説明

表面変性無機填料および顔料(II)

本発明は、望ましい粒径を有する表面変性無機填料または顔料を製造するための方法に関する。前記方法は、所定の粒径を有する無機填料または顔料の填料または顔料スラリーを、縦型ミル内で、ポリマー分散体、該填料または顔料に対して0.1〜4.0重量パーセントの量の既知の磨砕助剤、および/または分散剤(活性物質)、ならびに最大で5mmまでの相当直径を有する混練ボールを用い、少なくとも50℃の混練生成物の温度において、圧力およびせん断力の作用のもとで、該填料または顔料の所望の粒径まで混練し、ポリマー分散体の結合剤を、該填料または顔料に塗り付けながらポリマー塗膜を設けることを特徴とする。また、本発明の方法を用いて得られる填料または顔料、製紙業向けのエマルジョン塗料、接着剤、コーティング、または展延剤を製造するためのその用途、特にコーティングまたは製紙業の異なるセグメント向けの展延剤、例えば、枚葉オフセット用紙、オフセット輪転用紙、凹版印刷用紙、厚紙、および特殊紙などを製造するためのそれらの用途も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の粒径の表面変性無機填料および顔料の調製方法、それによって得られた填料および顔料、ならびにそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野において、無機顔料または填料は、例えば、分散塗料、接着剤、コーティングまたは紙の調製においてポリマー分散体の形のバインダーにより結合される。
【0003】
欧州特許第0515928号は、改良された再パルプ化の性質を備えた表面変性された血小板に似た顔料とその調製方法ならびにその用途に関する。前記血小板に似た顔料、例えば、血小板に似た金属、金属酸化物、マイカ顔料およびその他の血小板に似た基材は、ポリアクリレートまたはポリメタクリレートあるいはそれらの水溶性の塩および場合によって1つの溶媒または複数の溶媒の混合物と共に混合容器中で撹拌することによってコートされる。
【0004】
例えば、紙の調製においては大量の填料が使用される。殆ど全ての紙には、特に印刷用および筆記用紙には、均一な構造、より良好な軟度、白色度およびくわえ(grip)を提供する填料が混ぜられる。
【0005】
自然のままの印刷用紙(非コート紙)は、填料を最大35重量%含有し、コート紙は、填料を25〜50重量%含有する。填料の量は、紙の意図された用途に大きく依存する。大量に装填された紙は、より低い強度とより乏しいサイジング性能を有する。
【0006】
紙組成物中の填料含量は、通常5〜35重量%であり、一次顔料または残った塗膜もしくは塗布された不良品から得られる再循環されたコーティング顔料からなる。蛍光白色紙に対して重要である填料の白色度に加えて、その粒径は、それが紙の填料量および物理的性質特にその多孔度に大いに影響を及ぼすために、重要な役割を果たす。紙の中に残留している填料含量は、繊維懸濁液中に加えられた量の20〜80重量%である。その量は、填料の種類とその物体の組成の両方、混練の度合い、填料粒子の樹脂および硫酸アルミニウムによる固定、坪量、抄紙機のスピード、取水の方法、およびスクリーンの目の微細度に依存する。
【0007】
それらの消費量によって判断されるように、填料およびコーティング顔料として今日かなり大きな重要性を有している生産物は、以下の、チャイナクレー、炭酸カルシウム、人造のアルミニウムケイ酸塩および酸化物の水和物、二酸化チタン、サチンホワイト、タルカム、ケイ酸カルシウムなどである。
【0008】
欧州特許第0595723号は、圧密用無機物、層状無機物および/またはプラスチック顔料の共混練を、少なくとも1つの分散剤を含む少なくとも1つの混練助剤の存在下の水性媒体中で行うことを特徴とする無機物系充填顔料を調製するための方法を記載している。しかしながら、この文書は、無機物とプラスチック顔料の共混練の条件に関してあまりにも漠然としたままであり、分散剤の使用については言及していない。
【0009】
国際公開第98/01621号は、塗装プラントの廃液、脱インキプラント、中間水処理プラントまたは分離装置由来の残存水性スラッジから得た紙、板紙および厚紙の調製品からの填料およびコーティング顔料の再使用についての方法、およびかくして得られた顔料スラリーの製紙業向けのコーティング組成物を調製するため、または製紙用の紙原料中で使用するための用途を記載している。該発明の基本的な要素は、塗装プラントの廃液、脱インキプラント、中間水処理プラントまたは分離装置由来の残存水性スラッジから得た紙、板紙および厚紙の調製品からの填料およびコーティング顔料の再使用のための方法であって、それは、填料およびコーティング顔料を含有する前記残存水性スラッジを、粉末、未使用顔料含有スラリーおよび/または未使用填料含有スラリーとしての未使用顔料または未使用填料と共に顔料スラリーを形成するための混合およびその後の混練に供することを特徴とするものである。
【0010】
ドイツ国特許第4312463号は、CaCO−タルカム顔料混合物、水および混練助剤を含有し、以下の4つの共混練成分:
a.24〜64重量%のCaCO
b.5〜48重量%のタルカム、
c.5〜48重量%のHO、および
d.0.05〜1.4重量%の市販の混練助剤、および0.05〜1.2重量%の市販の分散剤からなる助剤の組み合わせ
からなり、前記顔料混合物が0.4μm〜1.5μmの平均統計粒径を有することを特徴とするCaCO−タルカムコーティング顔料スラリーに関する。ドイツ国特許第4312463号によれば、前記混練助剤および分散剤は、水溶性ポリマーまたはコポリマー、例えば、混練助剤としてのポリアクリル酸のNa−Ca塩または分散剤としてのアクリレートとアクリル酸ブチルのコポリマーのK塩であり得る。該特許明細書は、バインダーとしてのポリマー分散体の添加または、特に、混練生成物のポリマーコーティングをもたらす混練条件については記載していない。
【0011】
米国特許第5910214号は、炭酸カルシウムスラリーを0.5〜1.0重量部の分散剤を用いて湿潤状態で混練する、0.3±0.1μmの平均粒径を有する炭酸カルシウム顔料を調製する方法を開示している。前記分散剤は、例えば、混練助剤としてのポリアクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸とマレイン酸とのコポリマーのナトリウム塩を含有することができる。該特許明細書は、バインダーとしてのポリマー分散体の添加または、特に、混練生成物のポリマーコーティングをもたらす混練条件については記載していない。
【0012】
欧州特許出願公開第0855420号は、0.05〜2.0重量部の分散剤および混練用ボールの存在する水性媒体中で炭酸カルシウム粒子を湿式混練し、続いてかように混練した生成物を水性媒体中でポリ(エチレンエーテルスルホン酸塩)によって処理することによって調製される合成紙用の表面変性炭酸カルシウムについて記載している(製造実施例5)。その粒子は、ポリマー分散体および分散剤により保護する混練はしない。
【0013】
ドイツ国特許出願公開第10209448号は、微粉化した填料の水性スラリーを少なくとも1つの紙コート用のバインダーと共に処理することによって得られることを特徴とするポリマーにより少なくとも部分的にコートまたは含浸されている紙パルプへの添加剤としての微粉化した填料の水性スラリーを開示している(請求項1、8)。
【0014】
好ましくは、沈降炭酸カルシウムの水性スラリーは、分散剤を含まず、混練した炭酸カルシウムから成るものであるように調製され、炭酸カルシウムまたは大理石の断片をアニオン性ポリマー分散剤の存在下で混練することによって得られる([0026])。
【0015】
その実施例は、予め混練した沈降CaCOを、Acronal(登録商標)およびSytronal(登録商標)(ポリマー分散体としての応用においても好ましい)などのバインダーにより処理する方法を記載している。
