袋状物、その袋状物を用いた抽出具及び浄化具
【課題】変形自在性(形状融通性)を向上させつつ、目ズレ回復性を有する袋状物を提供する。
【解決手段】フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により、変形自在な袋状物を形成する。編地のゲージ(編地1インチ当たりの編み目の数)が3G〜40Gであることが好ましい。編地が丸編みにより構成されることが好ましい。フッ素樹脂系の糸が0.02N/d以上の強度を有することが好ましい。フッ素樹脂系の糸がPTFE糸であることが好ましい。
【解決手段】フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により、変形自在な袋状物を形成する。編地のゲージ(編地1インチ当たりの編み目の数)が3G〜40Gであることが好ましい。編地が丸編みにより構成されることが好ましい。フッ素樹脂系の糸が0.02N/d以上の強度を有することが好ましい。フッ素樹脂系の糸がPTFE糸であることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編地により構成される袋状物に関するものであり、袋状物の用途としては、例えば、抽出具、浄化具等が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
抽出具、浄化具、より具体的には、洗濯ネット、家庭用のゴミの水切りネット、漢方薬や紅茶の抽出袋、浴槽に入れるセラミック片の取り纏め用ネットなど、織編物により形成され透液性のある袋状物は、その内部に固形物を入れ、この物を液体(又は気体)に浸す、液体(又は気体)を通す等の操作により、固形物を洗浄、抽出、或いは液体を浄化するのに便利である。また、袋状物を変形自在に構成しておけば、袋状物の使用環境・使用条件、及び、内部に封入される固形物の形状・数・質量に応じて袋状物の形状を調節することができる。
【0003】
特許文献1には、透液性樹脂シートからなる抽出用袋体に、飲料用抽出原料を封入した構造を有し、透液性樹脂シートは、95%以上がポリアミド樹脂にて構成され、かつ、該ポリアミド樹脂より低融点の樹脂成分の含有率を5%以下とした飲料用抽出原料封入体が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維、綿、レーヨン、アセテート、シルク、ビニロン、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ウールからなる洗濯ネット用繊維材料が記載されている。また、使用される生地の形態としては、平織りや、丸編みが記載されている。
【0005】
袋状物が変形自在であるため、生地が上記のように織編物の形態をとる場合は、織目或いは編目にどうしても目ズレが起こりやすくなる。特に、繊維の表面平滑性が高い場合には、何らかの目ズレ防止策を講じなければならない。
【0006】
特許文献3には、表面平滑性の高いフッ素樹脂糸により織物を構成する例について記載されている。特許文献3には、織物の目ズレを防止するため、フッ素樹脂を主体とする糸の表面にイオン交換能を有する樹脂を被覆する方法が記載されている。この方法では、糸表面の摩擦係数を高めることにより、織物としての目ズレや緯糸の引抜けが防止されている。
【特許文献1】特開2005−263306号公報(段落0007等)
【特許文献2】特開2003−286634号公報(段落0032等)
【特許文献3】特開平10−72775号公報(段落0047等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献3に記載された方法では、確かに糸表面の摩擦係数が高められることにより目ズレが防止されるが、糸表面にイオン交換能を有する樹脂を被覆するための生産設備が大がかりなものとなり、コスト面でも改善の余地はある。
【0008】
本発明は、変形自在性を維持し、変形自在であるが故に起こる目ズレの問題を軽減或いは解消しつつ、透液性のある袋状物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めた。その結果、フッ素樹脂系の糸は平滑性が高いために目ズレが起こりやすいが、目ズレ自体は袋状物の変形自在性や形状融通性にはむしろプラスに働き、目ズレが起こったとしても、目ズレが元の状態にすぐに回復すれば、袋状物の次回使用には問題はないとの視点に立ち、フッ素樹脂系糸を編物に使用すれば、目ズレの起こった編物に編物の自重又は外力により編物自体に張力が働き、フッ素樹脂系糸の平滑性と相俟って目ズレ回復性が発現されることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
上記目的を達成し得た本発明の袋状物は、フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により、変形自在に形成されたものである。
【0011】
上記袋状物において、編地のゲージ(編地1インチ当たりの編み目の数)を3G〜40Gとする態様が推奨される。
【0012】
上記袋状物において、編地が丸編みにより構成する態様が推奨される。
【0013】
上記袋状物において、フッ素樹脂系の糸が0.02N/d以上の強度を有することが望ましい。
【0014】
上記袋状物において、フッ素樹脂系の糸をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)糸とする態様が推奨される。
【0015】
上記袋状物において、袋状物の底部が開放されている形態も想定できる。
