説明

袋状容器の処理装置

【課題】袋状容器8を上方の開口部8aから底部側まで確実に開口する
【解決手段】ターンテーブル2の外周寄りに複数のグリッパ4が設けられ、このターンテーブル2を間欠的に回転させて各処理ポジションA〜Hに順次停止させて処理を行う。開口ステーションCに停止した袋状容器8を、両面側から吸着する吸着パッド216、218と、昇降および開閉可能であり、袋状容器8の開口部8aから挿入されて袋状容器8を開放するフラッパー242と、このフラッパー242をターンテーブル2に追従して回転させる旋回用のサーボモータ266とを備えており、さらに、前記フラッパー242の内部にエア通路242aが形成され、袋状容器8に挿入された後、このエア通路242aのエア噴射口242bからエアを噴射して袋状容器8の底部まで開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は袋状容器の処理装置に係り、例えば、上端に開口部が形成されている袋状容器の開口部を開放して充填ノズルを挿入し、液体等の内容物を充填した後シールを行う等の袋状容器の処理を行う袋状容器の処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部が形成されている袋状容器に充填を行う場合には、袋状容器内に充填ノズルを挿入するために、予め前記開口部を開放する必要がある。袋状容器の開口部を開放する手段として従来から真空により吸着する吸着パッドを用いることが広く行われている。この吸着パッドは、両端部をグリッパによって把持されて搬送されてきた袋状容器の両面側に配置されており、互いに接近して袋状容器の両面をそれぞれ吸着した後、後退して開口部を拡開するようにしている。また、袋状容器の底部側まで確実に開放するために上部側の吸着パッドの他に、底部寄りにも吸着パッドを設けて底部側も開放することが広く行われている。
【0003】
しかしながら、吸着パッドを用いるだけでは、袋状容器の開口部側と底部側の双方に設けていても底部側を確実に開放することが困難であるという問題があった。そこで、吸着パッドによって開放した袋状容器の開口部内に、エアノズルを挿入して袋状容器内にエアを噴射することにより底部側まで開放することが従来から行われている。袋状容器の開口部内に挿入してエアを噴射するエアノズルは、開口部との間の隙間を塞ぐため、袋状容器の開口部の大きさにフィットした専用の形状を有しているので、袋状容器の開口部のサイズや形状が変更になった場合には交換しなければならないという問題があった。
【0004】
また、吸着パッドによって開放された袋状容器の開口部内に開口フラッパーを挿入して、袋状容器を確実に開放する装置がすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。この引用文献1の構成では、回転軸に駆動腕が水平方向に突設され、その先端にピンを介して一対の開閉腕が回動自在に軸支され、これら開閉腕の他端に、それぞれ開口爪(本願の開口フラッパーに相当する)が取り付けられている。そして、開袋工程位置で回動軸を所定距離下降して開口爪を袋(本願の袋状容器に相当する)内に挿入する。次いで、回転体の回転に追従して駆動腕を回転させ、開口爪を開いて袋口および袋本体を開口するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2981952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載された発明のように、吸着パッドと開口フラッパーを併用した構成でも、袋状容器の底部側まで確実に開放できない場合があるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、袋状容器の開口部から底部側まで確実に開放できる袋状容器の処理装置を提供することを目的とするもので、袋状容器を把持するグリッパが円周方向に複数設けられた回転体と、この回転体を間欠回転させる駆動手段と、前記グリッパに把持されて移送される袋状容器内に内容物を充填する充填手段と、進退動可能に設けられ、前記グリッパに把持されている袋状容器を両面側から吸着する吸着パッドと、昇降および開閉可能に設けられ、袋状容器の開口部から挿入されて袋状容器を開口させるフラッパーと、このフラッパーを回転体に追従して移動させる移動手段とを備え、前記フラッパーにエア噴射口を設け、吸着パッドによって開口された袋状容器の開口部内にフラッパーを挿入し、このフラッパーのエア噴射口からエアを噴射して袋状容器を膨らませることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の袋状容器の処理装置は、吸着パッドによって開放した袋状容器の開口部内にフラッパーを挿入し、フラッパーを拡開して前記開口部を開放するとともに、フラッパーに設けたエア噴射口から袋状容器の内部にエアを吹き込むようにしているので、袋状容器の底部側まで完全に開放することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は袋状容器の処理装置の全体の構成を簡略化して示す斜視図である。(実施例1)
【図2】図2は袋状容器の供給装置の側面図である。
【図3】図3は位置決め部に設置された駆動部の構成を示す平面図である。
【図4】図4は位置決め部の側面図である。
【図5】図5は位置決め部の横断面図である。
【図6】図6は位置決め部に配置されたセンタリング部材の駆動部を示す平面図である。
【図7】図7は受け渡し部の側面図である。
【図8】図8は受け渡し部の横断面図である。
【図9】図9は受け渡し部の上部の横断面図である。
【図10】図10は袋状容器の処理装置のターンテーブルの軸線を通る断面図である。
【図11】図11はグリッパおよびその駆動を示す平面図である。
【図12】図12はグリッパの両グリップ部材を接近離隔させる機構を示す側面図である。
【図13】図13はグリッパの縦断面図である。
【図14】図14はグリップ部材を接近離隔させるセンターカムの展開図であり、図(a)はターンテーブルの停止時、図(b)はその後のセンターカム移動時を示す。
【図15】図15は上部吸着パッドを進退動させる機構を説明する平面図である。
【図16】図16は開口フラッパーを昇降および回転させる駆動部の構成を示す縦断面図である。
【図17】図17は開口フラッパーの構成およびこのフラッパーを昇降、回転させる機構の縦断面図である。
【図18】図18は開口フラッパーをターンテーブルに追従して回転させる状態を示す平面図である。
【図19】図19は開口フラッパーの正面図である。
【図20】図20は袋状容器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
回転体に円周方向等間隔で複数のグリッパが設けられており、このグリッパに袋状容器を保持させ、前記回転体を駆動手段によって間欠回転させて袋状容器を所定の位置に順次停止させて処理を行う。回転体の停止する位置のうち充填ステーションには、グリッパに把持されて移送されてきた袋状容器に液体等の内容物を充填する充填手段が設けられ、この充填ステーションの上流側の開口ステーションには、進退動可能に設けられ、前記グリッパに把持されている袋状容器を両面側から吸着する吸着パッドと、昇降および開閉可能に設けられ、袋状容器の開口部から挿入されて袋状容器を開口させるフラッパーとが設けられている。このフラッパーは、移動手段によって前記回転体に追従して移動させるようになっている。さらに、フラッパーにはエア噴射口が設けられており、吸着パッドによって開口された袋状容器の開口部内にフラッパーを挿入し、このフラッパーのエア噴射口からエアを噴射して袋状容器を膨らませることができる。この構成により、袋状容器の開口部から底部側に亘って完全に開放するという目的を達成することができる。
【実施例1】
【0011】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は袋状容器の処理装置(全体として符号1で示す)の構成を簡略化して示す図であり、回転体(ターンテーブル)2の外周部に円周方向等間隔で複数のグリッパ4(後に説明する図10および図11参照)が設けられている。このグリッパ4を備えたターンテーブル2に、袋状容器の供給装置(全体として符号6で示す)によって袋状容器8が供給され、ターンテーブル2が間欠的に回転することによって各処理ステーションに順次停止されて、それぞれの処理が行われる。なお、この実施例では、8箇所の処理ステーションA〜Hが設けられており、各ステーションA〜Hで袋状容器8を2個ずつ処理するようになっている。従って、ターンテーブル2には、2個一組として円周方向等間隔で8組、計16個のグリッパ4が設けられており、このターンテーブル2は、1/8回転ずつ間欠動作する。
