は、N−エチル−N,N−ビス(l−メチルエチル)−1−ヘプタンアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、エチルへプチル−ジ−(l−メチルエチル)アンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、エチルへプチル−ジ−(1−メチルエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、エチルへプチル−ジ−(1−メチルエチル)アンモニウムビス[トリフルオロメチル]スルホニル]アミド、またはそれらの任意の組み合わせ等の、ハロゲン化合物、イミド類、およびアミド類を含む。流体はまた、エチルヘプチル−ジ−(l−メチルエチル)アンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N5N5N−トリブチル−1−オクタンアミニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルオクチルアンモニウムトリフラート、トリブチルオクチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N,N−トリブチル−1−ヘキサンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルヘキシルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリブチル−1−ヘプタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルヘプチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリブチル−1−オクタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルオクチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−3−トリフルオロ酢酸メチルイミダゾリウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチルピリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−ブチルピリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペルフルオロエチルスルホニル)イミド、ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、l−エチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、N5N5N−トリメチル−1−ヘキサンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリメチル−l−ヘプタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、ヘプチルトリメチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ヘプチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヘプチルトリチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、ヘプチルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリメチル−l−オクタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリメチルオクチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、l−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸エチル、またはそれらの任意の組み合わせを含むこともできる。
【0103】
添加物の表面埋め込みに対する制御は、膨張・拡散・蒸発・塗布段階の適正な平衡を通して達成することができる。この平衡は、例えば、溶媒・母材相互作用パラメータ、添加物のサイズ、埋め込み流体の反応度および揮発度、衝突添加物の運動量または速度、温度、湿度、圧力、および他の要因によって制御することができる。より具体的には、表面埋め込みのための関連処理パラメータは、本発明のいくつかの実施形態について以下に記載される。
【0104】
埋め込み流体の選択:
・表面との埋め込み流体の適合性(例えば、ヒルデブランドおよびハンセン溶解度パラメータ、誘電率、分配係数、pKa等の合致または比較)
・蒸発速度、沸点、蒸気圧、埋め込み流体の蒸発のエンタルピー
・表面の中への埋め込み流体の拡散:熱力学および動力学的配慮
・埋め込み流体の粘度
・埋め込み流体の表面張力、吸い上げ、および毛管効果
・共沸、混和性、および他の流体との他の相互作用。
【0105】
塗布条件:
・流体表面露出の持続時間
・温度
・湿度
・塗布方法(例えば、噴霧、印刷、圧延被覆、グラビア被覆、スロットダイ、カップ被覆、ブレード被覆、エアブラッシング、浸漬、浸漬被覆等)
・表面上への添加物の衝突/運動量/速度(例えば、埋め込みの深さおよび程度に影響を及ぼし得る)
・後処理条件(例えば、加熱、蒸発、流体除去、空気乾燥等)。
【0106】
母材:
・表面エネルギー
・粗度および表面積
・前処理(例えば、紫外線オゾン処理、基礎エッチング、清掃、溶媒下塗り等)
・埋め込み前の流体中の添加物の分散/懸濁(例えば、添加物は、物理的撹拌、化学/キャッピング安定化、立体安定化を通して溶液中に分散されたままとなることができる、または本質的に可溶化される)
・望ましくない効果(例えば、かすみ、ひび割れ、白化、母材の不可逆的な破壊、不均等な湿潤、粗度等)の軽減。
【0107】
前述のパラメータのうちのいくつか、または全ては、所与の母材への添加物の埋め込みの深さを調整するように改変または選択することができる。例えば、母材と相互作用する埋め込み流体の溶解力を増加させること、埋め込み流体・基板のハンセン溶解度パラメータに密接に合致させること、母材と接触している埋め込み流体の露出持続時間を延長すること、材と接触している埋め込み流体の量を増加させること、システムの温度を上昇させること、母材の上に衝突する添加物の運動量を増加させること、母材の中への埋め込み流体および添加物のいずれか一方または両方の拡散を増加させること、またはそれらの任意の組み合わせによって、母材の表面の深くへ、より高い程度の埋め込みを達成することができる。
【0108】
以下の表1は、本発明の実施形態による、特定のポリマーから成る乾燥組成物に添加物を埋め込むために好適である、いくつかの埋め込み流体の実施例を提供する。上記で説明される処理パラメータを使用して、これらの特定のポリマー、ならびに他の種類のポリマー、セラミック、およびセラミック前駆体に、他の埋め込み流体を選択できることが理解されるであろう。
【0109】
【表1−1】
【0110】
【表1−2】
