説明

表面改質された工作物を形成する方法

【課題】 安価な方法で付着改良され、かつ/または腐食保護された、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる工作物、特に減少された粗粒形成により、等しいか改良された耐腐食性と付着仲介において、これまで形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金工作物に比較してその構造が優れている工作物をもたらす方法を提供する。
【解決手段】 改質すべき工作物を準備し、この工作物を、表面改質された工作物を得るために、少なくとも1つの改質する手段によって処理することを含む、金属および/または1つあるいは複数の合金からなる表面改質された工作物を形成する方法であって、準備された、表面改質すべき工作物が、40から700℃、特に80から550℃の温度を有し、少なくとも1つの改質する手段が少なくとも−200℃、特に少なくとも0℃と最高100℃、特に最高80℃の温度を有している。前述の方法を実施するために、少なくとも2つの工作物を物質結合で結合する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属および/または1つまたは複数の合金からなる表面改質された工作物を形成する方法、この方法によって形成された工作物および少なくとも2つのこの種の工作物を結合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムまたはアルミニウム合金を有機コーティングシステムによって直接コーティングすることは、アルミニウム上での有機コーティングシステムの付着能力が小さいことにより、不可能である。従って初期材料と有機コーティングシステムとの間の付着仲介を改良するために、アルミニウムまたはアルミニウム合金をいわゆるベーマイト処理することが知られており、その場合に熱湯または熱い蒸気が、場合によってはアンモニアまたはアミンと共に、工作物と化合されるので、酸化アルミニウム層ないしベーマイト層が形成され、ないしは強化される。その後これが、有機コーティングの塗布を可能にする。従来技術(たとえば、特許文献1を参照)は、ベーマイト方法を記述しており、その枠内で、アルミニウム部品を表面的に改質するために、消イオン化された水が約100℃の温度で、あるいは蒸気が150℃の温度で使用される。従来技術(たとえば、特許文献2を参照)からは、65から100℃の温度の水による、ないしは100から180℃の温度を有する蒸気で、アルミニウム部品をベーマイト処理することが知られており、その場合にアミンとアンモニアの添加が酸化アルミニウム層のさらなる強化をもたらす。
【0003】
この公報からは、アルミニウムまたはその合金をクロム酸塩またはリン酸塩の水溶液を使用しながら化学的に表面処理し、それによって一方で付着性を高め、他方では腐食発生を減少させることも知られている。この、いわゆる転換処理は、シュトルツェンフェルス(Stolzenfels)(非特許文献1を参照)からも知られており、それは20から50℃の温度におけるアルミニウム工作物のクロム酸塩化を記述している。リーゼ−マイヤー他(Riese−Meyer et al.)(非特許文献2を参照)は、層を形成するリン酸塩化およびクロム酸塩化による化学的転換処理を記述しており、それによれば、アルミニウム工作物のラッカー付着と腐食保護を改良することができる。この公報によっても、20から30℃ないし30から40℃の温度においてクロム酸塩化が実施される。
【0004】
しかし、上述した方法は、特に、エネルギ的な考えに基づいて、好ましくないことが明らかにされている。従来技術に従って改質すべき工作物は、通常、室温を有し、すなわち先行する半田プロセスまたは接合プロセスに対して冷却された状態で使用されるので、この種の工作物の表面改質において処理と時間の需要が高まる。さらに、従来技術において改質すべき、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる成形体は、製造後に実施される低速の冷却プロセスに基づいて、いわゆる粗粒形成する傾向がある。
【特許文献1】欧州特許公開公報EP1142663A1
【特許文献2】米国特許公報US3945899
【非特許文献1】Industrie−Lackierbetrieb、Nr.3、p.93−98、Curt R.、Vincents Verlag
【非特許文献2】Aluminium 1991、Nr.12、p.1215−1221
