袋付き丸編みニット製品
【課題】 袋を有しつつ、製品本体の伸縮性には影響を与えることがないようにする。
【解決手段】 サポータは、製品本体(サポータ本体)1から連続する丸編みニットで開口部を有する袋P1が形成され、この袋P1に関節を保護するパッド(収納部品)6が収納され、袋P1の開口部が袋生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体1の内側に配されている。
【解決手段】 サポータは、製品本体(サポータ本体)1から連続する丸編みニットで開口部を有する袋P1が形成され、この袋P1に関節を保護するパッド(収納部品)6が収納され、袋P1の開口部が袋生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体1の内側に配されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、背広やワイシャツ等には、所定箇所にポケットが設けられている。また、ズボンやスカート等の丸編みニット製品にも所定箇所にポケットが設けられている。これらのポケットは、一般に、製品本体とは別の生地が使用されて製品本体に縫合される。
【0003】
一方、サポータには、膝や肘などの関節を保護するパッド(クッション材)や筋肉を押し付ける押圧部材を有するものや、筋肉などの所定箇所を押圧する押圧部材が所定箇所に設けられているものがある(特許文献1〜4等)。特許文献1はパッドを有するサポータであり、特許文献2はパッドの他に押圧部材を有するサポータであり、特許文献3はポケットを有するスポーツ用衣服であり、特許文献3は保温パッドが入れられた袋付き丸編みニット製品である。これらは、所定のポケット等のスペースを形成して入れられるものもあるが、筒状のサポータ本体の表面側や裏面側にパッドを当てて、その上から布で覆って、布とサポータ本体とを全体的に縫い合わせをするものも多い。
なお、靴下に関しては、靴下本体の脚部にポケットを形成したポケット付き靴下や(特許文献5)、ポケット付き靴下のポケットにプロテクタを挿入する提案がなされている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3108491号公報
【特許文献2】特開2008−173179号公報
【特許文献3】特開2007−107176号公報
【特許文献4】特開2003−73909号公報
【特許文献5】実開昭59−37307号公報
【特許文献6】特開平10−280202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、製品本体の外側にポケットを縫合により形成するときは、製品本体にポケットを取り付ける開口部を形成してから、ポケットの取り付け作業が別工程で必要になり、縫合の仕方によっては、製品本体やポケットにシワ等を発生させる場合がある。また、衣類には、磁気作用や遠赤外線作用を発揮させるような小物(収納部品)が入れられるポケットを備えるものがあるが、ポケットに収納する収納部品(小物)によっては伸縮性が異なることが良い場合がある。例えば、膝や肘等の関節を保護するパッドが設けられているものでは、パッドの移動を防止するために、その伸縮性でパッドを移動しないようにすることが好ましい。また、スパッツや肌着等では締め付け力が部分的に異なるものが発揮されるテーピング効果を有するものが開発されているが、そこにポケットを設けると、その部分的に異なる締め付け力が発揮されなくなる場合がある。
一方、パッドを有するサポータの製造においては、パッドを膝蓋骨が当接する位置等に配置させる場合、上記従来公報のポケットを備えるものや、その位置にパッドを当てて、その上から布を重ねて、布の外周とサポータ本体とを縫合することが多い。しかし、このような作業では効率的でないばかりか、ポケットと衣類等の本体との各々の伸縮性は考慮されておらず、製品本体に対する伸縮性に悪影響を及ぼしてしまう問題を有する。すなわち、製品本体に形成したポケットにパッドを入れたり、製品本体にパッドを当ててから布で覆ってポケットの外周や布とサポータ本体とを全体的に縫い合わせてしまうと、サポータ本体の本来の伸縮性が発揮され難くなるという問題を有する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、製品本体の伸縮性には影響を与えることがないようにする袋付き丸編みニット製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の袋付き丸編みニット製品は、製品本体が丸編みニットで筒状に形成され人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品において、製品本体から連続する丸編みニットで開口部を有する袋が形成され、この袋に所定の収納部品が収納され、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体の内側に配されていることを特徴とする。ここで、本願における袋とは、収納部品を収納して袋の口を閉じるように作ったものを指しており、開口部を有するポケットとは、異なるものとして取り扱う。
本発明によれば、袋が製品本体から連続する丸編み機等による丸編みニットでポケット状に一度に形成される。また、この袋は製品本体の内側に配されているので、袋に小物類(収納部品)を入れても、外部からは認識し難くなる。そして、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合されるとともに、開口部以外ではポケット状の袋が製品本体と縫合されていないことにより(連結されていないことにより、つまり縫合部がない。)、袋の存在が製品本体の伸縮性には影響を与えることが少ないものとなる。
【0008】
本発明としては、前記製品本体の丸編みニットと前記袋の丸編みニットとで伸縮性が異なる糸を使用するか又は伸縮性が異なる編み方で形成されていることが好ましい。ここで、伸縮性が異なる編み方には、編み目の大きさ等を変えることによる編み方の他、例えば、袋が一重構造であって製品本体が多重構造であるような場合も含む。
本発明によれば、製品本体と袋の伸縮性が異なり、つまり製品本体は袋の伸縮性に左右され難いものとなる。また、例えば、袋に重い物が入れられる場合には、伸縮性の小さな糸や編み方で形成すれば、袋に重い物が入れられても、製品本体にシワ等を発生し難くすることができる。
【0009】
本発明は、前記所定の収納部品が、関節を保護するパッド、筋肉をその外部から押圧する押圧部材、凝りをほぐす磁石、保冷剤、保温剤、消臭剤、抗菌剤、防臭剤、香料等の臭い発散剤のうちのいずれか1種以上であることを特徴とする。ここで、磁石とは磁気作用を発揮するものを広く含み、保冷剤とは人体の一部からの発熱を抑えるために用いられる薬剤であって蓄冷剤とも称されるものであり、保温剤とは人体の一部に対する保温機能を有する薬剤であって恒久的(半永久的)なものを主に指し、香料等の臭い発散剤とは製品本体に香りをつけるために添加されるものであって香辛料、薫香料、化粧料や臭い袋を含むものである。
本発明によれば、パッド・押圧部材等の収納部品が袋に入れられて袋の口が縫合されているので、収納部品の位置がずれ難い。
【0010】
本発明としては、前記所定の収納部品が、関節を保護するパッドであるか、又は、筋肉をその外部から押圧する押圧部材であり、前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定間隔で複数配されているか、又は前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定形状で配されていることが好ましい。
