説明

表面検査装置

【課題】検査ヘッドの回転軸線と被検査物である円筒体の中心線とを厳密に一致させなくても、周期的な濃淡のない二次元画像を得ることができる表面検査装置を提供する。
【解決手段】表面検査装置1は、被検査物たる円筒体100の内部に挿入されて、軸線AX回りに回転しかつ軸線AX方向に移動しながら、LD11から射出された検査光を内周面100aに投光しつつその反射光を受光する検査ヘッド16と、検査ヘッド16が受光した反射光の強度に応じた信号を出力するPD12と、を有し、PD12が出力した信号に基づいて内周面100aに対応した二次元画像を生成する。PD12が出力した信号から、軸線AXと円筒体100の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応する周波数成分を抽出し、その周波数成分と所定の基準値との差分に応じて検査光の強度が変化するようにLD11を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物たる円筒体の内周面に存在する異物、傷等の欠陥を検査する表面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば内燃機関のシリンダライナやシリンダボア等の円筒体の内周面を検査する表面検査装置として、その内周面に検査光を投光し、かつ内周面からの反射光を受け入れるように構成した棒状の検査ヘッドを円筒体の内部に挿入し、その上で検査ヘッドを長手方向に延びる軸線回りに回転させつつ円筒体に対して相対的に軸線方向に進退させることにより、内周面を検査できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。このような検査装置は、反射光の強度に基づいて内周面に対応した二次元画像を生成し、その二次元画像内の暗部の有無に基づいて内周面の欠陥の有無を判定する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−281582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような表面検査装置を用いて円筒体の内周面を検査する場合、検査ヘッドの回転軸線と円筒体の中心線とを一致させる必要がある。これらが一致していれば検査ヘッドの回転位置に拘わらず検査ヘッドと円筒体の内周面とが常に正対するので、検査光の強度が一定でかつ内周面の性状が均一であれば同一強度の反射光を受光することができる。しかし、検査ヘッドの回転軸線と円筒体の中心線とが不一致であると、検査ヘッドの回転位置に応じて検査光の入射角が変化するため、内周面の性状が均一であっても反射光の強度が変化する。
【0005】
この場合、検査ヘッドが一回転する度に検査ヘッドと内周面とが正対する機会が2回あり、正対しない間は入射角が徐々に変化するので反射光の強度が揺らぐ。そのため、反射光の強度に応じた濃度を持つ二次元画像を生成すると、その二次元画像は検査ヘッドと内周面とが正対した位置で最も明るく、それ以外で相対的に暗い周期的な濃淡(明暗)を持つ画像になる。二次元画像のうち、欠陥に対応した暗部がたまたま相対的に明るい部分に存在すれば欠陥の判定を誤ることはないが、相対的に暗い部分にその暗部が存在した場合には、暗部と周囲とのコントラストが弱いので欠陥の判定を誤る可能性が高くなる。
【0006】
そこで、本発明は、検査ヘッドの回転軸線と被検査物である円筒体の中心線とを厳密に一致させなくても、周期的な濃淡のない二次元画像を得ることができる表面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表面検査装置(1)は、検査光を射出する光源(11)と、被検査物たる円筒体(100)の内部に挿入されて、前記円筒体に対して軸線回りに回転しかつ前記軸線方向に移動しながら、前記光源から射出された検査光を前記円筒体の内周面に投光しつつその反射光を受光する検査ヘッド(16)と、前記検査ヘッドが受光した反射光の強度に応じた信号を出力する光電変換手段(12)と、を有し、前記光電変換手段が出力した信号に基づいて前記内周面に対応した二次元画像を生成する表面検査装置において、前記光電変換手段が出力した信号から、前記軸線と前記円筒体の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応する周波数成分を抽出する信号処理手段(612)と、所定の基準値と前記信号処理手段が抽出した周波数成分との差分に応じて前記光源から射出される検査光の強度が変化するように前記光源を制御する光源制御手段(615)と、を更に備えることにより上述した課題を解決する。