【0016】
上記袋状物に被抽出物を収容した抽出具を構成することが可能である。
【0017】
上記抽出具において、被抽出物が、漢方薬、または、紅茶葉とする態様が好ましく実施される。
【0018】
上記袋状物に被抽出物を収容した浄化具を構成することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、フッ素樹脂系糸の高平滑性を利用して変形自在性、或いは形状融通性を向上させつつ、フッ素樹脂系糸の高平滑性を利用して目ズレ回復性を新たに付加した袋状物を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
本発明は、フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により変形自在に形成された袋状物を基本的構成とするものであるので、以下、フッ素樹脂系糸、編地、袋状物、変形自在性について順を追って説明する。
【0021】
1.フッ素樹脂系糸
本発明において用いられるフッ素樹脂系糸におけるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料をはじめとして、糸素材となり得るフッ素樹脂の全てが包含される。この様なフッ素樹脂としては、前記PTFEの他、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE),ポリビニリデンフルオライド(PVDF),ポリビニルフルオライド(PVF),テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFEP),テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA),テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(PETFE)等が例示される。これらのうち最も有効に用いられるのはPTFEである。
【0022】
使用するフッ素樹脂系糸の形態は、マルチフィラメント、モノフィラメントのいずれでもよいが、本発明は、変形自在に形成された袋状物に係るものであるために、繰り返して変形が行われる使用状態を考慮すれば、耐久性のあるモノフィラメントを用いることが好ましい。
【0023】
次にPTFEを用いて得られる糸(PTFE糸)について説明する。PTFE糸を得る方法としては、例えば、次の2つの方法が知られている。
【0024】
第1の方法は、PTFEディスパージョン、またはPTFEディスパージョンとアルギン酸やビスコース等のマトリクス重合体との複合液を硫酸水溶液のような凝固浴中に吐出させて糸状物とするエマルジョン紡糸法(例えば、特開昭63−126911号公報、特開昭64−34407号公報等に開示されている)である。
【0025】
第2の方法は、PTFEファインパウダーのペースト押出物を、押出助剤除去後に延伸して得られる多孔質延伸PTFE(ePTFE)のスリットテープを再延伸して糸状化させるスリットヤーン法(例えば、特開平7−102413号公報に開示されている)である。
【0026】
本発明は、これらPTFE糸の製法を限定するものではないが、特に好ましいのは第2の方法であるスリットヤーン法により得られたものである。何故ならば、第1の方法であるエマルジョン法では、製法上、糸(ファイバー)中に不純物を多く含有する場合があるため、抽出、洗浄等の用途で用いる場合には、第2の方法であるスリットヤーン法を用いることが好ましい。
【0027】
そこでこの第2の方法についてもう少し詳しく説明すると、まずPTFE粉末は押出助剤としての潤滑液(ミネラルスピリットなど)と混合されてPTFEペーストにされる。そしてこのペーストを押出成形した後、加熱乾燥により潤滑液を除去し、得られた乾燥物をPTFEの融点以下の温度で延伸し、島状のノードと、ノード間に繋がるフィブリルからなる繊維質の連続多孔質構造とする(例えば、特公昭51−18991号公報に開示されている)。次いでこの多孔質構造物を糸状化のために、この延伸多孔質化されたePTFEテープをカッター等で長手方向に細くスリットし、さらにPTFE融点以上の温度、例えば350〜420℃で5〜20倍に延伸することにより、引張強度0.01N/d以上のPTFE糸を得るものである。PTFE糸は、後の編加工時に断線しなければよいので、引張強度は、0.01N/d程度あれば足りるが、0.02N/d以上とすることが好ましく、0.04N/d以上とすることが更に好ましい。
【0028】
製造されたPTFE糸の太さに特に制限はないが、太すぎると、編加工を施し難くなり、逆に細すぎると、編加工時に断線してしまう。かかる観点から、PTFE糸の太さは、50d以上(好ましくは100d以上、さらに好ましくは150d以上)、1000d以下(好ましくは900d以下、さらに好ましくは800d以下)にすることが望ましい。
【0029】
また、PTFE糸の毛羽立ちを抑えるために、PTFE糸は撚糸して使用することが望ましい。PTFE糸の太さ(デニール数)によって適切な撚糸回数は異なるが、例えばPTFE糸の太さが360d〜400dの場合、撚糸回数は500回/m以上とすることにより毛羽立ちを抑えることができる。一方、1000回/mを超えると、スナール(糸のねじれ)が発生するため、1000回/m以下とすることが望ましい。
【0030】
2.編地
