説明

表面支持方法

ライナーを少なくとも1つの表面の少なくとも一部分に設けることを含む方法であって、ライナーが(a)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーと、(b)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーと、(c)少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤との反応による生成物を含み、表面が金属またはガラス以外の少なくとも1種類の無機鉱物を含むが、但し、表面が通行可能な表面以外の表面であることを条件とする、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば岩の表面などの表面を支持する方法に関する。本発明はまた、(例えば、採掘坑内ではじける岩から保護するのに役立つ)耐力のあるコーティングとして使用できるエラストマー高分子フィルムおよびそのようなフィルムを作製するためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
坑内採掘においては、岩がはじけて負傷するのを防ぐために、採掘坑の天井や壁を支持することが必要である。この目的のために、吹付けコンクリート、ワイヤーメッシュ、および吹付け可能なライナー組成物など、多数の物質が使用されてきた。吹付けコンクリートおよびワイヤーメッシュはどちらも、地下鉱山、さらに詳細には深部採掘における応用分野では、取り扱いや利用がいくらか難しい。吹付けコンクリート/グナイトの適用はかなりの労力を要するものであるが、得られたライナーは概して砕けやすく、重要な引張り強さおよび靭性が不足しており、鉱山での爆破の際に岩が屈曲すると、亀裂が生じる傾向がある。加えて、吹付けコンクリート/グナイトは、望ましい約1MPaの引張り強さが概してゆっくりとしか発現しない。強さを速く発現する吹付け可能なライナーは、吹付け適用時に毒性があることが多く、一方、吹付け適用時に毒性の低いライナーは、十分強靭でないことが多い上、採掘環境で実用的であるために望ましい最低強さを発現するのに必要な時間が(加熱しない状態の周囲温度で)概して4時間を超える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かくして、強靭性、柔軟性、塗布容易性、および/または(周囲温度での)即時強さ発現可能性(quick strength-developable)を有するライナー系を表面に設ける方法が、採掘における応用分野、ならびに構造物の破片(例えば、営利目的の建築構造物の取り壊しあるいは自然の原因またはテロ行為による建築構造物の破壊によって生じるもの)の封じ込めのために必要とされていることを、本願出願人らは認識している。本発明はそのような方法を提供するものであり、その方法は、ライナーを少なくとも1つの表面の少なくとも一部分に設けることを含む方法であって、前記ライナーが、
(a)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーと、
(b)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーと、
(c)少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤との
反応による生成物を含むライナーであって、前記表面が金属またはガラス以外の少なくとも1種類の無機鉱物を含むが、但し、前記表面が通行可能な表面以外の表面(すなわち、通行に耐えられる表面、例えば、車両の通行または歩行者の通行に使用される幹線道路、自転車専用道路、または歩道などの表面以外の表面)であることを条件とする、ライナーを設けることを含む方法である。前記表面は、岩、石、コンクリート、れんが、化粧しっくいなど、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1種類の物質を含むことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ライナーは、洞穴内の露出表面を支持するのに十分な引張り強さ、破断点伸び、および厚さを有することができる。かくして、前記ライナーは、少なくとも約1MPaの4時間後引張り強さおよび/または少なくとも約10パーセントの破断点伸びおよび/または少なくとも約0.5mmの厚さを有することが好ましい。前記反応性希釈剤は、好ましくはラジカル重合性モノマー(より好ましくは、アクリロイルまたはメタクリロイル官能性モノマー)である。
【0005】
ここで使用する「ライナー」とは、表面(例えば、採掘坑、コンクリートまたは石造構造群(建造物および駐車場ビルなど)、幹線道路の高架交差路および下側路(例えば、橋およびトンネル)、および路側などの表面であり、例えば、緩んだ状態または落ちかけている破片を支持および/またはくい止めるためのもの)に施工することができる耐力のあるコーティングのことであり;「4時間後引張り強さ」とは、成分(a)、(b)、および(c)を混合して4時間経った後、ASTM D−638−97(プラスチックの引張特性の標準試験方法(Standard Test Method for Tensile Properties of Plastics)、ペンシルバニア州ウエストコンショホッケンのアメリカ材料試験協会(American Society for Testing and Materials,West Conshohocken,PA)出版)に準じて、クロスヘッド速度200mm/分、サンプル幅0.635cm(0.25インチ)、およびゲージ離隔距離(gauge separation)5.08cm(2インチ)で測定した引張り強さ値のことである。
【0006】
本発明の方法によれば、(完全硬化後に)驚くべき最高の耐力を示すことができ、完全硬化する前であっても、概して約4時間以内に耐力の点で(例えば、採掘環境において)実用的に十分な強さを発現するライナーが表面に施される。本方法では、広範囲の出発ライナー成分を使用でき、さらに(低温であっても)吹付けによって簡単に表面に適用することができ、しかも、そうして得られた組成物は硬化して、強靭かつ柔軟な、比較的厚いコーティングを形成することができる。加えて、比較的耐水性があり、加水分解に対して安定したライナーが得られるように、親水性の十分に低い出発ライナー成分を選択できる。
【0007】
別の態様では、本発明は、
(a)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーと
(b)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーと
(c)少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤と
(d)膨張性グラファイトとの
反応による生成物を含むライナーを提供する。
【0008】
さらに別の態様では、本発明はライナーを作製するためのキットも提供する。
第一キットは、
(a)第一組成物であって、
(1)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーおよび
(2)本質的にイソシアネート反応基を含まない少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤(つまり、イソシアネート反応基が十分に少なく、このキットから作製されたライナーが少なくとも約1MPaの4時間後引張り強さを示す)
を含む組成物と;
(b)前記第一組成物と組み合わせると反応してライナーとしての使用に適した物質を生成する、イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーを含む第二組成物
とを含み;
前記キットは膨張性グラファイトをさらに含む。
【0009】
第二キットは、