【0008】
この検査装置によれば、検査ヘッドの回転軸線と円筒体の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応した周波数成分が信号処理手段にて抽出される。そして、信号処理手段が抽出した周波数成分と所定の基準値との差分に応じて検査光の強度が光源制御手段にて制御されるので、反射光の強度の揺らぎを除去することができる。これにより、検査ヘッドの回転軸線と被検査物である円筒体の中心線とを厳密に一致させなくても、周期的な濃淡のない二次元画像を得ることができる。
【0009】
本発明の検査装置の一態様においては、前記光源制御手段は、前記基準値と前記周波数成分との差分が大きい場合は小さい場合に比べて前記光源から射出される検査光の強度が高くなるように前記光源を制御してもよい。これにより、反射光の強度の揺らぎを確実に除去することができる。
【0010】
本発明の検査装置の一態様においては、前記信号処理手段は、前記揺らぎに対応する周波数成分を含み、かつ前記内周面の欠陥に対応する周波数成分を含まない所定範囲の周波数成分を抽出するように構成されていてもよい。この場合は、所定範囲を適宜に設定することで、回転軸線と中心線とのずれに起因する揺らぎのみならず、欠陥とは言えない他の要因、例えば内周面の面荒れ等による反射光の強度変化をも除去することができるので、より均一な二次元画像を生成することができる。また、所定範囲は欠陥に対応する周波数成分を含まないので、欠陥に対応した反射光の強度変化が除去される不都合はない。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように、本発明によれば、検査ヘッドの回転軸線と円筒体の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応した周波数成分に応じて検査光の強度が制御されるので、反射光の強度の揺らぎを除去することができる。そのため、検査ヘッドの回転軸線と被検査物である円筒体の中心線とを厳密に一致させなくても、周期的な濃淡のない二次元画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の一形態に係る表面検査装置の概略構成を示している。表面検査装置1は、内燃機関のシリンダライナやシリンダボア等の被検査物たる円筒体100の内周面100aの表面検査に適した装置である。表面検査装置1は、そのような検査を実行して円筒体100の内周面100aに関する情報を出力する検査機構2と、検査機構2の各部の動作を制御するとともに、検査機構2が出力した情報を処理する制御部3とを備えている。更に、検査機構2は被検査物100に対して検査光を投光し、かつ被検査物100からの反射光を受光するための検出ユニット5と、その検出ユニット5に所定の動作を与えるための駆動ユニット6とを備えている。
【0014】
検出ユニット5は、検査光の光源としてのレーザダイオード(以下、LDと呼ぶ。)11と、被検査物100からの反射光を受光し、その反射光の単位時間当たりの光量(反射光強度)に応じた電流又は電圧の電気信号を出力するフォトディテクタ(以下、PDと呼ぶ。)12と、LD11から射出される検査光を被検査物100に向かって導く投光ファイバ13と、被検査物100からの反射光をPD12に導くための受光ファイバ14と、そららのファイバ13、14を束ねた状態で保持する保持筒15と、その保持筒15の外側に同軸的に設けられる中空軸状の検査ヘッド16とを備えている。保持筒15の先端には、投光ファイバ13を介して導かれた検査光を検査ヘッド16の軸線AXの方向(以下、軸線方向と呼ぶ。)に沿ってビーム状に射出させ、かつ検査ヘッド16の軸線方向に沿って検査光とは逆向きに進む反射光を受光ファイバ14に集光するレンズ17が設けられている。検査ヘッド16の先端部(図1において右端部)には、光路変更手段としてのミラー18が固定され、検査ヘッド16の外周にはそのミラー18と対向するようにして透光窓16aが設けられている。ミラー18は、レンズ17から射出された検査光の光路を透光窓16aに向けて変更し、かつ透光窓16aから検査ヘッド16内に入射した反射光の光路をレンズ17に向かって進む方向に変更する。