流体(例えば、埋め込み流体および担体流体)はまた、塩、表面活性剤、安定剤、および流体に特定の一式の特性を与えるのに有用な他の作用物質を含むこともできる。添加物間凝集を少なくとも部分的に阻害する能力に基づいて、安定剤を含むことができる。添加物の機能性を保つ能力に基づいて、他の安定剤を選択することができる。レオロジー特性、蒸発速度、および他の特性を調整するために、他の作用物質を使用することができる。
【0111】
乾燥組成物の表面に対して大部分が静止しているよう、流体および添加物を塗布することができる。他の実施形態では、表面上に流体を噴霧することによって、一面に落下する流体を通して乾燥組成物を運搬することによって、または流体プールまたは槽を通して乾燥組成物を運搬することによって等、相対運動で塗布が実行される。流体および添加物の塗布は、エアブラッシング、霧化、霧状化、噴霧、静電噴霧、注入、圧延、幕化、ワイピング、回転成形、滴下、浸漬、塗装、流動、ブラッシング、含漬、パターン化(例えば、スタンピング、インクジェット印刷、制御された噴霧、制御された超音波噴霧、および同等物)、流動被覆方法(例えば、スロットダイ、毛管被覆、マイヤーロッド、カップ被覆、引き下げ、および同等物)、またはそれらの任意の組み合わせによって達成することができる。いくつかの実施形態では、添加物は、噴霧器によって等、表面上に推進され、それにより、表面との接触によって埋め込みを促進する。他の実施形態では、勾配が、流体、添加物、または両方に適用される。好適な勾配は、磁界または電解を含む。勾配は、表面上に流体、添加物、または両方を塗布、分散、または推進するために使用することができる。いくつかの実施形態では、勾配は、埋め込みの程度を制御するよう、添加物を操作するために使用される。適用される勾配は、一定または可変であり得る。勾配は、乾燥組成物が軟化または膨張される前、乾燥組成物が軟化または膨張したままである間、または乾燥組成物が軟化または膨張された後に適用することができる。軟化を達成するように乾燥組成物を加熱できることと、埋め込みを推進するように流体および添加物のいずれか一方または両方を加熱できることとが検討される。
【0112】
パターンをもたらすように、流体および添加物の塗布、ならびに添加物の埋め込みを空間的に制御することができる。いくつかの実施形態では、塗布された添加物のセグメントが表面に接触することを阻止するようにアプリケータと表面との間に配置することができる、物理的なマスクを用いて、空間制御を達成することができ、それにより、添加物の埋め込みの制御されたパターン化をもたらす。他の実施形態では、フォトマスクを用いて空間制御を達成することができる。光源と表面との間に、フォトレジストに対応することができるポジ型またはネガ型フォトマスクを配置することができる。フォトマスクの非不透明部分を透過した光は、フォトレジストの露出部分の溶解度に選択的に影響を及ぼすことができ、フォトレジストの結果として生じる空間制御された可溶性領域は、添加物の制御された埋め込みを可能にすることができる。他の実施形態では、電気勾配、磁気勾配、電磁場、温度勾配、圧力または機械的勾配、表面エネルギー勾配(例えば、液体・固体・気体界面、付着・凝集力、および毛管効果)、またはそれらの任意の組み合わせの使用を通して、空間制御を達成することができる。同様に、上を覆う被覆(例えば、それぞれ、図2Cおよび図2Gに図示される被覆214および250)の塗布を実行することができる。例えば、ITOまたは別の透明金属酸化物の場合、導電性材料を、表面露出した表面埋め込み添加物を伴う組成物上にスパッタリングすることができる。導電性ポリマー、炭素ベースの被覆、および他の種類の被覆の場合、被覆、噴霧、流動被覆等によって、導電性材料を塗布することができる。
【0113】
上述のように、添加物を埋め込み流体の中で分散させ、1ステップ埋め込みを介して埋め込み流体とともに乾燥組成物に塗布することができる。添加物はまた、2ステップ埋め込みを介して、埋め込み流体とは別に乾燥組成物に塗布することもできる。後者のシナリオでは、担体流体の中で分散させることによって、または同じ埋め込み流体あるいは異なる埋め込み流体の中で分散させることによって等、湿潤形態で添加物を塗布することができる。依然として後者のシナリオでは、エアロゾル化された粉末の形態等の乾燥形態で、添加物を塗布することができる。また、メタノール、別の低沸点アルコール、または乾燥組成物との衝突前に実質的に蒸発する別の低沸点有機溶媒等の、揮発性である担体流体の中で添加物を分散させることによって等、準乾燥形態で添加物を塗布できることも検討される。
【0114】
一例として、一実施形態は、ナノワイヤの溶液、または適切な担体流体中で分散された他の導電性添加物を乾燥組成物上に噴霧すること、エアブラシで吹き付けること、または別様に霧化することを伴う。
【0115】
別の実施例として、一実施形態は、埋め込み流体を噴霧するか、または乾燥組成物と別様に接触させ、次いで、時間t1の経過後、一時的に軟化した乾燥組成物および衝突ナノワイヤの速度の組み合わせが、ナノワイヤの高速かつ耐久性のある表面埋め込みを可能にするような速度で、ナノワイヤまたは他の導電性添加物を噴霧するか、またはエアブラシで吹き付けることによって、乾燥組成物を前処理することを伴う。t1は、例えば、約1ナノ秒から約24時間、約1ナノ秒から約1時間、または約1秒から約1時間等の、約0ナノ秒から約24時間の範囲内であり得る。2つの噴霧ノズルを同時または連続的に起動することができ、一方のノズルが埋め込み流体を分注し、他方のノズルが、速度を伴って、乾燥組成物に向かって担体流体中に分散された霧化ナノワイヤを分注する。随意で、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0116】
別の実施例として、一実施形態は、ナノワイヤの溶液、または担体流体中で分散された他の導電性添加物を乾燥組成物上に噴霧すること、エアブラシで吹き付けること、または別様に霧化することを伴う。t2の経過後、ナノワイヤの効率的な表面埋め込みを可能にするよう、埋め込み流体を塗布するために、第2の噴霧、エアブラッシング、または霧化動作が使用される。t2は、例えば、約1ナノ秒から約24時間、約1ナノ秒から約1時間、または約1秒から約1時間等の、約0ナノ秒から約24時間の範囲内であり得る。2つの噴霧ノズルを同時または連続的に起動することができ、一方のノズルが埋め込み流体を分注し、他方のノズルが、速度を伴って、乾燥組成物に向かって担体流体中に分散された霧化ナノワイヤを分注する。随意で、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0117】
さらなる実施例として、一実施形態は、ケイ酸ナトリウムまたは別のアルカリ金属ケイ酸塩または他の固体ガラスから成る乾燥組成物上にナノワイヤまたは他の導電性添加物を塗布することを伴う。同時に、または別個の動作として、加熱した塩基性水から成る埋め込み流体が、室温または高温において、液体または蒸気形態でケイ酸ナトリウムに塗布され、それは、ケイ酸ナトリウムを少なくとも部分的に溶解させ、それにより、溶解したケイ酸ナトリウムの中へのナノワイヤの進入を可能にする。水は、蒸発させられ、または別様に除去され、ケイ酸ナトリウム内にナノワイヤが埋め込まれた状態でケイ酸ナトリウムを再凝固させる。随意で、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0118】
