説明

表面改質されたナノ粒子の組成物

フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を含んでなる組成物を開示し、ここでナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状(layered)ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、pは1、2又は3であり、且つmは(4−p)である。フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系の調製方法ならびにフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を用いる基質の処理方法も開示する。フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなる製品及び基質も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2009年2月2日に申請された米国暫定出願第61/149160号からの優先の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、水及び油の両方に対する耐性を含む有用な性質を与えるための、軟質及び硬質基質の処理において有効な、表面改質されたナノ粒子の組成物に関する。本発明は、表面改質されたナノ粒子の水性分散系、組成物の調製方法ならびに組成物を用いて作られる製品にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
表面、布帛及び繊維を処理して汚染堆積(soil deposition)に対する向上した耐性を与え、撥水性及び油忌避性(oil repellency)を示すために、多種の組成物が様々な成功の程度で用いられてきた。しかしながら、消費者にまで運ばれる(carried forward)可能性のある揮発性有機化合物を含むものは、現在、特にカーペット製造において可能な限り避けられるべきである。過剰な量の界面活性剤も、カーペットのような処理された基質による保留(retention)が汚染に関する親和性を向上させるので、望ましくない。
【0004】
撥水性を有する低汚染性(low soiling)軟質表面を作るために、特許文献1に開示されているようなフルオロケミカル樹脂エマルションが用いられてきた。しかしながら、これらの材料は高価であり、且つそれらは環境的に永続性(persistent)である。従って、それらが与える非常に価値のある耐汚染性及び撥水性の属性を保持しながら、そのような化合物の全体的な使用量を減少させる必要がある。不運なことに、通常の代替的組成物のすべては、未解決の問題を呈する。
【0005】
記載事項が完全に本明細書の内容となるKnowltonへの特許文献2は、フルオロケミカル樹脂とオルガノシロキサンコポリマーのコロイドゾル分散系とのブレンドから成る布帛(fabric)表面処理組成物の使用を開示している。このブレンドは、許容され得る汚染忌避性を達成するための軟質表面上におけるフルオロケミカルの含浸量(add−on)レベルを下げることを可能にする。しかしながら、所望の抗汚染及び疎水効果を達成するために、有意な濃度のフルオロケミカルがまだ必要であり、処理された製品の見かけの軟らかさが悪影響を受け得る。
【0006】
シロキサンより疎水性の材料の製造は、典型的にはフッ素化炭化水素、有機溶媒及び界面活性剤を含み;そしてエタノール、メタノール、イソプロパノール、クロロホルム及びアセトンのような溶媒は、フルオロアルキル改質シリカ粒子のようなこの種の材料の製造及び安定化の両方において主要成分として存在する。特許文献3及び特許文献4は、そのような合成及び分散の典型的な例を開示している。溶媒の除去はそのような分散系にとって不安定化し、粒子を沈降又は凝集させる傾向があり、一度凝集するとそれらを有効に分散させるのは非常に困難である。従って上記の開示に記載されている方法は、望ましくないほど高い濃度の揮発性有機溶媒又は界面活性剤なしで安定な粒子の水性分散系を作るのに適していない。
【0007】
Sugiyamaへの特許文献5は、フルオロ界面活性剤(fluorosurfac
tants)及び水の存在下でフルオロアルキルシラン改質シリカを製造し、続いて不飽和フルオロポリマーモノマーを加え、フルオロポリマーでコーティングされた粒子に重合させる連続的段階を含む、成形材料用途に適した架橋フルオロポリマーでコーティングされたナノ粒子の製造方法を開示している。Sugiyamaは、フルオロアルキル化の前に無機粒子を分散させ、且つシリカ粒子表面上にフルオロポリマーモノマーを向かわせる両方のために、実質的な濃度の界面活性剤が必要であると記載している。フルオロ界面活性剤が好ましく、そして反応物である無機粒子の重量の10〜20%より高い濃度が有効であると思われる。不運なことに、上記で示した通り、フルオロ界面活性剤に関連する高い経費及び環境的懸念がSugiyamaにより記載された方法を、カーペット布帛処理のような製造プロセスへの適用のために不適当にしている。
【0008】
特許文献6(Henze et al.)及び特許文献7は、分散疎水性ケイ質ナノ粒子の製造のための別の方法を開示しており、それはゾル−ゲル法を用い、その方法ではシリケートゾル−ゲル前駆体及びフルオロアルキルシラン(FAS)試薬を混合し、共縮合させて粒子を製造する。この方法は、実質的な量の材料が含まれる場合には好まれず、それは、高価なフルオロアルキル基の多くが粒子構造中に組み入れられ(incorporated)、それらが有用な効果を生むことができるナノ粒子の表面に与えられないからである。さらに、ゾル−ゲル共縮合合成経路はやはり、上記に概述したと同じ有害な影響を有する有機溶媒を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,329,661号明細書
【特許文献2】米国特許第6,225,403号明細書
【特許文献3】米国特許第5,801,092号明細書
【特許文献4】米国特許第6,045,962号明細書
【特許文献5】米国特許出願第2005/0227077号明細書
【特許文献6】米国特許第7,037,591号明細書
【特許文献7】米国特許出願第20060292345号明細書
【発明の概要】
【0010】
発明の概略
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、軟質及び硬質基質を処理して軟らかさ及び/又は耐汚染性及び耐油性を含む疎水性挙動を与えるための改良された組成物が必要である。その目的のために、フルオロアルキル基がナノ粒子の表面に与えられて有用な疎水効果を生み、且つ界面活性剤及び揮発性有機溶媒の両方が基質に適用されるべき組成物に実質的に存在しない、改良された表面改質フルオロアルキル化ナノ粒子が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示される組成物の1つの側面に従い、今回、水性媒体中における液体フルオロアルキルシラン(FAS)試薬との二相(bi−phasic)反応を介して表面改質された無