【0015】
駆動ユニット6は、直線駆動機構30と、回転駆動機構40と、焦点調整機構50とを備えている。直線駆動機構30は検査ヘッド16をその軸線方向に移動させる移動手段として設けられている。このような機能を実現するため、直線駆動機構30は、ベース31と、そのベース31に固定された一対のレール32と、レール32に沿って検査ヘッド16の軸線方向に移動可能なスライダ33と、そのスライダ33の側方に検査ヘッド16の軸線AXと平行に配置された送りねじ34と、その送りねじ34を回転駆動する電動モータ35とを備えている。スライダ33は検出ユニット5の全体を支持する手段として機能する。即ち、LD11及びPDはスライダ33に固定され、検査ヘッド16は回転駆動機構40を介してスライダ33に取り付けられ、保持筒15は焦点調節機構50を介してスライダ33に取り付けられている。更に、送りねじ34は、スライダ33に固定されたナット36にねじ込まれている。従って、電動モータ35にて送りねじ34を回転駆動することにより、スライダ33がレール32に沿って検査ヘッド16の軸線方向に移動し、それに伴ってスライダ33に支持された検出ユニット5の全体が検査ヘッド16の軸線方向に移動する。直線駆動機構30を用いた検出ユニット5の駆動により、被検査物100の内周面100aに対する検査光の照射位置を検査ヘッド16の軸線方向に関して変化させることができる。
【0016】
回転駆動機構40は検査ヘッド16を軸線AXの回りに回転させる回転駆動手段として設けられている。そのような機能を実現するため、回転駆動機構40は、検査ヘッド16を軸線AXの回りに回転自在に支持する軸受(不図示)と、回転駆動源としての電動モータ41と、その電動モータ41の回転を検査ヘッド16に伝達する伝達機構42とを備えている。伝達機構42には、ベルト伝達装置、歯車列との公知の回転伝達機構を利用してよい。電動モータ41の回転を伝達機構42を介して検査ヘッド16に伝達することにより、検査ヘッド16がその内部に固定されたミラー18を伴って軸線AXの回りに回転する。回転駆動機構40を用いた検査ヘッド16の回転により、被検査物100の内周面100aに対する検査光の照射位置を周方向に関して変化させることができる。そして、検査ヘッド16の軸線方向への移動と軸線AXの回りの回転とを組合わせることにより、被検査物100の内周面100aをその全面に亘って検査光で走査することが可能となる。なお、検査ヘッド16の回転時において、保持筒15は回転しない。更に、回転駆動機構40には、検査ヘッド16の回転位置に応じたパルス信号を出力するロータリーエンコーダ43が設けられている。ロータリーエンコーダ43は、検査ヘッド16に取り付けられて一体に回転し、かつ周方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の検知孔(不図示)が形成された円板43aと、その円板43aの検知孔の位置に応じたパルスを生成するパルス生成部43bとを備える。ロータリーエンコーダ43からのパルス信号は制御部3にて利用される。
【0017】
焦点調節機構50は、検査光が被検査物100の内周面100aにて焦点を結ぶように保持筒15を軸線AXの方向に駆動する焦点調節手段として設けられている。その機能を実現するため、焦点調節機構50は保持筒50の基端部に固定された支持板51と、直線駆動機構30のスライダ33と支持板51との間に配置されて支持板51を検査ヘッド16の軸線方向に案内するレール52と、検査ヘッド16の軸線AXと平行に配置されて支持板51にねじ込まれた送りねじ53と、その送りねじ53を回転駆動する電動モータ54とを備えている。電動モータ54にて送りねじ53を回転駆動することにより、支持板51がレール52に沿って移動して保持筒15が検査ヘッド16の軸線方向に移動する。これにより、検査光が被検査物100の内周面100a上で焦点を結ぶようにレンズ17からミラー18を経て内周面100aに至る光路の長さを調節することができる。
【0018】