本発明において用いられるフッ素樹脂系糸により編地(以下、「編み物」とも記載する)を構成する。編み方としては、経編み、緯編み、緯編みの中でも丸編み等が挙げられる。図1は、経編み、図2は、緯編み、図3は、丸編みの、それぞれの概略図である。なお、参考のため、織物(平織り)の概略図を図4に示しておく。
【0031】
本発明の袋状物においては、編み物であれば、上記の丸編み、緯編み、経編み等、特に編み方を限定するものではない。緯編みであれば、糸切れが生じた際のいわゆる伝線が起こりにくいというメリットがある。丸編みは、図3に示したように螺旋状に連続したループによって編み物が形成されるため、筒状物を形成し易く、本発明の袋状物を製造する上では、最も生産性が高いと言える。また、経編みのように整経を必要とすることがないことからも、縫製コストの面で有利である。
【0032】
また、特に図示はしないが、経編みは、更にデンビー編み、アトラス編み、コード編み等に分類される。緯編み、丸編みでは、図5に示す平編み、図6に示すゴム編み、図7に示すパール編みに分類される。開口率を制御しやすい点で、平編みが望ましい。以上の点を総合すると、丸編みの平編みが最も好ましいといえる。
【0033】
編み物は、経糸同士或いは緯糸同士が互いに引っかけられることにより形成されるものであるため、経糸と緯糸を交差させて形成される織物に比べ、本来は、目ズレが起こりにくい構成である。本発明における編み物は、表面平滑性の高いフッ素樹脂系糸を用いることにより、やや目ズレが起こり易く、その分だけ袋状物の形状融通性が従来の編み物よりも更に高く、かつ、編物の自重又は外力により編物自体に張力が働く際に優れた目ズレ回復性を奏するものである。
【0034】
経編み物は、トリコット編み機、ラッセル編み機、ミラニーズ編み機によって製造することができる。一方、緯編み物は、平型編み機(横編み機、フルファッション編み機等)、円型編み機(丸編み機、靴下編み機等)によって製造することができる。
【0035】
編地を使用することのメリットとして、収容物の大きさに応じて編み目のゲージ数を調節することにより、編地の透液性を確保しつつ、収容物を確実に収納しておくことができる。ゲージ数としては、3G〜40G、好ましくは10G〜30G、更に好ましくは16G〜24Gである。
【0036】
また、本発明における編み物は、やや目ズレを起こしやすいといっても、編み物であるので、目ズレにより制限なく目が開いてしまう織物とは異なり、編み目の大きさは制御可能であり、収容物を確実に収納しておくことができる。
【0037】
3.袋状物
基本的には、袋の通常の意味通り、少なくとも一つの出入り口を有する収納体であるが、一時的であっても収納の機能を果たす限りにおいて、例えば袋の底部が開放されていて、当該底部が収容物の出口として機能するものであってもよい。
【0038】
4.変形自在
変形自在というのは、例えばエアコンのフィルターのように、剛性のある枠体に固定されたような使用状態ではなく、袋状物を構成する編地自体は自由に動き得る状態をいう。すなわち、袋状物に収納された固形物の収納状態に応じて膨らむ、或いは、袋状物の置かれた場所の起伏或いは凹凸にフィットする等、その形状に融通性がある。但し、袋状物が液流により流されないために一部を固定しておくこと、或いは、収容物を袋状物の内部に留めておくために袋状物の出入り口を閉じておくことは当然に想定される使用形態であり、除外されるものではない。
【0039】
袋状物を変形自在に構成しておけば、袋状物の使用環境・使用条件、及び、内部に封入される固形物の形状・数・質量に応じて袋状物の形状を調節することができる。
【0040】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1において説明した袋状物には、様々な用途が考えられる。例えば、袋状物に収容物を収納した状態で液体に浸漬することにより、収容物を洗浄する保護ネットとしての用途がある。また、収容物に含まれる物質を抽出する用途、例えば、袋状物に漢方薬や紅茶葉を収納し、漢方エキスを抽出したり紅茶を煮出す抽出具としても使用可能である。
【0041】
また、液体中に含まれる汚れ物質を収容物によって吸着(吸収)させる液体浄化の用途がある。例えば、炭を袋状物で取り纏め、浴槽中で使用することにより浴槽中の汚れを浄化する浄化具としても使用可能である。更に、編み物のゲージ目を細かくすれば、異物を含む液体又は気体を袋状物中に流し込むことにより異物を除去するフィルターの用途も考えられる。編み組織を適宜選択すれば袋状物の厚みを調節することができ、異物の捕捉状態を制御することが可能となる。
【0042】
なお、編み物を構成する糸としてPTFE糸を用いた場合、上記した、目ズレ回復性が得られる他、PTFEは250℃までの耐熱性を有するために、浴槽、調理、化学プラント等への応用が可能となる。
【0043】
耐熱性が必要な用途への応用を考えた場合、耐熱性の高い素材としては、他に、金属製のメッシュを使用する方法もあるが、収容物がデリケートで傷つき易い場合には、柔らかい樹脂の編み物を使用することにより、収容物の損傷を防ぐことができる。また、袋状物を浸す液体の種類によっては、金属を用いた場合は腐食する恐れがある。この点、PTFEは化学的安定性が高く、また、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性に優れるため、使用する液体の種類を問わず安定的に使用することができる。
【0044】
更に、PTFE糸は引張強度が高いため、収容物の質量が大きい場合、袋状物の内部に流速の早い液体を流入させる場合、或いは、高水圧で袋状物の洗浄を行う場合の使用に適しており、なおかつ耐用回数も多い。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0046】