機ナノ粒子を含んでなるある種の新規な組成物を調製することができることが見出された。開示される組成物の水性分散系は単相であり、光学的に透明であり、且つ有意な凝集又は沈降なく、そしてほとんど又は全く追加の溶媒又は界面活性剤を用いずに安定である。組成物は:フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を含んでなり、ここでナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状(layered)ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、pは1、2又は3であり、mは(4−p)である。また、組成物はさらに式:[H(CH−Si−(O−)を有するナノ粒子の表面に結合した追加の成分(component moiety)を含んでなることができ、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pである。追加の成分はメチルシリルであることができる。さらに、フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなる製品を開示する。製品には布帛、カーペット又は紙が含まれ得る。製品は、汚染堆積に対する向上した耐性ならびに撥水性及び油忌避性の両方を示す。
【0013】
他の側面に従い、フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系の調製方法を開示する。方法は:(i)シリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーの水性分散系を調製し;(ii)水非混和性フルオロアルキルシラン試薬を水性分散系に加えて不均一な混合物を形成し、ここでフルオロアルキルシラン試薬は:(F(CFCHCHSi(O−R)であり、式中、nは2、3又は4であり、式中、pは1、2又は3であり、式中、mは(4−p)であり、且つ式中、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及び−C(O)CHより成る群から選ばれ;そして(iii)不均一な混合物が均一なフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系になるまでそれを混合することを含む。さらに、式:[H(CH−Si−(X)を有し、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pであり、且つ式中、Xはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、アセトキシ及びクロリド離脱基より成る群から選ばれる成分を、フルオロアルキルシランの添加の前に加えることができる。
【0014】
さらに別の側面において、改質された基質を開示する。改質され基質は基質の少なくとも1つの表面上にフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなり、ここでナノ粒子はチタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、式中、pは1、2又は3であり、且つ式中、mは(4−p)である。基質はさらに式:[H(CH−Si−(O−)を有するナノ粒子の表面に結合した追加の成分を含んでなることができ、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pである。基質が追加の成分を含む場合、ナノ粒子はシリカ、ジルコニア、チタニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれることができる。基質は合成繊維、天然繊維、石、セラミック、ガラス、プラスチック及び複合材料であることができる。さらに基質から、カーペット、紙ならびに合成及び天然繊維から作られた布帛を含む製品を作ることができる。基質及び製品は、汚染堆積に対する向上した耐性ならびに撥水性及び油忌避性の両方を示す。
【0015】
さらに別の側面において、疎水性であり、且つ耐汚染性である基質の製造方法を開示する。方法は、(i)基質にフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を適用し、ここで該水性分散系はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、ア
ルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここで該フルオロアルキルシリルは:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、式中、pは1、2又は3であり、且つ式中、mは(4−p)であり;そして(ii)基質を乾燥することを含む。フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系は、式:[H(CH−Si−(O−)を有するナノ粒子の表面に結合した追加の成分を含んでなることもでき、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pである。基質は合成繊維、天然繊維、石、セラミック、ガラス、プラスチック及び複合材料であることができる。
【0016】
さらにもっと別の側面において、表面改質ナノ粒子を含んでなる組成物を開示する。表面改質ナノ粒子は、式:(F(CFCHCHSi(O−)を有するフルオロアルキルシリルを含んでなり、式中、nは2、3又は4であり、式中、pは1、2又は3であり、且つ式中、mは(4−p)であり、ここでナノ粒子はジルコニア、チタニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる。表面改質ナノ粒子は、場合により式:[H(CH−Si−(O−)を有する追加の成分を含んでなることができ、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pである。表面改質ナノ粒子が追加の成分を含む場合、ナノ粒子はシリカ、ジルコニア、チタニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な記述
軟質及び硬質基質を処理して、軟らかさ及び/又は耐汚染性及び耐油性を含む疎水性挙動を与えるための組成物を開示する。組成物は、水性媒体中でナノ粒子をフルオロアルキル化する反応を有効に行うのに適した特定のフルオロアルキルシラン(FAS)試薬との水中での反応により、表面において改質されたフルオロアルキル化ナノ粒子を含む。さらに特定的に、組成物はフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を含むことができ、ここでナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、pは1、2又は3であり、mは(4−p)であり:nが4であることができ、mが1である時にpが3であることができる(F(CFCHCHSi(O−)を含む。ナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、クレー及びそれらの混合物を含むことができ、合成ヘクトライトクレーを含む。混合物は合成ヘクトライトクレー及びシリカであることができる。フルオロアルキルシリル部分は、ナノ粒子表面に共有結合していることができる。この組成物は、水中に乳化された水非混和性の特定のフルオロアルキルシラン試薬と、上記の方法において記載した通りにフルオロアルキルシラン試薬が粒子表面において優先的にナノ粒子に共有結合するように水相中に分散された、あらかじめ形成された無機ナノ粒子との反応により形成される。次いでこの分散系組成物を基質に適用することができる。組成物は場合により式:[H(CH−Si−(O−)を有するナノ粒子の表面に結合した成分を含んでなることができ、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pである。場合による成分はメチルシリルであることができる。
