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袋入り抗菌剤
説明

袋入り抗菌剤

【課題】振動や衝撃の下でも、安定した量の二酸化塩素を継続的に放出させることが可能な、携帯に適した固形の抗菌剤を提供する。
【解決手段】多孔性の無機質固形担体に抗菌性物質を担持させた抗菌剤(4)と、該抗菌剤を収容する第1の袋体(2)と、第1の袋体を収容する第2の袋体(3)と、を備えた袋入り抗菌剤であって、第1の袋体は、全面に無機質固形担体の粒径より小さな径の微細孔を有し、第2の袋体は、前記二酸化塩素を大気中に放出するための放出孔を有し、前記第1の袋体及び第2の袋体はそれぞれ扁平に形成され、前記第2の袋体は、アルミニウム蒸着フィルムで形成され、前記第2の袋体の放出孔は、剥離可能なシールでふさがれており、前記第2の袋体には、第2の袋体の吊り下げに用いる穴が設けられていることを特徴とする、携帯用の袋入り抗菌剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋入り抗菌剤に関する。より詳細には、多孔性の無機質固形担体に抗菌性物質を担持させた抗菌剤を、袋体に収容した袋入り抗菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化塩素は塩素に代わる殺菌消毒剤として注目されている。従来、二酸化塩素を発生させる方法としては、亜塩素酸ナトリウム水溶液(安定化二酸化塩素水溶液)と酸(活性化剤)を混合反応させるのが主流であった(特許文献1)。しかしながら、このような方法は、混合の手間がかかることや副反応を生ずるおそれがあることが理由で、一般の使用者が手軽に使用できるものとは言い難かった。
このような問題を解決する技術として、多孔性無機質担体に二酸化塩素ガスを吸着保持せしめてなる殺菌消毒剤が開発されている(特許文献2)。この殺菌消毒剤は、容器に充填して保管され、容器の上蓋を開放して二酸化塩素ガスを開口部から徐々に空気中に放散させて使用することが記載されている。
【0003】
一方、抗菌性物質等の薬剤を収納するケースや袋体としては次のようなものが知られている。例えば、気体不透過性シートからなる袋体内に徐散性薬剤を収納し、当該袋体に開口部を形成すると共に、該開口部に薬剤放出膜を形成した徐散性薬剤収納体が知られている(特許文献3)。また、撥水性の不織布に脱臭剤を封入し、これを冷蔵庫内に設置した樹脂製のカセットに収容することが知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−161307号公報
【特許文献2】特開平6−233985号公報
【特許文献3】特開平10−167323号公報
【特許文献4】特開2003−148861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載される殺菌消毒剤を携帯に適した製品に応用しようとする場合、製品に強い振動や衝撃を与えた場合でも、二酸化塩素を担持した担体が漏れ出したり、高濃度の二酸化塩素が一度に発生したりすることなく、二酸化塩素を安定的に継続して放出させることが、安全性の観点、効果の持続性の観点から求められる。
すなわち、特許文献2に記載されるような静置して使用することを前提とした製品を単に携帯用に転用しただけでは、その安全性を十分に確保することができないだけでなく、効果の持続性も不十分となる。
従って、本発明は、振動や衝撃の下でも、安定した量の二酸化塩素を継続的に放出させることが可能な、携帯に適した固形の抗菌剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、多孔性の無機質固形担体に抗菌性物質を担持させた抗菌剤と、該抗菌剤を収容する第1の袋体と、第1の袋体を収容する第2の袋体と、を備えた袋入り抗菌剤であって、第1の袋体は、全面に無機質固形担体の粒径より小さな径の微細孔を有し、第2の袋体は、縁部に前記抗菌性物質を大気中に放出するための放出孔を有することを特徴とする。
このような構成の袋入り抗菌剤は、第1の袋体の外に放出された抗菌性物質を一旦第1の袋体と第2の袋体の隙間に保持することができ、さらにその抗菌性物質を縁部の放出孔から大気中へ放出させるため、強い振動や衝撃が加わっても、一度に大気中に抗菌性物質が放出されることを抑制することができる。
