説明

表面弾性波素子、攪拌装置及び分析装置

【課題】コンタミネーションの心配なく液体試料の温度を測定して温度調節に利用することが可能な表面弾性波素子、攪拌装置及び分析装置を提供すること。
【解決手段】圧電基板21a上に櫛型電極からなる振動子21bが形成された表面弾性波素子21、攪拌装置20及び分析装置。表面弾性波素子21の圧電基板21aは、振動子21bと同一素材からなる温度センサ21dが振動子と共に設けられている。音波を照射することによって容器に保持された液体を攪拌する攪拌装置20は、容器9に取り付けられ、液体を攪拌する音波を出射する表面弾性波素子21と、表面弾性波素子による音波の出射を含む駆動を制御する駆動制御回路24と、温度センサが検出した容器の実測温度に基づき駆動制御回路による表面弾性波素子の駆動周波数を制御して容器に保持された液体の温度を調節する温度調節回路25とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面弾性波素子、攪拌装置及び分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置、例えば、血液等の生体試料を分析する自動分析装置は、検体と試薬とを保持した複数の反応容器を収容する反応ホイールを備え、検体と試薬とが反応した反応液を光学的に測定することにより検体の成分濃度等を分析している。このとき、自動分析装置で使用する反応容器の微小化に伴い、液体試料を攪拌する攪拌装置として、音波によって先鋭的な音場によって音響流を生成し、この音響流によって液体を攪拌するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】独国特許発明第10325307号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された攪拌装置は、圧電基板上に櫛型電極(IDT)を形成した表面弾性波(SAW)素子が発生する表面弾性波を用いて液体を攪拌している。このため、特許文献1の攪拌装置は、発生した表面弾性波のエネルギーが最終的に熱エネルギーに変化して液体試料の温度を上昇させる。この場合、発生する熱量は駆動周波数によって異なることから、表面弾性波素子は、予め駆動周波数と熱量とに関する周波数特性を調べておけば、液体試料の温度調節に利用することが可能となる。
【0005】
但し、反応容器に保持された液体試料の温度調節に当たっては、表面弾性波素子は、液体試料の温度を測定する必要がある。この場合、自動分析装置は、液体試料と接触させる従来の温度センサを新たに設けると、温度測定に伴うコンタミネーションを防止するために温度センサの洗浄手段を設けなければならず、装置設計上、或いは技術的な観点から難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンタミネーションの心配なく液体試料の温度を測定して温度調節に利用することが可能な表面弾性波素子、攪拌装置及び分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る表面弾性波素子は、圧電基板上に櫛型電極からなる振動子が形成された表面弾性波素子において、前記圧電基板は、前記振動子と同一素材からなる温度センサが前記振動子と共に設けられている。
【0008】
また、請求項2に係る表面弾性波素子は、上記の発明において、前記温度センサは、測温抵抗体であることを特徴とする。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項3に係る攪拌装置は、音波を照射することによって容器に保持された液体を攪拌する攪拌装置において、前記容器に取り付けられ、前記液体を攪拌する音波を出射する請求項1又は2に記載の表面弾性波素子と、前記表面弾性波素子による音波の出射を含む駆動を制御する駆動制御手段と、前記温度センサが検出した前記容器の実測温度に基づき前記駆動制御手段による前記表面弾性波素子の駆動周波数を制御して前記容器に保持された液体の温度を調節する温度調節手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項4に係る分析装置は、複数の異なる液体を攪拌して反応させ、反応液を分析する分析装置であって、前記複数の異なる液体を攪拌する請求項3に記載の攪拌装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表面弾性波素子は、圧電基板上に櫛型電極からなる振動子が形成された表面弾性波素子において、前記圧電基板は、前記振動子と同一素材からなる温度センサが前記振動子と共に設けられており、本発明の攪拌装置は、容器に取り付けられ、液体を攪拌する音波を出射する前記表面弾性波素子と、前記表面弾性波素子による音波の出射を含む駆動を制御する駆動制御手段と、前記温度センサが検出した前記容器の実測温度に基づき前記駆動制御手段による前記表面弾性波素子の駆動周波数を制御して前記容器に保持された液体の温度を調節する温度調節手段とを備えている。また、本発明の分析装置は、前記攪拌装置を備えている。従って、本発明の表面弾性波素子、攪拌装置及び分析装置は、コンタミネーションの心配なく液体試料の温度を測定して温度調節に利用することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の分析装置と分析装置における液体試料の温度制御方法にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、図1に示す自動分析装置の反応ホイールを拡大して分注装置及び攪拌装置の概略構成と共に示す図である。