【0018】
ナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、クレー及びそれらの混合物を含むことができ、例えばクレーは合成ヘクトライトクレーであることができ、例えば混合物は合成ヘクトライトクレー及びシリカであることが
できる。フルオロアルキルシリル分子は、ナノ粒子表面に共有結合していることができる。
【0019】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子は、分散系の組成物全体の約0.01重量%〜約50重量%の範囲内、例えば組成物全体の約1重量%〜約8重量%を含む約1重量%〜約40重量%の範囲内の濃度で存在することができる。ナノ粒子が合成ヘクトライトクレーであるフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の安定な水性分散系を、組成物全体の約1重量%〜約8重量%を含む組成物全体の約0.01重量%〜約12重量%の範囲内の濃度で形成することができる。最終的な用途及び処理されるべき基質に依存して、本発明の分散系をより有効な適用のため、あるいは処理法において与えられる水分のレベルを制御するために希釈することができる。この場合も処理されるべき基質の性質、その意図される用途及び製造方法に依存して、当該技術分野において既知の他の化学品を、適した濃度範囲において本発明の水性分散系と組み合わせることができる。
【0020】
組成物はさらにフッ素化樹脂エマルション、フッ素を有していないアルキル化無機ナノ粒子及び/又は湿潤剤、抗汚染剤(anti−soil agent)、フルオロケミカル樹脂、界面活性剤及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含むことができる。
【0021】
利用できる(at hand)製造法を簡単にするために、場合により組成物を、当該技術分野において既知の追加の湿潤剤、抗汚染剤、フルオロケミカル樹脂、界面活性剤又はそれらの混合物と配合することができる。水性分散系は一般的に適合性であるが、当然、ナノ粒子を融合させるか又は沈降させるか、あるいは他に有効性又は有用性を減じる材料の添加は避けるのが望ましい。
【0022】
開示される分散系は、驚くべきことに、フルオロアルキル化表面の本質的な疎水性にかかわらず、透明水性混合物と同様に適度に高い濃度において、安定且つ無期限に存在する。
【0023】
組成物は、軟質表面を処理していくつかの価値のある属性を与えるために有用であり得る。記載される種々の分散系を用いて処理された硬質表面、布帛及び繊維も、汚染堆積に対する耐性が向上し、且つ撥水性及び油忌避性を示すことが示された。
【0024】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の製造方法も開示する。方法は:(i)シリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーの水性分散系を調製し;(ii)水非混和性フルオロアルキルシラン試薬を水性分散系に加えて不均一な混合物を形成し、ここでフルオロアルキルシラン試薬は:(F(CFCHCHSi(O−R)であり、式中、nは2、3又は4であり、pは1、2又は3であり、mは(4−p)であり、且つRはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及び−C(O)CHより成る群から選ばれ;そして(iii)不均一な混合物が均一なフルオロアルキルシラン表面改質ナノ粒子の水性分散系になるまでそれを混合することを含む。フルオロアルキルシランは:(F(CFCHCHSi(O−R)であり、式中、nは4であることができ、mが1である場合、pは3であることができ、且つRはメチル及びエチルより成る群から選ばれることができる。ナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、クレー及びそれらの混合物を含むことができ、例えばクレーは合成ヘクトライトクレーであることができ、例えば混合物は合成ヘクトライトクレー及びシリカであることができる。フルオロアルキルシラン分子はナノ粒子表面に共有結合してフルオロアルキルシリル部分を作ることができる。フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子は、組成
物全体の約0.01重量%〜約50重量%、例えば組成物全体の約1重量%〜約40重量%又は組成物全体の約1重量%〜約8重量%の範囲内の濃度で形成され得る。方法はさらに、水性分散系の適用前にフッ素化樹脂エマルションを加えることを含むことができる。さらに方法は、水性分散系の適用前にフッ素を有していないアルキル化無機ナノ粒子を加えることをさらに含むことができる。さらに方法は、水性分散系の適用前に湿潤剤、抗汚染剤、フルオロケミカル樹脂、界面活性剤及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを加えることをさらに含むことができる。場合により、式:[H(CH−Si−(X)を有し、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pであり、且つ式中、Xはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、アセトキシ及びクロリド離脱基より成る群から選ばれる化合物を、フルオロアルキルシランの添加の前に加えることができる。開示される方法において再循環ポンプ及び静置ミキサー(static mixer)を用い、非混和性のフルオロアルキルシランとナノ粒子の間の界面接触をさらに増すことができる。
【0025】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の製造のための方法の段階(ii)で用いられるフルオロアルキルシラン反応物は:(F(CFCHCHSi(O−R)であり、式中、nは2、3又は4であり;式中、pは1、2又は3であり;式中、(m+p)=4であり;且つRはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及び−C(O)CHより成る群から選ばれる。アルキルシラン反応物のフルオロアルキル部分は、長さが2〜4個の炭素のペルフルオロアルカン、例えば4個の炭素のナノフルオロアルカン(nは4である)であることができ、ここでmは1であり、pは3であり、且つここでRはメチル又はエチルである。処理された基質においてより高い疎水度を達成するために、長いペルフルオロアルカン鎖を用いることができる。しかしながら、4個の炭素原子より長い(4より大きいn値)ペルフルオロアルカン鎖を有するFAS試薬は、開示される水性分散系の調製に適しておらず、開示される方法において反応物及び生成物分散系の両方を安定化するために、望ましくないレベルの溶媒又は界面活性剤の添加が必要であろう。
【0026】
開示される方法の1つの側面において、1,1,2,2−テトラヒドロ−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシランを、pH9を有するコロイダルシリカ(20nm粒子)の25%(w/w)水性分散系に、撹拌しながらゆっくり加え、曇った外観の液−液エマルションを形成することができる。場合により、機械的撹拌機と一緒に又はそれなしで、再循環ポンプ及び静置ミキサーを用い、FASとコロイダルシリカの界面接触を増すことができる。少ない方のFAS液相は数時間かけて撹拌と共に消費され、徐々に単一液相分散系に単純化され、それは撹拌の不在下で安定に残る。得られる安定な水性分散系は、粒子表面上に共有結合した疎水性層を有する分散されたシリカナノ粒子を含有する。