【0016】
実施例5[0037]は、水性スラリーが、微粉化したCaCOをスチレンアクリレート分散体(Acronal、スチレン/アクリル酸に基づく)の存在下で撹拌する(Heiltofスターラー1000rpm)ことにより調製される方法を主として記載している[プロセスステップ(a)]。使用されたCaCOは、最初に分散剤が存在する中でただ単に混練され、ポリマー分散体に加えられた。
【0017】
ドイツ国特許出願公開第19821089号は、填料を含有する紙を調製するための、ポリマーで少なくとも部分的にコートした微粉化した填料の水性スラリーの調製方法であって、填料の水性スラリーを、カチオン性の紙の補強剤の存在しない中での水性分散体の形の少なくとも1つのポリマーグルーのその填料を基準として0.05〜5重量%と混合する方法に関するものである(請求項1)。
【0018】
ポリマーグルーとしては、例えば、カチオン性および/または両性の保護コロイドが存在する水性溶液中で、(a)スチレン、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル、(b)C1〜18アルコールのアクリル酸および/またはメタクリル酸エステルおよび/または飽和C2〜4カルボン酸のビニルエステル、ならびに場合によって(c)その他のモノエチレン性不飽和モノマーを重合することによって得られる水性分散体が採用される(カラム2)。
【0019】
実施例2においては、例えば、予め混練した大理石の水性スラリーを、低分子量のポリアクリル酸を用いて分散させる。得られた分散体は、その後、ポリマー分散体1の形のスラリーに加えられた0.5%のポリマーグルーにより処理された。
【0020】
欧州特許出願公開第0445953号は、その配合に合致するカチオン性ポリマーを填料のスラリーに加える、カチオン性ポリマーにより表面処理をした製紙用填料物質の調製方法を特許請求している(請求項4)。
【0021】
国際公開第2004/026973号は、水性媒体中で無機填料粒子、例えば、炭酸カルシウムまたはチャイナクレーを混練する方法であって、前記水性媒体が少量の(0.05〜0.25重量%)の該填料のための分散剤を含有することを特徴とする方法を記載している。例えば、分散剤としてのポリアクリレートおよび混練助剤としてのポリメタリン酸塩の組み合わせが、分散剤として挙げられている。この国際特許出願は、バインダーとしてのポリマー分散体の添加または、特に、混練した生成物のポリマーコーティングをもたらす混練条件については記載していない。
【特許文献1】欧州特許第0515928号
【特許文献2】欧州特許第0595723号
【特許文献3】国際公開第98/01621号
【特許文献4】ドイツ国特許第4312463号
【特許文献5】米国特許第5910214号
【特許文献6】欧州特許出願公開第0855420号
【特許文献7】ドイツ国特許出願公開第10209448号
【特許文献8】ドイツ国特許出願公開第19821089号
【特許文献9】欧州特許出願公開第0445953号
【特許文献10】国際公開第2004/026973号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の趣旨は、特に製紙業およびさらなる応用の分野、例えば塗料工業または接着剤工業における填料または顔料スラリーの調製のために、無機填料および顔料とポリマー分散体の形のバインダーとの密着性を改良し、かくしてバインダーの必要量を減少し、あるいは填料または顔料の相互に対してと基材に対しての結合を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明によれば、表面が、以後ポリマー分散体と称されるバインダーにより高温での混練中にコートされる所定の粒径の無機顔料は、多くの技術分野、例えば製紙業および塗料工業または接着剤工業において有利に使用することができることが見出された。
【0024】
したがって、本発明の第1の実施形態は、所望の粒径の表面変性無機填料または顔料の調製方法であって、所定の粒径を有する無機填料または顔料の填料または顔料スラリーを、少なくとも50℃の混練生成物の温度の縦型ミル内で、
(a)ポリマー分散体、
(b)該填料または顔料を基準として0.1〜4.0重量%の量のそれ自体既知の混練助剤および/または分散剤(活性物質)、および
(c)最大で5mmまでの相当直径(equivalent diameter)を有する混練ボール、
を用いる圧力およびせん断力の作用により、前記填料または顔料の所望の粒径まで混練し、ポリマー分散体のバインダーを、該填料または顔料上に塗り付けながらポリマー塗膜を設けることを特徴とする方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
縦型ボールミルの使用と、混練生成物が50℃より上、特に55℃より上、好ましくは基本的に60〜90℃の範囲の温度で混練される事実とによって、添加されたバインダーを含む実質的に均一なポリマーコーティングが、最大で5mmまでの相当直径を有する混練用ボールによる最適な方法により得られる。
【0026】
通常は粘着性効果を有するはずのポリマー分散体は、無機填料および顔料に所望の粒径を与えるための混練中に、バインダーを前記填料および顔料の表面と接触させた場合、従来技術から知られている同じ粒径分布の填料および顔料と比較して増大した結合能力を提供する形の無機填料および顔料を提供するのに適していることが見出された。そのバインダーは、再使用すべき材料、例えば残存水性スラッジから得ることができ、またはそれらは直接加えることができる。
【0027】
意外にも、ポリマー粒子は、填料粒子および顔料粒子の凝集または凝結を引き起こさずに、相互および基材、例えば製紙業における繊維との接着性が非常に改善された填料または顔料の表面上にきめ細かいフィルムを明瞭に形成することが判明した。
【0028】
本発明の趣旨の範囲内の変性に対して特に好ましい填料および顔料は、炭酸カルシウム、特に天然および/または沈降炭酸カルシウムである。
【0029】
炭酸カルシウムとは別に、その他の従来技術において既知の填料および顔料、例えば、チャイナクレー、人造および/または天然のケイ酸アルミニウムおよび酸化アルミニウムの水和物、二酸化チタン、サチンホワイト、ドロマイト、マイカ、金属フレーク、特にアルミニウムフレーク、ベントナイト、ルチル、水酸化マグネシウム、セッコウ、層状ケイ酸塩、タルカム、ケイ酸カルシウムならびにその他の岩石および土などを使用することができる。
【0030】
本発明によれば、上で定義した填料および顔料は、スラリー、特に水を基準として10〜90重量%、特に30〜70重量%の量で使用することが特に好ましい。
【0031】
填料または顔料が、例えば製紙業における塗膜の成分として塗布される場合、通常、バインダーの高い割合が、紙表面の中に移動する。バインダーの大きな割合が、フィルム形成が起こる前に未加工の紙に吸収される。最上部のコーティング層は、バインダーが不足することになり、いわゆる引き伸び(pulling)が起こる。しかしながら、ポリマーバインダーが填料または顔料上に混練されるとバインダーの移動が起こらないか起こってもわずかである。すなわち、吸収によって失われるバインダーがない(またはわずかな)ためにオフセット強度(引張り抵抗)がより大きい。それに対して、従来技術においてはバインダーの損失は塗膜中のバインダーの割合を増やすことによって補填しなければならない。
【0032】
