説明

表面実装部品、実装基板および実装構造体

【課題】多ピン構造の表面実装部品においても、半田フラックス残渣を低減し、低背かつ小型で信頼性の高い実装構造体を提供する。
【解決手段】そこで本発明は、実装領域がパッケージ11の少なくとも一つの面内にある表面実装部品10を、実装基板としてのプリント配線基板20に実装した実装構造体であって、パッケージ11と実装基板の少なくとも一方が、前記パッケージと前記基板との相対向する領域内に、絶縁性の印刷パターン13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装部品、実装基板および実装構造体に係り、特にリフロー時におけるフラックス残渣の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
重力加速度の方向成分を加速度センサで検知し、これを重力方向に対する傾斜角度として検知する傾斜検知ユニットにおいては、加速度センサは回路基板上での傾斜角を精度よく維持して実装する必要がある。
【0003】
このような加速度センサは、通常、面実装用のパッケージ構造をとることが多い。特にリード端子がパッケージの下面に入り込むように形成された構造では、実装部品底面との空間が狭い。そしてさらに8ピン以上の多ピン構造の半導体装置を構成する場合、実装面に対して、ランド面積が大きく、実装基板とパッケージとの間の空間がきわめて小さくなる。このため、半田ペーストに含まれているイソプロピルアルコール(IPA)などの溶液成分がリフロー時に蒸発せずに、フラックス残渣として実装基板とパッケージとの間に残留し易い。特に、パッケージの底面の中心近傍、つまり、外面に遠い領域で、フラックス残渣の残留が生じ易い。
【0004】
このため、実装基板のランド間や実装部品の裏面にフラックスが残留することにより、高温高湿下で、フラックス残渣中の溶液成分が蒸発する際に水分を呼び込み、その結果端子間の絶縁抵抗が低下するという問題があった。
【0005】
従来、ボンディング細線を切断してスタッドを形成し、実装基板と電子部品の底面との間に、間隙を形成し、半田接合後のフラックス除去のための洗浄を容易にした構造が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、パッケージの底面と側面に凹状となるようにリード端子を形成した構造も提案されている(特許文献2)。これは凹部内に半田が充填され、接続できるようにしたものである。このため、半田の流出は低減されるとしても、パッケージと実装基板との隙間はなくなり、リフロー時に隙間に一旦フラックスが流出すると残渣が生じてしまう。
【0007】
さらにまた、ケース板と同一材料で一体的に複数の突起を形成し、これをメタライズして端子電極とした半導体センサも提案されている。(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第2568788号公報
【特許文献2】特開2007−132687号公報
【特許文献3】特開2007−43017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の実装構造では、ボンディング細線を切断してスタッド形状としたものであり、結果として、スタッドの分だけ高さは高くなってしまい、低背化を阻むことになる。
【0010】
また、特許文献2の実装構造では、半田接合部は凹部となっているが、パッケージと実装基板は密着することになる。また、半田を厚くした場合、高さは高くなり、パッケージと実装基板の間に空隙は形成されるが、半田が凹部の外に流出し易くなり、流出した場合、短絡が生じ易い。
【0011】
特許文献3の実装構造においては、突起を形成することで、結果的に空隙が形成されるが、この場合も実装構造体は実質的に厚くなり、低背化を阻むこととなる。
【0012】
そしてさらに、近年では小型でかつ薄型の表面実装部品が求められており、例えば、加速度センサの一つに、図15(a)および(b)、図16(a)および(b)に示すように、形成された構造体がある。図15はこの従来例の表面実装部品の上面図及び下面図である。図16(a)および(b)は、図15(b)のA−A断面図およびB−B断面図を示す図である。この例においては、実装面110aの大半、半分以上を占める端子電極112が形成された表面実装部品110が用いられている。このように実装領域がパッケージの面内にある表面実装部品を図17(a)および(b)に示すように、実装基板120に装着した場合、隙間が小さい。このため図15に示すように、表面実装部品110の実装面110aの中心部R1に半田フラックスによるフラックス残渣が残留し易い。また、図18に示すように実装基板120側にも、特にランド122間領域R2に半田フラックスによるフラックス残渣が残留する。
このように、実装面の中心部R1、R2にフラックス残渣の残留が生じ易いという問題がある。この問題は、表面実装部品の小型化に伴う、端子電極の高密度化が進むに従い、特に深刻になってきている。