【0027】
開示される方法の他の側面において、1,1,2,2−テトラヒドロ−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシランを、Rockwood Additives LtdからLaponite(登録商標) RDSの商品名により販売されている合成ヘクトライトクレーナノ粒子の5%(w/w)水性分散系にゆっくり加えることができる。水性ヘクトライトクレー分散系は本来pH9より高く、高い撹拌速度を用いるFASのゆっくりした添加は、曇った外観の液−液エマルションを形成する。場合により、機械的撹拌機と一緒に又はそれなしで、再循環ポンプ及び静置ミキサーを用い、FASとヘクトライトクレーの界面接触を増すことができる。少ない方のFAS液相は数時間かけて撹拌と共に消費され、徐々に単一液相分散系に単純化され、それは撹拌の不在下で安定に残る。場合により本発明の分散系をフッ素化樹脂エマルションと、又はフッ素を有していないアルキル化無機ナノ粒子の分散系と配合することができる。例えば上記のフルオロアルキル改質クレーナノ粒子の分散系を、メチルトリメトキシシラン(MTMS)で表面改質されたコロイダルシリカナノ粒子の水性分散系と配合し、得られる水性分散系が2つの明確に異なるナノ粒子
を含むようにすることができる。
【0028】
基質及びフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を用いて基質を製造するための方法も開示する。基質は:少なくとも1つの表面上にフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなり、ここでナノ粒子は:チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、pは1、2又は3であり、且つmは(4−p)である。本発明のナノ粒子はチタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、クレー及びそれらの混合物を含んでなることができ、例えばクレーは合成ヘクトライトクレーであることができ、例えば混合物は合成ヘクトライトクレー及びジルコニアであることができる。基質は合成繊維、天然繊維、石、セラミック、ガラス、プラスチック及び複合材料より成る群から選ばれることができる。フルオロアルキルシリルは:nが4であることができ、mが1である場合にpが3であることができる(F(CFCHCHSi(O−)を含むこともできる。フルオロアルキルシリルは、ナノ粒子表面に共有結合していることができる。基質は、約100〜約100,000ナノメートルの範囲内の平均直径を持つ孔を有することができる。フルオロアルキルシラン表面改質ナノ粒子は、基質上に少なくとも1つの層状構造を形成することができ、ここで層状構造は約10,000ナノメートルか又はそれより小さい厚さ及び約100,000ナノメートルか又はそれより大きい幅及び長さを有する。基質は、場合により式:[H(CH−Si−(O−)を有するナノ粒子の表面に結合した成分を含むことができ、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pである。ナノ粒子が場合により存在する成分を含む場合、ナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、クレー及びそれらの混合物を含むことができる。
【0029】
基質はポリアミド繊維であることができ、ここで組成物は、通常のフルオロケミカル樹脂エマルションのコーティングを用いる場合と比較してより低いレベルの元素フッ素を用いて、ほこり、水及び油忌避性を与える。本発明を用いてコーティングされた軟質基質は、通常のフルオロケミカル樹脂のコーティングにおいて見出されるより少ない元素フッ素を用いてより優れた撥水性を示すことが見出された。基質には合成繊維、天然繊維、石、セラミック、ガラス、プラスチック及び複合材料も含まれ得る。
【0030】
ナノ粒子の水性分散系を用いる基質の製造方法は、フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を基質に適用し;そして基質を乾燥することを含む。
【0031】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなる基質から作られる製品も開示される。さらに特定的に、製品は組成物を含み、組成物は:ナノ粒子がチタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルが:(F(CFCHCHSi(O−)であり、式中、nは2、3又は4であり、pは1、2又は3であり、且つmは(4−p)であり、フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子ならびに場合により、式:[H(CH−Si−(O−)を有し、式中、Mは1〜12の整数であり、pは1、2又は3であり、nは4−pであるナノ粒子の表面に結合した成分を含む。製品には布帛、ラグ、カーペット、紙、石及び完成されたもしくは塗布された表面、例えば布帛、カーペット又は紙、さらに特定的に布帛又はカーペットが含まれるが、これらに限られない。製品が布帛又はカーペットであるか、あるいは場合による成分を含む場合、ナノ粒子はシリカも含むことができる。布帛又はカーペットの場合、フッ素の合計濃度は暴露される基質の約10ppm〜約500ppm w/wの範囲内にあることができ、暴露される基質の約50ppm〜約3
00ppm w/wを含む。布帛又はカーペットの場合、基質は暴露される基質の約0.01重量%〜約2.0重量%の範囲内の重量でフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を保持し、暴露される基質の約0.1重量%〜約1.0重量%を含む;あるいはここで基質は暴露される基質の約0.0001重量%〜約0.10重量%の範囲内で元素フッ素を保持し、暴露される基質の約0.0001重量%〜約0.010重量%を含む。布帛又はカーペットの場合、基質は表面積の平方メートル当たり約0.01〜約3グラムの範囲内でフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を保持し、表面積の平方メートル当たり約0.1〜約2グラムを含む。布帛又はカーペットの場合、カーペット又は布帛の平方ヤード当たり約5オンス〜カーペット又は布帛の平方ヤード当たり約150オンスで水性分散系を適用することができる。
【0032】
定義
ナノ粒子は、その次元(dimensions)の1つが長さにおいて100nmより小さい多次元粒子(multidimensional particle)として定義される。
【0033】
FASは、フッ素化有機官能基を与えるために用いられる種類のフルオロアルキルシラン試薬を意味し、本発明の無機粒子を含むがこれらに限られない。FAS試薬は特定的に式:(F(CFCHCHSi(OR)の構造を含むがこれらに限られず、式中、nは2、3又は4であり;式中、pは少なくとも1であり;式中、mは少なくとも1であり;ここでm+p=4であり;且つ式中、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及び−C(O)CHである。本明細書で開示される製造方法にはあまり好ましくないが、過フッ素化アルキル末端官能基を有する他の構造も本開示により意図されていると理解されるべきである。FAS試薬は式:(F(CFCHCHSi(X)の構造も含むことができ、式中、nは2、3又は4であり;式中、pは少なくとも1であり;式中、mは少なくとも1であり;ここでm+p=4であり;且つ式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素のようなハロゲンである。FAS試薬は式:(F(CFCHCHSiR’(X)の構造も含むことができ、式中、n>2であり、且つm+p=3であり、R’はケイ素原子に結合するメチル又はエチルであり、且つ式中、Xはケイ素原子に結合する塩素、臭素又はヨウ素のようなハロゲンである。