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の技術的問題は、上述した欠点を克服する方法を提供し、特に安価な方法で付着改良され、かつ/または腐食保護された、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる工作物、特に減少された粗粒形成により、等しいか改良された耐腐食性と付着仲介において、これまで形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金工作物に比較してその構造が優れている工作物をもたらす方法を、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その基礎となる技術的問題を、40から700℃、好ましくは80から550℃、特に300から550℃の温度を有する、改質すべき工作物を準備し、次にこの工作物を上述した温度において、表面改質された工作物を得るために少なくとも1つの改質する手段によって処理し、その場合に少なくとも1つの改質する手段が、−200℃から100℃、好ましくは最高で80℃、そして特に少なくとも0℃、好ましくは20から65℃の温度を有している、アルミニウムあるいは1つまたは複数のアルミニウム合金から表面改質された工作物を形成するための方法を提供することによって、解決する。従って本発明は、その基礎となる問題を、特に、比較的高い温度を有する、表面を改質すべき工作物が準備されて、より低い温度を有する少なくとも1つの改質する手段と接触されて、その場合に表面改質された工作物が形成されることによって、解決する。
【発明の実施形態】
【0007】
本発明に関連して、工作物とは、たとえば成形体、従って定められた形状のボディとして、あるいはまた細粒または粉末として存在することのできる、任意に形成された対象である。好ましい実施形態において、工作物は、熱交換機またはその主要な構成部品として存在する。
【0008】
本発明の好ましい実施形態においては、改質すべき工作物はアルミニウム、マグネシウム、銅あるいは1つまたは複数のアルミニウム合金および/またはマグネシウム合金および/または銅合金から構成され、すなわちアルミニウムあるいは1つまたは複数の合金からなり、あるいはアルミニウムあるいは1つまたは複数のアルミニウム合金を、大体においてたとえば、工作物の重量に関して少なくとも50、60、70、80、90、95と特に99重量%の割合で、含んでいる。
【0009】
本発明の第1の形態において、その表面を改質すべき工作物は、加熱された型内で準備され、その場合に改質すべき工作物は40から700℃、特に100から550℃、好ましくは150から550℃そして特に好ましくは300から550℃の温度を有している。これは、好ましい実施形態においては、工作物の形成プロセスに直接連続して、たとえば半田ゾーンからの流出後、熱的接合プロセス後あるいは室窯内での加熱後に、この工作物の存在する熱容量を利用して、本発明に基づいて熱い型内の工作物が利用されることによって、達成される。従って、上述した温度の1つ、たとえば80から550℃まで、特に300から550℃までの温度を有する工作物が、まだ存在するその高い温度を利用して処理され、すなわち少なくとも1つの表面改質する手段と、工作物の指向される表面改質が達成されるように、接触される。
【0010】
その場合に本発明に従って指向される表面改質は、化学的な転換、すなわち転換層の形成および/またはベーマイト層または酸化アルミニウム層の強化である。本発明に従って指向される表面改質は、好ましい実施形態においては、アルミニウム酸化物層ないしベーマイト層内へ腐食を阻止する物質を組み込むこと、および/または場合によっては存在する融剤層の化学的−物理的改質による転換層の発生にある。
【0011】
すなわち、先行するCAB−半田方法に基づいてすでにCAB−融剤層を有する工作物を本発明に基づく方法によって、存在するCAB−融剤層が化学的−物理的に改質されるように、処理することができる。本発明に基づく方法は、存在する融剤層に、たとえば主属I、II、IIIまたはVあるいは副族、特にIVからVIの金属をドーピングし、および/または酸素割合を高めることにおいて、もたらすことができる。本発明に基づく処理は、特に、改良された腐食耐性をもたらす。
【0012】
本発明に基づいて、低い温度、特に−200℃から100℃、好ましくは0から80℃、特に好ましくは20から65℃の温度を有する、改質する手段を使用することは、80から700℃、特に300から550℃の高い温度を有する工作物を処理する場合に、工作物の急激な冷却と、それに伴って効果的な方法で、租粒形成の抑圧ないし減少をもたらす。従って、得られる工作物は、場合によっては、その構造において、従来の方法で形成された工作物から効果的に区別される。
【0013】
融剤(CAB)−コーティングされた工作物を、本発明に従って効果的に処理することは、場合によっては、アルミニウム部品の効果的な鱗状の、閉成され、角のない外観をもたらし、それが処理されていない融剤コーティングされたアルミニウム部品の多孔で、角のある小プレート状の外観から区別される。
【0014】
