説明

表面改質方法及び表面改質材料

【課題】本発明は、材料の表面にホスホリルコリン基を高密度で導入することが可能な表面改質方法及び該表面改質方法により表面が改質されている表面改質材料を提供することを目的とする。
【解決手段】表面改質方法は、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式


(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基であり、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される化合物と、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面改質方法及び表面改質材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホスホリルコリン基を有する高分子は、生体適合性高分子として知られており、このような高分子で各種樹脂材料を被覆した生体適合性材料が知られている。
【0003】
一方、ホスホリルコリン基を有する化合物を材料の表面と反応させることにより、材料の表面を改質する方法が知られている。
【0004】
特許文献1には、ホスホリルコリン基を有する化合物を眼用レンズ材料に反応させる後処理によって、ホスホリルコリン基を眼用レンズ材料の表面に共有結合させる方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、材料の表面にホスホリルコリン基をさらに高密度で導入することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−11380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、材料の表面にホスホリルコリン基を高密度で導入することが可能な表面改質方法及び該表面改質方法により表面が改質されている表面改質材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、表面改質方法において、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式
【0009】
【化1】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基であり、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される化合物と、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、表面改質方法において、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式
【0011】
【化2】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基であり、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される化合物を含む塗布液を塗布する工程と、該塗布液が塗布された材料に、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の表面改質方法において、前記親水化剤は、一般式
【0013】
【化3】

(式中、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又はヒドロキシ基であり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基、ヒドロキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される官能基を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面改質方法において、前記親水化剤は、一般式
【0015】
【化4】

(式中、R、R及びR10は、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、Xは、アミド結合、エステル結合、イミノ基、オキシ基、ウレア結合、ウレタン結合又は単結合であり、p及びqは、それぞれ独立に、1以上6以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、表面改質材料において、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面改質方法により、表面が改質されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、材料の表面にホスホリルコリン基を高密度で導入することが可能な表面改質方法及び該表面改質方法により表面が改質されている表面改質材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1及び比較例1のホスホリルコリン基の導入量の評価結果を示す図である。
【図2】実施例1及び比較例1のFITC標識BSAの吸着量の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0020】
本発明の表面改質方法の第一の実施形態は、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式(1)で表される化合物と、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有する。
【0021】
本実施形態においては、一般式(1)で表される化合物と、親水化剤を含む塗布液を材料に塗布すると、一般式(1)で表される化合物(材料及び/又は親水化剤)が加水分解され、シラノール基が生成する。さらに、シラノール基同士が脱水縮合することにより、材料の表面に多数のシラノール基が導入される。このようにして材料の表面に導入されたシラノール基と、親水化剤が有する(親水化剤に生成した)シラノール基が脱水縮合するため、材料の表面に親水化剤を高密度で導入することができる。
【0022】
具体的には、材料に塗布液を塗布した後に、水、酸又はアルカリを塗布したり、加熱したりする。また、水、酸又はアルカリを材料に塗布した後に、塗布液を塗布してもよい。さらに、塗布液に、水、酸又はアルカリを混合してもよい。この場合、塗布液中で加水分解が起こるため、塗布時に塗布液を適宜調製することが好ましい。なお、水、酸又はアルカリを用いる場合は、加熱してもよいが、通常、室温で十分反応が進行する。また、水、酸又はアルカリを用いなくても、大気中の水分により緩やかに反応が進行する。
【0023】
加水分解に用いられる酸又はアルカリとしては、加水分解させることが可能なものであれば、特に限定されず、二種以上混合して用いることができ、水溶液として用いてもよい。
【0024】
塗布液としては、有機溶媒中に、一般式(1)で表される化合物と、親水化剤を溶解又は分散させたものを用いることができる。有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、炭素数が1〜4の1〜4価の脂肪族アルコール等のアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジホルムアミド等が挙げられる。
【0025】
親水化剤に対する一般式(1)で表される化合物の質量比は、通常、0.01〜1であり、0.1〜0.5が好ましい。この質量比が0.01未満であると、材料の表面に親水化剤を高密度で導入することが困難になることがあり、1を超えると、材料の表面の未反応のシラノール基の残存量が増大することがある。
【0026】
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンキャスト法等が挙げられる。
【0027】
本発明の表面改質方法の第二の実施形態は、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式(1)で表される化合物を含む塗布液を塗布する工程と、塗布液が塗布された材料に、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有する。
【0028】
本実施形態においても、材料の表面に多数のシラノール基が導入されるため、親水化剤を高密度で材料の表面に導入することができる。
【0029】
具体的には、一般式(1)で表される化合物を含む塗布液及び親水化剤を含む塗布液を材料に塗布した後に、水、酸又はアルカリを塗布したり、加熱したりする。また、水、酸又はアルカリを材料に塗布した後に、一般式(1)で表される化合物を含む塗布液及び親水化剤を含む塗布液を塗布してもよい。さらに、一般式(1)で表される化合物を含む塗布液及び親水化剤を含む塗布液に、水、酸又はアルカリを混合してもよい。この場合、塗布液中で加水分解が起こるため、塗布時に塗布液を適宜調製することが好ましい。なお、水、酸又はアルカリを用いる場合は、加熱してもよいが、通常、室温で十分反応が進行する。また、水、酸又はアルカリを用いなくても、大気中の水分により緩やかに反応が進行する。
【0030】
加水分解に用いられる酸又はアルカリとしては、加水分解させることが可能なものであれば、特に限定されず、二種以上混合して用いることができ、水溶液として用いてもよい。
【0031】
塗布液としては、有機溶媒中に、一般式(1)で表される化合物又は親水化剤を溶解又は分散させたものを用いることができる。有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、炭素数が1〜4の1〜4価の脂肪族アルコール等のアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジホルムアミド等が挙げられる。
【0032】
親水化剤に対する一般式(1)で表される化合物の質量比は、通常、0.01〜1であり、0.1〜0.5が好ましい。この質量比が0.01未満であると、材料の表面に親水化剤を高密度で導入することが困難になることがあり、1を超えると、材料の表面の未反応のシラノール基の残存量が増大することがある。
【0033】
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンキャスト法等が挙げられる。
【0034】
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、R、R、R及びRがエトキシ基であるオルトケイ酸テトラエチルが挙げられる。
【0035】
親水化剤が有する加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基としては、特に限定されず、ヒドロシリル基、アルコキシシリル基、ハロシリル基、アシルオキシシリル基、アミノシリル基等が挙げられるが、親水化剤の反応性を考慮すると、炭素数が1〜6のアルコキシシリル基が好ましく、メトキシシリル基又はエトキシシリル基がさらに好ましい。
【0036】
親水化剤は、反応性を考慮すると、一般式(2)で表される官能基を有することが好ましい。
【0037】
一般式(2)で表される官能基を有する親水化剤は、一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。これにより、タンパク質やポリペプチドの吸着を効果的に抑制することができ、生体適合性に優れる材料が得られる。一般式(3)で表される化合物の具体例としては、化学式
【0038】
【化5】

