説明

表面被覆方法、並びに半導体装置、及び実装回路基板

【課題】配線及び絶縁膜へダメージを与えることなく、絶縁膜上の導電性の不純物によるめっきの異常成長を抑制することができる表面被覆方法、並びに該方法を用いて製造される半導体装置、及び実装回路基板の提供。
【解決手段】水溶性樹脂、有機溶剤、及び水を含有する表面被覆材料を、表面に露出した絶縁膜及び表面に露出したパターニングされた金属配線を有する積層体の少なくとも前記絶縁膜の表面を覆うように塗布し、前記絶縁膜の表面に被膜を形成する表面被覆方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面被覆方法、並びに半導体装置、及び実装回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、実装回路基板などは、動作中に配線を構成する原子(特にCu)がイオン化し、電界によって絶縁膜中を移動したり、原子が配線周囲の異種材料間界面を移動する現象が生じ、配線寿命が著しく低下する問題が生じる。
【0003】
この原子の移動を抑制する手段としては、配線材料よりも高抵抗の金属で配線表面を被覆する方法、即ち配線にバリア層を形成する方法が挙げられる。配線にバリア層を形成する方法としては、絶縁膜上にバリア層を形成してその上に配線を形成する方法、配線を形成した後に配線表面にバリア層を形成する方法(例えば、特許文献1参照)などが挙げられる。後者の方法では、無電解めっきによりバリア層を形成することが多く、その際に、配線以外の絶縁膜上に導電性の不純物が存在すると、この不純物が核となってめっきが異常成長し、ショートなどの不良、及び信頼性の低下が生じるという問題があった。
【0004】
この問題を解決するために、従来、めっき工程前に強酸や強塩基を用いた洗浄により、絶縁膜上の導電性の不純物を除去することが行われていた。
しかし、この方法は、配線及び絶縁膜へのダメージが生じたり、プロセスが複雑化するという問題があった。
【0005】
半導体装置の製造方法において、微細なパターンを形成する方法として、水溶性組成物をレジストパターン表面を覆うように塗布することによりレジストパターンを膨潤化させる工程と、次いで、膨潤化後の前記レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングを行うことにより、下地層をパターニングする工程とを有する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この提案の技術では、配線以外の絶縁膜上における導電性の不純物の存在によりショートなどの不良、及び信頼性の低下が生じるという前記問題については検討がされていない。
【0006】
したがって、配線及び絶縁膜へダメージを与えることなく、絶縁膜上の導電性の不純物によるめっきの異常成長を抑制することができる表面被覆方法、並びに該方法を用いて製造される半導体装置、及び実装回路基板の提供が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2003−505882号公報
【特許文献2】特許第3633595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、配線及び絶縁膜へダメージを与えることなく、絶縁膜上の導電性の不純物によるめっきの異常成長を抑制することができる表面被覆方法、並びに該方法を用いて製造される半導体装置、及び実装回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。即ち、
開示の表面被覆方法は、水溶性樹脂、有機溶剤、及び水を含有する表面被覆材料を、表面に露出した絶縁膜及び表面に露出したパターニングされた金属配線を有する積層体の少なくとも前記絶縁膜の表面を覆うように塗布し、前記絶縁膜の表面に被膜を形成する方法である。
開示の半導体装置は、絶縁膜、及びパターニングされた金属配線を有する積層体と、開示の表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜と、前記金属配線の表面に形成されためっき層と、を有する。
開示の実装回路基板は、絶縁膜、及びパターニングされた金属配線を有する積層体と、開示の表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜と、前記金属配線の表面に形成されためっき層と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の表面被覆方法によれば、配線及び絶縁膜へダメージを与えることなく、絶縁膜上の導電性の不純物によるめっきの異常成長を抑制することができる。
開示の半導体装置によれば、配線及び絶縁膜へのダメージがほとんどなく、かつショートなどの不良、及び信頼性の低下が抑制された半導体装置を得ることができる。
開示の実装回路基板によれば、配線及び絶縁膜へのダメージがほとんどなく、かつショートなどの不良、及び信頼性の低下が抑制された実装回路基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、基材上に絶縁膜と金属配線とが形成された状態を示す概略断面図である。
【図1B】図1Bは、表面被覆材料を塗布した状態を示す概略断面図である。
【図1C】図1Cは、絶縁膜と表面被覆材料とが相互作用(ミキシング)し、被膜(ミキシング被膜)を形成した状態を示す概略断面図である。
【図1D】図1Dは、金属配線の表面に無電解めっきをした状態を示す概略断面図である。
【図2A】図2Aは、絶縁膜が形成された基材を示す概略断面図である。
【図2B】図2Bは、シード層が絶縁膜上に形成された状態を示す概略断面図である。
【図2C】図2Cは、レジスト膜がシード層上に形成された状態を示す概略断面図である。
【図2D】図2Dは、レジスト膜の間にCu配線が形成された状態を示す概略断面図である。
【図2E】図2Eは、レジスト膜を剥離した状態を示す概略断面図である。
【図2F】図2Fは、絶縁膜とCu配線とが形成された基材を示す概略断面図である。
【図3A】図3Aは、絶縁膜が形成された基材を示す概略断面図である。
【図3B】図3Bは、レジスト膜が絶縁膜上に形成された状態を示す概略断面図である。
【図3C】図3Cは、絶縁膜がパターニングされた状態を示す概略断面図である。
【図3D】図3Dは、レジスト膜を剥離した状態を示す概略断面図である。
【図3E】図3Eは、絶縁膜上にシード層が形成された状態を示す概略断面図である。
【図3F】図3Fは、シード層上にCu膜が形成された状態を示す概略断面図である。
【図3G】図3Gは、絶縁膜とCu配線とが形成された基材を示す概略断面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、シリコン基板上に層間絶縁膜を形成した状態を表す。
【図4B】図4Bは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、図4Aに示す層間絶縁膜上にチタン膜を形成した状態を表す。
【図4C】図4Cは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、チタン膜上にレジスト膜を形成し、チタン膜にホールパターンを形成した状態を表す。
【図4D】図4Dは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、ホールパターンを層間絶縁膜にも形成した状態を表す。
