説明

表面実装型過電流過熱保護デバイス

【課題】耐候性に優れ、構造が簡単で且つ加工成形が容易である表面実装型過電流過熱保護デバイスを提供する。
【解決手段】 本発明は、高分子複合導電材料からなるPTCチップ(6)と、PTCチップを埋め込みる層状シェルを含む。シェル構造は内層、中間層、外層から構成される。内層はPTCチップを収納できるスペースを置く基板(7)である。中間層は、基板の上下に放置された各一枚の蓋板(4,9)からなる。蓋板と基板の間に半分の導電フィルム(5、8)を入れ、PTCチップの二つの電極と接触させる。外層は蓋板の外側に貼り付けた二つの半田パッド(1、2、10、11)と半田付き防止フィルム(3、12)からなる。二つの端子はシェルの両端に設けられ、それぞれに半田パッドと導電フィルムを接続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流保護の電子デバイスに係り、具体的に表面実装型高分子過電流過熱保護デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能性高分子材料は材料科学において盛んに研究されている分野であり、その中、PTC特性を持つ高分子複合導電材料が特に注目されている。高分子PTC複合導電性材料はPTC(positive temperature coefficient 「正温度係数」)の抵抗特性を持つ高分子複合導電性材料である。すなわち、一定の温度範囲で、この導電性材料の抵抗は増加する温度につれて増加する。この高分子PTC材料が高分子材料の中に導電粒子を添加したものである。高分子材料が熱固化性樹脂と熱可塑性樹脂を含みます。熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルエチレンコポリマー、エチレンーアクリル酸コポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフロロ塩化エチレンなどが挙げられる。熱固化性樹脂が主にエポキシ樹脂である。導電性粒子は主にカーブンブラック、金属パウダー、及び表面に金属を塗装した石墨、カーボンブラック、セラミックスビーズ、ガラスビーズなどである。よく使われる金属パウダーは銀、銅、アルミ、ニッケル、ステンレスパウダーである。高分子PTC導電材料の中に、二酸化シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミ、二酸化チタン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウムなど絶縁材料を添加できる。
【0003】
高分子PTC材料を用いて作られた過電流加温保護デバイスは回路の過電流保護装置として使う。このデバイスが直列に回路と接続する。回路が正常な場合に、デバイスを流す電流と温度が低くて低い抵抗値を示し、回路に影響を与えない。しかし、電路の故障による大きな電流がこのデバイスを流したときに、温度が急に上昇し、抵抗が急に上がることになり、回路に電流がながれなくなり、回路を保護する。故障を無くしたら、過電流加熱保護デバイスは温度が下がり、抵抗値も低い抵抗の状態に回復する。このデバイスは一種の自動復帰型ヒューズであり、幅広く計算機、通信機器、車電子、家電及び工業制御電器設備など領域に使われる。
【0004】
過電流加熱保護デバイスは過電流保護分野にすでに広く使用されている。表面実装型が電子デバイスのトレンドであるため、過電流加熱デバイスをパッケージングする技術に対し、さらに高い要求が求められるようになる。現在、よく使われている表面実装型過電流過熱保護デバイスは、高分子PTC材料、特に金属添加物を含む高分子PTC材料の側面が直接に空気に触れるため、大気の酸素と水分の浸入による耐候性が悪くなる問題を持っている。一部の製品では、PTC材料が全部パッケージングされるにもかかわらず、構造が複雑で、製造もむずかしい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする第一技術課題は耐候性が優れており、構造も簡単で、しかも、加工成形が簡単である表面実装型過電流過熱保護デバイスを提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする第二技術課題は表面実装型過電流過熱保護デバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の第一技術課題を解決するためには、本発明では、高分子複合導電材料からなるPTCチップと、PTCチップを埋め込みる層状シェルを含む表面実装型の過電流過熱保護デバイスを公開する。上述のシェル構造は内層、中間層、外層から構成される。内層がPTCチップを収納できるスペースを置く基板である。中間層が、基板の上下に放置された各一枚の蓋板からなる。蓋板と基板の間に半分の導電フィルムを入れ、PTCチップの電極と接触させる。外層が蓋板の外側に貼り付けた二つの半田パッドと半田付き防止フィルムからなる。シェルの両端には二つの端子を設け、それぞれに半田パットと導電フィルムを接続させる。