【0012】
ターンテーブル2の周囲に設けられている8箇所の処理ステーションA〜Hについて簡単に説明すると、袋状容器の供給装置6によって袋状容器8が供給される第1位置が給袋ステーションA、その次の第2位置が印字装置9によって袋状容器8に印字を行う印字ステーションB、第3位置は、閉じた状態の開口部側を上にして、グリッパ4に両側端部を把持されている袋状容器8を開口する開口ステーションC、第4位置が、開口している袋状容器8内に充填ノズル10を挿入して液体等の内容物を充填する充填ステーションD、第5位置は、袋状容器8の上方に位置している開口部を閉じる袋閉じステーションE、第6位置は、液体が充填された袋状容器8の開口部をシールする第1シールステーションF、第7位置は、同様の第2シールステーションGであり、袋状容器8の形状に応じていずれか一方のシールステーションF、Gでシールが行われる。最後の第8位置は、前記第1シールステーションFまたは第2シールステーションGでシールをした部分の安定化を図るために冷却を行う冷却ステーションHであり、この冷却ステーションHで冷却処理が済んだ袋状容器8は、グリッパ4から解放され、排出コンベヤ12によって排出されて次の工程に送られる。
【0013】
次に、図2ないし図9により本発明の一実施例に係る袋状容器の供給装置6の構成について説明する。なお、この実施例で扱う袋状容器8は、図20に示すように上端の一部分、中央に開口部8aが形成されており、開口部8aを挟んで両側にシール部8bが形成されている。袋状容器の供給装置6は、袋状容器8の開口部8a側を搬送方向の前方側(下流側)を向け、前方の袋状容器8の後部側を後方の袋状容器8の前部側の上に順次重ねた状態で連続的に供給する供給コンベヤ14と、この供給コンベヤ14上の先頭の袋状容器8を、一枚ずつ持ち上げて次の位置決め部18へ送る袋状容器取り出し部16と、袋状容器取り出し部16から送られてきた袋状容器8の前後左右を位置決めする位置決め部18と、位置決めされた袋状容器8を取り上げて前記袋状容器の処理装置1の給袋ステーションAに停止しているグリッパ4に引き渡す受け渡し手段20とを備えている。
【0014】
供給コンベヤ14の下流端に、供給コンベヤ14上に重ね合わせて搬送されてきた袋状容器8の先頭の一枚を持ち上げて後続の袋状容器8から引き離し、次の位置決め部18に送る袋状容器取り出し部16が設けられている。この袋状容器取り出し部16は、供給コンベヤ14上に開口部8a側を前方に向けて寝ている状態の袋状容器8の後部側(底部側)を吸着する底部側持ち上げ手段としての吸盤(底部持ち上げ用吸盤)22と、この吸盤22を昇降させる昇降手段24と、後部側だけが持ち上げられている袋状容器8の前方側を持ち上げる開口部側持ち上げ手段としての持ち上げバー26と、全体が供給コンベヤ14の上方に持ち上げられて浮いた状態になっている袋状容器8の開口部8a側を掴んで位置決め部18に送る移送手段としてのチャック28と、このチャック28を、袋状容器8を掴む位置と位置決め部18へ引き渡す位置との間で往復動させるチャック往復動手段30とを備えている。
【0015】
前記底部持ち上げ用吸盤22は、供給コンベヤ14の搬送方向(図2の矢印参照)に向かって水平に配置されたガイド部材32に、ブラケット34を介して鉛直方向を向いた状態で支持されており、この水平ガイド部材32に沿って進退動する。前記水平ガイド部材32は、フレーム36に取り付けられた垂直なガイドレール38に係合して案内されるスライド部材40に固定されており、スライド部材40の昇降に伴って前記吸盤22が昇降する。前記垂直ガイドレール38およびスライド部材40の真下に、吸盤昇降用モータ42が配置されている。この吸盤昇降用モータ42の駆動によって回転される回転円板44の偏心した位置に、連結ロッド46の一端(下端)が連結されている。また、この連結ロッド46の他端(上端)が前記スライド部材40に連結されており、吸盤昇降用モータ42の駆動により回転円板44が回転すると、連結ロッド46の下端が回転円板44によって偏心回転することにより、連結ロッド46の上端に連結されたスライド部材40およびこのスライド部材40に水平ガイド部材32を介して支持されている底部持ち上げ用吸盤22が昇降する。
【0016】
袋状容器持ち上げバー26は、前記水平ガイド部材32の上下および前後(搬送方向の前方側と後方側)の4箇所に配置されたスプロケット48に掛け回された両側一対のチェーン50に取り付けられており、持ち上げバー駆動用モータ52の駆動によって4箇所のスプロケット48の周囲を循環するようになっている。持ち上げバー26は、上方の移動経路では搬送方向前方側から後方側へ向かって移動し(図2の左から右へ移動する)、搬送方向後方端で下降した後、下方の移動経路で搬送方向後方側から前方側へ移動し、その後、搬送方向前方端で上昇して元の位置に戻る。この持ち上げバー26の下方側の移動経路では、上昇している状態の底部持ち上げ用吸盤22よりもやや下方を通過するようになっている。従って、まず、吸盤22が下降して袋状容器8の後部側(底部側)を吸着して上昇すると、袋状容器8の底部側だけが持ち上げられ前方の開口部8a側は供給コンベヤ14上に垂れ下がった状態になる。この状態で、持ち上げバー26を搬送方向後方側から前方側へ向けて下方の移動経路を移動させることにより、吸盤22と持ち上げバー26とによって袋状容器8全体を持ち上げた状態にすることができる。
【0017】
前記袋状容器取り出し部16を構成する底部持ち上げ用吸盤22および持ち上げバー26が設置されている位置の下流側(図2の左側)に位置決め部18が設けられており、この位置決め部18に、前記袋状容器取り出し部16のチャック28を往復動させるチャック往復動手段30のチャック駆動用ベルト54が配置されている(図3参照)。位置決め部18の下流端に配置された駆動軸56に固定されている左右一対の駆動プーリー58と、上流端に配置された従動軸60に固定されている左右一対の従動プーリー62の間に2本のエンドレスベルト54が掛け回されている。チャック駆動モータ64の回転軸に連結されたプーリー66と前記両駆動プーリー58が取り付けられている駆動軸56に固定された中間プーリー68との間に掛け回された伝達ベルト70を介して、駆動軸56および駆動プーリー58が回転される。前記エンドレスベルト54に取付部材55(図4および図5参照)を介して前記チャック28が取り付けられており、エンドレスベルト54を往復走行させることにより、チャック28を、前記底部持ち上げ用吸盤22と持ち上げバー26とによって持ち上げられている袋状容器8の先端部の位置と、この袋状容器8を位置決め部18に移動させる位置との間で往復移動させる。チャック28は、開閉用エアシリンダ72に取り付けられており、このエアシリンダ72の作動によって開閉される。
【0018】
位置決め部18には、袋状容器取り出し部16のチャック28によって移動されてきた袋状容器8を載せる載置プレート74が配置されている(図2、図4および図5参照)。この位置決め部18には、前記袋状容器取り出し部16のチャック28によって移送されて、載置プレート74上に載せられた袋状容器8の前後左右の位置決めを行う各部材(後に説明する搬送方向前方側のストッパ、後方側のフィンガおよび両側のセンタリング部材)が配置されている。
【0019】
位置決め部18の下流端(搬送方向前方側)には、袋状容器8の先端(この実施例では開口部8a側の端部)に係合して位置決めするストッパ76が配置されている(図3参照)。なお、この実施例では、2列で袋状容器8を搬送し、袋状容器の処理装置1に供給するようになっているので、ストッパ76および後に説明するフィンガ、センタリング部材等は、図3、図5および図6に示すように、同一のものが二組設けられている。
【0020】