(a)第一組成物であって、
(1)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーおよび
(2)本質的にイソシアネート基を含まない少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤を含む組成物と;
(b)前記第一組成物と組み合わせると反応してライナーとしての使用に適した物質を生成する、イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーを含む第二組成物;
とを含み、
前記キットは膨張性グラファイトをさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
イソシアネート基を持つプレポリマー
本発明の方法に使用するのに適したイソシアネート基を持つプレポリマーには、成分(b)のイソシアネート反応基および/または成分(c)と反応できるものがある。そのようなプレポリマーは当技術分野ではよく知られている。一般的に、そのようなプレポリマーの調製には、多官能性の活性水素含有化合物とジイソシアネートまたは他のポリイソシアネートを反応させる必要があり、過剰のイソシアネートを使用してイソシアネート末端プレポリマー生成物を得る。好適なイソシアネートプレポリマーを調製するのに役立つ幾つかの手法の幅広い記述が、サウンダー(J. H. Saunders)およびフリッチ(K.C.Frisch)による「ポリウレタン:化学及び技術(Polyurethanes:Chemistry and Technology)」、第II部、8〜49ページ、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク(Interscience Publishers,New York)(1964)の本文およびその引用文献に載せられている。知られているその他の調製手法を用いることもできる。プレポリマーは、好ましくは少なくとも約2(より好ましくは約2〜約5、もっとも好ましくは約2〜約3)の平均イソシアネート官能価を有する。
【0011】
プレポリマーの調製用として好適な多官能性の活性水素含有化合物には、ポリオール、ポリアミン、ポリチオールなど、およびそれらの混合物がある。一般的にはポリオールが好ましい。前記化合物は比較的低い親水性を示すことが好ましい。
【0012】
プレポリマーの分子量が約1,000〜約10,000の範囲となるようにするため、有用なポリオールとしては、平均ヒドロキシル官能価が少なくとも約2(好ましくは、約2〜約3)であり、かつ分子量が約500より大きい(好ましくは、約500または1,000〜約5,000または10,000の範囲)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、およびポリエーテルポリエステルポリオールがある。重合度が約3〜約50および分子量が約360〜約6000であるそのような官能価のアクリルポリオール、ならびに低分子量のグリコール(例えば、分子量が約62〜約250の範囲のもの)も有用である。
【0013】
好ましいポリオールは、液状プレポリマーを調製できるような分子量を有している。ポリカーボネート、ポリエーテル、およびポリエステルが概して好ましいが、ポリエーテルがより好ましい。もっとも好ましいのは、比較的低い親水性を示すポリエーテル(例えば、エーテル単位の総数の半分未満(より好ましくは3分の1未満、もっとも好ましくは4分の1未満)がエチレンオキシ単位であるポリエーテル)である。
【0014】
好適なポリエステルポリオールには、二酸(またはそれに対応するモノエステル、ジエステル、あるいは無水物)とジオールまたはトリオールから生成されるものがある。有用な二酸には、C4〜C12飽和脂肪酸(分岐、枝なし、または環状の物質を含む)および/またはC8〜C15芳香族酸がある。好適な脂肪酸の例には、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヒマの脂肪酸(castor fatty acid)、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチルペンタン二酸など、およびそれらの混合物がある。好適な芳香族酸の例には、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルアミンジカルボン酸など、およびそれらの混合物がある。有用なジオールには、C2〜C12の分岐、枝なし、または環状の脂肪族ジオールがある。好適なジオールおよびトリオールには、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、1,3−プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,12−ドデカンジオールなど、およびそれらの混合物がある。
【0015】
好適なポリエーテルポリオールには、(分岐または枝なしのアルキレン基を有する)ポリオキシ−C2〜C6−アルキレンポリオールがある。好適なポリエーテルジオールの例には、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリ(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)、ポリ(1,2−ブチレンオキシド)、エチレンオキシドと1,2−ポリプロピレンオキシドのランダムコポリマーまたはブロックコポリマー、ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ブタンジオールなど、およびそれらの混合物がある。
【0016】
好適なポリエステルポリエーテルポリオールは、約200〜約2000の分子量および約2〜約3の官能価を有するポリエーテルと酸(例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、またはテレフタル酸など)とから得られる。
【0017】
好適なポリカーボネートポリオールには、脂肪族ポリカーボネートジオールなど、およびそれらの混合物がある。
【0018】
好適なアクリルポリオールとしては、モノエチレン系不飽和モノマー(モノエチレン系不飽和カルボン酸とそのエステル、スチレン、ビニルアセテート、ビニルトリメトキシシラン、アクリルアミドなど、およびそれらの混合物など)に基づいたポリオールがある。有用なモノマーとしては、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、ラウリルアクリレート、アクリル酸など、およびそれらの混合物があるが、それらに限定されない。ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであってよい。コポリマーは、メタクリレートモノマー(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸など、およびそれらの混合物)から誘導される単位もかなりの数含んでいてもよい。好ましいアクリルポリオールとしては、米国特許第5,710,227号明細書(フリーマン(Freeman)ら)および欧州特許第1 044 991号明細書(レーム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm and Haas Company))に記載された方法によって調製されたヒドロキシ官能性オリゴマーがあるが、ここで、オリゴマーは約3〜約50の重合度(DP)および約360〜約600の分子量(好ましくは、約5〜約20のDPおよび約600〜約2400の分子量)を有する。
【0019】