次に、本発明の実施形態による、添加物422を湿潤組成物418に表面埋め込みするための製造方法を図示する、図4Cに注意を向ける。図4Cを参照すると、湿潤組成物418は、基板420の上に配置される被覆の形態で、基板420に塗布される。湿潤組成物418は、母材の溶解形態に対応することができ、具体的には、ポリマー、セラミック、セラミック前駆体、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な母材として以前に記載された任意の材料の溶解形態を含むことができる。また、湿潤組成物418は、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応できることも検討される。例えば、湿潤被覆組成物418は、完全には硬化または固められていない被覆、好適な重合開始剤または架橋結合剤を使用して、後に硬化または架橋結合することができる、完全には架橋結合されない架橋結合可能な被覆、あるいは、好適な重合開始剤または架橋結合剤を使用して、後に重合することができる、モノマー、オリゴマー、またはモノマーおよびオリゴマーの被覆であり得る。いくつかの実施形態では、湿潤組成物418は、液相ならびに固相を伴う材料を含むことができ、または少なくとも部分的に液体である、あるいは半固体、ゲル、および同等物等の液体の特性に似た特性を有する材料を含むことができる。基板420は、透明または不透明であり得、可撓性または剛体であり得、例えば、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリルベースのポリマー、ABS、セラミック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせ、ならびに好適な母材として以前に記載された任意の材料から成ることができる。
【0119】
次に、図4Cの左側のオプションによれば、乾燥する前に、または湿潤組成物418内の添加物422の埋め込みを可能にする状態にとどまっている間に、添加物422が湿潤組成物418に塗布される。いくつかの実施形態では、添加物422の塗布は、流動被覆方法(例えば、スロットダイ、毛管被覆、マイヤーロッド、カップ被覆、引き下げ、および同等物)を介する。左側に図示されていないが、埋め込み流体は、添加物422の埋め込みを促進するように、同時に、または別個に湿潤組成物418に塗布できることが検討される。後に、結果として生じる母材424は、母材424の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物422のうちの少なくともいくつかを有する。湿潤組成物418を母材424に変換するように、好適な処理を実行することができる。
【0120】
図4Aおよび図4Bについて上記で説明されるのと同様の処理条件および材料を使用して、図4Cの添加物422の塗布および添加物422の埋め込みに関する、ある側面を実行することができ、これらの側面は、以下で繰り返される必要がない。以下は、セラミックおよびセラミック前駆体に関する実施形態について付加的な詳細を提供する。
【0121】
いくつかの実施形態では、添加物は、溶媒および一式の反応種を含む、液体セラミック前駆体の被覆の形態である湿潤組成物に埋め込まれる。埋め込みは、溶媒が完全に乾燥する前に実行され、その後に、セラミック前駆体を硬化させる、または完全凝縮あるいは再構成ガラスに変換するオプションが続く。セラミック前駆体反応種の実施例は、スピンオンガラス、シラン類(例えば、Si(OR)(OR’)(OR”)(R’’’)、Si(OR)(OR’)(R”)(R’’’)、およびSi(OR)(OR’)(R”)(R’’’)、ここで、R、R’、R”、およびR’’’は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアリル基から独立して選択される)、シラン類のチタン類似体、シラン類のセリウム類似体、シラン類のマグネシウム類似体、シラン類のゲルマニウム類似体、シロキサン類(例えば、Si(OR)(OR’)(OR”)(OR’’’)、ここで、R、R’、R”、およびR’’’は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアリル基から独立して選択される)、シロキサン類のチタン類似体、シロキサン類のセリウム類似体、シロキサン類のマグネシウム類似体、シロキサン類のゲルマニウム類似体、アルカリ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウム)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。より具体的な実施例として、セラミック前駆体反応種は、テトラメトキシシラン(またはTMOS)、テトラエトキシシラン(またはTEOS)、テトラ(イソプロポキシ)シラン、そのチタン類似体、そのセリウム類似体、そのマグネシウム類似体、そのマグネシウム類似体、またはそれらの任意の組み合わせ等のシロキサン類であり得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、反応種は、添加物の埋め込みの前に、少なくとも部分的に反応させられる。反応は、例えば、酸および触媒の存在下の加水分解によって実行することができ、その後に凝縮が続き、それにより、オリゴマーまたはポリマー鎖をもたらす。例えば、シラン類およびシロキサン類は部分凝縮を受けて、Si−O−Si結合を伴うオリゴマーまたはポリマー鎖、および(OR)または(R)に対応する少なくともいくつかの側基をもたらすことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、液体セラミック前駆体は、少なくとも2つの異なる種類の反応種を含む。異なる種類の種は、TEOS、TMOS、テトラ(イソプロポキシ)シランによって例示されるように、相互と反応することができ、蒸発速度および硬化前の膜形態を制御するために好適に選択することができる。TMOSの場合のメトキシと対比したテトラ(イソプロポキシ)シランの場合のイソプロポキシ等の、より大型の側基を伴う反応種は、ゲルに変換されたと時に、より大きい細孔のサイズをもたらすことができ、そのより大きい細孔のサイズは、埋め込み流体の存在下で膨張を促進することができる。また、加水分解時に、TMOSの場合のメトキシと対比したテトラ(イソプロポキシ)シランの場合のイソプロポキシ等の、より大型の側基は、より低い揮発度を伴う対応するアルコールに変換することができ、それは、乾燥速度を減速させることができる。他の実施形態では、ケイ酸ナトリウムおよびテトラ(イソプロポキシ)シラン等の異なる種類の種は、反応しそうにない。これは、添加物の埋め込みを可能にするように、いくらかの量の遅延した凝縮を保持しながら、ケイ酸塩を乾燥させることによって形成される、基質の大部分の容易な硬化特性を得ることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、反応種は、反応の前または反応の後に、靱性、多孔性、または乾燥速度を減速するように溶媒の閉じ込めを可能にすること、あるいは埋め込み流体の存在下で膨張を推進すること等の他の望ましい特性を付与することができる、いくらかの量のSi−CまたはSi−C−Si結合を含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、反応種は、反応の前または反応の後に、Si−OR基を含むことができ、Rは、液体セラミック前駆体の被覆の乾燥速度を減速するように、低揮発度を伴う長鎖側基である。