本発明の趣旨の範囲内のポリマー分散体は、それ自体の樹脂固形分、および細かく分散した、特に0.005〜6μm、とりわけ0.05〜6μmの粒径の天然および/または合成ポリマーのそれらの分散体(ラテックス)を含む。通常、これらは、水性または、それほど多くはないが、非水性の分散剤である。これらにはポリマーの分散体、例えば、天然ゴム(ラテックス)、合成ゴム(ラテックス)、ならびに例えば重合物(polymerizates)、重縮合物および重付加化合物、特にポリウレタン、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリル酸またはアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸またはアクリル酸エステル、ならびに酢酸ビニル/アクリル酸またはアクリル酸エステルに基づく人工樹脂(人工樹脂分散体)およびプラスチック材料(プラスチック分散体)ならびにアクリロニトリルを含有する懸濁液が含まれる。
【0033】
製品名Basonal(登録商標)、Acronal(登録商標)、およびStyronal(登録商標)のもとで、対応するポリマー分散体が、分散塗料工業用ならびに同じく紙および厚紙コーティング用のバインダーとして市販されている。従来技術においては、これらのポリマー分散体は、填料または顔料スラリー中に組み込まれ、それが通常は、大きな量のせん断なしで撹拌することにより、填料または顔料粒子の粒径の変化が起こることなく、中性からアルカリ性に調整される。しかしながら、本発明によれば、これらは圧力およびせん断力によって直接無機填料および顔料と接触する。勿論、同じことが、接着剤の調製におけるような水が単独で加えられることのない填料または顔料スラリーの調製にも当てはまる。混練中の圧力およびせん断力の作用の下で、従来技術と比較して改良された結合作用を発揮する表面変性された無機填料および顔料が得られる。本発明によれば、ポリマー分散体の存在する中で湿体の無機填料または顔料を所望の粒径に混練することが特に有利である。かくして、白の填料または顔料に対する填料または顔料の白色度と粒径分布の大きな変化を与えることが可能であり、かかる変化は、特に混練の方法および持続時間によって制御することができる。
【0034】
無機填料または顔料と接触させるポリマー分散体の量は、ある程度重要である。かくして、本発明によれば、前記無機填料または顔料を、顔料の量を基準として、0.1〜50重量%、特に5〜15重量%のポリマー分散体(固形分)と接触させるのが特に好ましい。そのポリマー分散体は、通常、40〜60重量%、特に50重量%の固形分含量の水性または非水性の形のものである。
【0035】
ポリマー分散体に加えて、本発明によれば、該無機填料または顔料は、それ自体既知の分散剤または混練助剤、特にポリアクリレートとさらに接触させる。かかるポリアクリレートは、例えば、参照により本明細書に含む最初に挙げた欧州特許第0515928号に記載されている。
【0036】
本発明によれば、填料または顔料は、固形分含量を基準として、0.20〜0.45重量%、より好ましくは0.25〜0.4重量%の量の上記の分散助剤活性成分と接触させる。
【0037】
製紙および脱インキプラント、内部水処理プラントまたは分離装置の塗装プラントの廃液由来の残存水性スラッジ中で、填料およびコーティング顔料は、しばしば凝集形態で、白色度が低いため、原料処理、特に製紙用塗布において直接再使用することが制限され、または不可能にさえなる。
【0038】
本発明の上記の方法を用いることにより、残存水性スラッジを使用することによっても所定濃度の顔料スラリーまたは填料スラリーが得られ、それは、例えば、紙、板紙および厚紙の調製または塗料工業および接着剤工業において使用することができる。
【0039】
製紙においては、粉末としてか、または固形分含量が50〜80重量%の濃厚なスラリーの形のいずれかの填料およびコーティング顔料を使用するのが普通である。所望の白色度および粒径分布を有するそのような填料および顔料は、製造業者によって通常供給される。さて、本発明の重要な要素は、好ましくは固体または固形分含量が例えば70重量%〜85重量%以上、平均粒径が、例えば50%が1μm未満から50%が15μm未満、特に、50%が3μm未満から50%が8μm未満であり、その所望の粒径を得るために、ポリマー分散体が存在しない特に水相中で混練する非常に濃厚なスラリーである1種の「基本等級」の無機填料または顔料を使用することにある。したがって、製紙業においては、未使用顔料含有スラリーおよび/または未使用填料含有スラリーを、粉末形態の未使用顔料または未使用填料と共に混合後、混練することにより所望の白色度および微細度まで混練し、その後填料またはコーティング顔料として使用することができる。言及した無機物填料および顔料は、湿式または乾式混練法において所望の粒径を与えるまで通常混練される。湿式混練においてはある割合の水が本質的に必要である。無機顔料の混練のために必要な水の一部または全部を残存水性スラッジによって置き換えることができる。残存水性スラッジ中に通常存在する填料または顔料の凝集物は、それらが湿式混練プロセスの過程で所望の粒径まで細かく砕かれるので、妨害しないか、してもごくわずかである。
【0040】
填料または顔料として使用することを企図した残存水性スラッジの顔料および填料の粒子は、混練プロセスにおいて凝集物を分離する混練助剤および分散助剤として作用する。同時に、浮遊粒子を含む残存水性スラッジは、混練プロセスにおける填料および顔料のための分散助剤および混練助剤として作用し、その結果、さもなければ通常の量のバインダー、分散助剤および混練助剤を本発明により減少することができる。
【0041】
それにより、本発明によれば、前記混合ならびにその後のポリマー分散体および粉末の形の未使用顔料または未使用填料、未使用顔料含有スラリーおよび/または未使用填料含有スラリーと一緒の混練のために、残存水性スラッジを、0.02重量%〜60重量%、特に1重量%〜30重量%の固形分濃度に調節することが特に好ましい。その濃度が低すぎる場合、そのリサイクリング方法は不経済なものとなる。
【0042】
製紙業の残存水性スラッジ中の填料および/または顔料の繊維に対する比率は、幅広く変動し得る。本発明によれば、固形分含量を基準として、1重量%〜80重量%、特に20重量%〜60重量%の範囲内にある、場合により増大した填料および/または顔料の濃度の残存水性スラッジを使用するのが特に好ましい。したがって、繊維含量と填料および/または顔料の含量は両方共、例えば、2〜98重量%、または98〜2重量%の変化をすることができる。勿論、繊維を含まない残存水性スラッジも、本発明により製紙業において使用することができる。
【0043】
例として、様々な残存または不用な水性スラッジの好ましい組成を以下に示す。好ましくは、生産からの廃水は、10〜100l/kg、特に20l/kgの特別の清水が必要となる損失物質を、0.5〜5重量%、特に2.5重量%含む。残存水性スラッジの濃度は、好ましくは0.02〜5.0重量%、特に1.5重量%である。本発明に照らして特に好ましいのは、紙の生産からの廃水においては、20:80(W/W)または80:20(W/W)の繊維含量の填料および/または顔料の含量に対する比率、特に40:60の繊維の顔料に対する比率である。
【0044】
好ましくは、本発明による方法は、0.02〜80重量%、特に20〜70重量%の固形分濃度を有するコーティング顔料スラリーまたは填料および/またはコーティング顔料を含有する残存水性スラッジを混練のために使用することを特徴とする。
【0045】
好ましくは、10〜95重量%、特に40〜80重量%の固形分含量を有するスラリーを混練のために使用する。
【0046】
これは、例えば、ペーパーストックのための異なる製紙原料、下塗り、上塗りおよび1回塗りまたは単なる顔料着色のための填料または顔料またはスラリー、および他の填料または顔料との混合などに関する変化する品質および製造の要件への柔軟で迅速な反応を可能にする。
【0047】
本発明によれば、それ自体既知の添加剤、例えば、湿潤剤、安定剤、混練助剤および分散助剤などを、無機填料および顔料の混合および/または混練中に使用することができる。
【0048】