丸編み機を使用して、太さ380デニールのPTFE糸を用い、撚糸回数750回/mにて、以下に示す条件の編み物を作成した。また、比較の対象として、織物も作成した。
【0047】
(実施例1)
編み方:丸編み
編み組織:平編み
目の数:16G
【0048】
(実施例2)
編み方:丸編み
編み組織:平編み
目の数:24G
【0049】
(比較例)
比較例として、糸の密度34本/インチの織物(平織り)を作成した。
【0050】
これらの実施例1、2、及び比較例で得られた袋状物に、直径10mmの円柱棒を10Nの強度で押し当て、目ズレを起こさせた後、袋状物全体に一定の引張応力を加え、目ズレの回復状況を観察した。図8は、実施例1の袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。図9は、この袋状物に円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。図10は、この袋状物全体に一定の引張応力を加え、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。同様にして、図11〜13は、実施例2の袋状物について、円柱棒を押し当てる前、押し当てた後、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。また同様に、図14〜16は、比較例の袋状物について、円柱棒を押し当てる前、押し当てた後、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【0051】
その結果、図10、図13、及び図16を見てわかるように、比較例では、目ズレが大きく残っているのに対して、実施例1及び2では、円柱棒を押し当てる前の状況に殆ど回復していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる経編みの概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる緯編みの概略図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる丸編みの概略図である。
【図4】図4は、参考のために示す平織の概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる平編みの概略図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかるゴム編みの概略図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかるパール編みの概略図である。
【図8】図8は、実施例1における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。
【図9】図9は、実施例1における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。
【図10】図10は、実施例1における袋状物の外観写真であり、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【図11】図11は、実施例2における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。
【図12】図12は、実施例2における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。
【図13】図13は、実施例2における袋状物の外観写真であり、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【図14】図14は、比較例における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。
【図15】図15は、比較例における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。
【図16】図16は、比較例における袋状物の外観写真であり、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【符号の説明】
【0053】
1 経糸
2 緯糸
【技術分野】
【0001】
本発明は、編地により構成される袋状物に関するものであり、袋状物の用途としては、例えば、抽出具、浄化具等が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
抽出具、浄化具、より具体的には、洗濯ネット、家庭用のゴミの水切りネット、漢方薬や紅茶の抽出袋、浴槽に入れるセラミック片の取り纏め用ネットなど、織編物により形成され透液性のある袋状物は、その内部に固形物を入れ、この物を液体(又は気体)に浸す、液体(又は気体)を通す等の操作により、固形物を洗浄、抽出、或いは液体を浄化するのに便利である。また、袋状物を変形自在に構成しておけば、袋状物の使用環境・使用条件、及び、内部に封入される固形物の形状・数・質量に応じて袋状物の形状を調節することができる。
【0003】