本発明によれば、前記袋に収納されたパッドによって関節を効果的に保護することができる他、前記袋に収納された押圧部材によって筋肉をその外部から効果的に押圧することができる。
【0011】
本発明は、前記袋の先端側と製品本体とが一部連結されていることが好ましい。この場合には、前記袋と製品本体とで伸縮性が同じになるか、又、前記袋の方が製品本体よりもその伸縮性が小さいことが好ましい。前記袋と製品本体とで伸縮性が同じになる編み方には、編み目の大きさ等を同じにする編み方の他、例えば、袋と製品本体とで糸の種類を同じにしたり、袋が一重構造であって製品本体も一重構造であるような場合も含む。
本発明によれば、前記製品本体の丸編みニットの伸縮性が前記袋の丸編みニットの伸縮性と同じか大きいので、前記袋の先端側を製品本体に一部連結させても問題はなく、前記袋の位置ずれがし難く、前記袋に収納部品を入れるときにも入れ易くなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合され、開口部以外では袋が製品本体と縫合されていないことにより(連結されていないことにより)、袋の存在が製品本体の伸縮性に影響を与えることが少ないものになる。そして特に、パッドや押圧部材等の収納部品が袋に入れられていても、袋が製品本体と連結部以外では連結していないので、サポータ本体の伸縮力に影響がでることを少なくすることができる。すなわち、袋はその伸縮性がそのまま発揮され、製品本体はその伸縮性がそのまま発揮されることとなるので、伸縮性を重要な要素とするサポータに使用すると好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す断面図であり、図1(a)は袋の先端側とサポータ本体の内側とが連結されていない状態の断面図であり、図1(b)は袋の先端側とサポータ本体の内側とが一部連結されている状態の断面図である。
【図2】上記第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す図であり、図2(a)は上記丸編みサポータの正面図であり、図2(b)は上記丸編みサポータを裏返した状態の側面図であり、図2(c)は上記袋に収納させるパッドの正面図である。
【図3】上記第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの製造途中の状態を示す正面図である。
【図4】上記第1の実施形態の膝への装着状態を示す斜視図である。
【図5】上記第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの製造途中の状態を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す図であり、図6(a)は上記丸編みサポータの右側面図であり、図6(b)は上記丸編みサポータの左側面図であり、図6(c)は右側面側に配された袋に収納させる押圧部材の右側面図であり、図6(d)は左側面側に配された袋に収納させる押圧部材の左側面図である。
【図7】上記第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータの模式的な断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す斜視図である。
【図9】上記第3の実施形態の袋を有する丸編みサポータの模式的な断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を引用しながら説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した袋P1を有する丸編みサポータZ1を示す断面図である。図2は、丸編み機で製品本体1を製造した状態の図である。図2(a)は製品本体1の正面図であり、図2(b)は製品本体1を裏返した状態の側面図であり、図2(c)は袋P1に収納されるパッド6の正面図である。本実施の形態は、関節を保護するためのパッド6を有するサポータZ1である。このサポータZ1は、膝用のサポータであり、膝蓋骨を保護するためのパッド6が取り付けられている。
【0016】
本実施の形態の袋を有する丸編みサポータZ1は、サポータ本体(製品本体)1に設けられている袋P1にパッド6が収納されている。サポータ生地1の材質としては、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの繊維に、ゴム質の繊維が織り込まれたり、パイル加工が施されたり、これら繊維が多層構造とされる。パッド6は、衝撃を吸収するための緩衝材であり、ポリウレタン等の合成樹脂製のスポンジ(フォーム)からなる。パッド6は、上辺側が下辺側よりも長い矩形状(台形形状)であり、これによりパッド6を袋P1に入れ易くなっており、入れた後のパッド6が袋P1の形状に合うようになっている。
【0017】
本実施の形態のサポータ本体1は丸編み機で製造されるものであり、二重の円筒状に形成されている。サポータ本体1を二重の円筒状としたのは、内側には肌ざわりを考慮しつつ、表側には肌ざわりと見栄えを考慮する必要があることと、二重にして膝蓋骨周囲の膝部分を含めた脚部を十分に保護する必要があるからである。本実施の形態の袋P1は開口部Paを一つ有するものであり、上記丸編み機で一重のポケット状に形成されている。袋P1を一重のポケット状としたのは、袋P1がパッド6を収納させ易くするためである。本実施の形態では、サポータ本体1と袋P1で糸の種類を異ならせているが、同じ糸で二重から一重に変えて伸縮性が異なるようにしたり、編み目を形成するピッチを変更することによって、伸縮性が異なるようにすることが可能である。
【0018】
本実施の形態では、上記袋P1も丸編み機で形成されている。丸編み機は、手袋・靴下・Tシャツやポロシャツなどのカットソーの生地を丸く筒状に編んでいく機械である。一般に、丸編み機は、図示しないが、シリンダの外周に編針が筒状に配され、その上方側に円盤状のトランスファダイヤルが配され、この円盤状のトランスファダイヤルをシリンダと同期して回転させる構造となっている。
このような丸編み機では、上記サポータ本体1を袋P1が形成される位置まで丸編みニットで形成し、袋P1の形成に際しては、上記サポータ本体1の丸編みを一時中断しておきながら袋P1を丸編みニットで形成し、袋P1の丸編みが終了すると、一時中断していたサポータ本体1の残りの丸編みを行なうことで、連続的に、袋P1を有するサポータZ1を製造する。このように袋P1を製造すると、外部に袋P1が飛び出したような状態になる(図2(b))。この袋P1は、一方側Poと他方側Puとが連結部Psで連結される。符号Psは、袋P1の一方側ニットPoと他方側ニットPuとのニットのピッチ間隔でもある。この袋P1の形状は、その開口部Paから先端側Pbに向かって徐々にその径が縮まって行くポケット状である。この状態(裏返し状態)で丸編み形成したサポータ本体1をさらに裏返すことで、上記袋P1が裏側(内側)1bに配されることとなる(図2(a))。上記袋P1の大きさは、丸編み機で作られたときは、サポータZ1の正面側の大きさの1/4程度であるが、パッド6を収納すると、サポータZ1の正面側の大きさの1/2程度の大きさになる。上記袋Pの開口部Paは、サポータZ1の上方側に形成され、筒状のサポータ本体1の内側に配されて下方へと垂れ下がるようになる。
【0019】
本実施の形態の袋を有する丸編みニット製品Z1では、丸編み機で作られたときは、袋P1は筒状のサポータ本体1の外側に飛び出たように形成されるため、筒状のサポータ本体1を裏返すと、袋P1も筒状のサポータ本体1の裏側(内側)1bに位置する。この状態では、外部からは袋P1の開口部Paだけが認識できる状態となる(図3)。そして、開口部Paからパッド6を入れ、開口部Paを縫合する。パッド6は、長さの長い上辺側6aが上方で、短い下辺側6bが下方となるようにして袋P1に収納される(図2(a))。