本発明により得ることができる顔料スラリーは、製紙業において、とりわけ、紙加工用塗膜を調製するためまたはペーパーストック中で特に有利に使用することができる。特に好ましいのは、オフセット印刷用紙用のコーティング顔料スラリーを調製するためのそれらの使用である。さらに、本発明によるスラリーは、また、軽量のコート紙用の特に塗布速度の高いコーティング配合物の調製に、およびオフセット輪転用紙の調製に、特にオフセット輪転用の軽量コート紙の調製に、厚紙および特殊紙、例えば、ラベル、壁紙、シリコーン紙、セルフコピーペーパー、包装紙などのコーティングに、および凹版印刷用紙との混合用に適する。したがって、本発明によって得られるコーティング用顔料スラリーは、特に枚葉オフセット印刷用紙、とりわけ枚葉オフセットシングル塗工、枚葉オフセットダブル塗工つまり枚葉オフセット下塗りおよび枚葉オフセット上塗り用に;オフセット輪転印刷用紙、特にLWCオフセット輪転シングル塗工、オフセット輪転ダブル塗工つまりオフセット輪転下塗りおよびオフセット輪転上塗り用に;凹版印刷、特にLWC凹版シングル塗工、凹版ダブル塗工つまり凹版下塗りおよび凹版上塗り用に;厚紙、特に厚紙ダブル塗工用つまり厚紙下塗りおよび厚紙上塗り用に、ならびにフレキソ印刷用および特殊紙、特にラベルおよび包装紙用として使用することができる。本発明による填料および顔料は、また、デジタル印刷法用の紙に使用して役立たせることもできる。
【0049】
この方法は、本発明により調製された顔料スラリーを、原紙、コーティングの品質および特にそれらにより調製された最終品質を失うことなく使用する機会を提供する。
【0050】
本発明は、また、特に、あらゆる種類の接着剤またはコーティングを調製するために使用することができる。接着剤は、粘着性および凝集性(凝集力)によって部品が一体化するように共に結合させる非金属物質であることが知られている。「接着剤」とは、物理的もしくは化学的態様、または例えば、膠、のり、分散型、溶剤型、反応型もしくはコンタクト型接着剤などの処理技術の態様のもとで選択される接着剤の種類に対するその他の通常の用語を含む総称である。接着剤の呼称は、母材(例えば、デンプンのり、人工樹脂膠、ハイド膠)、処理条件(例えば、コールドグルー、ホットシールまたはホットメルト接着剤、二次接着剤)、使用目的(例えば、紙用接着剤、ウッドグルー、金属用接着剤、壁紙のり、ゴム系接着剤)および送出の形態(例えば、液状接着剤、膠溶液、膠粉末、板状膠、膠ゼリー、パテ、粘着テープ、接着フィルム)を示すための付加をしばしば含む。
【0051】
接着剤は、主に有機化合物に基づいているが、無機接着剤も使用される。
【0052】
DIN 16 920標準規格は、接着剤の種類を、物理的に硬化する接着剤(膠、のり、溶剤型、分散型、プラスチゾルおよびホットメルト接着剤)と化学的に硬化する接着剤(例えば、シアノアクリレート接着剤)とに分類している。物理的に硬化する接着剤は、無溶剤型(ホットメルト接着剤)または溶媒含有型でもよい。それらは結合工程の前または途中でそれらの物体の状態を変化させる(液体から固体へ)か、溶媒を蒸発させることによって硬化し、一般に一成分系である。
【0053】
化学的に硬化する一成分または複数成分の反応型接着剤は、任意の重合反応に基づいてよく、エポキシ樹脂と酸無水物またはポリアミンとの二成分系は重付加機構により反応し、シアノアクリレートまたはメタクリレートは重合機構により反応し、アミノプラストまたはフェノプラストに基づく系は重縮合機構により反応する。
【0054】
接着剤原料として使用することができるモノマーまたはポリマーの範囲は、幅広く変化させることができ、殆どすべての材料の間の結合を可能にする。プラスチック材料の結合は問題となる傾向がある。
【0055】
最近の接着剤開発の主要な対象は、有機溶媒を含有する系から無溶媒系または溶媒として水を含む系への転換である(これは環境保護および経済的観点から必須である)。
【0056】
本発明による填料および顔料は、また、塗料およびラッカーの調製に対しても適している。より好ましくは、この填料または顔料は、分散塗料および分散染料の調製に役立つ。後者の用語は、一群の水に難溶性の合成染料(殆どの場合アゾ染料またはアントラキノン誘導体、またナフトールAS染料も)であって、非常に細かく粉砕された状態で分散剤と共に、アセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、PVCおよびポリウレタン繊維の染色および印刷のために使用されるものを含む。染色の間、染浴中で分子溶解している染料分は拡散によって繊維中に浸透し、そこでそれらは固溶体を形成し、かくして堅牢な染色を生じる。最新の異形は、いわゆる転写染色法であり、分散染料を紙から布地に熱をかけて転写させる。
【0057】
したがって、比較的粗い無機填料または顔料を、細かい混練にかけることが可能である。本発明による填料および顔料のユーザーは、原料の供給業者によって指示された粒径には拘束されない。従来技術の多くの分野において、原料の供給業者の仕上がった填料または顔料を2μmより小さい粒子の重量パーセント、例えば、等級として、粉末度またはタイプ95、90、75、60、50などによって特徴付けるのが普通である。
【0058】
技術の多くの分野において、粒径分布は填料または顔料の使用において特段の役割を果たす。本発明によれば、それぞれ相当直径を基準として、<10μmの粒子が10〜99重量%、特に<1μmの粒子が10〜95重量%の粒径分布を有する填料または顔料を使用するのが特に好ましい。
【0059】
本発明に照らして特に好ましいのは、それぞれ相当直径を基準として、
a)<20μmの粒子が95〜100重量%、および/または
b)<2μmの粒子が50〜100重量%、特に<2μmの粒子が50〜95重量%、および/または
c)<1μmの粒子が27〜99重量%、特に<1μmの粒子が27〜75重量%、および/または
d)<0.2μmの粒子が0.1〜55重量%、特に<0.2μmの粒子が0.1〜35重量%、
の粒径分布を有する填料または顔料である。
【0060】
以下に、本発明による方法およびそれによって得られる填料または顔料についての応用の好ましい分野について論じる。
【0061】
塗料工業:
屋内用の分散塗料の伝統的な配合は、約10%の割合のスチレンアクリレート系ポリマー分散体を通常含む。伝統的な建物外装用塗料の配合は、ポリマー分散体の18〜25%の割合を通常有する。
【0062】
本発明によれば、ポリマー分散体によりコートされた填料スラリーの使用によって、配合物の強度が前と同じでありながら最終配合物中の全体の分散体の割合または樹脂の割合を減少させることができること、または配合物中の樹脂の割合が前と同じでありながら強度が著しく増大することが見出された。したがって、今回の場合、標準の配合は、配合物中に含まれるバインダーの50%を変えることによって調整する。コートした炭酸カルシウムスラリーを実験の基準として取ることが必要なため、類推により、標準配合物中の炭酸カルシウムの固形分含量に立ち戻り、比較配合物において、分散体中に乾燥状態で予め加えられた填料が、固形分としての計算をして同量のスラリーによって適切に置換されるように修正する。これにより、2つの同一の配合物が、的確に同一量のバインダーと同一量の無機填料とで得られる結果となる。しかしながら、後者の場合は、従前の標準配合物割合の上記の割合が、本発明により新たに設計されたコートされた炭酸塩スラリーによって置換されたことになる。かくして、DINによる耐洗浄性に基づく塗料の強度が適切に増加していることが示された。本発明による填料または顔料を使用することによって調製した塗料は、明らかに改良された耐性を有した。
【0063】
もう1つの場合は、配合中の樹脂含量を、標準の配合と比較して20重量%減少させた。配合物中に含まれる樹脂の残りの80重量%は、絶対的な観点から、この残りの80重量%の半分を、通常の標準の分散体、他の半分については、本発明による新規な方法に従ってコートした炭酸塩スラリーの添加により使用することによって置換した。この場合もまた、標準と比較した耐洗浄性を測定した。本発明による填料または顔料を使用して調製した塗料は、明らかに改良された耐性を有した。