で表される化合物が挙げられる。
【0039】
また、一般式(3)で表される化合物以外の一般式(2)で表される官能基を有する親水化剤としては、一般式
【0040】
【化6】

(式中、Xは、一般式(3)で表される化合物と同様であり、Rは、水素原子又は炭素数が1〜6のアルキル基であり、rは、1〜6の整数であり、sは、1〜100の整数である。)
で表される化合物を用いることができる。一般式(4)で表される化合物の具体例としては、化学式
【0041】
【化7】

で表されるN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン(Gelest社製)が挙げられる。
【0042】
また、一般式(3)で表される化合物以外の一般式(2)で表される官能基を有する親水化剤としては、一般式
【0043】
【化8】

(式中、Xは、一般式(3)で表される化合物と同様であり、rは、1〜6の整数である。)
で表される化合物を用いることができる。一般式(5)で表される化合物の具体例としては、化学式
【0044】
【化9】

で表されるN−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド(Gelest社製)が挙げられる。
【0045】
また、一般式(3)で表される化合物以外の一般式(2)で表される官能基を有する親水化剤としては、一般式
【0046】
【化10】

(式中、Xは、一般式(3)で表される化合物と同様であり、r及びtは、それぞれ独立に、1〜6の整数であり、Xが単結合の場合は、rとtの和が2〜12の整数である。)
で表される化合物を用いることができる。一般式(6)で表される化合物の具体例としては、化学式
【0047】
【化11】