他の実施形態では、反応種は、Si−R’基を含むことができ、Rは、液体セラミック前駆体の被覆の乾燥速度を減速するように、低揮発度を伴う長鎖側基である。RおよびR’のいずれか一方または両方はまた、相互作用して溶媒を保持し、それにより、乾燥過程を減速する特性を有することができる。例えば、RおよびR’は、極性、非極性、脂肪族の特性、または溶媒の特性に合致する他の特性を有することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、液体セラミック前駆体に含まれる溶媒は、水、アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメトルスルホキシド、別の極性溶媒、別の非極性溶媒、上記で記載される任意の他の好適な流体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、溶媒は、非極性であり得、加水分解中に水を不均一に使用することができ、完全凝縮は、セラミック前駆体の被覆の乾燥後に発生する。別の実施例として、反応種を運ぶ、湿潤させる、または水平にするために、主要構成要素が高い揮発度を有する一方で、微量構成要素が被覆の乾燥を遅延するように低い揮発度を有するように、溶媒の組み合わせを選択することができる。また、反応種は、乾燥を減速するように、比較的わずかな全被覆容量を形成できることも検討される。
【0127】
いくつかの実施形態では、ロールツーロール過程、ロール被覆、グラビア被覆、スロットダイ被覆、ナイフ被覆、および回転被覆等の多種多様の被覆方法を使用して、液体セラミック前駆体を基板に塗布することができる。例えば、液体セラミック前駆体は、回転被覆によって塗布することができ、添加物は、回転被覆の開始時に、または回転被覆の開始後であるが、結果として生じた被覆がスピナ上で乾燥する前に、堆積させることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、添加物は、担体流体の中で分散させ、次いで、湿潤形態で液体セラミック前駆体に塗布することができる。担体流体は、衝撃時に有害な相互作用を低減または回避するために、液体セラミック前駆体の低揮発度構成要素と同じ溶媒(または同様の特性を有する別の溶媒)を含むことができる。また、担体流体は、揮発性(例えば、メタノールまたは別の低沸点アルコール)であり得、衝撃前に実質的に蒸発することも検討される。好適な担体流体の別の実施例は水である。
【0129】
いくつかの実施形態では、液体セラミック前駆体がガラスに変換されるように、埋め込み後に硬化を実行することができる。例えば、硬化は、窒素(随意で(おそらく飽和した)水蒸気を含有する)において約400℃から約500℃の範囲内の温度に加熱すること、残留溶媒を除去するのに十分な温度(例えば、約100℃から約150℃)まで加熱すること、または完全凝縮ガラスを形成するように約800℃から約900℃の範囲内の温度に加熱することを伴うことができる。周囲条件下で頑丈な「クリアコート」に乾燥することができる、ケイ酸ナトリウム(または別のアルカリケイ酸塩)の場合等では、硬化を省略することができる。いくつかの実施形態では、硬化はまた、埋め込みナノワイヤまたは他の添加物に対する焼結/焼鈍動作としての機能を果たすこともできる。
【0130】
図4Cに戻って、右側のオプションを参照すると、少なくとも部分的に乾燥させること、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせによって等、好適な処理によって、湿潤組成物418が、最初に乾燥組成物426に変換される。次に、添加物422および埋め込み流体428が、乾燥組成物426に塗布される。添加物422は、溶液中にあり得る、または埋め込み流体428の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋め込みを介して乾燥組成物426に同時に塗布することができる。代替として、添加物422は、埋め込み流体428が乾燥組成物426を処理する前、間、または後に、乾燥組成物426に別個に塗布することができる。上述のように、添加物422の別個の塗布は、2ステップ埋め込みと呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材424は、母材424の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物422のうちの少なくともいくらかを有する。随意で、付加的な乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせによって等、乾燥組成物426を母材424に変換するように好適な処理を実行することができる。図4Cに図示される製造段階のうちのいずれかまたは全ては、添加物422の埋め込みを促進するように、湿潤組成物418の乾燥を減速するように、または両方のために、好適な流体(例えば、埋め込み流体または他の好適な流体)の蒸気環境の存在下で実行することができる。
【0131】
図4Aおよび図4Bについて上記で説明されるのと同様の処理条件および材料を使用して、図4Cの添加物422および埋め込み流体428の塗布、ならびに添加物422の埋め込みに関する、ある側面を実行することができ、これらの側面は、以下で繰り返される必要がない。具体的には、少なくともある側面では、添加物422を図4Cの乾燥組成物426に埋め込むための処理条件は、添加物412を図4Bの乾燥組成物408に埋め込む時に使用されるものと大部分が同等と見なすことができる。以下は、セラミックおよびセラミック前駆体に関する実施形態について付加的な詳細を提供する。
【0132】
いくつかの実施形態では、添加物は、最初に乾燥させられているが、後に埋め込み流体によって膨張させられる未硬化(または完全には硬化していない)セラミック前駆体の被覆の形態である乾燥組成物に埋め込まれる。この後に、添加物の周囲の被覆基質を収縮させる、埋め込み流体の乾燥が続く。場合によっては、埋め込み流体は、乾燥前のセラミック前駆体と同じ溶媒(または同様の特性を有する別の溶媒)を含むことができ、その場合、処理条件は、添加物を湿潤組成物に埋め込む時に使用されるものと大部分が同等と見なすことができる。添加物の埋め込みの後に、セラミック前駆体を硬化させる、または完全凝縮あるいは再構成ガラスに変換するオプションが続く。
【0133】