【0013】
自動分析装置1は、図1及び図2に示すように、作業テーブル2上に検体テーブル3、反応ホイール6及び試薬テーブル13が互いに離隔してそれぞれ周方向に沿って回転、かつ、位置決め自在に設けられ、攪拌装置20を備えている。また、自動分析装置1は、検体テーブル3と反応ホイール6との間に検体分注機構5が設けられ、反応ホイール6と試薬テーブル13との間には試薬分注機構12が設けられている。
【0014】
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
【0015】
検体分注機構5は、反応容器9に試薬よりも少量の尿,血液等の検体を分注する手段であり、図1に示すように、分注ノズルによって検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次反応ホイール6のホルダ6bに収納された反応容器9に分注する。
【0016】
反応ホイール6は、図1に示すように、検体テーブル3とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、隔壁6aによって周方向に沿って等間隔で区画されるホルダ6bが複数設けられている。隔壁6aは、下部が開放され、隣接するホルダ6bが周方向に連通している。各ホルダ6bには、攪拌容器として検体を試薬と反応させる反応容器9が着脱自在に収納され、半径方向両側に光が透過する開口が形成されている。そして、反応ホイール6は、周方向に連通している複数のホルダ6b内を所定温度(例えば、37℃)に保持するヒータが設けられると共に、試薬分注機構12による試薬分注位置近傍の外周に端子基板22が配置されている。従って、反応ホイール6は、複数のホルダ6bに収容した反応容器9に保持された液体試料を所定温度に保持する恒温槽を兼ねている。また、各ホルダ6bは、図2及び図3に示すように、反応ホイール6の外側壁6cを半径方向に貫通するそれぞれ二組の引き出し電極6d,6eが設けられている。反応ホイール6は、一周期で時計方向に(1周−1反応容器)/4分回転し、四周期で反時計方向に反応容器9の1個分回転する。反応ホイール6には、測定光学系10及び排出装置11が設けられている。
【0017】
反応容器9は、容量が数nL〜数十μLと微量な容器であり、光源10aから出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器9は、図4に示すように、側壁9aと底壁9bとによって上部に開口9cを有する四角筒状に成形され、検体や試薬等の液体を保持する内面には液体に対する親和性処理が施されている。反応容器9は、平行に対向する一組の側壁9aの一部が分析光を透過させる窓として利用される。反応容器9は、側壁9aに図5に示す表面弾性波素子21が音響整合層を介して取り付けられる。
【0018】
測定光学系10は、試薬と検体とが反応した反応容器9内の液体を分析するための分析光(340〜800nm)を光源10aから出射する。光源10aから出射された分析用の光ビームは、反応容器9内の液体を透過し、光源10aと対向する位置に設けた受光素子10bによって受光される。一方、排出装置11は、排出ノズルを備えており、反応容器9から反応終了後の液体を前記排出ノズルによって吸引し、排出容器(図示せず)に排出する。ここで、排出装置11を通過した反応容器9は、図示しない洗浄装置に移送されて洗浄された後、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0019】
試薬分注機構12は、試薬を分注する手段であり、図1に示すように、試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬を順次反応ホイール6のホルダ6bに収納した反応容器9に分注する。
【0020】
試薬テーブル13は、図1に示すように、検体テーブル3及び反応ホイール6とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室13aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室13aは、試薬容器14が着脱自在に収納される。複数の試薬容器14は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を表示するバーコードラベル(図示せず)が貼付されている。
【0021】
ここで、試薬テーブル13の外周には、読取装置15が設置されている。読取装置15は、試薬容器14に貼付した前記バーコードラベルに記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の情報を読み取り、制御部16へ出力する。
【0022】
制御部16は、検体分注機構5、受光素子10b、排出装置11、読取装置15、分析部17、入力部18、表示部19及び攪拌装置20等と接続され、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記バーコードラベルの記録から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を規制するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。制御部16は、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部16は、入力部18から入力される反応容器9に保持される液体の温度調節すべき目標温度を記憶し、この目標温度を温度調節回路25に出力する。この場合、複数の反応容器9は、液体の目標温度をそれぞれ異なる温度に個々に設定することができる。