前記チャック28を往復動させる両側のチャック駆動用ベルト54のやや内側に、フィンガ移動手段80が設けられている。フィンガ移動手段80には、載置プレート74上に載せられた袋状容器8を後方から押圧するフィンガ81(図3および図5参照)が取り付けられた一対のフィンガ駆動用ベルト82が設けられている。これら両フィンガ駆動用ベルト82は、上流側に配置された駆動軸84の両端に取り付けられている一対の駆動プーリー86と、下流側に配置された従動軸88に取り付けられている従動プーリー90との間にそれぞれ掛け回されている。前記駆動軸84には、フィンガ駆動用モータ92の回転軸に取り付けられたプーリー94と、前記駆動軸84に固定されたプーリー96とこれら両プーリー94、96に掛け回されたベルト98によって、フィンガ駆動用モータ92の駆動が伝達されるようになっている。両フィンガ駆動用ベルト82は、両プーリー86、90の上部側が上流側から下流側に向かって(図3および図4の右から左方向に)走行するようになっており、前記フィンガ81が、前記載置プレート74上に載せられた袋状容器8の底部側の端部に係合して押圧し、先端面を前記ストッパ76に当てることにより、袋状容器8の搬送方向前後の位置決めをする。
【0021】
前記載置プレート74に載せられた袋状容器8の両側に左右方向の位置決めをするセンタリング部材100、102が配置されている。位置決め部18の下方のベース104(図4参照)上に、袋状容器8の搬送方向と直交する方向を向けて1本のガイドレール106が設置されている。このガイドレール106上に4個のスライダ108、110が嵌合し、ガイドレール106に沿って移動できるようになっている。これらスライダ108、110にそれぞれセンタリング部材100、102が取り付けられている。このセンタリング部材100、102は、図4に示すように、下部100a、102aが前記スライダ108、110とほぼ同じ幅を有する板状をしており、上部の袋状容器8に当接してセンタリングを行う部分100b、102bは幅が広く、その上端部100c、102cが前記載置プレート74の上方に突出している。袋状容器8に当接する上端部100c、102cは、載置プレート74の内部側に移動するので櫛歯状をしている。一方、載置プレート74にはこの櫛歯状の上端部100c、102cが通過可能な切り欠きが形成されている。
【0022】
前記ガイドレール106の両側に2本のボールねじ112、114が平行に配置されている。前記センタリング部材100、102には、それぞれボールねじ112、114に螺合するナット116、118が固定されている。この実施例では、2列で袋状容器8を搬送するようになっており、2枚のセンタリング部材100、102が一組として1枚の袋状容器8のセンタリングを行うので、各組の一方のナット(図3の一番上と3番目のナット116)が一方のボールねじ(図3の左側のボールねじ114)に、他方のナット(図3の2番目と4番目のナット118)が他方のボールねじ(図3の右側のボールねじ112)にそれぞれ螺合している。両ボールねじ112、114は、それぞれの端部(図3の上端)に取り付けたプーリー120、122に、センタリング用モータ124の回転軸に連結したプーリー126との間に掛け回されたベルト127を介して回転されるようになっている。両ボールねじ112、114をいずれか一方の方向に回転させると両ボールナット116、118に取り付けた一組のセンタリング部材100、102が接近し、逆方向に回転させると両センタリング部材100、102が離隔する。
【0023】
位置決め部18の上方に、位置決めされた袋状容器8を取り上げて、前記袋状容器の処理装置1の給袋ステーションAに停止したグリッパ4に引き渡す袋状容器受け渡し手段20が配置されている。この受け渡し手段20は、鉛直方向を向いた状態で吸盤(受け渡し用吸盤128)を下降させて(図7に想像線で示す吸盤参照)、前記位置決め部18に位置決めされている袋状容器8の開口部8a側を吸着した後、この吸盤128を上方へ移動させつつ回転させて、水平な状態にして(図7に実線で示す吸盤参照)前記ターンテーブル2のグリッパ4に引き渡すようになっている。
【0024】
受け渡し用の吸盤128を前記のように移動させる構成について、図7ないし図9により説明する。この袋状容器の供給装置6の両側のフレーム130間に支点軸132が支持されている。この支点軸132の両端部寄りに、リンク134の一端が連結されている。このリンク134の他端は、水平軸136に回転可能に連結されている。またこの水平軸136の両端部には、側面形状が四角形の連結部材138を介して丸棒状のロッド140の一端が結合されている。従って、前記リンク134と丸棒状ロッド140とを回転させると、水平軸136は、丸棒状ロッド140と一体的に回転し、リンク134は水平軸136に対して相対的に回転する。
【0025】
前記リンク134のほぼ中央部に、中間リンク142の一端が相対回転可能に連結されている。この中間リンク142の他端は、前記支点軸132および水平軸136と平行な短い支点ピン144に連結されている。この支点ピン144には、支点ブロック146が回転可能に支持されるとともに、スライダー148が回転可能に支持されている。このスライダー148が、上方の横断フレーム149に傾斜して固定されたレール150に係合して摺動できるようになっている。また、前記水平軸136に一端が結合されている丸棒状ロッド140の他端が、支点ブロック146に形成された貫通孔146a内を貫通している。支点ブロック146は支点ピン144によって回転自在に支持されているので、丸棒状ロッド140が、リンク134の回転に応じて水平軸140と一体的に回転し、角度を変えつつ移動する際に、他端側が支点ブロック146に対して自由に進退動することができる。また、中間リンク142の一端および支点ブロック146が支持されている支点ピン144は、スライダ148に回転自在に支持されており、リンク134と丸棒状ロッド140とが相対回転する際に、スライダ148がレール150に沿って移動する。
【0026】
前記丸棒状ロッド140に結合されて一体的に回転する水平軸136に、取付部材151を介して前記受け渡し用吸盤128が固定されている。従って、図7でほぼ水平な状態にある丸棒状ロッド140を反時計回り方向に90度回転させて鉛直方向を向いた状態にすると、水平状態で図7の左方を向いていた受け渡し用吸盤128は、丸棒状ロッド140と同じ鉛直方向を向いた状態になる。
【0027】
前記フレーム130を貫通する支点軸132に短い作動レバー152の一端が固定されている。この作動レバー152を回転させると、支点軸132を介して前記リンク134が回転する。この作動レバー152の他端(回転端)に、連結ロッド154の一端(上端)が連結されており、この連結ロッド154の他端(下端)は、下方に配置された袋状容器受け渡し用モータ156の回転軸に取り付けた回転円板158に偏心させて連結されている。従って、モータ156の駆動により回転円板158を回転させて、連結ロッド154の上端部を図7に示す位置から下降させると、作動レバー152が図7の時計回り方向に回転し、支点軸132の回転を介してリンク134が同様に図7の時計回り方向に回転する。
【0028】
リンク134は、丸棒状ロッド140と結合されている水平軸136に対し相対回転可能に連結されており、かつ丸棒状ロッド140が支点ブロック146内を自由に進退動できるようになっているので、リンク134が時計回り方向に回転するとともに、丸棒状ロッド140が図7の反時計回り方向に回転する。リンク134と丸棒状ロッド140は互いに逆方向に回転して、支点軸132と支点ブロック146とを結ぶ直線となった状態を通過すると、これら両者134と140の連結部が逆方向に折れ、リンク134が次第に水平な状態に、そして、丸棒状ロッド140が次第に直立した状態に移行する。最終的には、前記受け渡し用吸盤128が位置決め部18の載置プレート74上に載っている袋状容器8を吸着する位置で下方を向いた状態で停止する。この位置で吸盤128が袋状容器8を吸着した後、モータ156の回転により連結ロッド154を上昇させると、作動レバー152、リンク134、丸棒状ロッド140等が前述した下降時と逆方向に回転移動し、最終的には、図7に示すように、吸盤128が上方で水平な状態になって停止する。この吸盤128の前方(図7の左方)に袋状容器の処理装置1が配置されており、吸盤128が保持している袋状容器8が、この袋状容器の処理装置1に設けられているグリッパ4に受け渡される。
【0029】
次に、前記図1および図10〜図19により前記袋状容器の供給装置6によって供給された袋状容器8を受け取って、この袋状容器8の開口、内容物の充填およびシール等の処理を行う袋状容器の処理装置1について説明する。この袋状容器の処理装置1は、図1に示すように、袋状容器8を保持する複数のグリッパ4(図11参照)を備えたターンテーブル2の周囲に8箇所の処理ステーションA〜Hが設置されており、ターンテーブル2を間欠的に回転させて、各グリッパ4をこれら各処理ステーションA〜Hに順次停止させてそれぞれの処理を行う。なお、この実施例では、各処理ステーションA〜Hで2個ずつの袋状容器8の処理を行うようになっており、ターンテーブル2の外周部には、2個一組として8組合計16個のグリッパ4が設けられている。