【0013】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、多ピン構造の表面実装部品においても、半田フラックス残渣を低減し、低背かつ小型で信頼性の高い実装構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで本発明は、表面実装部品を実装基板に実装した実装構造体であって、前記表面実装部品のパッケージと前記実装基板の少なくとも一方が、前記パッケージと前記基板との相対向する領域内に、絶縁性の印刷パターンを有することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、上記実装構造体であって、前記印刷パターンが、ライン状に形成されたものを含む。
【0016】
また本発明は、上記実装構造体であって、前記印刷パターンは、前記パッケージの前記面内に形成された端子電極間に形成されたものを含む。
【0017】
また本発明は、上記実装構造体であって、前記印刷パターンは、前記パッケージの前記面内に形成された端子電極の側面に沿って、形成されたものを含む。望ましくは前記相対向する領域の外面まで導出される。
【0018】
また本発明は、上記実装構造体であって、印刷パターンは、酸化チタンと、硫酸バリウムと、シリカと、樹脂とを含む絶縁性材料で構成されたものを含む。
【0019】
また本発明は、実装領域がパッケージの少なくとも一つの面内にある表面実装部品であって、前記パッケージは、前記面上の端子電極間に、絶縁性の印刷パターンを有するものを含む。
【0020】
また本発明は、上記表面実装部品であって、前記印刷パターンは、前記表面実装部品のパッケージの前記面内に形成された端子電極の側面に沿って、形成されたものを含む。
【0021】
また本発明は、上記表面実装部品であって、前記印刷パターンは、酸化チタンと、硫酸バリウムと、シリカと、樹脂とを含む絶縁性材料で構成されたものを含む。
【0022】
また本発明は、上記表面実装部品であって、前記表面実装部品は、加速度センサであるものを含む。
【0023】
また本発明は、表面実装部品を搭載するための搭載領域を備えた実装基板であって、前記搭載領域が、前記表面実装部品の底面と対向する位置に、多数のランドを備えたものを含む。
【0024】
また本発明は、上記実装基板であって、前記ランド間に絶縁性の印刷パターンを有するものを含む。
【0025】
また本発明は、上記実装基板であって、前記印刷パターンは、前記パッケージの端子電極の側面に沿って、形成されたものを含む。
【0026】
また本発明は、上記実装基板であって、前記印刷パターンは、酸化チタンと、硫酸バリウムと、シリカと、樹脂とを含む絶縁性材料で構成されたものを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実装構造体によれば、実装基板またはパッケージの底面すなわち実装基板と対向する面に形成された絶縁性の印刷パターンを有しているため、リフロー時にはこの印刷パターンがガイドとなる。そして、この印刷パターンを通じて、蒸発された気体が外部に放出され、フラックスを排出するため、フラックス残渣の残留を防ぐことができる。ここで印刷パターンは、シルクスクリーンを用いたスクリーン印刷で形成することができ、容易に高精度のパターンを形成することができる。しかも、端子電極間などに配されても、絶縁性のパターンであるため、端子電極に接触するように配置することもできる。しかも端子電極間の短絡を防止することができるため、端子電極間の間隔が小さくても短絡を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1の表面実装部品を示す斜視図
【図2】(a)および(b)はこの表面実装部品の上面図及び下面図
【図3】(a)(b)および(c)は、図2(b)のA−A断面図、B−B断面図およびC−C断面図
【図4】本発明の実施の形態1の表面実装部品を実装基板に搭載した実装構造体を示す斜視図
【図5】(a)(b)および(c)は、図4のA−A断面、B−B断面図およびC−C断面を示す図
【図6】本発明の実施の形態1のプリント配線基板の実装領域を示す図
【図7】本発明の実施の形態2のプリント配線基板の実装領域を示す図
【図8】本発明の実施の形態2のプリント配線基板を用いた場合の実装構造を示す図であり、(a)(b)および(c)は、図4のA−A断面、B−B断面図およびC−C断面に相当する
【図9】(a)および(b)は本発明の実施の形態3の表面実装部品の上面図及び下面図
【図10】(a)(b)および(c)は、図9(b)のA−A断面図、B−B断面図およびC−C断面図
【図11】本発明の実施の形態3の表面実装部品を実装基板に搭載した状態を示す図であり、(a)(b)および(c)は、図9のA−A断面、B−B断面図およびC−C断面を示す図
【図12】本発明の実施の形態4の表面実装部品を示す図であり、(a)は(b)のA−A断面図、(b)は上面図この実装基板の実装領域を示す図
【図13】本発明の実施の形態5の実装基板の表面実装部品搭載領域を示す上面図
【図14】本発明の実施の形態6の表面実装部品を示す図であり、(a)は(b)のA−A断面図、(b)は上面図
【図15】(a)および(b)は従来例の表面実装部品の上面図及び下面図
【図16】(a)および(b)は、図15(b)のA−A断面図およびB−B断面図を示す図