いくつかの実施形態では、反応種は、加水分解および凝縮前に、最初にオリゴマーまたはポリマー(例えば、TEOSまたはTMOS等のモノマーとは対照的な)であるように選択される。反応種のそのようなおオリゴマーまたはポリマー形態は、埋め込み流体の存在下で膨張を推進することができる。実施例は、メチル51、エチル50、エチル40、および同等物という指定の下で入手可能な反応種を含む。他の実施形態では、オリゴマーまたはポリマー反応種は、所望の分子量に到達するように、加水分解凝縮を介して等、単量体反応種を反応させることによって形成することができる。オリゴマーまたはポリマー反応種は、単量体反応種と組み合わせることができ、異なる種は、混和性、部分的に混和性、または大部分が非混和性である。そのようなオリゴマーまたはポリマー反応種はまた、図4Cの左側オプションに従って、すなわち、そのようなオリゴマーまたはポリマー反応種を液体セラミック前駆体の被覆に含み、随意で、埋め込み流体の存在下で、乾燥前に添加物を被覆に埋め込むことによって、使用することもできる。
【0134】
いくつかの実施形態では、反応種は、シリコーン、シルセスキオキサン、および同等物等の最大2つの反応部位を伴うモノマーを含むことができる。反応時に、そのような反応種は、制御可能な量の架橋結合でポリマー鎖を形成することができ、それにより、埋め込み流体の存在下で膨張を推進し、添加物の埋め込みを促進する。例えば、反応種は、典型的には、約400℃以下で架橋結合せず、そのポリマー性質により埋め込み流体とともに膨張することができ、400℃以上に加熱することによって後にガラスに架橋結合することができる、Si(OCH2CH3)2(CH3)2等のSi(OR)2R’2を含むことができる。そのようなポリマー反応種はまた、図4Cの左側オプションに従って、すなわち、そのようなポリマー反応種を液体セラミック前駆体の被覆に含み、随意で、埋め込み流体の存在下で、乾燥前に添加物を被覆に埋め込むことによって、使用することもできる。
【0135】
(実施例)
以下の実施例は、当業者のための説明を例証および説明するように、本発明のいくつかの実施形態の具体的な側面を説明する。実施例は、本発明のいくつかの実施形態を理解および実践するのに有用である具体的な方法論を提供するにすぎないため、実施例は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0136】
(実施例1)
1ステップ埋め込みを介した透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(直径=90nmおよび長さ=60μm)を5秒間ボルテックスし、5mg/mlの濃度におけるイソプロパノール(50vol.%)および2,2,2−トリフルオロエタノール(50vol.%)(Alfa Aesar 99%+)の溶液中で分散させる。アクリル板から1ミル分離されたブレードを用いて、銀ナノワイヤを含有する溶液を透明アクリル(ポリメタクリル酸メチル、Sign Mart, Inc.)の平板上にカップ被覆し、20℃および23%湿度の下で3インチ/秒の速度にて引き出す。0.5mlのナノワイヤ含有溶液が、1平方メートルのアクリル板の半分を十分に覆った。この処方および手順は、ナノワイヤがアクリル板の表面で部分的に露出され、アクリル板を含む86.6%の透過率Tと、Jenway UV−vis分光光度計およびSP4−Keithley4点プローブシステムによって測定されるような29±6Ω/sq(stdev)のシート抵抗Rとを示すように、効果的に溶媒に埋め込まれた銀ナノワイヤをもたらした。ナノワイヤが埋め込まれたアクリル板は、セロハンテープ付着試験され、透過率、シート抵抗、および他の特性の観察可能な変化を示さず、埋め込まれたナノワイヤの耐久性を実証した。
【0137】
(実施例2)
2ステップ埋め込みを介した透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(直径=90nmおよび長さ=60μm)を、2.5mg/mlの濃度におけるイソプロパノール中で分散させ、次いで、20ミルのワイヤ分離距離を伴うメイヤーロッド(Gard Co.)を用いて、透明アクリル(ポリメタクリル酸メチル、Sign Mart, Inc.)の表面上に塗布し、2.5インチ/秒の速度にて引き出す。被覆後、底部に40mlのテトラヒドロフランを含有する直径100mm×20mmの円形断面コンテナ上で表を下にするようにナノワイヤ網を逆転させることによって、結果として生じたナノワイヤ網およびアクリル基板をテトラヒドロフラン(BHTで安定化されたJ.T. Baker 99.5%)に40分間暴露させる。この処方および手順は、アクリル基板を含む74.3%の透過率Tおよび31±2Ω/sq(stdev)のシート抵抗Rを示す、効果的に溶媒に埋め込まれた銀ナノワイヤをもたらした。ナノワイヤが埋め込まれたアクリル基板は、セロハンテープ付着試験され、透過率、シート抵抗、および他の特性の観察可能な変化を示さず、埋め込まれたナノワイヤの耐久性を実証した。
【0138】
(実施例3)
2ステップ埋め込みを介した透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(直径=90nmおよび長さ=60μm)を、1mg/mlの濃度におけるメタノール(Sigma Aldrich 99%+)中で分散させ、次いで、20℃および23%湿度の下で、基板から9インチ分離された、20psi入口圧力で動作するIwata LPH400 HVLPスプレーガンを介して、ポリカーボネート基板(Makrolon(登録商標))上に塗布する。メタノールの蒸発速度は、ノズルから極めて細かい霧化円錐パターンを分注する、スプレーガン設定とともに、ノズルから噴出するメタノールが9インチ離れた基板に到達する前に実質的に蒸発する、噴霧をもたらした。メタノールは、ナノワイヤを効果的に懸濁させる働きをし、メタノールおよび霧化空気圧は、基板に向かってナノワイヤを運搬する推進剤の役割を果たす。しかしながら、メタノールは、実質的に蒸発し、基板表面を湿潤せず、それにより、移動、凝集、コーヒーの染みのリング効果、ベルナールセル、および堆積ナノワイヤ網の他の空間的不均一性を引き起こし得る、基板表面の不均等な湿潤を回避または低減する。次いで、底部に40mlのアセトンを含有する直径100mm×20mmの円形断面コンテナ上で表を下にするようにナノワイヤ網を逆転させることによって、基板の中へのナノワイヤ網の溶媒で支援された埋め込みを可能にするように、基板に付着した、結果として生じる乾燥ナノワイヤ網を、アセトン(Sigma Aldrich>99.9%)の蒸気に10分間暴露させる。この処方および手順は、ポリカーボネート基板を含む74.4%の透過率Tおよび23Ω/sq(stdev)のシート抵抗Rを示す、効果的に溶媒に埋め込まれた銀ナノワイヤをもたらした。ナノワイヤが埋め込まれたポリカーボネート基板は、セロハンテープ付着試験され、透過率、シート抵抗、および他の特性の観察可能な変化を示さず、埋め込まれたナノワイヤの耐久性を実証した。
【0139】
(実施例4)
1ステップ埋め込みを介した埋め込み基板の形成
銀シリカの粉末(5μ)を、6.4mg/mlの濃度における酢酸メチル(60vol.%)/酢酸エチル(20vol.%)/シクロロヘキサノン(20vol.%)の溶液中で懸濁し、撹拌し、次いで、20℃および40%湿度の下で、20psi入口圧力で動作し、1.3mm針サイズである、基板から8インチ分離されたIwata LPH101 HVLPスプレーガンを使用して、透明ポリカーボネートの基板上に噴霧する。ナノワイヤ含有溶液が基板に数秒間暴露された後、溶媒系は、周囲室温条件下で揮発し、粒子を軟化したポリカーボネート表面に耐久的に埋め込む。