【0008】
そこで、優先の選択肢、下の蓋板の外側の両端にはそれぞれ半田パッドを設け、その間に、半田付き防止フィルムを貼り合わせ、しかも、半田パッドがそれぞれ同じ側の端子と接続する。また、上述の半田付き防止フィルムがエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステルのいずれかからなる。また、上述の半田パッドが金属箔の内層と金属メッキの外層から構成される。また、上述の金属メッキがニッケルか錫、あるいは内側がニッケル、外側が金、あるいは、内側がニッケル、外側が錫である。また、端子がシェルの両端に設けられた凹み部分にある。また、凹み部分が半円あるいは半楕円の形である。また、端子が金属メッキからなる。基板と蓋板が複合樹脂板から製造される。さらに、導電フィルムが金属箔から構成される。
【0009】
上述の第二技術課題を解決するためには、本発明では、次のステップからなる一つの表面実装型過電流過熱保護デバイスの製造方法で解決する:
1)PTCチップの製造:高分子PTC複合導電材料をシート状に成形する。その後、一定した形のものにカットする。
2)蓋板の製造:両面に金属箔をはり合わせした複合樹脂板2枚をとり、エッチィンク、レーザーカットあるいは機械カットの方法で、一定した分布に従い、片面の金属箔に導電フィルムの形状を彫り刻む。
3)基板の製造:PTCチップと同じ厚みの複合樹脂版一枚を取り、一定した配列に基づき、PTCチップが入れるように穴を開ける。
4)PTCチップを基板に入れ、基板の上下に、2)のステップで作られた蓋板を彫り刻まれた導電性フィルム側が内向きになるように置き、サンドイッチ構造となる。その後、加熱加圧で固化させて、複合構造の板材を得る。
5)一定した配列に基づき、4)で得られた複合構造の板材に穴をシェルの両端の凹み部分にあわせるように開ける。
6)穴の部分に銅をメッキする。
7)エッチィンク、レーザーカットあるいは機械カットの方法で、蓋板の外側の金属箔に半田パッドの形状のものを彫り刻む。
8)半田パッド及び穴の部分に錫あるいはニッケルをメッキする。ニッケルメッキ後、金あるいはほかの金属をメッキしてもいい。
9)表面の半田パッド以外の部分に半田付き防止フィルムを印刷あるいはスプレーし、熱あるいは光のいずれかで固化させる。
10)ステップ9)で得られた複合板材をカットし、最終製品が得られる。カットする際に、穴の部分が二つの半円になり、シェル両端の凹み部分を形成する。
【0010】
優先の選択肢、上述の方法で、高分子PTC複合導電材料をステップ1)でシート材に成形する前に、化学方法でクロスリンクさせる。シート材を小さいサイズにカットする前に、電子射線かγ射線でクロスリンクさせる。小さいサイズにカットしてから、電子射線かγ射線でクロスリンクさせる。ステップ4)の後で電子射線かγ射線でクロスリンクさせる。また、上述のステップ3)の穴あけ方法がレーザー、ドリルあるいはパンチィングを含む。さらに、上述のステップ9)は半田付き防止フィルムへの文字印刷を含む。
【0011】
さらに、上述の第二技術問題を解決するためには、本発明では、次のステップからなる一つの表面実装型過電流過熱保護デバイスの製造方法で解決する:
1)PTCチップの製造:高分子PTC複合導電材料をシート状に成形する。その後、一定した形のものにカットする。
2)蓋板の製造:両面に金属箔をはり合わせした複合樹脂板2枚をとり、エッチィンク、レーザーカットあるいは機械カットの方法で、一定した分布に従い、片面の金属箔に導電フィルムの形状を彫り刻む
3)基板の製造:PTCチップと同じ厚みの複合樹脂版一枚を取り、一定した配列に基づき、PTCチップが入れるように穴を開ける。
4)PTCチップを基板に入れ、基板の上下に、2)のステップで作られた蓋板を彫り刻まれた導電性フィルム側が内向きになるように置き、サンドイッチ構造となる。その後、加熱加圧で固化させて、複合構造の板材を得る。
5)上のステップで得られた複合構造の基板に、一定した配列に基づき、デバイスの両端が狭い溝の位置に合うように狭い溝を開ける。