本発明の他の形態においては、この技術的問題は、改質すべき工作物を準備し、表面改質された工作物を得るために、この工作物を少なくとも1つの改質する手段によって処理し、その場合に少なくとも1つの改質する手段が、80から550℃、好ましくは100から200℃、好ましくは150から200℃の温度を有している、金属および/または1つあるいは複数の合金からなる表面改質された工作物を形成する方法の提供によって解決される。
【0015】
本発明のこの形態において、改質すべき工作物は、15から80℃、特に40から65℃、しかしまた20から60℃、特に20から40℃、好ましくは20から30℃、あるいは80から700℃、好ましくは100から700℃、好ましくは150から700℃、特に300から550℃の温度を有している。本発明のこの形態も、工作物の好ましい表面改質、特に金属酸化物層あるいはベーマイト層の発生、存在する金属酸化物層またはベーマイト層の強化、金属酸化物層またはベーマイト層への腐食を阻止する物質の組込みおよび/または特に融剤層の、化学的−物理的改質による転換層の発生を可能にする。
【0016】
工作物の表面改質後に、通常、工作物をさらに処理し、特に洗浄して乾燥させることができる。もちろん、たとえば有機的なコーティングシステムによる、他のコーティングを行うこともできる。従って本方法は、工作物、たとえば熱交換機の、製造プロセスの一部である。本発明に基づいて設けられる形成方法は、この形成方法の枠内で、工作物のための製造コストの削減、特に工作物の存在する熱容量の利用による、エネルギとリソースの節約および表面処理のための腐食性の化学薬品の使用の減少ないし使用の回避をもたらす。
【0017】
改質する手段として、場合によっては、すべての既知の化学的元素、化合物、混合物またはその他の組成が考えられる。優先して使用される改質する手段は、1つまたは複数の化合物、特にPSE(元素の周期システム)の副族の、特にPSEの副族のIVからVIの1つまたは複数の元素、たとえばチタン、ハフニウム、バナジウム、タンタル、モリブデン、タングステンおよび特にジルコニウム、の1つまたは複数の金属塩である。
【0018】
本発明の他の実施形態においては、改質する手段は、1つまたは複数の化合物、特に、元素の周期システムの主属I、II、IIIおよび/またはIVの1つまたは複数の元素の1つまたは複数の金属塩、特にベリリウム、バリウムの、特にマグネシウムまたはカルシウムまたはナトリウムまたはカリウムの金属塩とすることができる。
【0019】
本発明の他の実施形態においては、改質する手段は、元素の周期システムの主属V、VI、VIIおよび/またはVIIIの1つまたは複数の元素の1つまたは複数の化合物とすることができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態においては、上述した金属は、塩化物、炭酸塩、特に炭酸水素、硝酸塩、硫酸塩、過酸化物およびリン酸塩からなるグループから選択された、陰イオンを有する塩の形態で存在することができる。特に、主属IとIIの元素、たとえばカリウム、ナトリウムおよびカルシウム、の金属酸は、苛性アルカリ溶液、従ってKOH、NaOHまたはCa(OH)として、あるいはホウ酸塩、アルミン酸塩、ケイ酸塩またはハロゲン化物、特にフッ化物として存在することができる。
【0021】
本発明の他の好ましい実施形態においては、少なくとも1つの改質する手段は、1から3に等しいxとy=4から6を有する一般式KxAlFyのCAB(”controlled atomosphere brazing”)融剤、たとえば6フッ化アルミニウムカリウムおよび/またはCsxAlFyである。
【0022】
他の好ましい実施形態においては、改質する手段として、たとえば、フッ化アンモニウムまたは炭酸アンモニウムのような、アンモニウム酸、フッ化カリウム、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウム、アルミン酸ナトリウムまたはアルミン酸カリウム、架橋結合可能な、特に金属有機的な、たとえばジルコン有機的またはチタン有機的あるいはケイ素有機的な化合物あるいはまた過酸化水素が使用される。
【0023】
特に好ましい実施形態においては、工作物を処理するために、CAB−融剤、アンモニウム酸および/またはフッ化カリウムが、アルカリ相において、特に水性の、好ましくはアルカリ性の溶剤またはアルカリ蒸気あるいはエアロゾルの形式で使用される。
【0024】
副族、特に副族IVからVIの、ないしは主属I、II、IIIまたはIVのいずれかの元素の金属化合物は、有機および/または無機の相において、好ましくは水性の相、特に液状またはガス状の相において、好ましくはエアロゾル形式で、あるいは蒸気として存在することができる。溶融に使用される水は、好ましくは完全に脱塩された水である。
【0025】