【0034】
クレー粒子は、実質的に以下の地質学的種類の鉱物を含んでなる粒子を指すことができる:スメクタイト、カオリン、イライト、クロライト及びアタパルジャイト。これらの種類にはモンモリロナイト、ベントナイト、ピロフィライト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ノントロナイト、タルク、ベイデライト、ボルコンスコイト、バーミキュライト、カオリナイト、ジッカイト、アンチゴライト、アナウクサイト、インデライト、クリソタイル、ブラバイサイト、サスコバイト、パラゴナイト、バイオタイト、コレンサイト、ペンニナイト、ドンバッサイト、スドイト、ペンニン、セピオライト及びポリゴルスカイトのような特定のクレーが含まれる。本発明のクレー鉱物は合成又は天然であることができ、水性ミクロ分散系(micro dispersions)を形成できるように剥離している(are exfoliated)。本発明の1つの態様の例は、Rockwood Additives LtdからLaponite(登録商標)の商品名により販売されている合成ヘクトライトクレーナノ粒子を使用する。本発明の好ましい態様は、Laponite RDS(登録商標)、Laponite JS(登録商標)及びLaponite RD(登録商標)を使用する。
【0035】
水性分散系はコロイダル分散系を意味し、それはナノ粒子のような小さい寸法の微粉砕された粒子の系であり、微粉砕された粒子はそれらが容易に濾過されないような、あるいは重力によって分離されないようなやり方で均一に分散されている。
【0036】
水性ミクロ分散系は、主に長さが約100nmより小さい少なくとも1つの次元を有する粒子の分散系として定義される。
【0037】
非可溶化水性ミクロ分散系は、水適合性界面活性剤なしで長期間(2ヶ月かもしくはそれより長く)安定である水性ミクロ分散系である。
【0038】
OWFは、繊維の重量当たりの重量である。
【0039】
WPU(含浸量)は、繊維性基質の処理において、液体形態で加えられる布帛の重量に対する割合である(the fraction of)(w/w)。カーペットの場合、布帛の重量はカーペット繊維面重量と考えられる。
【0040】
層状構造は、ナノ粒子の重なりが観察される場所ならびに丸い、球形の又は固まった凝集物の構造ではなくて平らな層又はシートが観察される場所である。
【実施例】
【0041】
試験法
ASTM D6540からのドラム汚染法(drum soiling procedure)に、可能な限り厳密に従った。
【0042】
水性ミクロ分散系調製実施例1:250mLの丸底フラスコに、59.6グラムの40%アニオン性コロイダルシリカ(W.R.GraceからのLUDOX(登録商標) AS−40)及び40.0グラムの脱−イオン水を撹拌しながら加え、曇った外観の液−液エマルションを形成した。得られる水性コロイダルシリカ分散系のpHは9〜10であった。分散系を窒素下で32℃において撹拌し、シリンジ及びシリンジポンプを介して225分かけ、1.798mLの1,1,2,2−テトラヒドロ−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン(密度=1.335g/mL,Gelestから)を加えた。32℃で20時間撹拌した後、混合物は単一液相であると観察され、それを次いで室温に冷まし、透明な水性分散系を調製した。1ミクロンガラス−繊維濾紙を介して生成物を濾過し、濾過媒体上に非常にわずかな沈殿物のフィルムしか観察されなかったので、分散系の最終的な濃度は本質的に変化しなかった。
【0043】
水性ミクロ分散系調製実施例2:500mLの丸底フラスコに、190グラムの脱−イオン水を加え、急速に撹拌しながら温度を38℃にした。10.00グラムのLaponite(登録商標) RDSクレー粉末(Rockwood Additivesから)を、少しづつ増やしながら15分かけてゆっくり加え、次いで38℃で1時間撹拌して、9〜10のpHを有する透明な水性分散系を調製した。窒素下で撹拌しながらLaponite(登録商標) RDS分散系の温度を32℃とし、撹拌しながらシリンジ及びシリンジポンプを介して336分かけ、2.757mLの1,1,2,2−テトラヒドロ−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン(密度=1.335g/mL,Gelestから)を加え、曇った外観の液−液エマルションを形成した。添加後、分散系を32℃で35時間撹拌し、それは単一液相であると観察された。次いでそれを室温に冷まし、透明な水性分散系を調製した。1ミクロンガラス−繊維濾紙を介して生成物を濾過し、濾過媒体上に非常にわずかな沈殿物のフィルムしか観察されなかったので、分散系の最終的な濃度は本質的に変化しなかった。
【0044】
水性ミクロ分散系調製実施例3:3つ首を有し、且つ頭上撹拌機が備えられた3000mLの丸底フラスコに、596グラムの40%アニオン性コロイダルシリカ(W.R.GraceからのLUDOX(登録商標) AS−40)及び396グラムの脱−イオン水
を、室温で撹拌しながら加えた。得られる水性分散系のpHは9〜10であった。分散系を30℃とし、窒素下で撹拌し、続いてシリンジ及びシリンジポンプを介して127分かけ、13.20mLのメチルトリメトキシシラン(密度=0.955g/mL,Aldrichから)を加えた。30℃で1時間撹拌した後、それを室温に冷まし、透明な水性分散系を調製した。1ミクロンガラス−繊維濾紙を介して生成物を濾過し、濾過媒体上に非常にわずかな沈殿物のフィルムしか観察されなかったので、分散系の最終的な濃度は約25%w/w固体において本質的に変化しなかった。
【0045】
水性ミクロ分散系調製実施例4:小さいビーカーに、59.6グラムの40%アニオン性コロイダルシリカ(W.R.GraceからのLUDOX(登録商標) AS−40)及び40.4グラムの脱−イオン水を、室温で撹拌しながら加え、25%固体を有する溶液を調製した。0.01ml/分を送達するように設定されたシリンジポンプを用い、0.744mlのメチルトリメチルシロキサン(MTMS)を撹拌ビーカーに滴下した。MTMSの添加から約135分(すなわち添加が終わってから約1時間)後、FAS添加を開始した。1mlガラスHamilton気密シリンジを用いて、0.360mlのFASを0.01ml/分において加えた。ビーカーをパラフィルムで覆い、1200rpmにおいて約48時間撹拌した。48時間の撹拌の間にスラッジが生成し、それは撹拌バーを捕えた。液表面の上に油滴は見えなかった。GFA紙を介して生成物を濾過し、それにより97グラムの生成物を集めた。
【0046】