イソシアネート基を持つプレポリマーを調製するのに使用できるポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式、および芳香族のポリイソシアネート、およびそれらの混合物ならびにそれらの組み合わせがある。有用なポリイソシアネート(またはイソシアネートモノマー)は、少なくとも約2(好ましくは約2〜約5、より好ましくは約2)の平均イソシアネート官能価を有する。
【0020】
好ましくは、ポリイソシアネートは芳香族のポリイソシアネートである(例えば、反応率(reactivity rate)が大きくなるため)。使用できるもっとも有用なポリイソシアネート化合物の1つは、トリレンジイソシアネート(TDI)であり、特に、80質量パーセントのトリレン−2,4−ジイソシアネートと20質量パーセントのトリレン−2,6−ジイソシアネートからなる配合物の形のものである。2,4−および2,6−異性体が65:35の割合の配合物も使用できる。これらのポリイソシアネートは、HYLENEという商標で、NACCONATE 80およびMONDUR TD−80として市販されている。トリレンジイソシアネートは、メチレンジフェニルジイソシアネートとの混合物としても使用できる。
【0021】
(単独または組み合わせて)使用できるその他のポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネートの別の異性体;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(例えば、1,6異性体を含む);キシレンジイソシアネート(XDI);メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)(例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートを含む);m−またはp−フェニレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI);1,5−ナフタレンジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート;ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート;1−メトキシ−2,4−フェニレンジイソシアネート;2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート;4,4’−ビフェニレンジイソシアネート;3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート;3,3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネート;3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど;およびそれらの混合物がある。ポリマーのポリイソシアネートも使用できる(例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがあり、MONDUR MRSおよびPAPIという商標で販売されているものなど)。市販の有用なポリイソシアネートのリストは、カーク・オスマー化学大辞典第2版第12巻46〜47ページ(インターサイエンス・パブリッシャーズ(1967))(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,2nd Ed.,Vol.12,pages 46-47,Interscience Publishers(1967))に掲載されている。
【0022】
好ましいイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)など、およびそれらの混合物がある。
【0023】
上述のとおり、イソシアネート官能性プレポリマーは、ポリオールと過剰のポリイソシアネートモノマーとの反応により生成させることができる。有用なプレポリマーは、例えば、約11.5質量パーセント以下のイソシアネート(NCO)含有量および約4以下の平均NCO官能価を有することができる。プレポリマーは、イソシアネート基を持つウレタン含有ポリマーであることが好ましい。
【0024】
イソシアネート基を持つプレポリマーは、例えば、約5:1〜約1.05:1のNCO/OH当量比、好ましくは約2.0:1〜2.5:1の比で、ポリイソシアネートをポリオキシエチレン‐プロピレンポリオールのコポリマーと反応せることにより調製できる。イソシアネート末端プレポリマーの調製方法は、例えば、米国特許第4,315,703号明細書(ギャスパー(Gasper))および同第4,476,276号明細書(ギャスパー(Gasper))およびその中の文献に記載されており、その説明はここでの参照により開示に含まれるものとする。ポリイソシアネートの副反応を避けるために、塩化ベンゾイルをプレポリマーの調製時に加えることができる。プレポリマーを希釈するのに溶剤を使用しないことが好ましい。しかし、必要な場合または望ましい場合には、溶剤を使用できる。
【0025】
プレポリマーの調製の後、未反応のポリイソシアネートモノマーを除去するために、プレポリマーの精製を行うことが好ましい。これは、好ましくは、イソシアネート基に対して反応性がある化合物を用いて未反応のポリイソシアネートモノマーを消失させることによって成し遂げられ、その結果、プレポリマーは好ましくは約0.7質量パーセント未満(より好ましくは約0.5質量パーセント未満)の未反応のポリイソシアネートモノマーを含む。
【0026】
プレポリマーを含む混合物中に存在する未反応のポリイソシアネートモノマーの量は、精製ステップによって少なくするか、または、例えば、ポリイソシアネートモノマーのイソシアネート基を消失させて効果的に減少させるのでない限り、ポリイソシアネートモノマーの存在は、(例えば、ライナー組成物の吹付け時に)毒性をもたらしうる。また、未反応のポリイソシアネートモノマーを取り除くかまたは消失させることにより、優れた強さの好ましいライナーが得られることも発見した。その他の利点としては、毒性が減少することおよび熱発生が少なくなることが挙げられる。
【0027】
プレポリマーは、例えば、流下薄膜蒸留装置、WFE薄膜蒸留装置、蒸留技術、種々の溶媒、モレキュラーシーブ、または有機反応試薬(ベンジルアルコールなど)を使用した工程および/または方法によって、未反応のポリイソシアネートモノマーから精製できる。米国特許第4,061,662号明細書(マラン(Marans)ら)には、イソシアネートプレポリマーをモレキュラーシーブに接触させることにより、プレポリマーから未反応のトリレンジイソシアネート(TDI)を除去することについて記載されている。米国特許第3,248,372号明細書(ブンゲ(Bunge))、同第3,384,624号明細書(ハイス(Heiss))、および同第3,883,577号明細書(ラビゾニ(Rabizzoni)ら)には、溶媒抽出法によって遊離イソシアネートモノマーをプレポリマーから除去することに関連した工程が記載されている。米国特許第4,385,171号明細書(シュナーベル(Schnabel)ら)に従って、イソシアネートプレポリマーを蒸留して未反応のジイソシアネートを除去することも可能である。プレポリマーと部分的にしか混和せず、また除去するジイソシアネートの沸点よりも高い沸点を有する化合物を用いる必要があると言われている。米国特許第3,183,112号明細書(ゲマスマー(Gemassmer))、同第4,683,279号明細書(ミリガン(Milligan)ら)、同第5,051,152号明細書(スイタ(Siuta)ら)、および同第5,202,001号明細書(スターナー(Starner)ら)は、流下薄膜および/またはWFE薄膜蒸留の使用について記載している。米国特許第5,502,001号明細書(オカモト(Okamoto))によれば、残留TDI含量は、不活性ガス(特に窒素)を蒸留工程に加えてTDIを運び去りながら、およそ100℃でWFE薄膜蒸留装置にプレポリマーを通過させることにより、0.1質量パーセント未満に減らすことができる。上記のすべての文献の精製方法の記述は、ここでの参照により本明細書に開示されたものとする。
