説明

表面検査装置

【課題】被検査物の表面形状に左右されずに十分な表面検査を行うことができる表面検査装置を提供する。
【解決手段】表面検査装置1は、被検査物であるシリンダライナ100の外周面101に対して斜め方向に第1検査光11を照射するとともに、垂直方向に第2検査光12を照射し、ターンテーブル5にてシリンダライナ100を回転させつつ、各検査光11、12の照射部位21、22をデジタルカメラ4で撮像して外周面101を検査するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の表面を検査する表面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面検査装置として、被検査物の表面に斜め方向に線状の検査光を照射し、その反射光の強度分布や反射光を撮像した画像に基づいて表面形状を把握する光切断法を利用して表面に存在する傷や穴等の欠陥を検査するものが知られている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−180782号公報
【特許文献2】特開2010−71722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光切断法は、被検査物の表面に対して斜め方向から検査光を照射する特性上、表面の形状によって検査光が照射されない死角が生じる欠点があるので、死角に存在する欠陥を検出できない場合がある。例えば、鋳込まれるエンジンのシリンダライナのように、その外周面に垂直方向に突出する多数の突起部が形成されている被検査物を検査する場合、その突起部の付け根が光切断法の死角になる場合がある。そのため、上述した光切断法を利用した表面検査装置ではこうした表面形状を持つ被検査物の検査が十分に行えない問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、被検査物の表面形状に左右されずに十分な表面検査を行うことができる表面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表面検査装置は、被検査物(100)の表面(101)を検査する表面検査装置(1)において、前記表面に対して斜め方向にライン状の第1検査光(11)を照射する第1検査光照射手段(2)と、前記表面に対して垂直方向にライン状の第2検査光(12)を照射する第2検査光照射手段(3)と、前記表面に前記第1検査光が照射された第1照射部位(21)及び前記表面に前記第2検査光が照射された第2照射部位(22)の両方が視野(13)に同時に収まり、かつ前記第2検査光の照射方向と同方向に向けられた状態で配置され、前記第1照射部位及び前記第2照射部位を撮像して前記視野に対応した検査画像(G)を取得する撮像手段(4)と、前記表面に対する前記第1検査光及び前記第2検査光のそれぞれの照射位置を所定方向に変化させる照射位置変更手段(5)と、前記第1検査光及び前記第2検査光の照射位置を前記照射位置変更手段にて変化させながら、前記検査画像を前記撮像手段にて取得させる動作制御手段(6)と、前記撮像手段が取得した前記検査画像に基づいて前記表面を検査する検査手段(32)と、を備えるものである。
【0007】
この表面検査装置によれば、被検査物の表面に斜め方向に照射される第1検査光に加えて被検査物の表面に垂直方向に照射される第2検査光を用いている。そして、これらの検査光に照射された照射位置を変化させながら、第1検査光が照射された第1照射部位及び第2検査光が照射された第2照射部位を一つの撮像手段にて撮像し、その撮像手段が取得した検査画像に基づいて被検査物の表面を検査している。従って、被検査物の表面に対して斜め方向に照射される第1検査光が照射されない死角が発生した場合でも、その死角に対しては被検査物の表面に対して垂直に照射される第2検査光で照射されるので、被検査物の表面形状に左右されずに表面を満遍なく検査できる。
【0008】
本発明の表面検査装置の一態様において、前記検査手段は、前記検査画像に基づいて前記第1照射部位に対応する第1画像(G1)と前記第2照射部位に対応する第2画像(G2)とを生成し、前記第1画像及び前記第2画像のそれぞれから得られた輝度情報を利用して前記被検査物の前記表面を検査してもよい。この態様によれば、単一の撮像手段が取得した検査画像から同一の被検査物の表面に対する二種類の画像が生成される。第1画像及び第2画像のそれぞれの輝度情報を利用することにより、第1画像のみからでは検出できない表面の欠陥等を検出することができるようになる。