【0030】
ベースプレート160(図10参照)の中央に円形の貫通孔160aが形成され、この貫通孔160aの内周に、大径の保持筒体162が上方側を向けて固定されている。この大径の保持筒体162の内周側に、上下のベアリング164を介して筒体166が回転可能に保持されている。さらに、この回転筒体166の内周側に上下のベアリング168を介して直立した回転軸170が回転自在に保持されている。この直立した回転軸170の上端に、水平なターンテーブル2が固定されて一体的に回転する。このターンテーブル2の外周寄りの下面側に、2個一組となったグリッパ4が等間隔で8箇所に取り付けられている。なお、この図10は、ターンテーブル2の周囲に設けられた8箇所の処理ステーションA〜Hのうちの第3番目に位置する開口ステーションCの位置で断面にした縦断面図である。
【0031】
各グリッパ4は、一対のグリップ部材4A、4Bを備えており(図11参照)、これら両グリップ部材4A、4Bの先端にそれぞれ設けられている把持部172によって、前記袋状容器の供給装置6から供給された袋状容器8の両側端部を把持するようになっている。各グリップ部材4A、4Bは、ターンテーブル2の外周部の下面側に伸びる垂直軸174A、174Bに回転自在に支持されている。なお、この実施例では、2本のグリップ部材4A、4Bからなるグリッパ4が2個で一組となっており、各組の外側のグリップ部材(図11中に示す6本のグリップ部材のうち上から2番目と下から2番目のグリップ部材4A、4B)は、隣接する別の組の外側のグリップ部材(図11中の一番上と一番下のグリップ部材4B、4A)と同じ垂直軸174A、174Bに支持されている。
【0032】
各グリッパ4の両グリップ部材4A、4Bには、その先端部(ターンテーブル2の半径方向外方側の端部)の互いに向かい合う面側に袋状容器8を挟持する把持部172が設けられている。各把持部172は一対の把持体172A、172Bから成っており、一方の把持体(ターンテーブル2の半径方向内方側に位置する把持体172A)は固定であり、他方の把持体(半径方向外方側の把持体172B)は、前記固定把持体172Aに当接する位置と外側に向けて回動した位置との間で回動して、把持部172を開閉できるようになっている。
【0033】
この半径方向外方側の把持体172Bは、支点176aを中心に回転可能な回動プレート176に連結されている。回動プレート176の一つの角部に細長い押圧プレート178の一端が連結され、この押圧プレート178の他端は、両グリップ部材4A、4Bに水平に支持されたL字状レバー180の中間部に連結されている。L字状レバー180の一端が、支点ピン182によってグリップ部材4A、4Bの基部寄りに回転可能に支持されている。さらに、L字状レバー180の他端にはスプリング184の一端が連結されている。このスプリング184は、他端側がターンテーブル2に固定されており、L字状レバー180および押圧プレート178を介して外方側の把持体172Bが内方側の固定把持体172Aに当接する方向に常時付勢している。従って、L字状のレバー180のスプリング184が取り付けられた側をターンテーブル2の半径方向内方側から外方側へ押圧することにより、一対の把持体172A、172Bから成る把持部172を開放することができる。
【0034】
L字状レバー180のスプリング184が連結されている先端部の下方側にカムフォロア186が取り付けられており、このカムフォロア186をカムにより押圧することによって、グリップ部材4A、4Bの先端に設けられている前記把持部172を開放する。この実施例では、給袋ステーションAに、エアシリンダによって進退動可能な開放カム(図示せず)が配置されており、この位置にグリッパ4が停止したときに、エアシリンダによって開放カムを前進させて前記水平なL字状レバー180を回動させて把持部172を開放する。把持部172が開放しているときに、前記袋状容器の供給装置6から袋状容器8が供給される。その後、開放カムを後退させるとスプリング力によってL字状レバー180が逆回転して把持部172が閉じて袋状容器8の両側の端部を挟持する。また、この袋状容器の処理装置1では、各ステーションA〜Hで処理が終了した袋状容器8を、第8番目の冷却ステーションHで排出するようにしているので、この位置にも排出用のカム(図示せず)が設置されて把持部172が開放されるようになっている。
【0035】
前記グリッパ4を構成する一対のグリップ部材4A、4Bは、互いに接近離隔できる間隔調整手段を備えている。袋状容器8は、内部に液体を充填するために開口部8aを開放し、また、充填後開口部8aをシールするために開口部8aを閉じる必要があり、袋状容器8の両側端部を把持している両グリップ部材4A、4Bを、開口部8aを開放しまたは閉鎖するタイミングに合わせて接近、離隔させ、両グリップ部材4A、4Bに設けられている両把持部172間の距離を変更するようになっている。グリッパ4の両グリップ部材4A、4Bを接近離隔させるための構成について説明する。なお、図11に示す二個一組のグリッパ4のうち、上方のグリッパ4を第1グリッパ、下方のグリッパ4を第2グリッパと呼ぶことにする。ターンテーブル2の下面に垂直に固定した支持プレート188に、水平な支点ピン190が支持され、この支点ピン190にL字状レバー(グリッパ開閉用のL字状レバー192)の中間部が回転可能に支持されている。このL字状レバー192の一方の端部に、連結ロッド194の一端が連結されている(図11ないし図13参照)。この連結ロッド194の他端は、第1グリッパ4の片方のグリップ部材(図11の上方のグリップ部材4A)の、前記垂直軸174Aよりも半径方向内方側に固定されている水平な連結プレート196に相対回転可能に連結されている。前記L字状レバー192を水平な支点ピン190を中心に回動させることにより連結ロッド194を移動させて前記第1グリッパ4の一方のグリップ部材4Aを回動させることができる。
【0036】
前記のように第1グリッパ4の一方のグリップ部材4Aに連結プレート196が固定され、第2グリッパ(図11の一組のグリッパのうち下側のグリッパ4)にも、同じ側のグリップ部材(図11の上方のグリップ部材4A)に同一の方向を向けた連結プレート198が固定されており、これら両グリップ部材4A、4Aの連結プレート196、198が連結ロッド200によって連結されている。第1グリッパ4および第2グリッパ4の、同じ側のグリップ部材4A、4Aが、垂直軸174A、174Aから等距離の位置で連結ロッド200によって連結されているので、前記L字状レバー192に連結された連結ロッド194によって第1グリッパ4のグリップ部材4Aが回動すると、第2グリッパ4のグリップ部材4Aも連動して同じ角度だけ回動する。
【0037】
各グリッパ4の一方のグリップ部材4A、4Aは、垂直軸174A、174Aよりも半径方向内方側に固定された連結プレート196、198同士が、連結ロッド200によって連結されて同一方向に回動するようになっているが、これらのグリップ部材4A、4A(第1グリッパおよび第2グリッパの図11の上方のグリップ部材)と、これらのグリップ部材4A、4Aに対向してグリッパ4を構成する他方のグリップ部材4B、4B(第1グリッパおよび第2グリッパの図11の下方のグリップ部材)とは、それぞれ連結バー202、204によって連結されて互いに逆方向に回動するようになっている。連結バー202、204は、前記連結ロッド200が連結されているグリップ部材4Aの、垂直軸174Aよりも半径方向内方側と、他方のグリップ部材4Bの垂直軸174Bよりも半径方向外方側とを連結してあり、前者のグリップ部材4Aを図11の反時計回り方向に回動させれば後者のグリップ部材4Bは時計回り方向に回動して互いに離隔し、逆に前者のグリップ部材4Aを時計回り方向に回動させれば後者のグリップ部材4Bは反時計回り方向に回動して互いに接近する。
【0038】
グリッパ開閉用のL字状レバー192の、連結ロッド194が連結されている端部と逆の端部に、カムフォロア206が取り付けられている。一方、図10に示すように、固定筒体162の内周側に回転可能に配置されている回転筒体166の外周に、円板208、210を介して環状のセンターカム212が配置されており、このセンターカムのカム面に前記カムフォロア206が係合している。このセンターカム212は、所定の範囲で往復回動できるようになっており、このセンターカム212の回動によって、カムフォロア206を上下動させることにより、各グリッパ4の両グリップ部材4A、4Bを接近または離隔させる。図10に示す回転筒体166の、ベースプレート160よりも下方に延びている部分に、図示しない駆動モータと連結する連結ロッド214が取り付けられており、駆動モータの回転を伝達することにより回転筒体166を所定角度だけ往復回転させ、センターカム212の位置を変更することができる。