【0007】
本発明の好ましい形態では、前記第2の袋体は扁平な多角形状であり、前記放出孔は前記多角形状の複数辺の縁部に設けられていることを特徴とする。
多角形状の複数辺の縁部に放出孔を設けることにより、静置時においても空気の流路を確保することができ、効率よく抗菌性物質を放出させることができる。
【0008】
また、本発明の好ましい形態では、前記第2の袋体は扁平な円形又は楕円形であり、その縁部に前記放出孔が間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする。
円形又は楕円形の縁部に放出孔を間隔をおいて複数設けることにより、静置時においても空気の流路を確保することができ、効率よく抗菌性物質を放出させることができる。
【0009】
また、本発明の好ましい形態では、前記放出孔は、前記第2の袋体の表面と裏面の両方に設けられていることを特徴とする。
放出孔を、第2の袋体の表面と裏面の両方に設けることにより、静置時において、より効率よく空気の流路を確保することができる。
【0010】
また、本発明の好ましい形態では、前記表面の放出孔と裏面の放出孔は、前記第2の袋体の互いに異なる辺の縁部に設けられている。
これにより、第2の袋体内の空気の循環が効率的に行われるので、より効率よく抗菌性物質を放出させることができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記第1の袋体と第2の袋体との体積比は、1:3〜1:1.2である。
第1の袋体と第2の袋体との体積比をこのようにすることで、第1の袋体と第2の袋体との間の隙間を適度に形成することができ、振動や衝撃を与えた場合の第1の袋体からの抗菌性物質の放出がより安定したものとなる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記無機質固形担体は粒径0.01〜1mmの粒子であり、前記第1の袋体における該無機質固形担体の充填率は30〜80%であることを特徴とする。
比較的粒径の小さい無機質固形担体とし、充填率を上記の範囲とすることで、粒子の流動性を高めることができ、第1の袋体からの抗菌性物質の放出を長期間にわたり安定したものとすることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記放出孔は、剥離可能なシールでふさがれていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、未使用時には、放出孔からの抗菌性物質の放出を防ぐことができ、保管に適したものとなる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記抗菌性物質は、二酸化塩素であり、前記無機質固形担体は、セピオライト、ゼオライト、シリカ、アルミナ、及びシリカアルミナから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
これらの無機質固形担体を用いることにより、抗菌性物質の適度な吸着を実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、振動や衝撃の下でも、安定した量の二酸化塩素を継続的に放出させることが可能な、携帯に適した固形の抗菌剤を提供することが可能となる。また、好ましい形態では、その抗菌効果を長期間安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1に係る袋入り抗菌剤を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る第2の袋体を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る第1の袋体を示す正面図である。
【図4】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る袋入り抗菌剤を示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る袋入り抗菌剤を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態4に係る袋入り抗菌剤を示す正面図である。