【0140】
(実施例5)
ガラス上の透明伝導性電極の形成
40mLシンチレーションバイアルに、18.5mLの乾燥200プルーフエタノール(CAS#67−17−5)、0.075mLの脱イオン(「DI」)水中の1M塩酸(18×106Ω)、および0.92mLの付加的なDI水を添加した。この混合物を均質になるまでかき混ぜた。急速にかき混ぜながら、この混合物に5.6mLのテトラエトキシシラン(TEOS、CAS#78−10−4、別名テトラオルトシリケート、Si(OC2H5)4)を添加した。結果として生じる溶液が均質になるまでかき混ぜ続け(約15分)、凝縮を介して部分的に重合するために、溶液を60℃で2日間貯蔵した。
【0141】
清潔なスポンジを使用した機械的撹拌を介して、ガラス基板を2vol.%Micro90溶液で清掃し、その後に2回のDI水の洗浄槽が続き、DI水を流した。次の段階を待つように、ガラス基板をDI水槽の中で保持した(わずか3時間)。ガラス基板を水槽から除去し、イソプロパノール(IPA、別名2−プロパノール)槽の中へ移行し、その後に流れるIPAを用いて洗浄し(噴出ボトル)、HVLPスプレーガンを使用したエアナイフ乾燥ステップで終了した。TEOS溶液の堆積の直前に、表面調製のためにガラス基板をUVOチャンバ(UVOCS Corp. T10X10)に20分間入れた。
【0142】
毎分1,250回転で60秒間、回転成形することによって、TEOS溶液をガラス基板上に堆積させた。1滴の1M塩酸を含有するチャンバの中で室温にて10分間硬化した後、1.3mm針を伴い、ソースにおいて45psi空気圧で動作するIwata LPH400 HVLPスプレーガンを使用して、3:1::メタノール:IPA中の0.3mLの2.5mg/mL銀ナノワイヤを表面上に噴霧した。
【0143】
(実施例6)
TEOSガラス上の透明伝導性電極の形成
清潔なスポンジを使用した機械的撹拌を介して、ガラス基板を2vol.%Micro90溶液で清掃し、その後に2回のDI水の洗浄槽が続き、DI水を流した。次の段階を待つように、ガラス基板をDI水槽の中で保持した(わずか3時間)。ガラス基板を水槽から除去し、イソプロパノール(IPA、別名2−プロパノール)槽の中へ移行し、その後に流れるIPAを用いて洗浄し(噴出ボトル)、HVLPスプレーガンを使用したエアナイフ乾燥ステップで終了した。TEOS溶液の堆積の直前に、表面調製のためにガラス基板をUVOチャンバ(UVOCS Corp. T10X10)に20分間入れた。
【0144】
毎分2,000回転で5秒間、回転成形し、約300nmの厚さの粘着性膜をもたらすことによって、ガラス基板上に受容され、堆積されるように、スピンオンガラス(Filmtronics Inc., SOG 20B)を使用した。スピンオンガラスの堆積後に75℃で20分間硬化した後、ソースにおける20psi空気圧、および針調整ノブを反時計方向に180°回すことによって設定される流量で動作する、Iwata HPTHエアブラシを使用して、9:1::メタノール:IPA中の5mLの1.0mg/mL銀ナノワイヤを、10インチ離して表面上に噴霧した。この処方および手順は、ガラス基板を含む79.1%の透過率Tおよび3,000Ω/sqのシート抵抗Rをもたらした。
【0145】
(実施例7)
透明伝導性電極の形成
清潔なスポンジを使用した機械的撹拌を介して、ガラス基板を2vol.%Micro90溶液で清掃し、その後に2回のDI水の洗浄槽が続き、DI水を流した。次の段階を待つように、ガラス基板をDI水槽の中で保持した(わずか3時間)。ガラス基板を水槽から除去し、イソプロパノール(IPA、別名2−プロパノール)槽の中へ移行し、その後に流れるIPAを用いて洗浄し(噴出ボトル)、HVLPスプレーガンを使用したエアナイフ乾燥ステップで終了した。TEOS溶液の堆積の直前に、表面調製のためにガラス基板をUVOチャンバ(UVOCS Corp. T10X10)に20分間入れた。
【0146】
毎分2,000回転で30秒間、回転成形することによって、ガラス基板上に受容され、堆積されるように、スピンオンガラス(Filmtronics Inc., SOG 20B)を使用した。スピンオンガラスの回転成形を開始した直後に(依然として回転させながら)、ソースにおいて40psi空気圧で動作するIwata HP−C5エアブラシを使用して、1:1::メタノール:IPA中の0.5mLの5.0mg/mL銀ナノワイヤを、10インチ離して表面上に噴霧した。スピンオンガラスおよびナノワイヤ堆積後に、被覆した基板を75℃で20分間硬化させた。この処方および手順は、ガラス基板を含む57.1%の透過率Tおよび39Ω/sqのシート抵抗Rをもたらした。
【0147】
(実施例8)
透明伝導性電極の形成および特性化
ポリカーボネートの中の銀ナノワイヤ網の埋め込まれた平面領域を特色とするように、透明伝導性電極を形成した。4点プローブ電気伝導度測定のために、4つの伝導性パッドが堆積され、測定、少なくとも1のサンプルに対して3.2Ω/sqのシート抵抗Rを示した。この抵抗値は、シリコン太陽電池で使用される透明伝導性電極の典型的なシート抵抗値(30〜100Ω/sq)と比べた、かつディスプレイで使用される透明伝導性電極の典型的なシート抵抗値(100〜350Ω/sq)と比べた改良である。UV−vis分光分析を使用して透過率値を判定し、4点プローブ方法を使用してシート抵抗値を判定し、ファンデルパウ方法および2点プローブ方法を使用して照合した。これらの値を用いて、DC対光学伝導度比を導出した。基板に表面埋め込みされたナノワイヤ網は、それらの埋め込まれていない(表面的に堆積された)対応物よりも高いDC対光学伝導度比を示した。ナノワイヤ網は、電気的パーコレーションをほとんど、または全く阻害せず、埋め込み時に損なわれないままである。同時に、ナノワイヤ網の埋め込み性質は、複数のセロハンテープ耐久性応力試験および物理的摩耗にわたって実質的に改変されていないシート抵抗値を伴って、耐久性のある透明伝導性電極をもたらした。
【0148】
(実施例9)
透明伝導性電極の特性化
図11は、ポリカーボネート膜およびアクリルに表面埋め込みされた銀ナノワイヤ網の(一定のDC対光学伝導度比における)透過率および対応するシート抵抗のトレードオフ曲線を図示し、水平線は、所与の表面にわたるシート抵抗の標準偏差を表す。
【0149】
(実施例10)
透明伝導性電極の特性化
図12は、堆積直後および表面埋め込み後のデータを比較する、2ステップ堆積および埋め込み方法を介して製造されたサンプルについて収集された、透明性およびシート抵抗データの表である。表面的に堆積されたナノワイヤを伴うアクリルと表面埋め込みナノワイヤを伴うアクリルとの間の違いを比較するように、アクリル航空機透明フィルムの切り取り試片を作製した。表面的に堆積されたナノワイヤを伴うほとんどの切り取り試片が、単純耐久性応力試験(セロハンテープ方法)の前後に使用された4点プローブツール(Keithley Digital Multimeter)の10MΩ限界を超える、検出不能に高いシート抵抗値を示した一方で、表面埋め込み切り取り試片は、応力試験によって大部分が改変されなかった低いシート抵抗を示した。
【0150】
図13は、表面埋め込み添加物を伴うTCEの異なる製造方法に対する典型的な平均シート抵抗および透明性データを要約する表である。