6)溝の部分に銅をメッキする。
7)エッチィンク、レーザーカットあるいは機械カットの方法で、蓋板の外側の金属箔に半田パッドの形状のものを彫り刻む。
8)半田パッド及び溝の部分に錫あるいはニッケルをメッキする。ニッケルメッキ後、金あるいはほかの金属をメッキしてもいい。
9)表面の半田パッド以外の部分に半田付き防止フィルムを印刷あるいはスプレーし、熱あるいは光のいずれかで固化させる。
10)ステップ9)で得られた複合板材をカットし、最終製品が得られる。カットする際に、溝の部分が半分ずつ切られ、シェル両端の凹み部分を形成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、PTCチップをシェルの中に入れることにより、空気との接触を遮断し、耐候性を向上させ、しかも、構造が簡単であるため、製造が便利になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1、図2に示した本発明の第一実施例の構造は高分子複合導電材料からなるPTCチップ6が層状構造のシェルにいれられるものである。シェルは内層の基板(7)、中間層の蓋板(4、9)、外層の半田パッド(1、2、10、11)と半田付き防止フィルム(3,12)からなる。基板(7)と蓋板(4,9)は複合樹脂板から作られ、熱による圧着で一体化することにより、PTCチップ(6)がその中に埋めいれられる。複合樹脂板は高分子樹脂と充填材料からなるが、充填材料が無くてもよい。高分子樹脂はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフッ素エチレン樹脂、熱固化性ポリフェニルルエーテル樹脂、ポリエステルなどを含む。充填材料は紙、ガラス繊維布、アミド繊維不織布などを含む。樹脂板は一層構造のものでも、数枚の違う材料の多層構造でもいい。
【0015】
基板(7)の厚みがPTCチップ(6)と同じで、PTCが入れるように、中央部分に穴が開けられる。二枚の蓋板(4,9)はそれぞれ基板(7)のそれぞれ基板(7)の上面と下面に置く。上の蓋板(4)の内側の半部に一枚の導電フィルム(5)を貼り合わせ、導電フィルム(5)をPTCチップ(6)の上面と接触させる。導電フィルム(5)がシェルの左側の端に合わせ、右側の端に届かない。下の蓋板(9)の内側の半部に一枚の導電フィルム(8)を貼り合わせ、導電フィルム(8)をPTCチップの下面と接触させる。導電フィルム(8)がシェルの右側の端に合わせ、左側の端に届かない。導電フィルム(5、8)は金属箔からなり、厚みが0.01−0.10mmである。
【0016】
上の蓋板(4)の外側の両端には、それぞれ二つの半田パッド(1、2)を設け、その間に半田付き防止フィルム(3)を置くことによって、両端が絶縁状態になる。下の蓋板(9)の外側の両端には、それぞれ二つの半田パッド(10、11)を設け、その間に半田付き防止フィルム(12)を置くことによって、両端が絶縁状態になる。半田パッドは蓋板に貼り合わせた金属箔と金属メッキ層がニッケルか錫、あるいは内側がニッケル、外側が金、あるいは、内側がニッケル、外側が錫である。メッキ厚みが0.002−0.20mmである。半田付き防止フィルム(3、12)はエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステルのいずれかである。
【0017】
シェルの両端にそれぞれ一つの凹み部分(13)を設ける。凹み部分(13)は半円あるいは半楕円の形で、内部に金属メッキからなる導電端子(14)が入っている。端子(14)は右側の半田パッド(2、11)及び導電フィルム(8)と接続する。左側の二つ半田パッド(1、10)が導電フィルム(5)と繋がり、導電フィルム(5)がPTCチップ(6)にも接続するため、左側の半田パッド(1、10)はPTCチップ(6)の上面と繋がることになる。従って、これを過電流加熱保護デバイスとして使うとき、上面の二つ半田パッド(1、2)の面で表面に実装することと、下面の二つ半田パッド(10、11)の面で表面に実装することはともにPTCチップ(6)の二つの電極と繋がり、直列に回路に入る形になる。
【0018】
上述の表面実装型過電流過熱保護デバイスは以下の方法で製造される。
【0019】
高分子PTC複合導電材料を0.50mmのシート材に成形し、その後、両面に厚み0.05mmの銅箔を張り合わせる。電子射線でクロスリンクさせてから、プレス機で直径3.0mmの円形のものにパンチイングする。
【0020】