特許文献1には、透液性樹脂シートからなる抽出用袋体に、飲料用抽出原料を封入した構造を有し、透液性樹脂シートは、95%以上がポリアミド樹脂にて構成され、かつ、該ポリアミド樹脂より低融点の樹脂成分の含有率を5%以下とした飲料用抽出原料封入体が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維、綿、レーヨン、アセテート、シルク、ビニロン、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ウールからなる洗濯ネット用繊維材料が記載されている。また、使用される生地の形態としては、平織りや、丸編みが記載されている。
【0005】
袋状物が変形自在であるため、生地が上記のように織編物の形態をとる場合は、織目或いは編目にどうしても目ズレが起こりやすくなる。特に、繊維の表面平滑性が高い場合には、何らかの目ズレ防止策を講じなければならない。
【0006】
特許文献3には、表面平滑性の高いフッ素樹脂糸により織物を構成する例について記載されている。特許文献3には、織物の目ズレを防止するため、フッ素樹脂を主体とする糸の表面にイオン交換能を有する樹脂を被覆する方法が記載されている。この方法では、糸表面の摩擦係数を高めることにより、織物としての目ズレや緯糸の引抜けが防止されている。
【特許文献1】特開2005−263306号公報(段落0007等)
【特許文献2】特開2003−286634号公報(段落0032等)
【特許文献3】特開平10−72775号公報(段落0047等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献3に記載された方法では、確かに糸表面の摩擦係数が高められることにより目ズレが防止されるが、糸表面にイオン交換能を有する樹脂を被覆するための生産設備が大がかりなものとなり、コスト面でも改善の余地はある。
【0008】
本発明は、変形自在性を維持し、変形自在であるが故に起こる目ズレの問題を軽減或いは解消しつつ、透液性のある袋状物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めた。その結果、フッ素樹脂系の糸は平滑性が高いために目ズレが起こりやすいが、目ズレ自体は袋状物の変形自在性や形状融通性にはむしろプラスに働き、目ズレが起こったとしても、目ズレが元の状態にすぐに回復すれば、袋状物の次回使用には問題はないとの視点に立ち、フッ素樹脂系糸を編物に使用すれば、目ズレの起こった編物に編物の自重又は外力により編物自体に張力が働き、フッ素樹脂系糸の平滑性と相俟って目ズレ回復性が発現されることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
上記目的を達成し得た本発明の袋状物は、フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により、変形自在に形成されたものである。
【0011】
上記袋状物において、編地のゲージ(編地1インチ当たりの編み目の数)を3G〜40Gとする態様が推奨される。
【0012】
上記袋状物において、編地が丸編みにより構成する態様が推奨される。
【0013】
上記袋状物において、フッ素樹脂系の糸が0.02N/d以上の強度を有することが望ましい。
【0014】
上記袋状物において、フッ素樹脂系の糸をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)糸とする態様が推奨される。
【0015】
上記袋状物において、袋状物の底部が開放されている形態も想定できる。
【0016】
上記袋状物に被抽出物を収容した抽出具を構成することが可能である。
【0017】
上記抽出具において、被抽出物が、漢方薬、または、紅茶葉とする態様が好ましく実施される。
【0018】
上記袋状物に被抽出物を収容した浄化具を構成することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、フッ素樹脂系糸の高平滑性を利用して変形自在性、或いは形状融通性を向上させつつ、フッ素樹脂系糸の高平滑性を利用して目ズレ回復性を新たに付加した袋状物を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
本発明は、フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により変形自在に形成された袋状物を基本的構成とするものであるので、以下、フッ素樹脂系糸、編地、袋状物、変形自在性について順を追って説明する。
【0021】
1.フッ素樹脂系糸
本発明において用いられるフッ素樹脂系糸におけるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料をはじめとして、糸素材となり得るフッ素樹脂の全てが包含される。この様なフッ素樹脂としては、前記PTFEの他、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE),ポリビニリデンフルオライド(PVDF),ポリビニルフルオライド(PVF),テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFEP),テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA),テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(PETFE)等が例示される。これらのうち最も有効に用いられるのはPTFEである。
【0022】
使用するフッ素樹脂系糸の形態は、マルチフィラメント、モノフィラメントのいずれでもよいが、本発明は、変形自在に形成された袋状物に係るものであるために、繰り返して変形が行われる使用状態を考慮すれば、耐久性のあるモノフィラメントを用いることが好ましい。