【0020】
本実施の形態の袋P1は、サポータ本体1と同じ糸を使用した丸編みニットで連続的に形成しているが、袋P1の編み目をサポータ本体1の編み目よりも小さくして形成している。これにより、サポータ本体1よりも伸縮性が大きくなるようにしている。この袋P1の大きさは、膝蓋骨の大きさ程度の大きさであり、上記パッド6よりも小さい。これは、袋P1の大きさがパッド6よりも大きいと、袋P1の中でパッド6が移動するおそれがあるが、袋P1の大きさをパッド6よりも小さくすることで、袋P1の中でパッド6が移動することがない。本実施の形態の袋P1は、袋P1の開口部Paがサポータ生地1c間で縫合されている(図3、図4)。本実施の形態では、袋生地とサポータ生地(製品生地)とで糸が異なるものを使用しているので、袋生地かサポータ本体1の生地1cかの見極めは容易である。袋の生地Pcで縫合することも可能であるが(図5)、外部から袋生地Pcが見えると好ましくないことや、サポータ生地1cの伸縮性に悪影響を与えないようにするために、本実施の形態ではサポータ生地1c,1c間で縫合している。
上述の丸編み機で製造したサポータZ1を裏返すと図3に示す状態となり、この状態の袋P1の開口部Paからパッド6を入れて、開口部Paをサポータ本体1の生地1c,1c間で縫合する。符号N1は、このときの縫合部である。ここで、図5に示すように、パッド6を入れ易くするために、ポケット状の袋P1の先端側Pbをサポータ本体1と縫合した状態にしてから開口部Paを縫合しても良い。このときの袋P1の先端側Pbとサポータ本体1との縫合部N2は、そのまま残しても良いが、本実施の形態では、縫合部N2を除去して袋P1の先端側Pbとサポータ本体1とを連結させないことにより、サポータ本体1の伸縮性には影響を与えないようにしている(図1(a))。
【0021】
したがって、本実施の形態の袋を有する丸編みサポータZ1を膝に装着して使用する場合は、筒状の膝用サポータと同じように装着して使用する。このとき、袋P1はサポータ本体1と連結部(開口部Pa)以外では連結していないので、サポータ本体1の伸縮力に影響がでることは少ない。また、パッド6がパッド6よりも小さな袋P1に入れられているので、パッド6の位置がずれるようなこともない。当然ながら、袋P1の開口部Paが縫合されているので、パッド6が袋P1から飛び出すこともない。本実施の形態では、袋P1の糸はサポータ本体1の糸と異なるものが使用されている。よって、袋P1の開口部Paを縫合により閉塞するときは、サポータ本体1の生地を互いに縫合することで閉塞させている。これにより、サポータ本体1の伸縮性を発揮させるとともに、外見上も袋P1の生地(糸)Pcを見えなくしている。
【0022】
本実施の形態では、袋P1にパッド6を収納するときには、丸編み形成したサポータ本体1を裏返すことで、袋P1が筒状のサポータ本体1の内側1bに配される。その後、この内側1bの袋P1にパッド6を入れることが好ましい。上記丸編み形成した後の袋が外に飛び出した状態でパッドを入れることも可能であるが、パッド6が大きいとサポータ本体1の裏返しが難しくなる。本実施の形態によれば、丸編み形成したサポータ本体1を裏返した後に、サポータ本体1の内側1bの袋P1にパッド6を入れるので、パッド6の取り付け位置を確認しながら(ずれた場合は修正しながら)収納させることができる(図2(a))。そして、パッド6の収納に際しては、袋P1の先端側Pbをサポータ本体1に仮止め(仮縫い)しておいて(図5)、先端側Pbがずれないようにしてから収納しても良い。なお、仮縫い状態はそのままでも良いが、サポータ本体1の伸縮性を十分に発揮させるためには、仮縫いを外すことが好ましい。
【0023】
次に、本実施の形態の袋を有する丸編みニット製品Z1を膝に装着して使用する場合は、筒状の膝用サポータと同じように装着して使用する。このとき、袋P1は、下向きであるから、履くときに(装着するときに)、袋P1がめくり上がることがない。そして、袋P1はサポータ本体1と連結部(開口部Pa)以外では連結していないので、サポータ本体1の伸縮力はそのまま発揮される。すなわち、サポータ本体の表面側Phは、その動き(伸縮性:伸縮する方向を矢印で示す。)がその内側の袋P1には影響され難いものである(図1(a))。換言すると、袋P1の先端Pbがサポータ本体1と縫合されていないので、パッド6の位置を調節することもできる。他方、袋P1の先端がサポータ本体1と一部縫合されている場合については、サポータ本体1との縫合はこの先端側のみであるから、サポータ本体1の縦方向の伸縮性が制限されることが仮にあるとしても(図2(a)の符号Yの方向の伸縮性)、横方向の伸縮性には影響を与えることはない(図2(a)の符号Xの方向の伸縮性)。なお、図4に示すように、パッド6の下方の辺6bに沿うように袋P1とサポータ本体1とを連結させた場合(縫合部N2)においても、上記の作用が得られることについては問題ない。
【0024】
ここで、前記サポータ本体1の丸編みニットと前記袋の丸編みニットとで伸縮性が同じになる編み方で形成されている場合には、図1(b)に示すように、前記ポケット状の袋P1の先端側Pbとサポータ本体1とを縫合部N2にて一部連結させても、互いの伸縮性には影響を与えることがない。特に、本実施の形態では、開口部Paから先端側Pbに向かって徐々にその径が小さくなるポケット状の袋P1の先端側Pbのみを縫合部N2によって一部連結しているに過ぎないので、図中の符号X方向でもY方向でも各々サポータ本体1の伸縮性には影響がない。このような影響がない場合には、袋P1とサポータ本体1とで伸縮性が同じになる場合や、袋P1の方がサポータ本体1よりもその伸縮性が弱い場合も含まれる。
また、上記サポータ本体1が靴下のカットボス編みのように編まれている場合でも本発明が適用可能である。すなわち、カットボス編みとは、地糸の上に別の糸を重ねて編成する場合に、地糸からなる編地の部分的な領域に別の糸を編みこんで編成することをいうが、このような編み方によって、上記サポータ本体1をその部分的に締め付け力を変えることでき、このような場合にも本実施の形態では袋P1の存在が上記サポータ本体1の伸縮力に影響を与え難い構造であるから、上記サポータ本体1をその部分的に締め付け力を変えることの特徴がより発揮されることとなる。
【0025】
(第2の実施形態)
図6は、本発明を適用した第2の実施形態の袋P2を有する丸編みサポータZ2を示す図である。図6(a)は丸編みサポータZ2の右側面図であり、図6(b)は丸編みサポータZ2の左側面図であり、図6(c)は丸編みサポータZ2の右側面側に配された袋P2に収納させる押圧部材8を示しており、図6(d)は丸編みサポータZ2の左側面側に配された袋P2に収納させる押圧部材8を示している。図7は、右側面側と左側面側にそれぞれ配された袋P2を有する丸編みサポータZ2の模式的な断面図である。本実施の形態は、筋肉をその外部から押圧する押圧部材8が配されたサポータZ2である。このサポータZ2は、ふくらはぎ用のサポータであり、筋肉をその外部から押圧するための押圧部材8が取り付けられている。押圧部材8は、押圧する対象の筋肉の形状に対応させて「く」の字形状となっている。つまり、本実施の形態のサポータZ2を装着すると、脚の左右の筋肉に沿うように各々押圧部材8が配され、脚の左右の腱を保護することとなる。本実施の形態の袋P2を有する丸編みサポータZ2は、サポータ本体1に二つの袋P2が取り付けられ、この二つの袋P2に各々押圧部材8が入れられている。