【0028】
好ましい精製方法において、好ましくは、未反応のポリイソシアネートモノマーは、アミン(好ましくは第二級アミン、より好ましくは一官能価の第二級アミン)またはアルコール(例えば、アリールアルキルアルコール)を用いて、好ましくは第三級アミン触媒(例えば、トリエチルアミンなど)の存在下またはイソシアネート基に対して反応性がある官能基(例えば、アミン)を持つアルコキシシランの存在下で消失させることができる。未反応のポリイソシアネートは、より好ましくは、第三級アミンを一緒に使用してアリールアルキルアルコール(ベンジルアルコールなど)と反応させる。未反応のポリイソシアネートは、もっとも好ましくは、1つの第二級アミノ基を持つアルコキシシランを一緒に使用して、アリールアルキルアルコール(ベンジルアルコールなど)と反応させる。未反応のポリイソシアネートは、プレポリマーの末端イソシアネート基に実質的に影響を及ぼすことなく消失させることができる。
【0029】
このような精製法で使用するのに適したアミンの例としては、N−アルキルアニリン(例えば、N−メチルまたはN−エチルアニリンおよびその誘導体)、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジエチルヘキシルアミンなど、およびそれらの混合物がある。
【0030】
好適なアルコールの例には、アリールアルキルアルコール(例えば、ベンジルアルコールおよびそのアルキル置換誘導体);ラジカル重合性のヒドロキシル官能性モノマーなど;およびそれらの混合物がある。
【0031】
好適なシランの例には、「ダイナシラン(DYNASYLAN)1189」(米国ニュージャージー州のデグッサ・コーポレーション(Degussa Corporation,NJ,USA)から入手可能なN−(n−ブチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン)、「ダイナシラン(DYNASYLAN)1110」(米国ニュージャージー州のデグッサ・コーポレーション(Degussa Corporation,NJ,USA)から入手可能なN−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、「シルケスト(SILQUEST)A−1170」(米国のクロンプトン・コーポレーションのOsiスペシャリティーズ(Osi Specialties,Crompton Corporation,USA)から入手可能なビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン)、「シルケスト(SILQUEST)Y−9669」(米国のクロンプトン・コーポレーションのOsiスペシャリティーズ(Osi Specialties,Crompton Corporation,USA)から入手可能な(N−フェニル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)など、およびそれらの混合物がある。
【0032】
未反応のポリイソシアネートを消失させるのにアルコールを使用する場合、加熱して反応時間を短くすることができる。しかし、アミンとの反応は、一般的には周囲温度で比較的短時間で行うことが可能である。
【0033】
アミン、アルコール、またはシランとの反応後にプレポリマーを含む反応混合物の中に存在している、未反応のポリイソシアネートモノマーの量は、もっとも好ましくは0であるが、好ましくは最高約0.7質量パーセントまでの範囲であってよく、より好ましくは最高約0.5質量パーセントまでの範囲であってよい。
【0034】
好ましいプレポリマー精製方法は、米国特許第6,664,414号明細書(トン(Tong)ら)に記載の方法によるものであり、その開示内容を本明細書に援用する。
【0035】
イソシアネート反応基を持つポリマー
本発明の方法に使用するのに適したイソシアネート反応性ポリマーとしては、活性水素含有基(例えば、アミノ基、チオ基(つまり、メルカプト基)、カルボキシル基、および/またはヒドロキシル基)を持つポリマーがある。そのようなポリマーには、例えば、少なくとも約2の平均反応基官能価を有する、ポリカーボネート、ポリアルカジエン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリビニル芳香族、ポリアクリル、ポリビニルエステルなど、およびそれらの組み合わせ(例えば、当量の範囲が約250〜約10,000、好ましくは約400〜約7,500、より好ましくは約500〜約5,000であるもの)がある。そのような官能性ポリマーは、知られている方法で調製することができ、そのようなポリマーは数多く市販されている。液体のものが概して好ましく、比較的低い親水性を示すポリマーも同様である。
【0036】
イソシアネート基に対して反応性がある基は、好ましくはヒドロキシル基(アルコール)、第一級または第二級アミノ基、および/またはカルボキシル基(より好ましくは、ヒドロキシル基および/または第一級または第二級アミノ基;もっとも好ましくは、第一級または第二級アミノ基)、およびそれらの混合物である。ポリマーは、少なくとも約2(好ましくは約2〜約20、より好ましくは約2〜約5)の平均反応基官能価を有することが好ましい。
【0037】
(上述の方法で官能基化される場合の)有用なポリマーの代表的な例として、脂肪族ポリカーボネートジオールなどの脂肪族ポリカーボネート;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびポリテトラヒドロフランなどのポリエーテル;ポリスチレンなどのポリビニル芳香族;ポリビニルアセテートなどのポリビニルエステル;ヒドロキシル末端ポリアクリルおよびペンダントのヒドロキシル基を持つポリアクリルなどのポリアクリル;ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジパート、ポリジエチレンアジパート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンタン)アジパート、およびポリ(ネオペンチル/1,6−ヘキサン)アジパートなどのポリエステル;およびそれらの混合物がある。
【0038】
ポリマーは、ポリマー主鎖の加水分解を減らすためまたは防ぐために、本質的に疎水性であることが好ましい。通常、例えば、アジピン酸系のポリエステルポリオールは、フタレート系のポリエステルポリオールよりも加水分解に対して抵抗性がある。ポリカーボネート系またはダイマー酸ジオール(dimer acid diol)系のポリオールは、概してポリエステル系のポリオールよりも加水分解抵抗性が高い。
【0039】
ポリカーボネート、ポリエーテル、およびポリエステルが一般的に好ましいが、ポリエーテルがより好ましい。もっとも好ましいのは、比較的低い親水性を示すポリエーテル(例えば、エーテル単位の総数の半分未満(より好ましくは3分の1未満、もっとも好ましくは4分の1未満)がエチレンオキシ単位であるポリエーテル)である。
【0040】
重合性反応性希釈剤
本発明の方法に使用するのに適した好適な反応性希釈剤としては、重合性のもの(例えば、アクリレート、メタクリレート、およびエポキシド)がある。反応性希釈剤は、ラジカル重合性モノマー(例えば、アクリレート、メタクリレート、スチレン、ビニルアセテートなどのエチレン系不飽和モノマー、およびそれらの混合物)であることが好ましい。好ましいモノマーには、アクリロイルおよびメタクリロイル官能性モノマー(以下、まとめて(メタ)アクリロイル官能性モノマーと呼ぶ)、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど、およびそれらの組み合わせがあり、好ましくはにおいの少ない(メタ)アクリロイル官能性モノマー、例えば、少なくとも約150の分子量および/または20℃で約43mbar未満(もっとも好ましく20℃で約10mbar未満)の蒸気圧を有するものである。メタクリレートは、揮発性が低いので、アクリレートよりも好ましいことがある。