【0023】
分析部17は、制御部16を介して受光素子10bに接続され、受光素子10bが受光した光量に基づく反応容器9内の液体の吸光度から検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。入力部18は、制御部16へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部19は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0024】
攪拌装置20は、反応容器9に保持される液体を音波によって攪拌する装置であり、反応容器9に取り付けられる表面弾性波素子21の他、図3に示すように、端子基板22、信号発生器23、駆動制御回路24及び温度調節回路25を備えている。
【0025】
表面弾性波素子21は、図5に示すように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の圧電素材からなる圧電基板21a上に櫛型電極(IDT)からなる振動子(発音部)21bと、測温抵抗体からなる温度センサ21dが、公知のフォトリソグラフィー技術等によって形成されている。振動子21bと温度センサ21dは、それぞれ二組の電気端子21c,21eを有している。
【0026】
端子基板22は、図1〜図3に示すように、反応ホイール6の外側に配置され、対向する各ホルダ6bに保持された反応容器9の表面弾性波素子21との間を電気的に接続するそれぞれ二組の接触電極22a,22bが設けられている。一組の接触電極22aは、一組の引き出し電極6dを介して振動子21bの電気端子21cと接続され、一組の接触電極22bは、一組の引き出し電極6eを介して温度センサ21dの電気端子21eと接続されている。
【0027】
信号発生器23は、図3に示すように、駆動制御回路24からの制御信号に基づいて数十MHz〜数百MHz程度の高周波信号を表面弾性波素子21に出力し、振動子21bに音波を発振させる。
【0028】
駆動制御回路24は、メモリとタイマを内蔵した電子制御手段(ECU)が使用され、信号発生器23を制御することによって、表面弾性波素子21の作動を制御する。駆動制御回路24は、例えば、表面弾性波素子21が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、駆動制御回路24は、内蔵したタイマに従って信号発生器23が発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。
【0029】
温度調節回路25は、表面弾性波素子21に設けた温度センサ21dの出力信号が引き出し電極6e及び接触電極22bを介して入力され、例えば、電子制御手段(ECU)が使用される。温度調節回路25は、温度センサ21dの出力信号から検出した反応容器9の実測温度と制御部16から入力される反応容器9の目標温度との比較に基づいて駆動制御回路24を制御し、反応容器9に保持された液体の温度を調節する。この温度調節に際し、温度調節回路25は、反応容器9が目標温度となるように、駆動制御回路24によって表面弾性波素子21を駆動する駆動周波数を制御する。
【0030】
以上のように構成される自動分析装置1は、回転する反応ホイール6によって周方向に沿って搬送されてくる反応容器9に試薬分注機構12が所定の試薬容器14から試薬を順次分注する。試薬が分注された反応容器9は、反応ホイール6の回転によって検体分注機構5の近傍へ搬送され、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体が順次分注される。そして、検体が分注された反応容器9は、反応ホイール6によって周方向に沿って搬送される間に攪拌装置20によって試薬と検体とが攪拌されて反応し、光源10aと受光素子10bとの間を通過する。このとき、反応容器9内の試薬と検体とが反応した反応液は、受光素子10bによって測光され、分析部17によって成分濃度等が分析される。そして、分析が終了した反応容器9は、排出装置11によって反応液が排出されて図示しない洗浄装置によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0031】
このとき、自動分析装置1は、以下のようにして、各反応容器9に保持された液体試料を所定温度に制御する。先ず、反応ホイール6の間欠回転によって各ホルダ6bの引き出し電極6d,6eが端子基板22の接触電極22a,22bと順次接触する。すると、各ホルダ6bに収容された反応容器9は、表面弾性波素子21の温度センサ21dが引き出し電極6eを介して接触電極22bと接続され、温度センサ21dの出力信号が温度調節回路25に入力される。同時に、反応容器9は、表面弾性波素子21の振動子21bが引き出し電極6dを介して接触電極22aと接続され、振動子21bが信号発生器23から出力される高周波信号によって駆動される。この結果、反応容器9においては、図3に示すように、発生した音波Waが試薬と検体とを含む液体試料L中に漏れ出す。この液体試料L中に漏れ出した音波Waによって生ずる音響流によって試薬と検体とを含む液体試料Lが攪拌されて反応する。