【0039】
図14(a)、(b)は、このセンターカム212を展開した図であり、環状のカムのうち2つのステーションに相当する長さだけが低い位置212Aにあり、その他の6箇所のステーションに相当する部分は高い位置212Bにある。前記グリッパ開閉用のL字状レバー192のカムフォロア206がこのセンターカム212の高い位置212Bに係合しているときは、図11、図12に示すように、L字状レバー192が連結ロッド194を引き付けた状態になり、各グリッパ4の両グリップ部材4A、4Bを開いた状態にする。また、カムフォロア206がセンターカム212の低い位置212Aに係合しているときには、L字状レバー192が連結ロッド194を押し出した状態になり、両グリップ部材4A、4Bが接近する。
【0040】
図14(a)は、間欠的に回転するターンテーブル2が1ピッチ(全周の1/8回転)回転して停止した瞬間を示すもので、2つのグリッパ4を一組とする8組のグリッパ4のカムフォロア206は、第1位置の給袋ステーションA、次の印字ステーションBおよび第3位置の開口ステーションCでは、高い位置212Bに係合しており、第4位置および第5位置の充填ステーションDおよび袋閉じステーションEでは低い位置212Aに係合している。そして、それ以降の第6位置ないし第8位置の第1シールステーションF、第2シールステーションGおよび冷却ステーションHでは、カムフォロア206が高い位置212Bに係合している。
【0041】
その後、ターンテーブル2は停止したままで、センターカム212を回転させると図14(b)の状態になる。このようにセンターカム212を切り換えた場合も、給袋ステーションAおよび印字ステーションBでは、切り換え前と同じくカムフォロア206がセンターカム212の高い位置212Bに係合しており、両グリップ部材4A、4Bが離れた位置で袋状容器8の両側端部を引いているので、袋状容器8の開口部8aは閉じた状態に維持される。次の開口ステーションCでは、カムフォロア206がセンターカム212の高い位置212Bから低い位置212Aに切り換えられる。すると、L字状レバー192が回動して、両グリップ部材4A、4Bは離れた位置から互いに接近する。この開口ステーションCでは、後に説明するように袋状容器8の両面を吸盤が吸着して離隔することにより開口部8aを開放するようになっており、両面を開放するタイミングに合わせて、把持部172が把持している両側端部を接近させる。第4位置の充填ステーションDでは、袋状容器8の開放した開口部8aから充填ノズル10を挿入して液体等の内容物の充填を行うようになっており、センターカム212の切り換え前(図14(a)参照)も切り換え後(図14(b)参照)も、カムフォロア206がセンターカム212の低い位置212Aに係合しているので、両グリップ部材4A、4Bは接近して、袋状容器8の開口部8aは開放した状態に維持される。
【0042】
次の第5位置の袋閉じステーションEでは、グリッパ4が回転移動して停止した時点では、充填終了直後であり、袋状容器8の開口部8aが開放しており両グリップ部材4A、4Bが接近した位置にある。この状態からセンターカム212を切り換えると、カムフォロア206がセンターカム212の低い位置212Aから高い位置212Bへ押し上げられ、両グリップ部材4A、4Bが離隔した位置に移動し、把持部172が把持している袋状容器8の両側端部を引っ張ることにより開放していた開口部8aを閉じる。その後の、第6位置ないし第8位置の第1ーシールステーションF、第2シールステーションGおよび冷却排出ステーションHでは、センターカム12の切り換えにかかわらず常にグリッパ4の両グリップ部材4Aが離隔した状態にある。
【0043】
図10に示すように、開口ステーションCにはグリッパ4に保持されて搬送されてきた袋状容器8の開口部8aを開放する開放手段としての吸着パッド216、218が設けられている。開口ステーションCに搬送されてくる袋状容器8は、開口部8aを上に向け、この開口部8aに近い上部の両側端部をグリッパ4の一対のグリップ部材4A、4Bにそれぞれ設けられた把持部172、172よって把持されて、ほぼ垂直に垂れ下がった状態で搬送されてくる。袋状容器8は、その両面が密着した状態で、一方の面をターンテーブル2の半径方向外方側を向け、他方の面を半径方向の内方側を向けて保持されており、吸着パッド216、218は、この両面を吸着できるように、グリッパ4に保持されて搬送される袋状容器8の移動経路の内側と外側にそれぞれ配置されている(移動経路の内側の吸着パッドを符号216A、218A、外側の吸着パッドを符号216B、218Bで示す)。また、袋状容器8の底部側まで確実に開放できるように、吸着パッド216、218は、袋状容器8の上端部と下端部付近を吸着するように配置されている(上方の吸着パッドが216、下方の吸着パッドが218)。
【0044】
図15は前記上部側の吸着パッド216を、開閉(接近して袋状容器8を吸着する位置と離れて後方に退避した位置との間で進退動)させる機構を示す図であり、下部側の吸着パッド218もほぼ同一の構成で進退動するようになっているので上部側についてだけ説明する。袋状容器8の移動経路の内側に配置された吸着パッド216Aと外側に配置された吸着パッド216Bは、それぞれ上方のフレーム220(図10参照)に固定された支持プレート222A、222Bに、2本の平行な回転リンク224A、224B、226A、226Bを介して連結された進退動部材228A、228Bの、互いに向かい合う先端面に取り付けられている。
【0045】
これら吸着パッド216A、216Bを進退動させるリンク機構に隣接して吸着パッド進退動用のモータ230が配置されている。このモータ230の駆動によって回転される円板232の偏心した位置に、長い連結ロッド234の一端が連結されている。この連結ロッド234の他端が、内側の吸着パッド216Aを進退動させる2本の平行リンク224A、226Aのうち吸着パッド216Aから遠い側のリンク(図15の一番左のリンク226A)の、支点226Aaよりも外側(支点226Aaに対して、進退動部材228Aと逆側)に連結されている。また、前記モータ230により回転する円板232の、前記長い連結ロッド234が偏心して連結されている側と逆側(モータ230の回転軸に対して逆側)に短い連結ロッド236の一端が連結されている。この短い連結ロッド236の他端は、外側の吸着パッド216Bを進退動させる2本の平行リンク224B,226Bのうち吸着パッド216Bから遠い側のリンク(図15の一番右のリンク226B)の、支点よりも外側(支点226Baに対して、進退動部材228Bと逆側)に連結されている。内側の吸着パッド216Aを進退動させる平行四辺形のリンクと外側の吸着パッド216Bを進退動させる平行四辺形のリンクに対して、モータ230の駆動を伝達する連結ロッド234、236を前記のように連結したので、例えば、長い連結ロッド234を前進(図15の左方へ移動)させると、短い連結ロッド236が後退(右へ移動)し、両吸着パッド216A、216Bが互いに接近する。一方、長い連結ロッド234が後退(図15の右方へ移動)すると、短い連結ロッド236が前進(左へ移動)し、両吸着パッド216A、216Bが互いに遠ざかる。
【0046】