【0023】
次にPTFEを用いて得られる糸(PTFE糸)について説明する。PTFE糸を得る方法としては、例えば、次の2つの方法が知られている。
【0024】
第1の方法は、PTFEディスパージョン、またはPTFEディスパージョンとアルギン酸やビスコース等のマトリクス重合体との複合液を硫酸水溶液のような凝固浴中に吐出させて糸状物とするエマルジョン紡糸法(例えば、特開昭63−126911号公報、特開昭64−34407号公報等に開示されている)である。
【0025】
第2の方法は、PTFEファインパウダーのペースト押出物を、押出助剤除去後に延伸して得られる多孔質延伸PTFE(ePTFE)のスリットテープを再延伸して糸状化させるスリットヤーン法(例えば、特開平7−102413号公報に開示されている)である。
【0026】
本発明は、これらPTFE糸の製法を限定するものではないが、特に好ましいのは第2の方法であるスリットヤーン法により得られたものである。何故ならば、第1の方法であるエマルジョン法では、製法上、糸(ファイバー)中に不純物を多く含有する場合があるため、抽出、洗浄等の用途で用いる場合には、第2の方法であるスリットヤーン法を用いることが好ましい。
【0027】
そこでこの第2の方法についてもう少し詳しく説明すると、まずPTFE粉末は押出助剤としての潤滑液(ミネラルスピリットなど)と混合されてPTFEペーストにされる。そしてこのペーストを押出成形した後、加熱乾燥により潤滑液を除去し、得られた乾燥物をPTFEの融点以下の温度で延伸し、島状のノードと、ノード間に繋がるフィブリルからなる繊維質の連続多孔質構造とする(例えば、特公昭51−18991号公報に開示されている)。次いでこの多孔質構造物を糸状化のために、この延伸多孔質化されたePTFEテープをカッター等で長手方向に細くスリットし、さらにPTFE融点以上の温度、例えば350〜420℃で5〜20倍に延伸することにより、引張強度0.01N/d以上のPTFE糸を得るものである。PTFE糸は、後の編加工時に断線しなければよいので、引張強度は、0.01N/d程度あれば足りるが、0.02N/d以上とすることが好ましく、0.04N/d以上とすることが更に好ましい。
【0028】
製造されたPTFE糸の太さに特に制限はないが、太すぎると、編加工を施し難くなり、逆に細すぎると、編加工時に断線してしまう。かかる観点から、PTFE糸の太さは、50d以上(好ましくは100d以上、さらに好ましくは150d以上)、1000d以下(好ましくは900d以下、さらに好ましくは800d以下)にすることが望ましい。
【0029】
また、PTFE糸の毛羽立ちを抑えるために、PTFE糸は撚糸して使用することが望ましい。PTFE糸の太さ(デニール数)によって適切な撚糸回数は異なるが、例えばPTFE糸の太さが360d〜400dの場合、撚糸回数は500回/m以上とすることにより毛羽立ちを抑えることができる。一方、1000回/mを超えると、スナール(糸のねじれ)が発生するため、1000回/m以下とすることが望ましい。
【0030】
2.編地
本発明において用いられるフッ素樹脂系糸により編地(以下、「編み物」とも記載する)を構成する。編み方としては、経編み、緯編み、緯編みの中でも丸編み等が挙げられる。図1は、経編み、図2は、緯編み、図3は、丸編みの、それぞれの概略図である。なお、参考のため、織物(平織り)の概略図を図4に示しておく。
【0031】
本発明の袋状物においては、編み物であれば、上記の丸編み、緯編み、経編み等、特に編み方を限定するものではない。緯編みであれば、糸切れが生じた際のいわゆる伝線が起こりにくいというメリットがある。丸編みは、図3に示したように螺旋状に連続したループによって編み物が形成されるため、筒状物を形成し易く、本発明の袋状物を製造する上では、最も生産性が高いと言える。また、経編みのように整経を必要とすることがないことからも、縫製コストの面で有利である。
【0032】
また、特に図示はしないが、経編みは、更にデンビー編み、アトラス編み、コード編み等に分類される。緯編み、丸編みでは、図5に示す平編み、図6に示すゴム編み、図7に示すパール編みに分類される。開口率を制御しやすい点で、平編みが望ましい。以上の点を総合すると、丸編みの平編みが最も好ましいといえる。
【0033】
編み物は、経糸同士或いは緯糸同士が互いに引っかけられることにより形成されるものであるため、経糸と緯糸を交差させて形成される織物に比べ、本来は、目ズレが起こりにくい構成である。本発明における編み物は、表面平滑性の高いフッ素樹脂系糸を用いることにより、やや目ズレが起こり易く、その分だけ袋状物の形状融通性が従来の編み物よりも更に高く、かつ、編物の自重又は外力により編物自体に張力が働く際に優れた目ズレ回復性を奏するものである。
【0034】
経編み物は、トリコット編み機、ラッセル編み機、ミラニーズ編み機によって製造することができる。一方、緯編み物は、平型編み機(横編み機、フルファッション編み機等)、円型編み機(丸編み機、靴下編み機等)によって製造することができる。
【0035】
編地を使用することのメリットとして、収容物の大きさに応じて編み目のゲージ数を調節することにより、編地の透液性を確保しつつ、収容物を確実に収納しておくことができる。ゲージ数としては、3G〜40G、好ましくは10G〜30G、更に好ましくは16G〜24Gである。
【0036】
また、本発明における編み物は、やや目ズレを起こしやすいといっても、編み物であるので、目ズレにより制限なく目が開いてしまう織物とは異なり、編み目の大きさは制御可能であり、収容物を確実に収納しておくことができる。