【0009】
本発明の表面検査装置の一態様において、前記被検査物が、前記表面である外周面(101)に垂直方向に突出する多数の突起部(102)が所定の範囲内に高さが揃えられかつ所定の密度で形成された鋳造品のシリンダライナ(100)であり、前記第1検査光照射手段及び前記第2検査光照射手段は、前記シリンダライナの中心線(CL)と同方向に前記外周面上で延びるように前記第1検査光及び前記第2検査光を照射し、前記照射位置変更手段として、前記シリンダライナを前記中心線の回りに回転させるターンテーブル(5)が設けられていてもよい。外周面に多数の突起部が形成された鋳造品のシリンダライナには、その外周面に異物の付着、鋳巣、ピンホール等の欠陥が存在する場合がある。また、多数の突起部はその高さが所定の範囲内に揃えられかつ所定の密度で形成されている必要がある。この態様によれば、第1検査光の照射によって得た第1照射部位の画像に基づいて多数の突起部の状態を検査できるとともに、第1検査光が照射されない突起部の付け根等の死角に存在する上記の欠陥関しては第2検査光の照射によって得た第2照射部位の画像に基づいて検査することができる。シリンダライナがターンテーブルにて回転させられることによって、第1検査光及び第2検査光のそれぞれの照射位置がシリンダライナの周方向に変化するので、外周面の全周を検査することが可能になる。
【0010】
この態様においては、前記第1検査光照射手段及び前記第2検査光照射手段は、前記シリンダライナの前記中心線の方向の全長に亘って前記第1検査光及び前記第2検査光を照射し、前記撮像手段は、前記シリンダライナの前記中心線の方向の全長を収めることができる前記視野を有していてもよい。この場合には、中心線方向に各検査光の照射位置をシフトすることなく、ターンテーブルを回転させるだけでシリンダライナの外周面の全面を検査することが可能になる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上に説明したように、本発明の表面検査装置によれば、被検査物の表面に斜め方向に照射される第1検査光に加えて被検査物の表面に垂直方向に照射される第2検査光を用いているので、被検査物の表面に対して斜め方向に照射される第1検査光が照射されない死角が発生した場合でも、その死角に対しては被検査物の表面に対して垂直に照射される第2検査光で照射される。これにより、被検査物の表面形状に左右されずに表面を満遍なく検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一形態に係る表面検査装置の全体構成を概略的に示した図。
【図2】図1の表面検査装置をz軸方向から見た状態を模式的に示した説明図。
【図3】デジタルカメラにて撮像された画像の一例を示した図。
【図4】画像処理部の処理内容を説明するブロック図。
【図5】輝度ヒストグラムの一例を示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示したように、表面検査装置1は被検査物としてのシリンダライナ100の外周面101(表面)を検査する装置である。シリンダライナ100は不図示のシリンダブロックに鋳込まれて使用されるエンジン部品であり、いわゆる遠心鋳造法にて製造された鋳造品である。シリンダライナ100が鋳込まれた際にシリンダブロックに強固に結合されるように、その外周面101には垂直方向に突出する多数の突起部102が形成されている。突起部102の高さ及びその密度に偏りがあるとエンジン性能に影響を与えることから、突起部102はシリンダライナ100がシリンダブロックに均一に結合されるように800〜900μm程度の範囲内に高さが揃えられかつ所定の密度で形成されている。
【0015】
表面検査装置1は、第1検査光照射手段としてのレーザラインジェネレータ2と、第2検査光照射手段としてのライン光モジュール3と、撮像手段としてのデジタルカメラ4と、シリンダライナ100を載せた状態でその中心線CLの回りに回転させるターンテーブル5と、これら各装置を制御するとともにデジタルカメラ4が撮像した画像を処理する制御装置6とを備えている。図1には、シリンダライナ100の中心線CLと直交する軸をy軸とした直交座標系が設定されており、その原点(0,0,0)にデジタルカメラ4が、座標(−x1,y1,z1)にレーザラインジェネレータ2が、座標(0,0,z2)にライン光モジュール3がそれぞれ配置されている。
【0016】