【図4E】図4Eは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、ホールパターンを形成した層間絶縁膜上にCu膜を形成した状態を表す。
【図4F】図4Fは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、ホールパターン上以外の層間絶縁膜上に堆積されたCu膜を除去した状態を表す。
【図4G】図4Gは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、層間絶縁膜上に被膜を形成した状態を表す。
【図4H】図4Hは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、第一の配線上にニッケル−リンめっきが形成された状態を表す。
【図4I】図4Iは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、ホールパターン内に形成された第一の配線上及び層間絶縁膜上に層間絶縁膜を形成した状態を表す。
【図4J】図4Jは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、表層としての層間絶縁膜にホールパターンを形成し、Cuプラグを形成した状態を表す。
【図4K】図4Kは、本発明の半導体装置の製造の一例を説明するための概略図であり、三層構造の配線を形成した状態を表す。
【図5A】図5Aは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、ガラスエポキシ基板上に絶縁膜を形成した状態を表す。
【図5B】図5Bは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、絶縁膜上にシード層を形成した状態を表す。
【図5C】図5Cは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、シード層上にレジストパターンを形成した状態を表す。
【図5D】図5Dは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、レジストパターン間の開口部にCuパターンを形成した状態を表す。
【図5E】図5Eは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、レジストパターンを剥離した状態を表す。
【図5F】図5Fは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、シード層をエッチングしCu配線を形成した状態を表す。
【図5G】図5Gは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、絶縁膜上に被膜を形成した状態を表す。
【図5H】図5Hは、本発明の実装回路基板の製造の一例を説明するための概略図であり、Cu配線上にニッケル−リンめっき膜を形成した状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(表面被覆方法)
本発明の表面被覆方法は、表面被覆材料を、表面に露出した絶縁膜及び表面に露出したパターニングされた金属配線を有する積層体の少なくとも前記絶縁膜の表面を覆うように塗布し、前記絶縁膜の表面に被膜を形成する方法である。
【0013】
<表面被覆材料>
前記表面被覆材料は、少なくとも水溶性樹脂と、有機溶剤と、水とを含有し、好ましくは、架橋剤、酸化防止剤、界面活性剤、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0014】
−水溶性樹脂−
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、カルボキシル基含有樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、オキサゾリン基含有水溶性樹脂、フェノール性水酸基含有樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、アルキッド樹脂、スルホンアミド樹脂、セルロース、タンニン、及びこれらを一部に含む樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基含有樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸などが挙げられる。
前記フェノール性水酸基含有樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
これらの中でも、安定性の点で、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、フェノール性水酸基含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂が好ましい。
【0015】
前記水溶性樹脂の水溶性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、25℃の水100gに対し、前記水溶性樹脂が0.1g以上溶解する水溶性が好ましい。
【0016】
前記表面被覆材料における前記水溶性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.2質量部〜30質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、形成される被膜の厚みが十分ではなく、めっき処理後の絶縁膜上にめっき成長した異物が多数残ることがあり、50質量部を超えると、均一な被膜を形成することが困難になることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、めっき処理後の絶縁膜上における、めっきの異常成長をより抑制することができる点で有利である。
【0017】
−有機溶剤−
前記有機溶剤は、前記表面被覆材料を前記絶縁膜に塗布した際に、前記絶縁膜を膨潤させ、前記表面被覆材料と前記絶縁膜との相互作用(ミキシング)を起こしやすくする。
【0018】
前記有機溶剤としては、前記絶縁膜を膨潤させることができる有機溶剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール系有機溶剤、鎖状エステル系有機溶剤、環状エステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、鎖状エーテル系有機溶剤、環状エーテル系有機溶剤、アミン系有機溶剤などが挙げられる。
【0019】
前記アルコール系有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどが挙げられる。
前記鎖状エステル系有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)などが挙げられる。
前記環状エステル系有機溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤などが挙げられる。
前記ケトン系有機溶剤としては、例えば、アセトン、シクロヘキサノン、ヘプタノンなどが挙げられる。
前記鎖状エーテル系有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