また、この実施例では、ターンテーブル2に設けられているグリッパ4が2個一組となって一度に2枚の袋状容器8の処理を行うようになっており、袋状容器8を開放する吸着パッドも2組設けられて同時に同じ動作をするようになっている。なお、2組の吸着パッド216A、216Bおよび吸着パッド216A、216Bを進退動させる機構には同一の符号を付して説明する。このように連動させるために、内側の吸着パッド216Aを同時に進退動させるためにリンク226A、226A同士を伝達ロッド238で連結し、外側の吸着パッド216Bを同時に進退動させるためにリンク226B、226B同士を伝達ロッド240によって連結している。これにより2組の吸着パッド(図15の右側の2個の吸着パッド216A、216Bと左側の2個の吸着パッド216A、216B)が、同じタイミングで進退動し、前進したときに袋状容器8の両面を吸着し、その後、離隔したときに開口部8aを開放するようになっている。なお、袋状容器8の下部側を開放する吸着パッド218(218A、218B)も、以上に説明した上部側の吸着パッド216A、216Bと同一の作動をするようになっているのでその説明は省略する。また、この実施例では、袋状容器8の開口部8aが中央部にある場合に限らず、いずれかの側方へ偏っている場合にも適用できるように、図15に示す機構全体をターンテーブル2の回転方向に移動して位置を調整することができるようになっている。また、袋状容器8のサイズが異なるものにも適用できるように、下部側のユニット全体(図10の右下に記載した吸着パッド218、下部吸着パッドのリンク機構219および右方のモータ221を含む駆動部)を昇降させて下部側の吸着パッド218による吸着高さを変更できるようにしている。
【0047】
前記開口ステーションCには、袋状容器8の開口部8aから内部に挿入され、内部で拡開することにより袋状容器8を強制的に開放するとともに、袋状容器8の内部にエアを吹き込んで袋状容器8を底部側まで完全に開放するための開口フラッパー242が設けられている。このフラッパー242の構成について、図16ないし図19により説明する。ターンテーブル2の上方に、フラッパー242を支持するとともに、回転昇降させる機構が設置されている。その回転中心の軸244が、ターンテーブル2の中心の回転軸170と軸線を一致させて直立して配置されている。ターンテーブル2の回転軸170の上端部170aの外周に、ボールベアリング246を介して、支持フレーム248が相対回転可能に支持されている。この支持フレーム248は直立した支柱部248aを有しており、この支柱部248aにフラッパー242の回転昇降機構が設けられている。また、前記ターンテーブル2の回転軸170に相対回転可能に嵌合された支持フレーム248に、水平な固定フレーム250が連結されている(図18参照)。この固定フレーム250は、ターンテーブル2の外部まで延長されて外部側に固定されている。
【0048】
フラッパー242の回転昇降機構の中心軸244は、前記支柱部248aに沿って昇降する昇降枠体252内に上下のベアリング254を介して回転自在に支持されている。前記支柱部248aには、垂直方向のガイドレール256が取り付けられており、昇降枠体252に固定されたスライダー258がこのガイドレール256に嵌合し、ガイドレール256に沿って昇降するようになっている。支柱部248aの上端には、昇降用モータ260が固定され、その回転軸に連結された回転円板262の偏心した位置に連結ロッド264の一端が連結されている。この連結ロッド264の他端が、前記昇降枠体252の上面に連結されている。昇降用モータ260の駆動により回転円板262が回転すると、連結ロッド264が昇降し昇降枠体252全体を昇降させる。
【0049】
前記中心軸244の、昇降枠体252の内部に位置する部分に、角筒状の旋回アーム264が固定されている。中心軸244の上方に、旋回用のサーボモータ266が設置されており、このサーボモータ266の駆動によって中心軸244が回転され、旋回アーム264が旋回する。旋回アーム264の先端部の下方に、開口フラッパー242が取り付けられている。この実施例では、この旋回アーム264が、ターンテーブル2の第3位置の開口ステーションCと第4位置の充填ステーションDとの間でフラッパー242を往復回動させるように旋回する。旋回アーム264は、ターンテーブル2の半径とほぼ同じ長さを有しており、フラッパー242の中央が、グリッパ4に把持されて搬送される袋状容器8の移動経路の上方に位置するようになっている。なお、袋状容器8の開口部8aの位置が上端の中心ではなく、上端の左右いずれかに偏った位置に設けられている場合には、旋回アーム264の位相をターンテーブル2に対して調整することで対応する。仮に、開口部の位置が中央から向かって左(ターンテーブル2の回転方向と逆方向)に5mmずれた場合は、旋回アーム264の位相をターンテーブル2の進行方向と逆方向に5mmずらすことによって、フラッパー242の位置を開口部の上方に位置させることができる。
【0050】
フラッパー242は、図17に示すように、上部に一対のく字状に折り曲げられた部材268A、268Bを備えており、両く字状部材268A、268Bの上側の辺(以下上辺と呼ぶ)の端部同士を向かい合わせて配置するとともに、他方の辺(以下脚部と呼ぶ)を縦方向に向け、その脚部の中間部をそれぞれ支点ピンで回転可能に支持している。これら両く字状部材268A、268Bの脚部の下端にそれぞれ、フラッパー242を構成するフラッパー部材242A、242Bが下方を向けて取り付けられている。これら両フラッパー部材242A、242Bはその下部が外側に向けて折り曲げられている。これら両フラッパー部材242A、242Bを最も接近させた状態では、く字状部材268A、268Bの脚部に連結された上部側が離れており、下部側に向かって次第に接近して逆三角形となり、折り曲げられた下部が当接して鉛直方向を向いている。前記両く字状部材268A、268Bの支点よりも上部にスプリング270が装着されて上部側を常時引き付けており、自由状態では下部側に取り付けられているフラッパー部材242A、242Bが離れた状態になっている(図17に想像線で示す状態)。
【0051】
下部側が折り曲げられた各フラッパー部材242A、242Bは、その内部にエア通路242aが設けられており、エア供給管272A、272Bを介して外部からエア通路242aに供給されたエアをエア噴射口242bから噴射できるようになっている。また、各フラッパー部材242A、242Bの外径は、袋状容器8に形成されている開口部8aより細くなっている。この実施例では、フラッパー242の両フラッパー部材242A、242Bを閉じた状態(下部が当接して鉛直方向を向いている)で袋状容器8の開口部8aから内部に挿入し、両フラッパー部材242A、242Bを拡開することにより袋状容器8の8aを開放する。
【0052】
中間部が支点274によって回動自在に支持されたL字状レバー276(図17参照)の一方の端部に長い連結ロッド278が連結されている。また、L字状レバー276の他端部にはローラ280が取り付けられ、このローラ280が前記く字状部材268A、268Bの上辺の先端部が向かい合っている部分の下方に位置している。連結ロッド278は、後に説明するようにその軸方向に進退動できるようになっており、この連結ロッド278が後退(図17の左方へ移動)したときには、L字状レバー276が反時計回り方向に回転してローラ280が上昇され、両く字状部材268A、268Bの上辺の先端が重なり合っている部分を押し上げることにより、下方の両フラッパー部材242A、242Bを閉じた状態にしている。また、連結ロッド278が前進(図17の右方へ移動)したときには、L字状レバー276が時計回り方向に回転してローラ280が下降するので、両く字状部材268A、268Bの支点よりも上部側がスプリング270の力により引き寄せられ、下方に取り付けられたフラッパー部材268A、268Bが開放する。
【0053】
前記連結ロッド278の他端側は、水平に配置された角筒状の旋回アーム264に沿ってターンテーブル2の中央部方向に伸びている。旋回アーム264のターンテーブル2の中心側の端部の下方に、支点282を中心に回動可能な縦方向のレバー284が配置されており、この縦方向レバー284の上端部に前記連結ロッド278の端部が連結されている。縦方向レバー284の支点282よりもやや下方に、スプリング286が取り付けられ、縦方向レバー284の下部側を押し付けており、連結ロッド278に対して後退させる方向(図17の左方向)の力を作用させている。
【0054】
角筒状の旋回アーム264に取り付けられているフラッパー242およびこのフラッパー242のフラッパー部材242A、242Bを開閉するための機構は前記旋回用サーボモータ266によって開口ステーションCと充填ステーションDの間で往復回動するようになっているが、これら回転部分よりも下方側の支持フレーム248に、前記フラッパー242を支持している旋回アーム264が開口ステーションCに停止している時に、前記縦方向レバー284の下端部に係合してこの縦方向レバー284をほぼ垂直の状態に維持するとともに、旋回アーム264が回転を開始すると前記縦方向レバー284との係合が外れる位置に係合ローラ288が設けられている。旋回アーム264が開口ステーションCに位置しているときには、係合ローラ288が縦方向レバー284の下端に係合して、この縦方向レバー284を直立した状態に維持しており、連結ロッド278およびL字状レバー276を介してフラッパー242を閉じている。