【0151】
図14は、有限添加物濃縮が埋め込み領域を表す、母材の埋め込み表面に対する添加物濃縮の種々の構成を描写する。図14のプロットの全てについて、母材は、明るい色で表される、0および10のx軸値の間に限られている。被覆が存在する場合、それは母材の上に配置され、薄い灰色で表される、x=−2とx=0との間に位置する。x軸は、埋め込み表面からの母材の深さ/厚さを表す。第1のプロットは、基板全体の大部分の全体を通して混合された添加物でバルク組み込みされた、または化合された基板のものである。その添加物濃縮は、y=0.2濃縮で保たれた、濃い灰色の陰影を伴う均一な分布として描写される。表面埋め込み添加物は、図14(a)で描写されるように、母材の埋め込み表面の厚さまたは深さの関数として、離散ステップまたはデルタ関数において限局することができる。代替として、添加物は、大部分が埋め込み表面で限局することができるが、図14(b)のように埋め込み表面の中へ深いほど、または図14(e)のように埋め込み表面に近いほど、次第に小さくなる濃縮を有する。離散した深さに添加物の最大濃縮があり、その後に、両方向へ埋め込み表面より下側の離散した深さから添加物濃縮が次第に小さくなる、図14(c)の様式で、埋め込み表面の完全に下側で添加物を表面埋め込みすることができる。埋め込みの深さを調整するようにパラメータを調整することによって、添加物埋め込みの複数の深さを達成することができ、図14(d)および図14(f)で捕らえられるように、この多層埋め込み幾何学形状を可能にするように、複数の動作を基板上に行うことができる。前述のアプローチを介するが、図14(g)、(h)、および(i)のようにすでにバルク組み込みされている基板の上(または中)で表面埋め込みすることによって、同様の幾何学形状を達成することができる。基板材料の上だけでなく、図14(j)、(k)、および(l)で描写されるもののように、被覆された材料の被覆層の中にも表面埋め込みすることによって、同様の幾何学形状を達成することができる。
【0152】
(実施例11)
透明伝導性電極の特性化
銀ナノワイヤ(平均長さ=7μm、平均直径=70nm)を、表面より下側の深さまで透明ポリカーボネートに埋め込み、80%を上回る透過率値および100Ω/sqまたはそれを下回るシート抵抗値をもたらした。さらなる最適化により、10Ω/sqを下回る(例えば、3Ω/sqほども低い)シート抵抗値を獲得することができる。(例えば、被覆または界面がない場合)モノリシック母材および表面より下側にある埋め込まれた銀ナノワイヤの平面領域を伴う断面を明らかにするために、集束イオンビームを用いた走査型電子顕微鏡像を使用した。
【0153】
(実施例12)
透明伝導性電極の特性化
銀ナノワイヤ(平均長さ=7μm、平均直径=70nm)を、ナノワイヤの直径の100%未満の深さまで透明ポリカーボネートに埋め込み、約90%の透過率値および約100Ω/sqのシート抵抗値をもたらした。さらなる最適化により、10Ω/sqを下回る(例えば、3Ω/sqほども低い)シート抵抗値を獲得することができる。
【0154】
(実施例13)
透明伝導性電極の形成
銀ナノワイヤ(平均長さ=7μm、平均直径=70nm)およびITOナノ粒子(直径<100nm)を、ナノワイヤの直径の100%未満およびナノ粒子の直径の100%未満の深さまで透明ポリカーボネートに埋め込んだ。
【0155】
その具体的実施形態を参照して本発明を説明してきたが、添付の請求項によって定義されるような本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行ってもよく、同等物が置換されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、組成物、方法、または過程を、本発明の目的、精神、および範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。全てのそのような修正は、本明細書に添付された請求項の範囲内であることを目的としている。具体的には、本明細書で開示される方法は、特定の順番で行われる特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作は、本発明の教示から逸脱することなく、同等の方法を形成するように組み合わせられ、細分され、または順序付け直されてもよいことが理解されるであろう。したがって、本明細書で具体的に示されない限り、動作の順番およびグループ化は本発明の制限ではない。
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み表面を有する母材と、
前記母材に少なくとも部分的に埋め込まれた添加物と
を備え、
前記添加物は、前記埋め込み表面に隣接する埋め込み領域内に限局され、前記埋め込み領域の厚さは、前記母材の全体厚さよりも小さく、前記添加物は、導電性および半導体のうちの少なくとも1つであり、前記添加物は、ナノサイズの添加物およびミクロンサイズの添加物のうちの少なくとも1つを含む、表面埋め込み構造。
【請求項2】
前記埋め込み領域の厚さは、前記母材の全体厚さの50%以下の大きさである、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項3】
前記埋め込み領域の厚さは、前記母材の全体厚さの20%以下の大きさである、請求項2に記載の表面埋め込み構造。
【請求項4】
前記添加物のうちの少なくとも1つは、nm範囲内の特徴的な寸法を有し、前記埋め込み領域の厚さは、前記特徴的な寸法の5倍以下の大きさである、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項5】
前記埋め込み領域の厚さは、前記特徴的な寸法の2倍以下である、請求項4に記載の表面埋め込み構造。
【請求項6】
前記添加物のうちの少なくとも1つは、前記特徴的な寸法の多くて100%の程度まで前記母材に埋め込まれる、請求項4に記載の表面埋め込み構造。
【請求項7】
前記添加物のうちの少なくとも1つは、前記特徴的な寸法の100%を上回る程度まで前記母材に埋め込まれるが、前記埋め込み表面に隣接して限局される、請求項4に記載の表面埋め込み構造。
【請求項8】
前記母材は、透明基板に対応し、前記添加物は、前記透明基板に少なくとも部分的に埋め込まれる、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項9】
前記透明基板は、ポリマーおよびセラミックのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の表面埋め込み構造。
【請求項10】
前記母材は、被覆に対応し、前記添加物は、前記被覆に少なくとも部分的に埋め込まれる、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項11】
前記被覆は、ポリマーおよびセラミックのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の表面埋め込み構造。
【請求項12】
基板をさらに備え、前記被覆は、前記基板上に配置され、前記埋め込み表面は、前記基板から見て外方に向く、請求項10に記載の表面埋め込み構造。
【請求項13】