レーザラインジェネレータ2はライン状のレーザ光を出力できる周知の装置である。レーザラインジェネレータ2が出力するレーザ光の波長は630μmに設定されている。レーザラインジェネレータ2が出力する第1検査光11は、図2にも示したように、シリンダライナ100の外周面101に対して斜め方向に、具体的には外周面101の接線方向に対して45°の方向に照射される。第1検査光11の幅は200μm程度に調整されている。なお、後述のサブピクセル処理を行う関係から、第1検査光11の幅はデジタルカメラ4の画素分解能以上に広く設定されていて、第1検査光11がカメラ画素の2ピクセル程度にまたがるように設定されている。ライン光モジュール3は、スーパールミネッセントダイオード(SLD)を光源とし、ライン状の第2検査光12を出力できる装置として構成されている。ライン光モジュール3が出力する第2検査光12は、第1検査光11と分離できるように、第1検査光11とは異なる波長、例えば840μmに設定されている。ライン光モジュール3が出力する第2検査光12は外周面101に対して垂直方向(半径方向)に照射される。第2検査光12の幅は第1検査光11の幅よりも大きく、500μm程度に調整されている。第1検査光11及び第2検査光12のそれぞれは、シリンダライナ100の中心線CLと同方向に外周面101上で平行に延びている。
【0017】
図2に示したように、表面検査装置1は外周面101に対して斜め方向に照射される第1検査光11とともに垂直方向に照射される第2検査光12を用いているので、第1検査光11では届かない突起部102の付け根の死角Dに対して第2検査光12を照射できる。そのため、例えば第1検査光11が届かない突起部102の間に形成された小さなピンホールP等の欠陥の有無を認識することが可能となる。
【0018】
デジタルカメラ4は、シリンダライナ100の外周面101に対して垂直方向(半径方向)に向けられた状態で配置されており、シリンダライナ100の全長を収めることができる縦長の視野13を持っている。視野13には第1検査光11が外周面101に照射された第1照射部位21及び第2検査光12が外周面101に照射された第2照射部位22の両方を同時に収めることができる。デジタルカメラ4がこのような視野13を持っているため、中心線CL方向に各検査光11、12の照射位置をシフトすることなく、ターンテーブル5を回転させるだけでシリンダライナ100の外周面101の全面を検査することが可能になる。図3に示したように、視野13に対応する画素数は縦512×横35画素である。これら画素は第1照射部位21に対応する第1部分と第2照射部位22に対応する第2部分とに区分され、第1部分には512×25画素が、第2部分には512×10画素がそれぞれ割り当てられている。
【0019】
ターンテーブル5は一定回転速度で回転でき、その回転中心と中心線CLとをほぼ一致させた状態でシリンダライナ100を固定できる不図示の固定手段が設けられている。
【0020】
制御装置6は各装置を駆動するためのドライバ31と、そのドライバ31に入出力インタフェース33を介して接続されるコンピュータ32とを有している。コンピュータ32としては不図示のモニタ等の出力装置、キーボード等の入力装置及びハードディスク等の記憶装置を持つパーソナルコンピュータが用いられている。コンピュータ32には表面検査装置1による表面検査を行うためのプログラムが記憶されており、そのプログラムに従って各装置の動作が制御されるとともに、デジタルカメラ4が取得した検査画像の画像処理及びその処理結果に基づく検査処理を行う。
【0021】
以下、表面検査装置1を用いた表面検査の一例を説明する。まず、制御装置6はシリンダライナ100が設置されたターンテーブル5を一定回転速度(本形態では3秒/1回転)で回転させる。次に、レーザラインジェネレータ2及びライン光モジュール3をそれぞれ駆動して第1検査光11及び第2検査光12をそれぞれ出力させつつ、各検査光で照射された第1検査部位21及び第2検査部位22をそれぞれデジタルカメラ4で一定時間間隔(本形態では約2msec)で撮像させる。この撮像の間隔は外周面101のサンプリング分解能がカメラの画素分解能とほぼ等しくなる間隔に相当する。デジタルカメラ4の撮像時のシャッタ時間は、被写体であるシリンダライナ100が動いているため、被写体ぶれが検査画像に影響しないように、本形態では1/2000秒に設定される。また、被写界深度を深くするため内蔵の絞りを絞る。
【0022】