水性ミクロ分散系調製実施例5:15リットルの反応器中で、2380グラムの脱イオン水及び3580グラムの40%アニオン性コロイダルシリカ(W.R.GraceからのLUDOX(登録商標) AS−40)を加え、25%固体を有する溶液を調製した。機械的撹拌に加え、ポンプを介し且つ次いで静置ミキサーチューブを介して溶液を吸引し、且つ次いで反応器に戻す再循環ポンプ及びチューブを反応器に取り付けた。24.5グラムのMTMSを5分かけて溶液に滴下した。溶液を1時間混合した。ガラスロートを介して1.5時間かけ、66.45グラムのFASをゆっくり加えた。4時間の混合の後、FAS油性相のほとんどは水表面から消失し、単一層を示し、且つFASが粒子と反応したことを示した。溶液を終夜放置し、GFAガラス濾紙を介して濾過した。約12グラムの未反応副生成物が集められた。得られる水性分散系は安定であり、且つ均一であった。分散系の液滴を表面上で蒸発させると驚くべき疎水性フィルムが生成し、それはCapstone(登録商標) RCP(DuPont)又は100%FAS単層で処理されたLudox(登録商標)からの同等量のフッ素より実質的に疎水性であった(調製実施例1)。
【0047】
基質処理実施例1:調製実施例1からの安定な水性分散系を82.4グラムの水で希釈し、得られる溶液を5%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧し、150℃のオーブン中で6分に及んで硬化させ、表1に挙げる粒子固体及びフッ素に関するOWF合計を生じた。ほこり試験(ASTM D6540)の結果もその中に示す。
【0048】
基質処理実施例2:調製実施例2からの安定な水性分散系の58.8グラムを調製実施例3からの水性分散系の7.9グラムと配合し、次いで室温において33.3グラムの水で希釈し、得られる溶液を4.9%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧した。150℃のオーブン中における6分間の乾燥は、表1に挙げる粒子固体及びフッ素に関するppmOWF合計を与えた。ほこり試験(ASTM D6540)の結果もその中に示す。
【0049】
基質処理実施例3:調製実施例2からの安定な水性分散系の57.6グラムを調製実施例3からの水性分散系の1.2グラムと配合し、次いで室温において41.2グラムの脱
イオン水で希釈し、得られる溶液を4.9%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧した。150℃のオーブン中における6分間の乾燥は、表1に挙げる粒子固体及びフッ素に関するppmOWF合計を与えた。ほこり試験(ASTM D6540)の結果もその中に示す。
【0050】
基質処理実施例4:調製実施例2からの安定な水性分散系の39.6グラムを調製実施例3からの水性分散系の4.0グラムと配合し、次いで室温において56.4グラムの脱イオン水で希釈し、得られる溶液を4.9%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧した。150℃のオーブン中における6分間の乾燥は、表1に挙げる粒子固体及びフッ素に関するppmOWF合計を与えた。ほこり試験(ASTM D6540)の結果もその中に示す。
【0051】
基質処理実施例5:調製実施例1からの安定な水性分散系の8.8グラムを4.8グラムのCapstone(登録商標) RCP(DuPontからの市販のフッ素−樹脂水性エマルション)と配合し、次いで室温において86.4グラムの脱イオン水で希釈した。得られる溶液を6.4%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧した。150℃のオーブン中における6分間の乾燥は、表1に挙げる粒子固体及びフッ素に関するppmOWF合計を与えた。ほこり試験(ASTM D6540)の結果もその中に示す。
【0052】
基質処理実施例6:調製実施例1からの安定な水性分散系の7.9グラムを4.3グラムの調製実施例3からの水性分散系と配合し、次いで室温において87.8グラムの脱イオン水で希釈した。得られる溶液を5.1%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧した。150℃のオーブン中における6分間の乾燥は、表1に挙げる粒子固体及びフッ素に関するppmOWF合計を与えた。ほこり試験(ASTM D6540)の結果もその中に示す。
【0053】
基質処理実施例7:調製実施例4からの安定な水性分散系の0.8グラムをINVISTA North America S.a.r.1からのS801耐汚染剤(stain resist)の8.2グラムと配合した。濃厚溶液を脱−イオン水で56.87倍に(by a factor of 56.87)希釈し、処理されるべきカーペット試験片に関して繊維重量の250%に等しい合計溶液重量を得た。希釈されたスルファミン酸を加えて、pHを1.5とした。ビンを逆さにして十分に混合し、次いで溶液を皿中に注いだ。液を吸収するように繊維を下に向けて、カーペットを液中に置いた。カーペットを1つの端から巻き、絞って液を分散させた。カーペットを皿中に戻して置き、絞り出された液を吸収させた。巻き及び絞り法を他の3つの辺から繰り返した。繊維を上方に向けて、カーペットをスチームテーブル(steam table)のコンベアベルト上に置き、スチームバルブを一部開放し(open part−way)、速度を10(10秒/1インチ)に設定し、ヒーターを100℃に設定した。カーペット試験片にオーブンを通過させた後、繊維を下に向けてそれを再びスチーム/オーブンを介して送った。スチーム処理された(steamed)カーペットを水中で濯ぎ、Hot Water Extraction装置の真空を用いて抽出し、終夜空気乾燥した。処理された試験片にダクトテープを裏張りし(backed with duct tape)、試験前に標識した。
【0054】
基質処理実施例8:調製実施例5からの安定な水性分散系の0.8グラムを、0.36グラムのCapstone(登録商標) RCP及びINVISTA North America S.a.r.1からのS801耐汚染剤の8.77グラムと配合した。濃厚溶液を脱−イオン水で54.8倍に希釈し、処理されるべきカーペット試験片に関して繊維重量の250%に等しい合計溶液重量を得た。希釈されたスルファミン酸を加えて、p
Hを1.5とした。ビンを逆さにして十分に混合し、次いで溶液を皿中に注いだ。液を吸収するように繊維を下に向けて、カーペットを液中に置いた。カーペットを1つの端から巻き、絞って液を分散させた。カーペットを皿中に戻して置き、絞り出された液を吸収させた。巻き及び絞り法を他の3つの辺から繰り返した。繊維を上方に向けて、カーペットをスチームテーブルのコンベアベルト上に置き、スチームバルブを一部開放し、速度を10(10秒/1インチ)に設定し、ヒーターを100℃に設定した。カーペット試験片にオーブンを通過させた後、繊維を下に向けてそれを再びスチーム/オーブンを介して送った。スチーム処理されたカーペットを水中で濯ぎ、Hot Water Extraction装置の真空を用いて抽出し、終夜空気乾燥した。処理された試験片にダクトテープを裏張りし、試験前に標識した。
【0055】
基質処理実施例9:調製実施例5からの安定な水性分散系の2.0グラムを8.0グラムのS801耐汚染剤と配合した。濃厚溶液を脱−イオン水で50倍に希釈し、処理されるべきカーペット試験片に関して繊維重量の250%に等しい合計溶液重量を得た。希釈されたスルファミン酸を加えて、pHを1.5とした。ビンを逆さにして十分に混合し、次いで溶液を皿中に注いだ。液を吸収するように繊維を下に向けて、カーペットを液中に置いた。カーペットを1つの端から巻き、絞って液を分散させた。カーペットを皿中に戻して置き、絞り出された液を吸収させた。巻き及び絞り法を他の3つの辺から繰り返した。繊維を上方に向けて、カーペットをスチームテーブルのコンベアベルト上に置き、スチームバルブを一部開放し、速度を10(10秒/1インチ)に設定し、ヒーターを100℃に設定した。カーペット試験片にオーブンを通過させた後、繊維を下に向けてそれを再びスチーム/オーブンを介して送った。スチーム処理されたカーペットを水中で濯ぎ、Hot Water Extraction装置の真空を用いて抽出し、終夜空気乾燥した。処理された試験片にダクトテープを裏張りし、試験前に標識した。