【0064】
接着剤工業
織物またはその他の床を固着させるための一般的な床接着剤用の接着剤配合物は、古くから50%の樹脂含量を有するターポリマー分散体を35%の割合で含む。
【0065】
この場合は、バインダーの一部を、本発明による一部によって置換し、その結果配合物中の樹脂の全体の割合は前と同じに留まり、配合物中の填料も標準におけるのと同じに留まるようにした。強度が標準のものより明らかに改善されていることが示されるはずであった。
【0066】
このようにして用意した配合物を使用して、固くしまった地面に固定した所定の標準的敷物との接着を実施し、その後、こうして互いに接着した層を剥離するのに必要な力の大きさを比較した。本発明による填料および含量を使用することにより調製した接着剤は、明白により高い離層力を有した。
【0067】
製紙業
製紙業においては、約10重量%のポリマー分散体(固形分)を含むコーティング塗料が表面コーティングのために通常使用される。この場合は、標準のコーティング塗料は、ポリマー分散体(固形分)の10重量%の炭酸カルシウムを基準とした。代替物として、同じ量の炭酸塩とバインダーで同じ配合物を調製したが、前の配合の一部を、バインダーおよび炭酸カルシウムの両方共、本発明によってコートした炭酸カルシウムのスラリーによって適切に置換することによって修正し、ここで、前に配合物中の1成分として単に加えられた同じポリマー分散体をコーティング用に使用した。その後、コーティングの引張り強さを比較し、そこでは、標準品または代替品のいずれかによる両方の場合とも、原紙に約14〜15g/mの上記の配合物を塗布した。その引張り強さは、どちらの塗工フィルムが原紙とよりよく結合しているかを示す。本発明による填料および顔料を使用する紙の引張り強さは、標準の填料および顔料と比較して明らかに改良された。
【0068】
そういうわけで、これらの3つの例により、塗装技術に関して、無機填料を液相状態にした塗膜は、分散体と無機填料を単に混合することによる従来の塗装を超えて、その塗膜の強度値に明らかな改善を与えることを示すことができた。
【0069】
本発明の特に好ましい応用は、特に製紙業における残存水性スラッジの使用に関する。
【0070】
紙の生産においては、使用した材料の4重量%〜12重量%に当るコーティング塗料またはコーティング塗料成分の損失が生じる。
【0071】
これらの残ったコーティング塗料または傷物は、主として図の位置Aにおいて以下により得られる:
・例えば、等級の変更、プラントの休止、運転停止および始動によりコーティングが凝集したとき;
・例えば、欠陥のあるバッチ、濾過におけるコーティング塗料の処理において;
・原材料在庫、タンク車からの取り出し、容器の充填および放出において。
【0072】
上記の傷害は、洗浄作業を伴い、その結果その除去水は、およそ1〜2重量%のごく低い固形分含量を通常は示す。その不合格品は、殆ど、この場合の例におけるように、位置Bの「残存物収集容器」中に分離せずに集める。
【0073】
この時点で、製紙工場は、異なるルートを選ぶことができ、例えば:
【0074】
a)ゴミ捨て場へのルート
ここに記載の出願書類の場合におけるように、殆どの場合、不合格品は、例えば遠心分離(位置C)または沈殿過程(位置D)を用いて凝集させ、脱水して最大の固形分含量(>55%)まで持ってゆき、この形態でゴミ捨て場に「廃棄する」。価値のある出発材料、例えば顔料およびバインダーなどは、生産工程に対しては失われる。
【0075】
b)炭酸カルシウム顔料の品質を向上させると共に、本発明による製紙用塗布工程へのリサイクリング。かくして、本発明を製紙工場の生産循環の中に組み込む。
【0076】
最初に、不合格品を、カチオン性生成物を添加することによって凝集させる。顔料と凝固したバインダーを水から分離する。沈殿手段(位置D)またはデカンター(位置E)がこの目的に役立ち得る。また、位置Cの遠心分離機からの遠心分離品も使用することができ、得られた透明水は、生産水として使用するかまたは負荷をかけることなく処理プラントに供給する。
【0077】
位置Cと位置Dは通常は製紙工場の部分であり、位置Eは、本発明の部分である。ここに記載の出願書類の場合において、工場独自の沈殿漏斗からの濃縮された不合格品は、混練プラントに加える。後者は以下の要素から構成されている:
位置F 凝集され濃縮された不合格品のためのバッファ容器;
位置G CaCO粉末ストック用のサイロ;
位置H 乾燥CaCOと不合格品の混合物のためのミキサー;
位置I CaCOスラリーのための貯蔵容器;
位置K 2段階ボールミル;
任意選択の位置L 混練済みCaCOスラリー用の任意選択の中間容器;
【0078】
本出願書類の場合におけるように以下の手順が後に続く:
・濃縮された不合格品をバッファ容器F中に集める。不合格品が得られない場合は、その容器には水を充填する。
・ミキサーH中に、不合格品および場合によって分散剤を加え、次いでサイロGからCaCO粉末を加えて、75〜80重量%の固形分で分散させる。
・貯蔵容器I中に、スラリーを中間で貯蔵し、
・縦型のボールミルKに連続して供給する。そのミル中で、そのスラリーを、ポリマー分散体を含むものと含まないものとの複数の混練助剤を添加して少なくとも50℃の混練物の温度(好ましくは60〜90℃)で所望の細粒度に混練する。この混練に対しては、最大で5mmまでの、例えば2mmの相当直径を有する混練ボールを使用する。この炭酸カルシウムスラリーは、
・中間で容器L中に貯蔵され、その後、粒径、固形分含量、粘度およびpH値をチェックした後、その同じスラリーをコーティングキッチン中でポリマー分散体と混合し、かくして生成したコーティング塗料を、
・コーティングプラントの貯蔵容器M中に輸送する。連続運転を使用するときは、容器FおよびIを、本発明による方法においてはなしで済ますこともできる。
【0079】
さらに、ミキサーH中および/または貯蔵容器I中および/または縦型ボールミルK中のスラリーを、混練する前にバインダーポリマー分散体と混合すること、またはバッファ容器F中にバインダーポリマー分散体を既に含んでいることが必須である。
【0080】
不合格品が、本発明により再使用されるとき、その顔料は、理論的には分離して、単独でリサイクルすることができる。しかしながら、本発明による方法は、顔料のバインダーとの混練が調製される炭酸塩顔料の品質に対して決定的に重要であるために、バインダーのリサイクリングも提供する。バインダーが、細かく分散したポリマー分散体としてのその元の形をしているかまたは球状の塊として凝集した、すなわち、凝結した状態であるかは、バインダーが凝結した状態であってもその活動能を有するために重要ではない。混練中にバインダーは、個々の粒子としてであってもまたは凝集物としてであっても、バインダーの小球の間の機械的磨耗によって顔料粒子に擦り付けられ、高温によってフィルムに変換される。かくして、填料または顔料粒子はバインダーフィルムによってコートされる。
【0081】
したがって、このバインダー分は既にしっかりと固定されており、吸収性基材(原紙または原厚紙)にもはや吸収されない。吸収とは、バインダーの損失または塗膜のバインダーの不足を意味し、したがって、例えば引き抵抗および印刷物の光沢が低くなる。吸収は、また、原紙中に異なる吸収性のゾーンが存在する場合不規則に生じ得る。これは、まだらの印刷画像をもたらす。
【0082】
対照的に、本発明による方法におけるように、既にバインダーによってコートされている填料または顔料を紙/厚紙に塗布する場合は、このバインダーの移動は存在しない。バインダーの「歩留まり」は高く、より濃厚な塗膜、より高い引張り抵抗およびよりよい印刷物の光沢が、より少ないバインダーを用いて得られる。コーティング顔料が均一に分布されるとバインダーもまた均一に分布され、その結果、均一な印刷インキの受け入れがもたらされ、まだらに対抗する。このことは、安定化したポリマー分散体および不安定化したバインダー、すなわちバインダー凝集物、の両方の形の異なるバインダーによる試験と経験とにより示された。