【図8】本発明の実施形態4に係る袋入り抗菌剤を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
以下、本発明の袋入り抗菌剤の実施形態1について、図1〜4を参照しながら説明する。
図1に示す袋入り抗菌剤1は、不織布からなる袋体2(第1の袋体)とそれを収納するアルミニウム蒸着フィルムからなる袋体3(第2の袋体)とを備える。袋体2には、固形の粒子状の抗菌剤4が、袋体2の体積の60%程度の充填率で収納されている。
【0018】
袋体2は、抗菌剤4を収納しない状態では、四角形のシート状(縦45mm×横65mm(内部空間形成領域))である。袋体2は、1枚の不織布を2つ折りにし、周囲を貼り付けて製造したものである。
袋体2には、その全面にセピオライト微粒子の径より小さい径の微細孔(図示しない)が形成されている。該微細孔は、セピオライト微粒子を透過しないが二酸化塩素分子は透過する。
【0019】
袋体3は、抗菌剤4を収納する袋体2を収納しない状態では、四角形のシート状(縦55mm×横85mm(内部空間形成領域))である。袋体3は、アルミニウム蒸着フィルムを2枚重ねて周囲を圧着して製造したものである。袋体3の長辺側の圧着部32は、中央が幅広になっていて、中央にストラップ(図示しない)を取り付けるための長穴5が形成されている。袋体3は抗菌性物質を実質的に透過しない材料で形成されていればよい。
また、抗菌性物質の安定性を維持する観点から遮光性の材料であることが好ましい。
【0020】
袋体3は、袋体2の約1.6倍の体積を有する。なお、本実施形態のような扁平な袋体を用いる場合の体積は、袋体正面の面積(内部空間形成領域に相当する部分)で近似することができる。
ここで、袋体2と袋体3の体積比は、1:3〜1:1.2程度、さらには1:2〜1:1.2程度が好ましい。このような範囲とすることにより、袋体2と袋体3との間に、適度な隙間を形成することができ、後に詳述する、抗菌性物質の大気への徐放性を担保することができる。特に、袋体3として扁平なものを用いることで、袋体2と袋体3との所定の位置に、適度な隙間を形成することができる。この作用効果については、後に詳述する。
【0021】
袋体3には、その長辺の縁部に直径約4mmの放出孔31が8個設けられている。
放出孔31は、剥離可能なシール6でふさがれている。袋入り抗菌剤を使用する場合には、シール6を剥離して放出孔31を開口する(図2参照)。
【0022】
抗菌剤4は、セピオライトからなる多孔性の微粒子(数平均粒径0.1mm)に二酸化塩素を物理的に吸着、担持させたものである。セピオライト等の無機質固形担体に二酸化塩素を吸着させる方法は公知である(特許文献2参照)。例えば、亜塩酸ナトリウム水溶液に無機酸を添加し、発生した混合体を亜塩素酸ナトリウム水溶液で洗浄することにより、混合体中の塩素を二酸化塩素に転化して二酸化塩素を生成し、これを無機質固形担体に吸着させる。
抗菌剤4における二酸化塩素は、周囲の空気の振動などの物理的な力や微粒子同士の衝突により、セピオライトから解離する。
【0023】
ここで、セピオライト等の無機質固形担体の粒径は、0.01〜1mmの範囲にあることが好ましい。また、数平均粒径は0.01〜1mmの範囲にあることが好ましい。なお、本発明において数平均粒径は、レーザー回折・散乱法の原理を用いた装置で測定して求めることができる。
粒径を一定の範囲とすることにより、抗菌剤4の流動性を制御することができ、第1の袋体からの抗菌性物質の放出を安定的に継続させることができる。さらに、当該効果をより大きいものとする観点から、前記第1の袋体における該無機質固形担体の充填率を30〜80%程度、好ましくは40〜70%程度とすることが好ましい。本発明における充填率は、抗菌剤を非圧縮下で充填したときの見かけ上の体積を、第1の袋体の容量で除することで求めることができる。
流動性が高いほど、また、充填率が低いほど、抗菌性物質の放出が進みやすくなる。
【0024】
次に、図4を参照しながら、本実施形態における二酸化塩素の放出のしくみについて説明する。
図4は、図1のA−A断面図である。
抗菌剤4を構成するセピオライト微粒子に担持された二酸化塩素は、袋入り抗菌剤1の振動等によって発生する空気の流れ、抗菌剤4を構成する微粒子同士の衝突等によって、微粒子表面から解離し、不織布からなる袋体2の全面に形成された微細孔から、袋体2の外に放出される。通常の状態では、抗菌剤4を収納する袋体2は、その中心部周辺において最も厚みがあり、袋体3の内側と接触している。一方、抗菌剤4を収納する袋体2は、端部に行くほど厚みがなくなり、袋体2より体積が大きい袋体3との間に隙間S1及び隙間S2を形成する。袋体2の微細孔から放出された二酸化塩素は、隙間S1に一時的に保