【0056】
比較実施例1:住宅用カーペット耐汚染処理に関する工業標準ベンチマークとして、13.3グラムのCapstone(登録商標) RCP溶液(DuPontからの市販のフルオロ−樹脂水性エマルション)を86.7グラムの水で希釈し、得られる溶液を9.2%WPUにおいて46オンスのカット−パイルカーペット上に噴霧し、150℃のオーブン中で6分間硬化させ、610ppmフッ素OWFを与えた。表1は、本発明の実施例の態様との比較のためのほこり試験(ASTM D6540)の結果を示す。
【0057】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を含んでなる組成物であって、ここでナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状(layered)ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:
(F(CFCHCHSi(O−)
であり、
式中、nは2、3又は4であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、mは(4−p)である
組成物。
【請求項2】
nが4である請求項1の組成物。
【請求項3】
pが3であり、且つmが1である請求項1の組成物。
【請求項4】
合成クレーがヘクトライトクレーである請求項1の組成物。
【請求項5】
フルオロアルキルシリルがナノ粒子表面に共有結合している請求項1の組成物。
【請求項6】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が組成物全体の約0.01重量%〜約50重量%の範囲内の濃度で存在する請求項1の組成物。
【請求項7】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が組成物全体の約1重量%〜約40重量%の範囲内の濃度で存在する請求項1の組成物。
【請求項8】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が組成物全体の約1重量%〜約8重量%の範囲内の濃度で存在する請求項1の組成物。
【請求項9】
フッ素化樹脂エマルションをさらに含んでなる請求項1〜9のいずれかの組成物。
【請求項10】
フッ素を有していないアルキル化無機ナノ粒子をさらに含んでなる請求項1〜9のいずれかの組成物。
【請求項11】
湿潤剤、抗汚染剤、防汚剤(anti−stain agent)、フルオロケミカル樹脂、界面活性剤及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーをさらに含んでなる請求項1〜9のいずれかの組成物。
【請求項12】
式:
[H(CH−Si−(O−)
を有するナノ粒子の表面に結合した成分(component moiety)をさらに含んでなり、
式中、Mは1〜12の整数であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、nは4−pである
請求項1〜8のいずれかの組成物。
【請求項13】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の製造方法であって:
(i)シリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、
天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーの水性分散系を調製し;
(ii)水非混和性フルオロアルキルシラン試薬を水性分散系に加えて不均一な混合物を形成し、ここでフルオロアルキルシラン試薬は:
(F(CFCHCHSi(O−R)
であり、
式中、nは2、3又は4であり、
式中、pは1、2又は3であり、
式中、mは(4−p)であり、且つ
式中、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及び−C(O)CHより成る群から選ばれ;そして
(iii)不均一な混合物が均一なフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系になるまでそれを混合する
ことを含んでなる方法。
【請求項14】
nが4であり、pが3であり、mが1であり、Rがメチル及びエチルより成る群から選ばれ、そして合成クレーがヘクトライトクレーである請求項13の方法。
【請求項15】
フルオロアルキルシラン分子がナノ粒子表面に共有結合してナノ粒子の表面上にフルオロアルキルシリル部分を形成する請求項13又は14の方法。
【請求項16】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が水性分散系の約0.01重量%〜約50重量%の範囲内の濃度で形成される請求項13又は14の方法。
【請求項17】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が水性分散系の約1重量%〜約40重量%の範囲内の濃度で形成される請求項13又は14の方法。
【請求項18】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が水性分散系の約1重量%〜約8重量%の範囲内の濃度で形成される請求項13又は14の方法。
【請求項19】
フッ素化樹脂エマルションを加えることをさらに含んでなる請求項13又は14の方法。
【請求項20】
フッ素を有していないアルキル化無機ナノ粒子を加えることをさらに含んでなる請求項13又は14の方法。
【請求項21】
湿潤剤、抗汚染剤、防汚剤(anti−stain agent)、フルオロケミカル樹脂、界面活性剤及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを加えることをさらに含んでなる請求項13又は14の方法。
【請求項22】
フルオロアルキルシランの添加の前にある成分を加えることをさらに含んでなり、ここで該成分は式:
[H(CH−Si−(X)
を有し、
式中、Mは1〜12の整数であり、
式中、pは1、2又は3であり、
式中、nは4−pであり、且つ
式中、Xはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、アセトキシ及びクロリド離脱基より成る群から選ばれる
請求項13又は14の方法。
【請求項23】
該混合が静置ミキサー(static mixer)を介してフルオロアルキルシラン及びナノ粒子を再循環させることをさらに含んでなる請求項22の方法。
【請求項24】
基質の少なくとも1つの表面上にフルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなり、ここでナノ粒子はチタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここでフルオロアルキルシリルは:
(F(CFCHCHSi(O−)
であり、
式中、nは2、3又は4であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、mは(4−p)である
改質された基質。
【請求項25】
基質が合成繊維、天然繊維、石、セラミック、ガラス、プラスチック及び複合材料より成る群から選ばれる請求項24の改質された基質。
