説明

被分析物試験、確認、および提供者身元検証のための総合デバイス

本発明は、試料受容部材、および少なくとも1つの膜試験ストリップ、ならびに所望により、試料保有部材、指紋取得パッド、および/または流体コレクタを含む、流体試料回収および被分析物試験のための装置を提供する。また、これは、吸収材料、圧縮要素、および閉鎖要素、ならびに所望により、該装置を流体容器と併せて使用できるようにする蓋を有する、流体回収装置も提供する。また、流体試料を回収する、試験する、および保有する、ならびに被験者、試験管理者、および/または立会人等の該試料に関連する1人以上の個人の身元を検証する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、現在係属中であり、参照することによって全体が本明細書に組み込まれる、2006年3月31日に出願された、第11/394,189号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、物質回収および試験に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1つの被分析物の存在または不在を調べるために、流体試料を試験し、所望により、後の確認のために、流体試料を安全に保管し、所望により、試料に関連する個人の確実な識別表示を提供する、デバイスに関する。別の態様では、本発明は、流体試料を回収するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会において、薬物および他の被分析物試験は、随所で目にするようになった。家庭、医局、法執行機関、運動競技、および職場では、効率的、安価、かつ信頼性のある試験デバイスが求められている。また、病気および他の病状の診断または管理を助長し得る、物質を調べるために体液を試験するためのデバイスの高まる必要性も存在する。
【0004】
市場は、これに応じ、血液、尿、または唾液の試験を目的とする、多くのデバイスが充実している。しかしながら、これらのデバイスは、試験される流体試料の異なる容器への入れ替え、および/または流体試料の遠隔位置への移動を伴う、一連の試験を必要とする場合がある。また、これらのデバイスは、試験管理者に被験者の体液を取り扱うことを要求し、病気への暴露の危険性を招く場合がある。
【0005】
いったん初期試験結果が得られると、初期試験結果を確認または純化するために、多くの場合、流体試料のさらなる試験が必要とされる。膜試験ストリップデバイスでは、いったん初期結果が入手されると、流体試料は、保有さえされず、別個の試料を保有することを必要とし得る。別個の試料を保有する必要性は、試料が紛失され得る、間違って標識され得る、または汚染され得る危険性を招く。
【0006】
多くの場合、流体試料は、汚染され得る、置き間違えられ得る、または異なる流体試料で完全に置換され得るため、試験試料に関連する一連の管理は、結果に疑念を含ませる。多くの場合では、流体試料に関連する被験者の識別表示は、非常に不正確である。
【0007】
また、食品または水中に見つかる場合がある、汚染物質、アレルゲン、および有害な微生物等の混入物質を試験することを目的とするデバイスの高まる必要性も存在する。場合によっては、確認試験もしくはさらなる分析のため、または試験管理者の正確な識別表示を提供するために、流体試料を保有することが望ましい場合がある。
【0008】
現行のデバイスおよび方法を使用して、これらの目的を達成することは、実質的に不可能である。したがって、単一のデバイス内で、現行の膜試験ストリップ技術の容易さを、被験者および/または試験管理者を正確に識別する能力、ならびに後の確認のために、流体試料を安全に保管する機能と組み合わせる必要性が業界に存在する。
【発明の概要】
【0009】
一実施形態によると、本発明は、流体試料を受容するための試料受容部材と、流体試料の一部を保有するための、試料受容部材と流体連通する試料保有部材と、流体試料中の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、試料受容部材と流体連通する少なくとも1つの膜試験ストリップとを備える装置を提供する。
【0010】
別の実施形態によると、本発明は、流体試料を受容するための開口部を有する試料受容部材と、流体試料を回収し、流体試料を試料受容部材に搬送するための流体コレクタと、流体試料中の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、試料受容部材と流体連通する少なくとも1つの膜試験ストリップと、指紋取得パッドとを備える装置を提供する。
【0011】
さらなる実施形態によると、本発明は、流体試料を吸収するための吸収材料と、吸収材料と動作可能に関連する圧縮部材と、流体コレクタが試料受容部材に挿入される際に、試料受容部材の開放端部を封止可能な閉鎖部材とを備える流体コレクタを提供する。
【0012】
さらなる実施形態によると、本発明は、流体試料を回収し、流体試料を試料受容部材に搬送するための流体コレクタであって、流体試料を吸収するための吸収材料と、吸収材料と動作可能に関連する圧縮部材と、流体コレクタが試料受容部材に挿入される際に、試料受容部材の開放端部を封止可能な閉鎖部材とを備える流体コレクタと、流体試料を受容するための開口部を有する試料受容部材と、流体試料の一部を保有するための、試料受容部材と流体連通する試料保有部材と、流体試料中の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、試料受容部材と流体連通する少なくとも1つの膜試験ストリップと、指紋取得パッドとを備える装置を提供する。
【0013】
さらなる実施形態によると、本発明は、流体試料を吸収材料内に回収するステップと、吸収材料を装置の受容部材に搬送するステップと、吸収材料を圧縮するステップであって、それによって、流体試料が、吸収材料から装置内のチャネルに排出され、流体試料が、1つ以上の被分析物のそれぞれの存在または不在を視覚的に示す、装置内の少なくとも1つの膜試験ストリップと遭遇し、流体試料の一部が、装置の試料保有部材内に保有されるステップと、試験に関連する個人の指を、装置と動作可能に関連する指紋取得パッドと接触させるステップであって、それによって、指紋が回収されるステップとを含む、流体試料を試験する方法を提供する。
【0014】
本発明の上記および他の利点は、以下の発明を実施するための形態および添付の図面によって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの正面図を描写する。
【図2】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの上面図を描写する。
【図3】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの背面図を描写する。
【図4】本発明の一実施形態による、流体コレクタの2つの斜視図を描写する。
【図5】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの正面図を描写する。
【図6】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの正面図を描写する。
【図7】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの正面切断図を描写する。
【図8】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの背面図を描写する。
【図9】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの背面図を描写する。
【図10】本発明の一実施形態による、流体コレクタが、被分析物試験デバイス内のそのホルダー内に置かれている、流体回収および被分析物試験デバイスの等尺図を描写する。
【図11】本発明の一実施形態による、流体コレクタが、被分析物試験デバイスに挿入されている、流体回収および被分析物試験デバイスの等尺図を描写する。
【図12】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの正面断面図を描写する。
【図13】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの等尺断面図を描写する。
【図14】本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスの後面図を描写する。
【図15】本発明の一実施形態による、後部ドアを有し、下方の流体チャネルを示すために指紋が除去された、流体回収および被分析物試験デバイスの後面図を描写する。
【図16】本発明の一実施形態による、流体回収デバイスの正面図および断面正面図を描写する。
【図17】本発明の一実施形態による、尿カップの断面正面図を描写する。
【図18】本発明の一実施形態による、流体コレクタが挿入された、尿カップの断面正面図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[被分析物スクリーニング]
本発明の一実施形態は、高速スクリーニング、流体試料中の被分析物の同時の、定性的または定量的検出のための側方流動クロマトグラフィイムノアッセイを含む、被分析物スクリーニングデバイスを提供する。例えば、制限されないが、流体試料は、唾液、尿、血液、粘液、水、あるいは固体もしくは半固体の、例えば、大便または粘液の流体抽出物であってもよい。また、流体試料は、環境試料、例えば、制限されないが、土、塵埃、水、植物、昆虫、動物、または前述のうちのいずれかの流体抽出物であってもよい。また、流体試料は、食品もしくは飲料、例えば、制限されないが、液体飲料、液体含有食品、あるいは固体、半固体、もしくは粉末食品または飲料の流体抽出物であってもよい。
【0017】
本発明の一実施形態は、試料受容部材と流体連通し、側方流動クロマトグラフィアッセイを使用して、流体試料中の閾値濃度を超える、またはそれ未満の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すことができる、少なくとも1つの膜試験ストリップを含む。
【0018】
本発明の一実施形態では、側方流動クロマトグラフィアッセイは、流体試料中の被分析物が、抗被分析物抗体との結合を、競合相手と競合する、競合アッセイである。例えば、抗被分析物抗体は、標識化されてもよく、競合相手は、膜試験ストリップの試験領域内で不動化されてもよい。流体試料は、色素領域に到達した後、標識化された抗被分析物抗体と遭遇する。被分析物が、流体試料中に所定の閾値濃度を超えて存在する場合、被分析物は、標識化された抗被分析物抗体の結合部位を飽和させ、そうでなければ、標識化された抗被分析物抗体のうちのいくつかまたはすべては、競合相手と自由に結合できる状態のままである。流体試料は、毛管作用によって膜試験ストリップに沿って移動する際に、試験領域に到達するまで、標識化された抗被分析物抗体を一緒に運ぶ。試験領域は、被分析物、被分析物のフラグメント、被分析物のエピトープ、被分析物の分子擬態、抗イディオタイプ抗体、または抗被分析物抗体との結合を被分析物と競合することができるいずれかの他の分子であってもよい、不動化された競合相手を含む。被分析物が所定の閾値濃度を超えて存在する場合、標識化された抗被分析物抗体は、飽和され、不動化された競合相手を結合せず、試験領域にシグナルをもたらさず、そうでなければ、抗被分析物抗体は、未飽和であり、競合相手と結合することができ、試験領域にシグナルをもたらす。
【0019】
したがって、競合アッセイを採用する、本発明の一実施形態によると、被分析物陰性流体試料(被分析物を所定の濃度より低く含む)は、標識化された抗被分析物抗体の捕獲により、試験領域に線を生じ、一方、被分析物陽性流体検体は、流体試料中の被分析物が、標識化された抗体を飽和させ、したがって試験領域内でのその捕獲を防止するため、試験領域中に有色線を生じない。
【0020】