【0055】
フラッパー242が閉じた状態で上昇しているときに、開口ステーションCにグリッパ4に把持されて開口部8aが閉じた状態の袋状容器4が移動してくると、まず、吸着パッド216、218によって袋状容器8の開口部8aおよび底部側を吸着して開放する。その後、昇降用モータ260の駆動によってフラッパー242を下降させて開放した開口部8aから袋状容器8内に挿入し、フラッパー242の内部に形成されているエア噴射口242bから袋状容器8内にエアを吹き込んで袋状容器8を底部側まで確実に開放する。続いて、ターンテーブル2の回転に追従して、旋回用サーボモータ266によって旋回アーム264を回転させると、直ちに縦方向レバー284の係合ローラ288への係合が外れ、連結ロッド278のフラッパー242方向への前進およびL字状レバー276の時計回り方向への回転によって、フラッパー242の両フラッパー部材242A、242Bが開放し袋状容器8の開口部8aをさらに広げる。
【0056】
前記フラッパー242が取り付けられている旋回アーム264は、図16に示すように、昇降用モータ260によって実線で示す位置とその上方に想像線で示す位置との間で昇降する。また、図18に示すように、旋回用サーボモータ266によって実線で示す開口ステーションCの位置とその次の第4位置である充填ステーションDとの間で往復旋回する。この実施例では、開口ステーションCで上方から下降し、下降した位置で開口ステーションCから充填ステーションDへ旋回し、充填ステーションDで上昇し、上昇位置で充填ステーションDから開口ステーションCへ旋回するという循環動作を行う。
【0057】
前記開口ステーションCの次の第4位置は充填ステーションDであり、詳細は図示しないが、グリッパ4によって把持されて搬送されてくる2個の袋状容器8に対し液体等の内容物の充填を行う2本の充填ノズル10が配置されている。これら充填ノズル10は昇降動作を行うようになっており、開口ステーションCで、吸着パッド216、218およびフラッパー242によって開口部8aから下部までに亘って開放された袋状容器8が、フラッパー242によって開放した状態を維持したまま搬送されて来る。
【0058】
以上の構成に係る袋状容器の処理装置1および袋状容器の供給装置6の作動について説明する。袋状容器8は開口部8a側を搬送方向の前方側に向け、前方の袋状容器8の後部を順次後方の袋状容器8の前部上に重ねた状態で供給コンベヤ14によって搬送する。供給コンベヤ14の下流端の上方に袋状容器取り出し部16が配置されており、吸盤昇降用モータ42の駆動によって、底部持ち上げ用吸盤22を上昇位置から下降させて、供給コンベヤ14上の先頭の袋状容器8の底部側を吸着する。その後、吸盤昇降用モータ42の駆動により袋状容器8を吸着した吸盤22がその位置で上昇する。袋状容器8は、搬送方向後方の底部側が持ち上げられ、前方の開口部8a側は供給コンベヤ14上に垂れ下がった状態になっている。
【0059】
次に、持ち上げバー駆動モータ52によって持ち上げバー26を移動させる。持ち上げバー26は、前記吸盤22の下部側の移動経路では、上昇している吸盤22よりもやや低い高さを、搬送方向の上流側から下流側(図2の右から左へ)へ移動する。持ち上げバー26が袋状容器8の底部側から袋状容器8の下方側に入り込み、開口部8aの近くまで移動すると、前記吸盤22とこの持ち上げバー26によって袋状容器8全体を持ち上げた状態になる。
【0060】
袋状容器取り出し部16の下流側に設けられた位置決め部18の下方に、袋状容器8を供給コンベヤ14の搬送面から持ち上げた位置から位置決め部18まで送るチャック28の往復動手段30が設けられており、チャック28を袋状容器取り出し手段16側に移動させて、持ち上げられている袋状容器8の開口部8a側を把持する。その後、位置決め部18側へ前進して、吸盤22と持ち上げバー26とによって供給コンベヤ14の上方に持ち上げられていた袋状容器8を位置決め部18に送る。
【0061】
位置決め部18には、袋状容器8を載せる載置プレート74が配置されており、チャック28に引っ張られてきた袋状容器8はこの載置プレート74上に載せられる。位置決め部18には、袋状容器8の開口部8a側の先端部の位置決めを行うストッパ76(図3参照)と、載置プレート74上に載せられた袋状容器8を後方から押圧するフィンガ81とが設けられており、フィンガ81によって載置プレート74上の袋状容器8の後端部(底部)を押圧して先端面をストッパ76に当てることにより、袋状容器8の搬送方向前後の位置決めを行う。
【0062】
載置プレート74上で前後の位置決めがされた袋状容器8の左右両側には、一対のセンタリング部材100、102が配置されており、載置プレート74上に袋状容器8が送られてくる時点では、両側のセンタリング部材100、102は離隔している。袋状容器8の前後の位置決めが終了した後、センタリング用モータ124の駆動により、2本のねじ軸112、114を回転させて両センタリング部材100、102を接近させる。一対のセンタリング部材100、102を接近させることによって袋状容器8を両側から挟み込んで左右の位置決めを行う。このようにして、位置決め部18の載置プレート74上で、袋状容器8の前後左右の位置決めを行う。
【0063】
位置決め部18の上方には受け渡し手段20(図1および図7参照)が設けられている。袋状容器8が位置決め部18に移送されて位置決めされる間は、受け渡し用吸盤128は、図7に実線で示すように上方に位置している。位置決めが終了するタイミングに合わせて、受け渡し手段20のモータ156を駆動して、作動レバー152を図7の時計回り方向に回転させる。作動レバー152の回転によって支点軸132とともにリンク134が時計回り方向に回転し、このリンク134の他端に水平軸136を介して連結されている丸棒状ロッド140が反時計回り方向に回転する。丸棒状ロッド140の下方への移動端では、ほぼ鉛直方向を向いた状態になり、水平軸136に取り付けられている受け渡し用吸盤128も真下を向いた状態になる。この吸盤128によって、位置決め部18で位置決めされている袋状容器8の前端の開口部8a近くを吸着する。続いて、袋状容器受け渡し用モータ156によりリンク134と丸棒状ロッド140を前記動作と逆方向に回転させる。リンク134と丸棒状ロッド140の上方への移動端では、リンク134がほぼ直立し丸棒状ロッド140はほぼ水平な状態になり、図7に示すように、受け渡し用吸盤128が上方で袋状容器の処理装置の方向を向いて水平な状態になる。
【0064】
前記袋状容器の供給装置6は、袋状容器の処理装置1の第1位置である給袋ステーションAの前方に設けられており、袋状容器の供給装置6の受け渡し用吸盤128は、吸着している袋状容器8を、ターンテーブル2の間欠的な回転によって給袋ステーションAに停止しているグリッパ4に引き渡す。この実施例では、図7に示すように、上方の受け渡し位置に移動した吸盤128よりもやや低い位置にグリッパ4が設けられており、グリッパ4は袋状容器8の開口部8aに近い上部を把持する。袋状容器の供給装置6は、位置決め部18で袋状容器の前後左右の位置決めをしてから袋状容器の処理装置1に引き渡すので、ずれのない正確な供給が可能である。また、供給コンベヤ14から袋状容器8を持ち上げる際には、吸盤22によって袋状容器8の底部側を吸着するので、吸着ミスが無く、しかも、袋状容器8の方向変換をすることなく、開口部8a側を上方に向けて供給することが可能である。
【0065】
給袋ステーションAでは、グリッパ4の両グリップ部材4A、4Bを接近離隔させるセンターカム212の高い位置に、L字状レバー192のカムフォロア206が係合しており、両グリップ部材4A、4Bは離隔した状態になっている。この給袋ステーションAのグリッパ4が停止する位置の半径方向内方側に、各グリップ部材4A、4Bの先端に設けられている把持部172を開放させるための開放カム(図示せず)が設けられており、エアシリンダ等によってこの開放カムを移動させることによって、水平なL字状レバー180を回動させて半径方向外方側の把持体172Bを外側に開いて把持部172を開放した状態にしている。この開放した状態の把持部172内に、前記受け渡し用吸盤128に吸着された袋状容器8の端部が挿入される。その後、開放カムを後退させると、スプリング184の力によって半径方向外方側の把持体172Bが戻って、固定側の把持体172Aに圧接されて袋状容器8の両側端部を把持する。