上記押圧部材8としては、例えばコイルバネを扁平な棒形状とした部品(商品名がコイルボーン)を使用することができ、この場合には、各々押圧部材8が脚の左右の筋肉の動きに追従して「く」の字形状等に変形容易であることから、第2の実施形態の袋P2の形状を第1の実施形態の袋P1と同様に、略長方形状(略台形状)とする。また、押圧部材8が押圧部材8よりも小さな袋P2に入れられているので、押圧部材8の位置がずれるようなこともない。各々の袋P2の伸縮性は押圧部材8を収納して変形容易とさせる程度の伸縮性があれば足りる。丸編みサポータZ2の伸縮性は、サポータ本体1の伸縮性とほぼ等しくなる。
なお、図6(a)(b)では、パッド6も上述したように収納されている状態を例示しているが、本実施の形態ではパッド6はなくても良い。
【0026】
上述の丸編み機では、サポータ本体1から二つの袋P2を製造することができ、その袋P2の伸縮性をサポータ本体1と異ならせたり、袋P2を二重にしている。上述の丸編み機によれば、袋P2はいくつでも又大きさを自由に変えて形成可能である。
【0027】
本実施の形態では、上記二つの袋P2は、各々その開口部Paをサポータ本体1の互いの生地1cを縫合させているが、この開口部Pa以外はサポータ本体1とは連結されていないので、上記二つの各々の袋P2の伸縮性は確保される。つまり押圧部材8をその目的とする押圧力(加圧力)で身体の所定箇所(左右の腱)を加圧することができる。一方、サポータ本体1もその目的とする伸縮力を袋P2とは別に設定できるので、袋P2を有するがゆえに加圧力が弱くなるというようなことは生じ難くなる。なお、袋P2の生地Pcを縫合させることでサポータ本体1の伸縮性に影響を与えないようにすることも可能である。
【0028】
(第3の実施形態)
図8は、スキー用ジャケットZ3に本発明を適用した斜視図であり、図9は、このスキー用ジャケットZ3の模式的な断面図である。本実施の形態では、スキー用ジャケットZ3の肘の部分に収納部品であるパッド9が袋P3に入れて配されている。なお、スキー用ジャケットZ3の腕5の部分(製品本体4)は、上記丸編み機で筒状に形成されるもので、つまり二重の内側の製品本体4として形成され、この製品本体4に上記袋P3も上記丸編み機で連続して作られる。なお、外側6がナイロン素材等の防水機能を有する素材で覆われる。
【0029】
本実施の形態では、スキー用ジャケットZ3の腕5の肘部分に袋P3が設けられている。この袋P3は、その開口部Paから先端に向かって径が小さくなるポケット状であり、そのポケット状の先端側Pbが製品本体4と一部連結されている。そして、このポケット状の袋P3にパッド9が入れられている。本実施の形態のパッド9は、サポータのように伸縮性を強くするようにしたものではなく、転倒したときの人体への衝撃を緩和する緩衝用であることが主な役割であり、袋P3に余裕をもって入れられていても問題はない。したがって、袋P3の先端側Pbが製品本体4と一部連結されていても、製品本体4の符号Y方向での伸縮性に与える影響はほとんどない。なお、製品本体4の符号X方向での伸縮性に与える影響もないということができる程である。
【0030】
(他の実施例1)
図10は、本発明の第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図である。ここで同質の部材については、同一の符号を付すことでその説明を一部省略する。本実施例は腹巻Z4であり、腹巻Z4の背面側の内側に背骨の左右を保護するためのパッド6が袋P1に収納されて取り付けられている。本実施例では、腹巻Z4を装着したときに、複数の袋P1が背骨を間に挟むように所定間隔で左右に配されており、かつ、背骨に沿うように所定間隔で上下に配されることで、背骨の左右を保護する。本実施例では、背骨の左右を保護するためのパッド6が袋P1に収納されているとしたが、パッド6に代えて、凝りをほぐす磁石や保温剤等の収納部品6を袋P1に収納してもよい。前記収納部品6として、関節を保護するパッド、筋肉をその外部から押圧する押圧部材、凝りをほぐす磁石、保冷剤、保温剤、消臭剤、抗菌剤、防臭剤、香料等の臭い発散剤のうちのいずれか1種以上とすることができ、これらのうち複数の組み合わせとすることも可能である。
【0031】
(他の実施例2)
図11は、本発明の第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図であり、装着状態を示している。ここで同質の部材については、同一の符号を付すことでその説明を一部省略する。本実施例は足首用サポータZ5であり、足の左右のくるぶしを保護するための1組のパッド6がそれぞれサポータ本体1の側面中央付近の内側に配された左右1組の袋P1に収納されて取り付けられている。また、足の左右の裏側付近を押圧するための1組の押圧部材8がそれぞれサポータ本体1の側面下側付近の内側に配された左右1組の袋P2に収納されて取り付けられている。本実施例では、足首用サポータZ5を装着したときに、複数の袋P1が左右のくるぶしを保護し、かつ、複数の袋P2が足の左右の裏側付近を押圧する。
【0032】
上述した本発明の実施の形態では、サポータZ1,Z2,Z3,Z4,Z5を例に挙げて説明したが、本発明は、人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品に広く適用可能であり、スパッツ・ストッキング・パンツ・シャツ等にも本発明を適用することができる。また、袋P1,P2,P3にパッド6や押圧部材8を収納する例で説明したが、遠赤外線効果のある石や磁石等を入れてもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
Z1,Z2,Z3,Z4,Z5 袋付き丸編みニット製品(袋を有するサポータ)、
1 製品本体(サポータ本体)、
1c サポータ本体の生地(開口部付近の生地)、
6,9 パッド(収納部品)、
8 押圧部材(収納部品)、
P1,P2,P3 袋(ポケット状の袋)、
Pa 袋の開口部、Pb 袋先端の一部連結箇所、
Pc 袋の生地、
N1,N2 縫合部、
N2 袋先端の縫合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、背広やワイシャツ等には、所定箇所にポケットが設けられている。また、ズボンやスカート等の丸編みニット製品にも所定箇所にポケットが設けられている。これらのポケットは、一般に、製品本体とは別の生地が使用されて製品本体に縫合される。
【0003】
一方、サポータには、膝や肘などの関節を保護するパッド(クッション材)や筋肉を押し付ける押圧部材を有するものや、筋肉などの所定箇所を押圧する押圧部材が所定箇所に設けられているものがある(特許文献1〜4等)。特許文献1はパッドを有するサポータであり、特許文献2はパッドの他に押圧部材を有するサポータであり、特許文献3はポケットを有するスポーツ用衣服であり、特許文献3は保温パッドが入れられた袋付き丸編みニット製品である。これらは、所定のポケット等のスペースを形成して入れられるものもあるが、筒状のサポータ本体の表面側や裏面側にパッドを当てて、その上から布で覆って、布とサポータ本体とを全体的に縫い合わせをするものも多い。
なお、靴下に関しては、靴下本体の脚部にポケットを形成したポケット付き靴下や(特許文献5)、ポケット付き靴下のポケットにプロテクタを挿入する提案がなされている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3108491号公報
【特許文献2】特開2008−173179号公報
【特許文献3】特開2007−107176号公報
【特許文献4】特開2003−73909号公報
【特許文献5】実開昭59−37307号公報