本発明の一実施形態では、側方流動クロマトグラフィアッセイは、標識化された抗被分析物抗体を試験領域内に捕獲するために、被分析物が存在しなければならない、サンドイッチアッセイである。例えば、抗被分析物抗体は、標識化された抗体であってもよく、第2の抗被分析物抗体は、試験領域内で不動化されてもよい。例えば、流体試料は、色素領域に到達した後、標識化された抗被分析物抗体と遭遇する。流体試料中に被分析物が存在する場合、これは、標識化された抗被分析物抗体の少なくとも画分を結合する。流体試料は、毛管作用によって膜試験ストリップにそって移動する際に、試験領域に到達するまで、標識化された抗被分析物抗体を一緒に運ぶ。試験領域は、被分析物の異なるエピトープに対して、標識化された抗被分析物抗体より反応性であり得る、不動化された抗被分析物抗体を含む。流体試料中に被分析物が存在する場合、これは、骨格を形成し、それによって、標識化された抗体は、試験領域内で不動化される。したがって、試験領域内に捕獲される、標識化された抗体の画分は、流体試料中の被分析物の濃度によって決定される。関心被分析物が所定の閾値濃度を超えて存在する場合、十分な標識化された抗体の画分が捕獲され、試験領域内に可視シグナルをもたらし、そうでなければ、不十分な抗体の画分が捕獲され、試験領域内にシグナルは見られない。
【0021】
したがって、サンドイッチアッセイを採用する、本発明の一実施形態によると、被分析物陽性流体検体は、試験領域内での標識化された抗体の捕獲により、膜試験ストリップの試験領域内に有色線を生じ、一方、被分析物陰性流体試料は、標識化された抗体を捕獲しないことにより、試験領域内に線を生じない。
【0022】
本発明の実施形態は、アッセイが正常に機能し、完了したことを示すために、陽性対照を含む。例えば、色素領域は、制限されないが、標識化された対照抗体が挙げられる、標識化された対照タンパク質を含んでもよく、膜試験ストリップの対照領域は、抗体または対照被分析物等の標識化された対照タンパク質を捕獲することができる、不動化された対照剤を含んでもよい。対照領域は、流体試料が、対照領域と遭遇する前に、各試験領域と遭遇するように、膜試験ストリップ上の各試験領域の遠位に置かれてもよい。標識化された対照タンパク質の不動化された対照剤との反応は、対照領域内に有色線を生成し、適切な量の流体試料が添加され、膜吸上げが生じ、アッセイが正常に作業されたことを示す。
【0023】
本発明の一実施形態は、例えば、複数の被分析物を同時に試験することができる(例えば、色素領域内に複数の抗被分析物抗体を含むこと、および複数の適合する試験領域を有することによって)、膜試験ストリップを採用することによって、および/または同一の装置内に複数の膜試験ストリップを採用することによって、複数の被分析物を同時に試験する。本発明の一実施形態は、例えば、デバイス内の異なる膜試験ストリップ上および/またはデバイス内の同一の膜試験ストリップ上に、競合アッセイおよびサンドイッチアッセイを採用する、両方の膜試験ストリップを含む。
【0024】
本発明の実施形態は、流体試料中に存在する被分析物の濃度の定量的判定を提供してもよい。例えば、装置は、膜試験ストリップのどれが試験領域内に有色線を示すか、または示さないかによって、被分析物の濃度が示されるように、様々な量の抗被分析物抗体を有し、様々な被分析物感度をもたらす、複数の膜試験ストリップを含んでもよい。
【0025】
[抗体]
本発明の一実施形態は、被分析物の検出のために、抗体を採用する。本明細書で使用される場合、「抗体」(Ab)という用語は、望ましい活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、および抗体フラグメントを含む。本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指し、つまり、該集団を構成する個々の抗体は、微量で存在し得る、考えられる自然発生突然変異体を除いて、同一である。
【0026】
「標識化された抗体」および「標識化された対照タンパク質」という用語は、直接的に、または間接的に標識に共役される、抗体またはタンパク質を指す。標識は、制限されないが、色素、コロイド金属(制限されないが、コロイド金が挙げられる)、放射性同位体、もしくは蛍光化合物を含む、それ自体で検出可能であり得る、検出可能な化合物もしくは組成物であるか、または酵素標識の場合では、検出可能な基質化合物もしくは組成物の化学変換を触媒し得る、検出可能な化合物もしくは組成物であるか、あるいは、前述の任意の組み合わせである。
【0027】
[被分析物]
本発明の一実施形態によると、装置は、被分析物の存在を調べるために、流体試料を試験するためのデバイスを含む。本発明は、いずれかの被分析物を調べるために試験することを企図する。制限されないが、試験され得る被分析物には、乱用薬物またはそれらの代謝産物、感染体または感染体の生成物の存在を示す被分析物、アレルゲン、汚染物質、毒、混入物質、診断価値または医療価値のある被分析物、前述のうちのいずれかに対する抗体、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0028】
本発明の一実施形態によると、試験され得る被分析物には、制限されないが、7−アセトアミノクロナゼパム、亜硝酸アルキル類、α−ヒドロキシアルプラゾラム、アルプラゾラム、2−アミノ−2´−クロロ−5−ニトロベンゾフェノン、7−アミノクロナゼパム、7−アミノニトラゼパム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アンフェタミン、アナボリックステロイド類、アンドロゲン、アンドロスタジエノン、アプロバルビタール、アトロピン、バルビツール酸塩類、ベンゾジアゼピン類、ベンゾイルエクゴニン、ベンジルピペラジン、ボルデノンウンデシレナート、4−ブロモ−2,5−ジメトキシフェネチルアミン、ウシ成長ホルモン、ブタバルビタール、ブタルビタール、ブトリプチリン、4−クロロデヒドロメチルテストステロン(chlordehydromethyltestosterone)、クロロホルム、クロミプラミン、クロナゼパム、クロステボール、コカエチレン、コカイン、コデイン、コデイン−6−グルクロニド、コチニン、デヒドロエピアンドロステロン、デシプラミン、デスメチルジアゼパム、デスオキシメチルテストステロン、デキサメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、デキストロルファン、2,5−ジアミノ2´−クロロベンゾフェノン、ジアモルフィン、ジアゼパム、ジベンゼピン、ジヒドロテストステロン、ジメンヒドリナート、2,5−ジメトキシ−4−(n)−プロピルチオフェンエチルアミン、2,5−ジメトキシ−4−エチルフェネチルアミン、2,5−ジメトキシ−4−ヨードフェネチルアミン、ジメチルエーテル、ジメチルトリプタミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ドスレピン塩酸塩、ドチエピン塩酸塩、ドクセピン、ドロスタノロン、エクゴニン、エクゴニンメチルエステル、エフェドリン、エルジン(ergine)、エストレン、5−エストロゲン、エチル−5−(1´−メチル−3´−カルボキシプロピル)−2−チオバルビツール酸、5−エチル−5−(1´−メチル−3´−ヒドロキシブチル)−2−チオバルビツール酸、エチルエストレノール、エチルフェニデート、フェンタニル、フルニトラゼパム、フルオキシメステロン、フラザボール、γ−ヒドロキシブチラート、1−(β−D−グルコピラノシル)アモバルビタール、成長ホルモン、ヘロイン、ヘキソバルビタール、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト成長ホルモン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、(+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン、3−ヒドロキシクロナゼパム、11−ヒドロキシ−テトラヒドロカンナビノール(11−ヒドロキシ−THC)、3´−ヒドロキシアモバルビタール、p−ヒドロキシアンフェタミン、p−ヒドロキシノルエフェドリン、イミプラミン、イプリンドール、カバ、ケタミン、レボメチルフェニデート、ロフェプラミン、ロラゼパム、ロラゼパム−グルクロニド、リセルグ酸ジエチルアミド、メペリジン、メスカリン、メスタノロン、メステロロン、メタ−クロロフェニルピペラジン、メタドン、メタンフェタミン、メタンドロンステノロン、メトカチノン、3,4−メチレンジオキシアンフェタミン、メテノロン、エナント酸メテノロン、メチレンジオキシメタンフェタミン(エクスタシー)、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール、メチルテストステロン、ミボレロン、(+)−3−モルフィナン、モルヒネ、ナンドロロン、ニコチン、ニトラゼパム、N−メチル−ジエタノールアミン、ノルボレトン、ノルコデイン、ノルエタンドロロン、ノルケタミン、ノルトリプチリン、アヘン剤、オピプラモール、アヘン、シピオン酸オキサボロン、オキサンドロロン、オキサゼパム、オキシコドン、オキシメトロン、オキシモルフォン、ペントバルビタール、フェンシクリジン、フェネチルアミン類、フェノバルビタール、4−フェニル−4−(1−ピペリジニル)−シクロヘキサノール、1−フェニル−1−シクロヘキセン、フェニルアセトン、5−[N−(1−フェニルシクロヘキシル)]−アミノペンタン酸、1−(1−フェニルシクロヘキシル)−4−ヒドロキシピペリジン、ピペリジン、プロトリプチリン、サイロシン、サイロシビン、キンボロン、サルビノリンA、スコポラミン、セコバルビタール、チオペンタールナトリウム、スタノゾロール、タルブタール、テマゼパム、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テトラヒドロカンナビノール(THC)、THC−COOH、テトラヒドロゲストリノン、トルエン、トレンボロン、三環系抗うつ剤、3−トリフルオロメチルフェニルピペラジン、トリミプラミン、トリプタミン類、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、乱用薬物およびそれらの代謝産物が挙げられる。いずれかの特定の薬物または代謝産物の存在が検出される最低濃度レベルは、例えば、国立薬物乱用研究所(National Institute on Drug Abuse:NIDA)、薬物乱用・精神衛生管理庁(Substance Abuse & Mental Health Services Administration:SAMHSA)、および世界保健機関(World Health Organization:WHO)等の様々な産業最低基準によって判定されてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態によると、試験され得る被分析物には、制限されないが、アカントアメーバ、アフラトキシン、食事性マイコトキシン中毒症(alimentary