【図17】(a)および(b)は、表面実装部品の実装状態を示す図
【図18】リフロー後の実装基板を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の表面実装部品を示す斜視図、図2(a)および(b)はこの表面実装部品の上面図及び下面図、図3(a)(b)および(c)は、図2(b)のA−A断面図、B−B断面図およびC−C断面図、図4は本発明の実施の形態1の表面実装部品を実装基板に搭載した実装構造体を示す斜視図、図5(a)(b)および(c)は、図4のA−A断面、B−B断面図およびC−C断面を示す図、図6は本発明の実施の形態1のプリント配線基板の実装領域を示す図である
【0031】
この実装構造体に用いられる表面実装部品は、パッケージ11本体の下面すなわち実装面11aに10個の4mm×1.2mmの矩形状の端子電極12が、間隔0.7mm程度で7行2列に10個配列されている。そしてこの2列に配列された端子電極の間にライン状の印刷パターン13が形成されたことを特徴とする。すなわち、このパッケージ11と基板との相対向する領域内に、絶縁性の印刷パターン13が形成されている。この印刷パターン13はシルクスクリーンを用い、印刷法によって形成され、乾燥して得られる。この印刷に用いられるインクとしては例えば太陽インキ製造株式会社製のS100W N27が用いられる。このインクはマーキングに用いられるもので、マーキング用のシルクスクリーンにパターンを付加しておくことで、マーキングと同時に形成することができる。このインクの組成は、エポキシ樹脂、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、シリカ、アミン化合物、消泡剤、レベリング剤などを含有したものである。詳細には、このインクは、下表の組成を有する。
【0032】
【表1】

【0033】
また表面実装部品のパッケージの下面に溝部を形成してもよい。
この溝部は端子電極間領域の幅Wcが0.9mmのところに幅Wcが0.4mm×長さ4mmで配列されている。
実装基板である窒化アルミニウムからなるプリント配線基板の実装領域は、図6に示すように、本実施の形態1の表面実装部品10の端子電極12に対応して、5行2列の矩形状のランド22を持つ。
【0034】
この表面実装部品10はセンサを搭載した10端子の表面実装部品である。内部には図示しない物理量を検出するためのセンサチップが収納され、セラミック製のパッケージ11から実装面11aに10個の端子電極12が導出されている。
【0035】
この構成によれば、シルクパターンからなる印刷パターン13の存在により、表面実装部品10と実装基板としてのプリント配線基板20との間にガイド部が形成され、リフロー時に、この印刷パターンに沿ってフラックス中の溶剤が効率よく導出され、フラックス残渣が残らない。しかも実際に実装体の高さを増大するものではなく、厚さを確保して残渣の低減をはかることができる。
【0036】
また印刷パターンは、シルクスクリーンを用いたスクリーン印刷で形成することができ、容易に高精度のパターンを形成することができる。しかも、端子電極間などに配されても、絶縁性のパターンであるため、端子電極に接触するように配置することもできる。しかも端子電極間の短絡を防止することができるため、端子電極間の間隔が小さくても短絡を招くことがない。
このようにして、フラックス残渣の残留は大幅に低減される。従って安定して接続が維持される。このセンサは平坦性よく実装できることから、加速度センサとして使用する際にも、回路基板(実装基板)上での傾斜角を良好に維持することができる。
【0037】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2のプリント配線基板を示す図、図8は、本発明の実施の形態2のプリント配線基板を用いた場合の実装構造を示す図であり、(a)(b)および(c)は、図4のA−A断面、B−B断面図およびC−C断面に相当する。
前記本発明の実施の形態1のプリント配線基板20は、端子電極に対応して、5行2列の矩形状のランド22を持つものについて説明したが、本実施の形態では、プリント配線基板20の、ランド22間に印刷パターン23を形成したことを特徴とする。
この例でも印刷パターン23はマーキング23Mと同時に形成される。インクは前記実施の形態1と同様である。
【0038】
この場合は、パッケージだけでなく、プリント配線基板にもシルクパターンからなる印刷パターンが形成されているため、より効率よくフラックスが排出され、残留量の低減が可能となる。
【0039】
ここでも、表面実装部品10は圧力センサを搭載した10端子の表面実装部品である。内部には図示しない圧力センサチップが収納され、樹脂製のパッケージ11から端子電極12が導出されている。
【0040】
この構成によれば、表面実装部品およびプリント配線基板に印刷パターンを形成しており、この印刷パターンをガイドとして効率よくフラックスが外部に導出され、フラックス残渣が生じないようにすることができる。
【0041】
(実施の形態3)