【特許文献6】特開平10−280202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、製品本体の外側にポケットを縫合により形成するときは、製品本体にポケットを取り付ける開口部を形成してから、ポケットの取り付け作業が別工程で必要になり、縫合の仕方によっては、製品本体やポケットにシワ等を発生させる場合がある。また、衣類には、磁気作用や遠赤外線作用を発揮させるような小物(収納部品)が入れられるポケットを備えるものがあるが、ポケットに収納する収納部品(小物)によっては伸縮性が異なることが良い場合がある。例えば、膝や肘等の関節を保護するパッドが設けられているものでは、パッドの移動を防止するために、その伸縮性でパッドを移動しないようにすることが好ましい。また、スパッツや肌着等では締め付け力が部分的に異なるものが発揮されるテーピング効果を有するものが開発されているが、そこにポケットを設けると、その部分的に異なる締め付け力が発揮されなくなる場合がある。
一方、パッドを有するサポータの製造においては、パッドを膝蓋骨が当接する位置等に配置させる場合、上記従来公報のポケットを備えるものや、その位置にパッドを当てて、その上から布を重ねて、布の外周とサポータ本体とを縫合することが多い。しかし、このような作業では効率的でないばかりか、ポケットと衣類等の本体との各々の伸縮性は考慮されておらず、製品本体に対する伸縮性に悪影響を及ぼしてしまう問題を有する。すなわち、製品本体に形成したポケットにパッドを入れたり、製品本体にパッドを当ててから布で覆ってポケットの外周や布とサポータ本体とを全体的に縫い合わせてしまうと、サポータ本体の本来の伸縮性が発揮され難くなるという問題を有する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、製品本体の伸縮性には影響を与えることがないようにする袋付き丸編みニット製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の袋付き丸編みニット製品は、製品本体が丸編みニットで筒状に形成され人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品において、製品本体から連続する丸編みニットで開口部を有する袋が形成され、この袋に所定の収納部品が収納され、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体の内側に配されていることを特徴とする。ここで、本願における袋とは、収納部品を収納して袋の口を閉じるように作ったものを指しており、開口部を有するポケットとは、異なるものとして取り扱う。
本発明によれば、袋が製品本体から連続する丸編み機等による丸編みニットでポケット状に一度に形成される。また、この袋は製品本体の内側に配されているので、袋に小物類(収納部品)を入れても、外部からは認識し難くなる。そして、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合されるとともに、開口部以外ではポケット状の袋が製品本体と縫合されていないことにより(連結されていないことにより、つまり縫合部がない。)、袋の存在が製品本体の伸縮性には影響を与えることが少ないものとなる。
【0008】
本発明としては、前記製品本体の丸編みニットと前記袋の丸編みニットとで伸縮性が異なる糸を使用するか又は伸縮性が異なる編み方で形成されていることが好ましい。ここで、伸縮性が異なる編み方には、編み目の大きさ等を変えることによる編み方の他、例えば、袋が一重構造であって製品本体が多重構造であるような場合も含む。
本発明によれば、製品本体と袋の伸縮性が異なり、つまり製品本体は袋の伸縮性に左右され難いものとなる。また、例えば、袋に重い物が入れられる場合には、伸縮性の小さな糸や編み方で形成すれば、袋に重い物が入れられても、製品本体にシワ等を発生し難くすることができる。
【0009】
本発明は、前記所定の収納部品が、関節を保護するパッド、筋肉をその外部から押圧する押圧部材、凝りをほぐす磁石、保冷剤、保温剤、消臭剤、抗菌剤、防臭剤、香料等の臭い発散剤のうちのいずれか1種以上であることを特徴とする。ここで、磁石とは磁気作用を発揮するものを広く含み、保冷剤とは人体の一部からの発熱を抑えるために用いられる薬剤であって蓄冷剤とも称されるものであり、保温剤とは人体の一部に対する保温機能を有する薬剤であって恒久的(半永久的)なものを主に指し、香料等の臭い発散剤とは製品本体に香りをつけるために添加されるものであって香辛料、薫香料、化粧料や臭い袋を含むものである。
本発明によれば、パッド・押圧部材等の収納部品が袋に入れられて袋の口が縫合されているので、収納部品の位置がずれ難い。
【0010】
本発明としては、前記所定の収納部品が、関節を保護するパッドであるか、又は、筋肉をその外部から押圧する押圧部材であり、前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定間隔で複数配されているか、又は前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定形状で配されていることが好ましい。
本発明によれば、前記袋に収納されたパッドによって関節を効果的に保護することができる他、前記袋に収納された押圧部材によって筋肉をその外部から効果的に押圧することができる。
【0011】
本発明は、前記袋の先端側と製品本体とが一部連結されていることが好ましい。この場合には、前記袋と製品本体とで伸縮性が同じになるか、又、前記袋の方が製品本体よりもその伸縮性が小さいことが好ましい。前記袋と製品本体とで伸縮性が同じになる編み方には、編み目の大きさ等を同じにする編み方の他、例えば、袋と製品本体とで糸の種類を同じにしたり、袋が一重構造であって製品本体も一重構造であるような場合も含む。
本発明によれば、前記製品本体の丸編みニットの伸縮性が前記袋の丸編みニットの伸縮性と同じか大きいので、前記袋の先端側を製品本体に一部連結させても問題はなく、前記袋の位置ずれがし難く、前記袋に収納部品を入れるときにも入れ易くなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合され、開口部以外では袋が製品本体と縫合されていないことにより(連結されていないことにより)、袋の存在が製品本体の伸縮性に影響を与えることが少ないものになる。そして特に、パッドや押圧部材等の収納部品が袋に入れられていても、袋が製品本体と連結部以外では連結していないので、サポータ本体の伸縮力に影響がでることを少なくすることができる。すなわち、袋はその伸縮性がそのまま発揮され、製品本体はその伸縮性がそのまま発揮されることとなるので、伸縮性を重要な要素とするサポータに使用すると好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す断面図であり、図1(a)は袋の先端側とサポータ本体の内側とが連結されていない状態の断面図であり、図1(b)は袋の先端側とサポータ本体の内側とが一部連結されている状態の断面図である。
【図2】上記第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す図であり、図2(a)は上記丸編みサポータの正面図であり、図2(b)は上記丸編みサポータを裏返した状態の側面図であり、図2(c)は上記袋に収納させるパッドの正面図である。
【図3】上記第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの製造途中の状態を示す正面図である。
【図4】上記第1の実施形態の膝への装着状態を示す斜視図である。
【図5】上記第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの製造途中の状態を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す図であり、図6(a)は上記丸編みサポータの右側面図であり、図6(b)は上記丸編みサポータの左側面図であり、図6(c)は右側面側に配された袋に収納させる押圧部材の右側面図であり、図6(d)は左側面側に配された袋に収納させる押圧部材の左側面図である。