他の好ましい実施形態においては、工作物を処理するための、改質する手段として、水、好ましくは完全脱塩されて蒸留された水が使用される。もちろん、本発明に従って、表面改質する手段として、アンモニア、アミン、特に一次アミン、二次アミンあるいは三次アミン、たとえばモノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア、アミンの有機酸または塩、ハロゲン置換された有機化合物および/または有機酸の水溶液を使用することも可能である。もちろん、上述した改質する手段の混合物も使用することができる。
【0026】
好ましくは、完全に脱塩された水内の0.1−1%KOHおよび/または0.1−1%NHOHおよび/または0.1−1%KxAlFy(x=1から3、y=4から6)および/または0.1−1%Ca(NOおよび/またはPSEの副族IVからVIの元素の0.1−1%塩の溶液が使用される。
【0027】
本発明の特に好ましい実施形態においては、本発明に基づく方法のための初期材料として、CAB−半田方法からもたらされたCAB融剤コーティングされた工作物が使用され、その工作物が、使用される改質する手段の1つまたは複数によって、記載の条件の下で処理される。その場合に特に、表面を水または水溶液で処理する場合に、増大された酸素割合を有する、改質された表面を得ることができ、その場合にこの表面を、それぞれ使用される、改質する手段の種類に応じて、たとえば主属I、II、IIIまたはIVの、あるいは副族、特に副族IVからVIの金属の1つまたは複数、あるいはその他の使用される、改質する手段によって、ドーピングすることもできる。
【0028】
本発明の他の好ましい実施形態においては、金属塩、CAB−融剤、アンモニウム塩および/またはフッ化カリウムあるいは改質する手段の他の成分がマトリクス内、たとえば有機および/または無機の溶剤あるいはその混合物からなるマトリクス内で、工作物の表面を処理するために使用される。その場合にマトリクスは、金属有機化合物、特にケイ素有機化合物を有している。特にマトリクスは、有機および/または無機のポリマー、あるいはまた上述した物質の混合物を有している。
【0029】
特に好ましい実施形態においては、金属塩、CAB−融剤、フッ化アンモニウムおよび/またはフッ化カリウムあるいは改質する手段の他の成分が、処理する際に、10ppmから100000ppm、好ましくは50ppmから10000ppmの濃度で使用される。
【0030】
少なくとも1つの改質する手段は、改質すべき工作物と好ましくは、工作物が少なくとも1つの手段内へ浸漬されて含浸されることにより、あるいは工作物が少なくとも1つの改質する手段によって洗浄され、あるいは注水され、その場合に含浸されることにより、あるいは少なくとも1つの改質する手段が工作物上へ、特にいわゆるエアレス噴霧または超音波噴霧を用いて、スプレイされることにより、接触され、あるいは他の形式で接触される。
【0031】
特別な実施形態においては、改質する手段は、外気圧に比較して高くされた圧力の下で工作物上に作用するようにされる。スプレイする際に、圧縮空気の他に、他のガス、たとえば酸素、窒素、フッ素、オゾンまたは蒸気を使用することができる。
【0032】
金属塩として、たとえばCa(NOまたはZr(NOの水溶液が、特に0.1%と5%の間の濃度で使用され、その場合にそのpH−値は、好ましくは5.5と7.5〜8の間である。その場合に適用温度は、こま40℃と60℃の間にある。場合によっては0.005%から5%のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸塩を付加すると、効果的である。
【0033】
特に、この種の溶液によって、半田づけされた、好ましくはCAB−半田付けされた熱伝達体が処理される。
【0034】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの改質する手段は、殺菌剤(Biozid)を有している。たとえば、暖房および/または空調設備内の熱伝達体においては、それによってもたらされる細菌阻止が望まれる。
【0035】
他の好ましい実施形態によれば、改質する手段によって、手段が酸化阻止材を有しており、あるいは本発明に基づく方法により表面上に有していることにより、酸化阻止する作用が得られる。酸化阻止材は、たとえば金属酸化物層またはベーマイト層によって与えられる。
【0036】
本発明は、もちろん、上述した方法によって形成された、表面改質された工作物、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、表面改質された熱交換機にも関する。
【0037】
本発明の好ましい展開においては、表面改質された工作物は、他のステップにおいて1つまたは複数の有機または無機のコーティングシステムを設けられ、そのコーティングシステムは特に好ましくは、微生物阻止する、かつ/または親水性あるいは嫌水性の特性を有している。この種のラッカー状の層の塗布は、乾燥ステップの介在なしでも、介在させても、可能である。
【0038】