図9乃至図11は、本発明の実施の形態3の表面実装部品の実装構造体を示す図である。図9(a)および(b)は本発明の実施の形態3の表面実装部品の上面図及び下面図である。図10(a)(b)および(c)は、図9(b)のA−A断面図、B−B断面図およびC−C断面図である。図11は本発明の実施の形態3の表面実装部品を実装基板に搭載した状態を示す図であり、(a)(b)および(c)は、図9(b)のA−A断面、B−B断面図およびC−C断面を示す図である。
【0042】
この実装構造体に用いられるパッケージは、端子電極12の長手方向に沿って各端子電極間にこの端子電極12よりも長い印刷パターン13を形成したことを特徴とする。
他は実施の形態1と同様に形成されているためここでは説明を省略する。
【0043】
この構成によれば、実施の形態1による効果に加えて、端子電極間に絶縁性の印刷パターン13が介在しているため、端子電極の間隔を小さくしても短絡を防ぐことができ、更なる信頼性の向上を図ることができる。このように、より効率よくフラックス残渣の低減をはかることができる。
【0044】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4の表面実装部品を示す図である。図12(a)および(b)は本発明の実施の形態4の表面実装部品の断面図及び上面図である。(a)は、(b)のA−A断面図である。
【0045】
本実施の形態4のパッケージは、端子電極12を囲むように、端子電極12の外縁に沿って各端子電極12間に絶縁性の印刷パターン13を形成したことを特徴とする。
他は実施の形態1と同様に形成されているためここでは説明を省略する。
【0046】
この構成によれば、実施の形態1による効果に加えて、端子電極12の外縁に沿って絶縁性の印刷パターン13が介在しているため、端子電極12の間隔を小さくしても短絡を防ぐことができ、更なる信頼性の向上を図ることができる。このように、端子電極12間の短絡を防ぎつつ、より効率よくフラックス残渣の低減をはかることができる。
【0047】
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5のプリント配線基板の表面実装部品搭載領域を示す図である。図13は、上面図である。
【0048】
本実施の形態5のプリント配線基板20は、ランド22の外縁に沿って、ランド22を囲むように、印刷パターン23を形成したことを特徴とする。
他は実施の形態1と同様に形成されているためここでは説明を省略する。
【0049】
この構成によれば、実施の形態1による効果に加えて、ランドの外縁にそって絶縁性の印刷パターン23が介在しているため、ランドの間隔を小さくしても短絡を防ぐことができ、高密度実装に際しても更なる信頼性の向上を図ることができる。このように、ランド間の短絡を防ぎつつ、より効率よくフラックス残渣の低減をはかることができる。
【0050】
(実施の形態6)
図14は、本発明の実施の形態6の表面実装部品を示す図である。図14(a)および(b)は本発明の実施の形態4の表面実装部品の断面図及び上面図である。図14(a)は、図14(b)のA−A断面図である。
【0051】
本実施の形態6のパッケージは、端子電極12を囲むように、端子電極12間全体にわたり印刷パターン13を形成したことを特徴とする。また、印刷パターン13間にライン状のパッケージ11の実装面11aが露呈しており、この実装面11aを印刷パターン13の壁面に沿ってフラックスが効率よく外面に排出される。
他は実施の形態4と同様に形成されているためここでは説明を省略する。
【0052】
この構成によれば、実施の形態4による効果に加えて、端子電極12の間隔を小さくしても短絡を防ぐことができ、更なる信頼性の向上を図ることができる。このように、端子電極12間の短絡を防ぎつつ、より効率よくフラックス残渣の低減をはかることができる。
【0053】
なお、前記実施の形態では、シルクスクリーンを用いてマーキングを行うと同時に印刷パターンを形成し、フラックス排出の促進をはかるようにしたが、別途形成してもよい。また、印刷パターンの形成に際してもディスペンサを用いたパターン形成なども適用可能であり、適切な高さを持ち、壁面に沿ってフラックスが排出できるように流体抵抗が少なくなるようなパターン形状であればよく、シルクスクリーン印刷法に限定されるものではない。
【0054】
また、本発明は、表面実装部品の実装面全体に高密度に、比較的低い端子電極が形成された構造に特に有効である。特に、実装面の30%以上、特に50%以上を接合領域とし、高密度に端子電極が形成された表面実装部品に対して有効である。また、端子電極あるいはリードの構成については実施の形態に限定されることなく、端子電極がパッケージの側面からまっすぐ外方に導出され、パッケージ底面は実装基板に密着させるような構造など、他の端子構造の表面実装部品にも適用可能であることはいうまでもない。
【0055】
また、前記実施の形態では、プリント配線基板(実装基板)を構成する絶縁性基体として、放熱性の良好な窒化アルミニウムセラミックスを構成したが、これに限定されるものではない。たとえば、グリーンシートを用いた積層基板および射出成形によって凹部や貫通穴を形成した樹脂製の立体基板など、種々の基板材料が適用可能である。