【図7】上記第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータの模式的な断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の袋を有する丸編みサポータを示す斜視図である。
【図9】上記第3の実施形態の袋を有する丸編みサポータの模式的な断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を引用しながら説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した袋P1を有する丸編みサポータZ1を示す断面図である。図2は、丸編み機で製品本体1を製造した状態の図である。図2(a)は製品本体1の正面図であり、図2(b)は製品本体1を裏返した状態の側面図であり、図2(c)は袋P1に収納されるパッド6の正面図である。本実施の形態は、関節を保護するためのパッド6を有するサポータZ1である。このサポータZ1は、膝用のサポータであり、膝蓋骨を保護するためのパッド6が取り付けられている。
【0016】
本実施の形態の袋を有する丸編みサポータZ1は、サポータ本体(製品本体)1に設けられている袋P1にパッド6が収納されている。サポータ生地1の材質としては、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの繊維に、ゴム質の繊維が織り込まれたり、パイル加工が施されたり、これら繊維が多層構造とされる。パッド6は、衝撃を吸収するための緩衝材であり、ポリウレタン等の合成樹脂製のスポンジ(フォーム)からなる。パッド6は、上辺側が下辺側よりも長い矩形状(台形形状)であり、これによりパッド6を袋P1に入れ易くなっており、入れた後のパッド6が袋P1の形状に合うようになっている。
【0017】
本実施の形態のサポータ本体1は丸編み機で製造されるものであり、二重の円筒状に形成されている。サポータ本体1を二重の円筒状としたのは、内側には肌ざわりを考慮しつつ、表側には肌ざわりと見栄えを考慮する必要があることと、二重にして膝蓋骨周囲の膝部分を含めた脚部を十分に保護する必要があるからである。本実施の形態の袋P1は開口部Paを一つ有するものであり、上記丸編み機で一重のポケット状に形成されている。袋P1を一重のポケット状としたのは、袋P1がパッド6を収納させ易くするためである。本実施の形態では、サポータ本体1と袋P1で糸の種類を異ならせているが、同じ糸で二重から一重に変えて伸縮性が異なるようにしたり、編み目を形成するピッチを変更することによって、伸縮性が異なるようにすることが可能である。
【0018】
本実施の形態では、上記袋P1も丸編み機で形成されている。丸編み機は、手袋・靴下・Tシャツやポロシャツなどのカットソーの生地を丸く筒状に編んでいく機械である。一般に、丸編み機は、図示しないが、シリンダの外周に編針が筒状に配され、その上方側に円盤状のトランスファダイヤルが配され、この円盤状のトランスファダイヤルをシリンダと同期して回転させる構造となっている。
このような丸編み機では、上記サポータ本体1を袋P1が形成される位置まで丸編みニットで形成し、袋P1の形成に際しては、上記サポータ本体1の丸編みを一時中断しておきながら袋P1を丸編みニットで形成し、袋P1の丸編みが終了すると、一時中断していたサポータ本体1の残りの丸編みを行なうことで、連続的に、袋P1を有するサポータZ1を製造する。このように袋P1を製造すると、外部に袋P1が飛び出したような状態になる(図2(b))。この袋P1は、一方側Poと他方側Puとが連結部Psで連結される。符号Psは、袋P1の一方側ニットPoと他方側ニットPuとのニットのピッチ間隔でもある。この袋P1の形状は、その開口部Paから先端側Pbに向かって徐々にその径が縮まって行くポケット状である。この状態(裏返し状態)で丸編み形成したサポータ本体1をさらに裏返すことで、上記袋P1が裏側(内側)1bに配されることとなる(図2(a))。上記袋P1の大きさは、丸編み機で作られたときは、サポータZ1の正面側の大きさの1/4程度であるが、パッド6を収納すると、サポータZ1の正面側の大きさの1/2程度の大きさになる。上記袋Pの開口部Paは、サポータZ1の上方側に形成され、筒状のサポータ本体1の内側に配されて下方へと垂れ下がるようになる。
【0019】
本実施の形態の袋を有する丸編みニット製品Z1では、丸編み機で作られたときは、袋P1は筒状のサポータ本体1の外側に飛び出たように形成されるため、筒状のサポータ本体1を裏返すと、袋P1も筒状のサポータ本体1の裏側(内側)1bに位置する。この状態では、外部からは袋P1の開口部Paだけが認識できる状態となる(図3)。そして、開口部Paからパッド6を入れ、開口部Paを縫合する。パッド6は、長さの長い上辺側6aが上方で、短い下辺側6bが下方となるようにして袋P1に収納される(図2(a))。
【0020】
本実施の形態の袋P1は、サポータ本体1と同じ糸を使用した丸編みニットで連続的に形成しているが、袋P1の編み目をサポータ本体1の編み目よりも小さくして形成している。これにより、サポータ本体1よりも伸縮性が大きくなるようにしている。この袋P1の大きさは、膝蓋骨の大きさ程度の大きさであり、上記パッド6よりも小さい。これは、袋P1の大きさがパッド6よりも大きいと、袋P1の中でパッド6が移動するおそれがあるが、袋P1の大きさをパッド6よりも小さくすることで、袋P1の中でパッド6が移動することがない。本実施の形態の袋P1は、袋P1の開口部Paがサポータ生地1c間で縫合されている(図3、図4)。本実施の形態では、袋生地とサポータ生地(製品生地)とで糸が異なるものを使用しているので、袋生地かサポータ本体1の生地1cかの見極めは容易である。袋の生地Pcで縫合することも可能であるが(図5)、外部から袋生地Pcが見えると好ましくないことや、サポータ生地1cの伸縮性に悪影響を与えないようにするために、本実施の形態ではサポータ生地1c,1c間で縫合している。
上述の丸編み機で製造したサポータZ1を裏返すと図3に示す状態となり、この状態の袋P1の開口部Paからパッド6を入れて、開口部Paをサポータ本体1の生地1c,1c間で縫合する。符号N1は、このときの縫合部である。ここで、図5に示すように、パッド6を入れ易くするために、ポケット状の袋P1の先端側Pbをサポータ本体1と縫合した状態にしてから開口部Paを縫合しても良い。このときの袋P1の先端側Pbとサポータ本体1との縫合部N2は、そのまま残しても良いが、本実施の形態では、縫合部N2を除去して袋P1の先端側Pbとサポータ本体1とを連結させないことにより、サポータ本体1の伸縮性には影響を与えないようにしている(図1(a))。
【0021】
したがって、本実施の形態の袋を有する丸編みサポータZ1を膝に装着して使用する場合は、筒状の膝用サポータと同じように装着して使用する。このとき、袋P1はサポータ本体1と連結部(開口部Pa)以外では連結していないので、サポータ本体1の伸縮力に影響がでることは少ない。また、パッド6がパッド6よりも小さな袋P1に入れられているので、パッド6の位置がずれるようなこともない。当然ながら、袋P1の開口部Paが縫合されているので、パッド6が袋P1から飛び出すこともない。本実施の形態では、袋P1の糸はサポータ本体1の糸と異なるものが使用されている。よって、袋P1の開口部Paを縫合により閉塞するときは、サポータ本体1の生地を互いに縫合することで閉塞させている。これにより、サポータ本体1の伸縮性を発揮させるとともに、外見上も袋P1の生地(糸)Pcを見えなくしている。
【0022】