【0083】
通常の製紙工場における本発明による方法の実施は、以下のように説明することができる。
【0084】
任意の所望の大きさ、例えば50〜1000mのサイロは、均一な、または場合によって異なる基本的な粒径分布を有する例えば炭酸カルシウムなどの乾燥した填料および顔料を収容し貯蔵する働きをする。計量供給装置が填料および/または顔料粉末の排出を確実に行い、続いて場合により浄化装置を有する小出しタンクに場合により搬送する。コンピューターにより一体化された配合の蓄積プログラム制御(SPC)によって適宜制御される1つまたは複数の粉末のための計量供給装置は、水として清水または製紙工場からの白水と混合すべき成分の必要量を重量法および/または容量法によって測定する。本発明によれば、固形分含量が特に0.02〜50重量%の残存水性スラッジを使用して、清水または白水の一部またはすべてを置き換え、残存水性スラッジの濃度が高いときは水を追加する。それ故、残存水性スラッジを貯蔵するための容器、使用される量を重量法または容量法によって測定する残存水性スラッジのための計量供給装置がさらに必要となる。さらに、粉末の形態の未使用顔料または未使用填料の混合物、未使用顔料を含みかつ/または未使用填料を含むスラリーおよび残存水性スラッジ/水、場合により混練助剤および分散助剤またはその他の助剤を受けるための容器が必要となる。分散および安定性調節のため、分散手段(ディソルバー)またはその他のかきまぜ機が必要である。
【0085】
表面変性填料および顔料の調製は、例えば700〜5000lまたはそれ以上の容積を有する通常の縦型の撹拌機ボールミル中で本発明に従い連続して行うことができる。特に1〜4mmの直径を有する混練用ボールを使用する。本発明の趣旨の範囲内の混練用ボールは、基本的には任意の形状を有する混練媒体であるが、好ましくは原則的に回転楕円体の形状、特に(ほぼ)球形の混練媒体である。
【0086】
不純物(ボールのつぶれたもの、剥離材、さびなど)を分離するためのふるい、好ましくは弧状ふるいを、残存水性スラッジの処理のために通常使用する。レーザー計測器が、混練工程中の混練の微細度を測定し、制御するためおよび撹拌機ボールミルプラントのコンピューターによる制御に対して役立つ。縦型撹拌機ボールミルに分散および混練助剤を後添加するためのその他の投与注入手段も必要となり得る。顔料スラリーの排出後、20μmを超える大きさの汚染物質を再度分離するためのふるいが必要となり得る。一般的に、使用する未使用顔料および/または填料、特に炭酸カルシウム粉末は、d97≦25μmの細度、d97≦100μmより大きくない細度、≧98%の炭酸塩純度、≦1.0%、特に≦0.2%のSiO含量で、90%を超えるDIN53163による乾燥型の白色度、特に95%を超える白色度を有している。
【0087】
様々な量のポリマー分散体と混合されている例えば炭酸塩を、例えば塗装にいつでも使用できるものに調整することができる固形分含量を有するスラリーに混練する。場合によっては、その固形分含量は、その顔料スラリーを長期間にわたって一時的に貯蔵する場合は、より高い値に調整することもできる。スラリーの微細度は、縦型の撹拌機ボールミル中での製造中の滞留時間および/またはエネルギー消費量によって主として決定される。
【0088】
顔料スラリーの白色度は、とりわけ、未使用顔料対水または残存水性スラッジの混合比率、特に使用する未使用顔料の種類に依存する。
【実施例】
【0089】
実際の試験において、以下の審査を確認することができた:
・製紙機械を備え、コート紙年産100,000tの製紙工場
・下塗りおよび上塗り用のオンライン式コーティング集成装置を備えた製紙機械
・下塗り用の#60細度の等級の20,000tのCaCOを含む40,000tの合計顔料消費量
・不合格生産:3,200t/年
・本発明による方法を実施するためのプラントの能力:CaCO(#60細度)で24トン/日
・目的:75重量%の固形分含量に向けて1tの不合格品と共に20tの微粒子顔料を混練すること
(#60細度とは、2μmより小さい粒子が60重量%であることを意味する。)
【0090】
混練プラントの一体化は、ポリマー分散体を既に含有するバッファ容器F中の約40重量%まで濃縮した既に凝集させた不合格品を集めることから始める。
【0091】
ミキサーHに、不合格品ならびに分散剤を入れ、サイロGから乾燥したCaCO(30等級)を、75重量%の固形分が得られるまで供給した。得られた懸濁液を貯蔵容器Iにポンプ輸送し、顔料を基準として1.8重量%の市販の混練助剤(ポリアクリレート)を加えた。
【0092】
ここで、2段階縦型ボールミルKに、貯蔵容器Iから連続的に供給した。30等級のCaCOを、1.6〜2.5mmの相当直径を有する基本的に球形のSAZ混練ボールを用いて60等級のCaCOまで混練し、混練生成物は、約50℃の温度を有した。混練のために、1トン当たり85kWを使用しなければならなかった。かくして調製した60等級のスラリーを、粒径、粘度、固形分含量およびpH値が立証されるまで中間の容器Lに貯蔵し、次いでコーティングキッチンの下塗り顔料用の貯蔵容器M中にポンプ輸送した。その後、このコートした下塗り顔料も、約16重量%(商品)の市販のポリマー分散体(Acronal(登録商標))と混合して下塗り塗料を得た。
【0093】
本明細書に記載の塗装の場合に、運用試験における下塗り塗料は、60重量%の標準の60細度等級の炭酸塩プラス40重量%の60細度等級のAlphaCarb(登録商標)で構成されており、後者の40重量%の割合は、15重量%の不合格品と25重量%の30細度等級のCaCOとからなり、その結果、下塗り塗料中の不合格品の割合は約7重量%の不合格品であった。820m/分の塗工速度で、10〜11g/m/面をフィルムプレスに下塗りでは塗布した。そのフィルムプレス上のコーティング塗料の流動挙動は問題なく、上塗りが縞なしで塗布された。
【0094】
かようにコートした試作品を、標準のコート紙と比較した。
【0095】
結果
標準の60等級顔料によるコーティングと比較して、本発明による顔料によるコーティングは:
・オフセット印刷試験においてスコア2に対してスコア1のより高い引張り抵抗;
・75に比べて82のより高い印刷インキの光沢;
・プリューフバウ(Prufbau)吸収試験後の約15秒遅い印刷インキの吸収挙動;
・スコア3に対してスコア2のよりよい印刷均一性(視覚的に評価);
を与えた。
【0096】
また、本発明による方法によって調製した紙を使用する光学および官能試験において、試験紙に対して優れた品質が確証された。
【0097】
CaCOのコーティング塗料との混練の例:
<2μmの微粉含量が90重量%を超える炭酸カルシウム顔料スラリーを調製するため、Calcicell(登録商標)30を用いる縦型ボールミル中に、軟化剤および溶媒を含まない、アクリル酸n−ブチル、アクリロニトリルおよびスチレンに基づく、填料および顔料を基準として0.25重量%の量(活性物質)の水性アニオン性コポリマー分散体(Acronal(登録商標)S360D)を使用した。このポリマー分散体は、約50重量%の固形分含量および約8のpH値を有していた。
【0098】
そのスラリー中の炭酸カルシウムCalcicell(登録商標)30の量は、75重量%であった。混練用ボールとしては、直径が1.6〜2.5mmのSAZボールを使用した。そのミルの有効容積は、3lであった。出力は、1分当りの回転数が400〜1500rpmで1.3kWであった。混練中の混練生成物の温度は約55℃より上であった。
【0099】
表1に示されている量の炭酸カルシウムと水に、濃厚なコーティング塗料(68.7重量%の固形分含量)を加えた。スラリーを調製するため、上記のポリマー分散体の各1重量%(計算基準:填料の割合)をその投入物に加えた。
【0100】
続く表1は、実験プログラムを示す:
【表1】