前記環状エーテル系有機溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミン系有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)などが挙げられる。また、前記アミン系有機溶剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミノアルコールが挙げられる。
【0020】
前記表面被覆材料における前記有機溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができるが、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部が好ましい。前記含有量が、前記好ましい範囲内であると、めっき処理後の絶縁膜上における、めっきの異常成長をより抑制することができる点で有利である。
【0021】
−水−
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、純水(脱イオン水)が好ましい。
前記表面被覆材料における前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができるが、表面被覆材料の塗布性の点で、前記表面被覆材料100質量部に対して、80質量部以上であることが好ましい。
【0022】
−架橋剤−
前記表面被覆材料は、前記架橋剤を含有することが好ましい。前記架橋剤を前記表面被覆材料に含有させることにより、めっき処理後の絶縁膜上における、めっきの異常成長をより抑制することができる。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メラミン誘導体、ユリア誘導体、ウリル誘導体が好ましい。
前記メラミン誘導体としては、例えば、アルコキシメチルメラミン、これらの誘導体などが挙げられる。
前記ユリア誘導体としては、例えば、尿素、アルコキシメチレン尿素、N−アルコキシメチレン尿素、エチレン尿素、エチレン尿素カルボン酸、これらの誘導体などが挙げられる。
前記ウリル誘導体としては、例えば、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、これらの誘導体などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記表面被覆材料における前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、めっき処理後の絶縁膜上における、めっきの異常成長の抑制が十分ではないことがある。前記含有量が、前記好ましい範囲内であると、めっき処理後の絶縁膜上における、めっきの異常成長の抑制に非常に優れる点で有利である。
【0024】
−酸化防止剤−
前記表面被覆材料は、前記酸化防止剤を含有することが好ましい。前記酸化防止剤を前記表面被覆材料に含有させることにより、被膜形成時における、金属配線の酸化を抑制することができる。
【0025】
前記酸化防止剤としては、金属配線の酸化を防止できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボン酸、糖類が好ましい。
前記カルボン酸としては、少なくとも一つのカルボキシル基を有する有機酸であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜6のカルボン酸が好ましい。前記炭素数1〜6のカルボン酸としては、シュウ酸、ギ酸が好ましい。
前記糖類としては、例えば、単糖、二糖、多糖などが挙げられる。前記単糖としては、例えば、グルコース、グルコラクトン、グルコピラノース、フルクトースなどが挙げられる。前記二糖としては、例えば、スクロース、ラクトース、マルトースなどが挙げられる。前記多糖としては、例えば、アルギン酸、セルロース、デンプン、グリコーゲンなどが挙げられる。これらの中でも、単糖が好ましく、グルコースがより好ましい。
これらの酸化防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記表面被覆材料における前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜40質量部が好ましく、1.0質量部〜20質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、酸化防止剤が処理表面に充分に行き渡らず、金属配線の酸化防止が十分ではない場合がある。前記含有量が、40質量部を超えると、均一な被膜が形成できず、めっき処理後の絶縁膜上にめっき成長した異物が少し発生することがある。
【0027】
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ナトリウム塩、カリウム塩等の金属イオンを含有しない点で、非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0028】
前記非イオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコキシレート系界面活性剤、脂肪酸エステル系界面活性剤、アミド系界面活性剤、アルコール系界面活性剤、エチレンジアミン系界面活性剤などが挙げられる。前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物化合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレン誘導体化合物、ソルビタン脂肪酸エステル化合物、グリセリン脂肪酸エステル化合物、第1級アルコールエトキシレート化合物、フェノールエトキシレート化合物、ノニルフェノールエトキシレート系化合物、オクチルフェノールエトキシレート系化合物、ラウリルアルコールエトキシレート系化合物、オレイルアルコールエトキシレート系化合物、脂肪酸エステル系化合物、アミド系化合物、天然アルコール系化合物、エチレンジアミン系化合物、第2級アルコールエトキシレート系化合物などが挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルカチオン系界面活性剤、アミド型4級カチオン系界面活性剤、エステル型4級カチオン系界面活性剤などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミンオキサイド系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤などが挙げられる。
【0029】
前記表面被覆材料における前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面被覆材料に対して、質量比で500ppm以下(前記表面被覆材料100質量部に対して0.05質量部以下)が好ましい。前記含有量の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面被覆材料に対して、質量比で1ppm以上が好ましい。前記含有量が、500ppmを超えると、前記金属配線と前記絶縁膜の界面に前記表面被覆材料が浸透し、密着不良などの弊害を発生されることがある。前記含有量が、前記好ましい範囲内であると、密着不良を発生させることなく、前記絶縁膜と前記表面被覆材料とのミキシングを促進できる点で有利である。
【0030】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0031】