レーザラインジェネレータ2を、その第1検査光11がデジタルカメラ4のシャッタと同期するように制御する。つまり、制御装置6はデジタルカメラ4のシャッタが開いている時だけ第1検査光11が出力するようにレーザラインジェネレータ2から第1検査光11をパルス発光させる。この場合の第1検査光11の平均強度は1mW以下に設定している。ライン光モジュール3が出力する第2検査光12はパルス発光でもよいし、第1検査光11に影響を与えない範囲で常時発光でもよい。
【0023】
このように、制御装置6がレーザラインジェネレータ2、ライン光モジュール3、デジタルカメラ4及びターンテーブル5の各動作を制御することによって、各検査光11、12の照射位置を変化させながらデジタルカメラ4にて検査画像を取得させることができる。従って、制御装置6は本発明に係る動作制御手段として機能する。
【0024】
デジタルカメラ4で撮像された検査画像(図3参照)は、図4に示したように、コンピュータ32内に論理的に形成される画像処理部35で画像処理されるとともに、その処理結果に基づいて検査処理部36にて検査結果が出力される。画像処理部35はデジタルカメラ4が取得した検査画像Gを逐次受け取り、画像分離部41にて第1照射部位21に対応した第1画像G1と、第2照射部位22に対応した第2画像G2とにそれぞれ分離する。第1画像G1は、外周面101の突起部102の状態を検査する場合に基礎となる画像であり、第2画像G2は欠陥を検査する場合に基礎となる画像である。
【0025】
第1画像G1に基づいて第1照射部位21の直線位置変化を単純に高さ方向に変換しただけでは、検査画像Gの画素数を制限したことによって所要の高さ方向の分解能が得られないおそれがある。そのため、サブピクセル処理部42は高さ方向の分解能を向上させるため第1画像G1をサブピクセル処理によって約10倍に拡大して所要の高さ方向の分解能を得ている。第1展開画像生成部43はサブピクセル処理された第1画像G1を周方向に結合して、外周面101を展開した第1展開画像GO1を生成する。一方、第2展開画像生成部44は画像分離部41にて分離された第2画像G2を周方向に結合して外周面11を展開した第2展開画像GO2を生成する。
【0026】
画像処理部35で得られた2種類の展開画像GO1、GO2は検査処理部35に送られる。判定エリア設定部51は、第1展開画像GO1に対して判定エリアを設定する。この判定エリアは、検査結果に影響を与えかつ第1展開画像GO1に含まれる不要情報に影響されないエリアである。この不要情報としては、例えばシリンダライナ100の中心線CLとターンテーブル5の回転中心線との位置ずれに起因する外周面101とデジタルカメラ5と距離の変化情報等がある。
【0027】
第1輝度情報解析部52は、判定エリア内の第1展開画像GO1の輝度ヒストグラムを求める。図5に示すように、この輝度ヒストグラムは輝度を横軸にデータ数を縦軸に設定したものであり、この分布は突起部102の先端の集合及び突起部102の根元の集合のそれぞれに対応して2極化している。突起部102の先端は根元に比べて明るいので、先端の集合は輝度が高い側に、根元の集合は輝度が低い側にそれぞれ位置している。第1輝度情報解析部52は、各集合の重心g1、g2を求め、これら重心g1、g2の相対値を突起部102の高さとして扱う。第1判定部53は、重心g1、g2及びこれらの相対値で特徴付けられる分布を正常な分布と比較することにより外周面101の突起部102の状態を正常又は異常のいずれであるかを判定する。そして、その判定結果をディスプレィ等の出力部60へ出力する。
【0028】
第2輝度情報解析部54は第2展開画像GO2の輝度情報を抽出する。シリンダライナ100の外周面101に存在するピンホール等の欠陥は第2検査光12の反射率が極めて低く第2展開画像GO2では輝度値を殆ど持たない画素となる。従って、第2判定部55は抽出された第2展開画像GO2の輝度情報から、輝度値が所定値以下(例えば5以下)の集合を求め、その集合のデータ数が閾値を超えた場合に上記欠陥が存在したものと判定し、データ数が閾値以下の場合に上記欠陥が存在しないものと判定する。そして、その判定結果を出力部60へ出力する。
【0029】
このように、画像処理部35によって、デジタルカメラ4が取得した検査画像Gから外周面101に対する二種類の画像G1、G2が生成され、検査処理部36がこれら第1画像G1及び第2画像G2のそれぞれの輝度情報を利用して検査結果を出力しているので、第1画像G1のみからでは検出できない外周面101の欠陥を検出できる。従って、コンピュータ32の内部に論理的に形成される画像処理部35及び検査処理部36は本発明に係る検査手段として機能する。
【0030】