【0101】
使用した材料の細度は、シーラス(Cilas)装置によるレーザー回折法によって測定した。
【0102】
使用した原料炭酸カルシウムの測定:
D50 4.63μm
D100 27.83μm
<1μm 15.30%
<2μm 30.20%

使用したコーティング塗料の測定:
D50 1.17μm
D100 9.95μm
<1μm 41.50%
<2μm 76.10%

(実施例2)
以下の分析結果が純水により得られた:
ボール容積: 2.0l
スラリー容積: 0.9l
1分当りの回転数: 約1100rpm
粒径分布を測定するための試料を、20、40、60、80、100および120分後に採取した。混練試験中、ミルは水により冷却した。
【表2】

【0103】
120分後のスラリーからの填料の色値(エルレフォ(Elrepho)測定装置):
Rx=90.3/Ry=90.1/Rz=88.8/BGW=−1.7
粘度測定(120分後の試料):
温度: 20℃
粘度計: ブルックフィールドHBTD
【表3】

【0104】
(実施例3)
【表4】

【0105】
(実施例4)
【表5】

【0106】
110分後のスラリーからの填料の色値(エルレフォ(Elrepho)測定装置):
Rx=92.2/Ry=92.0/Rz=90.7/BGW=−1.6
粘度測定(110分後の試料):
温度: 20℃
粘度計: ブルックフィールドHBTD
【0107】
【表6】

【0108】
(実施例5)
【表7】

【0109】
120分後のスラリーからの填料の色値(エルレフォ(Elrepho)測定装置):
Rx=92.4/Ry=92.2/Rz=90.9/BGW=−1.6
粘度測定(120分後の試料):
温度: 20℃
粘度計: ブルックフィールドHBTD
【0110】
【表8】

【0111】
(実施例6)
【表9】

40μmふるいに対してやや大き過ぎ、泡立ち、ボールのわずかな凝着。
【0112】
120分後のスラリーからの填料の色値(エルレフォ(Elrepho)測定装置):
Rx=91.7/Ry=91.6/Rz=90.4/BGW=−1.4
粘度測定(120分後の試料):
温度: 20℃
粘度計: ブルックフィールドHBTD
【0113】
【表10】