【0037】
3.袋状物
基本的には、袋の通常の意味通り、少なくとも一つの出入り口を有する収納体であるが、一時的であっても収納の機能を果たす限りにおいて、例えば袋の底部が開放されていて、当該底部が収容物の出口として機能するものであってもよい。
【0038】
4.変形自在
変形自在というのは、例えばエアコンのフィルターのように、剛性のある枠体に固定されたような使用状態ではなく、袋状物を構成する編地自体は自由に動き得る状態をいう。すなわち、袋状物に収納された固形物の収納状態に応じて膨らむ、或いは、袋状物の置かれた場所の起伏或いは凹凸にフィットする等、その形状に融通性がある。但し、袋状物が液流により流されないために一部を固定しておくこと、或いは、収容物を袋状物の内部に留めておくために袋状物の出入り口を閉じておくことは当然に想定される使用形態であり、除外されるものではない。
【0039】
袋状物を変形自在に構成しておけば、袋状物の使用環境・使用条件、及び、内部に封入される固形物の形状・数・質量に応じて袋状物の形状を調節することができる。
【0040】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1において説明した袋状物には、様々な用途が考えられる。例えば、袋状物に収容物を収納した状態で液体に浸漬することにより、収容物を洗浄する保護ネットとしての用途がある。また、収容物に含まれる物質を抽出する用途、例えば、袋状物に漢方薬や紅茶葉を収納し、漢方エキスを抽出したり紅茶を煮出す抽出具としても使用可能である。
【0041】
また、液体中に含まれる汚れ物質を収容物によって吸着(吸収)させる液体浄化の用途がある。例えば、炭を袋状物で取り纏め、浴槽中で使用することにより浴槽中の汚れを浄化する浄化具としても使用可能である。更に、編み物のゲージ目を細かくすれば、異物を含む液体又は気体を袋状物中に流し込むことにより異物を除去するフィルターの用途も考えられる。編み組織を適宜選択すれば袋状物の厚みを調節することができ、異物の捕捉状態を制御することが可能となる。
【0042】
なお、編み物を構成する糸としてPTFE糸を用いた場合、上記した、目ズレ回復性が得られる他、PTFEは250℃までの耐熱性を有するために、浴槽、調理、化学プラント等への応用が可能となる。
【0043】
耐熱性が必要な用途への応用を考えた場合、耐熱性の高い素材としては、他に、金属製のメッシュを使用する方法もあるが、収容物がデリケートで傷つき易い場合には、柔らかい樹脂の編み物を使用することにより、収容物の損傷を防ぐことができる。また、袋状物を浸す液体の種類によっては、金属を用いた場合は腐食する恐れがある。この点、PTFEは化学的安定性が高く、また、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性に優れるため、使用する液体の種類を問わず安定的に使用することができる。
【0044】
更に、PTFE糸は引張強度が高いため、収容物の質量が大きい場合、袋状物の内部に流速の早い液体を流入させる場合、或いは、高水圧で袋状物の洗浄を行う場合の使用に適しており、なおかつ耐用回数も多い。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0046】
丸編み機を使用して、太さ380デニールのPTFE糸を用い、撚糸回数750回/mにて、以下に示す条件の編み物を作成した。また、比較の対象として、織物も作成した。
【0047】
(実施例1)
編み方:丸編み
編み組織:平編み
目の数:16G
【0048】
(実施例2)
編み方:丸編み
編み組織:平編み
目の数:24G
【0049】
(比較例)
比較例として、糸の密度34本/インチの織物(平織り)を作成した。
【0050】
これらの実施例1、2、及び比較例で得られた袋状物に、直径10mmの円柱棒を10Nの強度で押し当て、目ズレを起こさせた後、袋状物全体に一定の引張応力を加え、目ズレの回復状況を観察した。図8は、実施例1の袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。図9は、この袋状物に円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。図10は、この袋状物全体に一定の引張応力を加え、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。同様にして、図11〜13は、実施例2の袋状物について、円柱棒を押し当てる前、押し当てた後、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。また同様に、図14〜16は、比較例の袋状物について、円柱棒を押し当てる前、押し当てた後、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【0051】
その結果、図10、図13、及び図16を見てわかるように、比較例では、目ズレが大きく残っているのに対して、実施例1及び2では、円柱棒を押し当てる前の状況に殆ど回復していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる経編みの概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる緯編みの概略図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる丸編みの概略図である。