mycotoxicoses)、アルテルトキシン、アメーバ、アニサキス、回虫、炭疽菌、セレウス菌もしくはその毒、バクテリア、ウシ海綿状脳症プリオン類、ブルセラ菌、カルシウイルス、肉芽腫カリマトバクテリウム、カンピロバクター菌、カンピロバクタージェジュニ、カンジダ、カンジダアルビカンス、セファロスポリウム、クラミジアトラコマチス、慢性消耗病プリオン類、シトリニン、ボツリヌス菌もしくはその毒、ウェルシュ菌、コリネバクテリウムウルセランス、コクシエラバーネッティ、クロイツフェルトヤコブ病プリオン類、クリプトコックスネオフォルマンス、クリプトスポリジウム、クリプトスポリジウムパルバム、シクロピアゾン酸、サイクロスポラ胞子虫、サイトカラシン、サイトメガロウイルス、裂頭条虫、大腸菌、エボラ、エンドトキシン、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、エルゴペプチンアルカロイド、麦角アルカロイド、エルゴタミン、大腸菌O157、ユーストロンジリデス(Eustrongylides)、肝蛭、致死性家族性不眠症プリオン類、扁形動物、野兎病菌、フミトレモルゲンB、フモニシン、フザリウム、フサロクロマノン、陰部疣贅、ゲルストマン−ストロイスラー−シャインカー症候群プリオン類、ジアルジア、ランブル鞭毛虫、鼠径部肉芽腫、H7腸肝出血性、ヘモフィルスデュクレイ、ヘリコバクターピロリ、肝炎、肝炎A、肝炎B、肝炎C、肝炎D、肝炎E、単純疱疹ウイルス、ヒストプラスマカプスラーツム、HIV、HIV−1、HIV−2、ヒト乳頭腫ウイルス、インフルエンザ、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、コジック酸、クルプリオン類、リステリア菌、ロリトレムアルカロイド類、マールブルグウイルス、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌もしくはその毒、軟属腫、モニリホルミン、単核症、マイコバクテリア、ヒト結核菌、マイコプラズマ、マイコプラズマホミニス、マイコトキシン、マイロセシウム、ナノフィエタス、淋菌、線虫、ニバレノール、ノロウイルス、オクラトキシン類、オースポレイン、寄生虫、バツリン、パキシリン、ペニトレムA、ホモプシン類、プラスモジウム、扁形動物門、プレシオモナスシゲロイデス、肺炎球菌、ニューモシスチスイロベチイ、プリオン類、原虫、ライノウイルス、ロタウイルス、サルモネラ、サルコシスティスホミニス(Sarcocystis hominis)、サルコシスティススイホミニス(Sarcocystis suihominis)、スクレピープリオン類、性感染症、赤痢菌、スポリデスミンA、スタキボトリス、黄色ブドウ球菌もしくはその毒、ステリグマトシスチン、連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、化膿連鎖球菌、無鉤条虫、有鉤条虫(Taenia solium)、サナダムシ、有鉤条虫(Tenia solium)、白癬、トキソプラズマ原虫、発振戦性マイコトキシン類(Tremorgenic mycotoxins)、梅毒トレポネーマ、旋毛虫、トリコデルマ、膣トリコモナス、トリコテセン、ヒト鞭虫、クルーズトリパノソーマ、ウレアプラズマウレアリチカム、ベルコシジン、ベルクロゲン、非O1コレラ菌、O1コレラ菌、腸炎ビブリオ、ビブリオバルニフィカス、ウイルス、イースト菌感染症、腸炎エルシニア、仮性結核菌、ゼアラレノール類、ゼアラレノン、前述のうちのいずれかに対する抗体、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、感染体または感染体の生成物が挙げられる。
【0030】
本発明の一実施形態によると、試験され得る被分析物には、制限されないが、トチノキ、ハンの木、アーモンド、動物性食品、オウシュウヨモギ、豆類、ハチ針毒、カバノキ、萼、ネコのふけ、根用セロリ、セロリ、シロザ、ゴキブリ、トウモロコシ(corn)、鱗屑、イヌのふけ、薬物、チリダニの排泄物、卵白、卵類、Fel d1タンパク質、果物、毛皮、草、ハシバミ、シデ、昆虫針、ラテックス、マメ科植物、局部麻酔薬、トウモロコシ(maize)、金属、牛乳、カビ胞子、蚊の唾液、マウスのふけ、イラクサ、油剤、ピーナッツ、エンドウ、ピーカン、ペニシリン、植物の花粉、シャゼンソウ、プラタナス、ポプラ、カボチャ、ブタクサ、ネズミのふけ、ライグラス、サリチル酸塩類、魚介類、ゴマ、スイバ、大豆(soy)、大豆(soybean)、スルホンアミド類、シナノキ、オオアワガエリ、木の実、木、カリバチ針毒、雑草、小麦、柳、前述のうちのいずれかに対する抗体、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、アレルゲンが挙げられる。
【0031】
本発明の一実施形態によると、試験され得る被分析物には、制限されないが、1,2−ジブロモエタン、アクリルアミド、アルデヒド類、ヒ素、人工成長ホルモン、アスベスト、ベンゼン、ベンゾピレン、発癌性物質、ジクロロ−ジフェニル−トリクロロエタン、ホルムアルデヒド、ケポン、鉛、水銀、メチル水銀、ニトロソアミン類、N−ニトロソ−N−メチル尿素、有機塩素系殺虫剤、除草剤、ポリ塩化ビフェニル類、ポリ塩化ジベンゾフラン類、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン類、遺伝子組み換えウシ成長ホルモン、遺伝子組み換えウシソマトトロピン、トルエン、塩化ビニル、前述のうちのいずれかに対する抗体、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、汚染物質、毒、および混入物質が挙げられる。
【0032】
本発明の一実施形態によると、試験され得る被分析物には、制限されないが、酸ホスファターゼ、活性B12、AFP、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルブミン、アルブミンBCG、アルブミンBCP、アルカリホスファターゼ、α−1抗トリプシン、α−1糖タンパク質、アミカシン、アンモニア、アミラーゼ、抗CCP、抗Tg、抗TPO、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質B、ASO、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Asparate Aminotransferase)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(Aspartate Aminotransferase)、B12、β2ミクログロブリン、BNP、CA125、CA125II、CA15−3、CA19−9XR、カルシウム、カルバマゼピン、二酸化炭素、CEA、セルロプラスミン、コレステロール、CK−MB、補体C3、補体C4、コルチゾール、C−ペプチド、C−反応性タンパク質、クレアチンキナーゼ、クレアチニン、CRPバリオ、シクロスポリン、シクロスポリンおよび代謝産物−全血、シクロスポリンモノクローナル−全血、D−ダイマー、DHEA−S、ジギトキシン、ジゴキシン、ジゴキシンII、ジゴキシンIII、直接ビリルビン、直接LDL、エストラジオール、フェリチン、FLM II、葉酸、遊離カルバマゼピン、遊離フェニトイン、遊離PSA、遊離T3、遊離T4、遊離バルプロ酸、FSH、γ−グルタミルトランスフェラーゼ、ゲンタマイシン、グルコース、糖化ヘモグロビン、ハプトグロビン、hCG、ヘモグロビン、ホモシステイン、ICT Cl−、IGFBP−1、免疫グロブリン、免疫グロブリンA、免疫グロブリンE、免疫グロブリンG、免疫グロブリンM、インスリン、無傷PTH、鉄、K+、κ軽鎖、乳酸脱水素酵素、乳酸、λ軽鎖、LH、リドカイン、リパーゼ、リチウム、Lp、マグネシウム、代謝産物、メトトレキサートII、ミクロアルブミン、MPO、ミオグロビン、Na+、N−アセチル−プロカインアミド、新生児ビリルビン、NGAL、P−アミラーゼ、ペプシノゲンI、ペプシノゲンII、フェノバルビタール、フェニトイン、リン、プレアルブミン、プロカインアミド、プロゲステロン、プロラクチン、キニジン、リウマトイド因子、SHBG、シロリムス、STAT CK−MB、T4、タクロリムス、タクロリムスII、テストステロン、Tg、テオフィリン、テオフィリンII、TIBC、TIMP−1、トブラマイシン、総ビリルビン、総エストリオール、総タンパク質、総PSA、総T3、総T4、トランスフェリン、トリグリセリド類、トロポニン−I、トロポニン−I ADV、TSH、T摂取量(T−Uptake)、UIBC、超HDL、尿素窒素、尿酸、尿/CSFタンパク質、バルプロ酸、バンコマイシン、バンコマイシンII、ビタミンD、前述のうちのいずれかに対する抗体、もしくはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、診断価値または医療価値のある被分析物が挙げられる。
【0033】
[受容部材]
本発明の一実施形態によると、装置は、流体試料を受容するための開口部を有する受容部材を含む。例えば、受容部材は、流体コレクタを受容するように寸法化されてもよい。本発明の一実施形態では、受容部材は、いずれかの好適な材料、例えば、プラスチック、セラミック、金属、ガラス、木材、ゴム、ポリマー、繊維強化ポリマー、もしくはこれらの任意の組み合わせで作製されたチャネル、例えば、チューブ、配管、装置に成形された、もしくは装置に掘り込まれたチャネル、またはいずれかの他の好適な構造体によって、装置の他の構成要素、例えば、少なくとも1つの膜試験ストリップ、試料保有部材、および/またはイムノアッセイベースの指紋取得パッドと流体連通してもよい。
【0034】
本発明の一実施形態によると、構成要素間に流体連通を提供するチャネルは、異なる流動抵抗を有してもよく、デバイス内の流体チャネルが、様々な程度の流動抵抗を有するように、例えば、他のものより狭い、幅広い、長い、もしくは短いチャネル、チャネルセグメント、または開口部を有する、および/あるいは様々な量の上昇もしくは降下のある流体通路を有する。例えば、試料受容部材と少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供するチャネルは、確実に流体試料の一部が試料保有部材内に回収されるようにするために、試料受容部材と試料保有部材との流体連通を提供する、少なくとも1つのチャネルより大きな流動抵抗を有してもよい。
【0035】
本発明の一実施形態では、複数の開口部を有する単一のチャネルは、受容部材を、それが流体連通する装置の構成要素、例えば、少なくとも1つの膜試験ストリップ、試料保有部材、および/またはイムノアッセイベースの指紋取得パッドのそれぞれに接続してもよい。
【0036】
本発明の一実施形態は、様々な粘度の流体、例えば水、唾液、尿、および血液に対応し得る。一般に、これは、試料受容部材と装置の他の構成要素との流体連通を提供するチャネルの直径を変化させることによって、例えば、より粘性の流体に対応するために、より幅広いチャネル直径を提供することによって、達成される。
【0037】
本発明の一実施形態では、水の粘度を有する流体と適合するように寸法化されたチャネルは、試料受容部材と少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、水の粘度を有する流体と適合するように寸法化された、少なくとも1つのチャネルは、試料受容部材と試料保有部材との流体連通を提供する。
【0038】
本発明の一実施形態では、尿の粘度を有する流体と適合するように寸法化されたチャネルは、試料受容部材と少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、尿の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルは、試料受容部材と試料保有部材との流体連通を提供する。
【0039】
本発明の一実施形態では、唾液の粘度を有する流体と適合するように寸法化されたチャネルは、試料受容部材と少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、唾液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルは、試料受容部材と試料保有部材との流体連通を提供する。
【0040】
本発明の一実施形態では、血液の粘度を有する流体と適合するように寸法化されたチャネルは、試料受容部材と少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、血液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルは、試料受容部材と試料保有部材との流体連通を提供する。
【0041】
本発明の一実施形態では、粘液の粘度を有する流体と適合するように寸法化されたチャネルは、試料受容部材と少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、粘液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルは、試料受容部材と試料保有部材との流体連通を提供する。
【0042】