両面に銅箔をはり合わせした厚み0.3mmのエポキシ樹脂板2枚をとり、エッチィンクの方法で、一定した分布に従い、図4に示すように、一枚の樹脂板の片面の金属箔に導電フィルム(5)の形状を彫り刻む。もう一枚のエポキシ樹脂板の片面の金属箔に導電フィルム(8)の形状を彫り刻む。図5に示すように、各ユニットの図形が5.1mm×4.6mmの長方形である。
【0021】
厚み0.5mmの半固化エポキシ樹脂板一枚を取り、一定した配列に基づき、直径3.06mmの穴をパンチイングする。その後、高分子PTCチップをこの穴に入れ、半固化複合樹脂板の両側に上述のエポキシ樹脂板を置き、サンドイッチ構造となる。そのとき、エッチングされない金属箔側が外向き、そして、熱プレス機で加圧加熱することにより、複合構造の板材とする。
【0022】
一定した配列に基づき、そうして得られた複合構造の板材に直径1.6mmの穴をドリルし、図4、図5に示すように、穴(15)の位置がデバイス両端の凹み部分に対応する。
【0023】
銅メッキの化学方法で、上述の穴の内側に厚み0.05mmのメッキをかける。
【0024】
エッチング方法で、外側の銅箔に一定した配列に基づき、半田パッド1、2と10、11の形状のものを彫り刻む(図5)。エッチングする前、ドライフィルムあるいはウェットフィルムでエッチングを必要としない部分を保護する。エッチング後、保護フィルムを除去する。その後、錫のスプレー処理を行い、穴の内側と半田パッド部分に錫をメッキする。
【0025】
表面の半田パッド以外の部分に半田付き防止フィルムを印刷し、熱による固化を行う。必要に応じて、文字印刷でもいい。最後、カッティング機でカットし、製品を得る。カッティングの段階で、穴(15)を二つの半円に分け、シェル両端の凹み(13)を形成する。製品サイズが図2に示すように6.4mm×4.6mm×1.2mmである。
【0026】
図3に示す本発明の第二実施例は第一実施例との違いとして、シェルの両端に凹みがなくて、端子(14)が端面に分布していることであるが、その以外が第一実施例と同じである。この構造のデバイスは以下の方法で製造される。
【0027】
高分子PTC複合導電材料を0.50mmのシート材に成形し、その後、両面に厚み0.05mmの銅箔を張り合わせる。電子射線でクロスリンクさせてから、プレス機で直径3.0mmの円形のものにパンチイングする。その後、表面の銅箔に酸化処理を行い、乾燥させる。
【0028】
両面に銅箔をはり合わせした厚み0.3mmのエポキシ樹脂板2枚をとり、エッチィンクの方法で、一定した配列に従い、図6に示すように、一枚の樹脂板の片面の金属箔に導電フィルム(5)の形状を彫り刻む。もう一枚のエポキシ樹脂板の片面の金属箔に導電フィルム(8)の形状を彫り刻む。各ユニットの図形が5.1mm×4.6mmの長方形である。
【0029】
厚み0.5mmの半固化エポキシ樹脂板一枚を取り、一定した配列に基づき、直径3.06mmの穴をパンチイングする。その後、高分子PTCチップをこの穴に入れ、半固化複合樹脂板の両側に上述のエポキシ樹脂板を置き、サンドイッチ構造となる。そのとき、エッチングされない金属箔側が外向き、そして、熱プレス機で加圧加熱することにより、複合構造の板材とする。
【0030】
一定した配列に基づき、そうして得られた複合構造の板材に幅1.6mmの溝をミリング機で掘る。図6に示すように、溝(16)の位置がデバイス両端に対応する。
【0031】
銅メッキの化学方法で、上述の溝の内側に厚み0.05mmの銅メッキをかける。
【0032】
エッチング方法で、外側の銅箔に一定した配列に基づき、半田パッド(1、2)と(10、11)の形状のものを彫り刻む(図6)。エッチングする前、ドライフィルムあるいはウェットフィルムでエッチングを必要としない部分を保護する。エッチング後、保護フィルムを除去する。その後、錫のスプレー処理を行い、穴の内側と半田パッド部分に錫をメッキする。
【0033】
表面の半田パッド以外の部分に半田付き防止フィルムを印刷し、熱による固化を行う。必要に応じて、文字印刷でもいい。最後、カッティング機でカットし、製品を得る。カッティングの段階で、溝(16)を二つに分け、シェル両端の端子(14)を形成する。製品サイズが図3に示すように5.0mm×4.6mm×1.2mmである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第一実施例の構造分解図である。
【図2】本発明の第一実施例の外形図である。
【図3】本発明の第二実施例の外形図である。
【図4】本発明の第一実施例の製造プロセスにおいて、ステップ7を終えた後の板材の正面図である。
【図5】本発明の第一実施例の製造プロセスにおいて、ステップ7を終えた後の板材の背面図である。