【0032】
このとき、温度調節回路25は、入力された温度センサ21dの出力信号から反応容器9の実測温度を検出する。そして、温度調節回路25は、検出した反応容器9の実測温度と制御部16から入力される反応容器9の目標温度とを比較して駆動制御回路24を制御し、反応容器9に保持された液体の温度を調節する。即ち、反応容器9の実測温度が反応容器9の目標温度よりも低温の場合、温度調節回路25は、振動子21bが発生する音波Waによって液体試料L中に熱が発生する駆動周波数に切り替える。一方、反応容器9の実測温度が反応容器9の目標温度よりも高温の場合、振動子21bが発生する音波Waによって液体試料L中に熱が発生しない駆動周波数に切り替える。これにより、温度調節回路25は、反応ホイール6の間欠回転によって端子基板22の位置に搬送されてくる各反応容器9の温度が予め設定した目標温度となるように制御している。
【0033】
このように、自動分析装置1は、反応ホイール6の複数のホルダ6bに保持した複数の反応容器9に保持された液体の温度を個々に調節することができる。特に、表面弾性波素子21は、圧電基板21a上に振動子21bと温度センサ21dという異なる機能部分を同時に形成するので、小型で安価に製造することができる。また、表面弾性波素子21は、上述のように振動子21bが発生した音波が液体中に漏れ出して生ずる音響流によって液体を攪拌し、液体中に漏れ出した音波のエネルギーが液体を加熱する。このため、反応容器9においては、図6に示すように、音波のエネルギーによる熱の発生位置PHは保持した液体L中となり、加熱源が温度センサ21dの位置と離れている。このため、温度センサ21dは、反応容器9の温度を高精度に検出することができる。従って、自動分析装置1は、温度センサ21dが検出する各反応容器9の温度をパラメータとして検体の測定値を補正することができ、検体の測定精度を一層向上させることが可能となる。
【0034】
なお、上記実施の形態の自動分析装置1は、ヒータによって反応ホイール6の周方向に連通している複数のホルダ6b内を所定温度に保持した。しかし、自動分析装置1は、温度センサ21dによって個々の反応容器9の温度を制御するので、反応ホイール6のヒータによる温度制御は行わないか、大まかでよい。
【0035】
また、上記実施の形態の攪拌装置20は、表面弾性波素子21を反応容器9の側壁9aに取り付けたが、反応容器9の底面に取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】図1のA部を拡大した平面図である。
【図3】図1に示す自動分析装置のA部を拡大して本発明の攪拌装置の概略構成と共に示す図である。
【図4】本発明の自動分析装置で使用する反応容器の斜視図である。
【図5】反応容器に取り付ける本発明の表面弾性波素子の正面図である。
【図6】反応容器における音波のエネルギーによる熱の発生位置と温度センサの位置とを示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 自動分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
4 検体容器
5 検体分注機構
6 反応ホイール
9 反応容器
10 測定光学系
11 排出装置
12 試薬分注機構
13 試薬テーブル
14 試薬容器
15 読取装置
16 制御部
17 分析部
18 入力部
19 表示部
20 攪拌装置
21 表面弾性波素子
21a 圧電基板
21b 振動子
21d 温度センサ
22 端子基板
23 信号発生器
24 駆動制御回路
25 温度調節回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板上に櫛型電極からなる振動子が形成された表面弾性波素子において、
前記圧電基板は、前記振動子と同一素材からなる温度センサが前記振動子と共に設けられていることを特徴とする表面弾性波素子。
【請求項2】
前記温度センサは、測温抵抗体であることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波素子。
【請求項3】
音波を照射することによって容器に保持された液体を攪拌する攪拌装置において、
前記容器に取り付けられ、前記液体を攪拌する音波を出射する請求項1又は2に記載の表面弾性波素子と、
前記表面弾性波素子による音波の出射を含む駆動を制御する駆動制御手段と、
前記温度センサが検出した前記容器の実測温度に基づき前記駆動制御手段による前記表面弾性波素子の駆動周波数を制御して前記容器に保持された液体の温度を調節する温度調節手段と、
を備えたことを特徴とする攪拌装置。
【請求項4】
複数の異なる液体を攪拌して反応させ、反応液を分析する分析装置であって、
前記複数の異なる液体を攪拌する請求項3に記載の攪拌装置を備えたことを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−303964(P2007−303964A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132557(P2006−132557)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】