本発明の一実施形態では、受容部材は、内面、例えば、下面を有してもよく、流体コレクタ内に存在する吸収材料等の吸収材料は、それに対して圧縮され、それによって吸収材料から流体試料を排出してもよい。例えば、吸収材料は、流体コレクタ上に存在する圧縮部材と受容部材の下面との間で直接圧縮されてもよく、または受容部材は、圧縮部材と、吸収材料を少なくとも部分的に取り囲む筐体との間での吸収材料の圧縮を促進するための、構造的支持を提供してもよい。
【0043】
[試料保有部材]
本発明の一実施形態によると、装置は、試料保有部材を含む。試料保有部材は、流体試料の一部を安全に含むために使用されてもよい。流体試料の保有された部分は、さらなる試験、例えば、膜試験ストリップを使用して入手された試験結果の確認のため、または流体試料中の他の被分析物の存在または不在を試験するために使用されてもよい。また、流体試料の保有された部分は、制限されないが、DNAが挙げられる、被験者の区別特徴の分析による被験者の身元の確認に使用されてもよい。
【0044】
本発明の一実施形態によると、試料保有部材は、吸収材料、例えば、パッドもしくはスポンジ、あるいは織布もしくは不織布繊維または繊維のような材料で作製された吸収材料、例えば、セルロースもしくはセルロース派生物、綿、親水性発泡体、木材パルプ、ポリビニルアルコール繊維、またはこれらの任意の組み合わせを含む。試料保有部材は、試料回収装置の一部である、吸収材料を含んでもよい。吸収材料は、保有された試料が漏れる、または蒸発するのを防止するために、制限されないが、プラスチック、セラミック、金属、ガラス、木材、ゴム、ポリマー、繊維強化ポリマー、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、液体不透性材料等の障壁によって取り囲まれてもよい。本発明の一実施形態では、吸収材料は、保有された流体試料の取り出しを容易にするために、装置に取り外し可能に取り付けられてもよい。本発明の一実施形態では、吸収材料は、針を使用して、例えば、吸収材料を取り囲む障壁を穿孔することによってアクセスされてもよい。次いで、保有された試料は、吸引を引き起こすシリンジの引き出しの手段によって、例えば、針に取り付けられるシリンジに移動されてもよい。
【0045】
本発明の一実施形態によると、試料保有部材は、流体試料の貯蔵容量を画定する貯蔵容器を含む。本発明の一実施形態では、貯蔵容器は、針を使用して、貯蔵容器の壁に穿孔することによって、アクセスされてもよい。例えば、貯蔵容器は、減少した壁厚さの領域等の穿孔可能な部材を含んでもよく、および/または制限されないが、穿孔され得る、プラスチック、セラミック、金属、ガラス、金属箔、木材、ゴム、ポリマー、繊維強化ポリマー、もしくはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、柔らかい、穿孔可能な、または破れやすい材料で作製されてもよい。次いで、保有された試料は、吸引を引き起こすシリンジの引き出しの手段によって、例えば、針に取り付けられるシリンジに移動されてもよい。本発明の一実施形態では、貯蔵容器は、例えば、貯蔵容器を装置から自由に切断することを可能にし得る低強度の線によって、装置に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0046】
本発明の一実施形態によると、試料保有部材は、制限されないが、試料の完全性を保存することができる保存料または安定剤が挙げられる、試料のさらなる使用を促進する物質、例えば、微生物の増殖を阻害する、細菌を殺す、試料が漏れるのを防止する、試料の蒸発を防止する、試料中の物質の化学もしくは酵素分解を阻害する、試料中の細胞もしくは他の細菌の生存を支援する、またはこれらの任意の組み合わせを行うことができる物質を含む。
【0047】
本発明の一実施形態によると、試料保有部材は、指紋取得パッドに固着されてもよい。例えば、そのような固着は、保有された試料の指紋からの切り離しに対する予防手段を提供し得る。
【0048】
保有された流体試料は、制限されないが、保有された流体試料を使用する気体クロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、質量分析、タンデム質量分析を用いる液体もしくは気体クロマトグラフィ、ポリメラーゼ鎖反応、DNA塩基配列決定法、酵素結合イムノソーベントアッセイ、ウエスタンブロッティング、培養増殖、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、さらなる確認試験に使用されてもよい。
【0049】
[流体コレクタ]
装置の一実施形態は、流体試料を回収するための流体コレクタを備える。本発明は、例えば、制限されないが、ヒト被験者等の特定の被験者、または試験空気、水、土、もしくはいくつかの他の物質等の試験環境試料、または食品もしくは飲料からの試料の回収、あるいは前述のうちのいずれかの液体抽出を企図する。流体コレクタは、装置と関連して動作可能である。流体コレクタは、装置と取り外し可能に関連付けられてもよく、装置に装着されてもよく、または1つ以上が装置に装着もしくは取り外し可能に関連する複数のユニットを備えてもよい。
【0050】
本発明の一実施形態では、流体コレクタは、所望の量の流体試料を吸収することができる吸収材料を含む。吸収材料は、当業者に既知のいずれかの好適な材料、例えば、制限されないが、パッドもしくはスポンジ、あるいは制限されないが、セルロースもしくはセルロース派生物、綿、親水性発泡体、木材パルプ、ポリビニルアルコール繊維、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、織布もしくは不織布繊維または繊維のような材料で作製されてもよい。本発明の一実施形態では、流体コレクタは、流体試料の回収の前に、吸収材料から空気を排出するため、および/または圧縮された吸収材料が圧縮されていない状態に戻る際に、吸引を引き起こすことによって、流体試料が吸収材料に流れるのを促すために使用され得る吸収材料を圧縮することができる圧縮部材を含む。また、圧縮部材は、例えば、吸収材料を圧縮し、その中に含まれる流体試料を排出するために使用されてもよい。
【0051】
コレクタ上の充足度指標が企図される。例えば、制限されないが、十分な試料が回収された際に、例えば、充足度指標が配置される、吸収材料内の位置に到達するのに十分な量が吸収された際に、色指標が現れるか、または消えるかのいずれかであってもよい。本発明の一実施形態によると、充足度指標は、吸収材料と動作可能に関連付けられてもよく、また、流体試料が、吸収材料に入ることによって、充足度指標にのみ到達するように、透明な障壁、例えば、プラスチックまたはガラス等の障壁によって、流体試料の源との直接接触から保護されてもよい。
【0052】
充足度指標の色は、十分な試料が回収された際に現れる、もしくは消える、語または記号の形状であってもよい。例えば、充足度指標は、拡散性色素であり、流体試料による色素の拡散が、色を消し、十分な量の試料が回収されたことを示してもよい。本発明の一実施形態では、拡散性色素が消える際に、非拡散性色素が残存し、情報メッセージを提供するように、非拡散性色素および拡散性色素の組み合わせが共に使用されてもよく、例えば、十分な試料が回収された際に、非拡散性色素が残存し、「十分」という語を形成するように、拡散性色素は、「不十分」という語の「不」という文字を形成してもよい。
【0053】
充足度指標は、試料と遭遇する際に変色する、pH感受性物質であってもよい。例えば、試料が酸性、塩基性、または中性であるかどうかで色変化が観測されるように、異なるpH値に反応する複数のpH感受性指標が存在してもよい。本発明の一実施形態によると、試料が、充足度指標内に所望の色変化を生じさせる、正確なpHのものとなるように、酸または塩基等のpH変化物質が、吸収材料内に配置されてもよい。
【0054】
閉鎖部材が使用されてもよい。閉鎖部材は、流体コレクタが試料受容部材の開放端部に挿入される際に、試料受容部材の開放端部を封止することができる。例えば、閉鎖部材は、受容部材の開放端部内の開口部内にきっちりと嵌るように寸法化されてもよく、受容部材の閉鎖部材または開放端部は、閉鎖部材と試料受容部材の開放端部内の開口部との間の接触面に配置される、試料受容部材が流体コレクタを受容する際に、気密または水密封止等の封止を作り出すことができる、制限されないが、加硫ゴム等の天然ゴム、ネオプレンゴムもしくはニトリルゴム等の合成ゴム、プラスチック、セラミック、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる、圧縮性材料を含んでもよい。
【0055】
流体コレクタが試料受容部材に挿入された後、流体コレクタを試料受容部材内に固定するためのデバイスが企図される。固定するための手段は、流体コレクタが試料受容部材に挿入された後、流体コレクタの試料受容部材からの取り外しを防止してもよい。流体コレクタを試料受容部材内に固定するための手段は、試料受容部材の内面上に置かれる、少なくとも1つの突出と共働する、流体コレクタから延在する、少なくとも1つの突出を含んでもよく、そのような突出は、例えば、少なくとも1つの係止タブ、および/または少なくとも1つの環状リングを含んでもよい。本発明の一実施形態によると、流体コレクタ上の閉鎖部材は、流体コレクタを試料受容部材内に固定するための手段を構成するため、十分にしっかりとした閉鎖部を形成し得る。
【0056】
また、試料受容部材は、装置の中身に手を加えることを試みると、例えば、刷込された封止、例えば、文字、記号、または署名を表面上に有する、テープまたは裏面粘着箔内の可視の壊裂または切断によって、視覚指標がもたらされる、不正開封防止封止を含んでもよい。そのような不正開封防止封止は、装置の中身が、試験の前に受容部材の開放端部を介して変えられていないことの視覚確認を作り出すために、または使用の後、試験の後に、受容部材の開放端部を介して装置の中身が変えられていないことの視覚確認を作り出すために、装置の使用の前に装置の上に定置されてもよい。本発明の一実施形態によると、流体コレクタを試料受容部材内に固定するための手段は、流体コレクタが試料受容部材に挿入された後、試みられた流体コレクタの試料受容部材からの取り外しが、装置に可視損傷をもたらし得る、不正開封防止封止を構成してもよい。
【0057】
本発明の一実施形態によると、流体コレクタは、例えば、木材、プラスチック、セラミック、または金属で作製され、例えば、吸収材料の遠位端に配置される、ハンドルを含む。ハンドルは、例えば、ハンドルがねじられる、および/もしくは引っ張られる際に、壊れる、または分離する、締嵌、接着剤、のり、もしくはエポキシによって、あるいはハンドルを切断できるようにする構造、例えば、低強度の線によって、取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0058】
流体コレクタは、吸収材料を少なくとも部分的に取り囲む、筐体を含んでもよい。筐体は、流体試料が、吸収材料によって吸収され、吸収材料から絞り出されるようにするために、複数の開口部を有してもよい。筐体内の開口部は、流体試料から微粒子を濾し、吸収材料に入る微粒子の数の減少をもたらすことができる、濾過部材を含んでもよい。流体コレクタは、筐体に対して吸収材料を圧縮することができる、圧縮部材を含んでもよい。例えば、筐体は、吸収材料が、圧縮部材の筐体の内面に向かう移動によって圧縮されるように、吸収材料が圧縮部材と筐体の内面との間に配置された状態で、圧縮部材に摺動可能に連結されてもよい。本発明の一実施形態は、制限されないが、圧縮部材および筐体と動作可能に関連する共働するねじ山、突出、および/または溝が挙げられる、吸収材料を圧縮された状態に固定するための手段を含む。吸収材料は、流体試料と遭遇する前、遭遇すると同時に、または遭遇した後、圧縮された状態から解放され、吸収材料が弛緩状態に戻り、吸引を引き起こす際に、流体試料が吸収材料に入るのを促進してもよい。例えば、吸収材料は、吸収材料の圧縮が、バネの圧縮をもたらし、圧縮が解放される際に、バネが、吸収材料が圧縮されていない状態に戻るのを助長するように、バネと動作可能に関連付けられてもよい。
【0059】