前記表面被覆材料の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶液、コロイド液、エマルジョン液などが挙げられる。これらの中でも、表面被覆材料の塗布性の点で、水溶液が好ましい。
【0032】
<積層体>
前記積層体としては、前記積層体の表面に露出した絶縁膜及び前記積層体の表面に露出したパターニングされた金属配線を有する積層体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材と、前記積層体の表面に露出した絶縁膜と、前記積層体の表面に露出したパターニングされた金属配線とを少なくとも有し、更に必要に応じてその他の部材を有する積層体が挙げられる。
【0033】
−基材−
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコンウエハ、金属酸化膜、絶縁性を有する樹脂基板、セラミック基板などが挙げられる。
【0034】
前記絶縁性を有する樹脂基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、フッ素樹脂基板、銅張積層板、RCC(Resin Coated Copper Foil:樹脂付銅箔)基板などが挙げられる。
【0035】
−絶縁膜−
前記絶縁膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機絶縁材料からなる絶縁膜が挙げられる。
前記絶縁膜は、連続膜であってもよく、パターニングされた絶縁膜であってもよい。
【0036】
−−有機絶縁材料−−
前記有機絶縁材料の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などが挙げられる。
【0037】
前記絶縁膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、スピンコート法などが挙げられる。
【0038】
前記絶縁膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0039】
−金属配線−
前記金属配線としては、パターニングされた金属配線であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、銅配線が好ましい。
前記金属配線をパターニングする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レジスト材料を用いた公知のパターン形成方法を用いることができる。
前記金属配線の幅、厚み、配線間距離(スペース)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0040】
前記積層体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材上に前記絶縁膜が形成され、その絶縁膜上にパターニングされた前記金属配線が形成されている構造、パターニングされた前記金属配線と前記金属配線間に配置された前記絶縁膜とが前記基材上に形成されている構造などが挙げられる。
【0041】
<塗布>
前記塗布をすることで、前記絶縁膜の表面に被膜を形成することができる。前記被膜は、前記絶縁膜と前記表面被覆材料とが相互作用してなる被膜(ミキシング被膜)であることが好ましい。
前記塗布により前記絶縁膜の表面に前記被膜を形成する際に、前記絶縁膜上に存在する導電性の不純物は、前記被膜により覆われる。即ち、前記絶縁膜上に存在していた導電性の不純物は、前記被膜中に存在することになる。その結果、前記金属配線にバリア層を形成するための無電解めっきをした際の、前記導電性の不純物の存在に起因する前記絶縁膜上のめっきの異常成長を抑制することができ、短絡(ショート)を防止することができる。
なお、前記導電性の不純物は、前記金属配線の作製の際のエッチング、及びCMP(化学機械研磨)において発生すると考えられる。
【0042】
前記塗布の方法としては、前記基材の少なくとも前記絶縁膜の表面を覆うように塗布する方法であれば、特に制限はなく、公知の方法の中から、適宜選択することができ、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、スピンコート法などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
−加熱−
前記塗布の後には、加熱することが好ましい。
前記加熱の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱の温度、及び時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱をすることで、ミキシングを促進することができる。
【0044】
−水洗−
前記塗布の後には、水洗をすることが好ましい。前記水洗は、前記加熱の後にすることが好ましい。
前記水洗をすることで、前記塗布された前記表面被覆材料のうち、前記絶縁膜と相互作用(ミキシング)していない部分乃至相互作用(ミキシング)が弱い部分が溶解除去される。また、前記塗布の際に前記金属配線上に付与された前記表面被覆材料を溶解除去できる。
前記水洗としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、純水を用いて行うことが好ましい。
【0045】
前記表面被覆方法が適用された前記基材の前記金属配線には、更に無電解めっきが行われることが好ましい。前記無電解めっきを行うことで、前記金属配線にはバリア層が形成され、前記金属配線からの金属イオンのマイグレーションを防止することができる。
【0046】
前記表面被覆方法の一例を図1A〜図1Dを参照して説明する。
図1Aは、基材1上に絶縁膜2と金属配線と3が形成された状態を示す概略断面図である。図1Aに示すように、絶縁膜2上には、導電性の不純物4が存在している。この導電性の不純物4は、通常、金属配線3を形成する際に発生する。続いて、図1Bに示すように、絶縁膜2の表面に表面被覆材料5を塗布する。続いて、表面被覆材料5及び絶縁膜2を加熱すると、絶縁膜2と表面被覆材料5とが相互作用(ミキシング)を起こし、図1Cに示すような被膜(ミキシング被膜)6を形成し、更に水洗することにより、絶縁膜2と相互作用していない表面被覆材料5が溶解除去される。続いて、無電解めっきを行うことにより、図1Dに示すように、金属配線3の表面にバリア層となるめっき層7が形成される。
【0047】
(半導体装置、及び実装回路基板)
本発明の半導体装置は、少なくとも絶縁膜及びパターニングされた金属配線を有する積層体と、被膜と、めっき層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の実装回路基板は、少なくとも絶縁膜及びパターニングされた金属配線を有する積層体と、被膜と、めっき層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記被膜は、本発明の前記表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜である。
前記めっき層は、前記金属配線の表面に形成されためっき層である。
【0048】
<積層体>
前記積層体としては、絶縁膜及びパターニングされた金属配線を有する積層体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材と、絶縁膜と、パターニングされた金属配線とを少なくとも有し、更に必要に応じてその他の部材を有する積層体が挙げられる。