制御部3は、表面検査装置1による検査工程の管理、測定結果の処理等を実行するコンピュータユニットとしての演算処理部60と、その演算処理部60の指示に従って検査機構2の各部の動作を制御する動作制御部61と、PD12の出力信号に対して所定の処理を実行する信号処理部62と、演算処理部60に対してユーザが指示を入力するための入力部63と、演算処理部60における測定結果等をユーザに提示するための出力部64と、演算処理部60にて実行すべきコンピュータプログラム、及び測定されたデータ等を記憶する記憶部65とを備えている。演算処理部60、入力部63、出力部64及び記憶部65はパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータ機器を利用してこれらを構成することができる。この場合、入力部63にはキーボード、マウス等の入力機器が設けられ、出力部64にはモニタ装置が設けられる。プリンタ等の出力機器が出力部64に追加されてもよい。記憶部65には、ハードディスク記憶装置、あるいは記憶保持が可能な半導体記憶素子等の記憶装置が用いられる。
【0019】
動作制御部61は、演算処理部60からの種々の制御信号に基づいて、検出ユニット5のLD11、直線駆動機構30の電動モータ35、回転駆動機構40の電動モータ41及び焦点調節機構50の電動モータ54のそれぞれの動作を制御する。なお、直線駆動機構30の電動モータ35、回転駆動機構40の電動モータ41及び焦点調節機構50の電動モータ54に対する制御については、本発明の要旨ではないので詳細な説明を省略する。
【0020】
図2は、動作制御部61の詳細を説明する説明図である。動作制御部61は、PDから出力されて光強度に対応する出力信号S1を増幅する受光増幅器611と、この増幅器611が増幅した信号S2から所定範囲の周波数成分が抽出されるように、その所定範囲の上限を超える周波数成分をカットするローパスフィルタ612と、円筒体100の内周面100aに欠陥がない場合を基準として予め設定された基準信号Stを出力する基準信号発生器613と、ローパスフィルタ612を通過した信号S3と基準信号発生器613が発生した基準信号Stとを比較して、その差分に応じた差分信号Sdを出力する比較器614と、比較器614が出力した差分信号Sdに応じた駆動電流にてLD11が駆動されるようにLD11を制御するLD制御器615とを備えている。
【0021】
ローパスフィルタ612の通過により抽出される所定範囲の周波数成分には、軸線AXと円筒体100の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応する周波数成分が含まれる。軸線AXと円筒体100の中心線がずれていると、検査ヘッド16が一回転する度に検査ヘッド16と円筒体100の内周面100aとが正対する機会が2回あり、正対しない間は検査光の入射角が徐々に変化する。そのため、このずれに起因する揺らぎは、検査ヘッド16の回転周波数の2倍の周波数となる。そこで、この形態では、この所定範囲として、検査ヘッド16の回転周波数の2倍から10倍以下の周波数の範囲が設定されている。
【0022】
LD制御器615は、所定範囲の周波数成分を持つ信号S3と基準信号Stとの差分が大きい場合は小さい場合に比べて大きな駆動電流によってLD11を駆動し、逆にその差分が小さい場合は大きい場合に比べて小さな駆動電流によってLDを駆動するように構成されている。これにより、その差分が大きい場合は小さい場合に比べて検査光の強度が高くなるようにLD制御器615にてLDが制御される。そのため、LD制御器615によって所定範囲の周波数成分を持つ反射光強度の揺らぎが相殺される。欠陥に対応する強度信号の周波数は、検査ヘッド16の回転周波数の1000倍程度以上であり、その所定範囲に含まれない。従って、欠陥に対応した反射光の強度変化がLD制御器615によって除去される不都合はない。
【0023】
信号処理部62は検査ヘッド16が一回転する毎にPD12から出力される信号を所定数サンプリングするため、ロータリーエンコーダ43からのパルス信号を逓倍又は分周してサンプリングクロックとして利用する。信号処理部62にてサンプリングされた信号は演算処理部60に送られる。演算処理部60はその信号に基づいて被検査物100の内周面100aに関する二次元画像を生成して鋳巣等の欠陥の有無を判定する。この判定は欠陥に対応する暗部が二次元画像に存在するか否かを判定することにより行われるが、その処理の詳細や演算処理部60が実行するその他の具体的な処理の詳細については本発明の要旨と関連性が薄いため説明を省略する。
【0024】