【図4】図4は、参考のために示す平織の概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる平編みの概略図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかるゴム編みの概略図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかるパール編みの概略図である。
【図8】図8は、実施例1における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。
【図9】図9は、実施例1における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。
【図10】図10は、実施例1における袋状物の外観写真であり、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【図11】図11は、実施例2における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。
【図12】図12は、実施例2における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。
【図13】図13は、実施例2における袋状物の外観写真であり、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【図14】図14は、比較例における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てる前の状態を示すものである。
【図15】図15は、比較例における袋状物の外観写真であり、円柱棒を押し当てた後の状態を示すものである。
【図16】図16は、比較例における袋状物の外観写真であり、目ズレを回復させた後の状態を示すものである。
【符号の説明】
【0053】
1 経糸
2 緯糸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により、変形自在に形成されたことを特徴とする袋状物。
【請求項2】
前記編地のゲージ(編地1インチ当たりの編み目の数)が3G〜40Gである請求項1に記載の袋状物。
【請求項3】
前記編地が丸編みにより構成される請求項1または請求項2に記載の袋状物。
【請求項4】
前記フッ素樹脂系の糸が0.02N/d以上の強度を有する請求項1〜3のいずれかに記載の袋状物。
【請求項5】
前記フッ素樹脂系の糸がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)糸である請求項1〜4のいずれかに記載の袋状物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の袋状物の底部が開放されていることを特徴とする袋状物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の袋状物に被抽出物が収容された抽出具。
【請求項8】
前記被抽出物が、漢方薬、または、紅茶葉である請求項7に記載の抽出具。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の袋状物に浄化材が収容された浄化具。
【請求項1】
フッ素樹脂系の糸を用いて構成される編地により、変形自在に形成されたことを特徴とする袋状物。
【請求項2】
前記編地のゲージ(編地1インチ当たりの編み目の数)が3G〜40Gである請求項1に記載の袋状物。
【請求項3】
前記編地が丸編みにより構成される請求項1または請求項2に記載の袋状物。
【請求項4】
前記フッ素樹脂系の糸が0.02N/d以上の強度を有する請求項1〜3のいずれかに記載の袋状物。
【請求項5】
前記フッ素樹脂系の糸がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)糸である請求項1〜4のいずれかに記載の袋状物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の袋状物の底部が開放されていることを特徴とする袋状物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の袋状物に被抽出物が収容された抽出具。
【請求項8】
前記被抽出物が、漢方薬、または、紅茶葉である請求項7に記載の抽出具。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の袋状物に浄化材が収容された浄化具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−138289(P2009−138289A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313867(P2007−313867)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000107387)ジャパンゴアテックス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000107387)ジャパンゴアテックス株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
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