本発明は以上の形態に限定されず種々の形態にて実施できる。第1検査光及び第2検査光はライン状の光であれば十分であり、その幅や光源は被検査物の性状に応じて適宜設定できる。例えば、第1検査光の光源として、レーザ光源の代わりに、LEDやSLD等の光源を用いることができるし、第2検査光の光源として、SLD光源の代わりに、レーザやLED等の光源を用いることもできる。
【0031】
本発明の表面検査装置の検査対象としては、シリンダライナ等の円筒状の物品の外周面に限らず、平面状の物品の表面であってもよい。平面状の物品を検査する場合は、物品を直線移動させながら各検査光を照射してもよい。被検査物に対する検査光の照射位置を変化させるためには、上記のように検査光を照射する照射手段及び撮像手段を含む光学系を静止させた状態で被検査物を移動させてもよいし、逆に、静止した被検査物に対して光学系を移動させてもよい。
【0032】
撮像手段の視野は、第1照射部位及び第2照射部位が同時に収まるものであれば十分である。例えば、上記形態の場合、シリンダライナの全長に満たない大きさの視野に設定して、シリンダライナを回転させつつ中心線方向にシフトさせて外周面の全面を検査するように変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 表面検査装置
2 レーザラインジェネレータ(第1検査光照射手段)
3 ライン光モジュール(第2検査光照射手段)
4 デジタルカメラ(撮像手段)
5 ターンテーブル(照射位置変更手段)
6 制御装置(動作制御部)
11 第1検査光
12 第2検査光
21 第1照射部位
22 第2照射部位
32 コンピュータ(検査手段)
100 シリンダライナ(被検査物)
101 外周面(表面)
102 突起部
CL シリンダライナの中心線
G 検査画像
G1 第1画像
G2 第2画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の表面を検査する表面検査装置において、
前記表面に対して斜め方向にライン状の第1検査光を照射する第1検査光照射手段と、
前記表面に対して垂直方向にライン状の第2検査光を照射する第2検査光照射手段と、
前記表面に前記第1検査光が照射された第1照射部位及び前記表面に前記第2検査光が照射された第2照射部位の両方が視野に同時に収まり、かつ前記第2検査光の照射方向と同方向に向けられた状態で配置され、前記第1照射部位及び前記第2照射部位を撮像して前記視野に対応した検査画像を取得する撮像手段と、
前記表面に対する前記第1検査光及び前記第2検査光のそれぞれの照射位置を所定方向に変化させる照射位置変更手段と、
前記第1検査光及び前記第2検査光の照射位置を前記照射位置変更手段にて変化させながら、前記検査画像を前記撮像手段にて取得させる動作制御手段と、
前記撮像手段が取得した前記検査画像に基づいて前記表面を検査する検査手段と、
を備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
前記検査手段は、前記検査画像に基づいて前記第1照射部位に対応する第1画像と前記第2照射部位に対応する第2画像とを生成し、前記第1画像及び前記第2画像のそれぞれから得られた輝度情報を利用して前記被検査物の前記表面を検査する請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項3】
前記被検査物が、前記表面である外周面に垂直方向に突出する多数の突起部が所定の範囲内に高さが揃えられかつ所定の密度で形成された鋳造品のシリンダライナであり、
前記第1検査光照射手段及び前記第2検査光照射手段は、前記シリンダライナの中心線と同方向に前記外周面上で延びるように前記第1検査光及び前記第2検査光を照射し、
前記照射位置変更手段として、前記シリンダライナを前記中心線の回りに回転させるターンテーブルが設けられている請求項1又は2に記載の表面検査装置。
【請求項4】
前記第1検査光照射手段及び前記第2検査光照射手段は、前記シリンダライナの前記中心線の方向の全長に亘って前記第1検査光及び前記第2検査光を照射し、前記撮像手段は、前記シリンダライナの前記中心線の方向の全長を収めることができる前記視野を有している請求項3に記載の表面検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−93139(P2012−93139A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239015(P2010−239015)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】