本発明の一実施形態では、流体コレクタは、制限されないが、尿カップが挙げられる、流体容器の蓋と動作可能に関連する。例えば、吸収材料は、蓋の流体容器への取り付けが、吸収材料と流体試料との間の接触をもたらすように、蓋の内側に配置されてもよい。本発明の特定の実施形態では、蓋を含む流体コレクタの一部は、吸収材料を含む流体コレクタの一部と取り外し可能に関連付けられ、吸収材料を蓋から分離できるようにしてもよい。流体コレクタの蓋との動作可能な関連付けは、例えば、吸収材料を圧縮された状態に固定する手段の解放を容易にするために、制限されないが、1つの部材上に存在する共働突出、および他の部材上に存在する溝またはスロットが挙げられる、流体コレクタの一部が蓋に対して回転するのを拘束するための手段を含んでもよい。
【0060】
[唾液分泌物質]
本発明によって、唾液分泌物質の使用が企図される。唾液分泌物質は、被験者の唾液分泌を引き起こす、または増加する。例えば、制限されないが、唾液分泌物質は、糖、塩、酸、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。本発明の一実施形態では、唾液分泌物質は、流体コレクタと関連付けられ、例えば、吸収材料もしくは筐体上、またはその中に置かれてもよい。本発明の一実施形態では、唾液分泌物質は、流体コレクタを被験者の口に挿入する前、挿入中、または挿入した後に被験者に投与するために、例えば、ガム、キャンディ、または粉末の形態で、流体コレクタから分離されてもよい。
【0061】
例えば、制限されないが、糖は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖、多糖類、アカルボース、アロース、アルトロース、アミロース、アラビノース、セロビオース、シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、デオキシグルコース、デキストリン、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、エリトルロース、フィコール、フルクト−オリゴ糖類、フルクトース、ガラクト−オリゴ糖類、ガラクトース、ゲンチオビオース、グルコサミン、グルコース、グリセルアルデヒド、グリコーゲン、グロース、イドース、イノシトール、イヌリン、イソマルトース、乳糖、リキソース、麦芽糖、マルトシル−シクロデキストリン、マルト−トリオース、マンナンオリゴ糖、マンノヘプツロース、マンノース、メレジトース、マンニトール、プシコース、ラフィノース、リビトール、リボース、リブロース、セドヘプツロース、ソルビトール、ソルボース、蔗糖、タガトース、タロース、トレオース、トレハロース、キシロース、キシルロース、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0062】
例えば、制限されないが、塩は、無機塩、有機塩、酸性塩、アルカリ塩、中性塩、もしくはアミノ酸塩、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。塩は、カチオンおよびアニオンを含んでもよく、例えば、これらに制限されないが、カチオンは、アルミニウム、アンモニウム、バリウム、ベリリウム、カルシウム、セシウム、クロム(II)、クロム(III)、クロム(VI)、コバルト(II)、コバルト(III)、銅(I)、銅(II)、銅(III)、ガリウム、ヘリウム、水素、ヒドロニウム、鉄(II)、鉄(III)、鉛(II)、鉛(IV)、リチウム、マグネシウム、マンガン(II)、マンガン(III)、マンガン(IV)、マンガン(VII)、ニッケル(II)、ニッケル(III)、ニトロニウム、カリウム、ピリジニウム、銀、ナトリウム、ストロンチウム、スズ(II)、スズ(IV)、亜鉛、またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、アニオンは、酢酸塩、アミド、酒石酸塩、ホウ酸塩、ブロメート、臭化物、炭酸塩、塩素酸塩、塩化物、亜塩素酸塩、クロム酸塩、クエン酸塩、シアン酸塩、ジクロム酸塩、リン酸二水素、フッ化物、ギ酸塩、グルタミン酸塩、水素化物、炭酸水素塩、シュウ酸水素、リン酸水素、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、水酸化物、次亜臭素酸塩、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、窒化物、亜硝酸塩、シュウ酸塩、酸化物、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、過酸化物、リン酸塩、リン化物、亜リン酸塩、ピロリン酸塩、硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩、テルル化物、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、本発明の一実施形態によると、塩は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムであってもよい。
【0063】
酸は、当業者に既知のいずれかの好適な酸、例えば、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、カルボキシル酸、クエン酸、脂肪酸、葉酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0064】
[指紋識別表示]
本発明の一実施形態は、被験者、試験管理者、および/または1人以上の立会人等の試験に関連する個人の識別表示を提供するために、指紋パッドを含む。指紋パッドは、いずれかの好適な指紋方法論、例えば、制限されないが、インクベース、イムノアッセイベース、電子、半インク不使用、またはインク不使用を採用してもよい。本発明の一実施形態では、指紋パッドは、複数の指紋を回収することが可能であってもよく、例えば、複数の指紋パッドを有する、複数の指紋に対応する、十分なサイズの1つの指紋パッドを有する、または電子指紋パッドを有する。
【0065】
指紋パッドは、インクベースの指紋パッドであってもよい。本発明の一実施形態は、インクベースの指紋パッド内にシグナルを生じさせることができるインクを分注可能なディスペンサを含む。また、指紋パッドは、例えば、インクを必要としない、または被験者の皮膚上で透明に見え、例えば、被験者の手が擦り合わせられる際に、被験者の皮膚から容易に拭き取られる、もしくは容易に消える、活性剤と適合する、インク不使用または半インク不使用であってもよい。本発明の一実施形態によると、インク不使用指紋パッドは、例えば、全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2002年3月5日に発行された、Raouf A. Guirguisの米国特許第6,352,863号、(「特許第‘863号」)、および1993年9月14日に発行された、Raouf A. Guirguisの米国特許第5,244,815号、(「特許第‘815号」)に記載されるようなイムノアッセイベースであってもよい。イムノアッセイベースの指紋パッドは、試料受容部材と流体連通してもしなくてもよい。他の本発明の実施形態は、特許第‘863号および第‘815号に開示される実施形態の様々な特長を組み込んでもよい。シグナルを生じさせるための活性剤を必要とする、インク不使用または半インク不使用指紋パッドを有する、本発明の実施形態では、また、装置は、活性剤を分注するためのディスペンサを含む。本発明の一実施形態によると、指紋パッドは、指がそれに対して押し付けられる際に、汗、油、および/または皮膚細胞を収集することができる、吸収表面または接着表面等の表面を有してもよく、これは、指紋を明確に視覚化できるようにするために、さらなる処理を必要としてもよい。
【0066】
本発明の一実施形態によると、インク不使用指紋パッドは、制限されないが、光学走査指紋リーダ、または固体指紋リーダが挙げられる、電子指紋パッドであってもよい。本発明の一実施形態は、制限されないが、揮発性または不揮発性メモリ、例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光学ディスク、フラッシュメモリ、ホログラフィックメモリ、EEPROM、RAM、DRAM、SDRAM、またはSRAMが挙げられ、1つ以上の指紋を記憶するために指紋パッドに連結される、メモリ要素を含む。本発明の一実施形態によると、電子指紋パッドは、帯電された表面要素を有していてもよく、指表面の隆起部等の指表面と接触すると、表面の部分が放電され、指紋が、放電された要素のパターンで記録され、それによって指紋パターンが、それが作り出された後、例えば、制限されないが基地局などの外部デバイスと装置との接続によって、それが読み取られるまで表面内に安定して記憶され得る。本発明の一実施形態は、制限されないが、USB、IEEE1394、直列、並列、もしくはSCSIが挙げられる、接続を採用するために、例えば、配線、ケーブル、またはドッキングステーションもしくはドッキングコネクタを採用する、有線接続によって、または例えば、赤外線、RF、IEEE802.11、ブルートゥース、IEEE802.15、もしくはWi−Fiを採用する、無線接続によって、例えば、外部デバイスまたはネットワークに捕獲された指紋を送信する手段を含む。
【0067】
本発明の一実施形態では、カバーは、指紋取得パッドを包む。カバーは、例えば、制限されないが、タブおよびスロットコネクタ、ラッチ、バネラッチ、接着テープ、または安全テープが挙げられる、様々な機構を使用して固定されてもよい。カバーは、指紋取得の前、および/または指紋取得の後に固定されてもよい。
【0068】
図1〜図5は、本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスを描写する。被分析物スクリーニングデバイス10は、被験者から流体試料を回収するための流体コレクタ20と、流体試料を試験し、保有するための筐体30とを含む。筐体30は、開口部32を通して流体コレクタ20を受容するための回収チャンバ40と、少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、少なくとも1つの膜試験ストリップ51と、試験と関連する個人を正確に識別するためのイムノアッセイベースの指紋取得パッド60とを含む。回収チャンバ40は、膜試験ストリップ51およびイムノアッセイベースの指紋取得パッド60と流体連通している。
【0069】
さらに図1〜図5を参照すると、流体コレクタ20は、被験者から流体試料を受容し、流体試料が筐体30に移送されるまで、流体試料を一時的に貯蔵する。一般に、流体試料を取得し、貯蔵することができるいずれかの材料が使用され得る。スポンジ25は、流体試料を吸収し、一時的に貯蔵するために、流体コレクタ20の一方の端部に取り付けられる。スポンジ25は、唾液分泌物質で飽和されてもよい。流体試料が回収された後、流体コレクタ20は、開口部32を通して回収チャンバ40に挿入され、スポンジ25を、回収チャンバ40の下位部分42の底面に対して圧縮し、それによって取り込まれた流体を装置に放出することによって、流体試料が排出される。
【0070】
さらに図1〜図5を参照すると、流体コレクタ20は、中央シャフト22と、中央シャフト22の上端に配置されるディスク21と、中央シャフト22の下端に配置されるディスク24と、ディスク21の上面に取り付けられるハンドル23とを含む。ディスク21の直径は、ディスク24の直径よりわずかに大きい。さらに、封止リング28および29は、それぞれ、ディスク21および24の外周に取り付けられてもよい。一般に、ディスク21および24、ならびに封止リング28および29の寸法は、流体が開口部32を通って脱出するのを防止するために、回収チャンバ40の内部寸法と適合する。スポンジ25は、ディスク24の下面に取り付けられ、スポンジ25が圧縮下にある際に、回収チャンバ40の下位部分42内で放射膨張できるように、ディスク24より直径がわずかに小さくなるように寸法化される。
【0071】