例えば1000℃以下で低温焼結が可能なセラミック誘電体材料LTCC(低温温同時焼成セラミック:Low Temperature Co-fired Ceramics)を用いてグリーンシートとして形成してもよい。すなわち、厚さが10μm〜200μmのこのLTCCのグリーンシートに、低抵抗率のAgやCu等の導電ペーストを印刷して所定のパターンを形成する。そしてこの、複数のグリーンシートを絶縁層として用いて、適宜一体的に積層し、凹部または貫通穴をあけた状態で焼結する。これにより、凹部または貫通穴を備えるとともに内部導体層を備えた絶縁層(誘電体層)として製造することが出来る。これらの誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu、Mn、Na、Kを副成分とする材料、Al、Mg、Si、Gdを含む材料、Al、Si、Zr、Mgを含む材料などが適用可能である。
【0056】
なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、このセラミック基板を、HTCC(高温同時焼成セラミック:High Temperature Co-fired Ceramics)技術を用いて形成してもよい。このHTCCセラミック基板上に、誘電体材料をAlを主体とするもので構成し、内部導体層として伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
【0057】
また、絶縁性基板としては、セラミックのほか、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂基板、プリプレグを用いた積層基板などにも適用可能である。
【0058】
さらにまた、回路部の構成及び材料についても、適宜変更可能である。
【0059】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
10 表面実装部品
11 パッケージ
12 端子電極
13 印刷パターン
13M マーキング
20 プリント配線基板
21 肉薄部
22 ランド
23 印刷パターン
23M マーキング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装部品を、実装基板に実装した実装構造体であって、
前記表面実装部品のパッケージと前記実装基板の少なくとも一方が、前記パッケージと前記基板との相対向する領域内に、絶縁性の印刷パターンを有する実装構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の実装構造体であって、
前記印刷パターンは、ライン状に形成された実装構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の実装構造体であって、
前記印刷パターンは、前記パッケージの前記面内に形成された端子電極間に形成された実装構造体。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の実装構造体であって、
前記印刷パターンは、前記パッケージの前記面内に形成された端子電極の側面に沿って、形成された実装構造体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の実装構造体であって、
前記印刷パターンは、酸化チタンと、硫酸バリウムと、シリカと、樹脂とを含む絶縁性材料で構成された実装構造体。
【請求項6】
実装領域がパッケージの少なくとも一つの面内にある表面実装部品であって、
前記パッケージは、前記面上の端子電極間に、絶縁性の印刷パターンを有する表面実装部品。
【請求項7】
請求項6に記載の表面実装部品であって、
前記印刷パターンは、前記パッケージの前記面内に形成された端子電極の側面に沿って、形成された表面実装部品。
【請求項8】
請求項6または7に記載の表面実装部品であって、
前記印刷パターンは、酸化チタンと、硫酸バリウムと、シリカと、樹脂とを含む絶縁性材料で構成された表面実装部品。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の表面実装部品であって、
前記表面実装部品は、加速度センサである表面実装部品。
【請求項10】
表面実装部品を搭載するための搭載領域を備えた実装基板であって、
前記搭載領域が、前記表面実装部品の底面と対向する位置に、多数のランドを備え、
前記ランド間に絶縁性の印刷パターンを有する実装基板。
【請求項11】
請求項10に記載の実装基板であって、
前記印刷パターンは、前記表面実装部品のパッケージの端子電極の側面に沿って、形成された実装基板。
【請求項12】
請求項10または11に記載の実装基板であって、
前記印刷パターンは、酸化チタンと、硫酸バリウムと、シリカと、樹脂とを含む絶縁性材料で構成された実装基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−220347(P2012−220347A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86638(P2011−86638)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】