持され袋体3の放出孔31から徐放される。また、隙間S2に一時的に保持された二酸化塩素は、袋体3内の隙間S1へとゆっくりと拡散し、放出孔31から徐放される。
【0025】
ここで、袋入り抗菌剤1に、携帯時に生じ得る衝撃や振動を加えた場合について説明する。衝撃や振動が加わると、抗菌剤4の周辺の空気が振動したり、抗菌剤4の微粒子が衝突したりし、静置している状態に比べ多くの二酸化塩素が微粒子から解離する。解離した二酸化塩素は、袋体2の微細孔から隙間S1及び隙間S2に対して放出され、当該隙間に一旦保持される。放出孔3と連通している隙間S1に保持された二酸化塩素は放出孔31から徐放される。
【0026】
仮に、放出孔が袋体3の縁部でない、例えば中央付近に設けられている場合には、前記の隙間に二酸化塩素を一旦保持する効果を十分に得ることができず、強い衝撃が加わった場合に、一度に二酸化塩素が放出されるおそれがある。これは、袋体3の最も厚みのある中央部に最も衝撃が加わりやすいためである。
また、本実施形態の場合、袋体3の縁部に圧力が加わった場合でも、隙間S1に保持された量の二酸化塩素のみが一度に放出されるだけであり、所定量以上の二酸化塩素が一度に放出される危険性を回避することができる。
【0027】
前記隙間の大きさは、第1の袋体と第2の袋体の体積比を調整することにより、変更可能である。隙間が大きいほど、縁部に圧力が加わった場合に一度に放出され得る抗菌性物質の量が大きくなる。すなわち、各袋体の体積比は、用いる抗菌性物質の許容量や毒性などを考慮して決定すればよい。
【0028】
なお、本実施形態では、抗菌性物質として二酸化塩素を用いる場合について説明したが、他にも抗菌性金属等を用いることも可能である。
【0029】
袋入り抗菌剤1は、使用時に、シール6を剥離して放出孔31を開口させる(図2参照)。袋入り抗菌剤1は、長穴5にストラップを取り付けて人が首から下げることもできるし、部屋、車内、冷蔵庫等のあらゆるスペースに置くこともできる。
【0030】
<実施形態2>
次に、図5を参照しながら本発明の実施形態2について説明する。
なお、上述した実施形態1と同じ構成については、図1と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0031】
実施形態2の袋入り抗菌剤1は、不織布からなる袋体2とそれを収納するアルミニウム蒸着フィルムからなる袋体3とを備える。袋体2には、抗菌剤4が、袋体3の体積の60%程度の充填率で収納されている。
【0032】
袋体2は、抗菌剤4を収納しない状態では、四角形のシート状(縦33mm×横36mm(内部空間形成領域))である。
袋体2には、その全面にセピオライトの微粒子より小さい径の微細孔(図示しない)が形成されている。
【0033】
袋体3は、抗菌剤4を含む袋体2を収納しない状態では、円形のシート状(直径53mm(内部空間形成領域))である。袋体3は、アルミニウム蒸着フィルムを2枚重ねて周囲を圧着して製造される。袋体3の圧着部32の一部は幅広になっていて、中央にストラップ(図示しない)を取り付けるための長穴5が形成されている。
袋体3は、袋体2の約1.9倍の体積を有する。
袋体3には、その縁部に直径約4mmの放出孔31が、円弧状に間隔をおいて複数個設けられている。なお、図示しないが、放出孔31は、剥離可能なシールでふさがれていることが好ましい。
なお、袋体3は、楕円形であってもよい。
【0034】
本実施形態のように、第1の袋体を四角形等の多角形とし、第2の袋体を円形とすることで、第1の袋体と第2の袋体との間に適度な隙間を形成することができ、上述したような抗菌性物質の安定的な放出に有効に作用する。さらに、第1の袋体が第2の袋体内で移動することを抑制し、抗菌性物質のより安定的放出に寄与する。
【0035】
また、本実施形態のように、放出孔31を第2の袋体の周方向に間隔を開けて複数設けることにより、静置時においても、袋体3内の空気の流路を確保することができ、効率よく抗菌性物質を放出させることができる。
【0036】
<実施形態3>
次に、図6を参照しながら本発明の実施形態3について説明する。