さらに図1〜図5を参照すると、以下により詳細に記載されるように、流体コレクタ20は、流体コレクタ20が回収チャンバ40に所定の深さまで挿入された後、回収チャンバ40内に固定される。所望により、次いで、ハンドル23aは、ディスク21の上面から切断されてもよい。また、被分析物スクリーニングデバイス10は、窓36も含み、固定された流体コレクタ20は、これを通して見られてもよい。カバー37は、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60を包み、ヒンジ38によって筐体30に取り付けられる。カバー37は、被験者の指紋が取得された後、制限されないが、タブおよびスロット配設、または安全テープが挙げられる、様々な係止機構を使用して固定されてもよい。安全に保管された流体試料を使用して、さらなる確認試験が実施されてもよい。流体試料へのアクセスは、例えば、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60を単に取り外して、アダプタ61およびチューブ46を露出させることによって、針でイムノアッセイベースの指紋取得パッド60を穿刺して、アダプタ61およびチューブ46にアクセスすることによって、入手されてもよい。
【0072】
さらに図1〜図5を参照すると、膜試験ストリップ51を含む試験カートリッジ50は、開口部33を通して試験カートリッジチャンバ34に挿入されてもよい。有利に、被分析物の異なる組み合わせを試験するために、試験カートリッジ50の異なる変形が開発されてもよく、それによって、試験管理者が、試験現場で、適切な被分析物試験一式を選択できるようにする。試験カートリッジチャンバ34は、試験カートリッジ50を試験カートリッジチャンバ34内に固定し、それによって試験カートリッジ50が筐体30から外れるのを防止するための、係止機構35を含む。係止機構35は、試験カートリッジ50上に置かれる、対応する構造体と共働する。筐体30内の開口部または窓31は、もちろん、膜試験ストリップ51の試験領域および対照領域を含む、試験カートリッジ50の一部を見ることができるようにする。
【0073】
さらに図1〜図5を参照すると、それぞれの膜試験ストリップ51は、一般に、少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示す。制限されないが、例えば、コカイン(COC)、アンフェタミン(AMP)、メタンフェタミン(mAMP)、マリファナ(THC)、メタドン(MTD)、フェンシクリジン(PCP)、モルヒネ、バルビツール酸塩類、ベンゾジアゼピン類、またはアルコールが挙げられる、単一の薬物、または薬物群が、それぞれの膜試験ストリップ51によって示される。
【0074】
さらに図1〜図5を参照すると、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60は、多孔質支持体上に配設される、対照域および複数の反応域を有する、圧縮性、多孔質の反応媒体を含む。対照域は、流体試料提供者を識別する、対照試薬を含み、それぞれの反応域は、流体試料中の特定の被分析物の存在を判定する、反応試薬を含む。対照試薬は、所定のリガンド/受容体結合対の員を含む。同様に、それぞれの反応試薬は、所定のリガンド/受容体結合対の員を含む。対照域および反応域内で使用する様々なリガンド/受容体結合対は、特許第‘863号および特許第‘815号に記載される。
【0075】
さらに図1〜図5を参照すると、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60は、回収チャンバ40に流体連通される。多孔質支持体の上面または反応媒体の下面上に置かれるシグナル生成剤は、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60に提供される流体試料と混合する。試料を提供する人を識別する画像またはパターンの生成は、この免疫学的対の員がシグナル生成剤と結合し、指紋画像を作成するように、流体試料/シグナル生成剤混合物が反応媒体に浸透し、対照域のリガンド/受容体反応が起こるように、指先を反応媒体の上面に適用し、反応媒体を圧縮することによって達成される。同様に、流体試料中の特定の被分析物の存在または不在は、それぞれの特定の反応試薬と流体試料/シグナル生成剤混合物との反応によって、それぞれの反応域内に示される。
【0076】
さらに図1〜図5を参照すると、配管系は、回収チャンバ40を膜試験ストリップ51およびイムノアッセイベースの指紋取得パッド60に流体連通する。チューブ43は、回収チャンバ40の下位部分42をアダプタ44および試験カートリッジ流体リザーバ45に流体連通する。同様に、チューブ46は、回収チャンバ40の下位部分42を、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60の真下に置かれるアダプタ61に流体連通する。チューブ43および46は、回収チャンバ40の下位部分42に個々に接続されるように示されるが、また、他の構成も可能である。例えば、チューブ43は、回収チャンバ40の下位部分42への唯一の接続であってもよい。本実施例では、チューブ46をイムノアッセイベースの指紋取得パッド60に流体連通するために、チューブ43に「T」字型接続が組み込まれてもよい。代替として、必要とされる流体接続は、筐体30内に直接成形されてもよい。
【0077】
図6〜図8は、本発明の一実施形態による、流体回収および被分析物試験デバイスを描写する。被分析物スクリーニングデバイス100は、筐体30に直接取り付けられる、膜試験ストリップ151を含む。膜試験ストリップは、流体リザーバ145に連結される。制限されないが、例えば、コカイン(COC)、メタンフェタミン(mAMP)およびフェンシクリジン(PCP)(最左のストリップ)、マリファナ(THC)、アヘン剤およびアンフェタミン(AMP)(中央ストリップ)、ならびにメタドン(MTD)(最右ストリップ)が挙げられる、いくつかの被分析物は、それぞれの膜試験ストリップ151によって示される。認識される標準に加えて、陽性反応が生じる、つまり、膜試験ストリップの試験領域内に可視線のない、最低濃度レベルには、例えば、アンフェタミン(50ng/mL)、メタンフェタミン(50g/mL)、ベンゾイルエクゴニンおよびエクゴニンメチルエステルを含むコカイン代謝産物(20ng/mL)、モルヒネ、コデイン、およびヘロインを含むアヘン剤(40ng/mL)、マリファナ(THC COOH)(12ng/mL)、ならびにフェンシクリジン(10ng/mL)が挙げられ得る。筐体30内のいくつかの開口部または窓131は、膜試験ストリップ151の試験領域および対照領域を見えるようにする。
【0078】
さらに図6〜図8を参照すると、流体コレクタ20は、被験者から流体試料を受容し、流体試料が筐体30に移送されるまで、流体試料を一時的に貯蔵する。次いで、流体コレクタ20は、開口部32を通して回収チャンバ40に挿入され、流体試料は、スポンジ25を回収チャンバ40の下位部分42の底面に対して圧縮し、それによって取り込まれた流体をチューブ43および46に放出することによって、そこから抽出される。突出26は、ディスク21の上面から延在し、流体コレクタ20を回収チャンバ40内に固定するために、回収チャンバ40の内面上に置かれる環状突出46と共働する。
【0079】
図7〜図8を参照すると、流体コレクタ20が所定の距離挿入された後、突出26は、流体コレクタ20が回収チャンバ40から引き抜かれるのを防止するために、環状突出46を嵌合する。4つの突出が描写されるが、流体コレクタ20を回収チャンバ40内に効果的に固定するために、少なくとも2つが使用されるべきである。代替として、環状突出46は、流体コレクタ20を回収チャンバ40内に固定するために、ディスク21の封止リング28の上方に置かれる、突出する環状リング(図示せず)と共働してもよい。安全の追加手段として、ハンドル23aは、流体コレクタ20が環状突出46を嵌合した後、低強度の線27に沿って、流体コレクタ20から取り外されてもよい。ハンドル23を流体コレクタ20から取り外すのに、ねじり運動が望ましい場合、突出26のうちの1つ(またはそれ以上)を嵌合することによって、流体コレクタ20が回転するのを防止するために、1つ(またはそれ以上)のストップ47が、環状突出46の真下に置かれてもよい。
【0080】
図9を参照すると、被分析物スクリーニングデバイス200は、回収チャンバ40へのアクセスを可能にする、封止可能な開口部49を組み込む、窓37を含む。流体コレクタ20が回収チャンバ40内に固定される際に、封止可能な開口部49は、ディスク21とディスク24との間に形成される、確認チャンバ47へのアクセスを可能にする。通路48は、流体コレクタ20が回収チャンバ40に挿入される際に、流体試料の一部が確認チャンバ47に流れるようにするために、回収チャンバ40の下位部分42を確認チャンバ47に流体連通する。いったん流体コレクタ20が回収チャンバ40内に固定されると、流体試料の一部は、封止可能な開口部49を通して、確認サンプリングに使用可能である。
【0081】
さらに図9を参照すると、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60は、回収チャンバ40に流体連通されていない。代わりに、流体試料の一部は、例えば、ピペットを使用して、封止可能な開口部49を通して抽出され、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60の上面に適用される。シグナル生成剤は、人の指先に適用されるか、または、代替として、シグナル生成剤は、多孔質支持体の上面または反応媒体の下面上に置かれてもよい。次いで、シグナル生成剤は、イムノアッセイベースの指紋取得パッド60に提供される流体試料と混合する。試料を提供する人を識別する画像またはパターンの生成は、免疫学的対の員がシグナル生成剤と結合し、指紋画像を生成するように、流体試料が反応媒体に浸透し、所定のリガンド/受容体反応が起こるように、指先を反応媒体の上面に適用し、反応媒体を圧縮することによって達成される。同様に、流体試料中の特定の被分析物の存在または不在は、それぞれの特定の反応試薬の流体試料/シグナル生成剤混合物との反応によって、それぞれの反応域内に示される。
【0082】
図10を参照すると、流体コレクタ500は、被分析物試験デバイス400に取り付けられる、流体コレクタホルダー450内にある。流体コレクタ500は、上面513、閉鎖部材517および封止部材518を有する上位セグメント510と、シャフト540と、いくつかの側開口部561、下位開口部564、および下面562を有し、吸収材料550を含む、筐体560とを含む。被分析物試験デバイス400は、開放端部415を有する受容部材410と、膜試験ストリップ420と、膜試験ストリップを見るための窓430と、下位流体チャネル440と、上位流体チャネル445とを含む。
【0083】
図11を参照すると、流体試料が吸収材料550に吸収された後、流体コレクタ500は、受容部材410の開放端部415に挿入される。
【0084】
図12を参照すると、流体コレクタ500の上面513の圧縮は、閉鎖要素517を受容部材410の開放端部415内に座らせており、封止部材518は、封止を形成する。流体コレクタ500は、試験デバイス400に完全に挿入されており、吸収材料550は、圧縮要素545と筐体560の下面562との間で圧縮されており、開口部561を通して流体試料を排出している。流体試料は、下位チャネル440を通って流れ、膜試験ストリップ420の近位端421に遭遇し、毛管作用によって、膜試験ストリップ420の上端427に向かって上昇を開始する。いったん十分な量の流体試料が下位チャネル440に入ると、過剰な流体が上位チャネル445を通って流れ、吸収パッド、試料保有部材460に入るまで、流体レベルは上昇する。
【0085】
図13を参照すると、流体試料は、試料保有部材460に入るために上位チャネル445に流れる前に、下位チャネル440を充填する。試料保有部材460は、後部ドア470によって被覆される、指紋取得パッド480に固着される。
【0086】
図14を参照すると、指紋取得パッドは、閉鎖部材477によって閉鎖状態に保たれ、ヒンジ475によって画定される軸上で、開放位置に軸回転する、後部ドア470によって被覆される。
【0087】