【0041】
好適なモノマーの代表的な例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルトリグリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−(((ブチルアミノ)カルボニル)オキシ)エチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−(3−オキソ−ブチルアミノ)−プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリルアセテート(n−octyl acrylic acetate)、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、β−エトキシエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシプロピルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、2−フェノキシプロピルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、ポリカプロラクタムアクリレート、アクリロイルオキシエチルフタレート、アクリロイルオキシスクシネート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクタムモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、スチレン、ビニルアセテート、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレート、n−メチロールアクリルアミド−ブチルエーテル、n−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートなど、およびそれらの混合物がある。
【0042】
好ましいモノマーとしては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、デシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシプロピルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、2−フェノキシプロピルメタクリレートなど、およびそれらの混合物がある(テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、および2−フェノキシプロピルメタクリレート、およびそれらの混合物がより好ましい)。
【0043】
所望される場合には、少量の多官能価のエチレン系不飽和モノマー(1種類または複数種類)(1分子内に少なくとも2つの重合性二重結合を持っている化合物、例えば、多官能価のアクリレートまたはメタクリレート)を使用して、例えば、架橋を行うことができる。このような多官能価のモノマーの代表的な例としては、エチレングリコールジアクリレート;1,2−プロピレングリコールジアクリレート;1,3−ブチレングリコールジアクリレート;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;ポリオキシアルキレングリコールジアクリレート(ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなど);エチレングリコールジメタクリレート;1,2−プロピレングリコールジメタクリレート;1,3−ブチレングリコールジメタクリレート;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;ビスフェノール−A−ジメタクリレート;ジウレタンジメタクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート;ポリオキシアルキレングリコールジメタクリレート(ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなど);N,N−メチレン−ビス−メタクリルアミド;ジアリルフタレート;トリアリルフタレート;トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート;アリルアクリレート;アリルメタクリレート;ジアリルフマレート;ジアリルイソフタレート;ジアリルテトラブロモフタレート;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなど;およびそれらの混合物がある。
【0044】
ライナーの作製および使用
本発明の方法を実施する際に、成分(a)、(b)、および(c)(それぞれイソシアネート官能性プレポリマー、イソシアネート反応性ポリマー、および重合性反応性希釈剤)を表面に(好ましくは、1種またはそれ以上の成分の反応が早く起こらないような組み合わせの順序および方法で)適用し、得られた混合物を反応させて、前記成分の反応による生成物を含んだライナーを生じさせることができる。(別の方法として、それほど好ましい方法ではないが、反応して1種またはそれ以上の成分を生成する(または最終生成物を生成する)ことができる中間体を表面に適用することもできるし、あるいはライナーを予備成形してから表面に貼り付けることもできる。)
【0045】
一般的には、プレポリマー(成分(a))とポリマー(成分(b))の質量比は、約10:1〜約1:10の範囲にすることができ、成分(a)と(b)の総質量と重合性反応性希釈剤(成分(c))の質量の比は、約10:1〜約1:10の範囲にすることができる。成分(a)および/または成分(b)は、成分(c)に溶かすことができることが好ましい。成分(a)および成分(b)の少なくとも1つは、平均反応基官能価が約2より大きいことが好ましい。
【0046】
ライナー組成物は、好ましくは開始剤(より好ましくは、開始剤および促進剤)をさらに含み、そのため開始化学種を比較的速やかに生成させることができる。このような場合、封じ込めの用途でしばしば望ましい「速硬性」または「即時強さ発現」特性が向上する。このような特性は、自動酸化だけに頼るのでは実現するのが難しいことがある(自動酸化では、重合速度は酸素が組成物に浸透する速度などにより制限されうる)。
【0047】
得られたライナーは、紫外線(組成物に少量しか含まれていない場合)または電子ビーム照射に曝して硬化させることができるが、一般には、熱硬化が好ましい。照射による硬化を使用する場合、1種またはそれ以上の光開始剤(例えば、ベンゾフェノン)を、必要または所望であれば、例えば、約0.05〜約5質量パーセント(全ライナー成分の全質量に基づいて)の範囲の量だけ加えることができる。好適な光開始剤の代表的な例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、ベンゾフェノンなど、およびそれらの混合物がある。
【0048】
しかし、好ましくは熱活性化可能開始剤を(より好ましくは促進剤も)含む硬化系を使用する(例えば、全ライナー成分の全質量に基づいてそれぞれ約0.01または0.5から約5または10質量パーセントの量だけ含むもの)。有用な熱活性化可能開始剤には、有機過酸化物、例えば、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシドなど、およびそれらの混合物がある。
【0049】