なお、上述した実施形態1と同じ構成については、図1と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0037】
実施形態3の袋入り抗菌剤1は、不織布からなる袋体2とそれを収納するアルミニウム蒸着フィルムからなる袋体3とを備える。袋体2には、抗菌剤4が、袋体3の体積の60%程度の充填率で収納されている。
【0038】
袋体2は、抗菌剤4を収納しない状態では、四角形のシート状(65mm×45mm(内部空間形成領域))である。
袋体2には、その全面にセピオライトの微粒子より小さい径の微細孔(図示しない)が形成されている。
【0039】
袋体3は、抗菌剤4を含む袋体2を収納しない状態では、四角形のシート状(85mm×55mm(内部空間形成領域))である。袋体3は、アルミニウム蒸着フィルムを2枚重ねて周囲を圧着して製造される。袋体3の圧着部32の一方の長辺側は、中央が幅広になっていて、中央にストラップ(図示しない)を取り付けるための長穴5が形成されている。
袋体3は、袋体2の約1.6倍の体積を有する。
袋体3には、その長辺の縁部、及び短辺の縁部に直径約4mmの放出孔31が複数個設けられている。このように、四角形状の複数の辺に放出孔を設けることにより、静置時においても、袋体3内の空気の流路を確保することができ、効率よく抗菌性物質を放出させることができる。
【0040】
<実施形態4>
次に、図7、図8を参照しながら本発明の実施形態4について説明する。
なお、上述した実施形態1と同じ構成については、図1と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0041】
実施形態4の袋入り抗菌剤1は、不織布からなる袋体2とそれを収納するアルミニウム蒸着フィルムからなる袋体3とを備える。袋体2には、抗菌剤4が、袋体3の体積の60%程度の充填率で収納されている。
【0042】
袋体2は、抗菌剤4を収納しない状態では、四角形のシート状(縦33mm×横36mm(内部空間形成領域))である。
袋体2には、その全面にセピオライトの微粒子より小さい径の微細孔(図示しない)が形成されている。
袋体3は、抗菌剤4を含む袋体2を収納しない状態では、四角形のシート状(85mm×55mm(内部空間形成領域))である。袋体3は、アルミニウム蒸着フィルムを2枚重ねて周囲を圧着して製造される。袋体3の圧着部32の一方の長辺側は、中央が幅広になっていて、中央にストラップ(図示しない)を取り付けるための長穴5が形成されている。
袋体3は、袋体2の約1.6倍の体積を有する。
袋体3には、表面の上側の長辺の縁部に直径約4mmの放出孔31が複数個設けられている。また、裏面の下側の長辺の縁部に直径約4mmの放出孔31が複数個設けられている。
このように、表面と裏面の互いに異なる辺に放出孔を設けることにより、静置時においても、袋体3内の空気の流路を確保することができ、効率よく抗菌性物質を放出させることができる。
【実施例】
【0043】
<試験例1>
上記で製造した実施形態1の袋入り抗菌剤を用いて、果物(ミカン)の腐敗試験を行った。
半分に割ったミカンを密封容器3つに入れ、2つには実施形態1の袋入り抗菌剤を入れ(サンプル1、サンプル2)、1つには何も入れなかった(コントロール)。サンプル1の密封容器は1日に数回振動させ、サンプル2とコントロールの密封容器は静置して、ミカンの状態を経時観察した。
【0044】
その結果、実施形態1の袋入り抗菌剤を入れたサンプル1の密封容器内のミカンは、30日を経過しても皮に多少の傷みが確認できた程度であった。また、サンプル2の密封容器内のミカンは、18日を経過した時点で皮に多少の痛みが確認でき、30日経過後に部分的に白カビが発生した。一方、何も入れない密封容器のミカンは12日目で白カビと青カビが部分的に発生し、18日目には全面が青カビで覆われた。
【0045】
以上の結果より、本発明の袋入り抗菌剤は、長期間安定的に抗菌作用を発揮することが確認された。特に、定期的に振動を与えた場合には、さらに効果が長期に渡ることが確認された。
【0046】
<試験例2>
上記で製造した実施形態3の袋入り抗菌剤を用いて、果物(ミカン)の腐敗試験を行った。
半分に割ったミカンを密封容器に入れ、実施形態3の袋入り抗菌剤を入れた(サンプル3)。サンプル3の密封容器は静置して、ミカンの状態を経時観察した。