図15を参照すると、流体試料が試料保有部材に入るために通って流れる、上位チャネル445の後面図を示すために、後部ドア、指紋取得パッド、および試料保有部材は隠されている。後部ドアの閉鎖部材は、ドアを閉鎖位置に固定するためのラッチ部材478と共働する。
【0088】
図16を参照すると、左および右のパネルは、それぞれ、流体コレクタ500の外観および断面図を示す。流体コレクタ500は、吸収材料550の圧縮が、バネ555の圧縮をもたらし、圧縮力の解放が、バネ555に吸収材料550が弛緩状態に戻るのを助長させ、流体試料を吸収材料550に引き込む吸引を引き起こすように、吸収材料550の圧縮の方向と同軸のバネ555を含む。
【0089】
図17を参照すると、流体コレクタを受容することができる尿カップ600は、流体試料が通って流れることができる、開口部625を有する、支持部材620の内部に通じる、開口部615を有する、蓋610と、流体コレクタと共働する、スロット627とを有する。
【0090】
図18を参照すると、流体試料コレクタ700は、開口部615を通して支持部材620の内部に挿入されており、流体試料コレクタの下端に配置されるタブ762は、スロット627と嵌合しており、それによって筐体760は、尿回収カップ600に対して回転するのを防止される。吸収材料750は、圧縮部材745と筐体の下面762との間で圧縮される。圧縮力が解放される際、吸収材料750と同軸のバネ755は、吸収材料750が弛緩状態に戻るのを助長し、流体試料を吸収材料750に引き込むのを助ける吸引を引き起こす。また、試料回収装置700は、それを通して圧縮力が吸収材料750に送達される、上面713を有する上位セグメント710と、閉鎖部材717と、封止部材718と、シャフト740とを含む。
【0091】
本発明は、その具体的な実施形態と併せて記載されてきたが、多くの代替、修正、および変形が当業者にとって明らかとなる。したがって、本明細書に説明される、本発明の好ましい実施形態は、説明のためのものであり、制限ではないことが意図される。本明細書に説明される、本発明の真の趣旨および完全な範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料を受容するための開口部を有する試料受容部材と、
前記流体試料の一部を保有するための、前記試料受容部材と流体連通する試料保有部材と、
前記流体試料中の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、前記試料受容部材と流体連通する少なくとも1つの膜試験ストリップと
を備える装置。
【請求項2】
前記流体試料を回収し、前記流体試料を前記試料受容部材に搬送するための流体コレクタをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体コレクタが、
前記流体試料を吸収するための吸収材料と、
前記吸収材料と動作可能に関連する圧縮部材と、
前記流体コレクタが前記試料受容部材に挿入される際に、前記試料受容部材の開放端部を封止可能な閉鎖部材と
を備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記閉鎖部材が、前記試料受容部材の前記開放端部に気密封止を作り出すことができる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記流体コレクタが前記試料受容部材に挿入された後、前記流体コレクタを前記試料受容部材内に固定するための手段をさらに備える請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記流体コレクタを前記試料受容部材内に固定するための前記手段が、前記試料受容部材内に少なくとも1つの環状突出を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記流体コレクタが、第1のディスクの上面に取り外し可能に取り付けられるハンドルをさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
唾液分泌物質をさらに備える請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記唾液分泌物質が、糖、塩、酸、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記唾液分泌物質が、塩化ナトリウム、クエン酸、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
指紋取得パッドをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記指紋取得パッドが、筐体に取り付けられたカバーによって包まれる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記指紋取得パッドが、インクベースの指紋取得パッドである、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記インクベースの指紋取得パッド内にシグナルを生じさせることができるインクを分注可能なディスペンサをさらに備える請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記指紋取得パッドが、インク不使用指紋取得パッドである、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記インク不使用指紋取得パッド内にシグナルを生じさせることができる活性剤を分注可能なディスペンサをさらに備える請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記インク不使用指紋取得パッドが、イムノアッセイベースの指紋取得パッドである、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記イムノアッセイベースの指紋取得パッドが、前記試料受容部材と流体連通している、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
チャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの間の流体連通と、前記試料受容部材と前記イムノアッセイベースの指紋取得パッドとの間の流体連通とを提供する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記イムノアッセイベースの指紋取得パッド内にシグナルを生じさせることができるシグナル生成剤を分注可能なディスペンサをさらに備える請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記指紋取得パッドが、電子指紋取得パッドである、請求項11に記載の装置。
【請求項22】
前記指紋取得パッドによって捕獲される指紋画像を保存するための手段をさらに備える請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記指紋画像を送信するための手段をさらに備える請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記送信が、無線送信である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記試料保有部材が、吸収材料を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項26】
複数の開口部を有する単一のチャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通と、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通とを提供する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記吸収材料が、前記指紋取得パッドに固着される、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記試料保有部材が、前記流体試料の貯蔵量を画定する貯蔵容器である、請求項11に記載の装置。
【請求項29】
前記貯蔵容器が、前記指紋取得パッドに固着される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記貯蔵容器が、前記装置に取り外し可能に取り付けられる、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記貯蔵容器が、その中に含まれる前記流体にアクセスするために、針で穿刺されてもよい、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通を提供し、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供する前記少なくとも1つのチャネルが、確実に前記流体試料の一部が前記試料保有部材内に回収されるようにするために、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通を提供する前記少なくとも1つのチャネルより大きな流動抵抗を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
水の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、水の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項34】
尿の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、尿の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
唾液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、唾液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
血液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記少なくとも1つの膜試験ストリップとの流体連通を提供し、血液の粘度を有する流体と適合するように寸法化された少なくとも1つのチャネルが、前記試料受容部材と前記試料保有部材との流体連通を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップのそれぞれが、
前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上、および少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する標識化された抗体を含む、前記膜試験ストリップの近位端に配置される色素領域と、
前記少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する抗体を含む、前記膜ストリップの遠位端に配置される対照領域と、
少なくとも1つの試験領域であって、前記少なくとも1つの試験領域のそれぞれが、前記膜試験ストリップ上の前記色素領域と前記対照領域との間に配置され、前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上に対して反応する前記抗体と結合可能な少なくとも1つの競合相手を含む少なくとも1つの試験領域と
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記試験領域が、前記流体試料中の被分析物の濃度が所定の閾値未満の際に、視覚指標を表示する、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記対照領域が、前記流体コレクタから受容される流体の第1の量が所定の閾値を超え、適切な膜吸上げが生じた際に、視覚指標を表示する、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記所定の閾値が、200マイクロリットルである、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップのそれぞれが、