【0049】
−基材−
前記半導体装置の前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコンウエハ、金属酸化膜などが挙げられる。
前記実装回路基板の前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁性を有する樹脂基板、セラミック基板などが挙げられる。
【0050】
前記絶縁性を有する樹脂基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板、フッ素樹脂基板、銅張積層板、RCC(Resin Coated Copper Foil:樹脂付銅箔)基板などが挙げられる。
【0051】
−絶縁膜−
前記絶縁膜としては、前記表面被覆方法の説明において記載した前記絶縁膜が挙げられる。
【0052】
−金属配線−
前記金属配線としては、前記表面被覆方法の説明において記載した前記金属配線が挙げられる。
【0053】
<半導体装置の製造方法、及び実装回路基板の製造方法>
前記半導体装置の製造方法の一例について説明する。
前記半導体装置の製造方法としては、少なくとも被膜を形成する工程と、めっき層を形成する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む製造方法が挙げられる。
【0054】
前記実装回路基板の製造方法の一例について説明する。
前記実装回路基板の製造方法としては、少なくとも被膜を形成する工程と、めっき層を形成する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む製造方法が挙げられる。
【0055】
−被膜を形成する工程−
前記被膜を形成する工程としては、前記表面被覆方法により前記積層体の少なくとも前記絶縁膜の表面に前記被膜を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0056】
−めっき層を形成する工程−
前記めっき層を形成する工程としては、前記被膜を形成する工程の後の工程であって、前記積層体の表面に露出したパターニングされた前記金属配線の表面に、無電解めっきによりめっき層を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0057】
−−無電解めっき−−
前記無電解めっきとしては、前記金属配線をめっきできる無電解めっきであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解ニッケル−リンめっき、無電解金めっき、無電解銀めっき、無電解錫めっきなどが挙げられる。
【0058】
前記無電解めっきの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0059】
−その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属配線をパターニングする工程、絶縁膜を形成する工程などが挙げられる。
【0060】
−−金属配線をパターニングする工程−−
前記金属配線をパターニングする工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レジストパターン形成工程と、パターニング工程とを含む工程が挙げられる。
【0061】
−−−レジストパターン形成工程−−−
前記レジストパターン形成工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のレジスト材料を用いてレジストパターンを形成する工程が挙げられる。
【0062】
前記レジスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ネガ型、ポジ型のいずれであってもよく、例えば、g線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、Fエキシマレーザ、電子線等でパターニング可能なg線レジスト、i線レジスト、KrFレジスト、ArFレジスト、Fレジスト、電子線レジストなどが挙げられる。これらは、化学増幅型であってもよいし、非化学増幅型であってもよい。これらの中でも、KrFレジスト、ArFレジスト、アクリル系樹脂を含んでなるレジストなどが好ましく、より微細なパターニング、スループットの向上等の観点からは、解像限界の延伸が急務とされているArFレジスト、及びアクリル系樹脂を含んでなるレジストの少なくともいずれかがより好ましい。
【0063】
前記レジスト材料の具体例としては、ノボラック系レジスト、PHS系レジスト、アクリル系レジスト、シクロオレフィン−マレイン酸無水物系(COMA系)レジスト、シクロオレフィン系レジスト、ハイブリッド系(脂環族アクリル系−COMA系共重合体)レジストなどが挙げられる。これらは、フッ素修飾などがされていてもよい。
【0064】
前記レジストパターンの大きさ、厚みなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、特に厚みについては、加工対象である被加工面、エッチング条件などにより適宜決定することができるが、一般に100nm〜500nm程度である。
【0065】
−−−パターニング工程−−−
前記パターニング工程としては、前記レジストパターン形成工程により形成した前記レジストパターンをマスクとして(マスクパターン等として用いて)エッチング又はめっきを行うことによりパターニングされた前記金属配線を形成する工程である。
前記エッチングを行う際の前記レジストパターンが形成される被形成面としては、例えば、金属膜が挙げられる。前記エッチングにより、前記金属膜がエッチングされ前記レジストパターンをマスクとしたパターニングが行われる。
前記めっきは、前記レジストパターンの間のスペース部に行われる。
【0066】
−−絶縁膜を形成する工程−−
前記絶縁膜を形成する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0067】
前記半導体装置の製造方法、及び前記実装回路基板の製造方法においては、前記金属配線をパターニングする工程、前記絶縁膜を形成する工程、前記被膜を形成する工程、前記めっき層を形成する工程を繰り返すことにより、前記金属配線及び前記絶縁膜が多層に積層された半導体装置、及び実装回路基板を製造することができる。
【0068】
前記半導体装置、及び前記実装回路基板は、前記被膜を形成する工程の後に、前記めっき層を形成する工程を行い製造されることにより、前記絶縁膜上に存在する導電性の不純物が、前記被膜により覆われた(即ち、導電性の不純物が前記被膜中に存在する)後にめっきが行われる。その結果、前記金属配線にバリア層を形成するための無電解めっきをした際の、前記導電性の不純物の存在に起因する前記絶縁膜上のめっきの異常成長を抑制することができる。そのため、前記めっきの異常成長による短絡(ショート)が防止された半導体装置、及び実装回路基板を得ることができる。
【0069】
前記半導体装置の具体例としては、例えば、フラッシュメモリ、DRAM、FRAM(登録商標)などが挙げられる。
【0070】
前記実装回路基板の具体例としては、例えば、ビルドアップ多層配線板、MCM(マルチチップモジュール)基板などが挙げられる。
【実施例】
【0071】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
【0072】