本発明は、同様に、請求項24に記載の2つまたはより多くの工作物を結合するための方法によっても、解決される。この種の方法が内容とする、製造プロセスは、迅速に実施可能であるので、製造の手間とコストを削減することができる。これは特に、複数の工作物を物質結合で結合するための方法に該当するが、たとえば機械的接合のような、他の結合方法においても与えられており、場合によっては、本発明に基づく方法を適用するために工作物の(再)加熱の必要性がある。
【0039】
本発明は、同様に、少なくとも2つの工作物を物質結合で結合するための装置によって解決され、同装置においては工作物の温度調節のため、特に加熱のための温度調節室が、工作物の少なくとも1つに表面改質する手段を塗布するための装置を有している。好ましくは温度調節室は、同時に、たとえば半田付けまたは溶接のような、物質的な結合および工作物の表面改質のために用いられる。
【0040】
好ましくは、表面改質する手段を塗布するための装置は、スプレイノズルとして形成されており、そのスプレイノズルは本発明に基づく方法を実施するために、好ましくはそれ自体温度調節可能である。表面改質する手段の温度調節を、装置の供給管内においても、まったく同様に可能である。
【0041】
その他、本発明に基づく方法は、場合によっては、既知の方法で、たとえば真空半田炉または連続半田炉の種類に従って、構築される。
【0042】
本発明の他の好ましい形態は、従属請求項から得られる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質すべき工作物を準備し、この工作物を、表面改質された工作物を得るために、少なくとも1つの改質する手段によって処理することを含む、金属および/または1つあるいは複数の合金からなる表面改質された工作物を形成する方法であって、準備された、表面改質すべき工作物が、40から700℃、特に80から550℃の温度を有し、少なくとも1つの改質する手段が少なくとも−200℃、特に少なくとも0℃と最高100℃、特に最高80℃の温度を有している、表面改質された工作物を形成する方法。
【請求項2】
改質すべき工作物を準備し、この工作物を、表面改質された工作物を得るために少なくとも1つの改質する手段によって処理することを含む、金属および/または1つあるいは複数の合金からなる表面改質された工作物を形成する方法であって、少なくとも1つの改質する手段が、80から550℃、特に80から550℃の温度を有している、表面改質された工作物を形成する方法。
【請求項3】
準備された、改質すべき工作物が、15から80℃の温度を有している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
準備された、改質すべき工作物が、40から660℃、特に80から550℃の温度を有している、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
準備された、改質すべき工作物が、300から550℃の温度を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
金属または合金が、アルミニウム、マグネシウムおよび/または銅を有している、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
改質する手段が、塩、特にPSE(元素の周期システム)の副族、特に副族IVからVIの1つの元素の金属塩を有している、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
改質する手段が、PSEの主属I、II、IIIまたはIVの元素の金属塩を有している、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
改質する手段が、PSEの主属V、VI、VIIまたはVIIIの元素の化合物を有している、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
改質する手段が、CAB−融剤、特に6フッ化アルミニウムカリウムを有している、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
改質する手段が、アンモニウム塩、特にフッ化アンモニウム、フッ化カリウム、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウム、アルミン酸ナトリウムまたはアルミン酸カリウムおよび/または少なくとも1つの架橋結合可能な化合物、たとえば金属有機の、特にジルコン有機またはチタン有機の化合物および/または少なくとも1つのケイ酸有機化合物などを有している、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