本実施の形態では、袋P1にパッド6を収納するときには、丸編み形成したサポータ本体1を裏返すことで、袋P1が筒状のサポータ本体1の内側1bに配される。その後、この内側1bの袋P1にパッド6を入れることが好ましい。上記丸編み形成した後の袋が外に飛び出した状態でパッドを入れることも可能であるが、パッド6が大きいとサポータ本体1の裏返しが難しくなる。本実施の形態によれば、丸編み形成したサポータ本体1を裏返した後に、サポータ本体1の内側1bの袋P1にパッド6を入れるので、パッド6の取り付け位置を確認しながら(ずれた場合は修正しながら)収納させることができる(図2(a))。そして、パッド6の収納に際しては、袋P1の先端側Pbをサポータ本体1に仮止め(仮縫い)しておいて(図5)、先端側Pbがずれないようにしてから収納しても良い。なお、仮縫い状態はそのままでも良いが、サポータ本体1の伸縮性を十分に発揮させるためには、仮縫いを外すことが好ましい。
【0023】
次に、本実施の形態の袋を有する丸編みニット製品Z1を膝に装着して使用する場合は、筒状の膝用サポータと同じように装着して使用する。このとき、袋P1は、下向きであるから、履くときに(装着するときに)、袋P1がめくり上がることがない。そして、袋P1はサポータ本体1と連結部(開口部Pa)以外では連結していないので、サポータ本体1の伸縮力はそのまま発揮される。すなわち、サポータ本体の表面側Phは、その動き(伸縮性:伸縮する方向を矢印で示す。)がその内側の袋P1には影響され難いものである(図1(a))。換言すると、袋P1の先端Pbがサポータ本体1と縫合されていないので、パッド6の位置を調節することもできる。他方、袋P1の先端がサポータ本体1と一部縫合されている場合については、サポータ本体1との縫合はこの先端側のみであるから、サポータ本体1の縦方向の伸縮性が制限されることが仮にあるとしても(図2(a)の符号Yの方向の伸縮性)、横方向の伸縮性には影響を与えることはない(図2(a)の符号Xの方向の伸縮性)。なお、図4に示すように、パッド6の下方の辺6bに沿うように袋P1とサポータ本体1とを連結させた場合(縫合部N2)においても、上記の作用が得られることについては問題ない。
【0024】
ここで、前記サポータ本体1の丸編みニットと前記袋の丸編みニットとで伸縮性が同じになる編み方で形成されている場合には、図1(b)に示すように、前記ポケット状の袋P1の先端側Pbとサポータ本体1とを縫合部N2にて一部連結させても、互いの伸縮性には影響を与えることがない。特に、本実施の形態では、開口部Paから先端側Pbに向かって徐々にその径が小さくなるポケット状の袋P1の先端側Pbのみを縫合部N2によって一部連結しているに過ぎないので、図中の符号X方向でもY方向でも各々サポータ本体1の伸縮性には影響がない。このような影響がない場合には、袋P1とサポータ本体1とで伸縮性が同じになる場合や、袋P1の方がサポータ本体1よりもその伸縮性が弱い場合も含まれる。
また、上記サポータ本体1が靴下のカットボス編みのように編まれている場合でも本発明が適用可能である。すなわち、カットボス編みとは、地糸の上に別の糸を重ねて編成する場合に、地糸からなる編地の部分的な領域に別の糸を編みこんで編成することをいうが、このような編み方によって、上記サポータ本体1をその部分的に締め付け力を変えることでき、このような場合にも本実施の形態では袋P1の存在が上記サポータ本体1の伸縮力に影響を与え難い構造であるから、上記サポータ本体1をその部分的に締め付け力を変えることの特徴がより発揮されることとなる。
【0025】
(第2の実施形態)
図6は、本発明を適用した第2の実施形態の袋P2を有する丸編みサポータZ2を示す図である。図6(a)は丸編みサポータZ2の右側面図であり、図6(b)は丸編みサポータZ2の左側面図であり、図6(c)は丸編みサポータZ2の右側面側に配された袋P2に収納させる押圧部材8を示しており、図6(d)は丸編みサポータZ2の左側面側に配された袋P2に収納させる押圧部材8を示している。図7は、右側面側と左側面側にそれぞれ配された袋P2を有する丸編みサポータZ2の模式的な断面図である。本実施の形態は、筋肉をその外部から押圧する押圧部材8が配されたサポータZ2である。このサポータZ2は、ふくらはぎ用のサポータであり、筋肉をその外部から押圧するための押圧部材8が取り付けられている。押圧部材8は、押圧する対象の筋肉の形状に対応させて「く」の字形状となっている。つまり、本実施の形態のサポータZ2を装着すると、脚の左右の筋肉に沿うように各々押圧部材8が配され、脚の左右の腱を保護することとなる。本実施の形態の袋P2を有する丸編みサポータZ2は、サポータ本体1に二つの袋P2が取り付けられ、この二つの袋P2に各々押圧部材8が入れられている。
上記押圧部材8としては、例えばコイルバネを扁平な棒形状とした部品(商品名がコイルボーン)を使用することができ、この場合には、各々押圧部材8が脚の左右の筋肉の動きに追従して「く」の字形状等に変形容易であることから、第2の実施形態の袋P2の形状を第1の実施形態の袋P1と同様に、略長方形状(略台形状)とする。また、押圧部材8が押圧部材8よりも小さな袋P2に入れられているので、押圧部材8の位置がずれるようなこともない。各々の袋P2の伸縮性は押圧部材8を収納して変形容易とさせる程度の伸縮性があれば足りる。丸編みサポータZ2の伸縮性は、サポータ本体1の伸縮性とほぼ等しくなる。
なお、図6(a)(b)では、パッド6も上述したように収納されている状態を例示しているが、本実施の形態ではパッド6はなくても良い。
【0026】
上述の丸編み機では、サポータ本体1から二つの袋P2を製造することができ、その袋P2の伸縮性をサポータ本体1と異ならせたり、袋P2を二重にしている。上述の丸編み機によれば、袋P2はいくつでも又大きさを自由に変えて形成可能である。
【0027】
本実施の形態では、上記二つの袋P2は、各々その開口部Paをサポータ本体1の互いの生地1cを縫合させているが、この開口部Pa以外はサポータ本体1とは連結されていないので、上記二つの各々の袋P2の伸縮性は確保される。つまり押圧部材8をその目的とする押圧力(加圧力)で身体の所定箇所(左右の腱)を加圧することができる。一方、サポータ本体1もその目的とする伸縮力を袋P2とは別に設定できるので、袋P2を有するがゆえに加圧力が弱くなるというようなことは生じ難くなる。なお、袋P2の生地Pcを縫合させることでサポータ本体1の伸縮性に影響を与えないようにすることも可能である。
【0028】
(第3の実施形態)
図8は、スキー用ジャケットZ3に本発明を適用した斜視図であり、図9は、このスキー用ジャケットZ3の模式的な断面図である。本実施の形態では、スキー用ジャケットZ3の肘の部分に収納部品であるパッド9が袋P3に入れて配されている。なお、スキー用ジャケットZ3の腕5の部分(製品本体4)は、上記丸編み機で筒状に形成されるもので、つまり二重の内側の製品本体4として形成され、この製品本体4に上記袋P3も上記丸編み機で連続して作られる。なお、外側6がナイロン素材等の防水機能を有する素材で覆われる。
【0029】
本実施の形態では、スキー用ジャケットZ3の腕5の肘部分に袋P3が設けられている。この袋P3は、その開口部Paから先端に向かって径が小さくなるポケット状であり、そのポケット状の先端側Pbが製品本体4と一部連結されている。そして、このポケット状の袋P3にパッド9が入れられている。本実施の形態のパッド9は、サポータのように伸縮性を強くするようにしたものではなく、転倒したときの人体への衝撃を緩和する緩衝用であることが主な役割であり、袋P3に余裕をもって入れられていても問題はない。したがって、袋P3の先端側Pbが製品本体4と一部連結されていても、製品本体4の符号Y方向での伸縮性に与える影響はほとんどない。なお、製品本体4の符号X方向での伸縮性に与える影響もないということができる程である。
【0030】