(製造例1)
<Cu配線1の作製>
図2Fに示すような絶縁膜2とパターニングされたCu配線10が形成された基材1を作製した。作製方法を以下に示す。初めに、ポリイミド前駆体溶液(PIX−3400、日立化成工業社製)を基材1上にスピンコートし、125℃で2分間プリベークした後、350℃で1時間加熱を行い、図2Aに示すような、ポリイミドからなる厚み5μmの絶縁膜2が形成された基材1を用意した。続いて、図2Bに示すように、Cuからなる厚み100nmのシード層8をスパッタリングにより絶縁膜2上に形成した。続いて、ポジ型ノボラックレジストを用いて公知のレジストパターン形成方法により、図2Cに示すような、シード層8上にパターン状のレジスト膜9(厚み10μm、ハーフピッチ5μmのL/S)を形成した。続いて、電解めっきにより、図2Dに示すような、レジスト膜9間に厚み8μmのCu配線10を形成した。続いて、70℃のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に10分間浸漬することにより、図2Eに示すように、レジスト膜9を剥離した。続いて、室温にて硫酸水素塩を含む水溶液に浸漬することで、シード層8をエッチングすることにより、図2Fに示すような、絶縁膜2とパターニングされたCu配線10とが形成された基材1を作製した。
【0073】
(製造例2)
<Cu配線2の作製>
図3Gに示すようなパターニングされた絶縁膜2とパターニングされたCu配線10とが形成された基材1を作製した。作製方法を以下に示す。初めに、有機絶縁膜形成材料(Honeywell社製、ACCUGLASS 512B)を基材1上にスピンコートし、100℃で1分間プリベークした後、300℃で1時間加熱を行い、図3Aに示すような、ポリシロキサンからなる厚み0.5μmの絶縁膜2が形成された基材1を用意した。続いて、ポジ型の化学増幅型レジストを用いて公知のレジストパターン形成方法により、図3Bに示すような、絶縁膜2上にパターン状のレジスト膜9(厚み0.8μm、ハーフピッチ0.4μmのL/S)を形成した。続いて、レジスト膜9をマスクとしてCFガスを用いてドライエッチングを行い、図3Cに示すような、パターニングされた絶縁膜2を形成した。続いて、70℃のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に10分間浸漬することにより、図3Dに示すように、レジスト膜9を剥離した。続いて、図3Eに示すように、Cuからなる厚み100nmのシード層8をスパッタリングにより絶縁膜2上に形成した。続いて、図3Fに示すように、電解めっきによりシード層8上にCu膜10aを形成した。続いて、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法によりCu膜10a、及び絶縁膜2上のシード層8を除去し、図3Gに示すようなパターニングされた絶縁膜2とパターニングされた厚み0.45μmのCu配線10が形成された基材1を作製した。
【0074】
(調製例)
<表面被覆材料及び比較材料の調製>
表1に示す組成を有する表面被覆材料A〜Z、及び比較材料a〜bを調製した。
表1において、「PVA/30%アセタール化」は、ポリビニルアセタール(エスレック K、積水化学社工業社製)を表し、「PVA」は、ポリビニルアルコール(PVA−205C、クラレ社製)を表し、「PVP」は、ポリビニルピロリドン(クラレ社製)を表し、「PHS」は、ポリヒドロキシスチレン(VP ポリマー、日本曹達社製)を表し、「ウリル」は、テトラメトキシメチルグリコールウリル(東京化成工業社製)を表し、「ユリア」は、N,N’−ジメトキシメチルジメトキシエチレンユリア(三和ケミカル社製)を表し、「メラミン」は、ヘキサメトキシメチルメラミン(東京化成工業社製)を表し、「NMP」は、N−メチル−2−ピロリドンを表し、「γ−BL」は、γ−ブチロラクトンを表し、「TN−80」は、非イオン性界面活性剤(ADEKA社製、第1級アルコールエトキシレート系界面活性剤)を表し、「PC−8」は、多核フェノールエトキシレート系界面活性剤(旭電化社製)を表し、「水」は、純水を表す。シュウ酸、ギ酸及びグルコースは、いずれも関東化学社製の材料を用いた。
【0075】
【表1】

【0076】
表1中、括弧「( )」内の数値は、質量部を表す。
【0077】
(実施例1〜26、及び比較例1〜3)
<表面被覆、及び無電解めっき>
調製例で調製した上記材料(表面被覆材料及び比較材料)を、製造例1で作製した絶縁膜及びCu配線が形成された基材上、並びに製造例2で作製した絶縁膜及びCu配線が形成された基材上にそれぞれ2,100rpmでスピンコートし、150℃で180秒間のベーク処理を行った。続いて、純水を用いて水洗を30秒間行い、絶縁膜と相互作用(ミキシング)していない前記材料を除去した。続いて、Cu配線表面に対して、無電解ニッケル−リンめっき液を用い70℃で処理を行い、厚み50nmの無電解ニッケル−リンめっきを行った。
無電解めっき後に、SEM(走査型電子顕微鏡)観察を行い、異常めっき成長によって絶縁膜表面に現れた異物の1μm当りの個数を数えた。結果を以下に示す。
【0078】
【表2】

【0079】
表2中、「Cu配線1」は、製造例1で作製したCu配線が形成された基材を示し、「Cu配線2」は、製造例2で作製したCu配線が形成された基材を示す。
表2中、比較例1は、表面被覆材料及び比較材料のいずれも塗布せず、Cu配線表面に対して厚み50nmの無電解ニッケル−リンめっきを行った場合の結果を示す。
表2中、「−」は、試験を行っていないことを示す。
【0080】
表2の結果から、実施例1〜26は、表面被覆材料を塗布していない比較例1と比べて、異物個数が減少して良好な結果が得られた。なお、実施例1、7、及び9においても、異物の減少量が他の実施例に比べ小さいものの、ショートなどの不良、及び信頼性の低下の抑制の点からは十分な効果が得られている。
一方、比較材料を用いた比較例2〜3は、異物個数が比較例1とほとんど変わっていなかった。これは、比較材料が、絶縁膜と相互作用(ミキシング)を起こしておらず、水洗により流れ、絶縁膜表面を被覆できていないためと考えられる。
【0081】
実施例において、表面被覆材料が架橋剤を含有しない場合よりも、表面被覆材料が架橋剤を表面被覆材料に対して0.1質量%〜20質量%含有する場合の方がより良好な結果が得られた。
また、水溶性樹脂の量が、表面被覆材料に対して0.2質量%〜30質量%の場合に、より良好な結果が得られた。
また、有機溶剤が、表面被覆材料に対して0.1質量%〜30質量%の場合に、より良好な結果が得られた。実施例9では、表面被覆材料にわずかな相分離が起こっており、塗布ムラが生じたものの、異物個数は減少しており良好な結果が得られた。
【0082】
<抵抗評価>
表面被覆の前後における、銅配線(Cu配線)の酸化度合いを抵抗値の測定により確認した。具体的には、実施例2及び20〜26の材料B及びT〜Zを用い、前記Cu配線1に前述と同様にして表面被覆を行った。前記Cu配線1に表面被覆を行った時から6時間経過した後、Cu配線端に直径10μm、高さ20μmのCuビアを1cm離して2箇所形成し、両Cuビア間の抵抗値をミリオームメータ 4338B(アジレント・テクノロジー社製)を用いて測定した。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】

【0084】
酸化防止剤を含有しない材料BでCu配線の表面被覆を行った場合は、Cu配線の酸化による抵抗値の上昇がみられたが、酸化防止剤を含有する材料T〜ZではCu配線の酸化が抑制されることが確認された。