で表される化合物が挙げられる。
【0048】
なお、親水化剤を二種以上併用してもよい。
【0049】
表面が改質される材料としては、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有していれば、特に限定されないが、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス;石英、シリカ等が挙げられる。
【0050】
表面が改質される材料の形状としては、特に限定されないが、シート状、粒子状、管状等が挙げられる。
【0051】
また、表面が改質される材料として、予め表面処理することにより、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基が表面に導入されている材料を用いてもよい。
【0052】
表面処理方法としては、特に限定されないが、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基を有するポリマーと、アルコキシシランを含有する塗布液を材料に塗布する方法(特開2009−101318号公報参照)、シリコーンポリマーの皮膜を形成する方法(特公平1−54379号公報、特公平1−54380号公報、特公平1−54381号公報参照)等が挙げられる。
【0053】
シリコーンポリマーの皮膜を形成する際には、例えば、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと材料をデシケーター中に入れ、アスピレーターで脱気した後、80℃で16時間反応させる。
【0054】
シリコーンポリマーの皮膜を形成することが可能な材料としては、特に限定されないが、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、マイカ、タルク、カオリン、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等が挙げられる。
【0055】
これら以外の表面処理方法としては、シラノール基を有するシリコーン樹脂を含む膜を形成する方法が挙げられる。
【0056】
シラノール基を有するシリコーン樹脂を含む膜は、水の接触角が3〜8°であることが好ましい。これにより、材料の表面に親水化剤をさらに高密度で導入することができる。
【0057】
シラノール基を有するシリコーン樹脂を含む膜は、シリコーン樹脂を含む塗布液を塗布することにより、形成することができる。
【0058】
塗布液に含まれるシリコーン樹脂としては、特に限定されないが、一般式
(RO)Si(R4−n
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜8のアルキル基であり、nは、1〜4の整数であり、nが1又は2である場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよく、nが2又は3である場合、複数のRは、同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるアルコキシシランを加水分解した後、縮合することにより得られる樹脂が挙げられ、二種以上併用してもよい。このとき、水の接触角が3〜8°である膜に含まれるシラノール基を有するシリコーン樹脂は、塗布液に含まれるシリコーン樹脂と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
塗布液に含まれる有機溶媒としては、特に限定されないが、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、炭素数が1〜4の1〜4価の脂肪族アルコール等のアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジホルムアミド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
【0060】
塗布液を塗布する方法としては、特に限定されないが、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンキャスト法等が挙げられる。
【0061】
シラノール基を有するシリコーン樹脂を含む膜を形成することが可能な材料としては、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アクリル樹脂等の有機材料;金、チタン、アルミ、鉄、銅、ステンレス、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機材料等が挙げられる。
【0062】
本発明の表面改質方法により、表面が改質されている表面改質材料は、化粧料、人工臓器、手術用器具等の医用材料、クロマトグラフィー用充填剤、アフィニティー粒子、塗料等の用途に応用することができる。
【実施例】
【0063】
[実施例1]
化学式(3−1)で表される化合物0.6g、オルトケイ酸テトラエチル0.4mL、1M塩酸1mL及びメタノール10mLを混合させた液を、カバーガラスに塗布した後、室温で1時間乾燥させた。次に、水洗した後、乾燥し、表面改質ガラスを得た。
【0064】
[比較例1]
化学式(3−1)で表される化合物0.6g、1M塩酸1mL及びメタノール10mLを混合させた液を、カバーガラスに塗布した後、室温で1時間乾燥させた。次に、水洗した後、乾燥し、表面改質ガラスを得た。
【0065】
[ホスホリルコリン基の導入量]
実施例1及び比較例1の表面改質ガラスのホスホリルコリン基の導入量を、モリブデンブルー法を用いて、リンを定量することにより算出した。具体的には、まず、実施例1及び比較例1の表面改質材料を180℃に加熱した60質量%過塩素酸に1時間浸漬させた後、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液及びL(+)−アスコルビン酸を添加し、100℃で5分間発色させた。次に、発色させた液の710nmにおける吸光度を測定し、ホスホリルコリン基の導入量を算出した。評価結果を図1に示す。図1から、実施例1の表面改質材料は、比較例1の表面改質材料と比較して、ホスホリルコリン基が高密度で導入されていることがわかる。
【0066】
[FITC標識BSAの吸着量]
実施例1及び比較例1の表面改質ガラス並びに未処理のカバーガラスを、FITC標識ウシ血清アルブミン(BSA)の1mg/mLリン酸バッファー溶液1mLに浸漬させ、室温で2時間放置した。次に、リン酸バッファーで5回洗浄した後、表面改質ガラス及びカバーガラスの蛍光強度を測定し、FITC標識BSAの吸着量を算出した。評価結果を図2に示す。なお、図2のFITC標識BSAの吸着量は、未処理のカバーガラスのFITC標識BSAの吸着量に対する表面改質ガラスのFITC標識BSAの吸着量の比である。図2から、実施例1の表面改質材料は、比較例1の表面改質材料と比較して、FITC標識BSAの吸着を抑制し、生体適合性に優れていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式
【化1】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基であり、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される化合物と、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有することを特徴とする表面改質方法。
【請求項2】
加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を表面に有する材料に、一般式
【化2】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基であり、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される化合物を含む塗布液を塗布する工程と、
該塗布液が塗布された材料に、加水分解によりシラノール基を生成することが可能な官能基又はシラノール基を有する親水化剤を含む塗布液を塗布する工程を有することを特徴とする表面改質方法。
【請求項3】
前記親水化剤は、一般式
【化3】

(式中、Rは、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基又はヒドロキシ基であり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキコキシ基、ヒドロキシ基又は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。)
で表される官能基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面改質方法。
【請求項4】
前記親水化剤は、一般式
【化4】

(式中、R、R及びR10は、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、Xは、アミド結合、エステル結合、イミノ基、オキシ基、ウレア結合、ウレタン結合又は単結合であり、p及びqは、それぞれ独立に、1以上6以下の整数である。)
で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の表面改質方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面改質方法により、表面が改質されていることを特徴とする表面改質材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−236345(P2011−236345A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109589(P2010−109589)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【特許番号】特許第4750211号(P4750211)
【特許公報発行日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】