(他の実施例1)
図10は、本発明の第1の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図である。ここで同質の部材については、同一の符号を付すことでその説明を一部省略する。本実施例は腹巻Z4であり、腹巻Z4の背面側の内側に背骨の左右を保護するためのパッド6が袋P1に収納されて取り付けられている。本実施例では、腹巻Z4を装着したときに、複数の袋P1が背骨を間に挟むように所定間隔で左右に配されており、かつ、背骨に沿うように所定間隔で上下に配されることで、背骨の左右を保護する。本実施例では、背骨の左右を保護するためのパッド6が袋P1に収納されているとしたが、パッド6に代えて、凝りをほぐす磁石や保温剤等の収納部品6を袋P1に収納してもよい。前記収納部品6として、関節を保護するパッド、筋肉をその外部から押圧する押圧部材、凝りをほぐす磁石、保冷剤、保温剤、消臭剤、抗菌剤、防臭剤、香料等の臭い発散剤のうちのいずれか1種以上とすることができ、これらのうち複数の組み合わせとすることも可能である。
【0031】
(他の実施例2)
図11は、本発明の第2の実施形態の袋を有する丸編みサポータの他の実施例を示す斜視図であり、装着状態を示している。ここで同質の部材については、同一の符号を付すことでその説明を一部省略する。本実施例は足首用サポータZ5であり、足の左右のくるぶしを保護するための1組のパッド6がそれぞれサポータ本体1の側面中央付近の内側に配された左右1組の袋P1に収納されて取り付けられている。また、足の左右の裏側付近を押圧するための1組の押圧部材8がそれぞれサポータ本体1の側面下側付近の内側に配された左右1組の袋P2に収納されて取り付けられている。本実施例では、足首用サポータZ5を装着したときに、複数の袋P1が左右のくるぶしを保護し、かつ、複数の袋P2が足の左右の裏側付近を押圧する。
【0032】
上述した本発明の実施の形態では、サポータZ1,Z2,Z3,Z4,Z5を例に挙げて説明したが、本発明は、人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品に広く適用可能であり、スパッツ・ストッキング・パンツ・シャツ等にも本発明を適用することができる。また、袋P1,P2,P3にパッド6や押圧部材8を収納する例で説明したが、遠赤外線効果のある石や磁石等を入れてもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
Z1,Z2,Z3,Z4,Z5 袋付き丸編みニット製品(袋を有するサポータ)、
1 製品本体(サポータ本体)、
1c サポータ本体の生地(開口部付近の生地)、
6,9 パッド(収納部品)、
8 押圧部材(収納部品)、
P1,P2,P3 袋(ポケット状の袋)、
Pa 袋の開口部、Pb 袋先端の一部連結箇所、
Pc 袋の生地、
N1,N2 縫合部、
N2 袋先端の縫合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品本体が丸編みニットで筒状に形成され人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品において、
製品本体から連続する丸編みニットで開口部を有する袋が形成され、この袋に所定の収納部品が収納され、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体の内側に配されていることを特徴とする袋付き丸編みニット製品。
【請求項2】
前記所定の収納部品が、関節を保護するパッド、筋肉をその外部から押圧する押圧部材、凝りをほぐす磁石、保冷剤、保温剤、消臭剤、抗菌剤、防臭剤、香料等の臭い発散剤のうちのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項3】
前記所定の収納部品が、関節を保護するパッドであるか、又は、筋肉をその外部から押圧する押圧部材であり、前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定間隔で複数配されているか、又は前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定形状で配されていることを特徴とする請求項2記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項4】
前記製品本体の丸編みニットと前記袋の丸編みニットとで伸縮性が異なる糸を使用するか又は伸縮性が異なる編み方で形成されていることを特徴とする請求項1記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項5】
前記袋の先端側と筒状の製品本体の内側とが一部連結されていることを特徴とする請求項1記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項1】
製品本体が丸編みニットで筒状に形成され人体の一部を挿通させる入口と出口を有する腹巻・ガードル・サポータ等の丸編みニット製品において、
製品本体から連続する丸編みニットで開口部を有する袋が形成され、この袋に所定の収納部品が収納され、袋の開口部が袋生地の間で縫合されるか又は製品本体の生地の間で縫合されることにより閉塞されて、筒状の製品本体の内側に配されていることを特徴とする袋付き丸編みニット製品。
【請求項2】
前記所定の収納部品が、関節を保護するパッド、筋肉をその外部から押圧する押圧部材、凝りをほぐす磁石、保冷剤、保温剤、消臭剤、抗菌剤、防臭剤、香料等の臭い発散剤のうちのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項3】
前記所定の収納部品が、関節を保護するパッドであるか、又は、筋肉をその外部から押圧する押圧部材であり、前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定間隔で複数配されているか、又は前記袋が関節又は筋肉に沿うように所定形状で配されていることを特徴とする請求項2記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項4】
前記製品本体の丸編みニットと前記袋の丸編みニットとで伸縮性が異なる糸を使用するか又は伸縮性が異なる編み方で形成されていることを特徴とする請求項1記載の袋付き丸編みニット製品。
【請求項5】
前記袋の先端側と筒状の製品本体の内側とが一部連結されていることを特徴とする請求項1記載の袋付き丸編みニット製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−26749(P2011−26749A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232739(P2009−232739)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【特許番号】特許第4541443号(P4541443)
【特許公報発行日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(507271422)ディーエムチエーン協同組合 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【特許番号】特許第4541443号(P4541443)
【特許公報発行日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(507271422)ディーエムチエーン協同組合 (5)
【Fターム(参考)】
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