【0085】
(実施例27)
<半導体装置の作製>
図4Aに示すように、シリコン基板11上にポリシロキサンからなる層間絶縁膜12を形成し、図4Bに示すように、層間絶縁膜12上にスパッタリング法によりチタン膜13を形成した。次に、図4Cに示すように、公知のフォトリソグラフィー技術を用いてレジストパターン14を形成し、これをマスクとして用い、反応性イオンエッチングによりチタン膜13をパターニングして開口部15aを形成した。引き続き、反応性イオンエッチングによりレジストパターン14を除去するととともに、図4Dに示すように、チタン膜13をマスクにして層間絶縁膜12に開口部15bを形成した。
【0086】
次に、チタン膜13をウェット処理により除去し、図4Eに示すように層間絶縁膜12上にTiN膜16をスパッタリング法により形成し、続いて、TiN膜16上にCu膜17を電解めっき法で成膜した。次いで、図4Fに示すように、CMPにて開口部15b(図4D)に相当する溝部のみにバリアメタルとCu膜(第一の金属膜)を残して平坦化し、第一層の配線17aを形成した。
【0087】
次に、図4Gに示すように、調製例で調製した表面被覆材料Bを層間絶縁膜12上に塗布し、加熱及び水洗を行い、被膜22により層間絶縁膜12を被覆した。
次に、図4Hに示すように、無電解めっきを行い、第一層の配線17a上にニッケル−リンめっき膜23を形成した。
【0088】
次いで、図4Iに示すように、第一層の配線17aの上に層間絶縁膜18を形成した後、図4B〜図4Hと同様にして、図4Jに示すように、第一層の配線17aを後に形成する上層配線と接続するCuプラグ(第二の金属膜)19、TiN膜16a、表面被覆材料22及びニッケル−リンめっき膜23を形成した。
【0089】
上述の各工程を繰り返すことにより、図4Kに示すように、シリコン基板11上に第一層の配線17a、第二層の配線20、及び第三層の配線21を含む多層配線構造を備えた半導体装置を製造した。なお、図4Kにおいては、各層の配線の下層に形成したバリアメタル層、表面被覆材料膜、及びニッケル−リンめっき膜は、図示を省略した。
層間絶縁膜12は、誘電率2.7以下の低誘電率膜であり、例えば、多孔質シリカ膜(「セラメート NCS」;触媒化成工業製、誘電率2.25)、CとCとの混合ガス若しくはCガスをソースとして用い、これらをRFCVD法(パワー400W)により堆積形成したフルオロカーボン膜(誘電率2.4)などである。
【0090】
(実施例28)
<実装回路基板の作製>
図5Aに示すように、ガラスエポキシ基板31上にポリイミドからなる絶縁膜32を形成し、図5Bに示すように、絶縁膜32上にスパッタリング法によりCuからなるシード層33を形成した。次に、図5Cに示すように、公知のフォトリソグラフィー技術により開口部35が設けられたレジストパターン34を形成した。次に、図5Dに示すように、電解めっきにより開口部35にCuパターン36を形成した。次に、図5Eに示すように、レジストパターン34を剥離し、更に図5Fに示すように、シード層33をエッチングし、Cu配線37を形成した。
次いで、図5Gに示すように、調製例で調製した表面被覆材料Bを絶縁膜32上に塗布し、加熱及び水洗を行い、被膜38により絶縁膜32を被覆した。
次いで、図5Hに示すように、無電解めっきを行い、Cu配線37上にニッケル−リンめっき膜39を形成し、実装回路基板を作製した。
【0091】
本発明の表面被覆方法は、配線や絶縁膜へのダメージを与えることなく、絶縁膜上の導電性の不純物によるめっきの異常成長を抑制することができ、更にはショートなどの不良、及び信頼性の低下を抑制することができることから、半導体装置の製造や実装回路基板の製造に好適に適用することができる。
本発明の半導体装置は、ショートなどの不良、及び信頼性の低下を抑制することができることから、フラッシュメモリ、DRAM、FRAMを初めとする各種半導体装置に好適に用いることができる。
本発明の実装回路基板は、ショートなどの不良、及び信頼性の低下を抑制することができることから、ビルドアップ多層配線板、MCM(マルチチップモジュール)基板などに好適に用いることができる。
【0092】
以上の実施例1〜28を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)水溶性樹脂、有機溶剤、及び水を含有する表面被覆材料を、表面に露出した絶縁膜及び表面に露出したパターニングされた金属配線を有する積層体の少なくとも前記絶縁膜の表面を覆うように塗布し、前記絶縁膜の表面に被膜を形成することを特徴とする表面被覆方法。
(付記2)前記表面被覆材料が、更に架橋剤を含有する付記1に記載の表面被覆方法。
(付記3)前記表面被覆材料における前記架橋剤の含有量が、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部である付記2に記載の表面被覆方法。
(付記4)前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、フェノール性水酸基含有樹脂、及びカルボキシル基含有樹脂から選択される少なくともいずれかである付記1から3のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記5)前記架橋剤が、メラミン誘導体、ユリア誘導体、及びウリル誘導体から選択される少なくともいずれかである付記2から4のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記6)前記表面被覆材料における前記水溶性樹脂の含有量が、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部である付記1から5のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記7)前記表面被覆材料における前記水溶性樹脂の含有量が、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.2質量部〜30質量部である付記1から6のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記8)前記有機溶剤が、アルコール系有機溶剤、鎖状エステル系有機溶剤、環状エステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、鎖状エーテル系有機溶剤、環状エーテル系有機溶剤、及びアミン系有機溶剤から選択される少なくともいずれかである付記1から7のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記9)前記表面被覆材料が、更に酸化防止剤を含有する付記1から8のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記10)前記酸化防止剤が、カルボン酸及び糖類の少なくともいずれかである付記9に記載の表面被覆方法。
(付記11)前記カルボン酸が、シュウ酸及びギ酸の少なくともいずれかである付記10に記載の表面被覆方法。
(付記12)前記糖類が、グルコースである付記10に記載の表面被覆方法。