硬化系の促進剤(促進剤を使用する場合)は、概してイソシアネートとは実質的に反応せず、開始剤を(例えば、酸化還元反応によって)分解する働きをし、それによって活性ラジカルの生成を促進する。(別の方法として、熱および圧力を利用して、反応を促進することもできる。)有用な促進剤としては、金属塩(例えば、ナフテン酸コバルトおよびオクタン酸バナジウム)、メルカプタン(例えば、グリコールジメルカプトアセテート)、第三級アミン(例えば、ジメチル−p−トルイジン、ジイソプロポキシ−p−トルイジン、ジエチル−p−トルイジン、ジメチルアニリン、およびアニリンブチルアルデヒド縮合物)など、およびそれらの混合物がある。好ましい促進剤は第三級アミンである。
【0050】
本発明のキットは、組成物の性質に応じて、また成分の分離にとって必要であるかまたは望ましいかどうかによって、2種類以上の組成物を含むことができる。促進剤は、開始剤を含まないキット組成物に含めることができる。例えば、促進剤は、反応性希釈剤を含むキット組成物に含めることができるが、開始剤は、好ましくは反応性希釈剤を含まないキット組成物に含められる。開始剤および反応性希釈剤は、好ましくは別個のキット組成物内に含めた状態にし、表面に適用する直前になって初めて組み合わせることができる。プレポリマーおよび反応性ポリマーも、好ましくは適用の直前まで別々にしておくことができる。
【0051】
得られるライナーは、好ましくは気密性および柔軟性がある。ライナーの破断点伸び(ASTM D−638−97に従って測定)は、好ましくは約10〜約1000%、より好ましくは約30〜約800%、さらにより好ましくは約50〜約400%、もっとも好ましくは約100〜約300%である。ライナーは、高度な柔軟性を有する架橋素材であることが好ましい。ライナーは、水と接触してもそれほど膨潤しないことが好ましい。
【0052】
ライナーは、柔軟性があるだけでなく、靭性もある。ライナーは、4時間後引張り強さが、好ましくは少なくとも約1MPa(より好ましくは、少なくとも約2MPa、さらにより好ましくは、少なくとも約3MPa、もっとも好ましくは、少なくとも約4MPa)である。
【0053】
本発明の方法によって作製されるライナーは、例えば、採掘坑内の岩表面を支持する耐力のあるコーティングとして使用できる。そのような用途の場合、ライナーは、完全に硬化したときに、厚い(少なくとも約0.5mm、好ましくは最大約6mmまでか、さらには10mm以上)ことが好ましい。
【0054】
その他の添加剤をライナーに含めることもできる。例えば、所望の用途の技術に応じて、粘度調整剤を含めて粘度を増大または減少させることができる。ライナーの寿命を延ばすため、また種々の菌類による攻撃を防ぐために、殺真菌剤を加えることもできる。植物の根の侵入を防ぐ物質など、いろいろな目的のためにその他の活性成分を加えることもできる。ライナーに含めることができるその他の添加剤には、レオロジー添加剤、乳化剤、可塑剤、充填剤、難燃剤、煙抑制剤(smoke retardant)、脱泡剤、および着色剤があるが、これらに限定されない。粘度、反応時間、作製するライナーの安定性、および得られるライナーの機械的強さに対して有害な影響を及ぼすような物質を避けるために、充填剤やその他の添加剤を選ぶ際には、注意すべきである。
【0055】
ライナーに含めることができる追加の充填用物質により、より防縮性のある、実質的に縮まない、難燃性のライナーの提供が可能になる。たくさんある充填用組成物のいずれも効果的なものとなる。有用な充填剤には、粒径が約500ミクロン未満、好ましくは約1〜50ミクロンであり、比重が約0.1〜4.0、好ましくは約0.5〜3.0の範囲である粒状の充填物質がある。硬化ライナーの充填剤含有量は、100質量部の硬化ライナーにつき約10部、好ましくは100部につき約5部〜約10部程度にすることができる。
【0056】
有用な充填材の例としては、GRAFGUARD 220−80BまたはGRAFGUARD 160−150B(米国オハイオ州のグラフテック(Graftech,Ohio,USA))などの膨張性グラファイト(例えば、加熱すると膨張するグラファイト);シリカ(石英、ガラスビーズ、ガラスバブル、およびガラス繊維など);珪酸塩(タルク、粘土、(モンモリロナイト)長石、雲母、珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、および珪酸ナトリウムなど);硫酸金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、および硫酸アルミニウム)など;石膏;バーミキュライト;木粉;三水和アルミニウム(aluminum trihydrate);カーボンブラック;酸化アルミニウム;二酸化チタン;氷晶石;チオライト(chiolite);および亜硫酸金属塩(亜硫酸カルシウムなど)がある。好ましい充填剤には、膨張性グラファイト、長石、および石英が含まれる。充填剤は、もっとも好ましくは膨張性グラファイトである。ライナーに加える充填剤の量は、好ましくは、得られるライナーの伸びまたは引張り強さに重大な影響が及ばないように選択することができる。そのような量は、通常の方法で調べれば求めることができる。
【0057】
充填剤を使用すると、得られるライナーは難燃性にすることもできる(膨張性グラファイトが充填剤である場合、ある程度の自己消火特性を示すこともできる)。用途によっては、少なくとも幾つかの好ましいライナーの実施態様は、好ましくはCAN/ULC-S102-M88またはASTM E−84の難燃性規格に適合する。これらの試験により、燃焼割合および煙の発生量が測定される。
【0058】
ライナーの出発成分は、好ましくは、金属またはガラス以外の少なくとも1つの無機鉱物を含むか実質的にそれから成っている通行不能な表面(好ましくは、通行不能な表面は、岩、石、コンクリート、れんが、化粧しっくいなど、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1種類の物質を含むか実質的にそれから成っており;より好ましくは、その群は岩、石など、およびそれらの組み合わせよりなっており;さらにより好ましくは、洞穴内の表面;もっとも好ましくは、採掘坑内の表面である)に適用する直前に混合される。
【0059】
混合方法の一例として、成分は、表面に吹付ける前に、容積形ポンプを使用して注入し、スタティックミキサーで混合することができる。その後、混合物は、空気圧力を使用して、または使用せずに、下地に吹付けることができる。混合の効率は、スタティックミキサーの長さによって異なる。有用な適用装置には、例えば、2部分配合高圧吹付けシステムを有するポンプ(モデルH−20/35)(カナダのオンタリオ州のガスマー・カナダ(Gusmer Canada,Ontario,Canada)によって製造されたもの)があるが、その吹付けシステムは、加熱された温度制御(例えば、50℃)ゾーンを通じて、エアパージ・インピンジメント混合吹付けヘッドガン(例えば、これもガスマー(Gusmer)によって製造されたタイプGAP(Gusmer Air Purge))に供給を行うものである。
【実施例】
【0060】
本発明の目的および利点を以下の実施例によってさらに示すが、それらの実施例に記載された特定の物質および量、ならびにその他の条件や詳細は、本発明を不当に限定するものと解釈すべきでない。
【0061】
イソシアネート反応性の第二級アミノ基を持つポリマー(「ポリ−SA」)の調製
100mLフラスコ内で、室温で攪拌しながら、40.0g(0.1mol)のジェファミン(登録商標)D400(Jeffamine(登録商標)D400)(分子量が400であるアミン末端ポリ(プロピレングリコール);ユタ州のソールト・レイク・シティのハンツマン(Huntsman,Salt Lake City,Utah)から入手可能)を、28.8g(0.2mol)の2−ヒドロキシプロピルメタクリレートに加えた。得られた反応混合物(無色透明の液体)を室温で24時間磁気攪拌した。
【0062】
ライナーの作製手順