前記被覆は、第1の被覆であり、前記第1の被覆上に配置され、前記添加物に電気的に連結された第2の被覆をさらに備え、前記第2の被覆は、導電性材料を含む、請求項12に記載の表面埋め込み構造。
【請求項14】
前記導電性材料は、透明である、請求項13に記載の表面埋め込み構造。
【請求項15】
前記導電性材料は、ドープした金属酸化物および導電性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の表面埋め込み構造。
【請求項16】
前記母材の中の前記添加物の荷重は、電気的パーコレーション閾値を上回る、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項17】
前記添加物は、ナノチューブ、ナノワイヤ、およびナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項18】
前記表面埋め込み構造は、少なくとも85%の透過率と、100Ω/sq以下であるシート抵抗とを有する、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項19】
前記シート抵抗は、25Ω/sq以下である、請求項18に記載の表面埋め込み構造。
【請求項1】
埋め込み表面を有する母材と、
前記母材に少なくとも部分的に埋め込まれた添加物と
を備え、
前記添加物は、前記埋め込み表面に隣接する埋め込み領域内に限局され、前記埋め込み領域の厚さは、前記母材の全体厚さよりも小さく、前記添加物は、導電性および半導体のうちの少なくとも1つであり、前記添加物は、ナノサイズの添加物およびミクロンサイズの添加物のうちの少なくとも1つを含む、表面埋め込み構造。
【請求項2】
前記埋め込み領域の厚さは、前記母材の全体厚さの50%以下の大きさである、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項3】
前記埋め込み領域の厚さは、前記母材の全体厚さの20%以下の大きさである、請求項2に記載の表面埋め込み構造。
【請求項4】
前記添加物のうちの少なくとも1つは、nm範囲内の特徴的な寸法を有し、前記埋め込み領域の厚さは、前記特徴的な寸法の5倍以下の大きさである、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項5】
前記埋め込み領域の厚さは、前記特徴的な寸法の2倍以下である、請求項4に記載の表面埋め込み構造。
【請求項6】
前記添加物のうちの少なくとも1つは、前記特徴的な寸法の多くて100%の程度まで前記母材に埋め込まれる、請求項4に記載の表面埋め込み構造。
【請求項7】
前記添加物のうちの少なくとも1つは、前記特徴的な寸法の100%を上回る程度まで前記母材に埋め込まれるが、前記埋め込み表面に隣接して限局される、請求項4に記載の表面埋め込み構造。
【請求項8】
前記母材は、透明基板に対応し、前記添加物は、前記透明基板に少なくとも部分的に埋め込まれる、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項9】
前記透明基板は、ポリマーおよびセラミックのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の表面埋め込み構造。
【請求項10】
前記母材は、被覆に対応し、前記添加物は、前記被覆に少なくとも部分的に埋め込まれる、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項11】
前記被覆は、ポリマーおよびセラミックのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の表面埋め込み構造。
【請求項12】
基板をさらに備え、前記被覆は、前記基板上に配置され、前記埋め込み表面は、前記基板から見て外方に向く、請求項10に記載の表面埋め込み構造。
【請求項13】
前記被覆は、第1の被覆であり、前記第1の被覆上に配置され、前記添加物に電気的に連結された第2の被覆をさらに備え、前記第2の被覆は、導電性材料を含む、請求項12に記載の表面埋め込み構造。
【請求項14】
前記導電性材料は、透明である、請求項13に記載の表面埋め込み構造。
【請求項15】
前記導電性材料は、ドープした金属酸化物および導電性ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の表面埋め込み構造。
【請求項16】
前記母材の中の前記添加物の荷重は、電気的パーコレーション閾値を上回る、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項17】
前記添加物は、ナノチューブ、ナノワイヤ、およびナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項18】
前記表面埋め込み構造は、少なくとも85%の透過率と、100Ω/sq以下であるシート抵抗とを有する、請求項1に記載の表面埋め込み構造。
【請求項19】
前記シート抵抗は、25Ω/sq以下である、請求項18に記載の表面埋め込み構造。
【図5A】
【図5B】
【図7】
【図10】
【図1−1】
【図1−2】
【図1−3】
【図1−4】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図6】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14−1】
【図14−2】
【図14−3】
【図14−4】
【図14−5】
【図14−6】
【図14−7】
【図5B】
【図7】
【図10】
【図1−1】
【図1−2】
【図1−3】
【図1−4】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図6】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14−1】
【図14−2】
【図14−3】
【図14−4】
【図14−5】
【図14−6】
【図14−7】
【公表番号】特表2013−521595(P2013−521595A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555200(P2012−555200)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026362
【国際公開番号】WO2011/106730
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512221441)イノバ ダイナミックス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026362
【国際公開番号】WO2011/106730
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512221441)イノバ ダイナミックス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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