(付記13)前記表面被覆材料における前記酸化防止剤の含有量が、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜40質量部である付記9から12のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記14)前記表面被覆材料が、更に界面活性剤を含有する付記1から13のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記15)前記絶縁膜が、有機絶縁材料からなる絶縁膜である付記1から14のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記16)前記表面被覆材料が、水溶液である付記1から15のいずれかに記載の表面被覆方法。
(付記17)前記絶縁膜、及びパターニングされた前記金属配線を有する積層体と、
付記1から16のいずれかに記載の表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜と、
前記金属配線の表面に形成されためっき層と、を有することを特徴とする半導体装置。
(付記18)前記絶縁膜、及びパターニングされた前記金属配線を有する積層体と、
付記1から16のいずれかに記載の表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜と、
前記金属配線の表面に形成されためっき層と、を有することを特徴とする実装回路基板。
(付記19)少なくとも付記1から16のいずれかに記載の表面被覆方法により積層体の少なくとも絶縁膜の表面に被膜を形成する工程と、
前記被膜を形成する工程の後の工程であって、前記積層体の表面に露出したパターニングされた金属配線の表面に、無電解めっきによりめっき層を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記20)少なくとも付記1から16のいずれかに記載の表面被覆方法により積層体の少なくとも絶縁膜の表面に被膜を形成する工程と、
前記被膜を形成する工程の後の工程であって、前記積層体の表面に露出したパターニングされた金属配線の表面に、無電解めっきによりめっき層を形成する工程と、を含むことを特徴とする実装回路基板の製造方法。
【符号の説明】
【0093】
1 基材
2 絶縁膜
3 金属配線
4 導電性の不純物
5 表面被覆材料
6 被膜(ミキシング被膜)
7 めっき層
8 シード層
9 レジスト膜
10a Cu膜
10 Cu配線
11 シリコン基板
12 層間絶縁膜
13 チタン膜
14 レジストパターン
15a、15b 開口部
16、16a TiN膜
17 Cu膜
17a 第一層の配線
18 層間絶縁膜
19 Cuプラグ
20 第二層の配線
21 第三層の配線
22 表面被覆材料膜
23 ニッケル−リンめっき膜
31 ガラスエポキシ基板
32 絶縁膜
33 シード層
34 レジストパターン
35 開口部
36 Cuパターン
37 Cu配線
38 被膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性樹脂、有機溶剤、及び水を含有する表面被覆材料を、表面に露出した絶縁膜及び表面に露出したパターニングされた金属配線を有する積層体の少なくとも前記絶縁膜の表面を覆うように塗布し、前記絶縁膜の表面に被膜を形成することを特徴とする表面被覆方法。
【請求項2】
前記表面被覆材料が、更に架橋剤を含有する請求項1に記載の表面被覆方法。
【請求項3】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、フェノール性水酸基含有樹脂、及びカルボキシル基含有樹脂から選択される少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項4】
前記架橋剤が、メラミン誘導体、ユリア誘導体、及びウリル誘導体から選択される少なくともいずれかである請求項2から3のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項5】
前記表面被覆材料における前記水溶性樹脂の含有量が、前記表面被覆材料100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部である請求項1から4のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項6】
前記有機溶剤が、アルコール系有機溶剤、鎖状エステル系有機溶剤、環状エステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、鎖状エーテル系有機溶剤、環状エーテル系有機溶剤、及びアミン系有機溶剤から選択される少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項7】
前記表面被覆材料が、更に酸化防止剤を含有する請求項1から6のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項8】
前記酸化防止剤が、カルボン酸及び糖類の少なくともいずれかである請求項7に記載の表面被覆方法。
【請求項9】
前記カルボン酸が、シュウ酸及びギ酸の少なくともいずれかである請求項8に記載の表面被覆方法。
【請求項10】
前記糖類が、グルコースである請求項8に記載の表面被覆方法。
【請求項11】
前記表面被覆材料における前記酸化防止剤の含有量が、前記表面被覆材料100質量部に対して、0.1質量部〜40質量部である請求項7から10のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項12】
前記表面被覆材料が、更に界面活性剤を含有する請求項1から11のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項13】
前記絶縁膜が、有機絶縁材料からなる絶縁膜である請求項1から12のいずれかに記載の表面被覆方法。
【請求項14】
前記絶縁膜、及びパターニングされた前記金属配線を有する積層体と、
請求項1から13のいずれかに記載の表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜と、
前記金属配線の表面に形成されためっき層と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
前記絶縁膜、及びパターニングされた前記金属配線を有する積層体と、
請求項1から13のいずれかに記載の表面被覆方法により前記絶縁膜の表面に形成された被膜と、
前記金属配線の表面に形成されためっき層と、を有することを特徴とする実装回路基板。


【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図3F】
image rotate

【図3G】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図4G】
image rotate

【図4H】
image rotate

【図4I】
image rotate

【図4J】
image rotate

【図4K】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図5G】
image rotate

【図5H】
image rotate


【公開番号】特開2012−164967(P2012−164967A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−278420(P2011−278420)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】