前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上、および少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する標識化された抗体を含む、前記膜試験ストリップの近位端に配置される色素領域と、
前記少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する抗体を含む、前記膜ストリップの遠位端に配置される対照領域と、
少なくとも1つの試験領域であって、前記少なくとも1つの試験領域のそれぞれが、前記膜試験ストリップ上の前記色素領域と前記対照領域との間に配置され、前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上に対して反応する抗体を含む少なくとも1つの試験領域と
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
前記試験領域が、前記流体試料中の被分析物の濃度が所定の閾値を超える際に、視覚指標を表示する、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記対照領域が、前記流体コレクタから受容される流体の第1の量が所定の閾値を超え、適切な膜吸上げが生じた際に、視覚指標を表示する、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記所定の閾値が、200マイクロリットルである、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記流体試料中の前記少なくとも1つの被分析物が、アンフェタミン、メタンフェタミン、コカイン代謝産物、アヘン剤、THC−COOH、フェンシクリジン、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の装置。
【請求項46】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップの試験領域内の可視シグナルの不在が、被分析物が前記流体試料中に所定の閾値濃度を超えて存在しないことを示す、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップの試験領域内の可視シグナルの存在が、被分析物が前記流体試料中に所定の閾値濃度を超えて存在することを示す、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
流体試料を受容するための開口部を有する試料受容部材と、
前記流体試料を回収し、前記流体試料を前記試料受容部材に搬送するための流体コレクタと、
前記流体試料中の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、前記試料受容部材と流体連通する少なくとも1つの膜試験ストリップと、
指紋取得パッドと
を備える装置。
【請求項49】
前記流体試料の一部を保有するための、前記試料受容部材と流体連通する試料保有部材をさらに備える請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記試料保有部材が、吸収材料を備える、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記吸収材料が、前記指紋取得パッドに固着される、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
唾液分泌物質をさらに備える請求項48に記載の装置。
【請求項53】
前記流体コレクタが、
前記流体試料を吸収するための吸収材料と、
前記吸収材料と動作可能に関連する圧縮部材と、
前記流体コレクタが前記試料受容部材に挿入される際に、前記試料受容部材の開放端部を封止可能な閉鎖部材と
を備える、請求項48に記載の装置。
【請求項54】
前記指紋取得パッドが、筐体に取り付けられたカバーによって包まれる、請求項48に記載の装置。
【請求項55】
前記指紋取得パッドが、インクベースの指紋取得パッド、インク不使用指紋取得パッド、イムノアッセイベースの指紋取得パッド、および電子指紋取得パッドからなる群から選択される、請求項48に記載の装置。
【請求項56】
前記指紋取得パッド内にシグナルを生じさせることができる活性剤を分注可能なディスペンサをさらに備える、請求項48に記載の装置。
【請求項57】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップのそれぞれが、
前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上、および少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する標識化された抗体を含む、前記膜試験ストリップの近位端に配置される色素領域と、
前記少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する抗体を含む、前記膜ストリップの遠位端に配置される対照領域と、
少なくとも1つの試験領域であって、前記少なくとも1つの試験領域のそれぞれが、前記膜試験ストリップ上の前記色素領域と前記対照領域との間に配置され、前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上に対して反応する前記抗体と結合可能な少なくとも1つの競合相手を含む少なくとも1つの試験領域と
を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項58】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップの試験領域内の可視シグナルの不在が、被分析物が前記流体試料中に所定の閾値濃度を超えて存在しないことを示す、請求項48に記載の装置。
【請求項59】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップのそれぞれが、
前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上、および少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する標識化された抗体を含む、前記膜試験ストリップの近位端に配置される色素領域と、
前記少なくとも1つの標識化された対照タンパク質に対して反応する抗体を含む、前記膜ストリップの遠位端に配置される対照領域と、
少なくとも1つの試験領域であって、前記少なくとも1つの試験領域のそれぞれは、前記膜試験ストリップ上の前記色素領域と前記対照領域との間に配置され、前記少なくとも1つの被分析物のうちの1つ以上に対して反応する抗体を含む少なくとも1つの試験領域と
を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項60】
前記少なくとも1つの膜試験ストリップの試験領域内の可視シグナルの存在が、被分析物が、前記流体試料中に所定の閾値濃度を超えて存在することを示す、請求項48に記載の装置。
【請求項61】
流体回収装置であって、
流体試料を吸収するための吸収材料と、
前記吸収材料と動作可能に関連する圧縮部材と、
前記流体回収装置が前記試料受容部材に挿入される際に、試料受容部材の開放端部を封止可能な閉鎖部材と
を備える流体回収装置。
【請求項62】
流体容器に装着可能な蓋をさらに備え、前記吸収材料が、前記蓋の内側に配置される、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記閉鎖部材が、前記試料受容部材の前記開放端部に気密封止を作り出すことができる、請求項61に記載の装置。
【請求項64】
前記流体回収装置が、第1のディスクの上面に取り外し可能に取り付けられるハンドルをさらに備える、請求項61に記載の装置。
【請求項65】
唾液分泌物質をさらに備える請求項61に記載の装置。
【請求項66】
前記唾液分泌物質が、糖、塩、酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記唾液分泌物質が、塩化ナトリウム、クエン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記吸収材料の少なくとも一部を取り囲む筐体をさらに備える請求項61に記載の装置。
【請求項69】
前記筐体が、前記流体試料が前記吸収材料に入ることを可能にする少なくとも1つの開口部を画定する、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記筐体が、前記流体試料から微粒子を濾すことができる多孔質フィルタをさらに備える、請求項68に記載の装置。
【請求項71】
前記筐体が、前記圧縮部材に摺動可能に連結される、請求項68に記載の装置。
【請求項72】
前記吸収材料と動作可能に関連するバネであって、前記吸収材料が圧縮され、それによって前記吸収材料の圧縮が前記バネの圧縮をもたらす方向に配向されるバネをさらに備える請求項71に記載の装置。
【請求項73】
前記吸収材料が、前記圧縮部材と前記筐体との間で圧縮される、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記圧縮部材を、前記吸収材料が圧縮される位置に、前記筐体に対して固定するための手段をさらに備える請求項73に記載の装置。
【請求項75】
流体容器に装着可能な蓋をさらに備え、前記吸収材料が、前記蓋の内側に配置される、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
流体試料を回収し、前記流体試料を試料受容部材に搬送するための流体コレクタであって、
前記流体試料を吸収するための吸収材料と、
前記吸収材料と動作可能に関連する圧縮部材と、
前記流体コレクタが前記試料受容部材に挿入される際に、前記試料受容部材の開放端部を封止可能な閉鎖部材と
を備える流体コレクタと、
流体試料を受容するための開口部を有する試料受容部材と、
前記流体試料の一部を保有するための、前記試料受容部材と流体連通する試料保有部材と、
前記流体試料中の少なくとも1つの被分析物の存在または不在を示すための、前記試料受容部材と流体連通する少なくとも1つの膜試験ストリップと、
指紋取得パッドと
を備える、装置。
【請求項77】
流体試料を試験する方法であって、
流体試料を吸収材料内に回収するステップと、
前記吸収材料を装置の受容部材に搬送するステップと、
前記吸収材料を圧縮するステップであって、それによって、
前記流体試料が、前記吸収材料から前記装置内のチャネルに排出され、
前記流体試料が、1つ以上の被分析物のそれぞれの存在または不在を視覚的に示す、前記装置内の少なくとも1つの膜試験ストリップと遭遇し、
前記流体試料の一部が、前記装置の試料保有部材内に保有されるステップと、
前記試験に関連する個人の指を、前記装置と動作可能に関連する指紋取得パッドと接触させるステップであって、それによって指紋が回収されるステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2011−511948(P2011−511948A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546769(P2010−546769)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/000829
【国際公開番号】WO2009/102420
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(510219671)バイオテックファーマ・コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】