【0066】
給袋ステーションAでグリッパ4に把持された袋状容器8は、間欠回転するターンテーブル2の一ピッチの回転(1/8回転)により次の印字ステーションBに停止する。この印字ステーションBでも、グリッパ4の両グリップ部材4A、4Bを接近離隔させるセンターカム212は常に高い位置でカムフォロア206を押し上げており、両グリップ部材4A、4Bは離隔した状態で袋状容器8の両側端部を外側に引き付けている。従って、袋状容器8の両面は密着した状態になっている。印字ステーションBには印字装置9が設けられており、袋状容器8に所定の印字が行われる。
【0067】
ターンテーブル2の次の1ピッチ分の回転により、印字ステーションBで印字が行われた袋状容器8は、次の開口ステーションCに送られる。開口ステーションCには、袋状容器8の開口部8aを開放するための吸着パッド216、218が設けられている。この開口ステーションCに袋状容器8が送られてくる時点では、上部吸着パッド216と下部吸着パッド218ともに、ターンテーブル2の半径方向内方側に位置している吸着パッド216A、218Aと半径方向外方側の吸着パッド216B、218Bが後退して離れた状態になっている。内側の吸着パッド216A、218Aと外側の吸着パッド216B、218Bの間にグリッパ4に把持されて搬送されてきた袋状容器8が停止すると、それぞれのモータ230、221の駆動によって上部吸着パッド216(216A、216B)と下部吸着パッド(218A、218B)がそれぞれ接近して袋状容器8を両面から吸着する。
【0068】
ターンテーブル2の回転により袋状容器8が開口ステーションCに送られてきた時点では、そのグリッパ4の両グリップ部材4A、4Bの開閉をするL字状レバー192のカムフォロア206は、センターカム212の高い位置にあり、両グリップ部材4A、4Bを拡開している。その後、前記吸着パッド216、218によって袋状容器8を開放するタイミングに合わせてセンターカム212を回転させる。前記カムフォロア206はセンターカム212の低い位置に移動し両グリップ部材4A、4Bが接近する。このように両グリップ部材4A、4Bを接近させることにより袋状容器8の吸着パッド216、218による開放動作を補助する。
【0069】
上下の吸着パッド216、218とフラッパー242による袋状容器8の開放工程について説明する。まず、上下の吸着パッド216、218を前進させて、袋状容器8の上部側と下部側を吸着する。この時点では、フラッパー242は上昇位置で停止しており、フラッパー242を開閉する連結ロッド278の基端側の縦方向レバー284の下端部が、固定側の支持フレーム248に取り付けられているローラ288に係合して、両フラッパー部材242A、242Bの下端部が閉じている。次いで、下部側の吸着パッド218は前進した位置に停止させたままで、上部側の吸着パッド216を後退させるとともに、センターカム212を回転させてカムフォロア206をセンターカム212の低い位置に移動し両グリップ部材4A、4Bを接近させて袋状容器8の開口部8aを開放する。この状態で昇降用モータ260の駆動により昇降フレーム252および角筒状のアーム264を介してフラッパー242を下降させ、その下端部を開放した袋状容器8の開口部8a内に挿入する。その後、一度後退した上部側の吸着パッド216を再び前進させるとともに、センターカム212を元の位置に回転させてカムフォロア206をセンターカム212の高い位置に移動し両グリップ部材4A、4Bを再度拡開させ、フラッパー242を挿入した状態のまま開口部8aとフラッパー242との間に形成されている隙間を閉鎖する。袋状容器8の開口部8aを閉鎖した後、エア供給管272Aを介してエア供給源から送られたエアを、フラッパー部材242A、242Bの内部に形成されているエア通路242aから袋状容器8内に噴射するとともに、下部側の吸着パッド218を後退させる。続いて、上部側の吸着パッド216を後退させるとともに、センターカム212を回転させてカムフォロア206をセンターカム212の低い位置に移動し両グリップ部材4A、4Bを接近させることにより袋状容器8の開口部8aを開放して、袋状容器8全体を開放する。
【0070】
袋状容器8全体を開放した後、上下の吸着パッド216、218のバキュームを解除して袋状容器8を離す。続いて、ターンテーブル2の回転に追従して、旋回用サーボモータ266の駆動により中心軸244を介して角筒状アーム264を旋回させる。これら回転する部分が旋回を開始すると、直ちに縦方向レバー284の固定側の係合ローラ288との係合が外れ、フラッパー242の上部のスプリング270によってフラッパー部材242A、242Bの下部が開放する(図17に想像線で示すフラッパー部材参照)。両フラッパー部材242A、242Bの下部が開放して、袋状容器8の開口部8aを内面側から拡開した状態を維持して、フラッパー242が袋状容器8とともに回転移動する。
【0071】
ターンテーブル2の回転により、フラッパー242が挿入されたまま回転搬送された袋状容器8が充填ステーションDに到達して停止すると、昇降用モータ260の駆動によって昇降フレーム252が上昇され、フラッパー242が袋状容器8内から抜き取られる。充填ステーションDには昇降可能な充填ノズル10が配置されており、開放した袋状容器8の内部に、下降してきた充填ノズル10が挿入されて充填が行われる。その後、充填ステーションDから袋閉じステーションEに移動される。この袋閉じステーションEで停止した後センターカム212が回転すると、センターカム212の低い位置212Aに係合していたカムフォロア206が高い位置212Bに押し上げられ、両グリップ部材4A、4Bが離隔する(図4(a)、(b)の袋閉じステーションE参照)。両グリップ部材4A、4Bが離隔することによって、袋状容器8の両側端部が引かれて開放していた開口部8aが閉じられる。また、前記フラッパー242は、旋回用サーボモータ266の駆動によって、上昇された位置で充填ステーションDから開口ステーションCに戻り、次の袋状容器8に挿入される。
【0072】
その後、ターンテーブル2の一ピッチ分ずつの回転によって第1シールステーションF、第2シールステーションGに順次停止する。これらのシールステーションF、Gでは、各袋状容器8の形状、サイズ等に応じて予め決められたいずれかのステーションでシールが行われる。続いて、冷却ステーションHまで搬送されて冷却された後、袋状容器8を把持していた両グリップ部材4A、4Bの各把持部172を開放して袋状容器8を離す。この冷却排出ステーションHにも、前記把持部172の半径方向外方側把持体172Bを開閉させるための開放カム(図示せず)が配置されており、この開放カムの動作によって外方側の把持体172Bを外側へ回動させて把持していた袋状容器8の両側端部を解放する。ターンテーブル2に設けられたグリッパ4に把持されていた袋状容器8は排出コンベヤ12に載せられてこの袋状容器の処理装置1から排出され、次の工程へ送られる。
【符号の説明】
【0073】
2 回転体(ターンテーブル)
4 グリッパ
8 袋状容器
10 充填手段(充填ノズル)
216 吸着パッド
218 吸着パッド
242 フラッパー
266 移動手段(旋回用のサーボモータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状容器を把持するグリッパが円周方向に複数設けられた回転体と、この回転体を間欠回転させる駆動手段と、前記グリッパに把持されて移送される袋状容器内に内容物を充填する充填手段と、進退動可能に設けられ、前記グリッパに把持されている袋状容器を両面側から吸着する吸着パッドと、昇降および開閉可能に設けられ、袋状容器の開口部から挿入されて袋状容器を開口させるフラッパーと、このフラッパーを回転体に追従して移動させる移動手段とを備え、
前記フラッパーにエア噴射口を設け、吸着パッドによって開口された袋状容器の開口部内にフラッパーを挿入し、このフラッパーのエア噴射口からエアを噴射して袋状容器を膨らませることを特徴とする袋状容器の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−30810(P2012−30810A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169860(P2010−169860)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(393027121)株式会社ファブリカトヤマ (27)
【Fターム(参考)】