【0047】
その結果、実施形態3の袋入り抗菌剤を入れたサンプル3の密封容器内のミカンは、30日を経過しても皮に多少の傷みが確認できた程度であった。
【0048】
以上の結果より、四角形状の複数辺に放出孔を設けることにより、静置した状態でも安定的に抗菌性物質を放出し、長期間安定的に抗菌作用を発揮することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の袋入り抗菌剤は、持続的に抗菌作用を発揮し、しかも安全に携帯できるため、人が多く集まる会場などにおいて皆に携帯させることができる。これにより、ウイルス感染や細菌感染を予防することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 袋入り抗菌剤
2 袋体(第1の袋体)
3 袋体(第2の袋体)
31 放出孔
32 圧着部
4 抗菌剤
5 長穴
6 シール
S1、S2 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性の無機質固形担体に二酸化塩素を担持させた粒子状の抗菌剤と、該抗菌剤を収容する第1の袋体と、第1の袋体を収容する第2の袋体と、を備えた携帯用の袋入り抗菌剤であって、第1の袋体は、全面に無機質固形担体の粒径より小さな径の微細孔を有し、
第2の袋体は、前記二酸化塩素を大気中に放出するための放出孔を有し、
前記第1の袋体及び第2の袋体はそれぞれ扁平に形成され、
前記第2の袋体は、アルミニウム蒸着フィルムで形成され、
前記第2の袋体の放出孔は、剥離可能なシールでふさがれており、
前記第2の袋体には、第2の袋体の吊り下げに用いる穴が設けられていることを特徴とする、携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項2】
前記第2の袋体には、第1の袋体が第2の袋体の内側に接触する部分と、第1の袋体と第2の袋体との間に隙間が形成される部分とがあり、前記放出孔は、前記第2の袋体の前記隙間が形成される部分に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項3】
前記放出孔は複数設けられ、前記放出孔の少なくとも一部は、前記第2の袋体の縁部に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項4】
前記第2の袋体は扁平な多角形状であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項5】
前記第1の袋体と第2の袋体との体積比が、1:2〜1:1.2であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項6】
前記第1の袋体における粒子状の抗菌剤の充填率が30〜80%であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項7】
前記粒子状の抗菌剤の粒径が0.01〜1mmであることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項8】
前記無機質固形担体はセピオライト、ゼオライト、シリカ、アルミナ、及びシリカアルミナから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の携帯用の袋入り抗菌剤。
【請求項9】
前記第1の袋体は、アルミニウム蒸着フィルムを2枚重ねて周囲を圧着したものであることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載の携帯用の袋入り抗菌剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−56907(P2013−56907A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234541(P2012−234541)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2011−195716(P2011−195716)の分割
【原出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(505040947)
【Fターム(参考)】