金属塩が水性の相で存在し、その場合にそのpH値が特に1と14の間、特に3と10の間、特に4と8の間にある、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
CAB−融剤、アンモニウム塩またはフッ化カリウムが、アルカリのpH−値を有する相で存在している、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
改質する手段が、水、特に完全に脱塩されて蒸留された水、またはアンモニア、アミンを含む水溶液、ガスあるいは有機酸またはその塩あるいはそれらの混合物を有している、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工作物の処理は、少なくとも1つの改質する手段がエアロゾルおよび/または蒸気として工作物と接触され、特にこの工作物上へスプレイされることによって実施される、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工作物の処理は、工作物が少なくとも1つの、特に水溶液の形状で存在する、改質する手段内に漬けられ、あるいはこの手段を注水されることにより実施される、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
塩、特に金属塩、CAB−融剤、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウムおよび/またはアルミン酸ナトリウムまたはアルミン酸カリウムおよび/または少なくとも1つの架橋結合可能な化合物、たとえば金属有機の、特にジルコン有機、またはチタン有機の化合物および/または少なくとも1つのケイ酸有機の化合物などが、工作物を処理するために、マトリクス内で使用される、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
マトリクスが、有機溶剤、無機溶剤あるいはその混合物から構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
塩、特に金属塩、CAB−融剤、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウム、および/またはアルミン酸ナトリウムまたはアルミン酸カリウム、および/または金属有機の、特にジルコン有機またはチタン有機の、あるいはケイ酸有機の化合物が、工作物を処理するために、10ppmから100000ppm、特に50ppmから10000ppmの濃度で使用される、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
改質すべき工作物が、熱伝達体、特にCAB−半田付けされた熱伝達体である、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの改質する手段が、殺菌剤および/または腐食阻止材を、有しており、あるいは工作物の表面上に発生させる、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に従って形成された、表面改質された工作物。
【請求項23】
少なくとも1つの、特に後続のステップにおいて、有機または無機のコーティングシステムが設けられている、請求項22に記載の工作物。
【請求項24】
コーティングシステムが、殺菌剤を有し、および/または親水性あるいは嫌水性の特性を有している、請求項23に記載の工作物。
【請求項25】
a)工作物を準備し、b)工作物を互いに、特に物質結合で結合し、特に半田付けまたは溶接し、かつc)工作物の少なくとも1つのものの表面を改質するステップを有し、その場合に特にステップb)とc)が一緒に実施され、かつステップc)が請求項1から20のいずれか1項に従って実施される、特に請求項23または24に記載の少なくとも2つの工作物を、特に物質結合で結合する方法。
【請求項26】
温度調節室と、前記温度調節室内に、あるいはその温度調節室に配置されている、少なくとも1つの工作物上に表面改質する手段を塗布するための装置とを有する、特に請求項25に記載の方法を実施するために、少なくとも2つの工作物を物質結合で結合する装置。
【請求項27】
少なくとも1つの工作物上に表面改質する手段を塗布する装置が、少なくとも1つの特に温度調節可能なスプレイノズルとして形成されている、請求項26に記載の装置。


【公表番号】特表2006−522218(P2006−522218A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504710(P2006−504710)
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002751
【国際公開番号】WO2004/087993
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)
【Fターム(参考)】