【0114】
(実施例7)
【表11】

実施例6におけるより40μmふるいに対してさらに大き過ぎ。より多い泡立ちおよびより強いボールの接合。
【0115】
120分後のスラリーからの填料の色値(エルレフォ(Elrepho)測定装置):
Rx=90.6/Ry=90.4/Rz=89.1/BGW=−1.7
粘度測定(120分後の試料):
温度: 20℃
粘度計: ブルックフィールドHBTD
【0116】
【表12】

【0117】
【表13】

【0118】
120分後のスラリーからの填料の色値(エルレフォ(Elrepho)測定装置):
Rx=92.0/Ry=91.8/Rz=90.9/BGW=−1.2
粘度測定(120分後の試料):
温度: 20℃
粘度計: ブルックフィールドHBTD
【0119】
【表14】

【0120】
(実施例8および9、比較例1および2)
製紙業についての一連の実験において、製紙用パルプの調製についての比較を行った。一方は伝統的な配合を使用し、他方は填料をポリマーバインダーと混練した以外は同様の配合を使用した。
【0121】
前記一連の実験において、パルプのモデルとしては100%DIP(脱墨紙)を使用した。DIPの灰分は、0.8%であった。#60細度等級(粒子の60%が<2μm)の市販の天然炭酸カルシウムが填料として役目を果たした。ポリマーバインダーは、市販のスチレンアクリレートであった。混練は、約2mmの直径を有するジルコニア製の混練ボールによる縦型ボールミル中で、炭酸カルシウムとポリマーバインダーの間で実施した。
【0122】
次表は従来法と本発明による方法との間の違いを示す。
【0123】
実験における違いとしては、1つの場合は20%であり、他の場合は30%であった紙中の填料(灰分)の割合を含む。
【0124】
【表15】

【0125】
物理的測定結果の説明:
m単位の乾燥裂断長:紙の細長い一片がそれ自体の重量のもとで裂断する長さの寸法(例えば2691m)(長いほど強い)。
【0126】
耐プラッキング性試験:Z方向における強度、値が小さいほど強い。
【0127】
内部強度(「スコットボンド」):J/m(ジュール/m)単位の大きさ、大きいほど良好、「層間剥離」に対する抵抗力がいわば測定される。
【0128】
多孔度:ml/分単位の通気性、数字が大きいほど多孔度は大きい。
【0129】
ポリマーバインダーと混練されていない填料を含む紙と比較して、本発明によりポリマーバインダーと混練された填料を含む紙は、多孔度が減少すると同時に強度特性の明らかな増加をもたらした。バインダーと混練された填料は、こうして装備された紙における繊維の結合を支えた。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の製造方法の1実施態様を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の粒径の表面変性無機填料または顔料の調製方法であって、所定の粒径を有する無機填料または顔料の填料または顔料スラリーを、少なくとも50℃の混練生成物の温度の縦型ミル内で、
(a)ポリマー分散体、
(b)該填料または顔料を基準として0.1〜4.0重量%の量のそれ自体既知の混練助剤および/または分散剤(活性物質)、および
(c)最大で5mmまでの相当直径を有する混練ボール、
を用い、圧力およびせん断力の作用により、前記填料または顔料の所望の粒径まで混練し、ポリマー分散体のバインダーを、該填料または顔料上に塗り付けながらポリマー塗膜を設けることを特徴とする方法。
【請求項2】
天然および/または沈降炭酸カルシウム、チャイナクレー、人造および/または天然のケイ酸アルミニウムおよび酸化アルミニウムの水和物、二酸化チタン、サチンホワイト、ドロマイト、マイカ、金属フレーク、特にアルミニウムフレーク、ベントナイト、ルチル、水酸化マグネシウム、セッコウ、層状ケイ酸塩、タルカム、ケイ酸カルシウムならびにその他の岩石および土あるいはそれらの混合物を填料または顔料として混練することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該スラリーを基準として、10〜90重量%、特に30〜70重量%の填料または顔料含量を有する填料または顔料スラリーを使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
特に0.005〜6μmの粒径を有する天然および/または合成ポリマーから選択されるポリマー分散体を、水相または非水相において使用することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
天然ゴム、合成ゴム、人工樹脂、および特にポリウレタン、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリル酸またはアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸またはアクリル酸エステル、また酢酸ビニル/アクリル酸またはアクリル酸エステルに基づくプラスチック材料から選択される樹脂を含有するポリマー分散体を使用することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記填料または顔料を、ポリアクリレートにより混練することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記填料または顔料を、顔料の量を基準として、0.1〜50重量%、特に5〜15重量%の量のポリマー分散体(固形分)と接触させることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記填料または顔料を基準として、0.2〜0.45重量%、特に0.25〜0.4重量%(活性物質)の量の前記分散剤を、填料または顔料と接触させることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記填料および/または顔料スラリーを、紙、塗料、接着剤またはその他の工場の脱インキプラント、中間水処理プラントまたは分離装置由来の塗装プラントの廃液からのコーティング顔料スラリーおよび/または填料とコーティング顔料を含む残存水性スラッジと接触させることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
繊維含量対填料および/または顔料の含量の割合が2〜98重量%から98〜2重量%のコーティング顔料スラリーおよび/または填料および/またはコーティング顔料を含む残存水性スラッジを使用することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
固形分濃度が0.02〜80重量%、特に20〜70重量%のコーティング顔料スラリーおよび/または填料および/またはコーティング顔料を含む残存水性スラッジを使用することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
10〜95重量%、特に40〜80重量%の固形分含量を有する填料および/または顔料スラリーの調製のための、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
該スラリーの前記填料および/または顔料を、それぞれ相当直径を基準として、<10μmの粒子が10〜99重量%、特に<1μmの粒子が10〜95重量%の粒径分布に混練することを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
該スラリーの前記填料および/または顔料を、それぞれ相当直径を基準として、
a)<20μmの粒子が95〜100重量%、および/または
b)<2μmの粒子が50〜100重量%、特に<2μmの粒子が50〜95重量%、および/または
c)<1μmの粒子が27〜99重量%、特に<1μmの粒子が27〜75重量%、および/または
d)<0.2μmの粒子が0.1〜65重量%、特に<0.2μmの粒子が0.1〜35重量%
の粒径分布に混練することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の方法によって得ることができる、相当直径を基準として、<2μmの粒子が50〜95重量%の粒径分布を有する表面変性無機填料または顔料。
【請求項16】
製紙業用の分散塗料、接着剤、コーティングまたはコーティング組成物、特に製紙業の様々なセグメント、例えば枚葉紙オフセット、オフセット輪転、凹版印刷、厚紙および特殊紙などに対するコーティングまたはコーティング組成物の調製するための、請求項15に記載の表面変性填料および/または顔料の用途。

【図1】
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【公表番号】特表2009−515001(P2009−515001A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538344(P2008−538344)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067886
【国際公開番号】WO2007/051766
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508120374)アルファ カルシット フュルシュトフ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング (1)
【Fターム(参考)】