【図6】本発明の第二実施例の製造プロセスにおいて、ステップ7を終えた後の板材の正面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 半田パッド
2 半田パッド
3 半田付き防止フィルム
4 蓋板
5 導電フィルム
6 PTCチップ
7 基板
8 導電フィルム
9 蓋板
10 半田パッド
11 半田パッド
12 半田付き防止フィルム
13 凹み
14 端子
15 穴
16 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子複合導電材料からなるPTCチップ(6)を含む表面実装型過電流過熱保護デバイスであって、
前記PTCチップがシェルに埋め込みられ、前記シェルが内層、中間層、外層からなる層状構造であり、
前記内層は、前記PTCチップが収納できるように基板の真中に穴をあけた基板(7)からなり、
前記中間層は上下の二枚の蓋板(4,9)から構成され、それぞれ基板(7)の上面と下面に置かれ、各蓋板(4,9)の内側の半分には一枚の導電フィルム(5,8)が貼り合わせられ、二枚の導電フィルム(5,8)がそれぞれPTCチップの表面電極と接触し、左側と右側に置かれ、
前記外層は、上の蓋板の外側の両端に半田パッド(1,4)、その間に半田付き防止フィルムを貼り付ける構造となっており、
二つの端子(14)はシェルの両端に設けられ、一つの端子が左の半田パッド(1)を一枚の導電フィルム(5)と連続させ、もう一つの端子は右の半田パッドを導電フィルム(8)と連続させることを特徴とする、表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項2】
下の蓋板(9)の外側の両端には半田パッド(10,11)、その間に半田付き防止フイルム(12)を貼り付け、半田パッドが二つの端子と接続する構造となることを特徴とする、請求項1に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項3】
半田付き防止フィルムがエポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミドのいずれかからなることを特徴とする、請求項2に記載の表面実装型か電流過熱保護デバイス。
【請求項4】
半田パッド(1,2,10,11)が内側の金属箔と外側の金属メッキ層からなることを特徴とする、請求項2に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項5】
金属メッキ層がニッケルか錫、あるいは内側がニッケル、外側が金、あるいは、内側がニッケル、外側が錫との組み合わせからなることを特徴とする、請求項4に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項6】
シェルの両端が凹み部分(13)であり、端子(14)が凹みの中にある構造からなることを特徴とする、請求項1に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項7】
凹み部分の形状が半円あるいは半楕円であることを特徴とする、請求項6に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項8】
端子(14)が金属メッキからなることを特徴とする、請求項1又は請求項6に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項9】
前記基板(7)と前記蓋板(4,9)が複合樹脂板からなることを特徴とする、請求項1に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。
【請求項10】
導電フィルム(5,8)が金属箔からなることを特徴とする、請求項1に記載の表面実装型過電流過熱保護デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−10321(P2009−10321A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30085(P2008−30085)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3137920号
【原出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(507325862)上海神沃電子有限公司 (1)
【Fターム(参考)】