【請求項26】
nが4である請求項24の改質された基質。
【請求項27】
pが3であり、且つmが1である請求項24の改質された基質。
【請求項28】
合成クレーがヘクトライトクレーである請求項27の改質された基質。
【請求項29】
フルオロアルキルシリルがナノ粒子表面に共有結合している請求項27の改質された基質。
【請求項30】
基質が約100〜約100,000ナノメートルの範囲内の平均直径を有する孔を含んでなる請求項24又は25の改質された基質。
【請求項31】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が基質上に少なくとも1つの層状構造を形成し、ここで層状構造は約10,000ナノメートルかもしくはそれより小さい厚さならびに約100,000ナノメートルかもしくはそれより大きい幅及び長さを有する請求項24又は25の改質された基質。
【請求項32】
基質が式:
[H(CH−Si−(O−)
を有するナノ粒子の表面に結合した成分をさらに含んでなり、
式中、Mは1〜12の整数であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、nは4−pであり;
且つさらにここで該ナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含んでなる請求項24の改質された基質。
【請求項33】
請求項24又は32の基質から作られる製品。
【請求項34】
製品が布帛、カーペット又は紙である請求項33の製品。
【請求項35】
製品が布帛又はカーペットであり、且つさらにここで該ナノ粒子がシリカ、チタニア、
ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含んでなる請求項34の製品。
【請求項36】
外表面上のフッ素の合計濃度が約10ppm〜約500ppm w/wの範囲内である請求項35の製品。
【請求項37】
外表面上のフッ素の合計濃度が約50ppm〜約300ppm w/wの範囲内である請求項35の製品。
【請求項38】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が製品の約0.01重量%〜約2.0重量%で存在する請求項35の製品。
【請求項39】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が製品の約0.1重量%〜約1.0重量%で存在する請求項35の製品。
【請求項40】
元素フッ素が製品の約0.0001重量%〜約0.10重量%で存在する請求項35の製品。
【請求項41】
元素フッ素が製品の約0.0001重量%〜約0.010重量%で存在する請求項35の製品。
【請求項42】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が製品の表面積の平方メートル当たり約0.01〜約3グラムで存在する請求項35の製品。
【請求項43】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子が製品の表面積の平方メートル当たり約0.1〜約2グラムで存在する請求項35の製品。
【請求項44】
疎水性且つ汚染耐性である改質された基質の製造方法であって:
(i)フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子の水性分散系を適用し、ここで該ナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含み、且つここで該フルオロアルキルシリルは:
(F(CFCHCHSi(O−)
であり、
式中、nは2、3又は4であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、mは(4−p)であり;そして
(ii)基質を乾燥する
ことを含んでなる方法。
【請求項45】
nが4であり、pが3であり、mが1であり、且つ合成クレーがヘクトライトクレーである請求項45の方法。
【請求項46】
フルオロアルキルシリル部分がナノ粒子表面に共有結合している請求項44又は45の方法。
【請求項47】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を水性分散系の約0.01重量%〜約50重量%の範囲内の濃度で形成する請求項44又は45の方法。
【請求項48】
フルオロアルキルシラン表面改質ナノ粒子を水性分散系の約1重量%〜約40重量%の範囲内の濃度で形成する請求項44又は45の方法。
【請求項49】
フルオロアルキルシラン表面改質ナノ粒子を水性分散系の約1重量%〜約8重量%の範囲内の濃度で形成する請求項44又は45の方法。
【請求項50】
該水性分散系がフッ素化樹脂エマルションをさらに含んでなる請求項44又は45の方法。
【請求項51】
該水性分散系がフッ素を有していないアルキル化無機ナノ粒子をさらに含んでなる請求項44又は45の方法。
【請求項52】
該水性分散系が湿潤剤、抗汚染剤、防汚剤(anti−stain agent)、フルオロケミカル樹脂、界面活性剤及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーをさらに含んでなる請求項44又は45の方法。
【請求項53】
該水性分散系が式:
[H(CH−Si−(O−)
を有するナノ粒子の表面に結合した成分をさらに含んでなり、
式中、Mは1〜12の整数であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、nは4−pである
請求項44又は45の方法。
【請求項54】
該基質が合成繊維、天然繊維、石、セラミック、ガラス、プラスチック及び複合材料より成る群から選ばれる請求項44又は45の方法。
【請求項55】
(1)次式:
(F(CFCHCHSi(O−)
を有し、
式中、nは2、3又は4であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、mは(4−p)である
フルオロアルキルシリルならびに
(2)式:
[H(CH−Si−(O−)
を有し、
式中、Mは1〜12の整数であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、nは4−pである
成分を含んでなる表面改質ナノ粒子を含んでなり;ここでナノ粒子はシリカ、チタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含んでなる組成物。
【請求項56】
フルオロアルキルシリル表面改質ナノ粒子を含んでなり、ここでナノ粒子はチタニア、ジルコニア、層状ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、天然クレー、合成クレー及びそれらの混合物より成る群から選ばれる少なくとも1つのメンバーを含んでなり、且つここでフルオロアルキルシリルは:
(F(CFCHCHSi(O−)
であり、
式中、nは2、3又は4であり、
式中、pは1、2又は3であり、且つ
式中、mは(4−p)である
組成物。

【公表番号】特表2012−516913(P2012−516913A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548386(P2011−548386)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/022811
【国際公開番号】WO2010/088643
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】