以下の番号付きの実施例に記載されている部分A’および部分B’の物質(別々のカートリッジに保管されたもの)を、空気式分配吹付け器(air−powered dispensing gun)(3M(登録商標) EPX(登録商標)アプリケーター(Applicator)、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,Minnesota)から入手可能)および18−エレメント・スタティックミキサーを使用して混合して、ライナーを作製した。得られた混合物を、ポリ(テトラフルオロエチレン)で裏張りされたステンレス鋼成形型に注入して、3×50×200mmのフィルムを作製した。
【0063】
実施例1
部分A’は、3M(登録商標)スコッチ−ウエルド(登録商標)微臭性アクリル接着剤DP810(3M(登録商標)Scotch−Weld(登録商標)Low Odor Acrylic Adhesive DP810)(開始剤を含まない;ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,Minnesota)から入手可能)からなる105gの部分Bと7gのポリ−SAとの混合物であった。部分B’は、三官能価イソシアネートプレポリマー(分子量が5000、当量が1700、およびエチレンオキシド/プロピレンオキシド比が70:30の、トルエンジイソシアネート/ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド(TDI/PEO/PPO)ポリエーテルプレポリマー)28gと、クメンヒドロペルオキシド(ニュージャージー州モリスプレーンズのアクロス・オルガニクス(Acros Organics,Morris Plains,New Jersey))1.05gとの混合物であった。A’:B’の比は4:1であった。部分A’およびB’を混合した後、得られた混合物は1分以内にゲル化し、それを使用してフィルムを形成させた。得られたフィルムのドッグボーン形状試料(幅0.635cm)の引張り特性および伸び特性を、混合後1時間して、実質的に試験法ASTM D−638−97(ペンシルバニア州ウエストコンショホッケンのアメリカ材料試験協会(American Society for Testing and Materials,West Conshohocken,Pennsylvania))に従って、ゲージ離隔距離5.08cm(2インチ)および分離速度20cm(7.87インチ)/分で試験した。その結果を以下の表1に示す。
【0064】
実施例2
部分A’は、3M(登録商標)スコッチ−ウエルド(登録商標)微臭性アクリル接着剤DP810(3M(登録商標)Scotch−Weld(登録商標)Low Odor Acrylic Adhesive DP810)(開始剤を含まない;ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,Minnesota)から入手可能)からなる102gの部分Bと9gのポリ−SAとの混合物であった。部分B’は、実施例1に記載した三官能価イソシアネートプレポリマー35gとクメンヒドロペルオキシド1.02gとの混合物であった。A’:B’の比は3:1であった。部分A’およびB’を混合した後、得られた混合物は1分以内にゲル化し、それを使用してフィルムを形成させた。得られたフィルムのドッグボーン形状試料(幅0.635cm)の引張り特性および伸び特性を、混合後1時間して、実質的に試験法ASTM D−638−97に従って、ゲージ離隔距離2インチ(5.08cm)および分離速度20cm(7.87インチ)/分で試験した。その結果を以下の表1に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
ここに引用した特許、特許文献、刊行物の参考記述は、それぞれが個別に開示されてる場合のように、ここでの参照によりその全体が開示されたものとする。本発明の範囲と精神から逸脱しない範囲で、本発明のさまざまな予見できない修正や変更は当業者にとっては明らかになるであろう。本発明が、ここに述べた説明のための実施態様や実施例によって不当にも限定されないこと、およびそのような実施例や実施態様は例として示されているものであり、本発明の範囲は、次のとおりここに述べる特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図したものであることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライナーを少なくとも1つの表面の少なくとも一部分に設けることを含む方法であって、前記ライナーが、
(a)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーと、
(b)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーと、
(c)少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤との
反応による生成物を含み、
前記表面が金属またはガラス以外の少なくとも1種類の無機鉱物を含むが、但し、前記表面が通行可能な表面以外の表面であることを条件とする、方法。
【請求項2】
前記表面が、岩、石、コンクリート、れんが、化粧しっくい、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1種類の物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面が、岩、石、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1種類の物質を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面が洞穴内の表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記表面が採掘坑内の表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プレポリマーが、少なくとも1種類のポリオールを少なくとも1種類のポリイソシアネートと反応させてイソシアネート基を持つウレタン含有ポリマーを生じさせることにより生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
未反応のポリイソシアネートを除去するか、またはイソシアネート基に対して反応性がある化合物を用いて未反応のポリイソシアネートを消失させることにより、イソシアネート基を持つ前記ウレタン含有ポリマーが少なくとも部分的に精製される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリオールが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテルポリエステル、アクリルポリオール、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリイソシアネートが芳香族ポリイソシアネートである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