以上の表面検査装置1によれば、検査ヘッド16の軸線AXと円筒体100の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応した周波数成分に応じて検査光の強度が制御されるので反射光の強度の揺らぎを除去することができる。のみならず、ローパスフィルタ612を通過させて抽出される周波数成分が、ある程度の幅を持つ所定範囲に設定されるので、所定範囲内の周波数成分を持つ揺らぎ、例えば軸ずれとは関係のない内周面の面荒れ等による反射光の強度変化をも除去することができる。これにより、ムラのない二次元画像を欠陥の判定の基礎として利用できるので、欠陥の検査精度が向上する。
【0025】
以上の形態において、LD11が本発明に係る光源に、PD12が本発明に係る光電変換手段に、ローパスフィルタ612が本発明に係る信号処理手段に、LD制御器615が本発明に係る光源制御手段にそれぞれ相当する。
【0026】
但し、本発明は以上の形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。例えば、上述した動作制御部61はハードウエア制御回路によって実現されてもよいし、コンピュータユニットによって実現されてもよい。また、上述ではローパスフィルタ612にて本発明に係る信号処理手段を実施したが、これに代えて、所定の上限を超える周波数成分及び所定の下限を下回る周波数成分をそれぞれカットするバンドパスフィルタにて本発明に係る信号処理手段を実現してもよい。この場合には、そのバンドパスフィルタの通過により、軸線AXと円筒体100の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応する周波数成分が抽出され、かつ内周面100aの欠陥に対応する周波数成分が抽出されない、つまりその欠陥に対応する周波数成分をカットできるようにバンドパスフィルタを構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一形態に係る表面検査装置の概略構成を示した図。
【図2】図1の動作制御部の動作を説明する説明図。
【符号の説明】
【0028】
1 表面検査装置
11 LD
12 PD
16 検査ヘッド
100 円筒体
100a 内周面
612 ローパスフィルタ(信号処理手段)
615 LD制御器(光源制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査光を射出する光源と、被検査物たる円筒体の内部に挿入されて、前記円筒体に対して軸線回りに回転しかつ前記軸線方向に移動しながら、前記光源から射出された検査光を前記円筒体の内周面に投光しつつその反射光を受光する検査ヘッドと、前記検査ヘッドが受光した反射光の強度に応じた信号を出力する光電変換手段と、を有し、前記光電変換手段が出力した信号に基づいて前記内周面に対応した二次元画像を生成する表面検査装置において、
前記光電変換手段が出力した信号から、前記軸線と前記円筒体の中心線とのずれに起因した反射光の強度の揺らぎに対応する周波数成分を抽出する信号処理手段と、所定の基準値と前記信号処理手段が抽出した周波数成分との差分に応じて前記光源から射出される検査光の強度が変化するように前記光源を制御する光源制御手段と、を更に備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
前記光源制御手段は、前記基準値と前記周波数成分との差分が大きい場合は小さい場合に比べて前記光源から射出される検査光の強度が高くなるように前記光源を制御することを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項3】
前記信号処理手段は、前記揺らぎに対応する周波数成分を含み、かつ前記内周面の欠陥に対応する周波数成分を含まない所定範囲の周波数成分を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面検査装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−315806(P2007−315806A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143193(P2006−143193)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【出願人】(505216449)株式会社 KTSオプティクス (17)
【Fターム(参考)】