イソシアネート反応基を持つ前記ポリマーが、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリビニル芳香族、ポリビニルエステル、ポリアクリル、ポリエステル、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択され、活性水素含有基を持っている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記活性水素含有基が、アミノ基、チオ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記活性水素含有基が、アミノ基、ヒドロキシル基、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記反応性希釈剤がラジカル重合性モノマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ラジカル重合性モノマーが、アクリロイル官能性モノマー、メタクリロイル官能性モノマー、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ライナーが膨張性グラファイトをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ライナーが少なくとも約1MPaの4時間後引張り強さを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ライナーが少なくとも約10パーセントの破断点伸びを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ライナーの厚さが少なくとも約0.5mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
(a)岩、石、コンクリート、れんが、化粧しっくい、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1種類の物質を含む少なくとも1つの表面の少なくとも一部に、
(1)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーであって、
前記プレポリマーが、少なくとも1種類のポリオールを少なくとも1種類の芳香族ポリイソシアネートと反応させてイソシアネート基を持つウレタン含有ポリマーを生じさせることにより生成され、イソシアネート基を持つ前記ウレタン含有ポリマーが、未反応の芳香族ポリイソシアネートを除去するか、またはイソシアネート基に対して反応性がある化合物を用いて未反応の芳香族ポリイソシアネートを消失させることにより少なくとも部分的に精製される、プレポリマー;
(2)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーであって、
イソシアネート反応基を持つ前記ポリマーが、ヒドロキシル基、アミノ基、およびそれらの混合物よりなる群から選択された活性水素含有基を持つ、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステル、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される、ポリマー;および
(3)少なくとも1種類のラジカル重合性モノマー
を適用することと;
(b)適用された前記成分を反応させて、適用された前記成分の反応生成物を含むライナーを形成することと
を含む方法であって;
前記表面が通行可能な表面以外の表面である、方法。
【請求項21】
前記表面が、岩、石、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された少なくとも1種類の物質を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記表面が洞穴内の表面である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記表面が採掘坑内の表面である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリオールがポリエーテルポリオールである、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記芳香族ポリイソシアネートがトリレンジイソシアネートである、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
イソシアネート反応基を持つ前記ポリマーがポリエーテルである、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記活性水素含有基が第一級または第二級アミノ基である、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記ラジカル重合性モノマーが、アクリロイル官能性モノマー、メタクリロイル官能性モノマー、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記ライナーが、少なくとも約1MPaの4時間後引張り強さおよび少なくとも約10パーセントの破断点伸びを示し、前記ライナーの厚さが少なくとも約0.5mmである、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
(a)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーと
(b)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーと
(c)少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤と
(d)膨張性グラファイトとの
反応による生成物を含むライナー。
【請求項31】
請求項1に記載の方法で作製されたライナーによって少なくとも部分的にライニングが施されている採掘坑。
【請求項32】
請求項20に記載の方法で作製されたライナーによって少なくとも部分的にライニングが施されている採掘坑。
【請求項33】
請求項30に記載のライナーによって少なくとも部分的にライニングが施されている採掘坑。
【請求項34】
請求項1に記載の方法で作製されたライナーによって少なくとも部分的にライニングが施されている、少なくとも1つの通行不能な表面を有する建築構造物。
【請求項35】
請求項20に記載の方法で作製されたライナーによって少なくとも部分的にライニングが施されている、少なくとも1つの通行不能な表面を有する建築構造物。
【請求項36】
請求項30に記載のライナーによって少なくとも部分的にライニングが施されている、少なくとも1つの通行不能な表面を有する建築構造物。
【請求項37】
(a)第一組成物であって、
(1)イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマー、および
(2)本質的にイソシアネート反応基を含まない少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤を含む組成物と;
(b)前記第一組成物と組み合わせると反応してライナーとしての使用に適した物質を生成する、イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマーを含む第二組成物と
を含むキットであって、
前記キットが膨張性グラファイトをさらに含む、キット。
【請求項38】
(a)第一組成物であって、
(1)イソシアネート反応基を持つ少なくとも1種類のポリマー、および
(2)本質的にイソシアネート基を含まない少なくとも1種類の重合性反応性希釈剤を含む組成物と;
(b)前記第一組成物と組み合わせると反応してライナーとしての使用に適した物質を生成する、イソシアネート基を持つ少なくとも1種類のプレポリマーを含む第二組成物と
を含むキットであって、
前記キットが膨張性グラファイトをさらに含む、キット。

【公表番号】特表2008−513202(P2008−513202A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532528(P2007−532528)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/033262
【国際公開番号】WO2006/034082
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】